JP2004144847A - ホログラフィック情報記録装置及びホログラフィック情報記録方法、並びにホログラフィック情報再生装置及びホログラフィック情報再生方法 - Google Patents
ホログラフィック情報記録装置及びホログラフィック情報記録方法、並びにホログラフィック情報再生装置及びホログラフィック情報再生方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】光学系を簡素化し参照光及び信号光を制御可能とする。
【解決手段】単一波長で干渉性のよいレーザ光91を出射するレーザ光源11と、このレーザ光91を拡大するビームエクスパンダ12と、拡大したレーザ光91を図1中Z方向のみに絞り込むレンズ13と、レーザ光91を変調する空間変調器(GLV)14と、変調されたレーザ光をホログラフィック情報記録媒体16に導くフーリエ変換レンズ15とを光軸に沿って入力側からこの順に配列する。制御部18において、GLV14のGLVピクセル毎に反射レーザ光の位相を変更するように制御することで、参照光と信号光に相当するレーザ光を得、且つこの両レーザ光を逐次変更しながらホログラフィック情報記録を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】単一波長で干渉性のよいレーザ光91を出射するレーザ光源11と、このレーザ光91を拡大するビームエクスパンダ12と、拡大したレーザ光91を図1中Z方向のみに絞り込むレンズ13と、レーザ光91を変調する空間変調器(GLV)14と、変調されたレーザ光をホログラフィック情報記録媒体16に導くフーリエ変換レンズ15とを光軸に沿って入力側からこの順に配列する。制御部18において、GLV14のGLVピクセル毎に反射レーザ光の位相を変更するように制御することで、参照光と信号光に相当するレーザ光を得、且つこの両レーザ光を逐次変更しながらホログラフィック情報記録を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラフィック情報記録装置及びその方法に関し、特に、参照光を得るための光学系を持たないホログラフィック情報記録装置及びその方法、並びに複数の読み取り光を切り換えることができるホログラフィック情報再生方法及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録媒体にホログラフィック情報記録によってデータを多重記録する技術がある。このようなホログラフィック情報記録では、ホログラフィックステレオグラムを記録する場合と同様、レーザ光を空間変調器に入射させ、この空間変調器で反射した、若しくはこれを透過することで変調された光を記録信号光とし、この空間変調器を経由しない別の光路から導入したレーザ光を参照光とし、これらがホログラフィック情報記録媒体上で重ね合わされて生じる干渉パターンを記録する(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、レーザ光源で生成されたレーザ光をハーフミラーにて分光し、分光したレーザ光の一方をレンズにて絞った後、ホログラフィック情報記録媒体に投射する。他方のレーザ光を記録すべきデータに合わせ、各画素を透過状態、遮蔽状態に設定した2次元液晶(例えば、1000×1000画素を有する。)セルを透過させた上でホログラフィック情報記録媒体に投射する。このとき、ホログラフィック情報記録媒体に投射される光を参照光、記録するデータを含む光を信号光といい、参照光が照射されているホログラフィック情報記録媒体上の位置に合わせて信号光を投射するときに生じる干渉縞をホログラフィック情報記録媒体に記録している。
【0004】
従来のホログラフィック情報記録を、図9を用いて説明する。ホログラフィック情報記録装置100は、単一波長で干渉性のよいレーザ光L201を出射するレーザ光源101と、このレーザ光L201を拡大する凹レンズ102と、拡大されたレーザ光L201を平行光にするレンズ103と、レーザ光L201を信号光L202と参照光L203とに分離するハーフミラー104と、信号光L202の光学系と、参照光の光学系とを備えている。
【0005】
信号光L202の光学系としては、レーザ光L201に記録用の情報をもたせるための空間変調器105と、ミラー106と、この信号光L202をホログラフィック情報記録媒体110に導くレンズ107があり、これらが光軸に沿ってその入力側からそれぞれ順次配列されている。空間変調器105は、例えば、透過型の液晶セルを有する液晶パネルであり、レンズ107の前に配置され、レーザ光L201から分光された光を変調し記録用のデータを含む信号光L202を得ている。また、参照光L203の光学系として、参照光L203をホログラフィック情報記録媒体110に導くコリメータレンズ108を有する。
【0006】
また、ホログラフィック情報記録媒体に記録されたホログラフィデータを再生する再生装置を図10に示す。ホログラフィック情報再生装置120は、ホログラフィック情報記録媒体110に記録された干渉縞により生じる入射レーザ光の回折光を検出するディテクタ121を備えており、記録時の参照光L203と光学的に等価なレーザ光を再生参照光L211としてホログラフィック情報記録媒体110に照射すると、ホログラフィック情報記録媒体110内の干渉縞により生じる回折光がディテクタ121に照射される。この場合、ディテクタ121には2次元液晶の明暗パターンが再現される。これを電気信号として取り出してデータを再生する。ディテクタ121としては、例えば、CCD(Charge−Coupled
Device)が用いられている。
【0007】
空間変調器は、ホログラフィック情報記録装置だけでなく、例えば、表示装置にも用いられる。液晶パネルやDMD(Digital MicromirroDevice)等は、表示装置用途として一般的である。表示装置の空間変調器として液晶パネルを用いた場合、入射した光の大部分がカラーフィルタや画素間のフレームによって吸収や反射されてしまい、高い輝度を得るためには大出力の光源を用いる必要があった。これにより、消費電力が増大してしまうといった問題点もあった。そこで、表示装置では、液晶パネルの各画素(ピクセル)に入射される光を色分解するために回折格子(グレーティング)を用いる手法(例えば、非特許文献2参照。)、或いは色分解するために回折型光学素子を用いる手法(例えば、非特許文献3参照。)が提案されてきた。
【0008】
また、マイクロマシンによって自在に駆動できる回折格子の研究開発も進められている。例えば、このような回折格子を、表示画像に応じて投影する光を位相変調する空間変調器として用いる手法がある(例えば、特許文献1参照。)。このように、空間変調器として用いられるマイクロマシン型の回折格子は、一般にグレーティングライトバルブ(Grating Light Valve:GLV)と称されている。このGLVは、従来から空間変調器として用いられる液晶パネルと比較して高速で動作できる等の利点を有する。
【0009】
【特許文献1】
米国特許5311360号明細書
【非特許文献1】
Alstair M.Glass and Mark J.Cardillo,”Holographic Data Storage”,p.22,Fig.1
【非特許文献2】
Applied Optics,Vol.38,7193,1999
【非特許文献3】
Applied Optics,Vol.38,7104,1999
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のホログラフィック情報記録方式では、参照光と信号光とを得るための光学系が複雑化するため、振動や温度変化等の影響を受け易いという欠点があった。また、分波器等からなる複雑な光学系では、各レンズやミラーの調整が難しく、参照光及び信号光を可変とするような構成を実現することは困難であった。また、安定した記録特性を維持することが難しかった。
【0011】
そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、光学系を簡素化するとともに参照光及び信号光を制御可能とし、振動や温度変化といった外的因子等に対して安定したホログラフィック情報記録特性を有するホログラフィック情報記録装置及び方法、並びにホログラフィック情報再生装置及び方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係るホログラフィック情報記録装置は、レーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光を入射し、入射したレーザ光を変調する変調手段と、変調手段で変調されて得られる1つの光と他の光とをホログラフィック情報記録媒体表面に集光する集光手段とを備える。
【0013】
ここで、変調手段は、入射したレーザ光を選択透過或いは回折するための光学セルを複数個有しており、光学セルのうち少なくとも1つの光学セルで参照光に相当する光を生成しこの光学セル以外のセルで信号光を生成するように変調手段を制御する変調制御手段を設ける。また、位相変調型回折格子は、変調手段として好適である。
【0014】
変調制御手段は、参照光を生成する光学セルを選択し、このセルに対する信号光を生成するための光学セルを順番に、或いは順不同に選択する。また、参照光用に隣接するセルを信号光用セルとして選択しないようにもできる。また、ここで用いられる光学セルは、m×n個(但し、m,nは、0を除く正の整数とする。)の2次元配列を有している。また、m又はn=1である1次元配列であってもよい。変調制御手段は、このm×n個に配列された光学セルの互いに隣接するk×l個(但し、k、lは、0を除く正の整数、且つk<m,l<nである。)からなるセル集合を参照光用の1信号セルとして選択し、該セル集合以外の光学セルを信号光用セルとしてもよい。
【0015】
また、本発明に係るホログラフィック情報記録方法は、レーザ光源からのレーザ光を入射する入射工程と、入射したレーザ光を変調する変調工程と、変調工程で変調されて得られる1つの光と他の光とをホログラフィック情報記録媒体表面に集光する集光工程とを有する。
【0016】
ここで、変調工程には、複数個の光学セルのうち少なくとも1つの光学セルにおいて入射したレーザ光を選択透過或いは回折させることによって参照光に相当する光を生成し、この光学セル以外のセルで信号光を生成する変調制御工程が含まれる。
【0017】
変調制御工程では、参照光を生成する光学セルを選択し、このセルに対する信号光を生成するための光学セルを順番に、或いは順不同に選択する。また、参照光用に隣接するセルを信号光用セルとして選択しないようにもできる。
【0018】
また、本発明に係るホログラフィック情報再生装置は、レーザ光源と、レーザ光源からのレーザ光を入射し、該レーザ光から記録時に参照光として用いた一の光を変調して得る変調手段と、この一の光をホログラフィック情報記録媒体表面に集光する集光手段と、ホログラフィック情報記録媒体表面にて回折された回折光を検出する検出手段とを備える。
【0019】
変調手段は、入射したレーザ光を選択透過或いは回折するための光学セルを複数個有し、複数個の光学セルから少なくとも1つの光学セルを選択し参照光に相当する光を生成する変調制御手段を備える。光学セルは、m×n個(但し、m,nは、0を除く正の整数とする。)の2次元配列、或いはm又はn=1の1次元配列を有する。位相変調型回折格子は、変調手段として好適である。
【0020】
変調制御手段は、互いに隣接するk×l個(但し、k、lは、0を除く正の整数、且つk<m,l<nである。)からなるセル集合を参照光用の1信号セルとして選択する。
【0021】
更に、本発明に係るホログラフィック情報再生方法は、レーザ光源と、レーザ光源からのレーザ光を入射し、このレーザ光から記録時に参照光として用いた一の光を変調して得る変調工程と、一の光をホログラフィック情報記録媒体表面に集光する集光工程と、ホログラフィック情報記録媒体表面にて回折された回折光を検出する検出工程とを有する。
【0022】
変調工程では、複数個の光学セルのうち少なくとも1つの光学セルにおいて入射したレーザ光を選択透過或いは回折させることによって参照光に相当する光を生成する変調制御工程が含まれる。光学セルは、m×n個(但し、m,nは、0を除く正の整数とする。)の2次元配列、或いはm又はn=1の1次元配列を有する。また、変調工程では、入射したレーザ光を位相変調することが好ましい。
【0023】
変調制御工程では、互いに隣接するk×l個(但し、k、lは、0を除く正の整数、且つk<m,l<nである。)からなるセル集合を参照光用の1信号セルとして選択する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の具体例として示すホログラフィック情報記録装置は、入射したレーザ光を選択透過或いは回折するための光学セルを複数個有する変調手段と、光学セルのうち少なくとも1つの光学セルで参照光に相当する光を生成しこの光学セル以外のセルで信号光を生成するように変調手段を制御する変調制御手段とを設けることによって、参照光と信号光とで別々の光路を用意することなくホログラフィック情報記録を可能としたものである。
【0025】
以下、本発明の具体例について、図面を参照して詳細に説明する。具体例として示すホログラフィック情報記録装置1は、図1に示すように、単一波長で干渉性のよいレーザ光91を出射するレーザ光源11と、このレーザ光91を拡大するビームエクスパンダ12と、拡大されたレーザ光91を図中Z方向のみに絞り込むシリンドリカルレンズ13と、レーザ光91を変調する空間変調器14と、変調されたレーザ光をホログラフィック情報記録媒体16に導くフーリエ変換レンズ15とを備えており、これらが光軸に沿ってその入力側からそれぞれこの順に配列されている。フーリエ変換レンズ15を通過したレーザ光91は、ピンホール17により整光され、ホログラフィック情報記録媒体16上に照射される。また、ホログラフィック情報記録装置1は、上述した光学系のほかに、レーザ光源11や空間変調器14といった各構成を統括して制御する制御部18を備える。
【0026】
本具体例では、空間変調器14として、GLV(Grating Light Valve)を用いる。以下、空間変調器をGLVと表記する。GLV14の基本構成を図2乃至図4を用いて説明する。GLV14は、位相変調型回折格子であって、図2に示した1ユニットが図3(a)、図3(b)に示すように1次元或いはm×n個の2次元に配列されている。本具体例では、1088個のGLVピクセルが1次元配列されてなるGLVを用いる。
【0027】
各ユニットは、図2及び図4に示すように、シリコン基板21上に酸化皮膜層22、タングステン層23が積層された基板本体の表面にアルミニウム薄層24で覆われた圧電素子であるシリコン窒化物25よりなる複数のリボン26a〜26fが並設されている。これら各層は、各種の半導体製造技術によって形成されている。リボン26の表面は、反射性のよいアルミニウム薄層24で覆われているため、入射された光(レーザ光)を効率よく反射する。なお、この1ユニットを、以下GLVピクセルと表記する。
【0028】
この1GLVピクセルは、通常6本のリボンを有しており、このうち1本おきの3本が電気信号を与えることで自在に上昇又は下降する可動リボン、これ以外が固定リボンとなっている。図4(a)は、可動自在のリボンが引っ張り力によってシリコン基板21の表面から持ち上がりエアギャップ27をつくる様子を示している。このとき、6本のリボン表面は、同一平面を形成する。また、図4(b)は、シリコン基板21の表面に引き寄せられる様子を示している。このとき、6本のリボンが1本おきに沈み込んで回折格子を形成する。GLVピクセルは、可動リボン26b,26d,26fの表面で反射するレーザ光の位相と、固定リボン26a,26c,26eの表面で反射するレーザ光の位相との差が0又はλ/4になるようにデジタル的に制御すること、或いは0〜λ/4の間でアナログ的に制御することが可能である。
【0029】
仮に、レーザ光91がこのGLV14に対して垂直に入射した場合を考える。6本のリボンが図4(a)のように同一平面を形成していれば、レーザ光91はそのまま垂直に反射する。このときリボン表面における反射光の波面W0は、図4(a)に破線で示すようになっている。
【0030】
一方、リボンが1本おきに下がっていれば(図4(b))、垂直に反射する0次光のほかに、回折により±1次光が発生する。このときリボン表面における0次光の波面W0は、図4(b)に破線で示すようになっており、±1次光の波面W±1は、実線で示すようになっている。2次以上の回折光も発生しているが、この強度は無視できる程度に小さい。
【0031】
このように、GLV14は、入射した光の反射光の位相を各GLVピクセル毎に変更できる。そこで、本具体例では、このGLV14を空間変調器として用いて、あるGLVピクセルにおける反射レーザ光を従来のホログラフィック記録における参照光に相当する光とし、別のGLVピクセルにおける反射レーザ光を信号光として扱うことによってホログラフィック情報記録を可能としている。
【0032】
上述したような構成を備えるホログラフィック情報記録装置1では、レーザ光源11からのレーザ光は、ビームエクスパンダ12により必要なビーム径に拡大される。その後、GLV14のリボン領域に効率よく照射するためにシリンドリカルレンズ13を通過して平行光とされ、GLVのリボンが並ぶ方向と直行する方向に絞り込まれる。GLVのリボン表面で反射したレーザ光は、フーリエ変換レンズ15を通過してホログラフィック情報記録媒体16上に照射される。
【0033】
図5に、図1のGLV以降の光学系を拡大して示す。図5は、図1に表す空間と図1右上部付近に示すxyz軸で対応している。すなわち、図5では、レーザ光源11からのレーザ光91は、紙面奥から紙面表面に向かって進行し、GLV14に対して45°で入射する。反射光は、紙面に平行な方向に進路を変更して紙面上を下方に進行し、記録媒体16に照射される。
【0034】
複数のGLVピクセル(本具体例では1088個)からの反射光の各々は、1GLVピクセルの幅とレーザ光源の波長とで決定される「広がり」を持つビームとなる。このビームは、フーリエ変換レンズ15を介して記録媒体16上に照射される。
【0035】
記録媒体16上では、各GLVピクセルにおける反射光の0次光と±1次回折光は、それぞれ異なる場所に集光される。しかし、データを記録する際に必要となる光は0次光のみであるため、各GLVピクセルで生じる±1次光は、レンズ焦点近傍に配置されたピンホール17により除かれる。図5では図示の便宜上、0次光のみ表示し、ピンホール17は省略している。
【0036】
各GLVピクセルからの0次光は、GLVにおける位置に応じて記録媒体16への入射角が異なる。この角度θは、GLV中央のGLVピクセル[P0]からの位置をPn、フーリエ変換レンズの焦点距離をfとして、以下の式によって求めることができる。
【0037】
【0038】
sinθ=Pn/f
Pn=n×Dp(n=0,±1,±2,・・・)
・・・・(1)
【0039】
上式において、Dpは、GLVピクセルのサイズである。本具体例で用いたレーザ光とGLVの各パラメータは、GLV長が27mm(P0〜max=13.5mm)であり、レンズ焦点距離fが100mmであり、レーザ光波長λ=0.532μm、GLVピクセルサイズd=25μmである。
【0040】
図5を用いて、GLVピクセル[P0]からの反射光を参照光とし、GLVピクセル[Pk]からの反射光を信号光とする場合と、GLVピクセル[P0]からの反射光を参照光とし、GLVピクセル[Pl]からの反射光を信号光とする場合とを説明する。
【0041】
ホログラフィック情報記録では、参照光の光学的強度が記録光の強度よりも大きい必要がある。そこで、GLVピクセル[P0]において反射されるレーザ光が他のGLVピクセルからの反射光より強くなるようにそれぞれのGLVピクセルへの印加電圧を調整する。また、[P0]以外のGLVピクセルからの反射光が、[P0]からの反射光(参照光)とほぼ同じ場所に重なり合うようにする。このとき、[P0]からの反射光と他のGLVピクセルからの反射光とで生じる干渉縞を所定の記録領域Rにホログラフィック情報として記録する。ここで、記録領域Rとは、フーリエ変換レンズ15のレンズ焦点距離とGLVピクセルのサイズによって決まる領域である。図5において、記録領域Rの厚み方向に示されたW0は[P0]からの反射光の波面を表し、Wkは[Pk]からの反射光の波面を表し、Wlは[Pl]からの反射光の波面を表している。
【0042】
ホログラフィック情報記録装置1では、制御部18によって、あるGLVピクセルからの反射光が参照光となるようにGLV14を制御するとともに、別のGLVピクセルにおける反射光に情報を持たせるようにGLV14を制御している。
【0043】
例えば、参照光に相当する反射光を得るGLVピクセルを固定し、このGLVピクセル以外のGLVピクセルで、信号光に相当する反射光を得るGLVピクセルを順次変更すれば、複数の情報記録が可能である。また、記録の際、参照光に相当する反射光を得るGLVピクセルを順次変更して異なる情報の記録に対応することもできる。更に、これらの記録方法を組み合わせることもできる。また、情報記録の際のGLVピクセル制御としては、このほかに、良好な位相差、光学的強度差を得るために、参照光に相当する反射光を得るGLVピクセルに隣接するピクセルは、信号光用ピクセルとして選択しないように制御したり、右半分([P0〜n])のGLVピクセルからの反射光が信号光となるようにし、左半分([P−n〜0])のGLVピクセルからの反射光が参照光となるように制御することが挙げられる。
【0044】
このように、ホログラフィック情報記録装置1は、一記録単位となる所定領域(記録領域R)中に上述した記録方法による記録を適用すれば、所定領域中に複数の情報を多重化して記録できる。
【0045】
また、GLVが、m×n個(但し、m,nは、0を除く正の整数とする。)の2次元配列を有する場合(図3)、GLVピクセルの複数集合を1単位として参照光又は信号光に相当する反射光を得るように制御することもできる。具体的には、図6に示すように、k×l個列のGVLピクセル集合を参照光を得るための1単位[PR]として選択し、この集合以外のピクセルから信号光を得るためのピクセル集合[PA],[PB],[PC]を選択する。このとき、参照光を得るピクセル集合及び信号光を得るピクセル集合の選択方法としては、上述の1次元配列の場合と同様に、種々の組み合わせが可能である。例えば、記録の際、ある参照光に相当する反射光を得るGLVピクセル集合に対して信号光を得るGLVピクセル集合を順番に或いは順不同に変更したり、参照光を得るGLVピクセル集合自体を変更することができる。
【0046】
続いて、上述したホログラフィック情報記録装置1によって記録媒体に記録された情報を読み取るためのホログラフィック情報再生装置について説明する。
【0047】
図7に、ホログラフィック情報再生装置2の再生光学系の構成を示す。ホログラフィック情報再生装置2は、単一波長で干渉性のよいレーザ光92を出射するレーザ光源31と、このレーザ光92を拡大するビームエクスパンダ32と、拡大されたレーザ光92をz方向のみにレンズ33と、レーザ光92を変調する空間変調器34と、変調されたレーザ光をホログラフィック情報記録媒体16に導くフーリエ変換レンズ35とを備えており、これらが光軸に沿ってその入力側からそれぞれこの順に配列されている。フーリエ変換レンズ35を通過したレーザ光92は、ピンホール36により整光され、記録媒体16上に照射される。また、上述した光学系のほかに、レーザ光源31や空間変調器34といった各構成を統括制御する制御部37を備えている。このように、参照光として用いたレーザ光を得る構成は、ホログラフィック情報記録装置1と同一とすることができる。
【0048】
ホログラフィック情報再生装置2では、図7に示すように、ホログラフィック情報記録媒体16に平行光(P0における0次光に相当する。)を照射し、透過された回折光をフーリエ変換レンズ38を通してアレイセンサ39上に結像して読み取る。フーリエ変換レンズ35とアレイセンサ39は、ホログラフィック情報記録媒体16を挟んで鏡像位置になるように配置する。
【0049】
本具体例では、空間変調器34として、GLV(Grating Light Valve)を用いるが、これは、上述した記録装置1のGLVにおいて制御された参照光を再現するに最適だからである。アレイセンサ39は、ホログラフィック情報記録媒体16の所定領域で多重記録された情報を検出する。
【0050】
図8にホログラフィック情報再生装置2のホログラフィック情報記録媒体16以降の光学系を拡大して示す。図8は、図7に表す空間と図8右上部付近に示すxyz軸で対応している。
【0051】
上述のように、ホログラフィック情報記録装置1は、参照光を得るGLVピクセルと信号光を得るGLVピクセルの選択のしかたによって異なる情報記録が可能である。したがって、GLVにおける参照光を得るGLVピクセル、信号光を得るGLVピクセルの選択のしかたを暗号情報とすることもできる。
【0052】
図5を用いて説明すれば、参照光に相当する反射光を得るためのGLVピクセルを順次変更して多重記録する場合、参照光を得るGLVピクセル及び残るGLVピクセルの中から信号光を得るためのGLVピクセルの選択のしかたは自由である。しかし、上述したように、ここに記録された情報をホログラフィック情報再生装置において読み出す場合には、情報を記録したときに用いた参照光に対応する平行光を照射しなくては記録した情報を読み出すことができない。
【0053】
すなわち、この参照光を得るために使用したGLVピクセルの選び方が判らなくては、記録した情報を抽出することはできないことになる。
【0054】
なお、本発明は、上述した具体例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、空間変調器としては、GLVだけでなく液晶パネルやDMD(Digital MicromirroDevice)を用いることもできる。液晶パネルやDMDを用いた場合、入射レーザ光を集光することがないため、空間変調器の直前にシリンドリカルレンズを設ける必要はない。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るホログラフィック情報記録装置及び方法によれば、入射したレーザ光を選択透過或いは回折するための光学セルを複数個有し、この光学セルのうち少なくとも1つの光学セルで参照光に相当する光を生成しこの光学セル以外のセルで信号光を生成するように制御することにより、光学系が簡素化できるとともに、参照光及び信号光が制御可能になる。また、振動や温度変化といった外的因子に対して安定したホログラフィック情報記録特性が得られる。そのうえ、参照光或いは信号光に相当する光を反射する光学セルが電気信号により自由に選択・制御可能であるため、この光学セルの選択のしかたを暗号キーとした暗号記録が行えるという更なる効果が得られる。
【0056】
また、本発明に係るホログラフィック情報再生装置及び方法によれば、入射したレーザ光を選択透過或いは回折するための光学セルを複数個有し、この光学セルのうち少なくとも1つの光学セルで参照光に相当する光を生成することにより、光学系が簡素化できるとともに、複数の参照光で記録された情報を再生できる。また、振動や温度変化といった外的因子に対して安定したホログラフィック情報再生特性が得られる。そのうえ、参照光に相当する光を反射する光学セルが電気信号により自由に選択・制御可能であるため、この光学セルの選択のしかたを暗号キーとした暗号記録に対応した読み取りが行えるという更なる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例として示すホログラフィック情報記録装置を説明する構成図である。
【図2】GLVを構成する1GLVピクセルの外観概略を説明する斜視図である。
【図3】(a)は、GLVピクセルが1次元配列されたGLVの外観概略図であり、(b)は、GLVピクセルがk×m個の2次元配列されたGLVの外観概略図である。
【図4】(a)は、GLVピクセルの可動リボンが持ち上がった状態を説明する断面図であり、(b)は、可動リボンが基板側に吸い寄せられて下降した状態を説明する断面図である。
【図5】上記ホログラフィック情報記録装置のGLV以降の光学系を拡大して示す要部拡大図である。
【図6】m×n個の2次元配列を有するGLVにおいて、GLVピクセルの複数集合を1単位として参照光又は信号光に相当する反射光を得るように制御する場合を説明する図である。
【図7】ホログラフィック情報再生装置を説明する構成図である。
【図8】ホログラフィック情報再生装置におけるホログラフィック情報記録媒体以降の光学系を拡大して示す図である。
【図9】従来のホログラフィック情報記録装置の一例を説明する構成図である。
【図10】従来のホログラフィック情報再生装置の一例を説明する構成図である。
【符号の説明】
1 ホログラフィック情報記録装置、11 レーザ光源、12 ビームエクスパンダ、13 シリンドリカルレンズ、14 GLV(空間変調器)、15 フーリエ変換レンズ、16 ホログラフィック情報記録媒体、17 ピンホール、18 制御部、21 シリコン基板、22 酸化皮膜層、23 タングステン層、24 アルミニウム薄層、25 シリコン窒化物、26 リボン、27 エアギャップ、36 アレイセンサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラフィック情報記録装置及びその方法に関し、特に、参照光を得るための光学系を持たないホログラフィック情報記録装置及びその方法、並びに複数の読み取り光を切り換えることができるホログラフィック情報再生方法及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、記録媒体にホログラフィック情報記録によってデータを多重記録する技術がある。このようなホログラフィック情報記録では、ホログラフィックステレオグラムを記録する場合と同様、レーザ光を空間変調器に入射させ、この空間変調器で反射した、若しくはこれを透過することで変調された光を記録信号光とし、この空間変調器を経由しない別の光路から導入したレーザ光を参照光とし、これらがホログラフィック情報記録媒体上で重ね合わされて生じる干渉パターンを記録する(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、レーザ光源で生成されたレーザ光をハーフミラーにて分光し、分光したレーザ光の一方をレンズにて絞った後、ホログラフィック情報記録媒体に投射する。他方のレーザ光を記録すべきデータに合わせ、各画素を透過状態、遮蔽状態に設定した2次元液晶(例えば、1000×1000画素を有する。)セルを透過させた上でホログラフィック情報記録媒体に投射する。このとき、ホログラフィック情報記録媒体に投射される光を参照光、記録するデータを含む光を信号光といい、参照光が照射されているホログラフィック情報記録媒体上の位置に合わせて信号光を投射するときに生じる干渉縞をホログラフィック情報記録媒体に記録している。
【0004】
従来のホログラフィック情報記録を、図9を用いて説明する。ホログラフィック情報記録装置100は、単一波長で干渉性のよいレーザ光L201を出射するレーザ光源101と、このレーザ光L201を拡大する凹レンズ102と、拡大されたレーザ光L201を平行光にするレンズ103と、レーザ光L201を信号光L202と参照光L203とに分離するハーフミラー104と、信号光L202の光学系と、参照光の光学系とを備えている。
【0005】
信号光L202の光学系としては、レーザ光L201に記録用の情報をもたせるための空間変調器105と、ミラー106と、この信号光L202をホログラフィック情報記録媒体110に導くレンズ107があり、これらが光軸に沿ってその入力側からそれぞれ順次配列されている。空間変調器105は、例えば、透過型の液晶セルを有する液晶パネルであり、レンズ107の前に配置され、レーザ光L201から分光された光を変調し記録用のデータを含む信号光L202を得ている。また、参照光L203の光学系として、参照光L203をホログラフィック情報記録媒体110に導くコリメータレンズ108を有する。
【0006】
また、ホログラフィック情報記録媒体に記録されたホログラフィデータを再生する再生装置を図10に示す。ホログラフィック情報再生装置120は、ホログラフィック情報記録媒体110に記録された干渉縞により生じる入射レーザ光の回折光を検出するディテクタ121を備えており、記録時の参照光L203と光学的に等価なレーザ光を再生参照光L211としてホログラフィック情報記録媒体110に照射すると、ホログラフィック情報記録媒体110内の干渉縞により生じる回折光がディテクタ121に照射される。この場合、ディテクタ121には2次元液晶の明暗パターンが再現される。これを電気信号として取り出してデータを再生する。ディテクタ121としては、例えば、CCD(Charge−Coupled
Device)が用いられている。
【0007】
空間変調器は、ホログラフィック情報記録装置だけでなく、例えば、表示装置にも用いられる。液晶パネルやDMD(Digital MicromirroDevice)等は、表示装置用途として一般的である。表示装置の空間変調器として液晶パネルを用いた場合、入射した光の大部分がカラーフィルタや画素間のフレームによって吸収や反射されてしまい、高い輝度を得るためには大出力の光源を用いる必要があった。これにより、消費電力が増大してしまうといった問題点もあった。そこで、表示装置では、液晶パネルの各画素(ピクセル)に入射される光を色分解するために回折格子(グレーティング)を用いる手法(例えば、非特許文献2参照。)、或いは色分解するために回折型光学素子を用いる手法(例えば、非特許文献3参照。)が提案されてきた。
【0008】
また、マイクロマシンによって自在に駆動できる回折格子の研究開発も進められている。例えば、このような回折格子を、表示画像に応じて投影する光を位相変調する空間変調器として用いる手法がある(例えば、特許文献1参照。)。このように、空間変調器として用いられるマイクロマシン型の回折格子は、一般にグレーティングライトバルブ(Grating Light Valve:GLV)と称されている。このGLVは、従来から空間変調器として用いられる液晶パネルと比較して高速で動作できる等の利点を有する。
【0009】
【特許文献1】
米国特許5311360号明細書
【非特許文献1】
Alstair M.Glass and Mark J.Cardillo,”Holographic Data Storage”,p.22,Fig.1
【非特許文献2】
Applied Optics,Vol.38,7193,1999
【非特許文献3】
Applied Optics,Vol.38,7104,1999
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のホログラフィック情報記録方式では、参照光と信号光とを得るための光学系が複雑化するため、振動や温度変化等の影響を受け易いという欠点があった。また、分波器等からなる複雑な光学系では、各レンズやミラーの調整が難しく、参照光及び信号光を可変とするような構成を実現することは困難であった。また、安定した記録特性を維持することが難しかった。
【0011】
そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、光学系を簡素化するとともに参照光及び信号光を制御可能とし、振動や温度変化といった外的因子等に対して安定したホログラフィック情報記録特性を有するホログラフィック情報記録装置及び方法、並びにホログラフィック情報再生装置及び方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係るホログラフィック情報記録装置は、レーザ光源と、このレーザ光源からのレーザ光を入射し、入射したレーザ光を変調する変調手段と、変調手段で変調されて得られる1つの光と他の光とをホログラフィック情報記録媒体表面に集光する集光手段とを備える。
【0013】
ここで、変調手段は、入射したレーザ光を選択透過或いは回折するための光学セルを複数個有しており、光学セルのうち少なくとも1つの光学セルで参照光に相当する光を生成しこの光学セル以外のセルで信号光を生成するように変調手段を制御する変調制御手段を設ける。また、位相変調型回折格子は、変調手段として好適である。
【0014】
変調制御手段は、参照光を生成する光学セルを選択し、このセルに対する信号光を生成するための光学セルを順番に、或いは順不同に選択する。また、参照光用に隣接するセルを信号光用セルとして選択しないようにもできる。また、ここで用いられる光学セルは、m×n個(但し、m,nは、0を除く正の整数とする。)の2次元配列を有している。また、m又はn=1である1次元配列であってもよい。変調制御手段は、このm×n個に配列された光学セルの互いに隣接するk×l個(但し、k、lは、0を除く正の整数、且つk<m,l<nである。)からなるセル集合を参照光用の1信号セルとして選択し、該セル集合以外の光学セルを信号光用セルとしてもよい。
【0015】
また、本発明に係るホログラフィック情報記録方法は、レーザ光源からのレーザ光を入射する入射工程と、入射したレーザ光を変調する変調工程と、変調工程で変調されて得られる1つの光と他の光とをホログラフィック情報記録媒体表面に集光する集光工程とを有する。
【0016】
ここで、変調工程には、複数個の光学セルのうち少なくとも1つの光学セルにおいて入射したレーザ光を選択透過或いは回折させることによって参照光に相当する光を生成し、この光学セル以外のセルで信号光を生成する変調制御工程が含まれる。
【0017】
変調制御工程では、参照光を生成する光学セルを選択し、このセルに対する信号光を生成するための光学セルを順番に、或いは順不同に選択する。また、参照光用に隣接するセルを信号光用セルとして選択しないようにもできる。
【0018】
また、本発明に係るホログラフィック情報再生装置は、レーザ光源と、レーザ光源からのレーザ光を入射し、該レーザ光から記録時に参照光として用いた一の光を変調して得る変調手段と、この一の光をホログラフィック情報記録媒体表面に集光する集光手段と、ホログラフィック情報記録媒体表面にて回折された回折光を検出する検出手段とを備える。
【0019】
変調手段は、入射したレーザ光を選択透過或いは回折するための光学セルを複数個有し、複数個の光学セルから少なくとも1つの光学セルを選択し参照光に相当する光を生成する変調制御手段を備える。光学セルは、m×n個(但し、m,nは、0を除く正の整数とする。)の2次元配列、或いはm又はn=1の1次元配列を有する。位相変調型回折格子は、変調手段として好適である。
【0020】
変調制御手段は、互いに隣接するk×l個(但し、k、lは、0を除く正の整数、且つk<m,l<nである。)からなるセル集合を参照光用の1信号セルとして選択する。
【0021】
更に、本発明に係るホログラフィック情報再生方法は、レーザ光源と、レーザ光源からのレーザ光を入射し、このレーザ光から記録時に参照光として用いた一の光を変調して得る変調工程と、一の光をホログラフィック情報記録媒体表面に集光する集光工程と、ホログラフィック情報記録媒体表面にて回折された回折光を検出する検出工程とを有する。
【0022】
変調工程では、複数個の光学セルのうち少なくとも1つの光学セルにおいて入射したレーザ光を選択透過或いは回折させることによって参照光に相当する光を生成する変調制御工程が含まれる。光学セルは、m×n個(但し、m,nは、0を除く正の整数とする。)の2次元配列、或いはm又はn=1の1次元配列を有する。また、変調工程では、入射したレーザ光を位相変調することが好ましい。
【0023】
変調制御工程では、互いに隣接するk×l個(但し、k、lは、0を除く正の整数、且つk<m,l<nである。)からなるセル集合を参照光用の1信号セルとして選択する。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の具体例として示すホログラフィック情報記録装置は、入射したレーザ光を選択透過或いは回折するための光学セルを複数個有する変調手段と、光学セルのうち少なくとも1つの光学セルで参照光に相当する光を生成しこの光学セル以外のセルで信号光を生成するように変調手段を制御する変調制御手段とを設けることによって、参照光と信号光とで別々の光路を用意することなくホログラフィック情報記録を可能としたものである。
【0025】
以下、本発明の具体例について、図面を参照して詳細に説明する。具体例として示すホログラフィック情報記録装置1は、図1に示すように、単一波長で干渉性のよいレーザ光91を出射するレーザ光源11と、このレーザ光91を拡大するビームエクスパンダ12と、拡大されたレーザ光91を図中Z方向のみに絞り込むシリンドリカルレンズ13と、レーザ光91を変調する空間変調器14と、変調されたレーザ光をホログラフィック情報記録媒体16に導くフーリエ変換レンズ15とを備えており、これらが光軸に沿ってその入力側からそれぞれこの順に配列されている。フーリエ変換レンズ15を通過したレーザ光91は、ピンホール17により整光され、ホログラフィック情報記録媒体16上に照射される。また、ホログラフィック情報記録装置1は、上述した光学系のほかに、レーザ光源11や空間変調器14といった各構成を統括して制御する制御部18を備える。
【0026】
本具体例では、空間変調器14として、GLV(Grating Light Valve)を用いる。以下、空間変調器をGLVと表記する。GLV14の基本構成を図2乃至図4を用いて説明する。GLV14は、位相変調型回折格子であって、図2に示した1ユニットが図3(a)、図3(b)に示すように1次元或いはm×n個の2次元に配列されている。本具体例では、1088個のGLVピクセルが1次元配列されてなるGLVを用いる。
【0027】
各ユニットは、図2及び図4に示すように、シリコン基板21上に酸化皮膜層22、タングステン層23が積層された基板本体の表面にアルミニウム薄層24で覆われた圧電素子であるシリコン窒化物25よりなる複数のリボン26a〜26fが並設されている。これら各層は、各種の半導体製造技術によって形成されている。リボン26の表面は、反射性のよいアルミニウム薄層24で覆われているため、入射された光(レーザ光)を効率よく反射する。なお、この1ユニットを、以下GLVピクセルと表記する。
【0028】
この1GLVピクセルは、通常6本のリボンを有しており、このうち1本おきの3本が電気信号を与えることで自在に上昇又は下降する可動リボン、これ以外が固定リボンとなっている。図4(a)は、可動自在のリボンが引っ張り力によってシリコン基板21の表面から持ち上がりエアギャップ27をつくる様子を示している。このとき、6本のリボン表面は、同一平面を形成する。また、図4(b)は、シリコン基板21の表面に引き寄せられる様子を示している。このとき、6本のリボンが1本おきに沈み込んで回折格子を形成する。GLVピクセルは、可動リボン26b,26d,26fの表面で反射するレーザ光の位相と、固定リボン26a,26c,26eの表面で反射するレーザ光の位相との差が0又はλ/4になるようにデジタル的に制御すること、或いは0〜λ/4の間でアナログ的に制御することが可能である。
【0029】
仮に、レーザ光91がこのGLV14に対して垂直に入射した場合を考える。6本のリボンが図4(a)のように同一平面を形成していれば、レーザ光91はそのまま垂直に反射する。このときリボン表面における反射光の波面W0は、図4(a)に破線で示すようになっている。
【0030】
一方、リボンが1本おきに下がっていれば(図4(b))、垂直に反射する0次光のほかに、回折により±1次光が発生する。このときリボン表面における0次光の波面W0は、図4(b)に破線で示すようになっており、±1次光の波面W±1は、実線で示すようになっている。2次以上の回折光も発生しているが、この強度は無視できる程度に小さい。
【0031】
このように、GLV14は、入射した光の反射光の位相を各GLVピクセル毎に変更できる。そこで、本具体例では、このGLV14を空間変調器として用いて、あるGLVピクセルにおける反射レーザ光を従来のホログラフィック記録における参照光に相当する光とし、別のGLVピクセルにおける反射レーザ光を信号光として扱うことによってホログラフィック情報記録を可能としている。
【0032】
上述したような構成を備えるホログラフィック情報記録装置1では、レーザ光源11からのレーザ光は、ビームエクスパンダ12により必要なビーム径に拡大される。その後、GLV14のリボン領域に効率よく照射するためにシリンドリカルレンズ13を通過して平行光とされ、GLVのリボンが並ぶ方向と直行する方向に絞り込まれる。GLVのリボン表面で反射したレーザ光は、フーリエ変換レンズ15を通過してホログラフィック情報記録媒体16上に照射される。
【0033】
図5に、図1のGLV以降の光学系を拡大して示す。図5は、図1に表す空間と図1右上部付近に示すxyz軸で対応している。すなわち、図5では、レーザ光源11からのレーザ光91は、紙面奥から紙面表面に向かって進行し、GLV14に対して45°で入射する。反射光は、紙面に平行な方向に進路を変更して紙面上を下方に進行し、記録媒体16に照射される。
【0034】
複数のGLVピクセル(本具体例では1088個)からの反射光の各々は、1GLVピクセルの幅とレーザ光源の波長とで決定される「広がり」を持つビームとなる。このビームは、フーリエ変換レンズ15を介して記録媒体16上に照射される。
【0035】
記録媒体16上では、各GLVピクセルにおける反射光の0次光と±1次回折光は、それぞれ異なる場所に集光される。しかし、データを記録する際に必要となる光は0次光のみであるため、各GLVピクセルで生じる±1次光は、レンズ焦点近傍に配置されたピンホール17により除かれる。図5では図示の便宜上、0次光のみ表示し、ピンホール17は省略している。
【0036】
各GLVピクセルからの0次光は、GLVにおける位置に応じて記録媒体16への入射角が異なる。この角度θは、GLV中央のGLVピクセル[P0]からの位置をPn、フーリエ変換レンズの焦点距離をfとして、以下の式によって求めることができる。
【0037】
【0038】
sinθ=Pn/f
Pn=n×Dp(n=0,±1,±2,・・・)
・・・・(1)
【0039】
上式において、Dpは、GLVピクセルのサイズである。本具体例で用いたレーザ光とGLVの各パラメータは、GLV長が27mm(P0〜max=13.5mm)であり、レンズ焦点距離fが100mmであり、レーザ光波長λ=0.532μm、GLVピクセルサイズd=25μmである。
【0040】
図5を用いて、GLVピクセル[P0]からの反射光を参照光とし、GLVピクセル[Pk]からの反射光を信号光とする場合と、GLVピクセル[P0]からの反射光を参照光とし、GLVピクセル[Pl]からの反射光を信号光とする場合とを説明する。
【0041】
ホログラフィック情報記録では、参照光の光学的強度が記録光の強度よりも大きい必要がある。そこで、GLVピクセル[P0]において反射されるレーザ光が他のGLVピクセルからの反射光より強くなるようにそれぞれのGLVピクセルへの印加電圧を調整する。また、[P0]以外のGLVピクセルからの反射光が、[P0]からの反射光(参照光)とほぼ同じ場所に重なり合うようにする。このとき、[P0]からの反射光と他のGLVピクセルからの反射光とで生じる干渉縞を所定の記録領域Rにホログラフィック情報として記録する。ここで、記録領域Rとは、フーリエ変換レンズ15のレンズ焦点距離とGLVピクセルのサイズによって決まる領域である。図5において、記録領域Rの厚み方向に示されたW0は[P0]からの反射光の波面を表し、Wkは[Pk]からの反射光の波面を表し、Wlは[Pl]からの反射光の波面を表している。
【0042】
ホログラフィック情報記録装置1では、制御部18によって、あるGLVピクセルからの反射光が参照光となるようにGLV14を制御するとともに、別のGLVピクセルにおける反射光に情報を持たせるようにGLV14を制御している。
【0043】
例えば、参照光に相当する反射光を得るGLVピクセルを固定し、このGLVピクセル以外のGLVピクセルで、信号光に相当する反射光を得るGLVピクセルを順次変更すれば、複数の情報記録が可能である。また、記録の際、参照光に相当する反射光を得るGLVピクセルを順次変更して異なる情報の記録に対応することもできる。更に、これらの記録方法を組み合わせることもできる。また、情報記録の際のGLVピクセル制御としては、このほかに、良好な位相差、光学的強度差を得るために、参照光に相当する反射光を得るGLVピクセルに隣接するピクセルは、信号光用ピクセルとして選択しないように制御したり、右半分([P0〜n])のGLVピクセルからの反射光が信号光となるようにし、左半分([P−n〜0])のGLVピクセルからの反射光が参照光となるように制御することが挙げられる。
【0044】
このように、ホログラフィック情報記録装置1は、一記録単位となる所定領域(記録領域R)中に上述した記録方法による記録を適用すれば、所定領域中に複数の情報を多重化して記録できる。
【0045】
また、GLVが、m×n個(但し、m,nは、0を除く正の整数とする。)の2次元配列を有する場合(図3)、GLVピクセルの複数集合を1単位として参照光又は信号光に相当する反射光を得るように制御することもできる。具体的には、図6に示すように、k×l個列のGVLピクセル集合を参照光を得るための1単位[PR]として選択し、この集合以外のピクセルから信号光を得るためのピクセル集合[PA],[PB],[PC]を選択する。このとき、参照光を得るピクセル集合及び信号光を得るピクセル集合の選択方法としては、上述の1次元配列の場合と同様に、種々の組み合わせが可能である。例えば、記録の際、ある参照光に相当する反射光を得るGLVピクセル集合に対して信号光を得るGLVピクセル集合を順番に或いは順不同に変更したり、参照光を得るGLVピクセル集合自体を変更することができる。
【0046】
続いて、上述したホログラフィック情報記録装置1によって記録媒体に記録された情報を読み取るためのホログラフィック情報再生装置について説明する。
【0047】
図7に、ホログラフィック情報再生装置2の再生光学系の構成を示す。ホログラフィック情報再生装置2は、単一波長で干渉性のよいレーザ光92を出射するレーザ光源31と、このレーザ光92を拡大するビームエクスパンダ32と、拡大されたレーザ光92をz方向のみにレンズ33と、レーザ光92を変調する空間変調器34と、変調されたレーザ光をホログラフィック情報記録媒体16に導くフーリエ変換レンズ35とを備えており、これらが光軸に沿ってその入力側からそれぞれこの順に配列されている。フーリエ変換レンズ35を通過したレーザ光92は、ピンホール36により整光され、記録媒体16上に照射される。また、上述した光学系のほかに、レーザ光源31や空間変調器34といった各構成を統括制御する制御部37を備えている。このように、参照光として用いたレーザ光を得る構成は、ホログラフィック情報記録装置1と同一とすることができる。
【0048】
ホログラフィック情報再生装置2では、図7に示すように、ホログラフィック情報記録媒体16に平行光(P0における0次光に相当する。)を照射し、透過された回折光をフーリエ変換レンズ38を通してアレイセンサ39上に結像して読み取る。フーリエ変換レンズ35とアレイセンサ39は、ホログラフィック情報記録媒体16を挟んで鏡像位置になるように配置する。
【0049】
本具体例では、空間変調器34として、GLV(Grating Light Valve)を用いるが、これは、上述した記録装置1のGLVにおいて制御された参照光を再現するに最適だからである。アレイセンサ39は、ホログラフィック情報記録媒体16の所定領域で多重記録された情報を検出する。
【0050】
図8にホログラフィック情報再生装置2のホログラフィック情報記録媒体16以降の光学系を拡大して示す。図8は、図7に表す空間と図8右上部付近に示すxyz軸で対応している。
【0051】
上述のように、ホログラフィック情報記録装置1は、参照光を得るGLVピクセルと信号光を得るGLVピクセルの選択のしかたによって異なる情報記録が可能である。したがって、GLVにおける参照光を得るGLVピクセル、信号光を得るGLVピクセルの選択のしかたを暗号情報とすることもできる。
【0052】
図5を用いて説明すれば、参照光に相当する反射光を得るためのGLVピクセルを順次変更して多重記録する場合、参照光を得るGLVピクセル及び残るGLVピクセルの中から信号光を得るためのGLVピクセルの選択のしかたは自由である。しかし、上述したように、ここに記録された情報をホログラフィック情報再生装置において読み出す場合には、情報を記録したときに用いた参照光に対応する平行光を照射しなくては記録した情報を読み出すことができない。
【0053】
すなわち、この参照光を得るために使用したGLVピクセルの選び方が判らなくては、記録した情報を抽出することはできないことになる。
【0054】
なお、本発明は、上述した具体例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、空間変調器としては、GLVだけでなく液晶パネルやDMD(Digital MicromirroDevice)を用いることもできる。液晶パネルやDMDを用いた場合、入射レーザ光を集光することがないため、空間変調器の直前にシリンドリカルレンズを設ける必要はない。
【0055】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るホログラフィック情報記録装置及び方法によれば、入射したレーザ光を選択透過或いは回折するための光学セルを複数個有し、この光学セルのうち少なくとも1つの光学セルで参照光に相当する光を生成しこの光学セル以外のセルで信号光を生成するように制御することにより、光学系が簡素化できるとともに、参照光及び信号光が制御可能になる。また、振動や温度変化といった外的因子に対して安定したホログラフィック情報記録特性が得られる。そのうえ、参照光或いは信号光に相当する光を反射する光学セルが電気信号により自由に選択・制御可能であるため、この光学セルの選択のしかたを暗号キーとした暗号記録が行えるという更なる効果が得られる。
【0056】
また、本発明に係るホログラフィック情報再生装置及び方法によれば、入射したレーザ光を選択透過或いは回折するための光学セルを複数個有し、この光学セルのうち少なくとも1つの光学セルで参照光に相当する光を生成することにより、光学系が簡素化できるとともに、複数の参照光で記録された情報を再生できる。また、振動や温度変化といった外的因子に対して安定したホログラフィック情報再生特性が得られる。そのうえ、参照光に相当する光を反射する光学セルが電気信号により自由に選択・制御可能であるため、この光学セルの選択のしかたを暗号キーとした暗号記録に対応した読み取りが行えるという更なる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例として示すホログラフィック情報記録装置を説明する構成図である。
【図2】GLVを構成する1GLVピクセルの外観概略を説明する斜視図である。
【図3】(a)は、GLVピクセルが1次元配列されたGLVの外観概略図であり、(b)は、GLVピクセルがk×m個の2次元配列されたGLVの外観概略図である。
【図4】(a)は、GLVピクセルの可動リボンが持ち上がった状態を説明する断面図であり、(b)は、可動リボンが基板側に吸い寄せられて下降した状態を説明する断面図である。
【図5】上記ホログラフィック情報記録装置のGLV以降の光学系を拡大して示す要部拡大図である。
【図6】m×n個の2次元配列を有するGLVにおいて、GLVピクセルの複数集合を1単位として参照光又は信号光に相当する反射光を得るように制御する場合を説明する図である。
【図7】ホログラフィック情報再生装置を説明する構成図である。
【図8】ホログラフィック情報再生装置におけるホログラフィック情報記録媒体以降の光学系を拡大して示す図である。
【図9】従来のホログラフィック情報記録装置の一例を説明する構成図である。
【図10】従来のホログラフィック情報再生装置の一例を説明する構成図である。
【符号の説明】
1 ホログラフィック情報記録装置、11 レーザ光源、12 ビームエクスパンダ、13 シリンドリカルレンズ、14 GLV(空間変調器)、15 フーリエ変換レンズ、16 ホログラフィック情報記録媒体、17 ピンホール、18 制御部、21 シリコン基板、22 酸化皮膜層、23 タングステン層、24 アルミニウム薄層、25 シリコン窒化物、26 リボン、27 エアギャップ、36 アレイセンサ
Claims (34)
- レーザ光源と、
上記レーザ光源からのレーザ光を入射し、該入射したレーザ光を変調する変調手段と、
上記変調手段で変調されて得られる1つの光と他の光とをホログラフィック情報記録媒体表面に集光する集光手段と
を備えるホログラフィック情報記録装置。 - 上記変調手段は、上記入射したレーザ光を選択透過或いは回折するための光学セルを複数個有し、
上記光学セルのうち少なくとも1つの光学セルで参照光に相当する光を生成し、該光学セル以外のセルで信号光を生成する変調制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載のホログラフィック情報記録装置。 - 上記変調制御手段は、参照光を生成する光学セルを選択し、このセルに対する信号光を生成するための光学セルを順番に選択することを特徴とする請求項2記載のホログラフィック情報記録装置。
- 上記変調制御手段は、参照光を生成する光学セルを選択し、このセルに対する信号光を生成する光学セルを順不同に選択することを特徴とする請求項2記載のホログラフィック情報記録装置。
- 上記変調制御手段は、上記参照光用に隣接するセルを信号光用セルとして選択しないことを特徴とする請求項1記載のホログラフィック情報記録装置。
- 上記光学セルは、m×n個(但し、m,nは、0を除く正の整数とする。)の2次元配列を有することを特徴とする請求項1記載のホログラフィック情報記録装置。
- 上記光学セルは、m又はn=1の1次元配列を有することを特徴とする請求項6記載のホログラフィック情報記録装置。
- 上記変調制御手段は、互いに隣接するk×l個(但し、k、lは、0を除く正の整数、且つk<m,l<nである。)からなるセル集合を参照光用の1信号セルとして選択し、該セル集合以外の光学セルを信号光用セルとすることを特徴とする請求項6記載のホログラフィック情報記録装置。
- 上記変調制御手段は、上記セル集合に対する信号光を生成するための光学セルを順番に選択することを特徴とする請求項8記載のホログラフィック情報記録装置。
- 上記変調制御手段は、参照光を生成するための光学セルを選択し、このセルに対する信号光を生成するための光学セルを順不同に選択することを特徴とする請求項8記載のホログラフィック情報記録装置。
- 上記変調手段は、位相変調型回折格子であることを特徴とする請求項1記載のホログラフィック情報記録装置。
- レーザ光源からのレーザ光を入射する入射工程と、
上記入射したレーザ光を変調する変調工程と、
上記変調工程で変調されて得られる1つの光と他の光とをホログラフィック情報記録媒体表面に集光する集光工程と
を有するホログラフィック情報記録方法。 - 上記変調工程には、
複数個の光学セルのうち少なくとも1つの光学セルにおいて上記入射したレーザ光を選択透過或いは回折させることによって参照光に相当する光を生成し、上記光学セル以外のセルで信号光を生成する変調制御工程が含まれることを特徴とする請求項12記載のホログラフィック情報記録方法。 - 上記変調制御工程では、参照光を生成する光学セルを選択し、このセルに対する信号光を生成するための光学セルを順番に選択することを特徴とする請求項13記載のホログラフィック情報記録方法。
- 上記変調制御工程では、参照光を生成する光学セルを選択し、このセルに対する信号光を生成する光学セルを順不同に選択することを特徴とする請求項13記載のホログラフィック情報記録方法。
- 上記変調制御工程では、上記参照光用に隣接するセルを信号光用セルとして選択しないことを特徴とする請求項12記載のホログラフィック情報記録方法。
- 上記光学セルは、m×n個(但し、m,nは、0を除く正の整数とする。)の2次元配列を有することを特徴とする請求項12記載のホログラフィック情報記録方法。
- 上記光学セルは、m又はn=1の1次元配列を有することを特徴とする請求項17記載のホログラフィック情報記録方法。
- 上記変調制御工程では、互いに隣接するk×l個(但し、k、lは、0を除く正の整数、且つk<m,l<nである。)からなるセル集合を参照光用の1信号セルとして選択し、該セル集合以外の光学セルを信号光用セルとすることを特徴とする請求項17記載のホログラフィック情報記録方法。
- 上記変調制御工程では、上記セル集合に対する信号光を生成するための光学セルを順番に選択することを特徴とする請求項19記載のホログラフィック情報記録方法。
- 上記変調制御工程では、参照光を生成するための光学セルを選択し、このセルに対する信号光を生成するための光学セルを順不同に選択することを特徴とする請求項19記載のホログラフィック情報記録方法。
- 上記変調工程では、入射されるレーザ光を位相変調することを特徴とする請求項12記載のホログラフィック情報記録方法。
- レーザ光源と、
上記レーザ光源からのレーザ光を入射し、該レーザ光から記録時に参照光として用いた一の光を変調して得る変調手段と、
上記一の光をホログラフィック情報記録媒体表面に集光する集光手段と、
上記ホログラフィック情報記録媒体表面にて回折された回折光を検出する検出手段と
を備えるホログラフィック情報再生装置。 - 上記変調手段は、上記入射したレーザ光を選択透過或いは回折するための光学セルを複数個有し、
上記複数個の光学セルから少なくとも1つの光学セルを選択し参照光に相当する光を生成する変調制御手段を備えることを特徴とする請求項23記載のホログラフィック情報再生装置。 - 上記光学セルは、m×n個(但し、m,nは、0を除く正の整数とする。)の2次元配列を有することを特徴とする請求項23記載のホログラフィック情報再生装置。
- 上記光学セルは、m又はn=1の1次元配列を有することを特徴とする請求項25記載のホログラフィック情報再生装置。
- 上記変調制御手段は、互いに隣接するk×l個(但し、k、lは、0を除く正の整数、且つk<m,l<nである。)からなるセル集合を参照光用の1信号セルとして選択することを特徴とする請求項25記載のホログラフィック情報再生装置。
- 上記変調手段は、位相変調型回折格子であることを特徴とする請求項23記載のホログラフィック情報再生装置。
- レーザ光源と、
上記レーザ光源からのレーザ光を入射し、該レーザ光から記録時に参照光として用いた一の光を変調して得る変調工程と、
上記一の光をホログラフィック情報記録媒体表面に集光する集光工程と、
上記ホログラフィック情報記録媒体表面にて回折された回折光を検出する検出工程と
を備えるホログラフィック情報再生方法。 - 上記変調工程には、
複数個の光学セルのうち少なくとも1つの光学セルにおいて上記入射したレーザ光を選択透過或いは回折させることによって参照光に相当する光を生成する変調制御工程が含まれることを特徴とする請求項29記載のホログラフィック情報再生方法。 - 上記光学セルは、m×n個(但し、m,nは、0を除く正の整数とする。)の2次元配列を有することを特徴とする請求項29記載のホログラフィック情報再生方法。
- 上記光学セルは、m又はn=1の1次元配列を有することを特徴とする請求項31記載のホログラフィック情報再生方法。
- 上記変調制御工程では、互いに隣接するk×l個(但し、k、lは、0を除く正の整数、且つk<m,l<nである。)からなるセル集合を参照光用の1信号セルとして選択することを特徴とする請求項31記載のホログラフィック情報再生方法。
- 上記変調工程では、入射されるレーザ光を位相変調することを特徴とする請求項29記載のホログラフィック情報再生方法。
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