JP2005037453A - ホログラム記録方法及びホログラム記録装置 - Google Patents

ホログラム記録方法及びホログラム記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ホログラム記録において、信号光の情報を欠落させることなく、高密度記録を実現する。
【解決手段】信号光の記録媒体上での強度分布に対応した領域に参照光を照射してホログラムを記録する。例えば、信号光の強度分布と略同じ強度分布を有する参照光を生成し、実質的な信号光の照射領域(信号光デフォーカス領域)と略同じ領域にのみ参照光を照射する。こうすることで、必要な領域だけを露光することができ、余計な領域を露光することが無くなる。従って、信号光の情報を欠落させることなくホログラムを記録することができ、高密度記録を実現することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラム記録方法及びホログラム記録装置に係り、特に、高密度でホログラム記録するホログラム記録方法及びホログラム記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代のコンピュータファイルメモリとして、3次元的記録領域に由来する大容量性と2次元一括記録再生方式に由来する高速性を兼ね備えたホログラムメモリが注目されている。ホログラムメモリでは、同一体積内に多重させて複数のデータページを記録することができ、かつページ毎にデータを一括して読み出すことができる。アナログ画像ではなく、二値のデジタルデータ「0,1」を「明、暗」としてデジタル化し、ホログラムとして記録・再生することによって、デジタルデータの記録・再生も可能となる。最近では、このデジタルホログラムメモリシステムの具体的な光学系や体積多重記録方式に基づくS/Nやビット誤り率評価、または2次元符号化についての提案がなされ、光学系の収差の影響など、より光学的な観点からの研究も進展している。
【0003】
図12を参照して、体積多重記録方式の一例であるシフト多重記録方式について説明する(非特許文献1参照)。シフト多重記録方式では、信号光131と同時にホログラム記録媒体135に照射する参照光132として球面波を用いるとともに、ホログラム記録媒体135をディスク形状とし、ディスク135の回転によって同じ領域に複数のホログラムを重ね書きする。例えば、ビーム径を1.5mmφとすると、ディスク135を数十μm移動させるだけで、略同じ領域に別のホログラムをクロストークを生じることなく記録することができる。これは、参照光132が球面波であるため、ディスク135の移動によって参照光132の角度が変化したのと等価になることを利用したものである。
【0004】
この球面参照波シフト多重記録の移動距離、すなわち互いのホログラムを独立に分離できる距離δは、上記文献にも示されているように、下記式(1)で与えられる。
【0005】
【数2】
Figure 2005037453
【0006】
ここで、λは信号光の波長、zoは球面参照波を形成する対物レンズと記録媒体との距離、Lは記録媒体の膜厚、θsは信号光と球面参照波の交差角、NAは上記対物レンズの開口数である。この式(1)から分かるように、記録媒体の膜厚Lが大きいほど、シフト量δが小さくなって、多重度を増すことができ、記録容量を増大させることができる。
【0007】
また、シフト多重記録方式で、より効果的に記録容量の増大を図るには、記録領域を微小化すればよい。微小領域に多重記録することによって、より高密度の体積多重記録を実現することができる。この目的のために、ホログラムメモリシステムでは、信号光をレンズによってフーリエ変換して記録媒体に照射する。これによって、信号光の画像が細かいピッチ(高い空間周波数)を有する場合、記録媒体面で信号光はフランフォーファ回折し、その回折像の広がりζは下記式(2)で表される。
【0008】
【数3】
Figure 2005037453
【0009】
ここで、kは比例定数、λは信号光の波長、fはフーリエ変換用のレンズの焦点距離、ωは信号光の空間周波数である。
【0010】
従って、フーリエ変換用のレンズとして焦点距離fが小さいものを用いれば、記録領域の微小化が可能である。このことは、例えば、「ホログラフィ」(電子通信学会)第7章にも示されている。また、フーリエ変換像のうち、データ再生に最低限必要なフーリエ変換成分のみを記録することにより、記録領域を小さくする技術が本出願人により提案されている(特許文献1)。
【0011】
更に、ランダム位相マスクを参照光の光路に配置することで、シフト多重記録を行うPhase correlation multiplexing(位相相関多重)方法が知られている(特許文献2)。この方法では、記録されたホログラムのブラッグ条件は関係なく、参照光の波面の複雑さを利用する。波面の自己相関関数が極端に小さいような参照光を利用することで、記録媒体を微小量シフト(〜10μm)させて異なるホログラムを多重記録することができる。即ち、記録容量の増大を図ることができる。また、この位相相関多重で使用するランダム位相の参照光を、ホログラフィック光学要素(HOE)により生成する技術(特許文献3)や、スキップソートな多重化方法(特許文献4)も提案されている。
【0012】
【非特許文献1】
D.Psaltis, M.Levene, A.Pu, G.Barbastathis and K.Curtis; Opt.Lett. 20 (1995) p782
【特許文献1】
特開2000−66565号公報
【特許文献2】
米国特許第5,719,691号明細書
【特許文献3】
特開2001−060394号公報
【特許文献4】
特開2002−040908号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図1に示すように、フーリエ変換像はその焦点面で無限の広がりを有している。このため、信号光の情報をホログラムとして記録する場合には、情報を欠落させないように、参照光を信号光が照射される領域よりも広く照射するのが通常であった。例えば、シフト多重記録を行うために、参照光として球面波を用いて記録媒体に照射する場合には、信号光による露光領域よりひとまわり大きい円形の領域に参照光を照射する。位相相関多重方法においても、信号光に対し同様な広がりを有する参照光を照射する。
【0014】
この場合、ホログラムを記録する領域以外、即ち、信号光が照射される領域以外でも記録媒体を感光させてしまう。この余計に露光された部分には新たなホログラムを記録することができず、結果として記録容量が減少するという問題が生じる。
【0015】
更に、球面参照波を利用したシフト多重記録方法では、以下に示す問題もある。この多重記録方法では、開口数(NA)の大きな対物レンズを用いて急峻な曲率の波面を備えた参照光を生成する。そして、この参照光を記録に用いることで多重度を増大し、結果として高密度記録を実現する。高NAの対物レンズは広角にビームを広げるため、参照光の照射面積を小さくしようとすると、対物レンズを記録媒体に接近させなくてはならない。上記式(1)からも明らかなように、多重度を増すには、対物レンズのNAと、対物レンズと記録媒体との距離Lとを小さくする必要がある。しかしながら、対物レンズを記録媒体に接近させると、対物レンズは信号光の光路と干渉し、信号光の情報を欠落させるという問題がある。
【0016】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、本発明の目的は、ホログラム記録において、信号光の情報を欠落させることなく、高密度記録を実現することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のホログラム記録方法は、信号光と、該信号光の光記録媒体上での強度分布に対応して前記光記録媒体上で所定の形状及び強度を有する参照光と、を前記光記録媒体に照射してホログラムを記録することを特徴としている。
【0018】
本発明のホログラム記録方法では、参照光は信号光の光記録媒体上での強度分布に対応して光記録媒体上で所定の形状及び強度を有するので、必要な領域だけを露光することができ、余計な領域を露光することがない。従って、信号光の情報を欠落させることなくホログラムを記録することができ、高密度記録を実現することができる。例えば、参照光の光記録媒体上での強度分布が、信号光の強度分布と略同じである場合には、無駄の無い露光が可能である。
【0019】
上記の参照光は、計算機ホログラムを用いて生成された波面を有していてもよい。計算機ホログラムは、ホログラムの作製プロセスを計算技術によりシミュレートするもので、必ずしも記録波面が実在する必要が無く、コンピュータにより設計された任意の波面を再生することができる。計算機ホログラムとしては、物体光の位相だけを記録するキノフォームを用いることができる。キノフォームは光の損失が無く、参照光生成に好適である。また、キノフォームは、ランダムな位相の参照光を生成するように設計されていることが好ましい。ランダムな位相の参照光を用いることで、位相相関多重によるシフト多重記録が可能になる。
【0020】
また、信号光は、レンズによりフーリエ変換された後に光記録媒体に照射されることが好ましい。フーリエ変換像をホログラムとして記録することにより、記録密度を向上させることができる。特に、信号光が2次元デジタルデータ画像を保持する場合は、信号光のフーリエ変換像の0次光からの広がりζが下記式で規定されるフーリエ変換成分のみを用いてホログラムを記録することが好ましい。
【0021】
【数4】
Figure 2005037453
【0022】
ここで、fは信号光を光記録媒体に照射するためのレンズの焦点距離、λは信号光の波長、dは信号光の1ビットデータの一辺の長さである。
【0023】
この通り、データ再生に必要最小限のフーリエ変換成分のみを用いてホログラムを記録することで、記録領域をより小さくすることができる。
【0024】
上記目的を達成するために本発明のホログラム記録装置は、コヒーレント光を出力する光源と、データに応じて前記光源からの光を変調して、信号光を生成する空間光変調器と、前記光源から出力されたコヒーレント光から前記信号光の光記録媒体上での強度分布に対応して前記光記録媒体上で所定の形状及び強度を有する参照光を生成するホログラム光学素子と、を備え、前記信号光と前記参照光とを前記光記録媒体に照射してホログラムを記録することを特徴としている。
【0025】
本発明のホログラム記録装置では、光源から出力されたコヒーレント光は、空間光変調器によりデータに応じて変調され、信号光が生成される。この信号光は光記録媒体に照射される。一方、光源から出力されたコヒーレント光からは、信号光の光記録媒体上での強度分布に対応して光記録媒体上で所定の形状及び強度を有する参照光も生成される。参照光は、ホログラム光学素子により生成され、信号光と共に光記録媒体に照射される。
【0026】
以上の通り、本発明のホログラム記録装置では、ホログラム光学素子により生成される参照光は、信号光の光記録媒体上での強度分布に対応して光記録媒体上で所定の形状及び強度を有しているので、必要な領域だけを露光することができ、余計な領域を露光することがない。従って、信号光の情報を欠落させることなくホログラムを記録することができ、高密度記録を実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(記録領域の微小化)
ホログラムとして記録するデータページを、例えば、図2のような画像とする。図中の白い部分がデータ“1”を表し、黒い部分がデータ“0”を表す。これにより二値のデジタルデータをページ毎に記録することができる。この場合、d×dの1画素の大きさが1ビットデータに対応する。このようなデータ画像をホログラムとして記録する場合、記録密度を向上させるために、レンズによりデータ画像のフランフォーファ回折像を記録する。これはデータ画像の振幅分布のフーリエ変換に比例することから、フーリエ変換ホログラムと呼ばれている。図3に図2のデータ画像のフーリエ変換像を示す。
【0028】
デジタルデータを高密度に記録するためには、図2に示したデータ画像の1画素の面積を小さくして、即ち、dの値を小さくして、1ページ内により多くのビットデータを詰め込めばよい。これにより、高密度の記録に加えて高速での記録再生を実現することができる。しかしながら、1画素の面積を小さくすると、記録媒体上で、データ画像(信号光)のフーリエ変換像が上記式(2)に従って広がってしまう。これは、信号光のデータ画像が細かくなると、即ち、dが小さくなると、空間周波数ω(∝1/d)が大きくなることに起因する。このフーリエ変換像の広がりは高密度記録の妨げとなる。
【0029】
これを回避する方法としては、波長λを小さくする方法、焦点距離fの短いレンズを用いて信号光のフーリエ変換像を形成する方法などがある。しかしながら、光源の波長やレンズの焦点距離を短くすることによってフーリエ変換像を小さくしても、原理的には、フーリエ変換像はその焦点面で無限の広がりを有している。そこで、図3に示すフーリエ変換像のうち、データ再生に最低限必要なフーリエ変換成分のみを記録する。これにより、記録領域の微小化を図ることができる。
【0030】
図3に示したフーリエ変換像のx軸方向の広がりは、図2に示したデータ画像のx軸方向の空間周波数ω(∝1/d)に対応し、x軸方向について見ると、フーリエ変換像は0次光(ω=0)を中心にプラス方向及びマイナス方向に対称に広がっている。y軸方向についても同様である。このように空間周波数はプラスとマイナスの値を有する。
【0031】
信号光のフーリエ変換像は、信号光の画素ピッチに由来する空間周波数成分を多く含むことから、高調波成分をカットしても、信号光をエラー無く再生することができる。これについて説明すると、画像データの空間周波数が始めから適当に正規化された値をとれば、図3に示したフランフォーファ回折像は、信号光のフーリエ変換像そのものとなるため、式(2)のkは1となって、フランフォーファ回折像の広がりζは、下記式(3)で表される。
【0032】
【数5】
Figure 2005037453
【0033】
具体的な数値例を代入して回折像の広がりζを試算すると、例えば、波長λが532nm、焦点距離fが50mm、空間周波数ωが71本/mm(14μm×14μmの画素に対応)の場合、回折像の広がりζは、約2mmとなり、プラス成分とマイナス成分とを合わせると4mmとなる。
【0034】
本発明者らの実験結果によれば、フーリエ変換像のプラス方向及びマイナス方向の0次から2次までの成分のみを記録することによって、記録領域の微小化と再生時の高S/N化の両方を満足させることができる。即ち、信号光のフーリエ変換像の0次光からの広がりζが下記式(4)で規定されるフーリエ変換成分を参照光によってホログラム記録することで、データを欠落することなく記録領域の微小化を達成することができる。
【0035】
【数6】
Figure 2005037453
【0036】
フーリエ変換像の0次の成分のみを記録すれば、記録領域を最も微小化することができるが、それでは、データの欠落を生じて、信号光のデータ画像を読み出すことができなくなる。データの欠落を生じないためには、フーリエ変換像の少なくとも0次および1次の成分を記録する必要がある。一方、フーリエ変換像の4次、5次というような高次の成分まで記録すれば、信号光のデータ画像を高いS/Nで読み出すことができるが、それでは、記録領域を十分に微小化することができず、記録容量を十分に増大させることができない。実際上、フーリエ変換像の1次の成分まで記録すれば、再生時、読み取りエラーをほとんど生じない。さらに、2次または3次の成分まで記録すれば、信号光のデータ画像を十分に高いS/Nで読み出すことができる。
【0037】
(本発明のホログラム記録方法)
ホログラム記録では、信号光と参照光との干渉により光強度分布を生じさせる。記録媒体には、この光強度分布が、屈折率又は吸収率の変化によってホログラムとして記録される。フーリエ変換ホログラムを記録する場合、一般的には、記録面上で信号光の0次回折光の強度を抑える目的で、レンズのフォーカス位置から記録媒体を若干ずらしてデフォーカス位置でホログラム記録を行う。信号光はレンズによってある程度集光され、記録媒体に照射される。また、記録面上には、データ画像のパターン(周期性)に対応した回折パターンが現れる。この回折パターンの広がりは、データ画像がランダムパターンのときに最も大きくなる。
【0038】
従来は、信号光が照射される領域を総てカバーするように、参照光を比較的広い領域に照射していた。例えば、シフト多重記録を行う場合には、参照光として球面波を用いて、図1に示すように、信号光の照射領域よりひとまわり大きい円形の領域に参照光を照射する。この場合、ホログラムを記録する領域以外、即ち、信号光が照射される領域以外でも記録媒体を感光させてしまう。この余計に感光された部分には新たなホログラムを記録することができず、結果として記録容量が減少するという問題が生じる。
【0039】
本発明の記録方法では、信号光の記録媒体上での強度分布に対応して参照光を照射してホログラムを記録する。例えば、信号光の強度分布と略同じ強度分布を有する参照光を生成し、図1に示す実質的な信号光の照射領域(信号光デフォーカス領域)と略同じ領域にのみ参照光を照射する。こうすることで、必要な領域だけを露光することができ、余計な領域を露光することが無くなる。従って、信号光の情報を欠落させることなくホログラムを記録することができ、高密度記録を実現することができる。
【0040】
また、図1に示すように、フーリエ変換像はその焦点面で無限の広がり(信号光フーリエ領域)を有しているが、上述した通り、フーリエ変換像のうち、データ再生に最低限必要なフーリエ変換成分のみを記録すれば十分である。従って、データ再生に最低限必要なフーリエ変換成分に対応する領域にのみ信号光及び参照光を照射するようにしてもよい。
【0041】
(参照光の生成方法)
任意の波面を備えた参照光の生成には、計算機ホログラムを利用することができる。計算機ホログラムは、仮想物体による物体光の振幅と位相の分布をコンピュータで計算し、適当な方法で記録媒体中に記録したものであり、記録波面が実在する必要が無く、数式で表示した任意の波面を再生することができる。
【0042】
キノフォームは、物体光の振幅と位相のうち、位相だけを記録して像を再生する計算機ホログラムの1種である。ホログラフィ技術においては、再生時にホログラムから同時に0次、+1次、−1次の回折光を生じるが、このうち再生像として利用されるのは1次回折光の何れか一方であって、他の2つの回折光は不必要なものとして利用されない。このため、再生段階での光の利用効率が低い。これに対し、キノフォームでは、再生像に寄与する回折光のみが得られ、他の不必要な回折光を生じないので、光の吸収や回折による損失がほとんど無く、非常に明るい再生像を得ることができる。従って、参照光生成に好適である。
【0043】
キノフォームを作製するには、まず、拡散光で照明された透過性の物体を想定し、キノフォームを記録する平面上で、回折光の振幅を一定として位相分布を計算で求める。位相分布は、2πの整数倍を加減して、0〜2πの範囲に収まるようにする。次に、計算で求めた位相分布を適当な方法で記録媒体中に記録する。
【0044】
例えば、拡散照明された物体からキノフォームを記録する面まで到達する回折光Σの振幅分布及び位相分布を計算し、下記式(5)で表す結果を得たとする。
【0045】
【数7】
Figure 2005037453
【0046】
ここで、(x,y)は記録面の中心を原点とする直交座標、A(x,y)は振幅分布、φ(x,y)は位相分布である。
【0047】
物体は拡散照明されているので、回折光の振幅分布A(x,y)を一定と近似し、その位相分布φ(x,y)を記録面の標本点に対し量子化する。量子化された位相分布を、直接にキノフォームの位相変化として与えることは難しいので、例えば、以下に示す方法で位相分布を記録する。
【0048】
回折光の位相分布φ(x,y)を、マスクや空間光変調器などによりハーフトーンの階調画像に変換して、フォトリソ材料などに縮尺露光する。現像プロセスを経て、階調画像に対応した凹凸を形成する。この凹凸により所望の位相変化が実現される。また、所望の位相変化が得られるように、直接、空間光変調器で位相のみを変調してもよい。
【0049】
信号光のプロファイルに応じた形状及び強度の参照光を得るためには、キノフォームを予め設計しておく必要がある。キノフォームの設計方法は種々提案されているが、ここでは、比較的計算が容易でその収束性の良いGerchberg−Saxton(GS)法について説明する。GS法では、図4に示すように、入力面での拘束条件を強度分布一定とし、出力面での拘束条件を目標の強度分布(画像)及びランダム位相分布として、入力面で必要な位相分布をフーリエ反復アルゴリズムにより求める。なお、図4では、強度分布を点線で表し、位相分布を実線で表している。
【0050】
このように設計されたキノフォームが記録されたホログラム光学素子を、参照光の光路に配置することで、記録媒体に入射した光は、素子中を伝播することによりフーリエ変換されて、目標の強度分布とランダムな位相分布とを備えた参照光となり、記録媒体に照射される。これにより、記録面上で所望の光強度分布を得ることができる。
また、GS法で設計されたキノフォームを用いると、出力面での位相分布がランダムになる。即ち、参照光の位相はランダムである。従って、位相相関多重と同様に微小シフトで多重記録を行なえるという効果を得ることができる。
【0051】
図5は、微分コード法を用いて表した2次元デジタルデータ画像の一例である。微分コード法とは、デジタルデータ画像のデータ“0”を空間光変調器の2画素を用いて「明暗」で表し、データ“1”を「暗明」で表す方法である。この方法は、光強度の微分値で信号を読み取るためにノイズに強いという特徴を有している。
【0052】
図6は、図5の2次元デジタルデータ画像を保持した信号光のフーリエ変換像である。微分コード化されたパターンに対応して、フーリエ面では縦縞が現れていることがわかる。この図6に示す信号光のフーリエ変換像と同じ強度分布を持つようにGS法でキノフォーム設計した。このキノフォームの出力面での位相分布を図7に示す。
【0053】
設計したキノフォームが記録されたホログラム光学素子を、参照光の光路に配置すると、図8に示す回折パターンが得られた。図8から明らかなように、記録面において、図6に示す信号光の強度分布と、ホログラム光学素子によって生成される参照光の強度分布とは略一致している。
【0054】
(ホログラム記録再生装置)
次に、図9を参照して、本発明のホログラム記録方法を適用してホログラムを記録すると共に、記録したホログラムを再生するホログラム記録再生装置について説明する。
【0055】
このホログラム記録再生装置には、コヒーレント光であるレーザ光を発振するレーザ発振器10が設けられている。レーザ発振器10のレーザ光照射側には、P偏光を透過しかつS偏光を反射することにより、レーザ光を参照光用の光と信号光用の光との2つの光に分離する偏光ビームスプリッタ16が配置されている。
【0056】
偏光ビームスプリッタ16の光反射側には、参照光用のレーザ光を反射して光路をホログラム記録媒体方向に変更する反射ミラー18、及び参照光を集光するレンズ20が順に配置されている。レンズ20は、光路中に挿入及び光路から退避可能に配置されている。参照光は、レンズ20を退避させて記録面にそのまま照射してもよく、レンズ20を挿入してレンズ20により適切な大きさに変換した後に照射してもよい。
【0057】
偏光ビームスプリッタ16と反射ミラー18との間には、キノフォームが記録されたホログラム光学素子100が配置されている。このキノフォームは、位相がランダムで且つ信号光のプロファイルに応じた形状及び強度の参照光を生成するように設計されている。
【0058】
レンズ20のレーザ光集光側には、z面内でディスク状に形成されたホログラム記録媒体24を回転させるステッピングモータを備えたx−zステージ22が設けられている。レンズ20は、ホログラム記録媒体24にS偏光を参照光として照射する。
【0059】
偏光ビームスプリッタ16の光透過側には、偏光ビームスプリッタ16を透過したP偏光を遮断するためのシャッター12が、光路中に挿入及び光路から退避可能に配置されている。シャッター12の光透過側には、信号光用のレーザ光を45°の反射角で反射して光路をホログラム記録媒体方向に変更する反射ミラー28、レンズ30、32、34で構成されたレンズ系が順に配置されている。レンズ32とレンズ34との間には、液晶表示素子等で構成され、供給された各ページ毎の記録信号に応じて信号光用のレーザ光を変調し、ホログラムの各ページを記録するための信号光を生成する透過型の空間光変調素子36が配置されている。
【0060】
レンズ30、32は、レーザ光を大径のビームにコリメートして空間光変調素子36に照射し、レンズ34は空間光変調素子36で変調されて透過したP偏光を信号光としてホログラム記録媒体24上に集光させる。ホログラム記録時には、信号光と参照光とが同時にホログラム記録媒体24に照射される。また、P偏光を信号光としS偏光を参照光としているため、ホログラムの各ページを記録する際の信号光の偏光方向と参照光の偏光方向とは直交している。なお、S偏光を信号光としP偏光を参照光としてもよく、偏光面が平行な信号光と参照光とを用いてもよい。また、異なる方向に回転する円偏光を各々信号光と参照光として用いてもよい。
【0061】
ホログラム記録媒体24の再生光透過側には、レンズ38、再生光から所定偏光方向の光(例えば、0°偏光成分、45°偏光成分、または90°偏光成分)を選択して透過させる検光子44、及びCCD等の撮像素子で構成され、受光した再生光を電気信号に変換して出力する検出器40が配置されている。検出器40は、パーソナルコンピュータ42に接続されている。検光子44は、再生時に参照光に起因する散乱ノイズを除去するために配置するものであり、散乱が少ない場合は省略することができる。
【0062】
パーソナルコンピュータ42は、パーソナルコンピュータから所定のタイミングで供給された記録信号に応じてパターンを発生するパターン発生器46を介して空間光変調素子36に接続されている。また、パーソナルコンピュータ42には、シャッター12を光路中に挿入するように駆動すると共に、光路中に挿入されているシャッター12を光路から退避させる駆動装置48が接続されている。また、パーソナルコンピュータ42には、x−zステージ22を駆動する駆動装置50が接続されている。
【0063】
次に、上記のホログラム記録再生装置を用いたホログラムの記録処理及び再生処理について説明する。まず、ホログラム記録時には、パーソナルコンピュータ42により駆動装置48を駆動して、シャッター12を光路から退避させてレーザ光が通過できるようにすると共に、駆動装置50によりx−zステージ22のステッピングモータを駆動して、ホログラム記録媒体を所定の回転速度で回転させる。
【0064】
レーザ発振器10から発振されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ16により2つの光に分離される。偏光ビームスプリッタ16を透過したレーザ光は、反射ミラー28で反射され、レンズ30、32でコリメートされて、信号光用のレーザ光として空間光変調素子36に照射される。
【0065】
パターン発生器46は、パーソナルコンピュータ42から供給された記録信号に応じてパターンを発生し、空間光変調素子36に入力する。パーソナルコンピュータ42は、ホログラム記録媒体24を回転させた状態で、ホログラムの各ページが記録開始位置からシフト量δの間隔で記録されるように、予め定められたタイミングで各ページの記録信号を供給する。
【0066】
空間光変調素子36では、生成されたパターンに応じて信号光用のレーザ光が強度変調され、信号光が生成される。生成された信号光は、レンズ34によりフーリエ変換され、ホログラム記録媒体24に照射される。
【0067】
同時に、偏光ビームスプリッタ16で反射されたレーザ光は、参照光用のレーザ光としてホログラム光学素子100に照射される。ホログラム光学素子100では、参照光用のレーザ光から、位相がランダムで且つ信号光のプロファイルに応じた形状及び強度を備えた参照光が生成される。
【0068】
生成された参照光は、レンズ20により集光されて、ホログラム記録媒体24のフーリエ変換後の信号光が照射される領域に照射される。これによって、ホログラム記録媒体24中で信号光と参照光とが干渉し、ホログラム記録媒体24中にフーリエ変換ホログラムが記録される。また、ディスク状のホログラム記録媒体24を回転させながら記録を行うことにより、同じ領域に複数ページのホログラムを重ねて記録することができる。
【0069】
レーザ光の波長や記録媒体の膜厚、対物レンズのNAなどを適切に設定すると、記録位置が所定のシフト量δ移動するようにディスクを回転するだけで、ディスクの略同じ領域に次のページのホログラムを既に記録されているページとクロストーク無く記録し、再生することができる。参照光がランダム位相を有する場合、シフト量δを100μm以下とすることにより、既に記録されているホログラムの各ページの記録位置とは異なる記録位置に新たなホログラムを記録することができる。
【0070】
図11は、本発明の参照光を用いてホログラムを記録し、その後、ホログラムの位置をずらしながら回折光パワーを調べた様子を示す。図より、シフト量δが10μm以下で回折光が消失している様子が分かる。この回折光が無くなるシフト量δで新たなホログラムを多重記録することができる。
【0071】
次に、ホログラムの再生処理について説明する。ホログラム再生時には、パーソナルコンピュータ42により駆動装置48を駆動して、シャッタ12を光路中に挿入する。これにより、偏光ビームスプリッタ16を透過したレーザ光がシャッタ12で遮光されるため、参照光のみがホログラムを記録したホログラム記録媒体24に照射される。ホログラム記録媒体24で回折した再生光は、レンズ38により逆フーリエ変換され、検光子44により所定偏光成分の再生光のみが選択して透過され、検出器40に結像される。検出器40で受光された再生光が検出器40により電気信号に変換される。得られた電気信号は、パーソナルコンピュータ42に入力され、パーソナルコンピュータ42に設けられている図示しないディスプレイに再生されたデータ画像が表示される。
【0072】
【実施例】
上述した方法で、実際にホログラムの記録・再生を試みた。
【0073】
ホログラム記録媒体としては、ホログラムを記録できるものであれば、どのような材料で構成されていてもよいが、ここでは、下記の化学式で表される、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを用いた。この材料は、特願平10−32834号に詳細に記載されているように、側鎖のシアノアゾベンゼンの光異性化による光誘起異方性(光誘起複屈折性、光誘起2色性)によって、ホログラムの記録、再生、消去が可能である。
【0074】
【化1】
Figure 2005037453
【0075】
ホログラムの記録及び再生には、図9に示したホログラム記録再生装置を用いた。レーザ発振器10には、ホログラム記録媒体24を構成する側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルに感度のある波長532nmのレーザ光を発振するYAG:YVOレーザを用いた。
【0076】
空間光変調素子36には、1画素の大きさが14μm×14μmで1024×768画素のプロジェクタ用液晶パネルを用いた。1画素を1ビットとして、図2に示したチェスボードパターンを作成して、空間光変調素子36に入力した。これにより、信号光が保持するデータ画像は、d=14μmのピッチに対応する空間周波数成分を有することになる。
【0077】
信号光をフーリエ変換するためのレンズ38としては、焦点距離fが50mmのものを用いた。この場合、データ再生に最低限必要なフーリエ変換成分に対応する領域Aは下記式(6)の範囲となる。
【0078】
【数8】
Figure 2005037453
【0079】
ここでは、フーリエスペクトルのプラスとマイナス両方の成分を含むように領域Aを設定した。波長λが532nm、焦点距離fが50mm、信号光の1ビットデータの一辺の長さdが14μmとすると、領域Aは8mm×8mmの正方形となる。
【0080】
ホログラム光学素子100は、式(6)で表される正方形の領域Aだけにランダム位相の参照光が照射されるようにキノフォームを設計し、このキノフォームを描画して作製した。このホログラム光学素子100を参照光の光路に配置し、信号光と参照光を同時にホログラム記録媒体24上の領域Aに照射して、フーリエ変換ホログラムを記録した。
【0081】
その後、記録に用いた参照光と同じ光を読み出し光としてホログラム記録媒体24上に照射して、記録したホログラムからデータ再生を試みた。ディスプレイに再生されたデータ画像を図10に示す。図10のデータ画像では、信号光と同じチェスボードパターンが鮮明に再生されている。この結果から分かるように、参照光の照射領域を信号光の照射領域と略等しくしても、信号光の情報を欠落させることなく、ホログラムを記録し、再生することができる。従って、参照光で無駄に露光される領域が発生せず、記録密度が向上する。
【0082】
次に、ホログラム記録媒体24をわずかに移動させながら、記録されたホログラムからの回折光強度を求めた。結果を図11に示す。図11から、ホログラム記録媒体24のシフト量δが10μm程度で回折光が消失することが分かる。従って、10μmずつシフトさせながらホログラムを多重記録できる。10μm程度という微小シフト量δで回折光が消失するのは、参照光がランダム位相を備えているためである。このようにシフト量δが微小化することで、多重度が増大し、記録密度が飛躍的に向上する。例えば、8mm×8mmの正方形の記録領域に10μmずつシフトさせて記録する場合には、同じ体積中に800多重の記録が可能である。
【0083】
なお、上記の実施の形態では、ホログラム記録媒体を回転させてシフト多重記録する例について説明したが、ホログラム記録媒体を直線状に移動させてシフト多重記録するようにしてもよく、ホログラム記録媒体を回転または直線状に移動する代わりに、信号光及び参照光をホログラム記録媒体上に走査するようにしてもよい。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、ホログラム記録において、信号光の情報を欠落させることなく、高密度記録を実現することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】信号光照射領域と参照光照射領域との関係を示す概略図である。
【図2】記録するデータ画像の1例を示す図である。
【図3】図2のデータ画像を保持した信号光のフーリエ変換像を示す図である。
【図4】キノフォームの設計方法(GS法)を説明するための図である。
【図5】微分コード法を用いて表した2次元デジタルデータ画像の一例である。
【図6】図5のデータ画像を保持した信号光のフーリエ変換像を示す図である。
【図7】図6のフーリエ変換像と同じ強度分布を持つように設計されたキノフォームの出力面での位相分布を示す図である。
【図8】設計したキノフォームが記録されたホログラム光学素子によって生成される参照光の強度分布を示す図である。
【図9】本実施の形態で使用するホログラム記録再生装置の構成を示す概略図である。
【図10】実施例で記録したホログラムから再生されたデータ画像である。
【図11】実施例で記録したホログラムによる回折強度のメディアシフト量依存性を示すグラフである。
【図12】シフト多重記録方式を説明するための図である。
【符号の説明】
10 レーザ発振器
12 シャッター
16 偏光ビームスプリッタ
18 反射ミラー
20 レンズ
22 x−zステージ
24 ホログラム記録媒体
30、32、34、38 レンズ
36空間光変調素子
40 検出器
42 パーソナルコンピュータ
44 検光子
46 パターン発生器
48、50 駆動装置
100 ホログラム光学素子

Claims (8)

  1. 信号光と、該信号光の光記録媒体上での強度分布に対応して前記光記録媒体上で所定の形状及び強度を有する参照光と、を前記光記録媒体に照射してホログラムを記録するホログラム記録方法。
  2. 前記参照光の前記光記録媒体上での強度分布が、前記信号光の強度分布と略同じである請求項1に記載のホログラム記録方法。
  3. 前記参照光は、計算機ホログラムを用いて生成された波面を有する請求項1又は2に記載のホログラム記録方法。
  4. 前記計算機ホログラムが、物体光の位相だけを記録するキノフォームである請求項3に記載のホログラム記録方法。
  5. 前記キノフォームが、ランダムな位相の参照光を生成するように設計された請求項4に記載のホログラム記録方法。
  6. 前記信号光は、レンズによりフーリエ変換された後に前記光記録媒体に照射される請求項1乃至5のいずれか1項に記載のホログラム記録方法。
  7. 前記信号光は2次元デジタルデータ画像を保持する場合に、前記信号光のフーリエ変換像の0次光からの広がりζが下記式で規定されるフーリエ変換成分のみを用いてホログラムを記録する請求項6に記載のホログラム記録方法。
    Figure 2005037453
    ここで、fは信号光を光記録媒体に照射するためのレンズの焦点距離、λは信号光の波長、dは信号光の1ビットデータの一辺の長さである。
  8. コヒーレント光を出力する光源と、
    データに応じて前記光源からの光を変調して、信号光を生成する空間光変調器と、
    前記光源から出力されたコヒーレント光から前記信号光の光記録媒体上での強度分布に対応して前記光記録媒体上で所定の形状及び強度を有する参照光を生成するホログラム光学素子と、
    を備え、
    前記信号光と前記参照光とを前記光記録媒体に照射してホログラムを記録するホログラム記録装置。
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