JP2004137492A - 硬質発泡合成樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを水等と共に反応させる硬質フォームの製造方法において、ポリオール化合物として、脂肪族アミンおよび脂環族アミンからなる群から選ばれる少なくとも1種を開始剤として用い、エチレンオキシドのみを開環付加重合させて製造された、水酸基価が150〜800mgKOH/gであるポリオキシエチレンポリオールを含み、ポリマー微粒子が安定に分散したポリオール混合物を用い、発泡剤として水を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明においてポリオール(A)とは、開始剤として脂肪族アミンおよび脂環族アミンからなる群から選ばれる少なくとも1種を用い、エチレンオキシドのみを開環付加重合させて製造された、水酸基価が150〜800mgKOH/gであるポリオキシエチレンポリオールである。このポリオール(A)を用いることで、水とポリオール化合物との溶解安定性が向上する、水とポリイソシアネート化合物との反応性も向上し、より低密度の硬質フォームが製造できる等の効果が得られる。
本発明においては、発泡剤として水を用いる。また発泡剤として、低沸点の炭化水素化合物、低沸点の含フッ素化合物、不活性ガスを併用することができる。発泡剤としての水の使用量は、ポリオール化合物100質量部に対して、1〜15質量部が好ましく、2〜13質量部が特に好ましい。水の使用量が1質量部未満であると、得られた硬質フォームが軽くなりにくく好ましくない。また使用量が15質量部を超えて多いと、水とポリオール化合物との混合性が悪くなりやすく好ましくない。環境への負荷が低い点から発泡剤としては、水のみを用いることが好ましい。
本発明において、ポリイソシアネート化合物としては、特に制限はないが、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系等のポリイソシアネート;前記ポリイソシアネートの2種類以上の混合物;これらを変性して得られる変性ポリイソシアネート等が挙げられる。具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等のポリイソシアネートまたはこれらのプレポリマー型変性体、ヌレート変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体等が挙げられる。このうち、TDI、MDI、クルードMDI、またはこれらの変性体が好ましい。
本発明において用いられる触媒としては、ウレタン化反応を促進する触媒であれば特に制限はない。例えば、トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミン類;ジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物が挙げられる。またイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を併用してもよく、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸金属塩等が挙げられる。また硬質フォームの製造方法としてスプレー発泡を採用する場合には、反応を短時間で完結させるために、2−エチルヘキサン酸鉛等の有機金属触媒を併用することが好ましい。触媒の使用量は、ポリオール化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。
本発明においては良好な気泡を形成するため整泡剤を用いる。整泡剤としては例えば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤が挙げられる。整泡剤の使用量は、適宜選定すればよいが、ポリオール化合物100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
本発明では、上述したポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、発泡剤、触媒、整泡剤の他に、任意の配合剤が使用できる。配合剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。
本発明の硬質フォームの製造方法としては、通常の手発泡でも発泡装置を用いてもよい。発泡装置としては、高圧発泡装置、低圧発泡装置のいずれでも使用できる。また反応条件は適宜選定すればよいが、反応温度としては、0〜50℃が好ましく、15〜45℃がより好ましい。
ポリオールA1:開始剤としてエチレンジアミンを用い、アルキレンオキシドとしてエチレンオキシドのみを反応させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gのポリオキシエチレンポリオール。
ポリオールA2:開始剤として1−(2−アミノエチルピペラジン)を用い、アルキレンオキシドとしてエチレンオキシドのみを反応させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gのポリオキシエチレンポリオール。
ポリオールBA1:開始剤としてビスフェノールAを用い、アルキレンオキシドとしてエチレンオキシドのみを反応させて得られた、水酸基価が280mgKOH/gのポリオキシエチレンポリオール。
ポリオールBA2:開始剤としてジアミノトルエンを用い、アルキレンオキシドとしてエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを混合して反応させて得られた、水酸基価が350mgKOH/g、オキシエチレン基の割合が25質量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオールBB1:ジエチレングリコールとテレフタル酸とを重縮合して得られた、水酸基価が250mgKOH/gのポリオキシエチレンポリオール。
ポリオールX1:開始剤としてグリセリンを用い、アルキレンオキシドとしてエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを混合して反応させて得られた、水酸基価が50mgKOH/g、オキシエチレン基の割合が55質量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオールY1:開始剤としてエチレンジアミンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、水酸基価が760mgKOH/gのポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオールY2:開始剤としてエチレンジアミンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gのポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオールY3:開始剤としてエチレンジアミンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、水酸基価が500mgKOH/gのポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオールY4:開始剤として1−(2−アミノエチルピペラジン)を用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gのポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオールZ1:開始剤としてショ糖とグリセリンの混合物(混合比は質量比で1.5:1)を用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、水酸基価が300mgKOH/gのポリオキシプロピレンポリオール。
ポリオールZ2:開始剤としてグリセリンを用い、アルキレンオキシドとしてプロピレンオキシドのみを反応させて得られた、水酸基価が650mgKOH/gのポリオキシプロピレンポリオール。
発泡剤1:HFC−245fa。
発泡剤2:HFC−365mfc。
発泡剤3:HFC−134a。
発泡剤4:シクロペンタン。
表1に示したポリオールを混合して用いた。5Lの加圧反応槽にこのポリオール混合物のうち70質量%を投入し120℃に昇温した。温度を保ちながら、ポリオール混合物の残り、表1に示したモノマーおよびAIBNの混合物を撹拌下で4時間かけて投入した。投入終了後、温度を保ちながら30分撹拌した。モノマーの反応率は92%であった。反応終了後、120℃の温度、50Paの圧力のもとで2時間かけて未反応モノマーを除去した。以上によりポリオールW1を得た。ポリオールW1の水酸基価は325mgKOH/g、25℃における粘度は4000mPa・sであった。
表1に示したポリオールを混合して用いた。5Lの加圧反応槽にこのポリオール混合物、表1に示したモノマーおよびAIBNの混合物を投入した。撹拌下で80℃まで昇温した。温度を保ちながら10時間撹拌した。モノマーの反応率は85%であった。反応終了後、110℃の温度、50Paの圧力のもとで2時間かけて未反応モノマーを除去した。以上によりポリオールW2を得た。ポリオールW2の水酸基価は330mgKOH/g、25℃における粘度は1500mPa・sであった。
表2〜4に示したポリオールを混合してそれぞれ用いた。また発泡剤は表2〜4に示したものを用いた。ポリオール混合物および発泡剤に以下の発泡剤、触媒、整泡剤、難燃剤を添加、混合してポリオール組成物とした。触媒としては、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(商品名:カオライザーNo.10、花王社製)を用いた。その使用量は、ゲルタイムが25秒となる量とした。整泡剤としては、シリコーン整泡剤(商品名:SH−193、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を1.5質量部用いた。難燃剤としては、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート(商品名:TMCPP、大八化学社製)を10質量部用いた。ポリイソシアネート化合物としては、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(商品名:MR−200、日本ポリウレタン工業社製)を用いた。ポリイソシアネート化合物の使用量は、イソシアネート指数で110となるようにした。
表5〜7に示したポリオールを混合してそれぞれ用いた。また発泡剤は表5〜7に示したものを用いた。ポリオール混合物および発泡剤に以下の発泡剤、触媒、整泡剤、難燃剤を添加、混合してポリオール組成物とした。触媒としては、N,N’,N”−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン(商品名:ポリキャット41、エアプロダクツ社製)と、2−エチルヘキサン酸カリウムのジエチレングリコール溶液(カリウム濃度15%、商品名:プキャット15G、日本化学産業社製)とを、2質量部対3質量部の比率で混合して用いた。その使用量は、ゲルタイムが25秒となる量とした。整泡剤としては、SH−193を1.5質量部用いた。難燃剤としては、TMCPPを20質量部用いた。ポリイソシアネート化合物としては、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(商品名:MR−200、日本ポリウレタン工業社製)を用いた。ポリイソシアネート化合物の使用量は、イソシアネート指数で200となるようにした。
得られた硬質フォームの、コア密度(単位:kg/m3)、低温収縮度(単位:%)、高温収縮度(単位:%)、初期接着性およびセル外観を評価した。低温収縮度は−30℃で24時間経過後の発泡方向に対して垂直方向の寸法変化率を、高温収縮度は、70℃、48時間経過後の発泡方向に対して垂直方向の寸法変化率を示す。初期接着性に関しては、発泡前に箱中にラミネート紙を敷いて発泡、撹拌30分後にフォームを脱型した後、ラミネート紙を剥がしたときの接着性を、良好○、不良×で評価した。セル外観は製造されたフォームを切断し内部のセル状態、および、フォーム底面の荒れ状態を○:良好、×:不良で評価した。
次に例3〜10、17〜22、34〜41および、48〜53で使用したポリオール組成物に、2−エチルヘキサン酸鉛のミネラルスピリット溶液(鉛濃度:20%、商品名:ニッカオクチックス鉛20%、日本化学産業社製)を1.0質量部さらに添加して混合した。この液と、ポリイソシアネート化合物としてC−1155とを、液温35℃、室温10℃にて、ガスマー社発泡機を用いてスプレー発泡にて、壁面に吹きつけ施工を実施した。
Claims (5)
- ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを発泡剤、整泡剤および触媒の存在下で反応させて硬質発泡合成樹脂を製造する方法において、
ポリオール化合物として、下記ポリオール(A)を含み、水酸基価が100〜700mgKOH/gであり、かつ、ポリマー微粒子が安定に分散しているポリオール混合物を用い、発泡剤として水を用いることを特徴とする硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(A):開始剤として脂肪族アミンおよび脂環族アミンからなる群から選ばれる少なくとも1種を用い、エチレンオキシドのみを開環付加重合させて製造された、水酸基価が150〜800mgKOH/gであるポリオキシエチレンポリオール。 - 前記ポリオール(A)の開始剤としてピペラジン類を用いる請求項1に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
- 前記ポリオール混合物が下記ポリオール(BA)および/またはポリオール(BB)を含む請求項1または2に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
ポリオール(BA):開始剤として芳香族化合物を用い、アルキレンオキシドを開環付加重合させて製造された、水酸基価が100〜700mgKOH/gであるポリオキシアルキレンポリオール。
ポリオール(BB):芳香族化合物を含むモノマーを重縮合して製造された、水酸基価が100〜700mgKOH/gであるポリエステルポリオール。 - 前記ポリオール(BA)の開始剤として、マンニッヒ縮合物、ジアミノトルエンおよびビスフェノールAからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いる、請求項3に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
- 前記ポリマー微粒子が重合性不飽和結合を有するモノマーを重合して得られる請求項1、2、3または4に記載の硬質発泡合成樹脂の製造方法。
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