JP2004123970A - 酸素吸収樹脂ペレット、その製法及びこのペレットを用いた多層容器の製法 - Google Patents

酸素吸収樹脂ペレット、その製法及びこのペレットを用いた多層容器の製法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸素吸収ガスバリヤー性層を構成する樹脂組成物のペレット製造時におけるガスバリヤー性の低下を有効に防止することである。
【解決手段】キシリレン基含有ポリアミド、酸化性有機成分及び遷移金属触媒からなり、含水率が0.3重量%以下である酸素吸収性樹脂ペレット。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸素吸収樹脂ペレット及びその製法並びにこのペレットを用いた多層容器の製法に関し、より詳細には、酸素吸収性ガスバリヤー性層を構成する樹脂組成物のペレット製造時におけるガスバリヤー性の低下を有効に防止し、透明性に優れていると共に、気泡の形成が有効に抑制されている酸素吸収性ガスバリヤー性多層包装材料の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装容器としては、金属缶、ガラスビン、各種プラスチック容器等が使用されているが、プラスチック容器は、軽量であり、耐衝撃性にもある程度優れているという利点を有しているが、容器壁を透過する酸素による内容物の変質やフレーバー低下が問題となっている。
【0003】
特に、金属缶やガラスビンでは容器壁を通しての酸素透過がゼロであり、容器内に残留する酸素のみが問題であるのに対して、プラスチック容器の場合には器壁を通しての酸素透過が無視し得ないオーダーで生じ、内容品の保存性の点で問題となっている。
【0004】
これを防止するために、耐酸素透過性を有する樹脂として、20℃及び0%RHでの酸素透過係数が10−12cc・cm・sec・cmHg以下で且つ20℃及び100%RHでの水分吸着量が0.5%以上であるガスバリヤー性熱可塑性樹脂に遷移金属の有機金属錯体を配合した樹脂組成物を中間層とし、該中間層の両側に耐湿性熱可塑性樹脂の層を設けた積層構造物から成るプラスチック多層容器が記載されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、ポリマーから成り酸素捕集特性を有する組成物又は該組成物の層を含有する包装用障壁において、組成物が酸化可能な有機成分の金属触媒酸化により酸素を捕集することを特徴とする包装用障壁が記載されており、酸化可能有機成分としては、ポリアミド、特にキシリレン基含有ポリアミドが使用されることも記載されている(特許文献2参照)。
【0006】
〔特許文献1〕
特開平1−278344号公報
〔特許文献2〕
特表平2−500864号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記遷移金属系触媒を含有する酸素吸収性樹脂組成物は、透明性を要する包装容器にも適用でき、しかもポリアミド樹脂はそれ自体酸素バリヤー性に優れた樹脂であるという利点を有している一方、ポリアミド樹脂は酸化により劣化するため、器壁を通しての酸素透過が経時により大きくなるという欠点がある。
このような問題を解決するものとして、本出願人は、ポリアミド樹脂に、酸化性有機成分と遷移金属系触媒とを配合することにより、樹脂組成物を通しての酸素透過を長期間にわたって低減させることを可能にし、酸素吸収ガスバリヤー性を有する樹脂組成物を提案するに至った(特願2001−373200号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記樹脂組成物は、二軸押出機で溶融混練され、ストランド状に押出されたものをカッターで裁断したペレットの状態で保管され、このペレットの状態で包装容器等の製造に使用されるが、上記樹脂組成物のペレットを使用する際、ペレット同士がブロッキングしたり、或いは射出成形機のスクリュー等に融着してしまい、効率よく成形できなかったり、また成形された容器やプリフォーム内に気泡が発生するというような問題が生じる。
従って、本発明の目的は、酸素吸収ガスバリヤー性を有する樹脂組成物からなる層を有する多層容器を、上述したような問題を生ずることなく成形することかできる製法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、酸素吸収ガスバリヤー性層を少なくとも一層有する多層容器の製法において、前記酸素吸収ガスバリヤー性層が、キシリレン基含有ポリアミド、酸化性有機成分及び遷移金属触媒から成る樹脂組成物から成り、且つ含水率が0.3重量%以下のペレットを用いて製造されていることを特徴とする多層容器の製法が提供される。
本発明においては、前記ペレットが、含水率0.3重量%以下のキシリレン基含有ポリアミド、酸化性有機成分及び遷移金属触媒を、真空ベントを備えた二軸押出機を用いて脱気しながらストランド状樹脂組成物とし、該ストランド状樹脂組成物を冷風で冷却した後ペレット状にカッティングし、該ペレット状樹脂組成物を窒素ガス流通の下コンテナー内に収納し、密閉系で保管したものであることが特に好ましい。
【0010】
【発明の実施形態】
本発明の酸素吸収ガスバリヤー性層を少なくとも一層有する多層容器の製法においては、前記酸素吸収ガスバリヤー性層を、キシリレン基含有ポリアミド、酸化性有機成分及び遷移金属触媒から成る樹脂組成物から成り、且つ含水率が0.3重量%以下のペレットを用いて製造していることが重要な特徴である。
本発明に用いるキシリレン基含有ポリアミド、酸化性有機成分及び遷移金属触媒から成る樹脂組成物は、ポリアミド樹脂による酸素バリヤー性の保持と、酸化性有機成分による酸素吸収性の発現とが機能分離的に行われている。すなわち、ポリアミド樹脂基材が実質上酸化することなく、酸化性有機成分が専ら酸化を受けてこれにより酸素吸収が行われるため、ポリアミド樹脂の酸化劣化による酸素バリヤー性の低下を生じることなしに、酸素吸収性を長期にわたって発現させることが可能となるものである。
【0011】
本発明においては上記樹脂組成物のペレットを用いて多層容器を成形する場合に、ペレット同士がブロッキングしたり、或いは射出成形機内で融着したり、更には容器やプリフォーム内に気泡が発生するというような問題が生じるのは、ペレットの含水率に問題があることを見出し、使用する際のペレットの含水率を0.3重量%以下に低減させることによって、上記問題を解決するに至ったものである。
すなわち、後述する実施例の結果から明らかなように、容器やプリフォームを製造する際に用いたペレットの含水率が0.3重量%よりも大きい場合には、ペレットのブロッキングや融着が生じ、またプリフォーム中、特にバリヤー層の先端部分に相当する口部に気泡が発生している(比較例1及び2)。
これに対し、ペレットの含水率が0.3重量%以下の場合には、気泡の発生がないプリフォームを効率よく成形することが可能になる(実施例1及び2)。
【0012】
本発明において、含水率が0.3重量%以下の上記樹脂組成物のペレットを製造するに際しては、含水率が0.3重量%以下のキシリレン基含有ポリアミド樹脂を用いることが好ましい。すなわち、ポリアミド樹脂は本来的に吸湿性があり、かかる吸湿した水分により加水分解が生じて機械的強度が低下しやすく、また含水率が高いと酸化劣化を受けやすくなり、上記樹脂組成物においてキシリレン基含有ポリアミド樹脂により担保されるガスバリヤー性が低下することになり、上記樹脂組成物が有する優れた酸素吸収ガスバリヤー性を発現することができないことになる。
【0013】
[酸素吸収ガスバリヤー性樹脂組成物]
本発明に用いる酸素吸収ガスバリヤー性樹脂組成物は、キシリレン基含有ポリアミド、酸化性有機成分及び遷移金属触媒から成る。
(キシリレン基含有ポリアミド樹脂)
本発明に用いるキシリレン基含有ポリアミド樹脂としては、具体的には、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンセバカミド、ポリメタキシリレンスベラミド、ポリパラキシリレンピメラミド、ポリメタキシリレンアゼラミド等の単独重合体、及びメタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピメラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンセバカミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体等の共重合体、或いはこれらの単独重合体または共重合体の成分とヘキサメチレンジアミンの如き脂肪族ジアミン、ピペラジンの如き脂環式ジアミン、パラ−ビス(2アミノエチル)ベンゼンの如き芳香族ジアミン、テレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムの如きラクタム、7−アミノヘプタン酸の如きω−アミノカルボン酸、パラ−アミノメチル安息香酸の如き芳香族アミノカルボン酸等を共重合した共重合体が挙げられるが、m−キシリレンジアミン及び/又はp−キシリレンジアミンを主成分とするジアミン成分と、脂肪族ジカルボン酸及び/又は芳香族ジカルボン酸とから得られるポリアミドが特に好適に用いることができる。
【0014】
これらのキシリレン基含有ポリアミド樹脂は、他のポリアミド樹脂に比して酸素バリヤー性に優れている。
また、本発明に用いるポリアミド樹脂は、末端アミノ基濃度が40eq/10g以上、一層好適には末端アミノ基濃度が50eq/10gを超えるポリアミド樹脂であることが、ポリアミド樹脂の酸化劣化を抑制する点で好ましい。
これらのポリアミド樹脂は、容器の機械的特性及び加工の容易さから、98%硫酸中、1.0g/dlの濃度及び20℃の温度で測定した相対粘度(ηrel )が1.3乃至4.2、特に1.5乃至3.8の範囲内にあることが望ましい。 尚、本発明に用いるポリアミドは、一般的な乾燥条件である120乃至180℃の温度で、0.5乃至2mmHgの減圧下2乃至6時間乾燥して、含水率が0.3重量%以下に保持されていることが好ましい。
【0015】
(酸化性有機成分)
本発明に用いる酸化性有機成分は、ポリエンから誘導される重合体であることが好ましい。
かかるポリエンとしては、炭素原子数4〜20のポリエン、鎖状乃至環状の共役乃至非共役ポリエンから誘導された単位を含む樹脂が好適に使用される。これらの単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4− ヘキサジエン、4−メチル−1,4− ヘキサジエン、5−メチル−1,4− ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4− ヘキサジエン、7−メチル−1,6− オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2− ノルボルネン、5−メチレン−2− ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2− ノルボルネン、5−ビニリデン−2− ノルボルネン、6−クロロメチル−5− イソプロペニル−2− ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5− ノルボルネン、2−エチリデン−3− イソプロピリデン−5− ノルボルネン、2−プロペニル−2,2− ノルボルナジエン等のトリエン、クロロプレンなどが挙げられる。
【0016】
これらのポリエンは、単独で或いは2種以上の組合せで、或いは他の単量体との組み合わせで単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体などの形に組み込まれる。
ポリエンと組み合わせで用いられる単量体としては、炭素原子数2〜20のα− オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1− ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1− デセン、11− メチル−1− ドデセン、12− エチル−1− テトラデセンが挙げられ、他にスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルアクリレートなどの単量体も使用可能である。
【0017】
ポリエン系重合体としては、具体的には、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等を挙げることができるが、これらの例に限定されない。
【0018】
重合体中における炭素−炭素二重結合は、特に限定されず、ビニレン基の形で主鎖中に存在しても、またビニル基の形で側鎖に存在していてもよい。
【0019】
これらのポリエン系重合体は、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、水酸基が導入されていることが好ましい。これらの官能基を導入するのに用いられる単量体としては、上記の官能基を有するエチレン系不飽和単量体が挙げられる。
【0020】
これらの単量体としては、不飽和カルボン酸またはこれらの誘導体を用いるのが望ましく、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等のα,β−不飽和カルボン酸、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等のα,β−不飽和カルボン酸無水物、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸の無水物が挙げられる。
【0021】
ポリエン系重合体の酸変性は、炭素−炭素二重結合を有する樹脂をベースポリマーとし、このベースポリマーに不飽和カルボン酸またはその誘導体をそれ自体公知の手段でグラフト共重合させることにより製造されるが、前述したポリエンと不飽和カルボン酸またはその誘導体とをランダム共重合させることによっても製造することができる。
【0022】
本発明の目的に特に好適な酸変性ポリエン系重合体は、不飽和カルボン酸乃至その誘導体を、0.01乃至10モル%の量で含有していることが好ましい。
不飽和カルボン酸乃至その誘導体の含有量が上記の範囲にあると、酸変性ポリエン系重合体のポリアミド樹脂への分散が良好となると共に、酸素の吸収も円滑に行われる。
また、末端に水酸基を有する水酸基変性ポリエン系重合体も良好に使用することができる。
【0023】
本発明に用いるポリエン系重合体は、40℃における粘度が1乃至200Pa・sの範囲にあることが酸素吸収性樹脂組成物の加工性の点で好ましい。
【0024】
(遷移金属系触媒)
本発明に用いる遷移金属系触媒としては、鉄、コバルト、ニッケル等の周期律表第VIII族金属成分が好ましいが、他に銅、銀等の第I族金属:錫、チタン、ジルコニウム等の第IV族金属、バナジウムの第V族、クロム等VI族、マンガン等のVII族の金属成分を挙げることができる。これらの金属成分の内でもコバルト成分は、酸素吸収速度が大きく、本発明の目的に特に適したものである。
【0025】
遷移金属系触媒は、上記遷移金属の低価数の無機酸塩或いは有機酸塩或いは錯塩の形で一般に使用される。
無機酸塩としては、塩化物などのハライド、硫酸塩等のイオウのオキシ酸塩、硝酸塩などの窒素のオキシ酸塩、リン酸塩などのリンオキシ酸塩、ケイ酸塩等が挙げられる。
一方有機酸塩としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩などが挙げられるが、カルボン酸塩が本発明の目的に好適であり、その具体例としては、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ギ酸、シュウ酸、スルファミン酸、ナフテン酸等の遷移金属塩が挙げられる。
一方、遷移金属の錯体としては、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとの錯体が使用され、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとしては、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、1,3−シクロヘキサジオン、メチレンビス−1,3ーシクロヘキサジオン、2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイルメタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイルメタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメタン等を用いることができる。
【0026】
尚、遷移金属系触媒はポリアミド樹脂や酸化性有機成分に比して少量であるので、ブレンドを均質に行うために、一般に遷移金属触媒を有機溶媒に溶解し、この溶液と粉末或いは粒状のポリアミド樹脂及び酸化性有機成分とを混合することが好ましい。
【0027】
遷移金属系触媒を溶解させる溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒を用いることができ、一般に遷移金属系触媒の濃度が5乃至90重量%となるような濃度で用いるのがよい。
また、遷移金属系触媒を比較的高い濃度で含有するポリアミド樹脂及び/または酸化性有機成分のマスターバッチを調製し、このマスターバッチを未配合のポリアミド樹脂とブレンドしてもよい。
【0028】
本発明に用いられる酸素吸収性樹脂組成物においては、酸化性有機成分が樹脂組成物を基準として、0.01乃至10重量%、特に0.5乃至8重量%の量で含有されていることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物においては、遷移金属系触媒が樹脂組成物基準で、遷移金属量として100乃至3000ppm、具体的にはコバルトでは100乃至800ppm、鉄では150乃至1500ppm、マンガンでは200乃至2000ppmの量で含有されていることが好ましい。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物には、一般に必要ではないが、所望によりそれ自体公知の活性化剤を配合することができる。活性化剤の適当な例は、これに限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、各種アイオノマー等の水酸基及び/またはカルボキシル基含有重合体である。
これらの水酸基及び/またはカルボキシル基含有重合体は、ポリアミド樹脂100重量部当たり30重量部以下、特に0.01乃至10重量部の量で配合することができる。
本発明に用いる酸素吸収性樹脂組成物には、充填剤、着色剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、金属セッケンやワックス等の滑剤、改質用樹脂乃至ゴム、等の公知の樹脂配合剤を、それ自体公知の処方に従って配合できる。
例えば、滑剤を配合することにより、スクリューへの樹脂の食い込みが改善される。滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケン、流動、天然または合成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のもの、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のもの、ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系のもの、ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート等のエステル系のもの、セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、及びそれらの混合系が一般に用いられる。滑剤の添加量は、ポリアミド基準で50乃至1000ppmの範囲が適当である。
【0029】
[酸素吸収ガスバリヤー性樹脂組成物のペレット]
本発明においては、上述したキシリレン基含有ポリアミド樹脂、酸化性有機成分、及び遷移金属系触媒から成る樹脂組成物から成り、且つ含水率が0.3重量%以下のペレットを用いることが重要な特徴であり、かかるペレットは図1に示す工程により好適に製造することができる。
【0030】
(A)原材料の保管
前述した通り、本発明に用いるキシリレン基含有ポリアミド樹脂、酸化性有機成分及び遷移金属触媒からなる樹脂組成物においては、キシリレン基含有ポリアミド樹脂が吸湿性を有し、ペレットの含水率を大きく左右するため、キシリレン基含有ポリアミド樹脂が0.3重量%以下、更に好ましくは0.1重量%以下の含水率を保持するように、密封されて真空乾燥された状態にあることが特に好ましい(図1(a−1))。
ポリアミド樹脂、酸化性有機成分及び遷移金属系触媒の混合は、樹脂組成物の酸化劣化が生じないように、非酸化性雰囲気中で行うことが重要であり、このため減圧下或いは窒素気流中で行うことが好ましい。この混合はベント式或いは乾燥機付の二軸押出機を用いて行うことができる。
一般に押出機は、スクリュー回転数が200乃至400rpm、樹脂圧1乃至5MPa、樹脂温度が250乃至270℃で運転することが好ましい。
【0031】
(B)二軸押出機による溶融混練
キシリレン基含有ポリアミド樹脂(図1(a−1))、遷移金属触媒(図1(a−2))、酸化性有機成分(図1(a−3))を真空ベントを備えた二軸押出機内に投入する。投入の順序に制限はないが、図1に示す具体例では、この順序で投入し、スクリュー内での酸化、吸湿を防止すべく真空ベントを引きながら溶融混練する(図1(b))。
【0032】
(C)ストランドの冷却
溶融混練された樹脂組成物は二軸押出機からストランド状に押出される。この押出されたストランド状の樹脂組成物をカッティング可能にするため冷却を行う。ストランドの冷却は水冷が一般的であるが、本発明においては樹脂組成物の吸湿を防止するために水を用いることなく、乾燥冷却することが重要で特に効率良く容易に乾燥冷却する点で冷風が好ましい(図1(c))。
二軸押出機から押出された直後、ストランド状樹脂組成物は260℃前後の温度を有しており、これを100乃至110℃程度まで冷却すべく、5乃至20℃の温度の冷風を送風することが好ましい。上記範囲よりも高い温度の送風では、樹脂組成物のストランドを十分冷却できず、効率よくペレット状にカッティングすることができない。また上記範囲よりも低い温度の送風で急激に冷却すると、後述するペレットの結晶化を阻害し、ペレット同士のブロッキング、スクリュウなどへの融着を生じると共に、コストの面でも実用的でない。
【0033】
(D)ペレタイザによるカッティング
冷却固化されたストランド状樹脂組成物をペレタイザによりペレット状にカッティングする(図1(d))。この際ストランド状樹脂組成物の温度は100乃至110℃であることが好ましい。
ペレットは結晶化されていることが好ましく、ペレットの結晶化を促進するためには、ペレタイザによりカッティングされたペレットの温度が100乃至110℃の範囲であることが好ましい。
冷却されたストランド状樹脂組成物は、ペレタイザによりペレット状にカッティングされる。
ペレットの大きさはこれに限定されないが、一般に長径3.5乃至4.5mm、短径2.8乃至3.2mm、長さ2.5乃至3.2mmの範囲であることが好ましい。上記範囲よりも小さい場合には、ペレットが小さく急冷されやすいため、ペレットが結晶化されにくくなる場合がある。
【0034】
ペレタイザでカッティングされたペレットは、50乃至70℃の温度に冷却されることが望ましい。すなわちペレタイザでカッティングされた直後のペレットは、上述したように、100乃至110℃の温度にあるが、かかる温度で長時間保管されると、ペレットが変色し、この変色したペレットを用いた場合には、バリヤー層の色相が異なり、気泡が発生する場合もある。
【0035】
(E)ペレットの保管
ペレットを計量ホッパー(図1(f))により一定量を酸素及び水分を実質的に含まないガス、例えば窒素ガス流通下で密封コンテナーに充填し、コンテナー内を窒素置換した後、密閉された状態で、ペレットの含水率が0.3重量%を維持するように保管され(図1(e))、多層容器の製造に供される。
【0036】
[多層容器の製法]
本発明により得られる多層容器は、上記樹脂組成物から成る酸素吸収ガスバリヤー性層を少なくとも一層と他の樹脂層の少なくとも1層と組み合わせて成る多層容器であり、上記樹脂組成物から成る含水率が0.3重量%以下のペレットを用いて酸素吸収ガスバリヤー層を形成する以外は、従来公知の多層容器の成形法によって製造することができる。
【0037】
本発明により得られる多層容器は、上記樹脂組成物から成る層の少なくとも1層を他の樹脂層の少なくとも1層と組み合わせて、カップ、トレイ、ボトル、チューブ容器、パウチ、蓋材、シール材、容器成形用のプリフォーム等の形の多層包装材料とする。
共押出成形法による場合には、樹脂の種類に応じた数の押出機を用いて、多層多重ダイを用いる以外は通常の押出成形と同様、前記樹脂組成物を押出機で溶融混練した後、T−ダイ、サーキュラーダイ(リングダイ)等を通して所定の形状に押出すことにより行われる。
また、共射出成形法による場合には、樹脂の種類に応じた数の射出成形機を用いて、同時共射出法や逐次共射出法により多層射出成形体を製造することができる。
更に、共圧縮成形法による場合には、樹脂の種類に応じた数の押出し機を用いて、一定の溶融樹脂塊に押し出し、これを金型で圧縮成形することにより行われる。
本発明においては、上記成形方法により、直接多層容器を製造することもできるが、共射出成形法により成形された多層プリフォームは従来公知の延伸ブロー成形に付することによって多層ブロー成形容器に成形される。
【0038】
本発明により得られる多層容器は、少なくとも一層の酸素吸収ガスバリヤー層を有する限り種々の構成を採用できるが、一般に、上記樹脂組成物から成る酸素吸収層等の機能性を付与する層は、容器などの外表面に露出しないように容器などの外表面よりも内側に設けるのが好ましく、また内容物との直接的な接触を避ける目的で、容器などの内表面より外側に設けるのが好ましいことから、多層容器の少なくとも1個の中間層として、酸素吸収ガスバリヤー層を設けるのが望ましい。
上記樹脂組成物から成る層と組み合わせる他の樹脂層としては、オレフィン系樹脂や熱可塑性ポリエステル樹脂などの耐湿性樹脂、バリヤー性樹脂等が挙げられる。また各層間には必要に接着剤層を設けることもできる。
【0039】
[他の積層樹脂]
本発明により得られる多層容器において、上記酸素吸収ガスバリヤー層と組み合わせる他の樹脂層としては、オレフィン系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ガスバリヤー性樹脂等が挙げられる。
オレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)或いはこれらのブレンド物等が挙げられる。
【0040】
また、熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、或いはこれらの共重合ポリエステル、更にはこれらのブレンド物等が挙げられる。 更に、ガスバリヤー性樹脂の最も適当な例としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を挙げることができ、例えば、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が使用される。このエチレンビニルアルコール共重合体ケン化物は、フイルムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一般に、フエノール:水の重量比で85:15の混合溶媒中30℃で測定して0.01dl/g以上、特に0.05dl/g以上の粘度を有することが望ましい。
更にまた、バリヤー性樹脂の他の例としては、環状オレフィン系共重合体(COC)、特にエチレンと環状オレフィンとの共重合体、特に三井化学社製のAPEL等を用いることができる。
【0041】
積層構造の適当な例は、上記樹脂組成物から成る酸素吸収ガスバリヤー層をOARとして表して、次の通りである。また、どちらの層を内面側にするかは、目的によって自由に選択することができる。尚、PETは熱可塑性ポリエステル樹脂(特にポリエチレンテレフタレート)、PPはポリオレフィン樹脂(特にポリプロピレン)、COCは環状ポリオレフィン樹脂、EVOHはエチレンビニアルコール共重合体をそれぞれ示す。
二層構造:PET/OAR、PE/OAR、PP/OAR、
三層構造:PE/OAR/PET、PET/OAR/PET、PE/OAR/PP、EVOH/OAR/PET、PE/OAR/COC、
四層構造:PE/PET/OAR/PET、PE/OAR/EVOH/PET、PET/OAR/EVOH/PET、PE/OAR/EVOH/COC、
五層構造:PET/OAR/PET/OAR/PET、PE/PET/OAR/EVOH/PET、PET/OAR/EVOH/COC/PET、PET/OAR/PET/COC/PET、PE/OAR/EVOH/COC/PET、
六層構造:PET/OAR/PET/OAR/EVOH/PET、PE/PET/OAR/COC/EVOH/PET、PET/OAR/EVOH/PET/COC/PET、
七層構造:PET/OAR/COC/PET/EVOH/OAR/PET、
などである。
【0042】
上記積層体の製造に当たって、各樹脂層間に必要により接着剤樹脂を介在させることもできる。
このような接着剤樹脂としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸塩、カルボン酸アミド、カルボン酸エステル等に基づくカルボニル(−CO−)基を主鎖又は側鎖に、1乃至700ミリイクイバレント(meq)/100g樹脂、特に10乃至500meq /100g樹脂の濃度で含有する熱可塑性樹脂が挙げられる。接着剤樹脂の適当な例は、エチレン−アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステル、共重合熱可塑性等の1種又は2種以上の組合せである。これらの樹脂は、同時共押出成形による積層に有用である。
【0043】
本発明により得られる多層容器において、酸素吸収性ガスバリヤー層の厚みに特に制限はないが、一般に1乃至100μm、特に5乃至50μmの範囲にあるのが好ましい。即ち、酸素吸収層の厚みがある範囲よりも薄くなると酸素吸収性能が劣り、またある範囲よりも厚くなっても酸素吸収性の点では格別の利点がなく、樹脂量が増大するなど経済性の点、材料の可撓性や柔軟性が低下するなどの容器特性の点では不利となるからである。
【0044】
本発明により得られる多層容器において、全体の厚みは、用途によっても相違するが、一般に30乃至7000μm、特に50乃至5000μmのあるのがよく、一方酸素吸収性ガスバリヤー層の厚みは、全体の厚みの0.5乃至95%、特に1乃至50%の厚みとするのが適当である。
【0045】
【実施例】
(実施例1)
防湿包装を開封し、圧力1mmHg以下、温度150℃条件下で4時間乾燥した含水率0.1重量%のメタキシリレン基含有ポリアミド(東洋紡(株)製 T−600)を下記条件の二軸押出機に供給し、押出機のスクリューの途中から、遷移金属系触媒としてネオデカン酸コバルト(大日本インキ化学工業(株)製 DICNATE5000)、酸化性有機成分としてマレイン酸変性ポリブタジエン(日本石油化学(株)製 M−2000−20)をこの順序で押出機に供給し、メタキシリレン基含有ポリアミド94.75%、マレイン酸変性ポリブタジエン5.00%、ネオデカン酸コバルト0.25%(コバルト量換算350ppm)の配合割合の樹脂組成物を調製した。
【0046】
これらの材料をスクリューで混練し、真空ベントで脱気しながら、メッシュスクリーン、ブレーカープレートを経て、オリフィスプレートよりストランド状の樹脂組成物を押出した。押出されたストランド状樹脂組成物は、冷却前は200℃であったが、コンベア上の送風装置で冷却され110℃まで冷却された。冷却されたストランドは、12m/minの速度のカッターでペレタイズされ、長径3.9mm、短径3.0mm、長さ3.0mmのペレット状樹脂組成物が製造された。このペレットを更に70℃に冷却した後、窒素流通下、コンテナーに充填され、窒素置換した後密封して30日間保管した(ペレット1)。
このペレット1の含水率を測定したところ、0.06%であった。
尚、二軸押出機は、バレル温度260℃、スクリュー回転数350rpmであり、冷却のための送風温度は20℃であった。
【0047】
上記ペレット1から中間層、ポリエチレンテレフタレートから内外層及び他の中間層が形成された2種5層の多層有底プリフォームを共射出成形により成形した。この際、ペレットのブロッキングや、ペレットのスクリューへの融着は認められなかった。また、成形された多層有底プリフォーム口部について、目視により気泡の有無を確認したが、気泡は認められなかった。
また上記ペレット1について、常温のペレット5gを30mlのガラス瓶に入れ、ゴム栓で密封し、55℃で1日、3日、7日保管した後、微量酸素濃度計でガラス瓶内の酸素濃度を測定した結果、酸素濃度は、1日保管:19.9%、3日保管:18.5%、7日保管:18.0%であった。
【0048】
(比較例1)
ストランドの冷却を水冷(水温20℃)に変えた以外は実施例1と同様にしてペレット2を製造した。ペレットの含水率は0.32重量%であった。実施例1と同様にして、このペレット2を用いて多層プリフォームを成形した。得られた多層プリフォーム口部には気泡の発生が認められた。
【0049】
(比較例2)
メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂として含水率が0.40重量%のものを用いた以外は実施例1と同様にして、ペレット3を製造した。ペレットの含水率は0.32重量%であった。実施例1と同様にして、このペレット3を用いて多層プリフォームを成形した。得られた多層プリフォーム口部には気泡の発生が認められた。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、酸素吸収ガスバリヤー性層を少なくとも一層有する多層容器の製法において、前記酸素吸収ガスバリヤー性層が、キシリレン基含有ポリアミド、酸化性有機成分及び遷移金属触媒から成る樹脂組成物から成り、且つ含水率が0.3重量%以下であるペレットを用いて製造することにより、上記樹脂組成物の有する優れた酸素吸収性とガスバリヤー性を損なうことなく、ペレット同士のブロッキングや、ペレットのスクリューなどへの融着が有効に防止され、効率よく成形できると共に、成形品の気泡の発生を有効に防止することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる酸素吸収ガスバリヤー性樹脂組成物のペレットを製造する工程を示す図である。

Claims (4)

  1. キシリレン基含有ポリアミド、酸化性有機成分及び遷移金属触媒からなり、含水率が0.3重量%以下である酸素吸収性樹脂ペレット。
  2. 含水率0.3重量%以下のキシリレン基含有ポリアミド、酸化性有機成分及び遷移金属触媒を、真空ベントを備えた二軸押出機を用いて脱気しながらストランド状樹脂組成物とし、該ストランド状樹脂組成物を乾燥冷却した後、ペレット状にカッティングし、該ペレット状樹脂組成物を酸素及び水を含まないガス流通の下コンテナー内に収納し、密閉系で保管することを特徴とする酸素吸収樹脂ペレットの製法。
  3. 前記ストランド状樹脂組成物を5乃至20℃の冷風で冷却する請求項2に記載の酸素吸収樹脂ペレットの製法。
  4. 酸素吸収ガスバリヤー層が請求項1に記載の酸素吸収樹脂ペレットを用いて製造されることを特徴とする多層容器の製法。
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