JP4026417B2 - 樹脂組成物及びこれを用いた多層包装材料 - Google Patents

樹脂組成物及びこれを用いた多層包装材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂組成物及びこれを用いた多層容器に関し、より詳細には、化学的性質の異なる2種以上の樹脂から成る樹脂組成物であっても、安定した溶融粘度を有し、ポリエステル樹脂等との共成形による成形性が改善された樹脂組成物、及びこの樹脂組成物から成る層を有する多層包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、包装容器としては、金属缶、ガラスビン、各種プラスチック容器等が使用されているが、プラスチック容器は、軽量であり、耐衝撃性にもある程度優れているという利点を有しているが、容器壁を透過する酸素による内容物の変質やフレーバー低下が問題となっている。
【0003】
特に、金属缶やガラスビンでは容器壁を通しての酸素透過がゼロであり、容器内に残留する酸素のみが問題であるのに対して、プラスチック容器の場合には器壁を通しての酸素透過が無視し得ないオーダーで生じ、内容品の保存性の点で問題となっている。
【0004】
これを防止するために、プラスチック容器では容器壁を多層構造とし、その内の少なくとも一層として、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の耐酸素透過性を有する樹脂を用いることが行われているが、多層プラスチック容器では、複数の樹脂の共押出や共射出といった技術が必要になる。
【0005】
一方、耐酸素透過性を有する樹脂として、本発明者等の提案にかかる特開平1−278344号公報には、20℃及び0%RHでの酸素透過係数が10−12cc・cm・sec・cmHg以下で且つ20℃及び100%RHでの水分吸着量が0.5%以上であるガスバリア性熱可塑性樹脂に遷移金属の有機金属錯体を配合した樹脂組成物を中間層とし、該中間層の両側に耐湿性熱可塑性樹脂の層を設けた積層構造物から成るプラスチック多層容器が記載されている。
【0006】
また、特表平2−500864号公報には、ポリマーから成り酸素捕集特性を有する組成物又は該組成物の層を含有する包装用障壁において、組成物が酸化可能な有機成分の金属触媒酸化により酸素を捕集することを特徴とする包装用障壁が記載されており、酸化可能有機成分としては、ポリアミド、特にキシリレン基含有ポリアミドが使用されることも記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような基材そのものが分解する機能性樹脂は、分解性が高い故に成形中に分子量の低下が生じ、その結果、溶融粘度が低下すると共に成形性が悪化する傾向がある。
そこで、酸化分解型の特徴を有する樹脂を非分解型の基材樹脂に混合する手法が考えられるが、高分子/高分子混合系の場合、一般に異なる化学種の樹脂は分子分散せず、いわゆる海−島構造を形成する。そして、島の大きさはミクロンオーダーになることが多く、2種の樹脂の溶融粘度に大きな差がある場合、一定ひずみ速度における溶融粘度の時間依存性が大きくばらついたり、或いは溶融粘度そのものが大きく低下し、このため、他の基材樹脂との共成形性、特に共射出成形性に劣るという問題を有している。
かかる機能性樹脂組成物のこのような溶融粘度の低下及び不安定を防止するためには、固相重合により粘度の上昇を図ることが必要になるか、或いは非常に狭い成形条件で成形する必要があり、何れにしても生産性に劣るようになる。
【0008】
従って本発明の目的は、安定した溶融粘度を呈し、成形性及び生産性に優れた樹脂組成物を提供するにある。また本発明の他の目的は、係る樹脂組成物から成る中間層を備えた多層包装材料を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、少なくとも末端アミノ基濃度が40eq/10 g以上のポリアミド樹脂及びポリエン系重合体と、不飽和カルボン酸又はその無水物、及び遷移金属触媒から成ることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
本発明によればまた、少なくとも末端アミノ基濃度が40eq/10 g以上のポリアミド樹脂及び水酸基末端ポリブタジエンと、遷移金属触媒から成ることを特徴とする樹脂組成物が提供される。
本発明の樹脂組成物においては、樹脂として、上記ポリアミド樹脂及びポリエン系重合体に加えて、ポリエステル樹脂を含有することが好適である。
本発明によればまた、上記樹脂組成物が中間層、ポリエステル樹脂が内外層と成るように共成形して成る多層包装材料が提供される。この多層包装材料は逐次射出成形で成形されていることが好ましい。
【0010】
【発明の実施形態】
本発明の樹脂組成物においては、官能基及び/又は二重結合を有する樹脂群から選ばれる少なくとも2種と、それらと反応し得る多価のモノマー或いはその無水物から成ることが重要な特徴である。
前述した通り、機能性を有する樹脂組成物は、化学的に異なる性質を有する2種以上の樹脂から成ることが多く、このような樹脂組成物では、溶融粘度の低下や、またその値が不安定になる。このため共成形する他の樹脂との溶融粘度のマッチングが悪く、共射出成形等の共成形に付すると機能性樹脂層の位置を好適に制御できず、満足する成形性を得ることができない。
【0011】
本発明は、化学的性質の異なる2種以上の樹脂から成る樹脂組成物であっても、これらの樹脂と反応し得る多価モノマーを組み合わせ、他の樹脂との反応物とすることにより、溶融粘度の低下を防止して溶融粘度を安定化することが可能に成ることを見出したものである。
すなわち、官能基及び/又は二重結合を有する樹脂群から選ばれた2種の樹脂として、ポリアミド樹脂及びポリエン系重合体、これと反応するモノマーとして無水マレイン酸の組み合わせを例にとると、無水マレイン酸の二重結合とポリエン系重合体の二重結合間の重合反応、及び無水マレイン酸のカルボキシル基とポリアミド樹脂末端アミノ基間のアミド、イミド結合反応が生じる。
【0012】
上記反応物の存在により、樹脂組成物の相溶性及び溶融粘度の安定化がさらに向上し、また、溶融粘度の上昇も可能となる。この反応は、特に高変性物を用いる場合に顕著である。
【0013】
本発明において、上記反応物が樹脂組成物の溶融粘度の低下を防止すると共に溶融粘度を安定化する理由としては、上述した反応が生じ、枝分かれ共重合体が生成するためと考えられる。この枝分かれ共重合体は、基材分子上の官能基の位置と数及び変性ポリエン系重合体分子上の変性基の位置と数により、ブロック状、グラフト型、ランダム枝分かれ型、星型の構造になる。溶融粘度は、枝の長さが長い程、そして枝の数が多い程高くなる。また、上記構造中では、星型構造物が最も増粘効果が高い。
すなわち、溶融粘度(η)と重合度(N)の関係は線状重合体においては、
ηliner〜N
であるのに対し、枝分かれ重合体においては、
ηstar〜expN
であり、例えば重合度を100とすると、
ηstar/ηliner=2.7×1037
となり、微量の枝分かれ重合体の存在によっても、樹脂組成物の粘度が支配されるため、枝分かれ成分の生成により溶融粘度が上昇し、その安定化を図ることが可能となるのである。
【0014】
樹脂組成物中に枝分かれ成分が存在するか否かは、下記式(1)により明らかになる。
ηsp/c=[η]+k[η]c…(1)
式中、ηspは比粘度、[η]は固有粘度、cは重量濃度、kはハギンス定数をそれぞれ表す。
すなわち、上記式(1)において、ハギンス定数kが大きいと分岐構造を有していることは従来より知られており、図1は、キシリレン基含有ポリアミド樹脂を基材として、ポリブタジエン4.825重量%、無水マレイン酸0.175重量%、ネオデカン酸コバルトを遷移金属量換算で350ppmの4成分を二軸押出機で溶融混練して得た樹脂組成物A(実施例1)、上記樹脂組成物Aから無水マレイン酸を除いた3成分を粘度測定溶液調整時に混合した樹脂組成物Bについて上記式(1)の関係を示す図である。
この図1から、これらの樹脂組成物のハギンス定数(k)が求められる。これによると、無水マレイン酸が配合され、且つ溶融押出された樹脂組成物Aにおいては、無水マレイン酸を配合せず、且つ溶融押出されてない組成物Bよりも高いハギンス定数が得られ、樹脂組成物Aにおいては、前述した反応が溶融押出工程で行われた結果、枝分かれ成分が生成され、このため溶融粘度特性が向上していることが判る。
尚、上記ハギンス定数(k)は、ペレットの比粘度を濃度で除した値の濃度依存性から求め、溶媒はフェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)の混合溶媒、測定温度は30℃とした。
【0015】
図2は、上述した樹脂組成物A(実施例1)及び上記樹脂組成物Aから無水マレイン酸を除いた3成分を二軸押出機で溶融混練して得た樹脂組成物B’(比較例1)の265℃における溶融粘度曲線を示す図である。
この図2から、枝分かれ成分が生成されることより、溶融粘度が上昇及び安定化することが判る。
即ち、樹脂組成物B’は、溶融粘度が樹脂組成物Aに比べて低く、しかも溶融粘度が安定していない。このことから、枝分かれ成分が生成している樹脂組成物Aにおいて、明らかに溶融粘度が改良されていることが理解される。
【0016】
本発明の樹脂組成物においては、上述したように粘度特性が改良されていることにより、この樹脂組成物を多層包装材料の中間層として用いた場合、成形性が改善され、この樹脂組成物から成る中間層を均一に形成することが可能となる。
すなわち、前述した樹脂組成物A及びB’を中間層、ポリエステル樹脂を内外層として共射出成形によりプリフォームを成形した場合、後述する実施例の結果から明らかなように、樹脂組成物Aから成る中間層はプリフォームのいずれの部位おいても均一に形成されているのに対して、樹脂組成物B’から成る中間層は、プリフォーム全体に均一に形成されていないため、容器の酸素吸収性が損なわれていると共に、外観にも劣っていることがわかる。
【0017】
本発明において、官能基及び/又は二重結合を有する樹脂としては、これに限定されないが、アミノ基、カルボニル基、水酸基、エポキシ基等の官能基及び/又は二重結合を有する樹脂であり、具体的にはポリアミド樹脂、ポリエン系重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエステル樹脂、ポリグリコール酸等を例示できる。
これらの樹脂は、後述する多価ポリマー或いはその無水物と反応し得るものであり、溶融押出可能な樹脂であれば使用することができる。特に酸素バリア性を有する熱可塑性樹脂であることが好ましく、このような要求を満足するものとして、ポリアミド樹脂、特にキシリレン基含有ポリアミドや、共重合ポリエステル等の酸素バリア性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン−ビニルアルコール共重合体等を挙げることができる。
これらの樹脂の詳細については後述する。
【0018】
本発明においては、これらの樹脂群から少なくとも2種の樹脂を使用するが、これらの中でも特に、キシリレンジアミンを主体とするジアミン成分とジカルボン酸成分とから誘導されたポリアミド樹脂と、ポリエンから誘導されるポリエン系重合体を組み合わせて使用することが、樹脂組成物が優れた酸素吸収性を有するために特に好ましい。
【0019】
ポリエンから誘導される重合体では、重合体中の炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子の位置で水素原子の引き抜きが容易に行われ、これによりラジカルが発生すると考えられる。このポリエンから誘導される重合体と遷移金属触媒とを含有する組成物での酸素吸収は、当然のことながら、このポリエン系重合体の酸化を経由して行われるものであり、この酸化は、▲1▼遷移金属触媒による二重結合隣接炭素原子からの水素原子の引き抜きによるラジカルの発生、▲2▼このラジカルへの酸素分子の付加によるパーオキシラジカルの発生、▲3▼パーオキシラジカルによる水素原子の引き抜きの各素反応を通して生じると信じられる。
【0020】
加えて、官能基を有する樹脂であるポリアミド樹脂等へ、二重結合を有する樹脂であるポリエン系重合体を配合する際に、多価モノマーである無水マレイン酸を共に溶融混練することにより、前述した反応により枝分かれ成分が生成する。この反応物の存在により、樹脂マトリックスに対するポリエン系重合体の分散性が向上し、樹脂組成物の溶融押出性、射出成形性等の加工性が向上するという極めて好都合の作用が達成される。
すなわち、多価モノマーを配合していない場合、単に機械的な混練でポリエン系重合体を分散させるため、分散性が不良であり、また分散の程度も不均一のものとなり易いという傾向があり、このため樹脂組成物の加工性が低下するのを免れない。
これに対して、多価モノマーが配合されると、枝分かれ共重合体が生成し、これの存在により樹脂組成物の相溶化および溶融粘度の安定化がさらに向上し、また溶融粘度の上昇も可能となるため、成形性に優れているという利点が達成されるものである。
【0021】
(官能基及び/又は二重結合を有する樹脂)
本発明の樹脂組成物において、官能基及び/又は二重結合を有する樹脂群から選ばれる少なくとも2種の樹脂のうちの1種として最も好適なものとしては、前述した通り、ポリアミド樹脂を挙げることができる。
ポリアミド樹脂としては、(a)ジカルボン酸成分とジアミン成分とから誘導された脂肪族、脂環族或いは半芳香族ポリアミド、(b)アミノカルボン酸或いはそのラクタムから誘導されたポリアミド、或いはこれらのコポリアミド或いはこれらのブレンド物が挙げられる。
ジカルボン酸成分としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバチン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数4乃至15の脂肪族ジカルボン酸やテレフタル酸やイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
また、ジアミン成分としては、 1,6- ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノオクタン、1,10- ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカン等の炭素数4〜25、特に6〜18の直鎖状又は分岐鎖状アルキレンジアミンや、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、4,4′-ジアミノ-3,3′-ジメチルジシクロヘキシルメタン、特にビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、1,3-ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジアミン、m−キシリレンジアミン及び/又はp−キシリレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミンが挙げられる。
アミノカルボン酸成分としては、脂肪族アミノカルボン酸、例えばω−アミノカプロン酸、ω−アミノオクタン酸、ω−アミノウンデカン酸、ω−アミノドデカン酸や、例えばパラ−アミノメチル安息香酸、パラ−アミノフェニル酢酸等の芳香脂肪族アミノカルボン酸等を挙げることができる。
【0022】
本発明の目的には、これらのポリアミドの内でもキシリレン基含有ポリアミドが好ましく、具体的には、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンセバカミド、ポリメタキシリレンスベラミド、ポリパラキシリレンピメラミド、ポリメタキシリレンアゼラミド等の単独重合体、及びメタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピメラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンセバカミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体等の共重合体、或いはこれらの単独重合体または共重合体の成分とヘキサメチレンジアミンの如き脂肪族ジアミン、ピペラジンの如き脂環式ジアミン、パラ−ビス(2アミノエチル)ベンゼンの如き芳香族ジアミン、テレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムの如きラクタム、7−アミノヘプタン酸の如きω−アミノカルボン酸、パラ−アミノメチル安息香酸の如き芳香族アミノカルボン酸等を共重合した共重合体が挙げられるが、m−キシリレンジアミン及び/又はp−キシリレンジアミンを主成分とするジアミン成分と、脂肪族ジカルボン酸及び/又は芳香族ジカルボン酸とから得られるポリアミドが特に好適に用いることができる。
これらのキシリレン基含有ポリアミドでは、他のポリアミド樹脂に比して酸素バリア性に優れており、本発明の目的に好ましいものである。
【0023】
本発明では、ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度が40eq/106g以上、一層好適には末端アミノ基濃度が50eq/106gを超えるポリアミド樹脂であることが、ポリアミド樹脂の酸化劣化を抑制する点で好ましい。
ポリアミド樹脂の酸化劣化、つまり酸素吸収と、ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度とは密接な関係がある。即ち、ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度が上述した比較的高い範囲にある場合には、酸素吸収速度は殆どゼロかゼロに近い値に抑制されるのに対して、ポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度が上記範囲を下回るようになると、ポリアミド樹脂の酸素吸収速度が増大する傾向がある。
上記範囲のポリアミド樹脂と酸化性重合体との組合せを用いることにより、熱可塑性樹脂基材の酸化劣化を抑制しつつ、酸化性重合体による酸素吸収を選択的に行わせることが可能となるので好ましい。
末端アミノ基濃度が前記範囲内にあるポリアミド樹脂は、市販のポリアミド樹脂の中から選択して用いることができる。
これらのポリアミド樹脂は、容器の機械的特性及び加工の容易さから、98%硫酸中、1.0g/dlの濃度及び20℃の温度で測定した相対粘度(ηrel )が1.3乃至4.2、特に1.5乃至3.8の範囲内にあることが望ましい。
【0024】
上記ポリアミド樹脂と同様に基材樹脂と成り、上述したポリアミド樹脂に代えて或いは同時に使用できる他の樹脂としては、以下のものを挙げることができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やガスバリア性ポリエステルを用いることもできる。ガスバリア性ポリエステルの1種(以下、BPRと記すこともある。)は、重合体鎖中に、テレフタル酸成分(T)とイソフタル酸成分(I)とを、
T:I=95: 5乃至 5:95
特に 75:25乃至25:75
のモル比で含有し且つエチレングリコール成分(E)とビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン成分(BHEB)とを、
E:BHEB=99.999:0.001乃至2.0:98.0
特に、99.95:0.05乃至40:60
のモル比で含有する。BHEBとしては、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンが好ましい。
このポリエステル(BPR)は、少なくともフィルムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一般にフェノールとテトラクロルエタンとの50:50の重量比の混合溶媒中、30℃の温度で測定して、0.3乃至2.8dl/g、特に、0.4乃至1.8dl/gの固有粘度[η]を有することが望ましい。 さらに、リサイクル品であるポリエステルを用いることもできる。
【0025】
また上記ポリエステル以外にも、酸素バリア性に優れたものとして、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を挙げることができ、例えば、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が使用される。このエチレンビニルアルコール共重合体ケン化物は、フィルムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一般に、フェノール:水の重量比で85:15の混合溶媒中30℃で測定して0.01dl/g以上、特に、0.05dl/g以上の粘度を有することが望ましい。
更に、オレフィン樹脂等も使用でき、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)或いはこれらのブレンド物等を用いることができる。
【0026】
本発明の樹脂組成物において、官能基及び/又は二重結合を有する樹脂群から選ばれる少なくとも2種の樹脂の他の1種としては、前述した通り、ポリエンから誘導される重合体を用いることが特に好ましく、このポリエン系重合体を配合することにより樹脂組成物に酸素吸収性を付与することが可能となる。
かかるポリエンとしては、炭素原子数4〜20のポリエン、鎖状乃至環状の共役乃至非共役ポリエンから誘導された単位を含む樹脂が好適に使用される。これらの単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-ビニリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエン等のトリエン、クロロプレンなどが挙げられる。
【0027】
これらのポリエンは、単独で或いは2種以上の組合せで、或いは他の単量体との組み合わせで単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体などの形に組み込まれる。
ポリエンと組み合わせで用いられる単量体としては、炭素原子数2〜20のα- オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチル-1-デセン、11-メチル-1-ドデセン、12-エチル-1-テトラデセンが挙げられ、他にスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、メチルメタクリレート、エチルアクリレートなどの単量体も使用可能である。
【0028】
ポリエン系重合体としては、具体的には、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)等を挙げることができるが、これらの例に限定されない。
重合体中における炭素−炭素二重結合は、特に限定されず、ビニレン基の形で主鎖中に存在しても、またビニル基の形で側鎖に存在していてもよい。
本発明に用いるポリエン系重合体は、40℃における粘度が1乃至200Pa・sの範囲にあることが酸素吸収性樹脂組成物の加工性の点で好ましい。
【0029】
官能基及び/又は二重結合を有する樹脂群から選ばれる二種以上の樹脂の組み合わせとしては、上述したポリアミド及びポリエン系重合体の他、エチレンビニルアルコール共重合体及びポリエン重合体、ポリエステル及びポリエン重合体を挙げることができる。また、同じポリエステル系樹脂でもモノマー構成等が異なっているような場合には、2種の樹脂として組み合わせることができる。
【0030】
(多価モノマー)
本発明の樹脂組成物に用いられる、上記官能基及び/又は二重結合を有する樹脂と反応し得る多価モノマーは、上記少なくとも2種以上の樹脂と反応可能な官能基及び/又は二重結合を有し、反応の結果、共重合体を生成し得るものである。
【0031】
これらの単量体の例として、2つ以上の官能基を有するものが挙げられ、具体的には(a)テレフタール酸を主体とする2価カルボン酸及びその無水物、(b)エチレングリコールまたは、ブチレングリコールを主体とするジオール及び、(c)エチレンジアミン又は、ブチレンジアミンを主体とする2価アミン、(d)3価以上の多価カルボン酸及びその無水物、(e) 3価以上の多価アルコール、(f)3価以上の多価アミンが挙げられる。3価以上の多価カルボン酸及びその無水物(d)の例として、トリメリット酸、ピロメリット酸、ヘミメリット酸、1,1,2,2-エタンテトラカルボン酸、1,1,2-エタントリカルボン酸、1,3,5-ペンタントリカルボン酸、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸、ビフェニル-3,4,3',4'-テトラカルボン酸等が挙げられる。また、3価以上の多価アルコール(e)としては、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール、ソルビトール、1,1,4,4-テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
また、2つ以上の二重結合を有する多価モノマーとしては、段落【0026】で上述したポリエン系重合体のモノマー原料として用いられる単量体が挙げられる。
【0032】
さらに、これらの単量体としては、官能基及び二重結合を有するは不飽和カルボン酸またはこれらの誘導体を用いるのが望ましく、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等のα,β−不飽和カルボン酸、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等のα,β不飽和カルボン酸無水物、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸の無水物が挙げられる。 最も好適には、マレイン酸または無水マレイン酸により変性されていることが好ましい。
【0033】
上記多価モノマーによる、官能基及び/又は二重結合を有する樹脂の酸変性は、多価モノマーと反応可能な官能基及び/又は二重結合を有する少なくとも2種以上の上記樹脂を多価モノマーとともに溶融押出することによって製造することができる。また、あらかじめ一方の上記樹脂に多価モノマーを、それ自体公知の手段でグラフト共重合、又はランダム共重合しておき、さらに他方の上記樹脂と溶融押出することによっても製造することができる。
【0034】
上記のように、予め一方の樹脂を多価モノマーで変性する場合、特に不飽和カルボン酸乃至その誘導体で変性する場合は、樹脂中に上記不飽和カルボン酸乃至その誘導体を0.01乃至10重量%の量で含有していることが好ましい。
不飽和カルボン酸乃至その誘導体の含有量が上記の範囲にあると、変性樹脂の基材樹脂への分散が良好となり、相溶性に優れると共に、酸素の吸収も円滑に行われる。
【0035】
(遷移金属触媒)
本発明の樹脂組成物においては、上記官能基及び/又は二重結合を有する樹脂群から選ばれた少なくとも2種の樹脂及び多価モノマーの他、遷移金属触媒を配合することが好ましい。遷移金属触媒としては、鉄、コバルト、ニッケル等の周期律表第VIII族金属成分が好ましいが、他に銅、銀等の第I族金属:錫、チタン、ジルコニウム等の第IV族金属、バナジウムの第V族、クロム等VI族、マンガン等のVII族の金属成分を挙げることができる。これらの金属成分の内でもコバルト成分は、酸素吸収速度が大きく、本発明の目的に特に適したものである。
【0036】
遷移金属触媒は、上記遷移金属の低価数の無機酸塩或いは有機酸塩或いは錯塩の形で一般に使用される。
無機酸塩としては、塩化物などのハライド、硫酸塩等のイオウのオキシ酸塩、硝酸塩などの窒素のオキシ酸塩、リン酸塩などのリンオキシ酸塩、ケイ酸塩等が挙げられる。
一方有機酸塩としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩などが挙げられるが、カルボン酸塩が本発明の目的に好適であり、その具体例としては、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ギ酸、シュウ酸、スルファミン酸、ナフテン酸等の遷移金属塩が挙げられる。
一方、遷移金属の錯体としては、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとの錯体が使用され、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとしては、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、1,3−シクロヘキサジオン、メチレンビス−1,3ーシクロヘキサジオン、2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイルメタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイルメタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメタン等を用いることができる。
【0037】
(樹脂組成物の調製)
本発明の樹脂組成物においては、多価モノマーが0.001乃至1重量%、特に0.01乃至0.5重量%の量で含有されることが好ましい。
多価モノマーがこの範囲より少ない場合、溶融粘度特性の改善に格別の利点が得られず、この範囲より多い場合、過剰な反応により粘度の極端な上昇が起き、溶融押出性、射出成形性等の加工性の点で好ましくない。
また、この樹脂組成物がポリエン系重合体を含み酸素捕捉機能を付加することを目的とする場合、ポリエン系重合体が樹脂組成物中に0.01乃至10重量%、特に1乃至7重量%含有されていることが好ましい。また、遷移金属触媒が含有されていることが好ましく、特にコバルトが好ましく、樹脂組成物中にコバルト量換算で310乃至800ppm含有されていることが好ましい。
【0038】
官能基及び/又は二重結合を有する樹脂群から選ばれた2種以上の樹脂、多価モノマー及び遷移金属触媒を配合するには、種々の手段を用いることができる。
例えば、これらの成分を溶融混練することにより、官能基及び/又は二重結合を有する樹脂群から選ばれた2種以上の樹脂、多価モノマーから成る樹脂組成物を容易に調製することができる。一方、この樹脂組成物に遷移金属触媒を含有させる場合、この量は他の配合成分とに比して少量であるので、ブレンドを均質に行うために、一般に遷移金属触媒を有機溶媒に溶解し、この溶液と粉末或いは粒状の樹脂及び多価モノマーとを混合し、必要によりこの混合物を不活性雰囲気下に乾燥するのがよい。
この配合においては、任意の順序でブレンドできるが、多価モノマーと、この多価モノマーで変性すべき樹脂を予め重合させておき、その後他方の樹脂を配合することもできる。
【0039】
遷属触媒を溶解させる溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒を用いることができ、一般に遷移金属触媒の濃度が5乃至90重量%となるような濃度で用いるのがよい。
【0040】
官能基及び/又は二重結合を有する樹脂群から選ばれた2種以上の樹脂、多価モノマー及び遷移金属触媒の混合、及びその後の保存は、組成物の前段階での酸化が生じないように、非酸化性雰囲気中で行うのがよい。この目的に減圧下或いは窒素気流中での混合或いは乾燥が好ましい。
この混合及び乾燥は、ベント式或いは乾燥機付の押出機や射出機を用いて、成形工程の前段階で行うことができる。
また、遷移金属触媒を比較的高い濃度で含有する上記樹脂のマスターバッチを調製し、このマスターバッチを未配合の基材と乾式ブレンドして、本発明の樹脂組成物を調製することもできる。
尚、本発明でポリアミド樹脂を用いる場合には、一般的な乾燥条件である120乃至180℃の温度で、0.5乃至2mmHgの減圧下2乃至6時間乾燥して後述する成形に用いるのがよい。
【0041】
本発明の樹脂組成物から成る層を形成する際、一般に必要ではないが、所望によりそれ自体公知の活性化剤を配合することができる。活性化剤の適当な例は、これに限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、各種アイオノマー等の水酸基及び/またはカルボキシル基含有重合体である。
これらの水酸基及び/またはカルボキシル基含有重合体は、基材樹脂100重量部当たり30重量部以下、特に0.01乃至10重量部の量で配合することができる。
この層には、充填剤、着色剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、金属セッケンやワックス等の滑剤、改質用樹脂乃至ゴム、等の公知の樹脂配合剤を、それ自体公知の処方に従って配合できる。
例えば、滑剤を配合することにより、スクリューへの樹脂の食い込みが改善される。滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケン、流動、天然または合成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のもの、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のもの、ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系のもの、ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート等のエステル系のもの、セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、およびそれらの混合系が一般に用いられる。滑剤の添加量は、基材となる樹脂基準で50乃至1000ppmの範囲が適当である。
【0042】
(多層包装材料)
本発明では、上記樹脂組成物から成る層の少なくとも1層を他の樹脂層の少なくとも1層と組み合わせて、カップ、トレイ、ボトル、チューブ容器、容器成形用のプリフォーム等の形の多層包装材料とする。
一般に、本発明の樹脂組成物から成る酸素吸収層等の機能性を付与する層は、容器などの外表面に露出しないように容器などの外表面よりも内側に設けるのが好ましく、また内容物との直接的な接触を避ける目的で、容器などの内表面より外側に設けるのが好ましい。かくして、多層容器の少なくとも1個の中間層として設けるのが望ましい。
【0043】
多層構成の容器の場合、本発明の樹脂組成物から成る層と組み合わせる他の樹脂層としては、オレフィン系樹脂や熱可塑性ポリエステル樹脂などの耐湿性樹脂、バリア性樹脂等が挙げられる。
【0044】
積層構造の適当な例は、本発明の樹脂組成物から成る層をOARとして表して、次の通りである。また、どちらの層を内面側にするかは、目的によって自由に選択することができる。
二層構造:PET/OAR、PE/OAR、PP/OAR、
三層構造:PE/OAR/PET、PET/OAR/PET、PE/OAR/PP、EVOH/OAR/PET、PE/OAR/COC、
四層構造:PE/PET/OAR/PET、PE/OAR/EVOH/PET、PET/OAR/EVOH/PET、PE/OAR/EVOH/COC、
五層構造:PET/OAR/PET/OAR/PET、PE/PET/OAR/EVOH/PET、PET/OAR/EVOH/COC/PET、PET/OAR/PET/COC/PET、PE/OAR/EVOH/COC/PET、
六層構造:PET/OAR/PET/OAR/EVOH/PET、PE/PET/OAR/COC/EVOH/PET、PET/OAR/EVOH/PET/COC/PET、
七層構造:PET/OAR/COC/PET/EVOH/OAR/PET、などである。
【0045】
上記積層体の製造に当たって、各樹脂層間に必要により接着剤樹脂を介在させることもできる。
このような接着剤樹脂としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸塩、カルボン酸アミド、カルボン酸エステル等に基づくカルボニル(−CO−)基を主鎖又は側鎖に、1乃至700ミリイクイバレント(meq)/100g樹脂、特に10乃至500(meq)/100g樹脂の濃度で含有する熱可塑性樹脂が挙げられる。接着剤樹脂の適当な例は、エチレン−アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステル、共重合熱可塑性等の1種又は2種以上の組合せである。これらの樹脂は、同時共押出成形による積層に有用である。
【0046】
本発明の多層包装材料において、本発明の樹脂組成物から成る層の厚みは、特に制限はないが、一般に酸素吸収性能を有する層の場合には、1乃至100μm、特に5乃至50μmの範囲にあるのが好ましい。即ち、酸素吸収層の厚みがある範囲よりも薄くなると酸素吸収性能が劣り、また、ある範囲よりも厚くなっても酸素吸収性の点では格別の利点がなく、樹脂量が増大するなど経済性の点、材料の可撓性や柔軟性が低下するなどの容器特性の点では不利となるからである。
【0047】
本発明の多層包装材料において、全体の厚みは、用途によっても相違するが、一般に30乃至7000μm、特に50乃至5000μmのあるのがよく、一方酸素吸収性中間層の厚みは、全体の厚みの0.5乃至95%、特に1乃至50%の厚みとするのが適当である。
【0048】
本発明の樹脂組成物は溶融粘度が安定しているため、他の樹脂との共成形に好適に使用でき、従来公知の共成形方法により、本発明の樹脂組成物から成る層を有する多層包装材料が製造可能である。
共押出成形法による場合には、樹脂の種類に応じた数の押出機を用いて、多層多重ダイを用いる以外は通常の押出成形と同様、前記樹脂組成物を押出機で溶融混練した後、T−ダイ、サーキュラーダイ(リングダイ)等を通して所定の形状に押出すことにより行われる。
また、共射出成形法による場合には、樹脂の種類に応じた数の射出成形機を用いて、同時共射出法や逐次共射出法により多層射出成形体を製造することができる。特に本発明の樹脂組成物は、溶融粘度特性に優れ、積層される他の樹脂と近似する溶融粘度を有しているので成形性に優れ、逐次共射出成形で均一な多層構造を形成でき、美観に優れた容器を成形できる。
更に、共圧縮成形法による場合には、樹脂の種類に応じた数の押出し機を用いて、一定の溶融樹脂塊に押し出し、これを金型で圧縮成形することにより行われる。
【0049】
本発明の多層包装材料は、酸素による内容物の香味低下を防止しうる容器として有用である。
充填できる内容物としては、飲料ではビール、ワイン、フルーツジュース、炭酸ソフトドリンク、緑茶、ウーロン茶等、食品では果物、ナッツ、野菜、肉製品、幼児食品、コーヒー、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、佃煮類、乳製品等、その他では医薬品、化粧品、ガソリン等、酸素存在下で劣化を起こしやすい内容品などが挙げられるが、これらの例に限定されない。
【0050】
【実施例】
(溶融粘度測定)
各樹脂組成物ペレットの溶融粘度をキャピログラフ(東洋精機(株)製)にて測定した。測定サンプルはペレタイズ直後より防湿保管したものを用いた。また測定条件は、キャピラリーL/D=10/1(mm)、シリンダー温度265℃、樹脂充填後5分間保持した後せん断速度降順で剪断速度100〜6000(sec-1)の範囲で測定を行った。
【0051】
(酸素吸収能力の確認)
ペレットから20μmに製膜したフィルムを、ハイレトフレックス(HR78−84W東洋製罐(株)製ポリプロピレン/スチール箔/ポリプロピレン積層容器)に取った後、アルミ入りフィルムで封をし、22℃−60%RHにて7日保管した。次いで容器内酸素濃度をガスクロマトグラフィー(GC−8AIT:島津製作所(株)製、検出器:TCD(100℃)、カラム:モレキュラーシーブ5A(60℃)、キャリアーガス:アルゴン)にて測定し、単位面積あたりの酸素吸収量を算出して酸素吸収能力の有無を確認した。
【0052】
(2種5層多層プリフォーム成形)
共射出成形機は、内外層PET用射出機(A)、中間層PET用射出機(B)、バリア層用射出機(C)の3台の射出機を備えたものを用い、A、Bには150℃4h乾燥処理を行ったポリエチレンテレフタレート(RT543CTHP:日本ユニペット 公称IV=0.75)、Cには各樹脂組成物ペレットを供給した。これらの射出機のノズル温度設定は、A、Bが290℃、Cが270℃とし、射出金型内にA→C→Bの順に逐次射出して、内、中間、外層がポリエチレンテレフタレート、内層と中間層、中間層と外層の間に樹脂組成物層を3重量%の比率で有する総重量32gの2種5層多層プリフォーム成形を行った。
【0053】
(2種3層多層プリフォーム成形)
上記共射出成形機の、内外層PET用射出機(A)、中間層PET用射出機(B)の2台の射出機を用い、Aには150℃4h乾燥処理を行ったポリエチレンテレフタレート(5015w:新光合繊製:公称IV=0.83)、Bには各樹脂組成物ペレットを供給した。これらの射出機のノズル温度設定は290℃とし、射出金型内にAの射出を開始した後、Bの射出を遅延させて開始することにより、内、外層がポリエチレンテレフタレート、中間層に樹脂組成物層を25重量%の比率で有する総重量32gの2種3層多層プリフォーム成形を行った。
【0054】
[実施例1]
サイドフィード、真空ベント、ペレタイズ設備を備えた二軸押出機(TEM−35:東芝機械(株)製)を用い、防湿包装開封直後の末端アミノ基濃度が87(eq/10g)であるポリメタキシリレンアジパミド樹脂(T−600:東洋紡績(株)製)を基材とし、液状ポリブタジエン(B−2000:日本石油化学(株)製)を樹脂組成物に対し5重量%、無水マレイン酸((株)キシダ化学製特級試薬)を樹脂組成物に対し0.175重量%、ネオデカン酸コバルト(DICNATE5000:大日本インキ化学工業(株)製)を金属量換算で350ppm含有する樹脂組成物ペレットを作成した。
また、この樹脂組成物ペレットの溶融粘度測定及び、酸素吸収能力の有無、2種5層多層プリフォーム成形性の評価を行った。
【0055】
[実施例2]
実施例1において、無水マレイン酸を樹脂組成物に対し0.35重量%の組成とすること以外すべて同様の方法で樹脂組成物ペレットを作成した。
また、この樹脂組成物ペレットの溶融粘度測定及び、酸素吸収能力の有無、多層プリフォーム成形性の評価を行った。
【0056】
[実施例3]
実施例1において、ポリブタジエンとして無水マレイン酸変性ポリブタジエン(BN−1015:日本曹達(株)製)を2重量%配合し、無水マレイン酸を添加しないこと以外すべて同様の方法で樹脂組成物ペレットを作成した。
また、この樹脂組成物ペレットの溶融粘度測定及び、酸素吸収能力の有無、多層プリフォーム成形性の評価を行った。
【0057】
[実施例4]
実施例1において、ポリブタジエンとして水酸基末端ポリブタジエン(R−15HT:出光石油化学(株)製)を5重量%配合し、無水マレイン酸を添加しないこと以外すべて同様の方法で樹脂組成物ペレットを作成した。
また、この樹脂組成物ペレットの溶融粘度測定及び、酸素吸収能力の有無、多層プリフォーム成形性の評価を行った。
【0058】
[比較例1]
実施例1において、無水マレイン酸を添加しないこと以外すべて同様の方法で樹脂組成物ペレットを作成した。
また、この樹脂組成物ペレットの溶融粘度測定、多層プリフォームの成形を実施例1と同様の方法で行った。
【0059】
[実施例5]
サイドフィード、真空ベント、ペレタイズ設備を備えた二軸押出機(TEM−35:東芝機械(株)製)を用い、ポリエチレンテレフタレートリサイクル品フレーク(与野ペットボトルリサイクル製)を基材とし、バリア性ポリエステル(B−101:三井化学(株)製)を樹脂組成物に対し5重量%、ピロメリット酸((株)キシダ化学製特級試薬)を樹脂組成物に対し0.1重量%含有する樹脂組成物ペレットを作成した。
また、この樹脂組成物ペレットの溶融粘度測定及び、2種3層多層プリフォーム成形を行い、成形性の評価を行った。
【0060】
[比較例2]
実施例5において、ピロメリット酸を添加しないこと以外すべて同様の方法で樹脂組成物ペレットを作成した。
また、この樹脂組成物ペレットの溶融粘度測定及び、2種3層多層プリフォーム成形を行い、成形性の評価を行った。
図3に、実施例1〜4及び比較例1で測定した溶融粘度曲線を、図4に、実施例5及び比較例2で測定した溶融粘度曲線を示す。図より、多価モノマーにより、枝分かれ構造が生成していると考えられる実施例1〜5では、溶融粘度の上昇、安定化が起きているのに対し、多価モノマーを含有しない比較例1〜2では、溶融粘度の上昇は起こらず、不安定であることが分かる。
【0061】
表1に、実施例1〜5及び比較例1、2で評価した、酸素吸収能力の有無及び共射出成形性評価の結果を示す。ポリメタキシリレンアジパミド樹脂及びポリエン系重合体が配合された、実施例1〜4及び比較例1の樹脂組成物では、すべてが酸素吸収性能を有していた。しかし、多価モノマーが配合されていない比較例1においては、溶融粘度が不安定であること、及び溶融粘度が上昇していないため共に用いたポリエチレンテレフタレート(RT543CTHP)との粘度に差が生じたことに起因して、共射出成形時に層分布制御が不可能であった。
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂リサイクル品及びバリアポリエステルが配合された、実施例5及び比較例2の樹脂組成物では、多価モノマーが配合されていない比較例2において、溶融粘度が上昇せず共射出成形に用いたポリエチレンテレフタレート(5015w)との粘度に差が生じたことに起因して、実施例5と比較し共射出成形性が劣っていた。また、これらの多層プリフォームを延伸ブロー成形した際に、比較例2において成形したものは、肉だまりの発生や肉厚不均一が発生した。
【0062】
【表1】
Figure 0004026417
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、官能基及び/又は二重結合を有する樹脂群から選ばれる少なくとも2種の樹脂と、それらと反応し得る多価のモノマー或いはその無水物から成ることにより、樹脂組成物の溶融粘度の上昇及び安定化を図ることが可能となり、成形性を向上することが可能になった。本発明においては、特に、ポリアミド樹脂と、ポリエン系重合体、マレイン酸又はその無水物、遷移金属触媒が配合され枝分かれ共重合体が生成している酸素吸収性の樹脂組成物において、その効果が顕著であり、この酸素吸収性樹脂組成物から成る酸素吸収性層を有する多層包装材料では、酸素吸収性層が包装材料中に均一に位置し、優れた酸素バリア性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂組成物のハギンス定数を求めるための図である。
【図2】実施例1及び比較例1における樹脂組成物の溶融粘度曲線を示す図である。
【図3】実施例1乃至4及び比較例1における樹脂組成物の溶融粘度曲線を示す図である。
【図4】実施例5及び比較例2における樹脂組成物の溶融粘度曲線を示す図である。

Claims (5)

  1. 少なくとも末端アミノ基濃度が40eq/10 g以上のポリアミド樹脂及びポリエン系重合体と、不飽和カルボン酸又はその無水物、及び遷移金属触媒から成ることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 少なくとも末端アミノ基濃度が40eq/10 g以上のポリアミド樹脂及び水酸基末端ポリブタジエンと、遷移金属触媒から成ることを特徴とする樹脂組成物。
  3. ポリエステル樹脂を含んで成る請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至の何れかに記載の樹脂組成物が中間層、ポリエステル樹脂が内外層と成るように共成形して成る多層包装材料。
  5. 逐次共射出成形により成形される請求項記載の多層包装材料。
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