JP2004120358A - 無線通信用アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】特性バラツキを少なくすると共に、エレメントやケーブル半田付け部の機械的強度をコストアップすること。
【解決手段】プリント基板1には切り欠き部7を設け、樹脂製ケース5には切り欠き部7と係止する爪部6を設けている。また、樹脂製ケース5にはエレメント3を固定するエレメント用凹部8及びケーブル4を固定するケーブル用凹部9を設けている。そして、プリント基板上のエレメント3、バラン回路部2及びケーブル4を覆うように樹脂製ケース5が装着される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無線通信用アンテナに関し、さらに詳しくはエレメント長が短く、筐体内に収納して使用される地域において数十〜数百の家屋に設置され、設備機器の故障や異常などの情報及び制御情報などを管理センターと400MHz帯無線を介して通信する1:N型無線システムにおける無線親機の無線通信用アンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無線親機のように電柱やメッセンジャーワイヤーに取付ける無線基地局は外観上地域の方々に違和感や不信感などを与えないように、特に通信用アンテナを基地局の本体部の筐体内部に収納する場合がある。このような無線親機に用いられている通信用アンテナの例を図4を用いて説明する。図4は筐体内部に収納するための通信用アンテナの斜視図である。
【0003】
図4において、銅箔にて構成されたバラン回路部2を有するプリント基板16にアンテナエレメント(右)3a及びアンテナエレメント(左)3bが挿入・半田付けされ、エレメント押さえ17を半田付けすることにより固定されている。また、親機本体の通信機器部と接続するため、ケーブル4の一方がプリント基板16のバラン回路部2に挿入・半田付けにて接続されている。また、プリント基板16のバラン回路部2やケーブル4の半田付け部等には、結露などにより水滴が付着した場合に特性が大きく変化することを防止する防湿コーティング18が実施されている。更に、ケーブル4が固定金具19によりプリント基板16にビス止め・固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、特にプリント基板上に構成されたバラン回路部が通信用アンテナを収納している樹脂製筐体の影響を受けやすく、特に筐体との距離を大きく離せない場合に、取付け位置や樹脂製筐体の仕上がり公差による距離のバラツキによりアンテナ特性が大きく変化するため、アンテナの取付位置の制約が発生し、アンテナ指向性を考えた適正配置や内部省スペース化による筐体の小型化を阻害するという課題を有していた。
【0005】
また、作業時にバラン部に付着するゴミや汚れの為、特性が変化したりケーブルの引っ張りストレスによる断線を防止するため、ケーブルを固定金具により固定する等の対応が必要となって、部品追加や工数増によってコストアップしたりさらに、振動や温度変化などのストレスによりエレメントの半田付け部が破壊・断線するという課題を有していた。
【0006】
本発明は、無線通信用アンテナを収納する樹脂製筐体によるアンテナ特性への影響を抑え、エレメントの半田付け部やケーブルのストレスによる断線などの課題を解決すると共に固定のためのコストアップを無くし、更に防湿コーティング作業の品質を向上させたアンテナ内部収納型の無線通信用アンテナを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、プリント基板には挿入穴又は切り欠き部を備え、前記挿入穴又は切り欠き部に係合する樹脂製ケースには固定爪を備え、前記プリント基板上の電波伝送用のエレメント、バラン回路部及びケーブルを覆うように構成された樹脂製ケースを位置決めして挿入した上、固定したものである。
【0008】
本発明に寄ればアンテナ性能のばらつきが低減すると共に、その取付位置の制約が軽減され、更に適正配置や筐体の小型化が実現できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、電波伝送用エレメントとそれを実装・接続し、本発明のアンテナが接続される無線機器との整合を目的としたバラン回路を構成したプリント基板と、プリント基板に接続され、無線機器との接続を目的としたケーブルを備え、さらにプリント基板上の電波伝送用エレメント及びバラン回路部及びケーブルを近接した状態で覆う樹脂製ケースを備え、プリント基板に樹脂製ケースを位置決め・固定するように構成するものである。
【0010】
これにより、作業時等に直接触れる部分が減少するため、ストレスやゴミ・汚れの付着による特性変化を防止できると共に、バラン回路部が樹脂の誘電率の影響を距離が近い程受け易い特性であることを利用し、無線用通信アンテナを収納する筐体の誘電率の影響を軽減することできるため、アンテナ性能バラツキの低減や無線通信用アンテナの取付位置の制約を軽減し、適正配置や筐体の小型化が実現できる。
【0011】
また請求項2記載の発明は、プリント基板に挿入穴又は切り欠き部を備え、挿入穴又は切り欠き部に対向する樹脂製ケースに固定爪を備え、プリント基板に挿入・係止するように構成するものである。
【0012】
これにより、樹脂製ケースの位置決めや固定が容易にできるため、追加部品や工数アップによるコストアップを防止することができる。
【0013】
また請求項3記載の発明は、樹脂製ケースにプリント基板との間で電波伝送用エレメントを固定する凹部を設け、樹脂製ケースがプリント基板に嵌合・固定されると同時にエレメントを固定するように構成するものである。
【0014】
これにより、エレメントの固定を別途部品を追加せずしかも、樹脂製ケースの挿入・固定と同時に実現でき、作業時等のストレスによるエレメントの半田付け部の断線及び固定のための部品追加や工数アップによるコストアップを
防止することができる。
【0015】
また請求項4記載の発明は、樹脂製ケースにプリント基板との間でケーブルを固定する凹部を設け、樹脂製ケースがプリント基板に嵌合・固定されると同時にケーブルを固定するように構成するものである。
【0016】
これにより、ケーブルの固定を別途部品を追加せずしかも、樹脂製ケースの挿入・固定と同時に実現でき、作業時等の引っ張り応力によるケーブルの半田付け部や心線部など機械的強度の弱い部分の断線を防ぐと共に、固定のための部品追加や工数アップによるコストアップを防止することができる。
【0017】
また請求項5記載の発明は、樹脂製ケースをプリント基板を包み込むように器状とし、プリント基板を固定した状態にて、樹脂製ケース内部にコーテイング材を注入・硬化し、プリント基板の必要部分を防湿構造とし、またエレメント及びケーブルを固定するように構成するものである。
【0018】
これにより、防湿コーティングにおける塗布位置や厚みの精度が向上し、更にコーティング材の溢れや垂れを防止出来るため、硬化までの作業管理を容易にすることができる。また、エレメントやケーブルもコーティングにより固定されるため、固定のための部品追加や工数アップによるコストアップを防止することができる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0020】
(実施例1)
図1及び図2は本発明の請求項1〜4の実施例1における無線通信用アンテナのを示す斜視図である。図1は組立前であり、図2は組立後の斜視図である。図1において1はプリント基板、2はプリント基板上に銅箔により構成されたバラン回路部、3a及び3bはプリント基板上に配置し、バラン回路部と半田付けにて接続された1/2波長ダイポールアンテナの左側及び右側エレメント、4はバラン回路部に半田付けにより接続し、通信機器と接続するためのケーブル、5はプリント基板上の電波伝送用エレメント及びバラン回路部及びケーブルを近接した状態で覆うようにプリント基板に挿入・固定する樹脂製のケース、6は樹脂製ケースに設けられ、対抗するプリント基板に設けられた切り欠き部7と嵌合する爪部、8は樹脂製ケースに設けられたエレメントを固定用の凹部、9は樹脂製ケースに設けられたケーブルを固定用の凹部である。
【0021】
アンテナエレメント3a及び3b及びケーブル4が半田付け固定されたプリント基板1の切り欠き部7に爪部7を合わせて樹脂製ケース6を挿入・嵌合させ、バラン回路部を覆うように構成する。この時、樹脂製ケース6のエレメント3a及び3bの固定用凹部8がエレメント3a及び3bの直径と同じサイズとしているため、プリント基板1と樹脂製ケース6のエレメント固定用凹部8間でエレメント3a及び3bが固定される。また、同ように樹脂製ケース6のケーブル4の固定用凹部9をケーブル4の直径と同じサイズとし、ケーブル4を樹脂製ケース6の固定用凹部9の位置に合わせてた状態で樹脂製ケース6をプリント基板1に挿入・嵌合することにより、ケーブル4が固定される。
【0022】
以上のように、樹脂製ケースにプリント基板に設けられた切り欠き部と嵌合する爪部及びエレメント固定用の凹部及びケーブル固定用の凹部を設け、樹脂製ケースをプリント基板に挿入されると同時にエレメント及びケーブルが固定されるように構成するため、ストレスやゴミ・汚れの付着に対する対策やアンテナの取付位置の制約、エレメントやケーブル固定のための部品追加を必要とせず、アンテナの適正配置や筐体の小型化が困難であることや、ストレスによるエレメントやケーブル半田付け部の断線及びこれを対策するための部品追加や工数によるコストアップと言う課題を解決することができる。
【0023】
図3は本実施例における防湿コーティングを実施した無線通信用アンテナの構成を示す斜視図である。図1と同様の構成要素は同一番号を付し説明を省略する。図3において10はプリント基板11を挿入・固定し、プリント基板11全体を包み込むように器形状に構成した樹脂製ケース、12a及び12bは樹脂製ケース10に設けられ、プリント基板11を挿入時にエレメント3a及び3bを通す挿入溝、13は同様ケーブル4を通す挿入溝、14はプリント基板11を挿入・固定した樹脂製ケース10の内側に防湿用コーティング材15を注入・硬化し、プリント基板11全体を防湿構造とする際に、エレメント3a及び3bとケーブル4の挿入溝12a及び12b及び13から防湿用コーティング材15がはみ出さないように隙間を埋めるための高粘度のコーティング材である。
【0024】
プリント基板11を樹脂製ケース10の挿入溝12a及び12b及び13にエレメント3a及び3b及びケーブル4の位置を合わせて挿入・固定し、樹脂製ケース10の挿入溝12a及び12b及び13にエレメント3a及び3b及びケーブルとの隙間を埋め、防湿用コーティング材15がはみ出さないように高粘度のコーティング材14を塗布する。次に、樹脂製ケース10の内側に防湿用コーティング材15を注入・硬化し、プリント基板11全体を防湿構造とすると同時に、エレメント3a及び3b及びケーブル4が固定された構造となる。
【0025】
以上のように、プリント基板を器状にした樹脂製ケース内に固定し、内部にコーティング材を注入・硬化することにより防湿構造を有するよう構成するため、大規模なコーティング装置やコーティング材の粘度管理などを必要とせず、コーティングの厚みや位置の管理が困難であると言う課題を解決することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかのように本発明の無線通信用アンテナによれば以下のような効果がある。
【0027】
プリント基板上の特にバラン回路部を近接した状態で覆うように樹脂製ケースを位置決め・固定するように構成することによって、作業時等に直接触れる部分が減少し、ストレスやゴミ・汚れの付着による特性変化を防止できる。
【0028】
また、バラン回路部の近接する樹脂の誘電率の影響度合いは近いほど大きく、無線用通信アンテナを収納する筐体の樹脂との距離に比べ、樹脂製ケースの方が極めて近い。このため、予め樹脂製ケースと筐体ケースの誘電率の影響を含めて特性を設定すれば、筐体との距離のバラツキによる誘電率の影響を軽減することができ、アンテナ性能バラツキの低減や無線通信用アンテナの取付位置の制約を軽減し、適正配置や筐体の小型化が実現できる。
【0029】
また、プリント基板に挿入穴又は切り欠き部を備え、対向する樹脂製ケースに固定爪を備え、プリント基板に挿入・係止するように構成することにより、樹脂製ケースの位置決めや固定が追加部品や工数アップを必要としないで実現でき、コストアップを防止することができる。
【0030】
また、樹脂製ケースにプリント基板との間で電波伝送用エレメントを固定する凹部を設け、樹脂製ケースがプリント基板に嵌合・固定されると同時にエレメントを固定するように構成することにより、作業時等のストレスによるエレメントの半田付け部の断線を防ぐと共に、固定のための部品追加や工数アップによるコストアップを防止することができる。
【0031】
また、前記同ように樹脂製ケースにケーブルを固定する凹部を設け、プリント基板に嵌合・固定されると同時にケーブルを固定するように構成することにより、作業時等の引っ張り応力によるケーブルの半田付け部や心線部など機械的強度の弱い部分の断線を防ぐと共に、固定のための部品追加や工数アップによるコストアップを防止することができる。
【0032】
また、樹脂製ケースをプリント基板を包み込むように器状とし、プリント基板を固定した状態にて、樹脂製ケース内部にコーテイング材を注入・硬化してプリント基板の必要部分を防湿構造とし、同時にエレメント及びケーブルを固定するように構成することにより、防湿コーティングにおける塗布位置や厚みの精度が向上し、更にコーティング材の溢れや垂れを防止出来るため、硬化までの作業管理を容易にすることができる。また、エレメントやケーブルもコーティングにより固定されるため、固定のための部品追加や工数アップによるコストアップを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における無線通信アンテナの部分分解斜視図
【図2】同アンテナの組立完成後の斜視図
【図3】本発明の実施例2における無線通信アンテナの斜視図
【図4】従来の無線通信用アンテナの例を示す斜視図
【符号の説明】
1、11 プリント基板
2 バラン回路部
3 エレメント
4 ケーブル
5、10 樹脂製ケース
6 爪部
7 プリント基板の切り欠き部
8 エレメント用凹部
9 ケーブル用凹部
12、13 樹脂製ケースの切り欠き部
14 高粘度コーティング材
15 防湿用コーティング材

Claims (5)

  1. 電波伝送用のエレメントと、このエレメントを実装し、無線機器と整合するためのバラン回路部を形成したプリント基板と、前記プリント基板に接続され前記無線機器に接続されるケーブルと、前記エレメント、前記バラン回路部及び前記ケーブルを覆う樹脂製ケースとを備え、前記プリント基板に前記樹脂製ケースが位置決めされたうえ固定するように構成された無線通信用アンテナ。
  2. プリント基板には挿入穴又は切り欠き部を備え、前記樹脂製ケースには前記挿入穴又は切り欠き部と係合する固定爪を備えた請求項1記載の無線通信用アンテナ。
  3. 樹脂製ケースにエレメントを固定する凹部を設けた請求項1又は2記載の無線通信用アンテナ。
  4. 樹脂製ケースにケーブルを固定する凹部を設けた請求項1、2又は3記載の無線通信用アンテナ。
  5. 樹脂製ケースをプリント基板を包み込むように形成すると共に、前記プリント基板に固定した状態にて、内部にコーテイング材を注入して硬化させた請求項1記載の無線通信用アンテナ。
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