JP2004304462A

JP2004304462A - 車載用アンテナ

Info

Publication number: JP2004304462A
Application number: JP2003094124A
Authority: JP
Inventors: Koichi Tateno; 好一館野
Original assignee: Clarion Co Ltd
Current assignee: Faurecia Clarion Electronics Co Ltd
Priority date: 2003-03-31
Filing date: 2003-03-31
Publication date: 2004-10-28

Abstract

【課題】アンテナの車体への固定時に仮止めする機能と、アンテナケース内でハーネスを保持固定する機能とを一つの部品で行えるようにし、部品点数の削減、組立性の向上を達成する。
【解決手段】車載用アンテナ１０は、ルーフパネルに設けられた取付け孔内に挿入されるボス部２２を有するマウントベース１２と、アンテナ内部から前記ボス部を通して車両内部に引き込まれるハーネス２３を保持するためのハーネスホルダ２４を備える。ハーネスホルダは、マウントベースのハーネス引き込み穴２５を覆うように形成され弾性を有する先端部に前記マウントベースの引き込み穴周縁との間にハーネスを挟持する突起２７ａが形成されているハーネス保持部２７と、弾性を有する先端部に爪部２８ａを備えるとともに該爪部を前記孔の周縁に係合可能なフック部２８とを備える。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は車載用アンテナに関し、特にこのアンテナ装置の車体側への組付け構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の車載用アンテナは、たとえば車両のルーフパネル上に設けられるものであって、ＡＭ／ＦＭラジオ用アンテナ、電話用アンテナ、ＧＰＳ受信用アンテナ等のうちの一つ、または二つのアンテナエレメントが組み込まれ、アンテナとしての機能をするように構成されている。
【０００３】
この種の車載用アンテナにおいて、アンテナケースを構成するマウントベースには、ルーフパネルに形成した開口穴に嵌入されるボス部が設けられ、このボス部に対して車両の内側からナットを組み付けることで車体に組付け固定されるようになっている。さらに、このような車体への組付け時における作業を簡単にするために、仮止め手段をボス部に設けたものも知られている（たとえば、特許文献１参照）。
【０００４】
【特許文献１】
特開２００２−７６７３２号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の車載用アンテナにおいて、上記のボス部は、アンテナケース内からのハーネスの引き出し部としても機能する。
すなわち、車載用アンテナは、該アンテナの下部に設けたボス部をルーフパネルに設けた取付け孔に嵌入させ、反対側からナットで締め付けることにより固定される。ここで、この固定前にボス部内を通してアンテナケース内からハーネスを引き出すことが必要なため、前記アンテナケースは、上記の取付け孔に対して上記の仮止め手段を用いて仮止めすることが一般に行われている。
【０００６】
また、このアンテナケースからハーネスを引き出す際には、該アンテナケース内にハーネスの一部を保持固定することが必要であり、ハーネスを保持固定するためのハーネスホルダを、アンテナケースあるいはマウントベースに組付け固定することが必要であった。これは、ハーネスには適度な引っ張り強度を持たせることが必要なためである。
【０００７】
しかしながら、このような従来構造では、アンテナの車体への固定時において仮止め手段を用いて仮止めしたり、ハーネスをハーネスホルダを用いてケース内に保持固定する等が必要であり、構成部品点数も多く、構造が複雑となり、組立作業も面倒かつ煩雑である等の不具合があった。
特に、アンテナケースは、できるだけ小型、コンパクト化を図ることが望まれるものであり、内部に組み込む部品の数は最小限とし、構造の簡素化を図ることが望まれている。
【０００８】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、アンテナの車体への固定時に仮止めする機能と、アンテナケース内においてハーネスを保持固定する機能とを、一つの部品で行えるように構成することにより、構成部品点数の削減と組立性の向上とを達成することができる車載用アンテナを得ることを目的としている。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
このような目的に応えるために本発明（請求項１記載の発明）に係る車載用アンテナは、車体パネルに設けられた取付け孔内に挿入されるボス部を有するマウントベースと、アンテナ内部から前記ボス部を通して車両内部に引き込まれるハーネスを保持するためのハーネスホルダを備える車載用アンテナであって、ハーネスホルダは、マウントベースのハーネス引き込み穴を覆うように形成され弾性を有する先端部にマウントベースの引き込み穴周縁との間にハーネスを挟持する突起が形成されているハーネス保持部と、弾性を有する先端部に爪部を備えるとともに該爪部を前記孔の周縁に係合可能なフック部とを備えていることを特徴とする。
【００１０】
本発明（請求項２記載の発明）に係る車載用アンテナは、請求項１記載の車載用アンテナを具体的に限定したものであり、マウントベース上でのハーネスが該引き込み穴に導かれる経路であって前記ハーネス保持部の突起と対向する部分に、所要の傾斜をもってハーネスを引き込み穴に案内する傾斜面を設けたことを特徴とする。
【００１１】
本発明（請求項３記載の発明）に係る車載用アンテナは、請求項１または請求項２に記載の車載用アンテナを具体的に限定したものであり、ハーネスホルダを構成するハーネス保持部とフック部とは、樹脂材により一体成形されていることを特徴とする。
【００１２】
本発明によれば、アンテナの車体への固定時に仮止めする機能と、アンテナケース内でハーネスを保持固定する機能とを、ハーネスホルダという一つの部品に持たせているから、アンテナケース内での構造が簡単になり、部品点数の削減や組立性の向上を達成することができる。
【００１３】
特に、本発明によれば、アンテナケースの組立時において、マウントベースの引き込み穴を通してハーネスを引き出し、その状態でハーネスホルダを固定することにより、そのハーネス保持部によりハーネスを適度な引っ張り強度を持たせて保持固定することができるとともに、フック部により車体パネルの取付け孔に係止させて仮止めすることで、ハーネスの配線作業を簡単に行えるのである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
図１ないし図６は本発明に係る車載用アンテナの一実施の形態を示す。
これらの図において、符号１０は車載用アンテナであり、この車載用アンテナ１０は、一側が扁平なほぼ角錐台形状を呈して内部が中空状に形成された樹脂製カバー１１と、このカバー１１下部の開口端を閉塞するようにダイキャスト等で形成されているマウントベース１２を備え、これにより車載用アンテナ１０の外装ケースが形成されている。
【００１５】
１４はマウントベース１２の底面側に付設され、図示しない車両のルーフパネルとの間に介在される板状パッキンである。また、上述したカバー１１の上端部には凹部１１ａが形成され、この凹部１１ａに後述するラジオ用ロッドアンテナを回動自在に組み込むように形成されている。
【００１６】
ここで、この車載用アンテナ１０は、図１、図２および図６から明らかなように、電話用アンテナエレメント１６、ＧＰＳ受信用アンテナ１７、およびＡＭ／ＰＭラジオ用ロッドアンテナ１８を一体的に組み込んでなる複合アンテナとして構成されている。
【００１７】
前記マウントベース１２上で樹脂製カバー１１に覆われる部分には、各アンテナ回路を形成するためのプリント回路基板２１が、該マウントベース１２上に所定間隔をおいて並設されている。
前記ＧＰＳ受信用アンテナ１７は、このプリント回路基板２１上に実装されている。また、ラジオ用ロッドアンテナ１８は、前記樹脂製カバー１１の上端部に凹設された凹部１１ａ内に回動軸部１８ａを組み付けることにより、揺動可能な状態でケース外側に設けられている。
【００１８】
本発明によれば、車載用アンテナ１０は、図示を省略した車両のルーフパネル（車体パネル）に設けられた取付け孔内に挿入されるボス部２２を有するマウントベース１２と、アンテナ１０内部から前記ボス部２２を通して車両内部に引き込まれるハーネス２３を保持するためのハーネスホルダ２４を備えている。
【００１９】
前記ハーネスホルダ２４は、前記マウントベース１２のハーネス引き込み穴２５を覆うように形成され弾性を有する先端部に前記マウントベースの引き込み穴周縁との間にハーネスを挟持する突起２７ａが形成されているハーネス保持部２７と、弾性を有する先端部に爪部２８ａを備えるとともに該爪部２８ａを前記取付け孔の周縁に係合可能なフック部２８とを備え、これらのハーネス保持部２７とフック部２８とを樹脂材で一体成形することにより一つの部品として形成されている。
【００２０】
また、前記マウントベース１２上でのハーネス２３が該引き込み穴２５に導かれる経路であって前記ハーネス保持部２７の突起２７ａと対向する部分には、所要の傾斜をもってハーネス２３を引き込み穴２５に案内する傾斜面２９が形成されている。
【００２１】
このような傾斜面２９を設けると、ハーネス２３に必要以上のストレスを与えずに、引き出すことが可能であり、またこの傾斜面２９に対してハーネス保持部２７の突起２７ａを臨ませ、その間にハーネス２３を保持することにより、ハーネス２３に対しての過度の圧接力は作用せず、ハーネス２３の引き込み穴２５からの引き出しを無理なく行える。したがって、このような構成によれば、ハーネスホルダ２４におけるハーネス保持部２７の突起２７ａとマウントベース１２における傾斜面２９との間でハーネス２３を保持することにより、ハーネス２３の外皮に適度な圧力を与えることができ、これによりハーネス２３に適度の引っ張り強度を与えることができるのである。
【００２２】
また、このようなハーネスホルダ２４には、フック部２８が一体に設けられており、このフック部２８の爪部２８ａを利用して、車体への組付け時に仮固定することができるものである。すなわち、マウントベース１２の裏面に突設されているボス部２２を、車体側（ルーフパネルの取付け孔）に挿入し、爪部２８ａを取付け孔の周縁部分に係止させることにより、アンテナケースを仮止めすることができるのである。
【００２３】
以上のような構成によれば、アンテナ１０の車体への固定時に仮止めする機能と、アンテナケース内でハーネス２３を保持固定する機能とを、ハーネスホルダ２４という一つの部品に持たせているから、アンテナケース内での構造が簡単になり、部品点数の削減や組立性の向上を達成することができる。
【００２４】
ここで、上述した実施の形態では、アンテナ１０内部のプリント回路基板２１に、アンテナ信号出力やアースを取るために面実装小型コネクタ３０を用いている。この小型コネクタ３０は、基板２１上の小スペースでも面実装が可能で、アンテナ出力信号とアース接続とを一体に取ることができるコネクタである。そして、ハーネス２３側でも、このコネクタ３０にワンタッチ接続可能な同様の小型コネクタが設けられている。
【００２５】
そして、このような構成によれば、プリント回路基板２１へのハーネス２３の接続も簡単に行え、また無理なストレスが加わることもない等の利点がある。
すなわち、アンテナ１０内部に設けられアンテナアンプ等の増幅回路などを有する基板２１にハーネス２３を接続する方法として従来は、ハーネス２３の芯線を直接基板２１に半田付け等で接続していた。したがって、同軸ケーブルなどの場合には、アンテナ信号の芯線は基板２１に直接付け、アースとしての編組線をケースアースする必要がある。そのため、アースプレートが必要となるものであった。そして、それとは別に、ハーネスを保持固定して外部からの引っ張り強度を確保するために、ハーネスホルダが必要となっている。しかし、この実施の形態によれば、上述したアースプレートが不要となり、ハーネスホルダ２４として上述した構成のものを用いるだけで、ハーネス２３を所要の引っ張り強度をもって保持固定することができるのである。
【００２６】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、車載用アンテナ１０各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。たとえば上述した実施の形態では、本発明をＡＭ／ＦＭラジオ用アンテナ、電話用アンテナ、ＧＰＳ受信用アンテナを組み込んでなる複合タイプの車載用アンテナに適用した場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。
【００２７】
また、上述した実施の形態では、車載用アンテナ１０を、車両のルーフパネルに装着する場合を説明したが、車体パネルであれば適宜の場所に装着できることは勿論である。
【００２８】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る車載用アンテナによれば、車載用アンテナの車体パネルへの固定時に仮止めを行うフック部と、アンテナケース内においてハーネスを保持固定するためのハーネス保持部とを、樹脂材で一体成形することにより、二つの機能を一つの部品で実現しているから、装置全体の構成部品点数が少なくなり、組立作業も容易で、さらにコスト面でも有利である等といった種々優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る車載用アンテナの一実施の形態を示し、車載用アンテナの縦断面図である。
【図２】図１の車載用アンテナの横断面図である。
【図３】本発明を特徴づけるハーネスホルダを示し、（ａ），（ｂ）はその概略斜視図、（ｃ）は要部断面図である。
【図４】本発明の要部であるハーネスホルダの取付け状態を説明するための概略分解斜視図である。
【図５】図４の取付け状態を示す概略断面図である。
【図６】本発明に係る車載用アンテナ全体を分解して示す概略斜視図である。
【符号の説明】
１０…車載用アンテナ
１１…樹脂製カバー
１２…マウントベース
１４…板状パッキン
１６…電話用アンテナエレメント
１７…ＧＰＳ受信用アンテナ
１８…ラジオ用ロッドアンテナ
２１…プリント回路基板
２２…ボス部
２３…ハーネス
２４…ハーネスホルダ
２５…ハーネス引き込み穴
２７…ハーネス保持部
２７ａ…突起
２８…フック部
２８ａ…爪部
２９…傾斜面
３０…面実装小型コネクタ

Claims

車体パネルに設けられた取付け孔内に挿入されるボス部を有するマウントベースと、アンテナ内部から前記ボス部を通して車両内部に引き込まれるハーネスを保持するためのハーネスホルダを備える車載用アンテナであって、
前記ハーネスホルダは、前記マウントベースのハーネス引き込み穴を覆うように形成され弾性を有する先端部に前記マウントベースの引き込み穴周縁との間にハーネスを挟持する突起が形成されているハーネス保持部と、弾性を有する先端部に爪部を備えるとともに該爪部を前記孔の周縁に係合可能な仮止め用フック部とを備えていることを特徴とする車載用アンテナ。
請求項１記載の車載用アンテナにおいて、
前記マウントベース上でのハーネスが該引き込み穴に導かれる経路であって前記ハーネス保持部の突起と対向する部分に、所要の傾斜をもってハーネスを引き込み穴に案内する傾斜面を設けたことを特徴とする車載用アンテナ。
請求項１または請求項２に記載の車載用アンテナにおいて、前記ハーネスホルダを構成するハーネス保持部とフック部とは、樹脂材により一体成形されていることを特徴とする車載用アンテナ。