JP2004109336A - 多心光コネクタ - Google Patents
多心光コネクタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004109336A JP2004109336A JP2002270055A JP2002270055A JP2004109336A JP 2004109336 A JP2004109336 A JP 2004109336A JP 2002270055 A JP2002270055 A JP 2002270055A JP 2002270055 A JP2002270055 A JP 2002270055A JP 2004109336 A JP2004109336 A JP 2004109336A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- groove substrate
- groove
- alignment direction
- optical connector
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)
Abstract
【課題】本発明は、低接続損失の接続を実現できる上に、作業工程の低減によるコストダウンを図れ、接続工事の簡略化を可能とした多心光コネクタを提供することにある。
【解決手段】光ファイバー9と、光ファイバー9をファイバー長手方向Xと直交するファイバー整列方向Yに複数並列状に整列させるV溝4が形成されたV溝基板5と、同V溝基板5を嵌合しそのV溝4に当接する複数の光ファイバー9を嵌合凹部15の挟持面12で挟持する押え部材6と、同押え部材6のファイバー整列方向Yにおける両側端部に設けられ、ファイバー長手方向Xに沿って形成される位置決めピン7用の穴と、を具備し、上記V溝基板5と上記押え部材6との対向部に、位置決めピン7用の穴と光ファイバー9とのファイバー整列方向Yにおける位置調整を行なう位置調整部M1を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバー9と、光ファイバー9をファイバー長手方向Xと直交するファイバー整列方向Yに複数並列状に整列させるV溝4が形成されたV溝基板5と、同V溝基板5を嵌合しそのV溝4に当接する複数の光ファイバー9を嵌合凹部15の挟持面12で挟持する押え部材6と、同押え部材6のファイバー整列方向Yにおける両側端部に設けられ、ファイバー長手方向Xに沿って形成される位置決めピン7用の穴と、を具備し、上記V溝基板5と上記押え部材6との対向部に、位置決めピン7用の穴と光ファイバー9とのファイバー整列方向Yにおける位置調整を行なう位置調整部M1を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信等に用いられる多心光コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバとしての光ファイバ心線は、コアの周りをクラッドによって同心円状をなして覆って形成した2重構造となっており、この2重構造の光ファイバの周りがプライマリーコートによって覆われ、さらにその周りがナイロンジャケット等により覆われている。光ファイバの外径は、一般に、約125μmに形成されており、光ファイバ心線の外径は例えば約250μmとなっており、光ファイバ心線の外径は光ファイバの外径の約2倍に形成されている。
【0003】
このような光ファイバ心線を複数一括して接続相手側の光部品に接続する光ファイバ接続具として、多心光コネクタが広く用いられており、図10には従来の多心光コネクタの一例が示されている。同図に示す多心光コネクタ100は、MTコネクタと呼ばれているものであり、複数の光ファイバ心線110をファイバー整列方向Yに帯状に並設して成る光ファイバテープ120が多心光コネクタ100の主要部を成すフェルール130に挿入固定されて形成されている。複数の光ファイバ心線110はその先端側のナイロンジャケットおよびプライマリーコートの被覆を除去された状態でフェルール130に挿入され、被覆の除去によって剥き出しになった光ファイバ140の端面がフェルール130の先端部のファイバ穴160に嵌挿され、接続端面150に露出するようにして、所定の配列ピッチで配列されている。
【0004】
フェルール130にはこれらの光ファイバ140の配設領域を挟む両側に、この多心光コネクタとの接続相手側の光部品(例えば多心光コネクタ)200との位置決め用のピン嵌合穴170が形成されている。このピン嵌合穴170に嵌合される嵌合ピン180を、接続相手側の光部品200に形成されているガイド穴190に挿入することにより、光部品200側の光ファイバとの位置ずれを抑え、無調心で接続されるようにしている。
このため、多心光コネクタ100と接続相手側の光部品200との位置精度を確保し接続損失を低減させる上で、多心光コネクタ100自体においても、基準位置となるピン嵌合穴170に対する複数の各光ファイバ140の取付け位置との間の位置精度を高め、即ち、各光ファイバが嵌挿されるファイバ穴160や図示しない各光ファイバの挟持用のV溝との間隔を精度良く加工し、組み付け、この位置精度を高めることが必要となる。
【0005】
ところで、光回路部品を実際のシステムで使用する場合、光信号の入出力部に多心光コネクタ(MTコネクタ)等を用い光ファイバーを接続するにあたり、光導波回路のコアと光ファイバーのコアとの光軸を精密に位置合わせする技術が必要となる。この場合において、図12に示すように、両者のコア光軸の位置ずれと接続損失の関係が知られている。これより明らかなように、光軸に対する位置ずれが0.75μmで0.1dBの接続損失となり、低接続損失の実現には位置ずれを0.75μm乃至1.0μm程度以下に抑えることが好ましいことが知られており、特許第3273490号公報(特許文献1)に関連記載がある。
【0006】
上述のような多心光コネクタ(MTコネクタ)の一例であり、複数の光ファイバ心線の剥き出しになった光ファイバ部分をフェルールの本体のピン嵌合穴に差込みその光ファイバ部分の内側の一部をクランプ部材で押圧して接着材で両者を固定する技術が特開平9−184942号公報(特許文献2)に開示される。
【0007】
同じく、複数の光ファイバ心線の剥き出しになった光ファイバ部分をフェルールの本体のピン嵌合穴に差込み、その光ファイバ部分の内側一部をクランプ部材を介して片持方式のバネで押圧固定する技術が特開平10−123368号公報(特許文献3)に開示される。
更に、図11に示したように、平坦な上プレート210とV溝220を形成された下プレート(V溝基板)230との間に、複数のファイバー240を並列状に整列固定するに当たり、下プレート230には中央部分に複数のファイバー240を嵌合するV溝220が設定された間隔で形成され、それらの両端側には比較的浅いV溝220’が形成される。
【0008】
このようにすることで、両端の浅いV溝220’に挟持された光ファイバーが強く挟持されることで、中間部のファイバ240を挟持する領域である中央の配設領域に隙間を的確に確保し、設定間隔の各V溝220に位置精度良く複数のファイバー240を嵌挿でき、この嵌挿処理や位置決めを容易に実行した上で、これらの外側隙間にハンダ250等を充填して接着するという技術が特開平7−287137号公報(特許文献4)に開示される。なお、同様の平坦な上プレートと同様のV溝基板である下プレートを用いてマイクロキャピラリを作製する技術が上述の(特許文献1)にも開示される。
【0009】
更に、互いに重ね合わせた一対のファイバーテープを載置する平板基板と、その平板基板の端部に嵌合凹部が嵌合する接続端部材と、接続端部材の嵌合穴に嵌着されるファイバ押え部材を備え、2つのファイバーテープよりそれぞれ剥き出しになった光ファイバ部分を交互に並列状に重ねて一列に整列配備し、同光ファイバ重ね整列部を平板基板とファイバ押え部材の両配列ガイド溝部分で挟持する技術が特開2000−221364号公報(特許文献5)に開示される。ここでは、特に、透明な押え部材を用い、接続端部材の穴に嵌合された上で光ファイバ重ね整列部の光ファイバの整列状態を確認できる。
【0010】
【特許文献1】「特許第3273490号公報」
【特許文献2】「特開平9−184942号公報」
【特許文献3】「特開平10−123368号公報」
【特許文献4】「特開平7−287137号公報」
【特許文献5】「特開2000−221364号公報」
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献2、3に開示される技術を用いた場合、ファイバー整列方向Yに複数並列配備される各光ファイバーの外径に対し、多心光コネクタに形成されているガイド穴の内径との間にずれが発生し易い。このため、嵌挿処理により結合される相互の精度誤差により光軸ずれが生じ易く、これにより接続先の各光ファイバとの間の光軸ずれにより接続損失が増加し易く、低接続損失(0.1dB程度)の実現のため位置ずれを0、75μm乃至1.0μm以下に抑えることは困難となるし、しかも、クランプ用の部品点数が比較的多くなるという問題も有る。
【0011】
特許文献1、4に開示される技術を用いた場合、上プレート210とV溝220を形成された下プレート(V溝基板)230との間に、複数のファイバー240を並列状に整列固定するに当たり、それら複数のファイバーの内の両端のファイバー240’によりそれらの間のファイバの配設領域の隙間を調整しており、この隙間形成用としてのファイバーを特に必要とすることとなり、部品点数が比較的多くなるという問題も有る。
特許文献5に開示される技術を用いた場合、接続端部材と平板基板の間の位置決めは、両者の互いに対向する挟持面間に形成される位置決めガイド溝と逆V字溝とこれらに嵌合する位置合わせ用の光ファイバーを用いて行なっており、この場合、加工工数や部品点数が比較的多くなるという問題が有る。
【0012】
このように、従来の各多心用光コネクタでは、コア光軸の位置ずれを低減して低接続損失の接続を実現する上で、位置規制用のガイドピン、ガイドピン用貫通穴の精度および光ファイバー間の穴精度が要求される。しかも、フェルールと光ファイバーとの接着、突き合せ面の研磨等の工程を必要とするために、作業行程数が多いことよりコストアップを招き易く、しかも、現場における接続工事に熟練を要していた。
この発明は以上のような課題に基づきなされたもので、低接続損失の接続を実現できる上に、煩わしい作業工程の低減によるコストダウンを図れるとともに、現場における接続工事の簡略化を可能とした多心光コネクタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、光ファイバーと、同光ファイバーをファイバー長手方向と直交するファイバー整列方向に複数並列状に整列させるV溝が形成されたV溝基板と、同V溝基板を嵌合しそのV溝に当接する複数の光ファイバーを嵌合凹部の挟持面で挟持する押え部材と、同押え部材のファイバー整列方向における両側端部に設けられ、ファイバー長手方向に沿って形成される位置決めピン用の穴と、を具備し、上記V溝基板と上記押え部材との対向部に、上記位置決めピン用の穴と上記光ファイバーとのファイバー整列方向における位置調整を行なう位置調整部を設けたことを特徴とする。
ここでは、位置調整部を位置調整操作することで、上記ファイバー整列方向ににおける位置決めピン用の穴と光ファイバーとの位置精度を容易に高くすることができ、低接続損失の接続を実現できる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1記載の多心光コネクタにおいて、上記V溝基板と上記押え部材の嵌合凹部との間に上記ファイバー整列方向における調整隙間を設けたことを特徴とする。
このように、上記V溝基板と上記押え部材の嵌合凹部との間に設けた調整隙間を位置調整部の位置調整操作により増減調整し、位置決めピン用の穴と押え部材及びV溝基板とで挟持する光ファイバーとの間のファイバー整列方向における位置精度を容易に高くすることができ、低接続損失の接続を実現できる。
【0015】
請求項3の発明は、光ファイバーと、同光ファイバーをファイバー長手方向と直交するファイバー整列方向に複数並列状に整列させるV溝が形成されたV溝基板と、同V溝基板を嵌合しそのV溝に当接する複数の光ファイバーを嵌合凹部の挟持面で挟持する押え部材と、同押え部材のファイバー整列方向における両側端部に設けられ、ファイバー長手方向に沿って形成される位置決めピン用の穴と、を具備し、上記V溝基板と上記押え部材の嵌合凹部との間にファイバー整列方向の位置決め用の位置規制部を一ヵ所以上形成したことを特徴とする。
ここでは、位置規制部をファイバー整列方向に相対的に移動させて突き当てることで、位置規制部を位置規制操作することで、位置決めピン用の穴と押え部材及びV溝基板とで挟持する光ファイバーとの間のファイバー整列方向における位置精度を容易に高くすることができ、低接続損失の接続を実現できる。
【0016】
請求項4の発明は、請求項3記載の多心光コネクタにおいて、上記V溝基板はそのV溝と位置規制部を成す位置決め用の突き当て部を同時加工により形成することを特徴とする。
このように、位置規制部を成す位置決め用の突き当て部とV溝を同時加工する場合、高精度な位置精度が得られる。例えばウェットエッチング加工を用いた場合、加工精度は±0.1μmで製作可能である。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の多心光コネクタにおいて、上記押え部材がエポキシ樹脂で成型されることを特徴とする。
このように、上記押え部材がエポキシ樹脂で成型されることで、同押え部材の位置決めピン用の穴と上記V溝基板との間の位置決め部の精度を高精度、例えば、加工精度は±0.5μm以下で製作可能。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の多心光コネクタにおいて、上記V溝基板と上記押え部材の位置決めピン穴のファイバー整列方向の位置関係を上記位置調整部あるいは上記位置規制部のいずれかで調整してから、両者を接合することを特徴とする。
このように、V溝基板と押え部材とのファイバー整列方向の位置関係を位置調整部あるいは位置規制部のいずれかで調整してから両者を互いに対向する対向側面間の調整隙間に接着剤を充填して接合でき、容易にファイバー整列方向における位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる多心光コネクタを製作できる。
【0019】
請求項7の発明は、請求項6記載の多心光コネクタにおいて、上記位置調整部が上記V溝基板と上記押え部材をクランプした上で、両者の互いに対向する対向側面間の調整隙間を治具にて調整するように形成され、上記治具にて上記V溝基板と押え部材の位置決めピン穴のファイバー整列方向Yの位置関係を調整してから、両者を接合することを特徴とする。
このように、調整隙間を治具にて調整してから、V溝基板と押え部材とを互いに対向する対向側面間の調整隙間に接着剤を充填して接合でき、容易にファイバー整列方向における位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる多心光コネクタを製作できる。治具として、例えば、偏芯コマ等を利用できる。
【0020】
請求項8の発明は、請求項6記載の多心光コネクタにおいて、上記位置調整部が上記押え部材に設けた位置調整用のメネジと、同メネジに螺合すると共に上記V溝基板をファイバー整列方向に位置調整可能な送りネジと、を備えたことを特徴とする。
このように、上記位置調整部の送りネジを操作することで上記ファイバー整列方向における位置決めピン用の穴とV溝基板との間の位置調整が可能なことより、容易にV溝基板の光ファイバーのファイバー整列方向における位置調整を行なえる。しかも位置調整済みのV溝基板と押え部材との対向側面間の調整隙間に接着剤を充填して両者を接合でき、容易にファイバー整列方向における位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる多心光コネクタを製作できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の一実施形態としての多心光コネクタ1を示した。
この多心光コネクタ1は光ファイバを8本並列状に整列して保持する8心用のファイバーテープ2の接続コネクタとして形成され、接続相手先の光部品3側の8本並列状に整列した各光ファイバ(図示せず)に光軸を位置精度良く合わせて接続する。
図1に示すように、多心光コネクタ1は、複数のV溝4(図5参照)が形成されたV溝基板5と、同V溝基板5を嵌合する押え部材6と、同押え部材6の両側端部に形成され、位置決めピン7を取付ける位置決めピン用のピン穴8と、V溝基板5と押え部材6との対向部に設けられ光ファイバー9の位置を規制する位置規制部M2とを形成されている。
【0022】
図2に示すように、V溝基板5はその上面を成す挟持面11とその挟持面11の左右端より下方に直交して形成される両側面111と、挟持面11の前後の前後側面112、113(図3参照)と、挟持面11の裏側に位置する底面114とを備え、全体としてブロック状を成す。
挟持面11はV溝基板5の長手方向であるファイバー長手方向Xに沿って、8本の光ファイバー9を並列状に整列させるもので直状のV溝4が複数形成され、そのV溝4の配設領域a2よりも十分に大きな横幅D1を有する。
【0023】
図5に示すように、複数のV溝4の配設領域a2を外れた一側端部分には位置規制部M2を成す突き当て部としての突き当て段部10が形成される。図5に示すように、突き当て段部10はV溝4の深さ方向(紙面上下方向)と同じ方向に切り込まれ、後述の組み付け調整幅e0より大きな段幅e1を備え、ファイバー長手方向X(図5で紙面垂直方向)に沿って直状に形成され、その端部は側面111に達している。突き当て段部10の段面は、V溝基板5の長手方向と直交する方向であるファイバー整列方向Yに直交するよう形成され、後述の押え部材6側の突き当て段部13と当接することで押え部材6側のピン穴8に対するV溝基板5のファイバー整列方向Yに対する位置N1を規制するもので、位置規制部M2を成すように構成される。
【0024】
図5に示すように、V溝4は光ファイバー9の一側(図5で下側)に当接してファイバー整列方向Yに対する位置ずれを規制できる形状を成し、光ファイバー9の他側(図5で上側)を半分以上露呈するように形成される。即ち、ここでのV溝4は90°の溝角度θを採り、光ファイバー9の直径(φ0.125)の半分より小さな溝深さで形成される。互いに隣り合うV溝4のファイバー整列方向Yにおける間隔kは、光ファイバー9の直径(φ0.125)の2倍に設定される。
【0025】
V溝基板5のV溝4の間隔kは8心用のファイバーテープ2における8本の光ファイバー心線(光ファイバー9の回りを被覆材で覆ったもの)9aの間隔と一致している。即ち、図3、図4に示すように、8心用のファイバーテープ2は8本の光ファイバー心線9aの各被覆材を並列的に一体的に接続してテープ状を成すものであり、このファイバーテープ2より剥き出しになった光ファイバー9の部分の間隔が光ファイバー9の直径の2倍に設定されている。このため、この状態の各光ファイバー9をV溝基板5の各V溝4に嵌合させることができる。
【0026】
V溝基板5の挟持面11のV溝4は、図4に示すように、前側の接合面である前側面112よりファイバー長手方向Xに沿った所定幅L1の間において光ファイバー9の直径の半分より小さな溝深さで形成される。しかも、それに続く後側面113までの所定幅L2の間においては光ファイバー9のテープ側残部と8心用のファイバーテープ2の一端を収容する平底状の皿状凹部14が形成される。上述のところにおいて、V溝基板5は石英で作製され、そのV溝4と位置決め用の突き当て段部10を同時加工により形成される。ここではウェットエッチング加工を用いており、これにより加工精度は±0.1μmで製作可能である。 なお、ドライエッチングや、電子線描画、成型でも同程度の加工精度で製造可能である。
【0027】
このように挟持面11における位置決め用の突き当て段部10とV溝4を同時加工することで、高精度な位置精度が得られることとなる。
なお、V溝基板5の作製では、異種若しくは同種の材質の堆積や成型処理により、位置決め用の突き当て段部10及びV溝4の形成をすることも可能であり、レジスト材等の樹脂を用いたり、アディティブ法を採用できる。
V溝基板5の材質は石英に代えて、シリコン、アルミナ等のセラミクス、コバールやアンバー等の低膨張金属を使用可能である。
【0028】
上述のところにおいて、V溝基板5の挟持面11のV溝4はその最深部がV形状で加工されているが、これに代えてV溝の最深部が平坦な溝底を有した台形溝(図示せず)に形成しても良く、或いは、V溝の最深部が湾曲凹状底を有したV溝(図示せず)に形成しても良く、これらの場合もV溝4と同様に作製され、同様の作用効果が得られる。
【0029】
押え部材6はV溝基板5を嵌合凹部15に嵌合する。押え部材6はV溝基板5の挟持面11と重なりファイバー長手方向Xに長い主部601と、主部601のファイバー整列方向Yにおける両側端より延出しV溝基板5の側面と対向する左右側部602とを備える。
図2に示すように、主部601と左右側部602の各内側面603で囲む嵌合凹部15は、ファイバー整列方向Yにおいて、V溝基板5の横幅D1より所定量大きな横幅D2で形成され、これによりV溝基板5を所定の調整隙間t1、t2を介して嵌合する。
【0030】
ここで押え部材6はエポキシ樹脂で射出成型される。
押え部材6が例えば、シリカ等の低膨張材料を添加したエポキシ樹脂で成型されることで、後述のように、押え部材6の位置決めピン7用のピン穴8とV溝基板5と当接する突き当て段部13の加工精度を±0.5μm以下で製作可能である。
更に、押え部材6の材質は、石英、シリコン、アルミナ等のセラミクス、コバールやアンバー等の低膨張金属でもよい。
【0031】
嵌合凹部15の低部であり主部601の内側面である挟持面12はファイバー長手方向Xに連続する平底面であり、V溝基板5の挟持面11と接離方向(図5で上下方向)において対向することにより、V溝基板5上の各V溝4に嵌合する8本の光ファイバー9を挟持可能である。
主部601の内側面である挟持面12は、図5に示すように、そのファイバー整列方向Yにおける一方側部に段幅e2で突き出る突き当て段部13が形成される。このため、図2に示すように、主部601の挟持面12はファイバー整列方向Yにおける幅が光ファイバー9の配設領域a1より大きく、嵌合凹部15の横幅D2より小さく、ファイバー長手方向Xに連続する平底面となる。
【0032】
しかも、この段幅e2で突き出る突き当て段部13に対して、ファイバー整列方向Yにずれ操作されたV溝基板5の段幅e1の突き当て段部10が当接することで、V溝基板5は押え部材6に対してファイバー整列方向Yにおける位置決めが成される。
なお、多心光コネクタ1では嵌合凹部15の横幅D2がV溝基板5の横幅D1より所定量大きく形成されることで調整隙間t1、t2を確保することより、V溝基板5のファイバー整列方向Yの位置決めのためのずれ操作が確実に容易に成されることとなる。
【0033】
更に、押え部材6はファイバー長手方向Xにおいて、図4に示すように、主部601の挟持面12が前側の接合面である前側面602より所定幅L1の間において光ファイバー9の上側面に当接するよう形成される。しかも、その後側に続き後面603に達するまでの所定幅L2の間においては8心用のファイバーテープ2の上側部を収容可能な逆向き皿状の下向き凹部16を形成される。なお下向き凹部16はファイバー整列方向Yにおけるテープ幅を上回る幅と所定の溝深さgとで形成される。
【0034】
図1、図3に示すように、押え部材6はその両側部602にファイバー長手方向Xに向けて取付けられる位置決めピン7用のピン穴8がそれぞれ形成される。
【0035】
押え部材6の両側部602に貫通状態で形成される各ピン穴8は接続相手側の光部品3との位置決めを行なう上で基準位置と成るもので、ここでは両ピン穴8の中心線の延出方向がファイバー長手方向Xに設定され、両ピン穴8の中心線間の方向でファイバー長手方向Xと直交する方向がファイバー整列方向Yに設定される。更に、両ピン穴8の中心線を含む基準面に対して嵌合凹部15の挟持面12が平行に設定され、この基準面と直交する面に対して嵌合凹部15の両側面603が平行に設定されている。
【0036】
このような図1の多心光コネクタ1を組み立てる手順を説明する。
まず、押え部材6の嵌合凹部15にV溝基板5を嵌合させ、この際、V溝基板5と嵌合凹部15との各挟持面11、12を両面の接離方向における仮りの対向幅で対向配置する。この場合、ファイバー整列方向YにおいてV溝4の配設領域aを外れた部位に、図示しない薄板部材(スペーサー)を介装させ、両挟持面11、12間に挟む。なお、これに代えて押え部材6とV溝基板5をそれぞれ挟持できる専用挟持用治具を作成しておき、同専用挟持用治具で両挟持面11、12間を仮りの対向幅Bで対向配置したままで保持するようにしても良い。
【0037】
このような仮の隙間確保に当たっては、各V溝4に光ファイバー9が嵌挿された場合において光ファイバー9がファイバー整列方向Yにずれることがない程度であり、挿入、抜き取り可能な、即ち、挿抜可能な隙間を空けた状態を確保することとなる。
押え部材6の嵌合凹部15にV溝基板5を嵌合させ、薄板部材(スペーサー)を用いて両挟持面11、12間に隙間確保の後、8心用のファイバーテープ2より剥き出した8本の光ファイバー9を押え部材6とV溝基板5の両後側面より差し込む。なお、専用挟持用治具で両挟持面11、12間を仮りの対向幅で対向配置した場合も同様に8本の光ファイバー9を差し込むこととなる。
【0038】
この場合、V溝基板5の所定の溝深さで形成された皿状凹部14と押え部材6の逆向き皿状の下向き凹部16からなる空間は8心用のファイバーテープ2を容易に嵌着し、8本の光ファイバー9は同部を通過した上で、仮の対向幅で対向するV溝基板5と嵌合凹部15の両挟持面11、12間に嵌挿される。このように各V溝4に光ファイバー9が嵌挿された場合、各V溝4の働きで、8本の各光ファイバー9はファイバー整列方向Yにずれることがない状態で遊嵌される。
このような光ファイバー9の嵌挿処理の後、薄板部材(スペーサー)を排除し、或いは、専用挟持用治具の場合、押え部材6とV溝基板5の両者の挟持状態を解除する。
【0039】
その上で、押え部材6とV溝基板5の対向する隙間全域に接合剤或いはロウ付け材を充填し、これらの隙間を排除する。この際、図5に符号p1、p2で示すように、押え部材6に対してV溝基板5を接合方向に押圧操作(p1の操作)すると同時にファイバー整列方向Yにずらし操作(p2の操作)する。
このずらし操作では嵌合凹部15の段幅e2の突き当て段部13に対してV溝基板5の段幅e1の突き当て段部10が当接するように行なわれる。この場合、押え部材6の嵌合凹部15が横幅D2で、V溝基板5が横幅D1で形成され、両者間に調整隙間t1、t2を確保していることより、ファイバー整列方向Yのずらし操作が確実に、しかも容易に達成されることとなる。
【0040】
これによってV溝基板5は押え部材6に対してファイバー整列方向Yにおける位置決めが成される。即ち、押え部材6の基準位置を成すピン穴8に対して、嵌合凹部15の段幅e2の突き当て段部13までのファイバー整列方向Yの間隔N1が確定しており、押え部材6の段幅e2の突き当て段部13にV溝基板5の段幅e1の突き当て段部10が当接することで、この突き当て段部10に対する各V溝4のファイバー整列方向Yの間隔N2(配設領域aの各V溝4毎に設定される)がそれぞれ確定する。
【0041】
これにより、押え部材6の基準位置を成すピン穴8に対してV溝基板5の各V溝4の、即ち、各光ファイバー9のファイバー整列方向Yの位置が精度良く確保されることと成る。
押圧及びずらし操作(p1、p2方向の操作)の後、この状態を維持した押え部材6にV溝基板5を嵌合した組み立て体に対して、UV照射や加熱の処理が成され、接合剤或いはロウ付け材を固め、多心光コネクタ1を完成させる。
【0042】
このように作製された8心用のファイバーテープ2を一体的に嵌着した多心光コネクタ1は一対のピン穴8に位置決めピン7が嵌着され、同一対の位置決めピン7が接続相手先の光部品3側のピン穴8’(図3参照)に嵌挿される。
【0043】
これにより、多心光コネクタ1の8本整列した各光ファイバー9の接合面は接続相手先の光部品3側の8本整列した各光ファイバー(図示せず)の光軸に対して無調心で接続される。このように多心光コネクタ1を用いたことで位置精度の良い接続が成され、無調心にもかかわらず、光軸ずれを十分に低減させることができ、多心光コネクタ1と接続相手先の光部品3側との間の接続損失を十分に低減でき、低接続損失の接続を実現でき、位置精度を容易に高くすることができる。
【0044】
次に本実施形態の多心光コネクタ1を製作するにあたり、使用するV溝基板5及び押え部材6としてそれぞれ採用可能な素材例を以下にそれぞれ説明する。 V溝基板5としての素材例1としては、石英含有エポキシ樹脂を採用し、金型への射出成形によって成形できる技術が「特開平9−54227号公報」に開示される。この場合、V溝4間隔は250μmとした場合に金型の寸法精度を±0.1μmとすることでV溝基板5を位置精度±0.1μmとして作製できる。 V溝基板5としての素材例2としては、V溝をエッチング処理で±0.1μmの位置精度で作製できる技術が「zygo TeraOptics」より開示され、素材例3としては、低膨張ガラスを用いガラスモールド成形によりV溝を±0.1μmの位置精度で作製できる技術が「日刊工業新聞 2002年3月12日、三井松島産業より光信号用V溝基板を開発―モールド成形で加工精度アップ」として開示される。
【0045】
押え部材6としての素材例としては、プラスチックの高精度造型法としてV溝(V groove)やMTフェルール(Circula Holes)で、ピッチ精度(成形精度)を±0.5μmで実現可能な技術が「兼松USAホームページに掲載の白山製作所品 MT & mini MT Ferrules」に開示される。
【0046】
このような素材を採用し、本発明の多心光コネクタ1を作製するとし、例えば、V溝基板5としてその素材例1の石英含有エポキシ樹脂を用いて、位置精度±0.1μmとして作製し、押え部材6としてその素材例のMTフェルール(Circula Holes)を採用し、成形精度を±0.5μmで実現することで、本発明の多心光コネクタ1を作製したとすると、この場合、製品としての位置ずれ精度は(±0.1)+(±0.5)=±0.6μmとなり、低接続損失(0、1dB程度)を実現するに必要な位置ずれ値である0、75μm乃至1、0μm程度以下に抑えられる点が明らかである。
【0047】
次に、本発明の多心光コネクタ1の他の実施形態例を説明する。
図6の多心光コネクタ1aは図1の多心光コネクタ1と比較し押え部材6とV溝基板5にそれぞれ形成される位置規制部M2の構成が異なり、その点以外の構成は同一構成を採ることより、ここでは重複説明を略す。
【0048】
図6の多心光コネクタ1aで用いるV溝基板5はその挟持面11a上でファイバー整列方向Yにおける複数のV溝4の配設領域a2を外れた一側端部分に段幅e1’で突き当て段部10aが形成され、段部10aの底面部に三角突条17の位置調整部M1を突き出し形成する。この三角突条17はファイバー長手方向X(図6で紙面垂直方向)に連続するビードとして形成される。
一方、押え部材6はその嵌合凹部15の挟持面12aにおいて、そのファイバー整列方向Yにおける一方側部に段幅e2’で突き当て段部13aが形成され、その段部13aの下向き面部に三角突条17と嵌合する三角凹溝18が形成される。この三角凹溝18はファイバー長手方向Xに連続する長溝として形成される。
【0049】
このようなV溝基板5の三角突条17と押え部材6の三角凹溝18とが位置規制部M2を成し、両者が嵌合することで、V溝基板5は押え部材6に対してファイバー整列方向Yにおける位置決めを行なうことができ、しかも、嵌合凹部15とV溝基板5と嵌合凹部15の挟持方向における両挟持面11a、12a間の挟持隙間Baをも位置決めできることと成る。
次に、図1の多心光コネクタ1の他の実施形態例を更に説明する。
【0050】
図7の多心光コネクタ1bは図1の多心光コネクタ1と比較し押え部材6とV溝基板5にそれぞれ形成される位置規制部M2の構成が異なり、しかも、図6の多心光コネクタ1aと比較し、位置規制部M2の断面形状が異なるのみであり、その点以外の構成は同一構成を採ることより、ここでは重複説明を略す。
即ち、図7の多心光コネクタ1bで用いるV溝基板5はその挟持面11b上の一側端部分に突き当て段部10bが形成され、段部12bの底面部に台形突条19の位置規制部M2を突き出し形成する。
【0051】
一方、押え部材6はその挟持面12bの一方側部に突き当て段部13bが形成され、その段部13bの下向き面に台形突条19と嵌合する台形凹溝21が形成される。この台形凹溝21はファイバー長手方向X(図7で紙面垂直方向)に連続する長溝として形成される。
このようなV溝基板5の台形突条19と押え部材6の台形凹溝21とが嵌合することで、V溝基板5は押え部材6に対してファイバー整列方向Yにおける位置決めを行なうことができ、しかもV溝基板5と嵌合凹部15との両挟持面11b、12b間の挟持隙間Bbをも位置決めすることと成る。
【0052】
このような図6、及び図7の各多心光コネクタ1a、1bでは、図1の多心光コネクタ1の場合と同様に両調整隙間t1、t2を確保している。このため、V溝基板5の押え部材6に対するファイバー整列方向Yのずれ操作を容易に実行でき、これら押圧及びずれ操作(図5のp1、p2方向の操作と同様)により三角凹溝や台形凹溝に対して三角突条や台形突条を容易に嵌合させることができる。特に、嵌合凹部15とV溝基板5の両挟持面間の挟持隙間Ba、Bbが一定値となるので、V溝基板5上の各V溝4に嵌合する8本の光ファイバー9の挟持状態を一定に保持でき、ファイバー整列方向Yの位置ずれを規制できる上に各光ファイバー9の各V溝4からの浮き上がりを確実に防止でき、位置決め精度が向上する。
【0053】
図8(a)、(b)には他の実施形態例を示した。ここでの多心光コネクタ1cは、図1の多心光コネクタ1と比較し、押え部材6とV溝基板5にそれぞれ形成される位置調整部M1の構成が異なるのみであり、その点以外の構成は同一構成を採ることより、ここでは重複説明を略す。
図8(a)、(b)の多心光コネクタ1cは、押え部材6の嵌合凹部15の横幅D2がV溝基板5の横幅D1より所定量大きく形成され、調整隙間t1、t2を確保して形成される。
【0054】
更に、この多心光コネクタ1cではV溝基板5の挟持面11cが平面状を成し、ファイバー整列方向Yにおける中央部に複数のV溝4の配設領域a2を備え、押え部材6の嵌合凹部15の挟持面12cが平面状を成し、ファイバー整列方向Yにおける中央部に複数の光ファイバー9の配設領域a1を備え、これら互いに対向する両挟持面11c、12cのファイバー整列方向Yにおける側端は、図1、5の多心光コネクタ1で形成されていたような突き当て段部10、13が排除されている。
【0055】
ここでの多心光コネクタ1cは、位置調整部M1を備え、位置調整部M1は互いに対向し調整隙間t1、t2を形成している押え部材6の嵌合凹部15の内側面603cと、V溝基板5の両側面111cと、これら調整隙間t1、t2に差込み嵌挿可能な隙間調整用の治具としての偏芯ピン22とにより形成される。
【0056】
図8(a)、(b)の多心光コネクタ1cでは、押え部材6の嵌合凹部15にV溝基板5を嵌合させ、図示しない薄板部材(スペーサー)を用いて両挟持面11、12間に隙間確保の後、8本の光ファイバー9を押え部材6とV溝基板5の両後側面側(紙面裏側)より差込み、各V溝4に光ファイバー9が嵌挿される。この場合、各V溝4の働きで光ファイバー9がファイバー整列方向Yにずれることがない程度に保持する。
【0057】
次いで、調整隙間t1、t2に偏芯ピン22のコマ部221を差込み(図8(b)参照)、図示しない薄板部材(スペーサー)を排除し、押え部材6とV溝基板5の対向する隙間全域に接合剤或いはロウ付け材を充填し、押え部材6とV溝基板5の対向する隙間を排除するように押圧する。
同時に隙間調整用治具としての偏芯ピン22の摘み部222を回動操作し、回転中心線r回りに回動させて、他方の調整隙間t2を増減させて、同部に図示しないゲージを挟むことでファイバー整列方向Yの位置調整し、基準位置にセットする。
【0058】
押え部材6に対するV溝基板5の位置決めが偏芯ピン22により成された上で、押え部材6にV溝基板5を嵌合した組み立て体にUV照射や赤外線加熱の処理が成され、接合剤或いはロウ付け材を固め、偏芯ピン22の摘み部222を除去処理し、コマ部221を埋め込み状態で多心光コネクタ1を完成させる。
【0059】
この多心光コネクタ1cも図1の多心光コネクタ1と同様に、ファイバー整列方向Yのピン穴8と側壁603の間隔N1が確定しており、これに調整隙間t2(ゲージで確保)を介してV溝基板5が位置決めされることで、側壁603に対するV溝基板5側の各V溝4のファイバー整列方向Yの間隔N2(配設領域a2の各V溝4毎に設定される)が精度良く確保された状態と成る。このため、多心光コネクタ1cは8本の光ファイバー9を光部品3に接続するのに使用された際に、容易にファイバー整列方向Yにおける位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる。
【0060】
図9(a)、(b)には本発明の適用された多心光コネクタ1の他の実施形態例を示した。
ここでの多心光コネクタ1dは、図1の多心光コネクタ1における押え部材6とV溝基板5にそれぞれ形成された位置規制部M2に代えて構成が異なる位置調整部M1を備える。しかも、図8の多心光コネクタ1cが用いる位置調整部M1が押え部材6の内側面603cとV溝基板5の両側面111cと隙間調整用の治具としての偏芯ピン22から成るのに対して構成が次のように異なる点以外は同一構成を採ることより、ここでは重複説明を略す。
【0061】
図9(a)、(b)の多心光コネクタ1dは、図1の多心光コネクタ1の位置規制部M2と同様に、押え部材6の嵌合凹部15の横幅D2がV溝基板5の横幅D1より所定量大きく形成され、調整隙間t1、t2を確保して形成される。しかも、V溝基板5及び押え部材6の互いに対向する各挟持面11d、12dが平面状を成し、ファイバー整列方向Yにおける側端から段部(図5の符号10、13)が排除されている。
【0062】
ここでの位置調整部M1は送りネジ23を備え、送りネジ23は多心光コネクタ1dの押え部材6とV溝基板5に対してファイバー整列方向Yに貫通するように配備される。更に、押え部材6の両側部602の一方に位置調整用のメネジ24が、他方に送りネジ23の軸部231を回転可能に嵌挿する穴25がそれぞれ形成される。しかも、V溝基板5には送りネジ23の軸部231を遊嵌する遊嵌穴26と、遊嵌穴26に連続し外部に開口する係止ピン取り付け穴27とが形成される。V溝基板5は遊嵌穴26の働きで送りネジ23に対してそのネジ軸231の半径方向に所定量ずれ可能に遊嵌される。このため、押え部材6の挟持面12dに対するV溝基板5の挟持面11dが接離作動することを所定量の範囲で許容できる。送りネジ23はその軸部231であって、係止ピン取り付け穴27との対向部に外周方向の環状溝(図示せず)を形成され、同環状溝に係止ピン取り付け穴の外部より挿入された係止ピン若しくは環状クリップ等28を嵌着可能に形成される。
【0063】
このような多心光コネクタ1dは、その組み立て時において、まず、押え部材6の嵌合凹部15にV溝基板5を嵌合させ、これらに送りネジ23の軸部231を差込み、押え部材6の一方側部の穴25及びV溝基板5の遊嵌穴26に嵌挿し、押え部材6の他方側の位置調整用のメネジ24に送りネジ23のネジ部232を螺着する。その上で、係止ピン取り付け穴27より係止ピン28を挿入し、送りネジ23の軸部231の図示しない環状溝に押し込み係止する。
【0064】
この後、多心光コネクタ1dの押え部材6のV溝基板5と嵌合凹部15の両挟持面11d、12d間に隙間を確保して8本の光ファイバー9を押え部材6とV溝基板5の両後側面側(図9(a)の紙面裏側)より差込み、光ファイバー9がファイバー整列方向Yにずれることがない程度にV溝基板5と嵌合凹部15の両挟持面11d、12dの間隔を保持することとなる。ここでは、送りネジ23の軸部231とV溝基板5の遊嵌穴26との接離方向のずれ幅が予め設定されることより、薄板部材(スペーサー)を用いて両挟持面11d、12d間に所要の隙間を確保するという操作を排除できる。
【0065】
次いで、両挟持面11d、12d間や調整隙間t1、t2の全域に接合剤或いはロウ付け材を充填する。
その上で、隙間調整用の治具としての送りネジ23を回転させて、押え部材6に対するV溝基板5のファイバー整列方向Yの相対位置を操作する。この場合、他方の調整隙間t2に図示しないゲージを挟むことでファイバー整列方向Yの位置調整が正確に成され、調整隙間t2を基準値にセットできる。
押え部材6に対するV溝基板5の位置決めが送りネジ23により成された上で、V溝基板5と押え部材6の両挟持面11d、12dを接合方向に押圧操作した状態の組み立て体に対し、UV照射や赤外線加熱の処理が成され、接合剤或いはロウ付け材を固め、多心光コネクタ1dを完成させる。
【0066】
この多心光コネクタ1dの場合も図1の多心光コネクタ1と同様に、ファイバー整列方向Yのピン穴8と側壁603dの間隔N1が確定しており、これに調整隙間t2(ゲージで確保)を介してV溝基板5が当接することで、側壁603dに対するV溝基板5側の各V溝4のファイバー整列方向Yの間隔N2(配設領域a2の各V溝4毎に設定される)が精度良く確保された状態と成る。このような図9の多心光コネクタ1dは8本の光ファイバー9を光部品3に接続するのに使用された際に、容易にファイバー整列方向Yにおける位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる。
【0067】
上述のところでは、8心用のファイバーテープ2を光部材側に結合する多心光コネクタを説明したが、これに代えて、4、6、12等の他の複数本のファイバーテープ用の多心光コネクタを構成しても良く、これらの場合も同様の作用効果が得られる。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、位置調整部を位置調整操作することで、ファイバー整列方向における位置決めピン用の穴と押え部材及びV溝基板とで挟持する光ファイバーとの位置精度を容易に高くすることができ、低接続損失の接続を実現できる。
【0069】
請求項2の発明は、V溝基板と押え部材の嵌合凹部との間に設けた調整隙間を位置調整部の位置調整操作により増減調整し、位置決めピン用の穴と押え部材及びV溝基板とで挟持する光ファイバーとの間のファイバー整列方向における位置精度を容易に高くすることができ、低接続損失の接続を実現できる。
【0070】
請求項3の発明は、位置規制部をファイバー整列方向に相対的に移動させて突き当てることで、位置規制部を位置規制操作することで、位置決めピン用の穴と押え部材及びV溝基板とで挟持する光ファイバーとの間のファイバー整列方向における位置精度を容易に高くすることができ、低接続損失の接続を実現できる。
【0071】
請求項4の発明は、位置規制部を成す位置決め用の突き当て部とV溝を同時加工する場合、高精度な位置精度が得られる。例えばウェットエッチング加工を用いた場合、加工精度は±0.1μmで製作可能である。
【0072】
請求項5の発明は、押え部材6がエポキシ樹脂で成型されることで、同押え部材の位置決めピン用の穴と上記V溝基板との間の位置決め部の精度を高精度、例えば、加工精度は±0.5μm以下で製作可能である。
【0073】
請求項6の発明は、V溝基板と押え部材とのファイバー整列方向の位置関係を位置調整部あるいは位置規制部のいずれかで調整してから両者を互いに対向する対向側面間の調整隙間に接着剤を充填して接合でき、容易にファイバー整列方向における位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる多心光コネクタを作製できる。
【0074】
請求項7の発明は、調整隙間を治具にて調整してから、V溝基板と押え部材とを互いに対向する対向側面間の調整隙間に接着剤を充填して接合でき、容易にファイバー整列方向における位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる多心光コネクタを製作できる。
【0075】
請求項8の発明は、位置調整部の送りネジを操作することでファイバー整列方向における位置決めピン用の穴とV溝基板との間の位置調整が可能なことより、容易にV溝基板の光ファイバーのファイバー整列方向における位置調整を行なえる。しかも位置調整済みのV溝基板と押え部材との対向側面間の調整隙間に接着剤を充填して両者を接合でき、容易にファイバー整列方向における位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる多心光コネクタを製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての多心光コネクタの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態としての多心光コネクタの正面図である。
【図3】本発明の一実施形態としての多心光コネクタの底面図である。
【図4】本発明の一実施形態としての多心光コネクタを示し、図3のA−A線断面図である。
【図5】図1の多心光コネクタの押え部材とV溝基板の両挟持面間におけるファイバー整列方向に沿った拡大断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態例である多心光コネクタの要部であって、押え部材とV溝基板の両挟持面間におけるファイバー整列方向に沿った拡大断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態例である多心光コネクタの要部であって、押え部材とV溝基板の両挟持面間におけるファイバー整列方向に沿った拡大断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態例での多心光コネクタであり、(a)は多心光コネクタの正面図を、(b)は多心光コネクタの要部切欠拡大平断面を示す。
【図9】本発明の他の実施形態例での多心光コネクタであり、(a)は多心光コネクタの正面図を、(b)は多心光コネクタの要部切欠底面図を示す。
【図10】従来の多心光コネクタの斜視図である。
【図11】従来の他の多心光コネクタの断面図である。
【図12】多心光コネクタで用いる光ファイバーにおけるコア光軸ずれ−接続損失の特性線図である。
【符号の説明】
1、1a〜1d 多心光コネクタ
4 V溝
5 V溝基板
6 押え部材
7 位置決めピン
8 穴
9 光ファイバー
10、10a〜10d 突き当て段部(位置規制部)
11、11a〜11d 挟持面
12、12a〜12d 挟持面
13、13a〜13d 突き当て段部(位置規制部)
15 嵌合凹部
t1、t2 調整隙間
M1 位置調整部
M2 位置規制部
X ファイバー長手方向
Y ファイバー整列方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信等に用いられる多心光コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバとしての光ファイバ心線は、コアの周りをクラッドによって同心円状をなして覆って形成した2重構造となっており、この2重構造の光ファイバの周りがプライマリーコートによって覆われ、さらにその周りがナイロンジャケット等により覆われている。光ファイバの外径は、一般に、約125μmに形成されており、光ファイバ心線の外径は例えば約250μmとなっており、光ファイバ心線の外径は光ファイバの外径の約2倍に形成されている。
【0003】
このような光ファイバ心線を複数一括して接続相手側の光部品に接続する光ファイバ接続具として、多心光コネクタが広く用いられており、図10には従来の多心光コネクタの一例が示されている。同図に示す多心光コネクタ100は、MTコネクタと呼ばれているものであり、複数の光ファイバ心線110をファイバー整列方向Yに帯状に並設して成る光ファイバテープ120が多心光コネクタ100の主要部を成すフェルール130に挿入固定されて形成されている。複数の光ファイバ心線110はその先端側のナイロンジャケットおよびプライマリーコートの被覆を除去された状態でフェルール130に挿入され、被覆の除去によって剥き出しになった光ファイバ140の端面がフェルール130の先端部のファイバ穴160に嵌挿され、接続端面150に露出するようにして、所定の配列ピッチで配列されている。
【0004】
フェルール130にはこれらの光ファイバ140の配設領域を挟む両側に、この多心光コネクタとの接続相手側の光部品(例えば多心光コネクタ)200との位置決め用のピン嵌合穴170が形成されている。このピン嵌合穴170に嵌合される嵌合ピン180を、接続相手側の光部品200に形成されているガイド穴190に挿入することにより、光部品200側の光ファイバとの位置ずれを抑え、無調心で接続されるようにしている。
このため、多心光コネクタ100と接続相手側の光部品200との位置精度を確保し接続損失を低減させる上で、多心光コネクタ100自体においても、基準位置となるピン嵌合穴170に対する複数の各光ファイバ140の取付け位置との間の位置精度を高め、即ち、各光ファイバが嵌挿されるファイバ穴160や図示しない各光ファイバの挟持用のV溝との間隔を精度良く加工し、組み付け、この位置精度を高めることが必要となる。
【0005】
ところで、光回路部品を実際のシステムで使用する場合、光信号の入出力部に多心光コネクタ(MTコネクタ)等を用い光ファイバーを接続するにあたり、光導波回路のコアと光ファイバーのコアとの光軸を精密に位置合わせする技術が必要となる。この場合において、図12に示すように、両者のコア光軸の位置ずれと接続損失の関係が知られている。これより明らかなように、光軸に対する位置ずれが0.75μmで0.1dBの接続損失となり、低接続損失の実現には位置ずれを0.75μm乃至1.0μm程度以下に抑えることが好ましいことが知られており、特許第3273490号公報(特許文献1)に関連記載がある。
【0006】
上述のような多心光コネクタ(MTコネクタ)の一例であり、複数の光ファイバ心線の剥き出しになった光ファイバ部分をフェルールの本体のピン嵌合穴に差込みその光ファイバ部分の内側の一部をクランプ部材で押圧して接着材で両者を固定する技術が特開平9−184942号公報(特許文献2)に開示される。
【0007】
同じく、複数の光ファイバ心線の剥き出しになった光ファイバ部分をフェルールの本体のピン嵌合穴に差込み、その光ファイバ部分の内側一部をクランプ部材を介して片持方式のバネで押圧固定する技術が特開平10−123368号公報(特許文献3)に開示される。
更に、図11に示したように、平坦な上プレート210とV溝220を形成された下プレート(V溝基板)230との間に、複数のファイバー240を並列状に整列固定するに当たり、下プレート230には中央部分に複数のファイバー240を嵌合するV溝220が設定された間隔で形成され、それらの両端側には比較的浅いV溝220’が形成される。
【0008】
このようにすることで、両端の浅いV溝220’に挟持された光ファイバーが強く挟持されることで、中間部のファイバ240を挟持する領域である中央の配設領域に隙間を的確に確保し、設定間隔の各V溝220に位置精度良く複数のファイバー240を嵌挿でき、この嵌挿処理や位置決めを容易に実行した上で、これらの外側隙間にハンダ250等を充填して接着するという技術が特開平7−287137号公報(特許文献4)に開示される。なお、同様の平坦な上プレートと同様のV溝基板である下プレートを用いてマイクロキャピラリを作製する技術が上述の(特許文献1)にも開示される。
【0009】
更に、互いに重ね合わせた一対のファイバーテープを載置する平板基板と、その平板基板の端部に嵌合凹部が嵌合する接続端部材と、接続端部材の嵌合穴に嵌着されるファイバ押え部材を備え、2つのファイバーテープよりそれぞれ剥き出しになった光ファイバ部分を交互に並列状に重ねて一列に整列配備し、同光ファイバ重ね整列部を平板基板とファイバ押え部材の両配列ガイド溝部分で挟持する技術が特開2000−221364号公報(特許文献5)に開示される。ここでは、特に、透明な押え部材を用い、接続端部材の穴に嵌合された上で光ファイバ重ね整列部の光ファイバの整列状態を確認できる。
【0010】
【特許文献1】「特許第3273490号公報」
【特許文献2】「特開平9−184942号公報」
【特許文献3】「特開平10−123368号公報」
【特許文献4】「特開平7−287137号公報」
【特許文献5】「特開2000−221364号公報」
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献2、3に開示される技術を用いた場合、ファイバー整列方向Yに複数並列配備される各光ファイバーの外径に対し、多心光コネクタに形成されているガイド穴の内径との間にずれが発生し易い。このため、嵌挿処理により結合される相互の精度誤差により光軸ずれが生じ易く、これにより接続先の各光ファイバとの間の光軸ずれにより接続損失が増加し易く、低接続損失(0.1dB程度)の実現のため位置ずれを0、75μm乃至1.0μm以下に抑えることは困難となるし、しかも、クランプ用の部品点数が比較的多くなるという問題も有る。
【0011】
特許文献1、4に開示される技術を用いた場合、上プレート210とV溝220を形成された下プレート(V溝基板)230との間に、複数のファイバー240を並列状に整列固定するに当たり、それら複数のファイバーの内の両端のファイバー240’によりそれらの間のファイバの配設領域の隙間を調整しており、この隙間形成用としてのファイバーを特に必要とすることとなり、部品点数が比較的多くなるという問題も有る。
特許文献5に開示される技術を用いた場合、接続端部材と平板基板の間の位置決めは、両者の互いに対向する挟持面間に形成される位置決めガイド溝と逆V字溝とこれらに嵌合する位置合わせ用の光ファイバーを用いて行なっており、この場合、加工工数や部品点数が比較的多くなるという問題が有る。
【0012】
このように、従来の各多心用光コネクタでは、コア光軸の位置ずれを低減して低接続損失の接続を実現する上で、位置規制用のガイドピン、ガイドピン用貫通穴の精度および光ファイバー間の穴精度が要求される。しかも、フェルールと光ファイバーとの接着、突き合せ面の研磨等の工程を必要とするために、作業行程数が多いことよりコストアップを招き易く、しかも、現場における接続工事に熟練を要していた。
この発明は以上のような課題に基づきなされたもので、低接続損失の接続を実現できる上に、煩わしい作業工程の低減によるコストダウンを図れるとともに、現場における接続工事の簡略化を可能とした多心光コネクタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、光ファイバーと、同光ファイバーをファイバー長手方向と直交するファイバー整列方向に複数並列状に整列させるV溝が形成されたV溝基板と、同V溝基板を嵌合しそのV溝に当接する複数の光ファイバーを嵌合凹部の挟持面で挟持する押え部材と、同押え部材のファイバー整列方向における両側端部に設けられ、ファイバー長手方向に沿って形成される位置決めピン用の穴と、を具備し、上記V溝基板と上記押え部材との対向部に、上記位置決めピン用の穴と上記光ファイバーとのファイバー整列方向における位置調整を行なう位置調整部を設けたことを特徴とする。
ここでは、位置調整部を位置調整操作することで、上記ファイバー整列方向ににおける位置決めピン用の穴と光ファイバーとの位置精度を容易に高くすることができ、低接続損失の接続を実現できる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1記載の多心光コネクタにおいて、上記V溝基板と上記押え部材の嵌合凹部との間に上記ファイバー整列方向における調整隙間を設けたことを特徴とする。
このように、上記V溝基板と上記押え部材の嵌合凹部との間に設けた調整隙間を位置調整部の位置調整操作により増減調整し、位置決めピン用の穴と押え部材及びV溝基板とで挟持する光ファイバーとの間のファイバー整列方向における位置精度を容易に高くすることができ、低接続損失の接続を実現できる。
【0015】
請求項3の発明は、光ファイバーと、同光ファイバーをファイバー長手方向と直交するファイバー整列方向に複数並列状に整列させるV溝が形成されたV溝基板と、同V溝基板を嵌合しそのV溝に当接する複数の光ファイバーを嵌合凹部の挟持面で挟持する押え部材と、同押え部材のファイバー整列方向における両側端部に設けられ、ファイバー長手方向に沿って形成される位置決めピン用の穴と、を具備し、上記V溝基板と上記押え部材の嵌合凹部との間にファイバー整列方向の位置決め用の位置規制部を一ヵ所以上形成したことを特徴とする。
ここでは、位置規制部をファイバー整列方向に相対的に移動させて突き当てることで、位置規制部を位置規制操作することで、位置決めピン用の穴と押え部材及びV溝基板とで挟持する光ファイバーとの間のファイバー整列方向における位置精度を容易に高くすることができ、低接続損失の接続を実現できる。
【0016】
請求項4の発明は、請求項3記載の多心光コネクタにおいて、上記V溝基板はそのV溝と位置規制部を成す位置決め用の突き当て部を同時加工により形成することを特徴とする。
このように、位置規制部を成す位置決め用の突き当て部とV溝を同時加工する場合、高精度な位置精度が得られる。例えばウェットエッチング加工を用いた場合、加工精度は±0.1μmで製作可能である。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の多心光コネクタにおいて、上記押え部材がエポキシ樹脂で成型されることを特徴とする。
このように、上記押え部材がエポキシ樹脂で成型されることで、同押え部材の位置決めピン用の穴と上記V溝基板との間の位置決め部の精度を高精度、例えば、加工精度は±0.5μm以下で製作可能。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の多心光コネクタにおいて、上記V溝基板と上記押え部材の位置決めピン穴のファイバー整列方向の位置関係を上記位置調整部あるいは上記位置規制部のいずれかで調整してから、両者を接合することを特徴とする。
このように、V溝基板と押え部材とのファイバー整列方向の位置関係を位置調整部あるいは位置規制部のいずれかで調整してから両者を互いに対向する対向側面間の調整隙間に接着剤を充填して接合でき、容易にファイバー整列方向における位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる多心光コネクタを製作できる。
【0019】
請求項7の発明は、請求項6記載の多心光コネクタにおいて、上記位置調整部が上記V溝基板と上記押え部材をクランプした上で、両者の互いに対向する対向側面間の調整隙間を治具にて調整するように形成され、上記治具にて上記V溝基板と押え部材の位置決めピン穴のファイバー整列方向Yの位置関係を調整してから、両者を接合することを特徴とする。
このように、調整隙間を治具にて調整してから、V溝基板と押え部材とを互いに対向する対向側面間の調整隙間に接着剤を充填して接合でき、容易にファイバー整列方向における位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる多心光コネクタを製作できる。治具として、例えば、偏芯コマ等を利用できる。
【0020】
請求項8の発明は、請求項6記載の多心光コネクタにおいて、上記位置調整部が上記押え部材に設けた位置調整用のメネジと、同メネジに螺合すると共に上記V溝基板をファイバー整列方向に位置調整可能な送りネジと、を備えたことを特徴とする。
このように、上記位置調整部の送りネジを操作することで上記ファイバー整列方向における位置決めピン用の穴とV溝基板との間の位置調整が可能なことより、容易にV溝基板の光ファイバーのファイバー整列方向における位置調整を行なえる。しかも位置調整済みのV溝基板と押え部材との対向側面間の調整隙間に接着剤を充填して両者を接合でき、容易にファイバー整列方向における位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる多心光コネクタを製作できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の一実施形態としての多心光コネクタ1を示した。
この多心光コネクタ1は光ファイバを8本並列状に整列して保持する8心用のファイバーテープ2の接続コネクタとして形成され、接続相手先の光部品3側の8本並列状に整列した各光ファイバ(図示せず)に光軸を位置精度良く合わせて接続する。
図1に示すように、多心光コネクタ1は、複数のV溝4(図5参照)が形成されたV溝基板5と、同V溝基板5を嵌合する押え部材6と、同押え部材6の両側端部に形成され、位置決めピン7を取付ける位置決めピン用のピン穴8と、V溝基板5と押え部材6との対向部に設けられ光ファイバー9の位置を規制する位置規制部M2とを形成されている。
【0022】
図2に示すように、V溝基板5はその上面を成す挟持面11とその挟持面11の左右端より下方に直交して形成される両側面111と、挟持面11の前後の前後側面112、113(図3参照)と、挟持面11の裏側に位置する底面114とを備え、全体としてブロック状を成す。
挟持面11はV溝基板5の長手方向であるファイバー長手方向Xに沿って、8本の光ファイバー9を並列状に整列させるもので直状のV溝4が複数形成され、そのV溝4の配設領域a2よりも十分に大きな横幅D1を有する。
【0023】
図5に示すように、複数のV溝4の配設領域a2を外れた一側端部分には位置規制部M2を成す突き当て部としての突き当て段部10が形成される。図5に示すように、突き当て段部10はV溝4の深さ方向(紙面上下方向)と同じ方向に切り込まれ、後述の組み付け調整幅e0より大きな段幅e1を備え、ファイバー長手方向X(図5で紙面垂直方向)に沿って直状に形成され、その端部は側面111に達している。突き当て段部10の段面は、V溝基板5の長手方向と直交する方向であるファイバー整列方向Yに直交するよう形成され、後述の押え部材6側の突き当て段部13と当接することで押え部材6側のピン穴8に対するV溝基板5のファイバー整列方向Yに対する位置N1を規制するもので、位置規制部M2を成すように構成される。
【0024】
図5に示すように、V溝4は光ファイバー9の一側(図5で下側)に当接してファイバー整列方向Yに対する位置ずれを規制できる形状を成し、光ファイバー9の他側(図5で上側)を半分以上露呈するように形成される。即ち、ここでのV溝4は90°の溝角度θを採り、光ファイバー9の直径(φ0.125)の半分より小さな溝深さで形成される。互いに隣り合うV溝4のファイバー整列方向Yにおける間隔kは、光ファイバー9の直径(φ0.125)の2倍に設定される。
【0025】
V溝基板5のV溝4の間隔kは8心用のファイバーテープ2における8本の光ファイバー心線(光ファイバー9の回りを被覆材で覆ったもの)9aの間隔と一致している。即ち、図3、図4に示すように、8心用のファイバーテープ2は8本の光ファイバー心線9aの各被覆材を並列的に一体的に接続してテープ状を成すものであり、このファイバーテープ2より剥き出しになった光ファイバー9の部分の間隔が光ファイバー9の直径の2倍に設定されている。このため、この状態の各光ファイバー9をV溝基板5の各V溝4に嵌合させることができる。
【0026】
V溝基板5の挟持面11のV溝4は、図4に示すように、前側の接合面である前側面112よりファイバー長手方向Xに沿った所定幅L1の間において光ファイバー9の直径の半分より小さな溝深さで形成される。しかも、それに続く後側面113までの所定幅L2の間においては光ファイバー9のテープ側残部と8心用のファイバーテープ2の一端を収容する平底状の皿状凹部14が形成される。上述のところにおいて、V溝基板5は石英で作製され、そのV溝4と位置決め用の突き当て段部10を同時加工により形成される。ここではウェットエッチング加工を用いており、これにより加工精度は±0.1μmで製作可能である。 なお、ドライエッチングや、電子線描画、成型でも同程度の加工精度で製造可能である。
【0027】
このように挟持面11における位置決め用の突き当て段部10とV溝4を同時加工することで、高精度な位置精度が得られることとなる。
なお、V溝基板5の作製では、異種若しくは同種の材質の堆積や成型処理により、位置決め用の突き当て段部10及びV溝4の形成をすることも可能であり、レジスト材等の樹脂を用いたり、アディティブ法を採用できる。
V溝基板5の材質は石英に代えて、シリコン、アルミナ等のセラミクス、コバールやアンバー等の低膨張金属を使用可能である。
【0028】
上述のところにおいて、V溝基板5の挟持面11のV溝4はその最深部がV形状で加工されているが、これに代えてV溝の最深部が平坦な溝底を有した台形溝(図示せず)に形成しても良く、或いは、V溝の最深部が湾曲凹状底を有したV溝(図示せず)に形成しても良く、これらの場合もV溝4と同様に作製され、同様の作用効果が得られる。
【0029】
押え部材6はV溝基板5を嵌合凹部15に嵌合する。押え部材6はV溝基板5の挟持面11と重なりファイバー長手方向Xに長い主部601と、主部601のファイバー整列方向Yにおける両側端より延出しV溝基板5の側面と対向する左右側部602とを備える。
図2に示すように、主部601と左右側部602の各内側面603で囲む嵌合凹部15は、ファイバー整列方向Yにおいて、V溝基板5の横幅D1より所定量大きな横幅D2で形成され、これによりV溝基板5を所定の調整隙間t1、t2を介して嵌合する。
【0030】
ここで押え部材6はエポキシ樹脂で射出成型される。
押え部材6が例えば、シリカ等の低膨張材料を添加したエポキシ樹脂で成型されることで、後述のように、押え部材6の位置決めピン7用のピン穴8とV溝基板5と当接する突き当て段部13の加工精度を±0.5μm以下で製作可能である。
更に、押え部材6の材質は、石英、シリコン、アルミナ等のセラミクス、コバールやアンバー等の低膨張金属でもよい。
【0031】
嵌合凹部15の低部であり主部601の内側面である挟持面12はファイバー長手方向Xに連続する平底面であり、V溝基板5の挟持面11と接離方向(図5で上下方向)において対向することにより、V溝基板5上の各V溝4に嵌合する8本の光ファイバー9を挟持可能である。
主部601の内側面である挟持面12は、図5に示すように、そのファイバー整列方向Yにおける一方側部に段幅e2で突き出る突き当て段部13が形成される。このため、図2に示すように、主部601の挟持面12はファイバー整列方向Yにおける幅が光ファイバー9の配設領域a1より大きく、嵌合凹部15の横幅D2より小さく、ファイバー長手方向Xに連続する平底面となる。
【0032】
しかも、この段幅e2で突き出る突き当て段部13に対して、ファイバー整列方向Yにずれ操作されたV溝基板5の段幅e1の突き当て段部10が当接することで、V溝基板5は押え部材6に対してファイバー整列方向Yにおける位置決めが成される。
なお、多心光コネクタ1では嵌合凹部15の横幅D2がV溝基板5の横幅D1より所定量大きく形成されることで調整隙間t1、t2を確保することより、V溝基板5のファイバー整列方向Yの位置決めのためのずれ操作が確実に容易に成されることとなる。
【0033】
更に、押え部材6はファイバー長手方向Xにおいて、図4に示すように、主部601の挟持面12が前側の接合面である前側面602より所定幅L1の間において光ファイバー9の上側面に当接するよう形成される。しかも、その後側に続き後面603に達するまでの所定幅L2の間においては8心用のファイバーテープ2の上側部を収容可能な逆向き皿状の下向き凹部16を形成される。なお下向き凹部16はファイバー整列方向Yにおけるテープ幅を上回る幅と所定の溝深さgとで形成される。
【0034】
図1、図3に示すように、押え部材6はその両側部602にファイバー長手方向Xに向けて取付けられる位置決めピン7用のピン穴8がそれぞれ形成される。
【0035】
押え部材6の両側部602に貫通状態で形成される各ピン穴8は接続相手側の光部品3との位置決めを行なう上で基準位置と成るもので、ここでは両ピン穴8の中心線の延出方向がファイバー長手方向Xに設定され、両ピン穴8の中心線間の方向でファイバー長手方向Xと直交する方向がファイバー整列方向Yに設定される。更に、両ピン穴8の中心線を含む基準面に対して嵌合凹部15の挟持面12が平行に設定され、この基準面と直交する面に対して嵌合凹部15の両側面603が平行に設定されている。
【0036】
このような図1の多心光コネクタ1を組み立てる手順を説明する。
まず、押え部材6の嵌合凹部15にV溝基板5を嵌合させ、この際、V溝基板5と嵌合凹部15との各挟持面11、12を両面の接離方向における仮りの対向幅で対向配置する。この場合、ファイバー整列方向YにおいてV溝4の配設領域aを外れた部位に、図示しない薄板部材(スペーサー)を介装させ、両挟持面11、12間に挟む。なお、これに代えて押え部材6とV溝基板5をそれぞれ挟持できる専用挟持用治具を作成しておき、同専用挟持用治具で両挟持面11、12間を仮りの対向幅Bで対向配置したままで保持するようにしても良い。
【0037】
このような仮の隙間確保に当たっては、各V溝4に光ファイバー9が嵌挿された場合において光ファイバー9がファイバー整列方向Yにずれることがない程度であり、挿入、抜き取り可能な、即ち、挿抜可能な隙間を空けた状態を確保することとなる。
押え部材6の嵌合凹部15にV溝基板5を嵌合させ、薄板部材(スペーサー)を用いて両挟持面11、12間に隙間確保の後、8心用のファイバーテープ2より剥き出した8本の光ファイバー9を押え部材6とV溝基板5の両後側面より差し込む。なお、専用挟持用治具で両挟持面11、12間を仮りの対向幅で対向配置した場合も同様に8本の光ファイバー9を差し込むこととなる。
【0038】
この場合、V溝基板5の所定の溝深さで形成された皿状凹部14と押え部材6の逆向き皿状の下向き凹部16からなる空間は8心用のファイバーテープ2を容易に嵌着し、8本の光ファイバー9は同部を通過した上で、仮の対向幅で対向するV溝基板5と嵌合凹部15の両挟持面11、12間に嵌挿される。このように各V溝4に光ファイバー9が嵌挿された場合、各V溝4の働きで、8本の各光ファイバー9はファイバー整列方向Yにずれることがない状態で遊嵌される。
このような光ファイバー9の嵌挿処理の後、薄板部材(スペーサー)を排除し、或いは、専用挟持用治具の場合、押え部材6とV溝基板5の両者の挟持状態を解除する。
【0039】
その上で、押え部材6とV溝基板5の対向する隙間全域に接合剤或いはロウ付け材を充填し、これらの隙間を排除する。この際、図5に符号p1、p2で示すように、押え部材6に対してV溝基板5を接合方向に押圧操作(p1の操作)すると同時にファイバー整列方向Yにずらし操作(p2の操作)する。
このずらし操作では嵌合凹部15の段幅e2の突き当て段部13に対してV溝基板5の段幅e1の突き当て段部10が当接するように行なわれる。この場合、押え部材6の嵌合凹部15が横幅D2で、V溝基板5が横幅D1で形成され、両者間に調整隙間t1、t2を確保していることより、ファイバー整列方向Yのずらし操作が確実に、しかも容易に達成されることとなる。
【0040】
これによってV溝基板5は押え部材6に対してファイバー整列方向Yにおける位置決めが成される。即ち、押え部材6の基準位置を成すピン穴8に対して、嵌合凹部15の段幅e2の突き当て段部13までのファイバー整列方向Yの間隔N1が確定しており、押え部材6の段幅e2の突き当て段部13にV溝基板5の段幅e1の突き当て段部10が当接することで、この突き当て段部10に対する各V溝4のファイバー整列方向Yの間隔N2(配設領域aの各V溝4毎に設定される)がそれぞれ確定する。
【0041】
これにより、押え部材6の基準位置を成すピン穴8に対してV溝基板5の各V溝4の、即ち、各光ファイバー9のファイバー整列方向Yの位置が精度良く確保されることと成る。
押圧及びずらし操作(p1、p2方向の操作)の後、この状態を維持した押え部材6にV溝基板5を嵌合した組み立て体に対して、UV照射や加熱の処理が成され、接合剤或いはロウ付け材を固め、多心光コネクタ1を完成させる。
【0042】
このように作製された8心用のファイバーテープ2を一体的に嵌着した多心光コネクタ1は一対のピン穴8に位置決めピン7が嵌着され、同一対の位置決めピン7が接続相手先の光部品3側のピン穴8’(図3参照)に嵌挿される。
【0043】
これにより、多心光コネクタ1の8本整列した各光ファイバー9の接合面は接続相手先の光部品3側の8本整列した各光ファイバー(図示せず)の光軸に対して無調心で接続される。このように多心光コネクタ1を用いたことで位置精度の良い接続が成され、無調心にもかかわらず、光軸ずれを十分に低減させることができ、多心光コネクタ1と接続相手先の光部品3側との間の接続損失を十分に低減でき、低接続損失の接続を実現でき、位置精度を容易に高くすることができる。
【0044】
次に本実施形態の多心光コネクタ1を製作するにあたり、使用するV溝基板5及び押え部材6としてそれぞれ採用可能な素材例を以下にそれぞれ説明する。 V溝基板5としての素材例1としては、石英含有エポキシ樹脂を採用し、金型への射出成形によって成形できる技術が「特開平9−54227号公報」に開示される。この場合、V溝4間隔は250μmとした場合に金型の寸法精度を±0.1μmとすることでV溝基板5を位置精度±0.1μmとして作製できる。 V溝基板5としての素材例2としては、V溝をエッチング処理で±0.1μmの位置精度で作製できる技術が「zygo TeraOptics」より開示され、素材例3としては、低膨張ガラスを用いガラスモールド成形によりV溝を±0.1μmの位置精度で作製できる技術が「日刊工業新聞 2002年3月12日、三井松島産業より光信号用V溝基板を開発―モールド成形で加工精度アップ」として開示される。
【0045】
押え部材6としての素材例としては、プラスチックの高精度造型法としてV溝(V groove)やMTフェルール(Circula Holes)で、ピッチ精度(成形精度)を±0.5μmで実現可能な技術が「兼松USAホームページに掲載の白山製作所品 MT & mini MT Ferrules」に開示される。
【0046】
このような素材を採用し、本発明の多心光コネクタ1を作製するとし、例えば、V溝基板5としてその素材例1の石英含有エポキシ樹脂を用いて、位置精度±0.1μmとして作製し、押え部材6としてその素材例のMTフェルール(Circula Holes)を採用し、成形精度を±0.5μmで実現することで、本発明の多心光コネクタ1を作製したとすると、この場合、製品としての位置ずれ精度は(±0.1)+(±0.5)=±0.6μmとなり、低接続損失(0、1dB程度)を実現するに必要な位置ずれ値である0、75μm乃至1、0μm程度以下に抑えられる点が明らかである。
【0047】
次に、本発明の多心光コネクタ1の他の実施形態例を説明する。
図6の多心光コネクタ1aは図1の多心光コネクタ1と比較し押え部材6とV溝基板5にそれぞれ形成される位置規制部M2の構成が異なり、その点以外の構成は同一構成を採ることより、ここでは重複説明を略す。
【0048】
図6の多心光コネクタ1aで用いるV溝基板5はその挟持面11a上でファイバー整列方向Yにおける複数のV溝4の配設領域a2を外れた一側端部分に段幅e1’で突き当て段部10aが形成され、段部10aの底面部に三角突条17の位置調整部M1を突き出し形成する。この三角突条17はファイバー長手方向X(図6で紙面垂直方向)に連続するビードとして形成される。
一方、押え部材6はその嵌合凹部15の挟持面12aにおいて、そのファイバー整列方向Yにおける一方側部に段幅e2’で突き当て段部13aが形成され、その段部13aの下向き面部に三角突条17と嵌合する三角凹溝18が形成される。この三角凹溝18はファイバー長手方向Xに連続する長溝として形成される。
【0049】
このようなV溝基板5の三角突条17と押え部材6の三角凹溝18とが位置規制部M2を成し、両者が嵌合することで、V溝基板5は押え部材6に対してファイバー整列方向Yにおける位置決めを行なうことができ、しかも、嵌合凹部15とV溝基板5と嵌合凹部15の挟持方向における両挟持面11a、12a間の挟持隙間Baをも位置決めできることと成る。
次に、図1の多心光コネクタ1の他の実施形態例を更に説明する。
【0050】
図7の多心光コネクタ1bは図1の多心光コネクタ1と比較し押え部材6とV溝基板5にそれぞれ形成される位置規制部M2の構成が異なり、しかも、図6の多心光コネクタ1aと比較し、位置規制部M2の断面形状が異なるのみであり、その点以外の構成は同一構成を採ることより、ここでは重複説明を略す。
即ち、図7の多心光コネクタ1bで用いるV溝基板5はその挟持面11b上の一側端部分に突き当て段部10bが形成され、段部12bの底面部に台形突条19の位置規制部M2を突き出し形成する。
【0051】
一方、押え部材6はその挟持面12bの一方側部に突き当て段部13bが形成され、その段部13bの下向き面に台形突条19と嵌合する台形凹溝21が形成される。この台形凹溝21はファイバー長手方向X(図7で紙面垂直方向)に連続する長溝として形成される。
このようなV溝基板5の台形突条19と押え部材6の台形凹溝21とが嵌合することで、V溝基板5は押え部材6に対してファイバー整列方向Yにおける位置決めを行なうことができ、しかもV溝基板5と嵌合凹部15との両挟持面11b、12b間の挟持隙間Bbをも位置決めすることと成る。
【0052】
このような図6、及び図7の各多心光コネクタ1a、1bでは、図1の多心光コネクタ1の場合と同様に両調整隙間t1、t2を確保している。このため、V溝基板5の押え部材6に対するファイバー整列方向Yのずれ操作を容易に実行でき、これら押圧及びずれ操作(図5のp1、p2方向の操作と同様)により三角凹溝や台形凹溝に対して三角突条や台形突条を容易に嵌合させることができる。特に、嵌合凹部15とV溝基板5の両挟持面間の挟持隙間Ba、Bbが一定値となるので、V溝基板5上の各V溝4に嵌合する8本の光ファイバー9の挟持状態を一定に保持でき、ファイバー整列方向Yの位置ずれを規制できる上に各光ファイバー9の各V溝4からの浮き上がりを確実に防止でき、位置決め精度が向上する。
【0053】
図8(a)、(b)には他の実施形態例を示した。ここでの多心光コネクタ1cは、図1の多心光コネクタ1と比較し、押え部材6とV溝基板5にそれぞれ形成される位置調整部M1の構成が異なるのみであり、その点以外の構成は同一構成を採ることより、ここでは重複説明を略す。
図8(a)、(b)の多心光コネクタ1cは、押え部材6の嵌合凹部15の横幅D2がV溝基板5の横幅D1より所定量大きく形成され、調整隙間t1、t2を確保して形成される。
【0054】
更に、この多心光コネクタ1cではV溝基板5の挟持面11cが平面状を成し、ファイバー整列方向Yにおける中央部に複数のV溝4の配設領域a2を備え、押え部材6の嵌合凹部15の挟持面12cが平面状を成し、ファイバー整列方向Yにおける中央部に複数の光ファイバー9の配設領域a1を備え、これら互いに対向する両挟持面11c、12cのファイバー整列方向Yにおける側端は、図1、5の多心光コネクタ1で形成されていたような突き当て段部10、13が排除されている。
【0055】
ここでの多心光コネクタ1cは、位置調整部M1を備え、位置調整部M1は互いに対向し調整隙間t1、t2を形成している押え部材6の嵌合凹部15の内側面603cと、V溝基板5の両側面111cと、これら調整隙間t1、t2に差込み嵌挿可能な隙間調整用の治具としての偏芯ピン22とにより形成される。
【0056】
図8(a)、(b)の多心光コネクタ1cでは、押え部材6の嵌合凹部15にV溝基板5を嵌合させ、図示しない薄板部材(スペーサー)を用いて両挟持面11、12間に隙間確保の後、8本の光ファイバー9を押え部材6とV溝基板5の両後側面側(紙面裏側)より差込み、各V溝4に光ファイバー9が嵌挿される。この場合、各V溝4の働きで光ファイバー9がファイバー整列方向Yにずれることがない程度に保持する。
【0057】
次いで、調整隙間t1、t2に偏芯ピン22のコマ部221を差込み(図8(b)参照)、図示しない薄板部材(スペーサー)を排除し、押え部材6とV溝基板5の対向する隙間全域に接合剤或いはロウ付け材を充填し、押え部材6とV溝基板5の対向する隙間を排除するように押圧する。
同時に隙間調整用治具としての偏芯ピン22の摘み部222を回動操作し、回転中心線r回りに回動させて、他方の調整隙間t2を増減させて、同部に図示しないゲージを挟むことでファイバー整列方向Yの位置調整し、基準位置にセットする。
【0058】
押え部材6に対するV溝基板5の位置決めが偏芯ピン22により成された上で、押え部材6にV溝基板5を嵌合した組み立て体にUV照射や赤外線加熱の処理が成され、接合剤或いはロウ付け材を固め、偏芯ピン22の摘み部222を除去処理し、コマ部221を埋め込み状態で多心光コネクタ1を完成させる。
【0059】
この多心光コネクタ1cも図1の多心光コネクタ1と同様に、ファイバー整列方向Yのピン穴8と側壁603の間隔N1が確定しており、これに調整隙間t2(ゲージで確保)を介してV溝基板5が位置決めされることで、側壁603に対するV溝基板5側の各V溝4のファイバー整列方向Yの間隔N2(配設領域a2の各V溝4毎に設定される)が精度良く確保された状態と成る。このため、多心光コネクタ1cは8本の光ファイバー9を光部品3に接続するのに使用された際に、容易にファイバー整列方向Yにおける位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる。
【0060】
図9(a)、(b)には本発明の適用された多心光コネクタ1の他の実施形態例を示した。
ここでの多心光コネクタ1dは、図1の多心光コネクタ1における押え部材6とV溝基板5にそれぞれ形成された位置規制部M2に代えて構成が異なる位置調整部M1を備える。しかも、図8の多心光コネクタ1cが用いる位置調整部M1が押え部材6の内側面603cとV溝基板5の両側面111cと隙間調整用の治具としての偏芯ピン22から成るのに対して構成が次のように異なる点以外は同一構成を採ることより、ここでは重複説明を略す。
【0061】
図9(a)、(b)の多心光コネクタ1dは、図1の多心光コネクタ1の位置規制部M2と同様に、押え部材6の嵌合凹部15の横幅D2がV溝基板5の横幅D1より所定量大きく形成され、調整隙間t1、t2を確保して形成される。しかも、V溝基板5及び押え部材6の互いに対向する各挟持面11d、12dが平面状を成し、ファイバー整列方向Yにおける側端から段部(図5の符号10、13)が排除されている。
【0062】
ここでの位置調整部M1は送りネジ23を備え、送りネジ23は多心光コネクタ1dの押え部材6とV溝基板5に対してファイバー整列方向Yに貫通するように配備される。更に、押え部材6の両側部602の一方に位置調整用のメネジ24が、他方に送りネジ23の軸部231を回転可能に嵌挿する穴25がそれぞれ形成される。しかも、V溝基板5には送りネジ23の軸部231を遊嵌する遊嵌穴26と、遊嵌穴26に連続し外部に開口する係止ピン取り付け穴27とが形成される。V溝基板5は遊嵌穴26の働きで送りネジ23に対してそのネジ軸231の半径方向に所定量ずれ可能に遊嵌される。このため、押え部材6の挟持面12dに対するV溝基板5の挟持面11dが接離作動することを所定量の範囲で許容できる。送りネジ23はその軸部231であって、係止ピン取り付け穴27との対向部に外周方向の環状溝(図示せず)を形成され、同環状溝に係止ピン取り付け穴の外部より挿入された係止ピン若しくは環状クリップ等28を嵌着可能に形成される。
【0063】
このような多心光コネクタ1dは、その組み立て時において、まず、押え部材6の嵌合凹部15にV溝基板5を嵌合させ、これらに送りネジ23の軸部231を差込み、押え部材6の一方側部の穴25及びV溝基板5の遊嵌穴26に嵌挿し、押え部材6の他方側の位置調整用のメネジ24に送りネジ23のネジ部232を螺着する。その上で、係止ピン取り付け穴27より係止ピン28を挿入し、送りネジ23の軸部231の図示しない環状溝に押し込み係止する。
【0064】
この後、多心光コネクタ1dの押え部材6のV溝基板5と嵌合凹部15の両挟持面11d、12d間に隙間を確保して8本の光ファイバー9を押え部材6とV溝基板5の両後側面側(図9(a)の紙面裏側)より差込み、光ファイバー9がファイバー整列方向Yにずれることがない程度にV溝基板5と嵌合凹部15の両挟持面11d、12dの間隔を保持することとなる。ここでは、送りネジ23の軸部231とV溝基板5の遊嵌穴26との接離方向のずれ幅が予め設定されることより、薄板部材(スペーサー)を用いて両挟持面11d、12d間に所要の隙間を確保するという操作を排除できる。
【0065】
次いで、両挟持面11d、12d間や調整隙間t1、t2の全域に接合剤或いはロウ付け材を充填する。
その上で、隙間調整用の治具としての送りネジ23を回転させて、押え部材6に対するV溝基板5のファイバー整列方向Yの相対位置を操作する。この場合、他方の調整隙間t2に図示しないゲージを挟むことでファイバー整列方向Yの位置調整が正確に成され、調整隙間t2を基準値にセットできる。
押え部材6に対するV溝基板5の位置決めが送りネジ23により成された上で、V溝基板5と押え部材6の両挟持面11d、12dを接合方向に押圧操作した状態の組み立て体に対し、UV照射や赤外線加熱の処理が成され、接合剤或いはロウ付け材を固め、多心光コネクタ1dを完成させる。
【0066】
この多心光コネクタ1dの場合も図1の多心光コネクタ1と同様に、ファイバー整列方向Yのピン穴8と側壁603dの間隔N1が確定しており、これに調整隙間t2(ゲージで確保)を介してV溝基板5が当接することで、側壁603dに対するV溝基板5側の各V溝4のファイバー整列方向Yの間隔N2(配設領域a2の各V溝4毎に設定される)が精度良く確保された状態と成る。このような図9の多心光コネクタ1dは8本の光ファイバー9を光部品3に接続するのに使用された際に、容易にファイバー整列方向Yにおける位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる。
【0067】
上述のところでは、8心用のファイバーテープ2を光部材側に結合する多心光コネクタを説明したが、これに代えて、4、6、12等の他の複数本のファイバーテープ用の多心光コネクタを構成しても良く、これらの場合も同様の作用効果が得られる。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、位置調整部を位置調整操作することで、ファイバー整列方向における位置決めピン用の穴と押え部材及びV溝基板とで挟持する光ファイバーとの位置精度を容易に高くすることができ、低接続損失の接続を実現できる。
【0069】
請求項2の発明は、V溝基板と押え部材の嵌合凹部との間に設けた調整隙間を位置調整部の位置調整操作により増減調整し、位置決めピン用の穴と押え部材及びV溝基板とで挟持する光ファイバーとの間のファイバー整列方向における位置精度を容易に高くすることができ、低接続損失の接続を実現できる。
【0070】
請求項3の発明は、位置規制部をファイバー整列方向に相対的に移動させて突き当てることで、位置規制部を位置規制操作することで、位置決めピン用の穴と押え部材及びV溝基板とで挟持する光ファイバーとの間のファイバー整列方向における位置精度を容易に高くすることができ、低接続損失の接続を実現できる。
【0071】
請求項4の発明は、位置規制部を成す位置決め用の突き当て部とV溝を同時加工する場合、高精度な位置精度が得られる。例えばウェットエッチング加工を用いた場合、加工精度は±0.1μmで製作可能である。
【0072】
請求項5の発明は、押え部材6がエポキシ樹脂で成型されることで、同押え部材の位置決めピン用の穴と上記V溝基板との間の位置決め部の精度を高精度、例えば、加工精度は±0.5μm以下で製作可能である。
【0073】
請求項6の発明は、V溝基板と押え部材とのファイバー整列方向の位置関係を位置調整部あるいは位置規制部のいずれかで調整してから両者を互いに対向する対向側面間の調整隙間に接着剤を充填して接合でき、容易にファイバー整列方向における位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる多心光コネクタを作製できる。
【0074】
請求項7の発明は、調整隙間を治具にて調整してから、V溝基板と押え部材とを互いに対向する対向側面間の調整隙間に接着剤を充填して接合でき、容易にファイバー整列方向における位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる多心光コネクタを製作できる。
【0075】
請求項8の発明は、位置調整部の送りネジを操作することでファイバー整列方向における位置決めピン用の穴とV溝基板との間の位置調整が可能なことより、容易にV溝基板の光ファイバーのファイバー整列方向における位置調整を行なえる。しかも位置調整済みのV溝基板と押え部材との対向側面間の調整隙間に接着剤を充填して両者を接合でき、容易にファイバー整列方向における位置精度の良い、低接続損失の接続を実現できる多心光コネクタを製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての多心光コネクタの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態としての多心光コネクタの正面図である。
【図3】本発明の一実施形態としての多心光コネクタの底面図である。
【図4】本発明の一実施形態としての多心光コネクタを示し、図3のA−A線断面図である。
【図5】図1の多心光コネクタの押え部材とV溝基板の両挟持面間におけるファイバー整列方向に沿った拡大断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態例である多心光コネクタの要部であって、押え部材とV溝基板の両挟持面間におけるファイバー整列方向に沿った拡大断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態例である多心光コネクタの要部であって、押え部材とV溝基板の両挟持面間におけるファイバー整列方向に沿った拡大断面図である。
【図8】本発明の他の実施形態例での多心光コネクタであり、(a)は多心光コネクタの正面図を、(b)は多心光コネクタの要部切欠拡大平断面を示す。
【図9】本発明の他の実施形態例での多心光コネクタであり、(a)は多心光コネクタの正面図を、(b)は多心光コネクタの要部切欠底面図を示す。
【図10】従来の多心光コネクタの斜視図である。
【図11】従来の他の多心光コネクタの断面図である。
【図12】多心光コネクタで用いる光ファイバーにおけるコア光軸ずれ−接続損失の特性線図である。
【符号の説明】
1、1a〜1d 多心光コネクタ
4 V溝
5 V溝基板
6 押え部材
7 位置決めピン
8 穴
9 光ファイバー
10、10a〜10d 突き当て段部(位置規制部)
11、11a〜11d 挟持面
12、12a〜12d 挟持面
13、13a〜13d 突き当て段部(位置規制部)
15 嵌合凹部
t1、t2 調整隙間
M1 位置調整部
M2 位置規制部
X ファイバー長手方向
Y ファイバー整列方向
Claims (8)
- 光ファイバーと、
同光ファイバーをファイバー長手方向と直交するファイバー整列方向に複数並列状に整列させるV溝が形成されたV溝基板と、
同V溝基板を嵌合しそのV溝に当接する複数の光ファイバーを嵌合凹部の挟持面で挟持する押え部材と、
同押え部材のファイバー整列方向における両側端部に設けられ、ファイバー長手方向に沿って形成される位置決めピン用の穴と、を具備し、
上記V溝基板と上記押え部材との対向部に、上記位置決めピン用の穴と上記光ファイバーとのファイバー整列方向における位置調整を行なう位置調整部を設けたことを特徴とする多心光コネクタ。 - 上記V溝基板と上記押え部材の嵌合凹部との間に上記ファイバー整列方向における調整隙間を設けたことを特徴とする請求項1記載の多心光コネクタ。
- 光ファイバーと、
同光ファイバーをファイバー長手方向と直交するファイバー整列方向に複数並列状に整列させるV溝が形成されたV溝基板と、
同V溝基板を嵌合しそのV溝に当接する複数の光ファイバーを嵌合凹部の挟持面で挟持する押え部材と、
同押え部材のファイバー整列方向における両側端部に設けられ、ファイバー長手方向に沿って形成される位置決めピン用の穴と、を具備し、
上記V溝基板と上記押え部材の嵌合凹部との間にファイバー整列方向の位置規制部を一ヵ所以上形成したことを特徴とする多心光コネクタ。 - 上記V溝基板はそのV溝と位置規制部としての位置決め用の突き当て部を同時加工により形成することを特徴とする請求項3記載の多心光コネクタ。
- 上記押え部材がエポキシ樹脂で成型されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多心光コネクタ。
- 上記V溝基板と上記押え部材の位置決めピン穴のファイバー整列方向の位置関係を上記位置調整部或いは上記位置規制部のいずれかで調整してから、両者を接合することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の多心光コネクタ。
- 上記位置調整部が上記V溝基板と上記押え部材をクランプした上で、両者の互いに対向する対向側面間の調整隙間を治具にて調整するように形成され、上記治具にてV溝基板と上記押え部材の位置決めピン穴のファイバー整列方向の位置関係を調整してから、両者を接合することを特徴とする請求項6記載の多心光コネクタ。
- 上記位置調整部が上記押え部材に設けた位置調整用のメネジと、同メネジに螺合すると共に上記V溝基板をファイバー整列方向に位置調整可能な送りネジと、を備えたことを特徴とする請求項6に記載の多心光コネクタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002270055A JP2004109336A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 多心光コネクタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002270055A JP2004109336A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 多心光コネクタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004109336A true JP2004109336A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32267807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002270055A Pending JP2004109336A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | 多心光コネクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004109336A (ja) |
-
2002
- 2002-09-17 JP JP2002270055A patent/JP2004109336A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7197224B2 (en) | Optical ferrule | |
KR960014123B1 (ko) | 광도파로와 광파이버의 접속방법 | |
JP3273490B2 (ja) | 多芯マイクロキャピラリとこれを用いた光導波回路と光ファイバとの接続方法 | |
JP2008096669A (ja) | フェルール及び該フェルールを用いた光導波路用コネクタの製造方法及び光導波路用コネクタ | |
JP2016095410A (ja) | グリンレンズアレイ、レンズ付きコネクタ、及びレンズ付きコネクタシステム | |
JPH09178962A (ja) | 光ファイバアレイおよびその製造法 | |
JP3221541B2 (ja) | 光導波路と光ファイバとの接続構造および接続方法 | |
CN115280207B (zh) | 光纤连接部件以及光纤连接部件的制造方法 | |
JPS63316009A (ja) | 光結合構造 | |
JP3256925B2 (ja) | 光導波路装置 | |
JP2004109336A (ja) | 多心光コネクタ | |
JPH09166723A (ja) | 光導波路モジュール | |
JPH09166724A (ja) | 光導波路モジュールの作製方法 | |
JPH01234806A (ja) | 光導波路装置 | |
JP2001221932A (ja) | フェルール、フェルール成形用型及びフェルール製造方法 | |
JP5895727B2 (ja) | コネクタおよびその製造方法 | |
JP2004151524A (ja) | 多心光コネクタ | |
JP4140276B2 (ja) | 光コネクタの製造方法 | |
JPH059685Y2 (ja) | ||
JP2003255179A (ja) | 光コネクタ | |
JP2004012624A (ja) | 光フェルールおよび板ばねクランプ | |
JP3218262B2 (ja) | 光導波路部品 | |
JPH0743558A (ja) | ピッチ変換光フェルール、光コネクタ及びその製法 | |
JP3316707B2 (ja) | 光コネクタ | |
JP3026477B2 (ja) | 光導波路基板 |