JP2004093591A - 感光性組成物及び平版印刷版、並びに平版印刷版の処理方法、画像形成方法 - Google Patents

感光性組成物及び平版印刷版、並びに平版印刷版の処理方法、画像形成方法 Download PDF

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Takaaki Kuroki
黒木 孝彰
Kazuyoshi Suzuki
鈴木 和義
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Abstract

【課題】本発明の目的は、高感度で、且つ耐刷性、保存安定性、汚れ性、スラッジに優れた感光性組成物及び平版印刷版、並びに平版印刷版の処理方法、画像形成方法を提供することにある。
特に本発明の好ましい実施態様である3級アミンモノマーとの組み合わせにおいて、感度、保存安定性並びに耐刷性が飛躍的に向上する。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるホウ素塩化合物、カチオン性染料、及びエチレン性不飽和基を有する化合物を含有し、該エチレン性不飽和基を有する化合物の10〜90質量%が、重量平均分子量15,000〜200,000で、且つ酸価が30〜200mg/KOHであることを特徴とする感光性組成物。
【化1】
Figure 2004093591

【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性組成物及び平版印刷版、並びに平版印刷版の処理方法、画像形成方法に関するもので、詳しくは高感度で、且つ耐刷性、保存安定性、汚れ性、スラッジに優れた、感光性組成物及び平版印刷版、並びに平版印刷版の処理方法、画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、平版印刷版では画像露光後、露光部分を硬化させ、未露光部分を溶解除去した後、水洗処理、フィニッシャーガム処理を行い、平版印刷版を得ている。近年、高い解像力と鮮鋭性を得るため、画像情報に基づいてレーザー光によるデジタル露光を行った後、現像処理して平版印刷版を作製する方法が検討されている。その一例を挙げると、通信回線により伝送される画像信号や電子製版システム、画像処理システム等からの出力信号により露光光源を変調し、感光材料に直接走査露光を行って平版印刷版を作製するシステムである。
【0003】
しかし、従来型のジアゾ樹脂を用いる平版印刷版用材料では、デジタル露光によるレーザー光の発振波長に併せた分光増感法及び高感度化が困難であるという問題を抱えていた。
【0004】
近年、光重合開始剤を含有する光重合性の感光層を有した平版印刷版用材料が、レーザー光に適した高感度化が可能のためレーザー光によるデジタル露光向けとして注目されてきている。このレーザー光源でデジタルデータを記録するCTP(Computer To Plate)用の版材に対しては、記録を短時間で行う目的から、より高感度であることが求められている。
【0005】
光重合開始剤を含有する光重合性の感光層を有した平版印刷版用材料において用いる光重合開始剤としては、露光により、イメージワイズにラジカルが発生すること、また、そのラジカルを開始種としてラジカル連鎖重合が起きることから高感度での画像記録に適しているといわれている。
【0006】
カチオン染料とトリアリールモノアルキルホウ素塩型光重合開始剤は、例えば、特開昭62−1430454号にて公知であり、カチオン染料の選択によりレーザー波長に合わせた分光感度を持たせることが可能であるため、好ましい開始剤である。しかしながら、光重合型平版印刷版のようなアルカリ現像処理を行う系においては、記録材料組成物中での保存安定性が悪く、又レーザーでの高速の記録に対して、記録速度が十分でないという課題を有していた。
【0007】
一方、カチオン染料とボレート開始剤の系の電子移動反応の解析も各方面で行われており、電子ドナー型開始剤であるボレート開始剤の酸化電位を上げることで、保存性を改善できることが特開平9−188686号等で開示されている。
【0008】
また更に、トリアリールモノアルキルホウ素塩型光重合開始剤の、アリール基のオルト位置換による嵩高いアリール基導入により、感度が向上できることを特開平9−188710号等で開示されている。
【0009】
これらの技術は、好ましい方法であるが、ボレート開始剤を短時間でのレーザー露光による感光性平版印刷版用組成物として使用する場合、感度及び耐刷性が未だ不十分であり、また安定性についても十分といえるものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は高感度で、且つ耐刷性、保存安定性、汚れ性、スラッジに優れた感光性組成物及び平版印刷版、並びに平版印刷版の処理方法、画像形成方法を提供することにある。
【0011】
特に本発明の好ましい実施態様である3級アミンモノマーとの組み合わせにおいて、感度、保存安定性並びに耐刷性が飛躍的に向上する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
【0013】
1.前記一般式(1)で表されるホウ素塩化合物、カチオン性染料、及びエチレン性不飽和基を有する化合物を含有し、該エチレン性不飽和基を有する化合物の10〜90質量%が、重量平均分子量15,000〜200,000で、且つ酸価が30〜200mg/KOHであることを特徴とする感光性組成物。
【0014】
2.前記エチレン性不飽和基を有する化合物は、重量平均分子量20,000〜200,000で、且つ酸価が30〜200mg/KOHであり、バインダーの繰り返し単位に含まれる反応性基を有するユニット比率が、5〜50%であることを特徴とする前記1項に記載の感光性組成物。
【0015】
3.前記一般式(1)で表されるホウ素塩化合物、カチオン性染料、及びエチレン性不飽和基を有する化合物を含有し、該エチレン性不飽和基を有する化合物が、前記一般式(2)または一般式(3)で表される1分子中にアミド結合と、2または3級アミン基とを有する化合物を含有することを特徴とする感光性組成物。
【0016】
4.前記カチオン性染料が、インドール型シアニン、ローダミン、及びサフラニンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1〜3項のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【0017】
5.前記一般式(1)で表されるホウ素塩化合物が、トリアリールモノアルキルホウ素塩で、嵩高い置換基を有する化合物であることを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【0018】
6.前記一般式(1)で表されるホウ素塩化合物が、2個以上の置換基を有し、且つ少なくともその2,6位に置換基を有し、該置換基の少なくとも1つが電子吸引性基であることを特徴とする前記1〜5項のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【0019】
7.前記一般式(1)で表されるホウ素塩化合物の酸化電位が、0.3〜0.7Vであることを特徴とする前記1〜6項のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【0020】
8.トリハロメチル化合物類、メタロセン化合物類、N−フェニルグリシン類、及びオニウム塩類から選ばれる、少なくとも1種の光重合開始剤を含有することを特徴とする前記1〜7項のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【0021】
9.3級アミン化合物、チオール類、及びチオケトン類から選ばれる、少なくとも1種の増感剤を含有することを特徴とする前記1〜8項のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【0022】
10.酸媒体中で電気的に粗面化し、陽極酸化処理された表面粗さ(Ra)が0.2〜0.7μmである金属支持体に、前記1〜9項のいずれか1項に記載の感光性組成物を含有する層と酸素遮断層とを塗設してなることを特徴とするレーザー記録用平版印刷版。
【0023】
11.前記金属支持体の表面粗さ(Ra)が、0.5〜0.7μmであることを特徴とする前記10項に記載のレーザー記録用平版印刷版。
【0024】
12.前記金属支持体が、後処理にポリビニルホスホン酸を用いることを特徴とする前記10または11項に記載のレーザー記録用平版印刷版。
【0025】
13.前記10〜12項のいずれか1項に記載のレーザー記録用平版印刷版をレーザー露光し、アルカリ現像処理により画像を形成する処理方法であって、該アルカリ現像液のpHが10.0〜12.5であることを特徴とする処理方法。
【0026】
14.前記アルカリ現像液が、無機のアルカリ剤とポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン系界面活性剤とを含有し、且つpH10.0〜12.5、導電率3〜30mS/cmであることを特徴とする前記13項に記載の処理方法。
【0027】
15.前記アルカリ現像液が、無機のアルカリ剤とポリオキシアルキレンエーテル基を有するアニオン系界面活性剤とを含有し、且つpH10.0〜12.5、導電率3〜30mS/cmであることを特徴とする前記13項に記載の処理方法。
【0028】
16.前記10〜12項のいずれか1項に記載の平版印刷版が、200〜600nmのレーザー光で露光し、露光後15分以内にプレ水洗、アルカリ現像処理を順次行うことを特徴とする画像形成方法。
【0029】
17.前記10〜12項のいずれか1項に記載の平版印刷版が、200〜600nmのレーザー光で露光し、露光後15分以内に80〜130℃で1〜30秒加熱し、プレ水洗、アルカリ現像処理を順次行うことを特徴とする画像形成方法。
【0030】
18.前記レーザー光の版面強度が、10〜200mW、主走査線速度200〜2,000m/secで記録することを特徴とする前記16または17項に記載の画像形成方法。
【0031】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の感光性組成物は、少なくとも前記一般式(1)のホウ素塩化合物、カチオン性染料、及びエチレン性不飽和基を有する化合物を含有してなる。この他、エチレン性不飽和基を含有しない樹脂類、活性剤、重合禁止剤、着色剤等を適に使用可能である。
【0032】
(エチレン性不飽和基を含有する化合物)
本発明では、エチレン性不飽和基を含有する化合物の一部が、以下の何れかの態様であることが好ましい。これらは、各々別々の技術としての効果があるが、組み合わせて用いることが、より好ましい態様である。
【0033】
1)重量平均分子量が、15,000〜200,000であり、且つ酸価が30〜200mg/KOHである化合物を、エチレン性不飽和基を有する化合物全量の10〜90質量%含有すること。
【0034】
2)エチレン性不飽和基を含有する化合物が、1分子中にアミド結合と2又は3級アミン基とを有する化合物であること。
【0035】
これらの化合物を組成物中に含有してなることで、ホウ素塩を用いた系の感度及び硬化後の物性を大幅に改良できる。
【0036】
1)について、具体的な説明を以下に述べる。
本発明で好ましく用いられるエチレン性不飽和基を有する化合物の1形態は、重量平均分子量が、15,000〜200,000であり、且つ酸価が30〜200mg/KOHの化合物であり、エチレン性不飽和基を有する化合物全量の10〜90質量%含有することである。
【0037】
この様な高分子量のエチレン性不飽和基を有する化合物であれば、樹脂の骨格は従来公知の何れのものも用いることが可能である。中でも好ましくは、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びフェノール系樹脂が挙げられ、特に好ましくはアクリル系樹脂である。
【0038】
アクリル系樹脂にエチレン性不飽和基を導入する方法についても、特に公知の方法を制限無く使用できる。例えば、後述のカルボキシル基にグリシジル基を反応させる方法、水酸基にイソシアネート基を反応させる方法等を挙げることができる。
【0039】
具体的には、カルボキシル基を有するモノマー単位を有する共重合体に、例えば、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマール酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、又は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を、該カルボキシル基と反応させることにより得られた反応生成物である。本発明においては、該カルボキシル基とエポキシ基含有不飽和化合物が反応したモル%をユニット比率とし、反応した単位が5〜50モル%であることが好ましく、特に好ましくは10〜30モル%である。5モル%より少ないと感度、耐刷性が不十分であり、50モル%より大きいと素材自体の保存性が悪くなる傾向にあり好ましくない。
【0040】
本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定された値である。
【0041】
本発明において、酸価とは、前記化合物1gを中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数である。酸価は次のようにして測定することができる。試料をメチルセロソルブで50倍に希釈し、0.1モル/Lの水酸化カリウムで滴定する。pHメータを用いて求めたpH曲線の変曲点を中和点とする。この中和点に至るまでに要する水酸化カリウムの量から酸価を算出する。
【0042】
カルボキシル基を有するモノマー単位を有する共重合体とエポキシ基含有不飽和化合物との反応は、例えば、80〜120℃程度の温度、1〜50時間程度で反応させることができる。該反応生成物の合成方法としては、一般的に知られた重合方法にて合成することができ、例えば、「高分子合成実験法」東京化学同人、W.R.Sorenson、T.W.Campbell共著等の文献や特開平10−315598号公報、特開平11−271963号公報等の特許に記載された方法等及びこれに準じて合成することができる。
【0043】
前記高分子量のエチレン性不飽和基を有する化合物の添加量は、エチレン性不飽和基を有する化合物全量の10〜90質量%含有が好ましく、20〜80質量%であることがより好ましい。特に好ましくは、30〜70質量%である。10質量%より少ないか、または90質量%より多い場合には、何れも感度、耐刷性が劣化し好ましくない。
【0044】
また、上記カルボキシル基を有するモノマー単位を有する共重合体として、下記(5)に記載のα,β−不飽和カルボン酸類のモノマー単位を構成要素として有するビニル系共重合体が好ましく、また、下記(1)〜(17)に記載のモノマーの少なくとも1種からなるビニル系共重合体を含有することも好ましい。
【0045】
(1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えばo−(又はp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−(又はp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート等。
【0046】
(2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
【0047】
(3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えばm−(又はp−)アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(又はp−)アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
【0048】
(4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
【0049】
(5)α,β−不飽和カルボン酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート等。
【0050】
(6)置換又は無置換のアルキルアクリレート、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等。
【0051】
(7)置換又は無置換のアルキルメタクリレート、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等。
【0052】
(8)アクリルアミド又はメタクリルアミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
【0053】
(9)弗化アルキル基を含有するモノマー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
【0054】
(10)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
【0055】
(11)ビニルエステル類、例えばビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
【0056】
(12)スチレン類、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
【0057】
(13)ビニルケトン類、例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
【0058】
(14)オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
【0059】
(15)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
【0060】
(16)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−(又はm−,p−)シアノスチレン等。
【0061】
(17)アミノ基を有するモノマー、例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
【0062】
前記高分子量のエチレン性不飽和基を有する化合物と併用して、従来公知のエチレン性不飽和基を有する公知の単量体及びプレポリマーなどが好ましく使用される。また、後述する1分子中にアミド結合と2又は3級アミン基とを有する化合物を併用して使用することは、本発明の特に好ましい態様である。
【0063】
具体的な化合物としては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、およびこれらのEO変性体、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
【0064】
また、プレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーとしては、後述する様な化合物等が挙げることができ、また、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、又はメタクリル酸を導入し、光重合性を付与したプレポリマーも好適に使用できる。これらプレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよいし、上述の単量体又はオリゴマーと混合して用いてもよい。
【0065】
プレポリマーとしては、例えばアジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価のアルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例えば、エチレングリコール・アジピン酸・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート・キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げられる。
【0066】
本発明の感光性平版印刷版材料及び本発明の画像形成方法で用いる感光性平版印刷版材料の光重合性感光層には、ホスファゼンモノマー、トリエチレングリコール、イソシアヌール酸EO(エチレンオキシド)変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等の単量体及び該単量体から形成される構成単位を有する付加重合性のオリゴマー及びプレポリマーを含有することができる。
【0067】
更に、本発明の感光性平版印刷版材料及び本発明の画像形成方法で用いる感光性平版印刷版材料に用いられるエチレン性単量体として、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有するリン酸エステル化合物が挙げられる。該化合物は、リン酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であり、しかも、(メタ)アクリロイル基を有する限り特に限定はされない。
【0068】
この他に特開昭58−212994号公報、同61−6649号公報、同62−46688号公報、同62−48589号公報、同62−173295号公報、同62−187092号公報、同63−67189号公報、特開平1−244891号公報等に記載の化合物などを挙げることができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報社、p.286〜294に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物なども本発明においては好適に用いることができる。これらの中で、分子内に2以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分子量が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが好ましい。
【0069】
ここで本発明に特に好ましく用いられる、1分子中にアミド結合と2または3級アミン基とを有する化合物である、前記一般式(2)で表されるエチレン性二重結合含有単量体について説明する。
【0070】
一般式(2)において、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を表す。
一般式(2)において、Rで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ドコサデシル基等が挙げられる。
【0071】
一般式(2)において、Rで表されるヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシペンチル基等が挙げられる。
【0072】
一般式(2)において、Rで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0073】
一般式(2)において、R及びRで表されるアルキル基は、前記Rで表されるアルキル基と同義である。
【0074】
一般式(2)において、R及びRで表されるアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、プロポキシエチル基等が挙げられる。
【0075】
一般式(2)において、Xで表される2〜12個の炭素原子を有する2価の基としては、例えば、飽和炭化水素基、アリーレン基等が挙げられる。
【0076】
一般式(2)において、Xで表される2〜12個の炭素原子を有する飽和炭化水素基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、シクロヘキシレン基(例えば、1,6−シクロヘキサンジイル基等)、シクロペンチレン基(例えば、1,5−シクロペンタンジイル基など)等が挙げられる。
【0077】
一般式(2)において、Xで表されるアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
【0078】
一般式(2)において、Xで表される2価の基は、前記Xで表される2〜12個の炭素原子を有する2価の基として挙げられる、飽和炭化水素基、アリーレン基等を用いることができるが、更に、前記飽和炭化水素基の中の5個までのメチレン基が酸素原子によって置換されたものを用いることが出来る。
【0079】
一般式(2)において、Xで表される3価の基は、上記のXで表される2価の基(飽和炭化水素基、アリーレン基等)に更にひとつ結合基がついたものであり、例えば、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ウンデカントリイル基、ドデカントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロペンタントリイル基、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基等が挙げられる。
【0080】
一般式(2)において、Xで表される4価の基は、上記のXで表される3価の基に更にひとつ結合基がついたものであり、例えば、プロパンジイリデン基、1,3−プロパンジイル−2−イリデン基、ブタンジイリデン基、ペンタンジイリデン基、ヘキサンジイリデン基、ヘプタンジイリデン基、オクタンジイリデン基、ノナンジイリデン基、デカンジイリデン基、ウンデカンジイリデン基、ドデカンジイリデン基、シクロヘキサンジイリデン基、シクロペンタンジイリデン基、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基等が挙げられる。
【0081】
一般式(2)のXにおいて、Zで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
【0082】
一般式(2)のXにおいて、Zで表されるアルケニル基としては、例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基等が挙げられる。
【0083】
一般式(2)のXにおいて、Zで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、m−クロロフェニル基、p−トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0084】
一般式(2)のXにおいて、Zで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等が挙げられる。
【0085】
一般式(2)のXにおいて、Zで表されるアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0086】
一般式(2)のXにおいて、Zで表される複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピロリル基、2−メチルピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、フリル基、チアゾリル基、ピリミジニル基等が挙げられる。
【0087】
一般式(2)において、D及びDで表される、1〜5個の炭素原子を有する2価の基としては、メチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、シクロペンチレン基等が挙げられる。
【0088】
一般式(2)において、Eで表される、2〜12個の炭素原子を有する2価の基は、Xで表される2〜12個の炭素原子を有する2価の基と同義である。
【0089】
一般式(2)において、Eで表される、5員環〜7員環であり、且つ、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる1種または2種の原子を含む複素環を置換基として有する脂肪族基を構成する複素環としては、例えば、ピリジン環、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラン環、チオフェン環、イソオキサゾール環、ピロリン環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、ピラゾリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、キヌクリジン環等が挙げられる。
【0090】
前記の脂肪族基としては、上記記載の複素環を有する炭素数2〜12の2価の基が挙げられ、前記2価の基は、Xで表される2〜12個の炭素原子を有する2価の基と同義である。
【0091】
一般式(2)において、Eで表される、6〜12個の炭素原子を有するアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
【0092】
一般式(2)において、Eで表される5員環または6員環を有する芳香族複素環基を構成する芳香族複素環としては、フラン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、1,2,3−オキサジアゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、s−トリアジン環、ベンゾフラン環、インドール環、ベンゾチオフェン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、プリン環、キノリン環及びイソキノリン環等が挙げられる。
【0093】
ここで、上記記載の一般式(2)で表される各々の置換基は、更に置換基を有していてもよい。
【0094】
また、一般式(2)で表される化合物は、当該業者周知の方法、例えば、米国特許第2,509,288号等に記載の方法を参照して合成できる。
【0095】
以下、一般式(2)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0096】
【化7】
Figure 2004093591
【0097】
【化8】
Figure 2004093591
【0098】
【化9】
Figure 2004093591
【0099】
次に、本発明に好ましく用いられる前記一般式(3)で表されるエチレン性二重結合含有単量体について説明する。
【0100】
前記一般式(3)において、Rは(g−f)が2以上の場合は、互いに異なってもよい。gとfが同じ値である化合物が好ましい。Rがアルキル基、ヒドロキシアルキル基の場合は、炭素数2〜8が好ましく、2〜4がより好ましい。Rがアリール基の場合は、単環または2環が好ましく、単環がより好ましく、かつ炭素数5個までのアルキル基、アルコキシアルキル基またはハロゲン原子で置換されてもよい。
【0101】
及びRがアルキル基またはアルコキシアルキル基の場合は、炭素数1〜5が好ましい。
【0102】
はメチル基が好ましい。
及びDは同一または異なってもよく、かつ2個の窒素原子を含む6員の飽和複素環が好ましい。
【0103】
Fが飽和炭化水素基の場合は2〜6個の炭素原子を有することが好ましく、Fがアリーレン基の場合はフェニレン基が好ましく、環状脂肪族基の場合はシクロヘキシレン基が好ましく、複素環芳香族基の場合は窒素原子または硫黄原子を含む5〜6員環が好ましい。
【0104】
一般式(3)で表される化合物を得るには、QがNであり、nとmが同じ値の場合は、グリシジルアクリレートまたはアルキルアクリレートをヒドロキシアルキルアミンと反応させる。他の化合物も同様にして得ることができる。
【0105】
本発明の一般式(3)で表される化合物の具体例を以下に示す。
【0106】
【化10】
Figure 2004093591
【0107】
本発明の感光性平版印刷版材料及び本発明の画像形成方法で用いる感光性平版印刷版材料の光重合性感光層には、上記したエチレン性不飽和基を含有する化合物を総量として、5〜99質量%の範囲で含有することが好ましく、10〜98質量%の範囲がより好ましく、20〜97質量%の範囲が特に好ましい。
【0108】
(ホウ素塩化合物)
有機系ボレート塩化合物としては、特開昭62−143044号、特開平9−188685号、同9−188686号、同9−188710号等に記載の有機ボレート化合物(以下、「ボレート化合物」という場合がある。)、又はカチオン性色素から得られる分光増感色素系ボレート化合物等が挙げられる。本発明の一般式(1)で示される化合物の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0109】
【化11】
Figure 2004093591
【0110】
【化12】
Figure 2004093591
【0111】
【化13】
Figure 2004093591
【0112】
【化14】
Figure 2004093591
【0113】
【化15】
Figure 2004093591
【0114】
【化16】
Figure 2004093591
【0115】
【化17】
Figure 2004093591
【0116】
本発明では、特に嵩高い置換基を有するホウ素塩が好ましい。
本明細書において使用される「嵩高い置換基」という用語は、例えば、多環、すなわち多環式アリール基、または単なる置換されたアリール基を意味する。これらの例は異原子、好ましくはS、OまたはNを含むか、または含まない縮合された炭化水素環であり、その例は1−および2−ナフチル基、ビナフチル基、アントラシル基、フェナントリル基、ピレニル基、キノリル基およびイソキノリル基である。しかしながら、「嵩高い置換基」という用語は環配列、すなわち単結合で結合されたアリール環をも意味する。これらの例はビフェニル基、o−、m−またはp−ターフェニル基またはトリフェニルフェニル基である。
【0117】
炭素原子数1ないし20のアルキル基は線状または枝分かれ基であり、例えば炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアルキル基または炭素原子数1ないし4のアルキル基である。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二−ブチル基、イソ−ブチル基、第三−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2,4,4−トリメチル−フェニル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基またはエイコシル基である。
【0118】
−O−、−S(O)p−または−NR−で1回またはそれよりも多く中断された炭素原子数2ないし20のアルキル基は、例えば1ないし9回、例えば1ないし7回または1回もしくは2回、−O−、−S(O)p−または−NR−で中断されている。(Rは水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、フェニル−炭素原子数1〜6のアルキル基またはフェニル基を表し、上記フェニル−炭素原子数1〜6のアルキル基またはフェニル基は置換されていないか、または炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基またはハロゲン原子により1〜5回置換されている基を表す。)これにより、例えば以下のような構造単位:−CH−O−CH、−CHCH−O−CHCH、−[CHCHO]y−CH(式中、yは1ないし9を表す)、−(CHCHO)CHCH、−CH−CH(CH)−O−CHCHCH、−CH−CH(CH)−O−CHCH、−CHSCHまたは−CH−N(CHを形成する。
【0119】
炭素原子数3ないし12のシクロアルキル基は、例えばシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、特にシクロペンチル基およびシクロヘキシル基、好ましくはシクロヘキシル基である。1ないし多置換され得る炭素原子数2ないし8のアルケニル基は、例えばアリル基、メタリル基、1,1−ジメチルアリル基、1−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基、1,3−ペンタジエニル基、5−ヘキセニル基または7−オクテニル基、特にアリル基である。炭素原子数2ないし8のアルケニル基としてのRは、例えば炭素原子数2ないし6のアルケニル基、特に炭素原子数2ないし4のアルケニル基である。
【0120】
フェニル−炭素原子数1ないし6のアルキル基は、例えばベンジル基、フェニルエチル基、α−メチルベンジル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基またはα、α−ジメチルベンジル基、特にベンジル基である。好ましいものは、フェニル−炭素原子数1ないし4のアルキル基、特にフェニル−炭素原子数1または2のアルキル基である。置換されたフェニル−炭素原子数1ないし6のアルキル基は1ないし4回、例えば1回、2回または3回、特に1回または2回フェニル環上で置換されている。
【0121】
フェニル−炭素原子数1ないし6のアルキレン基は2つの遊離結合を有し、その一方はフェニル環上にあり、そして他方はアルキレン基にある。すなわち次式
【0122】
【化18】
Figure 2004093591
【0123】
(式中、xは1ないし6を表す)で表される。
置換されたフェニル基は1ないし5回、例えば1回、2回または3回、特に1回または2回フェニル環上で置換されている。置換基は例えばフェニル環の2位と6位、2位と4位または2位、4位および6位にあり、好ましくは2位と6位または2位、4位および6位にある。ナフチル−炭素原子数1ないし3のアルキル基は、例えばナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基またはナフチル−1−メチルエチル基、特にナフチルメチル基である。アルキル単位はナフチル環系の1位または2位のいずれかに有り得る。置換されたナフチル−炭素原子数1ないし3のアルキル基は1ないし4回、例えば1回、2回または3回、特に1回または2回芳香環上で置換されている。
【0124】
炭素原子数1ないし12のアルコキシ基は線状または枝分かれ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブチルオキシ基、第二ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、第三ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基またはドデシルオキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブチルオキシ基、第二ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、第三ブチルオキシ基、好ましくはメトキシ基である。
【0125】
ハロゲン原子はフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子、特に塩素原子、臭素原子およびフッ素原子、好ましくは塩素原子およびフッ素原子である。1またはそれ以上のハロゲン原子で置換された炭素原子数1ないし20のアルキル基は、例えばアルキル基上で1ないし3または1もしくは2個のハロゲン置換基により置換されている。
【0126】
2価の芳香族炭化水素基の例はフェニレン基、スチルベニレン基、ビフェニレン基、o−、m−またはp−ターフェニレン基、トリフェニルフェニレン基、ナフチレン基、ビナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントリレン基、ピレニレン基、フェロセニレン基、フラニレン基、チオフェニレン基、ピリジニレン基、キノリニレン基またはイソキノニレン基である。
【0127】
ナフチレン基は、
【0128】
【化19】
Figure 2004093591
【0129】
特に
【0130】
【化20】
Figure 2004093591
【0131】
である。スチルベニレン基は、
【0132】
【化21】
Figure 2004093591
【0133】
である。ビフェニレン基は、
【0134】
【化22】
Figure 2004093591
【0135】
である。o−、m−またはp−ターフェニレン基は、
【0136】
【化23】
Figure 2004093591
【0137】
である。トリフェニルフェニレン基は、
【0138】
【化24】
Figure 2004093591
【0139】
である。ビナフチレン基は、
【0140】
【化25】
Figure 2004093591
【0141】
特に、
【0142】
【化26】
Figure 2004093591
【0143】
である。アントラセニレン基は、
【0144】
【化27】
Figure 2004093591
【0145】
である。フェナントリレン基は、
【0146】
【化28】
Figure 2004093591
【0147】
である。ピレニレン基は、
【0148】
【化29】
Figure 2004093591
【0149】
である。フラニレン基は、
【0150】
【化30】
Figure 2004093591
【0151】
である。チオフェニレン基は、
【0152】
【化31】
Figure 2004093591
【0153】
である。ピリジニレン基は、
【0154】
【化32】
Figure 2004093591
【0155】
である。キノリニレン基は、
【0156】
【化33】
Figure 2004093591
【0157】
である。イソキノニレン基は、
【0158】
【化34】
Figure 2004093591
【0159】
である。1,4−ドゥリル基は、
【0160】
【化35】
Figure 2004093591
【0161】
である。
置換されたフェニレン基、スチルベニレン基、ビフェニレン基、o−、m−またはp−ターフェニレン基、トリフェニルフェニレン基、ナフチレン基、ビナフチレン基、アントラセニレン基、フェナントリレン基、ピレニレン基、フェロセニレン基、フラニレン基、チオフェニレン基、ピリジニレン基、キノリニレン基またはイソキノニレン基は、1ないし4回、例えば1、2または3回、特に1または2回置換されている。1,4−フェニレン環上の置換基はフェニル環上の2、3、5または6位、特に2または3位にある。1,3−フェニレン環上の置換基はフェニル環上の2、4、5または6位、特に4または5位にある。
【0162】
特に、本発明に於いては、アリール基に導入される置換基は、以下の何れかの態様であることが好ましい。これらは各々別々の技術として効果があるが、組み合わせて用いることは、より好ましい態様である。
【0163】
1)ホウ素と結合するアリール基のオルト位に少なくとも置換基を有することが好ましい。
【0164】
2)アリール基に電子吸引性基を導入することが好ましい。
本発明で言う、電子吸引性基とはハメット則によるパラ位の置換基効果で得られるσ値が正であるものを言う。具体的には、ニトロ基、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、フルオロアルキル基、フェニル基、アルキルスルホニル基、ハロゲン等を挙げることができる。本発明の特に好ましい電子吸引性置換基はフェニル基、アルキル基、ハロゲン類である。
【0165】
本発明の好ましい態様は、アリール基のオルト位に少なくとも置換基を有することであるが、オルト位に加え更に他の置換基を有することも、好ましい態様である。また、オルト位以外の位置に置換基を有することも本発明の態様である。
【0166】
又、ホウ素塩のカウンターカチオンを米国特許3,259,060号のようにリン化合物とすることも好ましい態様である。
【0167】
本発明で特に好ましく用いられるホウ素塩化合物は、酸化電位が0〜1.0Vであることが好ましく、より好ましくは、0.3〜0.7V、特に好ましくは0.4〜0.65Vであることが好ましい。ホウ素塩の酸化電位が高いと感度が低く、逆に酸化電位が低いと保存性が劣化するという従来の技術と異なり、本発明においては上記の好ましい電子吸引性基の種類と付加数を調整し、上記範囲に酸化電位を保ち、且つ同時にオルト位に置換基を導入することにより、従来に比べより感度が高く、同時に保存性も良好な傾向となることを見出した。またこの様な改良に伴い、新たな課題として平版印刷版用のアルカリ現像液に対する溶解性が劣化し、現像カスによる汚れ、現像液寿命の短命化という課題が出てきたが、後述の現像液を用いることにより、良好な現像性が得られることを見出し、全ての観点で良好な結果を得るに至った。
【0168】
尚、酸化還元電位の測定方法は以下の通りである。
本発明では、BAS社製BAS100Bエレクトロケミカルアナライザーを用い、作用電極:白金、比較電極:Ag/AgCl、カウンター電極:白金ワイヤーを用いた。支持電解質は、過塩素酸テトラブチルアンモニウムを用い、測定溶剤はアセトニトリル中に、測定物質を溶解し求めた。尚、昇電条件酸化還元電位のピークが得られる条件を探しながら、個々の試料別に設定するため、条件の記載は割愛する。
【0169】
(カチオン性色素)
本発明に於いては、特にインドール型シアニン色素、特定構造のローダミン色素、特定構造のサフラニン色素が好ましい。特定構造とは、酸基いわゆるカルボン酸基、スルフオン酸基、燐酸基等の構造を有さないものが好ましい。
【0170】
補助開始剤として添加され得る電子受容体として適当な染料の例は米国特許第5,151,520号に記載されている。例えば、トリアリールメタン、例としてマラカイトグリーン、インドリン、チアジン、例としてメチレンブルー、キサントン、チオキサントン、オキサジン、アクリジンまたはフェナジン、例としてサフラニンである。補助開始剤として、上記遷移貴金属錯体化合物またはオニウムイオン化合物を使用することも可能である。カチオン、中性またはアニオン染料は新規化合物の補助開始剤として使用され得る。特に適当なカチオン染料はマラカイトグリーン、メチレンブルー、サフラニンO、一般式(4)で表される化合物、
【0171】
【化36】
Figure 2004093591
【0172】
(式中、RおよびR′はアルキル基またはアリール基を表し、例としてローダミンB、ローダミン6GまたはバイオラミンR等)のローダミン、そしてスルホローダミンBまたはスルホローダミンGである。
【0173】
その他の適当な染料は、例えばNeckers等によりJ.Polym.Sci.,Part A,Poly.Chem.,1995,33,1691〜1703に記載されているようなフルオロンである。
【0174】
【化37】
Figure 2004093591
【0175】
が特に有利である。
その他の適当な染料の例は、一般式(5)で表される化合物、
【0176】
【化38】
Figure 2004093591
【0177】
(式中、R=アルキル基;n=0、1、2、3または4、そしてY=CH=CH、N−CH、C(CH)2、O、SまたはSe)のシアニンである。好ましいシアニンは上記式中YがC(CHまたはSのものである。
【0178】
以下の染料化合物も補助開始剤として適している。
【0179】
【化39】
Figure 2004093591
【0180】
(式中、ZはP、SまたはNを表し、そしてRはアルキル基またはアリール基を表す)上記式の中の好ましい化合物は、式中ZがN(CH、N(CまたはP(Cであるものである。
【0181】
例えばYagci等によりJ.Polym.Sci.Part A:Polymer Chem.1992,30,1987およびPolymer 1993,34(6),1130に記載されるような、
【0182】
【化40】
Figure 2004093591
【0183】
または特開平7−70221号に記載される、
【0184】
【化41】
Figure 2004093591
【0185】
(式中、R′は非置換または置換されたベンジル基またはフェンアシル基を表す)の化合物もまた適当である。上記ピリジニウム化合物は芳香族ピリジニウム環において置換されていてもよい。
【0186】
その他の適当な染料は例えば米国特許第4,902,604号明細書中に見出される。これらはアズレン染料である。新規化合物のための補助開始剤として特に適しているのは上記特許明細書の第10および11欄に挙げられた化合物1−18である。その他の適当な染料の例は米国特許第4,950,581号明細書の第6欄第20行〜第9欄第57行に記載されている。新規化合物および組成物のための補助開始剤として、クマリン化合物を使用することも可能である。これらの例は米国特許第4,950,581号明細書の第11欄第20行〜第12欄第42行に記載されている。その他の適当な補助開始剤は例えば米国特許第4,950,581号明細書の第12欄第44行〜第13欄第15行に記載されているキサントンまたはチオキサントンである。アニオン染料化合物も、例えば補助開始剤として使用され得る。例えば、ローズベンガル、エオシンまたはフルオレセインも適している。例えばトリアリールメタン類またはアゾ類からのその他の適当な染料は例えば米国特許第5,143,818号に記載されている。
【0187】
(光重合開始剤)
光重合開始剤として、上述した本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物の他に、公知の光重合開始剤を併用することができる。
【0188】
例えば、J.コーサー(J.Kosar)著「ライト・センシティブ・システムズ」第5章に記載されるようなカルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。更に、具体的な化合物は、英国特許1,459,563号に開示されている。
【0189】
即ち、光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン−i−プロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−i−プロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物の他、特公昭59−1281号、同61−9621号並びに特開昭60−60104号記載のトリアジン誘導体;特開昭59−1504号、同61−243807号記載の有機過酸化物;特公昭43−23684号、同44−6413号、同44−6413号、同47−1604号並びに米国特許3,567,453号記載のジアゾニウム化合物;米国特許2,848,328号、同2,852,379号並びに同2,940,853号記載の有機アジド化合物;特公昭36−22062号、同37−13109号、同38−18015号並びに同45−9610号記載のo−キノンジアジド類;特公昭55−39162号、特開昭59−14023号並びに「マクロモレキュルス(Macromolecules)」10巻,1307頁(1977年)記載の各種オニウム化合物;特開昭59−142205号記載のアゾ化合物;特開平1−54440号、ヨーロッパ特許109,851号、同126,712号並びに「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」30巻,174頁(1986年)記載の金属アレン錯体;特開平5−213861号及び同5−255347号記載の(オキソ)スルホニウム有機硼素錯体;「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordination Chemistry Review)」84巻,85〜277頁(1988年)並びに特開平2−182701号記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体;特開平3−209477号記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;四臭化炭素、特開昭59−107344号記載の有機ハロゲン化合物等を挙げることができる。
【0190】
(その他添加剤)
光重合開始剤に加えて、本発明の感光性組成物は、種々の添加剤を含んでもよい。
【0191】
増感剤としては、特開昭64−13140号に記載のトリアジン系化合物、特開昭64−13141号に記載の芳香族オニウム塩、芳香族ハロニウム塩、特開昭64−13143号に記載の有機過酸化物、特公昭45−37377号や米国特許3,652,275号に記載のビスイミダゾール化合物、チオール類等が挙げられる。増感剤の添加量は、光重合性親油性熱可塑性モノマー/プレポリマーの合計量100質量部に対して10質量部以下、好ましくは0.01〜5質量部程度が添加される。
【0192】
早期重合の防止を意図する熱抑制剤(thermal inhibitor)は、例えばヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、p−メトキシフェノール、β−ナフトールまたは立体障害性フェノール、例えば2,6−ジ−第三ブチル−p−クレゾールである。暗所での貯蔵の安定性を増加させるため、例えば、銅化合物例えば、銅ナフテネート、ステアレートもしくはオクトエート、リン化合物例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリエチルホスフィット、トリフェニルホスフィットまたはトリベンジルホスフィット、第四アンモニウム化合物、例えば、塩化テトラメチルアンモニウムもしくは塩化トリメチルベンジルアンモニウム、またはヒドロキシルアミン誘導体、例えば、N−ジエチルヒドロキルアミンである。重合中に大気酸素を除くためにポリマー中で充分に溶解せず、重合の開始において表面に移動し、空気の進入を防ぐ透明な表層を形成するパラフィン、または同等のワックス様物質を加えることもできる。少量で添加できる光安定剤は紫外線吸収剤、例えば、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン、オキサルアミドまたはヒドロキシフェニル−s−トリアジンタイプのものである。これらの化合物は個別にまたは立体障害性アミン(HALS)を含むまたは含まない混合物で使用できる。
【0193】
上記紫外線吸収剤の例は以下の通りである。
1.2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールの例:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−第三ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5′−第三ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−第三ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−第三ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−第二ブチル−5′−第三ブチル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ジ−第三アミル−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−第三ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−第三ブチル−5′−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−第三ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−第三ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−第三ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−第三ブチル−5′−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3′−ドデシル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(3′−第三ブチル−2′−ヒドロキシ−5′−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル))フェニルベンゾトリアゾールの混合物、2,2′−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール〕;2−〔3′−第三ブチル−5′−(2−メトキシカルボニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換体;次式:〔R−CHCH−COO(CH−〕−(式中、Rは3′−第三ブチル−4′−ヒドロキシ−5′−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル基を表す)で表される化合物。
【0194】
2.2−ヒドロキシ−ベンゾフェノンの例:4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクチルオキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2′,4′−トリヒドロキシ−および2′−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシ誘導体。
【0195】
3.置換されたおよび非置換安息香酸のエステルの例:4−第三ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0196】
4.アクリレートの例:エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニル−アクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメートおよびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン。
【0197】
5.立体障害性アミンの例:ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロネート、1−(ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラオエート、1,1′−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル)マロネート、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)スクシネート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオンおよび3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン。
【0198】
6.オキサミドの例:4,4′−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2′−ジエトキシオキサニリド、2,2′−ジオクチルオキシ−5,5′−ジ−第三ブトキサニリド、2,2′−ジドデシルオキシ−5,5′−ジ−第三ブトキサニリド、2−エトキシ−2′−エチルオキサニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2′−エトキサニリドおよび該化合物と2−エトキシ−2′−エチル−5,4′−ジ−第三ブトキサニリドとの混合物、オルト−およびパラ−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物およびo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0199】
7.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの例:2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0200】
8.ホスフィットおよびホスホナイトの例:トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2,4,6−トリス(第三ブチルフェニル))ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレンジホスホナイト、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ第三ブチル−12H−ジベンゾ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ第三ブチル−12−メチル−ジベンゾ〔d,g〕−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィットおよびビス(2,4−ジ−第三ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット。
【0201】
光重合を促進するために、アミン、例えばトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、p−ジメチルアミノベンゾエートまたはミヒラーケトンを加えることが可能である。アミンの作用はベンゾフェノンタイプの芳香族ケトンの添加により強化できる。酸素掃去剤として使用できるアミンの例はEP−A−339841号公開公報に記載される置換N,N−ジアルキルアニリンである。他の促進剤、補助開始剤および自動酸化剤は、例えば、EP−A−438123、BG−2180358および特開平6−268309号に記載されるような、チオール、チオエーテル、ジスルフィド、ホスホニウム塩、ホスフィンオキシドまたはホスフィンである。光重合はまた、スペクトル感受性をシフトまたは拡張する他の増感剤を加えることによっても促進される。それらは特に芳香族カルボニル化合物、例えばベンゾフェノン、チオキサントン、アントラキノンおよび3−アシルクマリン誘導体であり、および、または3−(アロイルメチレン)チアゾリンでもあるが、エオシン、ローダミンおよびエリスロシン染料でもある。
【0202】
硬化工程は特に(例えば二酸化チタンにより)着色された組成物により、および、または加熱条件下でフリーラジカルを形成する成分、例えば2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル)バレロニトリルのようなアゾ化合物、トリアゼン、ジアゾスルフィド、ペンタザジエン、あるいはパーオキシ化合物、例えば、ヒドロパーオキシドまたはパーオキシカーボネート、例えばEP−A−245639に記載されるような第三ブチルヒドロパーオキシドを加えることにより補助できる。
【0203】
他の慣用の添加剤は意図する用途によるが、蛍光増白剤、充填剤、顔料、染料、湿潤剤もしくは均展剤である。厚い塗膜および着色した塗膜の硬化のためには、米国特許第5,013,768号に記載されているようにガラス微小球又は粉末化したガラス繊維の添加が適当である。
【0204】
(保護層:酸素遮断層)
本発明に係る光重合性感光層の上側には、保護層を設けることが好ましい。該保護層(酸素遮断層)は、後述の現像液(一般にはアルカリ水溶液)への溶解性が高いことが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンを挙げることができる。ポリビニルアルコールは酸素の透過を抑制する効果を有し、また、ポリビニルピロリドンは隣接する感光層との接着性を確保する効果を有する。
【0205】
上記2種のポリマーの他に、必要に応じ、ポリサッカライド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド等の水溶性ポリマーを併用することもできる。
【0206】
本発明に係る平版印刷版では、感光層と保護層間の剥離力が35mN/mm以上であることが好ましく、より好ましくは50mN/mm以上、更に好ましくは75mN/mm以上である。好ましい保護層の組成としては特願平8−161645号に記載されるものが挙げられる。
【0207】
本発明における剥離力は、保護層上に十分大きい粘着力を有する所定幅の粘着テープを貼り、それを平版印刷版材料の平面に対して90度の角度で保護層と共に剥離する時の力を測定することにより求めることができる。
【0208】
保護層には、更に必要に応じて界面活性剤、マット剤等を含有することができる。上記保護層組成物を適当な溶剤に溶解し感光層上に塗布・乾燥して保護層を形成する。塗布溶剤の主成分は水、あるいはメタノール、エタノール、i−プロパノール等のアルコール類であることが特に好ましい。
【0209】
保護層の厚みは0.1〜5.0μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0μmである。
【0210】
(支持体)
本発明に係る支持体は、親水性表面を有する、例えばアルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル等の金属板、また、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムに前述の金属薄膜をラミネートまたは蒸着したもの等が使用でき、また、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム等の表面に親水化処理を施したもの等が使用できるが、アルミニウム支持体が好ましく使用され、この場合、純アルミニウムまたはアルミニウム合金であってもかまわない。
【0211】
支持体のアルミニウム合金としては、種々のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。
【0212】
本発明に係る支持体は、粗面化(砂目立て処理)するに先立って表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。又、脱脂処理には、苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。粗面化の方法としては、例えば、機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。
【0213】
用いられる機械的粗面化法は特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が好ましい。ブラシ研磨法による粗面化は、例えば、直径0.2〜0.8mmのブラシ毛を使用した回転ブラシを回転し、支持体表面に、例えば、粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させたスラリーを供給しながら、ブラシを押し付けて行うことができる。ホーニング研磨による粗面化は、例えば、粒径10〜100μmの火山灰の粒子を水に均一に分散させ、ノズルより圧力をかけ射出し、支持体表面に斜めから衝突させて粗面化を行うことができる。又、例えば、支持体表面に、粒径10〜100μmの研磨剤粒子を、100〜200μmの間隔で、2.5×10〜10×10個/cmの密度で存在するように塗布したシートを張り合わせ、圧力をかけてシートの粗面パターンを転写することにより粗面化を行うこともできる。
【0214】
上記の機械的粗面化法で粗面化した後、支持体の表面に食い込んだ研磨剤、形成されたアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でも、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/mが好ましい。アルカリ水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0215】
電気化学的粗面化法も特に限定されるものではないが、酸性電解液中で電気化学的に粗面化を行う方法が好ましい。酸性電解液は、電気化学的粗面化法に通常用いられる酸性電解液を使用することができるが、塩酸系または硝酸系電解液を用いるのが好ましい。電気化学的粗面化方法については、例えば、特公昭48−28123号公報、英国特許第896,563号公報、特開昭53−67507号公報に記載されている方法を用いることができる。この粗面化法は、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/dmの範囲を用いることが出来るが、50〜150A/dmの範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dmの範囲を用いることができるが、100〜2000c/dmの範囲から選ぶのが好ましい。この粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることが出来るが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。
【0216】
電解液として硝酸系電解液を用いて電気化学的粗面化を行う場合、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、10〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/dmの範囲を用いることができるが、20〜100A/dmの範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dmの範囲を用いることができるが、100〜2000c/dmの範囲から選ぶのが好ましい。電気化学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液における硝酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。電解液には、必要に応じて、硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、しゅう酸等を加えることができる。
【0217】
電解液として塩酸系電解液を用いる場合、一般には、1〜50ボルトの範囲の電圧を印加することによって行うことができるが、2〜30ボルトの範囲から選ぶのが好ましい。電流密度は、10〜200A/dmの範囲を用いることができるが、50〜150A/dmの範囲から選ぶのが好ましい。電気量は、100〜5000c/dmの範囲を用いることができるが、100〜2000c/dm、更には200〜1000c/dmの範囲から選ぶのが好ましい。電気化学的粗面化法を行う温度は、10〜50℃の範囲を用いることができるが、15〜45℃の範囲から選ぶのが好ましい。電解液における塩酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。
【0218】
上記の電気化学的粗面化法で粗面化した後、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/mが好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0219】
機械的粗面化処理法、電気化学的粗面化法はそれぞれ単独で用いて粗面化してもよいし、又、機械的粗面化処理法に次いで電気化学的粗面化法を行って粗面化してもよい。
【0220】
粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行うことができる。本発明において用いることができる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行うことにより、支持体上には酸化皮膜が形成される。該陽極酸化処理には、硫酸及び/又は燐酸等を10〜50%の濃度で含む水溶液を電解液として、電流密度1〜10A/dmで電解する方法が好ましく用いられるが、他に、米国特許第1,412,768号公報に記載されている硫酸中で高電流密度で電解する方法や、同3,511,661号公報に記載されている燐酸を用いて電解する方法、クロム酸、シュウ酸、マロン酸等を一種又は二種以上含む溶液を用いる方法等が挙げられる。形成された陽極酸化被覆量は、1〜50mg/dmが適当であり、好ましくは10〜40mg/dmである。陽極酸化被覆量は、例えばアルミニウム板を燐酸クロム酸溶液(燐酸85%液:35ml、酸化クロム(IV):20gを1Lの水に溶解して作製)に浸積し、酸化被膜を溶解し、板の被覆溶解前後の質量変化測定等から求められる。
【0221】
陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
【0222】
処理後の支持体表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.2〜0.7μmであることが好ましく、更に0.5〜0.7μmであることが好ましい。
【0223】
更に、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、たとえばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えばホウ酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。更に、特開平5−304358号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起し得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
【0224】
(塗布)
調製された感光性組成物(感光層塗布液)は、従来公知の方法で支持体上に塗布し、乾燥し、感光性平版印刷版材料を作製することが出来る。塗布液の塗布方法としては、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出しコータ法等を挙げることが出来る。
【0225】
感光層の乾燥温度は、低いと十分な耐刷性を得ることが出来ず、又高過ぎるとマランゴニーを生じてしまうばかりか、非画線部のカブリを生じてしまう。好ましい乾燥温度範囲としては、60〜160℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜140℃、特に好ましくは、90〜120℃の範囲で乾燥することが好ましい。
【0226】
(画像形成方法)
本発明に係る平版印刷版に画像露光する光源としては、例えばレーザー、発光ダイオード、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ、タングステンランプ、高圧水銀ランプ、無電極光源等を挙げることができる。
【0227】
一括露光する場合には、光重合性感光層上に、所望の露光画像のネガパターンを遮光性材料で形成したマスク材料を重ね合わせ、露光すればよい。
【0228】
発光ダイオードアレイ等のアレイ型光源を使用する場合や、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、タングステンランプ等の光源を、液晶、PLZT等の光学的シャッター材料で露光制御する場合には、画像信号に応じたデジタル露光をすることが可能であり好ましい。この場合は、マスク材料を使用せず、直接書込みを行うことができる。
【0229】
レーザー露光の場合には、光をビーム状に絞り画像データに応じた走査露光が可能なので、マスク材料を使用せず、直接書込みを行うのに適している。又、レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。
【0230】
レーザー光源としては、アルゴンレーザー、He−Neガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー等を何れも好適に用いることが可能であるが、本発明においては、InGaN系やZnSe系の材料を用い、380〜430nm域で連続発振可能な半導体レーザーを用いることが、本発明の効果をいかんなく発揮する上で、特に好ましい。
【0231】
レーザーの走査方法としては、円筒外面走査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査としレーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、ドラムの内面に記録材料を固定し、レーザービームを内側から照射し、光学系の一部又は全部を回転させることにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部又は全部をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザー光の主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円筒外面走査及び円筒内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記録には適している。
【0232】
ホウ素塩+カチオン染料開始剤系は、光照射によるラジカル発生により、カチオン染料が分解され、消色していくことが知られている。この反応が光強度により大きく異なり、レーザー光版面強度が10mWより小さい場合、分解反応の進行が優勢で求めるような耐刷性を得られず、又、レーザー光版面強度が200mWより大きい場合、消色反応は優先しないが、同一露光量に於ける耐刷性が、何故か向上しないことを見出した。
【0233】
またこの現象が、露光波長が短波にシフトすることが顕著に見られることを見出した。
【0234】
(現像処理液)
本発明で好ましく用いられる処理液は、pH10.0〜12.5の従来の現像液を、特に制限無く使用できる。本発明で使用される現像液のpHは、10.0〜12.5であるが、下回ると画像形成ができなくなり、逆に範囲を超えると過現像になったり、露光部の現像でのダメージが強くなるという問題が生じる。尚、好ましいpH範囲は、10.5〜12.5であり、特に好ましい範囲は11.0〜12.5である。
【0235】
また、本発明で使用される現像液の導電率は、3〜30mS/cmであることが好ましいが、下回ると、通常、アルミニウム板支持体表面の感光性組成物の溶出が困難となり、印刷で汚れを伴ってしまい、逆に範囲を超えると、塩濃度が高いため、感光層の溶出速度が極端に遅くなり、未露光部に残膜が生じる。導電率の範囲は、更に好ましくは5〜20mS/cmの範囲である。
【0236】
上述のように本発明の好ましいホウ素塩化合物は、アルカリ水溶液に対する現像性が著しく低下しており、光重合層の非画像部を溶解または膨潤でき、20℃において水に対する溶解度が10質量%以下の有機溶剤が好ましく使用できる。
【0237】
具体的な有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、エチレングリコールモノブチルアセテート、乳酸ブチル、レプりん酸ブチル等のカルボン酸エステル;エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等のアルコール類;キシレン等のアルキル置換芳香族炭化水素;メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;等が挙げられ、中でもエチレングリコールモノフェニルエーテルとベンジルアルコールが特に好ましい。現像液中の有機溶剤の含有量は、1〜20質量%程度、好ましくは2〜10質量%である。
【0238】
但し、近年現像液の有機溶剤は環境面から嫌われる傾向が強く、このような有機溶剤を用いない現像処理液が求められている。この様な観点から本発明の好ましい現像処理液は、有機溶剤を用いず、アルカリ剤と界面活性剤とを必須成分として含有するものを挙げることができる。
【0239】
現像液中に含有されるアルカリ剤としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第2または第3りん酸ナトリウムまたはアンモニウム塩、メタ珪酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン等が挙げられ、好ましくは珪酸カリウム、珪酸ナトリウム、第2りん酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンである。現像液中のアルカリ剤の含有量は通常0.05〜8質量%程度、好ましくは0.5〜6質量%である。
【0240】
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系、両性など従来公知の化合物を特に制限なく使用可能であるが、本発明において特に好ましくは、ノニオン及びアニオン性界面活性剤である。
【0241】
本発明における特に好ましい活性剤は、下記一般式(6)により表される、ポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン界面活性剤及びその末端OHをアニオン塩に置換した化合物である。これらの界面活性剤を用いることで、良好な現像性と現像カスによる汚れ、現像液寿命を延ばすことが可能となることを見出した。
【0242】
【化42】
Figure 2004093591
【0243】
(式中、Rは置換基を有しても良い炭素数3〜15のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、又は置換基を有しても良い炭素数4〜15の複素芳香族環基(尚、置換基としては炭素数1〜20のアルキル基、Br、Cl、I等のハロゲン原子、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基、炭素数7〜17のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルコキシ−カルボニル基、炭素数2〜15のアシル基が挙げられる。)を示し、Rは、置換基を有しても良い炭素数1〜100のアルキレン基(尚、置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基が挙げられる。)を示し、nは1〜100の整数を表す。)
また上記一般式の(R−O)の部分は、上記範囲であれば、2種、又は3種の基であっても良い。具体的にはエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソプロピルオキシ基、エチレンオキシ基とブチレンオキシ基、エチレンオキシ基とイソブチレン基等の組み合わせでランダム又はブロック状に連なったもの等が挙げられる。本発明において、ポリオキシアルキレンエーテル基を有する界面活性剤は、単独又は複合系で使用され、現像液中、1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%添加することが効果的である。添加量が少ないと現像性の低下が、逆に多すぎると現像のダメージが強くなり、印刷版の耐刷性を低下させてしまう。
【0244】
またさらに以下に記す、その他の界面活性剤を加えてもよい。その他の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン界面活性剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ソーダ等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤等が使用可能であるが、特に好ましいのはアルキルナフタレンスルホン酸塩類等のアニオン界面活性剤である。これら界面活性剤は単独、もしくは組み合わせて使用することができる。また、これら界面活性剤の現像液中における含有量は有効成分換算で0.1〜20質量%が好ましい。
【0245】
また、保存安定性、耐刷性等をより高めるために、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸マグネシウム等の水溶性亜硫酸塩を現像液組成の0.05〜4質量%程度、好ましくは0.1〜1質量%現像液中に含有せしめるのが好ましい。更に、有機溶剤の水への溶解を助けるために、可溶化剤を含有させてもよい。
【0246】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例における「部」は、特に断りない限り「質量部」を表す。
【0247】
〔実施例1〕
(本発明1〜4、比較例1〜5)
(バインダーの合成)
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタクリル酸メチル(下記化合物1)46.0部(0.46モル)、メタクリル酸(下記化合物2)41.4部(0.48モル)、メタクリル酸エチル(下記化合物3)6.7部(0.06モル)、エタノール100部及びα,α′−アゾビスイソブチロニトリル1.23部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させて高分子重合体を得た。その後、該重合体に、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド1部及びグリシジルメタクリレート(エポキシ基含有不飽和化合物:下記化合物4)42.5部(0.3モル)を加えて、温度25℃で3時間反応させて合成バインダーA(下記化合物5)を得た。GPCを用いて測定した重量平均分子量は約70,000であった。
【0248】
以下、表1に示すモノマー単位比率およびカルボキシル基に反応させるエポキシ基含有不飽和化合物の比率を、仕込量を変えることで変更し、また、重合体の反応時間を調整することで重量平均分子量を変更し、同様の操作を行って、合成バインダーA〜Gを得た。
【0249】
【表1】
Figure 2004093591
【0250】
【化43】
Figure 2004093591
【0251】
【化44】
Figure 2004093591
【0252】
【化45】
Figure 2004093591
【0253】
【化46】
Figure 2004093591
【0254】
【化47】
Figure 2004093591
【0255】
(支持体の作製)
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を、0.3質量%の塩酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dmの条件下に交流電流により60秒間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/dm、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、更に3%硅酸ナトリウムで90℃の封孔処理を行って支持体を作製した。この時、表面の中心線平均粗さ(Ra)は0.65μmであった。
【0256】
(支持体の表面処理)
上記作製した支持体を、続けて下記溶液中で浸漬し処理を行った。
【0257】
溶液温度                           80℃
ビニルホスホン酸                    0.2質量%
ポリビニルホスホン酸                  1.5質量%
上記溶液中にアルミニウム板を30秒間通し、乾燥した。
【0258】
(平版印刷版材料の作製)
上記表面処理済み支持体上に、下記組成の光重合性感光層塗工液を乾燥時2.0g/mになるようワイヤーバーで塗布し、95℃で1.5分間乾燥した。その後、更に該感光層上に、下記組成のオーバーコート層塗工液を乾燥時2.0g/mになるようにアプリケーターで塗布し、75℃で1.5分間乾燥して、感光層上にオーバーコート層を有する平版印刷版材料を作製した。
【0259】
感光層塗工面を金属ローラー(SUS)にて線圧29.4Nで接触させ、SUSに感光層が移行するか確認し、タック試験とした。
【0260】
Figure 2004093591
【0261】
(画像形成)
このようにして作製した光重合型平版印刷版材料について、FD−YAGレーザー光源を搭載したCTP露光装置(Tigercat:ECRM社製)を用いて2540dpi(dpiとは1インチ即ち2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で画像露光を行った。次いで、現像前に加熱装置部、オーバーコート層を除去する前水洗部、下記現像液組成を充填した現像部、版面に付着した現像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)を備えたCTP自動現像機(PHW23−V:Technigraph社製)で現像処理を行い、本発明1〜4及び比較例1〜5の平版印刷版を得た。このとき加熱装置部は、版面温度115℃、版滞在時間15秒となるように設定した。また露光終了から自現機の加熱装置部への版挿入は60秒以内に行った。
【0262】
(現像液組成)
Aケイ酸カリ(珪酸カリウム)              8.0質量%
ペレックスNBL:花王(株)製             3.0質量%
苛性カリ                 pH=12.3なるよう調整
(平版印刷版の評価)
上記のようにして得られた平版印刷版について、以下の評価をした。
【0263】
《感度》
レーザーの露光エネルギーを変化させ、100%ベタ画像濃度を露光エネルギー毎に測定し、最高ベタ濃度から−10%の反射濃度の点を最低画像形成エネルギー=感度とした。
【0264】
《汚れ》
1000枚連続印刷後印刷版をクリーナーでふき、15分後に印刷を再開し、50枚以内で汚れがなくなるかどうかを目視で判定した。
【0265】
《保存安定性》
光重合型平版印刷版材料を強制劣化させるため、55℃、20%の環境下の恒温槽に3日間保存し、保存する以前のサンプルと比較し、上記の感度評価を行い保存の影響を比較評価した。
【0266】
結果は、全て表2に示した。
【0267】
【表2】
Figure 2004093591
【0268】
【化48】
Figure 2004093591
【0269】
表2の結果より、画像形成した感光性平版印刷版材料の内、本発明1〜4は、タック、感度、汚れ、並びに保存安定性が比較例に対し優れていることが分かった。
【0270】
〔実施例2〕
(本発明5〜12、比較例6〜8)
支持体の作製および表面処理は、実施例1同様に作製した。バインダーは上記で作製した物から選択して使用した。
【0271】
(支持体への下引き層)
上記支持体上に、下記組成の下引き層塗工液を乾燥時0.2g/mになるようワイヤーバーで塗布し、100℃で3分間の加熱処理を行って、下引き済み支持体を作製した。
【0272】
(下引き層塗工液)
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン          1部
メチルエチルケトン                      80部
シクロヘキサノン                       19部
(平版印刷版材料の作製)
上記下引き済み支持体上に、下記組成の光重合性感光層塗工液に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、感光層上にオーバーコート層を有する平版印刷版材料を作製した。
【0273】
Figure 2004093591
【0274】
実施例1と同様の操作を行い、画像形成し、平版印刷版の評価を行った。評価結果を表3に示す。表3では、以下の耐刷評価も加えて評価した。
【0275】
《耐刷性》
175線の画像を適性露光量で露光、現像して作製した平版印刷版を、印刷機(三菱重工業(株)製DAIYA1F−1)で、コート紙、印刷インキ(東洋インク(株)製トーヨーキングハイエコーM紅)及び湿し水(東京インク(株)製H液SG−51濃度1.5%)を用いて印刷を行い、ハイライト部の点が3%細る又は、シャドウ部の絡みが発生する印刷枚数を耐刷性の指標とした。
【0276】
【表3】
Figure 2004093591
【0277】
表3の結果より、本発明例5〜12は、タック、感度、汚れ、保存安定性並びに耐刷性が良好であり、特に3級アミンモノマーとして化合物Aを用いた本発明9〜12は、感度、保存安定性並びに耐刷性が著しく良好になることが分かった。
【0278】
〔実施例3〕
(本発明13〜22)
本発明5の分光増感色素1及びトリアリールモノアルキルホウ素塩(昭和電工社製:N3B)を添加するかわりに、表4の化合物(下記化合物)を表4の添加量で添加し、オーバーコートは本発明5と同様にして本発明13〜22を作製した。
【0279】
《保存安定性》
光重合型平版印刷版材料を強制劣化させるため、55℃、20%の環境下の恒温槽に3、5、7日間保存し、保存する以前のサンプルと比較し、上記の感度評価及び印刷汚れ評価を行い長期保存の影響を比較評価した。
【0280】
【表4】
Figure 2004093591
【0281】
【化49】
Figure 2004093591
【0282】
【化50】
Figure 2004093591
【0283】
【化51】
Figure 2004093591
【0284】
【化52】
Figure 2004093591
【0285】
【化53】
Figure 2004093591
【0286】
表4の結果より、本発明13〜22はいずれの試験においても良好な特性を有するが、本発明の好ましい光重合開始剤を用いた本発明17〜19は特に感度、保存安定性が良好であった。
【0287】
〔実施例4〕
本発明13〜22の感材を多量に作製し、表5の各現像液でランニング処理を行い、現像液を濾過しスラッジ量を測定した。
【0288】
(現像液組成)
Aケイ酸カリ                         8.0部
表5に示す界面活性剤(下記化合物)              3.0部
苛性カリ                  pH=12.3となる添加量
《スラッジ》
各試料を1.5m用意し、プレヒート及びプレ水洗を上記の自動現像機にて行い、オーバーコート層を除去後、100mlの上記現像液に28℃30秒間浸漬し、無補充で1.5m処理した。現像液を濾過水洗し70℃で1日間乾燥し、残渣をスラッジ量とした。結果を表5に記載する。
【0289】
【表5】
Figure 2004093591
【0290】
【化54】
Figure 2004093591
【0291】
【化55】
Figure 2004093591
【0292】
表5の結果より、本発明の好ましい界面活性剤である、活性剤1、2を用いることにより、現像液中のスラッジ量が大幅に低減できることが分かった。
【0293】
〔実施例5〕
(本発明23、24)
本発明9の分光増感色素1及びトリアリールモノアルキルホウ素塩(昭和電工社製:N3B)を添加するかわりに、表6の化合物(下記化合物)を表6の添加量で添加し、オーバーコートは実施例1と同様にして本発明23、24を作製した。
【0294】
本発明23、24の感材を各々多量に作製し、自作のレーザー出力機、市販レーザーを複数個並べて光ファイバーで集光することで高出力化し、高速スピンミラーで1lineを形成した後、実施例1と同様の現像処理を行い、レーザー光のスポット径:30μmと同じ線幅を再現できる露光エネルギーをゲル化エネルギーとした。
【0295】
結果を図1に記載する。図1はレーザー光波長が、405nm、488nm、及び532nmの時に、各々版面光強度を変化させた場合のゲル化エネルギーを示した図である。
【0296】
この結果から、本発明の版面露光エネルギー範囲が特異的に好ましい事が分かる。また405nmにおいては、露光出力が30〜200mWが好ましく、特に好ましくは50〜150mWである事が分かる。同様に、532nmにおいては、露光出力が10〜150mWが好ましく、特に好ましくは10〜120mWであり、カチオン染料+ホウ素塩開始剤系は、露光波長の短波化に伴い高出力短時間記録が好ましい方向であることを見出した。
【0297】
【表6】
Figure 2004093591
【0298】
【化56】
Figure 2004093591
【0299】
【発明の効果】
本発明により、高感度で、且つ耐刷性、保存安定性、汚れ性、スラッジに優れた感光性組成物及び平版印刷版、並びに平版印刷版の処理方法、画像形成方法を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザー光波長を変化させた時の、版面光強度とゲル化エネルギーの関係を示した図である。

Claims (18)

  1. 下記一般式(1)で表されるホウ素塩化合物、カチオン性染料、及びエチレン性不飽和基を有する化合物を含有し、該エチレン性不飽和基を有する化合物の10〜90質量%が、重量平均分子量15,000〜200,000で、且つ酸価が30〜200mg/KOHであることを特徴とする感光性組成物。
    Figure 2004093591
    (式中R、R、R及びRは、それぞれ独立してアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基またはハロゲン原子を示し、Zは任意のカチオンを示す。)
  2. 前記エチレン性不飽和基を有する化合物は、重量平均分子量20,000〜200,000で、且つ酸価が30〜200mg/KOHであり、バインダーの繰り返し単位に含まれる反応性基を有するユニット比率が、5〜50%であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 前記一般式(1)で表されるホウ素塩化合物、カチオン性染料、及びエチレン性不飽和基を有する化合物を含有し、該エチレン性不飽和基を有する化合物が、下記一般式(2)または一般式(3)で表される1分子中にアミド結合と、2または3級アミン基とを有する化合物を含有することを特徴とする感光性組成物。
    Figure 2004093591
    (式中、Q
    Figure 2004093591
    または−S−を表し、Rはアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアリール基を表し、R及びRはそれぞれ水素原子、アルキル基またはアルコキシアルキル基を表し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を表し、Xは2〜12個の炭素原子を有する2価の基を表し、Xは、2価の基〜4価の基、または、
    Figure 2004093591
    を表し、Zは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシル基、または複素環基を表し、pは1〜4の整数、qは1〜3の整数を表す。D及びDは、各々1〜5個の炭素原子を有する2価の基を表し、Eは、2〜12個の炭素原子を有する2価の基、5員環〜7員環であり、且つ窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる1種または2種の原子を含む複素環を有する脂肪族基、6〜12個の炭素原子を有するアリーレン基、または、5員環または6員環を有する芳香族複素環基を表し、aは0または1〜4の整数を表し、bは0または1を表し、cは1〜3の整数を表し、mはQの原子価により2〜4の整数を表し、nは1〜mの整数を表し、同一定義の全ての基は相互に同一または異なることが可能である。)
    Figure 2004093591
    (式中、Q
    Figure 2004093591
    を表し、Rはアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアリール基を表し、R及びRはそれぞれ水素原子、アルキル基またはアルコキシアルキル基を表し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を表し、D及びDはそれぞれ1〜5個の炭素原子を有する飽和炭化水素基を表し、Fは2〜12個の炭素原子を有する飽和炭化水素基、5〜7個の員環を有し、且つ2個までのN、OまたはS原子を員環として含有する環状脂肪族基、6〜12個の炭素原子を有するアリーレン基、または5〜6個の員環を有する複素環芳香族基を表し、d及びeは1〜4の整数を表し、gはQの原子価により2〜4の整数を表し、fは1〜gの整数を表し、同一定義の全ての基は相互に同一または異なることが可能である。)
  4. 前記カチオン性染料が、インドール型シアニン、ローダミン、及びサフラニンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  5. 前記一般式(1)で表されるホウ素塩化合物が、トリアリールモノアルキルホウ素塩で、嵩高い置換基を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  6. 前記一般式(1)で表されるホウ素塩化合物が、2個以上の置換基を有し、且つ少なくともその2,6位に置換基を有し、該置換基の少なくとも1つが電子吸引性基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  7. 前記一般式(1)で表されるホウ素塩化合物の酸化電位が、0.3〜0.7Vであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  8. トリハロメチル化合物類、メタロセン化合物類、N−フェニルグリシン類、及びオニウム塩類から選ばれる、少なくとも1種の光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  9. 3級アミン化合物、チオール類、及びチオケトン類から選ばれる、少なくとも1種の増感剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  10. 酸媒体中で電気的に粗面化し、陽極酸化処理された表面粗さ(Ra)が0.2〜0.7μmである金属支持体に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性組成物を含有する層と酸素遮断層とを塗設してなることを特徴とするレーザー記録用平版印刷版。
  11. 前記金属支持体の表面粗さ(Ra)が、0.5〜0.7μmであることを特徴とする請求項10に記載のレーザー記録用平版印刷版。
  12. 前記金属支持体が、後処理にポリビニルホスホン酸を用いることを特徴とする請求項10または11に記載のレーザー記録用平版印刷版。
  13. 前記請求項10〜12のいずれか1項に記載のレーザー記録用平版印刷版をレーザー露光し、アルカリ現像処理により画像を形成する処理方法であって、該アルカリ現像液のpHが10.0〜12.5であることを特徴とする処理方法。
  14. 前記アルカリ現像液が、無機のアルカリ剤とポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン系界面活性剤とを含有し、且つpH10.0〜12.5、導電率3〜30mS/cmであることを特徴とする請求項13に記載の処理方法。
  15. 前記アルカリ現像液が、無機のアルカリ剤とポリオキシアルキレンエーテル基を有するアニオン系界面活性剤とを含有し、且つpH10.0〜12.5、導電率3〜30mS/cmであることを特徴とする請求項13に記載の処理方法。
  16. 前記請求項10〜12のいずれか1項に記載の平版印刷版が、200〜600nmのレーザー光で露光し、露光後15分以内にプレ水洗、アルカリ現像処理を順次行うことを特徴とする画像形成方法。
  17. 前記請求項10〜12のいずれか1項に記載の平版印刷版が、200〜600nmのレーザー光で露光し、露光後15分以内に80〜130℃で1〜30秒加熱し、プレ水洗、アルカリ現像処理を順次行うことを特徴とする画像形成方法。
  18. 前記レーザー光の版面強度が、10〜200mW、主走査線速度200〜2,000m/secで記録することを特徴とする請求項16または17に記載の画像形成方法。
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