JP2009229499A - 感光性平版印刷版材料および平版印刷版材料の製版方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、特に発光波長が350nmから450nmの範囲にあるレーザー光での露光に適し、耐刷性に優れかつ保存性に優れる感光性平版印刷版材料および平版印刷版材料の製版方法を提供することにある。
【解決手段】支持体上にアルカリ可溶性高分子、エチレン性不飽和結合を有する化合物、水素引き抜き型光重合開始剤を含有する感光層を有する感光性平版印刷版材料であって、該アルカリ可溶性高分子は下記一般式(1)で表される構造単位を有する共重合体であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
【化1】
Figure 2009229499

【選択図】なし

Description

本発明はコンピュータートゥプレートシステム(以下CTPという)に用いられる感光性平版印刷版材料に関し、特に波長350〜450nmのレーザー光での露光に適した感光性平版印刷版材料に関する。
近年、オフセット印刷用の印刷版の作製技術において、画像のデジタルデータをレーザー光源で直接感光性平版印刷版に記録するCTPが開発され、実用化が進んでいる。
これらのうち、比較的高い耐刷力を要求される印刷の分野においては、特開平1−105238号公報、特開平2−127404号公報に記載のように、重合可能な化合物を含む重合型の感光層を有するネガ型の感光性平版印刷版材料を用いることが知られている。
更に、印刷版の取り扱い性の面からセーフライト性を高めた、波長390nm〜430nmのレーザーで画像露光可能な印刷版材料が知られている。
そして、高出力かつ小型の波長390〜430nmの青紫色レーザーが容易に入手できるようになり、例えば特開2000−35673号公報、特開2000−98605号公報、特開2001−264978号公報などに記載の、このレーザー波長に適した感光性平版印刷版を開発することにより明室化がはかられてきている。
更に、黄色灯下でのセーフライト性を改良した、感光層にビイミダゾールを含む印刷版材料が知られている(例えば特許文献1参照。)。
また、バインダーとして側鎖にアミド結合を有する特定の高分子バインダーを用いた感光性樹脂組成物からなる感光層を有する平版印刷版材料が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、これらの平版印刷版材料においても、耐刷力が不充分な場合がある、保存により網点再現性が変化してしまう場合があるなどの問題があり、耐刷力を維持して、保存性を良好に保つことは困難であった。
特開平1−279903号公報 特開2002−357901号公報
本発明の目的は、特に発光波長が350nmから450nmの範囲にあるレーザー光での露光に適し、耐刷性に優れかつ保存性に優れる感光性平版印刷版材料および平版印刷版材料の製版方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の手段により達成される。
1.支持体上にアルカリ可溶性高分子、エチレン性不飽和結合を有する化合物、水素引き抜き型光重合開始剤を含有する感光層を有する感光性平版印刷版材料であって、該アルカリ可溶性高分子は下記一般式(1)で表される構造単位を有する共重合体であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
Figure 2009229499
[式中、Xは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を表し、Xの価数をmで表す。R1は水素原子またはメチル基を表す。R2は水素原子、または置換基を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、環を形成してもよい。但し、m−1>1の場合にR2は水素原子であることはない。nは1〜4の整数を表す。]
2.前記一般式(1)のR2が−CH(R3)(R4)であることを特徴とする1に記載の感光性平版印刷版材料。
[R3、R4はそれぞれ、水素または置換基を有してもよい炭素数が1〜17の炭化水素基を表し、R3とR4とが互いに結合して環を形成してもよい。但し、R3およびR4が共に水素原子であることはない。また、R3、R4の炭素数の合計は2〜17である。]
3.前記水素引き抜き型光重合開始剤がヘキサアリールビイミダゾール化合物であることを特徴とする1または2に記載の感光性平版印刷版材料。
4.前記感光層が、更に350〜450nmに吸収極大を有する増感色素を含有することを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料。
5.1〜4のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料を350〜450nmのレーザー光で画像露光したのちに、少なくとも無機のアルカリ剤、界面活性剤を含有し、アルカリ金属ケイ酸塩を含まない25℃におけるpHが、9.0〜12.0のアルカリ水溶液で現像処理することを特徴とする平版印刷版材料の製版方法。
本発明の上記構成により、特に発光波長が350nmから450nmの範囲にあるレーザー光での露光に適し、耐刷性に優れかつ保存性に優れる感光性平版印刷版材料および平版印刷版材料の製版方法が提供できる。
次に本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明は、支持体上にアルカリ可溶性高分子、エチレン性不飽和結合を有する化合物、水素引き抜き型光重合開始剤を含有する感光層を有する感光性平版印刷版材料であって、該アルカリ可溶性高分子は上記一般式(1)で表される構造単位を有する共重合体であることを特徴とする。
本発明では、特に上記一般式(1)で表される構造単位を有する共重合体と水素引き抜き型光重合開始剤を組み合わせ含有する感光層を用いることにより、発光波長が350nmから450nmの範囲にあるレーザー光での露光に適し、耐刷性に優れかつ保存性に優れる感光性平版印刷版材料および平版印刷版材料の製版方法が提供できる。
(アルカリ可溶性高分子)
本発明に係るアルカリ可溶性高分子は上記一般式(1)で表される構造単位を有する共重合体である。
一般式(1)中、Xは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を表し、Xの価数をmで表す。即ち、mはXが酸素原子または硫黄原子のとき2であり、窒素原子のときは3である。
1は水素原子またはメチル基を表す。R2は水素原子、または置換基を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、環を形成してもよい。但し、m−1>1の場合にR2は水素原子であることはない。nは1〜4の整数を表す。
2としては、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基などが挙げられる。またR2としては、−CH(R3)(R4)も好ましい態様として挙げられる。
3、R4はそれぞれ、水素または置換基を有してもよい炭素数が1〜17の炭化水素基を表し、R3とR4とが互いに結合して環を形成してもよい。但し、R3およびR4が共に水素原子であることはない。また、R3、R4の炭素数の合計は2〜17である。
下記表に、X、R1、R2、R3、R4、nの例、および本発明に係る構成単位の例を挙げる。
Figure 2009229499
尚、表中、Comp−1〜46は、一般式(1)で表される構造単位を与える、モノマーを表す。
本発明の上記構成単位を有する共重合体を得るには、上記構成単位を与えるエチレン性不飽和化合物と他のモノマーとを共重合させればよい。
他のモノマーとしては、好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステル、カルボキシル基含有モノマーが挙げられる。
共重合体中における上記構成単位の割合は、5〜50質量%であることが好ましい。
カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、α,β−不飽和カルボン酸類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。その他、フタル酸と2−ヒドロキシメタクリレートのハーフエステル等のカルボン酸も好ましい。
メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル等の無置換アルキルエステルの他、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル等の環状アルキルエステルや、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等の置換アルキルエステルも挙げられる。
更に、アルカリ可溶性高分子には、他の共重合モノマーとして、下記1)〜14)に記載のモノマー等を用いることが出来る。
1)芳香族水酸基を有するモノマー、例えばo−(またはp−,m−)ヒドロキシスチレン、o−(またはp−,m−)ヒドロキシフェニルアクリレート等。
2)脂肪族水酸基を有するモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、ヒドロキシエチルビニルエーテル等。
3)アミノスルホニル基を有するモノマー、例えばm−(またはp−)アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−(またはp−)アミノスルホニルフェニルアクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等。
4)スルホンアミド基を有するモノマー、例えばN−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド等。
5)アクリルアミドまたはメタクリルアミド類、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ニトロフェニル)アクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド等。
6)弗化アルキル基を含有するモノマー、例えばトリフルオロエチルアクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、N−ブチル−N−(2−アクリロキシエチル)ヘプタデカフルオロオクチルスルホンアミド等。
7)ビニルエーテル類、例えば、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等。
8)ビニルエステル類、例えばビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等。
9)スチレン類、例えばスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等。
10)ビニルケトン類、例えばメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等。
11)オレフィン類、例えばエチレン、プロピレン、i−ブチレン、ブタジエン、イソプレン等。
12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジン等。
13)シアノ基を有するモノマー、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテンニトリル、2−シアノエチルアクリレート、o−(またはm−,p−)シアノスチレン等。
14)アミノ基を有するモノマー、例えばN,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリブタジエンウレタンアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−i−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等。
更にこれらのモノマーと共重合し得る他のモノマーを共重合してもよい。
上記ビニル系重合体は、通常の溶液重合により製造することができる。また、塊状重合または懸濁重合等によっても製造することができる。重合開始剤としては、特に限定されないが、アゾビス系のラジカル発生剤が挙げられ、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等が挙げられる。また、これらの重合開始剤の使用量は、共重合体を形成するのに使用されるモノマー全体100質量部に対し、通常0.05〜10.0質量部(好ましくは0.1〜5質量部)である。また、溶液重合を行う際に使用される溶媒としては、ケトン系、エステル系、芳香族系の有機溶媒が挙げられ、なかでもトルエン、酢酸エチル、ベンゼン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン等の一般にアクリル系ポリマーの良溶媒が挙げられ、なかでも沸点60〜120℃の溶媒が好ましい。溶液重合の場合、上記溶媒を使用し、反応温度として通常40〜120℃(好ましくは60〜110℃)、反応時間として通常3〜10時間(好ましくは5〜8時間)の条件で行うことができる。反応終了後、溶媒を除去して共重合体を得る。
得られる共重合体の分子量は、使用される溶媒および反応温度を調整することによって調節することができる。目的とする分子量の共重合体を得るために使用される溶媒および反応温度等は、使用されるモノマーによって適宜決定することができる。
本発明に係るアルカリ可溶性高分子とは、25℃において、pH11を有する水酸化カリウム水溶液に0.1g/L以上溶解する樹脂である。
アルカリ可溶性高分子の酸価は20〜200mgKOH/gの範囲が好ましく、40〜130mgKOH/gが特に好ましい。
酸価とは、中和価試験方法(JIS K2501)に従って測定を行い、アルカリ可溶性高分子中に含まれる酸性物質量に相当する水酸化カリウムのmg数で表したものを言う。
感光層中におけるアルカリ可溶性高分子の含有量は、10〜90質量%の範囲が好ましく、15〜70質量%の範囲が更に好ましく、20〜50質量%の範囲で使用することが感度の面から特に好ましい。
本発明に係るアルカリ可溶性高分子の分子量は、重量平均分子量で10000〜150000が好ましく、特に25000〜60000が好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性高分子の具体例としては、下記表に記載の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2009229499
Figure 2009229499
Figure 2009229499
Figure 2009229499
アルカリ可溶性高分子の合成は、共重合成分および重合開始剤を用い、例えば下記のように行うことができる。
Binder−1の合成
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタクリル酸18部、メタクリル酸メチル62部、Comp−1、20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400部及びα、α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの沸点で1時間還流を行いBinder−1を得た。GPCを用いて測定した重量平均分子量は約45,000、酸価115mgKOH/g。(固形分20%溶液)
Binder−2〜60はBinder−1と同様の方法で表に記載の質量部を添加して、合成した。
(水素引き抜き型光重合開始剤)
本発明に係る水素引き抜き型光重合開始剤は、画像露光により、エチレン性不飽和結合を含有化する合物(モノマー)の重合を開始し得るものであり、光照射(画像露光)によりモノマーの水素を引き抜き、ラジカルを発生し得る化合物である。
水素引き抜き型光重合開始剤としては、ビイミダゾール化合物、芳香族カルボニル化合物が挙げられるが、特にビイミダゾール化合物が好ましく用いられる。
ビイミダゾール化合物は、ビイミダゾールの誘導体であり、例えば特開2003−295426号公報に記載される化合物等が挙げられる。
本発明においては、ビイミダゾール化合物として、ヘキサアリールビイミダゾール(HABI、トリアリール−イミダゾールの二量体)化合物を好ましく用いることができる。
HABI類の製造工程はDE1,470,154に記載されておりそして光重合可能な組成物中でのそれらの使用はEP24,629、EP107,792、US4,410,621、EP215,453およびDE3,211,312に記述されている。
好ましい誘導体は例えば、2,4,5,2′,4′,5′−ヘキサフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラキス(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)−ビイミダゾール、2,5,2′,5′−テトラキス(2−クロロフェニル)−4,4′−ビス(3,4−ジメトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,6−ジクロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ニトロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ジ−o−トリル−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−エトキシフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾールおよび2,2′−ビス(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビイミダゾールである。
芳香族カルボニル化合物の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMERSCIENCE AND TECHN OLOGY」J.P.FOUASSIER J.F.RABEK(1993)、p77〜117記載のベンゾフェノン骨格或いはチオキサントン骨格を有する化合物が挙げられる。
より好ましい、芳香族カルボニル類の例としては、特公昭47−6416記載のα−チオ ベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−23664号記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号記載のジアルコキシベンゾフェノンが挙げられる。
光重合開始剤としては、ビイミダゾール化合物以外に、他の重合開始剤を含んでもよい。
これらの重合開始剤としては、例えばチタノセン化合物、モノアルキルトリアリールボレート化合物、鉄アレーン錯体化合物、ポリハロゲン化合物などが挙げられる。
チタノセン化合物としては、特開昭63−41483、特開平2−291に記載される化合物等が挙げられるが、更に好ましい具体例としては、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ジ−クロライド、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−フェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,4−ジフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル(IRUGACURE727L:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウム(IRUGACURE784:チバスペシャリティーケミカルズ社製)、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル)チタニウムビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,4,6−トリフルオロ−3−(2−5−ジメチルピリ−1−イル)フェニル)チタニウム等が挙げられる。
モノアルキルトリアリールボレート化合物としては、特開昭62−150242、特開昭62−143044に記載される化合物等挙げられるが、更に好ましい具体例としては、テトラ−n−ブチルアンモニウム・n−ブチルートリナフタレン−1−イル−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム・n−ブチルートリフェニル−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム・n−ブチルートリ−(4−tert−ブチルフェニル)−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム・n−ヘキシルートリ−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−ボレート、テトラ−n−ブチルアンモニウム・n−ヘキシルートリ−(3−フルオロフェニル)−ボレート等が挙げられる。
鉄アレーン錯体化合物としては、特開昭59−219307に記載される化合物等挙げられるが、更に好ましい具体例としては、η−ベンゼン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−クメン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−フルオレン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−ナフタレン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−キシレン−(η−シクロペンタジエニル)鉄ヘキサフルオロホスフェート、η−ベンゼン−(η−シクロペンタジエニル)鉄テトラフルオロボレート等が挙げられる。
ポリハロゲン化合物としては、トリハロゲンメチル基、ジハロゲンメチル基又はジハロゲンメチレン基を有する化合物が好ましく用いられ、特に下記一般式(11)で表されるハロゲン化合物及び上記基がオキサジアゾール環に置換した化合物が好ましく用いられる。
この中でもさらに、下記一般式(12)で表されるハロゲン化合物が特に好ましく用いられる。
一般式(11) R1−C(Y)2−(C=O)−R2
式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、イミノスルホニル基またはシアノ基を表す。R2は一価の置換基を表す。R1とR2が結合して環を形成してもかまわない。Yはハロゲン原子を表す。
一般式(12) C(Y)2−(C=O)−X−R3
式中、R3は、一価の置換基を表す。Xは、−O−、−NR4−を表す。R4は、水素原子、アルキル基を表す。R3とR4が結合して環を形成してもかまわない。Yはハロゲン原子を表す。これらの中でも特にポリハロゲンアセチルアミド基を有するものが好ましく用いられる。
又、ポリハロゲンメチル基がオキサジアゾール環に置換した化合物も好ましく用いられる。さらに、特開平5−34904号公報、同8−240909号公報に記載のオキサジアゾール化合物も好ましく用いられる。
その他に任意の重合開始剤の併用が可能である。例えばJ.コーサー(J.Kosar)著「ライト・センシテイブ・システムズ」第5章に記載されるようなカルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ並びにジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられる。更に具体的な化合物は英国特許1,459,563号に開示されている。
即ち、併用が可能な重合開始剤としては、次のようなものを使用することができる。
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン−i−プロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等のベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−i−プロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン等のアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン等のアクリドン誘導体;α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物の他、特公昭59−1281号、同61−9621号ならびに特開昭60−60104号記載のトリアジン誘導体;特開昭59−1504号、同61−243807号記載の有機過酸化物;特公昭43−23684号、同44−6413号、同44−6413号、同47−1604号ならびに米国特許3,567,453号記載のジアゾニウム化合物;米国特許2,848,328号、同2,852,379号ならびに同2,940,853号記載の有機アジド化合物;特公昭36−22062b号、同37−13109号、同38−18015号ならびに同45−9610号記載のo−キノンジアジド類;特公昭55−39162号、特開昭59−14023号ならびに「マクロモレキュルス(Macromolecules)」10巻,1307頁(1977年)記載の各種オニウム化合物;特開昭59−142205号記載のアゾ化合物;特開平1−54440号、ヨーロッパ特許109,851号、同126,712号ならびに「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス(J.Imag.Sci.)」30巻,174頁(1986年)記載の金属アレン錯体;特願平4−56831号及び同4−89535号記載の(オキソ)スルホニウム有機硼素錯体;「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordination Chemistry Review)」84巻,85〜277頁(1988年)ならびに特開平2−182701号記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体;特開平3−209477号記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;四臭化炭素、特開昭59−107344号記載の有機ハロゲン化合物、等。
本発明に係る水素引き抜き型光重合開始剤の含有量(重合開始剤の総量)は重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物に対して、0.1質量%〜20質量%が好ましく0.5質量%〜15質量%が特に好ましい。
また前記アルカリ可溶性高分子と本発明に係る光重合開始剤との含有量の比(アルカリ可溶性高分子/光重合開始剤(質量比))は、4〜25が好ましく特に6〜15が好ましい。
また感光層に対する含有量としては、1質量%〜10質量%が好ましく、特に2質量%〜6質量%が好ましい。
(エチレン性不飽和結合を有する化合物)
本発明のエチレン性不飽和結合を有する化合物は、画像露光された感光層中の光重合開始剤により重合し得るエチレン性二重結合を有する化合物である。
本発明においては、エチレン性不飽和結合を有する化合物として、特に下記(C1)〜(C3)の化合物の反応生成物が好ましく用いられる。
(C1)分子内に少なくとも1個のエチレン性二重結合と、1個のヒドロキシル基を含有する化合物
(C2)ジイソシアネート化合物
(C3)分子内に三級アミンの構造を有するジオール化合物、または分子内に二級アミン構造とヒドロキシル基を一個ずつ有する化合物
上記C1としては、例えば2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートが挙げられる。
上記C2としては、1,3−ビス(1−イソシアナート−1−メチルエチル)ベンゼン(2モル)、1,3−ジイソシアナートベンゼン、1,3−ジイソシアナート−4−メチルベンゼン、1,3−ジ(イソシアナートメチル)ベンゼン、
上記C3としては、例えば、N−n−ブチルジエタノ−ルアミン、N−メチルジエタノ−ルアミン、1,4−ジ(2−ジヒドロキシエチル)、N−エチルジエタノ−ルアミンなどが挙げられる。
エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、一般的なラジカル重合性のモノマー類、紫外線硬化樹脂に一般的に用いられる分子内に付加重合可能なエチレン性二重結合を複数有する多官能モノマー類や、多官能オリゴマー類をさらに併用して用いることができる。
これらの化合物に限定は無いが、好ましいものとして、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシヘキサノリドアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングルコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのジアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートのジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物のジアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−ヒドロキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレート、トリシクロデカンジメチロールアクリレートのε−カプロラクトン付加物、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ヒドロキシピバリルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル酸、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロトネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
また、プレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーとしては、後述する様な化合物等を挙げることができ、また、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸、又はメタクリル酸を導入し、光重合性を付与したプレポリマーも好適に使用できる。これらプレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよいし、上述のモノマー及び/又はオリゴマーと混合して用いてもよい。
プレポリマーとしては、例えばアジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、ハイミック酸、マロン酸、こはく酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、グルタール酸、ピメリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の多価のアルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸のようにエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例えば、エチレングリコール・アジピン酸・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート・キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類、スピラン樹脂アクリレート類等のプレポリマーが挙げられる。
本発明に係る感光層には、ホスファゼンモノマー、トリエチレングリコール、イソシアヌール酸EO(エチレンオキシド)変性ジアクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパンアクリル酸安息香酸エステル、アルキレングリコールタイプアクリル酸変性、ウレタン変性アクリレート等の単量体及び該単量体から形成される構成単位を有する付加重合性のオリゴマーおよびプレポリマーを含有することができる。
更に、本発明に併用可能なエチレン性単量体として、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有するリン酸エステル化合物が挙げられる。該化合物は、リン酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であり、しかも、(メタ)アクリロイル基を有する限り特に限定はされない。
その他に、特開昭58−212994号公報、同61−6649号公報、同62−46688号公報、同62−48589号公報、同62−173295号公報、同62−187092号公報、同63−67189号公報、特開平1−244891号公報等に記載の化合物などを挙げることができ、更に「11290の化学商品」化学工業日報社、p.286〜p.294に記載の化合物、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」高分子刊行会、p.11〜65に記載の化合物なども本発明においては好適に用いることができる。これらの中で、分子内に2以上のアクリル基又はメタクリル基を有する化合物が本発明においては好ましく、更に分子量が10,000以下、より好ましくは5,000以下のものが好ましい。
この他にも、特開平1−105238号公報、特開平2−127404号公報に記載の、アクリレート又はアルキルアクリレートを用いることが出来る。
本発明に係る(B)重合可能な、エチレン性二重結合含有化合物の感光層中における含有量は、感光層に対して、0.5質量%〜15.0質量%が好ましく、特に1.0〜8.0質量%が好ましい。
(連鎖移動剤)
本発明に係る感光層は、連鎖移動剤を含有することが、感度、感動変動防止の面から好ましい。
連鎖移動剤としてはメルカプト化合物が好ましく、例えば、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−4−メチル−5−アセチルチアゾール、2−メルカプト−4−メチルチアゾール、1−メチル−2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−4,5−ジメチルチアゾール、2−メルカプト−5−アセチルチアゾール、1−メチル−2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−メチル−2−メルカプト−4−メチル−5−アセチルイミダゾール、2−メルカプトオキサゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプト−2−イミダゾリンが挙げられる。
連鎖移動剤の含有量としては、感光層に対して、0.01〜5質量%が好ましく、特に0.2〜2.0質量%が好ましい。
(増感色素)
本発明に係る感光層は、増感色素を含有することが好ましく、増感色素として、350〜450nmの波長範囲に吸収極大を有する増感色素が好ましく用いられる。
350〜450nmの波長範囲に吸収極大を有する増感色素としては、構造上特に制約は無いが、シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、クマリン誘導体、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、スチルベン類、ジスチリルベンゼン類、ジスチリルビフェニル類、ジビニルスチルベン類、トリアジニルアミノスチルベン類、スチルベニルトリアゾール類、スチルベニルナフトトリアゾール類、ビス−トリアゾールスチルベン類、ベンゾキサゾール類、ビスフェニルベンゾキサゾール類、スチルベニルベンゾキサゾール類、ビス−ベンゾキサゾール類、フラン類、ベンゾフラン類、ビス−ベンズイミダゾール類、ジフェニルピラゾリン類、ジフェニルオキサジアゾール類、ナフタルイミド類、キサンテン類、カルボスチリル類、ピレン類および1,3,5−トリアジニル−誘導体、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等、ケトアルコールボレート錯体等の色素群は、吸収極大がその要件を充たす限り、いずれも使用可能である。
具体的には、特開2002−296764号、特開2002−268239号、特開2002−268238号、特開2002−268204号、特開2002−221790号、特開2002−202598号、特開2001−042524号、特開2000−309724号、特開2000−258910号、特開2000−206690号、特開2000−147763号、特開2000−098605号、特開2003−295426号各公報等に記載のある色素を用いることが出来るが、これに限定されない。クマリン誘導体およびジスチリルベンゼン類が特に好ましい。
(各種添加剤)
本発明に係る感光層には、上記した成分の他に、感光性平版印刷版材料の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性二重結合単量体の不要な重合を阻止するために、重合防止剤を添加することが望ましい。
適当な重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
重合防止剤の添加量は、感光層の全固形分の質量に対して、約0.01%〜約5%が好ましい。また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加したり、塗布後の乾燥の過程で感光性層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、全組成物の約0.5%〜約10%が好ましい。
また、着色剤も使用することができ、着色剤としては、市販のものを含め従来公知のものが好適に使用できる。例えば、改訂新版「顔料便覧」,日本顔料技術協会編(誠文堂新光社)、カラーインデックス便覧等に述べられているものが挙げられる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、赤色顔料、褐色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。具体的には、無機顔料(二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、プルシアンブルー、硫化カドミウム、酸化鉄、ならびに鉛、亜鉛、バリウムおよびカルシウムのクロム酸塩等)及び有機顔料(アゾ系、チオインジゴ系、アントラキノン系、アントアンスロン系、トリフェンジオキサジン系の顔料、バット染料顔料、フタロシアニン顔料及びその誘導体、キナクリドン顔料等)が挙げられる。
これらの中でも、使用する露光レーザーに対応した分光増感色素の吸収波長域に実質的に吸収を持たない顔料を選択して使用することが好ましく、この場合、使用するレーザー波長での積分球を用いた顔料の反射吸収が0.05以下であることが好ましい。又、顔料の添加量としては、上記組成物の固形分に対し0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜5質量%である。
上記の感光波長領域での顔料吸収および現像後の可視画性の観点から、紫色顔料、青色顔料を用いるのが好ましい。このようなものとしては、例えばコバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、フォナトーンブルー6G、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーフアーストスカイブルー、インダンスレンブルー、インジコ、ジオキサンバイオレット、イソビオランスロンバイオレット、インダンスロンブルー、インダンスロンBC等を挙げることができる。これらの中で、より好ましくはフタロシアニンブルー、ジオキサンバイオレットである。
また、感光層は、本発明の性能を損なわない範囲で、界面活性剤を塗布性改良剤として含有することが出来る。その中でも好ましいのはフッ素系界面活性剤である。
また、硬化皮膜の物性を改良するために、無機充填剤やジオクチルフタレート、ジメチルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤等の添加剤を加えてもよい。これらの添加量は全固形分の10%以下が好ましい。
また、本発明に係る感光層の感光層塗布液を調製する際に使用する溶剤としては、例えば、アルコール:多価アルコールの誘導体類では、sec−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、又エーテル類:プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、又ケトン類、アルデヒド類:ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、又エステル類:乳酸エチル、乳酸ブチル、シュウ酸ジエチル、安息香酸メチル等が好ましく挙げられる。
以上感光層塗布液について説明したが、本発明に係わる感光層は、これを用いて支持体上に塗設することにより構成される。
本発明に係る感光層は支持体上の付き量としては、0.1g/m2〜10g/m2が好ましく特に0.5g/m2〜5g/m2が好ましい。
(保護層(酸素遮断層))
本発明に係る感光層の上側には、必要に応じ保護層を設けることが出来る。
この保護層(酸素遮断層)は、後述の現像液(一般にはアルカリ水溶液)への溶解性が高いことが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンを挙げることができる。ポリビニルアルコールは酸素の透過を抑制する効果を有し、また、ポリビニルピロリドンは隣接する感光層との接着性を確保する効果を有する。
上記2種のポリマーの他に、必要に応じ、ポリサッカライド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、膠、カゼイン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチル澱粉、アラビアゴム、サクローズオクタアセテート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアミン、ポリエチレンオキシド、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、水溶性ポリアミド等の水溶性ポリマーを併用することもできる。
本発明の感光性平版印刷版に保護層を設ける場合、感光層と保護層間の剥離力が35mN/mm以上であることが好ましく、より好ましくは50mN/mm以上、更に好ましくは75mN/mm以上である。好ましい保護層の組成としては特願平8−161645号に記載されるものが挙げられる。
本発明における剥離力は、保護層上に十分大きい粘着力を有する所定幅の粘着テープを貼り、それを感光性平版印刷版材料の平面に対して90度の角度で保護層と共に剥離する時の力を測定することにより求めることができる。
保護層には、更に必要に応じて界面活性剤、マット剤等を含有することができる。上記保護層組成物を適当な溶剤に溶解し感光層上に塗布・乾燥して保護層を形成する。塗布溶剤の主成分は水、あるいはメタノール、エタノール、i−プロパノール等のアルコール類であることが特に好ましい。
保護層を設ける場合その厚みは0.1〜5.0μmが好ましく、特に好ましくは0.5〜3.0μmである。
(支持体)
本発明に係る支持体は感光層を担持可能な板状体またはフィルム体であり、感光層が設けられる側に親水性表面を有するのが好ましい。
本発明に係る支持体として、例えばアルミニウム、ステンレス、クロム、ニッケル等の金属板、また、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムに前述の金属薄膜をラミネートまたは蒸着したもの等が挙げられる。
また、ポリエステルフィルム、塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム等の表面に親水化処理を施したもの等が使用できるが、アルミニウム支持体が好ましく使用される。
アルミニウム支持体の場合、純アルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられる。
支持体のアルミニウム合金としては、種々のものが使用でき、例えば、珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。又アルミニウム支持体は、保水性付与のため、表面を粗面化したものが用いられる。
アルミニウム支持体を用いる場合、粗面化(砂目立て処理)するに先立って表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。又、脱脂処理には、苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。粗面化の方法としては、例えば、機械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられる。
用いられる機械的粗面化法は特に限定されるものではないが、ブラシ研磨法、ホーニング研磨法が好ましい。
電気化学的粗面化法も特に限定されるものではないが、酸性電解液中で電気化学的に粗面化を行う方法が好ましい。
上記の電気化学的粗面化法で粗面化した後、表面のアルミニウム屑等を取り除くため、酸又はアルカリの水溶液に浸漬することが好ましい。酸としては、例えば、硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が用いられ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。
表面のアルミニウムの溶解量としては、0.5〜5g/m2が好ましい。又、アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
機械的粗面化処理法、電気化学的粗面化法はそれぞれ単独で用いて粗面化してもよいし、又、機械的粗面化処理法に次いで電気化学的粗面化法を行って粗面化してもよい。
粗面化処理の次には、陽極酸化処理を行うことができる。本発明において用いることができる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行うことにより、支持体上には酸化皮膜が形成される。
陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
更に、これらの処理を行った後に、水溶性の樹脂、例えばポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を側鎖に有する重合体および共重合体、ポリアクリル酸、水溶性金属塩(例えばホウ酸亜鉛)もしくは、黄色染料、アミン塩等を下塗りしたものも好適である。更に、特開平5−304358号公報に開示されているようなラジカルによって付加反応を起し得る官能基を共有結合させたゾル−ゲル処理基板も好適に用いられる。
(塗布)
上記の感光層塗布液を従来公知の方法で支持体上に塗布し、乾燥し、感光性平版印刷版材料を作製することが出来る。
塗布液の塗布方法としては、例えばエアドクタコータ法、ブレードコータ法、ワイヤバー法、ナイフコータ法、ディップコータ法、リバースロールコータ法、グラビヤコータ法、キャストコーティング法、カーテンコータ法及び押し出しコータ法等を挙げることが出来る。
感光層の乾燥温度は60〜160℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜140℃、特に好ましくは、90〜120℃の範囲で乾燥することが好ましい。
(画像露光)
本発明の感光性平版印刷版材料に画像記録する光源としては、発光波長が350〜450nmのレーザー光の使用が好ましい。
本発明の感光性平版印刷版を露光する光源としては、例えば、He−Cdレーザー(441nm)、固体レーザーとしてCr:LiSAFとSHG結晶の組合わせ(430nm)、半導体レーザー系として、KNbO3、リング共振器(430nm)、AlGaInN(350nm〜450nm)、AlGaInN半導体レーザー(市販InGaN系半導体レーザー400〜410nm)等を挙げることができる。
レーザー露光の場合には、光をビーム状に絞り画像データに応じた走査露光が可能なので、マスク材料を使用せず、直接書込みを行うのに適している。
又、レーザーを光源として用いる場合には、露光面積を微小サイズに絞ることが容易であり、高解像度の画像形成が可能となる。
レーザーの走査方法としては、円筒外面走査、円筒内面走査、平面走査などがある。円筒外面走査では、記録材料を外面に巻き付けたドラムを回転させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査としレーザー光の移動を副走査とする。円筒内面走査では、ドラムの内面に記録材料を固定し、レーザービームを内側から照射し、光学系の一部または全部を回転させることにより円周方向に主走査を行い、光学系の一部または全部をドラムの軸に平行に直線移動させることにより軸方向に副走査を行う。平面走査では、ポリゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を組み合わせてレーザー光の主走査を行い、記録媒体の移動により副走査を行う。円筒外面走査および円筒内面走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記録には適している。
尚、本発明においては、10mJ/cm2以上の版面エネルギー(版材上でのエネルギー)で画像露光されることが好ましく、その上限は500mJ/cm2である。より好ましくは10〜300mJ/cm2である。このエネルギー測定には例えばOphirOptronics社製のレーザーパワーメーターPDGDO−3Wを用いることができる。
(現像液)
画像露光した感光層は露光部が硬化する。これを現像液で現像処理することにより、未露光部を除去して画像形成することが好ましい。
この様な現像液としては、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。本発明においては、25℃におけるpHが、9.0〜12.0のアルカリ水溶液が好ましく用いられ、特に珪酸塩を含まず25℃におけるpHが、9.0〜12.0のアルカリ水溶液が好ましく用いられる。
この現像液に用いられるアルカリ剤としては、例えば第二燐酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;重炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;ホウ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム;水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム及び同リチウム等の無機アルカリ剤を使用するアルカリ現像液が挙げられる。
また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−i−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、トリ−i−プロピルアミン、ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノ−i−プロパノールアミン、ジ−i−プロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アルカリ剤も用いることができる。
これらのアルカリ剤は、単独又は2種以上組合せて用いられる。また、この現像液には、必要に応じてアニオン性界面活性剤、両性活性剤やアルコール等の有機溶媒を加えることができる。
アルカリ性現像液は、顆粒状、錠剤等の現像液濃縮物から調製することもできる。
現像液濃縮物は、一旦、現像液にしてから蒸発乾固してもよいが、好ましくは複数の素材を混ぜ合わせる際に水を加えず、又は少量の水を加える方法で素材を混ぜ合わせることで濃縮状態とする方法が好ましい。又、この現像液濃縮物は、特開昭51−61837号、特開平2−109042号、同2−109043号、同3−39735号、同5−142786号、同6−266062号、同7−13341号等に記載される従来よく知られた方法にて、顆粒状、錠剤とすることができる。又、現像液の濃縮物は、素材種や素材配合比等の異なる複数のパートに分けてもよい。
アルカリ性現像液およびその補充液には、更に必要に応じて防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡剤および硬水軟化剤などを含有させることもできる。
(自動現像機)
感光性平版印刷版材料の現像には自動現像機を用いるのが有利である。自動現像機は、現像工程の前に前処理液に版を浸漬させる前処理部を有してもよい。この前処理部は、版面に前処理液をスプレーする機構が付与されており、前処理液の温度を25〜55℃の任意の温度に制御する機構が付与されており、版面をローラー状のブラシにより擦る機構が付与されていることが好ましい。この前処理液としては、水などが用いられる。
(後処理)
アルカリ性現像液で現像処理された平版印刷版材料は、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。これらの処理を種々組み合わせて用いることができ、例えば現像→水洗→界面活性剤を含有するリンス液処理や現像→水洗→フィニッシャー液による処理が、リンス液やフィニッシャー液の疲労が少なく好ましい。更にリンス液やフィニッシャー液を用いた向流多段処理も好ましい態様である。
これらの後処理は、一般に現像部と後処理部とから成る自動現像機を用いて行われる。後処理液は、スプレーノズルから吹き付ける方法、処理液が満たされた処理槽中を浸漬搬送する方法が用いられる。又、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗し、その廃液を現像液原液の希釈水として再利用する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することができる。又、実質的に未使用の後処理液で処理する、いわゆる使い捨て処理方式も適用できる。このような処理によって得られた平版印刷版は、オフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、実施例における「部」は、特に断りない限り「質量部」を表す。
(Binder−1の合成)
窒素気流下の三ツ口フラスコに、メタクリル酸18部、メタクリル酸メチル62部、Comp−1(上記)20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400部及びα、α′−アゾビスイソブチロニトリル3部を入れ、窒素気流中80℃のオイルバスで6時間反応させた。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの沸点で1時間還流を行いBinder−1を合成し、Binder−1の固形分20質量%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(Binder−1溶液)を得た。
GPCを用いて測定した重量平均分子量は約45,000であり、酸価115mgKOH/gであった。
Binder−2〜60はBinder−1と同様の方法で前記表2〜5に記載の質量部を添加してBinder−2〜60合成し、Binder−2〜60溶液を得た。
(エチレン性不飽和結合を有する化合物の合成)
攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた2リットルの四つ口セパラブルフラスコに、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート431g、ヘキサメチレンジイソシアナート168g(1.0モル)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート182g(1.4モル)を加えて、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.2gを入れ、40〜50℃でジラウリン酸ジ−nブチルスズ0.3gを加えて30分間反応させた。更に2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン38.8g(0.3モル)を加えて3時間反応し、エチレン性不飽和結合を有する単量体(下記モノマー)の50質量%プロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶液(モノマー溶液1)を得た。
モノマー
Figure 2009229499
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質1050,調質H16)を65℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。この脱脂アルミニウム板を、25℃に保たれた10%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。
次いで、このアルミニウム板を、0.3質量%の塩酸水溶液中で、28℃、電流密度100A/dm2の条件下に交流電流により表1記載の時間、電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間のデスマット処理を行った。
デスマット処理を行った粗面化アルミニウム板を、15%硫酸溶液中で、25℃、電流密度10A/dm2、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い、更に3%ポリビニルホスホン酸溶液、75℃で親水化処理を行って支持体を作製した。中心線平均粗さ(Ra)は0.65μmの支持体を得た。
(感光性平版印刷版材料1の作製)
上記支持体上に、下記組成の感光層塗工液を乾燥時1.6g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、95℃で1.5分間乾燥し、続いて酸素遮断層塗工液を乾燥時2.0g/m2になるようワイヤーバーで塗布し、75℃で1.5分間乾燥し感光性平版印刷版材料1を得た。
(感光層塗工液)
エチレン性不飽和結合を有する化合物(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)
10部
前記モノマー溶液1 82.8部
アルカリ可溶性高分子(前記Binder−2溶液) 160部
重合開始剤(2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニルビスイミダゾール) 4部
連鎖移動剤(下記化合物) 1.2部
可視画剤(MHI#454(固形分35%のメチルエチルケトン分散液):三国色素(株)社製) 15.43部
増感色素(下記増感色素−1) 6部
溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル) 720.57部
(酸素遮断層塗工液)
ポリビニルアルコール(Mowiol 4−98:クラレヨーロッパ社製)
40.0部
ポリビニルアルコール(Mowiol 4−88:クラレヨーロッパ社製)
40.0部
ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビテックVA64W:BASF製)
20.0部
サーフィノール465(エアープロダクツ社製) 0.2部
水 900部
Figure 2009229499
Figure 2009229499
(画像形成)
作製した感光性平版印刷版材料は、405±5nm、60mWのレーザーを備えた光源を備えたプレートセッター(MAKO4:ECRM社製)を用いて、画像部、非画像部の面積比率が、1:9になるように露光エネルギー:35μJ/cm2、2400dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)/175lpiの解像度で画像露光(露光パターンは、100%画像部と、175LPI、50%、5、4、3、2、1%のスクエアードットを使用した)を行った。
次いで、版面温度が100℃になるように加熱するプレヒート部、現像前に酸素遮断層を除去するプレ水洗部、下記組成の現像液を充填した現像部、版面に付着した現像液を取り除く水洗部、画線部保護のためのガム液(GW−3:三菱化学社製を2倍希釈したもの)を備えたCTP自動現像機(Raptor85P:GLUNZ&JENSEN社製)で70ml/m2となるように補充液の補充を行い現像処理し、平版印刷版を得た。実際の製版時の版面温度は95〜105℃であった。感光性平版印刷版が現像液に接触している時間を現像時間とし、上記自動現像機を用いた現像時間は18秒であった。
下記組成の現像液および補充液を調整した。
現像液(1000ml水溶液処方)
ニューコールB−13SN:日本乳化剤(株)製 4.2質量%
キレート剤(Dissolvine NA2−S アクゾノベル社製)0.5質量%
水酸化カリウム 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH:11.9
現像補充液(1000ml水溶液処方)
ニューコールB−13SN:日本乳化剤(株)製 4.2質量%
キレート剤(Dissolvine NA2−S アクゾノベル社製)0.5質量%
水酸化カリウム 下記pHとなる添加量
残余の成分は水
pH:12.9
《耐刷力評価》
作製した平版印刷版を、印刷機(三菱重工業(株)製DAIYA1F−1)で、コート紙、印刷インキ(東洋インク(株)製トーヨーキングハイエコーM紅)及び湿し水(東京インク(株)製H液SG−51濃度1.5%)を用いて印刷を行い、1000枚連続印刷後、クリーナーで版面を拭き、ハイライト部の点細りが発生するまでの印刷枚数を耐刷力の指標とした。耐刷性1回は1000枚連続印刷後クリーナーで拭く作業を指す。拭く回数が多いほど好ましく、クリーナーはウルトラプレートクリーナー(発売元:大日精化)を使用した。
《保存性の評価》
長期保存性の加速試験として、得られた感光性平版印刷版材料を遮光防湿紙で包装し、40℃環境下に3日、7日静置保管し、上記と同様の製版処理を行い、ドットメーター(iCPlateII(X−rite社製))で、50%網点の網点面積率(%)を測定し、保存による網点面積率(%)の変化量(Δドット%)を求めこの変化量を、長期保存性良好と判断した。変化量が少ないほど保存性が良好である。
《バーニング後の耐刷力評価》
現像処理して得られた平版印刷版を、150℃のオーブンで60秒加熱してバーニング処理を行った。作製した平版印刷版を、印刷機(三菱重工業(株)製DAIYA1F−1)で、コート紙、UVインキ(東洋インキ(株)製 FD カルトン ACE 紅)及び湿し水(東京インク(株)製H液SG−51濃度1.5%)を用いて印刷を行い、ハイライト部の点細りが発生する印刷枚数を耐刷力の指標とした。
感光性平版印刷版材料2〜42の作製および評価
感光層塗工液1の組成を下記表6〜9の通りに調整し、感光性平版印刷版材料1と同様の方法で感光性平版印刷版材料2〜43を作製した。作製した感光性平版印刷版材料について、上記と同様の評価を行った。結果を表6〜11に示す。
尚、比較例の感光性平版印刷版材料の作製に用いたアルカリ可溶性高分子の組成を表12に示したが、合成はBinder−1の合成と同様に行った。
Figure 2009229499
Figure 2009229499
Figure 2009229499
Figure 2009229499
Figure 2009229499
Figure 2009229499
Figure 2009229499
表6〜12から、本発明の特定構造単位を有するアルカリ可溶性高分子を用いた感光性平版印刷版材料は、耐刷力、保存安定性に優れ、更に、バーニングによる耐刷力の向上効果を有することが分かる。

Claims (5)

  1. 支持体上にアルカリ可溶性高分子、エチレン性不飽和結合を有する化合物、水素引き抜き型光重合開始剤を含有する感光層を有する感光性平版印刷版材料であって、該アルカリ可溶性高分子は下記一般式(1)で表される構造単位を有する共重合体であることを特徴とする感光性平版印刷版材料。
    Figure 2009229499
    [式中、Xは酸素原子、硫黄原子または窒素原子を表し、Xの価数をmで表す。R1は水素原子またはメチル基を表す。R2は水素原子、または置換基を有してもよい炭素数1〜18の炭化水素基を表し、環を形成してもよい。但し、m−1>1の場合にR2は水素原子であることはない。nは1〜4の整数を表す。]
  2. 前記一般式(1)のR2が−CH(R3)(R4)であることを特徴とする請求項1に記載の感光性平版印刷版材料。
    [R3、R4はそれぞれ、水素または置換基を有してもよい炭素数が1〜17の炭化水素基を表し、R3とR4とが互いに結合して環を形成してもよい。但し、R3およびR4が共に水素原子であることはない。また、R3、R4の炭素数の合計は2〜17である。]
  3. 前記水素引き抜き型光重合開始剤がヘキサアリールビイミダゾール化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性平版印刷版材料。
  4. 前記感光層が、更に350〜450nmに吸収極大を有する増感色素を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性平版印刷版材料を350〜450nmのレーザー光で画像露光したのちに、少なくとも無機のアルカリ剤、界面活性剤を含有し、アルカリ金属ケイ酸塩を含まない25℃におけるpHが、9.0〜12.0のアルカリ水溶液で現像処理することを特徴とする平版印刷版材料の製版方法。
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