JP2004051499A - 光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シス体に富んだ光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般式(4)
(式中、R5はアルキル基またはアリール基を表わす。R6はアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表わす。*は不斉炭素を表わす。)
で示される光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類は、3位の−CH2OCOR6で示される基が、例えばヒドロキシメチル基、ホルミル基等の他の官能基に容易に変換可能であるため、3位に種々の置換基を有するピレスロイド化合物へ誘導可能な化合物として、重要である。
【0003】
一般式(4)で示される光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類には、−CO2R5で示される基と−CH2OCOR6で示される基とが、シクロプロパン環平面に対して、同じ側にあるシス体と反対側にあるトランス体とが存在し、トランス体に富んだ一般式(4)で示される光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸銅/光学活性ビスオキサゾリン系配位子触媒の存在下に、一般式(2)
(式中、R5は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるジアゾ酢酸エステル類と一般式(3)
(式中、R6は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるオレフィン類を反応させる方法(Tetrahedron,57,6083(2001))が知られているものの、シス体に富んだ一般式(4)で示される光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法は、これまで知られていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者らは、シス体に富んだ一般式(4)で示される光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類を製造する方法について検討したところ、銅化合物と特定構造の光学活性なサルドイミン類とを反応せしめて得られる不斉銅触媒の存在下に、一般式(2)で示されるジアゾ酢酸エステル類と一般式(3)で示されるオレフィン類を反応させることにより、シス体に富んだ一般式(4)で示される光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類が、光学純度よく得られることを見出し、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、銅化合物と一般式(1)
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基またはフッ素置換低級アルキル基を表わす。R2は水素原子、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基を表わす。R3は低級アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表わす。R4は炭素数4〜10のアルコキシ基を表わす。*は不斉炭素を表わす。)
で示される光学活性サルドイミン類とを反応せしめてなる不斉銅触媒の存在下、一般式(2)
(式中、R5はアルキル基またはアリール基を表わす。)
で示されるジアゾ酢酸エステル類と一般式(3)
(式中、R6はアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表わす。)
で示されるオレフィン類を反応させることを特徴とするシス体に富んだ一般式(4)
(式中、R5、R6および*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
まず、銅化合物と一般式(1)
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基またはフッ素置換低級アルキル基を表わす。R2は水素原子、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基を表わす。R3は低級アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表わす。R4は炭素数4〜10のアルコキシ基を表わす。*は不斉炭素を表わす。)
で示される光学活性サルドイミン類(以下、光学活性サルドイミン類(1)と略記する。)とを反応せしめてなる不斉銅触媒について、説明する。
【0007】
銅化合物としては、例えば水酸化銅、酢酸銅、トリフルオロメタンスルホン酸銅、塩化銅等の二価の銅化合物が挙げられる。
【0008】
光学活性サルドイミン類(1)の式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基またはフッ素置換低級アルキル基を表わす。R2は水素原子、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基を表わす。R3は低級アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表わす。R4は炭素数4〜10のアルコキシ基を表わす。*は不斉炭素を表わす。
【0009】
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、低級アルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基とカルボニル基とから構成されるものが挙げられる。フッ素置換低級アルキル基としては、例えばフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基を構成する一つまたは二つ以上の水素原子がフッ素原子に置換されたものが挙げられる。
【0010】
低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、アラルキル基としては、例えば上記した低級アルキル基とアリール基とから構成されるもの、例えばベンジル基、トリチル基等が挙げられる。
【0011】
炭素数4〜10のアルコキシ基としては、例えばn−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等が挙げられる。
【0012】
かかる光学活性サルドイミン類(1)としては、例えば光学活性N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−メトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−エトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−[5−(n−プロポキシカルボニル)サリチリデン]−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、
【0013】
光学活性N−(5−イソプロポキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−フルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−ジフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−トリフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、
【0014】
光学活性N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−メトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−エトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−[5−(n−プロポキシカルボニル)サリチリデン]−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、
【0015】
光学活性N−(5−イソプロポキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−フルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−ジフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−トリフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、
【0016】
光学活性N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−メトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−エトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−[5−(n−プロポキシカルボニル)サリチリデン]−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、
【0017】
光学活性N−(5−イソプロポキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−フルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−ジフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(5−トリフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、
【0018】
光学活性N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−メトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−エトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−[5−(n−プロポキシカルボニル)サリチリデン]−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、
【0019】
光学活性N−(5−イソプロポキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−フルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−ジフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(5−トリフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、
【0020】
光学活性N−(6−トリメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(6−tert−ブチルジメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(6−トリメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(6−tert−ブチルジメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、
【0021】
光学活性N−(6−トリメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(6−tert−ブチルジメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール、光学活性N−(6−トリメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール、光学活性N−(6−tert−ブチルジメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0022】
かかる光学活性サルドイミン類(1)には、R体とS体の二つの光学異性体が存在するが、本発明にはそのいずれを用いてもよく、目的とする光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類に応じて、適宜選択すればよい。
【0023】
かかる光学活性サルドイミン類(1)の使用量は、銅化合物に対して、通常0.5〜2モル倍である。
【0024】
銅化合物と光学活性サルドイミン類(1)との反応は、通常有機溶媒中で実施される。有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒等の単独または混合溶媒が挙げられ、その使用量は、特に制限されない。
【0025】
反応温度は、通常20〜150℃、好ましくは20〜120℃である。
【0026】
銅化合物と光学活性サルドイミン類(1)との反応をよりスムーズに進行させるため、例えばナトリウムメチラート等のアルカリ金属アルコラート類を共存させることが好ましく、アルカリ金属アルコラート類の使用量は、光学活性サルドイミン類(1)に対して、通常2モル倍以上である。
【0027】
かくして不斉銅錯体を含む溶液が得られるが、該溶液を、必要に応じて洗浄処理した後、触媒として用いてもよいし、該溶液を、例えば濃縮処理して、該不斉銅錯体を取り出した後、触媒として用いてもよい。
【0028】
得られる不斉銅錯体としては、例えば光学活性[N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−メトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−エトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−[5−(n−プロポキシカルボニル)サリチリデン]−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、
【0029】
光学活性[N−(5−イソプロポキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−フルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−ジフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−トリフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、
【0030】
光学活性[N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−メトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−エトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−[5−(n−プロポキシカルボニル)サリチリデン]−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、
【0031】
光学活性[N−(5−イソプロポキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−フルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−ジフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−トリフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、
【0032】
光学活性[N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−メトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−エトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−[5−(n−プロポキシカルボニル)サリチリデン]−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、
【0033】
光学活性[N−(5−イソプロポキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−フルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−ジフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−トリフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、
【0034】
光学活性[N−サリチリデン−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体光学活性[N−(5−フルオロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−クロロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−メトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−エトキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−[5−(n−プロポキシカルボニル)サリチリデン]−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、
【0035】
光学活性[N−(5−イソプロポキシカルボニルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−フルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−ジフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(5−トリフルオロメチルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、
【0036】
光学活性[N−(6−トリメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(6−tert−ブチルジメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(6−トリメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(6−tert−ブチルジメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(6−トリメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、
【0037】
光学活性[N−(6−tert−ブチルジメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(6−トリメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体、光学活性[N−(6−tert−ブチルジメチルシリルサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−n−オクチルオキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノール]銅錯体等が挙げられる。
【0038】
続いて、上記で得られた不斉銅錯体の存在下、一般式(2)
(式中、R5はアルキル基またはアリール基を表わす。)
で示されるジアゾ酢酸エステル類(以下、ジアゾ酢酸エステル類(2)と略記する。)と一般式(3)
(式中、R6はアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表わす。)
で示されるオレフィン類(以下、オレフィン類(3)と略記する。)を反応させて、シス体に富んだ一般式(4)
(式中、R5、R6および*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類を製造する方法について説明する。
【0039】
ジアゾ酢酸エステル類(2)の式中、R5はアルキル基またはアリール基を表わし、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、シクロヘキシル基、メンチル基、ジシクロヘキシルメチル基等の炭素数1〜15のアルキル基が挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0040】
かかるジアゾ酢酸エステル類(2)としては、例えばジアゾ酢酸メチル、ジアゾ酢酸エチル、ジアゾ酢酸n−プロピル、ジアゾ酢酸イソプロピル、ジアゾ酢酸n−ブチル、ジアゾ酢酸tert−ブチル、ジアゾ酢酸シクロヘキシル、ジアゾ酢酸メンチル等が挙げられる。かかるジアゾ酢酸エステル類(2)は、例えば対応するアミノ酸エステル類と亜硝酸ナトリウム等のジアゾ化剤を反応させることにより調製することができる。
【0041】
オレフィン類(3)の式中、R6はアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表わす。アルキル基、アリール基およびアラルキル基としては、上記したものと同様のものが挙げられる。
【0042】
かかるオレフィン類(3)としては、例えば1−アセトキシ−3−メチル−2−ブテン、1−プロピオニルオキシ−3−メチル−2−ブテン、1−ブチリルオキシ−3−メチル−2−ブテン、1−イソプロピルカルボニルオキシ−3−メチル−2−ブテン、1−ベンジルカルボニルオキシ−3−メチル−2−ブテン、1−ベンゾイルオキシ−3−メチル−2−ブテン、1−トリチルカルボニルオキシ−3−メチル−2−ブテン等が挙げられる。
【0043】
かかるオレフィン類(3)は、例えば3−メチル−2−ブテン−1−オールと対応するカルボン酸ハロゲン化物を塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
【0044】
オレフィン類(3)の使用量は、ジアゾ酢酸エステル類(2)に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特になく、該オレフィン類(3)が、反応条件下で液体である場合には、該オレフィン類(3)を溶媒として、大過剰量用いてもよい。
【0045】
不斉銅錯体の使用量は、ジアゾ酢酸エステル類(2)に対して、銅換算で、通常0.01〜10モル%である。
【0046】
本反応は、通常不斉銅錯体、ジアゾ酢酸エステル類(2)およびオレフィン類(3)を接触、混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されず、例えば不斉銅錯体およびオレフィン類(3)との混合物に、ジアゾ酢酸エステル類(2)を加えてもよいし、不斉銅錯体に、オレフィン類(3)およびジアゾ酢酸エステル類(2)を加えてもよい。オレフィン類(3)やジアゾ酢酸エステル類(2)は、連続的に加えてもよいし、間欠的に加えてもよい。本反応は、常圧条件下で行なってもよいし、加圧条件下で行なってもよい。反応温度は、通常−20℃〜150℃である。
【0047】
また、より反応をスムーズに進行させるため、例えばフェニルヒドラジン等の還元剤を共存させてもよい。かかる還元剤は、上記した不斉銅錯体の調製時に加えておいてもよい。還元剤の使用量は、銅化合物に対して、通常0.9〜1.2モル倍である。
【0048】
本反応は、通常溶媒の存在下に実施され、溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、例えばトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒等が挙げられ、その使用量は特に制限されないが、経済性、容積効率等を考慮すると、実用的には、ジアゾ酢酸エステル類(2)に対して、100重量倍以下である。また、上記したように、オレフィン類(3)が、反応条件下で液体である場合には、該オレフィン類(3)を溶媒として用いてもよい。
【0049】
反応終了後、必要に応じて不溶物を濾過により除去した後、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィー等の通常の後処理を施すことにより、シス体に富んだ一般式(4)で示される光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類が得られる。
【0050】
かかる一般式(4)で示される光学活性シクロプロパンカルボン酸類としては、例えば光学活性3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチル、光学活性3−プロピオニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチル、光学活性3−n−プロピルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチル、光学活性3−イソプロピルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチル、光学活性3−ベンジルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチル、光学活性3−トリチルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチル、光学活性3−ベンゾイルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メチル、
【0051】
光学活性3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル、光学活性3−プロピオニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル、光学活性3−ブチリルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル、光学活性3−イソプロピルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル、光学活性3−ベンジルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル、光学活性3−トリチルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル、光学活性3−ベンゾイルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチル、
【0052】
光学活性3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、光学活性3−プロピオニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、光学活性3−ブチリルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、光学活性3−イソプロピルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸−tert−ブチル、光学活性3−ベンジルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、光学活性3−トリチルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、光学活性3−ベンゾイルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸tert−ブチル、
【0053】
光学活性3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、光学活性3−プロピオニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、光学活性3−ブチリルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、光学活性3−イソプロピルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、光学活性3−ベンジルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、光学活性3−トリチルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、光学活性3−ベンゾイルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸シクロヘキシル、
【0054】
光学活性3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メンチル、光学活性3−プロピオニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メンチル、光学活性3−ブチリルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メンチル、光学活性3−イソプロピルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メンチル、光学活性3−ベンジルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メンチル、光学活性3−トリチルカルボニルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メンチル、光学活性3−ベンゾイルオキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸メンチル等が挙げられる。
【0055】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下の実施例において、シス体とは、シクロプロパン環平面に対して、アセトキシメチル基とカルボエトキシ基とが、同じ側にあるものを意味し、トランス体とは、シクロプロパン環平面に対して、アセトキシメチル基とカルボエトキシ基とが、反対側にあるものを意味する。なお、収率は、ガスクロマトグラフィ分析法により、シス体/トランス体比および光学純度は光学活性カラムを用いた液体クロマトグラフィ分析法により、それぞれ算出した。
【0056】
実施例1
50mLシュレンク管に、酢酸銅と(R)−N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−ブトキシフェニル)−1−プロパノールとをナトリウムメチラートの存在下に反応せしめてなる不斉銅錯体を含む酢酸エチル溶液(銅錯体含量:0.03mol/L)1.3mL、酢酸エチル5mLおよびフェニルヒドラジン4μLを加えた。内温20℃に調整し、ジアゾ酢酸エチル0.46gと1−アセトキシ−3−メチル−2−ブテン5.6mLとからなる溶液を、2時間かけて滴下し、同温度で、さらに30分攪拌、保持し、光学活性3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルを含む酢酸エチル溶液を得た。収率:68%、シス体/トランス体比=75/25、シス体の光学純度:91%e.e.。
【0057】
実施例2
実施例1において、N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−ブトキシフェニル)−1−プロパノールに代えて、N−(5−ニトロサリチリデン)−2−アミノ−1,1−ジ(5−tert−ブチル−2−ブトキシフェニル)−3−フェニル−1−プロパノールを用いた以外は実施例1と同様にして、光学活性3−アセトキシメチル−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸エチルを含む酢酸エチル溶液を得た。収率:53%、シス体/トランス体比=77/23、シス体の光学純度:86%e.e.。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、シス体に富んだ光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類を光学純度よく製造することができるため、工業的に有利である。
Claims (1)
- 銅化合物と一般式(1)
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、低級アルコキシカルボニル基、ニトロ基またはフッ素置換低級アルキル基を表わす。R2は水素原子、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基を表わす。R3は低級アルキル基、アリール基またはアラルキル基を表わす。R4は炭素数4〜10のアルコキシ基を表わす。*は不斉炭素を表わす。)
で示される光学活性サルドイミン類とを反応せしめてなる不斉銅触媒の存在下、一般式(2)
(式中、R5はアルキル基またはアリール基を表わす。)
で示されるジアゾ酢酸エステル類と一般式(3)
(式中、R6はアルキル基、アリール基またはアラルキル基を表わす。)
で示されるオレフィン類を反応させることを特徴とするシス体に富んだ一般式(4)
(式中、R5、R6および*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法。
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