JP2004034195A - 吸着パッド - Google Patents
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Abstract
【課題】表面に凹凸がある、又は表面に粉粒体が付着している板状のワークを確実に吸着する。
【解決手段】吸着面に凹凸がある、又は粉粒体の付着している板状ワークを吸着する吸着パッド3において、吸着パッドの吸着面の外周側と内周側に大径パッドと、小径パッドを同心円状に設け、一方のパッドの吸着部の材質を独立気泡含有スポンジゴム製とし、他方の吸着部を蛇腹式として、それぞれ別々の真空系統にて吸引させるようにし、さらに、板状ワークの吸着面と蛇腹式パッド4の吸着面までの間隔が、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6の吸着面までの間隔よりも小とした。
【選択図】 図1
【解決手段】吸着面に凹凸がある、又は粉粒体の付着している板状ワークを吸着する吸着パッド3において、吸着パッドの吸着面の外周側と内周側に大径パッドと、小径パッドを同心円状に設け、一方のパッドの吸着部の材質を独立気泡含有スポンジゴム製とし、他方の吸着部を蛇腹式として、それぞれ別々の真空系統にて吸引させるようにし、さらに、板状ワークの吸着面と蛇腹式パッド4の吸着面までの間隔が、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6の吸着面までの間隔よりも小とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状のワークを移載する場合に使用する吸着パッドに関し、特に、表面に凹凸がある、又は表面に粉粒体が付着している板状のワークを確実に吸着する場合に有効な吸着パッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、縦姿勢、または水平姿勢で積載された複数枚のガラス板、プラスチック板、鋼板等の板状ワークの最前列、または最上層より1枚づつ吸着パッド等で吸着して取り出し、別の場所に移載する装置は、数多くの方法、装置が知られているが、このような移載装置においては、図8に示されるようなリップ部の薄いリップ式の吸着パッドが一般的に良く用いられている。
【0003】
前記積載した板状ワークを運搬したり輸送したりする場合には、板状ワークの荷重や運搬時の振動等による板状ワーク同士の面接触によりキズが付きやすい為、キズ付き防止用として合紙と呼ばれる紙を板状ワーク間に挿入したり、板状面に樹脂等からなる粉粒体を散布し、面接触によるスリキズ等の発生を防止する方法が広く行われている。
【0004】
このような表面に粉体が付着している板状ワークを吸着パッドによって吸着して移載する場合、図8に示すようなリップ付きの通常の吸着パッドで吸着しようとすると吸着パッドのリップ部と板状のワークの吸着面間に粉粒体が残っているために、吸着パッドのリップ部にエアリークが発生し、吸着パッドの吸着力が低下して吸着外れ等が発生し、移載中の板状ワークが落下し易くなるなど安全上問題である。
【0005】
このような現象は表面に粉粒体が付着した板状ワークだけでなく、ブロックタイルのような表面に凹凸を有する板状ワークについても同様な問題が発生する。
【0006】
このため、このような表面に凹凸を有した板状ワーク、又は粉粒体の付着した板状ワークを吸着パッドで吸着して移載する場合には、図9に示したような独立気泡含有スポンジゴムを使用した肉厚で円筒状の吸着パッドが用いられてきた。独立気泡含有スポンジゴムは、空気泡の一つ一つが閉じこめられた空間からなり独立した気泡となったゴムを使用したものである。この独立気泡含有スポンジゴムを使用した吸着パッドを用いると、表面に凹凸のあるワークや表面に粉粒体が付着した板状ワークであっても、吸着力の低下を免れることができた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、独立気泡含有スポンジゴムを使用した吸着パッドを用いて、表面に粉体の付着した複数枚の板状ワークを吸着して移載しようとする場合、吸着パッドの吸着面を板状ワークの吸着される面と平行になるように吸着パッドの姿勢を制御した後に、吸着動作を行わないと吸着できないという問題点があった。
【0008】
このような吸着パッドには、ボールジョイントを設けて多少首振り可能な機構とし、ワークの傾斜面に吸着パッドを馴染ませるようにしたものもあるが、ワークとスポンジの摩擦が大きいためワーク面にスポンジパッドが充分馴染まないという問題点があった。
【0009】
これに対して、吸着パッドの吸着面が板状ワークの吸着される面と平行でなくても吸着可能な吸着パッドとして、蛇腹式パッドがある。
【0010】
図10に示したように、蛇腹式パッドは、アコーディオン式吸着パッド、またはベローズ式吸着パッドとも呼ばれるものであり、吸着パッドの蛇腹式のリップ部が容易に圧縮されて、吸着面に傾きのあるワークの吸着に適している。
【0011】
しかしながら、吸着面に凹凸がある、又は紛粒体が付着しているワークを吸着する場合には通常のリップ式吸着パッドと同様にワークをある程度まで吸着することはできるものの、所望の真空圧には達せず、ワークを吸着によって持ち上げ支持できる迄には至らない。
【0012】
つまり、板状ワークを吸着パッドで吸着してハンドリングする場合、板状ワークの重量に合わせて、吸着パッドの真空圧の安全率を例えば2〜4倍程度高く設定するが、吸着面に凹凸がある又は粉粒体が付着しているワークを吸着しようとする場合、通常のリップ式吸着パッドと同様に蛇腹式パッドでも、この安全率を見込んだ真空圧に到達させることができないという問題点があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点の解決を図る、すなわち積層した板状ワークの最前列、または最上層より1枚づつ吸着させて取出す場合に、吸着面に凹凸がある、又は粉粒体が付着した板状ワークで、かつ板状ワークと吸着パッドの吸着面が平行でなく傾いていても、確実に吸着できることを目的とするものである。
【0014】
すなわち、本発明は、吸着面に凹凸がある、又は粉粒体の付着している板状ワークを吸着する吸着パッドにおいて、吸着パッドの吸着面の外周側と内周側に大径パッドと、小径パッドを同心円状に設け、一方のパッドを独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッドとし、他方のパッドを蛇腹式パッドとして、それぞれ別々の真空系統にて吸引させるようにしたことを特徴とする吸着パッドである。
【0015】
あるいはまた、本発明は、吸着面に凹凸がある、又は粉粒体の付着している板状ワークを吸着する吸着パッドにおいて、吸着パッドの吸着面の略中心部に独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッドを設け、その外側周辺部に近接して複数個の小径の蛇腹式パッドを並設して設け、該スポンジパッドと蛇腹式パッドを別々の真空系統にて吸引させるように接続したことを特徴とする吸着パッドである。
【0016】
あるいはまた、本発明は、板状ワークの吸着面と前記蛇腹式パッドの吸着面までの間隔が、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッドの吸着面までの間隔よりも小としたことを特徴とする上述の吸着パッドである。
【0017】
あるいはまた、本発明は、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド、または蛇腹式パッドのいずれか一方または両方のパッド近傍位置に吸着力による圧縮変形を制限するストッパーを少なくとも一つ設けたことを特徴とする上述の吸着パッドである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の吸着パッドは、ブロックタイルのような吸着面に凹凸がある板状ワーク、又は積層した板状ワーク同士の面接触によるスリキズ等の発生防止用として板状面に散布した樹脂等の粉粒体が付着している板状ワークを吸着する場合に有効な吸着パッドであり、吸着パッド3の吸着面に大径パッドと、小径パッドを同心円状に設けて本体プレート8に固設し、一方のパッドの吸着部の材質を独立気泡含有スポンジゴム製としたスポンジパッド6とし、他方の吸着部を蛇腹式(アコーディオン式、ベローズ式ともいう)とした蛇腹式パッド4として、それぞれ図示しない別々の真空系統にて吸引させるようにしたものである。
【0019】
また、スポンジパッド6と蛇腹式パッド4の前記2種類の吸着パッドを同心円状ではなく、吸着パッド3の吸着面の略中心部に大径の独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6を設け、その外側周辺部に近接して複数個の小径の蛇腹式パッド4、4、・・を別配置にして設け、該スポンジパッド6と蛇腹式パッド4の夫々を別々の真空系統にて吸引させるように接続しても良い。
【0020】
さらに、本発明は、板状ワーク1を吸着させる前の状態で、板状ワーク1の吸着面と前記蛇腹式パッド4の吸着面までの間隔が、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6の吸着面までの間隔よりも小となるようにし、蛇腹式パッド4をスポンジパッド6より先に板状ワーク1に吸着できるようにするのが良い。
【0021】
前記スポンジパッド6は、独立気泡含有スポンジゴムを使用した肉厚で円筒状のスカート部6aを有し、リップ部を有しない形状のものとした。独立気泡含有スポンジゴムは、空気泡の一つ一つが閉じこめられた閉空間からなり独立した気泡となったゴムを成型したものである。独立気泡含有スポンジゴムは、その円筒状のスカート部6aの内面に当接するように円筒状の突起部6bに外接するように設けられ、該突起部6bと本体プレート8に接着固定されている。
【0022】
また、本体プレート8の複数のコーナー部、あるいは中央部にストッパー7、7、・・が設けられ、スポンジパッド6によって吸着した時にスカート部6aの圧縮変形量に制限を設けるようにしている。
【0023】
該ストッパー7、7、・・の高さは、円筒状の突起部6bの高さからスポンジパッド6の吸着前のスカート部6aの高さ迄の範囲とし、ストッパー7、7、・・の先端には緩衝材を固着した。また、円筒状の突起部6bの内側には吸引孔6cが設けられ、図示しない真空発生装置に連通している。
【0024】
また、前記蛇腹式パッド4は、吸着パッド3の蛇腹式のリップ部4aの内側に突起部4bを有し、その中心部に吸引孔4cが設けられ、スポンジパッド6のものとは別系統の図示しない真空発生装置に連通している。
【0025】
蛇腹式パッド4のリップ部4aの吸着面までの高さは、板状ワーク1の吸着前の状態で、スポンジパッド6のスカート部6aの先端より突出し、板状ワークの吸着後の状態で蛇腹式パッド4のリップ部4aがスポンジパッド6のスカート部6a内に納まる位置関係となるように設定とする。
【0026】
例えば、本発明の一例を示した図1、図2に示す吸着パッド3は、大径パッドをスポンジパッド6、小径パッドを蛇腹式パッド4として二つのパッドを同心円状に設け、ストッパー7、7、・・をスポンジパッド6の外形寸法を一辺とする略正方形の本体プレート8の四隅に設けた例である。
【0027】
また、本発明の変形例として示した図3、図4に示す吸着パッド3’は、大径パッドを蛇腹式パッド4、小径パッドをスポンジパッド6として二つのパッドを同心円状に設け、ストッパー7、7、・・をスポンジパッド6の外形寸法を一辺とする略正方形の本体プレート8の四隅に設けた例である。
【0028】
さらに、本発明の別の変形例である、図5、図6に示す吸着パッド3”は、本体プレート8の略中心部に大径の独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6を設け、スポンジパッド6の内径側にスポンジパッド6によって吸着した時にスカート部6aの圧縮変形量に制限を設けるためのストッパー7、7、・・を適当な間隔で少なくとも一つ以上設け、スポンジパッド6の内径部の所望の位置に吸引孔6cを設けて、該吸引孔6cより図示しない真空発生装置に連通させた例である。
【0029】
また、スポンジパッド6の外周側に、例えば略正方形の本体プレート8の四隅コーナー部に小径の蛇腹式パッド4を設け、それぞれの内径部に設けた吸引孔4cより前記スポンジパッド6に連通したものとは別系統の図示しない真空発生装置に連通させた。
【0030】
さらに、スポンジパッド6によって板状ワーク1を吸着した時にスカート部6aの圧縮変形量に制限を設けるために、スポンジパッド6の外周側に、前記本体プレート8の周囲に複数個のストッパー7、7、・・を設けた。
【0031】
次に、本発明の吸着パッドについて、作用、および使用方法について説明する。
【0032】
まず、図1に示すように、本発明の吸着パッド3は、前記したような蛇腹式吸着パッド4と、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6の2種類の吸着パッドを同心円状に、あるいは並設してそれぞれ別系統の図示しない真空発生装置に接続したものである。
【0033】
前記蛇腹式パッド4は、板状ワーク1と吸着パッド3の吸着面が傾斜して片側に隙間があっても吸着可能であり、積層した板状ワーク1の最前列の1枚又は最上部の1枚を吸着後、板状ワーク1の姿勢をスポンジパッド6の吸着面に平行になるように姿勢変更させることができる。
【0034】
この蛇腹式パッド4の吸着によって板状ワーク1の姿勢変更に要する時間は吸着パッド3を姿勢制御して板状ワーク1の吸着面に平行となるように制御する時間に比べて非常に短時間ですむ。
【0035】
これは、蛇腹式パッド4が板状ワーク1に吸着したときに、蛇腹式パッド4内が図示しない真空発生装置による吸引によって真空度が増すに従って蛇腹状部が収縮するように変形し、この収縮力が積載した複数枚の最前列又は最上部の板状ワーク1を吸着パッド3側に引き寄せる役割を果たしている。
【0036】
このため、蛇腹式パッド4は、ハンドリング用に設けたスポンジパッド6よりも板状ワーク1側に突出した状態に設けられ、板状ワーク1の吸着開始時は、蛇腹式パッド4のみの吸着となり、スポンジパッド6が吸着を始めるのは蛇腹式パッド4によって1枚目の板状ワーク1が2枚目の板状ワーク1から分離し、板状ワーク1がスポンジパッド6側に起立した後となる。
【0037】
また、板状ワーク1を吸着パッドで吸着してハンドリングさせる場合、蛇腹式パッド4は、重量等によって決めた安全率を見込んだ真空圧に到達しないので、蛇腹式パッド4の役割として、板状ワーク1の姿勢を吸着パッド3の吸着面と平行にさせる所までとし、ハンドリングさせるための吸着についてはスポンジパッド6の吸着によって行うようにさせる。
【0038】
このため、蛇腹式パッド4をまず先に吸着させ、板状ワーク1の姿勢を変更した後でスポンジパッド6で吸着させる必要がある。
【0039】
スポンジパッド6は、板状ワーク1の表面に凹凸があったり、粉粒体が付着しているような場合、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6の内部の空気泡の一つ一つが閉じこめられた閉空間からなる独立した気泡によって、粉粒体の付着部が凹み、スポンジパッド6の端部からのエアリークが発生しにくい構造となっている。
【0040】
このため、まず始めに、蛇腹式パッド4で板状ワーク1を吸着できるようにして、板状ワーク1の吸着面と前記蛇腹式パッド4の吸着面までの間隔が、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6の吸着面までの間隔よりも小となるようにした。
【0041】
本発明の吸着パッド3を板状ワーク1に吸着させる場合、蛇腹式パッド4が板状ワーク1を吸着したことによって蛇腹式パッド4の蛇腹状のリップ部4aが変形し、その後、蛇腹式パッド4とスポンジパッド6の両吸着パッドが板状ワーク1を吸着している状態においては、スポンジパッド6の吸着を主とした吸着とし、蛇腹式パッド4は補助的な吸着となり、蛇腹式パッド4の蛇腹状のリップ部4aはスポンジパッド6内に入り込んだ状態となる。
【0042】
これは、蛇腹式パッド4のリップ部4aが蛇腹状で変形しやすい状態であり、スポンジパッド6のスカート部6aよりも変形し易い弾性力よりも大となるようにしているためである。
【0043】
ストッパー7は、スポンジパッド6によって板状ワーク1を吸着した時に真空源からの吸引力が強すぎて、スカート部6aの圧縮変形量が大きすぎると、一旦圧縮によって変形した該スカート部6aは、吸引力が解除された後でも復元しにくくなるため、スポンジパッド6の圧縮変形量に制限を設けるようにした。
【0044】
以下に、本発明の吸着パッド3によって、板状ワーク1を吸着する方法を説明する。例として、板状ワーク1はガラス板で説明する。
【0045】
図7(a)に示すように、縦姿勢で積層したガラス板1のそれぞれの面にはお互いにキズが付かないように樹脂製の粉粒体(パウダー)が全面に散布され付着している。
【0046】
本発明の吸着パッド3を図示しないロボット等のハンドによって、パレット等に傾斜姿勢で積層したガラス板1の最前列の1枚に接近させるが、この状態で、ガラス板1面と吸着パッドの蛇腹式パッド4の吸着面とは平行面とはなっておらず、やや傾いた状態であり上方部に隙間が開いている。
【0047】
つぎに、図7(b)に示すように、吸着パッド3をさらにガラス板1の面に押しつけるように移動させ、蛇腹式パッド4の上端側がガラス板面に当接し、蛇腹式パッド4の下端側の蛇腹状部が圧縮変形した状態で、図7(c)に示すように、蛇腹式パッド4の吸引力によりガラス板1の上部側が吸着パッド3側に引き寄せられて起立し、ガラス板1の面がスポンジパッド6の吸着面に平行面となり、スポンジパッド6によってガラス板1が吸着される。
【0048】
以上、好適な実施例について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の応用が考えられる。
【0049】
吸着パッド3のスポンジゴム部の材質としては、ネオプレンゴム(商標)、ウレタンゴム、シリコーンゴム、バイトンゴム等何れでも良いが、ゴム硬度は25度程度が望ましい。
【0050】
吸着パッドによって吸着し、移載の対象となる板状ワーク1としては、粉粒体(パウダー)が付着したフラット板、または湾曲板のいずれでも良く、また、ガラス板、合成樹脂板、鋼板等である。また、板状ワーク1がガラス板の場合、強化板、半強化板、未強化板の何れでも良い。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、ブロックタイルのような吸着面に凹凸がある、あるいは粉粒体(パウダー)が付着した板状ワークを吸着する場合、板状ワークの吸着面と吸着パッドの吸着面との吸着角度にズレがあっても、最初に蛇腹式パッドの圧縮変形による吸着によって、最前列の一枚の板状ワークの姿勢を正すとともに、2枚目以降から分離し、続いてハンドリング用として設けたスポンジパッドの吸着によりハンドリング可能に吸着させるので、吸着パッドを板状ワークの吸着面に合わせて姿勢角度を補正する必要がなく板状ワークを確実に吸着し、ハンドリングできる。
【0052】
また、蛇腹式パッドの吸着部をスポンジパッドの吸着部より板状ワーク側に突出させたので、積層した板状ワークの最上部又は最前列の一枚を吸着、吸引後、他の板状ワークと切り離す時間が、ロボットハンドによる吸着パッドの制御に比べて短時間でできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸着パッドの縦断面図。
【図2】本発明の吸着パッドの吸着面から見た平面図。
【図3】本発明の実施例2の吸着パッドの縦断面図。
【図4】本発明の実施例2の吸着パッドの吸着面から見た平面図。
【図5】本発明の実施例3の吸着パッドの縦断面図。
【図6】本発明の実施例3の吸着パッドの吸着面から見た平面図。
【図7】(a)、(b)、(c)は、それぞれ本発明の吸着パッドによって板状ワークを吸着する前の状態、蛇腹パッドが吸着を始めた状態、スポンジパッドが吸着を受け継いだ状態を示す断面図。
【図8】従来の吸着パッドの縦断面図。
【図9】従来のスポンジパッドの縦断面図。
【図10】従来の蛇腹式パッドの縦断面図。
【符号の説明】
1 板状ワーク
3、3’、3” 吸着パッド
4 蛇腹式パッド
4a リップ部
4b 突起部
4c 吸引孔
6 スポンジパッド
6a スカート部
6b 突起部
6c 吸引孔
7 ストッパー
8 本体プレート
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状のワークを移載する場合に使用する吸着パッドに関し、特に、表面に凹凸がある、又は表面に粉粒体が付着している板状のワークを確実に吸着する場合に有効な吸着パッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、縦姿勢、または水平姿勢で積載された複数枚のガラス板、プラスチック板、鋼板等の板状ワークの最前列、または最上層より1枚づつ吸着パッド等で吸着して取り出し、別の場所に移載する装置は、数多くの方法、装置が知られているが、このような移載装置においては、図8に示されるようなリップ部の薄いリップ式の吸着パッドが一般的に良く用いられている。
【0003】
前記積載した板状ワークを運搬したり輸送したりする場合には、板状ワークの荷重や運搬時の振動等による板状ワーク同士の面接触によりキズが付きやすい為、キズ付き防止用として合紙と呼ばれる紙を板状ワーク間に挿入したり、板状面に樹脂等からなる粉粒体を散布し、面接触によるスリキズ等の発生を防止する方法が広く行われている。
【0004】
このような表面に粉体が付着している板状ワークを吸着パッドによって吸着して移載する場合、図8に示すようなリップ付きの通常の吸着パッドで吸着しようとすると吸着パッドのリップ部と板状のワークの吸着面間に粉粒体が残っているために、吸着パッドのリップ部にエアリークが発生し、吸着パッドの吸着力が低下して吸着外れ等が発生し、移載中の板状ワークが落下し易くなるなど安全上問題である。
【0005】
このような現象は表面に粉粒体が付着した板状ワークだけでなく、ブロックタイルのような表面に凹凸を有する板状ワークについても同様な問題が発生する。
【0006】
このため、このような表面に凹凸を有した板状ワーク、又は粉粒体の付着した板状ワークを吸着パッドで吸着して移載する場合には、図9に示したような独立気泡含有スポンジゴムを使用した肉厚で円筒状の吸着パッドが用いられてきた。独立気泡含有スポンジゴムは、空気泡の一つ一つが閉じこめられた空間からなり独立した気泡となったゴムを使用したものである。この独立気泡含有スポンジゴムを使用した吸着パッドを用いると、表面に凹凸のあるワークや表面に粉粒体が付着した板状ワークであっても、吸着力の低下を免れることができた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、独立気泡含有スポンジゴムを使用した吸着パッドを用いて、表面に粉体の付着した複数枚の板状ワークを吸着して移載しようとする場合、吸着パッドの吸着面を板状ワークの吸着される面と平行になるように吸着パッドの姿勢を制御した後に、吸着動作を行わないと吸着できないという問題点があった。
【0008】
このような吸着パッドには、ボールジョイントを設けて多少首振り可能な機構とし、ワークの傾斜面に吸着パッドを馴染ませるようにしたものもあるが、ワークとスポンジの摩擦が大きいためワーク面にスポンジパッドが充分馴染まないという問題点があった。
【0009】
これに対して、吸着パッドの吸着面が板状ワークの吸着される面と平行でなくても吸着可能な吸着パッドとして、蛇腹式パッドがある。
【0010】
図10に示したように、蛇腹式パッドは、アコーディオン式吸着パッド、またはベローズ式吸着パッドとも呼ばれるものであり、吸着パッドの蛇腹式のリップ部が容易に圧縮されて、吸着面に傾きのあるワークの吸着に適している。
【0011】
しかしながら、吸着面に凹凸がある、又は紛粒体が付着しているワークを吸着する場合には通常のリップ式吸着パッドと同様にワークをある程度まで吸着することはできるものの、所望の真空圧には達せず、ワークを吸着によって持ち上げ支持できる迄には至らない。
【0012】
つまり、板状ワークを吸着パッドで吸着してハンドリングする場合、板状ワークの重量に合わせて、吸着パッドの真空圧の安全率を例えば2〜4倍程度高く設定するが、吸着面に凹凸がある又は粉粒体が付着しているワークを吸着しようとする場合、通常のリップ式吸着パッドと同様に蛇腹式パッドでも、この安全率を見込んだ真空圧に到達させることができないという問題点があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点の解決を図る、すなわち積層した板状ワークの最前列、または最上層より1枚づつ吸着させて取出す場合に、吸着面に凹凸がある、又は粉粒体が付着した板状ワークで、かつ板状ワークと吸着パッドの吸着面が平行でなく傾いていても、確実に吸着できることを目的とするものである。
【0014】
すなわち、本発明は、吸着面に凹凸がある、又は粉粒体の付着している板状ワークを吸着する吸着パッドにおいて、吸着パッドの吸着面の外周側と内周側に大径パッドと、小径パッドを同心円状に設け、一方のパッドを独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッドとし、他方のパッドを蛇腹式パッドとして、それぞれ別々の真空系統にて吸引させるようにしたことを特徴とする吸着パッドである。
【0015】
あるいはまた、本発明は、吸着面に凹凸がある、又は粉粒体の付着している板状ワークを吸着する吸着パッドにおいて、吸着パッドの吸着面の略中心部に独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッドを設け、その外側周辺部に近接して複数個の小径の蛇腹式パッドを並設して設け、該スポンジパッドと蛇腹式パッドを別々の真空系統にて吸引させるように接続したことを特徴とする吸着パッドである。
【0016】
あるいはまた、本発明は、板状ワークの吸着面と前記蛇腹式パッドの吸着面までの間隔が、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッドの吸着面までの間隔よりも小としたことを特徴とする上述の吸着パッドである。
【0017】
あるいはまた、本発明は、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド、または蛇腹式パッドのいずれか一方または両方のパッド近傍位置に吸着力による圧縮変形を制限するストッパーを少なくとも一つ設けたことを特徴とする上述の吸着パッドである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の吸着パッドは、ブロックタイルのような吸着面に凹凸がある板状ワーク、又は積層した板状ワーク同士の面接触によるスリキズ等の発生防止用として板状面に散布した樹脂等の粉粒体が付着している板状ワークを吸着する場合に有効な吸着パッドであり、吸着パッド3の吸着面に大径パッドと、小径パッドを同心円状に設けて本体プレート8に固設し、一方のパッドの吸着部の材質を独立気泡含有スポンジゴム製としたスポンジパッド6とし、他方の吸着部を蛇腹式(アコーディオン式、ベローズ式ともいう)とした蛇腹式パッド4として、それぞれ図示しない別々の真空系統にて吸引させるようにしたものである。
【0019】
また、スポンジパッド6と蛇腹式パッド4の前記2種類の吸着パッドを同心円状ではなく、吸着パッド3の吸着面の略中心部に大径の独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6を設け、その外側周辺部に近接して複数個の小径の蛇腹式パッド4、4、・・を別配置にして設け、該スポンジパッド6と蛇腹式パッド4の夫々を別々の真空系統にて吸引させるように接続しても良い。
【0020】
さらに、本発明は、板状ワーク1を吸着させる前の状態で、板状ワーク1の吸着面と前記蛇腹式パッド4の吸着面までの間隔が、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6の吸着面までの間隔よりも小となるようにし、蛇腹式パッド4をスポンジパッド6より先に板状ワーク1に吸着できるようにするのが良い。
【0021】
前記スポンジパッド6は、独立気泡含有スポンジゴムを使用した肉厚で円筒状のスカート部6aを有し、リップ部を有しない形状のものとした。独立気泡含有スポンジゴムは、空気泡の一つ一つが閉じこめられた閉空間からなり独立した気泡となったゴムを成型したものである。独立気泡含有スポンジゴムは、その円筒状のスカート部6aの内面に当接するように円筒状の突起部6bに外接するように設けられ、該突起部6bと本体プレート8に接着固定されている。
【0022】
また、本体プレート8の複数のコーナー部、あるいは中央部にストッパー7、7、・・が設けられ、スポンジパッド6によって吸着した時にスカート部6aの圧縮変形量に制限を設けるようにしている。
【0023】
該ストッパー7、7、・・の高さは、円筒状の突起部6bの高さからスポンジパッド6の吸着前のスカート部6aの高さ迄の範囲とし、ストッパー7、7、・・の先端には緩衝材を固着した。また、円筒状の突起部6bの内側には吸引孔6cが設けられ、図示しない真空発生装置に連通している。
【0024】
また、前記蛇腹式パッド4は、吸着パッド3の蛇腹式のリップ部4aの内側に突起部4bを有し、その中心部に吸引孔4cが設けられ、スポンジパッド6のものとは別系統の図示しない真空発生装置に連通している。
【0025】
蛇腹式パッド4のリップ部4aの吸着面までの高さは、板状ワーク1の吸着前の状態で、スポンジパッド6のスカート部6aの先端より突出し、板状ワークの吸着後の状態で蛇腹式パッド4のリップ部4aがスポンジパッド6のスカート部6a内に納まる位置関係となるように設定とする。
【0026】
例えば、本発明の一例を示した図1、図2に示す吸着パッド3は、大径パッドをスポンジパッド6、小径パッドを蛇腹式パッド4として二つのパッドを同心円状に設け、ストッパー7、7、・・をスポンジパッド6の外形寸法を一辺とする略正方形の本体プレート8の四隅に設けた例である。
【0027】
また、本発明の変形例として示した図3、図4に示す吸着パッド3’は、大径パッドを蛇腹式パッド4、小径パッドをスポンジパッド6として二つのパッドを同心円状に設け、ストッパー7、7、・・をスポンジパッド6の外形寸法を一辺とする略正方形の本体プレート8の四隅に設けた例である。
【0028】
さらに、本発明の別の変形例である、図5、図6に示す吸着パッド3”は、本体プレート8の略中心部に大径の独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6を設け、スポンジパッド6の内径側にスポンジパッド6によって吸着した時にスカート部6aの圧縮変形量に制限を設けるためのストッパー7、7、・・を適当な間隔で少なくとも一つ以上設け、スポンジパッド6の内径部の所望の位置に吸引孔6cを設けて、該吸引孔6cより図示しない真空発生装置に連通させた例である。
【0029】
また、スポンジパッド6の外周側に、例えば略正方形の本体プレート8の四隅コーナー部に小径の蛇腹式パッド4を設け、それぞれの内径部に設けた吸引孔4cより前記スポンジパッド6に連通したものとは別系統の図示しない真空発生装置に連通させた。
【0030】
さらに、スポンジパッド6によって板状ワーク1を吸着した時にスカート部6aの圧縮変形量に制限を設けるために、スポンジパッド6の外周側に、前記本体プレート8の周囲に複数個のストッパー7、7、・・を設けた。
【0031】
次に、本発明の吸着パッドについて、作用、および使用方法について説明する。
【0032】
まず、図1に示すように、本発明の吸着パッド3は、前記したような蛇腹式吸着パッド4と、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6の2種類の吸着パッドを同心円状に、あるいは並設してそれぞれ別系統の図示しない真空発生装置に接続したものである。
【0033】
前記蛇腹式パッド4は、板状ワーク1と吸着パッド3の吸着面が傾斜して片側に隙間があっても吸着可能であり、積層した板状ワーク1の最前列の1枚又は最上部の1枚を吸着後、板状ワーク1の姿勢をスポンジパッド6の吸着面に平行になるように姿勢変更させることができる。
【0034】
この蛇腹式パッド4の吸着によって板状ワーク1の姿勢変更に要する時間は吸着パッド3を姿勢制御して板状ワーク1の吸着面に平行となるように制御する時間に比べて非常に短時間ですむ。
【0035】
これは、蛇腹式パッド4が板状ワーク1に吸着したときに、蛇腹式パッド4内が図示しない真空発生装置による吸引によって真空度が増すに従って蛇腹状部が収縮するように変形し、この収縮力が積載した複数枚の最前列又は最上部の板状ワーク1を吸着パッド3側に引き寄せる役割を果たしている。
【0036】
このため、蛇腹式パッド4は、ハンドリング用に設けたスポンジパッド6よりも板状ワーク1側に突出した状態に設けられ、板状ワーク1の吸着開始時は、蛇腹式パッド4のみの吸着となり、スポンジパッド6が吸着を始めるのは蛇腹式パッド4によって1枚目の板状ワーク1が2枚目の板状ワーク1から分離し、板状ワーク1がスポンジパッド6側に起立した後となる。
【0037】
また、板状ワーク1を吸着パッドで吸着してハンドリングさせる場合、蛇腹式パッド4は、重量等によって決めた安全率を見込んだ真空圧に到達しないので、蛇腹式パッド4の役割として、板状ワーク1の姿勢を吸着パッド3の吸着面と平行にさせる所までとし、ハンドリングさせるための吸着についてはスポンジパッド6の吸着によって行うようにさせる。
【0038】
このため、蛇腹式パッド4をまず先に吸着させ、板状ワーク1の姿勢を変更した後でスポンジパッド6で吸着させる必要がある。
【0039】
スポンジパッド6は、板状ワーク1の表面に凹凸があったり、粉粒体が付着しているような場合、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6の内部の空気泡の一つ一つが閉じこめられた閉空間からなる独立した気泡によって、粉粒体の付着部が凹み、スポンジパッド6の端部からのエアリークが発生しにくい構造となっている。
【0040】
このため、まず始めに、蛇腹式パッド4で板状ワーク1を吸着できるようにして、板状ワーク1の吸着面と前記蛇腹式パッド4の吸着面までの間隔が、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド6の吸着面までの間隔よりも小となるようにした。
【0041】
本発明の吸着パッド3を板状ワーク1に吸着させる場合、蛇腹式パッド4が板状ワーク1を吸着したことによって蛇腹式パッド4の蛇腹状のリップ部4aが変形し、その後、蛇腹式パッド4とスポンジパッド6の両吸着パッドが板状ワーク1を吸着している状態においては、スポンジパッド6の吸着を主とした吸着とし、蛇腹式パッド4は補助的な吸着となり、蛇腹式パッド4の蛇腹状のリップ部4aはスポンジパッド6内に入り込んだ状態となる。
【0042】
これは、蛇腹式パッド4のリップ部4aが蛇腹状で変形しやすい状態であり、スポンジパッド6のスカート部6aよりも変形し易い弾性力よりも大となるようにしているためである。
【0043】
ストッパー7は、スポンジパッド6によって板状ワーク1を吸着した時に真空源からの吸引力が強すぎて、スカート部6aの圧縮変形量が大きすぎると、一旦圧縮によって変形した該スカート部6aは、吸引力が解除された後でも復元しにくくなるため、スポンジパッド6の圧縮変形量に制限を設けるようにした。
【0044】
以下に、本発明の吸着パッド3によって、板状ワーク1を吸着する方法を説明する。例として、板状ワーク1はガラス板で説明する。
【0045】
図7(a)に示すように、縦姿勢で積層したガラス板1のそれぞれの面にはお互いにキズが付かないように樹脂製の粉粒体(パウダー)が全面に散布され付着している。
【0046】
本発明の吸着パッド3を図示しないロボット等のハンドによって、パレット等に傾斜姿勢で積層したガラス板1の最前列の1枚に接近させるが、この状態で、ガラス板1面と吸着パッドの蛇腹式パッド4の吸着面とは平行面とはなっておらず、やや傾いた状態であり上方部に隙間が開いている。
【0047】
つぎに、図7(b)に示すように、吸着パッド3をさらにガラス板1の面に押しつけるように移動させ、蛇腹式パッド4の上端側がガラス板面に当接し、蛇腹式パッド4の下端側の蛇腹状部が圧縮変形した状態で、図7(c)に示すように、蛇腹式パッド4の吸引力によりガラス板1の上部側が吸着パッド3側に引き寄せられて起立し、ガラス板1の面がスポンジパッド6の吸着面に平行面となり、スポンジパッド6によってガラス板1が吸着される。
【0048】
以上、好適な実施例について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の応用が考えられる。
【0049】
吸着パッド3のスポンジゴム部の材質としては、ネオプレンゴム(商標)、ウレタンゴム、シリコーンゴム、バイトンゴム等何れでも良いが、ゴム硬度は25度程度が望ましい。
【0050】
吸着パッドによって吸着し、移載の対象となる板状ワーク1としては、粉粒体(パウダー)が付着したフラット板、または湾曲板のいずれでも良く、また、ガラス板、合成樹脂板、鋼板等である。また、板状ワーク1がガラス板の場合、強化板、半強化板、未強化板の何れでも良い。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、ブロックタイルのような吸着面に凹凸がある、あるいは粉粒体(パウダー)が付着した板状ワークを吸着する場合、板状ワークの吸着面と吸着パッドの吸着面との吸着角度にズレがあっても、最初に蛇腹式パッドの圧縮変形による吸着によって、最前列の一枚の板状ワークの姿勢を正すとともに、2枚目以降から分離し、続いてハンドリング用として設けたスポンジパッドの吸着によりハンドリング可能に吸着させるので、吸着パッドを板状ワークの吸着面に合わせて姿勢角度を補正する必要がなく板状ワークを確実に吸着し、ハンドリングできる。
【0052】
また、蛇腹式パッドの吸着部をスポンジパッドの吸着部より板状ワーク側に突出させたので、積層した板状ワークの最上部又は最前列の一枚を吸着、吸引後、他の板状ワークと切り離す時間が、ロボットハンドによる吸着パッドの制御に比べて短時間でできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸着パッドの縦断面図。
【図2】本発明の吸着パッドの吸着面から見た平面図。
【図3】本発明の実施例2の吸着パッドの縦断面図。
【図4】本発明の実施例2の吸着パッドの吸着面から見た平面図。
【図5】本発明の実施例3の吸着パッドの縦断面図。
【図6】本発明の実施例3の吸着パッドの吸着面から見た平面図。
【図7】(a)、(b)、(c)は、それぞれ本発明の吸着パッドによって板状ワークを吸着する前の状態、蛇腹パッドが吸着を始めた状態、スポンジパッドが吸着を受け継いだ状態を示す断面図。
【図8】従来の吸着パッドの縦断面図。
【図9】従来のスポンジパッドの縦断面図。
【図10】従来の蛇腹式パッドの縦断面図。
【符号の説明】
1 板状ワーク
3、3’、3” 吸着パッド
4 蛇腹式パッド
4a リップ部
4b 突起部
4c 吸引孔
6 スポンジパッド
6a スカート部
6b 突起部
6c 吸引孔
7 ストッパー
8 本体プレート
Claims (4)
- 吸着面に凹凸がある、又は粉粒体の付着している板状ワークを吸着する吸着パッドにおいて、吸着パッドの吸着面の外周側と内周側に大径パッドと、小径パッドを同心円状に設け、一方のパッドを独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッドとし、他方のパッドを蛇腹式パッドとして、それぞれ別々の真空系統にて吸引させるようにしたことを特徴とする吸着パッド。
- 吸着面に凹凸がある、又は粉粒体の付着している板状ワークを吸着する吸着パッドにおいて、吸着パッドの吸着面の略中心部に独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッドを設け、その外側周辺部に近接して複数個の小径の蛇腹式パッドを並設して設け、該スポンジパッドと蛇腹式パッドを別々の真空系統にて吸引させるように接続したことを特徴とする吸着パッド。
- 板状ワークの吸着面と前記蛇腹式パッドの吸着面までの間隔が、独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッドの吸着面までの間隔よりも小としたことを特徴とする請求項2記載の吸着パッド。
- 独立気泡含有スポンジゴムからなるスポンジパッド、または蛇腹式パッドのいずれか一方または両方のパッド近傍位置に吸着力による圧縮変形を制限するストッパーを少なくとも一つ設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の吸着パッド。
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