JP2004014762A - 電気二重層コンデンサー用炭素材料およびその製造方法 - Google Patents

電気二重層コンデンサー用炭素材料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原料炭化物の結晶構造を制御し、それを最適な条件で賦活することにより、体積容量が高く、電気二重層コンデンサーの電極用活性炭として使用した場合、該電極の体積膨張を抑えることができる電気二重層コンデンサーの電極用活性炭を提供すること。
【解決手段】77Kでの窒素吸着等温線から求められる全細孔容積が0.9〜1.5cc/gであり、15Å以下の細孔容積の全細孔容積に占める割合(15Å以下の細孔容積/全細孔容積×100)が30〜50%であることを特徴とする電気二重層コンデンサー用活性炭。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気二重層コンデンサーの電極用炭素材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、易黒鉛化性炭素材料からなる炭化物(以下「原料炭化物」という)を、アルカリ賦活した炭素材料(以下「活性炭」という)を電極材料として用いた電気二重層コンデンサーは、体積当たりの静電容量が高く、その実用化の目処が付き始めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の原料炭化物をアルカリ賦活して得られる活性炭は、電気二重層コンデンサーの電極として用いた場合、充放電時に電極の体積が2〜3倍に膨張することがあるため、積層型や巻回型の電気二重層コンデンサーにおいては、ケース内に前記体積膨張量に見合う空間を設けるか、ケース強度を強めるかの対策が必要となり、その結果、コンデンサーが大きくなり、コストアップに繋がるという問題がある。
【0004】
本発明は、原料炭化物の結晶構造を制御し、それを最適な条件で賦活することにより、体積容量が高く、電気二重層コンデンサーの電極用活性炭として使用した場合、該電極の体積膨張を抑えることができる電気二重層コンデンサーの電極用活性炭を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、77Kでの窒素吸着等温線から求められる全細孔容積が0.9〜1.5cc/gであり、15Å以下の細孔容積の全細孔容積に占める割合(15Å以下の細孔容積/全細孔容積×100)が30〜50%であることを特徴とする電気二重層コンデンサー用活性炭を提供する。該活性炭は、X線回折測定から求められるd002が、0.380〜0.415nmであることが好ましい。
【0006】
また、本発明は、X線回折測定から求められるd002の、活性炭と原料炭化物との比(活性炭d002/原料炭化物d002)(以下「R」という)が1.04〜1.20であり、かつ77Kでの窒素吸着等温線から求められる全細孔容積が0.9〜1.5cc/gであり、15Å以下の細孔容積の全細孔容積に占める割合(15Å以下の細孔容積/全細孔容積×100)が30〜50%であることを特徴とする電気二重層コンデンサー用活性炭を提供する。
【0007】
また、本発明は、1次QIの含有量が0.1〜10質量%である軟化点50〜120℃のコールタールピッチを、窒素ブロー下で熱処理し、該熱処理物を不融化および炭化して、該炭化物のX線回折測定から求められるd002を0.347〜0.360nmの範囲とし、その後該炭化物をアルカリ金属水酸化物で賦活することを特徴とする前記何れかの活性炭の製造方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、1次QIの含有量が0〜6質量%である軟化点50〜120℃のコールタールピッチを、エアーブロー下で熱処理し、該熱処理物を不融化および炭化して、該炭化物のX線回折測定から求められるd002を0.349〜0.363nmの範囲とし、その後該炭化物をアルカリ金属水酸化物で賦活することを特徴とする前記何れかの活性炭の製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の請求項1の活性炭は、下記のa及びbの構成を有することを特徴とする。
a.77Kでの窒素吸着等温線から求められる全細孔容積が0.9〜1.5cc/gであること。
b.15Å以下の細孔容積の全細孔容積に占める割合(15Å以下の細孔容積/全細孔容積×100)が30〜50%であること。
本発明の請求項3の活性炭は、前記のaおよびbの構成に加えて下記構成cを有することを特徴とする。
c.X線回折測定から求められるd002の、活性炭と原料炭化物との比(活性炭d002/原料炭化物d002)が1.04〜1.20であること。
【0010】
前記構成aについては、全細孔容積が0.9cc/g未満であると、該活性炭を電気二重層コンデンサーの電極として用いた場合、充放電時に電極の体積が150%以上に膨張する。一方、全細孔容積が1.5cc/gを越えると、電極に用いた場合、電極の嵩密度が上がらず、電極の体積容量が小さくなり、何れにしても本発明の目的が達成されない。
【0011】
前記構成bについては、15Å以下の細孔容積の全細孔容積に占める割合(15Å以下の細孔容積/全細孔容積×100)が30%未満であると、該活性炭を電気二重層コンデンサーの電極として用いた場合、体積容量が上がらず、一方、50%を越えると、充放電時に電極の体積が150%以上に膨張し、何れにしても本発明の目的が達成されない。
【0012】
前記構成cについては、Rが1.04より小さい値である活性炭を電気二重層コンデンサーの電極として用いた場合、充放電時に電極の体積が150%以上に膨張する場合がある。一方、Rが1.20よりも大きな値であると、電極の導電性が悪くなり、電極の内部抵抗が高くなる場合があるので、何れにしても本発明において好ましくはない。
【0013】
一般に原料炭化物のアルカリ賦活による活性炭の細孔形成は、炭素のガス化反応によるメソポアの生成と、積層した芳香族平面の面間に賦活剤であるアルカリ金属が侵入することでミクロ細孔が発達すると言われている。アルカリ金属の侵入によるミクロ細孔の発達により、積層した芳香族平面が乱れ、前記Rの値が変化する。すなわち、Rの値が小さすぎると、前記の通り充放電時に電極の体積膨張が大きく、一方、Rの値が大きすぎると電極として不適当になる。すなわち、本発明で使用する原料炭化物は、その結晶構造が適度に乱れていた方が、賦活して得られる活性炭からなる電極の体積膨張を緩和するために好ましいものと推測される。
【0014】
上記本発明の活性炭を製造する好ましい第1の製造方法は、1次QI(キノリン不溶分)の含有量が0.1〜10質量%でありかつ軟化点50〜120℃のコールタールピッチを、窒素ブロー下で熱処理し、該熱処理物を不融化および炭化して、該炭化物のX線回折測定から求められるd002を0.347〜0.360nmの範囲とし、その後該炭化物をアルカリ金属水酸化物で賦活する方法である。この方法により、前記a〜cの構成を有する本発明の活性炭が得られる。
【0015】
一般にコールタールピッチの1次QIの含有量を制御することで、原料炭化物の結晶構造を制御することが可能である。ここで、1次QIとは、ピッチ中に微量に含まれるカーボンブラック状の微小球状物質が集合したものである。元来、コールタールピッチにはコークス乾留過程で生成した炭素含有率の高い成分から構成される1次QIが存在する。その含有率はコークス炉の乾留条件や使用する石炭によって異なるが、一般に数質量%から十数質量%含有するとされている。
【0016】
本発明の上記第1の方法では、この1次QIの含有量を0.1〜10質量%に制御する必要がある。1次QIの含有量が0.1質量%未満では、原料となる炭化物の結晶構造が高度に発達し、賦活処理において原料炭化物の賦活が困難になり、そのため、賦活剤としてのアルカリ金属水酸化物が多量に必要となり、得られる活性炭のコストアップの要因となる。また、少量のアルカリ金属水酸化物を用いると、得られる活性炭の細孔があまり発達せず、この活性炭は静電容量は高いが、該活性炭からなる電気二重層コンデンサーの電極の充放電時における体積膨張が大きくなる。
【0017】
本発明で用いるピッチの1次QIの含有量が10質量%を超える場合には、沈降分離、遠心分離あるいは濾過などの公知の分離技術で、1次QIの含有量を前記の範囲とすればよい。一方、1次QIの含有量が0または痕跡程度である場合には、カーボンブラックなどの1次QIをピッチに添加して前記の範囲とすることができる。
【0018】
また、上記本発明方法では、上記1次QIを含有するピッチの軟化点は、50〜120℃であり、好ましくは70〜100℃である。軟化点が50℃未満では、後の熱処理において揮発する成分が多くあるため、1次QIの含有率が上昇してしまい、本発明の効果が得られない。一方、軟化点が120℃を超えるとピッチの熱重合による2次QIが発生するため、1次QIの定量が困難になる。
【0019】
上記本発明の方法においては、上記の1次QIの含有量および軟化点を有するピッチを、窒素ブロー下で熱処理し、該熱処理物を不融化および炭化処理して原料炭化物を得る。上記熱処理は350〜450℃の温度、好ましくは380℃〜450℃の温度で1〜13時間行ない、ピッチの軟化点を200〜375℃、好ましくは250〜375℃とする。熱処理温度が350℃よりも低いとピッチの軟化点が上昇するのに時間がかかり、コスト的に好ましくない。一方、熱処理温度が450℃よりも高いと、熱処理中においてコーキングが起こり、熱処理物の反応器からの抜き出しがスムースに行われないので好ましくない。
【0020】
上記不融化処理は、前記熱処理した軟化点250〜375℃のピッチを微細に粉砕した後、その粉砕形状を保つために行なう。この不融化処理は200〜350℃、好ましくは250〜300℃で0.5〜10時間程度酸化ガスフロー下で行う。さらに炭化処理は、500〜1,000℃、好ましくは600〜800℃の温度で1〜10時間不活性ガス雰囲気下で行い、原料炭化物の結晶性の制御を行う。上記温度が500℃よりも低いと、炭化に長時間を要しコスト的に不利であり、一方、上記処理温度が1,000℃を超える温度であると、後のアルカリ賦活が殆ど進行しないので好ましくない。このようにして得られる原料炭化物のX線回折測定から求められるd002は0.347〜0.360nmである。
【0021】
上記で得られた原料炭化物を賦活処理することにより、本発明の活性炭が得られる。賦活処理自体は従来公知の方法でよく、例えば、賦活剤としては水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどアルカリ金属の水酸化物が用いられるが、得られる活性炭にミクロ細孔からメソ細孔にシャープな細孔径分布を与える水酸化カリウムが好ましい。賦活剤の使用量は原料炭化物の質量の2〜4倍であり、賦活温度は500〜1,000℃、好ましくは500〜800℃であり、賦活時間は30分〜10時間、好ましくは30分〜4時間である。この賦活処理は不活性ガス雰囲気下に行う。
【0022】
上記賦活処理は、結晶性が比較的高い原料炭化物を用いた場合には、上記範囲内において比較的高温および長時間行い、結晶性が比較的低い原料炭化物を用いた場合には、上記範囲内において比較的低温および短時間行うことが好ましい。所定の温度および時間で賦活処理した後、約100℃で水蒸気を吹き込み、アルカリ金属を失活させてアルカリ金属水酸化物に戻し、得られた活性炭を濾過し、エタノール/水混合溶媒中で−0.1MPaまで真空脱気を行い、ガスが出なくなったことを確認後、酸洗い、超音波洗浄を繰り返す。水洗後、濾液が中性であることを確認し、熱風乾燥および真空乾燥を行い、本発明の活性炭が得られる。このようにして得られる本発明の活性炭のX線回折測定から求められるd002は0.380〜0.415nmである。
【0023】
本発明の好ましい第2の製造方法は、1次QIの含有量が0〜6質量%である軟化点50〜120℃のコールタールピッチを、エアーブロー下で熱処理し、該熱処理物を不融化および炭化して、該炭化物のX線回折測定から求められるd002を0.349〜0.363nmの範囲とし、その後該炭化物をアルカリ金属水酸化物で賦活する方法である。この方法により、前記a〜cの構成を有する本発明の活性炭が得られる。なお、この方法では、エアの吹き込みにより、炭化物結晶構造内にエーテル結合が形成され、原料炭化物の結晶の発達が制御されるものと思われる。
【0024】
上記方法におけるピッチの1次QIの含有量の調整は、前記第1の方法と同様に行うことができ、ピッチの軟化点は前記第1の方法と同様である。熱処理は250〜350℃の温度で1〜12時間行ない、ピッチの軟化点を前記の第1の方法と同様の軟化点とする。熱処理温度が250℃よりも低いと、ピッチの軟化点が上昇するのに時間がかかり、コスト的に好ましくない。一方、熱処理温度が350℃よりも高いと、熱処理中においてピッチとエアとの反応でピッチが発火する危険性があり好ましくない。なお、上記第2の方法における不融化、炭化、賦活などの条件およびそれらの数値の意義は前記第1の方法の場合と同様である。
【0025】
以上の如き本発明の方法によって得られる本発明の活性炭は、電気二重層コンデンサーの電極材料として使用した場合、体積容量が高く、充放電時において電極の膨張が充分に抑えられている。従って本発明の活性炭は、電気二重層コンデンサーの電極用活性炭として有用である。
【0026】
なお、電気二重層コンデンサーの充放電時における電極の膨張の原理は完全には明らかにされていないが、原料炭化物を温和な条件でアルカリ賦活した、比表面積の比較的小さい活性炭で顕著に起る現象である。この現象は電界賦活と呼ばれているが、電解液中のイオンが上記活性炭の細孔をこじ開けるようにして静電容量を発現するため、電極が膨張することは不可避である。
【0027】
本発明は、上記の如き課題を、前記説明の通り、原料炭化物の結晶構造をピッチ中のQIの含有量により調整するとともに、該炭化物の賦活条件の組み合わせを最適化することで解決したものである。
【0028】
【実施例】
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例によって何ら制限されるものではない。
<実施例1>
タールピッチ(軟化点:52℃、1次QI:0.1質量%)を窒素ガス吹込み下、450℃で13時間加熱を行い、軟化点375℃の1次QI低濃度の高軟化点ピッチを得た。このピッチを平均粒径30μmに粉砕し、空気気流下280℃で30分間不融化処理を行い、次いで700℃で2時間窒素気流下で炭化処理した。この原料炭化物に重量比で3倍のKOHを混練後、800℃で1時間窒素ガスフロー下で賦活を行った後、常法に従いKOHを除去して本発明の活性炭を得た。
【0029】
<実施例2>
タールピッチ(軟化点:110℃、1次QI:6質量%)に4質量%のカーボンブラックを150℃で加熱攪拌し均一に分散させる。得られた1次QI添加ピッチの軟化点は119℃、1次QIの含有量は10質量%であった。熱処理、不融化、炭化までを実施例1と同様の操作で行い、KOH比2倍、700℃で1時間窒素フロー下で賦活を行なった以外は実施例1と同様にして本発明の活性炭を得た。
【0030】
<実施例3>
タールピッチ(軟化点:119℃、1次QI:6質量%)を熱処理、不融化、炭化までを実施例1と同様の操作で行い、KOH比3倍、800℃で1時間窒素フロー下で賦活を行なった以外は実施例1と同様にして本発明の活性炭を得た。
【0031】
<実施例4>
タールピッチ(軟化点:110℃、1次QI:6質量%)に3倍量のキノリンを加え、150℃で加熱攪拌してピッチを溶解させる。ピッチ溶液を濾過し、濾液を減圧下(50mmHg約6.5Kpa)、150〜200℃に加熱してキノリンを除去する。得られた1次QI除去ピッチの軟化点は113℃、1次QIの含有量は2質量%であった。熱処理、不融化、炭化までは実施例1と同様の操作で行い、KOH比2.5倍、800℃で1時間、窒素ガスフロー下で賦活を行なった以外は実施例1と同様にして本発明の活性炭を得た。
【0032】
<実施例5>
タールピッチ(軟化点:80℃、1次QI:0質量%)を空気バブリング下、250℃で10時間熱処理を行った。不融化は250℃で4時間、炭化は700℃で1時間行い、KOH比3倍、750℃で1時間窒素フロー下で賦活を行なった以外は実施例1と同様にして本発明の活性炭を得た。
【0033】
<実施例6>
タールピッチ(軟化点:45℃、1次QI:0.1質量%)に等量のキノリンを加え、150℃で加熱攪拌しピッチを溶解させる。ピッチ溶液を濾過し、濾液を減圧下(50mmHg約6.5Kpa)、150〜200℃に加熱してキノリンを除去する。得られた1次QI除去ピッチの軟化点は51℃、1次QIの含有量は痕跡程度であった。このピッチをエアーブロー下で350℃で4時間熱処理を行った。このピッチを250℃で2時間不融化、700℃で2時間炭化を行った。KOH比3倍、800℃で1時間窒素フロー下で賦活を行なった以外は実施例1と同様にして本発明の活性炭を得た。
【0034】
<実施例7>
タールピッチ(軟化点:119℃、1次QI:6質量%)をエアーブロー下320℃で3時間熱処理を行った。このピッチを280℃で0.5時間不融化、700℃で2時間炭化を行った。KOH比3倍、800℃で1時間窒素フロー下で賦活を行なった以外は実施例1と同様にして本発明の活性炭を得た。
【0035】
<比較例1>
タールピッチ(軟化点:80℃、1次QI:0質量%)を窒素ブロー下、450℃で13時間熱処理を行い、軟化点375℃の熱処理ピッチを得た。280℃で0.5時間不融化、700℃で2時間炭化後、KOH比3倍、800℃で1時間、窒素フロー下で賦活を行って比較例の活性炭を得た。
【0036】
<比較例2>
タールピッチ(軟化点:110℃、1次QI:6質量%)に2質量%のカーボンブラックを150℃で溶融混合した。得られたピッチは軟化点121℃、1次QI8質量%であった。250℃で12時間エアーブロー下で熱処理を行い、軟化点250℃のピッチを得た。このピッチを平均粒径30μmに粉砕後、250℃で4時間不融化、700℃で2時間炭化を行った。KOH比3倍、800℃で1時間、窒素フロー下で賦活を行って比較例の活性炭を得た。
【0037】
<比較例3>
タールピッチ(軟化点:50℃、1次QI:0.1質量%)に等量のキノリンを加え、150℃で加熱攪拌しピッチを溶解させる。ピッチ溶液を濾過し、濾液を減圧下(50mmHg約6.5Kpa)、150〜200℃に加熱してキノリンを除去する。得られた1次QI除去ピッチの軟化点は52℃、1次QIの含有量は0.05質量%であった。エアーブロー下での熱処理を360℃で3時間で行い、平均粒径30μmに粉砕後、280℃で0.5時間不融化、700℃で2時間炭化後、KOH比3倍、800℃で1時間賦活を行って比較例の活性炭を得た。
【0038】
上記実施例および比較例において用いたピッチの1次QIの含有量、軟化点(℃)、熱処理、不融化、炭化および賦活条件などを下記表1に示した。
Figure 2004014762
【0039】
前記実施例および比較例で得られた活性炭の物性およびキャパシタ特性を下記表2に示した。上記物性およびキャパシタ特性は下記の方法で測定した。
・細孔容積の測定
装置はマイクロメリティックス(株)社製のTristar 3000を使用し、77Kでの窒素吸着等温線よりBJH法で求めた。
・静電容量などの測定
活性炭:バインダー:導電材=95:3:2の質量割合で混練後、圧延して電極シートを作成した。2枚の電極シートを図1に示すビーカーセル中の0.8Mのテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート[(CNBF]中に含浸した。このセルを変位測定装置に固定した。変位測定装置はフレーム固定台、シャフト固定台およびセル固定台からなり、変位センサー取付アームに変位センサーが取り付けてある。電極はサンプル押えブロックで押さえられ、充放電時に正負両極合計の膨張が観測される。膨張率は初期の電極厚み(電極2枚分)を100%として示し、膨張が安定する20サイクル後の値を示した。静電容量は3サイクル目の放電曲線から計算した。内部抵抗はIRドロップから算出した。
【0040】
・R値の測定(d002の解析)
理学電機製のRU−300を用いて広角法(線源CuKr線、管電圧40KV、管電流300mA)による測定を行い計算した。活性炭と原料炭化物のd002の測定をそれぞれ行い、その比(R=活性炭のd002/原料炭化物のd002)を求めた。
以上の結果を下記表2に示す。
【0041】
Figure 2004014762
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、原料炭化物の結晶構造を、ピッチ中の一次QIの含有量で制御し、それを最適な条件で賦活することにより、体積容量が高く、膨張を抑えた電気二重層コンデンサーの電極用活性炭を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した変位測定装置を説明する図である。

Claims (6)

  1. 77Kでの窒素吸着等温線から求められる全細孔容積が0.9〜1.5cc/gであり、15Å以下の細孔容積の全細孔容積に占める割合(15Å以下の細孔容積/全細孔容積×100)が30〜50%であることを特徴とする電気二重層コンデンサー用炭素材料。
  2. X線回折測定から求められるd002が、0.380〜0.415nmである請求項1に記載の炭素材料。
  3. X線回折測定から求められるd002の、賦活後炭素材料と賦活前炭素材料との比(賦活後炭素材料d002/賦活前炭素材料d002)が1.04〜1.20であり、かつ77Kでの窒素吸着等温線から求められる全細孔容積が0.9〜1.5cc/gであり、15Å以下の細孔容積の全細孔容積に占める割合(15Å以下の細孔容積/全細孔容積×100)が30〜50%であることを特徴とする電気二重層コンデンサー用炭素材料。
  4. 1次QIの含有量が0.1〜10質量%である軟化点50〜120℃のコールタールピッチを、窒素ブロー下で熱処理し、該熱処理物を不融化および炭化して、該炭化物のX線回折測定から求められるd002を0.347〜0.360nmの範囲とし、その後該炭化物をアルカリ金属水酸化物で賦活することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の炭素材料の製造方法。
  5. 1次QIの含有量が0〜6質量%である軟化点50〜120℃のコールタールピッチを、エアーブロー下で熱処理し、該熱処理物を不融化および炭化して、該炭化物のX線回折測定から求められるd002を0.349〜0.363nmの範囲とし、その後該炭化物をアルカリ金属水酸化物で賦活することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の炭素材料の製造方法。
  6. 請求項1〜3の何れか1項に記載の炭素材料からなる電極を有することを特徴とする電気二重層コンデンサー。
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