JP2003336001A - 有機顔料分散体およびその製造方法、水性着色液ならびにインクジェット記録用インク - Google Patents

有機顔料分散体およびその製造方法、水性着色液ならびにインクジェット記録用インク

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JP2003336001A
JP2003336001A JP2002146114A JP2002146114A JP2003336001A JP 2003336001 A JP2003336001 A JP 2003336001A JP 2002146114 A JP2002146114 A JP 2002146114A JP 2002146114 A JP2002146114 A JP 2002146114A JP 2003336001 A JP2003336001 A JP 2003336001A
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organic
pigment dispersion
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Hideto Kuribayashi
英人 栗林
Yoshihisa Yamashita
佳久 山下
Masafumi Hirose
雅史 広瀬
Akio Kashiwazaki
昭夫 柏崎
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間の分散装置による処理を必要とせず、
原料となる顔料の一次粒子の大きさに依存しない、高い
分散安定性とサイズの均一性を持つナノメートルオーダ
ーの透明性に優れた顔料分散体およびその製造方法を提
供する。耐水性や耐光性、発色性や光透過性に優れた水
性着色液、特にはインクジェット用記録液を提供する。 【解決手段】 有機顔料と分散剤とを酸または酸と有機
溶剤との混合液に溶解する溶解工程と、該溶解工程で得
られた顔料溶液を水と混合することにより有機顔料を析
出させる析出工程とを有することを特徴とする有機顔料
分散体の製造方法。この方法で得られた有機顔料分散
体。この有機顔料分散体を含む水性着色液、特にはイン
クジェット用記録液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明はインクジェットプリンタ
等の記録液、この記録液に好適な水性着色液、この記録
液に使用する有機顔料分散体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々のイン
ク吐出方式により、インク小滴(droplet)を形成し、
それらの一部若しくは全部を紙、加工紙、プラスチック
フィルム、織布等の被記録材に付着させて記録を行うも
のである。従来から、インクジェット用記録液は主に染
料と水溶性の添加剤からなる水性の記録液が用いられて
おり、インクとしての保存安定性には優れるが、これを
用いて印字されたものは耐水性や耐光性などにおいてさ
らなる改善が進められている。そこで色材を染料から顔
料に換えることで耐水性や耐光性を改善しようという試
みがなされている。しかし、染料インクと比較して顔料
インクはインクジェットヘッドのノズルからの吐出性が
劣る場合が多く、また顔料は染料のような単独の色素分
子ではなく粒子であるために散乱光や反射光が混入し、
染料に比べて吸収スペクトルがブロードになり一般に発
色性が低い。これらを解決する方法の一つとして顔料を
微細化するという方法があり、光散乱の影響がほとんど
なく、染料並の透過性を示すようなナノメートルオーダ
ー(100ナノメートル以下)に顔料を微粒子化するこ
とが望まれている。通常、顔料の微粒子化はサンドミル
やロールミル、ボールミルと言った分散機を用いて機械
的な力によって行うが、この方法では顔料を一次粒子付
近のサブミクロンオーダーまで微細化するのが限界であ
り、ナノメートルオーダーまで微粒子化するのは難しい
(特開平10−110111号公報)。また、粒子径を
小さくしようとすればするほど分散に長時間を要し、均
一な品質のものを得るのも困難になる。さらにこの方法
では顔料を一次粒子より微細化することは非常に困難で
あるので、ナノメートルオーダーの顔料粒子を得るため
には、原料として一次粒子が大きい顔料を用いることが
出来ない。一方、顔料を一度溶解させた後に再び析出さ
せて顔料の微粒子を作るという方法が提案されている。
特開平9−221616号公報では硫酸を用いて一度有
機顔料を溶解させるアシッドペースティング法による微
粒子化が提案されているが、ナノメートルオーダーの顔
料を得るには至っていない。また、特公平4−2970
7号公報、特公平6−4476号公報にはアルカリ存在
下の非プロトン性極性溶剤に有機顔料を溶解した後、酸
で中和して微細な顔料粒子を得る方法が記載されている
が、顔料の微細化と分散安定化処理の操作を二段階に分
けて行わなければならないため、始め微細であった顔料
粒子も分散時には既に凝集を起こしており、実質ナノメ
ートルオーダーの顔料分散体を得ることは困難である。
特公平5−27664号公報、特公平6−33353号
公報、特公平6−96679号公報ではアルカリ存在下
で非プロトン性極性溶剤に有機顔料と界面活性剤や樹脂
などの分散剤を一緒に溶解させておき、酸で中和して分
散性の高い微細な顔料粒子を得ているが、顔料はスラリ
ー状態を経ており、さらに乾燥処理されるため顔料粒子
の会合は防げず、その後にボールミルなどで分散処理を
行ってもサイズの整ったナノメートルオーダーの顔料を
安定して得るには至らない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は上記、従来の顔料分散体作成法の課題を解決し、長時
間の分散装置による処理を必要とせず、原料となる顔料
の一次粒子の大きさに依存しない、高い分散安定性とサ
イズの均一性を持つナノメートルオーダーの顔料分散体
およびその製造方法を提供することにある。また、耐水
性や耐光性に優れ、かつ発色性や光透過性にも優れた水
性着色液、特にはインクジェット用記録液を提供するこ
とも目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、有機顔料と分散剤とを酸または酸と有機溶剤と
の混合液に溶解する溶解工程と、該溶解工程で得られた
顔料溶液を水と混合することにより該有機顔料を析出さ
せる析出工程とを有することを特徴とする有機顔料分散
体の製造方法によって、上記課題が解決されることを見
出した。これにより、乾燥、分離の工程をなくすことが
可能となり、また有機顔料の析出と分散を同時に行うこ
とができ、従来技術では達成されなかったサイズの整っ
たナノメートルオーダーの顔料分散体の安定供給が達成
される。
【0005】この方法において、前記分散剤が、カチオ
ン性窒素原子、水酸基およびアルキレンオキサイドから
選ばれる1種類以上を分子中に有する高分子化合物もし
くは界面活性剤であることが好ましい。
【0006】また、前記有機溶剤の水に対する溶解度が
5質量%以上であることも好ましい。
【0007】前記酸が、有機プロトン酸であることも好
ましい。
【0008】前記有機プロトン酸が、アルキルスルホン
酸、アルキルカルボン酸、ハロゲン化アルキルスルホン
酸、ハロゲン化アルキルカルボン酸、芳香族カルボン酸
および芳香族スルホン酸からから選ばれる1種類以上で
あることが好ましい。
【0009】また、前記酸が、無機プロトン酸であるこ
とも好ましい。
【0010】前記無機プロトン酸が、硫酸、硝酸、リン
酸、ポリリン酸、塩化水素酸、過塩素酸、フッ化水素
酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸およびクロロスルホン酸
から選ばれる1種類以上であることが好ましい。
【0011】前記酸が、ルイス酸であることも好まし
い。
【0012】前記ルイス酸が、アルミニウム、鉄、銅、
亜鉛、スズ、ガリウム、ホウ素、チタン、ジルコニウ
ム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、
ヒ素、タングステン、タンタル、ジルコニウムおよびバ
ナジウムから選ばれる1種類以上のハロゲン化物である
ことが好ましい。
【0013】本発明は、上記の方法で製造された有機顔
料分散体を包含する。
【0014】本発明はまた、この有機顔料分散体を含有
する水性着色液も包含する。
【0015】本発明はさらに、この有機顔料分散体を含
有するインクジェット用記録液をも包含する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下により具体的な構成例につい
て記載するが、本発明は下記方法に限定されるものでは
ない。
【0017】本発明で使用する有機顔料としては、分散
剤と共に酸に溶解するもの、あるいは酸と有機溶剤との
混合液に溶解するものであればいかなる物でも使用でき
る。さらに好ましくはこの条件下で反応性を示さず、安
定な物がよい。具体的には、印刷インキおよび塗料等に
用いられている有機顔料を用いることができ、例えば、
アゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、アンスラキノン系、
ジアンスラキノニル系、アンスラピリジン系、アンサン
スロン系、チオインジゴ系、ナフトール系、ベンゾイミ
ダゾロン系、ピランスロン系、フタロシアニン系、フラ
バンスロン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケ
トピロロピロール系、インダンスロン系、イソインドリ
ノン系、イソインドリン系、キノフタロン系、ペリノン
系およびペリレン系の顔料、建染染料系顔料、金属錯体
顔料、塩基性染料系顔料がある。例としてはC.I.P
igment Yellow 1、同2、同3、同1
2、同13、同14、同16、同17、同55、同7
3、同74、同75、同81、同83、同93、同9
5、同97、同98、同108、同109、同110、
同114、同128、同129同130、同138、同
139、同150、同151、同154、同155、同
158、同173、同180、同185、C.I.Pi
gment Red 5、同7、同12、同22、同3
1、同48(Ca)、同49(Mn)、同57(C
a)、同88、同112、同122、同123、同14
6、同150、同168、同171、同175、同17
6、同177、同181、同183、同184、同18
5、同202、同206、同207、同208、同20
9、同213、同254、同255、C.I.Pigm
ent Blue 1、同2、同3、同15、同16、
同22、同25、同26、同56、同57、同60、同
61、同66、C.I.Pigment Violet
19、同29、同38、同42、同43、同44、
C.I.Pigment Orange 16、同3
6、同61、同66、C.I.Pigment Bro
wn 38がある。また、これらの有機顔料は、1種類
単独でまたは2種類以上を併用して用いることができ
る。
【0018】分散剤としては、酸単独又は酸と有機溶剤
との混合液に溶解するものであって、かつ水にも可溶で
あり分散剤の水溶液中において有機顔料に対して分散効
果があるものを適宜使用可能である。好ましくは高分子
化合物または界面活性剤であって、カチオン性窒素原
子、水酸基およびアルキレンオキサイドのうちの1種類
以上を分子中に有するものである。さらに好ましくは酸
単独、又は酸存在下の有機溶剤に有機顔料と共に安定に
溶解するものがよい。分散剤の親水性部分がカルボン酸
基、スルホン酸基、リン酸基など上記以外のものから選
ばれるもののみで構成されている場合は酸を含む有機顔
料の分散体において分散安定性が相対的に低くなるとい
う点で不利である。具体的に界面活性剤としては、アル
キルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルア
ンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジニ
ウム塩、イミダゾリニウム塩等のカチオン界面活性剤、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アセチレン
グリコールのエチレンオキサイド付加物、グリセリンの
エチレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、ま
た、この他にもアルキルベタインやアミドベタインなど
の両性界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッソ系界
面活性剤などを含めて、従来公知である界面活性剤およ
びその誘導体から適宜選ぶことができる。
【0019】分散剤として使用できる高分子化合物とし
ては、具体的にはスチレン、スチレン誘導体、ビニルナ
フタレン、ビニルナフタレン誘導体、α,β−エチレン
性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等、ア
クリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸
誘導体、アルケニルスルホン酸、ビニルアミン、アリル
アミン、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマール酸、
フマール酸誘導体、酢酸ビニル、ビニルホスホン酸、ビ
ニルピロリドン、アクリルアミド、N−ビニルアセトア
ミド、N−ビニルホルムアミドおよびその誘導体等から
選ばれた少なくとも2つ以上の単量体(このうち少なく
とも1つはカチオン性窒素原子、水酸基およびアルキレ
ンオキサイドのいずれかになる官能基を有する単量体)
から構成されるブロック共重合体、或いはランダム共重
合体、グラフト共重合体、又はこれらの変性物、および
これらの塩等が挙げられる。カチオン性窒素原子を分子
中に有するモノマーとしてさらに具体的な例として、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート〔CH2=
C(CH3)−COO−C24N(CH3)2〕、N,N−ジ
メチルアミノエチルアクリレート〔CH2=CH−CO
O−C24N(CH3)2〕、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルメタクリレート〔CH2=C(CH3)−COO−C3
6N(CH3)2〕、N,N−ジメチルアミノプロピルア
クリレート〔CH 2=CH−COO−C36N(C
3)2〕、N,N−ジメチルアクリルアミド〔CH2=C
H−CON(CH3)2〕、N,N−ジメチルメタクリルア
ミド〔CH2=C(CH3)−CON(CH3)2〕、N,N−
ジメチルアミノエチルアクリルアミド〔CH2=CH−
CONHC24N(CH3)2〕、N,N−ジメチルアミノ
エチルメタクリルアミド〔CH2=C(CH3)−CONH
24N(CH3)2〕、N,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミド〔CH2=CH−CONH−C36N(C
3)2〕、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリル
アミド〔CH2=C(CH3)−CONH−C36N(C
3)2〕等が挙げられる。
【0020】また、アルブミン、ゼラチン、ロジン、シ
ェラック、デンプン、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ
等の天然高分子化合物、およびこれらの変性物も分散剤
として好ましく使用することが出来る。また、これらの
分散剤は、1種類単独でまたは2種類以上を併用して用
いることができる。上記分散剤の使用割合は特に限定さ
れるものではないが、有機顔料1質量部に対して0.0
5〜5質量部以上の範囲で用いるのが好ましく、さらに
有機溶剤を使用する場合は有機溶剤100質量部に対し
て50質量部以下の範囲で用いるのが好ましい。分散剤
が有機溶剤100質量部に対して50質量部以下である
と分散剤を完全に溶解させるのが容易であり好ましい。
有機顔料1質量部に対して0.05質量部以上とする
と、分散効果が優れるため好ましい。また、分散剤を有
機顔料1重量部に対して5質量部以下とすることによ
り、分散効果の向上に優れ、コストパフォーマンスに優
れるため好ましい。また高分子化合物の好ましい分子量
範囲については特に限定されるものではないが、200
〜100000が好ましく、さらには2000〜600
00の範囲で用いるのが好ましい。高分子化合物の分子
量が200以上であると分散効果に優れるため好まし
く、100000以下であると溶媒への溶解性に優れる
ため好ましい。
【0021】有機溶剤としては、酸の存在下で有機顔料
と分散剤を溶解させるものであればいかなるものでも使
用可能であるが、水に対する溶解度が5質量%以上であ
るものが好ましく利用され、さらには水に対して自由に
混合するものが好ましい。水に対する溶解度が5質量%
以上の溶剤を用いて顔料を可溶化した場合は、水と混合
する際に有機顔料が析出しやすく、微細な粒子を得る上
で好ましい。また、得られる顔料分散体の分散安定性も
良好であるという点でも好ましい。具体的にはジメチル
スルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラ
ン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ア
セトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラメチル尿
素、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホ
ロトリアミド、ピリジン、プロピオニトリル、ブタノ
ン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、テトラヒ
ドロピラン、エチレングリコールジアセテート、γ−ブ
チロラクトン、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノール、ニトロメタ
ン、ニトロエタン、酢酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢
酸、トリクロル酢酸、プロピオン酸等が好ましい溶剤と
して挙げられ、中でもジメチルスルホキシド、N−メチ
ルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダ
ゾリジノン、ニトロメタン、ニトロプロパン、アセトン
又はアセトニトリルが好ましい。また、これらは1種類
単独でまたは2種類以上を併用して用いることができ
る。
【0022】酸としては、酸単独または有機溶剤中で有
機顔料を可溶化するものであればいかなるものでも使用
可能であるが、有機プロトン酸、無機プロトン酸、及び
ルイス酸が好ましい。具体的には、有機プロトン酸とし
ては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパン
スルホン酸、ブタンスルホン酸等のアルキルスルホン
酸;これらがハロゲンで置換されたトリフルオロメタン
スルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタ
フルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスル
ホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリ
ル等のハロゲン化アルキルスルホン酸;ギ酸、酢酸、プ
ロピオン酸、ブタン酸等のアルキルカルボン酸;これら
がハロゲンで置換されたトリフルオロ酢酸、トリクロロ
酢酸、クロロカプロン酸、ブロモカプロン酸、クロロウ
ンデカン酸等のハロゲン化アルキルカルボン酸;安息香
酸、テトラフルオロ安息香酸等の芳香族カルボン酸;ベ
ンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスル
ホン酸、ナフタレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホ
ン酸等の芳香族スルホン酸を好ましく利用することがで
きる。無機プロトン酸としては、硫酸、硝酸、リン酸、
ポリリン酸、塩化水素酸、過塩素酸、フッ化水素酸、臭
化水素酸、ヨウ化水素酸、クロロスルホン酸を好ましく
利用できる。この他に、亜リン酸、次亜リン酸、亜リン
酸、ピロリン酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、過ヨウ素酸、
発煙硫酸、発煙硝酸、マンガン酸、過マンガン酸、クロ
ム酸、重クロム酸、その他各種固体酸等も使用できる。
ルイス酸としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、ス
ズ、ガリウム、ホウ素、チタン、ジルコニウム、インジ
ウム、ケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、ヒ素、タン
グステン、タンタル、ジルコニウムおよびバナジウムか
ら選ばれる一種以上の物質のハロゲン化物を好ましく使
用できる。例えば、三塩化ガリウム、四塩化スズ、三塩
化ホウ素、四塩化ゲルマニウム、五塩化アンチモン、三
塩化鉄、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、四
塩化スズ、三塩化インジウム、三フッ化ホウ素、三臭化
ホウ素、二塩化亜鉛、四塩化亜鉛、五フッ化アンチモ
ン、五塩化アンチモン、五塩化タンタル、六フッ化ヒ
素、五フッ化ヒ素、四塩化ジルコニウム、四塩化バナジ
ウム、二塩化スズ、二塩化銅もしくは四塩化チタン等で
ある。以上述べた中でも有機顔料の可溶化能力の高さと
取り扱いの点から、硫酸、硝酸、トルエンスルホン酸、
エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、トリフルオロ
酢酸、三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウムが好ま
しく使用される。また、これらの酸は、1種類単独でま
たは2種類以上を併用して用いることができる。上記酸
の使用割合は特に限定されるものではないが、有機顔料
1質量部に対して0.01〜500質量部の範囲で用い
るのが好ましく、さらに酸と有機溶剤を混合して用いる
際は、有機溶剤100質量部に対して1質量部以上で用
いるのが好ましい。酸が有機顔料1質量部に対して0.
01質量部以上であると、また酸が有機溶剤100質量
部に対して1質量部以上であると分散剤と共に有機顔料
を完全に溶解させることが容易であるため好ましい。ま
た、酸が有機顔料に対して500質量部以下であると、
着色力の観点から見て、得られる有機顔料分散体の濃度
が薄くなることを有効に防ぐことができ、濃縮等の操作
の省略や簡略化を図ることができるため生産性という点
においても好ましい。
【0023】酸と有機溶剤を混合して用いる際に、酸を
完全に溶解させるために、若干の水や低級アルコール、
グリセリンなどの酸に対して高い溶解度をもつ溶剤を有
機溶剤に添加することが出来る。これにより酸の溶解度
が低い有機溶剤であっても酸の溶解性が増し、有機顔料
の溶解が容易になる。その添加率が全溶媒量(酸と有機
溶剤との混合液に用いる有機溶剤の量と、酸を完全に溶
解させるために添加する水や溶剤の量との和)に対して
50質量%未満であると有機顔料の溶解性に優れるため
好ましく、通常0.01〜30質量%程度の添加率が最
も効果的である。具体的には水、メタノール、エタノー
ル、プロピルアルコール、ブチルアルコール、グリセリ
ンなどを添加することができる。
【0024】有機顔料を酸または酸と有機溶剤の混合液
に溶解させる際、有機顔料と分散剤に加えて、結晶成長
防止剤や紫外線吸収剤、樹脂添加物などを必要に応じて
添加することができる。結晶成長防止剤としては、当該
技術分野においてよく知られているフタロシアニン誘導
体やキナクリドン誘導体が挙げられ、例えばフタロシア
ニンのフタルイミドメチル誘導体、フタロシアニンのス
ルホン酸誘導体、フタロシアニンのN−(ジアルキルア
ミノ)メチル誘導体、フタロシアニンのN−(ジアルキ
ルアミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体、キナクリ
ドンのフタルイミドメチル誘導体、キナクリドンのスル
ホン酸誘導体、キナクリドンのN−(ジアルキルアミ
ノ)メチル誘導体、キナクリドンのN−(ジアルキルア
ミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体等が挙げられ
る。紫外線吸収剤としては、金属酸化物、アミノベンゾ
エート系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤、シンナメート系紫外線吸収剤、ニッケル
キレート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸
収剤、ウロカニン酸系紫外線吸収剤およびビタミン系紫
外線吸収剤等の紫外線吸収剤が挙げられる。樹脂添加物
としては、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオ
ン変性ポリビニルアルコール、ポリウレタン、カルボキ
シメチルセルロース、ポリエステル、ポリアリルアミ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリ
アミンスルホン、ポリビニルアミン、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン
化でんぷん、メラミン樹脂あるいはこれらの変性物等の
合成樹脂などが挙げられる。これらの結晶成長防止剤や
紫外線吸収剤、樹脂添加物はいずれも1種類単独でまた
は2種類以上を併用して使用することができる。
【0025】このようにして得られた、有機顔料と分散
剤が酸または酸と有機溶剤との混合液に溶解しているも
の(「顔料溶液」という。)を水と混合して有機顔料を
析出させる際に使用される水の割合は、顔料溶液1質量
部に対して0.1〜1000質量部、さらには1〜50
0質量部が好ましい。水が顔料溶液1質量部に対して
0.1質量部以上であると、有機顔料の析出が進行しや
すく、析出した有機顔料の分散安定性に優れるため好ま
しく、1000質量部以下であると着色力の観点から見
て、得られる有機顔料分散体の濃度が薄くなることを有
効に防ぐことができ、濃縮等の操作の省略や簡略化を図
ることができるため好ましい。
【0026】また、顔料溶液と水とを混合する際にこれ
らの温度は−50℃〜100℃の範囲、さらには−20
℃〜50℃の範囲に調節するのが好ましい。混合する際
の顔料溶液および水の温度は析出する有機顔料のサイズ
に大きく影響するため、ナノメートルオーダーの有機顔
料分散体を得るには顔料溶液および水の温度を−50℃
〜100℃の範囲にするのが好ましい。また、顔料溶液
と水との混合の際に溶液の流動性を確保するために、混
合する水に、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−
ル、グリセリン等の公知の凝固点降下剤を加えておくこ
とができる。
【0027】さらに、サイズの均一性を持つナノメート
ルオーダーの顔料分散体を得るには、顔料溶液と水との
混合を可能な限り速やかに行うのが好ましく、超音波振
動子やフルゾーン撹拌羽等の従来公知の撹拌、混合、分
散に使用される装置をいずれも使用することができる。
また、連続して流れる水の中に混合してもよい。さら
に、有機顔料分散体を安定して作成するために、顔料溶
液と混合する水に対しても酸及び分散剤を加えておくこ
とができる。
【0028】このようにして得られた顔料分散体は、従
来公知の方法で濃縮、不純物の除去、アルカリによる中
和とそれに続く脱塩などを行うことができ、必要に応じ
た顔料分濃度とpHに調整することができる。
【0029】本発明で作成された有機顔料分散体はイン
クジェット用記録液の着色剤として好ましく使用するこ
とができる。この際、インクジェット記録液中の有機顔
料分散体濃度はインクジェット記録液100質量部に対
して顔料分が2.0〜10.0質量部になるように調整
するのが着色力の点から好ましい。本発明のインクジェ
ット用記録液にはノズル部分での乾燥、記録液の固化、
および粘度調節を目的として、水溶性有機溶剤を添加で
きる。水溶性有機溶剤としては、例えば炭素数1から4
のアルキルアルコール類(例えばメタノール、エタノー
ル、n―プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n―ブチルアルコール、sec―ブチルアルコール、t
ert―ブチルアルコール等)、ケトンまたはケトアルコ
ール類(例えばアセトン、ジアセトンアルコール等)、
アミド類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド等)のアミド類、アセトン、ジアセトンアルコ
ール等)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジ
オキサン等)、ポリアルキレングリコール類(例えばポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール
等)、アルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキ
レングリコール類(例えばエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブチレングリコール、トリエチレング
リコール、1,2,6―ヘキサントリオール、ヘキシレ
ングリコール、ジエチレングリコール等)、多価アルコ
ール等のアルキルエーテル類(例えばエチレングリコー
ルメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテ
ル、トリエチレンモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノエチルエーテル等)、さらにはグリセリ
ン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール、ある
いはまたN−メチルピロリドン、2−ピロリドン、ジメ
チルイミダゾリジノン等があげられる。インク中での水
溶性有機溶剤のトータルの量(インクジェット記録液作
成時に加える水溶性有機溶剤だけでなく、顔料溶液に含
まれる水溶性有機溶剤も含む)としては、インク全量
(インクジェット用記録液100質量部)に対して2〜
60質量部、さらに好適な範囲としては、5〜25質量
部である。また本発明のインクジェット用記録液には紙
への浸透性を調節、および有機顔料分散体の分散安定性
を向上させる目的で界面活性剤を添加できる。界面活性
剤としてはノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性
剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系
界面活性剤など従来公知の界面活性剤をいずれも好まし
く利用できる。インク中での界面活性剤の量(インクジ
ェット記録液作成時に加える界面活性剤だけでなく、顔
料溶液に含まれる界面活性剤も含む)としては、インク
全量(インクジェット用記録液100質量部)にたいし
て0.05〜10質量部、さらに好適な範囲としては、
0.1〜5質量部である。本発明のインクジェット用記
録液には、上記した有機顔料分散体、水溶性有機溶剤、
界面活性剤の他にも防黴剤、酸化防止剤、pH調整剤な
どの添加剤を適宜配合してもかまわない。
【0030】また本発明で作成された有機顔料分散体
は、インクジェット用記録液、印刷インキ、トナー、塗
料、筆記用インキ、フィルム用コーティング材、強誘電
体プリンタ、液体現像剤、電子写真用材料、プラスチッ
ク用着色剤、ゴム用着色剤、繊維用着色剤など広範囲の
水性着色剤として用いることができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例および比較例を示して、本発明
を更に具体的に説明する。尚、文中「部」および「%」
とあるのは特に示さない限り質量基準とする。
【0032】〔実施例1〕分散剤としてスチレン−アリ
ルアミンの共重合体(塩基価250、分子量5000)
10部を用い、顔料としてC.I.Pigment B
lue 15のフタロシアニン顔料10部を用い、これ
ら分散剤及び顔料を98%硫酸80部に溶かし、空気雰
囲気下25℃で2時間撹拌した。次に、この溶液を0℃
に冷却保温した水400部に超音波ホモジナイザー(ブ
ランソン社製)を用いて速やかに混合してフタロシアニ
ン顔料の水分散体を得た。
【0033】〔実施例2〕分散剤としてスチレン−アリ
ルアミンの共重合体(塩基価250、分子量5000)
5部とポリオキシエチレンラウリルエーテル(PEG−
30)3部と塩化ベンザルコニウム2部を用い、顔料と
してC.I.Pigment Red 122のキナク
リドン顔料8部とC.I.Pigment Viole
t 19のキナクリドン顔料2部を用い、これら分散剤
及び顔料を98%硫酸80部に溶かし、空気雰囲気下2
5℃で2時間撹拌した。次に、この溶液を0℃に冷却保
温した水400部に超音波ホモジナイザー(ブランソン
社製)を用いて速やかに混合して固溶体化されたキナク
リドン顔料の水分散体を得た。
【0034】〔実施例3〕分散剤としてスチレン−アリ
ルアミンの共重合体(塩基価250、分子量5000)
8部とポリオキシエチレンラウリルエーテル(PEG−
30)2部を用い、顔料としてC.I.Pigment
Yellow 110のイソインドリノン顔料7部と
C.I.Pigment Yellow 109のイソ
インドリノン顔料3部を用い、これら分散剤及び顔料を
トリフルオロ酢酸80部に溶かし、窒素雰囲気下で氷冷
し、2時間撹拌した。次に、この溶液を0℃に冷却保温
した水400部に超音波ホモジナイザー(ブランソン社
製)を用いて速やかに混合した後、トリフルオロ酢酸を
減圧蒸留して、固溶体化されたキナクリドン顔料の水分
散体を得た。
【0035】〔実施例4〕分散剤としてスチレン−アリ
ルアミンの共重合体(塩基価250、分子量5000)
8部とポリオキシエチレンラウリルエーテル(PEG−
30)2部とを用い、顔料としてC.I.Pigmen
t Blue 15のフタロシアニン顔料10部を用
い、三塩化アルミニウム15部とジメチルスルホキシド
65部の混合液にこれら分散剤及び顔料を溶解させた。
この溶液を3時間撹拌した後、0℃に冷却保温した水4
00部に速やかに混合して固溶体化したフタロシアニン
顔料の水分散体を得た。
【0036】〔実施例5〕分散剤としてスチレン−アリ
ルアミンの共重合体(塩基価250、分子量5000)
5部とポリオキシエチレンラウリルエーテル(PEG−
30)5部とを用い、顔料としてC.I.Pigmen
t Red 122のキナクリドン顔料8部とC.I.
Pigment Violet 19のキナクリドン顔
料2部を用い、硝酸10部とジメチルスルホキシド70
部の混合液にこれら分散剤及び顔料を溶かし、空気雰囲
気下25℃で2時間撹拌させた。次に、この溶液を0℃
に冷却保温した水400部に超音波ホモジナイザー(ブ
ランソン社製)を用いて速やかに混合して固溶体化され
たキナクリドン顔料の水分散体を得た。
【0037】〔比較例1〕C.I.Pigment B
lue 15のフタロシアニン顔料10部を98%硫酸
80部に溶かし、空気雰囲気下25℃で2時間撹拌し
た。次に、この溶液を0℃に冷却保温した水400部に
超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)を用いて速や
かに混合してフタロシアニン顔料のペーストを得た。こ
のペーストを濾取した後、水で十分に洗浄を行った。次
に、スチレン−アリルアミンの共重合体(塩基価25
0、分子量5000)の10部と塩酸2.5部を含む水
400部に上記ペーストを混合し、超音波処理を行った
後、サンドミル(安川製作所製)を用いて分散を行い、
フタロシアニン顔料の水分散体を得た。
【0038】〔比較例2〕C.I.Pigment R
ed 122のキナクリドン顔料8部とC.I.Pig
ment Violet 19のキナクリドン顔料2部
を98%硫酸80部に溶かし、空気雰囲気下25℃で2
時間撹拌した。次に、この溶液をスチレン−アリルアミ
ンの共重合体(酸価250、分子量5000)の10部
と塩酸2.5部を含む水400部に、0℃に冷却保温し
ながら速やかに混合して固溶体化したキナクリドン顔料
の水分散体を得た。
【0039】上記実施例および比較例で得た各水分散体
中での有機顔料分散体の平均粒子径(直径)の測定結果
をまとめて表1に示す。実施例で得られた有機顔料分散
体は分散粒子径が小さく、単分散でかつ粒径分布が狭い
ものであったが、比較例で得られた有機顔料分散体は分
散粒子径が大きく、粒径分布が広いものでしかなかっ
た。なお、各分散粒子径はイオン交換水で希釈した後、
1.0μmメンブレンフィルターで濾過して、DLS−
7000(商品名、大塚電子社製)を用いて測定を行っ
ている。
【0040】
【表1】
【0041】次に、得られた各水分散体を限外濾過膜に
よって濃縮、精製を行い、顔料分濃度20%の水分散体
濃縮液を得た後、下記のものと混合してインクジェット
プリンタ用記録液を得た。なお、「アセチレノールE
H」は川研ファインケミカル社製の、アセチレングリコ
ールのエチレンオキサイド付加物の商品名である。 ・上記水分散体濃縮液 25部 ・ジエチレングリコール 7.5部 ・グリセリン 5部 ・トリメチロールプロパン 5部 ・アセチレノールEH 0.2部 ・水 57.3部 上記記録液を用いて市販のインクジェットプリンタ(キ
ヤノン社製、商品名:BJF 870)を用いてカラー
の記録画像をOHPシート及びコピー用紙に記録を行っ
た。OHPシートのヘイズ値より画像の透明性を、コピ
ー用紙のベタ印字部分のOD値より画像の色濃度を以下
の基準に基づいて評価した結果を表2に示す。
【0042】〔透明性評価(OHPシート)〕市販のO
HPシート(商品名:CF−301、キヤノン社製)に
上記記録液を用いてベタパッチ画像を印字し、ヘイズメ
ーター(商品名:直読ヘイズメーター、東洋精機製)に
よって印字部のヘイズ値を測定し、以下の評価基準とし
た。 ○:ヘイズ値が10未満、 △:ヘイズ値が10以上20未満、 ×:ヘイズ値が20以上。
【0043】〔色濃度評価(OD値)〕市販のコピー用
紙(商品名:PB用紙、キヤノン製)に、上記記録液を
用いてベタパッチ画像を印字し、1時間放置後、記録濃
度をマクベスRD915(商品名:マクベス社製)にて
測定し、以下の評価基準とした。 ○:濃度が1.25以上であった。 △:各色の濃度が1.15〜1.25であった。 ×:各色の濃度が1.15以下であった。
【0044】
【表2】
【0045】実施例の顔料分散体を用いた記録液では、
OHPの投影図は明るく鮮やかなものであったが、比較
例の顔料分散体を用いた記録液では、OHPの投影図は
暗く沈んだものであった。また普通紙印字物の色濃度に
おいても実施例の顔料分散体を用いた記録液では高いO
D値を示していたが、比較例の顔料分散体を用いた記録
液では低いOD値を示していた。
【0046】
【発明の効果】本発明により、長時間の分散装置による
処理を必要とせず、原料となる顔料の一次粒子の大きさ
に依存しない、高い分散安定性とサイズの均一性を持つ
ナノメートルオーダーの透明性に優れた顔料分散体およ
びその製造方法が得られる。また、耐水性や耐光性に優
れ、かつ発色性や光透過性にも優れた水性着色液、特に
はインクジェット用記録液が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 雅史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柏崎 昭夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 FD20 2H086 BA55 BA59 4J037 AA30 CA05 CA08 CA18 CA19 CA21 CB04 CB07 CB09 CB10 CB11 CB15 CB16 CB19 CB21 CC01 CC02 CC16 CC25 DD23 DD24 EE28 EE33 EE43 FF02 FF22 FF23 FF25 4J039 AB01 AB07 AB08 AD03 AD10 AD12 AD23 AE07 BA10 BA17 BA18 BA19 BC05 BC06 BC07 BC11 BC12 BC13 BC19 BC20 BC29 BC32 BC33 BC50 BC51 BC54 BE01 BE12 BE22 CA06 EA35 EA38 EA44 GA24

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機顔料と分散剤とを酸または酸と有機
    溶剤との混合液に溶解する溶解工程と、該溶解工程で得
    られた顔料溶液を水と混合することにより該有機顔料を
    析出させる析出工程とを有することを特徴とする有機顔
    料分散体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記分散剤が、カチオン性窒素原子、水
    酸基およびアルキレンオキサイドから選ばれる1種類以
    上を分子中に有する高分子化合物もしくは界面活性剤で
    ある請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記有機溶剤の水に対する溶解度が5質
    量%以上である請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記酸が、有機プロトン酸である請求項
    1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記有機プロトン酸が、アルキルスルホ
    ン酸、アルキルカルボン酸、ハロゲン化アルキルスルホ
    ン酸、ハロゲン化アルキルカルボン酸、芳香族カルボン
    酸および芳香族スルホン酸からから選ばれる1種類以上
    である請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記酸が、無機プロトン酸である請求項
    1〜3のいずれか一項記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記無機プロトン酸が、硫酸、硝酸、リ
    ン酸、ポリリン酸、塩化水素酸、過塩素酸、フッ化水素
    酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸およびクロロスルホン酸
    から選ばれる1種類以上である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記酸が、ルイス酸である請求項1〜3
    のいずれか一項記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記ルイス酸が、アルミニウム、鉄、
    銅、亜鉛、スズ、ガリウム、ホウ素、チタン、ジルコニ
    ウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、アンチモ
    ン、ヒ素、タングステン、タンタル、ジルコニウムおよ
    びバナジウムから選ばれる1種類以上のハロゲン化物で
    ある請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項記載の方
    法で製造された有機顔料分散体。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の有機顔料分散体を含
    有する水性着色液。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の有機顔料分散体を含
    有するインクジェット用記録液。
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