JP2003306832A - ポリアミドマルチフィラメントおよびそれからなるブラシ - Google Patents

ポリアミドマルチフィラメントおよびそれからなるブラシ

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JP2003306832A JP2003039180A JP2003039180A JP2003306832A JP 2003306832 A JP2003306832 A JP 2003306832A JP 2003039180 A JP2003039180 A JP 2003039180A JP 2003039180 A JP2003039180 A JP 2003039180A JP 2003306832 A JP2003306832 A JP 2003306832A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性カーボンを含むポリアミドマルチフィ
ラメントについて、節を作ることなく安定に製造するこ
とにより、帯電ブラシ、クリーナーブラシを用いた時に
均一かつ高密度な帯電付与およびクリーナーを可能と
し、電子写真記録方式の乾式複写機やファクシミリ、プ
リンター等の高画質を達成することを課題とする。 【解決手段】導電性カーボンを含むポリアミドマルチフ
ィラメントであり、かつポリアミドマルチフィラメント
1kg中8〜25ミリのマグネシウムを含有し、かつ、
ウスター斑が1.5%以下であり、前記ポリアミドマル
チフィラメントに導電性カーボンを10〜40重量%以
下含有し、かつ、単糸繊度が0.5〜4デシテックスで
あり比抵抗値が103〜108Ωcmであるポリアミドマル
チフィラメントをもちいることを特徴とする帯電ブラ
シ、クリーナーブラシ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真記録方式
の乾式複写機やファクシミリ、プリンター等に用いられ
る導電性を有するポリアミドマルチフィラメントに関す
るものであり、特に長さ方向の繊度ムラである節を作ら
ないことにより画像品質の向上によるものである。更
に、前記ポリアミドマルチフィラメントを電子写真記録
方式の乾式複写機やファクシミリ、プリンター等に用い
た帯電ブラシ、クリーナーブラシに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真記録方式の乾式複写機やファク
シミリ、プリンター等に用いられる導電性カーボン微粒
子を含有するマルチフィラメントはセルロース系繊維や
ビニロン導電糸が用いられている。
【0003】セルロース系繊維は、湿度変化の影響を少
なくするために、例えば特許文献1に記載されている通
り難燃化処置を行い、低湿度(温度20℃、湿度15%
RH)での比抵抗値および、高湿度(温度20℃、湿度
65%RH)での比抵抗値のバラツキの比を103Ωcm
程度としているが、さらなる複写時の温湿度変化のよる
画像品質のバラツキを少なくするため導電糸の低湿度お
よび高湿度の比抵抗の比を小さくすることが望まれてい
る。
【0004】また、セルロース系繊維は、温湿度変化が
大きい環境で長時間使用しても安定した電気抵抗値を示
すために、例えば特許文献2に記載されている通り熱水
膨潤処理を行い、糸長方向の電気抵抗のバラツキの標準
偏差を0.3以下にしているが、セルロース系繊維は、
湿式紡糸のため部分的な繊度斑が発生しやすく、印字に
おいて感光体への帯電斑が発生するため、画質の画像品
位を得ることが困難であった。
【0005】また、ビニロン導電糸では、例えば特許文
献3に記載されている通り、単糸繊度が4〜5デシテッ
クス程度であり、製織したときの導電糸のパイル密度が
約3万本/inch2程度となりさらなる画像品質を高
画質化するために製織したときの高パイル密度化が望ま
れている。また、ビニロン導電糸は、湿式紡糸のため部
分的な繊度斑が発生しやすく、印字において感光体への
帯電斑が発生するため、画質の画像品位を得ることが困
難であった。
【0006】また、高パイル密度化の方法として、単糸
繊度の細繊度化が好ましく、溶融紡糸により細繊度化す
る方法が知られている。溶融紡糸にはポリエステルやポ
リアミドが知られているが、ポリエステルを導電ブラシ
とした場合、ポリエステルの曲げ応力が高いため、長期
使用すると接触する感光体に傷が入るという問題があ
る。
【0007】一方ポリアミドでは非特許文献1に記載さ
れているように、ポリアミド樹脂繊維中に導電性カーボ
ン粉末を分散させた導電糸を用いる方法が知られてい
る。
【0008】導電性カーボン粉末は、非特許文献2に記
載されているようにストラクチャーにより導電性を得て
いるが、特に二次ストラクチャーの結合強度が弱いた
め、溶融時にストラクチャーが破壊され、比抵抗が安定
せずに導電ブラシとした場合、画像品質が低下するとい
う問題があった。さらに溶融紡糸においては、破壊され
たストラクチャーが口金孔周辺に析出し、特にポリアミ
ドの場合、溶融時に生成するモノマーやオリゴマーと共
に口金孔周辺でブリードアウトし口金孔周辺に異物を形
成し、糸切れが極めて多く問題となっていた。また、口
金孔周辺に付着したモノマーやオリゴマーと共にブリー
ドアウトした導電性カーボンによる異物により、紡糸時
に単糸がドリップすることにより節が発生し、帯電ブラ
シやクリーナーブラシとした場合に、電子が節に集中す
るため、画像品質が低下する問題があった。このため、
例えば特許文献4に記載されている通り、成形装置の口
金汚染低減を目的に、ポリアミドのアミノ末端基やカル
ボキシル末端基量を極端に低く制限し、かつ低分子量成
分の含有量を規制する方法が提案されているが、この方
法ではモノアミン、モノカルボン酸などの末端封鎖剤を
多く添加する必要があり、この場合、成形加工に必要な
重合度のポリアミドを得るためには重合に長時間要した
り減圧重合など特殊な重合が必要となり、熱分解反応に
よる品質劣化の可能性、また、工業的規模の生産におい
ては経済的観点で抜本的な解決策が求められていた。
【0009】また、溶融紡糸時や製膜時や成型時におけ
る環状モノマー生成量を少なくするために、例えば特許
文献5に記載されている通りポリアミドとアルカリ土類
金属化合物、特に水酸化マグネシウムと酸化マグネシウ
ムとの混晶からなり、0.01Torr以下、250℃溶融時の環
状モノマー量が規定以下のポリアミド組成物(特開平1
0−259306号公報)が提案されているが、通常使
用圧力でのモノマーにオリゴマーをも含めた低重合物量
について記載が無く、特に導電性カーボンを含有するポ
リアミドにおいては前記問題を解決することに関する記
載は皆無である。また、水酸化マグネシウムと酸化マグ
ネシウムとの混晶配合量が多く紡糸時の濾圧上昇などの
問題がある。
【0010】
【特許文献1】特開2000−160427号公報
([0055]段落)
【特許文献2】特開2000−355823号公報
([0029]〜[0032]段落)
【特許文献3】特開2001−303363号公報
([0021]段落)
【特許文献4】特開平8−231711号公報([00
05]段落)
【特許文献5】特開平10−259306号公報([0
007]段落)
【非特許文献1】”続 電子写真技術の基礎”:株式会
社 コロナ社 1996(257頁18〜22段落)
【非特許文献2】”導電性フィラーの開発と応用”:株
式会社 技術情報協会 1994(78頁16〜18段落)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では導
電性カーボンを含むポリアミドマルチフィラメントにつ
いて、節を作ることなく安定に製造することにより、帯
電ブラシ、クリーナーブラシを用いた時に均一かつ高密
度な帯電付与およびクリーナーを可能とし、電子写真記
録方式の乾式複写機やファクシミリ、プリンター等の高
画質を達成することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のポリアミドマルチフィラメントは主として
次の構成を有する。すなわち、 (1)導電性カーボンを含有するポリアミドマルチフィ
ラメントであって、前記ポリアミドマルチフィラメント
1kg中8〜25ミリモルのマグネシウムを含有し、か
つ、比抵抗値が103〜108Ωcmであることを特徴する
ことを特徴とするポリアミドマルチフィラメント。
【0013】(2)導電性カーボンを含有するポリアミ
ドマルチフィラメントであって、ウスター斑が1.5%
以下であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド
マルチフィラメント。
【0014】(3)導電性カーボンを含有するポリアミ
ドマルチフィラメントであって、前記導電性カーボンの
含有量が、10〜40重量%であることを特徴とする、
請求項1または2記載のポリアミドマルチフィラメン
ト。
【0015】(4) 導電性カーボンを含有するポリア
ミドマルチフィラメントであって、単糸繊度が0.5〜
4デシテックスであることを特徴とする請求項1〜3い
ずれか記載のポリアミドマルチフィラメント。
【0016】(5) 請求項1〜4のいずれか記載のポ
リアミドマルチフィラメントを用いてなることを特徴と
する電子写真記録方式の乾式複写機用ブラシ。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明を構成するポリアミドは、
いわゆる炭化水素基が主鎖にアミド結合を介して連結さ
れた高分子量体であって、特にナイロン6、ナイロン6
6が好ましい。
【0018】ここで用いる導電性カーボンは、例えばア
セチレンブラック等、導電性を有する粉末体であれば特
に制限はないが、粒子が大きいと、紡糸時の濾過圧上昇
の抑制や、紡糸時の糸切れ、繊維の強度の向上を考慮す
ると、20μm以下のものを用いることが好ましい。ま
た、大日本インキ化学工業製の導電性カーボン粒子分散
ナイロンペレット”CARBOREX NYRON YT-01”のように、
すでに顔料メーカーで分散調合ナイロンペレット中の導
電性カーボン粒子を用いても良い。
【0019】ポリアミドマルチフィラメント内の導電性
カーボンを含有せしめる方法としては、ポリアミドペレ
ットへ導電性カーボンをブレンドし溶融する方法、ポリ
アミドペレットへ高濃度の導電性カーボンを含有するマ
スタペレットをブレンドし溶融する方法、溶融状態のポ
リアミドへ導電性カーボンを添加し混練する方法、溶融
状態のポリアミドへ溶融状態の高濃度の導電性カーボン
を含有するポリアミドを混練する方法などが挙げられ
る。
【0020】本発明のポリアミドマルチフィラメント
は、ポリアミドマルチフィラメント1kgに対して8〜
25ミリモルのマグネシウムを含有することが必要であ
る。このマグネシウムは陽イオン状態あるいは塩として
存在する。マグネシウムがポリアミド組成物1kgに対
して8ミリモル未満では、例えば、溶融により繊維を製
造する時におけるモノマー、オリゴマーの再生を充分抑
制することができず、これらモノマ、オリゴマおよびポ
リアミドよりブリードアウトした導電性カーボンによる
成形口金孔周辺汚れによる節の発生および糸切れが多く
発生し操業性が不調となる。また、25ミリモルより多
量であっても、効果は同程度であり経済的観点から好ま
しくないばかりでなく、特に導電性カーボンを含む場
合、ポリアミド中の不溶解異物として残存したマグネシ
ウムが導電性カーボンと相まって異物除去のため設置し
たフィルターでの濾過圧力上昇、成形品物性低下などの
問題を引き起こす。
【0021】ポリアミドマルチフィラメント内のマグネ
シウム成分を含有せしめる方法としては、ポリアミドペ
レットへマグネシウム化合物をブレンドし溶融する方
法、ポリアミドペレットへ高濃度のマグネシウムを含有
するマスタペレットをブレンドし溶融する方法、溶融状
態のポリアミドへマグネシウム化合物を添加し混練する
方法、ポリアミドの重合前あるいは重合中の段階で原料
あるいは反応系へマグネシウム化合物を添加する方法な
どが挙げられるが、両者が均一に混ざればいかなる方法
でも良い。
【0022】マグネシウム化合物としては、酸化マグネ
シウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムなど、
およびこれらの混合物が挙げられるが、酸化マグネシウ
ムまたは水酸化マグネシウムを用いることが好ましい。
【0023】本発明のポリアミドマルチフィラメント中
の導電性カーボンの含有量は10〜40重量%、好まし
くは15〜35%である。導電性カーボンの含有量が1
0%未満であると、ポリアミドマルチフィラメントの比
抵抗値が低下し、印刷した時に印字が出来ないという問
題が発生する。また、導電性カーボンの含有量が40%
を超えるとポリアミドマルチフィラメントの強度が低下
し、操業性が不調となる。
【0024】本発明のポリアミド組成物には、本発明の
効果を損なわない範囲において種々の添加剤を含んでも
良い。この添加剤を例示すれば、マンガン化合物などの
安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、導電性付与剤、繊維状
強化剤などである。
【0025】本発明のポリアミドマルチフィラメントの
ウスター斑は1.5%以下であることが好ましい。ウー
スター斑が1.5%を超えると、ブラシとした時に、部
分的に繊度の太い部分と細い部分の電気抵抗が異なり、
感光へのに帯電において電荷斑が発生し、画像品質が低
下する問題が発生する。
【0026】本発明のポリアミドマルチフィラメントの
単糸繊度は0.5〜8デシテックスであることが好まし
く、0.5〜4デシテックスであることがより好まし
い。単糸繊度が0.5デシテックス未満の場合は、紡糸
したときの糸切れが多く、製糸性が悪化する。単糸繊度
が8デシテックスを超えると、製織したときの導電糸の
パイル密度が小さくなり、複写したときの画質が低くな
る。さらにフルカラーや高画質用途の複写機は、感光体
上に帯電させる電荷を高密度に付与する必要があり、導
電ブラシのパイル密度を上げるために、単糸繊度を小さ
くすることが有効である。このような観点から、単糸繊
度4デシテックス以下であることがより好ましい。
【0027】本発明のポリアミド導電糸の比抵抗値が
(温度20℃、湿度30%RH)10 3〜108Ωcmであ
ることが好ましく、103〜107Ωcmがより好ましい。
比抵抗値が103Ωcm未満では、導電ブラシとし電圧を
掛けた時、電子が隣り合う導電糸に移動し、印刷が出来
ないという問題が発生する。比抵抗値が108Ωcmを超
えると、電圧を掛けても繊維中を電子が移動出来ずに複
写が出来ないという問題が発生するからである。
【0028】電子写真記録方式の乾式複写機用ブラシと
は、非接触コロナ放電にかわって感光体に接触帯電させ
る印加ブラシや、感光体上に残存した電荷およびトナー
を除去するクリーニングブラシである。いずれも円柱の
金属棒に導電性能を有する繊維からなるパイル織物をバ
イアスに巻き付けるか、単に板にパイル織物を張り付け
てブラシ状に仕立てて出来る。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。評価方法は、以下の通りである。
【0030】A.比抵抗値 超絶縁抵抗計(川口電気製 TERAOHMMETER R-503)を用
いて試長10cm間に100(V)の電圧を掛け、温度
20℃、湿度30%RHの条件下での電気抵抗値(Ω/
cm)を測定し、下式(1)から算出した。 RS=R×D/(10×L×SG)×10-5 (1) RS:比抵抗(Ωcm) R:電気抵抗値(Ω) D:10000m当たりの糸重量 L:試長(cm) SG:糸密度(g/cm3) B.ウスター斑 ウスター繊度斑測定器(測定器ツェルベガーウスター株
式会社製 UT3タイプ)を用いて糸長150mを速度
50m/minで測定し、得られた繊度斑をハーフイナ
ートで積分処理し、算出した。
【0031】C.節発生数 ポリアミドマルチフィラトトヤーンを1口給糸の筒編機
(200N)で約5000m筒編みし、編み地内の節の
個数を目視にて調べ、次の基準で評価した。 ○:0個 △:1〜3個 ×:4個以上 D.紡糸糸切れ 270℃で溶融し、1口金当たり1糸条の丸孔口金より
吐出量約40gで吐出し、冷却、給油、速度800m/
minにて巻取りを実施した。これを1t紡糸した時の
糸切れ回数を次の基準で評価した。 ○:3回/t △:4〜8回/t未満 ×:8回/t以上。
【0032】E.紡糸時フィルタ濾圧上昇 紡糸フィルタの濾過圧力Pが、下記(2)式から算出し
次の基準で評価した。○:0〜10MPa未満 △:10以上〜20MPa未満 ×:20MPa以上 P=P0−P1 (2) P0:紡糸開始時の濾圧(MPa) P1:紡糸開始から24時間後の濾圧(MPa)。
【0033】F.画像品質 電子写真学会が発行するテストチャートを複写し、画質
品質を官能評価値(満足度)にて求め、次の基準で評価
した。 ◎:満足度75以上 ○:満足度50以上75未満 △:満足度25以上50未満 ×:満足度0以上25未満。
【0034】実施例1 導電性カーボン35%を含有するナイロンベースレジン
のマスターペレット(大日本インキ化学工業製、商品名
”CARBOREX NYRON YT-01”)をナイロン6ペレットで
ブレンドし、カーボン濃度25%とし、ポリアミド組成
物1kgに対し、酸化マグネシウム粉末を10ミリモル
(0.4g)の割合でブレンドした。これを巻取り速度
800m/minで溶融紡糸し、さらに延伸倍率2.2
倍にて延伸し、糸条繊度170デシテックス、98フィ
ラメントの単糸繊度1.7デシテックスの導電性マルチ
フィラメントヤーンを得た。この時の紡糸糸切れは1.
5回/tであり○であった。節発生数は0個であり○で
あった。紡糸時フィルタ濾圧上昇は1MPaであり○で
あった。得られた導電性カーボン含有ポリアミドマルチ
フィラメントの比抵抗値は105Ωcm、ウスター斑は
0.8%であった。画質品位は◎であった。
【0035】実施例2 溶融した導電性カーボン35%を含有するナイロンベー
スレジンのマスターペレット(大日本インキ化学工業
製、商品名 ”CARBOREX NYRON YT-01”)を溶融したナ
イロン6ペレットで溶融ブレンドし、カーボン濃度20
%とし、ポリアミド組成物1kgに対し、酸化マグネシウ
ム粉末を10ミリモル(0.4g)の割合でブレンドし
た。これを上記の方法で巻取り、延伸し、糸条繊度17
0デシテックス、68フィラメントの単糸繊度2.5デ
シテックスの導電性マルチフィラメントヤーンを得た。
この時の紡糸糸切れは2.0回/tであり○であった。
節発生数は0個であり○であった。紡糸時フィルタ濾圧
上昇は1.5MPaであり○であった。得られた導電性
カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントの比抵抗値
は104Ωcm、ウスター斑は0.7%であった。画質品
位は◎であった。
【0036】実施例3 ポリアミドペレットへ導電性カーボンをブレンドし溶融
し、カーボン濃度25%とし、ポリアミド組成物1kgに
対し、酸化マグネシウム粉末を10ミリモル(0.4
g)の割合でブレンドした。これを上記の方法で巻取
り、延伸し、糸条繊度170デシテックス、48フィラ
メントの単糸繊度3.5デシテックスの導電性マルチフ
ィラメントヤーンを得た。この時の紡糸糸切れは1.0
回/tであり○であった。節発生数は0個であり○であ
った。紡糸時フィルタ濾圧上昇は1MPaであり○であ
った。得られた導電性カーボン含有ポリアミドマルチフ
ィラメントの比抵抗値は106Ωcm、ウスター斑は0.
6%であった。画質品位は◎であった。
【0037】実施例4 ポリアミドペレットへ導電性カーボンをブレンドし溶融
し、カーボン濃度25%とし、ポリアミド組成物1kgに
対し、酸化マグネシウム粉末を10ミリモル(0.4
g)の割合でブレンドした。これを上記の方法で巻取
り、延伸し、糸条繊度170デシテックス、24フィラ
メントの単糸繊度7デシテックスの導電性マルチフィラ
メントヤーンを得た。この時の紡糸糸切れは1.5回/
tであり○であった。節発生数は0個であり○であっ
た。紡糸時フィルタ濾圧上昇は1MPaであり○であっ
た。得られた導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィ
ラメントの比抵抗値は106Ωcm、ウスター斑は0.8
%であった。画質品位は○であった。
【0038】比較例1 上記方法にてカーボン濃度25%としたポリアミド組成
物1kgに対し、酸化マグネシウム粉末を5ミリモル
(0.2g)の割合でブレンドした。これを、上記方法
にて巻取り、延伸し、単繊度1.7デシテックスの導電
性マルチフィラメントヤーンを得た。この時の紡糸糸切
れは9.2回/tであり×と悪く、節発生数においても
8個であり×であった。画質品位は×であった。
【0039】比較例2 上記方法にてカーボン濃度25%としたポリアミド組成
物1kgに対し、酸化マグネシウム粉末を30ミリモル
(1.2g)の割合でブレンドした。これを上記方法に
て巻取り、延伸し、単繊度1.7デシテックスの導電性
マルチフィラメントヤーンを得た。この時の紡糸糸切れ
は1.4回/tであり○であった。しかし、紡糸時フィ
ルタ濾圧上昇が25MPaであり×であり紡糸不能であ
った。
【0040】比較例3 導電性カーボン35%を含有するナイロンベースレジン
のマスターペレット(大日本インキ化学工業製、商品名
”CARBOREX NYRON YT-01”)をナイロン6でブレンド
し、カーボン濃度5%とし、ポリアミド組成物1kgに対
し、酸化マグネシウム粉末を10ミリモル(0.4g)
の割合でブレンドした。これを上記方法で紡糸、延伸
し、単繊度1.7デシテックスの導電性マルチフィラメ
ントヤーンを得た。この時の紡糸糸切れは1回/tであ
り○であり、節発生数は0個であり○であった。紡糸時
フィルタ濾圧上昇は1MPaであり○であった。しかし
得られた導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメ
ントの比抵抗値は1012Ωcmであり、印字不能であっ
た。
【0041】比較例4 ポリアミドペレットへ導電性カーボンをブレンドし溶融
し、カーボン濃度45%とし、ポリアミド組成物1kgに
対し、酸化マグネシウム粉末を10ミリモル(0.4
g)の割合でブレンドした。これを上記方法で紡糸、延
伸し、単繊度1.7デシテックスの導電性マルチフィラ
メントヤーンを得た。この時の紡糸糸切れは15回/t
であり×であった。また、得られた導電性カーボン含有
ポリアミドマルチフィラメントの比抵抗値は101Ωcm
であり、印字不能であった。
【0042】比較例5 特許文献3記載の実施例1の方法で、1100デシテッ
クス、単糸繊度4.4デシテックスのビニロン導電糸導
電糸を得た。得られたビニロン導電糸のウスター斑は2
%であり、画像品質は△であった。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明の導電性カーボン含有ポリアミド
マルチフィラメントでは、マグネシウムを含有すること
により、溶融紡糸における口金孔周辺の汚れを抑制する
ことにより特に長さ方向の繊度ムラである節部がなく、
単糸繊度を細くすることができ、特定の比抵抗値を得る
ことで、電子写真記録方式の乾式複写機やファクシミ
リ、プリンター等に用いられる導電ブラシとした時に、
印字精度を向上することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H134 GA01 GB02 HB01 HB02 HB03 KE01 KG01 KH01 KH10 2H171 FA07 FA11 FA17 FA26 FA30 GA01 GA15 PA08 QB04 QB07 QC23 QC25 TB14 UA03 UA04 UA10 UA22 XA05 2H200 FA13 FA18 FA19 GB13 HA03 HB07 HB45 HB46 HB47 LC09 MA04 MA06 MA17 MA20 MB01 MB05 MC11 4L035 BB31 EE13 FF01 JJ03 JJ04 JJ10 LC02 5G301 DA18 DA51 DD10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性カーボンを含有するポリアミドマ
    ルチフィラメントであって、前記ポリアミドマルチフィ
    ラメント1kg中8〜25ミリモルのマグネシウムを含
    有し、かつ、比抵抗値が103〜108Ωcmであることを
    特徴することを特徴とするポリアミドマルチフィラメン
    ト。
  2. 【請求項2】導電性カーボンを含有するポリアミドマル
    チフィラメントであって、ウスター斑が1.5%以下で
    あることを特徴とする請求項1記載のポリアミドマルチ
    フィラメント。
  3. 【請求項3】導電性カーボンを含有するポリアミドマル
    チフィラメントであって、前記導電性カーボンの含有量
    が、10〜40重量%であることを特徴とする、請求項
    1または2記載のポリアミドマルチフィラメント。
  4. 【請求項4】 導電性カーボンを含有するポリアミドマ
    ルチフィラメントであって、単糸繊度が0.5〜4デシ
    テックスであることを特徴とする請求項1〜3いずれか
    記載のポリアミドマルチフィラメント。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載のポリアミ
    ドマルチフィラメントを用いてなることを特徴とする電
    子写真記録方式の乾式複写機用ブラシ。
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