JPH0949117A - 導電性セルロース系繊維 - Google Patents

導電性セルロース系繊維

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JPH0949117A
JPH0949117A JP19845695A JP19845695A JPH0949117A JP H0949117 A JPH0949117 A JP H0949117A JP 19845695 A JP19845695 A JP 19845695A JP 19845695 A JP19845695 A JP 19845695A JP H0949117 A JPH0949117 A JP H0949117A
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JP
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conductive
fiber
zinc
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spinning
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JP19845695A
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English (en)
Inventor
Shinji Arai
伸治 新居
Shunji Kashiwagi
俊二 柏木
Yasuharu Miyake
康晴 三宅
Yoshitaka Harada
義孝 原田
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維の比抵抗値のバラツキが小さくて印加ブ
ラシないしは除電ブラシに適する導電性セルロース系繊
維を提供することにある。 【構成】 繊維内に導電性カーボン粒子を5重量%以上
70%重量以下含有し、かつ亜鉛を30ppm以上50
00ppm以下の含有してなる導電性ビスコースレーヨ
ン繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性セルロース系
繊維に関する。さらに詳しくは電子写真記録方式の乾式
複写機やファクシミリ、プリンター等に用いられる印加
ブラシないしは除電ブラシのパイル用繊維に適する導電
性セルロース系繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラックや金属微粉末などに代
表される導電性フィラーを含む導電性繊維はコストも比
較的安く、量産化にも適しているため多くの産業分野で
広く使われているが、とくに近年、急速に普及発展した
電子写真記録方式の乾式複写機、ファクシミリ、プリン
ターでの用途が拡大している。その背景には最近の環境
保全意識の高まりに伴いこれら複写機等にも環境保全対
策が求められるようになってきたことがある。
【0003】とくにこれまでこれらの機器で一般的に用
いられていた静電画像保持部すなわち感光体の帯電のた
めの非接触型コロナ帯電方式が、ここにきて帯電時に発
生する有害なオゾンが大きな問題になり、発生オゾンを
補集するオゾンフィルターの改良が進む一方で、オゾン
の発生しない帯電方法としてローラーによる接触帯電方
式の技術が開発され、その方式が広く採用されるように
なってきている。
【0004】その後接触帯電方式の一方法として従来は
除電用としてのみ用いられていたブラシ方式をさらに押
し進めて新たに帯電用印加ブラシとする技術が開発さ
れ、いまや接触帯電方式にはローラーによる帯電方式と
印加ブラシによる帯電方式とに二分されるにいたってい
る。
【0005】ここで、後の説明の理解を助けるために複
写機の原理について触れておく。複写機の内部では以下
に示すいくつかのステップをふんでコピーが形成され
る。第1ステップでは静電画像保持部である感光体と呼
ばれている薄い半導体層の全面に金属線の先端からの非
接触でコロナ放電にて帯電させるか、ないしは印加ロー
ラーや印加ブラシによる接触帯電方式により均一に帯電
させる。第2ステップでは原稿に光を照射し、レンズを
通して原稿からの反射光を感光体の上に結像させる、こ
の操作により光の当たった感光体部分は電流を流すよう
になって電荷は消失し、原稿に対応した電荷による静電
潜像が形成する。第3ステップは静電潜像にトナーを近
づけトナーが感光体に移動して静電潜像が可視化され
る。第4ステップで感光体上のトナーによりできた像を
紙に転写するとともに加熱してトナーを紙の繊維の間に
浸透定着させる。第5ステップは感光体上に残存してい
る電荷およびトナーをクリーニングブラシで除去して次
のコピーに備えるといった一連の操作を繰り返してい
る。
【0006】従って、印加ブラシとは非接触コロナ放電
にかわって接触帯電するためのブラシであり、同じくク
リーニングブラシとは第5ステップで用いるクリーニン
グ用のブラシであっていずれもローラー面に導電性能を
有する繊維からなるパイル織物を巻き付けてできあがっ
ている部材のことである。
【0007】そのパイル用繊維の比抵抗値はおおまかに
言って印加用ブラシ用途では105〜108 Ωcmの値
の範囲のものが求められ、除電ブラシ用途には102
104 Ωcmの値の範囲が求められているようである。
またパイルの組織としてはパイル密度、パイル長、にお
いて均一であり、直立性は良好でなおかつ長時間の使用
で機内に発生する熱のために容易に変形しないことも求
められる。かような要求性能に対してこれまでは熱可塑
性である大部分の汎用合成繊維はこの用途には不向きと
され特開昭63−249185号公報、特開平04−2
89876号公報、特開平04−289877号公報、
特公平1−29887号公報などにみられるがごとく再
生セルロース繊維が用いられてきた。
【0008】しかし、これまでの導電性セルロース繊維
は、例えば特公平1−29887号公報にみられるよう
に疎水化処理などの後加工により、所定の比抵抗値を有
する導電性再生セルロース繊維を得ていたが、単に抵抗
値が低ければことたりる除電ブラシ用途では問題を含み
ながらも何とか使用できたものの、パイルを形成する一
本一本の繊維が電極となり、そのものの導電性能にでき
るだけ差がなく均一であることが要求特性とされる印加
ブラシのためには必ずしも充分な物とはいいがたく、場
合によってはバラツキ幅として105 Ωcmにもなるこ
とがあった。
【0009】そのため、これまでの導電性再生セルロー
ス系繊維を用いた、印加ブラシでは原稿からの反射光を
感光体上に結像させた結果形成される電荷による静電潜
像は必ずしも鮮明とは言い難く、当然のこととしてそれ
から得られたコピーは不鮮明なものでしかなかったし、
そのうえコピーの反復回数を重ねるにつれコピー面に強
い筋が現れてくるのがどうしても解決できなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は繊維の
比抵抗値のバラツキが小さくて印加ブラシないしは除電
ブラシに適する新規な導電性セルロース系繊維を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、繊
維内に導電性カーボン粒子を5重量%以上70%重量以
下含有し、かつ亜鉛を30ppm以上5000ppm以
下の含有してなる導電性セルロース系繊維である。
【0012】以下に本発明の詳細について述べる。繊維
の比抵抗値のバラツキは導電性セルロース系繊維を紡糸
する際に生ずる導電性カーボン粒子の分散状態、即ち凝
集斑に大きく影響される。それは一般に導電性カーボン
粒子を含有する繊維の導電能は繊維内に分散させられた
カーボン粒子の連鎖の形成で発現すると言われているこ
とからも、理解できる。
【0013】しかし、この凝集斑は、導電性カーボン粒
子の均一懸濁液を、例えば強アルカリ性(PH13以
上)の紡糸原液であるビスコースに添加した時のショッ
ク凝集や、その比較的高い粘度(約40ポイズ)のため
の分散しにくさ等によって引き起こされるために完全に
解消することは困難であった。
【0014】そこで、金属粒子が導電性能を付与すると
の点に注目し、再生セルロース繊維の繊維製造過程で使
用される亜鉛の最終繊維の導電性能に与える影響を詳細
に調査した。その結果、繊維内にカーボン粒子と亜鉛が
ある数値の範囲で共存すると導電レベルが安定し、その
バラツキ低下に多大な効果を示し、さらに良い事には繊
維の機械強度も向上する事が判明したため、導電性セル
ロース系繊維の製造に際して、この亜鉛を繊維内に残す
技術と、積極的に添加する技術を工夫し導電性セルロー
ス系繊維の発明に至ったものである。
【0015】これらの挙動の詳細は解っていないが、以
下のように考えられる。たとえ繊維の導電能を主に支配
する分散カーボン粒子の凝集斑が原因で連鎖がとぎれて
しまったとしても、その間に存在する亜鉛の介在作用に
より導電能が補償維持されると推定している。
【0016】ここでいうカーボン粒子とは例えばAKZ
O社製の導電性カーボンブラックであるケッチェンブラ
ックEC(吸油量360ml/100g、粒子径30m
μ)やケッチェンブラックEC600JD(吸油量36
0ml/100g、粒子径30mμ)、あるいは場合に
よっては黒色着色剤としての三菱化成社製、高級カラー
ブラック#2600(吸油量80ml/100g、粒子
径13mμ)や中級カラーブラック#1000(吸油量
55ml/100g、粒子径18mμ)など、あるいは
大日精化製の導電性カーボンブラック分散ペーストのT
−1375Black(R)ECや黒色着色剤としての
カーボン分散ペーストのT−510Blackのように
すでに顔料メーカーで分散調製された分散液中のカーボ
ンブラックなどをさす。
【0017】さらに、一般的に導電性カーボンブラック
の導電レベルを表すパラメーターとしては、DBP吸油
量(=ジブチルフタレート吸油量、ASTM試験法のA
STM D2414−65T)が使われており、これら
の値の高いものほど高導電性を示すカーボンブラックで
あることはこの分野では周知の事実であるため、カーボ
ンブラックの固有抵抗値とはこれらの値に読み替えても
良いし、或いはカーボンブラック便覧<カーボンブラッ
ク協会編 P507(1971) 図書出版社>のカー
ボンブラックの電気伝導度測定法等によって計ってもよ
い。
【0018】また繊維内含有亜鉛とは、ビスコースレー
ヨンの場合にあっては、繊維形成の過程で亜鉛を含む凝
固浴から繊維の表面に形成されたセルロースの半透膜を
通じて繊維内に拡散しザンテートと反応したものを必要
量繊維内に残した結果の亜鉛であったり、ないしはあら
かじめ紡糸原液内に均一溶解ないしは均一分散させてお
いた亜鉛を繊維製造工程で残留量を制御した結果の亜鉛
であったりする。
【0019】この様な導電性セルロース系繊維の製造法
を、例えばビスコース法レーヨン糸を例に取ってみるな
らば以下となる。セルロース濃度が8重量%、アルカリ
濃度が6重量%の紡糸原液であるビスコースにAKZO
社製導電性カーボンのケッチェンブラックECにノニオ
ン性分散剤ポリオキシエチレンアルキルアミノエーテル
を該カーボンにたいして25重量%と水を添加、混合し
て該カーボンが10重量%の水分散液を調整する。この
導電性カーボン水分散液をセルロースに対してカーボン
粒子が例えば18重量%含まれるように添加するには、
以下の計算式に従って添加分散液量を決め、計量した分
散液を準備したビスコースに徐々に添加すると同時に、
【0020】 W=V×Cc/100×B/100÷Bc/100 W :添加カーボン粒子分散液重量 Kg V :ビスコース重量 Kg Cc:ビスコースのセルロース濃度 重量% B :セルロースに対するカーボン添加率 重量% Bc:添加カーボン粒子分散液のカーボン粒子濃度 重量%
【0021】3000rpmで30分間、撹拌して混合
したものを真空脱泡し紡糸原液を得る。このようにして
得たビスコースをネルソン型連紡機を用いて孔径0.0
7mmでホール数25の紡糸ノズルから毎分11cc/
分の吐出条件でH2 SO4 130g/l、ZnSO4
6g/l、NaSO4 250g/l、温度51℃の紡糸
浴中に紡出したのち浴中距離200mm、延伸率16%
とし、引き続いてローラー上で80℃の熱水処理と10
0℃のローラー乾燥処理をし、100m/分にて120
d/25fを無撚でチーズに捲き取る。この時注意すべ
きはカーボン粒子の水分散液は調製後速やかに使用すべ
きであって、長時間の放置は分散粒子の凝集が生じて、
紡糸原液に添加する際に分散斑をおこし易い。さらに、
該分散液を強アルカリ性等のショック凝集をおこす可能
性のある紡糸原液に添加する場合には、添加と同時に強
撹拌しショック凝集を極力回避する必要がある等であ
る。
【0022】ここに、セルロース系繊維とは天然繊維以
外のセルロース系繊維をさすが、この繊維内のカーボン
粒子の含有量が5重量%以上70重量%以下で、かつ亜
鉛が30ppm以上5000ppm以下含有する点は非
常に重要である。例えばビスコースレーヨンの場合を例
に取ると、この範囲を外れてカーボン粒子の含有量が5
重量%より低い場合には亜鉛の含有量が30ppm以上
5000ppm以下の範囲であっても、繊維の比抵抗値
はカーボン粒子未添加糸とほとんど変わりなかったし、
一方、70重量%をこえる高いカーボン粒子含有率のと
き、紡糸時の切れ糸が多く継続紡糸ができない。したが
って導電性能と繊維の機械的性能から導電性カーボン粒
子の添加量は繊維に対して5〜70重量%の範囲がよ
く、さらに好ましくは10〜30重量%がよい。
【0023】また、亜鉛の含有量についてみれば、30
ppm未満では比抵抗値のバラツキが105 Ωcmにも
なり、逆に5000ppmを越えた場合、カーボン粒子
の含有量がたとえ本発明の範囲内であっても紡糸時の切
れ糸などの紡糸調子が悪化して操業性はない。しかし、
含有カーボン粒子と亜鉛の量がいずれも本発明の範囲に
ある時、比抵抗値のバラツキは103 Ωcm以内に収ま
り、極めて安定した導電性能を有する繊維が得られる。
そしてこのような導電性セルロース系繊維をパイルとし
た印加ブラシによったコピー画像の鮮明さは従来になく
優れたものとなり複写回数を重ねるほどその差は明瞭と
なる。この様な導電性セルロース系繊維はこれまでまっ
たく例がなく本発明により初めて成し得たものである。
【0024】これまでに、亜鉛等の金属を紡糸原液であ
るビスコースに添加する考えは特公昭30−514号公
報(Dupont)、特昭公35−11854号公報、
特公昭35−13715号公報(鐘紡)などにみられる
捲縮ステープルの製造や、特公昭31−3314号公報
(ナームルーズ)、特公昭35−17914号公報(鐘
紡)など繊維の機械的性能を高めようとするものとか、
特公昭33−6657号公報(東洋紡)の中空繊維の製
造などは知られていたが、これらはいずれも、導電性能
を付与したり、改善しようとしたものではなかったこと
は明らかであり、ましてやカーボン粒子をまつたく含有
していない繊維でもある。
【0025】ビスコースレーヨン繊維中の亜鉛は通常、
硫化亜鉛の形で存在するが、本発明でいう亜鉛量とは以
下に示すとおり金属亜鉛として測定された値であり、導
電性セルロース系繊維試料を磁気製のルツボにいれ電気
炉内で灰化処理し、放冷後約35%の塩酸で溶解し、J
IS0102.53.2−1993フレーム原子吸光法
などによって測定できる。
【0026】また比抵抗値ρΩcmの測定は東亜電波工
業株式会社製の抵抗値測定機 SM−8210 極超絶
縁計を用いて、相対湿度30%の条件下で測定した。さ
らに具体的には導電性再生セルロース繊維の試料長L
(cm)を10cmとし、この10cm間に100
(V)の電圧をかけてそのときの電気抵抗値R(Ω)を
測定し、繊維の断面積をS(cm2 )としてρ(Ω・c
m)=R×(S/L)より求めた。ここにSは繊維の密
度d=1.5g/cm3 とみなし、Dは総デニール値を
そのまま重量(g)に読み替えた値として、S=D/
(900000×d)より求めた。
【0027】
【実施例】以下に代表的な実施例を示すが、本例は発明
の理解を助けるための一例であって、それによって本発
明は何等制約を受けるものではない。 実施例1 セルロース濃度が8重量%、アルカリ濃度が6重量%の
紡糸原液であるビスコースに大日精化製の導電性カーボ
ン粒子分散液であるT−1375Black(R)EC
(カーボン純分10.0重量%)を添加し、セルロース
に対するカーボン粒子添加率が18重量%となるように
調整し、3000rpmで30分間、高速撹拌して混合
したものを真空脱泡して紡糸原液を得た。
【0028】このようにして得たビスコースをネルソン
型連続紡糸機を用いて孔径0.07mmでホール数25
の紡糸ノズルから毎分11cc/分の吐出条件でH2
4130g/l、ZnSO4 16g/l、NaSO4
250g/l、温度51℃の紡糸浴中に紡出したのち浴
中距離200mm、延伸率16%とし、引き続いて80
℃の熱水処理と100℃のローラー乾燥処理をし、10
0m/分にて120d/25fを無撚でチーズに捲き取
り1.75kgの糸条をえた。このチーズの表面より5
000m毎に順次サンプリングをし、それぞれの導電性
能を評価した結果を表−1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】この時の亜鉛の含有量は830ppmで、
導電性能としての比抵抗値は1.1×106 〜5.4×
107 Ωcmに収まっていた。
【0031】この糸条を基布密度(経35本/cm×緯
40本/cm)、パイル密度を一株25本で約3万本/
inch2 、パイル長12mm、織幅15mm、のパイ
ルテープのパイルとして製織した後、直径20mmφの
円筒面に螺旋状に巻き付けて複写機用印加ブラシを調製
し、複写の反復試験をおこなった。複写1回目と2万回
目の複写画像の鮮明さを比較した結果を表−2に示し
た。2万回後の複写画像であってもわずかな筋が発生し
たにとどまり、良好な結果であった。
【0032】
【表2】
【0033】実施例2 実施例1と同じ導電性カーボン粒子の分散液を、セルロ
ース濃度が8重量%でアルカリ濃度が重量6%であるビ
スコースに紡糸直前で対セルロース濃度が16.5重量
%になるよう注入した後、引き続き回転数が3000r
pmのラインミキサーにて撹拌均一分散させた。
【0034】このようにオンラインで直接調整されたビ
スコースをネルソン型連紡機を用いて孔径0.08mm
でホール数50の紡糸ノズルから毎分12cc/分の吐
出条件でH2 SO4 130g/l、ZnSO4 16g/
l、NaSO4 250g/l、温度60℃の紡糸浴中に
紡出したのち浴中空距離200mm、延伸率12%、と
し40℃の温水洗、乾燥処理し、42m/分にて300
d/50fのチーズを捲き取った。
【0035】このチーズの表面より実施例1と同様に糸
層別のサンプリングをし、それぞれの導電性能を評価し
た結果を表−1に示した。亜鉛の含有量は1690pp
mで導電性能としての比抵抗値は2.3×105 〜6.
5×106 Ωcmの範囲に収まっていた。
【0036】この糸条を基布密度(経35本/cm×緯
40本/cm)、パイル密度を一株25本で約3万本/
inch2 、パイル長12mm、織幅15mm、のパイ
ルテープのパイルとして製織した後、支持体に張り付け
て複写機用印加ブラシを調製し、複写の反復試験をおこ
なつた。複写1回目と2万回目の複写画像の鮮明さを比
較した結果を表−2に示した。2万回後の複写画像であ
ってもわずかな筋が発生したにとどまり、良好な結果で
あった。
【0037】実施例3 セルロースに対する導電性カーボン粒子の添加率を15
重量%にした他は全て実施例1と同様にしたときの評価
結果は亜鉛含有量679ppm、比抵抗値は7.5×1
6 〜2.1×108 Ωcmの範囲に収まった。
【0038】実施例4 セルロースに対する導電性カーボン粒子の添加率を15
重量%にした他は全て実施例2と同様にしたときの評価
結果は亜鉛含有量1370ppmで比抵抗値は6.9×
106 〜9.8×107 Ωcmの範囲に収まった。
【0039】実施例5 セルロースに対する導電性カーボン粒子の添加率を50
重量%にした他は全て実施例2と同様にしたときの評価
結果は亜鉛含有量1805ppm、比抵抗値は1.0×
102 〜8.8×102 Ωcmの範囲に収まったが、乾
強度が1.02g/dとやや低下した。
【0040】実施例6 実施例1と同じビスコースを用いて、ネルソン型連紡機
を用いて0.07mmでホール数25の紡糸ノズルから
毎分11cc/分の吐出条件でH2 SO4 130g/
l、ZnSO4 16g/l、NaSO4 250g/l、
温度51℃の紡糸浴中に紡出したのち浴中距離200m
m、延伸率16%とし、引き続いて15g/lの塩酸処
理と100℃のローラー乾燥処理をし、100m/分に
て120d/25fを無撚でチーズに捲き取り1.75
kgの糸条をえた。このチーズの表面より実施例1と同
様に糸層別のサンプリングをし、それぞれの導電性能を
評価した結果を表−1に示した。
【0041】この時の亜鉛の含有量は107ppmで、
導電性能としての比抵抗値は2.4×105 〜6.7×
106 Ωcmに収まっていた。
【0042】この糸条を基布密度(経35本/cm×緯
40本/cm)、パイル密度を一株25本で約3万本/
inch2 、パイル長12mm、織幅15mmのパイル
テープのパイルとして製織した後、直径20mmφの円
筒面に螺旋状に巻き付けて複写機用印加ブラシを調製
し、複写の反復試験をおこなった。複写1回目と2万回
目の複写画像の鮮明さを比較した結果を表−2に示し
た。2万回後の複写画像であってもわずかな筋が発生し
たにとどまり、良好な結果であった。
【0043】実施例7 セルロース濃度が8重量%、アルカリ濃度が6重量%の
紡糸原液であるビスコースに大日精化製の導電性カーボ
ン粒子分散液であるT−1375Black(R)EC
(カーボン純分10.0重量%)を添加し、セルロース
に対するカーボン粒子添加率を18重量%とし、さらに
ビスコースに対して硫酸亜鉛を0.1重量%添加した後
3000rpmで30分間、高速撹拌して混合したもの
を真空脱泡して紡糸原液を得た。
【0044】このようにして得たビスコースをビスコー
ス以外の条件は実施例6とまったく同じとしてチーズに
捲き取り1.75kgの糸条をえた。このチーズの表面
より実施例1と同様に糸層別のサンプリングをし、それ
ぞれの導電性能を評価した結果を表−1に示した。
【0045】この時の亜鉛の含有量は4631ppm
で、導電性能としての比抵抗値は1.9×105 〜5.
5×106 Ωcmに収まっていた。
【0046】この糸条を基布密度(経35本/cm×緯
40本/cm)、パイル密度を一株25本で約3万本/
inch2 、パイル長12mm、織幅15mmのパイル
テープのパイルとして製織した後、直径20mmφの円
筒面に螺旋状に巻き付けて複写機用印加ブラシを調製
し、複写の反復試験をおこなった。複写1回目と2万回
目の複写画像の鮮明さを比較した結果を表−2に示し
た。2万回後の複写画像であってもわずかな筋が発生し
たにとどまり、良好な結果であった。
【0047】実施例8 塩酸処理の塩酸濃度を35g/lとした他は全て実施例
6と同様にしたときの評価結果は亜鉛含有量36pp
m、比抵抗値は1.7×105 〜9.6×106Ωcm
の範囲に収まった。
【0048】比較例1 実施例1と同じビスコースを用いて、0.07mmでホ
ール数25の紡糸ノズルから毎分11cc/分の吐出条
件でH2 SO4 130g/l、ZnSO4 16g/l、
NaSO4 250g/l、温度51℃の紡糸浴中に紡出
し遠心式紡糸法により100m/分の紡糸速度でRB1
20d/25fを7200rpmで回転するポットに捲
き取った。このとき、捲き取った糸量は625gで撚り
はおよそ70T/Mであった。続けてケーク状態のまま
精練処理、すなわち常温水洗40分、脱硫Na2 S 3
g/l、50℃、42分、漂白NaOCl 0.35g
/l、25℃、56分、オイリング ミヨシ油脂ソフミ
ンL2g/l、40℃、28分をし、80℃、60時間
の乾燥処理を行い、625gのケークをえた。
【0049】このケーク糸条について実施例1と同様な
評価を行った結果、比抵抗値は2.5×105 〜4.2
×109 Ωcmの範囲に大きくばらついた。このとき繊
維中の亜鉛含有量は23ppmであった。
【0050】さらに実施例1と同様にして複写機用印加
ブラシを加工し、複写反復試験を行った。複写1回目と
2万回目の複写画像の鮮明さを比較した結果を表−1に
示したが、1回目の複写で淡色の筋が少し発生し、2万
回目では全面に濃い筋が発生した。
【0051】比較例2 セルロース対する導電性カーボン粒子の添加率を2重量
%にした他は全て実施例2と同様にしたときの評価結果
は比抵抗値が2.8×108 〜7.7×1010Ωcmと
なってバラツキは小さいものの通常レーヨンのそれと殆
ど差はなく導電性レーヨンといえるに至らなかった。こ
の時の亜鉛含有量は1323ppmであった。
【0052】比較例3 ビスコースに対して硫酸亜鉛を1重量%添加した他は全
て実施例6と同様にして紡糸したが、切れ糸等の紡糸調
子が悪化して操業性がなかった。ちなみに、亜鉛含有量
は6357ppmであった。
【0053】比較例4 セルロースに対する導電性カーボン粒子の添加率を76
重量%にした他は全て実施例2と同様にした。しかし切
れ糸が多く継続紡糸はできなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 義孝 岡山県倉敷市玉島乙島7471番地 株式会社 クラレ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維内にカーボン粒子を5重量%以上7
    0重量%以下含有し、かつ亜鉛を30ppm以上500
    0ppm以下含有してなる導電性セルロース系繊維。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105634A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Unitica Fibers Ltd 導電糸
CN103014888A (zh) * 2012-10-25 2013-04-03 中原工学院 一种细菌纤维素基发电纤维及纱线的制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105634A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Unitica Fibers Ltd 導電糸
CN103014888A (zh) * 2012-10-25 2013-04-03 中原工学院 一种细菌纤维素基发电纤维及纱线的制备方法
CN103014888B (zh) * 2012-10-25 2015-02-11 中原工学院 一种细菌纤维素基发电纤维及纱线的制备方法

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