JP4452859B2 - 導電性多葉断面繊維及び同繊維を用いた電子写真装置用ブラシ - Google Patents

導電性多葉断面繊維及び同繊維を用いた電子写真装置用ブラシ Download PDF

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Description

本発明は導電性多葉断面繊維及び同繊維を用いた電子写真装置用ブラシに関し、特に、導電性微粒子を含有し、3葉以上の多葉断面形状を呈する単繊維からなるマルチフィラメント及びモノフィラメントであって、電子写真装置(複写機、ファクシミリ、プリンター、及びこれらの複合機等)に用いる各種ブラシに好適な導電性多葉断面繊維及び同繊維を用いた電子写真装置用ブラシに関するものである。
従来、電子写真複写機等の電子写真装置において、感光ドラム上に形成させる静電潜像方式として、非接触型のコロナ帯電方式が採用されている。しかし、コロナ帯電方式は、コロナ放電から発生するオゾンが電子写真装置の部品を劣化させることが問題視されている。また、このオゾンは人体に対して有害である。さらに、コロナ放電のために高電圧を使用しなければならず、火災等の危険もある。
この問題を解決するため、近年、コロナ放電を使用しない低電圧使用の接触帯電方式が電子写真装置において提案されている。例えば、導電性マルチフィラメント糸を接触帯電ブラシとして使用する接触帯電方式が提案されている。
従来、導電性マルチフィラメント糸としては、セルロース系繊維が多く用いられている。また、合成繊維として広く使用されているポリエステル繊維やポリアミド繊維においても、導電性微粒子を含有する繊維が多く提案されている。
たとえば特許文献1には、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂に導電性微粒子を含有した導電性成分と、導電性微粒子を含有しない非導電性成分とが接合されてなる複合繊維であって、横断面が少なくとも4箇所の突起部を有する多葉形状であり、導電性成分が全ての突起部の先端で露出するように配された複合繊維が記載されている。
また、特許文献2には、横断面が少なくとも4箇所の突起部を有する多葉形状であり、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂に導電性微粒子を含有した導電性成分と、導電性微粒子を含有しない非導電性成分とを用いて、横断面において非導電性成分が芯部となり導電性成分が芯部の全てを覆う鞘部として配された複合繊維が記載されている。
また、特許文献3には、導電性カーボンブラックを含有するポリアミドと他の熱可塑性樹脂とからなる複合繊維であって、3個以上の突出部を有する多枝断面形状を呈しており、導電性カーボンブラックを含有するポリアミドが各突出部の先端に露出している複合繊維が記載されている。
これらの複合繊維によると、高濃度に導電性微粒子が含有された導電性成分が突起部の先端に配されているので、この複合繊維を用いたブラシは導電性成分が常に感光体と接触することにより、導電性に優れ、かつ繊維強度も通常の合成繊維並とすることができる、という効果を奏するものである。
しかしながら、特許文献1、3に記載の複合繊維は、突起部先端に導電性成分が配されており、突起部と突起部との間の凹部は非導電性成分が配されているため、このような繊維を電子写真装置用のブラシすなわち帯電ブラシやクリーニングブラシとして用いると、以下に示すような問題点があった。
・帯電ブラシとして用いると、突起部の導電性成分からの放電による帯電と、凹部の非導電性成分からの放電による帯電とが起こる。すなわち、非導電性成分であっても完全な絶縁性ではなく、近傍の導電性成分を介して導電性を有する。しかし、非導電成分からの放電は導電性成分からの放電に比べて弱いため、帯電斑が生じる。
・クリーニングブラシとして用いると、導電性成分と非導電成分とでは、トナー成分の付着の程度に差があるため、クリーニング斑が生じる。
また、特許文献2に記載の複合繊維は、一見すると導電性成分のみが繊維表面を覆っているものではあるが、帯電斑やクリーニング斑が生じるものであった。つまり、通常、電子写真装置用のブラシに使用する際には、繊維は短くカットされた形状となっており、感光ドラム等に繊維が接する際には、繊維の長手方向の面(繊維表面)が接する場合や、カットされた繊維の先端面(繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面)が接する場合がある。この複合繊維の場合、繊維の長手方向の面においては導電性成分のみが存在するが、先端面には導電性成分と非導電性成分の両者が存在しているために、放電や除電、クリーニング性の差が生じ、帯電斑やクリーニング斑の原因となっていた。
さらに、特許文献4には、上記のような問題点を解決し、長期間に亘って良質の画像を形成することができる導電性複合繊維として、導電性ポリマー層と熱可塑性ポリアミド層との複合横断面形状が、繊維の長さ方向には実質的に同一形状でありながら、単繊維間でランダムに異なり、一方のポリマーが層状分割層を形成している複合繊維が記載されている。
なるほど、この複合繊維によれば、長期間の使用による導電性の変化は少ないが、やはり、導電性ポリマーと非導電性ポリマーとが混在する複合繊維であるため、繊維表面の抵抗値が不均一となるものであり、上記したような特許文献1〜3に記載の複合繊維と同様の問題が生じていた。また、このような層状分割層を形成させるためには、ポリアミド成分として特殊なポリマーを用いる必要があり、コスト的にも不利であった。
さらに、特許文献1〜4に記載の導電性繊維は、上記のように複合繊維であるため、紡糸を行う際には口金の構造が複雑となるとともに、単繊維の繊度を小さくすることが困難であった(特許文献1〜4の実施例に記載の繊維はいずれも単糸繊度が6デシテックス(dtex)程度のものである)。ところが、電子写真装置用のブラシのうちの帯電ブラシとして使用する際には、帯電性能の均一性を図るためにもブラシとして高密度に繊維が配されたものが好ましく、単糸繊度の小さい繊維が要望されている。また、クリーニングブラシとして使用する際にも、トナーの小粒径化が進んでいることから、細繊度の糸が要望されていた。
特開平11−65225号公報 特開平11−65227号公報 特開2002−309446号公報 特開2002−309449号公報
本発明は、上記のような問題点を解決し、電子写真装置用の各種ブラシに使用することができる合成繊維であって、繊維全体としての導電性や導電性能の均一性に優れており、使用による経時変化によって繊維形状に変化が生じたとしても導電性性能の変化がなく、したがって良質な画像を得ることが可能で、かつコスト的にも有利に得ることができ、単繊維の細繊度化の効果も奏することができる導電性多葉断面繊維を提供することを技術的な課題とするものである。さらに、本発明は、上記の導電性多葉断面繊維を少なくとも一部に用いた電子写真装置用ブラシであって、帯電ブラシ、除電ブラシとして用いると均一な電荷の付与、除電をすることができ、クリーニングブラシ、トナー供給ブラシとして用いると、均一なトナーの除去や付与を行うことができ、したがって均一で良好な画像を得ることが可能となる電子写真装置用ブラシを提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の(I)、(II)を要旨とするものである。
(I)導電性微粒子を含有した熱可塑性樹脂からなるマルチフィラメントであって、マルチフィラメントを構成する単繊維は、導電性微粒子を含有する熱可塑性樹脂のみからなる繊維であり、かつ繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面形状が3葉以上の多葉断面形状を呈し、さらにはマルチフィラメントを構成する単繊維の多葉断面形状が下記(1)(2)(3)式を満足することを特徴とする導電性多葉断面繊維。
Figure 0004452859
ただし、R:外接円の半径(μm)、 n:単繊維のデシテックス数、 ρ:繊維の密度(g/cm )、π:円周率である。
1.2r≦R≦2.0r・・・(2)
ただし、r:内接円の半径、R:外接円の半径である。
1.2N≦M≦2.0N・・・(3)
ただし、M:葉部における底辺の長さ、N:葉部の高さ(H)の1/2の位置(H/2)において底辺と平行にひいた辺の長さである。
(II)電子写真装置用クリーニングブラシであって、該電子写真装置用クリーニングブラシの少なくとも一部に用いられる繊維が、導電性微粒子を含有した熱可塑性樹脂からなるマルチフィラメントであって、マルチフィラメントを構成する単繊維は、導電性微粒子を含有する熱可塑性樹脂のみからなる繊維であり、かつ繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面形状が3葉以上の多葉断面形状を呈し、さらにはマルチフィラメントを構成する単繊維の多葉断面形状が下記(1)(5)(6)式を満足することを特徴とする導電性多葉断面繊維であることを特徴とする電子写真装置用クリーニングブラシ。
Figure 0004452859
ただし、R:外接円の半径(μm)、n:単繊維のデシテックス数、ρ:繊維の密度(g/cm )、π:円周率である。
2.0r≦R≦3.5r・・・(5)
ただし、r:内接円の半径、R:外接円の半径である。
0.5N≦M≦1.5N・・・(6)
ただし、M:葉部における底辺の長さ、N:葉部の高さ(H)の1/2の位置(H/2)において底辺と平行にひいた辺の長さである。
本発明の導電性多葉断面繊維は、導電性微粒子を含有する熱可塑性樹脂のみからなる繊維であるため、繊維全体として導電性能の均一性に優れており、長期間の使用により繊維形状に変化が生じたとしても導電性性能の変化がなく、またコスト的にも有利に得ることができる。さらに、導電性多葉断面繊維を構成する単繊維は、横断面形状が3葉以上の多葉断面形状を呈するため、葉部による接触点が2点以上となり、このため優れた導電性を有しているとともに細繊度糸と同様の効果も奏することができ、さらには、丸断面糸と比べて繊維の表面積が増えることからクリーニング効果にも優れるものとなる。
また、本発明の電子写真装置用ブラシは、本発明の導電性多葉断面繊維を少なくとも一部に用いているため、葉部による多点接触が可能となるとともに、細繊度糸を使用した時と同様に繊維を高密度に配置したブラシとすることが可能となる。
また、一般にクリーニングブラシとして、感光体や中間転写体などの像担持体のクリーニングを行うとともに、像担持体に固体潤滑剤を塗布する形態のものがある。本発明のブラシは、導電性多葉断面繊維がその表面に凹凸を有するために、固体潤滑剤を保持しやすく、塗布量の均一化、安定化がはかれ、このため固体潤滑剤塗布ブラシとしても有効である。
さらに、本発明の導電性多葉断面繊維は、rを内接円の半径、Rを外接円の半径として、マルチフィラメントを構成する単繊維の多葉断面形状が、
1.2r≦R≦2.0r
という式を満足することによって、葉部に比べて幹部(横断面形状において葉部以外の部分をいう)は比較的太繊度となるため、細繊度糸を用いたブラシよりも加工性に優れ、コシのあるものとすることができる。このため、感光ドラムに接触させて帯電、除電を行う際には、均一な電荷の付与、除電をすることができ、クリーニングブラシ、トナー供給ブラシとして用いると、均一なトナーの除去や付与を行うことができ、班のない均一で良好な画像を長期間に亘って得ることが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明でいう電子写真装置用ブラシとは、複写機、ファクシミリ、プリンター(例えばレーザービームプリンター)等の電子写真装置に用いる各種ブラシであり、例えば現像用ブラシ、接触帯電用ブラシ、除電用ブラシ、クリーニング用ブラシ、トナー供給ブラシが挙げられる。本発明の導電性多葉断面繊維は、中でも接触帯電用ブラシ、除電用ブラシ、クリーニング用ブラシ、トナー供給ブラシ等に好適に使用し得るものである。
本発明の導電性多葉断面繊維を形成するポリマーは、繊維形成性の熱可塑性重合体であれば特に限定されないが、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。中でも、ポリエステル、ポリアミドが好ましい。
ポリエステルをさらに具体的に述べると、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートや、それらにジカルボン酸成分、ジオール成分あるいはオキシカルボン酸成分が共重合されたもの、あるいはそれらポリエステルをブレンドしたものが挙げられる。さらには、生分解性ポリエステルとして知られるポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリε−カプロラクタム等の脂肪族ポリエステルでもよい。
また、ポリアミドとしては、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン12、ポリメタキシレンアジパミドやこれら各成分を共重合したものやブレンドしたもの等が挙げられる。
本発明の導電性多葉断面繊維を構成する各単繊維中には、導電性微粒子が含有されている。導電性微粒子としては、例えばカーボンブラック、金属粉、金属酸化物等が挙げられ、中でもカーボンブラックが好ましい。添加する量としては、例えばポリエステルでは5〜30質量%が好ましく、より好ましくは10〜25質量%である。ポリアミドでは15〜45質量%が好ましく、より好ましくは20〜35質量%である。
特許文献1〜4にも記載されているように、従来、導電性微粒子を均一に分散させた導電性繊維は製造が困難であり、得られた繊維の強度も低く、コスト高となるという問題があった。つまり、導電性微粒子として通常カーボンブラックを使用しているが、カーボンブラックは熱可塑性樹脂に比べて比熱が小さいため、カーボンブラックを含有しない繊維の場合と比較して、紡糸後の冷却速度が速いという現象が生じる。カーボンブラックの含有量が多くなるほどこの現象は顕著となるが、冷却速度が速いことにより繊維の剛直化や延伸時の糸切れが生じ、製造が困難となり、得られたとしても強度の低い繊維となっていた。
本発明は、このような現象を考慮し、製造工程における各種の条件を適切に選択することなどにより、導電性微粒子が含有された熱可塑性樹脂のみからなる導電性多葉断面繊維を得ることができたものである。すなわち、たとえば紡糸工程においては、紡糸口金の形状や紡糸速度、冷却条件を最適化することにより、繊維の形状の安定化を図ることができるとともに、急激な冷却による繊維の剛直化を防ぐことが可能である。延伸工程においては、延伸速度、温度等の条件を最適化することによって、実用的な強度を有する導電性多葉断面繊維を安定して得ることが可能である。
このように、本発明の導電性多葉断面繊維は、導電性微粒子を含有する熱可塑性樹脂のみからなるものである。つまり、導電性多葉断面繊維を構成する各単繊維は、導電性微粒子を含有する熱可塑性樹脂のみを構成ポリマーとし、他の非導電性樹脂を用いることのない、単層構造のものである。このため、使用により繊維形状に変化が生じたとしても導電性性能の変化がなく、繊維全体としての導電性や、導電性の均一性に優れており、また、コスト的にも有利に得ることができる。
そして、導電性多葉断面繊維を構成する各単繊維は、繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面形状が3葉以上の多葉断面形状を呈している。
多葉断面形状とは、単繊維の横断面形状において外周面に複数の凹凸部が存在するものであって、隣接する凹部と凹部に挟まれた凸部を葉部とするものである。そして、本発明の導電性多葉断面繊維の各単繊維は、葉部を3つ以上有するものである。葉部の数の上限は特に限定するものではないが、3〜20とすることが好ましく、特に葉部を6個有する6葉断面形状とすることが好ましい。
このような断面形状を図面を用いて説明する。図1(A)(B)は3葉断面形状の実施態様を示す断面模式図である。図2(A)(B)は4葉断面形状の実施態様を示す断面模式図である。図3(A)(B)は6葉断面形状の実施態様を示す断面模式図である。
本発明においては、多葉断面形状とすることにより、各単繊維について突起部となった葉部が複数存在することとなり、この突起部となった複数の葉部が、電子写真装置用のブラシとした際に感光ドラム等に接する部分となる。つまり、通常の丸断面形状や四角等の多角形状の断面形状を有する繊維では、一本の単繊維において感光ドラム等に接触する部分は一箇所であるが、本発明の多葉断面形状のものでは、3葉以上の多葉断面繊維とすることによって、一本の単繊維で少なくとも2個の葉部が感光ドラム等に接することとなり、接触点が2個以上のものとなる。
これにより、帯電、除電ブラシとする際及びクリーニングブラシとする際及びトナー供給ブラシとする際に、以下に示すような効果が生じる。
まず、本発明の導電性多葉断面繊維を用いて帯電ブラシや除電ブラシとする場合は、帯電や除電をより均一にすることが重要であり、そのためには、導電性能を均一化することと、より細い繊維をより高密度に植毛したブラシとすることとが効果的である。繊維の導電性の均一化は、単一分散型導電糸とすることにより実現できるが、導電糸を無限に細くすることは不可能で限界がある。しかるに、同じ太さの多葉断面糸と丸断面糸とを比較すると、多葉断面糸の葉部の先端を円弧で近似したときに、その円弧の半径を、丸断面糸の半径の1/2以下にすることができる。被帯電体に接触する円弧を小さくすることは、実質的により細い繊維を用いたのと等価になる。また、多葉断面糸は、被帯電体との接触点の数が丸断面糸の場合よりも多くなるため、高密度化したブラシと実質的に等価にすることができる。これらの結果、従来の複合糸や丸断面糸を使用したものよりも、帯電性や除電性やこれらの均一性が飛躍的に優れた帯電ブラシ、除電ブラシとすることができる。
また、本発明の導電性多葉断面繊維を用いてクリーニングブラシとする際には、突起部となった葉部がトナーを掻き取る働きをし、この部分が複数存在することで掻き取り効果に優れることとなる。さらに、このような多葉断面形状であることにより表面積が丸断面形状の繊維と比べて増加するため、また、葉部に隣接して凹部が複数存在することで、掻き取ったトナーの保持量多くすることができ、優れたクリーニング効果を示すことができる。
さらに、各単繊維が多葉断面繊維であることにより、丸断面繊維と比較して嵩高となるため、ブラシとしたときに、同じ密度で植毛した丸断面繊維のブラシと比べて表面密度が高く、嵩高なものとすることができる。これにより、上記のような帯電及び除電やトナー粒子のクリーニング効果に優れたブラシとすることができる。
つまり、通常、電子写真装置用の各種ブラシとする際には、繊維を製織してパイル織物とし、この織物をテープ状に裁断して、円筒状のシャフトに螺旋状に巻いて製造が行われる。このとき、螺旋状に巻かれることからブラシ表面に巻き形状に沿って隙間が発生しやすく、このような隙間が電気の流れやクリーニング効果において斑が生じる原因となっていた。本発明の繊維を用いると、表面密度が高くなることからボリューム感が増し、螺旋状の隙間のないブラシとすることができる。これにより斑のない均一な帯電及び除電やクリーニング効果を実現できる。
さらに、これらの事象は、電子写真装置の現像機のトナー供給ブラシにとっても有効である。非磁性一成分現像機におけるトナー供給は、従来、スポンジロールが広く使われてきたが、現像ロールへのトナー供給性と剥離性の点、駆動トルクの点、抵抗値の安定性の点などから、ブラシが検討され、切り替わりつつある。ブラシは、シャフトにパイル織り生地をスパイラル状に巻いて作られる。しかし、巻くときにブラシ表面にスパイラル状の隙間が発生し、これが現像ロールへのトナーの供給斑になるという問題点が指摘されていた。6葉断面糸は、その外接円が丸断面糸よりも大きいため、同じ密度で植毛したとしても、ポリューム感が増しスパイラル状の隙間が目立たないものとなる。そのため、現像ロールへのトナー供給の安定性が向上する。この場合に、植毛密度が高すぎると、ブラシにトナー詰まりが発生するため、適度な密度が望ましい。本発明によれば、適度な密度でありながら、スパイラル状の隙間が解消できるので、実用上の効果が大きい。
なお、単に表面密度を高くするためであれば、細繊度糸を用いればよく、丸断面形状の細繊度糸を用いたものでは、螺旋状の隙間のないブラシとすることはできる。しかし、繊維のコシがないため、ブラシとしてもコシがなく、特にトナーの掻き取りを行うクリーニングブラシとしては適していないものである。さらに、クリーニングブラシにおいては、トナーを掻き取ると同時にトナーの排出も容易に行えることが重要であり、単に細繊度糸のものを用い繊維密度を高くしたブラシでは、トナー詰まりが生じるものとなる。
このように、表面密度が高く、コシがあり、トナーの保持性と排出性とに優れるという効果を奏することができる電子写真装置用ブラシは、実用上の効果が非常に大きいものである。
上記のような電子写真装置用ブラシの繊維として用いたときに、帯電及び除電の性能やトナー粒子のクリーニング効果に優れ、螺旋状の隙間のないブラシを得やすいものとして、葉部の数と形状のバランスがよく、安定して製造しやすいことから、多葉断面形状の繊維の中でも特に6葉断面形状のものが好ましい。
そして、本発明の導電性多葉断面繊維は、マルチフィラメント及びモノフィラメントを構成する単繊維の多葉断面形状が下記(1)式を満足することが必要である
Figure 0004452859
ただし、R:外接円の半径(μm)、 n:単繊維のデシテックス数、 ρ:繊維の密度(g/cm)、 π:円周率である。
すなわち、1デシテックスは10000mの長さで1gの質量となる太さであるので、通常の丸断面糸の場合には、その半径をR(μm)として、
n=π(R/1000)×10000×ρ
となり、この式から、
Figure 0004452859
となる。
これより、(1)式は、同じデシテックス数を有する丸断面繊維と比較して、丸断面繊維の半径よりも多葉断面繊維の外接円の半径が1.1倍以上となることを示している。つまり、丸断面繊維と比較して、多葉断面繊維とすることで繊維の嵩高性があることを示すものである。
Rの値が丸断面繊維の半径の1.1未満であると、多葉断面繊維の形状が丸断面繊維に近いものとなり、上記したような多葉断面繊維特有の電気的効果やクリーニング効果が小さいものとなるとともに、嵩高性が乏しくなることから表面密度の高いブラシとすることが困難となる。
また、本発明の導電性多葉断面繊維においては、マルチフィラメント及びモノフィラメントを構成する単繊維の多葉断面形状が下記(2)式を満足することが必要である
1.2r≦R≦2.0r・・・(2)
ただし、r:内接円の半径、R:外接円の半径
ここで内接円とは、複数の凹部の頂点に接するように断面形状の内部に描く円であり、最も多くの凹部の頂点に接するように描く円のうち半径が最大のものをいう。また外接円とは、複数の葉部の頂点に接するように断面形状の外部に描く円であり、最も多くの葉部の頂点に接するように描く円のうち半径が最大のものをいう。
(2)式は、単繊維の多葉断面形状において、葉部の長さを示す指標となるものである。Rが1.2rよりも小さい場合は、葉部と凹部の凹凸差の小さい形状となり、多角形状や丸断面形状に近いものとなり、葉部の接触点が小さくなり、上記したような葉部による接触の効果を奏することが困難となる。一方、Rが2.0rよりも大きくなると、葉部の突起が大きく、幹部が小さいものとなるので、繊維のコシが乏しくなり、また均一な形状のものを安定して生産することが困難となりやすい。
中でも、本発明の導電性多葉断面繊維を、電気的な性能を重視する用途として、例えば帯電ブラシや除電ブラシに使用する場合には、
1.2r≦R≦2.0r・・・(2)
とし、かつ、単繊維の多葉断面形状の葉部の形状が
1.2N≦M≦2.0N・・・(3)
を満足することが必要である
ただし、M:葉部の底辺の長さ、N:葉部における高さ(H)の1/2すなわちH/2の位置において底辺と並行にひいた辺の長さである。
ここで、図4に示すように、葉部の底辺の長さ(M)とは、隣接する凹部の頂点を結んだ直線の長さをいい、葉部の高さ(H)とは、葉部の頂点から葉部の底辺に垂直にひいた直線の長さをいう。そして、H/2の位置において底辺と並行にひいた辺の長さをNとする。
なお、本発明における単繊維の横断面形状は電子顕微鏡で撮影したものを測定、算出するものであり、葉部の形状は、1つの多葉断面形状において全ての葉部のH、M、Nを測定、算出し、これら全ての葉部の平均値により評価する。さらに、マルチフィラメントにおいては、マルチフィラメントを構成する全ての単繊維について測定、算出したこれらの値の平均値により評価する。
帯電や除電などの電気的な性能を重視する用途に使用する場合には、葉部の突起の長さが長くなりすぎると、葉部が接触する際に反発しやすくなり、ブラシ全体として放電や除電の均一性に劣り、導電性能に班が生じやすくなる、したがって、ある程度の幹部を有し、葉部が長くなりすぎないことが好ましく、このためR≦2.0rとすることが必要である
さらに、このような用途に使用する場合には、単繊維の多葉断面形状における葉部の先端がある程度鋭角となるような形状であることが必要である。葉部の先端が感光ドラム等に接触して放電、除電を行うので、接触点が面接触でなく、点接触となることが、放電、除電の均一性から必要である
したがって、Mが1.N未満であると、葉部の形状がシャープでなくなり、葉部の先端部での接触が面接触に近くな。一方、Mが2.0Nを超えると、葉部の形状がシャープになりすぎて、安定した形状のものを得ることが困難とな
そして、このような電気的な性能重視する用途に使用する際には、ブラシの表面密度の高密度化を図ったり、ブラシにおける葉部の接触点を多くするために、単繊維の繊度は、0.5〜10.0デシテックスであることが好ましい。
また、本発明の導電性多葉断面繊維を、トナーの除去を行う性能を重視する用途として、例えばクリーニングブラシに使用する場合には、
2.0r≦R≦3.5r・・・(5)
とし、かつ単繊維の多葉断面形状の葉部の形状が
0.5N≦M≦1.5N・・・(6)
を満足することが必要である
すなわち、本発明においては、トナーを掻き取る効果に優れるものとして、葉部の突起の長さがある程度あることが必要であるため、上記のように2.0r≦Rとすることが必要である
さらに、本発明においては、葉部の先端でトナーを掻き取るため、あまり鋭角でない形状とすることが必要であり、上記のようにM≦1.5Nとすることが必要である。一方、Mが0.5Nより小さいと、隣接する葉部同士が近接することとなり、トナーの掻き取り作業が良好に行われず、クリーニング性に班が生ずるため、0.5N≦Mとすることが必要である。
(5)式及び(6)式の条件を満足する導電性多葉断面繊維は、トナー供給ブラシに使用されるものである
また、クリーニングブラシとして使用する際には、単繊維の表面積が大きいほどトナーの付着が多くなり、クリーニング性に優れるものとなる。このため、下記(4)式を満足することが好ましい。
Figure 0004452859
ただし、S:単繊維の周長である。
すなわち上述のように、
Figure 0004452859
であるため、
S≧1.3×2πR
として、上記の(7)式が導き出される。
つまり、(7)式は、多葉断面繊維の周長が同じ単糸繊度の丸断面繊維のものと比べて1.3倍以上であることを示している。
Sが(7)式の右辺よりも小さな値となると、繊維形状が丸断面繊維に近くなり、表面積が小さくなるため、トナーの付着量が少なくなり、クリーニング性能の向上が図れなくなる。
そして、クリーニング用途に使用するため、トナーの掻き取り効果や、掻き取ったトナーを一時的に保持する効果が必要であることを考慮すると、単繊維の繊度が1.5〜60デシテックスであることが好ましい。ブラシをクリーニングに用いるためには、クリーニング方式が何種類もあり、太い糸が良い結果を得られる場合もあれば、逆に細い方が良い場合もあり得る。
また、本発明の導電性多葉断面繊維は、上記のような単繊維を複数本有するマルチフィラメントであっても、上記のような単繊維のみからなるモノフィラメントであってもよい。そして、マルチフィラメントの場合は、マルチフィラメントの繊度が20〜600デシテックス、単繊維数が10〜100であることが好ましく、モノフィラメントの場合は繊度を10〜500デシテックスとすることが好ましい。
以上のように、本発明の導電性多葉断面繊維は、電子写真装置用の各種ブラシに好適な繊維であるため、その電気的特性値として、温湿度が20℃、60%RHの雰囲気中での比抵抗値が10〜10Ω・cmであることが好ましく、ブラシの用途により適切な抵抗値が選択される。具体的な比抵抗値は、例えば帯電ブラシの場合は10〜10Ω・cmであることが好ましく、除電ブラシの場合は10〜10Ω・cmであることが好ましい。クリーニングブラシの場合は、クリーニング方式によって、高抵抗の10〜10Ω・cmのものを使用したり、逆に10〜10Ω・cmのものを使用したりするのが好適である。
次に、本発明の導電性多葉断面繊維の製造方法について、マルチフィラメントの製造方法の一例を用いて説明する。なお、マルチフィラメントの場合は、(i)紡糸後、未延伸糸を一旦巻き取った後、延伸工程に供して延伸を行う二工程法と、(ii)紡糸後、未延伸糸を一旦巻き取ることなく連続して延伸を行う一工程法のいずれによって製造されたものであってもよい。ここでは、二工程法により製造する方法を一例を用いて説明する。
まず、従来公知の方法で、上記のようなカーボンブラック等の導電性微粒子又は導電性微粒子を含むマスターチップと熱可塑性ポリマーとを、例えばエクストルーダーで混練・溶融し、紡糸口金より押し出し、溶融紡糸を行う。そして、実質的に延伸を施さず、未延伸マルチフィラメント糸を得る。
このとき、導電性微粒子と熱可塑性ポリマーとの混練・溶融方法としては、導電性微粒子を例えば二軸エクストルーダー等を用いて直接混練することもできる。しかし、導電性微粒子を高濃度に含有したマスターチップを一旦作製してから混練するほうが、より均一な混練ができるため好ましい。
溶融紡糸の方法として、紡糸温度は、用いる樹脂の融点Tmに対して、Tm+10〜Tm+80℃の範囲とすることが好ましい。紡糸温度が高すぎると、熱可塑性ポリマーが熱分解を起こし、円滑な紡糸が困難になるとともに、得られるフィラメントの物性が劣ったものとなる。また紡糸温度が低すぎると、未溶解物等が残るために均一な混練ができなくなる。
そして、紡糸時において、得ようとする多葉断面形状となるように紡糸口金のスリット形状を選択する。特に、葉部の形状を鋭角にしようとする際には、スリット幅を狭くしたり、スリットの長さを長くすることが好ましい。
本発明の繊維は、導電性微粒子を比較的多く含有するため、前述したように紡糸後の冷却速度が速くなるものであるが、それだけ紡糸後の繊維の形状変化も小さくなり、所望の多葉断面形状が得やすいものとなる。
そして、紡出されたフィラメントを、0〜100℃、好ましくは15〜40℃の冷却風により冷却する。冷却温度をあまり低くすると、温度管理及び作業性等に困難をきたす。反対に高すぎると、冷却不足となり最終的に得られるフィラメントの糸質性能が劣ったものとなる。
このように、所望の多葉断面形状を有する繊維となるように、紡糸口金のスリット形状やポリマーの吐出量、紡糸速度、冷却速度等を適切な値に選定して紡糸を行うことが重要である。
次いで、冷却固化したフィラメントを、実質的に延伸することなく、500〜1500m/分で一旦巻き取る。
そして、未延伸マルチフィラメント糸に、熱処理しながら延伸を行う熱延伸を施すことが好ましい。具体的には、延伸温度を50〜200℃とし、延伸倍率を1.5〜5.0倍とし、熱延伸時の熱処理時間を0.02秒以上となるように熱延伸を行うことが好ましい。延伸時の熱処理時間を0.02秒以上とすることにより、各単繊維が等しく延伸されるように十分な熱量を与えることができ、ゆっくりと均一に延伸することができる。これにより導電性微粒子の含有量が比較的多く、このため剛性の高い繊維であっても、延伸時に糸切れが生じることなく、均一な延伸を行うことが可能となる。
延伸速度は、特に限定されるものではないが、熱処理時間を0.02秒以上とするために、500m/分以下とすることが好ましい。また、延伸後に必要に応じて弛緩熱処理を施すことが好ましい。
以上のように本発明においては、紡糸、延伸、熱処理条件を適切に選定することによって、従来では製造することが困難であった、熱可塑性樹脂中に導電性微粒子を比較的多量に含有しているポリマーを用いた異形断面繊維を得ることができるようになったものである。
次に、本発明の電子写真装置用ブラシについて説明する。
本発明のブラシは、本発明の導電性多葉断面繊維を少なくとも一部に使用したものであり、ブラシ中に占める本発明の導電性多葉断面繊維の割合は50質量%以上とすることが好ましく、中でも、本発明の導電性多葉断面繊維のみからなるものとすることが好ましい。ブラシの形態等は特に限定されるものではないが、本発明の繊維をパイル織物に製織した後、このパイル織物をテープ状に裁断し、円筒状のシャフトの表面に螺旋状に巻き付けてブラシとしたものが挙げられる。また、本発明の繊維を短繊維にカットしてフロッキー加工により布帛面に接着し、この布帛を同様にテープ状とし、シャフトの表面に螺旋状に巻き付けてブラシとしたもの、あるいはフロッキー加工により直接シャフトの表面に短繊維を接着してブラシとしたものなども挙げられる。
そして、本発明のブラシは、上記のようにシャフトの表面に螺旋状にパイル布帛等を巻き付けた後、ブラシ表面の繊維を開繊し、ブラシ表面を整えるために、熱水処理によるヒートセットを行うことが好適である。本発明のブラシは、本発明の導電性多葉断面繊維を用いているため、このようなヒートセットで開繊させると、葉部の存在によりブラシの表面密度が高く、螺旋状の隙間のないボリューム感のある嵩高なブラシを得ることができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
下記の実施例、比較例における導電性多葉断面繊維の横断面形状は、前記の方法で測定した。
導電性多葉断面繊維の電気抵抗値は、以下のようにして求めた。すなわち、マルチフィラメント繊維の1束(48フィラメントまたは96フィラメント)を15mm間隔の一対の電極に接触させ、両電極間に100Vの直流電圧を印加して流れる電流を計測した。これを1コーンにつき1000ポイント計測し、この計測した電流値から繊維の抵抗値を計算し、1000ポイントの抵抗値の平均値を求めた(対数値で平均化した)。そして、この抵抗値から、繊維の断面積と長さとにもとづき体積抵抗値を求め、それによって導電性多葉断面繊維の電気抵抗値を評価した。
導電性多葉断面繊維の強度及び伸度は、JIS L−1013に従い、島津製作所製オートグラフDSS−500を用い、つかみ間隔25cm、引張速度30cm/分で測定した。
繊維の密度は、JIS L−1013の密度こうばい管法に従い測定した。
単繊維繊度(n)は、JIS L−1013に従いマルチフィラメントの繊度を算出し、それを単糸数で除することにより求めた。
帯電ブラシの画像評価は、次のように行った。すなわち、セイコーエプソン社製のレーザープリンター(品番LP3000C)の帯電部に帯電ブラシとして装着して、ハーフトーン画像をプリントし、画像品質、特に画像斑を目視にて10段階評価した。すなわち、最も優れているものを10とした。時間の経過にともなう帯電ブラシの劣化は、ブラシの汚れに起因するので、各ブラシによる差は表れにくい。したがって、ここでは初期画像の品質のみで評価した。なお、帯電ブラシは、被帯電体(感光体)の回転方向に対し、(i)カウンター方向に回転駆動した(周速は感光体の周速の2倍)場合と、(ii)ウイズ方向に回転駆動した(周速は感光体の周速の1.1倍)場合との評価を行った。
クリーニングブラシのクリーニング性の評価は、画像の評価によって行った。このとき、クリーニング方式は各種実用化されているので、ここでは二つの方式で評価した。
その1として、日立プリンティングソリューションズ社製のカラーレーザープリンター(品番BEAMSTAR−3000)の中間転写ドラムのクリーナ(ブラシにトナーと逆極性の電圧を印加して静電的にクリーニングするバイアスクリーナー)に、実施例及び比較例のブラシを装着して、5万枚のカラープリントを行い、一定枚数毎に中間転写ドラム上のクリーニング状態を目視にて10段階評価した(最も優れているものを10とした)。
その2として、リコー社製のカラーレーザープリンター(品番Ipsio8000)の帯電ロールのクリーニングを目的として、実施例及び比較例のブラシを装着して、3万枚のカラープリントを行い、帯電ロールの汚れに伴う画質劣化状況を目視にて10段階評価した(最も優れているものを10とした)。
トナー供給ブラシの画像評価は、次のように行った。すなわち、セイコーエプソン社製のカラーレーザープリンター(品番LP3000C)に搭載の非磁性一成分現像機のトナー供給ロール(スポンジロール)に代えて実施例及び比較例のブラシを装着して、3万枚のカラープリントを行い、画質劣化状況を目視にて10段階評価した(最も優れているものを10とした)。
<帯電ブラシの実施例・比較例>
実施例1(6葉断面形状)
相対粘度2.50(96%硫酸を溶媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)のナイロン6チップに、カーボンブラック濃度が24.00質量%となるようにマスターチップ(カーボンブラックを35質量%含有するナイロン6(相対粘度1.95)チップ)をブレンドした後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度255℃で溶融し、図3(a)に示すような太めの六方の放射状を呈するスリット形状の紡糸孔を48個有した紡糸口金より吐出させて、30℃の冷却風により冷却しつつ、巻取速度600m/分で未延伸糸を巻取った。
次いで、得られた未延伸糸を、150℃のホットプレートを介して、延伸倍率2.6倍で延伸し、続いて170℃のヒーターにて1.9秒間の弛緩熱処理を行い、単糸繊度が4.58デシテックスで、220デシテックス/48フィラメントの、導電性を有する6葉断面繊維を得た。繊維断面形状は、図3(A)に示されるものであった。
得られた繊維を、パイル密度200000本/(2.54cm)、パイル長5mm、生地幅15mmのパイルテープとして製織した後、直径6mmの金属シャフトに螺旋状に巻き付けて、帯電ブラシを作成した。その後、100℃の飽和蒸気で5分間、開繊のための熱処理を施した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表1に示す。
Figure 0004452859
なお、表1に示すように、繊維の単繊維繊度nは4.58であり、その密度ρは1.250であるため、上述の(1)式の右辺の値は11.88となり、結局(1)式は
R≧11.88
という関係になるが、表1に示すようにRの値は12.86で、上式を満足するものであった。
また、表1に示すように、R/rの値は1.3637と、(3)式を満足するものであり、M/Nの値は1.7366と、(4)式を満足するものであった。このため電気的特性に優れ、画像評価値の高いものであった。
実施例2〜3(6葉)
紡糸温度と冷却風温度とを表1に示すようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、導電性繊維を得た。また帯電ブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表1に示す。
この場合も、実施例1と同様に、表1に示すようにRの値は(1)式を満足するものであり、R/rの値は(3)式を満足するものであり、M/Nの値は(4)式を満足するものであった。このため電気的特性に優れ、画像評価値の高いものであった。
実施例4(3葉)
紡糸口金として、図1(a)に示すような太めの三方の放射状を呈するスリット形状のものを用い、紡糸温度及び冷却風温度を表1に示すようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、220デシテックス/48フィラメントの、導電性を有する3葉断面繊維を得た。繊維断面形状は、図1(A)に示されるものであった。
また実施例1と同様にして帯電ブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表1に示す。
この場合も同様に、表1に示すようにRの値は(1)式を満足するものであり、R/rの値は(3)式を満足するものであり、M/Nの値は(4)式を満足するものであった。このため電気的特性に優れ、画像評価値の高いものであった。
実施例5(4葉)
紡糸口金として、図2(a)に示す太めの四方の放射状を呈するスリット形状のものを用いた。そして、それ以外は実施例3と同様にして、220デシテックス/48フィラメントの、導電性を有する4葉断面繊維を得た。繊維断面形状は、図2(A)に示されるものであった。また実施例1と同様にして帯電ブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表1に示す。
この場合も同様に、表1に示すようにRの値は(1)式を満足するものであり、R/rの値は(3)式を満足するものであり、M/Nの値は(4)式を満足するものであった。このため電気的特性に優れ、画像評価値の高いものであった。
実施例6(6葉細繊度)
図3(a)に示すような太めの六方の放射状を呈するスリット形状の紡糸孔を96個有する紡糸口金を用い、カーボンブラックの添加量、紡糸温度、冷却風温度、延伸倍率、弛緩熱処理時間を表1に示すようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、単糸繊度が2.29デシテックスで、220デシテックス/96フィラメントの、導電性を有する6葉断面繊維を得た。繊維断面形状は、図3(A)に示されるものであった。また実施例1と同様にして帯電ブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表1に示す。
この場合は、表1に示すように、繊維の単繊維繊度nは2.29であり、その密度ρは1.250であるため、上述の(1)式の右辺の値は8.40となり、結局(1)式は
R≧8.40
という関係になるが、表1に示すようにRの値は9.09で、上式を満足するものであった。
また、R/rの値は(3)式を満足するものであり、M/Nの値は(4)式を満足するものであった。このため電気的特性に優れ、画像評価値の高いものであった。
比較例1(丸断面)
紡糸口金としてスリット形状が丸形のものを用い、延伸倍率及び弛緩熱処理時間を表1に示すようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、220デシテックス/48フィラメントの、図5に示すような丸断面形状の導電性繊維を得た。また実施例1と同様にして帯電ブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表1に示す。
この場合は、実施例1の場合と同様に(1)式は
R≧11.88
という関係になるが、表1に示すようにRの値は10.84で、上式を満足するものではなかった。このため、画像評価値の低いものであった。
比較例2(三角断面)
紡糸口金として、スリット形状が三角のものを用い、また紡糸温度及び冷却風温度を表1に示すようにした。そして、それ以外は実施例1と同様にして、220デシテックス/48フィラメントの、図6に示すような三角断面形状の導電性繊維を得た。また実施例1と同様にして帯電ブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表1に示す。
この場合に、Rの値は14.21で(1)式を満足し、R/rの値は1.6333で(3)式を満足した。しかし、多葉断面を構成するために必要な凹部を有しないため、(4)式の関係が成り立たず、このため画像評価値の低いものであった。
比較例3(6葉芯鞘の複合)
カーボンブラックが配合されていない相対粘度2.50のナイロン6(A)のチップと、カーボンブラックを35質量%含有する相対粘度1.95のナイロン6(B)のチップとを用い、それぞれをエクストルーダー型溶融押出機に供給し、6葉の芯鞘構造の単糸を紡糸することができる複合紡糸装置を用いて紡糸を行うことで、図7に示すように、導電性を有しないナイロン6(A)が芯部に配されるとともに導電性を有するナイロン6(B)が鞘部に配された6葉の芯鞘構造の複合単繊維を得た。この複合単繊維は、芯鞘全体でカーボンブラックを24.50質量%含有するものであった。このとき、延伸倍率及び弛緩熱処理時間は表1に示す通りとし、それ以外は実施例1と同様にした。これにより、220デシテックス/48フィラメントの、6葉断面形状の導電性複合繊維を得た。また実施例1と同様にして帯電ブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表1に示す。
この場合は、Rの値は(1)式を満足し、R/rの値は(3)式を満足し、またM/Nの値は(4)式を満足していた。しかし、得られたハーフトーン画像は斑の大きいものであった。この理由は、導電糸の表面は導電性を有するナイロン6(B)で覆われているが、複合糸であるため導電性部分と非導電性部分とが混在していて、繊維の先端面(繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面)は、両者からの放電による帯電が混在し、帯電斑(表面電位の斑)が大きくなったためと推察される。
帯電ブラシに関する実施例1〜6及び比較例1〜3についての上記の結果から明らかなように、全分散導電糸の場合は、比較例1の丸断面などよりも3葉、4葉、6葉断面の方が画像品質に優れたものであった。また、3葉よりも4葉、4葉よりも6葉断面の方が画像品質に優れたものであった。さらには、実施例6の単糸繊度の小さい6葉断面糸によるものが、もっとも画像品質が高かった。
比較例3のように、6葉断面糸であっても、導電性を有しない成分を含んだ複合導電糸では、十分な画像品質を得ることができなかった。
<クリーニングブラシの実施例・比較例−1>
次にバイアスクリーナとして用いられるクリーニングブラシの実施例、比較例について説明する。
実施例7(6葉)
相対粘度2.50(96%硫酸を溶媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)のナイロン6チップに、カーボンブラック濃度が22.0質量%となるようにマスターチップ(カーボンブラックを35質量%含有するナイロン6(相対粘度1.95)チップ)をブレンドした後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度250℃で溶融し、図3(b)に示すような細めの六方の放射状を呈するスリット形状の紡糸孔を48個有した紡糸口金より吐出させて、25℃の冷却風により冷却しつつ、巻取速度600m/分で未延伸糸を巻取った。
次いで、得られた未延伸糸を、150℃のホットプレートを介して、延伸倍率2.6倍で延伸し、続いて165℃のヒーターにて1.9秒間の弛緩熱処理を行い、単糸繊度が4.58デシテックスで、220デシテックス/48フィラメントの、導電性を有する6葉断面繊維を得た。繊維断面形状は、図3(B)に示されるものであった。
得られた繊維を、パイル密度150000本/(2.54cm)、パイル長5mm、生地幅15mmのパイルテープとして製織した後、直径6mmの金属シャフトに螺旋状に巻き付けて、帯電ブラシを作成した。その後、100℃の飽和蒸気で5分間、開繊のための熱処理を施した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表2に示す。
Figure 0004452859
なお、表2に示すように、繊維の単繊維繊度nは4.58であり、その密度ρは1.240であるため、上述の(1)式の右辺の値は11.93となり、結局(1)式は
R≧11.93
という関係になるが、表2に示すようにRの値は14.55で、上式を満足するものであった。
また、表1に示すように、R/rの値は2.3355と、(5)式を満足するものであり、M/Nの値は1.2144と、(6)式を満足するものであった。
さらに、上記の単繊維繊度nが4.58であることと、密度ρが1.240であることとによれば、上述の(7)式の右辺の値は88.5となり、結局(7)式は
S≧88.5
という関係になるが、表2に示すようにSの値は128.71で、(7)式を満足するものであった。
以上により、実施例7のブラシは、クリーニング評価値の高いものであった。
実施例8〜9(6葉)
実施例8においては、紡糸温度を表2に示すようにした。実施例9においては、紡糸温度と冷却風温度とを表1に示すようにした。そして、それ以外は実施例7と同様にして、導電性繊維を得た。またクリーニングブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表2に示す。
この場合も、実施例7と同様に、表2に示すようにRの値は(1)式を満足するものであり、R/rの値は(5)式を満足するものであり、M/Nの値は(6)式を満足するものであり、Sの値は(7)式を満足するものであった。このためクリーニング評価値の高いものであった。
実施例10(3葉)
紡糸口金として、図1(b)に示すような細めの三方の放射状を呈するスリット形状のものを用い、冷却風温度を表7に示すようにした。そして、それ以外は実施例7と同様にして、220デシテックス/48フィラメントの、導電性を有する3葉断面繊維を得た。繊維断面形状は、図1(B)に示されるものであった。
また実施例7と同様にしてクリーニングブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表2に示す。
この場合も同様に、表2に示すようにRの値は(1)式を満足するものであり、R/rの値は(5)式を満足するものであり、M/Nの値は(6)式を満足するものであり、Sの値は(7)式を満足するものであった。このためクリーニング評価値の高いものであった。
実施例11(4葉)
紡糸口金として、図2(b)に示す細めの四方の放射状を呈するスリット形状のものを用いた。そして、それ以外は実施例10と同様にして、220デシテックス/48フィラメントの、導電性を有する4葉断面繊維を得た。繊維断面形状は、図2(B)に示されるものであった。また実施例7と同様にしてクリーニングブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表2に示す。
この場合も同様に、表2に示すようにRの値は(1)式を満足するものであり、R/rの値は(5)式を満足するものであり、M/Nの値は(6)式を満足するものであり、Sの値は(7)式を満足するものであった。このためクリーニング評価値の高いものであった。
実施例12(6葉細繊度)
図3(b)に示すような細めの六方の放射状を呈するスリット形状の紡糸孔を96個有する紡糸口金を用い、紡糸温度、冷却風温度、延伸倍率、弛緩熱処理時間を表2に示すようにした。そして、それ以外は実施例7と同様にして、単糸繊度が2.29デシテックスで、220デシテックス/96フィラメントの、導電性を有する6葉断面繊維を得た。繊維断面形状は、図3(B)に示されるものであった。また実施例7と同様にしてクリーニングブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表2に示す。
この場合は、表2に示すように、繊維の単繊維繊度nは2.29であり、その密度ρは1.240であるため、上述の(1)式の右辺の値は8.44となり、結局(1)式は
R≧8.44
という関係になるが、表1に示すようにRの値は10.29で、上式を満足するものであった。
また、R/rの値は(5)式を満足するものであり、M/Nの値は(6)式を満足するものであった。
上記の条件を用いると上述の(7)式の右辺の値は62.6となるが、表2に示すようにSの値は91.07で、(7)式を満足するものであった。
以上により、実施例12のブラシは、クリーニング評価値の高いものであった。
比較例4(丸断面)
紡糸口金としてスリット形状が丸形のものを用い、冷却風温度、延伸倍率、弛緩熱処理時間を表2に示すようにした。そして、それ以外は実施例7と同様にして、220デシテックス/48フィラメントの、図5に示すような丸断面形状の導電性繊維を得た。また実施例7と同様にしてクリーニングブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表2に示す。
この場合は、実施例7の場合と同様に(1)式は
R≧11.88
という関係になり、(7)式は
S≧88.5
という関係になるが、表2に示すようにRの値は10.84、Sの値は68.11で、上式を満足するものではなかつた。
このため、クリーニング評価値の低いものであった。
比較例5(三角断面)
紡糸口金として、スリット形状が三角のものを用い、また紡糸温度及び冷却風温度を表2に示すようにした。そして、それ以外は実施例7と同様にして、220デシテックス/48フィラメントの、図6に示すような三角断面形状の導電性繊維を得た。また実施例7と同様にしてクリーニングブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表2に示す。
この場合に、Rの値は(1)式を満足したものの、R/rの値は(5)式を満足するものではなく、またSの値も(7)式を満足するものではなかった。このため、クリーニング評価値の低いものであった。
比較例6(6葉芯鞘の複合)
カーボンブラックが配合されていない相対粘度2.50のナイロン6(A)のチップと、カーボンブラックを35質量%含有する相対粘度1.95のナイロン6(B)のチップとを用い、それぞれをエクストルーダー型溶融押出機に供給し、6葉の芯鞘構造の単糸を紡糸することができる複合紡糸装置を用いて紡糸を行うことで、図7に示すように、導電性を有しないナイロン6(A)が芯部に配されるとともに導電性を有するナイロン6(B)が鞘部に配された6葉の芯鞘構造の複合単繊維を得た。この複合単繊維は、芯鞘全体でカーボンブラックを22.00質量%含有するものであった。このとき、冷却風温度、延伸倍率、弛緩熱処理時間は表2に示す通りとし、それ以外は実施例7と同様にした。これにより、220デシテックス/48フィラメントの、6葉断面形状の導電性複合繊維を得た。
また実施例7と同様にしてクリーニングブラシを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表2に示す。
この場合は、Rの値は(1)式を満足し、R/rの値は(5)式を満足し、M/Nの値は(6)式を満足し、Sの値は(7)式を満足していた。しかし、印刷枚数が増加するにつれて、クリーニング性が劣化した。その原因を見つけるために、繊維の断面を観察したところ、芯鞘構造の芯と鞘の中心にずれが生じているものが認められた。このように中心にずれが生じると、導電性部分の各葉部の抵抗値が異なってしまうことになり、抵抗値が低い部分は、トナーを取り込んでもブラシに印加した電圧によりトナーを逆極性に帯電し中間転写ドラム上に吐き出してしまうことになった。そのため結果としてクリーニング性能が低いものとなった。
クリーニングブラシに関する実施例7〜10及び比較例4〜6についての上記の結果から明らかなように、実施例12の6葉断面の細繊度の繊維を用いたブラシが、クリーニング安定性が最も良好であった。3葉断面糸や4葉断面糸は6葉断面糸に比べて若干性能が劣るものであったが、比較例4〜6のものよりは格段に性能が優れていた。
<クリーニングブラシの実施例・比較例−2、トナー供給ブラシの実施例・比較例>
次に帯電ロールのクリーニングに用いられるクリーニングブラシの実施例、比較例と、トナー供給ブラシの実施例、比較例とを説明する。
実施例13(6葉)
表3に示すように、カーボンブラック濃度が24.00質量%になるように調整した。また冷却風温度を表3に示すように設定した。そして、それ以外は実施例7と同様にして、導電性繊維を得た。
得られた繊維を、パイル密度200000本/(2.54cm)、パイル長5mm、生地幅15mmのパイルテープとして製織した後、直径6mmの金属シャフトに螺旋状に巻き付けて、クリーニングブラシとトナー供給ブラシとをそれぞれ作成した。その後、100℃の飽和蒸気で5分間、開繊のための熱処理を施した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表3に示す。
Figure 0004452859
実施例7に比べてカーボンブラックの濃度が変化したために、(1)式と(7)式の右辺の値がそれぞれ実施例1などの場合と同様になり、実施例7の場合に比べて若干変化した。すなわち、(1)式及び(7)式は
R≧11.88
S≧88.2
となった。しかし、実施例7と同様に、表3に示すようにRの値は(1)式を満足するものであり、R/rの値は(5)式を満足するものであり、M/Nの値は(6)式を満足するものであり、Sの値は(7)式を満足するものであった。このためクリーニングブラシのクリーニング評価値やトナー供給ブラシの画像評価値の高いものであった。
実施例14(6葉)
表3に示すように、カーボンブラック濃度が24.00質量%になるように調整した。また紡糸温度を表3に示すように設定した。そして、それ以外は実施例8と同様にして、導電性繊維を得た。また、実施例13と同様にして、クリーニングブラシとトナー供給ブラシとを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表3に示す。
この場合も、実施例8と同様に、表3に示すようにRの値は(1)式を満足するものであり、R/rの値は(5)式を満足するものであり、M/Nの値は(6)式を満足するものであり、Sの値は(7)式を満足するものであった。このためクリーニングブラシのクリーニング評価値やトナー供給ブラシの画像評価値の高いものであった。
実施例15(6葉)
表3に示すように、カーボンブラック濃度が24.00質量%になるように調整した。また冷却風温度を表3に示すように設定した。そして、それ以外は実施例9と同様にして、導電性繊維を得た。また、実施例13と同様にして、クリーニングブラシとトナー供給ブラシとを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表3に示す。
この場合も、実施例9と同様に、表3に示すようにRの値は(1)式を満足するものであり、R/rの値は(5)式を満足するものであり、M/Nの値は(6)式を満足するものであり、Sの値は(7)式を満足するものであった。このためクリーニングブラシのクリーニング評価値やトナー供給ブラシの画像評価値の高いものであった。
実施例16(3葉)
表3に示すように、カーボンブラック濃度が24.00質量%になるように調整した。そして、それ以外は実施例10と同様にして、導電性繊維を得た。また、実施例13と同様にして、クリーニングブラシとトナー供給ブラシとを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表3に示す。
この場合も、実施例10と同様に、表3に示すようにRの値は(1)式を満足するものであり、R/rの値は(5)式を満足するものであり、M/Nの値は(6)式を満足するものであり、Sの値は(7)式を満足するものであった。このためクリーニングブラシのクリーニング評価値やトナー供給ブラシの画像評価値の高いものであった。
実施例17(4葉)
表3に示すように、カーボンブラック濃度が24.00質量%になるように調整した。そして、それ以外は実施例11と同様にして、導電性繊維を得た。また、実施例13と同様にして、クリーニングブラシとトナー供給ブラシとを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表3に示す。
この場合も、実施例11と同様に、表3に示すようにRの値は(1)式を満足するものであり、R/rの値は(5)式を満足するものであり、M/Nの値は(6)式を満足するものであり、Sの値は(7)式を満足するものであった。このためクリーニングブラシのクリーニング評価値やトナー供給ブラシの画像評価値の高いものであった。
比較例7(丸形断面)
表3に示すように、カーボンブラック濃度が24.00質量%になるように調整した。そして、それ以外は比較例4と同様にして、導電性繊維を得た。また、実施例13と同様にして、クリーニングブラシとトナー供給ブラシとを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表3に示す。
この場合は、実施例13の場合と同様に(1)式は
R≧11.88
という関係になり、(7)式は
S≧88.2
という関係になるが、表3に示すようにRの値は10.84、Sの値は68.11で、上式を満足するものではなかった。
このため、クリーニング評価値、画像評価値の低いものであった。
比較例8(三角断面)
表3に示すように、カーボンブラック濃度が24.00質量%になるように調整した。そして、それ以外は比較例5と同様にして、導電性繊維を得た。また、実施例13と同様にして、クリーニングブラシとトナー供給ブラシとを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表3に示す。
この場合に、Rの値は(1)式を満足したものの、R/rの値は(5)式を満足するものではなく、またSの値も(7)式を満足するものではなかった。このため、クリーニング評価値、画像評価値の低いものであった。
比較例9(6葉芯鞘の複合)
表3に示すように、カーボンブラック濃度が24.00質量%になるように調整した。そして、それ以外は比較例6と同様にして、導電性繊維を得た。また、実施例13と同様にして、クリーニングブラシとトナー供給ブラシとを作成した。
得られた導電性繊維及びブラシの特性を表3に示す。
この場合は、Rの値は(1)式を満足し、R/rの値は(5)式を満足し、M/Nの値は(6)式を満足し、Sの値は(7)式を満足していた。しかし、クリーニングブラシ及びトナー供給ブラシとして、印刷枚数が増すにつれて、実施例13〜17と比較して印刷画像に劣化が認められた。これは、芯鞘構造の芯と鞘の中心にずれが生じているものが存在することによる各葉部の抵抗値斑が原因であると推察される。また、これらのブラシとしては、ブラシを構成する繊維の先端部の寄与も大きく、繊維が複合構造であるために導電性部分と非導電性部分とが混在していることも原因していると推察される。
クリーニングブラシ及びトナー供給ブラシに関する実施例13〜17及び比較例7〜9についての上記の結果から明らかなように、比較例のものよりも実施例のものの方がクリーニング性能、画像品質とも良好であった。また、3葉断面糸や4葉断面糸よりも6葉断面糸の方が若干性能が上であった。
本発明の実施例の3葉断面形状の繊維及び同繊維を製造するためのスリットの形状を示す図である。 本発明の実施例の4葉断面形状の繊維及び同繊維を製造するためのスリットの形状を示す図である。 本発明の実施例の6葉断面形状の繊維及び同繊維を製造するためのスリットの形状を示す図である。 本発明にもとづく多葉断面の繊維の葉部の断面形状を説明する図である。 比較例の丸形断面の繊維の断面形状を示す図である。 比較例の三角形断面の繊維の断面形状を示す図である。 比較例の芯鞘複合構造の繊維の断面形状を示す図である。

Claims (13)

  1. 導電性微粒子を含有した熱可塑性樹脂からなるマルチフィラメントであって、マルチフィラメントを構成する単繊維は、導電性微粒子を含有する熱可塑性樹脂のみからなる繊維であり、かつ繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面形状が3葉以上の多葉断面形状を呈し、さらにはマルチフィラメントを構成する単繊維の多葉断面形状が下記(1)(2)(3)式を満足することを特徴とする導電性多葉断面繊維。
    Figure 0004452859
    ただし、R:外接円の半径(μm)、 n:単繊維のデシテックス数、 ρ:繊維の密度(g/cm )、π:円周率である。
    1.2r≦R≦2.0r・・・(2)
    ただし、r:内接円の半径、R:外接円の半径である。
    1.2N≦M≦2.0N・・・(3)
    ただし、M:葉部における底辺の長さ、N:葉部の高さ(H)の1/2の位置(H/2)において底辺と平行にひいた辺の長さである。
  2. マルチフィラメントを構成する単繊維の周長S(μm)が下記(4)式を満足することを特徴とする請求項1記載の導電性多葉断面繊維。
    Figure 0004452859
    ただし、 n:単繊維のデシテックス数、 ρ:繊維の密度(g/cm)、π:円周率である。
  3. マルチフィラメントであることに代えて、請求項1または2記載の単繊維からなるモノフィラメントであることを特徴とする導電性多葉断面繊維。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項記載の導電性多葉断面繊維を少なくとも一部に用いたものであることを特徴とする電子写真装置用ブラシ。
  5. 請求項1に記載の導電性多葉断面繊維を少なくとも一部に用いたものであることを特徴とする電子写真装置用帯電ブラシ。
  6. 請求項1に記載の導電性多葉断面繊維を少なくとも一部に用いたものであることを特徴とする電子写真装置用除電ブラシ。
  7. 請求項2に記載の導電性多葉断面繊維を少なくとも一部に用いたものであることを特徴とする電子写真装置用クリーニングブラシ。
  8. 電子写真装置用クリーニングブラシであって、該電子写真装置用クリーニングブラシの少なくとも一部に用いられる繊維が、導電性微粒子を含有した熱可塑性樹脂からなるマルチフィラメントであって、マルチフィラメントを構成する単繊維は、導電性微粒子を含有する熱可塑性樹脂のみからなる繊維であり、かつ繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面形状が3葉以上の多葉断面形状を呈し、さらにはマルチフィラメントを構成する単繊維の多葉断面形状が下記(1)(5)(6)式を満足することを特徴とする導電性多葉断面繊維であることを特徴とする電子写真装置用クリーニングブラシ。
    Figure 0004452859
    ただし、R:外接円の半径(μm)、n:単繊維のデシテックス数、ρ:繊維の密度(g/cm )、π:円周率である。
    2.0r≦R≦3.5r・・・(5)
    ただし、r:内接円の半径、R:外接円の半径である。
    0.5N≦M≦1.5N・・・(6)
    ただし、M:葉部における底辺の長さ、N:葉部の高さ(H)の1/2の位置(H/2)において底辺と平行にひいた辺の長さである。
  9. マルチフィラメントを構成する単繊維の周長S(μm)が下記(4)式を満足する導電性多葉断面繊維から構成されることを特徴とする請求項8記載の電子写真装置用クリーニングブラシ。
    Figure 0004452859
    ただし、 n:単繊維のデシテックス数、 ρ:繊維の密度(g/cm )、π:円周率である。
  10. マルチフィラメントであることに代えて、モノフィラメントであることを特徴とする導電性多葉断面繊維から構成されることを特徴とする請求項8または9記載の電子写真装置用クリーニングブラシ。
  11. 電子写真装置用トナー供給ブラシであって、該電子写真装置用供給ブラシの少なくとも一部に用いられる繊維が、導電性微粒子を含有した熱可塑性樹脂からなるマルチフィラメントであって、マルチフィラメントを構成する単繊維は、導電性微粒子を含有する熱可塑性樹脂のみからなる繊維であり、かつ繊維の長手方向に対して垂直に切断した横断面形状が3葉以上の多葉断面形状を呈し、さらにはマルチフィラメントを構成する単繊維の多葉断面形状が下記(1)(5)(6)式を満足することを特徴とする導電性多葉断面繊維であることを特徴とする電子写真装置用トナー供給ブラシ。
    Figure 0004452859
    ただし、R:外接円の半径(μm)、n:単繊維のデシテックス数、ρ:繊維の密度(g/cm )、π:円周率である。
    2.0r≦R≦3.5r・・・(5)
    ただし、r:内接円の半径、R:外接円の半径である。
    0.5N≦M≦1.5N・・・(6)
    ただし、M:葉部における底辺の長さ、N:葉部の高さ(H)の1/2の位置(H/2)において底辺と平行にひいた辺の長さである。
  12. マルチフィラメントを構成する単繊維の周長S(μm)が下記(4)式を満足する導電性多葉断面繊維から構成されることを特徴とする請求項11記載の電子写真装置用トナー供給ブラシ。
    Figure 0004452859
    ただし、 n:単繊維のデシテックス数、 ρ:繊維の密度(g/cm )、π:円周率である。
  13. マルチフィラメントであることに代えて、モノフィラメントであることを特徴とする導電性多葉断面繊維から構成されることを特徴とする請求項11または12記載の電子写真装置用トナー供給ブラシ。
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