JP2004277957A - 導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントおよびそれからなるブラシ - Google Patents

導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントおよびそれからなるブラシ Download PDF

Info

Publication number
JP2004277957A
JP2004277957A JP2003073372A JP2003073372A JP2004277957A JP 2004277957 A JP2004277957 A JP 2004277957A JP 2003073372 A JP2003073372 A JP 2003073372A JP 2003073372 A JP2003073372 A JP 2003073372A JP 2004277957 A JP2004277957 A JP 2004277957A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer layer
polyamide
conductive carbon
dtex
sheath
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003073372A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetoshi Takanaga
秀敏 高永
Akira Suzuki
晃 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2003073372A priority Critical patent/JP2004277957A/ja
Publication of JP2004277957A publication Critical patent/JP2004277957A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning In Electrography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)

Abstract

【課題】長期使用において、毛先の広がりや感光体の傷の発生がなく、安定した帯電性能またはクリーニング性能が得られるポリアミドマルチフィラメントおよびこの繊維を用いたブラシを提供する。
【解決手段】導電性カーボンを含有する導電成分1を鞘とし、絶縁部分2を形状が3〜8葉の芯とした導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントであって、比抵抗が10〜10Ωcm、強度が2〜5cN/dTex、かつ単糸繊度が1〜6dTexであることを特徴とする導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメント。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真記録方式の乾式複写機やファクシミリ、プリンター等に用いられる導電性を有するポリアミドマルチフィラメントに関するものである。更に、前記ポリアミドマルチフィラメントを電子写真記録方式の乾式複写機やファクシミリ、プリンター等に用いた帯電ブラシ、クリーナーブラシに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機等に静電潜像形式に重要な要素の帯電および感光体に残った残トナーを除去するクリーニングについては、近年、オゾンレスで、低電圧印加のブラシ帯電やローラー帯電の接触帯電方式およびクリーニングブラシが用いられている。接触帯電用ブラシおよび感光体クリーニングブラシ用の繊維としては、感光体の寿命やピンホール対策のために比抵抗が10〜10Ωcmのものが要求される。従来から、このような用途にはセルロース系繊維やポリアミド繊維などに導電性微粒子を含有する導電繊維が多く提案されている。
【0003】
セルロース系導電糸は、比抵抗のバラツキを低減するために、例えば特許文献1に記載されているとおり、2種類以上の導電性微粒子を繊維に添加する方法が知られている。しかしながら、これらの方法では、湿度に対する比抵抗の変化や、各繊維間の比抵抗のバラツキの改善が十分ではなく、また、温度や湿度変化の大きい環境下で帯電ブラシとして使用したときに、印字の濃度が変化したり、印字にムラが発生する問題がある。
【0004】
また、環境変化に対し、比抵抗の変化の小さいポリアミド導電糸は、導電性能のバラツキが少なく、初期の良好な性能を保持するために例えば特許文献2記載されているとおり、導電性カーボンブラックを15〜50重量%含有する熱可塑性ポリアミドからなる導電性ポリマー層の鞘ポリマー層と融点170℃以上に熱可塑性ポリマーからなる芯鞘型の導電性複合繊維とする方法が知られている。しかしながら、これらの方法では、ブラシ加工において、例えば整経時に繊維に応力が掛かった場合など、鞘のポリマー層と芯のポリマー層が剥離の改善が十分ではなく、強度が低下する問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−49116号公報([0012]段落)
【特許文献2】
特開2002−235245号公報([0014]段落)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では導電性カーボンを含むポリアミドマルチフィラメントについて、安定な比抵抗を有し、高い強度を有し、帯電ブラシ、クリーナーブラシに用いた時に均一かつ高密度な帯電付与およびクリーナーを可能とし、電子写真記録方式の乾式複写機やファクシミリ、プリンター等の高画質を達成することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のポリアミドマルチフィラメントは主として次の構成を有する。すなわち、
(1)導電性カーボンを含有する導電成分を鞘とし、絶縁部分を形状が3〜8葉の芯とした導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントであって、比抵抗が10〜10Ωcm、強度が2〜5cN/dTex、かつ単糸繊度が1〜6dTexであることを特徴とする導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメント。
【0008】
(2)導電性カーボンとしてアセチレンブラックを鞘ポリマー層の全重量に対して20〜30重量%含有してなることを特徴とする(1)記載の導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメント。
【0009】
(3)芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.3以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメント。
【0010】
(4)芯ポリマー層と鞘ポリマー層の融点の差が20℃以下のポリアミドを用いることを特徴とする(1)〜(3)いずれか記載の導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメント。
【0011】
(5)(1)〜(4)いずれか記載の導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントを用いてなることを特徴とする電子写真記録方式の乾式複写機やファクシミリ、プリンター用ブラシ。
【0012】
【発明実施の形態】
本発明のポリアミドマルチフィラメントは、導電性カーボンを含有する導電成分を鞘に、導電カーボンを含有しないポリアミドのみで構成された絶縁部分を芯とした複合糸である必要がある。導電性カーボンを含有するポリアミドのみで構成されたマルチフィラメントであると、導電性カーボンを含有するために、糸強度が低下し、特に単糸繊度を細繊度化した場合に糸の腰が低下し、画像が悪化する問題が発生する。
【0013】
また、これらポリアミドマルチフィラメントの芯の形状が3〜8葉である必要がある。芯の形状が丸や2葉、または9葉以上の場合、大量にプリントした時に、芯と鞘が剥離し、鞘の形状が変化し感光体への帯電ムラによる画質悪化が発生するだけでなく、糸の腰が低下し、クリーニング性能が低下し、画質が悪化する問題が発生する。
【0014】
また、これらを構成するポリアミドは、いわゆる炭化水素基が主鎖にアミド結合を介して連結された高分子量体であって、ナイロン6,またはナイロン66が好ましい。
【0015】
また、これらポリアミドマルチフィラメントの芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.3以下であることが好ましい。芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.3を超えると、吐出孔周辺がポリアミドのモノマーやオリゴマーが付着してくると、口金内で形成された芯鞘複合形態が、変形を起こしやすく、比抵抗のバラツキを発生する原因となる。
【0016】
また、これらポリアミドマルチフィラメントの芯ポリマー層と鞘ポリマー層は融点が20℃以下のポリアミドを用いることが好ましい。芯ポリマー層と鞘ポリマー層の融点が20℃を超えるポリアミドを使用すると、ポリアミドマルチフィラメントとし、ブラシ加工する時に、例えば整経時に繊維に応力が掛かった場合など、鞘のポリマー層と芯のポリマー層が剥離を起こし、強度が低下する問題がある。さらに好ましくは、芯ポリマー層にナイロン6を用いる時は、鞘ポリマー層もナイロン6を用いるなど、芯ポリマー層と鞘ポリマー層は同一ポリマーを用いることが良い。
【0017】
本発明のポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は10〜10Ωcmであることが必要であり、好ましくは10〜10Ωである。比抵抗が10Ωcm未満であると、導電ブラシとし電圧を掛けた時、電子が隣り合う導電糸に移動し、スパークが発生し、感光体にピンホールが発生する問題がある。比抵抗値が10Ωcmを超えると、電圧を掛けても繊維中を電子が移動出来ずに、帯電ブラシでは帯電が出来ないという問題が発生し、クリーニングブラシではトナーを排除できない問題が発生する。
【0018】
本発明のポリアミドマルチフィラメントの強度は2〜5cN/dTexであることが必要であり、好ましくは2.5〜4.5cN/dtexである。強度が2cN/dTex未満であると、導電ブラシとし大量にプリントした時に、感光体との擦過により、ブラシの毛先が広がり、ブラシ径が大きくなることにより、感光体への接触長が長くなり、印字の濃度が変化したり、ブラシの毛先が広がることで、感光体に帯電された電荷を画像に形成するレーザーを遮断し、画質が悪化する問題が発生する。強度が5cN/dTexを超えると、繊維のヤング率が高くなり、大量にプリントしたときに、感光体に傷が入り画像が悪化する問題が発生する。
【0019】
本発明のこれらポリアミドマルチフィラメントの単糸繊度は1〜6dTexであることが必要であり、好ましくは1.5〜5.5dtexである。単糸繊度が1dTex未満であると、紡糸したときの糸切れが多く、製糸性が悪化する問題がある。単糸繊度が6dTexを超えると、製織したときの導電糸のパイル密度が小さくなり、プリントしたときの画質が悪くなる問題が発生する。
【0020】
本発明のポリアミドマルチフィラメントは、導電性カーボンとしてアセチレンブラックを用いることが好ましい。アセチレンブラックは、ナイロンに添加した時に、分散およびストラクチャーの形成が良好であり、マルチフィラメントとした時に、繊維の長手方向の導電性が均一になるばかりではなく、パック内のフィルター通過性が高く、濾圧上昇が少ないことから、製糸性にも優れている。さらに好ましくは、アセチレンブラックの1次粒径が20〜50μmである。
【0021】
本発明のポリアミドマルチフィラメントは導電性カーボンを含有する鞘層のアセチレンブラックの添加量は鞘ポリマー層の全重量に対して20〜30重量%含有することが好ましい。アセチレンブラックの添加量が20重量%未満では、マルチフィラメントとした時に、比抵抗が高く印字が出来ない問題が発生する。また、導電性カーボンの添加量が30重量%を超えると、曳糸性が低下し紡糸での糸切れが多発する問題が発生する。
【0022】
また、画質、製糸性から本発明に用いられるポリアミド組成物には、効果を損なわない範囲において種々の添加剤を含んでも良い。この添加剤を例示すれば、マンガン化合物などの安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、導電性付与剤、繊維状強化剤などである。
【0023】
本発明の電子写真記録方式の乾式複写機用ブラシとは、非接触コロナ放電にかわって感光体に接触帯電させる印加ブラシや、感光体上に残存した電荷およびトナーを除去するクリーニングブラシである。いずれもパイルとして製織した後、導電性を有するバッキング剤でバッキングした後、幅10〜30mmにカットしたパイルテープを、円柱の金属棒にバイアスに巻き付けるか、単に板にパイル織物を張り付けてブラシ状に仕立てることにより得られる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。評価方法は、以下の通りである。
【0025】
A.相対粘度
(1)試料を秤量し、98重量%濃硫酸に試料濃度(C)が約1g/100mlとなるように溶解する。
【0026】
(2)(1)項の溶液をオストワルド粘度計にて25℃での落下秒数(T1)を測定する。
【0027】
(3)試料を溶解していない98重量%濃硫酸の25℃での落下秒数(T2)を(2)項と同様に測定する。
【0028】
(4)試料の98%硫酸相対粘度(ηr)を下式によりを算出する
(ηr)=(T1/T2)+{1.891×(1.000−C)}。
【0029】
(5)次いで、同試料約5gを窒素雰囲気中下で270℃、10分間溶融させる処理を行った後、試料を窒素雰囲気中に取り出し、室温まで冷却する。
【0030】
(6)取り出した試料について、前記(1)〜(4)の操作を行い、溶融処理後の硫酸相対粘度(ηr’)を求める。
【0031】
(7)重合度上昇分は、溶融後の(ηr’)から溶融前の(ηr)を差し引い
た値として求める
(重合度上昇分)=(ηr’)−(ηr)。
【0032】
B.比抵抗値
超絶縁抵抗計(川口電気製 TERAOHMMETER R−503)を用いて試長10cm間に100(V)の電圧を掛け、温度20℃、湿度30%RHの条件下での電気抵抗値(Ω/cm)を測定し、下式(1)から算出した
RS=R×D/(10×L×SG)×10−5(1)
RS:比抵抗(Ωcm)
R:電気抵抗値(Ω)
D:10000m当たりの糸重量
L:試長(cm)。
【0033】
SG:糸密度(g/cm)。
【0034】
C.比抵抗値バラツキ
ポリアミドマルチフィラメントを100m間隔で20個サンプリングし、上記Bの比抵抗値の測定方法で比抵抗を測定し、下式(2)から算出した値を次の基準で評価した。
RSB=log10(比抵抗最大値)−log10(比抵抗最低値)(2)
RSB:比抵抗バラツキ
○:RSB=1未満
△:RSB=1以上2未満
×:RSB=2以上。
【0035】
D.紡糸糸切れ
1口金当たり1糸条の丸孔口金より吐出量40gで吐出し、冷却、給油、速度800m/minにて巻取りを実施した。これを1t紡糸した時の糸切れ回数を次の基準で評価した。
○:3回/t
△:4〜8回/t未満
×:8回/t以上。
【0036】
E.画像品質
電子写真学会が発行するテストチャートを複写し、画質品質を官能評価値(満足度)にて求め、次の基準で評価した。
◎:満足度75以上
○:満足度50以上75未満
△:満足度25以上50未満
×:満足度0以上25未満。
【0037】
F.剥離評価
ポリアミドマルチフィラメントを筒編みし、ナイロンタフタで50gの荷重を掛け、4000回擦過したときの断面状態を観察し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の剥離状態を次の基準で評価した。
○:剥離なし
△:剥離本数1本以上10本未満
×:剥離本数10本以上。
【0038】
G.強度評価
テンシロン万能試験機(ORIENTEC CORPORATION製PTC−1210)を用いて、試長50cmを引張り速度50cm/minで引張り、サンプルが破断した時の強力(cN)を測定し、下記式(3)から算出した。
DT=N/T (3)
DT:強度(cN/dTex)
N:破断強度(cN)
T:繊度(dTex)。
【0039】
H.融点評価
示差熱走査熱量計(島津製作所製 DSC−50)を用いて、試料を窒素注入下で280℃まで加熱し溶解させ、一旦140℃まで冷却後、再度280℃まで加熱した時得られるピークを測定する。
【0040】
実施例1
鞘成分にナイロン6にアセチレンブラックを24重量%添加した、相対粘度2.5のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.73のナイロン6を使用し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.23、融点の差が2℃(芯ポリマー層:222℃、鞘ポリマー層:220℃)の複合糸を、巻き取り速度800m/minで溶融紡糸し、さらに延伸倍率3.2倍、熱板温度185℃に延伸し、糸条繊度170dTex、48フィラメントの単糸繊度3.5dTexであり、絶縁部分が3葉の図1で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。この時の紡糸糸切れは1.5回/tであり○であった。得られたポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は1.2×10Ωcm、比抵抗のバラツキは0.6で○であり、強度は2.5cN/dTexであった。これらポリアミドマルチフィラメントを剥離評価した結果、剥離の発生はなく○であった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、パイル長5mm、パイル密度100,000本/inch、幅30mmのブラシ布を作成し、裏面に導電性カーボンラテックスを塗布し、直径10mmの金属ロットに巻き付けて帯電用ブラシを作成した。このブラシを用いて、印字評価を行った結果、画質品位は◎であった。
【0041】
実施例2
鞘成分にナイロン6にアセチレンブラックを24重量%添加した、相対粘度2.5のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.73のナイロン6を使用し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.23、融点の差が2℃(芯ポリマー層:222℃、鞘ポリマー層:220℃)の複合糸を、上記方法により紡糸、延伸し、糸条繊度170dTex、48フィラメントの単糸繊度3.5dTexであり、絶縁部分が4葉の図2で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。この時の紡糸糸切れは1.5回/tであり○であった。得られたポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は1.2×10Ωcm、比抵抗のバラツキは0.6で○であり、強度は2.5cN/dTexであった。これらポリアミドマルチフィラメントを剥離評価した結果、剥離の発生はなく○であった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、上記方法にてブラシ加工し、印字評価を行った結果、画質品位は◎であった。
【0042】
実施例3
鞘成分にナイロン6にアセチレンブラックを24重量%添加した、相対粘度2.5のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.73のナイロン6を使用し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.23、融点の差が2℃(芯ポリマー層:222℃、鞘ポリマー層:220℃)の複合糸を、上記方法により紡糸、延伸し、糸条繊度170dTex、48フィラメントの単糸繊度3.5dTexであり、絶縁部分が6葉の図3で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。この時の紡糸糸切れは1.5回/tであり○であった。得られたポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は1.2×10Ωcm、比抵抗のバラツキは0.6で○であり、強度は2.5cN/dTexであった。これらポリアミドマルチフィラメントを剥離評価した結果、剥離の発生はなく○であった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、上記方法にてブラシ加工し、印字評価を行った結果、画質品位は◎であった。
【0043】
実施例4
鞘成分にナイロン6にアセチレンブラックを24重量%添加した、相対粘度2.5のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.73のナイロン6を使用し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.23、融点の差が2℃(芯ポリマー層:222℃、鞘ポリマー層:220℃)の複合糸を、上記方法により紡糸、延伸し、糸条繊度170dTex、48フィラメントの単糸繊度3.5dTexであり、絶縁部分が8葉の図4で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。この時の紡糸糸切れは1.5回/tであり○であった。得られたポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は1.2×10Ωcm、比抵抗のバラツキは0.6で○であり、強度は2.5cN/dTexであった。これらポリアミドマルチフィラメントを剥離評価した結果、剥離の発生はなく○であった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、上記方法にてブラシ加工し、印字評価を行った結果、画質品位は◎であった。
【0044】
実施例5
鞘成分にナイロン66にアセチレンブラックを24重量%添加した、相対粘度2.38のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.58のナイロン66を使用し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.2、融点の差が5℃(芯ポリマー層:260℃、鞘ポリマー層:255℃)の複合糸を、上記方法により紡糸、延伸し、糸条繊度170dTex、48フィラメントの単糸繊度3.5dtex、絶縁部分が8葉の図4で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。この時の紡糸糸切れは2.5回/tであり○であった。得られたポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は1.0×10Ωcm、比抵抗のバラツキは0.7で○であり、強度は2.7cN/dTexであった。これらポリアミドマルチフィラメントを剥離評価した結果、剥離の発生はなく○であった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、上記方法にてブラシ加工し、印字評価を行った結果、画質品位は◎であった。
【0045】
実施例6
鞘成分にナイロン6にアセチレンブラックを24重量%添加した、相対粘度2.5のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.73のナイロン6を使用し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.23、融点の差が2℃(芯ポリマー層:222℃、鞘ポリマー層:220℃)の複合糸を、上記方法により紡糸、延伸し、糸条繊度170dTex、98フィラメントの単糸繊度1.7dTexであり、絶縁部分が8葉の図4で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。この時の紡糸糸切れは2.5回/tであり○であった。得られたポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は1.3×10Ωcm、比抵抗のバラツキは0.6で○であり、強度は2.4cN/dTexであった。これらポリアミドマルチフィラメントを剥離評価した結果、剥離の発生はなく○であった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、上記方法にてブラシ加工し、印字評価を行った結果、画質品位は◎であった。
【0046】
実施例7
鞘成分にナイロン6にアセチレンブラックを24重量%添加した、相対粘度2.5のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.73のナイロン6を使用し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.23、融点の差が2℃(芯ポリマー層:222℃、鞘ポリマー層:220℃)の複合糸を、上記方法により紡糸、延伸し、糸条繊度170dTex、34フィラメントの単糸繊度5dTexであり、絶縁部分が8葉の図4で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。この時の紡糸糸切れは1回/tであり○であった。得られたポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は1.2×10Ωcm、比抵抗のバラツキは0.6で○であり、強度は2.3cN/dTexであった。これらポリアミドマルチフィラメントを剥離評価した結果、剥離の発生はなく○であった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、上記方法にてブラシ加工し、印字評価を行った結果、画質品位は○であった。
【0047】
比較例1
ナイロン6にアセチレンブラックを24重量%添加したペレットを上記方法で紡糸、延伸し、糸条繊度170dTex、48フィラメントの単糸繊度3.5dTexであり、絶縁部分を有しない図5で示されたポリアミドマルチフィラメントヤを得た。この時の紡糸糸切れは1回/tであり○であった。得られたポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は1.2×10Ωcm、比抵抗のバラツキは0.6で○であり、強度は1.8cN/dTexであった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、上記方法にてブラシ加工し、印字評価を行った結果、画質品位は×であった。
【0048】
比較例2
鞘成分にナイロン6にアセチレンブラックを35重量%添加した、相対粘度2.5のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.73のナイロン6を使用し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.23、融点の差が2℃(芯ポリマー層:222℃、鞘ポリマー層:220℃)の複合糸を、上記方法により紡糸、延伸し、糸条繊度170dTex、48フィラメントの単糸繊度3.5dTexであり、絶縁部分が8葉の図4で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。この時の紡糸糸切れは2.8回/tであり○であった。得られたポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は1.1×10Ωcm、比抵抗のバラツキは0.6で○であり、強度は2.5cN/dTexであった。これらポリアミドマルチフィラメントを剥離評価した結果、剥離の発生はなく○であった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、上記方法にてブラシ加工し、印字評価を行った結果、印字不能であった。
【0049】
比較例3
鞘成分にナイロン6にアセチレンブラックを15重量%添加した、相対粘度2.5のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.73のナイロン6を使用し、芯ポリマーと鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.23、融点の差が2℃(芯ポリマー層:222℃、鞘ポリマー層:220℃)の複合糸を、上記方法により紡糸、延伸し、糸条繊度170dTex、48フィラメントの単糸繊度3.5dTexであり、絶縁部分が8葉の図4で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。この時の紡糸糸切れは1回/tであり○であった。得られたポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は1.5×1010Ωcm、比抵抗のバラツキは0.5で○であり、強度は2cN/dTexであった。これらポリアミドマルチフィラメントを剥離評価した結果、剥離の発生はなく○であった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、上記方法にてブラシ加工し、印字評価を行った結果、印字不能であった。
【0050】
比較例4
鞘成分にナイロン6にアセチレンブラックを24重量%添加した、相対粘度2.5のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.73のナイロン6を使用し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.23、融点の差が2℃(芯ポリマー層:222℃、鞘ポリマー層:220℃)の複合糸を、上記方法で紡糸し、糸条繊度170dTex、340フィラメントの単糸繊度0.5dTexであり、絶縁部分が8葉の図4で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。この時の紡糸糸切れは21回/tであり×であった。
【0051】
比較例5
鞘成分にナイロン6にアセチレンブラックを24重量%添加した、相対粘度2.5のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.73のナイロン6を使用し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.23、融点の差が2℃(芯ポリマー層:222℃、鞘ポリマー層:220℃)の複合糸を、上記方法により紡糸、延伸し、糸条繊度170dTex、17フィラメントの単糸繊度10dTexであり、絶縁部分が8葉の図4で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。この時の紡糸糸切れは1.8回/tであり○であった。得られたポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は1.2×10Ωcm、比抵抗のバラツキは0.7で○であり、強度は2.5cN/dTexであった。これらポリアミドマルチフィラメントを剥離評価した結果、剥離の発生はなく○であった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、上記方法にてブラシ加工し、印字評価を行った結果、画像品位は×であった。
【0052】
比較例6
鞘成分にナイロン66にアセチレンブラックを24重量%添加した、相対粘度2.38のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.73のナイロン6を使用し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.35、融点の差が40℃(芯ポリマー層:260℃、鞘ポリマー層:220℃)の複合糸を、上記方法により紡糸、延伸し、糸条繊度170dTex、48フィラメントの単糸繊度3.5dTexであり、絶縁部分が8葉の図4で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。この時の紡糸糸切れは2.8回/tであり○であった。得られたポリアミドマルチフィラメントの比抵抗は1×10Ωcm、比抵抗のバラツキは2.5で×であり、強度は2.1cN/dTexであった。これらポリアミドマルチフィラメントを剥離評価した結果、25本の剥離が発生し×であった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、上記方法にてブラシ加工し、印字評価を行った結果、画像品位は×であった。
【0053】
比較例7
鞘成分にナイロン6にアセチレンブラックを24重量%添加した、相対粘度2.5のポリマーを使用し、芯成分に相対粘度2.73のナイロン6を使用し、芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.23の、融点の差が2℃(芯ポリマー層:222℃、鞘ポリマー層:220℃)の複合糸を、上記方法により紡糸、延伸し、糸条繊度170dTex、48フィラメント断面形状6の単糸繊度0.5dTexであり、絶縁部分が8葉の図4で示された断面形状を有するポリアミドマルチフィラメントを得た。これらポリアミドマルチフィラメントを剥離評価した結果、30本の剥離が発生し×であった。これらポリアミドマルチフィラメントを用い、上記方法にてブラシ加工し、印字評価を行った結果、画像品位は×であった。
【0054】
【表1】
Figure 2004277957
【0055】
【表2】
Figure 2004277957
【0056】
表1、表2の結果から明らかなように、本発明の導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントおよびそれからなるブラシは電子写真記録方式の乾式複写機やファクシミリ、プリンター等の高画質印刷に極めて顕著な効果を奏することが判る。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、導電性カーボンを特定量含有したポリアミドの鞘成分とポリアミドの芯成分の特定の条件を満足するポリマーを使用することで、要求される物性が得られ、電子写真記録方式の乾式複写機やファクシミリ、プリンター等に用いられる導電ブラシとした時に、耐久性に優れた導電ブラシを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電性カーボン含有ポリアミドの複合断面形状(3葉)
【図2】本発明の導電性カーボン含有ポリアミドの複合断面形状(4葉)
【図3】本発明の導電性カーボン含有ポリアミドの複合断面形状(6葉)
【図4】本発明の導電性カーボン含有ポリアミドの複合断面形状(8葉)
【図5】比較例の導電性カーボン含有ポリアミドの断面形状
【図6】比較例の導電性カーボン含有ポリアミドの複合断面形状(丸)
【符号の説明】
1 導電成分(芯鞘構造の場合は鞘ポリマー層)
2 絶縁成分(芯ポリマー層)

Claims (5)

  1. 導電性カーボンを含有する導電成分を鞘とし、絶縁部分を形状が3〜8葉の芯とした導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントであって、比抵抗が10〜10Ωcm、強度が2〜5cN/dTex、かつ単糸繊度が1〜6dTexであることを特徴とする導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメント。
  2. 導電性カーボンとしてアセチレンブラックを鞘ポリマー層の全重量に対して20〜30重量%含有してなることを特徴とする請求項1記載の導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメント。
  3. 芯ポリマー層と鞘ポリマー層の相対粘度の差が0.3以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメント。
  4. 芯ポリマー層と鞘ポリマー層の融点の差が20℃以下のポリアミドを用いることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメント。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントを用いてなることを特徴とする電子写真記録方式の乾式複写機やファクシミリ、プリンター用ブラシ。
JP2003073372A 2003-03-18 2003-03-18 導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントおよびそれからなるブラシ Pending JP2004277957A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003073372A JP2004277957A (ja) 2003-03-18 2003-03-18 導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントおよびそれからなるブラシ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003073372A JP2004277957A (ja) 2003-03-18 2003-03-18 導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントおよびそれからなるブラシ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004277957A true JP2004277957A (ja) 2004-10-07

Family

ID=33289283

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003073372A Pending JP2004277957A (ja) 2003-03-18 2003-03-18 導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントおよびそれからなるブラシ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004277957A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008004448A1 (fr) * 2006-07-03 2008-01-10 Kuraray Co., Ltd. Fibre conjuguée conductrice de structure à noyau gainé et son procédé de fabrication
JP2012093656A (ja) * 2010-10-28 2012-05-17 Kyocera Mita Corp 画像形成装置用のファーブラシ、該ファーブラシを用いたクリーニング装置並びに該クリーニング装置を用いた画像形成装置および画像形成方法
JP2017160562A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 ナノサミット株式会社 導電性繊維及びその製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008004448A1 (fr) * 2006-07-03 2008-01-10 Kuraray Co., Ltd. Fibre conjuguée conductrice de structure à noyau gainé et son procédé de fabrication
US7824769B2 (en) 2006-07-03 2010-11-02 Kuraray Co., Ltd. Conductive sheath-core conjugate fiber and process for producing the same
JP4902652B2 (ja) * 2006-07-03 2012-03-21 株式会社クラレ 導電性芯鞘型複合繊維及びその製造方法
TWI395848B (zh) * 2006-07-03 2013-05-11 Kuraray Co 導電性芯鞘型複合纖維及其製法
JP2012093656A (ja) * 2010-10-28 2012-05-17 Kyocera Mita Corp 画像形成装置用のファーブラシ、該ファーブラシを用いたクリーニング装置並びに該クリーニング装置を用いた画像形成装置および画像形成方法
JP2017160562A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 ナノサミット株式会社 導電性繊維及びその製造方法
WO2017155043A1 (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 ナノサミット株式会社 導電性繊維及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4319831A (en) Cleaning device in a copying machine
JPH1063162A (ja) 導電ファイバを有する小型クリーニングブラシ
JP4452859B2 (ja) 導電性多葉断面繊維及び同繊維を用いた電子写真装置用ブラシ
US20110240340A1 (en) Electrically conductive floc and electrically conductive brush
JP5070991B2 (ja) 捲縮を有する導電糸
JP2004277957A (ja) 導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントおよびそれからなるブラシ
US7212779B2 (en) Electroconductive brush and copying device for electrophotography
JP5326300B2 (ja) 導電性ポリアミドマルチフィラメントおよびそのブラシ
JP4872688B2 (ja) 導電糸
JP4905373B2 (ja) 導電性ポリエステル繊維およびそれからなるブラシ製品
JP4042585B2 (ja) ポリアミドマルチフィラメントおよびそれからなるブラシ
JP2002105810A (ja) 電子写真応用機器のクリーニング用立毛布帛
JP4393722B2 (ja) 導電性複合繊維
JP4475036B2 (ja) 導電性マルチフィラメントおよびそれからなるブラシ
JP2005256207A (ja) 導電性ポリアミドフィラメントヤーンおよびブラシ
JP4436725B2 (ja) 導電マルチフィラメント糸
JP2002309446A (ja) 導電性複合繊維
JP2004131899A (ja) 導電性カーボン含有ポリアミドマルチフィラメントおよびブラシ
JP2006009177A (ja) 導電性複合断面繊維およびブラシ
JP2004131900A (ja) 導電性異収縮混繊糸およびブラシ
JP2021055214A (ja) 芯鞘型複合繊維
JP2002363826A (ja) 導電糸
EP1280020A2 (en) Cleaning brush for electrostatographic imaging apparatus and apparatus containing same
JP2004183180A (ja) 導電性カーボン含有マルチフィラメントおよびそれからなるブラシ
JP4633300B2 (ja) 導電糸