JP2003276481A - 自動車シートのスライド部材のための調節機構ならびにこのような機構を備えたスライド部材およびシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立が容易な調節機構の提供。 【解決手段】 自動車シートのスライド部材のための調
節機構であって、ウォームスクリュー（１４）と；ナッ
ト（１５，１６）と；支持体（１３）と；弾性バッファ
（１７，１８）と；を具備してなり、さらに、２つのナ
ットと２つの弾性バッファとを受領するためのハウジン
グを形成し、これにより、支持体の凹所内に取り付けら
れる前に事前組立済みユニットを形成するためのバンド
（２０）を具備し、ナットが、それぞれネジ山付き穴を
有し、この場合、これらネジ山付き穴は、ネジ山開始位
相角度が互いに相違するようなネジ山を有し、これによ
り、両ナット内へとウォームスクリューを螺着すること
によって、両ナットの間にギャップが形成されるととも
に２つの弾性バッファの弾性変形が引き起こされるよう
になっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車シートのス
ライド部材のための調節機構に関するものであり、ま
た、そのような機構を備えたスライド部材やシートに関
するものである。

【０００２】一般に、そのようなスライド部材は、自動
車に対して固定され得るよう構成された固定レールと、
シートのシート本体に対して支持されるとともに固定レ
ールに沿ってかつ長さ方向軸に沿ってスライド可能に取
り付けられ得るように構成された可動レールと、を備え
ている。

【０００３】より詳細には、本発明は、−長さ方向に延
在する駆動用ウォームスクリューと；−このウォームス
クリューを回転可能に受領する第１ナットおよび第２ナ
ットであって、ウォームスクリューの長さ方向に対して
垂直でありかつ互いに当接して配置される第１横方向面
および第２横方向面をそれぞれ有している第１ナットお
よび第２ナットと；−ウェブと、このウェブから延出さ
れるとともにこのウェブと協働することによって２つの
ナットを受領するための凹所を形成する第１および第２
フランジと、を有した支持体であるとともに、この支持
体に対して回転可能であるようにウォームスクリューが
設置されるようになっており、ウォームスクリューの回
転により、ウォームスクリューと支持体とが互いに並進
移動するようになっているような、支持体と；−第１ナ
ットと支持体の第１フランジとの間に受領された弾性バ
ッファ、および、第２ナットと支持体の第２フランジと
の間に受領された弾性バッファと；を具備している調節
機構に関するものである。

【０００４】

【従来の技術および発明が解決しようとする課題】独国
特許出願公開明細書第３９ １３ ３７８号には、そのよ
うな調節機構の一例が開示されている。この文献におい
ては、２つのナットと２つの弾性バッファとを組立可能
とするためには、複数の部材を使用する必要がある。こ
のため、様々な部材に関しての、比較的複雑な組立と調
節とが必要とされる。

【０００５】

【特許文献１】独国特許出願公開明細書第３９ １３ ３
７８号

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、このタ
イプの調節機構を改良することであり、とりわけ、組立
を容易とすることであって、ウォームスクリューと支持
体とを互いに組み立てることができるとともに、ナット
を鉛直方向にも横方向にもまた長さ方向にもわずかな程
度に移動可能とすることによって、シートの長さ方向位
置の調節時にウォームスクリューによって可動レールを
駆動する際にはナットをウォームスクリューの駆動に追
従させることができる。

【０００７】この目的のために、本発明においては、上
記タイプの調節機構は、本質的に、さらに、２つのナッ
トと２つの弾性バッファとを受領するためのハウジング
を形成し、これにより、支持体の凹所内に取り付けられ
る前に事前組立済みユニットを形成するためのバンドを
具備し、第１ナットの第１横方向面および第２ナットの
第２横方向面は、２つのナット内へのウォームスクリュ
ーの螺着前には、互いに当接しており、第１ナットが、
第１ネジ山付き穴を有するとともに、第２ナットが、第
２ネジ山付き穴を有し、この場合、これらネジ山付き穴
は、第１および第２横方向面においては、ネジ山開始位
相角度が互いに相違するようなネジ山を有し、これによ
り、両ナット内へとウォームスクリューを螺着すること
によって、両ナットの間にギャップが形成されるととも
に２つの弾性バッファの弾性変形が引き起こされるよう
になっており、これにより、第１に、第１および第２ネ
ジ山付き穴のネジ山を、ウォームスクリューに対して押
圧することができ、第２に、バンドを、支持体の第１お
よび第２フランジに対して押圧することができるように
なっている。

【０００８】このような特徴点により、ナットと２つの
弾性バッファとは、支持体上への取付前に、バンドを使
用することによって互いに組み立てられ、その後、バン
ドが、支持体の凹所内へと取り付けられる。さらにその
後、２つのナット内へと、ウォームスクリューが組み立
てられる。これにより、２つの弾性バッファを圧縮する
ことができる。そのような圧縮により、ウォームスクリ
ューと２つのナットとの間の係合強度を高めることがで
きるとともに、バンドを、支持体の第１および第２フラ
ンジに対して押圧することができる。これにより、支持
体に対して、２つのナットを正確に配置することができ
る。

【０００９】本発明の好ましい実施形態においては、以
下の複数の特徴点の中の任意数の特徴点を使用すること
ができる。−バンドを、プラスチック材料から形成する
こと。−バンドが、２つの長さ方向壁によって相互連結
された２つの横方向壁を有し、これら２つの横方向壁
が、弾性バッファと支持体の第１フランジとの間に、お
よび、弾性バッファと支持体の第２フランジとの間に、
介装されていること。−バンドの各横方向壁に、少なく
とも１つのストローク端当接部材が設けられ、この当接
部材に対して、関連するナットが当接することによっ
て、関連する弾性バッファの圧縮度合いが制限されるよ
うになっていること。−第１および第２ナットの各々
に、当接部材が設けられ、これら当接部材は、バンドの
うちの関連する横方向壁に対して当接するように機能
し、これにより、関連する弾性バッファの圧縮度合いが
制限されるようになっていること。

【００１０】加えて、本発明は、また、自動車シートの
スライド部材であって、自動車に対して固定された固定
レールと、シート本体を支持しているとともに上記調節
機構を介することによって固定レールに沿ってスライド
可能に取り付けられた可動レールと、を具備してなり、
ウォームスクリューが、固定レールと可動レールとの一
方に取り付けられ、支持体が、固定レールと可動レール
との他方に取り付けられているスライド部材を提供す
る。

【００１１】他の有利な特徴点においては、支持体は、
固定レールに対して固定され、バンドの長さ方向壁が、
支持体の第１および第２フランジを超えて横方向へと延
出されて、可動レールのストローク全体にわたって、可
動レールの平面に対して当接するものとされる。

【００１２】加えて、本発明は、さらに、自動車シート
であって、上述したような少なくとも１つのスライド部
材上において長さ方向に位置調節可能に取り付けられた
シート本体を具備している自動車シートを提供する。

【００１３】

【発明の実施の形態】本発明の他の特徴点や利点は、添
付図面を参照しつつ、本発明を何ら限定するものではな
く単なる例示としての以下の２つの好ましい実施形態に
関する説明を読むことにより、明瞭となるであろう。

【００１４】複数の図面にわたって、同一のまたは同様
の部材には、同じ符号が付されている。

【００１５】図１は、自動車シート（１）を示してい
る。特に、自動車の前部座席をなすシートを示してい
る。このシート（１）は、シート本体（３）と、このシ
ート本体（３）上に取り付けられた背もたれ（２）と、
を具備している。シート本体（３）は、互いに平行な２
つの長尺スライド部材（５）を介することによって、自
動車のフロア（４）に対して固定されている。図１にお
いては、２つのスライド部材（５）のうちの一方だけが
図示されている。

【００１６】スライド部材（５）の各々は、自動車のフ
ロア（４）に対して固定された固定レール（６）と、互
いに同一とされた２つの調節機構（１０）を使用するこ
とによってシートの長さ方向位置をシートの使用者が調
節し得るよう、固定レール（６）に沿ってスライド可能
とされた可動レール（７）と、を備えている。各調節機
構（１０）は、スライド部材（５）に付設されており、
２つのスライド部材（５）の間にわたって横方向に配置
された電気駆動手段（１１）により互いに同期するよう
にして制御される。

【００１７】２つの調節機構（１０）は、フロア（４）
に対してのシートの長さ方向位置を、例えば図２および
図４に示す位置といったような後端位置と前端位置（図
示せず）との間にわたって両端矢印（Ｆ）によって示さ
れた長さ方向軸方向に沿って、連続的に調節することを
可能とする。

【００１８】この目的のために、各調節機構（１０）
は、ナット形成アセンブリ（１２）と、支持体（１３）
と、ウォームスクリュー（１４）と、を有している。こ
こで、ウォームスクリュー（１４）は、可動レールの移
動方向をなす長さ方向軸（Ｆ）に対応する長さ方向に沿
って延在している。

【００１９】図３〜図６に示す第１実施形態において
は、ナット形成アセンブリ（１２）は、−共に実質的に
矩形ブロックの形状とされるとともに、互いに対向配置
されかつウォームスクリュー（１４）の長さ方向軸に対
して垂直とされた横方向面（１５ａ，１６ａ）と；互い
に反対向きに配置されかつウォームスクリュー（１４）
の長さ方向軸に対して垂直とされた横方向面（１５ｂ，
１６ｂ）と；支持体（１３）を向いて配置された底面
（１５ｃ，１６ｃ）と；底面（１５ｃ，１６ｃ）とは反
対側を向きかつシート（１）を向いて配置された上面
（１５ｄ，１６ｄ）と；を有し、さらに、それぞれが２
つの長さ方向面を有した、第１ナット（１５）および第
２ナット（１６）であって、第１ナット（１５）には、
さらに、ネジ山付き穴（１５ｆ）が形成され、第２ナッ
ト（１６）には、さらに、ネジ山付き穴（１６ｆ）が形
成され、ネジ山付き穴（１５ｆ，１６ｆ）は、ウォーム
スクリュー（１４）を通過させ得るよう軸合わせして形
成され、横方向面（１５ａ，１６ａ）においては、ネジ
山付き穴（１５ｆ，１６ｆ）のネジ山の開始位相が、詳
細に後述するように、互いに位相的にずらされているよ
うな、第１ナット（１５）および第２ナット（１６）
と、−例えばゴムから形成されているような、２つの弾
性バッファ（１７，１８）であるとともに、ナット（１
５，１６）のネジ山付き穴（１５ｆ，１６ｆ）の直径よ
りもわずかに大きな直径の貫通穴（１７ａ，１８ａ）が
設けられ、さらに、例えば、実質的に矩形の中間介在ピ
ース（１９）を介することによって底面どうしが相互連
結されているような２つの弾性バッファ（１７，１８）
であって、中間介在ピース（１９）については、２つの
弾性バッファ（１７，１８）と一体形成することができ
る（図９参照）ような、２つの弾性バッファ（１７，１
８）と、−例えばポリオキシメチレンといったようなプ
ラスチック材料から形成されるとともに、２つのナット
（１５，１６）と２つの弾性バッファ（１７，１８）と
を収容するためのハウジングを形成し、さらに、２つの
長さ方向壁（２１）と２つの横方向壁（２２）とを有し
たバンド（２０）であるとともに、横方向壁（２２）の
各々には、ウォームスクリュー（１４）を挿通するため
の貫通穴（２２ａ）が形成されているような、バンド
（２０）と、を備えている。

【００２０】よって、調節機構を組み立てるに際して
は、まず最初に、２つのバッファ（１７，１８）の間の
所定位置に２つのナット（１５，１６）を配置し、次
に、得られたアセンブリを、剛直バンド（２０）によっ
て形成されたハウジング内へと挿入することによって、
事前組立済みユニットを形成する。

【００２１】事前組立済みユニット（１２）が組み立て
られた際には、ナット（１５，１６）の横方向面（１５
ａ，１６ａ）が互いに当接するとともに、バッファ（１
７）が、ナット（１５）と剛直バンド（２０）の横方向
壁（２２）との間に介装され、さらに、バッファ（１
８）が、ナット（１６）と剛直バンド（２０）の横方向
壁（２２）との間に介装される。

【００２２】図５からわかるように、バンドの横方向壁
（２２）と長さ方向壁（２１）との間の複数の連結領域
には、それぞれ当接部材（２３）が設けられており、そ
れら当接部材どうしの間に弾性バッファ（１７，１８）
を受領するようになっている。２つの弾性バッファ（１
７，１８）の厚さは、長さ方向軸に沿っては、当接部材
の厚さよりも厚いものとされている。これにより、ナッ
ト（１５，１６）は、長さ方向軸に沿っては、当接部材
（２３）から、いくらかの距離の分だけ離間して配置さ
れている。しかしながら、バンド（２０）の当接部材
（２３）の、長さ方向軸に沿う方向における厚さは、ナ
ット（１５，１６）が当接部材（２３）に当接すること
によって２つの弾性バッファ（１７，１８）の圧縮度合
いを制限し得るように、決定される。これにより、可動
レール（７）が、前端位置または後端位置に到達したと
きに弾性バッファが予定外の損傷を受けることがないも
のとされる。加えて、事前組立済みユニット（１２）が
このようにして組み立てられたときには、ナット（１
５，１６）の長さ方向面（１５ｅ，１６ｅ）は、図６か
らわかるように、剛直バンド（２０）の長さ方向壁（２
１）に対して当接する。

【００２３】事前組立済みユニット（１２）は、支持体
（１３）上へと直接的に取り付けられ得るように構成さ
れている。この目的のために、例えばスチールから形成
されているような、支持体（１３）は、ウェブ（１３
ａ）を有している。ウェブ（１３ａ）は、長さ方向軸に
沿って延在しているとともに、ウェブ（１３ａ）から
は、互いに対向する２つのフランジ（１３ｂ）が延出さ
れている。各フランジには、ウォームスクリュー（１
４）を挿通させるための貫通穴（１３ｃ）が、フランジ
（１３ｂ）を貫通して形成されている。

【００２４】支持体（１３）のウェブ（１３ａ）の長さ
は、２つのナット（１５，１６）の長さの合計と、２つ
のバッファ（１７，１８）の厚さの合計と、剛直バンド
（２０）の横方向壁（２２）の厚さの合計と、の総和に
対して、実質的に等しい。よって、横方向壁（２２）
は、支持体（１３）の横方向フランジ（１３ｂ）に対し
て当接する。

【００２５】ウォームスクリュー（１４）は、支持体
（１３）のフランジ（１３ｂ）を挿通することによって
さらにバンド（２０）の横方向壁（２２）を挿通するこ
とによってさらにバッファ（１７，１８）を挿通するこ
とによって、２つのナット（１５，１６）に対して螺着
される。

【００２６】ウォームスクリュー（１４）は、可動レー
ル（７）と一緒に移動するように拘束されている（図４
参照）とともに、後端（１４ａ）と前端（１４ｂ）とを
有している。後端（１４ａ）は、可動レール（７）の一
端に対して固定されたクレイドル（２４）内に受領され
ており、ウォームスクリュー（１４）の前端（１４ｂ）
は、電気駆動手段（１１）に属するギヤ（２５）と一緒
に回転するように拘束されている。

【００２７】図６からわかるように、また、上述したよ
うに、２つのナット（１５，１６）には、それぞれネジ
山付き穴（１５ｆ，１６ｆ）が形成されていて、これら
ネジ山付き穴（１５ｆ，１６ｆ）は、各ナットの対向面
（１５ａ，１６ａ）のところにおいて、ネジ山の開始位
相角度位置が互いに相違している。このため、ウォーム
スクリュー（１４）が、ナット内に螺着されたときに
は、ネジ山付き穴の構成により、ナット（１５，１６）
が互いに離間移動することとなる。

【００２８】図６および図９からわかるように、ナット
（１５，１６）の２つのネジ山付き穴（１５ｆ，１６
ｆ）において、ネジ山の開始位相角度位置が互いに相違
していることにより、ネジ山付き穴（１５ｆ，１６ｆ）
がなすネジ山に不連続性が発生する。これにより、ウォ
ームスクリュー（１４）がネジ山付き穴（１５ｆ）を通
過してネジ山付き穴（１６ｆ）内へと進入したときに
は、２つのナット（１５，１６）の間にギャップが発生
する。

【００２９】２つのナット（１５，１６）の間のギャッ
プは、２つの弾性バッファ（１７，１８）の弾性変形を
引き起こすこととなり、第１に、弾性バッファ（１７）
がナット（１５）を矢印（Ｆ１）（図９）で示す向きに
押し込み、これにより、ネジ山付き穴（１５ｆ）のネジ
山が、ウォームスクリュー（１４）のネジ山に対して押
圧され、第２に、弾性バッファ（１８）がナット（１
６）を矢印（Ｆ２）（図９）で示す向きに押し込み、こ
れにより、ナット（１６）のネジ山付き穴（１６ｆ）の
ネジ山が、矢印（Ｆ２）で示す向きにウォームスクリュ
ー（１４）のネジ山に対して押圧される。

【００３０】加えて、ナット（１５，１６）間のギャッ
プは、また、２つの弾性バッファ（１７，１８）の変形
により、バンド（２０）の横方向壁（２２）を、支持体
（１３）の２つのフランジ（あるいは、ブランチ）（１
３ｂ）に対して押圧することができる。よって、ウォー
ムスクリュー（１４）が２つのナット（１５，１６）内
に螺着されたときには、２つのナット間のギャップによ
り、ネジ山付き穴（１５ｆ，１６ｆ）内のネジ山とウォ
ームスクリュー（１４）上のネジ山との間の係合強度を
高めることができるとともに、バンド（２０）の横方向
壁（２２）を支持体（１３）の横方向フランジ（１３
ｂ）に対して押圧することができる。これにより、弾性
バッファ（１７，１８）に対する圧縮応力の印加は、ウ
ォームスクリュー（１４）がナット内に螺着された時に
限定される。ウォームスクリューのネジ山により、ウォ
ームスクリューは、２つのナット（１５，１６）の間
に、正確な幅のギャップを形成する。

【００３１】有利には、半剛直な（完全に剛直というわ
けではなくわずかの弾性変形性を有したような）バンド
（２０）は、プラスチック材料から形成される。これに
より、弾性バッファが圧縮された状態においては、支持
体（１３）とバンド（２０）との間のスチール対プラス
チック接触のために、２つのナット（１５，１６）は、
横方向にも、ウェブ（１３ａ）に対して平行な方向に
も、また、鉛直方向にも、いくらかの程度は移動するこ
とができる。

【００３２】よって、ウォームスクリュー（１４）がギ
ヤ（４８）を介して回転駆動されたときには、ウォーム
スクリュー（１４）は、後端位置と前端位置との間にお
いて、軸方向（Ｆ）に沿った一方向または他方向に、固
定レール（６）に対して可動レール（７）を、連続的に
かつ直線的にかつ長さ方向に駆動する。プラスチック製
バンド（２０）の存在により、また、ウォームスクリュ
ーとナット（１５，１６）との間の係合強度が高められ
ていることにより、２つのナット（１５，１６）は、ウ
ォームスクリューの回転駆動に追従し、固定レールと可
動レールとの間の相対移動を引き起こす。当然のことな
がら、２つのナット（１５，１６）は、いくらかの程度
は長さ方向に変位することができ、このような変位は、
弾性バッファ（１７，１８）によって吸収される。

【００３３】有利には、バンド（２０）の横方向壁（２
２）の幅は、支持体（１３）の横方向フランジ（１３
ｂ）の幅よりも広い。このため、バンド（２０）の長さ
方向壁（２１）は、横方向フランジ（１３ｂ）を超えて
わずかに突出する。よって、支持体（１３）が固定レー
ル（６）上の所定位置に配置されたときには（図６およ
び図８参照）、プラスチック製バンド（２０）の長さ方
向壁（２１）が、メス型レール（７）に対して当接す
る。より厳密には、可動レール（７）の平面壁（７ａ）
に対して当接する。

【００３４】よって、プラスチック製バンド（２０）
は、２つのナット（１５，１６）が回転することを防止
するための回転防止部材として機能し、可動レール
（７）の鉛直方向壁（７ａ）に対して当接することによ
って、２つのナットが、横方向において正確に配置され
ることを可能とする。これにより、ウォームスクリュー
（１４）の軸の位置ズレが制限され、ナットの制御不能
な回転が制限される。

【００３５】また、図８および図９からわかるように、
支持体（１３）が固定レール（６）のウェブ（６ａ）に
対して配置され、２つのナット（１５，１６）がウォー
ムスクリュー（１４）と協働する場合には、支持体のウ
ェブ（１３ａ）とバンド（２０）の底部との間には、ギ
ャップが存在する。このギャップは、２つのナット（１
５，１６）が、支持体（１３）のウェブ（１３ａ）の対
して鉛直方向に移動することを可能とする。

【００３６】図７に示す第２実施形態においては、プラ
スチック製バンド（２０）上に、当接部材が設けられて
いない。そうではなく、当接部材は、ナット（１５，１
６）の横方向面（１５ｂ，１６ｂ）上に直接的に設けら
れている。より厳密には、横方向面（１５ｂ，１６ｂ）
には、セットバックを形成する端部フィン（２４）が設
けられている。これらセットバック内に、弾性バッファ
（１７，１８）がそれぞれ受領されるようになってい
る。端部フィン（２４）は、２つのナット（１５，１
６）の移動を制限して２つの弾性部材（１７，１８）の
圧縮度合いを制限し得るよう、バンド（２０）の横方向
壁（２２）に対して当接するようにして機能する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による調節機構の一実施形態を各々が
備えている複数のスライド部材が設けられている自動車
シートを概略的に示す図である。

【図２】 本発明による調節機構を各々が備えているよ
うな図１のスライド部材を示す平面図である。

【図３】 図２における一方の調節機構の支持体上に取
り付けられた２つのナットと協働するウォームスクリュ
ーを示す斜視図である。

【図４】 図２における一方のスライド部材を示す側面
図である。

【図５】 調節機構の第１実施形態における事前組立済
みユニットを示す分解図である。

【図６】 調節機構の第１実施形態を上方から見た断面
図であって、調節機構は、スライド部材上に取り付けら
れている。

【図７】 調節機構の第２実施形態を上方から見た断面
図であって、この場合も、調節機構は、スライド部材上
に取り付けられている。

【図８】 調節機構の事前組立済みユニットを一部断面
によって示す斜視図であって、事前組立済みユニット
は、支持体のウェブに対向して配置されているととも
に、スライド部材の内部に配置されている。

【図９】 本発明による調節機構を側方から見た断面図
である。

【符号の説明】

３ シート本体 ５ スライド部材 ６ 固定レール ７ 可動レール ７ａ 平面壁（平面） １０ 調節機構 １２ 事前組立済みユニット １３ 支持体 １３ａ ウェブ １３ｂ フランジ（第１フランジ、第２フランジ） １４ ウォームスクリュー １５ 第１ナット １５ａ 横方向面（第１横方向面） １５ｆ ネジ山付き穴（第１ネジ山付き穴） １６ 第２ナット １６ａ 横方向面（第２横方向面） １６ｆ ネジ山付き穴（第２ネジ山付き穴） １７ 弾性バッファ １８ 弾性バッファ ２０ バンド ２１ 長さ方向壁 ２２ 横方向壁 ２３ 当接部材 ２４ 当接部材

フロントページの続き (72)発明者 パトリック・マラール フランス・61100・フレール・アヴニュ・ ドゥ・ラ・リベラシオン・36 Ｆターム(参考） 3B087 BA01 BB02

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車シートのスライド部材のための調
   節機構（１０）であって、 長さ方向に延在する駆動用ウォームスクリュー（１４）
   と；該ウォームスクリュー（１４）を回転可能に受領す
   る第１ナット（１５）および第２ナット（１６）であっ
   て、前記ウォームスクリュー（１４）の前記長さ方向に
   対して垂直でありかつ互いに当接して配置される第１横
   方向面（１５ａ）および第２横方向面（１６ａ）をそれ
   ぞれ有している第１ナット（１５）および第２ナット
   （１６）と；ウェブ（１３ａ）と、このウェブ（１３
   ａ）から延出されるとともにこのウェブ（１３ａ）と協
   働することによって前記２つのナット（１５，１６）を
   受領するための凹所を形成する第１および第２フランジ
   （１３ｂ）と、を有した支持体（１３）であるととも
   に、この支持体（１３）に対して回転可能であるように
   前記ウォームスクリュー（１４）が設置されるようにな
   っており、前記ウォームスクリューの回転により、前記
   ウォームスクリューと前記支持体とが互いに並進移動す
   るようになっているような、支持体（１３）と；第１ナ
   ット（１５）と前記支持体の前記第１フランジ（１３
   ｂ）との間に受領された弾性バッファ（１７）、およ
   び、第２ナット（１６）と前記支持体の前記第２フラン
   ジ（１３ｂ）との間に受領された弾性バッファ（１８）
   と；を具備してなり、さらに、 前記２つのナット（１５，１６）と前記２つの弾性バッ
   ファ（１７，１８）とを受領するためのハウジングを形
   成し、これにより、前記支持体（１３）の前記凹所内に
   取り付けられる前に事前組立済みユニットを形成するた
   めのバンド（２０）を具備し、 前記第１ナット（１５）の前記第１横方向面（１５ａ）
   および前記第２ナット（１６）の前記第２横方向面（１
   ６ａ）が、前記２つのナット内への前記ウォームスクリ
   ュー（１４）の螺着前には、互いに当接しており、 前記第１ナット（１５）が、第１ネジ山付き穴（１５
   ｆ）を有するとともに、前記第２ナット（１６）が、第
   ２ネジ山付き穴（１６ｆ）を有し、この場合、これらネ
   ジ山付き穴（１５ｆ，１６ｆ）は、前記第１および第２
   横方向面（１５ａ，１６ａ）においては、ネジ山開始位
   相角度が互いに相違するようなネジ山を有し、これによ
   り、前記両ナット内へと前記ウォームスクリュー（１
   ４）を螺着することによって、前記両ナット（１５，１
   ６）の間にギャップが形成されるとともに前記２つの弾
   性バッファ（１７，１８）の弾性変形が引き起こされる
   ようになっており、これにより、第１に、前記第１およ
   び第２ネジ山付き穴（１５ｆ，１６ｆ）のネジ山を、前
   記ウォームスクリュー（１４）に対して押圧することが
   でき、第２に、前記バンド（２０）を、前記支持体（１
   ３）の前記第１および第２フランジ（１３ｂ）に対して
   押圧することができるようになっている、ことを特徴と
   する調節機構。
2. 【請求項２】 請求項１記載の調節機構において、 前記バンド（２０）が、プラスチック材料から形成され
   ていることを特徴とする調節機構。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載の調節機構におい
   て、 前記バンド（２０）が、２つの長さ方向壁（２１）によ
   って相互連結された２つの横方向壁（２２）を有し、 これら２つの横方向壁（２２）が、前記弾性バッファ
   （１７）と前記支持体の前記第１フランジ（１３ｂ）と
   の間に、および、前記弾性バッファ（１８）と前記支持
   体の前記第２フランジ（１３ｂ）との間に、介装されて
   いることを特徴とする調節機構。
4. 【請求項４】 請求項３記載の調節機構において、 前記バンド（２０）の前記各横方向壁（２２）には、少
   なくとも１つのストローク端当接部材（２３）が設けら
   れ、 該当接部材（２３）に対して、関連する前記ナットが当
   接することによって、関連する弾性バッファの圧縮度合
   いが制限されるようになっていることを特徴とする調節
   機構。
5. 【請求項５】 請求項３記載の調節機構において、 前記第１および第２ナット（１５，１６）の各々には、
   当接部材（２４）が設けられ、 該当接部材（２４）は、前記バンド（２０）のうちの関
   連する横方向壁（２２）に対して当接するように機能
   し、これにより、関連する弾性バッファの圧縮度合いが
   制限されるようになっていることを特徴とする調節機
   構。
6. 【請求項６】 自動車シートのスライド部材であって、 前記自動車に対して固定された固定レール（６）と、シ
   ート本体（３）を支持しているとともに請求項１〜５の
   いずれかに記載された調節機構（１０）を介することに
   よって前記固定レール（６）に沿ってスライド可能に取
   り付けられた可動レール（７）と、を具備してなり、 前記ウォームスクリュー（１４）が、前記固定レールと
   前記可動レールとの一方に取り付けられ、 前記支持体（１３）が、前記固定レールと前記可動レー
   ルとの他方に取り付けられていることを特徴とするスラ
   イド部材。
7. 【請求項７】 請求項６記載のスライド部材において、 前記支持体（１３）が、前記固定レール（６）に対して
   固定され、 前記バンド（２０）の前記長さ方向壁（２１）が、前記
   支持体（１３）の前記第１および第２フランジ（１３
   ｂ）を超えて横方向へと延出されて、前記可動レール
   （７）のストローク全体にわたって、前記可動レール
   （７）の平面（７ａ）に対して当接するものとされてい
   ることを特徴とするスライド部材。
8. 【請求項８】 自動車シートであって、 請求項６または７のいずれかに記載された少なくとも１
   つのスライド部材（５）上において長さ方向に位置調節
   可能に取り付けられたシート本体（３）を具備している
   ことを特徴とする自動車シート。