JP2003266170A - 還元鋳造方法 - Google Patents

還元鋳造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝固速度と溶湯の充填時間との間の関係を定
め、溶湯の未充填状態をなくし、かつ鋳造サイクルを短
縮しうる還元鋳造方法を提供する。 【解決手段】 金属の溶湯を成形型11のキャビティ1
2に注湯し、キャビティ12内で溶湯と還元性物質とを
接触させて溶湯の表面に形成された酸化皮膜を還元しつ
つ鋳造する還元鋳造法において、冷却手段13により成
形型11を強制冷却した状態でキャビティ12に溶湯を
注入して溶湯を急冷し、溶湯を急冷して凝固させる凝固
速度を600℃/分以上とし、キャビティ12内へ溶湯
を1.0秒〜9.0秒の充填時間で充填することを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は還元鋳造方法に関
し、より詳細には溶湯の未充填状態をなくし、かつ鋳造
サイクルを短縮しうる還元鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳造方法には、重力鋳造法(GDC)、
低圧鋳造法(LPDC)、ダイキャスト(DC)、スク
イズ(SC)、チクソモールドなど様々な方法がある。
これらはいずれも成形型のキャビティ内に溶湯を注入し
て所定形状に成形するものである。これらの鋳造方法の
うち、溶湯の表面に酸化皮膜が形成されやすいもの、た
とえばアルミニウム鋳造などでは、溶湯の表面に形成さ
れた酸化皮膜によって表面張力が大きくなり、溶湯の流
動性、湯周り性、溶着性が低下し、溶湯の未充填、湯じ
わ等の鋳造欠陥が生じることが問題となる。
【0003】これらの問題を解決する方法として、本出
願人はアルミニウムの溶湯の表面に形成される酸化皮膜
を還元して鋳造する還元鋳造方法を提案した(特開2000
-280063号公報)。この還元鋳造方法は、窒素ガスとマ
グネシウムガスとを用いて強い還元性を有するマグネシ
ウム窒素化合物(Mg3N2)を生成し、このマグネシウ
ム窒素化合物をアルミニウムの溶湯に作用させて鋳造す
る方法である。マグネシウム窒素化合物を成形型のキャ
ビティの表面に析出させた状態で溶湯を注入すると、キ
ャビティの表面に溶湯が接触する際に溶湯の表面の酸化
皮膜がマグネシウム窒素化合物の還元作用によって還元
され、溶湯の表面が純粋なアルミニウムとなって溶湯の
表面張力が低下し、溶湯の流動性が高められる。この結
果、湯周り性が良好となり、鋳造欠陥がなく、湯じわ等
のないすぐれた外観の鋳造製品を得ることが可能にな
る。
【0004】
【背景技術】さらにその後の研究により、上記還元鋳造
方法によると、鋳造時における成形型の型温を低温に維
持して鋳造できることが判明した。すなわち、還元鋳造
方法による場合は、溶湯の流動性、湯周り性がきわめて
良好になるから、重力鋳造法(GDC)等の鋳造方法と
は異なり、鋳造時に成形型の型温を高温に維持する必要
がない。重力鋳造法等で、鋳造時に成形型を保温してい
るのは、型温をできるだけ高くしてキャビティに充填す
る溶湯の流動性を確保するためである。これに対して、
還元鋳造方法では溶湯の流動性、湯周り性がきわめて良
好であり、数秒のうちにキャビティへの溶湯の充填が完
了してしまう。したがって、従来の鋳造方法のように鋳
造時に型温を高く維持する必要がない。むしろ、型温を
できるだけ下げてキャビティに充填された溶湯をできる
だけ速く凝固させるようにすることが、鋳造のサイクル
タイムを短縮しうる点で有利となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶湯の
凝固速度が速くなったことにより、キャビティ内に溶湯
が十分行き渡らないうちに溶湯が凝固してしまうという
不具合も生じた。そこで本発明は上記課題を解決すべく
なされたものであり、その目的とするところは、凝固速
度と溶湯の充填時間との間の関係を定め、溶湯の未充填
状態をなくし、かつ鋳造サイクルを短縮しうる還元鋳造
方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、金属の溶湯を成
形型のキャビティに注湯し、キャビティ内で溶湯と還元
性物質とを接触させて溶湯の表面に形成された酸化皮膜
を還元しつつ鋳造する還元鋳造法において、冷却手段に
より前記成形型を強制冷却した状態で前記キャビティに
溶湯を注入して溶湯を急冷し、溶湯を急冷して凝固させ
る凝固速度を600℃/分以上とし、キャビティ内へ溶
湯を1.0秒〜9.0秒の充填時間で充填することを特
徴とする。その際にDASII値を22μm以下にする
とよい。前記凝固速度を800℃/分以上とするとさら
に好適である。またその際にDASII値を20μm以
下にすると好適である。
【0007】溶湯に加圧してキャビティ内に注入するこ
とで、溶湯の注入時間を前記1.0〜9.0秒に調整す
るようにするとよい。前記還元性物質はマグネシウムあ
るいはマグネシウム窒素化合物(Mg32)を用いるこ
とができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に
係る還元鋳造方法を利用して鋳造する鋳造装置10の全
体構成を示す説明図である。なお、以下では還元鋳造方
法をアルミニウム鋳造に使用する例を示すが、本発明は
アルミニウム鋳造に限定されるものではない。図1で1
1は成形型であり、12は成形型11の内部に形成した
キャビティである。キャビティ12の上部には下方が縮
径するテーパ面状に形成された湯口14が設けられ、湯
口14にはほぞ15が脱着自在に設けられている。16
はほぞ15を上下方向に貫通して設けられたパイプであ
る。
【0009】17は成形型11の上部に配置された注湯
槽である。注湯槽17とキャビティ12とは湯口14を
介して連通し、湯口14に取り付けられたほぞ15を開
閉操作することによって、キャビティ12への注湯が制
御される。本実施形態はアルミニウム鋳造に適用した例
であり、注湯槽17にはアルミニウムの溶湯が貯溜され
る。
【0010】成形型11の材料は特に限定されるもので
はないが、熱伝導率の良好な素材によって形成するとよ
い。また、成形型11を強制的に冷却する冷却手段を設
ける。本実施形態では成形型11の冷却手段として成形
型11の内部に流路13を設けて冷却水を流路13に常
時通流させるようにしている。成形型11を熱伝導率の
良好な素材によって形成し、常時、強制的に冷却する理
由は、鋳造時における成形型11の型温をできるだけ低
温に維持できるようにするためである。したがって、鋳
造時における成形型11の型温を効果的に低温に維持で
きる方法であれば、水冷方法に限るものではない。ま
た、いくつかの冷却手段を併用することももちろん可能
である。
【0011】図1において、20は窒素ガスボンベであ
る。窒素ガスボンベ20は、バルブ24が介装された配
管22を介して成形型11に接続され、成形型11に設
けた窒素ガス導入口11aからキャビティ12内に窒素
ガスが導入可能に設けられている。バルブ24を開放し
窒素ガス導入口11aからキャビティ12内に窒素ガス
を送入することにより、キャビティ12内のエアがパー
ジされ、キャビティ12内が窒素ガス雰囲気となって実
質的に非酸素雰囲気となる。11bは成形型11に設け
た排気口である。排気口11bに、バルブ25を介装し
た配管を介して真空装置を接続し、バルブ25を開放し
た状態で真空装置を作動させることによってキャビティ
12内を非酸素雰囲気とすることもできる。
【0012】21はアルゴンガスボンベである。アルゴ
ンガスボンベ21は配管26を介して金属ガスを発生す
る発生器としての加熱炉28に接続されており、配管2
6に設けられたバルブ30を開閉することによって加熱
炉28内へのアルゴンガスの注入が制御される。加熱炉
28はヒータ32によって加熱されており、本実施形態
においては、炉内温度はマグネシウムの沸点温度以下、
かつマグネシウムの融点温度以上に設定され、炉内にお
いてマグネシウムは液体状態となっている。
【0013】アルゴンガスボンベ21はまた、バルブ3
3が介装された配管34により、マグネシウム金属が収
容されているタンク36に接続され、タンク36は配管
38により、バルブ30よりも下流側で配管26に接続
されている。40は加熱炉28へのマグネシウムの供給
量を制御するために配管38に介装したバルブである。
タンク36は加熱炉28へ供給するマグネシウム金属を
収容するためのものであり、粉末状あるいは顆粒状のマ
グネシウム金属が収容されている。
【0014】加熱炉28は、配管42および、ほぞ15
に取り付けられたパイプ16を介して成形型11のキャ
ビティ12に接続する。加熱炉28でガス化されたマグ
ネシウムガスあるいはミスト状となったマグネシウム
は、配管42に介装されたバルブ45の開閉操作と、バ
ルブ30によるアルゴンガス圧の制御により成形型11
のキャビティ12に導入される。
【0015】図1に示す鋳造装置10によるアルミニウ
ム鋳造は以下のようにしてなされる。まず、湯口14に
ほぞ15が嵌合し湯口14が閉止された状態でバルブ2
4を開放し、窒素ガスボンベ20から配管22を経由し
て成形型11のキャビティ12に窒素ガスを注入する。
これによって、キャビティ12内の空気がパージされ、
キャビティ12内が実質的に非酸素雰囲気となる。キャ
ビティ12を非酸素雰囲気とした後、バルブ24を閉じ
る。
【0016】成形型11のキャビティ12に窒素ガスを
注入している際、もしくは事前に、バルブ30を開放し
てアルゴンガスボンベ21から加熱炉28にアルゴンガ
スを注入し、加熱炉28内を無酸素状態とする。次い
で、バルブ30を閉じ、バルブ33およびバルブ40を
開いてアルゴンガスボンベ21からのアルゴンガス圧に
よってタンク36内のマグネシウム金属を加熱炉28に
送り込む。加熱炉28は、マグネシウム金属が溶融する
温度に加熱されているから、加熱炉28に送り込まれた
マグネシウム金属は炉内で溶融した状態となる。加熱炉
28からは鋳造操作ごとに繰り返してマグネシウムガス
を送出するから、タンク36からはこれらの操作に対応
できるよう、ある程度の分量のマグネシウム金属を加熱
炉28に送り込むようにする。マグネシウム金属を加熱
炉28に送り込んだ後、バルブ33およびバルブ40を
閉じる。
【0017】次に、バルブ30およびバルブ45を開い
てアルゴンガスの圧力、流量を調節しつつ、アルゴンガ
スをキャリアガスとして加熱炉28からパイプ16を経
由して成形型11のキャビティ12にマグネシウムガス
を注入する。なお、マグネシウムガスとともにミスト状
のマグネシウムも加熱炉28から送出される。キャビテ
ィ12にマグネシウムガスを注入した後、バルブ45を
閉じ、次いでバルブ24を開放し、窒素ガス導入口11
aからキャビティ12に窒素ガスを注入する。キャビテ
ィ12に窒素ガスを注入することにより、先に注入した
マグネシウムガスと窒素ガスとがキャビティ12内で反
応し、還元性化合物であるマグネシウム窒素化合物(M
g3N2)が生成される。マグネシウム窒素化合物は主に
キャビティ12の内壁面に析出する。
【0018】キャビティ12の内壁面にマグネシウム窒
素化合物が生成された状態で、ほぞ15をあけ、湯口1
4からキャビティ12に溶湯18を注入する。キャビテ
ィ12に注入されたアルミニウムの溶湯18は、キャビ
ティ12の内壁面に生成しているマグネシウム窒素化合
物と接触し、マグネシウム窒素化合物が溶湯表面の酸化
被膜から酸素を奪うことにより、溶湯の表面が純粋なア
ルミニウムに還元されて充填されていく(還元鋳造方
法)。溶湯の表面の酸化皮膜が還元されて純粋なアルミ
ニウムが表面に露出することによって、溶湯の流動性が
きわめて良好となる。このように湯周り性が極めて良好
となることから、従来の断熱系塗型を不要とし、また、
成形型を高温に維持する必要もないという利点を有す
る。
【0019】また、上記のように還元鋳造方法による場
合には、きわめて短時間のうちにキャビティ12に溶湯
18が充填されるから、成形型11に充填された溶湯1
8を冷却して短時間のうちに溶湯18を凝固させるよう
にすることが有効である。成形型11を熱伝導性の良い
材料によって製作した場合、成形型11の型温を成形型
11が十分な硬度を有する温度以下、たとえば150℃
程度以下に保持しておけば、これらの材料によって製作
した成形型を使用する鋳造方法で溶湯とのかじりを防止
して鋳造することが可能である。
【0020】溶湯の凝固速度を、600℃/分(成形型
11内での溶湯の単位時間当りの温度降下)以上、好ま
しくは800℃/分以上とするのがよい。凝固速度が大
きいほど、鋳造品の結晶構造が緻密となり、強度が増大
するので好適である。この凝固速度は、従来のDCに近
いものとなっている。しかし、この還元鋳造方法では、
DCのようなスプラッシュまたは噴霧状充填による急冷
ではなく、層流または一部乱流状態での溶湯の充填が可
能で、内部品質も極めて良好で、後記するDASII値
も小さく、伸び、強度等の向上が得られる。
【0021】図2は、アルミニウム鋳造において溶湯の
凝固速度を変えた場合に凝固体中の樹枝状結晶(デンド
ライト)の間隔がどのように変化するかを測定した結果
を示す。測定はキャビティ12に充填されて凝固したア
ルミニウムの一部分を採取してサンプルとし、電子顕微
鏡によって樹枝状結晶の間隔を測定することによって行
った。図2では、横軸に凝固速度を示し、縦軸に凝固し
たアルミニウムの樹枝状結晶間隔を「DASII値」と
して示した。
【0022】図2から、凝固速度が約600℃/分以上
の場合にはキャビティ12に充填されて凝固されたアル
ミニウムの樹枝状結晶(デンドライト)の間隔は平均で
22μm以下となり、凝固速度が約800℃/分以上の
場合の樹枝状結晶の間隔は平均で20μm以下となる。
アルミニウムの樹枝状結晶の間隔は凝固体(鋳造品)の
緻密性に関わり、樹枝状結晶の間隔が小さくなるほどア
ルミニウムの結晶構造が緻密となり、得られる鋳造品の
機械的強度が向上する。機械的強度の点から、DASI
I値は22μm以下、好ましくは20μm以下がよい。
【0023】従来の鋳造方法においては凝固速度が遅
く、特にGDC、LPDCでの断熱系塗型を有するもの
で特に遅くなり、偏析、ヒケ等に対する対応が困難で、
いかに指向性冷却を行うかの課題があった。その凝固速
度は100℃/分程度で、薄肉部であっても、750℃
/分程度であり、後記するDASII値でも、35〜2
0μmのレベルでしかなかった。
【0024】次に溶湯の充填時間について検討する。溶
湯の充填時間は、鋳造合金の材料と、上記設定される凝
固速度との関係で決まる。一般にAC2B、AC4B等
の鋳造用合金は、その凝固において、注湯からα晶デン
ドライト結晶構造の完了まではほぼ90℃の温度差(9
0℃の温度低下)を有する。すなわち、90℃の温度低
下によって、凝固するということになる。この間に、キ
ャビティ12内に溶湯充填を完了させる必要がある。凝
固速度を600℃/分〜2000℃/分に設定すれば、
溶湯の充填時間は9.0秒〜2.7秒となる。
【0025】一方、2017、2024、2618等の
鍛造用合金は、その凝固において、注湯からα晶デンド
ライト結晶構造の完了まではほぼ40℃の温度差を有す
る。凝固速度を600℃/分〜2000℃/分に設定す
れば、溶湯の充填時間は4.0秒〜1.2秒となる。す
なわち、鋳造合金の材料により相違はあるが、溶湯のキ
ャビティ12内への充填を、ほぼ1.0〜9.0秒の間
に、キャビティ12の全ての部位に完了させないと、キ
ャビティ12内の一部で凝固が開始され、溶湯の未充填
部分が生じる。
【0026】現実には、キャビティ12の各部位におい
て、肉厚、肉薄の部位があり、均等ではない。まず肉厚
部に溶湯が回り込み、凝固速度の速い薄肉部への湯周り
が遅くなることから、薄肉部で充填が完了しないうちか
ら凝固が始まるおそれがある。したがって、上記所要時
間内にキャビティ12の全ての部位に充填が完了するよ
うに管理する必要がある。溶湯が周りにくい薄肉部があ
る場合などは、手段は問わないが、LPDC法と同様に
して、溶湯を加圧し、所要時間内にキャビティ12の全
ての部位に溶湯を充填するようにするのが好適である。
そのためにまた、湯口の径、形状、位置、数などを工夫
することも重要である。
【0027】上記凝固速度で、所要時間内にキャビティ
12の全ての部位に溶湯が充填されるように管理するこ
とによって、もともと湯周り性が良好であることから、
キャビティ12の微細部分にも確実に溶湯を充填するこ
とができ、溶湯の未充填等による鋳造欠陥がなくなる。
また、溶湯表面の酸化皮膜が除去されることから、鋳造
品の表面に湯じわ等が発生せず、良好な外観の鋳造品が
得られる。
【0028】上記実施の形態では、マグネシウムガス、
窒素ガスを直接キャビティ内に導入して、キャビティ内
でマグネシウム窒素化合物を生成させたが、成形型の直
前に反応チャンバを設け(図示せず)、この反応チャン
バ内にアルゴンガスと共にマグネシウムガスと、窒素ガ
スを導入して、反応チャンバ内で反応させてマグネシウ
ム窒素化合物を生成させ、このマグネシウム窒素化合物
をキャビティ内に導入してもよい。また、上記実施の形
態では、溶湯の還元性物質として、マグネシウム窒素化
合物を例に説明したが、マグネシウム単体や、その他の
還元性物質を用いることもできる。キャリアガスもアル
ゴンガス以外の不活性ガスや非酸化性ガスを用いてもよ
い。さらに、上記実施の形態においては、アルミニウム
鋳造方法について説明したが、本発明方法はアルミニウ
ム鋳造に限定されるものではなく、種々のアルミニウム
合金、マグネシウム、鉄等の各種金属あるいはこれらの
合金を鋳造材料とする鋳造方法に適用することができ
る。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、上述したように、溶湯
の凝固速度、溶湯の充填時間を管理してキャビティの全
ての部位に溶湯が充填されるようにすることによって、
もともと湯周り性が良好であることから、鋳造サイクル
を短縮できると共に、キャビティの微細部分にも確実に
溶湯を充填することができ、溶湯の未充填等による鋳造
欠陥がなくなる。また、溶湯表面の酸化皮膜が除去され
ることから、鋳造品の表面に湯じわ等が発生せず、良好
な外観の鋳造品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る還元鋳造方法により鋳造する鋳造
装置の構成例を示す説明図である。
【図2】アルミニウム材料について、溶湯の凝固速度に
対してDASII値が変動する測定結果を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10 鋳造装置 11 成形型 11a 窒素ガス導入口 11b 排気口 12 キャビティ 13 流路 14 湯口 15 ほぞ 16 パイプ 17 注湯槽 18 溶湯 20 窒素ガスボンベ 21 アルゴンガスボンベ 28 加熱炉 36 タンク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の溶湯を成形型のキャビティに注湯
    し、キャビティ内で溶湯と還元性物質とを接触させて溶
    湯の表面に形成された酸化皮膜を還元しつつ鋳造する還
    元鋳造法において、 冷却手段により前記成形型を強制冷却した状態で前記キ
    ャビティに溶湯を注入して溶湯を急冷し、 溶湯を急冷して凝固させる凝固速度を600℃/分以上
    とし、 キャビティ内へ溶湯を1.0秒〜9.0秒の充填時間で
    充填することを特徴とする還元鋳造方法。
  2. 【請求項2】 溶湯の凝固速度を600℃/分以上にて
    DASII値を22μm以下としたことを特徴とする請
    求項1記載の還元鋳造方法。
  3. 【請求項3】 前記凝固速度を800℃/分以上とする
    ことを特徴とする請求項1記載の還元鋳造方法。
  4. 【請求項4】 溶湯の凝固速度を800℃/分以上にて
    DASII値を20μm以下としたことを特徴とする請
    求項3記載の還元鋳造方法。
  5. 【請求項5】 溶湯に加圧してキャビティ内に注入する
    ことで、溶湯の注入時間を1.0〜9.0秒に調整する
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の還元
    鋳造方法。
  6. 【請求項6】 還元性物質がマグネシウムであることを
    特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の還元鋳造方
    法。
  7. 【請求項7】 還元性物質がマグネシウム窒素化合物
    (Mg32)であることを特徴とする請求項1〜5いず
    れか1項記載の還元鋳造方法。
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