JP3606848B2 - 還元鋳造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は還元鋳造方法に関し、より詳細には溶湯の未充填状態をなくし、かつ鋳造サイクルを短縮しうる還元鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋳造方法には、重力鋳造法(GDC)、低圧鋳造法(LPDC)、ダイキャスト(DC)、スクイズ(SC)、チクソモールドなど様々な方法がある。これらはいずれも成形型のキャビティ内に溶湯を注入して所定形状に成形するものである。これらの鋳造方法のうち、溶湯の表面に酸化皮膜が形成されやすいもの、たとえばアルミニウム鋳造などでは、溶湯の表面に形成された酸化皮膜によって表面張力が大きくなり、溶湯の流動性、湯周り性、溶着性が低下し、溶湯の未充填、湯じわ等の鋳造欠陥が生じることが問題となる。
【0003】
これらの問題を解決する方法として、本出願人はアルミニウムの溶湯の表面に形成される酸化皮膜を還元して鋳造する還元鋳造方法を提案した(特開2000−280063号公報)。この還元鋳造方法は、窒素ガスとマグネシウムガスとを用いて強い還元性を有するマグネシウム窒素化合物(Mg3N2)を生成し、このマグネシウム窒素化合物をアルミニウムの溶湯に作用させて鋳造する方法である。マグネシウム窒素化合物を成形型のキャビティの表面に析出させた状態で溶湯を注入すると、キャビティの表面に溶湯が接触する際に溶湯の表面の酸化皮膜がマグネシウム窒素化合物の還元作用によって還元され、溶湯の表面が純粋なアルミニウムとなって溶湯の表面張力が低下し、溶湯の流動性が高められる。この結果、湯周り性が良好となり、鋳造欠陥がなく、湯じわ等のないすぐれた外観の鋳造製品を得ることが可能になる。
【0004】
【背景技術】
さらにその後の研究により、上記還元鋳造方法によると、鋳造時における成形型の型温を低温に維持して鋳造できることが判明した。
すなわち、還元鋳造方法による場合は、溶湯の流動性、湯周り性がきわめて良好になるから、重力鋳造法(GDC)等の鋳造方法とは異なり、鋳造時に成形型の型温を高温に維持する必要がない。重力鋳造法等で、鋳造時に成形型を保温しているのは、型温をできるだけ高くしてキャビティに充填する溶湯の流動性を確保するためである。これに対して、還元鋳造方法では溶湯の流動性、湯周り性がきわめて良好であり、数秒のうちにキャビティへの溶湯の充填が完了してしまう。したがって、従来の鋳造方法のように鋳造時に型温を高く維持する必要がない。むしろ、型温をできるだけ下げてキャビティに充填された溶湯をできるだけ速く凝固させるようにすることが、鋳造のサイクルタイムを短縮しうる点で有利となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、溶湯の凝固速度が速くなったことにより、キャビティ内に溶湯が十分行き渡らないうちに溶湯が凝固してしまうという不具合も生じた。
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、凝固速度と溶湯の充填時間との間の関係を定め、溶湯の未充填状態をなくし、かつ鋳造サイクルを短縮しうる還元鋳造方法を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、金属の溶湯を成形型のキャビティに注湯し、キャビティ内で溶湯と還元性物質とを接触させて溶湯の表面に形成された酸化皮膜を還元しつつ鋳造する還元鋳造法において、冷却手段により前記成形型を強制冷却した状態で前記キャビティに溶湯を注入して溶湯を急冷し、溶湯を急冷して凝固させる凝固速度を600℃/分〜3000℃/分とし、注湯からα晶デンドライト結晶構造が完了する時間内にキャビティ内に溶湯を充填することを特徴とする。
また、前記凝固速度を600℃/分〜2000℃/分とすることを特徴とする。
また、溶湯の凝固速度を800℃/分以上とすることを特徴とする。
AC2BもしくはAC4Bの鋳造用合金の場合、キャビティ内へ溶湯を2.7秒〜9秒の充填時間で充填するとよい。
また、2017、2024もしくは2618の鋳造用合金の場合、キャビティ内へ溶湯を1.2秒〜4.0秒の充填時間で充填するとよい。
【0007】
また、金属の溶湯を成形型のキャビティに注湯し、キャビティ内で溶湯と還元性物質とを接触させて溶湯の表面に形成された酸化皮膜を還元しつつ鋳造する還元鋳造法において、冷却手段により前記成形型を強制冷却した状態で前記キャビティに溶湯を注入して溶湯を急冷し、溶湯を急冷して凝固させる凝固速度を600℃/分〜3000℃/分とし、DAS II 値を22μm以下としたことを特徴とする。
また、前記凝固速度を600℃/分〜2000℃/分とすることを特徴とする。
また、溶湯の凝固速度を800℃/分以上にてDAS II 値を20μm以下としたことを特徴とする。
また、溶湯に加圧してキャビティ内に注入するようにすることもできる。
また、還元性物質がマグネシウムであることを特徴とする。
また、還元性化合物がマグネシウム窒素化合物であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る還元鋳造方法を利用して鋳造する鋳造装置10の全体構成を示す説明図である。なお、以下では還元鋳造方法をアルミニウム鋳造に使用する例を示すが、本発明はアルミニウム鋳造に限定されるものではない。
図1で11は成形型であり、12は成形型11の内部に形成したキャビティである。キャビティ12の上部には下方が縮径するテーパ面状に形成された湯口14が設けられ、湯口14にはほぞ15が脱着自在に設けられている。16はほぞ15を上下方向に貫通して設けられたパイプである。
【0009】
17は成形型11の上部に配置された注湯槽である。注湯槽17とキャビティ12とは湯口14を介して連通し、湯口14に取り付けられたほぞ15を開閉操作することによって、キャビティ12への注湯が制御される。本実施形態はアルミニウム鋳造に適用した例であり、注湯槽17にはアルミニウムの溶湯が貯溜される。
【0010】
成形型11の材料は特に限定されるものではないが、熱伝導率の良好な素材によって形成するとよい。また、成形型11を強制的に冷却する冷却手段を設ける。本実施形態では成形型11の冷却手段として成形型11の内部に流路13を設けて冷却水を流路13に常時通流させるようにしている。成形型11を熱伝導率の良好な素材によって形成し、常時、強制的に冷却する理由は、鋳造時における成形型11の型温をできるだけ低温に維持できるようにするためである。したがって、鋳造時における成形型11の型温を効果的に低温に維持できる方法であれば、水冷方法に限るものではない。また、いくつかの冷却手段を併用することももちろん可能である。
【0011】
図1において、20は窒素ガスボンベである。窒素ガスボンベ20は、バルブ24が介装された配管22を介して成形型11に接続され、成形型11に設けた窒素ガス導入口11aからキャビティ12内に窒素ガスが導入可能に設けられている。バルブ24を開放し窒素ガス導入口11aからキャビティ12内に窒素ガスを送入することにより、キャビティ12内のエアがパージされ、キャビティ12内が窒素ガス雰囲気となって実質的に非酸素雰囲気となる。11bは成形型11に設けた排気口である。排気口11bに、バルブ25を介装した配管を介して真空装置を接続し、バルブ25を開放した状態で真空装置を作動させることによってキャビティ12内を非酸素雰囲気とすることもできる。
【0012】
21はアルゴンガスボンベである。アルゴンガスボンベ21は配管26を介して金属ガスを発生する発生器としての加熱炉28に接続されており、配管26に設けられたバルブ30を開閉することによって加熱炉28内へのアルゴンガスの注入が制御される。加熱炉28はヒータ32によって加熱されており、本実施形態においては、炉内温度はマグネシウムの沸点温度以下、かつマグネシウムの融点温度以上に設定され、炉内においてマグネシウムは液体状態となっている。
【0013】
アルゴンガスボンベ21はまた、バルブ33が介装された配管34により、マグネシウム金属が収容されているタンク36に接続され、タンク36は配管38により、バルブ30よりも下流側で配管26に接続されている。40は加熱炉28へのマグネシウムの供給量を制御するために配管38に介装したバルブである。タンク36は加熱炉28へ供給するマグネシウム金属を収容するためのものであり、粉末状あるいは顆粒状のマグネシウム金属が収容されている。
【0014】
加熱炉28は、配管42および、ほぞ15に取り付けられたパイプ16を介して成形型11のキャビティ12に接続する。加熱炉28でガス化されたマグネシウムガスあるいはミスト状となったマグネシウムは、配管42に介装されたバルブ45の開閉操作と、バルブ30によるアルゴンガス圧の制御により成形型11のキャビティ12に導入される。
【0015】
図1に示す鋳造装置10によるアルミニウム鋳造は以下のようにしてなされる。
まず、湯口14にほぞ15が嵌合し湯口14が閉止された状態でバルブ24を開放し、窒素ガスボンベ20から配管22を経由して成形型11のキャビティ12に窒素ガスを注入する。これによって、キャビティ12内の空気がパージされ、キャビティ12内が実質的に非酸素雰囲気となる。キャビティ12を非酸素雰囲気とした後、バルブ24を閉じる。
【0016】
成形型11のキャビティ12に窒素ガスを注入している際、もしくは事前に、バルブ30を開放してアルゴンガスボンベ21から加熱炉28にアルゴンガスを注入し、加熱炉28内を無酸素状態とする。次いで、バルブ30を閉じ、バルブ33およびバルブ40を開いてアルゴンガスボンベ21からのアルゴンガス圧によってタンク36内のマグネシウム金属を加熱炉28に送り込む。加熱炉28は、マグネシウム金属が溶融する温度に加熱されているから、加熱炉28に送り込まれたマグネシウム金属は炉内で溶融した状態となる。加熱炉28からは鋳造操作ごとに繰り返してマグネシウムガスを送出するから、タンク36からはこれらの操作に対応できるよう、ある程度の分量のマグネシウム金属を加熱炉28に送り込むようにする。マグネシウム金属を加熱炉28に送り込んだ後、バルブ33およびバルブ40を閉じる。
【0017】
次に、バルブ30およびバルブ45を開いてアルゴンガスの圧力、流量を調節しつつ、アルゴンガスをキャリアガスとして加熱炉28からパイプ16を経由して成形型11のキャビティ12にマグネシウムガスを注入する。なお、マグネシウムガスとともにミスト状のマグネシウムも加熱炉28から送出される。
キャビティ12にマグネシウムガスを注入した後、バルブ45を閉じ、次いでバルブ24を開放し、窒素ガス導入口11aからキャビティ12に窒素ガスを注入する。キャビティ12に窒素ガスを注入することにより、先に注入したマグネシウムガスと窒素ガスとがキャビティ12内で反応し、還元性化合物であるマグネシウム窒素化合物(Mg3N2)が生成される。マグネシウム窒素化合物は主にキャビティ12の内壁面に析出する。
【0018】
キャビティ12の内壁面にマグネシウム窒素化合物が生成された状態で、ほぞ15をあけ、湯口14からキャビティ12に溶湯18を注入する。
キャビティ12に注入されたアルミニウムの溶湯18は、キャビティ12の内壁面に生成しているマグネシウム窒素化合物と接触し、マグネシウム窒素化合物が溶湯表面の酸化被膜から酸素を奪うことにより、溶湯の表面が純粋なアルミニウムに還元されて充填されていく(還元鋳造方法)。溶湯の表面の酸化皮膜が還元されて純粋なアルミニウムが表面に露出することによって、溶湯の流動性がきわめて良好となる。
このように湯周り性が極めて良好となることから、従来の断熱系塗型を不要とし、また、成形型を高温に維持する必要もないという利点を有する。
【0019】
また、上記のように還元鋳造方法による場合には、きわめて短時間のうちにキャビティ12に溶湯18が充填されるから、成形型11に充填された溶湯18を冷却して短時間のうちに溶湯18を凝固させるようにすることが有効である。成形型11を熱伝導性の良い材料によって製作した場合、成形型11の型温を成形型11が十分な硬度を有する温度以下、たとえば150℃程度以下に保持しておけば、これらの材料によって製作した成形型を使用する鋳造方法で溶湯とのかじりを防止して鋳造することが可能である。
【0020】
溶湯の凝固速度を、600℃/分(成形型11内での溶湯の単位時間当りの温度降下)以上、好ましくは800℃/分以上とするのがよい。凝固速度が大きいほど、鋳造品の結晶構造が緻密となり、強度が増大するので好適である。
この凝固速度は、従来のDCに近いものとなっている。しかし、この還元鋳造方法では、DCのようなスプラッシュまたは噴霧状充填による急冷ではなく、層流または一部乱流状態での溶湯の充填が可能で、内部品質も極めて良好で、後記するDASII値も小さく、伸び、強度等の向上が得られる。
【0021】
図2は、アルミニウム鋳造において溶湯の凝固速度を変えた場合に凝固体中の樹枝状結晶(デンドライト)の間隔がどのように変化するかを測定した結果を示す。測定はキャビティ12に充填されて凝固したアルミニウムの一部分を採取してサンプルとし、電子顕微鏡によって樹枝状結晶の間隔を測定することによって行った。図2では、横軸に凝固速度を示し、縦軸に凝固したアルミニウムの樹枝状結晶間隔を「DASII値」として示した。
【0022】
図2から、凝固速度が約600℃/分以上の場合にはキャビティ12に充填されて凝固されたアルミニウムの樹枝状結晶(デンドライト)の間隔は平均で22μm以下となり、凝固速度が約800℃/分以上の場合の樹枝状結晶の間隔は平均で20μm以下となる。
アルミニウムの樹枝状結晶の間隔は凝固体(鋳造品)の緻密性に関わり、樹枝状結晶の間隔が小さくなるほどアルミニウムの結晶構造が緻密となり、得られる鋳造品の機械的強度が向上する。
機械的強度の点から、DASII値は22μm以下、好ましくは20μm以下がよい。
【0023】
従来の鋳造方法においては凝固速度が遅く、特にGDC、LPDCでの断熱系塗型を有するもので特に遅くなり、偏析、ヒケ等に対する対応が困難で、いかに指向性冷却を行うかの課題があった。その凝固速度は100℃/分程度で、薄肉部であっても、750℃/分程度であり、後記するDASII値でも、3
5〜20μmのレベルでしかなかった。
【0024】
次に溶湯の充填時間について検討する。
溶湯の充填時間は、鋳造合金の材料と、上記設定される凝固速度との関係で決まる。
一般にAC2B、AC4B等の鋳造用合金は、その凝固において、注湯からα晶デンドライト結晶構造の完了まではほぼ90℃の温度差(90℃の温度低下)を有する。すなわち、90℃の温度低下によって、凝固するということになる。この間に、キャビティ12内に溶湯充填を完了させる必要がある。
凝固速度を600℃/分〜2000℃/分に設定すれば、溶湯の充填時間は9.0秒〜2.7秒となる。
【0025】
一方、2017、2024、2618等の鍛造用合金は、その凝固において、注湯からα晶デンドライト結晶構造の完了まではほぼ40℃の温度差を有する。凝固速度を600℃/分〜2000℃/分に設定すれば、溶湯の充填時間は4.0秒〜1.2秒となる。
すなわち、鋳造合金の材料により相違はあるが、溶湯のキャビティ12内への充填を、ほぼ1.0〜9.0秒の間に、キャビティ12の全ての部位に完了させないと、キャビティ12内の一部で凝固が開始され、溶湯の未充填部分が生じる。
【0026】
現実には、キャビティ12の各部位において、肉厚、肉薄の部位があり、均等ではない。まず肉厚部に溶湯が回り込み、凝固速度の速い薄肉部への湯周りが遅くなることから、薄肉部で充填が完了しないうちから凝固が始まるおそれがある。
したがって、上記所要時間内にキャビティ12の全ての部位に充填が完了するように管理する必要がある。
溶湯が周りにくい薄肉部がある場合などは、手段は問わないが、LPDC法と同様にして、溶湯を加圧し、所要時間内にキャビティ12の全ての部位に溶湯を充填するようにするのが好適である。そのためにまた、湯口の径、形状、位置、数などを工夫することも重要である。
【0027】
上記凝固速度で、所要時間内にキャビティ12の全ての部位に溶湯が充填されるように管理することによって、もともと湯周り性が良好であることから、キャビティ12の微細部分にも確実に溶湯を充填することができ、溶湯の未充填等による鋳造欠陥がなくなる。また、溶湯表面の酸化皮膜が除去されることから、鋳造品の表面に湯じわ等が発生せず、良好な外観の鋳造品が得られる。
【0028】
上記実施の形態では、マグネシウムガス、窒素ガスを直接キャビティ内に導入して、キャビティ内でマグネシウム窒素化合物を生成させたが、成形型の直前に反応チャンバを設け(図示せず)、この反応チャンバ内にアルゴンガスと共にマグネシウムガスと、窒素ガスを導入して、反応チャンバ内で反応させてマグネシウム窒素化合物を生成させ、このマグネシウム窒素化合物をキャビティ内に導入してもよい。
また、上記実施の形態では、溶湯の還元性物質として、マグネシウム窒素化合物を例に説明したが、マグネシウム単体や、その他の還元性物質を用いることもできる。
キャリアガスもアルゴンガス以外の不活性ガスや非酸化性ガスを用いてもよい。
さらに、上記実施の形態においては、アルミニウム鋳造方法について説明したが、本発明方法はアルミニウム鋳造に限定されるものではなく、種々のアルミニウム合金、マグネシウム、鉄等の各種金属あるいはこれらの合金を鋳造材料とする鋳造方法に適用することができる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、上述したように、溶湯の凝固速度、溶湯の充填時間を管理してキャビティの全ての部位に溶湯が充填されるようにすることによって、もともと湯周り性が良好であることから、鋳造サイクルを短縮できると共に、キャビティの微細部分にも確実に溶湯を充填することができ、溶湯の未充填等による鋳造欠陥がなくなる。また、溶湯表面の酸化皮膜が除去されることから、鋳造品の表面に湯じわ等が発生せず、良好な外観の鋳造品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る還元鋳造方法により鋳造する鋳造装置の構成例を示す説明図である。
【図2】アルミニウム材料について、溶湯の凝固速度に対してDASII値が変動する測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
10 鋳造装置
11 成形型
11a 窒素ガス導入口
11b 排気口
12 キャビティ
13 流路
14 湯口
15 ほぞ
16 パイプ
17 注湯槽
18 溶湯
20 窒素ガスボンベ
21 アルゴンガスボンベ
28 加熱炉
36 タンク

Claims (11)

  1. 金属の溶湯を成形型のキャビティに注湯し、キャビティ内で溶湯と還元性物質とを接触させて溶湯の表面に形成された酸化皮膜を還元しつつ鋳造する還元鋳造法において、
    冷却手段により前記成形型を強制冷却した状態で前記キャビティに溶湯を注入して溶湯を急冷し、
    溶湯を急冷して凝固させる凝固速度を600℃/分〜3000℃/分とし、
    注湯からα晶デンドライト結晶構造が完了する時間内にキャビティ内に溶湯を
    充填することを特徴とする還元鋳造方法。
  2. 前記凝固速度を600℃/分〜2000℃/分とすることを特徴とする請求項1記載の還元鋳造方法。
  3. 溶湯の凝固速度を800℃/分以上とすることを特徴とする請求項1項記載の還元鋳造方法。
  4. AC2BもしくはAC4Bの鋳造用合金を用い、キャビティ内へ溶湯を2.7秒〜9秒の充填時間で充填することを特徴とする請求項2記載の還元鋳造方法。
  5. 2017、2024もしくは2618の鋳造用合金を用い、キャビティ内へ溶湯を1.2秒〜4.0秒の充填時間で充填することを特徴とする請求項2記載の還元鋳造方法。
  6. 金属の溶湯を成形型のキャビティに注湯し、キャビティ内で溶湯と還元性物質とを接触させて溶湯の表面に形成された酸化皮膜を還元しつつ鋳造する還元鋳造法において、
    冷却手段により前記成形型を強制冷却した状態で前記キャビティに溶湯を注入して溶湯を急冷し、
    溶湯を急冷して凝固させる凝固速度を600℃/分〜3000℃/分とし、DAS II 値を22μm以下としたことを特徴とする還元鋳造方法。
  7. 前記凝固速度を600℃/分〜2000℃/分とすることを特徴とする請求項6記載の還元鋳造方法。
  8. 溶湯の凝固速度を800℃/分以上にてDAS II 値を20μm以下としたことを特徴とする請求項6または7記載の還元鋳造方法。
  9. 溶湯に加圧してキャビティ内に注入することを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の還元鋳造方法。
  10. 還元性物質がマグネシウムであることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載の還元鋳造方法。
  11. 還元性化合物がマグネシウム窒素化合物であることを特徴とする請求項1〜10いずれか1項記載の還元鋳造方法。
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