JPH10272548A - 半凝固ダイカスト鋳造方法及び鋳造装置 - Google Patents

半凝固ダイカスト鋳造方法及び鋳造装置

Info

Publication number
JPH10272548A
JPH10272548A JP8118797A JP8118797A JPH10272548A JP H10272548 A JPH10272548 A JP H10272548A JP 8118797 A JP8118797 A JP 8118797A JP 8118797 A JP8118797 A JP 8118797A JP H10272548 A JPH10272548 A JP H10272548A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten metal
casting
semi
casting sleeve
sleeve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8118797A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3887806B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Hagiwara
弘之 萩原
Kazuo Oda
和男 小田
Masanori Honda
正典 本多
Ryoichi Shibata
良一 柴田
Yoshio Kaneuchi
良夫 金内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP08118797A priority Critical patent/JP3887806B2/ja
Publication of JPH10272548A publication Critical patent/JPH10272548A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3887806B2 publication Critical patent/JP3887806B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳込みスリーブで溶融金属の初晶を実質的に
粒状化させて半溶融状態として金型キャビテイ内に加圧
充填するダイカスト鋳造方法では、鋳込みスリーブ内の
溶湯温度が鋳造条件により変動するため、得られる部品
の機械的性質が安定しないという課題がある。 【解決手段】 溶湯を層流で鋳込みスリーブ底部より供
給し、鋳込みスリーブで溶融金属の初晶を実質的に粒状
化させて半溶融状態とし、鋳込みスリーブ内の溶湯を測
定して所定の固相率として金型キャビテイ内に加圧充填
して凝固させることにより、湯流れを層流として空気の
巻き込みを防止しかつ酸化物の発生を抑制して機械的特
性に優れた高強度部材を鋳造することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的性質に優れ
た高品質の鋳物を製造するための半凝固ダイカスト鋳造
方法及び鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカスト鋳造方法は、鋳込みスリーブ
内の溶融金属(以下溶湯と略す)を金型キャビテイ内に
加圧充填して固化し、鋳物を製造する鋳造方法である。
このダイカスト鋳造方法は、得られる鋳物の寸法精度が
高く、高速で多量生産が可能で、完全自動化が可能であ
るという利点があり、アルミニウム合金等の低融点金属
鋳物の鋳造に多用されている。一方、ダイカスト鋳造方
法には、鋳込みスリーブ内に注入された溶湯が鋳込みス
リーブ内壁で急冷されて凝固片が発生し、この凝固片が
鋳込まれて製品の機械的強度を低下させるという問題が
ある。また、射出時に鋳込みスリーブ中の空気が溶湯中
に巻き込まれて鋳物中に混入すると、熱処理をした場合
にブリスタと呼ばれる膨れが発生しやはり機械的強度低
下の原因となる。従って、そのままではダイカスト鋳造
方法により得られる鋳物を高強度を要求される強度部材
へ適用することは難しい。
【0003】上記問題を解決する手段として、特殊ダイ
カスト鋳造方法がある。この特殊ダイカスト鋳造方法と
しては、鋳込みスリーブ内壁での凝固片の発生を防止す
ることを目的として鋳込みスリーブを加熱するホットス
リーブ法、鋳込みスリーブ中の空気の巻き込みを低減す
ることを目的とした縦射出式ダイカスト鋳造方法などが
ある。しかし、これらの特殊ダイカスト鋳造方法におい
ても、射出速度が大きくなると鋳込みスリーブ内の溶湯
が乱れて空気が巻き込まれて製品中に取り込まれ、機械
的性質の低下の原因となる。
【0004】以上の各種ダイカスト鋳造方法とは別に特
開平8ー257722号公報に、鋳込みスリーブにおい
て溶湯の初晶を粒状化させて半溶融状態として金型キャ
ビテイ内に加圧充填し、凝固させることを特徴とする半
凝固ダイカスト鋳造方法が開示されている。この特開平
8ー257722号公報に示されたダイカスト鋳造方法
によれば、液相線付近の温度から鋳込みスリーブに給湯
し、溶湯の温度を液相線近傍から液相線より低く固相線
または共晶線より高い所定の温度まで所定の冷却速度で
低下させ、溶湯の初晶を実質的に粒状化させて半溶融状
態にすると、粒状の初晶と共晶温度以上の液体とによる
チキソトロピーを得ることができ、半溶融溶湯のチキソ
トロピー性を利用してスリーブから金型への充填を層流
とすることにより、金型キャビテイへの充填時のガスの
巻き込みをすくなくすることができるとしている。すな
わち、半溶融状態の固相率を30%以上とすることによ
り溶湯にチキソトロピー性を付与することができ、組織
が粒状化して固相が存在すれば力が加わった時に粒状化
した固相の移動と液相の移動が同時に起り、固液が共に
移動する現象が生じ鋳造品の欠陥が減少し、ガス含有量
が減少して熱処理してもブリスタが発生しないとされて
いる。なおチキソトロピーとは、粒状の固体と液体とが
ある割合で混ざったものが示す性質であり、振動やせん
断力により液化し、放置しておくと固化する現象であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の特開平
8ー257722号公報に示されたダイカスト鋳造方法
においては、初晶を実質的に粒状化させる手段として溶
湯を液相線付近の温度で鋳込みスリーブに給湯し、溶湯
温度を液相線近傍から液相線より低く固相線または共晶
線より高い所定の温度まで所定の冷却速度で低下させ、
溶湯の初晶を実質的に粒状化させる必要があるが、温度
を検出するための手段が明らかにされていない。
【0006】溶解炉や保持炉内の溶融アルミの温度測定
には熱電対が一般的に使用されているが、溶融アルミに
より溶損するのを防止するため、窒化珪素、アルミナな
どのセラミックの保護管の中に熱電対を挿入して使用す
る。しかし、セラミック保護管の中に熱電対を組み込ん
だ構成となる温度測定方法は、数10秒から1分程度の
応答時間を要し、速い応答を必要とする上記用途での温
度測定においては適用できない。速い応答速度を必要と
する温度測定において、ステンレス鋼、インコネル等の
細い金属製保護管の中に、熱電対素線と酸化マグネシウ
ムなどの絶縁物を入れたシース熱電対が用いられてい
る。しかし、シース熱電対を用い連続的に浸漬した状態
で上記スリーブ内溶融アルミの温度を測定しようとする
と、短期間で金属保護管表面のうちの溶湯表面との接触
面近傍からシース熱電対の金属表面が損耗し最後には破
損して使用不能となる。また、間欠的にアルミ溶湯に浸
漬して温度測定に使用すると、次第に金属保護管表面に
溶融アルミが固着・成長し、その結果測定する温度の応
答時間が長くなるという問題がある。
【0007】また、上述の特開平8ー257722号公
報に示されたダイカスト鋳造方法においては、鋳込みス
リーブにおいて溶湯の初晶を実質的に粒状化して半溶融
状態として金型キャビテイに加圧充填し凝固させること
により溶湯へのガスの巻き込みを防止することができる
としているが、ラドル等を使用して鋳込みスリーブ上部
から溶湯を落しこむと、溶湯が落下して鋳込みスリーブ
内で流動することにより空気を巻き込んでブリスタの原
因となるだけでなく、溶湯の酸化が進行し、最終的に凝
固した製品中に酸化物に起因する欠陥が発生し機械的強
度を低下させるという問題が生じる。本発明は、鋳込み
スリーブ内の溶湯温度を測定して半溶融状態になったこ
とを確認した後に溶湯を金型キャビテイに射出するとと
もに、溶湯へのガスの巻き込みを防止してブリスタや酸
化物などの発生しない機械的性質の優れた鋳物を得るこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の半凝固ダイカス
ト鋳造方法は、鋳込みスリーブにおいて溶湯の初晶を実
質的に粒状化させて半溶融状態として金型キャビテイ内
に加圧充填するに際し、鋳込みスリーブ内溶湯の温度を
測定して金型への射出制御を行うことを特徴とする。溶
湯の初晶を実質的に粒状化させるためには、鋳込みスリ
ーブ内溶湯の温度を、液相線近傍から液相線より低く固
相線または共晶線より高い所定の温度まで所定の速度で
低下させながら、この過程で機械攪はん、電磁攪はん等
で溶湯を流動化させる方法がある。液相線近傍温度とし
ては、例えばA357合金であれば、液相線下10℃付
近から液相線上40℃程度である。それより高いとデン
ドライドが成長しやすく、それより低いと給湯前にデン
ドライトが発生する。所定の冷却速度を実現するには、
鋳込みスリーブをコールドクルーシブル構造とし、高周
波で溶湯を電磁攪拌しつつ熱量を与えるとともに、スリ
ーブを冷却することによって行うことができる。この冷
却速度は、10℃/秒未満程度とするのが好ましい。以
上は実際に鋳込みスリーブ内の温度を測定することによ
って制御することが望ましい。
【0009】また、鋳込みスリーブ内への溶湯の給湯
は、液相線付近の温度の溶湯を鋳込みスリーブ底部より
層流で給湯するとよい。これにより、給湯時に空気の溶
湯への巻き込みを最小限として溶湯の酸化を防止するこ
とができる。さらに、溶湯を鋳込みスリーブに供給する
時、鋳込みスリーブ内を不活性ガス雰囲気として溶湯表
面が不活性ガスに覆われた状態とすることで、溶湯を金
型キャビテイに射出成形するに際し酸化物の発生を防止
することができる。
【0010】鋳込みスリーブ内の溶湯温度測定は、シー
ス熱電対の金属保護管にセラミックコーティングを施し
てシース熱電対を溶湯内に挿入し揺動させることによ
り、金属保護管の溶損を防ぎつつ溶湯の付着を防止す
る。揺動は周波数1Hz以上の周期で、好ましくは1.
5Hz以上で行うのが望ましい。また本発明の半凝固ダ
イカスト鋳造方法は、鋳込みスリーブ内へ溶湯を給湯す
る際に、金属保護管にセラミックスコーティングを施し
たシース熱電対の温度上昇にて給湯時の鋳込みスリーブ
内の溶湯レベルを検出し、その後溶湯内に浸漬して揺動
することにより溶湯温度を検出し、金型への射出制御を
するするものである。すなわち、鋳込みスリーブ内に供
給する溶湯量に合わせた所定の位置にシース熱電対先端
がくるように配置することによって、給湯時の熱電対の
温度上昇を検知し、鋳込みスリーブ内の溶湯レベルを検
出することができる。その結果、鋳込みスリーブ内に供
給する溶湯量を毎回一定にするよう制御することが可能
となる。
【0011】また、本発明の半凝固ダイカスト鋳造装置
は、鋳込みスリーブ内で溶融金属の初晶を実質的に粒状
化させて半溶融状態として金型キャビテイ内に加圧充填
し凝固させる半凝固ダイカスト鋳造装置において、金属
保護管にセラミックコーティングを施したシース熱電対
と、該シース熱電対先端を鋳込みスリーブ内に挿入すべ
く移動させる移動手段と、該シース熱電対を揺動させる
揺動手段と、ガス供給用穴が穿孔された溶湯金属流路を
有し給湯装置からの溶融金属を鋳込みスリーブへ供給す
るマウスピースとを備えていることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して詳
細に説明する。図1には本発明の半凝固ダイカスト鋳造
装置の一実施例を示す。図1において、1は縦型ダイカ
スト装置の金型で、固定型1aと可動型1bで構成し左
右に分割する構造とする。2は非磁性金属材料を使用し
た鋳込みスリーブで、金型1の下方に設けた湯口部に上
端を嵌合した縦型配置構造とし、アルミ溶湯と接触する
内面にはセラミック製の内筒3を嵌合して構成する。鋳
込みスリーブ2には、その側面下部でかつ射出チップ5
が後退した時開口する位置にアルミ溶湯の給湯口4を設
け、給湯口の上方から鋳込みスリーブ2の上部にかけて
鋳込みスリーブ2の周囲に高周波コイル6を設置する。
高周波コイル6に該当する鋳込みスリーブ2には冷却用
の流路10を穿孔し、水や空気等の媒体を流通し冷却可
能ないわゆるコールドクルーシブル構造とする。
【0013】給湯口4には、給湯口と同等口径の溶湯の
流路を有するマウスピース7を接続し、さらにマウスピ
ース7の他端接続口にアルミ溶湯の給湯管9を接続す
る。マウスピース7の流路途中には垂直管部を設けると
共に、その上部にガス供給口8を穿孔して配管を接続
し、アルゴンガスや窒素等の不活性ガスを供給すること
ができる構造とする。マウスピース7は炭化珪素やカー
ボンセラミック等の耐火物を用いることができる。給湯
管9はアルミ給湯装置又はアルミ保持炉(図示せず)に
連通し、アルミ溶湯20を供給できるように構成する。
アルミ溶湯20の液面は、通常マウスピース7の垂直部
の任意の位置に保持する。アルミ給湯装置は、電磁ポン
プ方式あるいはガス加圧方式などを用いることができる
が、溶湯の給湯開始及び停止、供給量の制御を行える方
式が望ましい。マウスピース7及び給湯管9は、管内で
アルミ溶湯が凝固することを防止するため、その外側に
シーズヒーターやカートリッジヒーターを設け、さらに
断熱材により保温し表面からの放熱を防止する(図示せ
ず)。前記ヒーターは、マウスピース7の温度がその中
の溶湯温度を液相線温度近傍に保持できるよう制御され
ている。
【0014】溶湯温度測定用の熱電対11は、基台30
に設けたアクチュエータ、例えばエアシリンダ12に取
り付け、図2に示すように金型1が開放した状態でエア
シリンダ12を前進させるとともに、基台30を移動す
る(移動装置図示せず)ことにより熱電対11を鋳込み
スリーブ2内に挿入する構造とするようになっている。
熱電対にはシース熱電対を使用し、シース熱電対の金属
保護管表面には例えば窒化ホウ素などのセラミック粉体
を塗布し、セラミックコーティングする。エアシリンダ
12には前進端センサ14と中間センサ13を設け、熱
電対11が溶融アルミに浸漬された状態で前進端センサ
14と中間センサ6の間で前進・後退を繰り返して揺動
させる。この動作はストロークの短いシリンダをもう1
台取付けることによっても代用可能である。熱電対11
は温度検出器15に接続されており、温度検出器15に
は予め溶融アルミが半溶融状態となる温度を設定するこ
とにより、射出チップ5の上昇のタイミングとすること
ができる。
【0015】第1図及び第2図をもちいて、本発明の半
凝固ダイカスト鋳造方法の鋳造過程を説明する。マウス
ピース7の上部のガス供給口8から不活性ガスを供給
し、マウスピース7および鋳込みスリーブ2、さらに金
型1のキャビティ内を不活性ガス雰囲気に保持してお
く。金型1の可動型1bを水平移動して鋳込みスリーブ
上面の一部を開放し、エアシリンダ12を前進させると
ともに、基台30を移動することにより、シース熱電対
11をその先端が鋳込みスリーブ2内の所定の位置にな
るよう挿入する。シース熱電対11の先端の位置は、鋳
込みスリーブ2内に給湯すべき溶湯のレベルと一致させ
る。溶湯の鋳込みスリーブ内のレベルは、鋳造しようと
する製品により異なり、そのレベルに合わせてシース熱
電対の先端の位置を調節可能な構成とする(図示せ
ず)。続いて、給湯装置により溶湯20を鋳込みスリー
ブ2に供給を開始する。溶湯は、マウスピース7から給
湯口4を経て、層流となるように鋳込みスリーブ2に流
入する。溶湯が所定のレベルに到達すると熱電対11の
検出温度が上昇して溶湯レベルであることを検出し、温
度検出器15からの信号により給湯装置に溶湯レベルを
そのまま保持するよう指令を与える。この時、溶湯表面
は不活性ガスで覆われた状態で給湯される。なお、ガス
供給口8とガスボンベ間の配管に逆止弁を設けることに
より、マウスピース側の圧力が上昇してもアルミ溶湯の
流入を防止することができる。
【0016】次に射出チップ5が鋳込みスリーブ2内を
上昇し、図2に示すようにチップ先端が給湯口4を通過
して閉塞した位置で停止し、給湯装置に溶湯をマウスピ
ースの垂直管部まで戻すよう指令する。射出チップ5先
端の停止位置は、その移動距離を常にセンサで監視する
ことにより制御することができる。この時、鋳込みスリ
ーブ2内の溶湯面は射出チップ5の移動量分上昇し、熱
電対11の先端部は溶湯内に浸漬する。なお、給湯口4
が射出チップ5で閉塞されるため、マウスピース7上部
に設けたガス供給口8からアルゴンガスや窒素ガスが供
給されているため、マウスピース内での溶湯の下降を促
進し、併せて溶湯の酸化を防止することができる。
【0017】鋳込みスリーブ2内の溶湯は、鋳込みスリ
ーブ内に穿孔された冷却用の流路10の冷却媒体で冷却
されて初晶を形成し、併せて高周波コイル6で電磁撹拌
を加えることにより溶湯を流動化し組織を球状化する。
この時、溶湯温度測定用の熱電対11を溶湯内で上下に
揺動させながら溶湯温度を連続的に測定し、固相率10
〜60%の範囲の予め設定した固相率となる所定の温度
に到達したことを検出し、温度検出器15からの信号
で、エアシリンダ12を後退させるとともに、基台30
を元の位置に戻した後、可動金型1bを締め、射出チッ
プ5を上昇させて半凝固状態の溶湯を金型キャビテイに
射出する。
【0018】図3には、溶融アルミに直径1mmのセラ
ミックコーティングを施したシース熱電対を30秒間、
上下に揺動しながら浸漬した場合の温度測定における応
答時間の測定結果を示す。ここでの応答時間は、熱電対
が溶融アルミ中に浸漬してから最高温度に到達するのに
要する時間である。1回目はアルミが付着していない状
態で測定を行い、2回目以降はアルミが付着したまま
で、連続して測定を行った。この時、熱電対の揺動振幅
を30mm、浸漬深さは最大で55mmとした。その結
果、揺動の周波数を 1.9Hz、2.9Hzでは浸漬
を繰り返してもアルミの付着量に変化はなく応答時間は
ほぼ一定となるが、揺動周波数0.9Hzでは浸漬回数
の増加に伴い、応答時間が増大する結果となる。これよ
り揺動周波数は、1Hz以上、好ましくは1.5Hz以
上が良い。
【0019】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、鋳
込みスリーブ内の溶湯温度を計測して金型への射出制御
を行うため、半溶融状態の溶湯固相率を一定条件で鋳造
することが可能となり、その結果湯流れを層流として空
気の巻き込みを最小限とすることができる。また、溶湯
を鋳込みスリーブ低部から不活性ガス雰囲気中で給湯す
ることにより給湯時の酸化物の発生を抑制し、その結果
得られる製品の機械的性質が向上して、高強度を必要と
する部材の鋳造を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半凝固ダイカスト鋳造装置を説明する
ための図
【図2】本発明の半凝固ダイカスト鋳造方法における溶
湯温度測定を説明するための図
【図3】シース熱電対の揺動周波数による、浸漬回数と
応答時間の関係
【符号の説明】
1 金型 2 鋳込みスリーブ 3 内筒 5
射出チップ 6 高周波コイル 7 マウスピース 9 給湯管
11 シース熱電対 12 エアシリンダ 15 温度検出器 20 溶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 良一 栃木県真岡市鬼怒ケ丘11番地 日立金属株 式会社素材研究所内 (72)発明者 金内 良夫 栃木県真岡市鬼怒ケ丘11番地 日立金属株 式会社素材研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳込みスリーブ内で溶融金属の初晶を実
    質的に粒状化させて半溶融状態として金型キャビテイ内
    に加圧充填し凝固させる半凝固ダイカスト鋳造方法にお
    いて、鋳込みスリーブ内溶融金属の温度を測定して金型
    への射出制御を行うことを特徴とする半凝固ダイカスト
    鋳造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半凝固ダイカスト鋳造方
    法において、液相線近傍の温度の溶融金属を鋳込みスリ
    ーブ底部より層流で鋳込みスリーブ内に給湯することを
    特徴とする半凝固ダイカスト鋳造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の溶融金属温度測定は、金
    属保護管にセラミックスコーティングを施したシース熱
    電対を溶融金属内に挿入し揺動させて行うことを特徴と
    する半凝固ダイカスト鋳造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の温度測定方法におい
    て、周波数1Hz以上の周期で揺動させることを特徴と
    する半凝固ダイカスト鋳造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の半凝固ダイカスト
    鋳造方法において、鋳込みスリーブ内への給湯時の溶融
    金属レベルを金属保護管にセラミックスコーティングを
    施したシース熱電対にて検出して給湯量の制御を行い、
    その後溶融金属内に浸漬し、揺動して溶融金属温度を測
    定することを特徴とする半凝固ダイカスト鋳造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の半凝
    固ダイカスト鋳造方法において、溶融金属表面が不活性
    ガスに覆われた状態で金型に射出成形することを特徴と
    する半凝固ダイカスト鋳造方法。
  7. 【請求項7】 鋳込みスリーブ内で溶融金属の初晶を実
    質的に粒状化させて半溶融状態として金型キャビテイ内
    に加圧充填し凝固させる半凝固ダイカスト鋳造装置にお
    いて、金属保護管にセラミックコーティングを施したシ
    ース熱電対と、該シース熱電対先端を鋳込みスリーブ内
    に挿入すべく移動させる移動手段と、該シース熱電対を
    揺動させる揺動手段と、ガス供給用穴が穿孔された溶湯
    金属流路を有し給湯装置からの溶融金属を鋳込みスリー
    ブへ供給するマウスピースとを備えていることを特徴と
    する半凝固ダイカスト鋳造装置。
JP08118797A 1997-03-31 1997-03-31 半凝固ダイカスト鋳造方法及び鋳造装置 Expired - Fee Related JP3887806B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08118797A JP3887806B2 (ja) 1997-03-31 1997-03-31 半凝固ダイカスト鋳造方法及び鋳造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08118797A JP3887806B2 (ja) 1997-03-31 1997-03-31 半凝固ダイカスト鋳造方法及び鋳造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10272548A true JPH10272548A (ja) 1998-10-13
JP3887806B2 JP3887806B2 (ja) 2007-02-28

Family

ID=13739472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08118797A Expired - Fee Related JP3887806B2 (ja) 1997-03-31 1997-03-31 半凝固ダイカスト鋳造方法及び鋳造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3887806B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003534917A (ja) * 2000-06-01 2003-11-25 エイ・イー・エム・ピー・コーポレーション 容器用の熱ジャケット
JP2004507361A (ja) * 2000-06-01 2004-03-11 エイ・イー・エム・ピー・コーポレーション 鋳造用半固体材料のオンデマンド製造方法及び装置
JP2011501701A (ja) * 2007-10-12 2011-01-13 エイジャックス トッコ マグネサーミック コーポレーション 半液体金属の加工・検出装置、並びに該装置を用いた加工・検出方法
CN102507033A (zh) * 2011-10-20 2012-06-20 清华大学 液态金属冷却定向凝固过程中铸件温度的测量方法
US9574826B2 (en) 2012-09-27 2017-02-21 Ajax Tocco Magnethermic Corporation Crucible and dual frequency control method for semi-liquid metal processing
JP2019063835A (ja) * 2017-10-04 2019-04-25 株式会社日本製鋼所 マグネシウム合金からなる鍛造用素材の製造方法
CN113766982A (zh) * 2019-05-17 2021-12-07 芝浦机械株式会社 压铸机

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003534917A (ja) * 2000-06-01 2003-11-25 エイ・イー・エム・ピー・コーポレーション 容器用の熱ジャケット
JP2004507361A (ja) * 2000-06-01 2004-03-11 エイ・イー・エム・ピー・コーポレーション 鋳造用半固体材料のオンデマンド製造方法及び装置
JP2011501701A (ja) * 2007-10-12 2011-01-13 エイジャックス トッコ マグネサーミック コーポレーション 半液体金属の加工・検出装置、並びに該装置を用いた加工・検出方法
US8728196B2 (en) 2007-10-12 2014-05-20 Ajax Tocco Magnethermic Corporation Semi-liquid metal processing and sensing device and method of using same
CN102507033A (zh) * 2011-10-20 2012-06-20 清华大学 液态金属冷却定向凝固过程中铸件温度的测量方法
US9574826B2 (en) 2012-09-27 2017-02-21 Ajax Tocco Magnethermic Corporation Crucible and dual frequency control method for semi-liquid metal processing
JP2019063835A (ja) * 2017-10-04 2019-04-25 株式会社日本製鋼所 マグネシウム合金からなる鍛造用素材の製造方法
CN113766982A (zh) * 2019-05-17 2021-12-07 芝浦机械株式会社 压铸机

Also Published As

Publication number Publication date
JP3887806B2 (ja) 2007-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1119759A (ja) ダイカスト鋳造方法および装置
CA2855799A1 (en) Die cast nozzle and method for operating a die cast nozzle
JP3887806B2 (ja) 半凝固ダイカスト鋳造方法及び鋳造装置
JP3247265B2 (ja) 金属の鋳造法及びその装置
US4580617A (en) Induction casting machine and method of casting
JPH01170550A (ja) 鋼の連続鋳造用鋳型
US5309976A (en) Continuous pour directional solidification method
US4349145A (en) Method for brazing a surface of an age hardened chrome copper member
JPS5847262B2 (ja) 加圧鋳造方法
JP2952523B2 (ja) 部材の鋳造法およびその装置
JP2000343198A (ja) ダイカスト鋳造方法
WO2000044516A1 (en) Casting method and apparatus
JP3606848B2 (ja) 還元鋳造方法
GB2212749A (en) Controlling die temperature in low-pressure casting process
CA2999637C (en) Continuous casting process of metal
JPS60191640A (ja) 加熱鋳型式連続鋳造法における鋳塊鋳造法
JP3604375B2 (ja) 還元鋳造方法
JPH1157972A (ja) 圧力鋳造装置
JPS61135470A (ja) 低圧鋳造装置
GB2135919A (en) Improvements in horizontal continuous casting
JPS5858973A (ja) 誘導鋳造機及び鋳造方法
JP4291750B2 (ja) 温度管理法及び半溶融鋳造法
JPH0819844A (ja) 連続鋳造機における鋳造制御方法
JP3643487B2 (ja) チクソキャスティング用材料の加熱方法
JPH04125046U (ja) 帯状金属鋳塊の水平式連続鋳造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040216

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040721

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060317

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061119

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees