JP2003261502A - ペルフルオロ(3−メトキシプロピオニルフルオリド)の製造方法 - Google Patents

ペルフルオロ(3−メトキシプロピオニルフルオリド)の製造方法

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JP2003261502A
JP2003261502A JP2002058815A JP2002058815A JP2003261502A JP 2003261502 A JP2003261502 A JP 2003261502A JP 2002058815 A JP2002058815 A JP 2002058815A JP 2002058815 A JP2002058815 A JP 2002058815A JP 2003261502 A JP2003261502 A JP 2003261502A
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Kazuya Oharu
一也 大春
Yoichi Takagi
洋一 高木
Eisuke Murotani
英介 室谷
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Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来方法よりも簡便な方法によって、フッ素ゴ
ム原料の中間体として有用なCFO(CFCO
Fを製造する。 【解決手段】化合物(3)を液相フッ素化してペルフル
オロ化することにより化合物(4)を得て、つぎにエス
テル結合の分解反応を行う。ただし、Qはn価含フッ素
有機基、Qはペルフルオロ化されたn価有機基、nは
1以上の整数、X 、Xは、水素原子またはフッ素原
子。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はペルフルオロ(3−
メトキシプロピオニルフルオリド)を効率的に製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CFO(CFCOF(ペルフル
オロ(3−メトキシプロピオニルフルオリド))は、フ
ッ素ゴム原料の中間体として有用な化合物である。従
来、CF O(CFCOFは、CHOCH
COClの電解フッ素化反応により製造されてき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法は生
成物の沸点が低いことから、加圧で操作可能な特殊な電
解装置が必要であり、電解フッ素化特有の分岐した異性
体を副生する問題があった。
【0004】一方、液相フッ素化法を用いる方法とし
て、炭素原子に結合した水素原子を有する有機化合物を
液相中でフッ素と反応させてペルフルオロ化するが知ら
れている(WO90/03353)。本発明者らは、該
方法をペルフルオロ(3−メトキシプロピオニルフルオ
リド)の製造方法に適用しようと考え、対応する炭素骨
格を有し、かつ、容易に入手できるCHO(CH
COOCHを入手し、これを液相フッ素化した後に
エステル結合を分解させる方法を検討した。しかし該方
法は、CHO(CHCOOCHの沸点が低い
ことから、液相フッ素化反応時に気相でのフッ素化反応
も起こり、化合物が分解するために収率の顕著な低下が
認められた。また気相でのフッ素化を回避するために、
反応系を加圧にして液相フッ素化を行う方法も検討した
が、加圧でのフッ素化には、特別な装置を必要とするこ
と、反応性の高いフッ素を加圧で扱うには特別な配慮が
必要になること、反応操作が難しいこと、等から、該方
法によるフッ素化は、工業的な製造方法として採用する
には制限が多く、困難であると認められた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決する目的でなされたものであり、入手が容易な原料か
ら経済的に有利な方法でペルフルオロ(3−メトキシプ
ロピオニルフルオリド)を製造する方法を提供する。す
なわち、本発明は下式(3)で表される化合物を液相フ
ッ素化してペルフルオロ化することにより下式(4)で
表される化合物を得て、該式(4)で表される化合物に
おいてエステル結合の分解反応を行うことを特徴とする
下式(5)で表されるペルフルオロ(3−メトキシプロ
ピオニルフルオリド)の製造方法を提供する。
【0006】 Q(COO(CHOCHX・・式(3)、 Q(COO(CFOCF・・式(4)、 CFO(CFCOF・・式(5)。
【0007】ただし、式中の記号は、以下の意味を示
す。 Q:n価含フッ素有機基。 Q:ペルフルオロ化されたn価有機基。 n:1以上の整数。 X、X:それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原
子。
【0008】また、本発明はペルフルオロ(3−メトキ
シプロピオニルフルオリド)の製造中間体として有用な
下記化合物を提供する。ただし、X、X、およびk
は上記と同じ意味を示す。
【0009】 CHXO(CHOCO(CFCOO(CHOCHX ・・式(3−1a) CFO(CFOCO(CFCOO(CFOCF・・式 (4−1a) CHXO(CHOCOCF(CF)[OCFCF(CF) ]OCFCFCF・・式(3−2) CFO(CFOCOCF(CF)[OCFCF(CF)]O CFCFCF・・式(4−2)
【0010】
【発明の実施の形態】本明細書における有機基とは、炭
素原子を必須とする基をいう。フッ素化されうる有機基
としては、C−H部分を有する有機基や、炭素−炭素不
飽和結合を有する有機基が挙げられ、C−H部分を有す
る有機基が好ましく、特に該基のうち炭素−炭素結合が
単結合のみからなる飽和有機基が好ましい。
【0011】C−H部分を有する有機基としては、飽和
炭化水素基、エーテル性酸素原子含有飽和炭化水素基、
部分ハロゲン化飽和炭化水素基、または部分ハロゲン化
(エーテル性酸素原子含有飽和炭化水素)基が挙げられ
る。ここで部分ハロゲン化とは、水素原子が残る割合で
ハロゲン化されていることを意味する。ハロゲン原子と
しては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ
素原子であり、フッ素原子または塩素原子が好ましい。
特に部分ハロゲン化された基におけるハロゲン原子とし
ては、塩素原子が好ましい。
【0012】1価飽和炭化水素基としては、アルキル
基、シクロアルキル基、または環部分を有する1価飽和
炭化水素基(たとえば、シクロアルキル基、シクロアル
キルアルキル基、またはこれらの基を部分構造とする
基。)等が挙げられ、アルキル基が好ましい。
【0013】2価飽和炭化水素基としては、アルキレン
基、シクロアルキレン基、または環部分を有する2価飽
和炭化水素基(たとえば、シクロアルキル基、ビシクロ
アルキル基、またはシクロアルキレン基を部分構造とす
る2価飽和脂肪族炭化水素基。)等が挙げられ、アルキ
レン基が好ましい。
【0014】エーテル性酸素原子含有飽和炭化水素基の
うち1価の基としては、炭素−炭素結合間にエーテル性
酸素原子が挿入されたアルキル基、または、炭素−炭素
結合間にエーテル性酸素原子が挿入されたシクロアルキ
ル基等が挙げられる。また、エーテル性酸素原子含有飽
和炭化水素基のうち2価の基としては、炭素−炭素結合
間や該基の結合末端にエーテル性酸素原子が挿入された
アルキレン基、または、炭素−炭素結合間にエーテル性
酸素原子が挿入されたシクロアルキレン基等が挙げら
れ、特にオキシアルキレン基、または、ポリオキシアル
キレン部分を有する基、が好ましい。エーテル性酸素原
子を含有する基において、エーテル性酸素原子の数は1
個であっても2個以上であってもよい。
【0015】ぺルフルオロ化とは、フッ素化されうる基
中に存在するフッ素化されうる部分の実質的に全てがフ
ッ素化されることをいう。たとえば、C−H部分を有す
る有機基をペルフルオロ化した基においては、C−H部
分の実質的に全てがC−Fになり、炭素−炭素不飽和結
合が存在する有機基をペルフルオロ化した基において
は、実質的に全ての不飽和結合にフッ素原子が付加す
る。
【0016】ペルフルオロ化された1価有機基として
は、ペルフルオロアルキル基が挙げられ、具体的には−
CFCF、−CFCFCF、−CFCF
CFCF、−CFCClF、−CFCBrF
、または−CFCFClCFCl、−CF(CF
、−CFCF(CF、−CF(CF
CFCF、−C(CF等が挙げられる。ペル
フルオロ化された2価有機基としては、ペルフルオロア
ルキレン基が挙げられ、具体的には−(CF
(aは1〜8の整数を示す。)、−CF(CF)CF
CFCF−、−CFCF(CF)CFCF
−等が挙げられる。また、ペルフルオロ化されたエー
テル性酸素原子含有基としては、これらの基の炭素−炭
素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基が挙げら
れ、たとえば、1価の基としては、−CF(CF
[OCFCF(CF)]OCFCFCF
(bは1〜5の整数を示す。)、−(CFOC
(dは1〜8の整数を示す。)が挙げられる。
【0017】本発明においては、化合物(3)を液相フ
ッ素化する。化合物(3)は、含フッ素n価有機基
(Q)の結合手に、(−COO(CHOCHX
)で表される基がn個結合した化合物である。nは
1以上の整数を示し、化合物の入手しやすさからnは1
または2であるのが好ましい。n価含フッ素有機基
(Q)としては、部分フッ素化された有機基であっても
ペルフルオロ化された有機基であってもよく、含フッ素
n価飽和炭化水素基、含フッ素(エーテル性酸素原子含
有n価飽和炭化水素)基が好ましい。さらにn価含フッ
素有機基(Q)としてはペルフルオロ化された基である
のが好ましく、1価の基である場合には、ペルフルオロ
アルキル基、ペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有ア
ルキル)基が好ましく、2価の基である場合には、ペル
フルオロアルキレン基、ペルフルオロ(エーテル性酸素
原子含有アルキレン)基が好ましい。
【0018】また、X、Xは、それぞれ独立に水素
原子またはフッ素原子を示す。−CHX部分とし
ては、−CH、CHF、またはCHFが挙げら
れ、化合物の入手しやすさの点から−CH(すなわ
ち、X、Xは水素原子である。)が好ましい。
【0019】本発明における化合物(3)としては、n
が1または2である化合物が好ましい。nが1である化
合物は、化合物の入手しやすさ、および後述する連続製
造ができる点で有利であり、nが2以上である化合物
(3)は、化合物(3)の分子量が大きくなるため、蒸
気圧が小さくなり、液相フッ素化反応の反応の制御がし
やすくなり、収率も高くなり、かつ容積効率の点におい
ても有利である。
【0020】本発明においては、化合物(3)で表され
る化合物を液相フッ素化する。液相フッ素化反応を円滑
に進行させるためには、化合物(3)のフッ素含量は2
0〜60質量%であるのが好ましく、特に25〜55質
量%であるのが好ましい。また、化合物(3)の分子量
は200〜1100の範囲にあるのが好ましく、特に3
00〜800の範囲にあるのが好ましい。フッ素含量が
特定の範囲にある化合物(3)においては、フッ素化反
応時の液相中への溶解性が格段に向上し、液相フッ素化
反応の操作性、反応収率が向上する利点があり、またフ
ッ素含量が特定の範囲にあることは経済性に優れる利点
もある。また化合物(3)の分子量が特定の分子量以上
にある場合には、気相フッ素化反応により分解反応が起
こるリスクを回避できる利点があり、該分子量が特定の
量以下にある場合には、化合物の取扱いや生成物の精製
がしやすい利点がある。
【0021】本発明における化合物(3)は、化合物
(1)を化合物(2)とエステル化反応させて化合物
(3)を得る方法により調製されるのが好ましい。ただ
し、Q、n、XおよびXは前記と同じ意味を示す。
【0022】 CHXO(CHOH・・式(1)、 Q(COF)・・式(2)。
【0023】化合物(1)は、公知の化合物であり、公
知の方法により製造できる。化合物(1)と化合物
(2)とのエステル化反応は、公知のエステル化反応の
条件により実施できる。反応温度の下限は通常は−50
℃であるのが好ましく、上限は+100℃であるのが好
ましい。また、該反応の反応時間は、原料の供給速度と
実際に反応する化合物量に応じて適宜変更されうる。反
応圧力は常圧〜2MPa(ゲージ圧。以下、圧力はゲー
ジ圧で記載する。)であるのが好ましい。エステル化反
応では、フッ酸(HF)が発生するため、アルカリ金属
フッ化物(NaF、KF等が好ましい。)やトリアルキ
ルアミン等をHF捕捉剤として反応系中に存在させても
よい。HF捕捉剤の量は、発生するHFの理論量に対し
て0.1〜10倍モル程度であるのが好ましい。HF捕
捉剤を使用しない場合には、HFが気化しうる反応温度
で反応を行い、HFを窒素気流に同伴させて反応系外に
排出するのが好ましい。
【0024】化合物(1)の量は、化合物(2)に対し
てn倍モル(nは、化合物(2)中の−COFで表され
る基の数(n)に対応する。)以下であるのが好まし
い。化合物(1)の量をn倍モル以下にすることによ
り、エステル化反応の反応生成物中に、未反応の化合物
(1)が残って該化合物(1)が次のフッ素化反応時に
好ましくない反応を引き起こす問題を回避でき、かつ、
化合物(3)の精製の手間を省略できる。特に該化合物
(1)の量は化合物(2)に対して0.5n倍〜n倍モ
ルであるのが特に好ましく、0.9n倍〜n倍モルであ
るのがとりわけ好ましい。
【0025】nが2以上である場合には、エステル化反
応で未反応の−COF基が残った下記化合物(3−A)
が反応生成物中に存在しうる。この化合物(3−A)は
エステル化反応生成物中に存在させたまま、つぎのフッ
素化反応を行ってもよい。ただし、下式中のn、Q、X
、およびXは上記と同じ意味を示し、mは1以上n
未満の整数を示す。nが2である場合のmは1である。 Q(COO(CHOCHXn-m(COF)・・式(3−A) 。
【0026】フッ素化反応を円滑に行う観点から、エス
テル化反応の生成物は精製するのが好ましい。特にエス
テル化反応の生成物が化合物(1)を含む場合には、精
製により化合物(1)を除去しておくのが好ましい。精
製方法としては、蒸留法、生成物を水などで処理した後
に分液する方法、適当な有機溶媒で抽出した後に蒸留す
る方法、シリカゲルカラムクロマトグラフィ等が挙げら
れる。
【0027】エステル化反応では、HFが発生するた
め、HF捕捉剤を存在させてもよいが、HF捕捉剤の不
存在下にHFを窒素気流に同伴させて反応系外に排出す
るのが、粗液をそのまま次のフッ素化工程に用いること
ができる点から好ましい。HF捕捉剤を用いる場合の量
は、化合物(1)に対して1n〜10n倍モルとするの
が好ましい。
【0028】化合物(3)の具体例としては、下記化合
物が挙げられる。ただし、Q2fは炭素−炭素結合間に
エーテル性酸素原子が挿入されていてもよい炭素数1〜
18のペルフルオロアルキレン基を示し、kは0〜5の
整数を示す。
【0029】 CHXO(CHOCOQ2fCOO(CHOCHX ・・式(3−1)、 CHXO(CHOCOCF(CF)[OCFCF(CF) ]OCFCFCF・・式(3−2)。
【0030】Q2fの具体例としては、−(CF
−(jは1〜18の整数を示す。)、−(CFCF
O)CF(CF)−(pは1〜9の整数を示す)等
が挙げられる。
【0031】本発明においては、化合物(3)の液相フ
ッ素化反応を行う。化合物(3)をフッ素化するには、
フッ化コバルトを用いるフッ素化法、電気化学的フッ素
化法、または液相フッ素化法を採用できるが、フッ素化
反応の収率が格段に高いことから、本発明においては、
液相中でフッ素と反応させる液相フッ素化法によりフッ
素化を行う。
【0032】液相フッ素化法における液相としては、反
応の基質自身であってもよいが、通常は生成物や反応に
関与しないフッ素化反応溶媒であるのが好ましい。フッ
素は、フッ素ガスそのままを用いるか、不活性ガスで希
釈されたフッ素ガスを用いるのが好ましい。不活性ガス
としては、窒素ガス、ヘリウムガスが好ましく、経済的
な理由から窒素ガスが特に好ましい。窒素ガス中のフッ
素ガス量は特に限定されず、10vol%以上にするの
が効率の点で好ましく、20vol%以上にするのが特
に好ましい。
【0033】フッ素化反応溶媒としては、フッ素化反応
に不活性な溶媒が好ましく、さらに化合物(3)の溶解
性が高い溶媒を用いるのが特に好ましく、特に化合物
(3)を1質量%以上溶解しうる溶媒、特には5質量%
以上溶解しうる溶媒を用いるのが好ましい。
【0034】フッ素化反応溶媒の例としては、化合物
(2F)、後述する化合物(4)、本発明の目的化合物
であるペルフルオロ(3−メトキシプロピオニルフルオ
リド)のほかに、液相フッ素化の溶媒として用いられる
公知の溶媒が挙げられる。このうちフッ素化反応溶媒と
しては、化合物(2F)またはペルフルオロ(3−メト
キシプロピオニルフルオリド)(ただし、化合物(2
F)およびペルフルオロ(3−メトキシプロピオニルフ
ルオリド)が同一構造の化合物である場合には、いずれ
であってもよい。)をフッ素化反応溶媒として用いるの
が、後処理が容易になる利点があるため好ましい。フッ
素化反応溶媒の量は、化合物(3)の総質量に対して、
5倍質量以上が好ましく、特に1×10〜1×10
倍質量が好ましい。
【0035】フッ素化反応の反応形式は、バッチ方式で
あっても連続方式であってもよい。たとえば、反応器に
フッ素化反応溶媒と化合物(3)とを仕込み、撹拌し、
つぎにフッ素ガスを、フッ素化反応溶媒中に連続的に供
給しながら反応させる方法が挙げられる。また、反応器
にフッ素化反応溶媒を仕込んで撹拌し、つぎにフッ素ガ
スと化合物(3)とを、所定のモル比で連続的にフッ素
化反応溶媒中に供給する方法が挙げられる。このうち、
フッ素化反応は、反応収率と選択率の点から、後者の方
法で実施するのが好ましい。また該方法におけるフッ素
ガスは、窒素ガス等の不活性ガスで希釈して使用するの
が好ましい。
【0036】フッ素化反応に用いるフッ素は、化合物
(3)中に含まれる水素原子量に対するフッ素の量が、
反応の最初から最後まで常に過剰当量となるように保つ
のが好ましく、特に水素原子に対するフッ素量を1.0
5倍当量以上(すなわち、1.05倍モル以上)となる
ように保つのが選択率の点から好ましく、2倍当量以上
(すなわち、2倍モル以上)となるように保つのが選択
率の点からさらに好ましい。また、反応の開始時点にお
いてもフッ素の量を過剰量にするために、反応当初に用
いるフッ素化反応溶媒には、あらかじめフッ素を充分量
溶解させておくのが好ましい。
【0037】また、液相フッ素化反応は、化合物(3)
中のエステル結合を切断せずに実施する必要があること
から、反応温度の下限は−60℃であり、かつ、化合物
(3)の沸点のうち最も低い温度にするのが好ましい。
通常の場合には、反応収率、選択率、および工業的実施
のしやすさの点から、反応温度は−50℃〜+100℃
が特に好ましく、−20℃〜+50℃がとりわけ好まし
い。フッ素化反応の反応圧力は特に限定されず、常圧〜
2MPaにするのが、反応収率、選択率、工業的な実施
のしやすさの観点から特に好ましい。
【0038】さらに、フッ素化反応を効率的に進行させ
るためには、反応系中にベンゼンやトルエン等のC−H
結合含有化合物を添加する、化合物(3)を長時間反応
系内に滞留させる、または、紫外線照射を行う等の操作
を行うのが好ましい。これらの操作はフッ素化反応の後
期に行うのが好ましい。
【0039】液相中フッ素化においては、水素原子がフ
ッ素原子に置換されてHFが副生する。このHFを除去
する目的で、反応系中にHF捕捉剤(NaFが好まし
い。)を共存させる、反応器ガス出口でHF捕捉剤と出
口ガスを接触させる、または出口ガスを冷却してHFを
凝縮させて回収する、のが好ましい。またHFは窒素ガ
ス等の不活性ガスに同伴させて反応系外に導き、アルカ
リ処理してもよい。HF捕捉剤を使用する場合の量は、
化合物(3)中に存在する全水素原子量に対して1〜2
0倍モルが好ましく、1〜5倍モルが特に好ましい。
【0040】フッ素化反応の反応生成物は、そのまま次
の工程に用いてもよく、精製して高純度のものにしても
よい。精製方法としては、粗生成物を常圧または減圧下
に蒸留する方法等が挙げられる。
【0041】フッ素化反応では、化合物(3)がペルフ
ルオロ化されて、化合物(4)が生成する。化合物
(4)における、nは化合物(3)に対応する。Q
は、ペルフルオロ化されたn価有機基であり、Qがフ
ッ素化されうる基である場合には該基がペルフルオロ化
された基であり、Qがフッ素化されない基(たとえば、
ペルフルオロn価有機基である場合)である場合には、
Qと同一の基である。
【0042】本発明においては、さらに化合物(4)に
おいてエステル結合の分解反応を行う。エステル結合の
分解反応は公知の反応である。該反応は、化合物中に存
在するエステル結合を切断して、ペルフルオロ(3−メ
トキシプロピオニルフルオリド)を生成させる反応であ
る。
【0043】エステル結合の分解反応は、熱分解反応、
または求核剤もしくは求電子剤の存在下に行う分解反
応、によるのが好ましい。熱分解反応は、気相反応また
は液相反応で実施するのが好ましい。
【0044】たとえば、沸点が低い化合物(4)の熱分
解反応は、気相熱分解法で実施するのが好ましい。気相
熱分解法は、気相で連続的に分解反応を行い、生成する
ペルフルオロ(3−メトキシプロピオニルフルオリド)
を出口ガスから凝縮させ、これらを回収する方法で行う
のが好ましい。気相熱分解法の反応温度は、50〜35
0℃が好ましく、50〜300℃が特に好ましく、とり
わけ100〜250℃が好ましい。気相熱分解法におい
ては、金属塩触媒を使用してもよく、反応系に反応には
直接は関与しない不活性ガスを共存させてもよい。不活
性ガスとしては、窒素ガス、二酸化炭素ガス等が挙げら
れる。不活性ガスの添加量は、フッ素化反応生成物の総
量に対して0.01〜50vol%程度であるのが好ま
しい。不活性ガスの添加量が多すぎると、生成物の回収
量が低減することがある。
【0045】沸点が高い化合物(4)のエステル結合の
分解反応は、液相熱分解法で実施するのが好ましい。液
相分解法は、液状にした化合物(4)を加熱する方法に
より実施するのが好ましい。該分解反応の生成物は、反
応器中から一度に抜き出してもよい。また、ペルフルオ
ロ(3−メトキシプロピオニルフルオリド)は、化合物
(4)よりも通常は低沸点であることを利用して、蒸留
塔を付けた反応装置を用いて反応を行い、生成物を蒸留
で抜き出しながら行ってもよい。液相熱分解法の反応温
度は50〜300℃が好ましく、特に100〜250℃
が好ましい。液相熱分解法における反応圧力は限定され
ない。
【0046】液相熱分解法は、無溶媒で行っても、分解
反応溶媒の存在下に行ってもよく、無溶媒で行うのが好
ましい。分解反応溶媒を使用する場合には、化合物
(4)に対して0.1倍〜10倍質量の溶媒を使用する
のが好ましい。
【0047】エステル結合の分解反応を液相中で求核剤
または求電子剤と反応させる方法で実施する場合には、
無溶媒であっても、分解反応溶媒の存在下であってもよ
く、無溶媒で行うのが好ましい。無溶媒で反応を行うこ
とは、フッ素化反応生成物自身が溶媒としても作用し、
反応生成物中から溶媒を分離する手間を省略できるため
特に好ましい。求核剤または求電子剤を用いる方法も、
蒸留塔をつけた反応装置で蒸留をしながら行うのが好ま
しい。
【0048】求核剤としてはFが好ましく、特にアル
カリ金属のフッ化物由来のFが好ましい。アルカリ金
属のフッ化物としては、NaF、NaHF、KF、C
sFが好ましく、経済性の点ではNaFが、反応活性の
点ではKFが特に好ましい。また、反応の最初の求核剤
量は触媒量であってもよく、過剰量であってもよい。F
等の求核剤の量はフッ素化反応生成物に対して1〜5
00モル%が好ましく、1〜100モル%が特に好まし
く、とりわけ5〜50モル%が好ましい。反応温度の下
限は−30℃が好ましく、上限は−20℃〜250℃で
あるのが好ましい。
【0049】化合物(4)のエステル結合の分解反応で
は、ペルフルオロ(3−メトキシプロピオニルフルオリ
ド)と化合物(2F)が生成する。本発明においては、
分解反応生成物からペルフルオロ(3−メトキシプロピ
オニルフルオリド)と化合物(2F)とを分離して得る
のが好ましい。分離方法としては、蒸留法が好ましい。
【0050】本発明の方法で得られるペルフルオロ(3
−メトキシプロピオニルフルオリド)は、フッ素ゴム原
料の中間体として有用な化合物である。たとえば、ペル
フルオロ(3−メトキシプロピオニルフルオリド)は、
ヘキサフルオロプロピレンオキシドと反応させた後に、
熱分解反応で分子末端に不飽和結合を導入してCF
CFCFCFOCF=CFに導くことができ
る。
【0051】さらに、エステル結合の分解反応生成物中
に含まれる化合物(2F)の一部または全部は、後述す
る化合物(3)の製造に再利用して、化合物(5)の連
続製造方法が実施できる。
【0052】本発明の製造方法の好ましい態様として
は、以下の態様が挙げられる。[態様1]化合物(3)
が化合物(3−1)であり、化合物(4)が化合物(4
−1)である製造方法。ただし、Q2fは炭素−炭素結
合間にエーテル性酸素原子が挿入されていてもよい炭素
数1〜18のペルフルオロアルキレン基を示し、X
よびXは上記と同じ意味を示す。 CHXO(CHOCOQ2fCOO(CHOCHX ・・式(3−1)、 CFO(CFOCOQ2fCOO(CFOCF・・式(4− 1)。
【0053】[態様2]化合物(3)が化合物(3−
2)であり、化合物(4)が化合物(4−2)である製
造方法。ただし、kは0〜5の整数を示し、Xおよび
は上記と同じ意味を示す。 CHXO(CHOCOCF(CF)[OCFCF(CF) ]OCFCFCF・・式(3−2)、 CFO(CFOCOCF(CF)[OCFCF(CF)]O CFCFCF・・式(4−2)。
【0054】[態様3]化合物(3)が下記化合物(3
−3)である場合には、エステル結合の分解反応生成物
が、実質的に本発明のペルフルオロ(3−メトキシプロ
ピオニルフルオリド)のみとなるため、特別な分離操作
を行うことなく、目的とする化合物が得られるため特に
好ましい。すなわち、化合物(3)が化合物(3−3)
であり、化合物(4)が化合物(4−3)である場合に
おいて、エステル結合の分解反応生成物に実質的に分離
操作を行うことなくペルフルオロ(3−メトキシプロピ
オニルフルオリド)を得ることができる。 CHXO(CHOCO(CFOCF・・式(3−3)、 CFO(CFOCO(CFOCF・・式(4−3)。
【0055】[態様4]さらに、本発明におけるエステ
ル結合の分解反応において生成する化合物(2F)[Q
(COF)]は、化合物(3)の調製に用いうる化
合物である。すなわち、化合物(3)の調製方法におい
て述べたように、エステル結合の分解反応で生成した化
合物(2)の一部または全部を、化合物(1)と反応さ
せる化合物(2F)として用いることによってペルフル
オロ(3−メトキシプロピオニルフルオリド)の連続製
造方法が実施できる。
【0056】本発明の上記製造方法において用いる化合
物の具体例としては、つぎの例が挙げられる。
【0057】nが1である化合物(2)の例; CyCOF(ただし、Cyはペルフルオロシクロヘ
キシル基を示す。)、CFClCFClCFCO
F、(CFCFCOF、CFCFCOF、C
CFCFOCF(CF)COF、CFCF
CFOCF(CF)CFOCF(CF)CO
F、CFCFCFOCFCFCOF。
【0058】nが2である化合物(2)の例; FCOCFCFCOF、FCOCFCFCF
CFCOF、FCOCF(CF)OCFCF
COF、FCOCF(CF)OCFCFOC
F(CF)COF、FCOCF(CF)OCF
CFCFOCF(CF)COF、FCOCF
(CF)OCFCFCFCFCOF、FCO
CFCF(CF)OCFCFCFCFCO
F、FCOCFCF(CF)OCFCFCF
CFCFCOF。
【0059】
【実施例】以下に本発明を詳細に説明するが、本発明は
これらに限定されない。なお、以下において、1,1,
2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンをR
−113と記し、圧力はゲージ圧で記す。また、ガスク
ロマトグラフィをGCと記し、GC分析におけるピーク
面積比をGC分析値とする。また、ガスクロマトグラフ
ィ−質量分析をGC−MSと記す。
【0060】[例1]FCO(CFCOFを用い
たCFO(CFCOFの製造例 (例1−1)エステル化反応によるCHO(CH
OCO(CFCOO(CHOCHの製
造例 ハステロイC製の2LのオートクレーブにCHO(C
OH(595g)を入れた。反応器を冷却し
て、常圧で内温が30℃以下に保たれるようにゆっくり
とFCO(CFCOF(1000g)を導入し
た。同時に充分に撹拌しながら、窒素ガスをバブリング
させ、反応により生じたHFを系外に追い出した。FC
O(CFCOFの全量を投入後、50℃でさらに
5時間反応させて生成物を得た。生成物をGC分析した
結果、CHO(CHOCO(CFCOO
(CHOCHが97.8%、CHO(C
OCO(CFCOFが1.2%生成して
おり、未反応のCHO(CH OHは検出されな
かった。この生成物は精製することなく、以下の反応に
使用した。
【0061】1H−NMR(300.4MHz、溶媒:
CDCl、基準:TMS)δ(ppm):1.33、
1.46、3.24、3.37。19 F−NMR(282.7MHz、溶媒CDCl、基
準:CFCl)δ(ppm):119.5、123.
1。
【0062】(例1−2)フッ素化反応によるCF
(CFOCO(CFCOO(CF
CFの製造例 500mLのニッケル製オートクレーブに、R−113
(312g)を加えた後に撹拌して25℃に保った。オ
ートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、
NaFペレット充填層、および−10℃に保持した冷却
器を直列に設置した。また−10℃に保持した冷却器か
らは凝集した液をオートクレーブに戻すための液体返送
ラインを設置した。オートクレーブに窒素ガスを室温で
1時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ
素ガス(以下、20%希釈フッ素ガスと記す。)を室温
で流速8.69L/hで1時間吹き込んだ。つぎに20
%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例1−
1で得た生成物(5g)をR−113(100g)に溶
解した溶液を5.4時間かけて注入した。
【0063】つぎに、20%希釈フッ素ガスを同じ流速
で吹き込みながらオートクレーブ内圧力を0.15MP
a(ゲージ圧)まで昇圧して、ベンゼン濃度が0.01
g/mLであるR−113溶液を25℃から40℃にま
で昇温しながら9mL注入し、オートクレーブのベンゼ
ン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。
【0064】つぎに反応器内圧力を0.15MPa(ゲ
ージ圧)に、反応器内温度を40℃に保ちながら、前記
ベンゼン溶液を6mL注入し、オートクレーブのベンゼ
ン溶液注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。さらに
同様の操作を3回繰り返した。ベンゼンの注入総量は
0.34g、R−113の注入総量は33mLであっ
た。
【0065】さらに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で
吹き込みながら1時間撹拌を続けた。つぎに、反応器内
圧力を常圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んだ。生成
物を 19F−NMRで分析した結果、標記化合物が収率6
4%で含まれていることを確認した。
【0066】19F−NMR(282.7MHz、溶媒C
DCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−54.
9(6F)、−86.7(4F)、−119.2〜−1
27.5(16F)。
【0067】(例1−3)エステル結合の分解反応によ
るCFO(CFCOFの製造例 10℃の還流器を備えた2Lのフラスコ内に、CF
(CFOCO(CFCOO(CF
CF(2000g)を仕込み、フッ化カリウム(4
5.9g)を加え、熱媒温度を100〜130℃に保っ
て加熱撹拌を行った。生成するガスは、−78℃に冷却
したステンレス(SUS316)製トラップにて回収
し、反応が進行してガスの生成が見られなくなったとこ
ろで反応を終了した。反応後にトラップの重量測定、お
よびGC分析を行った結果、CFO(CFCO
F(純度98%、1224g、収率:98%)の生成が
認められた。
【0068】[例2]FCOCF(CF)OCF
CFを用いたCFO(CF COFの製造
例 (例2−1)エステル化反応によるCHO(CH
OCOCF(CF)OCFCFCFの製造例 例1−1のCHO(CHOH(595g)をC
O(CHOH(342g)に変更し、FCO
(CFCOF(1000g)をFCOCF(CF
)OCFCFCF(1300g)に変更して、
同様の反応を行った。生成物をGC分析した結果、CH
O(CHOCOCF(CF)OCFCF
CFが99.0%生成しており、未反応のCH
(CH OHは検出されなかった。この生成物は精
製することなく、例2−2の反応に使用した。
【0069】1H−NMR(300.4MHz、溶媒:
CDCl、基準:TMS)δ(ppm):1.33、
1.46、3.24、3.37。19 F−NMR(282.7MHz、溶媒CDCl、基
準:CFCl)δ(ppm):26.6、−80.
0、−81.8、−82.2、−87.5、−130.
2、−131.1。
【0070】(例2−2)フッ素化反応によるCF
(CFOCOCF(CF)OCFCFCF
の製造例 例1−2の希釈フッ素ガスの流量を流速7.63L/h
に変更し、例1−1で得た生成物(5g)を例2−1で
得た生成物(5g)に変更し、かつ、該生成物をR−1
13(100g)に溶解した溶液を4.0時間かけて注
入する方法に変更して同様に反応を行った。生成物を19
F−NMRで分析した結果、標記化合物が収率75%で
含まれていることを確認した。
【0071】19F−NMR(282.7MHz、溶媒C
DCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−54.
3(3F)、−79.7(1F)、−81.9〜−8
2.4(6F)、−86.3〜−89.3(3F)、−
120.2〜−127.5(4F)、−130.1(2
F)、−132.2(1F)。
【0072】(例2−3)エステル結合の分解反応によ
るCFO(CFCOFの製造例 例1−3において、CFO(CFOCO(CF
COO(CFOCF(2000g)をC
O(CFOCOCF(CF)OCFCF
CF(2000g)に変更し、フッ化カリウム量を
30.9gに変更して同様の反応を行った結果、CF
O(CFCOF(純度99%、814g、収率:
98%)の生成を認めた。
【0073】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来の方法より
も簡便な方法によりフッ素ゴム原料の中間体として有用
なCFO(CFCOFを、高い収率および高い
純度で製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC30 AC47 AC48 BA02 BA37 BA92 BB17 BC10 BC11 BC31 BC34 BE53 BM10 BM71 BP10 BS10 4H039 CA65 CE90

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式(3)で表される化合物を液相フッ素
    化してペルフルオロ化することにより下式(4)で表さ
    れる化合物を得て、該式(4)で表される化合物におい
    てエステル結合の分解反応を行うことを特徴とする下式
    (5)で表されるペルフルオロ(3−メトキシプロピオ
    ニルフルオリド)の製造方法。 Q(COO(CHOCHX・・式(3) Q(COO(CFOCF・・式(4) CFO(CF2COF・・式(5) ただし、式中の記号は、以下の意味を示す。 Q:n価含フッ素有機基。 Q:ペルフルオロ化されたn価有機基。 n:1以上の整数。 X、X:それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原
    子。
  2. 【請求項2】式(3)で表される化合物が、下式(1)
    で表される化合物を下式(2)で表される化合物とエス
    テル化反応させて得た化合物である請求項1に記載の製
    造方法。ただし、Q、n、X、およびXは前記と同
    じ意味を示す。 CHXO(CHOH・・式(1) Q(COF)・・式(2)
  3. 【請求項3】式(1)で表される化合物と反応させる式
    (2)で表される化合物が、エステル結合の分解反応生
    成物から得た下式(2F)で表される化合物である請求
    項2に記載の製造方法。ただし、Qおよびnは前記と
    同じ意味を示す。 Q(COF)・・式(2F)
  4. 【請求項4】式(3)で表される化合物のフッ素含有量
    が20〜60質量%であり、分子量が200〜1100
    である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】式(3)で表される化合物が下式(3−
    1)で表される化合物であり、式(4)で表される化合
    物が下式(4−1)で表される化合物である、請求項1
    〜4のいずれかに記載の製造方法。ただし、Q2fは炭
    素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入されていて
    もよい炭素数1〜18のペルフルオロアルキレン基を示
    し、X、Xは上記と同じ意味を示す。 CHXO(CHOCOQ2fCOO(CHOCHX ・・式(3−1) CFO(CFOCOQ2fCOO(CFOCF・・式(4− 1)
  6. 【請求項6】式(3)で表される化合物が式(3−2)
    で表される化合物であり、式(4)で表される化合物が
    式(4−2)で表される化合物である、請求項1〜4の
    いずれかに記載の製造方法。ただし、kは0〜5の整数
    を示し、X、Xはそれぞれ独立に、水素原子または
    フッ素原子を示す。 CHXO(CHOCOCF(CF)[OCFCF(CF) ]OCFCFCF・・式(3−2) CFO(CFOCOCF(CF)[OCFCF(CF)]O CFCFCF・・式(4−2)
  7. 【請求項7】下式で表される化合物から選ばれるいずれ
    かの化合物。ただし、kは0〜5の整数を示し、X
    は、それぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子を
    示す。 CHXO(CHOCO(CFCOO(CHOCHX ・・式(3−1a) CFO(CFOCO(CFCOO(CFOCF・・式 (4−1a) CHXO(CHOCOCF(CF)[OCFCF(CF) ]OCFCFCF・・式(3−2) CFO(CFOCOCF(CF)[OCFCF(CF)]O CFCFCF・・式(4−2)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010083870A (ja) * 2008-09-02 2010-04-15 Sumitomo Chemical Co Ltd 化合物及びその製造方法並びに該化合物を含むレジスト組成物
JP2018193373A (ja) * 2012-07-18 2018-12-06 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングMerck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung フッ素化界面活性剤

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