JP4534765B2 - フッ素化されたアダマンタン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

フッ素化されたアダマンタン誘導体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はフッ素化された新規なアダマンタン誘導体およびその製造方法、さらにはその誘導体の製造に有用な新規な中間体に関する。
非フッ素系のアダマンタン誘導体は、フォトリソグラフィを応用したエッチング加工において、基板層を保護する耐エッチング性薄膜材料を構成する化合物等として有用である(特許文献1参照)。
情報量の増大に対応するための高密度化に際しては、より短波長のレーザー光を用いたフォトリソグラフィ−が行われている。しかし、従来のアダマンタン誘導体は、該レーザー光に対する透過性が充分ではなかった。
特開2001−60583号公報
本発明者らは、フッ素化されたアダマンタン誘導体が、より短波長の光の透過性に優れ、より耐エッチング性に優れ、かつより微細なフォトリソグラフィーに応用できる材料になりうると考え、本発明に至った。すなわち、本発明は入手が容易な原料から経済的に有利な方法で提供されうる新規なフッ素化されたアダマンタン誘導体の提供を目的とする。
本発明者は、入手容易なアダマンタン骨格を有する化合物を用いて、これを特定の方法でフッ素化および化学変換することにより、フッ素化されたアダマンタン骨格を有し、かつ反応性の基である−OH基、−COF基、およびケト基等を有する化合物(すなわち、本発明のフッ素化されたアダマンタン誘導体)が製造できることを見いだした。このフッ素化されたアダマンタン誘導体は、さらに−OH基や−COF基等の反応性を利用した誘導化により種々の有用な化合物に導きうる有用な化合物である。フッ素化されたアダマンタン誘導体から誘導された化合物は、短波長のレーザー光を用いたフォトリソグラフィーにおいて、光に対する透過性に優れ、かつ、耐エッチング性の両方に優れた材料となりうる有用な耐エッチング性薄膜材料となりうる。
すなわち、本発明は以下の構成を有する発明を提供する。
.下式(5c)で表わされる化合物。
Figure 0004534765
.下式(3X−A)で表される化合物を液相フッ素化によりフッ素化することにより下式(4X−A)で表される化合物を得て、つぎに該化合物のエステル結合の分解反応を行うことを特徴とする下式(5X−A)で表される化合物の製造方法。
A(−CHOCOR)・・・(3X−A)、
(−CFOCOR・・・(4X−A)、
(−COF)・・・(5X−A)
式中の記号は下記の意味を示す。
A:アダマンタンの水素原子のn個が結合手となったn価の基であり、かつ結合手にならない該水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
R:炭素数2〜20の含フッ素アルキル基または炭素数2〜20の含フッ素のエーテル性酸素原子を含有するアルキル基
n:1以上4以下の整数。
前記基A中の水素原子の100%がフッ素原子に置換された基。
炭素数2〜20のペルフルオロアルキル基または炭素数2〜20のエーテル性酸素原子を含有するペルフルオロアルキル基。
.下式(3Y−B)で表される化合物を液相フッ素化によりフッ素化することにより下式(4Y−B)で表される化合物を得て、つぎに該化合物のエステル結合の分解反応を行うことを特徴とする下式(5X−A)で表される化合物の製造方法。
A(−COOR)・・・(3Y−B)
(−COOR・・・(4Y−B)、
(−COF)・・・(5X−A)
式中の記号は下記の意味を示す。
A:アダマンタンの水素原子のn個が結合手となったn価の基であり、かつ結合手にならない該水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
R:炭素数2〜20の含フッ素アルキル基または炭素数2〜20の含フッ素のエーテル性酸素原子を含有するアルキル基
n:1以上4以下の整数。
前記基A中の水素原子の100%がフッ素原子に置換された基。
炭素数2〜20のペルフルオロアルキル基または炭素数2〜20のエーテル性酸素原子を含有するペルフルオロアルキル基
.下式(3X−B)で表される化合物を液相フッ素化によりフッ素化することにより下式(4X−B)で表される化合物を得て、つぎに該化合物の加水分解反応または加アルコール分解反応を行うことを特徴とする下式(5X−B1)で表される化合物の製造方法。
A(−OCOR)・・・(3X−B)
(−OCOR・・・(4X−B)、
(−OH)・・・(5X−B1)
式中の記号は下記の意味を示す。
A:アダマンタンの水素原子のn個が結合手となったn価の基であり、かつ結合手にならない該水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
R:炭素数2〜20の含フッ素アルキル基または炭素数2〜20の含フッ素のエーテル性酸素原子を含有するアルキル基
n:1以上4以下の整数。
前記基A中の水素原子の100%がフッ素原子に置換された基。
炭素数2〜20のペルフルオロアルキル基または炭素数2〜20のエーテル性酸素原子を含有するペルフルオロアルキル基
ただし、式−OCORで表される基、式−OCORで表される基または式−OHで表される基が結合するアダマンタンの炭素原子は、3級炭素原子である。
本明細書における1価有機基とは、炭素原子を必須とする1価の基をいう。1価有機基としては、C−H部分を有する有機基や、炭素−炭素不飽和結合を有する有機基が挙げられ、C−H部分を有する1価有機基が好ましい。C−H部分を有する1価有機基としては、1価飽和炭化水素基、エーテル性酸素原子を含有する1価飽和炭化水素基、部分ハロゲン化された1価飽和炭化水素基、または部分ハロゲン化された(エーテル性酸素原子を含有する1価飽和炭化水素)基が挙げられる。ここで、エーテル性酸素原子とは、エーテル結合(C−O−C)を形成する酸素原子を意味する。1価有機基としては炭素−炭素結合が単結合のみからなる1価飽和有機基、またはエーテル性酸素原子を含有する1価飽和炭化水素基が好ましい。1価飽和炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、または環構造を有する1価飽和炭化水素基(たとえば、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、またはこれらの基を部分構造とする基)等が挙げられ、アルキル基が好ましい。
エーテル性酸素原子を含有する1価飽和炭化水素基としては、炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入されたアルキル基、または、炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子が挿入されたシクロアルキル基等が挙げられる。
本明細書においてフッ素化とは、フッ素化されうる基中に存在するフッ素化されうる部分の一部または全部がフッ素化されることをいう。また、ぺルフルオロ化とは、フッ素化され得る基中に存在するフッ素化され得る部分の実質的に全てがフッ素化されることをいう。たとえば、C−H部分を有する1価有機基をペルフルオロ化した基においては、C−H部分の実質的に全てがC−Fになり、炭素−炭素不飽和結合が存在する1価有機基をペルフルオロ化した基においては、実質的に全ての不飽和結合にフッ素原子が付加する。
ペルフルオロ化された1価有機基としては、たとえばペルフルオロアルキル基が挙げられ、具体的には−CF2CF3、−CF2CF2CF3、−CF2CF2CF2CF3、−CF(CF32、−CF2CF(CF32、−CF(CF3)CF2CF3、−C(CF33等が挙げられる。また−CF2CClF2、−CF2CBrF2、−CF2CFClCF2Cl等のように塩素原子や臭素原子が結合した基も例示されうる。
また、エーテル性酸素原子を含有するペルフルオロ化基としては、上記に例示した基の炭素−炭素原子間にエーテル性酸素原子が挿入された基が挙げられ、たとえば、−CF(CF3)[OCF2CF(CF3)]bOCF2CF2CF3(bは0または1以上の整数であり、0および1〜5の整数が好ましい。)、−(CF2dOCF3(dは1以上の整数であり、1〜8の整数が好ましい。)等が挙げられる。
本発明においては、式(3)で表される化合物を化合物(3)と記載する。他の式で表わされる化合物においても、同様に記載する。また特に記載しない限り、化合物(3)の説明は化合物(3X)および化合物(3Y)に適用され、化合物(4)の説明は化合物(4X)および化合物(4Y)に適用される。
本発明は新規な下記化合物(3)を提供する。
A(−G−Q−R)n・・・(3)
化合物(3)は、Aで表わされる基に、(−G−Q−R)で表される基がn個結合した結合した化合物である。Aは、アダマンタンの水素原子のn個が結合手となったn価の基であり、結合手にならない水素原子はアルキル基で置換されていてもよい。ここでアダマンタンとは、下式で表わされる化合物である。
Figure 0004534765
アダマンタンを形成する炭素原子は、水素原子が2個結合した2級の炭素原子と水素原子が1個結合した3級の炭素原子からなる。そして、結合手となりうる水素原子は、2級の炭素原子に結合する水素原子であっても3級の炭素原子に結合する水素原子であってもよい。
また、アダマンタンの結合手とならなかった水素原子は、アルキル基に置換されていてもよい。該アルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。また該アルキル基に置換される水素原子は、(−G−Q−R)基が結合する炭素原子が2級の炭素原子である場合の該2級の炭素原子に結合する水素原子であるのが好ましい。
nは結合手の数であり、かつ、(−G−Q−R)基の数であり、1〜4の整数を示す。化合物の入手のしやすさからnは1または2であるのが好ましい。また、nが2以上である化合物は、分子量が大きくなるため、蒸気圧が小さくなり、液相フッ素化反応の反応の制御がしやすくなり、収率が高い点において有利に製造されうる化合物である。
Gは−CH2−または単結合を示し、単結合である場合には、AとQとが直接結合していることを意味する。Qは−OCO−または−COO−基を示す。
Rは含フッ素1価有機基であり、含フッ素1価飽和炭化水素基または含フッ素のエーテル性酸素原子を含有する1価飽和炭化水素基が好ましく、特に含フッ素アルキル基または含フッ素のエーテル性酸素原子を含有するアルキル基が好ましく、炭素数2〜20のこれらの基が好ましく、炭素数2〜20のポリフルオロアルキル基、または炭素数2〜20のエーテル性酸素原子を含むポリフルオロアルキル基が特に好ましい。
さらにRは、ペルフルオロ化された基が好ましく、ペルフルオロ化された基の例としては、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロ(部分クロロアルキル基)、ペルフルオロ(部分ブロモアルキル基)、またはペルフルオロ化された(エーテル性酸素原子を含有するアルキル基)が挙げられ、特にペルフルオロアルキル基、または、エーテル性酸素原子を含有するペルフルオロアルキル基が好ましく、炭素数2〜20のこれらの基がとりわけ好ましい。
Rの炭素数は化合物(3)の分子量が後述する好ましい分子量範囲になりうる炭素数であるのが好ましく、通常の場合、Rの炭素数は2〜20であるのが好ましく、2〜10が特に好ましい。
Rの具体例としては、前記のペルフルオロ化された1価有機基の例示および前記のエーテル性酸素原子を含有するペルフルオロ化基の例示にある基が挙げられる。
化合物(3)とは、下記化合物(3X)または下記化合物(3Y)である。
A(−G−OCOR)n・・・(3X)
A(−G−COOR)n・・・(3Y)
nが2以上である場合の(−G−Q−R)基は、異なる炭素原子にそれぞれ結合しているのが好ましく、2級の炭素原子のみに結合していても、3級の炭素原子のみに結合していてもよく、両方に結合していてもよい。ただし、Gが単結合である場合の(−G−Q−R)基は、3級の炭素原子のみに結合して存在するのが好ましい。
化合物(3X)としては、下記化合物(3X−A)または下記化合物(3X−B)である。
A(−CH2OCOR)n・・・(3X−A)
A(−OCOR)n・・・(3X−B)
化合物(3Y)としては、下記化合物(3Y−A)または下記化合物(3Y−B)である。
A(−CH2COOR)n・・・(3Y−A)
A(−COOR)n・・・(3Y−B)
化合物(3X)および化合物(3Y)においては、nは1または2であるのが好ましく、nが1であるの場合の(−G−Q−R)基が結合する炭素原子の位置は限定されない。nが2である場合の(−G−Q−R)基は、が結合する炭素原子は異なる炭素原子であるのが好ましい。
化合物(3)の例としては、下記化合物が挙げられる。
n=1である化合物(3)の例
Figure 0004534765
n=2である化合物(3)の例
Figure 0004534765
化合物(3)は、化合物(4)の製造中間体として有用である。化合物(4)は化合物(3)の液相フッ素化反応によって製造されうる。液相フッ素化反応を円滑に進行させるために、化合物(3)のフッ素含量は20〜60質量%にするのが好ましく、特に25〜55質量%にするのが好ましい。また、化合物(3)の分子量は200〜1100の範囲にあることが好ましく、特に300〜800の範囲にあることが好ましい。
フッ素含量が上記特定の範囲にある化合物(3)においては、フッ素化反応時の液相中への溶解性が格段に向上し、液相フッ素化反応の操作性、反応収率が向上する利点があり、また経済性に優れる利点もある。また化合物(3)の分子量が200以上(より好ましくは300以上)である場合には、気相フッ素化反応により分解反応が起こるリスクを回避できる利点があり、さらに該分子量が1100以下(より好ましくは800以下)にある場合には、化合物の取扱いや生成物の精製がしやすい利点がある。
本発明は新規な下記化合物(4)を提供する。
f(−Gf−Q−Rfn・・・(4)
fは、含フッ素1価有機基である。Afは、前記基(A)中の水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換された基を示す。Afは、該基(A)中の水素原子の50%以上がフッ素原子に置換された基が好ましく、90%以上がフッ素原子に置換された基であるのが特に好ましく、100%が置換されたペルフルオロ基(該場合のAfはAFと記す。)であるのが好ましい。Gfは、単結合または−CF2−を示す。Qは前記のとおりである。
化合物(4)としては、下記化合物(4X)または下記化合物(4Y)である。さらに化合物(4X)とは、下記化合物(4X−A)または下記化合物(4X−B)である。化合物(4Y)とは、下記化合物(4Y−A)または下記化合物(4Y−B)である。
(−G−COO−R・・・(4X)
(−G−OCO−R・・・(4Y)
(−CFOCOR・・・(4X−A)
(−OCOR・・・(4X−B)
(−CFCOOR・・・(4Y−A)
(−COOR・・・(4Y−B)
ただし、AはAであるのが好ましい。Rは含フッ素1価有機基を示し、該基の好ましい態様はRと同じであり、ペルフルオロアルキル基、または、エーテル性酸素原子を含有するペルフルオロアルキル基が好ましく、炭素数2〜20のペルフルオロアルキル基または炭素数2〜20のペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有アルキル)基であるのが好ましい。nは化合物(3)における意味と同じ意味を示し、好ましい態様も同じである。
化合物(4X)および化合物(4Y)においては、nは1または2であるのが好ましく、nが1であるの場合の(−G−Q−R)基が結合する炭素原子の位置は限定されない。nが2である場合の(−G−Q−R)基は、異なる炭素原子であるのが好ましい。さらに式(4X−B)において(−OCOR)基はアダマンタンの3級の炭素原子に結合する、または、2級の炭素原子に置換しかつ該炭素原子に結合する水素原子がフルオロアルキル基(好ましくはペルフルオロアルキル基であり、トリフルオロメチル基がとりわけ好ましい。)に置換するのが好ましい。
化合物(4)の具体例としては、前記の化合物(3)中の水素原子の1個以上がフッ素原子に置換された化合物が挙げられ、水素原子の全てがフッ素原子に置換された化合物が好ましい。
化合物(4)の例としては、下記化合物が挙げられる。ただし、Rは、ペルフルオロアルキル基、または、エーテル性酸素原子を含有するペルフルオロアルキル基を示す。
nが1である化合物(4)の例
Figure 0004534765
nが2である化合物(4)の例
Figure 0004534765
本発明の化合物(3)および化合物(4)は、つぎの方法(X)または方法(Y)により製造するのが好ましい。
方法(X):下記化合物(1X)と下記化合物(2X)とのエステル化反応により化合物(3X)を得て、つぎに化合物(3X)を液相フッ素化によりフッ素化することにより化合物(4X)を得る方法。
方法(Y):下記化合物(1Y)と下記化合物(2Y)とのエステル化反応により化合物(3Y)を得て、つぎに化合物(3Y)を液相フッ素化によりフッ素化することにより化合物(4Y)を得る方法。
ただし、下式中の記号は前記と同じ意味を示し、Zはハロゲン原子を示し、フッ素原子または塩素原子が好ましい。
A(−G−OH)n・・・(1X)
R−COZ・・・(2X)
A(−G−OCOR)n・・・(3X)
(−G−COO−R・・・(4X)
A(−G−COZ)n・・・(1Y)
R−OH・・・(2Y)
A(−G−COOR)n・・・(3Y)
(−G−OCO−R・・・(4Y)
化合物(1X)、化合物(2X)、化合物(1Y)および化合物(2Y)は公知の方法により製造でき、または市販品として入手できる。たとえば、化合物(2X)のZがフッ素原子である化合物は、ヘキサフルオロプロピレンのオリゴマー化反応や本出願人による国際公開第00/56694号パンフレットに記載の方法等により製造できる。
化合物(1X)と化合物(2X)とのエステル化反応、化合物(1Y)と化合物(2Y)とのエステル化反応は、公知のエステル化反応の条件により実施できる。反応温度の下限は通常は−50℃が好ましく、上限は+100℃が好ましい。反応時間は、原料の供給速度と、化合物量に応じて適宜変更できる。反応圧力は常圧〜2MPa(ゲージ圧。以下、圧力はゲージ圧で記載する。)が好ましい。
エステル化反応において、化合物(1X)に対する化合物(2X)の量は、nモル以上にするのが好ましい。化合物(1Y)に対する化合物(2Y)の量は、nモル以下にするのが好ましい。具体的には、化合物(2X)の量は、化合物(1X)に対して1〜2倍モルであるのが特に好ましく、1〜1.1倍モルであるのがとりわけ好ましい。化合物(1Y)の量は、化合物(2Y)に対して0.5〜1倍モルが特に好ましく、0.9〜1.0倍モルがとりわけ好ましい。該量で反応を行なった場合には、エステル化反応の反応生成物中に、未反応の水酸基含有化合物が残り、次工程のフッ素化における副反応を回避でき、かつ、化合物(3)の精製工程を簡略化できる。
エステル化反応の生成物は、フッ素化反応を円滑に行う観点から、精製するのが好ましい。特にエステル化反応の生成物が水酸基含有化合物を含む場合には、精製により該化合物を除去しておくのが好ましい。精製方法としては、蒸留法、生成物を水等で処理した後に分液する方法、適当な有機溶媒で抽出した後に蒸留する方法、シリカゲルカラムクロマトグラフィ等が挙げられる。
エステル化反応では、フッ酸(HF)が発生するため、アルカリ金属フッ化物(NaF、KF等が好ましい。)やトリアルキルアミン等をHF捕捉剤として反応系中に存在させてもよい。HF捕捉剤の量は、発生するHFの理論量に対して0.1〜10倍モル程度であるのが好ましい。HF捕捉剤を使用しない場合には、HFが気化しうる反応温度で反応を行い、HFを窒素気流に同伴させて反応系外に排出するのが好ましい。
また、HF捕捉剤を用いずにHFを窒素気流に同伴させて反応系外に排出する方法をとってもよく、該方法によるのが、粗液をそのまま次のフッ素化工程に用いることができる点から好ましい。
化合物(3)はつぎに液相フッ素化反応することにより化合物(4)に変換できる。化合物(3)のRがフッ素化されない基(即ち、Rがペルフルオロ1価有機基)である場合には、化合物(4)のRfはRと同一の基(すなわちR基)である。フッ素化は、フッ化コバルトを用いるフッ素化法、または電気化学的フッ素化法によっても実施できるが、フッ素化反応の収率が格段に高いことから、液相中でフッ素(F)と反応させる液相フッ素化法によりフッ素化を行うのが好ましい。
液相フッ素化法における液相としては、化合物(3)であってもよいが、生成物や反応に関与しない溶媒を用いるのが好ましい。
該溶媒としては、フッ素化反応に不活性な溶媒が好ましく、さらに化合物(3)の溶解性が高い溶媒を用いるのが特に好ましく、特に化合物(3)を1質量%以上溶解しうる溶媒、特には5質量%以上溶解しうる溶媒を用いるのが好ましい。
フッ素化反応に用いる溶媒の例としては、液相フッ素化の溶媒として用いられる公知の溶媒、後述する化合物(2F)、RがRである場合の化合物(4X−A)、RがRである場合の化合物(4X−B)、後述する化合物(5X−A)(ただし、RがRである。)、および後述する化合物(5X−B)(ただし、RがRである。)等が使用できる。該公知の溶媒としては、CF2ClCFCl2等のクロロフルオロカーボン類、ペルフルオロトリブチルアミン;ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)等のフルオロカーボン類が挙げられる。このうち該溶媒としては、化合物(2F)、化合物(4X−A)、または化合物(4X−B)であるのが、後処理が容易になる利点があるため好ましい。溶媒の量は、化合物(3)の総質量に対して、5倍質量以上が好ましく、特に1×101〜1×105倍質量が好ましい。
フッ素化反応の反応形式は、バッチ方式であっても連続方式であってもよい。たとえば、反応器にフッ素化反応溶媒を仕込んで撹拌し、つぎにフッ素ガスと化合物(3)とを、所定のモル比で連続的にフッ素化反応溶媒中に供給する方法が挙げられる。
フッ素は、フッ素ガスそのままを用いるか、不活性ガスで希釈されたフッ素ガスを用いるのが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガスが好ましく、経済的な理由から窒素ガスが特に好ましい。窒素ガス中のフッ素ガス量は特に限定されず、10vol%以上にするのが効率の点で好ましく、20vol%以上にするのが特に好ましい。
フッ素化反応に用いるフッ素は、化合物(3)中に含まれる水素原子の量に対するフッ素(F2)の量が、反応の最初から最後まで常に過剰当量となるように保つのが好ましく、特に水素原子に対するフッ素の量を1.05倍当量以上(すなわち、1.05倍モル以上)となるように保つのが選択率の点から好ましく、2倍当量以上(すなわち、2倍モル以上)となるように保つのが選択率の点からさらに好ましい。また、反応の開始時点においてもフッ素の量を過剰当量にするために、反応当初に用いるフッ素化反応溶媒には、あらかじめフッ素を充分量溶解させておくのが好ましい。
また、液相フッ素化反応は、化合物(3)中のエステル結合を切断せずに実施する必要があることから、反応温度の下限は−60℃および化合物(3)の沸点のうち低い温度にするのが好ましい。通常の場合には、反応収率、選択率、および工業的実施のしやすさの点から、反応温度は−50℃〜+100℃が特に好ましく、−20℃〜+50℃がとりわけ好ましい。フッ素化反応の反応圧力は特に限定されず、常圧〜2MPaにするのが、反応収率、選択率、工業的な実施のしやすさの観点から特に好ましい。
さらに、フッ素化反応を効率的に進行させるためには、反応系中にベンゼンやトルエン等のC−H結合含有化合物を添加する、化合物(3)を長時間反応系内に滞留させる、または、紫外線照射を行う等の操作を行うのが好ましい。これらの操作はフッ素化反応の後期に行うのが好ましい。
本発明のフッ素化反応は、式(3)で表される化合物中の炭素原子に結合した水素原子の少なくとも1つがフッ素原子に置換される反応であり、該水素原子の個数の50%以上が置換されるのが好ましく、特に90%以上が置換されるのが好ましく、とりわけ95%以上が置換されるのが好ましい。ただし、Gが−CH2−である場合には、−CF2−になるまで、フッ素化を継続するのが好ましい。この−CH2−はフッ素化されやすいため、A中の水素原子よりも優先的にフッ素化されうる。また、本発明の目的化合物はペルフルオロ化されているのが好ましく、多少の水素原子が存在する化合物もまた、目的に応じた用途で使用できる。
液相中フッ素化においては、水素原子がフッ素原子に置換されてHFが副生する。このHFを除去する目的で、反応系中にHF捕捉剤(NaFが好ましい。)を共存させる、反応器ガス出口でHF捕捉剤と出口ガスを接触させる、または出口ガスを冷却してHFを凝縮させて回収する、ことが好ましい。またHFは窒素ガス等の不活性ガスに同伴させて反応系外に導き、アルカリ処理してもよい。HF捕捉剤を使用する場合の量は、化合物(3)中に存在する全水素原子量に対して1〜20倍モルが好ましく、1〜5倍モルが特に好ましい。
フッ素化反応の反応生成物は、そのまま次の工程に用いてもよく、精製して高純度のものにしてもよい。精製方法としては、粗生成物を常圧または減圧下に蒸留する方法等が挙げられる。
化合物(3)のフッ素化反応では、化合物(4)が生成する。化合物(4)は、それ自身が有用な新規化合物であるが、該化合物のエステル結合の反応性を利用して種々の有用な下記化合物(5X)または下記化合物(5Y)に誘導できる。
f(−Gpn・・・(5X)
f(−CF−COF)n・・・(5Y)
ただし、Aおよびnは前記と同じ意味を示し、Gpは−COF、−OH、または、Af中のGpが結合する炭素原子とともに形成するケト基を示す。さらに、nが2以上である場合の式(5)中の−Gpの構造は同一であっても異なっていてもよい。
化合物(5)の製造方法は、化合物(4X)および化合物(4Y)中の−Gfの構造により分類でき、下記方法1または方法2により実施するのが好ましい。
方法1:化合物(4X)の−Gf−が−CF2−である化合物(4X−A)においてエステル結合の分解反応を行い下記化合物(5X−A)を得る方法。
F(−CF2OCORFn・・・(4X−A)
f(−COF)n・・・(5X−A)
方法2:化合物(4X)の−Gf−が単結合である化合物(4X−B)においては、加水分解反応または加アルコール分解反応を行い下記化合物(5X−B1)または下記化合物(5X−B2)を得る方法。
f(−OCORfn・・・(4X−B)
f(−OH)n・・・(5X−B1)
f(=O)n・・・(5X−B2)
方法3:化合物(4Y)の−Gf−が−CF2−である化合物(4Y−A)においては、エステル結合の分解反応を行い下記化合物(5Y−A)を得る方法。
F(−CF2COORFn・・・(4Y−A)
f(−CFCOF)n・・・(5Y−A)
方法1および方法3におけるエステル結合の分解反応は公知の反応である。エステル結合の分解反応は、熱分解反応、または求核剤もしくは求電子剤の存在下に行う分解反応、によるのが好ましい。熱分解反応は、液相反応で実施するのが好ましい。
エステル結合の分解反応を化合物(4X−A)を例に挙げて説明する。液相分解法は液状にした化合物(4X−A)を加熱する方法により実施するのが好ましい。該分解反応の生成物は、反応器中から一度に抜き出してもよい。また、生成した化合物(5X−A)は、化合物(4X−A)よりも通常は低沸点であることを利用して、蒸留塔を付けた反応装置を用いて反応を行い、生成物を蒸留で抜き出しながら行ってもよい。液相熱分解法の反応温度は50〜300℃が好ましく、特に100〜250℃が好ましい。液相熱分解法における反応圧力は限定されない。
液相熱分解法は、無溶媒で行っても、分解反応溶媒の存在下に行ってもよく、無溶媒で行うのが好ましい。分解反応溶媒を使用する場合には、化合物(4X−A)に対して0.1倍〜10倍質量の溶媒を使用するのが好ましい。
エステル結合の分解反応を液相中で求核剤または求電子剤と反応させる方法で実施する場合には、無溶媒であっても、分解反応溶媒の存在下であってもよく、無溶媒で行うのが好ましい。無溶媒で反応を行うことは、フッ素化反応生成物自身が溶媒としても作用し、反応生成物中から溶媒を分離する手間を省略できる。求核剤または求電子剤を用いる方法も、蒸留塔をつけた反応装置で蒸留をしながら行うのが好ましい。
求核剤としてはF-が好ましく、特にアルカリ金属のフッ化物由来のF-が好ましい。アルカリ金属のフッ化物としては、NaF、NaHF2、KF、CsFが好ましく、経済性の点ではNaFが、反応活性の点ではKFが特に好ましい。また、反応の最初の求核剤量は触媒量であってもよく、過剰量であってもよい。F-等の求核剤の量はフッ素化反応生成物に対して1〜500モル%が好ましく、1〜100モル%が特に好ましく、とりわけ5〜50モル%が好ましい。反応温度の下限は−30℃が好ましく、上限は−20℃〜250℃であるのが好ましい。化合物(4X−A)のエステル結合の分解反応では、化合物(5X−A)とともに下記化合物(2f)(好ましくは、下記化合物(2F))が生成する。ただし、RおよびRFは、前記の意味と同じ意味を示す。
COF・・・(2f)
FCOF・・・(2F)
化合物(2f)は、エステル結合の反応生成物から蒸留法により化合物(5X−A)から分離するのが好ましい。分離した化合物(2f)の一部または全部は、前述の化合物(3)の調製に使用する化合物(2X)として用いるのが好ましい。
化合物(5X−A)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 0004534765
方法2においては、式RH−OH(ただし、RHは水素原子または1価炭化水素基。)で表される化合物の存在下で実施する分解反応であるのが好ましい。RHが水素原子である場合は加水分解反応、RHが1価炭化水素基である場合は加アルコール分解反応となる。 RHが1価炭化水素基である場合には、アルキル基、シクロアルキル基、アダマンタンの水素原子の1個が結合手となった基が挙げられる。これらの基の炭素数は1〜10が好ましい。RH−OHで表される化合物がアルコール類である場合には、1級または2級のアルコール、シクロアルカノールが特に好ましい。1級アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、2−エチルヘキシルアルコール、オクタノールが挙げられ、2級アルコールの具体例としては、2−プロパノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、炭素数6〜10のアルコール類が好ましく、化合物(5X−B)および後述する化合物(3X−C)よりも沸点が高いアルコール類から選択するのが特に好ましい。
方法2における分解反応は、酸性または塩基性条件下に行うのが好ましい。酸性で分解反応を行う際に用いる酸としては、塩酸、硫酸などが好ましい。塩基性で分解反応を行う際に用いる塩基としてはアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。アルカリ金属の水酸化物としては、NaOH、KOH、CsOHが好ましく、経済性の点ではNaOHが特に好ましい。分解反応温度は50〜300℃が好ましく、特に100〜250℃が好ましい。反応圧力は限定されない。
化合物(4X−B)の分解反応は、反応溶媒の存在下に行ってもよい。分解反応溶媒を使用する場合には、化合物(4X−B)に対して0.1倍〜10倍質量の溶媒を使用するのが好ましい。また、RH−OHで表される化合物を過剰量用いた場合には、該化合物が溶媒としても作用しうる。
方法2における化合物(4X−B)において(−OCOR)基が結合する炭素原子がアダマンタンの3級炭素原子である場合には、化合物(5X−B1)が生成する。一方、(−OCOR)基が結合するAf中の炭素原子にフッ素原子が結合している場合には、化合物(5X−B2)が生成する。式(5X−B2)における(=O)部分は、酸素原子が(−OCORfpが結合する炭素原子とともにケト基を形成することを意味する。
この加水分解反応生成物中に水が残留した場合、化合物(5X−B2)に水が付加して下記化合物(5X−B2−OH)が生成しうる。加アルコール分解生成物中にRH−OHで表わされる化合物が残留した場合には、化合物(5X−B2)にRH−OH付加して下記化合物(5X−B2−OR)が生成しうる。ただし、下式中の記号は前記と同じ意味を示しkは1〜4の整数でありかつn≧kである。
f[(OH)(=O)n―k・・・(5X−B2−OH)
f[(OR(=O)n―k・・・(5X−B2−OR)
また、方法2における化合物(4X−B)の分解反応では、下記化合物(3X−C)も生成する。ただし、RFおよびRHは前記の意味と同じ意味を示す。
FCOORH(3X−C)
化合物(3X−C)が生成した場合には、化合物(5X−B)と化合物(3X−C)とを分離するのが好ましい。分離方法としては、蒸留法等が好ましい。また、化合物(4X−B)の分解反応を、反応蒸留形式で行い、化合物(5X−B)を抜き出しながら反応を行なうことにより、化合物(5X−B)を分離してもよい。
化合物(5X−B1)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 0004534765
化合物(5X−B2)の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 0004534765
本発明の方法で得られる化合物(5X)は、種々の機能性材料用の中間体として有用である。たとえば、化合物(5X−B1)の水酸基とアクリル酸またはメタクリル酸とをエステル化反応させた化合物は耐エッチング性ポリマーのコモノマーとして有用なアクリル酸エステルであり、該化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 0004534765
または、化合物(5X−A)の−COF基とプロペン−2−オールとをエステル化反応させた化合物、は耐エッチング性ポリマーのコモノマーとして有用なアクリル酸エステルであり、該化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 0004534765
本発明における好ましい態様としては、以下の化合物が挙げられる。
化合物(3)の例。
Figure 0004534765
化合物(4)の例。
Figure 0004534765
化合物(5)の例。
Figure 0004534765
本発明のアダマンタン誘導体をフォトリソグラフィー用の材料として用いた場合には、高度な耐エッチング性を発揮しうる。その理由は、環状化合物同士が結合した構造を持つアダマンタン骨格においては、レーザー光によって一部の結合が切断されたとしても化合物の分解には至りにくく、安定であるためと考えられる。また、本発明のアダマンタン誘導体はC−F構造を必須とするために、該構造はC−H構造よりも光の透過性に優れるため、高度な耐エッチング性と光透過性を兼ね備えた材料となりうる。
本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例においては、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンをR−113と記し、ジクロロペンタフルオロプロパンをR−225と記す。R−225は、CFCFCHClとCFClCFCHFClとの混合品を用いた。ガスクロマトグラフィはGCと記し、GC分析における結果はピーク面積比で示す。ガスクロマトグラフィ−質量分析をGC−MSと記す。圧力はゲージ圧で記す。
[例1]化合物(5a)の製造例
Figure 0004534765
(例1−1)化合物(3a)の合成例
化合物(1a)(8g)とクロロホルム(40mL)をフラスコに入れ、窒素ガスをバブリングさせながら撹拌した。FCOCF(CF3)OCF2CF2CF3(25.5g)を内温を30℃に保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、30℃で3時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水(50ml)を内温15℃以下で加えた。
得られた粗液を分液し、有機層として得た。さらに有機層を水(50ml)で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過し、粗液を得た。粗液をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(展開溶媒:R−225)で精製して下記化合物(3a)(20.4g)を得た。NMRスペクトルデータは以下のとおりであった。
1H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):1.50〜1.80(m,12H),2.01(bs,3H),3.87(d,J=10.7Hz,1H),4.04(d,J=10.7Hz,1H)。 19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−80.2(1F),−81.3(3F),−82.0(3F),−86.4(m,1F),−129.5(2F),−131.3(1F)。
(例1−2)化合物(3a)のフッ素化反応例(その1)
500mLのニッケル製オートクレーブに、R−113(312g)を加えて撹拌し、25℃に保った。オートクレーブガス出口には、20℃に保持した冷却器、NaFペレット充填層、および10℃に保持した冷却器を直列に設置した。なお、−10℃に保持した冷却器からは凝集した液をオートクレーブに戻すための液体返送ラインを設置した。窒素ガスを1.0時間吹き込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガス(以下、20%フッ素ガスと記す。)を、流速9.97L/hで1時間吹き込んだ。つぎに、20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例1−1で得た化合物(3a)(5.0g)をR−113(102g)に溶解した溶液を4.7時間かけて注入した。
つぎに、20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みつつ、オートクレーブ圧力を0.15MPaに保ち、ベンゼン濃度が0.01g/mlのR−113溶液(以下、ベンゼン溶液と記す。)を、オートクレーブ内温度を25℃から40℃にまで昇温しながら、9ml注入し、オートクレーブのベンゼン注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。つぎにオートクレーブ圧力を0.15MPaに、オートクレーブ内温度を40℃に保ちながら、ベンゼン溶液(6ml)を注入し、0.3時間撹拌を続けた。つぎにオートクレーブ圧力を0.15MPaに、オートクレーブ内温度を40℃に保ちながら、ベンゼン溶液(8.5ml)を注入し、さらに1.0時間撹拌を続けた。ベンゼンの注入総量は0.24g、R−113の注入総量は23.5mlであった。さらに、窒素ガスを1.0時間吹き込んだ。目的物を19F−NMRで定量(内部標準:C66)したところ、完全フッ素化物である化合物(4a)の収率は29%であった。また、化合物(3a)の部分フッ素化物が収率71%で生成していた。
19F−NMR(376.0MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−61.9(2F),−79.0〜−81.0(1F),−82.0(3F),−82.1(3F),−85.5〜−88.0(1F),−109.0〜−116.0(6F).−117.0〜−125.0(6F),−130.1(2F),−131.6〜−133.5(1F),−217.0〜−222.0(3F)。
1H−NMR(399.8MHz、溶媒:CDCl3、基準:TMS)δ(ppm):3.79(m,1H),5.30〜5.70(m,1H),7.00〜7.40(m,1H)。
(例1−3)液相フッ素化による化合物(4)の合成例(その2)
例1−2と同じオートクレーブを用意して、20%フッ素ガスを、流速10.60L/hで1時間吹き込んだ。20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例1−1で得た化合物(3a)(5.0g)をR−113(200g)に溶解した溶液を6.5時間かけて注入した。
つぎに、20%フッ素ガスを同じ流速で吹き込み、かつオートクレーブ圧力を0.15MPaに保ち、化合物(3a)のR−113溶液(0.01g/ml)を25℃から40℃にまで昇温しながら9ml注入し、オートクレーブのベンゼン注入口を閉め、0.3時間撹拌を続けた。つぎにオートクレーブ圧力を0.15MPaに、オートクレーブ内温度を40℃に保ち、ベンゼン溶液(6ml)を注入し、0.3時間撹拌を続けた。つぎに同様の操作を3回行った。さらに0.7時間撹拌を続けた。ベンゼンの注入総量は0.35g、R−113の注入総量は33.0mlであった。さらに、窒素ガスを1.0時間吹き込んだ。目的物を19F−NMRで定量(内部標準:C66)したところ、化合物(4a)の収率は61%であった。
19F−NMR(376.0MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−61.9(2F),−80.4(1F),−82.0(3F),−82.1(3F),−86.1(1F),−110.7(6F).−121.1(6F),−130.1(2F),−131.8(1F),−219.5(3F)。
(例1−4)液相熱分解による化合物(5a)の合成例
例1−3で得た化合物(4a)(5.3g)をKF粉末(0.3g)と共にフラスコに仕込み、激しく撹拌を行いながらオイルバス中で80〜90℃で4時間加熱した。フラスコ上部には20℃に温度調節した還流器およびフッ素樹脂フィルム製パック(デュポン社製商品名:テドラーパック)を直列に設置した。冷却後液状サンプル(3.4g)を回収した。GC−MSおよび19F−NMRにより分析した結果、液状サンプルは化合物(5a)とCF3CF(OCF2CF2CF3)COFが主生成物であることを確認した。
19F−NMR(376.0MHz、溶媒:CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):55.9(1F),−110.0(6F),−120.5(6F),−218.9(3F)。
[例2]化合物(5b)の製造例
Figure 0004534765
(例2−1)エステル化反応による化合物(3b)の製造例
1−アダマンタノール(3.09g、20.3mmol)、フッ化ナトリウム(0.95g、22.6mmol)を50mLの丸底フラスコに入れ、撹拌しながらCF(CFOCF(CF)COF 9.94g(29.9mmol)を、室温で滴下した。滴下終了後、50℃まで昇温しながら撹拌し、内温を45〜50℃に保ちながら9時間撹拌を続けた。R−225を加えて希釈した後、ろ紙でフッ化ナトリウムを除去し、水洗した後に硫酸マグネシウムを加え、一晩静置した。硫酸マグネシウムを濾過し、エバポレーターで濃縮することにより、粗液8.80gを得た。GC、NMRによる分析の結果、化合物(3b)が選択率99.8%、収率93.2%で生成していることを確認した。
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS)δ(ppm):1.69(s,6H),2.15(s,6H),2.24(s,3H)。
19F−NMR(282.7MHz、溶媒:CDCl、基準:CFCl)δ(ppm):−79.8〜−80.4(1F),−81.7(3F),−82.4(3F),−86.4〜−87.0(1F),−130.2(2F),−131.7(1F)。
[例2−2]フッ素化反応による化合物(4b)の製造例
例1−2と同じオートクレーブを用意して、20%希釈フッ素ガスと記す。)を室温で流速13.22L/hで30分吹き込んだ後、オートクレーブ内圧力を0.15MPaまで昇圧してから更に30分吹き込んだ。つぎに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例2−1で得た化合物(3b)(5g)をR−113(100g)に溶解した溶液を4.2時間かけて注入した。
例1−2と同様の条件(ただし、ベンゼン注入は3回行った。ベンゼンの注入総量は0.33g、R−113の注入総量は33mLであった。)で反応を行った。反応後、反応器内圧力を常圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んだ。生成物を19F−NMRで分析した結果、化合物(4b)が収率83%で含まれていることを確認した。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl,基準:CFCl)δ(ppm):−79.4〜−80.1(1F),−81.7〜−82.2(6F),−87.2〜−88.1(1F),−113.5〜−124.5(12F),−130.1(2F),-131.2(1F),−220.0〜−223.2(3F)。
(例2−3)加水分解反応による化合物(5b)の製造例
例2−2で得た生成物(6.3g)を50mLの丸底フラスコに仕込み、水浴中で撹拌しながら、水酸化ナトリウムの10wt%エタノール溶液を滴下した。撹拌を続けながらゆっくりと50℃まで昇温して、3時間後に撹拌を止めた。R−225を加えて3回抽出を行い、得られた有機層を濃縮して白色結晶サンプル(2.3g)を回収した。GC−MS、19F−NMRにより分析した結果、化合物(5b)が主生成物であることを確認した。
19F−NMR(376.2MHz,溶媒:CDCl,基準:CFCl)δ(ppm):−116.5〜−125.0(12F),−220.0〜−224.0(3F)。
[例3]化合物(5c)の製造例
Figure 0004534765
(例3−1)エステル化反応による化合物(3c)の製造例
2−メチル−2−アダマンタノール(2.22g、13.4mmol)、フッ化ナトリウム(1.24g、29.5mmol)を50mLの丸底フラスコに入れ、撹拌しながらCF(CFOCF(CF)COF(5.31g、16.0mmol)を、室温で滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温しながら撹拌し、内温を55〜60℃に保ちながら12時間撹拌を続けた。R−225を加えて希釈した後、ろ紙でフッ化ナトリウムを除去し、水洗した後に硫酸マグネシウムを加え、一晩静置した。硫酸マグネシウムを濾過し、エバポレーターで濃縮した後、真空ポンプで減圧濃縮することにより、粗液3.28gを得た。GC、NMRによる分析の結果、化合物(3c)が選択率95.9%、収率49.1%で得られていることを確認した。
H−NMR(300.4MHz、溶媒:CDCl、基準:TMS)δ(ppm):1.54〜2.05(m,15H),2.22(s,1H),2.52(s,1H)。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl,基準:CFCl)δ(ppm):−79.1〜−79.8(1F),−81.1(3F),−81.5(3F),−85.3〜−85.8(1F),−129.2(2F),−130.6(1F)。
(例3−2)フッ素化反応による化合物(4c)の製造例
例1−2と同じオートクレーブを用意して、20%希釈フッ素ガスを室温で流速13.85L/hで1時間吹き込んだ。つぎに20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例3−1で得た化合物(3c)(3g)をR−113(80g)に溶解した溶液を4.7時間かけて注入した。
例1−2と同様の条件(ただし、ベンゼンの注入総量は0.22g、R−113の注入総量は21mLであった。)で反応を行なった。反応後、反応器内圧力を常圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んだ。
生成物を19F−NMRで分析した結果、化合物(4c)が収率75%で含まれていることを確認した。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl,基準:CFCl)δ(ppm):−79.4〜−80.1(1F),−81.5〜−82.2(9F),−87.2〜−88.1(1F),−101.0〜−124.5(10F),−130.1(2F),-132.0(1F),−215.0〜−223.6(4F)。
(例3−3)加水分解反応による化合物(5c)の製造例
例3−2で得た生成物(3.0g)を50mLの丸底フラスコに仕込み、水浴中で撹拌しながら、水酸化ナトリウムの10wt%エタノール溶液を滴下した。撹拌を続けながらゆっくりと50℃まで昇温し、3時間後に撹拌を止めた。R−225(CFCFCHCl/CFClCFCHFCl混合品)を加えて3回抽出を行い、得られた有機層を濃縮して淡黄色結晶サンプル(1.3g)を回収した。GC−MSにより分析した結果、化合物(5c)が生成していることを確認した。選択率は27%であった。
MS:455(M−OH),386(M−OH−CF),69(CF)。
[例4]化合物(5d)の製造例
Figure 0004534765
(例4−1)エステル化反応による化合物(3d)の製造例
1−アダマンタン酸クロリド(1d)(1.95g、9.8mmol)、ピリジン(1.00g、12.6mmol)を50mLの丸底フラスコに入れ、撹拌しながらCF(CFOCF(CF)CFOCF(CF)CHOH 4.61g(9.6mmol)を室温で滴下した。滴下終了後、50℃まで昇温しながら撹拌し、内温を45〜50℃に保ちながら5時間撹拌を続けた。R−225を加えて希釈した後、希塩酸溶液で洗浄し、更に水洗した後に硫酸マグネシウムを加え、一晩静置した。硫酸マグネシウムを濾過し、エバポレーターで濃縮することにより、粗液5.47gを得た。GC、NMRによる分析の結果、化合物(3d)が選択率83.8%、収率74.4%で得られていることを確認した。
H−NMR(300.4MHz,溶媒:CDCl,基準:TMS)δ(ppm):1.73(m,6H),1.90(s,6H),2.03(s,3H),4.58(m,2H)。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl,基準:CFCl)δ(ppm):−79.8〜−80.6(4F),−81.8〜−83.4(9F),−130.1(2F),−133.9(1F),−145.5(1F)。
(例4−2)フッ素化反応による化合物(4d)の製造例
例1−2と同じオートクレーブを用意し、20%希釈フッ素を、室温で流速11.31L/hで30分間吹き込んだ後、オートクレーブ内圧力を0.20MPaまで昇圧してから更に30分吹き込んだ。
つぎに反応器内圧力を0.20MPaに保ったまま、20%希釈フッ素ガスを同じ流速で吹き込みながら、例4−1で得た化合物(3d)(4g)をR−113(80g)に溶解した溶液を3.3時間かけて注入した。
その後、オートクレーブ内圧力を0.20MPaに保持すること、ベンゼン溶液注入を5回繰り返すこと、およびベンゼンの注入総量を0.45g、R−113の注入総量を45mLとすること、以外は例1−2と同様に反応を行なった。反応後に反応器内圧力を常圧にして、窒素ガスを1時間吹き込んだ。生成物を19F−NMRで分析した結果、標記化合物が収率86%で含まれていることを確認した。
19F−NMR(282.7MHz,溶媒:CDCl,基準:CFCl)δ(ppm):−79.5〜−87.0(15F),−110.5(6F),−121.0(6F),−130.2(2F),-145.4(2F),−219.1(3F)。
(例4−3)エステル結合の分解反応(液相熱分解反応)による化合物(5d)の製造例
例4−2で得た化合物(4d)(4.8g、5.0mmol)をKF粉末0.09g(1.5mmol)と共に50mLの丸底フラスコに仕込み、激しく撹拌しながらオイルバス中、140℃で1時間加熱した。フラスコ上部には20℃に温度調節した還流器を設置し、受器部分に3.2gの液状サンプルを回収した。GC、19F−NMRにより分析した結果、化合物(5d)およびCF(CFOCF(CF)CFOCF(CF)COFが主生成物であることを確認した。
19F−NMR(376.2MHz,溶媒:CDCl,基準:CFCl)δ(ppm):55.9(1F),−110.2(6F),−120.6(6F),−219.0(3F)。
本発明の製造方法によれば、入手が容易な原料から経済的に有利に、耐エッチング性に優れ、短波長の光の透過性が向上したフッ素化アダマンタン誘導体を製造できる。
上記方法で製造されたアダマンタン誘導体はそのものを、または−OH基、=O基、−COF基の反応性を利用して誘導体化することにより、耐エッチング性に優れかつ短波長の光の透過性が向上した微細加工技術材料に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 下式(5c)で表わされる化合物。
    Figure 0004534765
  2. 下式(3X−A)で表される化合物を液相フッ素化によりフッ素化することにより下式(4X−A)で表される化合物を得て、つぎに該化合物のエステル結合の分解反応を行うことを特徴とする下式(5X−A)で表される化合物の製造方法。
    A(−CH OCOR) ・・・(3X−A)、
    (−CF OCOR ・・・(4X−A)、
    (−COF) ・・・(5X−A)
    式中の記号は下記の意味を示す。
    A:アダマンタンの水素原子のn個が結合手となったn価の基であり、かつ結合手にならない該水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
    R:炭素数2〜20の含フッ素アルキル基または炭素数2〜20の含フッ素のエーテル性酸素原子を含有するアルキル基。
    n:1以上4以下の整数。
    :前記基A中の水素原子の100%がフッ素原子に置換された基。
    :炭素数2〜20のペルフルオロアルキル基または炭素数2〜20のエーテル性酸素原子を含有するペルフルオロアルキル基。
  3. 下式(3Y−B)で表される化合物を液相フッ素化によりフッ素化することにより下式(4Y−B)で表される化合物を得て、つぎに該化合物のエステル結合の分解反応を行うことを特徴とする下式(5X−A)で表される化合物の製造方法。
    A(−COOR) ・・・(3Y−B)
    (−COOR ・・・(4Y−B)、
    (−COF) ・・・(5X−A)
    式中の記号は下記の意味を示す。
    A:アダマンタンの水素原子のn個が結合手となったn価の基であり、かつ結合手にならない該水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
    R:炭素数2〜20の含フッ素アルキル基または炭素数2〜20の含フッ素のエーテル性酸素原子を含有するアルキル基。
    n:1以上4以下の整数。
    :前記基A中の水素原子の100%がフッ素原子に置換された基。
    :炭素数2〜20のペルフルオロアルキル基または炭素数2〜20のエーテル性酸素原子を含有するペルフルオロアルキル基
  4. 下式(3X−B)で表される化合物を液相フッ素化によりフッ素化することにより下式(4X−B)で表される化合物を得て、つぎに該化合物の加水分解反応または加アルコール分解反応を行うことを特徴とする下式(5X−B1)で表される化合物の製造方法。
    A(−OCOR) ・・・(3X−B)
    (−OCOR ・・・(4X−B)、
    (−OH) ・・・(5X−B1)
    式中の記号は下記の意味を示す。
    A:アダマンタンの水素原子のn個が結合手となったn価の基であり、かつ結合手にならない該水素原子は、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよい。
    R:炭素数2〜20の含フッ素アルキル基または炭素数2〜20の含フッ素のエーテル性酸素原子を含有するアルキル基。
    n:1以上4以下の整数。
    :前記基A中の水素原子の100%がフッ素原子に置換された基。
    :炭素数2〜20のペルフルオロアルキル基または炭素数2〜20のエーテル性酸素原子を含有するペルフルオロアルキル基。
    ただし、式−OCORで表される基、式−OCOR で表される基または式−OHで表される基が結合するアダマンタンの炭素原子は、3級炭素原子である。
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