JP2002255901A - 新規なvic−ジクロロ酸フルオリド化合物 - Google Patents
新規なvic−ジクロロ酸フルオリド化合物Info
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Abstract
化合物の提供。 【解決手段】 CF2ClCFClCF(OCF3)CO
F等のCF2ClCFClCF(ORf)COF(式1)
で表される化合物。ただし、Rfはペルフルオロアルキ
ル基を示す。
Description
ノマーの製造中間体として有用なvic−ジクロロ構造
を有する新規なvic−ジクロロ酸フルオリド化合物に
関する。
−ジクロロ構造(炭素とその炭素に隣接する炭素に、そ
れぞれ塩素原子が1個結合した構造)を有し、かつフル
オロカルボニル基(−COF)を併有するvic−ジク
ロロ酸フルオリド化合物は、フッ素樹脂原料モノマーの
製造中間体として有用な化合物である。たとえば、CF
2ClCFCl−部分を有する化合物は、亜鉛と反応さ
せ、次に脱塩素化することにより、ペルフルオロビニル
基(CF2=CF−)を有する酸フルオリド化合物とす
ることができる。該化合物のペルフルオロビニル基は重
合性基であり、これを重合させることにより種々のフッ
素樹脂が製造できる。フッ素樹脂は耐熱性および耐薬品
性に優れた有用な樹脂である。
素樹脂の原料として有用な新規なvic−ジクロロ構造
を有する酸フルオリド化合物を提供することにある。
表される化合物を提供する。
示す。
表される化合物を、化合物(1)のように記す。他の式
で表される化合物においても同様である。
基を示す。ペルフルオロアルキル基とは、アルキル基中
の水素原子の全てがフッ素化された基をいう。Rfの炭
素数は1〜10が好ましく、特に1〜6が好ましく、と
りわけ−CF3が好ましい。
物が挙げられる。ただし、nは1〜9の整数を示す。こ
れらのうちRfが−CF3である場合の下式(1A)で表
される化合物が好ましい。
は方法2により製造されるのが好ましい。
式(B)で表される化合物とエステル化反応させて下式
(C)で表される化合物とし、該式(C)で表される化
合物をフッ素化して下式(D)で表される化合物とし、
該式(D)で表される化合物のエステル結合を分解させ
ることにより製造する方法。
を示し、Rfは上記と同じ意味を示し、Rf2は、ペルフ
ルオロ1価飽和有機基を示す。Xはハロゲン原子を示
す。
下式(B1)で表される化合物とエステル化反応させて
下式(C1)で表される化合物とし、該式(C1)で表さ
れる化合物を塩素化して下式(C2)で表される化合物
とし、該式(C2)で表される化合物をフッ素化して下
式(D)で表される化合物とし、該式(D)で表される
化合物のエステル結合を分解させることにより製造する
方法。
同じ意味を示す。Rf20は、Rf2と同一のペルフルオロ
1価飽和有機基またはCF2=CFCF(ORf)CF2
−(ただし、Rfは上記と同じ意味を示す。)を示す。
の1個以上を水素原子に置換した基、該置換した基の炭
素−炭素結合の1個以上を不飽和結合にした基、Rf基
の炭素−炭素結合の1個以上を不飽和結合に置換した基
が挙げられる。該不飽和結合としては、二重結合であっ
ても三重結合であってもよい。
H2)nCH3−(ただし、nは1〜9の整数を示す。)
が挙げられ、CH3−が好ましい。
られる。
ペルフルオロ(エーテル性酸素原子含有アルキル)基、
ペルフルオロ(部分クロロアルキル)基、ペルフルオロ
(部分クロロ(エーテル性酸素原子含有アルキル))基
が好ましく、特にペルフルオロ(部分クロロ(エーテル
性酸素原子含有アルキル))基が好ましく、CF2Cl
CFClCF(ORf)CF2−がとりわけ好ましい。
れる。ただし、nは上記と同じ意味を示し、mおよびp
は0以上の整数を示し、0〜10の整数が好ましく、k
は1以上の整数を示し、1〜10の整数が好ましい。
2−。
lCF(ORf)−が好ましい。
Rf2と同様の例が挙げられる。Rf20がCF2=CFCF
(ORf)CF2−である場合には、以下の基が例示され
うる。ただし、nは上記と同じ意味を示す。
臭素原子、またはヨウ素原子であり、フッ素原子、塩素
原子、または臭素原子が好ましく、特にはフッ素原子が
好ましい。
化反応は、通常のエステル化反応の条件で実施できる。
該反応は、溶媒(以下、エステル化溶媒という。)を使
用して実施してもよいが、エステル化溶媒は使用しない
のが容積効率の点から好ましい。
がフッ素原子である化合物を用いてエステル化反応を行
った場合には、HFが発生するため、HFの捕捉剤とし
て、アルカリ金属フッ化物(たとえばNaF、KF等)
や、トリアルキルアミン、ピリジン等の塩基を反応系中
に存在させてもよい。HF捕捉剤を用いる場合の量は、
化合物(B)または化合物(B1)に対して1〜10倍
モルとするのが好ましい。HFの捕捉剤を使用しない場
合には、HFが気化しうる反応温度で反応を行い、か
つ、HFを窒素気流に同伴させて反応系外に排出するの
が好ましい。
合、−50℃以上が好ましく、上限は、+100℃また
はエステル化溶媒の沸点のうち、低い温度が好ましい。
また、反応時間は、原料の供給速度と反応に用いる化合
物量に応じて適宜変更されうる。反応圧力(ゲージ圧、
以下同様)は0〜2MPaが好ましい。
化合物(C1)については、塩素化を行い、化合物
(C2)とする。塩素化反応は、塩素化剤を用いて通常
の塩素化反応の操作および反応条件で実施できる。塩素
化剤としては、塩素(Cl2)が好ましい。塩素を使用
する場合の量は、化合物(C1)に対して1〜10倍モ
ルが好ましく、1〜5倍モルが特に好ましい。化合物
(C1)と塩素化剤との反応は、溶媒(以下、塩素化溶
媒という。)を使用して実施してもよいが、塩素化溶媒
は容積効率の点から使用しないのが好ましい。塩素化溶
媒を用いる場合には、ハロゲン化炭化水素系溶媒を用い
るのが好ましい。ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、
ジクロロメタン、クロロホルム等が挙げられる。塩素化
溶媒の使用量は、化合物(C1)の質量に対して0.5
〜5倍量であるのが好ましい。また、塩素化反応の温度
は−78℃〜+200℃が好ましい。
(C2)については、つぎにフッ素化反応を行う。以
下、化合物(C)と化合物(C2)を総称してフッ素化
基質という。フッ素化反応は、電気化学的フッ素化法
(ECF法)、フッ化コバルトを用いてフッ素化する方
法、気相でフッ素ガスと反応させる方法によっても実施
できるが、上記方法は、フッ素化反応生成物の収量がき
わめて少ない、特殊な装置を必要とする、操作が困難、
等の問題があることから、液相中でフッ素と反応させる
ことによる液相フッ素化法により行うのが、高収量、操
作の簡便性等の点から好ましい。以下、液相フッ素化法
について説明する。
反応に用いる液相の種類に応じて適宜変更するのが好ま
しく、通常はフッ素含量(フッ素化基質の分子量に対す
るフッ素原子の総量の割合)の下限は10質量%以上が
好ましく、特に30質量%以上が好ましい。また、上限
は86質量%以下が好ましく、特に80質量%以下が好
ましい。
1000となるように、それぞれR f2とRf20の構造を
調節するのが好ましい。分子量が上記範囲にある場合に
は、液相中でのフッ素化反応を円滑に実施できる点で好
ましい。分子量が小さすぎるとフッ素化基質が気化しや
すくなるため、液相でのフッ素化反応時に気相中で分解
反応が起こるおそれがある。一方、分子量が大きすぎる
とフッ素化基質の精製が困難になるおそれがある。
合物(C2)の例としては、以下の例が挙げられる。た
だし、下式中のmは上記と同じ意味を示す。
フッ素を導入して化合物と反応させることにより実施す
るのが好ましい。フッ素は、100%のフッ素ガスを用
いても、不活性ガスで希釈したフッ素ガスを用いてもよ
い。不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガスが好
ましく、窒素ガスが特に好ましい。不活性ガスとフッ素
ガスの混合ガス中のフッ素ガス量は、5体積%以上とす
るのが効率の点で好ましく、なかでも5〜30体積%と
するのが塩素の引き抜きや塩素のマイグレーションを防
ぐ点で特に好ましい。
ては、C−H結合を含まずC−F結合を必須とする溶媒
が好ましい。さらに、ペルフルオロアルカン類、また
は、塩素原子、窒素原子、および酸素原子から選ばれる
1種以上の原子を構造中に有する公知の有機溶剤をペル
フルオロ化した有機溶剤が好ましい。さらにフッ素化溶
媒としては、フッ素化基質に対する溶解性が高い溶媒を
用いるのが好ましく、特に、溶媒とフッ素化基質との総
量に対して、フッ素化基質が1質量%以上溶解する溶
媒、特には5質量%以上溶解する溶媒を用いるのが好ま
しい。
の生成物である化合物(D)、化合物(1)、化合物
(B)、ペルフルオロアルカン類(商品名:FC−72
等)、ペルフルオロエーテル類(商品名:FC−75、
FC−77等)、ペルフルオロポリエーテル類(商品
名:クライトックス、フォンブリン、ガルデン、デムナ
ム等)、クロロフルオロカーボン類(商品名:フロンル
ーブ)、クロロフルオロポリエーテル類、ペルフルオロ
アルキルアミン(たとえば、ペルフルオロトリアルキル
アミン等)、不活性流体(商品名:フロリナート)等が
挙げられる。このうち、フッ素化溶媒としては、化合物
(D)が好ましい。特に、化合物(D)を用いた場合に
は反応後の後処理が容易になる利点がある。フッ素化溶
媒の量は、フッ素化基質に対して、5倍質量以上が好ま
しく、特に10〜100倍質量が好ましい。
式または連続方式が好ましく、特に、反応収率と選択率
の点から、連続方式が好ましい。またフッ素ガスは、バ
ッチ方式で実施する場合においても、連続方式で実施す
る場合においても、窒素ガス等の不活性ガスで希釈した
ものを使用してもよい。連続方式によるフッ素化反応の
方法としては、以下の例が挙げられる。
質とフッ素化溶媒とを仕込み、撹拌を開始する。つい
で、所定の反応温度と反応圧力下で、フッ素ガスを、フ
ッ素化溶媒中に連続的に供給しながら反応させる方法で
ある。
を仕込み、撹拌する。ついで、所定の反応温度と反応圧
力下で、フッ素化基質とフッ素ガスとを、所定のモル比
で、フッ素化溶媒中に連続的かつ同時に供給する方法で
ある。
供給する際には、フッ素化溶媒で希釈してもしなくても
よい。希釈する場合には、フッ素化基質の質量に対する
フッ素化溶媒の量を、5倍量以上とするのが好ましく、
特に10倍量以上とするのが好ましい。
応を効率的に進行させるためには、反応の後段で、フッ
素化基質中に存在する水素原子に対して、フッ素の量が
常に過剰当量となるようにフッ素ガスを仕込むのが好ま
しく、特に1.5倍当量以上(すなわち、1.5倍モル
以上)となるようにフッ素ガスを仕込むのが選択率の点
から好ましい。
以上かつフッ素化基質の沸点以下が好ましく、反応収
率、選択率、および工業的実施のしやすさの点から−5
0℃〜+100℃が特に好ましく、−20℃〜+50℃
が塩素の引き抜きや塩素のマイグレーションを防ぐ点で
とりわけ好ましい。フッ素化反応の反応圧力は特に限定
されず、常圧〜2MPaであるのが、反応収率、選択
率、工業的実施の容易さ、の観点から特に好ましい。
中にC−H結合含有化合物を存在させるか、または、紫
外線照射を行う、のが好ましい。たとえば、フッ素化反
応後期にC−H結合含有化合物を反応系中に添加する、
または、紫外線照射を行うのが好ましい。これにより、
フッ素化基質中に存在するフッ素化されにくい水素原子
を効率的にフッ素化でき、反応率を飛躍的に向上させう
る。紫外線照射時間は、0.1〜3時間であるのが好ま
しい。
基質以外の有機化合物であり、特に芳香族炭化水素が好
ましく、とりわけベンゼン、トルエン等が好ましい。該
C−H結合含有化合物の添加量は、フッ素化基質中の水
素原子に対して0.1〜10モル%であるのが好まし
く、特に0.1〜5モル%であるのが好ましい。
素が存在する状態で添加するのが好ましい。さらに、C
−H結合含有化合物を加えた場合には、反応系を加圧す
るのが好ましい。加圧時の圧力としては、0.01〜5
MPaが好ましい。
原子がペルフルオロ化されるまで反応を行う。液相フッ
素化反応では、水素原子がフッ素原子に置換され、ま
た、不飽和結合が存在する場合には、不飽和結合部分に
フッ素原子が付加する。
る。副生したHFを除去するには、反応系中にHFの捕
捉剤を共存させる、または反応器ガス出口でHF捕捉剤
と出口ガスを接触させるのが好ましい。該HF捕捉剤と
しては、アルカリ金属フッ化物(たとえばNaF、KF
等)などの塩基が好ましく、該塩基は反応系中に存在さ
せてもよい。HFの捕捉剤としてはNaFが特に好まし
い。
量は、フッ素化基質中に存在する全水素原子量に対して
1〜20倍モルが好ましく、1〜5倍モルが好ましい。
反応器ガス出口にHF捕捉剤をおく場合には、(a)冷
却器(10℃〜室温に保持するのが好ましく、特には約
20℃に保持するのが好ましい。)、(b)NaFペレ
ットなどのHF捕捉剤の充填層、および(c)冷却器
(−78℃〜+10℃に保持するのが好ましく、−30
℃〜0℃に保持するのが好ましい。)を(a)−(b)
−(c)の順に直列に設置するのが好ましい。なお、
(c)の冷却器からは凝集した液を反応器に戻すための
液体返送ラインを設置してもよい。
解反応を行うことにより、目的とする化合物(1)を得
る。
て2つの−COF基を形成する反応である。該反応は、
熱分解反応または求核剤もしくは求電子剤の存在下に行
う分解反応により実施するのが好ましい。
とにより実施できる。熱分解反応の反応形式としては、
化合物(D)の沸点とその安定性により選択するのが好
ましい。
合物である場合の熱分解反応は、気相で連続的に分解さ
せて、得られた化合物(1)を含む出口ガスを凝縮し、
回収する気相熱分解法を採用しうる。気相熱分解法の反
応温度は50〜350℃が好ましく、50〜300℃が
特に好ましく、とりわけ150〜250℃が好ましい。
また、反応系中に、反応には直接関与しない不活性ガス
を共存させてもよい。不活性ガスとしては、窒素ガス、
二酸化炭素ガス等が挙げられる。不活性ガスは化合物
(D)に対して0.01〜50体積%程度を添加するの
が好ましい。不活性ガスの添加量が多いと、生成物回収
量が低減することがある。
である場合の熱分解反応は、反応器内で液のまま加熱す
る液相熱分解法を採用するのが好ましい。この場合の反
応圧力は限定されない。通常の場合、エステル分解の生
成物は、より低沸点であることから、該反応は蒸留塔を
付けた反応器を用いて低沸点の生成物を連続的に抜き出
しながら行うのが好ましい。また加熱終了後に反応器中
から一括して生成物を抜き出す方法であってもよい。こ
の液相熱分解法の反応温度は50〜300℃が好まし
く、特に100〜250℃が好ましい。
溶媒で行うのが好ましい。溶媒(以下、分解反応溶媒と
いう。)の存在下に行ってもよい。分解反応溶媒を用い
る場合には、化合物(D)と反応せず、化合物(D)と
相溶する溶媒であって、化合物(1)と反応しないもの
であれば特に限定されない。また、分解反応溶媒として
は、生成物の精製時に分離しやすいものを選定するのが
好ましい。
オロトリアルキルアミン、ペルフルオロナフタレンなど
の不活性溶媒、クロロフルオロカーボン類等のなかでも
高沸点であるクロロトリフルオロエチレンオリゴマー
(たとえば、旭硝子社商品名:フロンルーブ)、が好ま
しい。また、分解反応溶媒の量は化合物(D)に対して
10〜1000質量%が好ましい。
は求電子剤と反応させてエステル結合を分解してもよ
い。この場合、該反応は、無溶媒で行っても、分解反応
溶媒の存在下に行ってもよい。求核剤としてはフッ素イ
オン(F-)が好ましく、特にアルカリ金属のフッ化物
由来のフッ素イオンが好ましい。アルカリ金属のフッ化
物としては、NaF、NaHF2、KF、CsFが好ま
しく、NaFが特に好ましい。NaFの存在下で熱分解
反応を実施することにより、熱分解反応を低い温度で実
施でき、化合物の分解反応を防止できる。
あるのが好ましいが、過剰に用いてもよい。求核剤の量
は化合物(D)に対して1〜500モル%が好ましく、
10〜100モル%が特に好ましく、とりわけ5〜50
モル%が好ましい。反応温度の下限は、−30℃以上で
あるのが好ましく、上限は、溶媒または化合物(D)の
沸点のうち低い温度が好ましく、通常は−20℃〜25
0℃が特に好ましい。エステル分解反応は、蒸留塔を付
けた反応器を用いて実施するのが好ましい。
物(1)とともに化合物(B)が生成する。
CF2−である場合には、該化合物(B)は化合物
(1)と同一化合物であることから、生成物の分離操作
は必要はない。しかし、Rf2がCF2ClCFClCF
(ORf)CF2−以外の基である場合には、生成物中の
化合物(B)を分離するのが好ましい。そして、該化合
物(B)は、化合物(B)として、または化合物
(B1)として再利用するのが好ましい。
種々のフッ素樹脂の製造用モノマーの中間体として有用
な新規化合物である。たとえば、化合物(1)は、ペル
フルオロプロピレンオキシドと反応させて化合物(1
0)とし、これを熱分解して化合物(11)とし、該化
合物(11)を亜鉛の存在下で反応させることによりフ
ッ素樹脂原料として有用な化合物(12)へと導かれ
る。該化合物(12)を重合させたフッ素樹脂は、透明
でありかつ高Tg値(Tg:ガラス転移温度)を有する
有用なフッ素樹脂である。
するが、これらによって本発明は限定されない。なお、
以下においてガスクロマトグラフィをGC、核磁気共鳴
スペクトル分析をNMR、ガスクロマトグラフィ質量分
析をGC−MS、テトラメチルシランをTMS、ジクロ
ロペンタフルオロプロパンをAK−225、リットルは
Lで記す。また、GC純度とはガスクロマトグラフィに
よるピーク面積比から求めた純度をいう。
HCH(OCH3)CH2OCOCF(CF3)OCF2C
F2CF3の製造例 CH2=CHCH(OCH3)CH2OH(270g)を
NaF(334g)とともに20℃の冷媒を循環させた
還流器をもつ2L耐圧反応器中に仕込み、−10℃で撹
拌した。
により、反応によって副生するHFを上部還流器より系
外に排出しながら、FCOCF(CF3)OCF2CF2
CF3(1055g)を1.5時間かけて滴下した。こ
の際、反応器の内温が0℃以下になるように温度を調節
した。滴下終了後30℃で18時間撹拌し反応を終了し
た。
別することにより粗生成物(981g)を得た(収率8
6.4%)。NMRによる分析の結果、標記化合物の生
成を確認した。
CDCl3,基準:TMS)δ(ppm):3.29
(s,3H),3.85〜3.90(m,1H),4.
24〜4.45(m,2H),5.34(s,1H),
5.39(d,J=8.4Hz,1H),5.59〜
5.71(m,1H)。
CDCl3,基準:CFCl3)δ(ppm):−81.
8(3F),−82.6(3F),−79.9〜−8
7.5(2F),−130.2(2F),−132.3
(1F)。
ClCH(OCH3)CH2OCOCF(CF3)OCF2
CF2CF3の製造例 例1で得たCH2=CHCH(OCH3)CH2OCOC
F(CF3)OCF2CF2CF3(981g)を0℃に冷
却したジムロートを取り付けた2Lの3つ口フラスコ中
に仕込み、−10〜0℃で撹拌を行いながら塩素ガスを
0.8g/分の速度で導入し反応を行った。170gの
塩素ガスを導入した時点で反応を終了し粗液1084g
を得た。
蒸留精製し744gの生成物を得た。NMRおよびガス
クロマトグラフによる分析の結果、標記化合物がGC純
度98%で3種のジアステレオマー混合物として生成し
ていることを確認した。
CDCl3,基準:TMS)δ(ppm):3.45
(d,J=1.5Hz) and 3.47(s) a
nd 3.55(d J=0.6Hz) total
3H,3.56〜3.80(m,2H),3.82〜
4.12(m,2H),4.43〜4.57(m,1
H),4.65(dd,J=6.3Hz,11.4H
z) and 4.89(ddd,J=42.4Hz,
12.0Hz,3.0Hz) and 5.49(q,
J=5.1Hz) total 1H。
CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):−79.
93〜−80.65(1F),−81.72〜−81.
80(3F),−82.47〜−82.56(3F),
−86.46〜−87.22(1F),−130.07
〜−130.19(2F),−132.26〜−13
2.47(1F)。
FClCF(OCF3)CF2OCOCF(CF3)OC
F2CF2CF3の製造例 3000ccのニッケル製オートクレーブに、CF3C
F2CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COF
(3523g、以下溶媒Aと記す。)を加えて撹拌し、
5℃に保った。オートクレーブガス出口には−10℃に
保持した冷却器を設置した。窒素ガスを3.5時間吹き
込んだ後、窒素ガスで20%に希釈したフッ素ガス(以
下、希釈フッ素ガスと記す。)を、流速26.52L/
hで1時間吹き込んだ。つぎに、フッ素ガスを同じ流速
で吹き込みながら、例2で得たCH 2ClCHClCH
(OCH3)CH2OCOCF(CF3)OCF2CF2C
F3の一部(415g)を22.5時間かけて注入し
た。反応粗液を261g抜き出した。
込みながら、CH2ClCHClCH(OCH3)CH2
OCOCF(CF3)OCF2CF2CF3(642g)を
22.0時間かけて注入した。反応粗液を533g抜き
出した。
込みながら、CH2ClCHClCH(OCH3)CH2
OCOCF(CF3)OCF2CF2CF3(471g)を
22.8時間かけて注入した。反応粗液を270g抜き
出した。
込みながら、反応温度を25℃に22時間調整した。次
に窒素ガスを3.0時間吹き込んだ。反応粗液3530
gを回収した。反応粗液をGC−MSにより分析した結
果、溶媒Aと標記化合物が主成分として得られた。標記
化合物の反応収率は71%であった。
ClCF(OCF3)COFの製造例 撹拌器、還流コンデンサーを備えた300mLの4つ口
フラスコに、例3で得たCF2ClCFClCF(OC
F3)CF2OCOCF(CF3)OCF2CF2CF3(2
00g、0.31mol)を9.0g(0.155mo
l)のKF粉末と共に仕込み、よく攪拌を行いながらオ
イルバス中で90〜95℃で0.5〜1時間加熱した。
反応が進行することにより生じる還流を確認した後、反
応系を減圧にし、生成物を5時間かけて留出させ反応系
から抜き出すことにより回収した。さらに粗生成物を蒸
留することによりGC純度99.9%以上の標記化合物
(74g)を得た(収率:79%)。NMRスペクトル
より、標記化合物が主成分であることを確認した。
CDCl3、基準:CFCl3)δ(ppm):28.
4,28.0(1F),−55.1,−55.4(3
F),−61.6〜−63.9(2F),−121.
9,−123.9(1F),−128.7,−129.
0(1F)。
ジクロロ酸フルオリド化合物が提供される。本発明の化
合物は、末端にCF2ClCFCl−部分を有する。該
部分は公知の方法により重合性の炭素−炭素二重結合に
導き、これを重合させることにより耐熱性と耐薬品性に
優れ、かつ透明である有用なフッ素樹脂が得られる。ま
た本発明の化合物の−CF(CF3)COF末端は、公
知の反応により−CF=CF2末端に変換できる。該化
合物もまた、フッ素樹脂原料として有用である。また本
発明の化合物は、従来のvic−ジクロロ酸フルオリド
化合物のような、製造工程において異性体が副生した
り、副生する異性体量を制御することが困難であるとい
う問題がない。また、反応工程も少なく、原料も低廉
で、経済的に有利である。さらに反応試薬の取り扱いも
簡易である。
Claims (2)
- 【請求項1】下式(1)で表される化合物。 CF2ClCFClCF(ORf)COF ・・・(1) ただし、Rfはペルフルオロアルキル基を示す。
- 【請求項2】Rfが−CF3である請求項1に記載の化合
物。
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