JP2003185862A - 光導波路形成用硬化性組成物、光導波路の形成方法、および光導波路 - Google Patents

光導波路形成用硬化性組成物、光導波路の形成方法、および光導波路

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JP2003185862A
JP2003185862A JP2001383163A JP2001383163A JP2003185862A JP 2003185862 A JP2003185862 A JP 2003185862A JP 2001383163 A JP2001383163 A JP 2001383163A JP 2001383163 A JP2001383163 A JP 2001383163A JP 2003185862 A JP2003185862 A JP 2003185862A
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optical waveguide
forming
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aminopolysiloxane
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Kentaro Tamaki
研太郎 玉木
Tomohiro Uko
友広 宇高
Hideaki Takase
英明 高瀬
Yuuichi Eriyama
祐一 江利山
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JSR Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路形成用光硬化性組成物およびそれを
用いた光導波路、および光導波路の形成方法、より詳細
には、アミノポリシロキサンと光酸発生剤を含有する高
精度のパターンを形成でき、耐水性が良好な光導波路を
形成できる光導波路形成用光硬化性組成物とこれを用い
ることを特徴とする光導波路の製造法、および光導波路
を得る。 【解決手段】 A)下記構造単位(1)〜(3)の少な
くとも1種を有し、かつアミノ基を有するアミノポリシ
ロキサンならびに(B)光酸発生剤を含有することを特
徴とする光導波路形成用光硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路形成用光
硬化性組成物およびそれを用いた光導波路、および光導
波路の形成方法に関する。より詳細には、アミノポリシ
ロキサンと光酸発生剤を含有する高精度のパターンを形
成でき、耐水性が良好な光導波路を形成できる光導波路
形成用光硬化性組成物とこれを用いることを特徴とする
光導波路の製造法、および光導波路に関する。
【0002】
【従来の技術】マルチメディア時代を迎え、光通信シス
テムやコンピュータにおける情報処理の大容量化および
高速化の要求から、光の伝送媒体として光導波路が注目
されている。このような目的で使用される光導波路は、
伝送損失などの光学特性が良好なことに加え、その性能
が外部環境に影響せず長期に安定していること、また、
微細かつ複雑な形状の光導波路を環境汚染することな
く、低エネルギー、短時間、少ない工程で歩留まりよく
製造することが望まれている。このような光導波路とし
ては、石英系導波路が代表的であり、一般に以下の工程
により製造されている。 シリコン基板上に、火炎堆積法(FHD)やCVD法
等の手法によりガラス膜よりなる下部クラッド層を形成
する。 下部クラッド層上に、これと屈折率の異なる無機質の
薄膜を形成し、この薄膜を反応性イオンエッチング法
(RIE)を利用してパターニングすることによりコア
部分を形成する。 さらに、火炎堆積法によって上部クラッド層を形成す
る。 しかしながら、このような石英系導波路の製造方法で
は、光学特性、耐久性は良好であるとされるが、製造に
は、特殊な装置が必要であるとともに、多数の複雑な工
程と製造時間が長くかかり、かつ歩留まりも低いなどの
問題が見られた。光導波路の製造時間の短縮、工程数の
削減、歩留まりの向上を目的に、感光性の光導波路材料
を使用する技術が、開示されている。例えば、特開平10
-254140号公報においては加水分解性シランの縮合物、
光酸発生剤、脱水剤からなる光硬化性組成物、特開2000
―180643号公報においてはエポキシ基含有のシラン化合
物、有機オリゴマー、重合開始剤からなる感光性組成物
が開示されている。これらは感光性組成物を用いること
で生産性を高める技術を開示しているが、光分解によっ
て生成する酸性活性物質を硬化触媒に利用する為、酸の
拡散により硬化領域が径時的に拡大する問題を有し、十
分に精密なパターンを形成する技術としては十分なもの
ではない。一方、光酸発生剤を利用して精密なパターン
を形成するという課題を解決する為、特開2001―288364
においては加水分解性シランの縮合物、光酸発生剤、塩
基性の酸拡散制御剤からなる放射線硬化性組成物が開示
されている。しかしながら塩基性の酸拡散制御剤の添加
により酸性活性物質の拡散を制御することで精密なパタ
ーンを形成する目的に対して一定の効果を示す一方で、
露光時に生成する酸と塩基性の酸拡散制御剤が中和反応
により吸水性の有機塩を生成し、これが塗膜中に残存す
ることで光導波路の耐水性が低下するという問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情を背景としてなされたものであって、光導波路の
耐水性を損なうことなく、生産性の高い光硬化性材料を
用いて高精度のパターンを形成することができる技術を
提供することを目的とする。 [発明の詳細な説明]
【0004】(A)成分のアミノポリシロキサンは下記
構造単位(1)〜(3)のいずれか1種を有し、かつア
ミノ基を有するものである。構造単位(1)〜(3)式
中、、R1、R2、R3は水素原子または1価の有機基であ
り、同一または異なっていてもよく、1価の有機基は炭
素数1〜12の非加水分解性の環状、分岐状、直鎖状のア
ルキル基、アリール基、アラルキル基およびこれらの基
の一部がアミノ基に置換された基から選ばれる。 これ
らのR1、R2、R3の1価の有機基中の水素原子の一部もし
くは総てが重水素、フッ素、塩素置換されていてもよ
い。
【0005】R1、R2、R3の具体例を示すと、アルキル基
としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチ
ル、ドデシル、およびこららの重水素置換体、アリール
基としてはフェニル、ビフェニル、ナフチル、およびこ
れらの重水素、フッ素、塩化物アラルキル基としてはト
リル、キシリル、メシチル、およびこれらの重水素、フ
ッ素、塩化物が挙げられる。好ましいアルキル基として
はメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル、トリジュー
テリオメチル、好ましいアリール基としては、フェニ
ル、ペンタフルオロフェニル、ペンタジューテリオフェ
ニル、好ましいアラルキル基としては、トリフルオロメ
チルフェニル、ビス(トリフルオロメチル)フェニルを
挙げることができる。構造単位(1)、(2)、(3)
の比率は構造単位(2)を100モルとしたとき、構造単
位(1)が0〜100、構造単位(3)が0〜50である範囲
で選ばれる。
【0006】ケイ素原子に結合した水酸基およびアルコ
キシ基は構造単位(1)〜(3)中の酸素原子末端の一
部もしくは総てが水素原子もしくはアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基で結合した構造としてアミノポリシ
ロキサン中に含まれる。水酸基の含有量はアミノポリシ
ロキサン100重量部中、0〜70重量部であり、好ましくは
0.1〜40重量部、より好ましくは、1〜10重量部である。
アルコキシ基の含有量は、アミノポリシロキサン100重
量部中、0〜90重量部、0.1〜30重量部、より好ましくは
1〜15重量部である。
【0007】アミノポリシロキサン中のアミノ基の置換
位置は構造単位(1)〜(3)のR1、R2、R3上、もしくは、構
造単位(1)〜(3)上の酸素原子に対応した位置で含まれ
る。アミノ基の種類としては、アミノ基(―NH2)、モ
ノアルキルアミノ基(―NHR4)、ジアルキルアミノ基
(―NR56)、環状アミノ基、および窒素含有する塩
基性の有機基のいずれか1種以上から選ばれる。 これ
らR4、R、R6は炭素数1〜20の1価の有機基であり、
アルキル、アラルキル、アリール、および酸素、窒素、
硫黄原子を含有するヘテロ芳香族基から選ばれる。アミ
ノ基の含有量はアミノポリシロキサン100重量部中0.000
1〜10ミリモル、好ましくは0.001〜1ミリモル、より好
ましくは0.001〜0.01ミリモルである。
【0008】アミノポリシロキサンのゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(以下GPCと略記)で求めたポ
リスチレン換算の重量平均分子量は、500〜50000であ
り、好ましくは、1000〜10000である。重量平均分子量
が500未満の場合は光導波路の光学特性が低下し、50000
を越えると光硬化性組成物の保存安定性が低下する為好
ましくない。
【0009】本発明においてポリシロキサンへのアミノ
基の導入の仕方は下記の(1)と(2)の二つの方法が
ある。 (1)アミノ基含有加水分解性シラン化合物と主たる構
成成分の加水分解性シランとを混合し、これを加水分
解、共縮合する方法 (2)アミノ基と付加性の有機官能性のシラン化合物と
主たる構成成分の加水分解性シランとを混合し、加水分
解、共縮合した後、アミノ基含有有機化合物を添加して
反応させる方法
【0010】(1)の方法に用いられるアミノ基含有加
水分解性シラン化合物の具体例としては、アミノ基が2
価の有機基を介してケイ素原子と結合している加水分解
性シラン化合物とアミノ基が直接ケイ素原子と結合して
いる加水分解性シラン化合物の2種類がある。
【0011】アミノ基が2価の有機基を介してケイ素原
子と結合している加水分解性シラン化合物の具体例を示
すと、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N―アミノエチルプ
ロピルトリメトキシシラン、3−(N―アリルアミノ)
プロピルトリメトキシシラン、4―アミノブチルトリエ
トキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチ
ルトリメトキシシラン、N―(2−アミノエチル)―3
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(6−ア
ミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3
−(m―アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラ
ン、m―アミノフェニルトリメトキシシラン、p―アミノ
フェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、ビス(2―ヒドロキシエチル)―
3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジメチル
アミノプロピルジエトキシメチルシラン、(N、N―ジメ
チルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−モルフ
ォリノプロピルトリメトキシシラン、2−(トリメトキ
シシリルエチル)ピリジン、(3−トリメトキシシリル
プロピル)ジエチレントリアミン、などを挙げることが
できる。これらの中で好ましい例を挙げると、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、 N―アミノエチルプロ
ピルトリメトキシシラン、3−モルフォリノプロピルト
リメトキシシラン、4―アミノブチルトリエトキシシラ
ンを挙げることができる。
【0012】アミノ基が直接ケイ素原子と結合している
加水分解性シラン化合物の具体例を示すと、ビス(ジエ
チルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)
ジエチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラ
ン、ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルシラン、ビス
(ジメチルアミノ)メチルシラン、ビス(ジメチルアミ
ノ)ビニルエチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ビニ
ルメチルシラン、ビス(エチルアミノ)ジメチルシラ
ン、ビス(エチルメチルケトキシム)メチルイソプロポ
キシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシム)
シラン、テトラキス(ジエチルアミノ)シラン、テトラ
キス(ジメチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルアミ
ノ)メチルシラン、トリス(ジメチルアミノ)フェニル
シランなどを挙げることができる。これらの中で好まし
い例を挙げると、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラ
ン、トリス(ジメチルアミノ)フェニルシラン、メチル
トリス(メチルエチルケトキシム)シランを挙げること
ができる。
【0013】(2)の方法すなわち、アミノ基と付加性
の有機官能性のシラン化合物と主たる構成成分の加水分
解性シランとを混合し、加水分解、共縮合した後、アミ
ノ基含有有機化合物を添加して反応させる方法において
用いられるアミノ基と付加性の有機官能性のシラン化合
物の具体例を示すと、メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、などのアクリル置換シラン、グリシジロキ
シプロピルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリ
ルエチルシクロヘキセンオキシドなどのエポキシ置換シ
ランがあり、これらを主たる構成成分の加水分解性シラ
ンと混合し、加水分解、共縮合して得られるポリシロキ
サンに1級および2級アミノ化合物を混合し付加反応さ
せることによりアミノポリシロキサンを製造することが
できる。そのような1級アミンとしてはブチルアミン、
シクロヘキシルアミン、アニリン、ナフチルアミン、な
どがあり、2級アミンとしてはジエチルアミン、ジブチ
ルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ピロ
リジン、モルフォリン、ピペリジン、ジシクロヘキシル
アミン、N―メチルアニリン、ジフェニルアミン、があ
る。これらの中で好ましいアミンはジブチルアミン、ジ
オクチルアミン、モルフォリン、ピペリジン、ジシクロ
ヘキシルアミンなどの脂肪族アミンである。以上述べた
アミノ基の導入方法の中で(1)の方法が簡便な為好ま
しい。
【0014】(A)成分中の構造単位(1)を構成するシ
ラン化合物の具体例を挙げると、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テ
トラ(2-メタクリロキシエトキシ)シラン、テトラ(2-
アクリロキシエトキシ)シラン、テトラクロロシラン、
テトラアセトキシシラン、テトラアミノシラン、主たる
構成成分として好ましい具体例としては、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラアセトキシシ
ランがある。
【0015】(A)成分中の構造単位(2)を構成するシラ
ン化合物の具体例を挙げると、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、
メチルジメトキシシラン、メチルトリアセトキシシラ
ン、トリジューテリオメチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラ
ン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシ
ラン、ベンジルトリメトキシシラン、フェニルトリメト
キシシラン、フェニルシラン、フェニルトリアセトキシ
シラン、フェニルトリアミノシラン、フェニルトリクロ
ロシラン、フェニルトリエトキシシラン、ペンタフルオ
ロフェニルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニ
ルトリクロロシラン、ペンタジューテリオフェニルトリ
メトキシシラン、ペンタジューテリオフェニルトリアセ
トキシシラン、ペンタジューテリオフェニルトリクロロ
シラン、ペンタジューテリオフェニルトリエトキシシシ
ラン、キシリルトリメトキシシラン、トリフルオロメチ
ルフェニルトチメトキシシラン、ビフェニルトリメトキ
シシラン、ビフェニルトリクロロシラン、アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N―アミノエチルプロピルトリ
メトキシシラン、グリシジロキシトリメトキシシラン、
メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどがあ
り、主たる構成成分として好ましい具体例としては、メ
チルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプ
ロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ンがある。
【0016】(A)成分中の構造単位(3)を構成するシラ
ン化合物の具体例を挙げると、ビス(トリジューテリオ
メチル)ジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジメトキシシ
ラン、ジフェニルジクロロシラン、などを挙げることが
でき、主たる構成成分として好ましい具体例としては、
ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ンを挙げることができる。
【0017】(A)成分の加水分解性シラン化合物の加水
分解、縮合させる為の条件は、加水分解性基がアルコキ
シ基である場合、加水分解によりアルコールを副生する
為、特に溶剤を添加することなく実施することができ
る。一方、加水分解性基がハロゲン基などの場合、希釈
溶剤となる副生成物を生成せず、また、触媒となる酸を
副生する為、有機溶剤を予め添加して希釈した状態で加
水分解、縮合反応を実施することが望ましい。その場
合、多量の酸を残した状態で光導波路形成用光硬化性組
成物を調製した場合、保存安定性が低下することから、
例えば、塩基性物質による中和後、生成する塩を洗浄又
は、イオン交換樹脂の添加などにより除去する工程を加
えることにより安定な光硬化性組成物にすることが好ま
しい。
【0018】以下に加水分解性基がアルコキシ基である
場合のシラン化合物の加水分解、縮合工程を一例として
示す。すなわち、下記1)〜4)の工程によって実施さ
れる。 1)加水分解性シラン化合物を容器に収容する。 2)次いで、所定量の水および触媒を攪拌しながら滴下
する。 3)ついで、所定温度で所定時間加熱攪拌する。 4)所定の溶剤を加え希釈する。
【0019】1)の工程における温度は通常0℃〜50
℃、乾燥雰囲気下で実施される。2)の工程は加水分解
性シランの加水分解を開始する工程であり、工程1)と
同じ温度で乾燥雰囲気下で行われる。添加する水の量を
Pモル、加水分解性シラン化合物中の総加水分解性基の
モル数をQとした場合、 P/Q比が小さすぎると加水分
解、縮合物の収量と分子量が低下する結果、形成される
光導波路の耐久性が低下する。一方、 P/Q比が大きす
ぎる場合、分子量が適正範囲を越えることで光硬化性組
成物の保存安定性が低下する。このことから、通常、0.
1<P/Q<7の範囲、好ましくは0.3<P/Q<4、より好
ましくは0.3<P/Q<2の範囲で行われる。添加する水
は通常イオン交換水、蒸留水を用いるが、反応を加速す
る目的で触媒を添加してもよい。触媒の添加量は(A)
成分の加水分解性シラン100重量部に対して、0.0001〜1
0重量部、好ましくは、0.001〜1重量部である。触媒の
添加方法は特に規定されないが好ましくは水溶液として
加える。触媒としては蟻酸、酢酸、蓚酸、乳酸、マロン
酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル
酸、フタル酸、ピロメリット酸、p―トルエンスルフォ
ン酸、メタンスルフォン酸、トリフルオロ酢酸、トリフ
ルオロメタンスルフォン酸、などの1価、2価、3価の
有機酸、塩酸、リン酸、硝酸、フッ酸、臭素酸、塩素
酸、過塩素酸、などの無機酸、周期律表でアルカリ金
属、アルカリ土類の水酸化物、4級アルキルアンモニウ
ムの水酸化物や炭酸塩、1〜3級アミン類などのアルカ
リ、アンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウ
ムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、
テトラブチルアンモニウムスルフォネートなどの酸性
塩、次亜塩素酸ナトリウム、塩基性塩、スズ、ジルコニ
ウム、チタニウム、アルミニウム、硼素などのケイ素以
外の金属アルコキシドおよびそれらのキレート錯体、な
どで反応促進効果があるが、有機酸、無機酸、金属アル
コキシド、金属アルコキシドのキレート化合物など酸性
触媒が好ましく、有機酸が特に好ましい。
【0020】3)の工程は加水分解性シランの加水分
解、縮合を実施する工程であり、反応温度はシラン化合
物、水、および加水分解により副生するアルコールの沸
点以下で行われ、通常0℃〜150℃、好ましくは20℃〜10
0℃、乾燥雰囲気下で行われる。反応時間は通常1時間
〜12時間である。4)工程においては所定の溶剤による
希釈もしくは置換をおこなうが、光導波路を形成するに
適切な希釈溶剤への置換をこの段階で行うことが好まし
い。希釈溶剤は(A)成分100重量部に対して、10〜1000重
量部、好ましくは40〜250重量部用いられる。溶剤置換
の方法は特に制限されないが、常圧下で蒸留置換する方
法、減圧下で蒸留する方法などを挙げることができる。
希釈溶剤は各成分を均一に溶解し、良好な光導波路を形
成できる有機溶剤から選ぶことができる。
【0021】(B)成分は光酸発生剤の種類としては、一
般式(4)で表される構造を有するオニウム塩(第1群
の化合物)や、一般式(5)で表される構造を有するス
ルホン酸誘導体(第2群の化合物)を挙げることができ
る。特に有効な化合物は芳香族オニウム塩である。例え
ば特開昭50−151996号公報、特開昭50−15
8680号公報などに記載の芳香族ハロニウム塩、特開
昭50−151997号公報、特開昭52−30899
号公報、特開昭56−55420号公報、特開昭55−
125105号公報などに記載のVIA族芳香族オニウ
ム塩、特開昭50−158698号公報などに記載のV
A族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号公報、
特開昭56−149402号公報、特開昭57−192
429号公報などに記載のオキソスルホキソニウム塩、
特開昭49−17040号公報などに記載の芳香族ジア
ゾニウム塩、米国特許第4, 139, 655号明細書に
記載のチオビリリウム塩などが好ましい。また、鉄/ア
レン錯体、アルミニウム錯体/光分解ケイ素化合物系開
始剤なども挙げることができる。 [R7 a8 b9 c10dW]+m[MZm+nーm (4) [一般式(4)中、カチオンはオニウムイオンであり、
WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Cl、または
ーN≡Nであり、 R7、R8、R9、R10は同一または異な
る有機基であり、a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数で
あって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。また、M
はハロゲン化物錯体[MZm+n]の中心原子を構成する
金属またはメタロイドであり、例えば、B、P、As、Sb、
Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Co
である。Zは例えば、F、Cl、Brなどのハロゲン原子また
はアリール基であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正
味の電荷であり、nはMの原子価である] QS―[S(=O)2―R11t (5) [一般式(5)中、Qは1価もしくは2価の有機基、R
11は炭素数1〜12の1価の有機基、添え字sは0また
は1、添え字tは1又は2である]
【0022】まず、第1群の化合物であるオニウム塩は
光を受けることにより酸性活性物質を放出することがで
きる化合物である。ここで一般式(4)における[MZ
m+n]の具体例として、テトラフルオロボレート(B
F4 )、ヘキサフルオロフォスフェート(PF6 )、ヘキ
サフルオロアンチモネート(Sb6 )、ヘキサフルオロア
ルセネート(AsF6 )、このようなオニウム塩のうち、
(B)成分としヘキサクロロアンチモネート(SbCl6 )、
テトラフェニルボレート(BPh4 )、テトラキス(トリ
フルオロメチルフェニル)ボレート[B(CF3―P
h)4 ]、ペンタキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート(B(C6F5)4 )などが挙げられる。また、一般
式(4)に使用するアニオン[MZm+n]のかわりに、
一般式(MZnOH )で表されるアニオンを使用することも
できる。さらに、価塩素酸イオン(ClO 4―)、トリフル
オロメタンスルフォン酸イオン(CF3SO3 )、フルオロ
スルフォン酸(FSO3 )、トルエンスルフォン酸イオ
ン、トリニトロベンゼンスルフォン酸イオン、トリニト
ロトルエンスルフォン酸イオン、などの他のアニオンを
有するオニウム塩を使用することもできる。次に第2群
の化合物について説明する。一般式(5)で表されるス
ルフォン酸誘導体の例を示すと、ジスルフォン酸類、ジ
スルフォニルジアゾメタン類、ジスルフォニルメタン
類、スルフォニルベンゾイルメタン類、イミドスルフォ
ネート類、ベンゾインスルフォネート類、1−オキシー
2―ヒドロキシ3−プロピルアルコール、のスルフォネ
ート類、ピロgロールトリスルフォネート類、ベンジル
スルフォネート類を挙げることができる。また、一般式
(5)で表されるスルフォン酸誘導体の中で、より好ま
しくはイミドスルフォネート類であり、さらに好ましく
はトリフルオロメタンスルフォネート誘導体である。
【0023】光酸発生剤として好適に使用できる化合物
の市販品としては、UVI−6950、UVI−697
0、UVI−6974、UVI−6990(以上、ユニ
オンカーバイド社製)、アデカオプトマーSP−15
0、SP−151、SP−170、SP−171、SP
−172(以上、旭電化工業(株)製)、Irgacu
re 261(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカ
ルズ(株)製)、CI−2481、CI−2624、C
I−2639、CI−2064(以上、日本曹達(株)
製)、CD−1010、CD−1011、CD−101
2、KI85(以上、サートマー社製)、DS―10
0、 DS―101、 DAM―101、 DAM―10
2、 DAM―105、 DAM―201、DSM―30
1、DTS−103、NAI−100、 NAI−10
1、 NAI−105、 NAI−106、PAI―101、
SI―100、 SI―101、 SI―105、 SI―1
06、PI―105、NDI―105、BENZOIN TOSYLAT
E、MBZ―101、 MBZ―301、PYR―10
0、PYR―200、DNB―101、NB―101、N
B―201、NDS−103、NAT―103、NAT―
105、NDS―103、 NDS―105、 NDS―
155、 NDS―165、CMS―105、TPS−
102、TPS−103、TPS−105、MDS−1
03、MDS−105、MDS−205、MDS−30
5、DTS−103、MPI−103、BBI―10
1、BBI―102、BBI−103、BBI―105、
BBI―106、 BBI―109、 BBI―201、D
PI―105、 DPI―109、 DPI―201、MPI
―103、 MPI―105、 MPI―106、 MPI―
109(以上、みどり化学(株)製)、PCI−061
T、PCI−062T、PCI−020T、PCI−0
22T(以上、日本化薬(株)製)などを挙げることが
できる。これらのうち、UVI−6970、UVI−6
974、アデカオプトマーSP−170、SP−17
1、SP−172、CD―1010、CD−1012、
MPI−103、TPS―102、TPS―103、T
PS―105は、これらを含有してなる樹脂組成物に高
い光硬化感度を発現させることができることから特に好
ましい。
【0024】(C)成分は光増感剤であり、前述の光酸発
生剤の光分解反応を誘起する光の波長を拡大し、分解効
率を高める目的で添加される。光増感剤の構造としては
この目的に合致する範囲で特に限定されるものではない
が、波長300nm以下に光吸収極大を有する光酸発生剤を
使用する場合、波長300nm以上に吸収を有する有機化合
物から選ばれる。そのような有機化合物を例示すると、
ヘテロ原子を含有もしくは含まない縮合芳香族化合物で
ある。ヘテロ原子としては酸素、硫黄、窒素、リン、ハ
ロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)を含む。光増感
剤の波長300nm以上での吸収率は、前述の(B)成分と同
様にモル吸光係数により定義することができ、好ましい
モル吸光係数はモル吸光係数が100未満の場合、増感効
果が小さいことから、光増感剤のモル吸光係数は好まし
くは1000以上、より好ましくは10000以上である。光増
感剤の添加量は(A)成分100重量部に対して、0.0001〜1
重量部、好ましくは、0.001〜0.1部である。
【0025】波長300nm以上に吸収を有するヘテロ原子
を含有もしくは含まない光増感剤の具体例としては、ア
ントラセン、シアノアントラセン、ブロムアントラセ
ン、クロルアントラセン、2-エチルー9、10―ジメトキ
シアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、
などのアントラセン誘導体、アントラキノン、2−ヒド
ロキシメチルアントキノン、エチルアントラキノン、ア
ントラキノン誘導体、チオキサントン、クロルチオキサ
ントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキ
サントン、3−(ジエチルチオキサントニルオキシ)ー
2―ヒドキシートリメチルアンモニウム、チオキサント
ンなどのチオキサントン誘導体、ベンゾフェノン、オル
トベンゾイル安息香酸メチル、[4−(メチルフェニル
チオ)フェニル]フェニルメタン、4、4‘―ビスジエ
チルアミノベンゾフェノン、4−ベンゾイルビフェニ
ル、1、4−ジベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェ
ノン誘導体、ベンジル、ナフタレン、ベンゾイルナフタ
レン、などのナフタレン誘導体、10―ブチルー2―ク
ロロアクリドン、アクリドンなどのアクリドン誘導体、
ペリレン誘導体、6−メチルクマリン、ジエチルアミノ
−4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマ
リン、クマリン、などのクマリン誘導体、ジメチルアミ
ノ安息香酸エチル、ジメチルアミノ安息香酸イソアミ
ル、などのアミノ安息香酸エステル誘導体、アクリジ
ン、1、7−ジアクリジルヘプタン、9−ヒドロキシ4
−メチキシアクリジン、などのアクリジン誘導体、N―
オクチルービス(α―モルフォニルジメチルアセチル)
カルバゾール、エチルカルバゾール、メチルカルバゾー
ル、などのカルバゾール誘導体などを挙げることができ
る。これらの中で好ましい化合物はアントラセン、チオ
キサントン誘導体、ベンゾフェノン誘導体である。
【0026】(D)成分の表面張力低下剤は本発明の光硬
化性組成物のコーテイングする工程における塗膜のはじ
き、凹凸、うねりなど、表面張力の不適合に由来するコ
ーテイング性能を改善する目的で添加され、微量の添加
で表面張力を低減する機能を有する化合物から選ばれ
る。そのような表面張力低下剤は市販されている界面活
性剤、レベリング材、消泡剤、脱泡剤、整泡剤および塗
料添加剤の中から選ぶことができる。表面張力低下剤は
基本的には極性基と疎水性基の両者を含有する化合物で
ある。構造的にはシリコーン系、有機系、フッ素系の製
品が市販されており、これらは極性基のイオン性から、
それぞれアニオン系、ノニオン性、カチオン性、両性、
に類別される。表面張力低下剤は以上述べた化合物の中
から選択することができるが、本発明の主たる構成成分
であるアミノポリシロキサンとの相溶性が高いことと微
量で効果が得られることから、シリコーン系もしくはフ
ッ素系の表面張力低下剤が好ましい。シリコーン系表面
張力低下剤としてはポリエーテル変性シリコーン類、ポ
リエステルシリコーン類、アルキル変性シリコーン類、
アクリルシリコーン類などから選ばれるが、より好まし
くはこれらの中でノニオン系であり特にポリエーテル変
性シリコーン類の表面張力低下剤が選ばれる。また、フ
ッ素系としてはフルオロアルキルシリコーン類、フルオ
ロアルキルカルボン酸類、フルオロアルキルアルコール
類、フルオロアルキルエーテル類、フルオロアルキル4
級アンモニウム塩などから選ばれる。これらの中から単
独もしくは2種以上混合して配合することができる。表
面張力低下剤の添加量は光導波路形成用組成物100重量
部に対して、0.1〜0.0001部、好ましくは0.1〜0.001部
である。また、組成物中の乾燥後の固形分100重量部に
対しては、1〜0.001部、好ましくは1〜0.01部である。
表面張力低下剤の添加量が0.0001未満の場合、本発明の
光導波路の均質性、平滑性が低下する場合があり、一
方、0.1を越えて添加する場合、光導波路の耐久性が低
下する。
【0027】表面張力低下剤の添加時期は本発明の組成
物製造のどの段階でもよいがが、化学反応による消泡剤
の純度低下を防ぐ為、(A)成分のアミノポリシロキサ
ン製造後に添加することが好ましい。また、添加方法は
表面張力低下剤が組成物中均一に溶解するならば制限を
受けないが、予め有機溶剤で希釈した後添加する方法が
均一化までの時間を短縮できる為好ましい。
【0028】市販されている製品を例示すると、東レ・
ダウコーニング・シリコーン(株)製のシリコン系製品で
は、シリコーン塗料添加剤として製品化されているSH20
0、DC3PA、SH7PA、DC11PA、SH21PA、SH28PA、SH29PA、S
H30PA、ST80PA、ST83PA、ST86PA、ST90PA、ST94PA、ST9
6PA、ST97PA、ST101PA、ST102PA、ST103PA、ST105PA、S
T110PA、SH550、SH710、など、また、シリコーン消泡剤
として製品化されているSH200、FS1265、SH203、SD559
1、SH7PA、化粧品用シリコーンとして製品化されている
SH3746、SH3771C、SH3772C、SH3773C、SH3775C、SH374
8、SH3749、などを挙げることができる。また、ビック
ケミー・ジャパン(株)製のシリコーン系表面調整剤とし
て製品化されているBYK-300、BYK-301、BYK-335、BYK-3
02、BYK-331、BYK-306、BYK-330、BYK-341、BYK-344、B
YK-307、BYK-332、BYK-333、BYK-310、シリコーン系レ
ベリング剤として製品化されているBYK-077、BYK-315、
BYK-320、BYK-325、BYK-322、BYK-323、など反応性シリ
コーン系表面調整剤として製品化されているBYK-370、B
YK-371、BYK-373、BYK-375など、紫外線硬化型用表面調
整剤として製品化されているBYK-UV3500、BYK-UV3510、
BYK-UV3530、また、溶剤型および無溶剤型塗料用非シリ
コーン系消泡剤として製品化されているBYK-051、BYK-0
52、BYK-053、BYK-055、BYK-057、などをあげることが
できる。また、フッ素系塗料添加剤として製品化されて
いる例をあげると共栄社油脂化学工業(株)製フローレン
AC-300、フローレンAC-900、フローレンAO-3、フローレ
ンAKS、フローノンSB-110N、フローノンSB-210、フロー
ノンSB-510、フローノンSB-551、新秋田化成(株)製EF-3
05、EF-306A、などがあり、界面活性剤として製品化さ
れているものには、例えば、花王(株)製エマール0、エ
マールAD-25R、エマールTD、エマールE-27C、エマールN
C-35、レオドールMS-50、レオドールSP-L10、レオドー
ルAO-10、レオドールTW-L120、レオドールTW-O120、レ
オドールスーパーTW-S120、レオドール430、ネオペレッ
クスF-25、ネオペレックスNo25、エマノーン1112、エマ
ノーン4110EMANO-NN3299、エマゾールL-10H、エマゾー
ルP-120、エマゾールO-120、など、花王アトラス(株)製
エマルゲン105、エマルゲン108、エマルゲン147、エマ
ルゲン210、エマルゲン320P、エマルゲン404、エマルゲ
ン430、エマルゲン903、エマルゲン906、エマルゲン92
0、エマルゲン950、エマルゲン705、エマルゲンPP-15
0、エマルゲンPP-230、エマルゲンPP-250、エマルゲンP
P-290、アミート105、アミート308、アミート320、コー
タミン24P、コータミンD-86P、アンヒトール24B、アン
ヒトール86Bなどを挙げることができる。なお、これら
界面活性剤として製品化されているもの中では特にノニ
オン性のものが好ましい。
【0029】(E)成分は(E-1)プロピレンエーテル構造
単位もしくは(E-2)α-またはβ-ヒドロキシカルボニ
ル構造単位を含有する有機化合物であり、これらの有機
溶剤は(A)成分のアミノポリシロキサンの製造時に希釈
溶剤として好適に用いることができ、同時に本発明の光
導波路形成用光硬化性組成物の溶剤成分として好ましい
溶剤である。その一つは、プロピレンエーテル構造単位
を有する有機化合物であり、さらに好ましくはプロピレ
ンエーテル構造単位を構成単位とするエーテル含有アル
コール類である。他の一つはα-もしくはβ-ヒドロキシ
カルボニル構造単位を含有する有機化合物であり、具体
的にはα-ヒドロキシエステル類とβ-ヒドロキシケトン
類である。これらの溶剤は変異原性がなく、(A)成分に
対する良好な溶解性を有し、かつ良好な光導波路を形成
できる特徴がある為に好適に用いられる。(E-1)プロピ
レンエーテル構造単位を有する有機溶剤の具体例として
は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルな
どがある。(E-2)α-ヒドロキシエステル類の具体例とし
ては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブ
チル、乳酸アミル、乳酸オクチルなどがある。β-ヒド
ロキシケトン類の具体例としては、4−ヒドロキシー4
−メチルー2−ペンタノン、4−ヒドロキシー2−ペン
タノン、5−ヒドロキシー5−メチルー3−ヘプタノ
ン、などがある。これらは、1種又は2種以上組み合わ
せて用いてもよい。
【0030】(F)成分として、本発明の光導波路の屈折
率を制御する目的で金属アルコキシドを添加することが
できる。そのような金属アルコキシドを例示すると、G
e、Sn、B、Al、Ga、In、Sb、Ti、Zrであり、アルコキシ
基としては炭素数1〜12の直鎖状、分枝上、環状のア
ルコキシ基から選ばれる。具体例を示すと、テトラメト
キシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テト
ラブトキシゲルマニウム、メチルトリエトキシゲルマニ
ウム、フェニルトリメトキシゲルマニウム、テトラブト
キシスズ、テトラブトキシスズ、メチルトリブトキシス
ズ、トリメトキシボラン、トリエトキシボラン、トリブ
トキシボラン、トリブトキシアルミニウム、トリス(エ
チルアセトアセトナト)アルミニウム、ジブトキシ(ア
セチルアセトナト)アルミニウム、トリイソプロポキシ
ガリウム、トリブトキシガリウム、トリイソプロポキシ
インジウム、トリブトキシインジウム、トリイソプロポ
キシアンチモン、トリブトキシアンチモン、テトライソ
プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、ジアセチル
アセトナト(ジブトキシ)チタン、テトラキス(エチル
アセトアセトナト)チタニウム、テトライソプロポキシ
ジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラキ
ス(エチルアセトアセトナト)ジルコニウムなどを挙げ
ることができる。これらの金属アルコキシドの添加量は
(A)成分100重量部に対して、50〜0.01部であり、
(A)成分のアミノポリシロキサンの製造後もしくは製
造前に添加する。製造前に添加する場合はアミノポリシ
ロキサン製造時の加水分解性シラン化合物と同時に混合
後、加水分解、共縮合することが好ましい。
【0031】(G)成分として本発明の光導波路の強度
を高めることを目的として、無機微粒子を添加すること
ができる。無機微粒子を構成する元素としては、特に限
定されないが、酸化物、窒化物が好ましく、酸化物とし
ては例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化硼
素、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸
化セリウム、窒化物としては窒化ケイ素、窒化硼素など
を挙げることができる。これら無機微粒子の平均粒子径
は1〜100nm、好ましくは5〜50nmであり、粒子径が1nm未
満の材料は安定に存在せず、一方、100nmを越えると光
導波路の平滑性が低下することにより光学特性が低下す
る。添加量は(A)成分のアミノポリシロキサン100重量部
に対して、1〜200重量部、好ましくは10〜100重量部加
えることができる。添加量が1重量部未満では強度向上
の効果が低く、一方200重量部を越えると強度が低下す
る為好ましくない。無機微粒子は粉体又は溶剤分散のコ
ロイド液として入手されるが、組成物中での分散性が良
好な為、溶剤分散のコロイド液がより好ましい。また、
光導波路における光散乱による光伝送損失を損なわない
為、無機微粒子と(A)成分のアミノポリシロキサンとの
屈折率差は0.03以下、より好ましくは0.003以下にする
ことが好ましい。市販されている無機微粒子の製品例の
うちコロイダルシリカの例を挙げると、日産化学工業
(株)製のスノーテックスO、スノーテックスN、メタノー
ルシリカゾル、IPA-ST、MEK-ST、NBA-ST、DMAC-ST、な
どを挙げることができる。
【0032】(H)成分の脱水剤を、本発明の光導波路形
成用光硬化性組成物の保存安定性、硬化性を高める目的
で添加することができる。組成物中に多量の水分が含ま
れる場合、アミノポリシロキサン中に含まれる未加水分
解基は保管中に分解され、架橋によりゲル体を生じるこ
とが推定される。また、水はカチオン重合などの酸性活
性物質による重合反応の連鎖移動剤となることが知られ
ている。従って架橋密度の高い光硬化物を形成する為に
は光照射時の水分量は少ないことが好ましい。このよう
な理由により、本発明の組成物の保存安定性と光硬化性
を高めることを目的として脱水剤を添加することができ
る。
【0033】また、そのような脱水剤は光導波路形成時
の乾燥条件において蒸発して除去でき、かつ、脱水性を
有する有機化合物から選ばれる。そのような有機化合物
の具体例を挙げると、例えば、オルト蟻酸メチル、オル
ト蟻酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、
などのオルトエステル類、アセトンのジメチルアセター
ル、アセトンのジエチルアセタールシクロヘキサンのジ
メチルアセタール、シクロヘキサンのジエチルアセター
ルなどのケトンのアセタール類を挙げることができる。
これらオルトエステル類、ケトンのアセタール類は水と
の反応により、それぞれ揮発性の高い、エステル/アル
コール、ケトン/アルコールに分解することから好まし
い。脱水剤の添加量は(A)成分100重量部に対して、0.1
〜100重量部、好ましくは1〜10重量部である。0.1重量
部未満では保存安定性、硬化性の向上効果はなく、一方
100重量部を越えると効果が飽和する為経済的でない。
【0034】(I)成分として、(A)成分以外の架橋性の
化合物を本発明の組成物に配合することができる。その
ような架橋性化合物としては、以下のものを例示するこ
とができる。第1の例として、(A)以外の酸性活性物質で
重合、架橋する加水分解性シラン化合物もしくはその縮
合物を例示すると、例えば、シランカップリング剤とし
て市販されている、グリシジロキシプロピルトリメトキ
シシラン、グリシジロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、
グリシジロキシプロピルジメチルメトキシシラン、とり
2−トリメトキシシリルエチルシクロヘキセンオキシ
ド、2−トリエトキシシリルエチルシクロヘキセンオキ
シド、等のエポキシ置換アルコキシシラン類、メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシトリ
メトキシシランなどのアクリル置換アルコキシシラン
類、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシランなどのメルカプト置
換アルコキシシラン類、アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N-アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラ
ンなどのアミノ置換アルコキシシラン類、およびこれら
の加水分解、縮合物からなる群から選ばれる1種以上の
化合物を挙げることができる。
【0035】第2の例として、分子中に1個以上のエポ
キシ基を含有するエポキシ化合物、例えば、ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリ
シジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテ
ル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭
素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビ
スフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラ
ック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添
ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)
シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシク
ロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキ
サン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキ
シルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチ
ルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチ
ルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス
(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタ
ジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレ
ンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ
ート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エ
ポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリン
トリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリ
グリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジル
エーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種また
は2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによ
り得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエ
ーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル
類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル
類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたは
これらにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリ
エーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級
脂肪酸のグリシジルエステル類;エポキシ化大豆油;エ
ポキシステアリン酸ブチル;エポキシステアリン酸オク
チル;エポキシ化アマニ油;エポキシ化ポリブタジエン
などを例示することができる。
【0036】第3の例として、分子中に1個以上のオキ
センタン基を含有するオキセタン化合物としては、例え
ば、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメ
チルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオ
キセタン、ビス(3−エチル−3−メチルオキシ)ブタ
ンなどのオキセタン類を挙げることができる。
【0037】第4の例として、分子中に1個以上のビニ
ルエーテル基を含有するビニルエーテル化合物として、
エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレング
リコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパント
リビニルエーテルなどのビニルエーテル類を挙げること
ができる。
【0038】第5の例として、分子中に1個以上のエポ
キシ、オキセタン、ビニルエーテル基、加水分解性シリ
ル基からなる群から選ばれる一つ以上の基を含有するビ
ニル系重合体を挙げることができる。これらの基は1分
子中に0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%含有する
ことができる。これらの官能基の共重合は、これら官能
基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類を主構成成
分のビニルモノマーとラジカル共重合する方法、もしく
は、カルボン酸、エポキシ基、ヒドロキシ基を含有する
ビニル系重合体にポリマー反応により導入する方法など
により製造される。
【0039】例えば、加水分解性シリル基含有のビニル
系重合体の製造においては、メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランをラジカル共重合する方法に加え、カ
ルボン酸含有ビニル系重合体とグリシジロキシプロピル
トリメトキシシランを反応させる方法、ヒドキシ含有ビ
ニル系重合体にトリメトキシシリルプロピルイソシアネ
ートを反応させる方法、エポキシ基含有ビニル系重合体
にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させる方法
などにより製造される。これら架橋性基を含有したビニ
ル系重合体のGPCによる重量平均分子量は500〜100000、
好ましくは、1000〜50000、より好ましくは、3000〜100
00である。
【0040】ビニル系重合体の主構成成分となるビニル
モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、な
どの芳香族不飽和エチレン含有化合物、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、、ナフチル(メタ)アクリレート、ビフェニル(メ
タ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート
類、、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート類、アクリル酸、メタクリル酸などの
(メタ)アクリル酸類、N―ビニルピロリドン、N―ビニ
ルカプロラクタムなどのN―ビニルラクタム類、(メ
タ)アクリロイルモルフォリン、N、N―ジメチル(メ
タ)アクリルアミドなどの不飽和アミド類などを挙げる
ことができる。
【0041】これら、ビニル系重合体の製造はビスアゾ
バレロニトリルなどのジアゾ系の熱ラジカル重合開始
剤、ビニルモノマー、有機溶剤の混合液を50℃〜150℃
の範囲で1〜10時間加熱攪拌する公知の方法により製造
される。
【0042】(I)成分の添加方法は(A)〜(H)成分の
いずれか1成分以上を含有する混合物に添加、混合する
方法が用いられるが、加水分解性シリル基含有のビニル
系重合体を(I)成分として配合する場合、(A)成分のアミ
ノポリシロキサンを製造する際に原料の加水分解性シラ
ンと加水分解性シリル基含有のビニル系重合体とを混合
物を混合の後、加水分解、縮合することで配合すること
が好ましい。
【0043】[実施形態]第2の実施形態は、光導波路
形成用光硬化性組成物の硬化方法に関する実施形態であ
り、光導波路の製造を例に取って説明する。なお、光導
波路を製造するにあたり、下部クラッド層、コア部分お
よび上部クラッド層の各層を形成する工程を含むととも
に、少なくとも一つの工程が、第1の実施形態で説明し
た(A)〜(E)成分を含有してなる光導波路形成用光硬化性
組成物を塗工した後、放射線により硬化させる工程であ
る。
【0044】1.光導波路形成用光硬化性組成物の調製 光導波路を構成する下部クラッド層、コア部分および上
部クラッド層を形成するための光導波路形成用光硬化性
組成物、すなわち下層用組成物、コア用組成物および上
層用組成物は、それぞれ、第1の実施形態で説明したア
ミノポリシロキサンや光酸発生剤等を、常法にしたがっ
て混合撹拌することにより、調製することができる。ま
た、調製された下層用組成物、コア用組成物および上層
用組成物としては、それぞれ、最終的に得られる各部の
屈折率の関係が、光導波路に要求される条件を満足する
ように、互いに異なる光導波路形成用光硬化性組成物を
用いることが好ましい。
【0045】したがって、(A)成分の加水分解性シラ
ン化合物の種類等を適宜選択することにより、異なる屈
折率を有する硬化膜が得られる光導波路形成用光硬化性
組成物とすることができる。そして、屈折率の差が適宜
の大きさとなるような二種または三種の光導波路形成用
光硬化性組成物を用い、最も高い屈折率の硬化膜を与え
る光導波路形成用光硬化性組成物をコア用組成物とし、
他の組成物を下層用組成物および上層用組成物として用
いることが好ましい。ただし、下層用組成物と上層用組
成物とは同一の光導波路形成用光硬化性組成物であって
もよく、通常は同一の組成物であることが、経済的に有
利であり、製造管理も容易となることからより好まし
い。また、各光導波路形成用光硬化性組成物を調製する
際に、その粘度を、1〜10,000cps(25℃)
の範囲内の値とすることが好ましく、5〜8,000c
ps(25℃)の範囲内の値とすることがより好まし
く、10〜5,000cps(25℃)の範囲内の値と
することがさらに好ましい。この理由は、各光導波路形
成用光硬化性組成物の粘度がこれらの範囲外の値となる
と、取り扱いが困難になったり、均一な塗膜を形成する
ことが困難となる場合があるためである。なお、光導波
路形成用光硬化性組成物の粘度は、反応性希釈剤や有機
溶媒の配合量によって、適宜調整することができる。
【0046】2.形成方法 本発明において、光導波路10は、図2に示すような工
程を経て形成される。すなわち、下部クラッド層13、
コア部分15および上部クラッド層(図示せず。)を、
いずれも、それらの層を形成するための光導波路形成用
光硬化性組成物を塗工したのち、光硬化することにより
形成することが好ましい。なお、以下の形成例では、下
部クラッド層、コア部分および上部クラッド層を、それ
ぞれ硬化後において屈折率が異なる硬化物が得られる光
導波路形成用光硬化性組成物である下層用組成物、コア
用組成物、および上層用組成物から形成することを想定
して、説明する。
【0047】基板の準備 まず、図2(a)に示すように、平坦な表面を有する基
板12を用意する。この基板12の種類としては、特に
制限されるものではないが、例えば、シリコン基板やガ
ラス基板等を用いることができる。
【0048】下部クラッド層の形成工程 用意した基板12の表面に、下部クラッド層13を形成
する工程である。具体的には、図2(b)に示すよう
に、基板12の表面に、下層用組成物を塗布し、乾燥ま
たはプリベークさせて下層用薄膜を形成する。そして、
この下層用薄膜に、光を照射することにより硬化させ
て、下部クラッド層13を形成することができる。コア
層およびクラッド層の形成に用いる光は、特に制限され
るものでは無いが、通常200〜450nmの紫外〜可視領域の
光、好ましくは波長365nmの紫外線を含む光が用いられ
る。200〜450nm での照度は1〜1000mW/cm2、照射量が0.
01〜5000mJ/cm2、好ましくは0.1〜1000mJ/cm2なるよう
に照射して、露光される。
【0049】ここに、照射される光の種類としては、可
視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用
いることができるが、光源の工業的な汎用性から特に紫
外線、好ましくは200〜400nm、特に好ましくは365nmの
紫外線を含む波長が好ましい。そして、照射装置として
は、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタル
ハライドランプ、エキシマランプなどの広い面積を同時
に照射するランプ光源、パルス、連続発光のレーザー光
源、および、両者のいずれかの光源から、ミラー、レン
ズ、光ファイバーを用いて収束光を用いることができ
る。収束光を用いて光導波路を形成する場合、収束光も
しくは被照射体を移動させることにより光導波路の形状
に露光することができる。これらの光源の中で365nmの
紫外線強度の高い光源が好ましく、例えば、ランプ光源
としては高圧水銀ランプ、レーザー光源としてはアルゴ
ンレーザーが好ましい。なお、下部クラッド層13の形
成工程では、薄膜の全面に光を照射し、その全体を硬化
することが好ましい。
【0050】ここで、下層用組成物を塗布方法として
は、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バ
ーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラ
ビア印刷法、シルクスクリーン法、またはインクジェッ
ト法等の方法を用いることができる。このうち、特に均
一な厚さの下層用薄膜が得られることから、スピンコー
ト法を採用することがより好ましい。
【0051】また、下層用組成物のレオロジー特性を塗
布方法に適切に対応したものとするために、表面張力低
下剤以外の添加剤を必要に応じて配合することができ
る。また、下層用組成物からなる下層用薄膜は、塗布
後、50〜200℃でプリベークすることが好ましい。
なお、下部クラッド層の形成工程における塗布方法や、
レオロジー特性の改良等については、後述するコア部分
の形成工程や、上部クラッド層の形成工程においてもあ
てはまる内容である。
【0052】また、露光後に、塗膜全面が十分硬化する
ように、さらに加熱処理(以下、「ポストベーク」とい
う。)を行うことが好ましい。この加熱条件は、光導波
路形成用光硬化性組成物の配合組成、添加剤の種類等に
より変わるが、通常、30〜400℃、好ましくは50
〜300℃で、例えば5分間〜72時間の加熱条件とす
れば良い。なお、下部クラッド層の形成工程における光
の照射量、種類、および照射装置等については、後述す
るコア部分の形成工程や、上部クラッド層の形成工程に
おいてもあてはまる内容である。
【0053】コア部分の形成 次に、この下部クラッド層13上に、図2(c)に示す
ように、コア用組成物を塗布し、乾燥またはさらにプリ
ベークさせてコア用薄膜14を形成する。その後、図2
(d)に示すように、コア用薄膜14の上面に対して、
所定のパターンに従って、例えば所定のラインパターン
を有するフォトマスク19を介して放射線16の照射を
行うことが好ましい。これにより、光が照射された箇所
のみが硬化するので、それ以外の未硬化の部分を現像除
去することにより、図2(e)に示すように、下部クラ
ッド層13上に、パターニングされた硬化膜よりなるコ
ア部分15を形成することができる。
【0054】また、コア部分15を形成するためのコア
用薄膜14に対する光16の照射は、所定のパターンを
有するフォトマスク19に従って行われた後、現像液に
より未露光部分を現像することにより、未硬化の不要な
部分が除去され、これによってコア部分15が形成され
る。このように所定のパターンに従って光の照射を行う
方法としては、光の透過部と非透過部とからなるフォト
マスクを用いる方法に限られず、例えば、以下に示すa
〜cの方法が挙げられる。 a.液晶表示装置と同様の原理を利用した、所定のパタ
ーンに従って光透過領域と不透過領域とよりなるマスク
像を電気光学的に形成する手段を利用する方法。 b.多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、
この導光部材における所定のパターンに対応する光ファ
イバーを介して光を照射する方法。 c.レーザ光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学
系により得られる収束光を走査させながら光硬化性組成
物に照射する方法。
【0055】なお、露光後、露光部分の硬化を促進させ
るために、加熱処理(以下、「PEB」という。)を行
うことが好ましい。その加熱条件は、光導波路形成用光
硬化性組成物の配合組成、添加剤の種類等により変わる
が、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃
である。
【0056】一方、露光前に、光導波路形成用光硬化性
組成物からなる塗膜を、室温条件に、1〜10時間放置
するだけで、コア部分の形状を半円形とすることができ
る(実施例2、図6参照)。したがって、半円形のコア
部分を得たい場合には、このように露光前に、室温条件
に、数時間放置することが好ましい。このようにして所
定のパターンに従ってパターン露光し、選択的に硬化さ
せた薄膜に対しては、硬化部分と未硬化部分との溶解性
の差異を利用して、現像処理することができる。したが
って、パターン露光後、未硬化部分を除去するととも
に、硬化部分を残存させることにより、結果として、コ
ア部分を形成することができる。
【0057】ここで、現像液としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウ
ム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミ
ン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プ
ロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミ
ン、エタノールアミン、N―メチルエタノールアミン、
N、N―ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエ
チルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニ
ウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセ
ン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナ
ンなどの塩基性物質と水、メタノール、エタノール、プ
ロピルアルコール、ブタノール、オクタノール、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、N−メチルピロリドン、ホル
ムアミド、N、N―ジメチルホルムアミド、 N、N―ジメ
チルアセトアミド、などの溶媒で希釈された溶液を用い
ることができる。また、現像液中の塩基性物質の濃度
を、通常0.05〜25重量%、好ましくは0.1〜
3.0重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
【0058】また、現像時間は、通常30〜600秒間
であり、また現像方法は液盛り法、ディッピング法、シ
ャワー現像法などの公知の方法を採用することができ
る。現像液として有機溶媒を用いた場合はそのまま風乾
することにより、また、アルカリ水溶液を用いた場合に
は流水洗浄を、例えば30〜90秒間行い、圧縮空気や
圧縮窒素等で風乾させることによって表面上の水分を除
去することにより、パターン状被膜が形成される。
【0059】次いで、パターニング部をさらに硬化させ
るために、ホットプレートやオーブンなどの加熱装置に
より、例えば30〜400℃の温度で5〜600分間ポ
ストベーク処理し、硬化されたコア部分が形成されるこ
とになる。なお、コア用組成物には、下層用組成物や上
層用組成物よりも、アミノ基含有量の高いアミノポリシ
ロキサンを用いることが好ましい。
【0060】このように構成することにより、コア部分
のパターン精度をより向上させることができる一方、下
層用組成物や上層用組成物では、優れた保存安定性が得
られるとともに、比較的少ない放射線照射量で、十分に
硬化させることができる。
【0061】上部クラッド層の形成 次いで、コア部分15が形成された下部クラッド層13
の表面に、上層用組成物を塗布し、乾燥またはプリベー
クさせて上層用薄膜を形成する。この上層用薄膜に対
し、光を照射して硬化させることにより、図1に示した
ように上部クラッド層17を形成することができる。ま
た、放射線の照射によって得られる上部クラッド層は、
必要に応じて、さらに上述したポストベークすることが
好ましい。ポストベークすることにより、硬度および耐
熱性に優れた上部クラッド層を得ることができる。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0063】コア用アミノポリシロキサン溶液1(AS
1)の製造撹拌機付の容器内に、フェニルトリメトキシ
シラン(76.9g、0.39モル)と、メチルトリメ
トキシシラン(101.7g、0.75モル)と、アミ
ノプロピルトリエトキシシラン(0.5mg、2.3×
10ー3ミリモル)、電気伝導率が8×10-5S・cm-1
のイオン交換水(45.9g、2.55モル)と、シュ
ウ酸(0.1g、1.1×10ー3ミリモル)とを収容し
た後、60℃、6時間の条件で加熱撹拌することによ
り、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシ
シランおよびアミノプロピルトリエトキシシランの加水
分解、縮合を行った。次いで、容器内にプロピレングリ
コールモノメチルエーテルを加えた後、エバポレーター
を用いて加水分解により副生したメタノールを除去し
た。そして、最終的に固形分を55重量%に調整したポ
リシロキサンを含有するプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル溶液162gを得た。GPCで求めた重量平
均分子量は2000であった。これを「アミノポリシロ
キサン溶液1(AS1)」とする。
【0064】クラッド用アミノポリシロキサン溶液2
(AS2)の製造 撹拌機付の容器内に、フェニルトリメトキシシラン(1
03.65g、0.52モル)と、メチルトリメトキシ
シラン(136.99g、1.00モル)と、ジメチル
ジメトキシシラン(24.32g、0.20モル)と、
アミノプロピルトリエトキシシラン(0.3ミリg、
1.4×10ー3ミリモル)、電気伝導率が8×10-5S
・cm-1のイオン交換水(90.0g、5.0モル)
と、シュウ酸(0.15g、1.66×103モル)
とを収容した後、60℃、6時間の条件で加熱撹拌する
ことにより、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、ジメチルジメトキシシランおよびアミ
ノプロピルトリエトキシシランの加水分解、共縮合を行
った。次いで、容器内にプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルを加えた後、エバポレーターを用いて加水分
解により副生したメタノールを除去した。そして、最終
的に固形分を55重量%に調整したポリシロキサンを含
有するプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液2
46gを得た。 GPCで求めた重量平均分子量は180
0であった。これを「アミノポリシロキサン溶液2(A
S2)」とする。
【0065】アミノポリシロキサン溶液3(AS3)の
製造 撹拌機付き容器内に、メチルメタクリレート(450
g, 4.50モル)、メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン(50g, 0.20モル)、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル(600g)、そして
2,2'-アゾビス−(2.4−ジメチルバレロニトリ
ル)(35g, 0.14モル)を収容した後、系内を
窒素置換する。その後、反応容器内温度が70℃に設定
し6時間撹拌する。最終的に固形分濃度を45重量%に
調製しアクリルポリマーを含有するプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル溶液を得た。 GPCで求めた重
量平均分子量は8000であった。撹拌機付き容器内に
前述の加水分解性シラン含有アクリルポリマー溶液(1
33.33g)、メチルトリメトキシシラン(231.
36g, 1.70モル)、フェニルトリメトキシシラ
ン(193.48g, 0.97モル)、アミノプロピ
ルトリエトキシシラン(0.3ミリg、1.4×10 ー3
ミリモル)電気伝導率が8×10-5S・cm-1のイオン
交換水(108.48g、6.0モル)、そしてシュウ
酸(0.30g, 3.32×103モル)を収容した
後、60℃、6時間の条件で加熱撹拌することにより、
フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、アミノプロピルトリエトキシシラン、およびアクリ
ルポリマー溶液の加水分解、共縮合を行った。次いで、
容器内にプロピレングリコールモノメチルエーテルを加
えた後、エバポレーターを用いて加水分解により副生し
たメタノールを除去した。そして、最終的に固形分を4
5重量%に調整したポリシロキサンを含有するプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル溶液を得た。 GPC
で求めた重量平均分子量は12000であった。これを
「アミノポリシロキサン溶液3(AS3)」とする。
【0066】コア用アミノポリシロキサン溶液4(AS
4)の製造 撹拌機付の容器内に、フェニルトリメトキシシラン(7
6.9g、0.39モル)と、メチルトリメトキシシラ
ン(101.7g、0.75モル)と、アミノプロピル
トリエトキシシラン(0.5ミリg、2.3×10ー3
リモル)、テトラブトキシジルコニウム(1.0g、
0.0026モル)、および電気伝導率が8×10-5S
・cm-1のイオン交換水(45.9g、2.55モル)
を収容した後、60℃、6時間の条件で加熱撹拌するこ
とにより、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメ
トキシシランおよびアミノプロピルトリエトキシシラン
の加水分解、縮合を行った。 次いで、容器内にプロピ
レングリコールモノメチルエーテルを加えた後、エバポ
レーターを用いて加水分解により副生したメタノールを
除去した。そして、最終的に固形分を55重量%に調整
したポリシロキサンを含有するプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル溶液162gを得た。GPCで求めた
重量平均分子量は3000であった。これを「アミノポ
リシロキサン溶液4(AS4)」とする。
【0067】比較ポリシロキサン溶液5(S1)の製造 撹拌機付の容器内に、フェニルトリメトキシシラン(7
6.9g、0.39モル)と、メチルトリメトキシシラ
ン(101.7g、0.75モル)と、電気伝導率が8
×10-5S・cm-1のイオン交換水(45.9g、2.
55モル)と、シュウ酸(0.1g、1.1×ミリモ
ル)とを収容した後、60℃、6時間の条件で加熱撹拌
することにより、フェニルトリメトキシシラン、メチル
トリメトキシシランおよびアミノプロピルトリエトキシ
シランの加水分解、縮合を行った。次いで、容器内にプ
ロピレングリコールモノメチルエーテルを加えた後、エ
バポレーターを用いて加水分解により副生したメタノー
ルを除去した。そして、最終的に固形分を55重量%に
調整したポリシロキサンを含有するプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル溶液162gを得た。GPCで求
めた重量平均分子量は2000であった。これを「ポリ
シロキサン溶液5(S1)」とする。
【0068】光導波路形成用硬化組成物Aの調製 上述したアミノポリシロキサン溶液1の固形分換算10
0重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製
NAT−105)1重量部を添加し、均一に混合し、
0.5μmフィルターで濾過することにより、光導波路
形成用硬化組成物Aを得た。
【0069】光導波路形成用硬化組成物Bの調製 上述したアミノポリシロキサン溶液2の固形分換算10
0重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製
NAT−105)1重量部を添加し、均一に混合し、
0.5μmフィルターで濾過することにより、光導波路
形成用硬化組成物Bを得た。
【0070】光導波路形成用硬化組成物Cの調製 上述したアミノポリシロキサン溶液3の固形分換算10
0重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製
TPS−105)1重量部、光増感剤として9−ヒドロ
キシルメチルアントラセン0.2重量部をそれぞれ添加
し、均一に混合し、0.5μmフィルターで濾過するこ
とにより、光導波路形成用硬化組成物Cを得た。
【0071】光導波路形成用硬化組成物Dの調製 上述したアミノポリシロキサン溶液1の固形分換算10
0重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製
NAT−105)1重量部、表面張力低下剤(東レ・ダ
ウコーニング(株)製SH28PA)0.01重量部を添
加し、均一に混合し、0.5μmフィルターで濾過する
ことにより、光導波路形成用硬化組成物Dを得た。
【0072】光導波路形成用硬化組成物Eの調製 上述したアミノポリシロキサン溶液1の固形分換算10
0重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製
NAT−105)1重量部、表面張力低下剤(東レ・ダ
ウコーニング(株)製SH28PA)0.01重量部を添
加し、均一に混合し、0.5μmフィルターで濾過する
ことにより、光導波路形成用硬化組成物Eを得た。
【0073】光導波路形成用硬化組成物Fの調製 上述したアミノポリシロキサン溶液4の固形分換算10
0重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製
NAT−105)1重量部を添加し、均一に混合し、
0.5μmフィルターで濾過することにより、光導波路
形成用硬化組成物Fを得た。
【0074】光導波路形成用硬化組成物Gの調製 上述したアミノポリシロキサン溶液1の固形分換算10
0重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製
NAT−105)1重量部、無機微粒子分散液(日産化
学工業(株)製IPA−ST、イソプロピルアルコール分
散のコロイド状酸化ケイ素平均粒径12nm、固形分30
%)67重量部を添加し、均一に混合した後、0.5μ
mフィルターで濾過することにより、光導波路形成用硬
化組成物Gを得た。
【0075】光導波路形成用硬化組成物Hの調製 上述したアミノポリシロキサン溶液1の固形分換算10
0重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製
NAT−105)1重量部、脱水剤としてオルト蟻酸メ
チル(3重量部)を添加し、均一に混合し、0.5μm
フィルターで濾過することにより、光導波路形成用硬化
組成物Hを得た。
【0076】比較の光導波路形成用硬化組成物Iの調製 上述したアミノポリシロキサン溶液5の固形分換算10
0重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製
NAT−105)1重量部を添加し、均一に混合し、
0.5μmフィルターで濾過することにより、比較の光
導波路形成用硬化組成物Iを得た。
【0077】比較の光導波路形成用硬化組成物Jの調製 上述したアミノポリシロキサン溶液5の固形分換算10
0重量部に対し、光酸発生剤(みどり化学(株)社製
NAT−105)1重量部、トリオクチルアミン0.01重
量部(0.026ミリモル)を添加し、均一に混合し、
0.5μmフィルターで濾過することにより、比較の光
導波路形成用硬化組成物Jを得た。
【0078】以上のように調製した光導波路形成用硬化
組成物(A)〜(J)の組成を表―1に示す。また、製造
した光導波路形成用光硬化性組成物およびこれらを用い
て製造した光導波路のの性能を後述する試験法に従い評
価した結果を表―2に示す。
【0079】(評価) 光導波路形成用光硬化性組成物の保存安定性の評価 製造した光導波路形成用光硬化性組成物を密栓して40℃
で3週間暗所に保管後、シリコンウエハー上に厚さ10
μmにコートした塗膜を大気下、CANON社製アライ
ナー(PLA501F)とUSHIO社製、高圧水銀ラ
ンプ(USH−250D)を用いて(356nmでの照
度は7mJ/cm2)、ライン/スペース=10μm/30
μmのアライナー用マスクを介し、光量を50mJ/cm
2照射後、アルカリ水溶液にて未露光部を洗浄した。得
られたラインパターンを倍率200の光学顕微鏡で観察
し、ラインパターンの評価した。ラインパターンが初期
と変化ないものを○、それ以外を×とした
【0080】[塗装性の評価]光導波路形成用光硬化性組
成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈
して形成膜厚を10μm、5μm、1μmまで段階的変
量した際に、全段階で塗膜欠陥が見られないものを◎、
10から、5μmで欠陥がなく2μmで欠陥が見られた
のを○、10μmで欠陥があるものを×とした。
【0081】[光導波路中の耐水性の評価]製造した光導
波路を蒸留水中に浸漬し、50℃で1ヶ月保管後、光伝送
損失を測定し、初期値と比較した。
【0082】[パターン性能評価]シリコンウエハー上に
厚さ10μmにコートした塗膜を大気下、CANON社
製アライナー(PLA501F)とUSHIO社製、高
圧水銀ランプ(USH−250D)を用いて(356n
mでの照度は7mJ/cm2)、ライン/スペース=10μ
m/30μmのアライナー用マスクを介し、光量を50
mJ/cm2照射後、アルカリ水溶液にて未露光部を洗浄
した。得られたラインパターンを倍率200の光学顕微鏡
で観察し、ラインパターンの評価した。マスク寸法との
誤差が±0.2μm以内のものを○、それ以外を×とし
た。
【0083】[光導波路の伝送損失の評価]波長1.31
μmの単色光を用いて、カットバック法により求めた伝
送損失から接続損失を差し引くことで光伝送損失を評価
した。
【0084】光導波路形成用光硬化性組成物およびこれ
を用いた光導波路の評価結果 前述した試験方法に基づき、光導波路形成用光硬化性組
成物ならびに光導波路を評価した結果を表-2に示す。
表-2より、アミノポリシロキサンと光酸発生剤からな
る組成物は保存安定性が良好、かつパターニング性が良
好で得られた光導波路の光学特性、耐水性も良好なのに
対し、比較例に示すように、アミノ基を含有しないポリ
シロキサンと光酸発生剤からなる組成物はパターニング
性が悪く、また、をアミノ基を含有しないポリシロキサ
ン、光酸発生剤、アミンからなる組成物は保存安定性が
悪く、かつこれを用いて製造される光導波路の耐水性が
低いことが示された。また、同条件で光増感剤、表面張
力低下剤、金属アルコキシド、無機微粒子、架橋性の化
合物を配合した組成物は同様に良好な保存安定性、塗装
性、パターニング性、耐水性、および光学特性を示し
た。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】 PS;9−ヒドロキリルメチルアントラセン、TBZR;テト
ラブトキシジルコニウム、OFM;オルト蟻酸メチル、AS
i;加水分解性シリル基含有ポリメチルメタクリレート
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【発明の効果】本発明によれば、アミノポリシロキサン
を光酸発生剤とともに用いることで保存安定性が良好
で、高精度のパターンを形成できると同時に、耐水性の
良好な光導波路を提供することができる光導波路形成用
光硬化性組成物、およびこれを用いた光導波路、および
その製造法を提供するものである。
【0090】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、光導波路の製造方法の一部工
程図である。
【符号の説明】
10 光導波路 12 基板 13 下部クラッド層 14 コア用薄膜 15 コア部分 16 放射線 17 上部クラッド層 19 フォトマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江利山 祐一 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 PA02 PA21 PA24 PA28 QA05 QA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記構造単位(1)〜(3)の少
    なくとも1種を有し、かつアミノ基を有するアミノポリ
    シロキサン (1) 【化1】 (2) 【化2】 (3) 【化3】 (一般式(2)および(3)において、 R1、R2、R3
    水素原子または1価の有機基であり、同一または異なっ
    ていてもよい)ならびに(B)光酸発生剤を含有するこ
    とを特徴とする光導波路形成用光硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 (C)成分として光増感剤をさらに含有
    することを特徴とする請求項1に記載の光導波路形成用
    光硬化性組成物。
  3. 【請求項3】 (D)成分として表面張力低下剤をさら
    に含有することを特徴とする請求項1記載の光導波路形
    成用光硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 (E)成分として、(E-1)プロピレンエ
    ーテル構造単位もしくは(E-2)α-またはβ-ヒドロキ
    シカルボニル構造単位を含有する有機溶剤をさらに含有
    することを特徴とする請求項1記載の光導波路形成用光
    硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 下部クラッド層、コア層、上部クラッド
    層とを含む光導波路において、少なくとも1層が下記
    (A)成分および(B)成分を含有する光硬化性組成物の
    硬化物であることを特徴とする光導波路の製造方法。 (A)下記構造単位(1)〜(3)の少なくとも1種を
    有し、かつアミノ基を有するアミノポリシロキサン (1) 【化4】 (2) 【化5】 (3) 【化6】 (一般式(2)および(3)において、 R1、R2、R3
    水素原子または1価の有機基であり、同一または異なっ
    ていてもよい) (B)光酸発生剤
  6. 【請求項6】 請求項5の方法によって形成されること
    を特徴とする光導波路。
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CN103019030A (zh) * 2011-09-21 2013-04-03 Jsr株式会社 透镜的形成方法、透镜及负型感光性组成物
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