JP4483518B2 - エッチングマスク組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、電子分野、光通信分野、光情報処理分野等に用いられる光回路を作製するためのエッチングマスク組成物に関する。
マルチメディア時代を迎え、光通信システムやコンピュータにおける情報処理の大容量化および高速化の要求から、光を伝送媒体とする伝送システムが、公衆通信網、LAN(ローカルエリアネットワーク)、FA(ファクトリーオートメーション)、コンピュータ間のインターコネクト、家庭内配線等に使用されるようになっている。
これら伝送システムで用いられる光回路を、シリコン基板等の基材上に形成するに際し、当該基材の表面を所定のパターンでエッチングすることがある。
上述のエッチングを行なうためには、基材上にエッチングマスク(パターン化されたエッチングマスク層)を形成した後に、エッチングマスク以外の領域をエッチングすればよい。
しかし、エッチングマスクを形成するための組成物(エッチングマスク組成物)として、形状精度等の種々の物性に優れた組成物を見出すことは、困難であった。
そこで、本発明は、優れた透明性や耐熱性を有し、界面で剥離を生じたり内部にクラックを発生させることがなく、しかも優れた形状精度を有するエッチングマスクを安価に形成することのできるエッチングマスク組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、フッ素原子を含む非加水分解性有機基を有するシロキサンオリゴマーと、光酸発生剤とを構成成分として含むエッチングマスク組成物が、種々の物性に優れており、エッチングマスクの材料として極めて好適に用いうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]を提供するものである。
[1] 下記成分(A)及び(B):
(A)下記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び該加水分解物の縮合物からなる群より選ばれる少なくとも一種以上、
(R(RSi(X)4−p−q (1)
[一般式(1)中、Rはフッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Rは炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基(ただし、フッ素原子を含有するものを除く。)、Xは加水分解性基、pは1又は2の整数、qは0又は1の整数である。]、および
(B)光酸発生剤
を含有するエッチングマスク組成物であって、
該組成物中の全Si上の結合基に占めるシラノール(Si−OH)基の含有率が、10〜50%であることを特徴とするエッチングマスク組成物。
[2] 上記(A)成分が、下記一般式(2)及び(3)からなる群のうち少なくとも一種以上の構造を有する前記[1]のエッチングマスク組成物。
Figure 0004483518
[一般式(2)及び(3)中、Rはフッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Rはフッ素原子を含んでいてもよい炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基であって、Rと同じでもよい。]
[3] 前記式(1)中のRが、CF(CF(CH[mは0〜5の整数、nは1〜11の整数であり、m+nは1〜11である。]である前記[2]のエッチングマスク組成物。
[4] 前記成分(A)が、さらに下記一般式(4)及び(5)からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の構造を有する前記[2]又は[3]のエッチングマスク組成物。
Figure 0004483518
[一般式(4)及び(5)中、Rはフェニル基又はフッ素化フェニル基、Rはフッ素原子を含んでいてもよい炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基であって、Rと同じでもよい。]
[5] 前記成分(A)100重量部に対する前記(B)光酸発生剤の添加量が0.01〜15重量部である前記[1]〜[4]のいずれかのエッチングマスク組成物。
本発明のエッチングマスク組成物によれば、優れた透明性や耐熱性を有し、界面で剥離を生じたり内部にクラックを発生させることがなく、しかも優れた形状精度を有するエッチングマスクを安価に形成することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[(A)成分]
本発明の成分(A)は、下記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び該加水分解物の縮合物からなる群より選ばれる少なくとも一種以上からなるものであり、好ましくは、シラノール基含量が1〜10mmol/gのものである。ここで、加水分解性シラン化合物の加水分解物とは、例えば加水分解反応によりアルコキシ基がシラノール基に変化した生成物を意味するばかりでなく、一部のシラノール基同士、あるいはシラノール基とアルコキシ基が縮合した部分縮合物をも意味するものである。
(R(RSi(X)4−p−q (1)
[一般式(1)中、Rはフッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Rは炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、pは1又は2の整数、qは0又は1の整数である。]
成分(A)は、一般に、前記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物、またはこれと一般式(1)以外の加水分解性シラン化合物との混合物を加熱することにより得ることができる。加熱によって加水分解性シラン化合物が加水分解されて加水分解物となり、あるいは該加水分解物が縮合反応を起こして、成分(A)が生成する。
(1) 有機基R
一般式(1)におけるRは、フッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基である。ここで、非加水分解性とは、加水分解性基Xが加水分解される条件において、そのまま安定に存在する性質であることを意味する。このような非加水分解性の有機基として、フッ素化アルキル基やフッ素化アリール基等を挙げることができる。具体的なフッ素化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、トリフルオロプロピル基、ヘプタデカフルオロデシル基、トリデカフルオロオクチル基、ノナフルオロヘキシル基等が挙げられる。また、具体的なフッ素化アリール基としては、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられる。
これらのうち、より好ましくは、C2n+12m[mは0〜5の整数、nは1〜12の整数であり、m+nは1〜12である。]で表されるフッ素化アルキル基であり、ヘプタデカフルオロデシル基、トリデカフルオロオクチル基、ノナフルオロヘキシル基等のようなフッ素含有量が大きく、かつ長鎖のものが特に好ましい。
一般式(1)中の添え字pは1又は2の整数であるが、好ましくは1である。
(2) 有機基R
一般式(1)におけるRは、炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基(ただし、フッ素原子を含有するものを除く。)である。Rとしては、非重合性の有機基および重合性の有機基あるいはいずれか一方の有機基を選ぶことができる。
ここで、非重合性の有機基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらを重水素化若しくはハロゲン化したもの等が挙げられる。これらは、直鎖状、分岐状、環状あるいはこれらの組み合わせであってもよい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。好ましいハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。
また、非重合性の有機基におけるアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、重水素化アリール基、ハロゲン化アリール基等が挙げられる。
また、アラルキル基の具体例としては、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
さらに、非重合性の有機基として、ヘテロ原子を含む構造単位を有する基を用いてもよい。該構造単位としては、エーテル結合、エステル結合、スルフィド結合等を例示することができる。また、ヘテロ原子を含む場合、非塩基性であることが好ましい。
一方、重合性の有機基は、分子中にラジカル重合性の官能基およびカチオン重合性の官能基の両方あるいはいずれか一方を有する有機基であることが好ましい。このような官能基を導入することにより、ラジカル重合やカチオン重合を生じさせて、組成物をより効果的に硬化させることができる。
また、重合性の有機基におけるラジカル重合性の官能基、およびカチオン重合性の官能基のうち、より好ましいものは、カチオン重合性の官能基である。光酸発生剤により、シラノール基における硬化反応のみならず、カチオン重合性の官能基における硬化反応を同時に生じさせることができるためである。
ここで、一般式(1)中の添え字qは0又は1の整数であるが、好ましくは0である。
(3) 加水分解性基X
一般式(1)におけるXは、加水分解性基である。ここで、加水分解性基とは、通常、1気圧でかつ触媒および過剰の水の存在下において、0〜150℃の温度範囲内で1〜10時間加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基、もしくはシロキサン縮合物を形成することができる基である。
ここで触媒としては、酸触媒、又はアルカリ触媒が挙げられる。酸触媒としては、例えば1価もしくは多価の有機酸や無機酸、ルイス酸等が挙げられる。有機酸の具体例としては、蟻酸、酢酸、シュウ酸等が挙げられる。ルイス酸の具体例としては、金属化合物、Ti、Zr、Al、B等の無機塩、アルコキシド、カルボキシレート等が挙げられる。アルカリ触媒の具体例としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物や、アミン類、酸性塩、塩基性塩等が挙げられる。加水分解に必要な触媒の添加量は、全シラン化合物に対して、0.001〜5%が好ましく、0.002〜1%であることがより好ましい。
加水分解性基Xの具体例としては、例えば、水素原子、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、アシルオキシ基等が挙げられる。
ここで、炭素数1〜12のアルコキシ基の好ましい具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシベンジロキシ基、メトキシエトキシ基、アセトキシエトキシ基、2−(メタ)アクリロキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロキシブトキシ基などの他、グリシジロキシ基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エトキシ基等のエポキシ基含有アルコキシ基や、メチルオキセタニルメトキシ基、エチルオキセタニルメトキシ基等のオキセタニル基含有アルコキシ基や、オキサシクロヘキシロキシ等の6員環エーテル基を有するアルコキシ基等を挙げることができる。
また、好ましいハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。
ただし、このように加水分解性基としてハロゲン原子を含む加水分解性シラン化合物を用いる場合、組成物の保存安定性を低下させないように注意を払う必要がある。すなわち、加水分解によって生成するハロゲン化水素の量にもよるが、かかるハロゲン化水素を、中和や蒸留等の操作により除去して、組成物の保存安定性に悪影響を及ぼさないようにすることが好ましい。
(4) 一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の具体例
一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の具体例としては、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラン、メチル−3,3,3,−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3,−トリフルオロプロピルシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジクロロシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルメチルジクロロシラン、3−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシラン等が挙げられる。これらの中で、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランや3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン等が好ましい。
(5) その他の加水分解性シラン化合物
上記以外の加水分解性シラン化合物として、テトラクロロシラン、テトラアミノシラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラベンジロキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン等の4個の加水分解性基を有するシラン化合物;メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、重水素化メチルトリメトキシシラン等の3個の加水分解性基を有するシラン化合物;あるいはジメチルジクロロシラン、ジメチルジアミノシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン等の2個の加水分解性基を有するシラン化合物等が挙げられる。
(6) (A)成分の調製
一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物を加熱して(A)成分を得る方法は、後述のシラノール基含量を過大、もしくは過少にしない限り、特に限定されないが、一例として、以下に示す1)〜3)の工程からなる方法を挙げることができる。ただし、一般式(1)で示される加水分解性シラン化合物の加水分解物において、一部未加水分解の加水分解性基が残っていてもよく、その場合は、加水分解性シラン化合物と加水分解物との混合物となる。
1)一般式(1)に示す加水分解性シラン化合物と酸触媒とを、攪拌機付の容器内に収容する。
2)次いで、得られた溶液の粘度を調節しながら、有機溶媒を容器内にさらに収容し、混合溶液とする。
3)得られた混合溶液を、空気雰囲気中において、有機溶媒もしくは加水分解性シラン化合物の沸点以下の温度で攪拌しながら、水を滴下した後、0〜150℃で、1〜24時間の間加熱攪拌する。なお、加熱攪拌中、必要に応じて蒸留によって混合溶液を濃縮したり、あるいは有機溶媒を置換することも好ましい。ここで、最終硬化物の屈折率や、組成物の硬化性、粘度等を調整するために、上記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物以外の加水分解性シラン化合物を混合させて、シロキサンオリゴマーを調製することもできる。この場合、上記1)の工程で一般式(1)の加水分解性シラン化合物とそれ以外の加水分解性シラン化合物とを添加して混合した後に、加熱し反応させることができる。
(A)成分の調製過程においてシラノール基が生成するが、調製方法によってはシラノール基の生成量が本発明で規定する範囲から外れて、フォトリソグラフィーによるエッチングマスクのパターニング形成等における悪影響を及ぼすことがある。このため、(A)成分の調製過程は、上記方法に準ずることが好ましい。
(7) (A)成分の好ましい態様
(A)成分は、下記一般式(2)及び(3)からなる群のうち少なくとも一種以上の構造を有することが好ましい。
Figure 0004483518
[一般式(2)及び(3)中、Rはフッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Rはフッ素原子を含んでいてもよい炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基であって、Rと同じでもよい。]
(A)成分が上記構造を有していると、本発明のエッチングマスク組成物からなるエッチングマスクの耐クラック性等の物性をより一層向上させることができる。
さらに、前記一般式(1)のRが、CF(CF(CH[mは0〜5の整数、nは1〜11の整数であり、m+nは1〜11である。]であることが好ましい。Rがこのような構造であると、本発明のエッチングマスク組成物を用いてフォトリソグラフィー法によりエッチングマスクを形成する際のパターニング性や、エッチングマスクの耐クラック性をより一層向上させることができる。
が上記構造である場合において、(A)成分はさらに、下記一般式(4)及び(5)からなる群のうち少なくとも一種以上の構造を有することが好ましい。
Figure 0004483518
[一般式(4)又は(5)中、Rはフェニル基、あるいはフッ素化フェニル基、Rはフッ素原子を含んでいてもよい炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基であってRと同じでもよい。]
これらの一般式(4)または一般式(5)の構造を有する加水分解性化合物の具体例としては、上述の一般式(1)、または一般式(1)以外の加水分解性シラン化合物の具体例のうち、フェニル基またはフッ素化フェニル基を有する化合物が挙げられる。これらのうち、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン等が特に好ましい。
(A)成分が上記構造を有していると、本発明のエッチングマスク組成物を用いて形成されるエッチングマスクの耐熱性やパターニング性をより一層向上させることができる。
[(B)成分]
(B)成分は光酸発生剤である。放射線を照射することにより、(B)成分が分解し、(A)成分を光硬化させる酸性活性物質を放出することができる。
ここで、放射線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、電子線、α線、γ線等を挙げることができる。ただし、一定のエネルギーレベルを有し、硬化速度が大であり、しかも照射装置が比較的安価でかつ小型である観点から、紫外線を使用することが好ましい。
成分(B)としては、例えば、下記一般式(6)で表される構造を有するオニウム塩や、下記一般式(7)で表される構造を有するスルフォン酸誘導体等を挙げることができる。
[R 10 W]+m[MZm+n−m (6)
[一般式(6)中、カチオンはオニウムイオンであり、WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O,I、Br、Clまたは−N≡Nであり、R、R、RおよびR10は同一または異なる有機基であり、a、b、cおよびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価数に等しい。また、Mはハロゲン化物錯体[MZm+n]の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、Mn、Coである。Zは、例えばF、Cl、Br等のハロゲン原子またはアリール基であり、mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価である。]
−〔S(=O)−R11 (7)
[一般式(7)中、Qは1価もしくは2価の有機基、R11は炭素数1〜12の1価の有機基、添え字sは0又は1、添え字tは1又は2である。]
(1) オニウム塩
一般式(6)におけるアニオン[MZm+n]の具体例としては、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロルアンチモネート(SbCl )、テトラフェニルボレート、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロメチルフェニル)ボレート等が挙げられる。
また、一般式(6)におけるアニオン[MZm+n]の代わりに、一般式[MZOH]で表されるアニオンを使用することも好ましい。さらに、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CFSO )、フルオロスルフォン酸イオン(FSO )、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオン等の他のアニオンを有するオニウム塩を使用することもできる。
また、オニウム塩としては芳香族オニウム塩が好ましく、特に好ましくはトリアリールスルホニウム塩、下記一般式(8)で表される化合物、下記一般式(9)で表されるジアリールヨードニウム塩あるいはトリアリールヨードニウム塩である。
Figure 0004483518
[一般式(8)中、R12およびR13は、それぞれ独立して水素又はアルキル基、R14は水酸基または−OR15(但し、R15は1価の有機基である。)を示し、aは4〜7の整数、bは1〜7の整数である。ナフタレン環への各置換基の結合位置は特に限定されない。]
[R16−Ph−I−Ph−R17][Y] (9)
[一般式(9)中、R16およびR17は、それぞれ1価の有機基であり、同一でも異なっていてもよく、R16およびR17の少なくとも一方は、炭素数が4以上のアルキル基を有しており、PhおよびPhはそれぞれ芳香族基であり、同一でも異なっていてもよく、Yは1価の陰イオンであり、周期律表3族、5族のフッ化物陰イオンもしくは、ClO 、CFSO から選ばれる陰イオンである。]
一般式(8)で表される化合物としては、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4,7−ジヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4,7−ジ−t−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。
さらに、ジアリールヨードニウム塩としては、具体的に、(4−n−デシロキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムトリフルオロスルホネート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、〔4−(2−ヒドロキシ−n−テトラデシロキシ)フェニル〕フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメチルスルフォネート等の1種または2種以上の組み合わせを挙げることができる。
(2) スルフォン酸誘導体
一般式(7)で表されるスルフォン酸誘導体としては、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イミドスルホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−オキシ−2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのスルホネート類、ピロガロールトリスルホネート類、ベンジルスルホネート類等を挙げることができる。
これらの中で好ましくはイミドスルホネート類であり、さらに好ましくはトリフルオロメチルスルホネート誘導体である。
(B)光酸発生剤の添加量は特に制限されるものではないが、(A)成分100重量部に対して、通常0.01〜15重量部である。光酸発生剤の添加量が0.1重量部未満では、光硬化性が低下し、十分な硬化速度が得られない傾向がある。一方、光酸発生剤の添加量が15重量部を超えると、得られる硬化物の耐候性や耐熱性が低下する傾向がある。
光硬化性と得られる硬化物の耐候性等とのバランスをより良好にする観点から、(B)成分としての光酸発生剤の添加量を、(A)成分100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
[(C)成分]
本発明のエッチングマスク組成物は、(C)有機溶媒を配合することによって組成物の保存安定性を向上させ、かつ適当な粘度を付与することができ、均一な厚さを有するエッチングマスクを形成することができる。
(C)有機溶媒としては、エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、炭化水素系有機溶媒、アルコール系有機溶媒等が挙げられる。通常、大気圧下での沸点が50〜200℃の範囲内の値を有し、各成分を均一に溶解させることのできる有機溶媒を用いることが、好ましい。
このような有機溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、モノアルコール系溶媒、多価アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、含窒素系溶媒、含硫黄系溶媒等を用いることができる。これらの有機溶媒は、一種単独あるいは二種以上を組み合わせて用いられる。
これらの(C)有機溶媒の中では、アルコール類およびケトン類が好ましい。組成物の保存安定性をより向上させることができるためである。
また、より好ましい有機溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、トルエン、キシレン、およびメタノールからなる群より選択される少なくとも一つの化合物が挙げられる。
また、(C)有機溶媒の種類は、好ましくは、組成物の塗布方法を考慮して選択される。例えば、均一な厚さを有する薄膜が容易に得られることから、スピンコート法を用いることが好ましいが、その場合に使用する有機溶媒としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;乳酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等のエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコール類;メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン類等を使用することが好ましく、特にエチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メチルイソブチルケトンおよびメチルアミルケトンを使用することが好ましい。
(C)成分の添加量は、(A)成分100重量部に対して、1〜300重量部、好ましくは2〜200重量部である。1〜300重量部の範囲内であれば、組成物の保存安定性を向上させ、かつ適当な粘度を付与することができ、均一な厚さを有するエッチングマスクを形成することができる。
なお、(C)有機溶媒の添加方法は、特に制限されるものではないが、例えば、(A)成分を製造する際に添加してもよいし、(A)成分および(B)成分を配合する際に添加してもよい。
[組成物中のシラノール基含量]
本発明のエッチングマスク組成物中の全Si上の結合基に占めるシラノール基の含有率は、10〜50%(好ましくは20〜40%)であることが必要である。この範囲を外れると、アルカリ現像の際に目的とする形状のパターニングを得ることができなかったりすることがある。
[その他の成分]
さらに、本発明の目的や効果を損なわない範囲において、酸拡散制御剤、反応性希釈剤、ラジカル発生剤(光重合開始剤)、光増感剤、金属アルコキシド、無機微粒子、脱水剤、レベリング剤、重合禁止剤、重合開始助剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、高分子添加剤等を配合させることも好ましい。
(D)酸拡散制御剤
(D)成分の酸拡散制御剤は、光照射によって光酸発生剤から生じた酸性活性物質の被膜中における拡散を制御し、非照射領域での硬化反応を抑制する作用を有する化合物と定義される。ただし、定義上、光酸発生剤と区別するため、(D)成分の酸拡散制御剤は、酸発生機能を有しない化合物である。
このような酸拡散制御剤を添加することにより、本発明の組成物を効果的に硬化して、パターン精度を向上させることができる。
(D)成分の酸拡散制御剤の種類としては、形成工程中の露光や加熱処理によって塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
このような含窒素有機化合物としては、例えば、下記一般式(10)で表される化合物が挙げられる。
NR181920 (10)
[一般式(10)中、R18、R19およびR20はそれぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のアラルキル基を表す。]
また、別の含窒素有機化合物としては、同一分子内に窒素原子を2個有するジアミノ化合物や、窒素原子を3個以上有するジアミノ重合体、あるいは、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
含窒素有機化合物の具体例としては、例えば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、1−ナフチルアミン等の芳香族アミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類等を挙げることができる。
なお、酸拡散制御剤は、一種単独で使用することもできるし、あるいは二種以上を混合して使用することもできる。
(D)酸拡散制御剤の添加量は、(A)成分100重量部に対して、0.001〜15重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる酸拡散制御剤の添加量が0.001重量部未満では、プロセス条件によっては、エッチングマスクのパターン形状や寸法再現性が低下することがあるためであり、一方、かかる酸拡散制御剤の添加量が15重量部を超えると、(A)成分の光硬化性が低下することがあるためである。
したがって、酸拡散制御剤の添加量を、(A)成分100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.005〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、本発明のエッチングマスク組成物は、(A)成分の種類を選ぶことにより、異なる屈折率を有するエッチングマスクを容易に形成することができる。したがって、エッチングマスクをエッチング加工終了後も永久膜として活用する際、光学的に必要な屈折率を設計することができる。
また、本発明のエッチングマスク組成物の粘度は、25℃において、5〜5,000mPa・sが好ましく、10〜1,000mPa・sがより好ましい。粘度が5,000mPa・sを超えると、均一な塗膜(エッチングマスク層)を形成することが困難となる場合がある。本発明の組成物の粘度は、反応性希釈剤や有機溶媒の配合量によって、適宜調整することができる。
次に、本発明のエッチングマスク組成物を用いてエッチングマスクを形成する方法について説明する。図1は、本発明のエッチングマスク組成物を用いたエッチングマスクの形成方法の一例を示すフロー図である。
まず、図1中の(a)に示すように、平坦な表面を有する基板1を用意する。この基板1の種類としては、特に制限されるものではないが、例えば、シリコン基板等を用いることができる。
次に、図1中の(b)に示すように、シリコン基板1の表面に本発明のエッチングマスク組成物を塗布し、乾燥またはプリベーク(好ましくは50〜200℃での加熱)して、薄膜(エッチングマスク層2)を形成する。
ここで、エッチングマスク用組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、またはインクジェット法等の方法を用いることができる。このうち、特に均一な厚さのエッチングマスク層が得られることから、スピンコート法を採用することがより好ましい。
また、エッチングマスク用組成物のレオロジー特性を塗布方法に適切に対応したものとするために、表面張力低下剤以外の添加剤を必要に応じて配合することができる。
その後、図1中の(c)に示すように、エッチングマスク層2の上面に対して、所定のパターンに従って、例えば所定のラインパターンを有するフォトマスク3を介して光(放射線)4の照射を行う。これにより、光が照射された箇所のみが硬化するので、それ以外の未硬化の部分を現像液によって現像除去することにより、図1中の(d)に示すように、シリコン基板1上に、パターニングされた硬化膜からなるエッチングマスク5を形成させることができる。
ここで、エッチングマスクの形成に用いる光は、特に制限されるものではなく、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等を用いることができるが、好ましくは200〜450nmの紫外〜可視領域の光、より好ましくは波長365nmの紫外線を含む光が用いられる。波長200〜450nmでの照射は、照度が1〜1000mW/cm、照射量が0.01〜5000mJ/cm、好ましくは0.1〜1000mJ/cmとなるように行なわれて、露光される。
光の照射装置としては、例えば、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプなどの広い面積を同時に照射するランプ光源と、パルス、連続発光等のレーザー光源のいずれか一方又は両方の光源から、ミラー、レンズ、光ファイバーを用いて収束光を生じさせるものを用いることができる。
収束光を用いてエッチングマスクを形成する場合、収束光と被照射体のいずれか一方を移動させることによって、エッチングマスク形状となるように露光することができる。これらの光源の中でも、365nmの紫外線強度の高い光源が好ましく、例えば、ランプ光源としては高圧水銀ランプ、レーザー光源としてはアルゴンレーザーが好ましい。
所定のパターンに従って光の照射を行う方法としては、光の透過部と非透過部とからなるフォトマスクを用いる方法に限られず、例えば、以下に示すa〜c等の方法が挙げられる。
a.液晶表示装置と同様の原理を利用した、所定のパターンに従って光透過領域と不透過領域とよりなるマスク像を電気光学的に形成する手段を利用する方法。
b.多数の光ファイバーを束ねてなる導光部材を用い、この導光部材における所定のパターンに対応する光ファイバーを介して光を照射する方法。
c.レーザー光、あるいはレンズ、ミラー等の集光性光学系により得られる収束光を走査させながら光硬化性組成物に照射する方法。
露光後、露光部分の硬化を促進させるために、加熱処理(以下、「PEB」という。)を行うことが好ましい。その加熱条件は、本発明の組成物の配合組成、添加剤の種類等により異なるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜150℃である。
現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エタノールアミン、N―メチルエタノールアミン、N,N―ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノナンなどの塩基性物質と水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブタノール、オクタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、N−メチルピロリドン、ホルムアミド、N,N―ジメチルホルムアミド、 N,N―ジメチルアセトアミド、などの溶媒で希釈された溶液を用いることができる。
また、現像液中の塩基性物質の濃度を、通常0.05〜25重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
また、現像時間は、通常30〜600秒間である。現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー現像法などの公知の方法を採用することができる。
現像液として有機溶媒を用いた場合には、そのまま風乾することにより、また、アルカリ水溶液を用いた場合には流水洗浄を例えば30〜90秒間行なった後、圧縮空気や圧縮窒素等で風乾させて表面上の水分を除去することにより、パターン状の被膜を形成させることができる。
パターン状の被膜をさらに硬化させるために、ホットプレートやオーブンなどの加熱装置により、例えば30〜400℃の温度で5分間〜72時間ポストベーク処理すれば、硬化したエッチングマスク5が形成されることになる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[(A)成分の調製]
[合成例1]
撹拌機、還流管付のフラスコに、フェニルトリメトキシシラン(30.79g)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン(22.64g)、テトラエトキシシラン(4.62g)、1−メトキシ−2−プロパノール(29.93g)、およびシュウ酸(0.04g)を添加、攪拌した後、溶液の温度を60℃に加熱した。次いで、蒸留水(11.98g)を滴下し、滴下終了後、溶液を120℃にて6時間攪拌した。そして、最終的に固形分を65重量%に調整した(A)成分の1−メトキシ−2−プロパノール溶液を得た。これを「シロキサンオリゴマー溶液1」とする。
[合成例2]
撹拌機、還流管付のフラスコに、フェニルトリメトキシシラン(30.56g)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン(18.15g)、テトラエトキシシラン(9.88g)、メチル−n−アミルケトン(27.72g)、およびシュウ酸(0.04g)を添加、攪拌した後、溶液の温度を60℃に加熱した。次いで、蒸留水(13.66g)を滴下し、滴下終了後、溶液を120℃にて6時間攪拌した。そして、最終的に固形分を70重量%に調整した(A)成分のメチル−n−アミルケトン溶液を得た。これを「シロキサンオリゴマー溶液2」とする。
[合成例3]
撹拌機、還流管付のフラスコに、メチルトリメトキシシラン(2.97g)、フェニルトリメトキシシラン(29.01g)、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン(25.64g)、1−メトキシ−2−プロパノール(31.00g)、およびシュウ酸(0.04g)を添加、攪拌した後、溶液の温度を60℃に加熱した。次いで、蒸留水(11.35g)を滴下し、滴下終了後、溶液を120℃にて6時間攪拌した。そして、最終的に固形分を70重量%に調整した(A)成分の1−メトキシ−2−プロパノール溶液を得た。これを「シロキサンオリゴマー溶液3」とする。
[エッチングマスク組成物1の調製]
シロキサンオリゴマー溶液1(固形分および有機溶媒)92.56gに対し、光酸発生剤として4,7−ジ−t−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート0.32g、トリ−n−オクチルアミン0.03g、1−メトキシ−2−プロパノール7.09gを添加し、均一に混合することにより、固形分濃度を65重量%に調整した「組成物1」を得た。
[エッチングマスク組成物2の調製]
シロキサンオリゴマー溶液2(固形分および有機溶媒)92.56gに対し、光酸発生剤として4,7−ジ−t−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート0.32g、トリ−n−オクチルアミン0.03g、1−メトキシ−2−プロパノール7.09gを添加し、均一に混合することにより、固形分濃度を65重量%に調整した「組成物2」を得た。
[エッチングマスク組成物3の調製]
シロキサンオリゴマー溶液3(固形分および有機溶媒)92.56gに対し、光酸発生剤として4,7−ジ−t−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート0.32g、トリ−n−オクチルアミン0.03g、1−メトキシ−2−プロパノール7.09gを添加し、均一に混合することにより、固形分濃度を65重量%に調整した「組成物3」を得た。
[実施例1]
組成物1をシリコン基板の表面上にスピンコータで塗布し、80℃で2分間乾燥させた後、ライン/スペース=50/150μmの直線パターンを刻んだフォトマスクを用いて波長365nm、照度20mW/cmの紫外線を露光機(ズースマイクロテック社製フォトアライナー)にて10秒間照射した。その後、この基板を100℃にて1分間加熱した後、5%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド(TMAH)水溶液からなる現像液中に浸漬して未露光部を溶解し、さらに水で洗浄した。その後、紫外線を1分間照射した後、300℃にて1時間加熱することにより、厚さ10μmのエッチングマスクを形成した。
次にこの基板に対し、TMAHによるウェットエッチングを行ったところ、エッチング前後でのエッチングマスクの膜厚変化はなく、エッチングマスクはエッチング条件下でもダメージを受けないことがわかった。また、シリコン基板はエッチングされた。
[実施例2]
組成物1に代えて組成物2を用いた以外は実施例1と同様にして、エッチングマスクを作製し、評価を行なった。その結果、エッチングマスクのダメージはなく、シリコン基板のみエッチングされた。
[実施例3]
組成物1に代えて組成物3を用いた以外は実施例1と同様にして、エッチングマスクを作製し、評価を行なった。その結果、エッチングマスクのダメージはなく、シリコン基板のみエッチングされた。
[シラノール含量測定]
組成物1〜3を各々、NMR測定溶媒である重水素化クロロホルムで希釈し、Si−NMRにてシラノール含量を測定した。具体的には、−120ppm〜−60ppmにかけて現れる置換基、結合基の異なる複数のシラン成分をカーブフィティングにてピーク分離し、ピークの面積比から各成分のモル%を算出した。得られた各成分中のシラノール基数を掛け合わせ、全Si上の結合基に占める割合(%)を算出した。
計算例を以下に示すと、
モル% シラノール基数
ピーク1:R−Si(OH) a 3
ピーク2:R−Si(OH)(OSi) b 2
ピーク3:R−Si(OH)(OSi) c 1
ピーク4:R−Si(OSi) d 0

全Si上の結合基に占めるシラノールの含有率(%)
=(3a+2b+c)×100/[4×(a+b+c+d)]
その結果、組成物1、組成物2および組成物3の前記シラノールの含有率は、各々、29%、28%、30%であった。
本発明のエッチングマスク組成物を用いたエッチングマスクの形成方法の一例を示すフロー図である。
符号の説明
1 シリコン基板
2 エッチングマスク層
3 フォトマスク
4 光
5 エッチングマスク

Claims (5)

  1. 下記成分(A)及び(B):
    (A)下記一般式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解物及び該加水分解物の縮合物からなる群より選ばれる少なくとも一種以上、
    (R(RSi(X)4−p−q (1)
    [一般式(1)中、Rはフッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Rは炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基(ただし、フッ素原子を含有するものを除く。)、Xは加水分解性基、pは1又は2の整数、qは0又は1の整数である。]
    および
    (B)光酸発生剤
    を含有するエッチングマスク組成物であって、
    該組成物中の全Si上の結合基に占めるシラノール(Si−OH)基の含有率が、10〜50%であることを特徴とするエッチングマスク組成物。
  2. 上記(A)成分が、下記一般式(2)及び(3)からなる群のうち少なくとも一種以上の構造を有する請求項1記載のエッチングマスク組成物。
    Figure 0004483518
    [一般式(2)及び(3)中、Rはフッ素原子を含有する炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Rはフッ素原子を含んでいてもよい炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基であって、Rと同じでもよい。]
  3. 前記式(1)中のRが、CF(CF(CH[mは0〜5の整数、nは1〜11の整数であり、m+nは1〜11である。]である請求項2記載のエッチングマスク組成物。
  4. 前記成分(A)が、さらに下記一般式(4)及び(5)からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の構造を有する請求項2又は3記載のエッチングマスク組成物。
    Figure 0004483518
    [一般式(4)及び(5)中、Rはフェニル基又はフッ素化フェニル基、Rはフッ素原子を含んでいてもよい炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基であって、Rと同じでもよい。]
  5. 前記成分(A)100重量部に対する前記(B)光酸発生剤の添加量が0.01〜15重量部である請求項1〜4のいずれか1項に記載のエッチングマスク組成物。
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