JP2003177560A - 有機感光体,電子写真画像形成装置,電子写真画像形成方法,及び電荷輸送物質 - Google Patents

有機感光体,電子写真画像形成装置,電子写真画像形成方法,及び電荷輸送物質

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JP2003177560A
JP2003177560A JP2002270816A JP2002270816A JP2003177560A JP 2003177560 A JP2003177560 A JP 2003177560A JP 2002270816 A JP2002270816 A JP 2002270816A JP 2002270816 A JP2002270816 A JP 2002270816A JP 2003177560 A JP2003177560 A JP 2003177560A
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JP2002270816A
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English (en)
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Kam W Law
ダブリュ カム ロー
Nusrallah Jubran
ナスアラー ジュブラン
Zbigniew Tokarski
ズビグニエフ トカルスキ
Alan R Katritzky
アール アラン カトリッツキー
Ritu Jain
リツ ジェイン
Rexiat Maimait
レクシア メイメイ
Anatoliy V Vakulenko
ヴイ アナトリー バクレンコ
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Samsung Electronics Co Ltd
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Samsung Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的及び静電気的特性に優れた有機光受容
体を得られる電子写真有機感光体を提供する。 【解決手段】 化学式1または4で表示される電荷輸送
物質,電荷発生化合物,及び導電基板を含む有機感光体
で,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H−フルオレン
−9−イリデン)ベンジル基,アルキルスルホニルフェ
ニル基,またはスチルベニル基であり,Bは,水素,ア
ルキル基,及びアリル基よりなる群から選択されるが,
Aがナフチル基であるときに,Bはナフチル基である。 【化69】 【化70】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真技術に係
り,より詳しくは,9H−フルオレン−9−オンヒドラ
ジノ置換された化合物及びその誘導体を含む新しい電荷
輸送物質を有する有機感光体,電子写真画像形成装置,
電子写真画像形成方法,及び電荷輸送物質に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法によれば,有機感光体は導電
基板上に絶縁性光導電要素を形成してなされ,プレー
ト,ベルト,ディスクまたはドラム形態を有する。
【0003】電子写真的な画像形成方法によれば,まず
光導電層の表面を静電気的に均一に帯電させた後,帯電
された表面を光のパターン通り露光する。露光で光照射
領域のみに電荷を選択的に分散させて帯電領域及び放電
領域パターン(「潜像」という)を形成する。
【0004】その後,液体または固体トナーを帯電また
は放電領域上に塗布して光導電層の表面に色調画像を作
る。このように形成された色調画像は,紙及びフィルム
のような受容体の表面に転写されるか,永久的な画像用
受容体の役割をする上記感光体の表面に転写される。
【0005】上述した画像形成工程は,数回反復的に実
施されて相異なるカラーを有する画像を重ねてフルカラ
ー最終画像を形成するなど,相異なるカラーを有する画
像を重ねるか,またはシャドーイメージを具現する。
【0006】単層または多層形態を有する光導電要素が
商業的に利用可能である。光導電層要素が単層形態であ
る場合には,電荷輸送物質及び電荷発生物質が高分子結
合剤と結合された後,導電基板上に塗布される。光導電
層要素が多層形態である場合には,電荷輸送物質及び電
荷発生物質を利用して別の層を形成し,高分子結合剤と
選択的に結合されて導電基板上に塗布される。
【0007】電荷輸送層と電荷発生層は下記の2つの配
列状態を有する。第1配列(“二重層”配列)によれ
ば,電荷発生層が導電基板上に塗布され,電荷輸送層は
電荷発生層の上部に形成される。第2配列(“インバー
ト二重層”配列)によれば,上述した電荷輸送層と電荷
発生層の積層順序が変わる。
【0008】単層及び多層光導電性要素において,電荷
発生物質は露光時に電荷キャリア(すなわち,ホールま
たは電子)を生成する機能を有する。電荷輸送物質は光
導電性要素の表面上部に表面電荷を放出するために上記
電荷キャリアを受容し,これらを電荷輸送層を通じて移
動させる役割を果たす。電荷輸送化合物が使われる場合
には,電荷輸送化合物はホールキャリアを受容し,これ
らを電荷輸送化合物が存在する層を通じて移動させる。
そして電子輸送化合物が使われる場合には,電子輸送化
合物は電子キャリアを受容し,これらを電子輸送化合物
が存在する層を通じて移動させる。
【0009】特に,サイクル反復後にも高品質の画像を
得るためには,電荷輸送物質を高分子結合剤と混合して
均一相溶液を形成した後,これを溶液状態のままに維持
することが望ましい。また,電荷輸送物質の受容可能な
電荷量(許容電圧,または「Vacc」と表示する)を
最大化させ,放電時の電荷保有量(残留電圧,または
「Vres」と表示する)を最小化させることが望まし
い。
【0010】電子写真工程で利用可能な電荷輸送物質に
はいろいろな物質が知られている。最も一般的な電荷輸
送物質には,ピラゾリン誘導体,フルオレン誘導体,オ
キサジアゾール誘導体,スチルベン誘導体,ヒドラゾン
誘導体,カルバゾールヒドラゾン誘導体,トリフェニル
アミン誘導体,ジュロリジンヒドラゾン誘導体,ポリビ
ニルカルバゾール,ポリビニルピレン,またはポリアセ
ナフチレンなどがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし,上述した電荷
輸送物質は短所があり,電子写真分野で多様な要求条件
を満たしうる新しい電荷輸送物質の開発が要求されてい
る。
【0012】本発明の目的は,上述した問題点を解決す
る新しい電荷輸送物質と,これを利用して機械的及び静
電気的特性に優れた有機感光体を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は,上記有機感光体を採
用することによって反復的なサイクル後にも高品質の画
像を得られる電子写真の画像形成装置,及び電子写真の
画像形成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明では(a)下記化学式で表示される中心核を
有する電荷輸送物質と,(b)電荷発生化合物と,
(c)導電基板とを含むことを特徴とする有機感光体を
提供する。
【0015】
【化16】
【0016】上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル
基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,
アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニル基
であり,Bは,水素,アルキル基,アリル基よりなる群
から選択されるが,Aがナフチル基であるときに,Bは
ナフチル基である。
【0017】上記AとBは,互いに独立的に,5,6,
または7輪原子を有する複素環基及び芳香族基よりなる
群から選択され,上記輪原子は,C,N,S,Se,及
びOよりなる群から選択される一つ以上である。
【0018】上記電荷輸送物質は,下記化学式で表示さ
れる中心核を有する。
【0019】
【化17】
【0020】上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル
基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,
アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニル基
である。Bは,水素,アルキル基,及びアリル基よりな
る群から選択される。Rは,水素,ハロゲン,ヒドロキ
シ基,チオル基,ニトロ基,ニトリル基,分枝型若しく
は線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形アルキル基,
分枝型,輪若しくは線形不飽和炭化水素基,エステル
基,エーテル基,アミノ基,複素環基,アリル基,及び
輪若しくは多環式輪の一部よりなる群から選択される。
【0021】上記化学式で,Rは,水素,ハロゲン,ア
ルキル基,アルコキシ基,アリル基,及び複素環基より
なる群から選択されることが望ましい。
【0022】本発明の電荷輸送物質は,下記化学式で表
示される化合物のうち少なくとも一つを含む。
【0023】
【化18】
【0024】上記化学式中,Rは,複素環基,ナフチ
ル基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル
基,アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニ
ル基である。
【0025】また,Rは,水素,分枝型若しくは線形
アルキル基,分枝型若しくは線形アルコキシ基,分枝型
若しくは線形不飽和炭化水素基,エーテル基,シクロア
ルキル基,またはアリル基である。ただし,Rがナフ
チル基であるときに,Rはナフチル基である。
【0026】また,R,R,R,R,R,R
,R,R10は,互い独立的に,水素,ハロゲン,
ヒドロキシ基,チオル基,ニトロ基,ニトリル基,分枝
型若しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形アル
キル基,分枝型若しくは線形不飽和炭化水素基,エステ
ル基,エーテル基,アミノ基,シクロアルキル基,複素
環基,アリル基,または輪若しくは多環式輪の一部であ
る。
【0027】上記Rは,スルホラニル基,ピロリル
基,テトラゾリル基,ベンゾトリアゾリル基,ピラゾリ
ル基,スチルベニル基,(9H−フルオレン−9−イリ
デン)ベンジル基,またはアルキルスルホフェニル基で
あることが望ましい。
【0028】上記R及びRは,互いに独立的にナフ
チル基であることが望ましい。
【0029】上記有機感光体は,フレキシブルベルト形
態またはドラム形態であることが望ましい。
【0030】本発明の目的はまた,(a)下記化学式で
表示される中心核を有する電荷輸送物質及び高分子結合
剤を含む電荷輸送層と,(b)電荷発生化合物及び高分
子結合剤を含む電荷発生層と,(c)導電基板とを含む
ことを特徴とする有機感光体により達成される。
【0031】
【化19】
【0032】上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル
基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,
アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニル基
である。Bは,水素,アルキル基,及びアリル基よりな
る群から選択されるが,Aがナフチル基であるときに,
Bはナフチル基である。
【0033】また,本発明の他の目的は,(a)複数の
支持ローラと,(b)上記支持ローラの周囲にスレッデ
ッドフレキシブルベルト形態の有機感光体とを含み,上
記有機感光体は,(i)下記化学式で表示される電荷輸
送物質と,(ii)電荷発生化合物と,(iii)導電基板
とを含むことを特徴とする電子写真画像形成装置により
解決される。
【0034】
【化20】
【0035】上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル
基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,
アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニル基
であり,Bは,水素,アルキル基,及びアリル基よりな
る群から選択されるが,Aがナフチル基であるときに,
Bはナフチル基である。
【0036】さらに,本発明の他の目的は,(a)
(i)下記化学式で表示される電荷輸送物質,(ii)電
荷発生化合物,及び(iii)導電基板を含む上記有機感
光体の表面に電荷を提供する段階と,
【0037】
【化21】
【0038】上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル
基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,
アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニル基
であり,Bは,水素,アルキル基,及びアリル基よりな
る群から選択されるが,Aがナフチル基であるときに,
Bはナフチル基である。
【0039】(b)上記有機感光体の表面に光を照射し
てイメージ方向に露光処理して,所定領域に電荷を分散
させて上記有機感光体の表面に帯電領域と放電領域のパ
ターンを形成する段階と,(c)上記有機感光体の表面
を有機液体と着色剤粒子の分散液とを含む液体トナーと
接触させて,色調画像を形成する段階と,(d)上記色
調画像を基板に転写させる段階とを含むことを特徴とす
る電子写真画像形成方法により達成される。
【0040】さらに,本発明の他の目的は,下記化学式
で表示される電荷輸送物質により達成される。
【0041】
【化22】
【0042】上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル
基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,
アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニル基
であり,Bは,水素,アルキル基,及びアリル基よりな
る群から選択されるが,Aがナフチル基であるときに,
Bはナフチル基である。
【0043】さらに,本発明の他の目的は,(a)下記
化学式で表示される中心核を有する電荷輸送物質と,
(b)電荷発生化合物と,(c)導電基板とを含むこと
を特徴とする有機感光体により達成される。
【0044】
【化23】
【0045】上記化学式中,Rは,N−ピロリル基,
N−ピラゾリル基,N−テトラゾリル基,N−インドリ
ル基,N−カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−
イミダゾリル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−イン
ダゾリル基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群
から選択され,Rは,9−フルオレノン,またはその
誘導体のうち一つである。
【0046】さらに,本発明の他の目的は,(a)複数
の支持ローラと,(b)上記支持ローラ周囲にスレッデ
ッドフレキシブルベルト形態であり,(i)下記化学式
で表示される電荷輸送物質;(ii)電荷発生化合物;及
び(iii)導電基板を含む有機感光体を含むことを特徴
とする電子写真画像形成装置により達成される。
【0047】
【化24】
【0048】上記化学式中,Rは,N−ピロリル基,
N−ピラゾリル基,N−テトラゾリル基,N−インドリ
ル基,N−カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−
イミダゾリル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−イン
ダゾリル基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群
から選択され,Rは,9−フルオレノン,またはその
誘導体のうち一つである。
【0049】さらに,本発明の他の目的は,(a)
(i)下記化学式で表示される電荷輸送物質;(ii)電
荷発生化合物;及び(iii)導電基板を含む有機感光体
の表面に電荷を提供する段階と,
【0050】
【化25】
【0051】上記化学式中,RはN−ピロリル基,N
−ピラゾリル基,N−テトラゾリル基,N−インドリル
基,N−カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−イ
ミダゾリル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−インダ
ゾリル基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群か
ら選択され,Rは,9−フルオレノン,またはその誘
導体のうち一つである。
【0052】(b)上記有機感光体の表面に光を照射し
てイメージ方向に露光処理して所定領域に電荷を分散さ
せて,上記有機感光体の表面に帯電領域と放電領域のパ
ターンを形成する段階と,(c)上記有機感光体の表面
を有機液体と着色剤粒子の分散液とを含む液体トナーと
接触させて,色調画像を形成する段階と,(d)上記色
調画像を基板に転写させる段階とを含むことを特徴とす
る電子写真画像形成方法により達成される。
【0053】さらに,本発明の他の目的は,下記化学式
で表示される電荷輸送物質により解決される。
【0054】
【化26】
【0055】上記化学式中,Rは,N−ピロリル基,
N−ピラゾリル基,N−テトラゾリル基,N−インドリ
ル基,N−カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−
イミダゾリル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−イン
ダゾリル基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群
から選択され,Rは,9−フルオレノン,またはその
誘導体のうち一つである。
【0056】上記有機感光体は,電荷発生物質,電荷輸
送物質及び電子輸送化合物を含む単層形態であることが
望ましい。
【0057】
【発明の実施の形態】以下,本発明のいくつかの実施の
形態を示し,本発明をより詳細に説明する。
【0058】本発明の実施の形態の電子写真用有機感光
体は,新規電荷輸送物質である9H−フルオレン−9−
オンヒドラジノ置換された化合物を含む。本発明の実施
の形態の電荷輸送物質は,下記化学式(化27,化2
8,化19),または,後述の化学式I−X(化30〜
化39)で表示される中心核のうちの少なくとも一つを
有する化合物である。
【0059】
【化27】
【0060】
【化28】
【0061】
【化29】
【0062】上記化学式(化27,化28,化19)
中,Aは,複素環基(例:スルホラニル基,ピロール
基,ピラゾリル基,テトラゾリル基,インドリル基,カ
ルバゾリル基,トリアゾリル基,イミダゾリル基,ベン
ゾイミダゾリル基,インダゾリル基,ベンゾトリアゾリ
ル基),ナフチル基,(9H−フルオレン−9−イリデ
ン)ベンジル基,アルキルスルホフェニルまたはスチル
ベニルであり,Bは,水素,アルキル基(特にC−C
20のアルキル基),アリル基(例:フェニル基,ナフ
チル基,スチルベニル基,(9H−フルオレン−9−イ
リデン)ベンジル基,またはトラニル基のようなC
30のアリル基)であるが,Aがナフチル基であると
きに,Bはナフチル基である。
【0063】上記Aは,C,N,S,及びO輪原子を含
む5−,6−または7−原子核グループを有する複素環
及び芳香族基であることが望ましい。上記二つ以下の原
子は,S及び/またはOを含むか,二つ以下の原子は,
Nと,O及びSのうち少なくとも一つ選択されるか,S
またはOが存在しない場合には4N原子以下を有するこ
とが望ましい。
【0064】上記グループを核に置換基を結合させれ
ば,当該技術分野で公知のように化合物の移動度,溶解
度,安定度などの特性を変化させることができる。
【0065】本発明の実施の形態はまた,上述した中心
核と異性質対等価のものも含み,これはAとBとが定義
範囲内で互いに交換可能であることを意味する。
【0066】本発明の実施の形態の電荷輸送物質に属す
るサブグループ化合物について説明すれば次の通りであ
る。
【0067】I.下記式で表示される電荷輸送物質
【0068】
【化30】
【0069】上記化学式中,R,R,R,R
,R,R,R,R,R 10,R11,R
12,R13,R14,R15は,互いに独立的に,水
素,ハロゲン,ヒドロキシ基,チオル基,ニトロ基,ニ
トリル基,分枝型若しくは線形アルコキシ基(例:C
−C20アルコキシ基),分枝型若しくは線形アルキル
基(例:C−C20アルキル基),分枝型若しくは線
形不飽和炭化水素基(例:C−C20アルケニル基ま
たはアルキニル基),エーテル基,エステル基,アミノ
基,シクロアルキル基(例:シクロヘキシル基のような
−C30シクロアルキル基),複素環基(例:ピロ
リル基,テトラゾリル基,インドリル基,カルバゾリル
基,トリアゾリル基,イミダゾリル基,ベンゾイミダゾ
リル基,インダゾリル基またはベンゾトリアゾリル
基),アリル基(例:フェニル基,ナフチル基,スチル
ベニル基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジ
ル基,トラニル基のようなC−C30アリル基)また
は輪または多環式輪のうち一部である。
【0070】R16は,アリル基(例:フェニル基,ナ
フチル基,スチルベニル基,9H−フルオレン−9−イ
リデン)ベンジル基,トラニル基のようなC−C30
アリル基)または複素環基(例:ピロリル基,テトラゾ
リル基,インドリル基,カルバゾリル基,トリアゾリル
基,イミダゾリル基,ベンゾイミダゾリル基,インダゾ
リル基またはベンゾトリアゾリル基)である。
【0071】II.下記式で表示される電荷輸送物質
【0072】
【化31】
【0073】上記化学式中,Rは,水素,分枝型若し
くは線形アルキル基(例:C−C 20アルキル基),
分枝型若しくは線形アルコキシ基(例:C−C20
ルコキシ基),分枝型若しくは線形不飽和炭化水素基
(例:C−C20アルケニル基またはアルキニル
基),エーテル基,シクロアルキル基(例:シクロヘキ
シル基のようなC−C30シクロアルキル基),アリ
ル基(例:フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,
9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニ
ル基のようなC−C30アリル基)である。
【0074】R,R,R,R,R,R,R
,R,R10,R11,R12は,互いに独立的
に,水素,ハロゲン,ヒドロキシ基,チオル基,ニトロ
基,ニトリル基,分枝型若しくは線形アルコキシ基
(例:C−C20アルコキシ基),分枝型若しくは線
形アルキル基(例:C−C20アルキル基),分枝型
若しくは線形不飽和炭化水素基(例:C−C20アル
ケニル基またはアルキニル基),エーテル基,エステル
基,アミノ基,シクロアルキル基(例:シクロヘキシル
基のようなC−C30シクロアルキル基),複素環基
(例:スルホラニル基,ピロリル基,ピラゾリル基,テ
トラゾリル基,インドリル基,カルバゾリル基,トリア
ゾリル基,イミダゾリル基,ベンゾイミダゾリル基,イ
ンダゾリル基またはベンゾトリアゾリル基),アリル基
(例:フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9
H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル
基のようなC−C30アリル基),または輪若しくは
多環式輪のうち一部である。
【0075】R13は,アリル基(例:フェニル基,ナ
フチル基,スチルベニル基,(9H−フルオレン−9−
イリデン)ベンジル基,トラニル基のようなC−C
30アリル基)または複素環基(例:スルホラニル基,
ピロリル基,ピラゾリル基,テトラゾリル基,インドリ
ル基,カルバゾリル基,トリアゾリル基,イミダゾリル
基,ベンゾイミダゾリル基,インダゾリル基またはベン
ゾトリアゾリル基)である。
【0076】III.下記式で表示される電荷輸送物質
【0077】
【化32】
【0078】上記化学式中,RとRはナフチル基で
あり,Rは9−フルオレノン,またはその誘導体のう
ち一つである。
【0079】IV.下記式で表示される電荷輸送物質
【0080】
【化33】
【0081】上記化学式中,Rは,水素,アルキル基
(例:C−C20アルキル基),アリル基(例:フェ
ニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9H−フルオ
レン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル基のような
−C30アリル基)であり,Rはテトラゾリル
基,またはその誘導体のうち一つであり,Rは,9−
フルオレノン,またはその誘導体のうち一つである。
【0082】V.下記式で表示される電荷輸送物質
【0083】
【化34】
【0084】上記化学式中,Rは,水素,アルキル基
(例:C−C20アルキル基)またはアリル基(例:
フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9H−フ
ルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル基のよ
うなC−C30アリル基)であり,Rは,ベンゾト
リアゾリル基,またはその誘導体のうち一つであり,R
は,9−フルオレノン,またはその誘導体のうち一つ
である。
【0085】VI.下記式で表示される電荷輸送物質
【0086】
【化35】
【0087】上記化学式中,Rは,水素,アルキル基
(例:C−C20アルキル基)またはアリル基(例:
フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9H−フ
ルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル基のよ
うなC−C30アリル基)であり,Rは,(9H−
フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,またはその誘
導体のうち一つであり,Rは,9−フルオレノン,ま
たはその誘導体のうち一つである。
【0088】VII.下記式で表示される電荷輸送物質
【0089】
【化36】
【0090】上記化学式中,Rは,水素,アルキル基
(例:C−C20アルキル基)またはアリル基(例:
フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9H−フ
ルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル基のよ
うなC−C30アリル基)であり,Rは,アルキル
スルホニルフェニル基,またはその誘導体のうち一つで
あり,Rは,9−フルオレノン,またはその誘導体の
うち一つである。
【0091】VIII.下記式で表示される電荷輸送物質
【0092】
【化37】
【0093】上記化学式中,Rは,水素,アルキル基
(例:C−C20アルキル基)またはアリル基(例:
フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9H−フ
ルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル基のよ
うなC−C30アリル基)であり,Rは,スチルベ
ニル基,またはその誘導体のうち一つであり,Rは,
9−フルオレノン,またはその誘導体のうち一つであ
る。
【0094】IX.下記式で表示される電荷輸送物質
【0095】
【化38】
【0096】上記化学式中,Rは,水素,アルキル基
(例:C−C20アルキル基)またはアリル基(例:
フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9H−フ
ルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル基のよ
うなC−C30アリル基)であり,Rは,ピラゾリ
ル基,またはその誘導体のうち一つであり,Rは,9
−フルオレノン,またはその誘導体のうち一つである。
【0097】X.下記式で表示される電荷輸送物質
【0098】
【化39】
【0099】上記化学式中,Rは,N−ピロリル基,
N−ピラゾリル基,N−テトラゾリル基,N−インドリ
ル基,N−カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−
イミダゾリル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−イン
ダゾリル基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群
から選択され,Rは,9−フルオレノン,またはその
誘導体のうち一つである。
【0100】式Iによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化40〜化45)。
【0101】
【化40】
【0102】
【化41】
【0103】
【化42】
【0104】
【化43】
【0105】
【化44】
【0106】
【化45】
【0107】式IIによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化46〜化51)。
【0108】
【化46】
【0109】
【化47】
【0110】
【化48】
【0111】
【化49】
【0112】
【化50】
【0113】
【化51】
【0114】式IIIによる電荷輸送物質の非制限的な実
施形態は次の通りである(化52,化53)。
【0115】
【化52】
【0116】
【化53】
【0117】式IVによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化54,化55)。
【0118】
【化54】
【0119】
【化55】
【0120】式Vによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化56,化57)。
【0121】
【化56】
【0122】
【化57】
【0123】式VIによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化58,化59)。
【0124】
【化58】
【0125】
【化59】
【0126】式VIIによる電荷輸送物質の非制限的な実
施形態は次の通りである(化60,化61)。
【0127】
【化60】
【0128】
【化61】
【0129】式VIIIによる電荷輸送物質の非制限的な実
施形態は次の通りである(化62,化63)。
【0130】
【化62】
【0131】
【化63】
【0132】式IXによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化64,化65)。
【0133】
【化64】
【0134】
【化65】
【0135】式Xによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化66)。
【0136】
【化66】
【0137】本発明の実施形態の有機感光体は,上述し
た化学式を有する電荷輸送物質を含む。化学式I〜X
(化30〜化39)による電荷輸送物質は,対応するヒ
ドラジンを9H−フルオレノン−9−オンまたはその誘
導体を反応させることによって製造されるが,上記反応
は下記に示す実施形態から分かるように,いわゆる当業
者には可能な変化範囲内で上記反応物質をテトラヒドロ
フランで十分の時間還流してなされる。
【0138】上記感光体は,プレート,ドラム,ディス
ク,シート,ベルト,または硬性若しくは軟性ドラムの
周囲に配置されたシート形態である。上記感光体は,導
電基板と,単層の感光性要素とを含むが,単層の感光性
要素は,ポリマー結合剤と電荷輸送化合物と電荷発生化
合物とを含む。しかし,望ましくは感光体は,導電基板
と,二層構造を有する感光性要素とよりなり,二層構造
の感光性要素は,電荷発生層と電荷輸送層とを具備す
る。電荷発生層は,導電基板と電荷輸送層との間に位置
する。または,感光性要素は,導電基板と電荷発生層と
の間に電荷輸送層が形成されたインバート構造を有する
こともある。
【0139】導電基板は,例えば,プレート,フレキシ
ブルベルト,フレキシブルディスク,硬性ドラムまたは
軟性ドラムの周囲に配置されたシート形態のようにフレ
キシブルである。一般的に,フレキシブル導電基板は絶
縁基板と導電物質層とを含む。絶縁基板は,例えば,ペ
ーパーまたはポリエチレンテレフタレート,ポリイミ
ド,ポリスルホン,ポリエチレンナフタレート,ポリプ
ロピレン,ナイロン,ポリエステル,ポリカーボネー
ト,ポリビニルフルオライド,ポリスチレンのようなフ
ィルム形成用高分子よりなる。
【0140】支持基板の具体的な例には,ポリエーテル
スルホン(商品名Stabar S−100,ICI
社),ポリビニルフルオライド(商品名 Tedla
r,E.I.Dupont de Nemours&Co
mpany),ポリビスフェノール−Aポリカーボネー
ト(商品名Makrofol,Mobay Chemi
cal Company),及び無定形ポリエチレンテ
レフタレート(商品名Melinar,ICI Ame
rica,Inc.)などがある。
【0141】上記導電基板を構成する導電物質には,例
えば,グラファイト,分散カーボンブラック,ヨウ化
物,ポリピロール及び商品名Calgon condu
ctive polymer 261(Calgon
Corporation,Inc.,)のような伝導性
高分子,アルミニウム,チタン,クロム,黄銅,金,
銅,パラジウム,ニッケルまたはステンレススチールの
ような金属,チンオキシドまたはインジウムオキシドの
ような金属酸化物などがある。特にアルミニウムである
ことが望ましい。
【0142】導電基板は,一般に機械的安定性を有しう
る程度の適切な厚さを有する。例えば,フレキシブルウ
ェブ基板は一般に0.01〜1mmの厚さを有し,ドラ
ム基板は一般に,0.5〜2mmの厚さを有することが
望ましい。
【0143】本発明の実施形態の光導電要素を構成する
電荷発生化合物は,染料及び顔料のように光を吸収して
電荷キャリアを生成する物質である。このような電荷発
生化合物の例には,脱金属フタロシアニン(例:商品名
CGM−X01 x−form metal−free
phthalocyanine,Sanyo Col
or Works,Ltd.),チタンフタロシアニ
ン,銅フタロシアニン,オキシチタンフタロシアニン,
ヒドロキシガリウムフタロシアニンのような金属フタロ
シアニン,スクアリリウム染料及び顔料,ヒドロキシ−
置換されたスクアリリウム顔料,ペリルアミド,多核性
キノン(商品名:Indofast Double S
carlet,Indofast Violet La
ke B,Indofast Brilliant S
carlet及びIndofastOrange),キ
ナクリドン(Dupont社,商品名:Monastr
al Red,Monastral Violet及び
Monastral Red Y),ペリノンを含むナ
フタレン1,4,5,8−テトラカルボキシル酸誘導体
顔料,テトラベンゾホルフェリン,テトラナフタロホル
フィリン,インジゴ及びチオインジゴ染料,ベンゾチオ
キサンテン誘導体,ペリレン3,4,9,10−テトラ
カルボキシル酸誘導体顔料,ビスアゾ−,トリアゾ−及
びテトラキスアゾ−顔料を含有しているポリアゾ−顔
料,ポリメチン染料,キナゾリン基含有染料,三次アミ
ン,無定形セレン,セレン−テルル,セレン−テルル−
砒素,セレン−砒素,カドミウムスルホセレン化物,カ
ドミウムセレン化物のようなセレン合金,カドミウムス
ルフィド及びその混合物などがある。電荷発生化合物
は,オキシチタンフタロシアニン,ヒドロキシガリウム
フタロシアニン,またはその調合物であることが望まし
い。
【0144】上記結合剤は,電荷輸送化合物(電荷輸送
層の場合)及び電荷発生化合物(電荷発生層の場合)を
分散または溶解させねばならない。電荷発生層と電荷輸
送層用結合剤の具体的な例として,ポリスチレン−コ−
ブタジエン,改質アクリルポリマー,ポリビニルアセテ
ート,スチレン−アルキド樹脂,ソヤ−アルキル樹脂,
ポリビニルクロライド,ポリビニリデンクロライド,ポ
リアクリロニトリル,ポリカーボネート,ポリアクリル
酸,ポリアクリレート,ポリメタクリレート,スチレン
ポリマー,ポリビニルブチラル,アルキド樹脂,ポリア
ミド,ポリウレタン,ポリエステル,ポリスルホン,ポ
リエーテル,ポリケトン,フェノキシ樹脂,エポキシ樹
脂,シリコン樹脂,ポリシロキサン,ポリ(ヒドロキシ
エーテル)樹脂,ポリヒドロキシスチレン樹脂,ノボラ
ック,レゾール樹脂,ポリ(フェニルグリシジルエーテ
ル)−コ−ジシクロペンタジエン,上述したポリマーで
使われたモノマーのコポリマー及びこれらの調合物など
がある。
【0145】上記結合剤は特にポリカーボネートである
ことが望ましく,この具体的な例には,ビスフェノール
−Aから派生されたポリカーボネートA,シクロヘキシ
リデンビスフェノールから派生されたポリカーボネート
−Z,メチルビスフェノールAから派生されたポリカー
ボネートC及びポリエステルカーボネートなどがある。
【0146】もし本発明の実施形態の特定電荷輸送物質
が電荷輸送化合物として作用するならば,本発明の実施
形態の有機感光体は,電子輸送化合物を含むことが望ま
しい。このような電子輸送化合物の非制限的な実施形態
には,例えば,ブロモアニル,テトラシアノエチレン,
テトラシアノキノジメタン,2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノン,2,4,5,7−テトラニトロ−9
−フルオレノン,2,4,5,7−テトラニトロオキサ
ントン,2,4,8−トリニトロチオオキサントン,
2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ
[1,2−b]チオフェン−4−オン,1,3,7−ト
リニトロベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド,
(2,3−ジフェニル−1−インデニリデン)マロニト
リル,4−ジシアノメチレン−2,6−ジフェニル−4
H−チオピラン−1,1−ジオキシド,4−ジシアノメ
チレン−2,6−ジ−m−トリル−4H−チオピラン−
1,1−ジオキシドのような4H−チオピラン−1,1
−ジオキシド及びその誘導体,4H−1,1−ジオキソ
−2−(p−イソプロピルフェニル)−6−フェニル−
4−(ジシアノメチリデン)チオピラン,4H−1,1
−ジオキソ−2−(p−イソプロピルフェニル)−6−
(2−チエニル)−4−(ジシアノメチリデン)チオピ
ランのように非対称的に置換された2,6−ジアリル−
4H−チオピラン−1,1−ジオキシド,ホスファ−
2,5−シクロヘキサジエン誘導体,(4−n−ブトキ
シカルボニル−9−フルオレニリデン)マロニトリル,
(4−フェネトキシカルボニル−9−フルオレニリデ
ン)マロニトリル,(4−カルボキシ−9−フルオレニ
リデン)マロニトリルのようなアルコキシカルボニル−
9−フルオレニリデン)マロニトリル誘導体,ジエチル
(4−n−ブトキシカルボニル−2,7−ジニトロ−9
−フルオレニリデン)−マロネート,11,11,1
2,12−テトラシアノ−2−アルキルアントラキノジ
メタン,11,11−ジシアノ−12,12−ビス(エ
ポキシカルボニル)アントラキノジメタンのようなアン
トラキノジメタン誘導体,1−クロロ−10−[ビス
(エポキシカルボニル)メチレン]アントロン,1,8
−ジクロロ−10−[ビス(エトキシカルボニル)メチ
レン]アントロン,1,8−ジヒドロキシ−10−[ビ
ス(エトキシカルボニル)メチレン]アントロン,1−
シアノ−10−[ビス(エトキシカルボニル)メチレ
ン]アントロンのようなアントロン誘導体,7−ニトロ
−2−アザ−9−フルオレニリデン−マロニトリル,ジ
フェノンキノン誘導体,ベンゾキノン,ナフトキノン誘
導体,キノン誘導体,テトラシアノエチレンシアノエチ
レン,2,4,8−トリニトロオキサントン,ジニトロ
ベンゼン誘導体,ジニトロアントラセン誘導体,ジニト
ロアクリジン誘導体,ニトロアントラキノン誘導体,ジ
ニトロアントラキノン誘導体,スクシン酸無水物,マレ
イン酸無水物,ジブロモマレイン酸無水物,ピレン誘導
体,カルバゾール誘導体,ヒドラゾン誘導体,N,N−
ジアルキルアニリン誘導体,ジフェニルアミン誘導体,
トリフェニルアミン誘導体,トリフェニルメタン誘導
体,テトラシアノキノジメタン,2,4,5,7−テト
ラニトロ−9−フルオレノン,2,4,7−トリニトロ
−9−ジシアノメチレンフルオレノン,2,4,5,7
−テトラニトロオキサントン誘導体,2,4,8−トリ
ニトロオキサントン誘導体などを挙げられる。
【0147】もし,本発明の実施形態の特定電荷輸送物
質が電子輸送化合物として作用するならば,本発明の実
施形態の有機感光体は電荷輸送化合物を含むことが望ま
しい。電荷輸送化合物の非制限的な例として,ピラゾリ
ン誘導体,フルオレン誘導体,オキサジアゾール誘導
体,スチルベン誘導体,ヒドラゾン誘導体,カルバゾー
ルヒドラゾン誘導体,トリアリルアミン,ポリビニルカ
ルバゾール,ポリビニルピレン,ポリアセナフチレン,
または少なくとも二つのヒドラゾングループと,トリフ
ェニルアミンと,カルバゾール,ジュロリジン,フェノ
チアジン,フェナジン,フェノキサジン,フェノキサチ
ン,チアゾール,オキサゾール,イソオキサゾール,ジ
ベンゾ(1,4)ジオキシン,チアントレン,イミダゾ
ール,ベンゾチアゾール,ベンゾトリアゾール,ベンゾ
オキサゾール,ベンゾイミダゾール,キノリン,イソキ
ノリン,キノキサリン,インドール,インダゾール,ピ
ロール,プリン,ピリジン,ピリダジン,ピリミジン,
ピラジン,トリアゾール,オキサジアゾール,テトラゾ
ール,チアジアゾール,ベンズイソオキサゾール,ベン
ズイソチアゾール,ジベンゾフラン,ジベンゾチオフェ
ン,チオフェン,チアナフテン,キナゾリンまたはシノ
リンのような複素環よりなる群から選択された少なくと
も二つのグループを含むマルチヒドラゾン化合物などを
挙げられる。電荷輸送化合物は,例えば,MPCT−1
0,MPCT−38,MPCT−46(Mitsubi
shi Paper Mills(Tokyo,Jap
an))のようなエナミンスチルベン化合物であること
が望ましい。
【0148】多層光導電要素の場合には,電荷発生層は
電荷発生層重量を基準に10〜90重量%,望ましくは
20〜75重量%の結合剤を含む。
【0149】電荷輸送層は,一般に電荷輸送層重量を基
準に25〜60重量%,より望ましくは35〜50重量
%の電荷輸送物質を含有し,その残りは結合剤と,選択
的に通常的な添加剤とを含む。上記電荷輸送層は一般に
10〜40ミクロンの厚さを有し,当該技術分野で公知
の方法によって形成される。
【0150】単層光導電要素の場合には,電荷発生化合
物の含量は光導電層の重量を基準に0.5〜20重量
%,より望ましくは1〜10重量%である。電荷輸送化
合物の含量は光導電層の重量を基準に10〜80重量
%,望ましくは40〜60重量%である。電子輸送化合
物の含量は光導電層重量を基準に2.5〜25重量%,
望ましくは4〜20重量%である。結合剤は光導電層重
量を基準に15〜80重量%,望ましくは20〜50重
量%である。
【0151】選択的に,本発明の実施形態の有機感光体
は,独立的に光安定剤を含有する。光安定剤の非制限的
な例には,トリアルキルアミン(例:商品名Tinuv
in292(Ciba Specialty Chem
icals)),束縛アルコキシジアルキルアミン
(例:商品名Tinuvin 123,Ciba Sp
ecialty Chemicals),ベンゾトリア
ゾール(例:商品名Tinuvin 928(Ciba
Specialty Chemicals)),ベン
ゾフェノン,ニッケル化合物(例:商品名Arbest
ab,Robinson Brothers Ltd,
West Midlands),サリシル酸塩,シアノ
シンナメート,ベンジリデンマロネート,ベンゾエー
ト,オキサニリド,または重合性立体障害性アミン
(例:商品名Luchem,AtochemNorth
America)などがある。
【0152】光安定剤は,下記化学式(化67,化6
8)の束縛トリアルキルアミンのうちから選択されるこ
とが望ましい。
【0153】
【化67】
【0154】
【化68】
【0155】上記化学式中,R,R,R,R
,R,R,R10,R11,R12,R13
15は,互いに独立的に,水素,アルキル基,エステ
ル,エーテル基であり,R,R及びR14は,互い
に独立的にアルキル基であり,Xは,−O−CO−(C
−CO−O−よりなる群から選択された連結グ
ループであり,mは2〜20である。
【0156】光導電層で,光安定剤の含量は光導電層重
量を基準に0.5〜25重量%,より望ましくは1〜1
0重量%である。
【0157】便宜上,光導電層は電荷発生化合物,電荷
輸送化合物,光安定剤,電子輸送化合物及び高分子結合
剤を有機溶媒に分散させるかまたは溶解し,このように
得た分散液及び/または溶液をそれぞれの下部層上にコ
ーティングし,これを乾燥させて形成する。上記成分
は,高せん断均質化,ボールミリング,研磨器ミリン
グ,高エネルギービード(サンド)ミリングまたは粒子
サイズを縮めるのに効果的な当該技術分野で,公知のそ
れ以外のサイズ縮小工程またはミキシング手段によって
分散させて分散液を形成することが望ましい。
【0158】また,有機感光体は付加層をさらに含むこ
ともある。このような付加層の例には,障壁層,接着
層,離型層及びサブ層などが挙げられる。
【0159】上記離型層は,光導電体要素の最上部に形
成され,障壁層は離型層と光導電要素との間に介在され
ている。
【0160】上記接着層は,障壁層と離型層との間に位
置してこれら間の接着力を改善させる。そしてサブ層は
電荷遮断層であって,導電基板と光導電要素との間に位
置してこれら間の接着力を向上させる。
【0161】上記障壁層は,例えば,架橋性シロキサノ
ール−コロイダルシリカコーティング層及びヒドロキシ
化されたシルセスキノキサン−コロイダルシリカコーテ
ィング層と,ポリビニルアルコール,メチルビニルエー
テル/マレイン酸無水物コポリマー,カゼイン,ポリビ
ニルピロリドン,ポリアクリル酸,ゼラチン,澱粉,ポ
リウレタン,ポリイミド,ポリエステル,ポリアミド,
ポリビニルアセテート,ポリビニルクロライド,ポリビ
ニリデンクロライド,ポリカーボネート,ポリビニルブ
チラル,ポリビニルアセトアセタル,ポリビニルフォー
マル,ポリアクリロニトリル,ポリメチルメタクリレー
ト,ポリアクリレート,ポリビニルカルバゾール,上述
したポリマーで使われたモノマーのコポリマー,ビニル
クロライド/ビニルアセテート/ビニルアルコールター
ポリマー,ビニルクロライド/ビニルアセテート/マレ
イン酸ターポリマー,エチレン/ビニルアセテートコポ
リマー,ビニルクロライド/ビニリデンクロライドコポ
リマー,セルロースポリマー及びその混合物などのよう
な結合剤などを含む。上記有機結合剤は,例えば,ヒュ
ームシリカ,シリカ,チタニア,アルミナ,ジルコニア
またはその調合物などのような微細無機粒子を選択的に
含む。このとき,無機粒子の大きさは0.001〜5μ
mであり,望ましくは0.005μmである。
【0162】障壁層は望ましくは,例えば,メチルセル
ロースとメチルビニルエーテル/マレイン酸無水物コポ
リマーとの1:1混合物と,架橋剤のグリオキサルとを
含有してなる。
【0163】離型層トップコートは,当該技術分野で公
知のあらゆる離型層組成物を含む。上記離型層は,例え
ば,フッ素化されたポリマー,シロキサンポリマーまた
はシリコンポリマー,フルオロシリコンポリマー,シラ
ン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアクリレー
ト,またはその調合物などよりなる。
【0164】上記離型層は,架橋されたシリコンポリマ
ーと架橋されたフルオロシリコンポリマーよりなる群か
ら選択されることがさらに望ましい。
【0165】通常的な接着層は,例えば,ポリエステ
ル,ポリアクリレート,ポリビニルブチラル,ポリビニ
ルピロリドン,ポリウレタン,ポリメチルメタクリレー
ト,ポリ(ヒドロキシアミノエーテル)のようなフィル
ム形成用ポリマーなどを含む。望ましくは,上記接着層
はポリ(ヒドロキシアミノエーテル)よりなる。もし,
このような層が利用される場合には,乾燥厚さが0.0
1〜5μmであることが望ましい。
【0166】一般のサブ層は,例えば,ポリビニルブチ
ラル,有機シラン,加水分解性シラン,エポキシ樹脂,
ポリエステル,ポリアミド,ポリウレタン,シリコン系
物質などを含む。サブ層は,乾燥厚さが20Å〜2,0
00Åであることが望ましい。
【0167】電荷輸送物質,このような物質を含む感光
体は乾式または液体トナー現像を利用した画像形成工程
に適切に使用可能である。
【0168】液体トナー現像は一般に乾式トナーを利用
した場合と比較して高解像度を有する画像が得られ,画
像固定にエネルギーがあまり要らずにさらに望ましい。
液体トナーの適切な例は公知のものである。液体トナー
は着色剤,樹脂結合剤,電荷ディレクタ及びキャリア液
体を含む。樹脂と顔料の混合比は2:1〜10:1であ
ることが望ましく,より望ましくは4:1〜8:1であ
る。一般に,着色剤,樹脂及び電荷ディレクタはトナー
粒子を形成する。
【0169】本発明の実施形態の電子写真画像形成装置
は,複数の支持ローラと,上記支持ローラの周囲にスレ
ッドされており,上述した電荷輸送物質と電荷発生化合
物及び導電基板を含む有機感光体とを具備する。このと
き,上記装置は液体トナーディスペンサーをさらに含む
こともある。このような電子写真画像形成装置を利用し
て画像を形成する方法について次のように説明する。
【0170】上述した有機感光体の表面に電荷を提供し
た後,有機感光体の表面に光を照射してイメージ方向に
沿って露光処理して所定領域に電荷を分散させて,有機
感光体の表面に帯電領域と放電領域パターンを形成す
る。次いで,有機感光体の表面を有機液体と着色剤粒子
の分散液を含む液体トナーと接触させて色調画像を形成
し,このように得られた色調画像を基板に転写させて目
的とする画像を得る。
【0171】以下,本発明を実施の形態により説明する
が,本発明がこのような例に限定されるものではない。
【0172】A.式I(化30)による電荷輸送物質の
合成N−フェニル−N−スルホラン−3−イルヒドラジン N−フェニル−N−スルホラン−3−イルヒドラジン
は,本特許で参照として統合された英国特許第1,04
7,525号(Mason)に記述された方法によって
製造された。
【0173】ブタジエンスルホン(Aldrich社)
0.5モルとフェニルヒドラジン(Aldrich社)
0.55モルとの混合物に40%水酸化カルシウム水溶
液0.005モルを付加した。上記混合物を60℃で2
時間撹拌して反応混合物から固体を分離した。10時間
後,固体をろ過してN−フェニル−N−スルホラン−3
−イルヒドラジンを得た(収率:53%,融点:119
−20℃(MeOH))。
【0174】H−NMR(CDCl),δ(pp
m):2.34−2.63(m,2H),3.05−3.1
5(m,1H),3.22−3.49(m,3H),3.
57(s,2H),4.67(quin,J=7.8H
z,1H),6.88−6.97(m,3H),7.27
−7.36(m,2H)。
【0175】13C−NMR(CDCl),δ(pp
m):26.0,51.2,51.4,56.5,113.
8,120.3,129.6,150.4。
【0176】N−(2−ナフチル)−N−スルホラン−
3−イルヒドラジン N−(2−ナフチル)−N−スルホラン−3−イルヒド
ラジンはフェニルヒドラジンの代わりに2−ナフチルヒ
ドラジンを使ったことを除いては,N−フェニル−N−
スルホラン−3−イルヒドラジンと同じ製造過程によっ
て実施して得た。
【0177】2−ナフチルヒドラジンは本特許に参照と
して統合された中国特許第1,175,571号(Su
et el.)に記述された方法で製造される。2−
ナフチルヒドラジンはまた,商業的に入手可能な2−ナ
フチルヒドラジンヒドロクロライド(Apin Che
mical Ltd.)を水酸化カルシウムで中和して
製造した。
【0178】ブタジエンスルホン(Aldrich社)
0.5モル,2−ナフチルヒドラジン0.55モルの混合
物に40%水酸化カルシウム水溶液0.005モルを付
加した。上記混合物を60℃で16時間撹拌した。N−
(2−ナフチル)−N−スルホラン−3−イルヒドラジ
ンを分離及び精製した。
【0179】9−フルオレノン−4−カルボキシル酸ペ
ンチルエステル 9−フルオレノン−4−カルボキシル酸ペンチルエステ
ル(2.44g,10モル)を過量のn−アミルアルコ
ール(5ml)と共に一晩中還流させた。溶媒を蒸発さ
せ,真空乾燥させて粗生成物を80%収率で得た。上記
化合物をエチルアセテートを使用して再結晶させて黄色
プレートを得た(収率:74%,m.p.37.9−38.
1℃)。
【0180】H−NMR(CDCl),δ(pp
m):0.94(t,J=7.5Hz,3H),1.39
−1.47(m,4H),1.82(quin,J=7.
2Hz,2H),4.40(t,J=6.6Hz,2
H),7.31−7.36(m,2H),7.52−7.5
5(m,1H),7.68−7.70(m,1H),7.
79−7.82(m,1H),7.92(dd,J=7.
8Hz,1H),8.27(d,J=7.8Hz,1
H)。
【0181】13C−NMR(CDCl),δ(pp
m):13.9,22.3,28.1,28.3,65.
7,124.0,126.1,127.0,127.2,1
28.5,129.6,134.3,135.0,135.
4,135.9,143.1,143.8,166.7,1
92.8。
【0182】9−フルオレノン−4−カルボキシル酸デ
シルエステル 9−フルオレノン−4−カルボキシル酸デシルエステル
はn−アミルアルコールの代わりにn−デカノールを使
用したことを除いては,9−フルオレノン−4−カルボ
キシル酸ペンチルエステルの製造方法と同じ方法によっ
て実施して製造した。
【0183】化40の化合物 9−フルオレノン1.80g(0.01モル)(Aldr
ich社),N−フェニル−N−スルホラン−3−イル
ヒドラジン(2.26g,0.01モル)をテトラヒドロ
フラン(20ml)と共に16時間撹拌しながら還流さ
せた。反応混合物から溶媒を除去して化40の化合物を
分離し,これを再結晶を通じて精製した。
【0184】化41の化合物 2,7−ジニトロ−9−ヨウ素−4−カルボキシル酸ブ
チルエステル(3.70g,0.01モル,Aldric
h社)及びN−フェニル−N−スルホラン−3−イルヒ
ドラジン(2.26g,0.01モル)をテトラヒドロフ
ラン(20ml)と混合し,これを16時間撹拌しなが
ら還流させた。反応混合物から溶媒を除去して化41の
化合物を分離し,再結晶を通じて精製した。
【0185】化42の化合物 N−フェニル−N−スルホラン−3−イルヒドラジン
(0.23g,1モル),9−フルオレノン−4−カル
ボキシル酸ペンチルエステル(3.5g,1.2モル)を
THF20mlに溶解し,ここに濃い硫酸2,3滴を付
加した。
【0186】上記反応混合物を5時間還流して室温で冷
却した。真空条件下で溶媒を除去して黄色オイルを得
た。化学式4の化合物はエーテル75%とペンタン25
%とを利用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーを
利用して精製してオレンジフレーク状態で得た(収率:
40%,mp88.9−90.4℃)。
【0187】H−NMR(CDCl),δ(pp
m):0.90−0.96(m,3H),1.39−1.4
6(m,4H),1.77−1.86(m,2H),2.
55−2.69(m,2H),3.08−3.17(m,
1H),3.24−3.31(m,1H),3.49−3.
58(m,1H),3.79−3.86(m,1H),
4.37−4.43(m,1H),4.72−4.80
(m,1H),6.97−7.08(m,4H),7.2
2−7.32(m,3H),7.38−7.43(m,1
H),7.50−7.86(m,2H),8.04−8.1
2(m,1H),8.22(t,J=8.1Hz,1
H)。
【0188】化43の化合物 9−フルオレノン−4−カルボキシル酸デシルエステル
(3.64g,0.01モル)とN−フェニル−N−スル
ホラン−3−イルヒドラジン(2.26g,0.01モ
ル)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら
16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去し
て化43の化合物を分離し,再結晶させて精製した。
【0189】化44の化合物 2−(パラ−トルエンスルホンアミド)−9−フルオレ
ノン(3.49g,0.01モル)(Aldrich社か
ら商業的に入手可能である)とN−フェニル−N−スル
ホラン−2−イルヒドラジン(2.26g,0.01モ
ル)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら
16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去し
て化44の化合物を分離し,再結晶させて精製した。
【0190】化45の化合物 2−ジメチルアミノ−9−フルオレノン(2.23g,
0.01モル)(Aldrich社)とN−フェニル−
N−スルホラン−3−イルヒドラジン(2.26g,0.
01モル)をTHF20mlと混合し,これを撹拌しな
がら16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除
去して化45の化合物を分離し,再結晶させて精製し
た。
【0191】B.式II(化31)による電荷輸送物質の
合成N−ピロール−2−イル−N−フェニルヒドラジン N−ピロール−2−イル−N−フェニルヒドラジンを本
特許に参照として統合された日本特許第5148210
号(Miyamoto)に記述された方法によって製造
した。
【0192】化46の化合物 9−フルオレノン(1.80g,0.01モル,Aldr
ich社)とN−ピロール−2−イル−N−フェニルヒ
ドラジン(1.73g,0.01モル)とをTHF20m
lと混合し,これを撹拌しながら16時間還流させた。
上記反応混合物から溶媒を除去して化46の化合物を分
離し,再結晶させて精製した。
【0193】化47の化合物 2,7−ジニトロ−9−ヨウ素−9H−フルオレノン−
4−カルボキシル酸ブチルエステル(3.70g,0.0
1モル,Aldrich社)とN−ピロール−2−イル
−N−フェニルヒドラジン(1.73g,0.01モル)
とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら16
時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化
47の化合物を分離し,再結晶させて精製した。
【0194】化48の化合物 9−フルオレノン−4−カルボキシル酸ペンチルエステ
ル(2.94g,0.01モル)とN−ピロール−2−イ
ル−N−フェニルヒドラジン(1.73g,0.01モ
ル)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら
16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去し
て化48の化合物を分離し,再結晶させて精製した。
【0195】化学式49の化合物 9−フルオレノン−4−カルボキシル酸デシルエステル
(3.64g,0.01モル)とN−ピロール−2−イル
−N−フェニルヒドラジン(1.73g,0.01モル)
とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら16
時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化
49の化合物を分離し,再結晶させて精製した。
【0196】化50の化合物 2−(パラ−トルエンスルホンアミド)−9−フルオレ
ノン(3.49g,0.01モル)とN−ピロール−2−
イル−N−フェニルヒドラジン(1.73g,0.01モ
ル)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら
16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去し
て化50の化合物を分離し,再結晶させて精製した。
【0197】化51の化合物 2−ジメチルアミノ−9−フルオレノン(2.23g,
0.01モル)(Aldrich社)とN−ピロール−
2−イル−N−フェニルヒドラジン(1.73g,0.0
1モル)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しな
がら16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除
去して化51の化合物を分離し,再結晶させて精製し
た。
【0198】C.式III(化32)による電荷輸送物質
の合成1,1−ジナフチルヒドラジン 1,1−ジナフチルヒドラジンは本特許に参照として統
合された引用文献(Journal of the G
eneral Chemistry(1964),3
4,136(Staschkow et el.)に記
述された方法によって製造される。
【0199】ナフチルニトロスアミン0.07モルのエ
ーテル750mlの懸濁液を5−8℃に冷却し,ここに
亜鉛ダスト150gを付加した。その後,上記反応混合
物を撹拌しながらアセト酸70mlを滴下した。反応を
完結させるためには亜鉛ダスト40gを付加した。
【0200】上記反応混合物を加熱してスラッジをろ過
した。母液を10%炭酸ナトリウム溶液で洗浄してから
固体KOHで乾燥した。エーテルを蒸発除去して結晶状
態のヒドラジンを得て,これをエタノールやブタノール
を利用して再結晶した。
【0201】化52の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸ペンチルエステル(2.94g,0.01モル)と
1,1−ジナフチルヒドラジン(2.86g,0.01モ
ル)をTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら1
6時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して
化52の化合物を粗生成物状態に分離し,これを再結晶
させて精製した。
【0202】化学式53の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)と1,
1−ジナフチルヒドラジン(2.86g,0.01モル)
とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら16
時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化
53の化合物を粗生成物状態に分離し,これを再結晶さ
せて精製した。
【0203】D.式IV(化33)による電荷輸送物質の
合成1−フェニル−1−(1−ベンジル−1H−テトラゾー
ル−5−イル)ヒドラジン 1−フェニル−1−(1−ベンジル−1H−テトラゾー
ル−5−イル)ヒドラジンは本特許に参照として統合さ
れた引用文献(Tetrahedron(1983),
39(15),2599−608,Atherton
et el.)に記述された方法によって製造された。
【0204】化54の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸ペンチルエステル(2.94g,0.01モル)と1
−フェニル−1−(1−ベンジル−1H−テトラゾール
−5−イル)ヒドラジン(2.66g,0.01モル)と
をTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら16時
間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化5
4を粗生成物状態に分離し,これを再結晶させて精製し
た。
【0205】化55の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)と1−
フェニル−1−(1−ベンジル−1H−テトラゾール−
5−イル)ヒドラジン(2.66g,0.01モル)とを
THF20mlと混合し,これを撹拌しながら16時間
還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化55
の化合物を粗生成物状態に分離し,これを再結晶させて
精製した。
【0206】E.式V(化34)による電荷輸送物質の
合成N−(5−ベンゾトリアゾリル)−N−フェニルヒドラ
ジン N−(5−ベンゾトリアゾリル)−N−フェニルヒドラ
ジンは後述する方法によって製造される。
【0207】フェニルヒドラジン(97g,0.9モ
ル,Aldrich社)と5−クロロベンゾトリアゾー
ル(15.4g,0.1モル,Aldrich社)との混
合物を沸点まで加熱した後,この混合物が赤色をそれ以
上帯びないまでナトリウムを徐々に付加した。所定時間
煮沸した後,混合物を常温に冷却した。生成物を分離及
び精製した。
【0208】化56の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸ペンチルエステル(2.94g,0.01モル)とN
−(5−ベンゾトリアゾリル)−N−フェニルヒドラジ
ン(2.25g,0.01モル)とをTHF20mlと混
合し,これを撹拌しながら16時間還流させた。上記反
応混合物から溶媒を除去して化56の化合物を粗生成物
状態に分離し,これを再結晶させて精製した。
【0209】化57の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)とN−
(5−ベンゾトリアゾリル)−N−フェニルヒドラジン
(2.25g,0.01モル)をTHF20mlと混合
し,これを撹拌しながら16時間還流させた。上記反応
混合物から溶媒を除去して化57の化合物を粗生成物状
態に分離し,これを再結晶させて精製した。
【0210】F.式VI(化35)による電荷輸送物質の
合成N−4−[(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジ
ル]−N−フェニルヒドラジン N−4−[(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジ
ル]−N−フェニルヒドラジンは本特許で参照として統
合された引用文献(Zh.Org.Khim.(196
7),3(9),1605−3,Matevosyan
et el.)に記述された方法と類似した方法によっ
て製造した。
【0211】フェニルヒドラジン(97g,0.9モ
ル,Aldrich社)とp−9−(4−クロロベンジ
リデン)フルオレン(28.9g,0.1モル,Aldr
ich社)との混合物を沸点まで加熱した後,この混合
物が赤色をそれ以上帯びないまでナトリウムを徐々に付
加した。所定時間煮沸した後,混合物をエタノール17
50mlに溶解してからこれを−15℃に冷却した。こ
のように得られた沈殿生成物を再結晶させてN−4−
[(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル]−N
−フェニルヒドラジンを得た。
【0212】化58の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸ペンチルエステル(2.94g,0.01モル)とN
−4−[(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジ
ル]−N−フェニルヒドラジン(3.6g,0.01モ
ル)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら
16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去し
て化58の化合物を粗生成物状態に分離し,これを再結
晶させて精製した。
【0213】化59の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)とN−
4−[(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル]
−N−フェニルヒドラジン(3.6g,0.01モル)と
をTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら16時
間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化5
9の化合物を粗生成物状態に分離し,これを再結晶させ
て精製した。
【0214】G.式VII(化36)による電荷輸送物質
の合成化60の化合物 4−メチルスルホニルフェニルヒドラジンヒドロクロラ
イド(4.01g,18.0モル,Fisher Sci
entific USA),ペンチルフルオレノン−4
−カルボキシル酸ペンチルエステル(5.30g,18.
0モル),AcONa(1.48g,18モル)のEt
OH(100mL)溶液の混合物を5時間還流させた。
上記反応混合物を20−25℃に冷却し,エタノールと
水で洗浄して黄色柱状結晶状態の化60の化合物を得た
(収率:89%,mp181−183℃)。
【0215】H−NMR(CDCl),δppm:
0.94(t,J=6.3Hz,3H),1.38−1.4
3(m,4H),1.84−1.77(m,2H),3.
07(s,3H),4.37−4.45(m,2H),
7.20−7.42(m,5H),7.66−7.71
(m,1H),7.81−7.84(m,3H),7.8
7−8.39(m,2H),9.11(d,J=10.9
9Hz,1H)。
【0216】化61の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)と4−
メチルスルホニルフェニルヒドラジン(1.86g,0.
01モル,Fisher Scientific US
A)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら
16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去し
て化61の化合物を粗生成物状態に分離し,これを再結
晶させて精製した。
【0217】H.式VIII(化37)による電荷輸送物質
の合成N−(4−スチルベニル)−N−フェニルヒドラジン N−(4−スチルベニル)−N−フェニルヒドラジンは
本特許で参照として統合された引用文献(Zh.Org.
Khim.(1967),3(9),1605−3,M
atevosyan el al.)に記述された方法
と類似した方法によって製造した。
【0218】フェニルヒドラジン(97g,0.9モ
ル,Aldrich社)とp−クロロスチルベン(2
1.4g,0.1モル,Aldrich社)との混合物を
沸点まで加熱した後,この混合物が赤色をそれ以上帯び
ないまでナトリウムを徐々に付加した。所定時間煮沸し
た後,混合物をエタノール1750mlに溶解してから
これを−15℃に冷却した。このように得られた沈殿生
成物を再結晶させてN−4−[(9H−フルオレン−9
−イリデン)ベンジル]−N−フェニルヒドラジンを得
た(収率:28%)。
【0219】化62の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸ペンチルエステル(2.94g,0.01モル)とN
−(4−スチルベニル)−N−フェニルヒドラジン
(2.86g,0.01モル)とをTHF20mlと混合
し,これを撹拌しながら16時間還流させた。上記反応
混合物から溶媒を除去して化62の化合物を粗生成物状
態に分離し,これを再結晶させて精製した。
【0220】化63の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)とN−
(4−スチルベニル)−N−フェニルヒドラジン(2.
86g,0.01モル)とをTHF20mlと混合し,
これを撹拌しながら16時間還流させた。上記反応混合
物から溶媒を除去して化63の化合物を粗生成物状態に
分離し,これを再結晶させて精製した。
【0221】I.式IX(化38)による電荷輸送物質の
合成5−メチル−1−フェニル−3−(1−フェニルヒドラ
ジノ)−ピラゾール 5−メチル−1−フェニル−3−(1−フェニルヒドラ
ジノ)−ピラゾールは本特許で参照として統合された引
用文献(J.Chem.Soc.C(1971),(1
2),2314−17,Boyd et el.)によ
って製造される。
【0222】化64の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸ペンチルエステル(2.94g,0.01モル)と5
−メチル−1−フェニル−3(1−フェニルヒドラジ
ノ)−ピラゾール(2.64g,0.01モル)とをTH
F20mlと混合し,これを撹拌しながら16時間還流
させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化64の化
合物を粗生成物状態に分離し,これを再結晶させて精製
した。
【0223】化65の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)と5−
メチル−1−フェニル−3−(1−フェニルヒドラジ
ノ)−ピラゾール(2.64g,0.01モル)とをTH
F20mlと混合し,これを撹拌しながら16時間還流
させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化65を粗
生成物状態に分離し,これを再結晶させて精製した。
【0224】J.式X(化39)による電荷輸送物質の
合成1−アミノピロールの製造 1−アミノピロールはN−アミノフタルアミドを出発物
質として下記2段階にわたって製造した。
【0225】第1段階:2−(1H−ピロール−1−イ
ル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン N−アミノフタルアミド(10g,62モル;Aldr
ich Chemicals)と1,5−ジメトキシテ
トラヒドロフラン(12mL,90モル;Aldric
h Chemicals)は無水1,4−ジオキサン1
00mlに数分間還流させて澄んだ黄色溶液を形成し
た。その後,反応混合物に5N HCl(10mL)を
付加した後,撹拌した。反応時間が15〜20分経過し
た後には白い沈殿物が生成され始まった。沈殿物が形成
された溶液をさらに1時間撹拌した後,氷−水バスを利
用して冷却した。
【0226】このように形成された沈殿物をろ過し,こ
れを3:1混合比のジオキサン/水150mlで洗浄
し,これを空気中で乾燥させて黄色柱状結晶を得た(収
率:78%;mp 219−220℃)。生成物の
−NMRと13C−NMRの分析結果,構造を確認し
た。
【0227】第2段階:1−アミノピロールの製造 黄色柱状結晶(103g,0.5モル)のメタノール
(500ml)懸濁液にヒドラジン水和物(88%,w
/v,Aldrich Chemicals)30ml
を付加した。上記懸濁液が消え,結果的に得られた溶液
を加熱して還流させた。澄んだ溶液から白い固体が形成
された。還流条件下で45分間加熱後には反応混合物を
室温に冷却し,アセト酸15mlを付加してこれを撹拌
した。このように得られた固体をろ過した後,これをメ
タノールで洗浄した。ろ液を集めて濃縮して白い残留物
を得て,ここにNaOH(2M,100mL)を付加し
て溶解した。上記混合物をエーテルで抽出してMgSO
を利用して乾燥させ,これを濃縮して黄色オイルを得
た(収率:40%)。生成物のH−NMRと13C−
NMRスペクトルを分析した結果,この構造を確認し
た。
【0228】H−NMR(CDCl),δ(pp
m):4.86(brs,2H),6.04(brs,2
H),6.70(brs,2H)。
【0229】13C−NMR(CDCl),δ(pp
m):106.3,121.9。
【0230】化66の化合物 9−フルオレノン−4−カルボキシル酸ペンチルエステ
ル(5.88g,10モル)と1−アミノピロール(1.
64g,10モル)とを微量のアセト酸及びエタノール
と混合してこれを5時間還流した。上記混合物を0℃ま
で冷却して溶媒をろ過した。固体を冷たいエタノールで
洗浄して純粋な化66の化合物を黄色い結晶状態に得た
(収率:60%,mp87.1−88℃)。
【0231】H−NMR(CDCl),δppm:
0.92−0.97(t,J=3Hz,3H),1.43
−1.49(m,4H),1.79−1.88(m,2
H),4.42(t,J=6.7Hz,2H),6.32
−6.33(m,2H),6.79−6.88(m,2
H),6.95(d,J=7.7Hz,1H),7.01
−7.17(m,1H),7.36−7.51(m,2
H),7.89(td,J=7.8Hz,42.6Hz,
1H),8.14(t,J=7.5Hz,1H),8.2
8(d,J=7.8Hz,1H)。
【0232】K.イオン化ポテンシャルプロトコル イオン化ポテンシャル(Ip)測定用試料は化42,化
60,及び化66で表示される化合物を各々テトラヒド
ロフランに溶解して製造した。
【0233】各溶液は,メチルセルローズ系接着性サブ
層が精巧にコーティングされたアルミニウムメッキ処理
されたポリエステル基板上にハンドコーティングして電
荷輸送物質(CTM)層を形成した。上記サブ層はCT
M層の接着力を改善し,CTMの結晶化を遅延させてC
TM層の欠陥を通過してアルミニウム層から電子光放出
が起きないようにする役割をする。6.4eV以下の量
子エネルギーを有する光を照射すれば,サブ層を通過し
てAl層からいかなる光放出も観察されなかった。また
接着性サブ層は測定中に電荷蓄積を避けうる十分の伝導
性を有している。サブ層とCTM層の厚さは約0.4μ
mである。Ip測定用試料準備時にCTM層には結合剤
が使われなかった。
【0234】イオンポテンシャルは,本発明に参照とし
て統合された引用文献(”大気圧光電子放出分析による
有機顔料のイオン化ポテンシャル”(ionizati
onPotential of Organic Pi
gment Film by Atmospheric
Photoelectron EmissionAn
alysis),Electrophotograph
y,28,Nr.4,p.364.(1989),E.M
iyamoto,Y.Yamaguchi及びM.Yo
koyama)に記述されたことと類似したエア法の電
子光放出法によって測定された。試料に重水素ランプ供
給源を有する石英単色光器を利用して単色光を照射し
た。入射光ビームパワーは2〜5×10−8Wであっ
た。試料基板に負電圧−300Vが印加された。イルミ
ネーション用4.5×15mmスリットを有しているカ
ウンタ電極は試料表面と8mmだけ離れた距離に配置され
た。カウンタ電極はBK2−16タイプであり,開放入
力体制で作動され,光電流を測定するための電位計の入
力装置に連結された。光照射時,10−15〜10
−12amp光電流が回路に流入された。光電流Iは入
射光フォトンエネルギーhνに非常に依存的であった。
0.5=f(hν)依存度がプロットされた。一般に
入射光量子エネルギーに対する光電流平方根の依存度は
しきい値近くの線形関係でよく説明される(引用文献:
大気圧光電子放出分析による有機顔料のイオン化ポテン
シャル,Electrophotography,2
8,No.4,p.364.(1989),E.Miya
moto,Y.Yamaguchi及びM.Yokoy
ama“固体での光放出”,Topics in Ap
plied Physics,26,1−103(19
78),M.Cordona&L.Ley)。このよう
な依存度が線形関係を示す領域はhν軸に外挿され,I
p値は区画点でフォトンエネルギーで決定される。イオ
ン化ポテンシャル測定値は±0.03eV誤差を有す
る。イオン化ポテンシャルデータは表1の通りである。
【0235】I.ホール移動度 電荷移動度測定用試料は,化42,化60,及び化66
で表示される化合物の各々を結合剤と共にテトラヒドロ
フランに溶解して10%固体溶液を製造した。上記結合
剤としてはポリカーボネートZ200(Mitsubi
shi Engineering Plastics)
を使用した。試料/結合剤の混合比率は4:6または
5:5である。各溶液をアルミニウムメッキ処理された
ポリエステル基板上にコーティングしてCTM層を形成
した。このとき,CTM層の厚さは5〜10μm範囲で
ある。
【0236】ホールドリフト移動度は飛行時間法を利用
して測定した(本発明に参照として統合された引用文
献:The discharge kinetics
ofnegatively charged Se e
lectrophotographic layer
s’,lithuanian Journal ofP
hysics,6,p.569−576(1966),
E.Montrimas,V.Gaidelis,an
d APazera)。ポジティブコロナ帯電はCTM
層内部に電界を発生させた。窒素レーザーパルスを照射
すれば電荷キャリアが層表面で発生する(パルス印加時
間は2nsであり,波長337nm)。パルス印加によ
って層表面ポテンシャルは照射される前の初期ポテンシ
ャル対比1〜5%まで減少した。ワイド周波数バンド電
位計に連結されたキャパシタンスプルーブを利用して表
面ポテンシャルの速度dU/dtを測定する。通過時刻
は線形または二重ログ子で瞬間的なdU/dtの曲
線での変化(kink)を測定して決定される。ドリフ
ト移動度は式μ=d/U・tによって計算される
が,ここでdは層厚さであり,Uはパルス照射時の表
面ポテンシャルである。
【0237】電界強度での移動度値E,6.4×10
V/cmは表1に示されている。
【0238】
【表1】
【0239】M.二重層有機感光体製造方法 インバート二重層有機感光体は化学式2〜28で表示さ
れる化合物を利用して製造される。化40〜化66で表
示される化合物のうち一つの50wt%とポリカーボネ
ートZ結合剤を含む電荷輸送溶液は上記化合物(1.2
5g)のテトラヒドロフラン(8.0g)溶液と,ポリ
カーボネートZ(1.25g)のトルエン(2.50g)
溶液と混合して製造した。それから上記電荷輸送溶液を
0.3ミクロンのポリエステル樹脂サブ層(Vitel
PE−2200,Bostik社)を有する3mil
(76マイクロメーター)厚さのアルミニウムメッキ処
理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(Mel
inex 442 polyester film,D
upont having 1ohm/squarea
luminum vapor coat)の上部にナイ
フ−コーティングした。
【0240】分散液はオキシチタンフタロシアニン顔料
(H.W.Sands Corp.)112.7g,S−L
ec B Bx−5ポリビニルブチラル樹脂(Seki
sui Chemical Co.Ltd.)49g及
びメチルエチルケトン651gよりなる懸濁液700g
を再循環モードで動作する水平サンドミルを使用して8
時間微分化させて製造した。このように得られた分散液
10gをメチルエチルケトンで3倍希薄した後,これを
上記電荷輸送層の上部にハンドナイフコーティングし,
80℃で10分間乾燥して厚さ0.27μmの電荷発生
層を形成した。
【0241】N.単層有機感光体製造方法 単層有機感光体は,蒸気コーティングされたアルミニウ
ム層を有する76.2ミクロン(3mil)厚さのポリ
エステル基板(CP Films社)の上部にハンドナ
イフコーティングして形成した。単層有機感光体用コー
ティング溶液は20wt%の電子輸送化合物とテトラヒ
ドロフランとのプリミックス溶液2.4g,25wt%
の電荷輸送物質のテトラヒドロフランを含むプリミック
ス溶液6.66g,12%ポリビニルブチラル(BX−
1,Sekisui Chemical Co.Lt
d.)とテトラヒドロフランとを含むプリミックス溶液
7.67g,2.3:1混合比の19%チタニルオキシフ
タロシアニンとポリビニルブチラル樹脂(BX−5,S
ekisui Chemical Co.Ltd.)と
を含むCGMミルベース0.74gを混合し,ここにテ
トラヒドロフラン0.34gをさらに付加して固体含量
が18wt%の最終的な溶液を製造した。上記CGMミ
ルベースは,チタニルオキシフタロシアニン(H.W.
Sands Corp.)112.7gを,MEK 65
1gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)49gとM
EK 651gとを水平ミル(model LMC12
DCMS,Netzsch Incorporate
d)で1ミクロンのジルコニウムビーズを使用して再循
環モードで4−8時間ミリングして得た。最終的な溶液
を機械的シェーカで約1時間混合した後,単層コーティ
ング溶液をギャップ間隔が94ミクロンであるナイフコ
ーターを使用して上記基板上にコーティングした後,1
10℃で5分間オーブンで乾燥させた。
【0242】O.静電気テスト 本発明の実施形態の電荷輸送化合物の拡張静電気サイク
ル特性は,自体的にデザイン及び開発されてドラム周囲
を取り囲んでいる3つの試料ストリップまでテストでき
るテストベッドを使用して評価した。上記三つのコーテ
ィングされた試料ストリップの各々は50cm長さ,
8.8cm幅を有しており,アルミニウムドラム(円周
50.3cm)周囲に互いに近接して及び完全に固定さ
せた。ストリップのうち少なくとも一つは精密ウェブコ
ーティングされており,内部標準ポイントとして使われ
る対照試料(例:米国特許第6,140,004号の化合
物2)であった。このような静電気サイクル特性テスタ
でドラムは8.13cm/min(3.2ips)の速度
で回転し,テスタで各ステーションの位置(サイクル当
り距離及び経過時刻)は表2の通りである。
【0243】
【表2】
【0244】第1静電気プルーブ(商品名トラック34
4 electrostaticmeter,Trek
Inc.)はレーザーストライクステーション後に0.
3sに位置し,スコロトロン後には0.78sに位置す
る。また,第2のプルーブ(トラック344静電気メー
ター)は第1プルーブから1.21sに位置し,スコロ
トロンから1.99sに位置する。あらゆる測定装置は
通常的な周辺温度と相対湿度で実施した。
【0245】静電気測定結果は数多くのテストを経て蓄
積された。最初の3つの診断テスト(prostar
t,VlogE initial,dark deca
y initial)は新規試料の静電気サイクル試験
を評価できるようにデザインされ,最後の3つの同じ診
断テスト(prodend,VlogE,drak d
ecay final)は試料のサイクル試験(ロング
ラン)後に作動された。
【0246】1)PRODTEST:電荷許容及び放電
電圧ベースラインは3つのドラムが完全に回転(レーザ
ーオフ)する間に試料をコロナ帯電させて確立し(消去
バーはテスト中に作動される),4番目のサイクルでレ
ーザー@780nm&600dpiで放電され,次の3
つのサイクル中に完全帯電され(レーザーオフ),第8
サイクルで消去ランプ@720nmだけ放電され(コロ
ナ及びレーザーオフ),最終的に最後の3つのサイクル
中に完全帯電された(レーザーオフ)。
【0247】2)VLOGE:このテストは,固定され
た露光時間(露光時間:50ns)と一定の初期ポテン
シャルでベルトの放電電圧をレーザーパワーの関数とし
てモニタリングすることによって多様なレーザー強度範
囲で光導電体の光誘導放電を測定する。
【0248】3)DARK DECAY:このテスト
は,レーザーまたは消去照射のない状態で経時的な電荷
許容損失を測定し,(i)電荷発生層から電荷輸送層へ
の残留ホールの注入,(ii)トラップ電荷の熱的遊離,
(iii)表面またはアルミニウム接地面から電荷注入の
指示子として使われる。
【0249】4)LONGRUN:ベルトは各ベルト−
ドラム1回転当り下記順序によって100ドラム回転中
に静電気的に回転した。ベルトはコロナ帯電され,レー
ザーはオン及びオフ(80−100゜セクション)が反
復されてベルトの一部分を放電させ,最後に消去ランプ
で後続サイクルのために全体ベルトを放電させた。ベル
トの第1領域は露光されず,第2領域はいつも露光さ
れ,第3領域は露光されず最後の領域はいつも露光され
るようにレーザーを周期的に照射した。このパターンは
ドラムが総100回回転される間に反復され,毎5番目
のサイクルでデータを記録した。
【0250】5)100回のサイクル(ロングランテス
ト)後,PRODTEST,VLOGE,DARK D
ECAY診断テストが再実施された。
【0251】P.(4−n−ブトキシカルボニル−9−
フルオレニリデン)マロニトリル 温度計,機械的撹拌器及び還流コンデンサが取り付けら
れた1リットル3口の丸い底のフラスコに,濃い硫酸
(4.7モル,analytical grade,S
igma−Aldrich)460g及びジフェン酸
(0.41モル,Acros Fisher Scie
ntific Company Inc.)100gを
付加した。ヒーティングマントルを利用してフラスコを
135〜145℃で12分間加熱してから室温に冷却し
た。室温に冷却した後,上記溶液を3リットルの水が入
っている4Lのエルレンマイヤーに付加した。上記混合
物を機械的に撹拌して1時間弱く煮沸した。黄色固体を
熱い状態でろ過して,洗浄水のpHが中性になるまで熱
い湯で洗浄し,これを空気中で一晩中乾燥させた。黄色
固体はフルオレノン−4−カルボキシル酸であった(7
5g,80% yield,mp223〜224℃)。
フルオレノン−4−カルボキシル酸のH−NMRスペ
クトル(d−DMSO,300MHz NMR fr
om Bruker Instrument)は次の通
りである。
【0252】H−NMRスペクトル(d−DMS
O)δ(ppm)7.39−7.50(m,2H);7.
79−7.70(q,2H);7.74−7.85(d,
1H);7.88−8.00(d,1H);8.18−8.
30(d,1H),ここでdはダブレット,tはトリプ
レット,mはマルチプレット,ddはダブレットダブレ
ット,qはクインテットを示す。
【0253】機械的撹拌器と,ディーンスターク装置が
備わった還流コンデンサとが取り付けられた2Lの丸い
底のフラスコにフルオレノン−4−カルボキシル酸70
g(0.312モル),n−ブタノール(Fisher
Scientific Company Inc.)
480g(6.5モル),トルエン1000ml及び濃
い硫酸4mlを付加した。上記溶液を激しく撹拌しなが
ら5時間還流させたが,上記還流過程中にディーンスタ
ーク装置に約6gの水が集められた。上記フラスコを室
温に冷却した。溶媒を蒸発させて残留物を得て,3%の
重炭酸ナトリウム水溶液4リットルを撹拌しながらここ
に上記残留物を付加した。上記結果物から得られた固体
をろ過して,水のpHが中性になるまで水で洗浄してフ
ードで一晩中乾燥させた。上記生成物はn−ブチルフル
オレノン−4−カルボン酸エステルであった(70g,
収率:80%)。
【0254】n−ブチルフルオレノン4−カルボン酸エ
ステルのH−NMRスペクトルは溶媒としてCDCl
と300MHz NMR(Bruker Instr
ument)を利用して得られ,その結果は次の通りで
ある。
【0255】H−NMRスペクトル(d−DMS
O):δ(ppm):0.87−1.09(t,3H);
1.42−1.70(m,2H);1.75−1.88
(q,2H);4.26−4.64(t,2H);7.2
9−7.45(m,2H);7.46−7.58(m,1
H);7.60−7.68(dd,1H);7.75−7.
82(dd,1H);7.90−8.00(dd,1
H);8.25−8.35(dd,1H)。
【0256】機械的撹拌器及び還流コンデンサが取り付
けられた2リットル3口の丸い底のフラスコに,n−ブ
チルフルオレノン−4−カルボン酸エステル70g
(0.25モル),無水アルコール750ml,マロニ
トリル37g(0.55モル,Sigma−Aldri
ch社)及びピペリジン20滴(Sigma−Aldr
ich社)100gを付加した。上記混合物を8時間還
流させ,上記フラスコを室温に冷却した。オレンジ粗生
成物をろ過し,メタノール70mlで2回洗浄し,水1
50mlで1回洗浄してフードで一晩中乾燥させた。こ
のように得られたオレンジ粗生成物を,活性化されたチ
ャコールを利用したアセトン600mlとメタノール3
000mlとの混合物を使用して再結晶した。上記フラ
スコを0℃で16時間放置した。得られた結晶をろ過し
て50℃に調節された真空オーブンで6時間乾燥して純
粋な(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリ
デン)マロニトリル60gを得た(mp99−100
℃)。
【0257】(4−n−ブトキシカルボニル−9−フル
オレニリデン)マロニトリルのH−NMRスペクトル
(CDCl,300MHz NMR from Br
uker Instrument)は次の通りである。
【0258】H−NMRスペクトル(CDCl):
δ(ppm)0.74−1.16(t,3H);1.38
−1.72(m,2H);1.70−1.90(q,2
H);4.29−4.55(t,2H);7.31−7.4
3(m,2H);7.45−7.58(m,1H);7.
81−7.91(dd,1H);8.15−8.25(d
d,1H);8.42−8.52(dd,1H);8.5
6−8.66(dd,1H)。
【0259】比較例A 比較例Aは,蒸気コーティングされたアルミニウム層を
有する76.2ミクロン(3mil)厚さのポリエステ
ル基板(CP Films社)を有する単層有機感光体
であった。上記単層有機感光体用コーティング溶液は,
20%(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニ
リデン)マロニトリルのテトラヒドロフラン溶液2.4
g,25%MPCT−10(電荷輸送物質,Mitsu
bishi Paper Mills社)のテトラヒド
ロフラン溶液6.66g,12%ポリビニルブチラル樹
脂(BX−1,Sekisui Chemical C
o.Ltd.)のテトラヒドロフラン溶液7.65gをプ
リミックスして得た。
【0260】その後,上記混合物に,2.3:1混合比
で19%チタニルオキシフタロシアニンとポリビニルブ
チラル樹脂(BX−5,Sekisui Chemic
alCo.Ltd.)とを含むCGMミルベース0.74
gを付加した。上記CGMミル−ベースはチタニルオキ
シフタロシアニン(H.W.Sands Corp.)
112.7gとポリビニルブチラル樹脂(BX−5)4
9g及びMEK 651gを水平サンドミル(mode
l LMC12 DCMS,NetzschIncor
porated)で1ミクロンジルコニウムビードと共
に再循環モードで4時間ミリングして製造した。機械的
シェーカで約1時間混合した後,単層コーティング溶液
を上記基板上にギャップ間隔94ミクロンのナイフコー
ターを利用してコーティングした後,これを110℃で
5分間乾燥させた。
【0261】表3は,電子輸送化合物として化学式4の
化合物を使用した有機感光体と,(4−n−ブトキシカ
ルボニル−9−フルオレニリデン)マロニトリルを利用
した比較例の静電気サイクル特性を示したものである。
このとき,比較例の場合に,(4−n−ブトキシカルボ
ニル−9−フルオレニリデン)マロニトリルを除外した
残りの成分は化学式4の化合物を利用して有機感光体を
製造する過程と同一に実施した。
【0262】
【表3】
【0263】表3から,コントラスト電圧(Con
t.)はプルーブ#1で測定したように電荷許容電圧
(CA)とレーザー放電電圧(Disch)との差を示
す。1.2秒間の官能性暗殺(functional
dark decay)(DD)はプルーブ#1とプル
ーブ#2との電圧差によって決定される。残留電圧(R
es)はprodtestの第8サイクル中に以前のコ
ロナ帯電後9.2秒,そして消去後3秒に測定した。乾
式複写の放射感度(m/Jの780nmでの感度)
は,感光体が初期ポテンシャルの1/2に放電されるの
に必要なレーザーパワー,露光時間及び1/スポット大
きさの積の逆数を計算してVLODGE診断作動中に得
られた情報から定められる。
【0264】本発明について上記実施形態を参考して説
明したが,これは例示的なものに過ぎない。いわゆる当
業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想
の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得
ることは明らかであり,それらについても当然に本発明
の技術的範囲に属するものと了解される。
【0265】
【発明の効果】本発明の9H−フルオレン−9−オンヒ
ドラジノ置換された化合物及びその誘導体を含む電荷輸
送化合物を利用すれば,機械的及び静電気的特性に優れ
た有機光受容体を得られる。さらに,この有機光受容体
を採用すれば,反復的なサイクル後にも高品質の画像を
得られる電子写真画像形成装置を製造できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年10月2日(2002.10.
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 有機感光体,電子写真画像形成装置,
電子写真画像形成方法,及び電荷輸送物質
【特許請求の範囲】
【化1】 上記化学式1中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H
−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルス
ルホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
択されるが,Aがナフチル基であるときに,Bはナフチ
ル基である。
【化2】 上記化学式2中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H
−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルス
ルホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
択され,Rは,水素,ハロゲン,ヒドロキシ基,チオル
基,ニトロ基,ニトリル基,分枝型若しくは線形アルコ
キシ基,分枝型若しくは線形アルキル基,分枝型,輪若
しくは線形不飽和炭化水素基,エステル基,エーテル
基,アミノ基,複素環基,アリル基,及び輪若しくは多
環式輪の一部よりなる群から選択される。
【化3】 上記化学式3中,Rは,複素環基,ナフチル基,(9
H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキル
スルホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,
は,水素,分枝型若しくは線形アルキル基,分枝型
若しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形不飽和
炭化水素基,エーテル基,シクロアルキル基,またはア
リル基であるが,Rがナフチル基であるときに,R
はナフチル基であり,R,R,R,R,R
,R,R10は,互い独立的に,水素,ハロゲ
ン,ヒドロキシ基,チオル基,ニトロ基,ニトリル基,
分枝型若しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形
アルキル基,分枝型若しくは線形不飽和炭化水素基,エ
ステル基,エーテル基,アミノ基,シクロアルキル基,
複素環基,アリル基,または輪若しくは多環式輪の一部
である。
【化4】 上記化学式1中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H
−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルス
ルホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
択されるが,Aがナフチル基であるときに,Bはナフチ
ル基である。
【化5】 上記化学式1中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H
−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルス
ルホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
択されるが,Aがナフチル基であるときに,Bはナフチ
ル基である。
【化6】 上記化学式2中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H
−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルス
ルホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
択され,Rは,水素,ハロゲン,ヒドロキシ基,チオル
基,ニトロ基,ニトリル基,分枝型若しくは線形アルコ
キシ基,分枝型若しくは線形アルキル基,分枝型,輪,
若しくは線形不飽和炭化水素基,エステル基,エーテル
基,アミノ基,複素環基,アリル基,及び輪若しくは多
環式輪の一部よりなる群から選択される。
【化7】 上記化学式3中,Rは,複素環基,ナフチル基,(9
H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキル
スルホニルフェニル基,またはスチルベニルであり,
は,水素,分枝型若しくは線形アルキル基,分枝型
若しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形不飽和
炭化水素基,エーテル基,シクロアルキル基,またはア
リル基であるが,Rがナフチル基であるときに,R
はナフチル基であり,R,R,R,R,R
,R,R10は,互いに独立的に,水素,ハロゲ
ン,ヒドロキシ基,チオル基,ニトロ基,ニトリル基,
分枝型若しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形
アルキル基,分枝型若しくは線形不飽和炭化水素基,エ
ステル基,エーテル基,アミノ基,シクロアルキル基,
複素環基,アリル基,輪若しくは多環式輪の一部分より
なる群から選択された一つ以上である。
【化8】 上記化学式1中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H
−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルス
ルホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
択されるが,Aがナフチル基であるときに,Bはナフチ
ル基であり,(b)前記有機感光体の表面に光を照射し
てイメージ方向に露光処理して所定領域に電荷を分散さ
せて,前記有機感光体の表面に帯電領域と放電領域のパ
ターンを形成する段階と,(c)前記有機感光体の表面
を有機液体と着色剤粒子の分散液とを含む液体トナーと
接触させて色調画像を形成する段階と,(d)前記色調
画像を基板に転写させる段階とを含むことを特徴とする
電子写真画像形成方法。
【化9】 上記化学式1中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H
−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルス
ルホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
択されるが,Aがナフチル基であるときに,Bはナフチ
ル基である。
【化10】 上記化学式2中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H
−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルス
ルホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
択され,Rは,水素,ハロゲン,ヒドロキシ基,チオル
基,ニトロ基,ニトリル基,分枝型若しくは線形アルコ
キシ基,分枝型若しくは線形アルキル基,分枝型,輪,
若しくは線形不飽和炭化水素基,エステル基,エーテル
基,アミノ基,複素環基,アリル基,及び輪若しくは多
環式輪の一部よりなる群から選択される。
【化11】 上記化学式3中,Rは,複素環基,ナフチル基,(9
H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキル
スルホニルフェニル基,またはスチルベニルであり,R
は,水素,分枝型若しくは線形アルキル基,分枝型若
しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形不飽和炭
化水素基,エーテル基,シクロアルキル基,またはアリ
ル基であるが,Rがナフチル基であるときに,R
ナフチル基であり,R,R,R,R,R,R
,R,R10は,互いに独立的に,水素,ハロゲ
ン,ヒドロキシ基,チオル基,ニトロ基,ニトリル基,
分枝型若しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形
アルキル基,分枝型若しくは線形不飽和炭化水素基,エ
ステル基,エーテル基,アミノ基,シクロアルキル基,
複素環基,アリル基,または輪若しくは多環式輪の一部
である。
【化12】 上記化学式4中,Rは,N−ピロリル基,N−ピラゾ
リル基,N−テトラゾリル基,N−インドリル基,N−
カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−イミダゾリ
ル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−インダゾリル
基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群から選択
され,Rは,9−フルオレノン,またはその誘導体の
うち一つである。
【化13】 上記化学式4中,Rは,N−ピロリル基,N−ピラゾ
リル基,N−テトラゾリル基,N−インドリル基,N−
カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−イミダゾリ
ル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−インダゾリル
基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群から選択
され,Rは,9−フルオレノン,またはその誘導体の
うち一つである。
【化14】 上記化学式4中,Rは,N−ピロリル基,N−ピラゾ
リル基,N−テトラゾリル基,N−インドリル基,N−
カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−イミダゾリ
ル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−インダゾリル
基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群から選択
され,Rは,9−フルオレノン,またはその誘導体の
うち一つであり,(b)前記有機感光体の表面に光を照
射してイメージ方向に露光処理して,所定領域に電荷を
分散させて前記有機感光体の表面に帯電領域と放電領域
のパターンを形成する段階と,(c)前記有機感光体の
表面を有機液体と着色剤粒子の分散液とを含む液体トナ
ーと接触させて,色調画像を形成する段階と,(d)前
記色調画像を基板に転写させる段階とを含むことを特徴
とする電子写真画像形成方法。
【化15】 上記化学式4中,Rは,N−ピロリル基,N−ピラゾ
リル基,N−テトラゾリル基,N−インドリル基,N−
カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−イミダゾリ
ル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−インダゾリル
基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群から選択
され,Rは,9−フルオレノン,またはその誘導体の
うち一つである。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真技術に係
り,より詳しくは,9H−フルオレン−9−オンヒドラ
ジノ置換された化合物及びその誘導体を含む新しい電荷
輸送物質を有する有機感光体,電子写真画像形成装置,
電子写真画像形成方法,及び電荷輸送物質に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法によれば,有機感光体は導電
基板上に絶縁性光導電要素を形成してなされ,プレー
ト,ベルト,ディスクまたはドラム形態を有する。
【0003】電子写真的な画像形成方法によれば,まず
光導電層の表面を静電気的に均一に帯電させた後,帯電
された表面を光のパターン通り露光する。露光で光照射
領域のみに電荷を選択的に分散させて帯電領域及び放電
領域パターン(「潜像」という)を形成する。
【0004】その後,液体または固体トナーを帯電また
は放電領域上に塗布して光導電層の表面に色調画像を作
る。このように形成された色調画像は,紙及びフィルム
のような受容体の表面に転写されるか,永久的な画像用
受容体の役割をする上記感光体の表面に転写される。
【0005】上述した画像形成工程は,数回反復的に実
施されて相異なるカラーを有する画像を重ねてフルカラ
ー最終画像を形成するなど,相異なるカラーを有する画
像を重ねるか,またはシャドーイメージを具現する。
【0006】単層または多層形態を有する光導電要素が
商業的に利用可能である。光導電層要素が単層形態であ
る場合には,電荷輸送物質及び電荷発生物質が高分子結
合剤と結合された後,導電基板上に塗布される。光導電
層要素が多層形態である場合には,電荷輸送物質及び電
荷発生物質を利用して別の層を形成し,高分子結合剤と
選択的に結合されて導電基板上に塗布される。
【0007】電荷輸送層と電荷発生層は下記の2つの配
列状態を有する。第1配列("二重層"配列)によれば,
電荷発生層が導電基板上に塗布され,電荷輸送層は電荷
発生層の上部に形成される。第2配列("インバート二
重層"配列)によれば,上述した電荷輸送層と電荷発生
層の積層順序が変わる。
【0008】単層及び多層光導電性要素において,電荷
発生物質は露光時に電荷キャリア(すなわち,ホールま
たは電子)を生成する機能を有する。電荷輸送物質は光
導電性要素の表面上部に表面電荷を放出するために上記
電荷キャリアを受容し,これらを電荷輸送層を通じて移
動させる役割を果たす。電荷輸送化合物が使われる場合
には,電荷輸送化合物はホールキャリアを受容し,これ
らを電荷輸送化合物が存在する層を通じて移動させる。
そして電子輸送化合物が使われる場合には,電子輸送化
合物は電子キャリアを受容し,これらを電子輸送化合物
が存在する層を通じて移動させる。
【0009】特に,サイクル反復後にも高品質の画像を
得るためには,電荷輸送物質を高分子結合剤と混合して
均一相溶液を形成した後,これを溶液状態のままに維持
することが望ましい。また,電荷輸送物質の受容可能な
電荷量(許容電圧,または「Vacc」と表示する)を
最大化させ,放電時の電荷保有量(残留電圧,または
「Vres」と表示する)を最小化させることが望まし
い。
【0010】電子写真工程で利用可能な電荷輸送物質に
はいろいろな物質が知られている。最も一般的な電荷輸
送物質には,ピラゾリン誘導体,フルオレン誘導体,オ
キサジアゾール誘導体,スチルベン誘導体,ヒドラゾン
誘導体,カルバゾールヒドラゾン誘導体,トリフェニル
アミン誘導体,ジュロリジンヒドラゾン誘導体,ポリビ
ニルカルバゾール,ポリビニルピレン,またはポリアセ
ナフチレンなどがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし,上述した電荷
輸送物質は短所があり,電子写真分野で多様な要求条件
を満たしうる新しい電荷輸送物質の開発が要求されてい
る。
【0012】本発明の目的は,上述した問題点を解決す
る新しい電荷輸送物質と,これを利用して機械的及び静
電気的特性に優れた有機感光体を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は,上記有機感光体を採
用することによって反復的なサイクル後にも高品質の画
像を得られる電子写真の画像形成装置,及び電子写真の
画像形成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明では(a)下記化学式1で表示される中心核
を有する電荷輸送物質と,(b)電荷発生化合物と,
(c)導電基板とを含むことを特徴とする有機感光体を
提供する。
【0015】
【化16】
【0016】上記化学式1中,Aは,複素環基,ナフチ
ル基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル
基,アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニ
ル基であり,Bは,水素,アルキル基,アリル基よりな
る群から選択されるが,Aがナフチル基であるときに,
Bはナフチル基である。
【0017】上記AとBは,互いに独立的に,5,6,
または7輪原子を有する複素環基及び芳香族基よりなる
群から選択され,上記輪原子は,C,N,S,Se,及
びOよりなる群から選択される一つ以上である。
【0018】上記電荷輸送物質は,下記化学式2で表示
される中心核を有する。
【0019】
【化17】
【0020】上記化学式2中,Aは,複素環基,ナフチ
ル基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル
基,アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニ
ル基である。Bは,水素,アルキル基,及びアリル基よ
りなる群から選択される。Rは,水素,ハロゲン,ヒド
ロキシ基,チオル基,ニトロ基,ニトリル基,分枝型若
しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形アルキル
基,分枝型,輪若しくは線形不飽和炭化水素基,エステ
ル基,エーテル基,アミノ基,複素環基,アリル基,及
び輪若しくは多環式輪の一部よりなる群から選択され
る。
【0021】上記化学式2で,Rは,水素,ハロゲン,
アルキル基,アルコキシ基,アリル基,及び複素環基よ
りなる群から選択されることが望ましい。
【0022】本発明の電荷輸送物質は,下記化学式3で
表示される化合物のうち少なくとも一つを含む。
【0023】
【化18】
【0024】上記化学式3中,Rは,複素環基,ナフ
チル基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル
基,アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニ
ル基である。
【0025】また,Rは,水素,分枝型若しくは線形
アルキル基,分枝型若しくは線形アルコキシ基,分枝型
若しくは線形不飽和炭化水素基,エーテル基,シクロア
ルキル基,またはアリル基である。ただし,Rがナフ
チル基であるときに,Rはナフチル基である。
【0026】また,R,R,R,R,R,R
,R,R10は,互い独立的に,水素,ハロゲン,
ヒドロキシ基,チオル基,ニトロ基,ニトリル基,分枝
型若しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形アル
キル基,分枝型若しくは線形不飽和炭化水素基,エステ
ル基,エーテル基,アミノ基,シクロアルキル基,複素
環基,アリル基,または輪若しくは多環式輪の一部であ
る。
【0027】上記Rは,スルホラニル基,ピロリル
基,テトラゾリル基,ベンゾトリアゾリル基,ピラゾリ
ル基,スチルベニル基,(9H−フルオレン−9−イリ
デン)ベンジル基,またはアルキルスルホフェニル基で
あることが望ましい。
【0028】上記R及びRは,互いに独立的にナフ
チル基であることが望ましい。
【0029】上記有機感光体は,フレキシブルベルト形
態またはドラム形態であることが望ましい。
【0030】本発明の目的はまた,(a)下記化学式1
で表示される中心核を有する電荷輸送物質及び高分子結
合剤を含む電荷輸送層と,(b)電荷発生化合物及び高
分子結合剤を含む電荷発生層と,(c)導電基板とを含
むことを特徴とする有機感光体により達成される。
【0031】
【化19】
【0032】上記化学式1中,Aは,複素環基,ナフチ
ル基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル
基,アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニ
ル基である。Bは,水素,アルキル基,及びアリル基よ
りなる群から選択されるが,Aがナフチル基であるとき
に,Bはナフチル基である。
【0033】また,本発明の他の目的は,(a)複数の
支持ローラと,(b)上記支持ローラの周囲にスレッデ
ッドフレキシブルベルト形態の有機感光体とを含み,上
記有機感光体は,(i)下記化学式1で表示される電荷
輸送物質と,(ii)電荷発生化合物と,(iii)導電基
板とを含むことを特徴とする電子写真画像形成装置によ
り解決される。
【0034】
【化20】
【0035】上記化学式1中,Aは,複素環基,ナフチ
ル基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル
基,アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニ
ル基であり,Bは,水素,アルキル基,及びアリル基よ
りなる群から選択されるが,Aがナフチル基であるとき
に,Bはナフチル基である。
【0036】さらに,本発明の他の目的は,(a)
(i)下記化学式1で表示される電荷輸送物質,(ii)
電荷発生化合物,及び(iii)導電基板を含む上記有機
感光体の表面に電荷を提供する段階と,
【0037】
【化21】
【0038】上記化学式1中,Aは,複素環基,ナフチ
ル基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル
基,アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニ
ル基であり,Bは,水素,アルキル基,及びアリル基よ
りなる群から選択されるが,Aがナフチル基であるとき
に,Bはナフチル基である。
【0039】(b)上記有機感光体の表面に光を照射し
てイメージ方向に露光処理して,所定領域に電荷を分散
させて上記有機感光体の表面に帯電領域と放電領域のパ
ターンを形成する段階と,(c)上記有機感光体の表面
を有機液体と着色剤粒子の分散液とを含む液体トナーと
接触させて,色調画像を形成する段階と,(d)上記色
調画像を基板に転写させる段階とを含むことを特徴とす
る電子写真画像形成方法により達成される。
【0040】さらに,本発明の他の目的は,下記化学式
1で表示される電荷輸送物質により達成される。
【0041】
【化22】
【0042】上記化学式1中,Aは,複素環基,ナフチ
ル基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル
基,アルキルスルホニルフェニル基,またはスチルベニ
ル基であり,Bは,水素,アルキル基,及びアリル基よ
りなる群から選択されるが,Aがナフチル基であるとき
に,Bはナフチル基である。
【0043】さらに,本発明の他の目的は,(a)下記
化学式4で表示される中心核を有する電荷輸送物質と,
(b)電荷発生化合物と,(c)導電基板とを含むこと
を特徴とする有機感光体により達成される。
【0044】
【化23】
【0045】上記化学式4中,Rは,N−ピロリル
基,N−ピラゾリル基,N−テトラゾリル基,N−イン
ドリル基,N−カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,
N−イミダゾリル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−
インダゾリル基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりな
る群から選択され,Rは,9−フルオレノン,または
その誘導体のうち一つである。
【0046】さらに,本発明の他の目的は,(a)複数
の支持ローラと,(b)上記支持ローラ周囲にスレッデ
ッドフレキシブルベルト形態であり,(i)下記化学式
4で表示される電荷輸送物質;(ii)電荷発生化合物;
及び(iii)導電基板を含む有機感光体を含むことを特
徴とする電子写真画像形成装置により達成される。
【0047】
【化24】
【0048】上記化学式4中,Rは,N−ピロリル
基,N−ピラゾリル基,N−テトラゾリル基,N−イン
ドリル基,N−カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,
N−イミダゾリル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−
インダゾリル基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりな
る群から選択され,Rは,9−フルオレノン,または
その誘導体のうち一つである。
【0049】さらに,本発明の他の目的は,(a)
(i)下記化学式4で表示される電荷輸送物質;(ii)
電荷発生化合物;及び(iii)導電基板を含む有機感光
体の表面に電荷を提供する段階と,
【0050】
【化25】
【0051】上記化学式4中,RはN−ピロリル基,
N−ピラゾリル基,N−テトラゾリル基,N−インドリ
ル基,N−カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−
イミダゾリル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−イン
ダゾリル基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群
から選択され,Rは,9−フルオレノン,またはその
誘導体のうち一つである。
【0052】(b)上記有機感光体の表面に光を照射し
てイメージ方向に露光処理して所定領域に電荷を分散さ
せて,上記有機感光体の表面に帯電領域と放電領域のパ
ターンを形成する段階と,(c)上記有機感光体の表面
を有機液体と着色剤粒子の分散液とを含む液体トナーと
接触させて,色調画像を形成する段階と,(d)上記色
調画像を基板に転写させる段階とを含むことを特徴とす
る電子写真画像形成方法により達成される。
【0053】さらに,本発明の他の目的は,下記化学式
4で表示される電荷輸送物質により解決される。
【0054】
【化26】
【0055】上記化学式4中,Rは,N−ピロリル
基,N−ピラゾリル基,N−テトラゾリル基,N−イン
ドリル基,N−カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,
N−イミダゾリル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−
インダゾリル基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりな
る群から選択され,Rは,9−フルオレノン,または
その誘導体のうち一つである。
【0056】上記有機感光体は,電荷発生物質,電荷輸
送物質及び電子輸送化合物を含む単層形態であることが
望ましい。
【0057】
【発明の実施の形態】以下,本発明のいくつかの実施の
形態を示し,本発明をより詳細に説明する。
【0058】本発明の実施の形態の電子写真用有機感光
体は,新規電荷輸送物質である9H−フルオレン−9−
オンヒドラジノ置換された化合物を含む。本発明の実施
の形態の電荷輸送物質は,化学式1,化学式2,化学式
5,または,後述の式I〜Xで表示される中心核のうち
の少なくとも一つを有する化合物である。
【0059】
【化27】
【0060】
【化28】
【0061】
【化29】
【0062】上記化学式1,化学式2,化学式5中,A
は,複素環基(例:スルホラニル基,ピロール基,ピラ
ゾリル基,テトラゾリル基,インドリル基,カルバゾリ
ル基,トリアゾリル基,イミダゾリル基,ベンゾイミダ
ゾリル基,インダゾリル基,ベンゾトリアゾリル基),
ナフチル基,(9H−フルオレン−9−イリデン)ベン
ジル基,アルキルスルホフェニルまたはスチルベニルで
あり,Bは,水素,アルキル基(特にC−C20のア
ルキル基),アリル基(例:フェニル基,ナフチル基,
スチルベニル基,(9H−フルオレン−9−イリデン)
ベンジル基,またはトラニル基のようなC−C30
アリル基)であるが,Aがナフチル基であるときに,B
はナフチル基である。
【0063】上記Aは,C,N,S,及びO輪原子を含
む5−,6−または7−原子核グループを有する複素環
及び芳香族基であることが望ましい。上記二つ以下の原
子は,S及び/またはOを含むか,二つ以下の原子は,
Nと,O及びSのうち少なくとも一つ選択されるか,S
またはOが存在しない場合には4N原子以下を有するこ
とが望ましい。
【0064】上記グループを核に置換基を結合させれ
ば,当該技術分野で公知のように化合物の移動度,溶解
度,安定度などの特性を変化させることができる。
【0065】本発明の実施の形態はまた,上述した中心
核と異性質対等価のものも含み,これはAとBとが定義
範囲内で互いに交換可能であることを意味する。
【0066】本発明の実施の形態の電荷輸送物質に属す
るサブグループ化合物について説明すれば次の通りであ
る。
【0067】I.下記化学式6で表示される電荷輸送物
【0068】
【化30】
【0069】上記化学式6中,R,R,R
,R,R,R,R,R,R10
11,R12,R13,R14,R15は,互いに独
立的に,水素,ハロゲン,ヒドロキシ基,チオル基,ニ
トロ基,ニトリル基,分枝型若しくは線形アルコキシ基
(例:C−C20アルコキシ基),分枝型若しくは線
形アルキル基(例:C−C20アルキル基),分枝型
若しくは線形不飽和炭化水素基(例:C−C20アル
ケニル基またはアルキニル基),エーテル基,エステル
基,アミノ基,シクロアルキル基(例:シクロヘキシル
基のようなC−C30シクロアルキル基),複素環基
(例:ピロリル基,テトラゾリル基,インドリル基,カ
ルバゾリル基,トリアゾリル基,イミダゾリル基,ベン
ゾイミダゾリル基,インダゾリル基またはベンゾトリア
ゾリル基),アリル基(例:フェニル基,ナフチル基,
スチルベニル基,(9H−フルオレン−9−イリデン)
ベンジル基,トラニル基のようなC−C30アリル
基)または輪または多環式輪のうち一部である。
【0070】R16は,アリル基(例:フェニル基,ナ
フチル基,スチルベニル基,9H−フルオレン−9−イ
リデン)ベンジル基,トラニル基のようなC−C30
アリル基)または複素環基(例:ピロリル基,テトラゾ
リル基,インドリル基,カルバゾリル基,トリアゾリル
基,イミダゾリル基,ベンゾイミダゾリル基,インダゾ
リル基またはベンゾトリアゾリル基)である。
【0071】II.下記化学式7で表示される電荷輸送物
【0072】
【化31】
【0073】上記化学式7中,Rは,水素,分枝型若
しくは線形アルキル基(例:C−C20アルキル
基),分枝型若しくは線形アルコキシ基(例:C−C
20アルコキシ基),分枝型若しくは線形不飽和炭化水
素基(例:C−C20アルケニル基またはアルキニル
基),エーテル基,シクロアルキル基(例:シクロヘキ
シル基のようなC−C30シクロアルキル基),アリ
ル基(例:フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,
9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニ
ル基のようなC−C30アリル基)である。
【0074】R,R,R,R,R,R,R
,R,R10,R11,R12は,互いに独立的
に,水素,ハロゲン,ヒドロキシ基,チオル基,ニトロ
基,ニトリル基,分枝型若しくは線形アルコキシ基
(例:C−C20アルコキシ基),分枝型若しくは線
形アルキル基(例:C−C20アルキル基),分枝型
若しくは線形不飽和炭化水素基(例:C−C20アル
ケニル基またはアルキニル基),エーテル基,エステル
基,アミノ基,シクロアルキル基(例:シクロヘキシル
基のようなC−C30シクロアルキル基),複素環基
(例:スルホラニル基,ピロリル基,ピラゾリル基,テ
トラゾリル基,インドリル基,カルバゾリル基,トリア
ゾリル基,イミダゾリル基,ベンゾイミダゾリル基,イ
ンダゾリル基またはベンゾトリアゾリル基),アリル基
(例:フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9
H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル
基のようなC−C30アリル基),または輪若しくは
多環式輪のうち一部である。
【0075】R13は,アリル基(例:フェニル基,ナ
フチル基,スチルベニル基,(9H−フルオレン−9−
イリデン)ベンジル基,トラニル基のようなC−C
30アリル基)または複素環基(例:スルホラニル基,
ピロリル基,ピラゾリル基,テトラゾリル基,インドリ
ル基,カルバゾリル基,トリアゾリル基,イミダゾリル
基,ベンゾイミダゾリル基,インダゾリル基またはベン
ゾトリアゾリル基)である。
【0076】III.下記化学式8で表示される電荷輸送物
【0077】
【化32】
【0078】上記化学式8中,RとRはナフチル基
であり,Rは9−フルオレノン,またはその誘導体の
うち一つである。
【0079】IV.下記化学式8で表示される電荷輸送物
【0080】
【化33】
【0081】上記化学式8中,Rは,水素,アルキル
基(例:C−C20アルキル基),アリル基(例:フ
ェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9H−フル
オレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル基のよう
なC−C30アリル基)であり,Rはテトラゾリル
基,またはその誘導体のうち一つであり,Rは,9−
フルオレノン,またはその誘導体のうち一つである。
【0082】V.下記化学式8で表示される電荷輸送物
【0083】
【化34】
【0084】上記化学式8中,Rは,水素,アルキル
基(例:C−C20アルキル基)またはアリル基
(例:フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9
H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル
基のようなC−C30アリル基)であり,Rは,ベ
ンゾトリアゾリル基,またはその誘導体のうち一つであ
り,Rは,9−フルオレノン,またはその誘導体のう
ち一つである。
【0085】VI.下記化学式8で表示される電荷輸送物
【0086】
【化35】
【0087】上記化学式8中,Rは,水素,アルキル
基(例:C−C20アルキル基)またはアリル基
(例:フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9
H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル
基のようなC−C30アリル基)であり,Rは,
(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,また
はその誘導体のうち一つであり,Rは,9−フルオレ
ノン,またはその誘導体のうち一つである。
【0088】VII.下記化学式8で表示される電荷輸送物
【0089】
【化36】
【0090】上記化学式8中,Rは,水素,アルキル
基(例:C−C20アルキル基)またはアリル基
(例:フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9
H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル
基のようなC−C30アリル基)であり,Rは,ア
ルキルスルホニルフェニル基,またはその誘導体のうち
一つであり,Rは,9−フルオレノン,またはその誘
導体のうち一つである。
【0091】VIII.下記化学式8で表示される電荷輸送
物質
【0092】
【化37】
【0093】上記化学式8中,Rは,水素,アルキル
基(例:C−C20アルキル基)またはアリル基
(例:フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9
H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル
基のようなC−C30アリル基)であり,Rは,ス
チルベニル基,またはその誘導体のうち一つであり,R
は,9−フルオレノン,またはその誘導体のうち一つ
である。
【0094】IX.下記化学式8で表示される電荷輸送物
【0095】
【化38】
【0096】上記化学式8中,Rは,水素,アルキル
基(例:C−C20アルキル基)またはアリル基
(例:フェニル基,ナフチル基,スチルベニル基,(9
H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,トラニル
基のようなC−C30アリル基)であり,Rは,ピ
ラゾリル基,またはその誘導体のうち一つであり,R
は,9−フルオレノン,またはその誘導体のうち一つで
ある。
【0097】X.下記化学式4で表示される電荷輸送物
【0098】
【化39】
【0099】上記化学式4中,Rは,N−ピロリル
基,N−ピラゾリル基,N−テトラゾリル基,N−イン
ドリル基,N−カルバゾリル基,N−トリアゾリル基,
N−イミダゾリル基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−
インダゾリル基,及びN−ベンゾトリアゾリル基よりな
る群から選択され,Rは,9−フルオレノン,または
その誘導体のうち一つである。
【0100】式Iによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化学式9〜14)。
【0101】
【化40】
【0102】
【化41】
【0103】
【化42】
【0104】
【化43】
【0105】
【化44】
【0106】
【化45】
【0107】式IIによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化学式14〜20)。
【0108】
【化46】
【0109】
【化47】
【0110】
【化48】
【0111】
【化49】
【0112】
【化50】
【0113】
【化51】
【0114】式IIIによる電荷輸送物質の非制限的な実
施形態は次の通りである(化学式21,22)。
【0115】
【化52】
【0116】
【化53】
【0117】式IVによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化学式23,24)。
【0118】
【化54】
【0119】
【化55】
【0120】式Vによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化学式25,26)。
【0121】
【化56】
【0122】
【化57】
【0123】式VIによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化学式27,28)。
【0124】
【化58】
【0125】
【化59】
【0126】式VIIによる電荷輸送物質の非制限的な実
施形態は次の通りである(化学式29,30)。
【0127】
【化60】
【0128】
【化61】
【0129】式VIIIによる電荷輸送物質の非制限的な実
施形態は次の通りである(化学式31,32)。
【0130】
【化62】
【0131】
【化63】
【0132】式IXによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化学式33,34)。
【0133】
【化64】
【0134】
【化65】
【0135】式Xによる電荷輸送物質の非制限的な実施
形態は次の通りである(化学式35)。
【0136】
【化66】
【0137】本発明の実施形態の有機感光体は,上述し
た化学式9〜35を有する電荷輸送物質を含む。式I〜
Xによる電荷輸送物質は,対応するヒドラジンを9H−
フルオレノン−9−オンまたはその誘導体を反応させる
ことによって製造されるが,上記反応は下記に示す実施
形態から分かるように,いわゆる当業者には可能な変化
範囲内で上記反応物質をテトラヒドロフランで十分の時
間還流してなされる。
【0138】上記感光体は,プレート,ドラム,ディス
ク,シート,ベルト,または硬性若しくは軟性ドラムの
周囲に配置されたシート形態である。上記感光体は,導
電基板と,単層の感光性要素とを含むが,単層の感光性
要素は,ポリマー結合剤と電荷輸送化合物と電荷発生化
合物とを含む。しかし,望ましくは感光体は,導電基板
と,二層構造を有する感光性要素とよりなり,二層構造
の感光性要素は,電荷発生層と電荷輸送層とを具備す
る。電荷発生層は,導電基板と電荷輸送層との間に位置
する。または,感光性要素は,導電基板と電荷発生層と
の間に電荷輸送層が形成されたインバート構造を有する
こともある。
【0139】導電基板は,例えば,プレート,フレキシ
ブルベルト,フレキシブルディスク,硬性ドラムまたは
軟性ドラムの周囲に配置されたシート形態のようにフレ
キシブルである。一般的に,フレキシブル導電基板は絶
縁基板と導電物質層とを含む。絶縁基板は,例えば,ペ
ーパーまたはポリエチレンテレフタレート,ポリイミ
ド,ポリスルホン,ポリエチレンナフタレート,ポリプ
ロピレン,ナイロン,ポリエステル,ポリカーボネー
ト,ポリビニルフルオライド,ポリスチレンのようなフ
ィルム形成用高分子よりなる。
【0140】支持基板の具体的な例には,ポリエーテル
スルホン(商品名Stabar S−100,ICI
社),ポリビニルフルオライド(商品名 Tedla
r,E.I.Dupont de Nemours&Co
mpany),ポリビスフェノール−Aポリカーボネー
ト(商品名Makrofol,Mobay Chemi
cal Company),及び無定形ポリエチレンテ
レフタレート(商品名Melinar,ICI Ame
rica,Inc.)などがある。
【0141】上記導電基板を構成する導電物質には,例
えば,グラファイト,分散カーボンブラック,ヨウ化
物,ポリピロール及び商品名Calgon condu
ctive polymer 261(Calgon
Corporation,Inc.,)のような伝導性
高分子,アルミニウム,チタン,クロム,黄銅,金,
銅,パラジウム,ニッケルまたはステンレススチールの
ような金属,チンオキシドまたはインジウムオキシドの
ような金属酸化物などがある。特にアルミニウムである
ことが望ましい。
【0142】導電基板は,一般に機械的安定性を有しう
る程度の適切な厚さを有する。例えば,フレキシブルウ
ェブ基板は一般に0.01〜1mmの厚さを有し,ドラ
ム基板は一般に,0.5〜2mmの厚さを有することが
望ましい。
【0143】本発明の実施形態の光導電要素を構成する
電荷発生化合物は,染料及び顔料のように光を吸収して
電荷キャリアを生成する物質である。このような電荷発
生化合物の例には,脱金属フタロシアニン(例:商品名
CGM−X01 x−form metal−free
phthalocyanine,Sanyo Col
or Works,Ltd.),チタンフタロシアニ
ン,銅フタロシアニン,オキシチタンフタロシアニン,
ヒドロキシガリウムフタロシアニンのような金属フタロ
シアニン,スクアリリウム染料及び顔料,ヒドロキシ−
置換されたスクアリリウム顔料,ペリルアミド,多核性
キノン(商品名:Indofast Double S
carlet,Indofast Violet La
ke B,Indofast Brilliant S
carlet及びIndofastOrange),キ
ナクリドン(Dupont社,商品名:Monastr
al Red,Monastral Violet及び
Monastral Red Y),ペリノンを含むナ
フタレン1,4,5,8−テトラカルボキシル酸誘導体
顔料,テトラベンゾホルフェリン,テトラナフタロホル
フィリン,インジゴ及びチオインジゴ染料,ベンゾチオ
キサンテン誘導体,ペリレン3,4,9,10−テトラ
カルボキシル酸誘導体顔料,ビスアゾ−,トリアゾ−及
びテトラキスアゾ−顔料を含有しているポリアゾ−顔
料,ポリメチン染料,キナゾリン基含有染料,三次アミ
ン,無定形セレン,セレン−テルル,セレン−テルル−
砒素,セレン−砒素,カドミウムスルホセレン化物,カ
ドミウムセレン化物のようなセレン合金,カドミウムス
ルフィド及びその混合物などがある。電荷発生化合物
は,オキシチタンフタロシアニン,ヒドロキシガリウム
フタロシアニン,またはその調合物であることが望まし
い。
【0144】上記結合剤は,電荷輸送化合物(電荷輸送
層の場合)及び電荷発生化合物(電荷発生層の場合)を
分散または溶解させねばならない。電荷発生層と電荷輸
送層用結合剤の具体的な例として,ポリスチレン−コ−
ブタジエン,改質アクリルポリマー,ポリビニルアセテ
ート,スチレン−アルキド樹脂,ソヤ−アルキル樹脂,
ポリビニルクロライド,ポリビニリデンクロライド,ポ
リアクリロニトリル,ポリカーボネート,ポリアクリル
酸,ポリアクリレート,ポリメタクリレート,スチレン
ポリマー,ポリビニルブチラル,アルキド樹脂,ポリア
ミド,ポリウレタン,ポリエステル,ポリスルホン,ポ
リエーテル,ポリケトン,フェノキシ樹脂,エポキシ樹
脂,シリコン樹脂,ポリシロキサン,ポリ(ヒドロキシ
エーテル)樹脂,ポリヒドロキシスチレン樹脂,ノボラ
ック,レゾール樹脂,ポリ(フェニルグリシジルエーテ
ル)−コ−ジシクロペンタジエン,上述したポリマーで
使われたモノマーのコポリマー及びこれらの調合物など
がある。
【0145】上記結合剤は特にポリカーボネートである
ことが望ましく,この具体的な例には,ビスフェノール
−Aから派生されたポリカーボネートA,シクロヘキシ
リデンビスフェノールから派生されたポリカーボネート
−Z,メチルビスフェノールAから派生されたポリカー
ボネートC及びポリエステルカーボネートなどがある。
【0146】もし本発明の実施形態の特定電荷輸送物質
が電荷輸送化合物として作用するならば,本発明の実施
形態の有機感光体は,電子輸送化合物を含むことが望ま
しい。このような電子輸送化合物の非制限的な実施形態
には,例えば,ブロモアニル,テトラシアノエチレン,
テトラシアノキノジメタン,2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノン,2,4,5,7−テトラニトロ−9
−フルオレノン,2,4,5,7−テトラニトロオキサ
ントン,2,4,8−トリニトロチオオキサントン,
2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ
[1,2−b]チオフェン−4−オン,1,3,7−ト
リニトロベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド,
(2,3−ジフェニル−1−インデニリデン)マロニト
リル,4−ジシアノメチレン−2,6−ジフェニル−4
H−チオピラン−1,1−ジオキシド,4−ジシアノメ
チレン−2,6−ジ−m−トリル−4H−チオピラン−
1,1−ジオキシドのような4H−チオピラン−1,1
−ジオキシド及びその誘導体,4H−1,1−ジオキソ
−2−(p−イソプロピルフェニル)−6−フェニル−
4−(ジシアノメチリデン)チオピラン,4H−1,1
−ジオキソ−2−(p−イソプロピルフェニル)−6−
(2−チエニル)−4−(ジシアノメチリデン)チオピ
ランのように非対称的に置換された2,6−ジアリル−
4H−チオピラン−1,1−ジオキシド,ホスファ−
2,5−シクロヘキサジエン誘導体,(4−n−ブトキ
シカルボニル−9−フルオレニリデン)マロニトリル,
(4−フェネトキシカルボニル−9−フルオレニリデ
ン)マロニトリル,(4−カルボキシ−9−フルオレニ
リデン)マロニトリルのようなアルコキシカルボニル−
9−フルオレニリデン)マロニトリル誘導体,ジエチル
(4−n−ブトキシカルボニル−2,7−ジニトロ−9
−フルオレニリデン)−マロネート,11,11,1
2,12−テトラシアノ−2−アルキルアントラキノジ
メタン,11,11−ジシアノ−12,12−ビス(エ
ポキシカルボニル)アントラキノジメタンのようなアン
トラキノジメタン誘導体,1−クロロ−10−[ビス
(エポキシカルボニル)メチレン]アントロン,1,8
−ジクロロ−10−[ビス(エトキシカルボニル)メチ
レン]アントロン,1,8−ジヒドロキシ−10−[ビ
ス(エトキシカルボニル)メチレン]アントロン,1−
シアノ−10−[ビス(エトキシカルボニル)メチレ
ン]アントロンのようなアントロン誘導体,7−ニトロ
−2−アザ−9−フルオレニリデン−マロニトリル,ジ
フェノンキノン誘導体,ベンゾキノン,ナフトキノン誘
導体,キノン誘導体,テトラシアノエチレンシアノエチ
レン,2,4,8−トリニトロオキサントン,ジニトロ
ベンゼン誘導体,ジニトロアントラセン誘導体,ジニト
ロアクリジン誘導体,ニトロアントラキノン誘導体,ジ
ニトロアントラキノン誘導体,スクシン酸無水物,マレ
イン酸無水物,ジブロモマレイン酸無水物,ピレン誘導
体,カルバゾール誘導体,ヒドラゾン誘導体,N,N−
ジアルキルアニリン誘導体,ジフェニルアミン誘導体,
トリフェニルアミン誘導体,トリフェニルメタン誘導
体,テトラシアノキノジメタン,2,4,5,7−テト
ラニトロ−9−フルオレノン,2,4,7−トリニトロ
−9−ジシアノメチレンフルオレノン,2,4,5,7
−テトラニトロオキサントン誘導体,2,4,8−トリ
ニトロオキサントン誘導体などを挙げられる。
【0147】もし,本発明の実施形態の特定電荷輸送物
質が電子輸送化合物として作用するならば,本発明の実
施形態の有機感光体は電荷輸送化合物を含むことが望ま
しい。電荷輸送化合物の非制限的な例として,ピラゾリ
ン誘導体,フルオレン誘導体,オキサジアゾール誘導
体,スチルベン誘導体,ヒドラゾン誘導体,カルバゾー
ルヒドラゾン誘導体,トリアリルアミン,ポリビニルカ
ルバゾール,ポリビニルピレン,ポリアセナフチレン,
または少なくとも二つのヒドラゾングループと,トリフ
ェニルアミンと,カルバゾール,ジュロリジン,フェノ
チアジン,フェナジン,フェノキサジン,フェノキサチ
ン,チアゾール,オキサゾール,イソオキサゾール,ジ
ベンゾ(1,4)ジオキシン,チアントレン,イミダゾ
ール,ベンゾチアゾール,ベンゾトリアゾール,ベンゾ
オキサゾール,ベンゾイミダゾール,キノリン,イソキ
ノリン,キノキサリン,インドール,インダゾール,ピ
ロール,プリン,ピリジン,ピリダジン,ピリミジン,
ピラジン,トリアゾール,オキサジアゾール,テトラゾ
ール,チアジアゾール,ベンズイソオキサゾール,ベン
ズイソチアゾール,ジベンゾフラン,ジベンゾチオフェ
ン,チオフェン,チアナフテン,キナゾリンまたはシノ
リンのような複素環よりなる群から選択された少なくと
も二つのグループを含むマルチヒドラゾン化合物などを
挙げられる。電荷輸送化合物は,例えば,MPCT−1
0,MPCT−38,MPCT−46(Mitsubi
shi Paper Mills(Tokyo,Jap
an))のようなエナミンスチルベン化合物であること
が望ましい。
【0148】多層光導電要素の場合には,電荷発生層は
電荷発生層重量を基準に10〜90重量%,望ましくは
20〜75重量%の結合剤を含む。
【0149】電荷輸送層は,一般に電荷輸送層重量を基
準に25〜60重量%,より望ましくは35〜50重量
%の電荷輸送物質を含有し,その残りは結合剤と,選択
的に通常的な添加剤とを含む。上記電荷輸送層は一般に
10〜40ミクロンの厚さを有し,当該技術分野で公知
の方法によって形成される。
【0150】単層光導電要素の場合には,電荷発生化合
物の含量は光導電層の重量を基準に0.5〜20重量
%,より望ましくは1〜10重量%である。電荷輸送化
合物の含量は光導電層の重量を基準に10〜80重量
%,望ましくは40〜60重量%である。電子輸送化合
物の含量は光導電層重量を基準に2.5〜25重量%,
望ましくは4〜20重量%である。結合剤は光導電層重
量を基準に15〜80重量%,望ましくは20〜50重
量%である。
【0151】選択的に,本発明の実施形態の有機感光体
は,独立的に光安定剤を含有する。光安定剤の非制限的
な例には,トリアルキルアミン(例:商品名Tinuv
in292(Ciba Specialty Chem
icals)),束縛アルコキシジアルキルアミン
(例:商品名Tinuvin 123,Ciba Sp
ecialty Chemicals),ベンゾトリア
ゾール(例:商品名Tinuvin 928(Ciba
Specialty Chemicals)),ベン
ゾフェノン,ニッケル化合物(例:商品名Arbest
ab,Robinson Brothers Ltd,
West Midlands),サリシル酸塩,シアノ
シンナメート,ベンジリデンマロネート,ベンゾエー
ト,オキサニリド,または重合性立体障害性アミン
(例:商品名Luchem,AtochemNorth
America)などがある。
【0152】光安定剤は,下記化学式36,37の束縛
トリアルキルアミンのうちから選択されることが望まし
い。
【0153】
【化67】
【0154】
【化68】
【0155】上記化学式36,37中,R,R,R
,R,R,R,R,R ,R11
12,R13,R15は,互いに独立的に,水素,ア
ルキル基,エステル,エーテル基であり,R,R
びR14は,互いに独立的にアルキル基であり,Xは,
−O−CO−(CH−CO−O−よりなる群から
選択された連結グループであり,mは2〜20である。
【0156】光導電層で,光安定剤の含量は光導電層重
量を基準に0.5〜25重量%,より望ましくは1〜1
0重量%である。
【0157】便宜上,光導電層は電荷発生化合物,電荷
輸送化合物,光安定剤,電子輸送化合物及び高分子結合
剤を有機溶媒に分散させるかまたは溶解し,このように
得た分散液及び/または溶液をそれぞれの下部層上にコ
ーティングし,これを乾燥させて形成する。上記成分
は,高せん断均質化,ボールミリング,研磨器ミリン
グ,高エネルギービード(サンド)ミリングまたは粒子
サイズを縮めるのに効果的な当該技術分野で,公知のそ
れ以外のサイズ縮小工程またはミキシング手段によって
分散させて分散液を形成することが望ましい。
【0158】また,有機感光体は付加層をさらに含むこ
ともある。このような付加層の例には,障壁層,接着
層,離型層及びサブ層などが挙げられる。
【0159】上記離型層は,光導電体要素の最上部に形
成され,障壁層は離型層と光導電要素との間に介在され
ている。
【0160】上記接着層は,障壁層と離型層との間に位
置してこれら間の接着力を改善させる。そしてサブ層は
電荷遮断層であって,導電基板と光導電要素との間に位
置してこれら間の接着力を向上させる。
【0161】上記障壁層は,例えば,架橋性シロキサノ
ール−コロイダルシリカコーティング層及びヒドロキシ
化されたシルセスキノキサン−コロイダルシリカコーテ
ィング層と,ポリビニルアルコール,メチルビニルエー
テル/マレイン酸無水物コポリマー,カゼイン,ポリビ
ニルピロリドン,ポリアクリル酸,ゼラチン,澱粉,ポ
リウレタン,ポリイミド,ポリエステル,ポリアミド,
ポリビニルアセテート,ポリビニルクロライド,ポリビ
ニリデンクロライド,ポリカーボネート,ポリビニルブ
チラル,ポリビニルアセトアセタル,ポリビニルフォー
マル,ポリアクリロニトリル,ポリメチルメタクリレー
ト,ポリアクリレート,ポリビニルカルバゾール,上述
したポリマーで使われたモノマーのコポリマー,ビニル
クロライド/ビニルアセテート/ビニルアルコールター
ポリマー,ビニルクロライド/ビニルアセテート/マレ
イン酸ターポリマー,エチレン/ビニルアセテートコポ
リマー,ビニルクロライド/ビニリデンクロライドコポ
リマー,セルロースポリマー及びその混合物などのよう
な結合剤などを含む。上記有機結合剤は,例えば,ヒュ
ームシリカ,シリカ,チタニア,アルミナ,ジルコニア
またはその調合物などのような微細無機粒子を選択的に
含む。このとき,無機粒子の大きさは0.001〜5μ
mであり,望ましくは0.005μmである。
【0162】障壁層は望ましくは,例えば,メチルセル
ロースとメチルビニルエーテル/マレイン酸無水物コポ
リマーとの1:1混合物と,架橋剤のグリオキサルとを
含有してなる。
【0163】離型層トップコートは,当該技術分野で公
知のあらゆる離型層組成物を含む。上記離型層は,例え
ば,フッ素化されたポリマー,シロキサンポリマーまた
はシリコンポリマー,フルオロシリコンポリマー,シラ
ン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアクリレー
ト,またはその調合物などよりなる。
【0164】上記離型層は,架橋されたシリコンポリマ
ーと架橋されたフルオロシリコンポリマーよりなる群か
ら選択されることがさらに望ましい。
【0165】通常的な接着層は,例えば,ポリエステ
ル,ポリアクリレート,ポリビニルブチラル,ポリビニ
ルピロリドン,ポリウレタン,ポリメチルメタクリレー
ト,ポリ(ヒドロキシアミノエーテル)のようなフィル
ム形成用ポリマーなどを含む。望ましくは,上記接着層
はポリ(ヒドロキシアミノエーテル)よりなる。もし,
このような層が利用される場合には,乾燥厚さが0.0
1〜5μmであることが望ましい。
【0166】一般のサブ層は,例えば,ポリビニルブチ
ラル,有機シラン,加水分解性シラン,エポキシ樹脂,
ポリエステル,ポリアミド,ポリウレタン,シリコン系
物質などを含む。サブ層は,乾燥厚さが20Å〜2,0
00Åであることが望ましい。
【0167】電荷輸送物質,このような物質を含む感光
体は乾式または液体トナー現像を利用した画像形成工程
に適切に使用可能である。
【0168】液体トナー現像は一般に乾式トナーを利用
した場合と比較して高解像度を有する画像が得られ,画
像固定にエネルギーがあまり要らずにさらに望ましい。
液体トナーの適切な例は公知のものである。液体トナー
は着色剤,樹脂結合剤,電荷ディレクタ及びキャリア液
体を含む。樹脂と顔料の混合比は2:1〜10:1であ
ることが望ましく,より望ましくは4:1〜8:1であ
る。一般に,着色剤,樹脂及び電荷ディレクタはトナー
粒子を形成する。
【0169】本発明の実施形態の電子写真画像形成装置
は,複数の支持ローラと,上記支持ローラの周囲にスレ
ッドされており,上述した電荷輸送物質と電荷発生化合
物及び導電基板を含む有機感光体とを具備する。このと
き,上記装置は液体トナーディスペンサーをさらに含む
こともある。このような電子写真画像形成装置を利用し
て画像を形成する方法について次のように説明する。
【0170】上述した有機感光体の表面に電荷を提供し
た後,有機感光体の表面に光を照射してイメージ方向に
沿って露光処理して所定領域に電荷を分散させて,有機
感光体の表面に帯電領域と放電領域パターンを形成す
る。次いで,有機感光体の表面を有機液体と着色剤粒子
の分散液を含む液体トナーと接触させて色調画像を形成
し,このように得られた色調画像を基板に転写させて目
的とする画像を得る。
【0171】以下,本発明を実施の形態により説明する
が,本発明がこのような例に限定されるものではない。
【0172】A.式Iによる電荷輸送物質の合成N−フェニル−N−スルホラン−3−イルヒドラジン N−フェニル−N−スルホラン−3−イルヒドラジン
は,本特許で参照として統合された英国特許第1,04
7,525号(Mason)に記述された方法によって
製造された。
【0173】ブタジエンスルホン(Aldrich社)
0.5モルとフェニルヒドラジン(Aldrich社)
0.55モルとの混合物に40%水酸化カルシウム水溶
液0.005モルを付加した。上記混合物を60℃で2
時間撹拌して反応混合物から固体を分離した。10時間
後,固体をろ過してN−フェニル−N−スルホラン−3
−イルヒドラジンを得た(収率:53%,融点:119
−20℃(MeOH))。
【0174】H−NMR(CDCl),δ(pp
m):2.34−2.63(m,2H),3.05−3.1
5(m,1H),3.22−3.49(m,3H),3.
57(s,2H),4.67(quin,J=7.8H
z,1H),6.88−6.97(m,3H),7.27
−7.36(m,2H)。
【0175】13C−NMR(CDCl),δ(pp
m):26.0,51.2,51.4,56.5,113.
8,120.3,129.6,150.4。
【0176】N−(2−ナフチル)−N−スルホラン−
3−イルヒドラジン N−(2−ナフチル)−N−スルホラン−3−イルヒド
ラジンはフェニルヒドラジンの代わりに2−ナフチルヒ
ドラジンを使ったことを除いては,N−フェニル−N−
スルホラン−3−イルヒドラジンと同じ製造過程によっ
て実施して得た。
【0177】2−ナフチルヒドラジンは本特許に参照と
して統合された中国特許第1,175,571号(Su
et el.)に記述された方法で製造される。2−
ナフチルヒドラジンはまた,商業的に入手可能な2−ナ
フチルヒドラジンヒドロクロライド(Apin Che
mical Ltd.)を水酸化カルシウムで中和して
製造した。
【0178】ブタジエンスルホン(Aldrich社)
0.5モル,2−ナフチルヒドラジン0.55モルの混合
物に40%水酸化カルシウム水溶液0.005モルを付
加した。上記混合物を60℃で16時間撹拌した。N−
(2−ナフチル)−N−スルホラン−3−イルヒドラジ
ンを分離及び精製した。
【0179】9−フルオレノン−4−カルボキシル酸ペ
ンチルエステル 9−フルオレノン−4−カルボキシル酸ペンチルエステ
ル(2.44g,10モル)を過量のn−アミルアルコ
ール(5ml)と共に一晩中還流させた。溶媒を蒸発さ
せ,真空乾燥させて粗生成物を80%収率で得た。上記
化合物をエチルアセテートを使用して再結晶させて黄色
プレートを得た(収率:74%,m.p.37.9−38.
1℃)。
【0180】H−NMR(CDCl),δ(pp
m):0.94(t,J=7.5Hz,3H),1.39
−1.47(m,4H),1.82(quin,J=7.
2Hz,2H),4.40(t,J=6.6Hz,2
H),7.31−7.36(m,2H),7.52−7.5
5(m,1H),7.68−7.70(m,1H),7.
79−7.82(m,1H),7.92(dd,J=7.
8Hz,1H),8.27(d,J=7.8Hz,1
H)。
【0181】13C−NMR(CDCl),δ(pp
m):13.9,22.3,28.1,28.3,65.
7,124.0,126.1,127.0,127.2,1
28.5,129.6,134.3,135.0,135.
4,135.9,143.1,143.8,166.7,1
92.8。
【0182】9−フルオレノン−4−カルボキシル酸デ
シルエステル 9−フルオレノン−4−カルボキシル酸デシルエステル
はn−アミルアルコールの代わりにn−デカノールを使
用したことを除いては,9−フルオレノン−4−カルボ
キシル酸ペンチルエステルの製造方法と同じ方法によっ
て実施して製造した。
【0183】化学式9の化合物 9−フルオレノン1.80g(0.01モル)(Aldr
ich社),N−フェニル−N−スルホラン−3−イル
ヒドラジン(2.26g,0.01モル)をテトラヒドロ
フラン(20ml)と共に16時間撹拌しながら還流さ
せた。反応混合物から溶媒を除去して化学式9の化合物
を分離し,これを再結晶を通じて精製した。
【0184】化学式10の化合物 2,7−ジニトロ−9−ヨウ素−4−カルボキシル酸ブ
チルエステル(3.70g,0.01モル,Aldric
h社)及びN−フェニル−N−スルホラン−3−イルヒ
ドラジン(2.26g,0.01モル)をテトラヒドロフ
ラン(20ml)と混合し,これを16時間撹拌しなが
ら還流させた。反応混合物から溶媒を除去して化学式1
0の化合物を分離し,再結晶を通じて精製した。
【0185】化学式11の化合物 N−フェニル−N−スルホラン−3−イルヒドラジン
(0.23g,1モル),9−フルオレノン−4−カル
ボキシル酸ペンチルエステル(3.5g,1.2モル)を
THF20mlに溶解し,ここに濃い硫酸2,3滴を付
加した。
【0186】上記反応混合物を5時間還流して室温で冷
却した。真空条件下で溶媒を除去して黄色オイルを得
た。化学式11の化合物はエーテル75%とペンタン2
5%とを利用したシリカゲルカラムクロマトグラフィー
を利用して精製してオレンジフレーク状態で得た(収
率:40%,mp88.9−90.4℃)。
【0187】H−NMR(CDCl),δ(pp
m):0.90−0.96(m,3H),1.39−1.4
6(m,4H),1.77−1.86(m,2H),2.
55−2.69(m,2H),3.08−3.17(m,
1H),3.24−3.31(m,1H),3.49−3.
58(m,1H),3.79−3.86(m,1H),
4.37−4.43(m,1H),4.72−4.80
(m,1H),6.97−7.08(m,4H),7.2
2−7.32(m,3H),7.38−7.43(m,1
H),7.50−7.86(m,2H),8.04−8.1
2(m,1H),8.22(t,J=8.1Hz,1
H)。
【0188】化学式12の化合物 9−フルオレノン−4−カルボキシル酸デシルエステル
(3.64g,0.01モル)とN−フェニル−N−スル
ホラン−3−イルヒドラジン(2.26g,0.01モ
ル)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら
16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去し
て化学式12の化合物を分離し,再結晶させて精製し
た。
【0189】化学式13の化合物 2−(パラ−トルエンスルホンアミド)−9−フルオレ
ノン(3.49g,0.01モル)(Aldrich社か
ら商業的に入手可能である)とN−フェニル−N−スル
ホラン−2−イルヒドラジン(2.26g,0.01モ
ル)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら
16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去し
て化学式13の化合物を分離し,再結晶させて精製し
た。
【0190】化学式14の化合物 2−ジメチルアミノ−9−フルオレノン(2.23g,
0.01モル)(Aldrich社)とN−フェニル−
N−スルホラン−3−イルヒドラジン(2.26g,0.
01モル)をTHF20mlと混合し,これを撹拌しな
がら16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除
去して化学式14の化合物を分離し,再結晶させて精製
した。
【0191】B.式IIによる電荷輸送物質の合成N−ピロール−2−イル−N−フェニルヒドラジン N−ピロール−2−イル−N−フェニルヒドラジンを本
特許に参照として統合された日本特許第5148210
号(Miyamoto)に記述された方法によって製造
した。
【0192】化学式15の化合物 9−フルオレノン(1.80g,0.01モル,Aldr
ich社)とN−ピロール−2−イル−N−フェニルヒ
ドラジン(1.73g,0.01モル)とをTHF20m
lと混合し,これを撹拌しながら16時間還流させた。
上記反応混合物から溶媒を除去して化学式15の化合物
を分離し,再結晶させて精製した。
【0193】化学式16の化合物 2,7−ジニトロ−9−ヨウ素−9H−フルオレノン−
4−カルボキシル酸ブチルエステル(3.70g,0.0
1モル,Aldrich社)とN−ピロール−2−イル
−N−フェニルヒドラジン(1.73g,0.01モル)
とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら16
時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化
学式16の化合物を分離し,再結晶させて精製した。
【0194】化学式17の化合物 9−フルオレノン−4−カルボキシル酸ペンチルエステ
ル(2.94g,0.01モル)とN−ピロール−2−イ
ル−N−フェニルヒドラジン(1.73g,0.01モ
ル)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら
16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去し
て化学式17の化合物を分離し,再結晶させて精製し
た。
【0195】化学式18の化合物 9−フルオレノン−4−カルボキシル酸デシルエステル
(3.64g,0.01モル)とN−ピロール−2−イル
−N−フェニルヒドラジン(1.73g,0.01モル)
とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら16
時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化
学式18の化合物を分離し,再結晶させて精製した。
【0196】化学式19の化合物 2−(パラ−トルエンスルホンアミド)−9−フルオレ
ノン(3.49g,0.01モル)とN−ピロール−2−
イル−N−フェニルヒドラジン(1.73g,0.01モ
ル)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら
16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去し
て化学式19の化合物を分離し,再結晶させて精製し
た。
【0197】化学式20の化合物 2−ジメチルアミノ−9−フルオレノン(2.23g,
0.01モル)(Aldrich社)とN−ピロール−
2−イル−N−フェニルヒドラジン(1.73g,0.0
1モル)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しな
がら16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除
去して化学式20の化合物を分離し,再結晶させて精製
した。
【0198】C.式IIIによる電荷輸送物質の合成1,1−ジナフチルヒドラジン 1,1−ジナフチルヒドラジンは本特許に参照として統
合された引用文献(Journal of the G
eneral Chemistry(1964),3
4,136(Staschkow et el.)に記
述された方法によって製造される。
【0199】ナフチルニトロスアミン0.07モルのエ
ーテル750mlの懸濁液を5−8℃に冷却し,ここに
亜鉛ダスト150gを付加した。その後,上記反応混合
物を撹拌しながらアセト酸70mlを滴下した。反応を
完結させるためには亜鉛ダスト40gを付加した。
【0200】上記反応混合物を加熱してスラッジをろ過
した。母液を10%炭酸ナトリウム溶液で洗浄してから
固体KOHで乾燥した。エーテルを蒸発除去して結晶状
態のヒドラジンを得て,これをエタノールやブタノール
を利用して再結晶した。
【0201】化学式21の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸ペンチルエステル(2.94g,0.01モル)と
1,1−ジナフチルヒドラジン(2.86g,0.01モ
ル)をTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら1
6時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して
化学式21の化合物を粗生成物状態に分離し,これを再
結晶させて精製した。
【0202】化学式22の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)と1,
1−ジナフチルヒドラジン(2.86g,0.01モル)
とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら16
時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化
学式22の化合物を粗生成物状態に分離し,これを再結
晶させて精製した。
【0203】D.式IVによる電荷輸送物質の合成1−フェニル−1−(1−ベンジル−1H−テトラゾー
ル−5−イル)ヒドラジン 1−フェニル−1−(1−ベンジル−1H−テトラゾー
ル−5−イル)ヒドラジンは本特許に参照として統合さ
れた引用文献(Tetrahedron(1983),
39(15),2599−608,Atherton
et el.)に記述された方法によって製造された。
【0204】化学式23の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸ペンチルエステル(2.94g,0.01モル)と1
−フェニル−1−(1−ベンジル−1H−テトラゾール
−5−イル)ヒドラジン(2.66g,0.01モル)と
をTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら16時
間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化学
式23の化合物を粗生成物状態に分離し,これを再結晶
させて精製した。
【0205】化学式24の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)と1−
フェニル−1−(1−ベンジル−1H−テトラゾール−
5−イル)ヒドラジン(2.66g,0.01モル)とを
THF20mlと混合し,これを撹拌しながら16時間
還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化学式
24の化合物を粗生成物状態に分離し,これを再結晶さ
せて精製した。
【0206】E.式Vによる電荷輸送物質の合成N−(5−ベンゾトリアゾリル)−N−フェニルヒドラ
ジン N−(5−ベンゾトリアゾリル)−N−フェニルヒドラ
ジンは後述する方法によって製造される。
【0207】フェニルヒドラジン(97g,0.9モ
ル,Aldrich社)と5−クロロベンゾトリアゾー
ル(15.4g,0.1モル,Aldrich社)との混
合物を沸点まで加熱した後,この混合物が赤色をそれ以
上帯びないまでナトリウムを徐々に付加した。所定時間
煮沸した後,混合物を常温に冷却した。生成物を分離及
び精製した。
【0208】化学式25の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸ペンチルエステル(2.94g,0.01モル)とN
−(5−ベンゾトリアゾリル)−N−フェニルヒドラジ
ン(2.25g,0.01モル)とをTHF20mlと混
合し,これを撹拌しながら16時間還流させた。上記反
応混合物から溶媒を除去して化学式25の化合物を粗生
成物状態に分離し,これを再結晶させて精製した。
【0209】化学式26の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)とN−
(5−ベンゾトリアゾリル)−N−フェニルヒドラジン
(2.25g,0.01モル)をTHF20mlと混合
し,これを撹拌しながら16時間還流させた。上記反応
混合物から溶媒を除去して化学式26の化合物を粗生成
物状態に分離し,これを再結晶させて精製した。
【0210】F.式VIによる電荷輸送物質の合成N−4−[(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジ
ル]−N−フェニルヒドラジン N−4−[(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジ
ル]−N−フェニルヒドラジンは本特許で参照として統
合された引用文献(Zh.Org.Khim.(196
7),3(9),1605−3,Matevosyan
et el.)に記述された方法と類似した方法によっ
て製造した。
【0211】フェニルヒドラジン(97g,0.9モ
ル,Aldrich社)とp−9−(4−クロロベンジ
リデン)フルオレン(28.9g,0.1モル,Aldr
ich社)との混合物を沸点まで加熱した後,この混合
物が赤色をそれ以上帯びないまでナトリウムを徐々に付
加した。所定時間煮沸した後,混合物をエタノール17
50mlに溶解してからこれを−15℃に冷却した。こ
のように得られた沈殿生成物を再結晶させてN−4−
[(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル]−N
−フェニルヒドラジンを得た。
【0212】化学式27の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸ペンチルエステル(2.94g,0.01モル)とN
−4−[(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジ
ル]−N−フェニルヒドラジン(3.6g,0.01モ
ル)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら
16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去し
て化学式27の化合物を粗生成物状態に分離し,これを
再結晶させて精製した。
【0213】化学式28の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)とN−
4−[(9H−フルオレン−9−イリデン)ベンジル]
−N−フェニルヒドラジン(3.6g,0.01モル)と
をTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら16時
間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化学
式28の化合物を粗生成物状態に分離し,これを再結晶
させて精製した。
【0214】G.式VIIによる電荷輸送物質の合成化学式29の化合物 4−メチルスルホニルフェニルヒドラジンヒドロクロラ
イド(4.01g,18.0モル,Fisher Sci
entific USA),ペンチルフルオレノン−4
−カルボキシル酸ペンチルエステル(5.30g,18.
0モル),AcONa(1.48g,18モル)のEt
OH(100mL)溶液の混合物を5時間還流させた。
上記反応混合物を20−25℃に冷却し,エタノールと
水で洗浄して黄色柱状結晶状態の化学式29の化合物を
得た(収率:89%,mp181−183℃)。
【0215】H−NMR(CDCl),δppm:
0.94(t,J=6.3Hz,3H),1.38−1.4
3(m,4H),1.84−1.77(m,2H),3.
07(s,3H),4.37−4.45(m,2H),
7.20−7.42(m,5H),7.66−7.71
(m,1H),7.81−7.84(m,3H),7.8
7−8.39(m,2H),9.11(d,J=10.9
9Hz,1H)。
【0216】化学式30の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)と4−
メチルスルホニルフェニルヒドラジン(1.86g,0.
01モル,Fisher Scientific US
A)とをTHF20mlと混合し,これを撹拌しながら
16時間還流させた。上記反応混合物から溶媒を除去し
て化学式30の化合物を粗生成物状態に分離し,これを
再結晶させて精製した。
【0217】H.式VIIIによる電荷輸送物質の合成N−(4−スチルベニル)−N−フェニルヒドラジン N−(4−スチルベニル)−N−フェニルヒドラジンは
本特許で参照として統合された引用文献(Zh.Org.
Khim.(1967),3(9),1605−3,M
atevosyan el al.)に記述された方法
と類似した方法によって製造した。
【0218】フェニルヒドラジン(97g,0.9モ
ル,Aldrich社)とp−クロロスチルベン(2
1.4g,0.1モル,Aldrich社)との混合物を
沸点まで加熱した後,この混合物が赤色をそれ以上帯び
ないまでナトリウムを徐々に付加した。所定時間煮沸し
た後,混合物をエタノール1750mlに溶解してから
これを−15℃に冷却した。このように得られた沈殿生
成物を再結晶させてN−4−[(9H−フルオレン−9
−イリデン)ベンジル]−N−フェニルヒドラジンを得
た(収率:28%)。
【0219】化学式31の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸ペンチルエステル(2.94g,0.01モル)とN
−(4−スチルベニル)−N−フェニルヒドラジン
(2.86g,0.01モル)とをTHF20mlと混合
し,これを撹拌しながら16時間還流させた。上記反応
混合物から溶媒を除去して化学式31の化合物を粗生成
物状態に分離し,これを再結晶させて精製した。
【0220】化学式32の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)とN−
(4−スチルベニル)−N−フェニルヒドラジン(2.
86g,0.01モル)とをTHF20mlと混合し,
これを撹拌しながら16時間還流させた。上記反応混合
物から溶媒を除去して化学式32の化合物を粗生成物状
態に分離し,これを再結晶させて精製した。
【0221】I.式IXによる電荷輸送物質の合成5−メチル−1−フェニル−3−(1−フェニルヒドラ
ジノ)−ピラゾール 5−メチル−1−フェニル−3−(1−フェニルヒドラ
ジノ)−ピラゾールは本特許で参照として統合された引
用文献(J.Chem.Soc.C(1971),(1
2),2314−17,Boyd et el.)によ
って製造される。
【0222】化学式33の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸ペンチルエステル(2.94g,0.01モル)と5
−メチル−1−フェニル−3(1−フェニルヒドラジ
ノ)−ピラゾール(2.64g,0.01モル)とをTH
F20mlと混合し,これを撹拌しながら16時間還流
させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化学式33
の化合物を粗生成物状態に分離し,これを再結晶させて
精製した。
【0223】化学式34の化合物 1:1混合モル比の9−フルオレノン−4−カルボキシ
ル酸デシルエステル(3.64g,0.01モル)と5−
メチル−1−フェニル−3−(1−フェニルヒドラジ
ノ)−ピラゾール(2.64g,0.01モル)とをTH
F20mlと混合し,これを撹拌しながら16時間還流
させた。上記反応混合物から溶媒を除去して化学式34
を粗生成物状態に分離し,これを再結晶させて精製し
た。
【0224】J.式Xによる電荷輸送物質の合成1−アミノピロールの製造 1−アミノピロールはN−アミノフタルアミドを出発物
質として下記2段階にわたって製造した。
【0225】第1段階:2−(1H−ピロール−1−イ
ル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン N−アミノフタルアミド(10g,62モル;Aldr
ich Chemicals)と1,5−ジメトキシテ
トラヒドロフラン(12mL,90モル;Aldric
h Chemicals)は無水1,4−ジオキサン1
00mlに数分間還流させて澄んだ黄色溶液を形成し
た。その後,反応混合物に5N HCl(10mL)を
付加した後,撹拌した。反応時間が15〜20分経過し
た後には白い沈殿物が生成され始まった。沈殿物が形成
された溶液をさらに1時間撹拌した後,氷−水バスを利
用して冷却した。
【0226】このように形成された沈殿物をろ過し,こ
れを3:1混合比のジオキサン/水150mlで洗浄
し,これを空気中で乾燥させて黄色柱状結晶を得た(収
率:78%;mp 219−220℃)。生成物の
−NMRと13C−NMRの分析結果,構造を確認し
た。
【0227】第2段階:1−アミノピロールの製造 黄色柱状結晶(103g,0.5モル)のメタノール
(500ml)懸濁液にヒドラジン水和物(88%,w
/v,Aldrich Chemicals)30ml
を付加した。上記懸濁液が消え,結果的に得られた溶液
を加熱して還流させた。澄んだ溶液から白い固体が形成
された。還流条件下で45分間加熱後には反応混合物を
室温に冷却し,アセト酸15mlを付加してこれを撹拌
した。このように得られた固体をろ過した後,これをメ
タノールで洗浄した。ろ液を集めて濃縮して白い残留物
を得て,ここにNaOH(2M,100mL)を付加し
て溶解した。上記混合物をエーテルで抽出してMgSO
を利用して乾燥させ,これを濃縮して黄色オイルを得
た(収率:40%)。生成物のH−NMRと13C−
NMRスペクトルを分析した結果,この構造を確認し
た。
【0228】H−NMR(CDCl),δ(pp
m):4.86(brs,2H),6.04(brs,2
H),6.70(brs,2H)。
【0229】13C−NMR(CDCl),δ(pp
m):106.3,121.9。
【0230】化学式35の化合物 9−フルオレノン−4−カルボキシル酸ペンチルエステ
ル(5.88g,10モル)と1−アミノピロール(1.
64g,10モル)とを微量のアセト酸及びエタノール
と混合してこれを5時間還流した。上記混合物を0℃ま
で冷却して溶媒をろ過した。固体を冷たいエタノールで
洗浄して純粋な化学式35の化合物を黄色い結晶状態に
得た(収率:60%,mp87.1−88℃)。
【0231】H−NMR(CDCl),δppm:
0.92−0.97(t,J=3Hz,3H),1.43
−1.49(m,4H),1.79−1.88(m,2
H),4.42(t,J=6.7Hz,2H),6.32
−6.33(m,2H),6.79−6.88(m,2
H),6.95(d,J=7.7Hz,1H),7.01
−7.17(m,1H),7.36−7.51(m,2
H),7.89(td,J=7.8Hz,42.6Hz,
1H),8.14(t,J=7.5Hz,1H),8.2
8(d,J=7.8Hz,1H)。
【0232】K.イオン化ポテンシャルプロトコル イオン化ポテンシャル(Ip)測定用試料は化学式1
1,化学式29,及び化学式35で表示される化合物を
各々テトラヒドロフランに溶解して製造した。
【0233】各溶液は,メチルセルローズ系接着性サブ
層が精巧にコーティングされたアルミニウムメッキ処理
されたポリエステル基板上にハンドコーティングして電
荷輸送物質(CTM)層を形成した。上記サブ層はCT
M層の接着力を改善し,CTMの結晶化を遅延させてC
TM層の欠陥を通過してアルミニウム層から電子光放出
が起きないようにする役割をする。6.4eV以下の量
子エネルギーを有する光を照射すれば,サブ層を通過し
てAl層からいかなる光放出も観察されなかった。また
接着性サブ層は測定中に電荷蓄積を避けうる十分の伝導
性を有している。サブ層とCTM層の厚さは約0.4μ
mである。Ip測定用試料準備時にCTM層には結合剤
が使われなかった。
【0234】イオンポテンシャルは,本発明に参照とし
て統合された引用文献("大気圧光電子放出分析による
有機顔料のイオン化ポテンシャル"(ionizati
onPotential of Organic Pi
gment Film by Atmospheric
Photoelectron EmissionAn
alysis),Electrophotograph
y,28,Nr.4,p.364.(1989),E.M
iyamoto,Y.Yamaguchi及びM.Yo
koyama)に記述されたことと類似したエア法の電
子光放出法によって測定された。試料に重水素ランプ供
給源を有する石英単色光器を利用して単色光を照射し
た。入射光ビームパワーは2〜5×10−8Wであっ
た。試料基板に負電圧−300Vが印加された。イルミ
ネーション用4.5×15mmスリットを有しているカ
ウンタ電極は試料表面と8mmだけ離れた距離に配置され
た。カウンタ電極はBK2−16タイプであり,開放入
力体制で作動され,光電流を測定するための電位計の入
力装置に連結された。光照射時,10−15〜10
−12amp光電流が回路に流入された。光電流Iは入
射光フォトンエネルギーhνに非常に依存的であった。
0.5=f(hν)依存度がプロットされた。一般に
入射光量子エネルギーに対する光電流平方根の依存度は
しきい値近くの線形関係でよく説明される(引用文献:
大気圧光電子放出分析による有機顔料のイオン化ポテン
シャル,Electrophotography,2
8,No.4,p.364.(1989),E.Miya
moto,Y.Yamaguchi及びM.Yokoy
ama“固体での光放出”,Topics in Ap
plied Physics,26,1−103(19
78),M.Cordona&L.Ley)。このよう
な依存度が線形関係を示す領域はhν軸に外挿され,I
p値は区画点でフォトンエネルギーで決定される。イオ
ン化ポテンシャル測定値は±0.03eV誤差を有す
る。イオン化ポテンシャルデータは表1の通りである。
【0235】I.ホール移動度 電荷移動度測定用試料は,化学式11,化学式29,及
び化学式35で表示される化合物の各々を結合剤と共に
テトラヒドロフランに溶解して10%固体溶液を製造し
た。上記結合剤としてはポリカーボネートZ200(M
itsubishi Engineering Pla
stics)を使用した。試料/結合剤の混合比率は
4:6または5:5である。各溶液をアルミニウムメッ
キ処理されたポリエステル基板上にコーティングしてC
TM層を形成した。このとき,CTM層の厚さは5〜1
0μm範囲である。
【0236】ホールドリフト移動度は飛行時間法を利用
して測定した(本発明に参照として統合された引用文
献:The discharge kinetics
ofnegatively charged Se e
lectrophotographic layer
s’,lithuanian Journal ofP
hysics,6,p.569−576(1966),
E.Montrimas,V.Gaidelis,an
d APazera)。ポジティブコロナ帯電はCTM
層内部に電界を発生させた。窒素レーザーパルスを照射
すれば電荷キャリアが層表面で発生する(パルス印加時
間は2nsであり,波長337nm)。パルス印加によ
って層表面ポテンシャルは照射される前の初期ポテンシ
ャル対比1〜5%まで減少した。ワイド周波数バンド電
位計に連結されたキャパシタンスプルーブを利用して表
面ポテンシャルの速度dU/dtを測定する。通過時刻
は線形または二重ログ子で瞬間的なdU/dtの曲
線での変化(kink)を測定して決定される。ドリフ
ト移動度は式μ=d/U・tによって計算される
が,ここでdは層厚さであり,Uはパルス照射時の表
面ポテンシャルである。
【0237】電界強度での移動度値E,6.4×10
V/cmは表1に示されている。
【0238】
【表1】
【0239】M.二重層有機感光体製造方法 インバート二重層有機感光体は化学式9〜35で表示さ
れる化合物を利用して製造される。化学式9〜35で表
示される化合物のうち一つの50wt%とポリカーボネ
ートZ結合剤を含む電荷輸送溶液は上記化合物(1.2
5g)のテトラヒドロフラン(8.0g)溶液と,ポリ
カーボネートZ(1.25g)のトルエン(2.50g)
溶液と混合して製造した。それから上記電荷輸送溶液を
0.3ミクロンのポリエステル樹脂サブ層(Vitel
PE−2200,Bostik社)を有する3mil
(76マイクロメーター)厚さのアルミニウムメッキ処
理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(Mel
inex 442 polyester film,D
upont having 1ohm/squarea
luminum vapor coat)の上部にナイ
フ−コーティングした。
【0240】分散液はオキシチタンフタロシアニン顔料
(H.W.Sands Corp.)112.7g,S−L
ec B Bx−5ポリビニルブチラル樹脂(Seki
sui Chemical Co.Ltd.)49g及
びメチルエチルケトン651gよりなる懸濁液700g
を再循環モードで動作する水平サンドミルを使用して8
時間微分化させて製造した。このように得られた分散液
10gをメチルエチルケトンで3倍希薄した後,これを
上記電荷輸送層の上部にハンドナイフコーティングし,
80℃で10分間乾燥して厚さ0.27μmの電荷発生
層を形成した。
【0241】N.単層有機感光体製造方法 単層有機感光体は,蒸気コーティングされたアルミニウ
ム層を有する76.2ミクロン(3mil)厚さのポリ
エステル基板(CP Films社)の上部にハンドナ
イフコーティングして形成した。単層有機感光体用コー
ティング溶液は20wt%の電子輸送化合物とテトラヒ
ドロフランとのプリミックス溶液2.4g,25wt%
の電荷輸送物質のテトラヒドロフランを含むプリミック
ス溶液6.66g,12%ポリビニルブチラル(BX−
1,Sekisui Chemical Co.Lt
d.)とテトラヒドロフランとを含むプリミックス溶液
7.67g,2.3:1混合比の19%チタニルオキシフ
タロシアニンとポリビニルブチラル樹脂(BX−5,S
ekisui Chemical Co.Ltd.)と
を含むCGMミルベース0.74gを混合し,ここにテ
トラヒドロフラン0.34gをさらに付加して固体含量
が18wt%の最終的な溶液を製造した。上記CGMミ
ルベースは,チタニルオキシフタロシアニン(H.W.
Sands Corp.)112.7gを,MEK 65
1gのポリビニルブチラル樹脂(BX−5)49gとM
EK 651gとを水平ミル(model LMC12
DCMS,Netzsch Incorporate
d)で1ミクロンのジルコニウムビーズを使用して再循
環モードで4−8時間ミリングして得た。最終的な溶液
を機械的シェーカで約1時間混合した後,単層コーティ
ング溶液をギャップ間隔が94ミクロンであるナイフコ
ーターを使用して上記基板上にコーティングした後,1
10℃で5分間オーブンで乾燥させた。
【0242】O.静電気テスト 本発明の実施形態の電荷輸送化合物の拡張静電気サイク
ル特性は,自体的にデザイン及び開発されてドラム周囲
を取り囲んでいる3つの試料ストリップまでテストでき
るテストベッドを使用して評価した。上記三つのコーテ
ィングされた試料ストリップの各々は50cm長さ,
8.8cm幅を有しており,アルミニウムドラム(円周
50.3cm)周囲に互いに近接して及び完全に固定さ
せた。ストリップのうち少なくとも一つは精密ウェブコ
ーティングされており,内部標準ポイントとして使われ
る対照試料(例:米国特許第6,140,004号の化合
物2)であった。このような静電気サイクル特性テスタ
でドラムは8.13cm/min(3.2ips)の速度
で回転し,テスタで各ステーションの位置(サイクル当
り距離及び経過時刻)は表2の通りである。
【0243】
【表2】
【0244】第1静電気プルーブ(商品名トラック34
4 electrostaticmeter,Trek
Inc.)はレーザーストライクステーション後に0.
3sに位置し,スコロトロン後には0.78sに位置す
る。また,第2のプルーブ(トラック344静電気メー
ター)は第1プルーブから1.21sに位置し,スコロ
トロンから1.99sに位置する。あらゆる測定装置は
通常的な周辺温度と相対湿度で実施した。
【0245】静電気測定結果は数多くのテストを経て蓄
積された。最初の3つの診断テスト(prostar
t,VlogE initial,dark deca
y initial)は新規試料の静電気サイクル試験
を評価できるようにデザインされ,最後の3つの同じ診
断テスト(prodend,VlogE,drak d
ecay final)は試料のサイクル試験(ロング
ラン)後に作動された。
【0246】1)PRODTEST:電荷許容及び放電
電圧ベースラインは3つのドラムが完全に回転(レーザ
ーオフ)する間に試料をコロナ帯電させて確立し(消去
バーはテスト中に作動される),4番目のサイクルでレ
ーザー@780nm&600dpiで放電され,次の3
つのサイクル中に完全帯電され(レーザーオフ),第8
サイクルで消去ランプ@720nmだけ放電され(コロ
ナ及びレーザーオフ),最終的に最後の3つのサイクル
中に完全帯電された(レーザーオフ)。
【0247】2)VLOGE:このテストは,固定され
た露光時間(露光時間:50ns)と一定の初期ポテン
シャルでベルトの放電電圧をレーザーパワーの関数とし
てモニタリングすることによって多様なレーザー強度範
囲で光導電体の光誘導放電を測定する。
【0248】3)DARK DECAY:このテスト
は,レーザーまたは消去照射のない状態で経時的な電荷
許容損失を測定し,(i)電荷発生層から電荷輸送層へ
の残留ホールの注入,(ii)トラップ電荷の熱的遊離,
(iii)表面またはアルミニウム接地面から電荷注入の
指示子として使われる。
【0249】4)LONGRUN:ベルトは各ベルト−
ドラム1回転当り下記順序によって100ドラム回転中
に静電気的に回転した。ベルトはコロナ帯電され,レー
ザーはオン及びオフ(80−100゜セクション)が反
復されてベルトの一部分を放電させ,最後に消去ランプ
で後続サイクルのために全体ベルトを放電させた。ベル
トの第1領域は露光されず,第2領域はいつも露光さ
れ,第3領域は露光されず最後の領域はいつも露光され
るようにレーザーを周期的に照射した。このパターンは
ドラムが総100回回転される間に反復され,毎5番目
のサイクルでデータを記録した。
【0250】5)100回のサイクル(ロングランテス
ト)後,PRODTEST,VLOGE,DARK D
ECAY診断テストが再実施された。
【0251】P.(4−n−ブトキシカルボニル−9−
フルオレニリデン)マロニトリル温度計,機械的撹拌器
及び還流コンデンサが取り付けられた1リットル3口の
丸い底のフラスコに,濃い硫酸(4.7モル,anal
ytical grade,Sigma−Aldric
h)460g及びジフェン酸(0.41モル,Acro
s Fisher Scientific Compa
ny Inc.)100gを付加した。ヒーティングマ
ントルを利用してフラスコを135〜145℃で12分
間加熱してから室温に冷却した。室温に冷却した後,上
記溶液を3リットルの水が入っている4Lのエルレンマ
イヤーに付加した。上記混合物を機械的に撹拌して1時
間弱く煮沸した。黄色固体を熱い状態でろ過して,洗浄
水のpHが中性になるまで熱い湯で洗浄し,これを空気
中で一晩中乾燥させた。黄色固体はフルオレノン−4−
カルボキシル酸であった(75g,80% yiel
d,mp223〜224℃)。フルオレノン−4−カル
ボキシル酸のH−NMRスペクトル(d−DMS
O,300MHz NMR from Bruker
Instrument)は次の通りである。
【0252】H−NMRスペクトル(d−DMS
O)δ(ppm)7.39−7.50(m,2H);7.
79−7.70(q,2H);7.74−7.85(d,
1H);7.88−8.00(d,1H);8.18−8.
30(d,1H),ここでdはダブレット,tはトリプ
レット,mはマルチプレット,ddはダブレットダブレ
ット,qはクインテットを示す。
【0253】機械的撹拌器と,ディーンスターク装置が
備わった還流コンデンサとが取り付けられた2Lの丸い
底のフラスコにフルオレノン−4−カルボキシル酸70
g(0.312モル),n−ブタノール(Fisher
Scientific Company Inc.)
480g(6.5モル),トルエン1000ml及び濃
い硫酸4mlを付加した。上記溶液を激しく撹拌しなが
ら5時間還流させたが,上記還流過程中にディーンスタ
ーク装置に約6gの水が集められた。上記フラスコを室
温に冷却した。溶媒を蒸発させて残留物を得て,3%の
重炭酸ナトリウム水溶液4リットルを撹拌しながらここ
に上記残留物を付加した。上記結果物から得られた固体
をろ過して,水のpHが中性になるまで水で洗浄してフ
ードで一晩中乾燥させた。上記生成物はn−ブチルフル
オレノン−4−カルボン酸エステルであった(70g,
収率:80%)。
【0254】n−ブチルフルオレノン4−カルボン酸エ
ステルのH−NMRスペクトルは溶媒としてCDCl
と300MHz NMR(Bruker Instr
ument)を利用して得られ,その結果は次の通りで
ある。
【0255】H−NMRスペクトル(d−DMS
O):δ(ppm):0.87−1.09(t,3H);
1.42−1.70(m,2H);1.75−1.88
(q,2H);4.26−4.64(t,2H);7.2
9−7.45(m,2H);7.46−7.58(m,1
H);7.60−7.68(dd,1H);7.75−7.
82(dd,1H);7.90−8.00(dd,1
H);8.25−8.35(dd,1H)。
【0256】機械的撹拌器及び還流コンデンサが取り付
けられた2リットル3口の丸い底のフラスコに,n−ブ
チルフルオレノン−4−カルボン酸エステル70g
(0.25モル),無水アルコール750ml,マロニ
トリル37g(0.55モル,Sigma−Aldri
ch社)及びピペリジン20滴(Sigma−Aldr
ich社)100gを付加した。上記混合物を8時間還
流させ,上記フラスコを室温に冷却した。オレンジ粗生
成物をろ過し,メタノール70mlで2回洗浄し,水1
50mlで1回洗浄してフードで一晩中乾燥させた。こ
のように得られたオレンジ粗生成物を,活性化されたチ
ャコールを利用したアセトン600mlとメタノール3
000mlとの混合物を使用して再結晶した。上記フラ
スコを0℃で16時間放置した。得られた結晶をろ過し
て50℃に調節された真空オーブンで6時間乾燥して純
粋な(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニリ
デン)マロニトリル60gを得た(mp99−100
℃)。
【0257】(4−n−ブトキシカルボニル−9−フル
オレニリデン)マロニトリルのH−NMRスペクトル
(CDCl,300MHz NMR from Br
uker Instrument)は次の通りである。
【0258】H−NMRスペクトル(CDCl):
δ(ppm)0.74−1.16(t,3H);1.38
−1.72(m,2H);1.70−1.90(q,2
H);4.29−4.55(t,2H);7.31−7.4
3(m,2H);7.45−7.58(m,1H);7.
81−7.91(dd,1H);8.15−8.25(d
d,1H);8.42−8.52(dd,1H);8.5
6−8.66(dd,1H)。
【0259】比較例A 比較例Aは,蒸気コーティングされたアルミニウム層を
有する76.2ミクロン(3mil)厚さのポリエステ
ル基板(CP Films社)を有する単層有機感光体
であった。上記単層有機感光体用コーティング溶液は,
20%(4−n−ブトキシカルボニル−9−フルオレニ
リデン)マロニトリルのテトラヒドロフラン溶液2.4
g,25%MPCT−10(電荷輸送物質,Mitsu
bishi Paper Mills社)のテトラヒド
ロフラン溶液6.66g,12%ポリビニルブチラル樹
脂(BX−1,Sekisui Chemical C
o.Ltd.)のテトラヒドロフラン溶液7.65gをプ
リミックスして得た。
【0260】その後,上記混合物に,2.3:1混合比
で19%チタニルオキシフタロシアニンとポリビニルブ
チラル樹脂(BX−5,Sekisui Chemic
alCo.Ltd.)とを含むCGMミルベース0.74
gを付加した。上記CGMミル−ベースはチタニルオキ
シフタロシアニン(H.W.Sands Corp.)
112.7gとポリビニルブチラル樹脂(BX−5)4
9g及びMEK 651gを水平サンドミル(mode
l LMC12 DCMS,NetzschIncor
porated)で1ミクロンジルコニウムビードと共
に再循環モードで4時間ミリングして製造した。機械的
シェーカで約1時間混合した後,単層コーティング溶液
を上記基板上にギャップ間隔94ミクロンのナイフコー
ターを利用してコーティングした後,これを110℃で
5分間乾燥させた。
【0261】表3は,電子輸送化合物として化学式11
の化合物を使用した有機感光体と,(4−n−ブトキシ
カルボニル−9−フルオレニリデン)マロニトリルを利
用した比較例の静電気サイクル特性を示したものであ
る。このとき,比較例の場合に,(4−n−ブトキシカ
ルボニル−9−フルオレニリデン)マロニトリルを除外
した残りの成分は化学式11の化合物を利用して有機感
光体を製造する過程と同一に実施した。
【0262】
【表3】
【0263】表3から,コントラスト電圧(Con
t.)はプルーブ#1で測定したように電荷許容電圧
(CA)とレーザー放電電圧(Disch)との差を示
す。1.2秒間の官能性暗殺(functional
dark decay)(DD)はプルーブ#1とプル
ーブ#2との電圧差によって決定される。残留電圧(R
es)はprodtestの第8サイクル中に以前のコ
ロナ帯電後9.2秒,そして消去後3秒に測定した。乾
式複写の放射感度(m/Jの780nmでの感度)
は,感光体が初期ポテンシャルの1/2に放電されるの
に必要なレーザーパワー,露光時間及び1/スポット大
きさの積の逆数を計算してVLODGE診断作動中に得
られた情報から定められる。
【0264】本発明について上記実施形態を参考して説
明したが,これは例示的なものに過ぎない。いわゆる当
業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想
の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得
ることは明らかであり,それらについても当然に本発明
の技術的範囲に属するものと了解される。
【0265】
【発明の効果】本発明の9H−フルオレン−9−オンヒ
ドラジノ置換された化合物及びその誘導体を含む電荷輸
送化合物を利用すれば,機械的及び静電気的特性に優れ
た有機光受容体を得られる。さらに,この有機光受容体
を採用すれば,反復的なサイクル後にも高品質の画像を
得られる電子写真画像形成装置を製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/347183 (32)優先日 平成14年1月8日(2002.1.8) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/347185 (32)優先日 平成14年1月8日(2002.1.8) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/347049 (32)優先日 平成14年1月8日(2002.1.8) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/347186 (32)優先日 平成14年1月8日(2002.1.8) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/347048 (32)優先日 平成14年1月8日(2002.1.8) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/347190 (32)優先日 平成14年1月8日(2002.1.8) (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 ジュブラン ナスアラー アメリカ合衆国 ミネソタ州 55119,セ ントポール,モーニングサイド ドライブ 18 (72)発明者 トカルスキ ズビグニエフ アメリカ合衆国 ミネソタ州 55125,ウ ッドバリー,メドウ ブルック ドライブ 3170 (72)発明者 カトリッツキー アール アラン アメリカ合衆国 フロリダ州 32601,ガ イネスヴィレ,エスダブリュ トゥウェン ティーファースト アヴェニュー 1221 (72)発明者 ジェイン リツ アメリカ合衆国 フロリダ州 32601,ガ イネスヴィレ,エスダブリュ シックステ ィーンス アヴェニュー 999,114番 (72)発明者 メイメイ レクシア アメリカ合衆国 オハイオ州 45249,シ ンシナッティ,サイカモア テラス 12185,ドライブアパート C番 (72)発明者 バクレンコ ヴイ アナトリー アメリカ合衆国 フロリダ州 32601,ガ イネスヴィレ,エスダブリュ シックステ ィーンス アヴェニュー 1001,113番 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA20 AA31 AA34 AA35 AA55 BA23 BA39 2H069 AA00

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)下記化学式で表示される中心核を
    有する電荷輸送物質と,(b)電荷発生化合物と,
    (c)導電基板とを含むことを特徴とする有機感光体。 【化1】 上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H−
    フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルスル
    ホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
    は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
    択されるが,Aがナフチル基であるときに,Bはナフチ
    ル基である。
  2. 【請求項2】 前記化学式中のAとBは,互いに独立的
    に,5,6,または7輪原子を有する複素環基,及び芳
    香族基よりなる群から選択され,前記輪原子は,C,
    N,S,Se,及びOよりなる群から選択されることを
    特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  3. 【請求項3】 前記電荷輸送物質は,下記化学式で表示
    される中心核を有することを特徴とする請求項1または
    2のうちのいずれか1項に記載の有機感光体。 【化2】 上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H−
    フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルスル
    ホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
    は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
    択され,Rは,水素,ハロゲン,ヒドロキシ基,チオル
    基,ニトロ基,ニトリル基,分枝型若しくは線形アルコ
    キシ基,分枝型若しくは線形アルキル基,分枝型,輪若
    しくは線形不飽和炭化水素基,エステル基,エーテル
    基,アミノ基,複素環基,アリル基,及び輪若しくは多
    環式輪の一部よりなる群から選択される。
  4. 【請求項4】 前記化学式中のAとBは,互いに独立的
    に,5,6,または7輪原子を有する複素環基,及び芳
    香族基よりなる群から選択され,前記輪原子は,C,
    N,S,Se,及びOよりなる群から選択された一つ以
    上であり,前記Rは,水素,ハロゲン,アルキル基,ア
    ルコキシ基,アリル基,及び複素環基よりなる群から選
    択されることを特徴とする請求項3に記載の有機感光
    体。
  5. 【請求項5】 前記電荷輸送物質は,下記化学式で表示
    される化合物のうちの少なくとも一つを含むことを特徴
    とする請求項1,2,3,または4のうちのいずれか1
    項に記載の有機感光体。 【化3】 上記化学式中,Rは,複素環基,ナフチル基,(9H
    −フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルス
    ルホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,R
    は,水素,分枝型若しくは線形アルキル基,分枝型若
    しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形不飽和炭
    化水素基,エーテル基,シクロアルキル基,またはアリ
    ル基であるが,Rがナフチル基であるときに,R
    ナフチル基であり,R,R,R,R,R,R
    ,R,R10は,互い独立的に,水素,ハロゲン,
    ヒドロキシ基,チオル基,ニトロ基,ニトリル基,分枝
    型若しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形アル
    キル基,分枝型若しくは線形不飽和炭化水素基,エステ
    ル基,エーテル基,アミノ基,シクロアルキル基,複素
    環基,アリル基,または輪若しくは多環式輪の一部であ
    る。
  6. 【請求項6】 前記Rが,スルホラニル基,ピロリル
    基,テトラゾリル基,ベンゾトリアゾリル基,ピラゾリ
    ル基,スチルベニル基,(9H−フルオレン−9−イリ
    デン)ベンジル基,またはアルキルスルホフェニル基で
    あることを特徴とする請求項5に記載の有機感光体。
  7. 【請求項7】 前記R及びRが,互いに独立的にナ
    フチル基であることを特徴とする請求項5または6のう
    ちのいずれか1項に記載の有機感光体。
  8. 【請求項8】 フレキシブルベルト形態またはドラム形
    態であることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,
    6,または7のうちのいずれか1項に記載の有機感光
    体。
  9. 【請求項9】 (a)下記化学式で表示される中心核を
    有する電荷輸送物質及び高分子結合剤を含む電荷輸送層
    と,(b)電荷発生化合物及び高分子結合剤を含む電荷
    発生層と,(c)導電基板とを含むことを特徴とする有
    機感光体。 【化4】 上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H−
    フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルスル
    ホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
    は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
    択されるが,Aがナフチル基であるときに,Bはナフチ
    ル基である。
  10. 【請求項10】 (a)複数の支持ローラと,(b)前
    記支持ローラの周囲にスレッデッドフレキシブルベルト
    形態の有機感光体とを含み,前記有機感光体は(i)下
    記化学式で表示される電荷輸送物質と,(ii)電荷発生
    化合物と,(iii)導電基板とを含むことを特徴とする
    電子写真画像形成装置。 【化5】 上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H−
    フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルスル
    ホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
    は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
    択されるが,Aがナフチル基であるときに,Bはナフチ
    ル基である。
  11. 【請求項11】 前記複素環基及び芳香族基が,5,
    6,または7輪原子を有し,前記輪原子が,C,N,
    S,Se及びOよりなる群から選択された一つ以上であ
    ることを特徴とする請求項10に記載の電子写真画像形
    成装置。
  12. 【請求項12】 前記電荷輸送物質は,下記化学式で表
    示される中心核を有することを特徴とする請求項10ま
    たは11のうちのいずれか1項に記載の電子写真画像形
    成装置。 【化6】 上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H−
    フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルスル
    ホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
    は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
    択され,Rは,水素,ハロゲン,ヒドロキシ基,チオル
    基,ニトロ基,ニトリル基,分枝型若しくは線形アルコ
    キシ基,分枝型若しくは線形アルキル基,分枝型,輪,
    若しくは線形不飽和炭化水素基,エステル基,エーテル
    基,アミノ基,複素環基,アリル基,及び輪若しくは多
    環式輪の一部よりなる群から選択される。
  13. 【請求項13】 前記複素環基及び芳香族基は,5,
    6,または7輪原子を有し,前記輪原子は,C,N,
    S,Se,及びOよりなる群から選択された一つ以上で
    あり,前記Rは,水素,ハロゲン,アルキル基,アルコ
    キシ基,アリル基,及び複素環基よりなる群から選択さ
    れることを特徴とする請求項12に記載の電子写真画像
    形成装置。
  14. 【請求項14】 前記電荷輸送物質は下記化学式で表示
    されることを特徴とする請求項10,11,12,また
    は13のうちのいずれか1項に記載の電子写真画像形成
    装置。 【化7】 上記化学式中,Rは,複素環基,ナフチル基,(9H
    −フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルス
    ルホニルフェニル基,またはスチルベニルであり, R
    は,水素,分枝型若しくは線形アルキル基,分枝型若
    しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形不飽和炭
    化水素基,エーテル基,シクロアルキル基,またはアリ
    ル基であるが,Rがナフチル基であるときに,R
    ナフチル基であり,R,R,R,R,R,R
    ,R,R10は,互いに独立的に,水素,ハロゲ
    ン,ヒドロキシ基,チオル基,ニトロ基,ニトリル基,
    分枝型若しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形
    アルキル基,分枝型若しくは線形不飽和炭化水素基,エ
    ステル基,エーテル基,アミノ基,シクロアルキル基,
    複素環基,アリル基,輪若しくは多環式輪の一部分より
    なる群から選択された一つ以上である。
  15. 【請求項15】 前記Rが,スルホラニル基,ピロリ
    ル基,テトラゾリル基,ベンゾトリアゾリル基,ピラゾ
    リル基,スチルベニル基,(9H−フルオレン−9−イ
    リデン)ベンジル基,またはアルキルスルホニルフェニ
    ル基であることを特徴とする請求項14に記載の電子写
    真画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記R及びRが互いに独立的にナ
    フチル基であることを特徴とする請求項14に記載の電
    子写真画像形成装置。
  17. 【請求項17】 (a)(i)下記化学式で表示される
    電荷輸送物質,(ii)電荷発生化合物,及び(iii)導
    電基板を含む請求項1,2,3,4,5,6,7,8,
    または9のうちのいずれか1項の有機感光体の表面に電
    荷を提供する段階と, 【化8】 上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H−
    フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルスル
    ホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
    は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
    択されるが,Aがナフチル基であるときに,Bはナフチ
    ル基であり,(b)前記有機感光体の表面に光を照射し
    てイメージ方向に露光処理して所定領域に電荷を分散さ
    せて,前記有機感光体の表面に帯電領域と放電領域のパ
    ターンを形成する段階と,(c)前記有機感光体の表面
    を有機液体と着色剤粒子の分散液とを含む液体トナーと
    接触させて色調画像を形成する段階と,(d)前記色調
    画像を基板に転写させる段階とを含むことを特徴とする
    電子写真画像形成方法。
  18. 【請求項18】 下記化学式で表示されることを特徴と
    する電荷輸送物質。 【化9】 上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H−
    フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルスル
    ホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
    は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
    択されるが,Aがナフチル基であるときに,Bはナフチ
    ル基である。
  19. 【請求項19】 前記電荷輸送物質は下記化学式で表示
    される中心核を有することを特徴とする請求項18に記
    載の電荷輸送物質。 【化10】 上記化学式中,Aは,複素環基,ナフチル基,(9H−
    フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルスル
    ホニルフェニル基,またはスチルベニル基であり,B
    は,水素,アルキル基,及びアリル基よりなる群から選
    択され,Rは,水素,ハロゲン,ヒドロキシ基,チオル
    基,ニトロ基,ニトリル基,分枝型若しくは線形アルコ
    キシ基,分枝型若しくは線形アルキル基,分枝型,輪,
    若しくは線形不飽和炭化水素基,エステル基,エーテル
    基,アミノ基,複素環基,アリル基,及び輪若しくは多
    環式輪の一部よりなる群から選択される。
  20. 【請求項20】 前記化学式中,AとBは,互いに独立
    的に,5,6,または9輪原子を有する複素環基,及び
    芳香族基よりなる群から選択され,前記輪原子は,C,
    N,S,Se,及びOよりなる群から選択された一つ以
    上であり,前記Rは,水素,ハロゲン,アルキル基,ア
    ルコキシ基,アリル基,及び複素環基よりなる群から選
    択されることを特徴とする請求項18に記載の電荷輸送
    物質。
  21. 【請求項21】 前記電荷輸送物質が下記化学式で表示
    される中心核を有することを特徴とする請求項18に記
    載の電荷輸送物質。 【化11】 上記化学式中,Rは,複素環基,ナフチル基,(9H
    −フルオレン−9−イリデン)ベンジル基,アルキルス
    ルホニルフェニル基,またはスチルベニルであり,R
    は,水素,分枝型若しくは線形アルキル基,分枝型若し
    くは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形不飽和炭化
    水素基,エーテル基,シクロアルキル基,またはアリル
    基であるが,Rがナフチル基であるときに,Rはナ
    フチル基であり,R,R,R,R,R
    ,R,R10は,互いに独立的に,水素,ハロゲ
    ン,ヒドロキシ基,チオル基,ニトロ基,ニトリル基,
    分枝型若しくは線形アルコキシ基,分枝型若しくは線形
    アルキル基,分枝型若しくは線形不飽和炭化水素基,エ
    ステル基,エーテル基,アミノ基,シクロアルキル基,
    複素環基,アリル基,または輪若しくは多環式輪の一部
    である。
  22. 【請求項22】 前記Rが,スルホラニル基,ピロリ
    ル基,テトラゾリル基,ベンゾトリアゾリル基,ピラゾ
    リル基,スチルベニル基,(9H−フルオレン−9−イ
    リデン)ベンジル基,またはアルキルスルホニルフェニ
    ル基であることを特徴とする請求項21に記載の電荷輸
    送物質。
  23. 【請求項23】 前記R及びRが,互いに独立的
    に,ナフチル基であることを特徴とする請求項21に記
    載の電荷輸送物質。
  24. 【請求項24】 (a)下記化学式で表示される中心核
    を有する電荷輸送物質と,(b)電荷発生化合物と,
    (c)導電基板とを含むことを特徴とする有機感光体。 【化12】 上記化学式中,Rは,N−ピロリル基,N−ピラゾリ
    ル基,N−テトラゾリル基,N−インドリル基,N−カ
    ルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−イミダゾリル
    基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−インダゾリル基,
    及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群から選択さ
    れ,Rは,9−フルオレノン,またはその誘導体のう
    ち一つである。
  25. 【請求項25】 (a)複数の支持ローラと,(b)前
    記支持ローラ周囲にスレッデッドフレキシブルベルト形
    態であり,(i)下記化学式で表示される電荷輸送物
    質,(ii)電荷発生化合物,及び(iii)導電基板を含
    む有機感光体を含むことを特徴とする電子写真画像形成
    装置。 【化13】 上記化学式中,Rは,N−ピロリル基,N−ピラゾリ
    ル基,N−テトラゾリル基,N−インドリル基,N−カ
    ルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−イミダゾリル
    基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−インダゾリル基,
    及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群から選択さ
    れ,Rは,9−フルオレノン,またはその誘導体のう
    ち一つである。
  26. 【請求項26】 (a)(i)下記化学式で表示される
    電荷輸送物質,(ii)電荷発生化合物,及び(iii)導
    電基板を含む有機感光体の表面に電荷を提供する段階
    と, 【化14】 上記化学式中,Rは,N−ピロリル基,N−ピラゾリ
    ル基,N−テトラゾリル基,N−インドリル基,N−カ
    ルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−イミダゾリル
    基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−インダゾリル基,
    及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群から選択さ
    れ,Rは,9−フルオレノン,またはその誘導体のう
    ち一つであり,(b)前記有機感光体の表面に光を照射
    してイメージ方向に露光処理して,所定領域に電荷を分
    散させて前記有機感光体の表面に帯電領域と放電領域の
    パターンを形成する段階と,(c)前記有機感光体の表
    面を有機液体と着色剤粒子の分散液とを含む液体トナー
    と接触させて,色調画像を形成する段階と,(d)前記
    色調画像を基板に転写させる段階とを含むことを特徴と
    する電子写真画像形成方法。
  27. 【請求項27】 下記化学式で表示されることを特徴と
    する電荷輸送物質。 【化15】 上記化学式中,Rは,N−ピロリル基,N−ピラゾリ
    ル基,N−テトラゾリル基,N−インドリル基,N−カ
    ルバゾリル基,N−トリアゾリル基,N−イミダゾリル
    基,N−ベンゾイミダゾリル基,N−インダゾリル基,
    及びN−ベンゾトリアゾリル基よりなる群から選択さ
    れ,Rは,9−フルオレノン,またはその誘導体のう
    ち一つである。
  28. 【請求項28】 電荷発生物質,電荷輸送物質,及び電
    子輸送化合物を含む単層形態であることを特徴とする請
    求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,または24
    のうちのいずれか1項に記載の有機感光体。
  29. 【請求項29】 電荷発生物質,電荷輸送物質,及び電
    子輸送化合物を含む単層形態であることを特徴とする請
    求項10,11,12,13,14,15,または16
    のうちのいずれか1項に記載の電子写真画像形成装置。
  30. 【請求項30】 前記有機感光体は,電荷発生物質,電
    荷輸送物質,及び電子輸送化合物を含む単層形態を有す
    ることを特徴とする請求項17,または26のうちのい
    ずれか1項に記載の電子写真画像形成方法。
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