JP2561924B2 - 有機感光体 - Google Patents

有機感光体

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JP2561924B2
JP2561924B2 JP62107783A JP10778387A JP2561924B2 JP 2561924 B2 JP2561924 B2 JP 2561924B2 JP 62107783 A JP62107783 A JP 62107783A JP 10778387 A JP10778387 A JP 10778387A JP 2561924 B2 JP2561924 B2 JP 2561924B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、有機感光体に関し、より詳しくは、電子写
真用感光体として好適な有機感光体に関する。
<従来の技術と発明が解決しようとする問題点> 近年、電子写真用感光体として、加工性がよく製造コ
ストの面で有利であると共に、機能設計の自由度が大き
な有機感光体が使用されている。なかでも、光照射によ
り電荷を発生させる電荷発生材料と、発生した電荷を輸
送する電荷輸送材料とにより、各機能を分離して高感度
化等を図るため、機能分離型の有機感光体が知られてい
る。また、上記電荷輸送材料としてヒドラゾン系化合物
を含有する感光体が知られている(特開昭61−270764号
公報および特開昭61−270766号公報参照)。
しかしながら、上記ヒドラゾン系化合物は、太陽光や
白色螢光灯等の光、特に、約430nm以下の短波長光ある
いは熱に対して安定でなく、光照射等により上記ヒドラ
ゾン系化合物が異性化したり二量化するため、メインテ
ナンス時等において、前記ヒドラゾン系化合物を含有す
る感光体に光が当ると、感光体の感度が低下すると共
に、感光体の表面電位および残留電位が高くなり、被写
画像部にカブリが生じ、画像品質が悪くなるという問題
がある。
<発明の目的> 本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ヒ
ドラゾン系化合物を含有するにも拘らず、光や熱等に対
して安定で、光が当っても感度等が低下することなく、
画像品質に優れた有機感光体を提供することを目的とす
る。
<問題点を解決するための手段および作用> 上記目的を達成するため、本発明の有機感光体は、電
荷輸送材料として下記一般式(1)で表されるヒドラゾ
ン化合物を含有する感光層を有する感光体において、上
記感光体層が、下記一般式(2)または(3)で表され
るフルオレン化合物のうちの少なくとも一方を含有する
ことを特徴とするものである。
(式中、R1は水素原子または低級アルキル基を示す。) (式中、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ同一
または異なって、水素原子または低級アルキル基を示
す。) (式中、R2およびR3は上記に同じ。R8およびR9は、それ
ぞれ同一または異なって、水素原子または低級アルキル
基を示す。) 上記構成の有機感光体によれば、感光層が、上記一般
式(1)で表されるヒドラゾン化合物と、一般式(2)
または(3)で表されるフルオレン化合物のうちの少な
くとも一方とを含有しているので、光照射によりヒドラ
ゾン化合物が励起されても、フルオレン化合物との間に
エネルギー遷移が生じて、ヒドラゾン化合物が安定化さ
れるものと考えられる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
ヒドラゾン化合物としては、前述したように下記一般
式(1)で表されるものが使用される。
(式中、R1は水素原子または低級アルキル基を示す) 上記一般式(1)における低級アルキル基としては、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭
素数1〜6のアルキル基が例示される。
上記一般式(1)で表されるヒドラゾン化合物として
は、3−カルバゾリルアルデヒド、N,N−ジフェニルヒ
ドラゾン、N−メチル−3−カルバゾリルアリデヒド
N,N−ジフェニルヒドラゾン、N−エチル−3−カルバ
ゾリルアルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾン、N−
プロピル−3−カルバゾリルアルデヒド N,N−ジフェ
ニルヒドラゾン、N−イソプロピル−3−カルバゾリル
アルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾン、N−ブチル
−3−カルバゾリルアルデヒド N,N−ジフェニルヒド
ラゾン、N−イソブチル−3−カルバゾリルアルデヒド
N,N−ジフェニルヒドラゾン、N−tert−ブチル−3
−カルバゾリルアルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾ
ン、N−ペンチル−3−カルバゾリルアルデヒド N,N
−ジフェニルヒドラゾン、N−ヘキシル−3−カルバゾ
リルアルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾンが例示さ
れる。上記ヒドラゾン化合物のうち、炭素数1〜3のア
ルキル基を有するもの、特に、N−メチル−3−カルバ
ゾリルアルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾンが好ま
しい。上記ヒドラゾン化合物は一種または二種以上混合
して用いられる。
また、フルオレン化合物としては、下記一般式(2)
または(3)で表される化合物のうちの少なくとも一方
が使用される。
(式中、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ同一
または異なって、水素原子または低級アルキル基を示
す) (式中、R2およびR3は上記に同じ。R8およびR9は、それ
ぞれ同一または異なって、水素原子または低級アルキル
基を示す) 上記低級アルキル基としては、前記一般式(1)の低
級アルキル基が例示される。
上記一般式(2)の化合物のうち、好ましいものとし
ては、9−(N,N−ジフェニルヒドラジノ)フルオレ
ン、9−[N−(4−メチルフェニル)−N−フェニル
ヒドラジノ]フルオレン、9−[N,N−ジ(4−メチル
フェニル)ヒドラジノ]フルオレン、9−[N,N−ジ
(4−エチルフェニル)ヒドラジノ]フルオレン、9−
[N−(4−メチルフェニル)−N−(4−エチルフェ
ニル)ヒドラジノ]フルオレン、9−[N,N−ジ(4−
プロピルフェニル)ヒドラジノ]フルオレン、9−[N,
N−ジ(4−イソプロピルフェニル)ヒドラジノ]フル
オレン、9−[N,N−ジ(4−ブチルフェニル)ヒドラ
ジノ]フルオレン、9−[N,N−ジ(4−ペンチルフェ
ニル)ヒドラジノ]フルオレン、9−[N,N−ジ(4−
ヘキシルフェニル)ヒドラジノ]フルオレン、9−[N,
N−ジ(3−メチルフェニル)ヒドラジノ]フルオレ
ン、9−[N,N−ジ(3−エチルフェニル)ヒドラジ
ノ]フルオレン、9−[N−(3−メチルフェニル)−
N−(4−メチルフェニル)ヒドラジノ]フルオレン、
9−[N−(3−エチルフェニル)−N−(4−エチル
フェニル)ヒドラジノ]フルオレン、9−[N,N−ジ
(4,4−メチルフェニル)ヒドラジノ]−3,6−ジメチル
フルオレン、9−[N,N−ジ(4−メチルフェニル)ヒ
ドラジノ]−3,6−ジエチルフルオレン、9−[N,N−ジ
(4−エチルフェニル)ヒドラジノ]−3,6−ジメチル
フルオレン、9−[N,N−ジ(4−エチルフェニル)ヒ
ドラジノ]−3,6−ジエチルフルオレン等が例示され
る。
また、上記一般式(3)で表される化合物のうち、好
ましいものとしては、9−カルバゾリルイミノフルオレ
ン、9−(3−メチルカルバゾリルイミノ)フルオレ
ン、9−(3,6−ジエチルカルバゾリルイミノ)フルオ
レン、9−(3,6−ジエチルカルバゾリルイミノ)フル
オレン、9−(3−エチル−6−メチルカルバゾリルイ
ミノ)フルオレン、9−(3,6−ジプロピルカルバゾリ
ルイミノ)フルオレン、9−(3,6−ジイソプロピルカ
ルバゾリルイミノ)フルオレン、9−(3,6−ジブチル
カルバゾリルイミノ)フルオレン、9−(3,6−ジイソ
ブチルカルバゾリルイミノ)フルオレン、9−(3,6−
ジ−tert−ブチルカルバゾリルイミノ)フルオレン、9
−(3,6−ジペンチルカルバゾリルイミノ)フルオレ
ン、9−(3,6−ジヘキシルカルバゾリルイミノ)フル
オレン、9−(3,6−ジメチルカルバゾリルイミノ)−
3−メチルフルオレン、9−(3,6−ジメチルカルバゾ
リルイミノ)−3,6−ジメチルフルオレン、9−(3,6−
ジメチルカルバゾリルイミノ)−3,6−ジエチルフルオ
レン、9−(3−メチルカルバゾリルイミノ)−3−エ
チルフルオレン等が例示される。
上記一般式(2)および(3)の化合物のうち、特に
9−(N,N−ジフェニルヒドラジノ)フルオレン、9−
カルバゾリルイミノフルオレンが好ましい。上記フルオ
レン化合物は一種または二種以上混合して用いられる。
また、上記フルオレン化合物は、感光体の特性等に応
じて適宜量使用することができるが、前記一般式(1)
で表されるヒドラゾン化合物100重量部に対して、1〜1
00重量部、好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは
10〜30重量部使用する。フルオレン化合物の量が1重量
部未満であると、感光体の光安定性等が十分でなく、10
0重量部を越えると、光安定性は高まるものの感光体の
感度等が十分でなくなる。
また、上記フルオレン化合物と共に、紫外線吸収剤を
併用すると、紫外線等の短波長光を吸収でき、前記ヒド
ラゾン化合物の光安定化を図ることができると共に、感
光体の感度等をさらに高めることができる。
上記紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン等の種々のものが使用し得るが、
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。上記ベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤のうち好ましいものと
しては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−エチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキ
シ−5−プロピルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ブチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5
−イソブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ペンチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−
ヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒ
ドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチ
ル−5−エチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジブチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ
−3,5−ジイソブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−
tert−ブチル−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジペンチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5
−ジヘキシルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2
−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−tert−ブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒ
ドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−
tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール等が例示される。上記紫外線吸収剤は一
種または二種以上混合して用いられる。
また、上記紫外線吸収剤は、感光体の特性、ヒドラゾ
ン化合物の光安定化等に応じて適宜量使用されるが、前
記ヒドラゾン化合物100重量部に対して、20〜75重量
部、特に30〜70重量部使用するのが好ましい。紫外線吸
収剤の量が20重量部未満であると光安定化等の効果が顕
著に現れず、75重量部を越えると紫外線吸収剤が再結晶
化し、感光体の特性が低下する。
また、さらに感光体の安定化を図ると共に繰返し特性
を高めるため、上記ヒドラゾン化合物およびフルオレン
化合物等と共に、酸化防止剤を用いるのが好ましい。上
記酸化防止剤としては、ノニルフェニルホスファイト、
N−フェニルナフチルアミン等の種々のものが使用しえ
るが、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシトルエン、2,2′−メチレンビス
(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′
−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチル
フェノール)、4,4′−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフ
ェノール)、4,4′−メチレンビス(6−tert−ブチル
−O−クレゾール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブ
チル−m−クレゾール)等のアルキルフェノール系酸化
防止剤、特に、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シトルエンが好ましい。上記酸化防止剤は、一種または
二種以上混合して使用される。
上記酸化防止剤は、適宜量使用することができるが、
前記ヒドラゾン化合物100重量部に対して、1〜100重量
部、特に5〜50重量部使用するのが好ましい。上記酸化
防止剤が1重量部未満であると感光体の安定化等を図る
ことが困難であり、100重量部を越えると感度が低下す
る。
また、感光体の光劣化を防止し、光による電気的特性
の変化をなくすため、上記感光層は、さらにハロゲン化
キノン類を含有するのが好ましい。上記ハロゲン化キノ
ン類のキノン類としては、ベンゾキノン、1,2−ナフト
キノン、1,4−ナフトキノン、アントラキノン等が例示
される。ハロゲン化キノン類としては、種々のものが使
用し得るが、ハロゲン化ベンゾキノンおよびハロゲン化
ナフトキノンが好ましい。上記ハロゲン化ベンゾキノン
のうち好ましいものとしては、2−クロロ−1,4−ベン
ゾキノン、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−
ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジフルオロ−1,4
−ベンゾキノン、2,6−ジフルオロ−1,4−ベンゾキノ
ン、2,5−ジブロモ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジブロ
モ−1,4−ベンゾキノン、2−クロロ−5−ブロモ−1,4
−ベンゾキノン、2,5−ジヨード−1,4−ベンゾキノン、
2,6−ジヨード−1,4−ベンゾキノン等が例示される。
また、ハロゲン化ナフトキノンのうち好ましいものと
しては、2−クロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジクロ
ロ−1,4−ナフトキノン、2,5−ジクロロ−1,4−ナフト
キノン、2,7−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジ
フルオロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジブロモ−1,4−
ナフトキノン、2−クロロ−3−ブロモ−1,4−ナフト
キノン、2,3−ジヨード−1,4−ナフトキノン等が例示さ
れる。上記ハロゲン化ベンゾキノンおよびハロゲン化ナ
フトキノンのうち、特に2,5−ジクロロ−1,4−ベンゾキ
ノン、2,6−ジクロロ−1,4−ベンゾキノンおよび2,3−
ジクロロ−1,4−ナフトキノンが好ましい。上記ハロゲ
ン化キノン類は一種または二種以上混合して用いられ
る。また、ハロゲン化キノン類は、適宜量使用し得る
が、前記ヒドラゾン化合物100重量部に対して、5〜50
重量部、特に、10〜40重量部使用するのが好ましい。使
用量が5重量部未満であると感光体の光劣化を十分に阻
止することができず、50重量部を越えると感度が低下す
る。
なお、上記のヒドラゾン化合物などは、感光特性等を
阻害しない範囲で、他の電荷輸送材料等と併用してもよ
い。上記他の電荷輸送材料としては、例えば、テトラシ
アノエチレン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン
等のフルオレノン系化合物、2,4,8−トリニトロチオキ
サントン、ジニトロアントラセン等のニトロ化化合物、
無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン
酸、2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−
(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチ
リル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾー
ル系化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノ
フェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、インド
ール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾー
ル系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化
合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、ト
リアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環族
化合物等が例示される。
また、光照射による電荷の発生と発生した電荷の輸送
とに機能を分離して感光層の感度などを高めるため、上
記ヒドラゾン化合物等は、電荷発生材料および結着樹脂
と共に使用され、導電性支持基板上に、上記電荷発生材
料とヒドラゾン化合物等の電荷輸送材料とが結着樹脂中
に分散された単層型の感光層が形成された感光体や、導
電性支持基板上に、上記電荷発生材料や含有する電荷発
生層と前記ヒドラゾン化合物等の電荷輸送材料を含有す
る電荷輸送層とが蓄積された複層型の感光層を有する感
光体が構成される。
上記電荷発生材料としては、例えば、セレン、セレン
−テルル、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ
系顔料、ジスアゾ系顔料、アンサンスロン系顔料、フタ
ロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、トリフェニルメタ
ン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリ
ン系顔料、キナクリドン系顔料等、種々のものが使用し
得るが、感度に優れ、表面電位が高く、しかも残留電位
が低い感光体を得るため、ペリレン化合物、特に下記一
般式(4)で表されるペリレン化合物と組合せて使用す
るのが好ましい。
(式中、R10、R11、R12およびR13は、それぞれ同一また
は異なって、低級アルキル基または低級アルコキシ基を
示す) 上記低級アルキル基としては、前記一般式(1)と同
様の低級アルキル基が例示される。また、上記一般式
(4)における低級アルコキシ基としては、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イ
ソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシ
ルオキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基が例示され
る。
上記一般式(4)で表されるペリレン化合物として
は、N,N′−ジ(3,5−ジメチルフェニル)ペリレン−3,
4,9,10−テトラカルボキシジイミド、N,N′−ジ(3,5−
ジエチルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボ
キシジイミド、N,N′−ジ(3−メチル−5−エチルフ
ェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミ
ド、N,N′−ジ(3,5−ジプロピルフェニル)ペリレン−
3,4,9,10−テトラカルボキシジイミド、N,N′−ジ(3,5
−ジイソプロピルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テト
ラカルボキシジイミド、N,N′−ジ(3,5−ジブチルフェ
ニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミ
ド、N,N′−ジ(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ペリ
レン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミド、N,N′−
ジ(3,5−ジペンチルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−
テトラカルボキシジイミド、N,N′−ジ(3,5−ジヘキシ
ルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジ
イミド、N,N′−ジ(3−メチル−5−メトキシフェニ
ル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミド、
N,N′−ジ(3−メチル−5−エトキシフェニル)ペリ
レン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミド、N,N′−
ジ(3−エチル−5−メトキシフェニル)ペリレン−3,
4,9,10−テトラカルボキシジイミド、N,N′−ジ(3−
プロピル−5−メトキシフェニル)ペリレン−3,4,9,10
−テトラカルボキシジイミド、N,N′−ジ(3,5−ジメト
キシフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシ
ジイミド、N,N′−ジ(3,5−ジエトキシフェニル)ペリ
レン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミド、N,N′−
ジ(3,5−ジプロポキシフェニル)ペリレン−3,4,9,10
−テトラカルボキシジイミド、N,N′−ジ(3,5−ジイソ
プロポキシフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカル
ボキシジイミド、N,N′−ジ(3,5−ジブトキシフェニ
ル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミド、
N,N′−ジ(3,5−ジペンチルオキシフェニル)ペリレン
−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミド、N,N′−ジ
(3,5−ジヘキシルオキシフェニル)ペリレン−3,4,9,1
0−テトラカルボキシジイミド等が例示される。上記ペ
リレン化合物のうち、炭素数が1〜3のアルキル基また
はアルコキシ基を有するもの、特に、N,N′−ジ(3,5−
ジメチルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボ
キシジイミドが好ましい。なお、上記ペリレン化合物等
の電荷発生材料は一種または二種以上混合して用いられ
る。
また、上記結着樹脂としては、種々のもの、例えば、
スチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アク
リル系共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、アイ
オノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキ
ッド脂肪、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、
ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジ
アリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノ
ール樹脂、キシリレン樹脂や、エポキシアクリレート等
の光硬化型樹脂等、各種の重合体が使用できるが、感光
体の感度を高め、上記ヒドラゾン系化合物等との相溶
性、感光体の耐摩耗性および繰返し特性に優れると共に
結着樹脂を溶解する溶剤の選択幅が広いポリ(4,4′−
シクロヘキシリデンジフェニル)カーボネートが好まし
い。上記ポリ(4,4′−シクロヘキシリデンジフェニ
ル)カーボネートを用いると、従来、溶液安定性等の点
から、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン等の塩素系
溶剤しか使用できなかったビスフェノールA型ポリカー
ボネートと異なり、テトラヒドロフラン、メチルエチル
ケトン等のケトン系等の溶剤も使用することができるの
で、安全衛生上も好ましく、取扱いが容易である。な
お、上記ポリ(4,4′−シクロヘキシリデンジフェニ
ル)カーボネートとしては、種々のもの、例えば、重合
度50〜5000程度のものが使用し得る。また、上記結着樹
脂は一種または二種以上混合して用いられる。
なお、上記結着樹脂のうち、キシリレン樹脂は、感光
体の光劣化を防止する上で有用であると共に、前記ポリ
カーボネートとの相溶性に優れ、繰返し使用により感
度、表面電位および残留電位の変化が少ない。従って、
前記キシリレン樹脂は、ポリカーボネートと併用するの
が好ましい。上記キシリレン樹脂は、種々の割合で使用
することができるが、ポリカーボネート樹脂100重量部
に対して、10〜50重量部、特に20〜40重量部使用するの
が好ましい。キシリレン樹脂の使用量が10重量部未満で
あると上記効果が十分でなく、50重量部を越えると感光
層の機械的強度が低下する。
また、前記感光層は、ターフェニル、アセナフチレン
等、従来公知の増感剤を含有していてもよい。
また、前記一般式(1)のヒドラゾン化合物、一般式
(2)または(3)のフルオレン化合物、一般式(4)
のペリレン化合物および結着樹脂を組合せたものは、被
層型感光体としても有用であるが、単層型感光体として
特に優れた感光特性等を示す。より詳細には、上記の単
層型の感光体は、前記材料の分散液を調製し、導電性基
板に塗布し、乾燥させるだけで感光体を得ることができ
るため、生産性がよい。また、上記単層型感光体にあっ
ては、正帯電させることができるだけでなく、感光体の
静電潜像を現像するトナーとして、一般に負帯電するも
のが得られ易いため、トナー材料の選択幅が広く、種々
のトナー材料を使用することができるという利点があ
る。一方、上記単層型の感光体にあっては、感度が十分
でなく、感光層を構成する材料を厳密に選択しなければ
ならず、感光層の材料の選択幅が狭い。また、上記単層
型感光体は、コロナ帯電時の表面電位が低く、しかも残
留電位が大きいだけでなく、表面電位が繰返し使用によ
り低下するので、繰返し特性が十分でなく、有機感光体
として十分な特性を示さないという欠点がある。しかし
ながら、前記一般式(1)のヒドラゾン化合物、一般式
(2)または(3)のフルオレン化合物、および一般式
(4)のペリレン化合物を組合せて単層型の感光層を構
成すると、正帯電正に優れると共に、感度および表面電
位が高く、しかも残留電位が小さく、繰返し特性に優れ
た安価な単層型有機感光体が得られる。
単層型感光層を形成する場合、上記材料の使用割合
は、所望する有機感光体の特性等に応じて適宜選択する
ことができるが、結着樹脂100重量部に対して、ヒドラ
ゾン化合物40〜110重量部、好ましくは、60〜90重量
部、荷電発生材料2〜20重量部、好ましくは、5〜10重
量部使用される。ヒドラゾン化合物および電荷発生材料
が上記使用量よりも少ないと、感光体の感度が十分でな
いばかりか、残留電位が大きくなる。また上記範囲を越
えると感光体の耐摩耗性等が十分でなくなる。
なお、単層型感光層を有する感光体において、上記電
荷発生材料であるペリレン化合物を多量に使用すると、
通常、正帯電性が十分でなくなり、少量であると感度等
が低下するが、上記特定のヒドラゾン化合物と組合せる
ことによりペリレン系化合物の量が少量であっても感度
および表面電位が高く、しかも残留電位の小さな正帯電
性に優れた有機感光体を得ることができる。
なお、上記ペリレン化合物は短波長側に分光感度を有
する場合がある。従って、青色領域の色再現性が必要と
される用途においては、種々の分光増感剤を使用するの
が好ましく、特に、フタロシアニン系化合物を使用する
のが好ましい。
上記フタロシアニン系化合物としては、種々のものが
使用しえるが、メタルフリーフタロシアニンが好まし
い。上記メタルフリーフタロシアニンは、適宜の粒径を
有していてもよいが、平均粒径0.1μm以下のものが好
ましい。メタルフリーフタロシアニンの平均粒径が0.1
μmを越えると感光体の感度が低下する。なお、上記平
均粒径は、光散乱法(装置名:ダイナミック光散乱光度
計)により求めたものである。
また、メタルフリーフタロシアニンは適宜量使用する
ことができるが、上記結着樹脂100重量部に対して0.2〜
1重量部添加するのが好ましい。添加量が0.2重量部未
満であると青色再現性が十分でなく、1重量部を越える
とメタルフリーフタロシアニンが赤色領域に分光感度を
有するため、赤色再現性が十分でなくなる。
なお、上記メタルフリーフタロシアニンのうち、β型
メタルフリーフタロシアニン、特に、平均粒径0.005〜
0.05μmを有するものが好ましい。上記β型メタルフリ
ーフタロシアニンの平均粒径が0.005μm未満であると
分散性が十分でなく、0.05μmを越えると感光体の感度
が低下する。
また、上記メタルフリーフタロシアニンを含有する感
光体の安定性などを高めるため、上記メタルフリーフタ
ロシアニンと共に、アルミニウムフタロシアニン、チタ
ニルフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、特に銅
フタロシアニンを併用するのが好ましい。また、銅フタ
ロシアニンは、適宜量使用することができるが、上記メ
タルフリーフタロシアニンに対して1〜10重量%、特に
3〜10重量%使用するのが好ましい。銅フタロシアニン
の量が1重量%未満であると前記メタルフリーフタロシ
アニンを安定化するのに十分でなく、10重量%を越える
と表面電位が低下する。なお、上記銅フタロシアニンの
量が多くなるにつれてメタルフリーフタロシアニンの安
定化効果が高まると共に、感光体の残留電位も低下す
る。
また、上記銅フタロシアニンは、前記β型メタルフリ
ーフタロシアニンと組合せて使用するのがより一層好ま
しく、この場合、銅フタロシアニンとして平均粒径0.00
1μm以下のものを使用するのが好ましい。特に、銅フ
タロシアニンの量を少なくして安定かつ残留電位の小さ
な有機感光体を得るため、上記銅フタロシアニンをメタ
ルフリーフタロシアニンと共に共沈させたものが好まし
い。上記の共沈は、常法により行なうことができ、例え
ば、銅フタロシアニンの製造時において銅フタロシアニ
ンとメタルフリーフタロシアニンとの硫酸溶液を水中等
に滴下することにより行なうことができる。上記の共沈
により得られたフタロシアニンは、銅フタロシアニンが
微粒子となると共に、感光体の熱履歴による電気特性の
劣化が殆どなくなるだけでなく、残留電位が小さく色再
現性等に優れる感光体が得られる。なお、上記共沈法に
よるフタロシアニンにおいては、少量にて青色再現性を
高めるため、銅フタロシアニンとしては平均粒径0.001
μm以下のものが好ましい。
上記導電性基板は、シート状やドラム状のいずれであ
ってもよく、基板自体が導電性を有するか、基板の表面
が導電性を有し、使用に際し十分な機械的強度を有する
ものが好ましい。上記導電性基板としては、導電性を有
する種々の材料が使用でき、例えば、アルミニウム、
銅、錫、白金、金、銀、バナジウム、モリブデン、クロ
ム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、イン
ジウム、ステンレス鋼、真鍮の金属単体や、上記金属が
蒸着またはラミネートされたプラスチック材料、ヨウ化
アルミニウム、酸化錫、酸化インジウム等で被覆された
ガラス等が例示される。上記導電性基板のうち、アルミ
ニウムが好ましく、特に、アルミニウムの結晶粒が表面
に存在せず、複写画像等において黒点やピンホール等が
発生するのを防止すると共に、上記ヒドラゾン系化合物
等を含有する感光層と基板との密着性をよくするため、
アルマイト処理されたアルミニウム、中でもアルマイト
処理層の膜厚が5〜12μmであり、表面粗さが1.5s以下
のアルマイト処理されたアルミニウムが好ましい。
単層型の感光層を有する感光体を形成する場合、感光
層は、適宜の厚みを有していてもよいが、3〜50μm、
特に、5〜20μmの厚みを有するものが好ましく、前記
一般式(1)のヒドラゾン化合物、一般式(2)または
(3)のフルオレン化合物、一般式(4)のペリレン化
合物等の電荷発生材料、および結着樹脂等の各成分を含
む分散液を調整し、導電性基板に塗布すると共に、溶媒
を除去することにより形成される。また、前記複層型の
感光層を有する感光体は、前記電荷発生材料と結着樹脂
等からなる厚み約1〜5μmの電荷発生層と、前記一般
式(1)のヒドラゾン化合物、一般式(2)または
(3)のフルオレン化合物、および結着樹脂等からなる
厚み5〜50μm、特に、10〜20μmの電荷輸送層とを導
電性基板上に順次形成することにより得られる。なお、
複層型感光層の電荷発生層は、結着樹脂を用いることな
く、電荷発生材料を蒸着、スパッタリング等の手段によ
り形成してもよい。
また、上記分散液の調製に際しては、使用される結着
樹脂等の種類に応じて種々の有機溶剤を使用することが
できる。上記溶剤としては、n−ヘキサン、オクタン、
シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、
ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチル
エーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエ
チレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等、種々の溶
剤が例示され、一種または二種以上混合して用いられ
る。なお、上記分散液を調製する際、分散性、塗工性等
をよくするため、界面活性剤、レベリング剤等を併用し
てもよい。
また、上記分散液は、従来慣用の方法、例えば、ボー
ルミル、ペイントシェーカー、サンドミル、アトライタ
ー、超音波分散器等を用いて調製することができ、得ら
れた分散液を前記導電性基板に塗布し、加熱して溶剤を
除去することにより、本発明の有機感光体を得ることが
できる。
本発明の有機感光体の感光層は、前記一般式(1)の
ヒドラゾン化合物と、一般式(2)または(3)で表さ
れるフルオレン化合物のうちの少なくとも一方とを含有
しているので、ヒドラゾン化合物ひいては感光層が安定
化する。すなわち、本発明の有機感光体は、光や熱等に
対して安定で、光が当っても感度等が低下したり、感光
体の表面電位および残留電位が高くなることがないだけ
でなく、鮮明な複写画像が得られ画像品質に優れる。従
って、本発明の有機感光体は、複写機、レーザプリンタ
ー等、種々の用途に使用される感光体として有用であ
る。
<実施例> 以下に、実施例に基づき、この発明をより詳細に説明
する。
実施例1 N,N′−ジ(3,5−ジメチルフェニル)ペリレン−3,4,
9,10−テトラカルボキシジイミド8重量部、N−エチル
−3−カルバゾリルアルデヒド、N,N−ジフェニルヒド
ラゾン75重量部、9−(N,N−ジフェニルヒドラジノ)
フルオレン20重量部、メタルフリーフタロシアニン(BA
SF社製商品名ヘリオゲンブルー7800)0.6重量部、ポリ
(4,4′−シクロヘキシリデンジフェニル)カーボネー
ト(三菱瓦斯化学社製商品名ポリカーボネートZ)100
重量部および所定量のテトラヒドロフランを用い、超音
波分散器にて分散液を調製すると共に、アルマイト処理
されたアルミニウム板上に塗布し、厚み約20μmの感光
層を有する単層型有機感光体を作製した。
実施例2 実施例1の9−(N,N−ジフェニルヒドラジノ)フル
オレンに代えて、9−カルバゾリルイミノフルオレンを
用い、上記実施例1と同様にして有機感光体を作製し
た。
実施例3 実施例1の材料に加えて、2−(2−ヒドロキシ−3
−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール(アデカアーガス化学社製商品名マー
クLA−36)50重量部を用いて、上記実施例1と同様にし
て有機感光体を作製した。
実施例4 実施例2の材料に加えて、実施例3の2−(2−ヒド
ロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール50重量部を用いて、上記と
同様にして有機感光体を作製した。
実施例5 実施例1の材料に加えて、酸化防止剤としての3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(住友化学
社製商品名スミライザーBHT)20重量部を用い、上記実
施例1と同様にして有機感光体を作製した。
比較例1 実施例1の材料において、9−(N,N−ジフェニルヒ
ドラジノ)フルオレンを用いず、上記実施例と同様にし
て有機感光体を作製した。
比較例2 フルオレン化合物に代えて、紫外線吸収剤を含む単層
型の感光体を作製した。すなわち、実施例1のフルオレ
ン化合物20重量部に代えて、実施例3の2−(2−ヒド
ロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール50重量部を用い、上記実施
例1と同様にして有機感光体を作製した。
比較例3 フルオレン化合物に代えて、酸化防止剤を含む単層型
の感光体を作製した。すなわち、実施例1のフルオレン
化合物20重量部に代えて、実施例5の3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシトルエン20重量部を用い、上記
実施例1と同様にして有機感光体を作製した。
そして、下記の特性について、以下の方法により調べ
た。
(a)感光特性および表面電位等 上記の電子写真用感光体の帯電特性、感光特性等を調
べるため、静電複写紙試験装置(川口電機社製、SP−42
8型)を用いて、+6.0KVの条件でコロナ放電を行なうこ
とにより、前記各実施例および比較例の有機感光体を正
に帯電させた。
なお、各感光体の表面電位Vs.p.(V)を測定すると
共に、タングステンランプを用いて、感光体表面の照度
が10ルックスとなるように調整してタングステンランプ
により露光し、上記表面電位Vs.p.が1/2となるまでの時
間を求め、半減露光量E 1/2(μJ/cm2)を算出した。ま
た、露光後、0.15秒経過後の表面電位を残留電位Vr.p.
(V)とした。
(b)光劣化性 1000ルックスの白色螢光灯で、上記各有機感光体を5
分間照射した後、上記(a)と同様にして感光特性およ
び表面電位等を測定し、当初の感光体の感光特性および
表面電位等との差異を、それぞれΔVs.p.、ΔE 1/2およ
びΔVr.p.として表示した。
(c)繰返し特性および画像特性 複写機(三田工業社製DC−111型機)に、上記有機感
光体を装着し、乾式トナー用いて、10枚複写すると共
に、当初の表面電位と10枚複写した後の感光体の表面電
位を上記(a)と同様にして測定した。また、上記複写
機を用い、1枚複写した後、上記(b)と同様にして各
感光体に光を照射し、10枚複写した。そして1枚目の複
写画像と10枚目の複写画像とのカブリの差異を目視にて
判断した。なお、カブリが殆どないものを○、カブリの
程度が大きいもの×として評価した。
(d)総合評価 上記種々の特性の総合評価を行い、有機感光体として
の特性に優れるものを○、劣るものを×として評価し
た。
上記実施例およひ比較例で得られた各有機感光体の帯
電特性、感光特性および繰返し特性等の結果を次表に示
す。
表から明らかなように、本発明の有機感光体は、いず
れも半減露光量が小さく、感度が良好であり、光照射に
より感光特性等が劣化することなく、表面電位および残
留電位の変化が少ない。また、繰返し使用しても表面電
位が大きく変化しないばかりか、残留電位が蓄積せず、
繰返し特性に優れており、画像のカブリも殆どないこと
が判明した。これに対して、比較例の感光体は、いずれ
も光劣化が生じ、光照射および繰返し使用により感度が
低下し、表面電位および残留電位が高くなった。また、
繰返し使用により複写画像のカブリが大きくなった。
<発明の効果> 以上のように、本発明の有機感光体によれば、感光層
が、前記一般式(1)のヒドラゾン化合物と、一般式
(2)または(3)で表されるフルオレン化合物のうち
の少なくとも一方とを含有しているので、ヒドラゾン化
合物ひいては感光層が光や熱等に対して安定化する。従
って、有機感光体に光が当っても感度等が低下したり、
感光体の表面電位および残留電位が高くなることがない
だけでなく、鮮明な複写画像が得られ画像品質に優れる
という特有の効果を奏する。
フロントページの続き (72)発明者 吉田 武史 大阪市東区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−33454(JP,A) 特開 昭60−177351(JP,A) 特開 昭60−177350(JP,A) 特開 昭62−157046(JP,A) 特開 昭57−100443(JP,A) 特開 昭61−270766(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電荷輸送材料として下記一般式(1)で表
    されるヒドラゾン化合物を含有する感光層を有する感光
    体において、上記感光層が、下記一般式(2)または
    (3)で表されるフルオレン化合物のうちの少なくとも
    一方を含有することを特徴とする有機感光体。 (式中、R1は水素原子または低級アルキル基を示す。) (式中、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ同一
    または異なって、水素原子または低級アルキル基を示
    す。) (式中、R2およびR3は上記に同じ。R8およびR9は、それ
    ぞれ同一または異なって、水素原子または低級アルキル
    基を示す。)
  2. 【請求項2】フルオレン化合物が、9−(N,N−ジフェ
    ニルヒドラジノ)フルオレンである上記特許請求の範囲
    第1項記載の有機感光体。
  3. 【請求項3】フルオレン化合物が、9−カルバゾリルイ
    ミノフルオレンである上記特許請求の範囲第1項記載の
    有機感光体。
  4. 【請求項4】ヒドラゾン化合物が、N−メチル−3−カ
    ルバゾリルアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンで
    ある上記特許請求の範囲第1項記載の有機感光体。
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