JP2003166132A - 紡績装置及び紡績方法 - Google Patents

紡績装置及び紡績方法

Info

Publication number
JP2003166132A
JP2003166132A JP2001362202A JP2001362202A JP2003166132A JP 2003166132 A JP2003166132 A JP 2003166132A JP 2001362202 A JP2001362202 A JP 2001362202A JP 2001362202 A JP2001362202 A JP 2001362202A JP 2003166132 A JP2003166132 A JP 2003166132A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
spinning
air
speed
air pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001362202A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsumori Matsumoto
龍守 松本
Koji Ideno
宏二 出野
Kenji Baba
健治 馬場
Toshio Nishikawa
寿雄 西川
Katsuya Tanaka
勝也 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Machinery Ltd filed Critical Murata Machinery Ltd
Priority to JP2001362202A priority Critical patent/JP2003166132A/ja
Priority to EP02025649A priority patent/EP1316631B1/en
Priority to DE2002624493 priority patent/DE60224493T2/de
Publication of JP2003166132A publication Critical patent/JP2003166132A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01HSPINNING OR TWISTING
    • D01H4/00Open-end spinning machines or arrangements for imparting twist to independently moving fibres separated from slivers; Piecing arrangements therefor; Covering endless core threads with fibres by open-end spinning techniques
    • D01H4/02Open-end spinning machines or arrangements for imparting twist to independently moving fibres separated from slivers; Piecing arrangements therefor; Covering endless core threads with fibres by open-end spinning techniques imparting twist by a fluid, e.g. air vortex
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01HSPINNING OR TWISTING
    • D01H1/00Spinning or twisting machines in which the product is wound-up continuously
    • D01H1/11Spinning by false-twisting
    • D01H1/115Spinning by false-twisting using pneumatic means
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01HSPINNING OR TWISTING
    • D01H15/00Piecing arrangements ; Automatic end-finding, e.g. by suction and reverse package rotation; Devices for temporarily storing yarn during piecing
    • D01H15/002Piecing arrangements ; Automatic end-finding, e.g. by suction and reverse package rotation; Devices for temporarily storing yarn during piecing for false-twisting spinning machines

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に実撚り状の紡績糸に関して、糸継ぎ時に
おいても糸の張力、トルク、毛羽数を調製し、製造され
たパッケージの糸の染色ムラの発生を防止することを目
的とする。 【解決手段】 スラブキャッチャ18の検出結果に基づ
いて、ドラフト装置4と、空気紡績部5で形成された紡
績糸Yを送り出すデリベリローラ17と、巻取手段8と
の駆動速度を、通常紡績時の第一駆動速度と、第一駆動
速度より低速とした糸継ぎ時の第二駆動速度とを切り換
える上位コントローラ64および下位コントローラ31
・32・36を設け、前記駆動速度変化に対応して、空
気紡績部5の空気紡績ノズル19の旋回気流の噴射エア
圧を加減圧切換え制御する下位コントローラ33を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空ガイド軸体
と、中空ガイド軸体の糸送り上流側端部周辺に旋回気流
を発生させる空気紡績ノズルと、中空ガイド軸体の糸通
路内に旋回気流を発生させる補助ノズルとを備えた紡績
装置に関し、特に、糸継ぎ時における糸状態の変化を防
止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、中空ガイド軸体と、中空ガイ
ド軸体の糸送り上流側端部に旋回気流を発生させる空気
紡績ノズルと、中空ガイド軸体の糸通路の途中に、特開
2001−40532号に示されるノズル(同号中の表
現では吸引力発生手段)とを備えて、実撚り状の糸を生
成する紡績装置が知られている。このような紡績装置で
は、先ず、前記二つの旋回気流による紡績が開始される
ことにより(紡績開始時の紡績を本明細書では糸出し紡
績と称する)、紡出側の糸出しがなされ、ノッタ、スプ
ライサ等の糸継装置を用いた糸継ぎを行う。この場合、
糸継ぎ時に、紡出側の糸端と巻取側の糸端とをクランプ
(把持)して、糸の走行を停止させてから、両糸端をつ
なぐようになっている。このとき、紡出側からは、紡出
側の糸端をクランプしているにも関わらず、継続して糸
が生成されて送り込まれてくる。したがって、紡出側で
糸にたるみが生じるが、糸たるみの吸引手段であり、糸
道上に吸引用の開口部を備えたスラックチューブで、糸
を吸引してたるみを吸収するため、糸継ぎ時の糸の張力
は維持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、実撚り状の紡績
糸を製造する紡績装置、結束紡績糸を製造する紡績装置
のいずれにおいても、高速紡績の要求が高まっている。
ところが、糸送り速度を高速にすると、前記の糸のたる
み長さは長くなり、従来のスラックチューブでの吸引で
は張力維持ができなくなってしまう。そこで、スラック
チューブの大容量化も考えられるが、設置スペース上困
難である。そして、張力が変動すると、変動時に紡績さ
れた糸部分の形態は、張力維持された他の部分の形態と
異なったものになってしまう。形態の異なる糸部分に
は、染色ムラが生じてしまう。また、糸たるみにより、
ビリや糸がらみが発生しやすい。さらに、張力低下状態
でパッケージに巻き取られることで、その部分がパッケ
ージに緩く巻かれた状態となり、硬いパッケージができ
ず、低品質のパッケージとなってしまう。なお、実撚り
状の糸である故に発生するトルク、毛羽数の変化も、結
果として、染色ムラの発生要因となる。
【0004】ここで、前記張力維持に関する従来技術と
して、同出願人による特許2560474号の技術があ
る。該技術の紡績装置には、エアノズル(紡績ノズル)
と、前記エアノズルの旋回気流による撚りの方向と反対
方向の仮撚りを加えるベルト式仮撚装置とが、設けられ
ている。この紡績装置における紡績原理は、前述した実
撚り状の糸を紡績する紡績装置とは異なるものであり、
ベルト式仮撚装置は、ドラフト装置のフロントローラま
で撚りを伝搬させて、ドラフト装置より送出される単繊
維をまとめるべく作用するものである。そして、ベルト
式仮撚装置による仮撚の作用と、エアノズルの旋回気流
の作用とにより、結束紡績糸が紡績される。ベルトによ
り加えられる撚りは、仮撚りであり、ベルト通過後に解
撚されるため、製造される糸形態への影響は小さい。な
お、特許2560474号の技術においても、糸継ぎ動
作の機構や、スラックチューブ等は、前記の実撚り状の
糸の紡績装置と同様である。
【0005】前記ベルト式仮撚装置は駆動速度を可変に
構成されており、糸継ぎ時に、糸送り速度を通常紡績時
より低速にして、スラックチューブによるたるみ吸引量
を減少させて、張力を維持するのに応じて、該装置のベ
ルト駆動速度を低速にしている。糸送り速度の低下時に
ベルトの駆動速度が固定されたままであると、糸が単位
長さあたりに受ける撚り込み量が増加する。加えて、ベ
ルトによる仮撚り付与は、直接糸に接触して機械的に仮
撚りを施すものである。このため、糸送り速度に応じて
ベルト駆動速度の制御による撚り数調節を行わなけれ
ば、撚り切れが発生する。したがって、撚り切れを防止
するため、ベルト駆動速度制御がなされる。
【0006】前記の特許2560474号の技術では、
前述したように、撚り切れを防止するための撚り数調節
は可能としている。しかし、生成される結束紡績糸は、
無撚りの部分に巻き付き繊維が巻付いて、両者のバラン
スにより糸を形成している。このため、ベルトの駆動制
御では、糸送り速度に応じたトルク、毛羽数の調節はで
きない。更に、特許2560474号の技術は、結束紡
績糸を紡績する装置に関するものであり、中空ガイド軸
体と空気旋回気流による実撚り状の糸の紡績と比べて、
紡績できる糸種は限定され、風合いも劣るため、適用範
囲が限定されるものである。
【0007】そこで本発明は、特に実撚り状の紡績糸に
関して、糸継ぎ時においても糸の張力、トルク、毛羽数
を調製し、製造されたパッケージの糸の染色ムラの発生
を防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。即ち、請求項1においては、ドラフ
ト装置と、空気紡績部と、空気紡績部より紡出された糸
を送り出す糸送り手段と、巻取手段とを備え、空気紡績
部は、中空ガイド軸体と、中空ガイド軸体の糸送り上流
側端部周辺に旋回気流を発生させる空気紡績ノズルと、
中空ガイド軸体の糸通路内に旋回気流を発生させる補助
ノズルとを備えた紡績装置であって、ドラフト装置、糸
送り手段、巻取手段の駆動速度を、各々通常紡績時の第
一駆動速度と、第一駆動速度より低速とした糸継ぎ時の
第二駆動速度との間で切り換える制御装置を設けたもの
である。
【0009】請求項2においては、糸道上に、糸の欠点
を検出する糸欠点検出部を設け、前記制御装置は、糸欠
点検出部の検出結果に基づいて、第一駆動速度と第二駆
動速度とを切り換えるものである。
【0010】請求項3においては、ドラフト装置、糸送
り手段、巻取手段の駆動速度変化に対応して、前記空気
紡績ノズルの旋回気流の噴射エア圧を加減圧切換え制御
するエア圧切換制御装置を設けたものである。
【0011】請求項4においては、空気紡績ノズルのエ
ア圧を連続的に変化させる切換手段を備え、該切換手段
の駆動を、前記エア圧切換制御装置により制御したもの
である。
【0012】請求項5においては、空気紡績ノズルのエ
ア圧をステップ式に変化させる切換手段を備え、該切換
手段の駆動を、前記エア圧切換制御装置により制御した
ものである。
【0013】請求項6においては、前記ドラフト装置と
前記糸送り手段と前記巻取手段とを備えた錘が複数設け
られ、各錘毎に個別に速度制御可能としたものである。
【0014】請求項7においては、請求項1に記載の紡
績装置を用いて、糸継ぎ時には、前記駆動速度を、前記
第二駆動速度とし、糸継ぎが終了すると再び前記第一駆
動速度とするものである。
【0015】請求項8においては、請求項2に記載の紡
績装置を用いて、糸の欠点が検出されると、前記駆動速
度を第二駆動速度とし、糸継ぎが終了すると再び第一駆
動速度とするものである。
【0016】請求項9においては、請求項3に記載の紡
績装置を用いて、糸継ぎ時には、前記駆動速度が減速し
て前記第一駆動速度から前記第二駆動速度に変化するの
に対応して、前記空気紡績ノズルの噴射エア圧を通常紡
績時よりも低圧に変化させ、その後、前記駆動速度が再
び前記第二駆動速度から前記第一駆動速度に変化するの
に対応して、前記空気紡績ノズルの噴射エア圧を通常紡
績時のエア圧に変化させるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の第一実施例の紡績装置に
ついて、図1、図2を用いて説明する。図1は第一実施
例の紡績装置の各装置の配置構成図であり、図2は紡績
ユニット1が多数並設される様子を示す紡績装置の正面
図である。第一実施例の紡績装置は、一錘の紡績糸Yを
紡績する紡績ユニット3を、機台であるフレーム10の
長手方向に多数並設して構成されるものである。図2に
示すように、原動機ボックス1とブロワボックス2とを
結ぶフレーム10に、多数の紡績ユニット3が配置され
る。各紡績ユニット3には、図1に示すように糸道に沿
って、ドラフト装置4、空気紡績部5、糸送り手段であ
るニップローラ16・デリベリローラ17、紡績糸Yの
巻取手段8とが配置されている。ドラフト装置4はスラ
イバSを延伸し、繊維束Fにして空気紡績部5に送出す
る装置であり、空気紡績部5は繊維束Fに旋回気流を作
用させて、実撚り状の紡績糸Yを紡績する装置である。
また、ニップローラ16・デリベリローラ17は、空気
紡績部5と共に紡績糸Yを生成しながら送出する装置で
あり、巻取手段8は紡績糸YをパッケージPに巻き取ら
せるものである。以下、スライバSが送出される糸道の
始端側を、糸道の上流側とし、巻取手段8のある糸道の
終端側を下流側とする。
【0018】前記フレーム10は、正面側が開放されて
おり、断面がコ字形状に形成されている。この正面側の
開放部内を糸継ぎ台車9がレール14・15に沿って、
各紡績ユニット3・3・・・間を走行可能に構成されて
いる。糸継ぎ台車9には、図示しないクランプ装置を備
えたノッタまたはスプライサ等の糸継装置11、糸継ぎ
時に、紡出側(糸切断個所の上流側)の紡績糸Yを吸引
捕捉するサクションノズル12、パッケージPから巻取
側(糸切断個所の下流側)の紡績糸Yを吸引捕捉するサ
クションマウス13が搭載されている。サクションノズ
ル12およびサクションマウス13は、それぞれ旋回自
在に構成されている。また、両サクションの吸引圧源と
して、ブロワ76が糸継ぎ台車9に搭載されている。糸
継ぎを行う際には、紡績糸Yが切断された紡績ユニット
3に糸継ぎ台車9を移動させて、その該当ユニット3で
停止させると共に、サクションノズル12を上方旋回さ
せて、空気紡績部5の下流側近傍に接近させ、空気紡績
部5より紡出されてくる紡績糸Yを吸引する。また、サ
クションマウス13を下方旋回させて、巻取手段8で巻
き取られたパッケージPの表面に接触させて、一旦巻き
取られた糸端を引き出すと共に、パッケージPより紡績
糸Yを吸引する。サクションノズル12およびサクショ
ンマウス13の双方には、それぞれ、紡出側(糸切断個
所の上流側)の糸端と、巻取側(糸切断個所の下流側)
の糸端が、吸引捕捉される。両糸端は、それぞれサクシ
ョンノズル12およびサクションマウス13の双方の旋
回により糸継装置11に導入され、クランプ装置にクラ
ンプされた状態で糸継ぎされる。
【0019】本明細書では、糸継ぎに関する用語を以下
のように定義する。「糸継ぎ」とは、糸継装置11によ
り、サクションノズル12およびサクションマウス13
の双方が吸引捕捉した両糸端がつながれていること、を
指す。「糸継ぎ動作」とは、糸継ぎ台車9が、紡績糸Y
が切断された紡績ユニット3に到着してから、「糸継
ぎ」が終了し、通常紡績が開始されるまでの紡績装置内
での作業動作、を指す。また、「糸継ぎ時」とは、「糸
継ぎ」が行われている時間、つまり、糸継装置11によ
り両糸端をつないでいる時間(後述の時刻T2からT
9)、を指す。同じく、「糸継ぎ動作時」とは、「糸継
ぎ動作」が行われている時間、つまり、糸継装置11の
到着時刻から通常紡績の開始時刻までの時間(後述の時
刻T6からT7)、を指す。
【0020】次に、各紡績ユニット3を構成する各装置
について、糸道に沿って説明する。以下述べる各装置
は、紡績ユニット3毎に設けられている。ドラフト装置
4には、それぞれ糸道に沿ってバックローラ21a・サ
ードローラ21bが設けられると共に、エプロン22を
かけたセカンドローラ23と、フロントローラ24とが
設けられる。バックローラ21a・サードローラ21b
はモータ25により回転駆動され、セカンドローラ23
はモータ26により回転駆動される。また、ドラフト装
置4より空気紡績部5へ向けて繊維束Fを送出するフロ
ントローラ24は、モータ35により回転駆動される
が、後述のニップローラ16・デリベリローラ17およ
び、巻取手段8のフリクションローラ38も、前記モー
タ35により回転駆動される。各モータ25・26・3
5には、フィードバック制御用のエンコーダ28・29
・39が直結されており、同じく個別に接続された下位
コントローラ(制御装置)31・32・36により、加
減速を制御される。特に、モータ35の加減速制御によ
り、フロントローラ24、デリベリローラ17、フリク
ションローラ38が同期状態で制御される。
【0021】空気紡績部5について、図3から図5を用
いて説明する。図3は空気紡績部5を示す側面断面図で
あり、図4は図3の要部拡大図であり、図5は図4のA
−A断面図である。空気紡績部5には、図3に示すよう
に、フロントローラ24から送られてくる延伸された繊
維束Fを挿通させながら、その繊維束Fに旋回気流を当
てる、空気紡績ノズル19が設けられている。そして、
空気紡績ノズル19による旋回気流と中空ガイド軸体2
0との作用により、紡績糸Yが紡績される。この紡績糸
Yは、実撚り状の糸であり、実撚り状の糸である故にト
ルクを有した状態で、パッケージPに巻き取られる。
【0022】空気紡績ノズル19は、図3に示すよう
に、ニードルホルダ43と、ケーシング65・66とか
らなり、ニードルホルダ43の下流側に、補助ノズル5
5を有する中空ガイド軸体20が配置される。
【0023】ニードルホルダ43には、その上流側先端
で延伸された繊維束Fを導入する案内孔41が設けられ
ると共に、案内孔41から送出された繊維束Fの糸道上
に、ニードル42が保持されている。中空ガイド軸体2
0は、軸方向の中途部で前記ケーシング66に支持され
ており、中空ガイド軸体20の上流側先端部44とケー
シング65とは、所定の間隔を隔てて配置されると共
に、ケーシング65が中空ガイド軸体20先端を覆って
いることにより、中空ガイド軸体20の先端と、ニード
ルホルダ43の後端(下流側端部)との間に、紡績室5
7が形成されている。
【0024】ケーシング65には、紡績室57に開口す
る第一旋回ノズル孔47が複数形成されている。第一旋
回ノズル孔47は、中空ガイド軸体20に対向して設け
られ、空気紡績部5内に形成される糸道の径方向外側か
ら紡績室57内につながる孔であり、エアを紡績室57
の内周に沿って、図4に示すように、糸送り方向より見
て、Z撚りの場合、左回り方向R1に流して、紡績室5
7内に旋回気流を発生させるようにしている。加えて、
エアが下流側に向けて流れるように、第一旋回ノズル孔
47は、繊維束Fの送り方向下流側に傾斜して形成され
ている。
【0025】中空ガイド軸体20は、先端部44に形成
された開口48がニードル42へ向くように配置され、
上流側で先細となる略円筒に形成されており、軸心上に
紡績糸通路49が形成されている。紡績糸通路49は、
糸送出側に向けて末広がり状に形成されている。具体的
には、紡績糸通路49は、径を多段に広げて形成されて
おり、ニードルホルダ43側に開口する先端部44側の
導入孔50と、導入孔50の下流側に段をなして径が拡
大される第一拡径孔51と、第一拡径孔51の下流側に
滑らかに接続され、テーパ状に径が拡大される第二拡径
孔52と、第二拡径孔52の下流側に段をなして径が拡
大される第三拡径孔53とからなる。第三拡径孔53の
紡績糸Yの送出側端部には、送出孔54が形成されてい
る。
【0026】中空ガイド軸体20の軸方向中途部には、
第一旋回ノズル孔47で旋回された繊維束Fを吸引し
て、導入孔50内に導入するための補助ノズル55が設
けられている。図4、図5に示すように、補助ノズル5
5は、中空ガイド軸体20の軸方向中途部に、紡績糸通
路49に対して垂直となる方向に設けた複数の第二旋回
ノズル孔56により構成される。第二旋回ノズル孔56
は、図5に示すように、それぞれ紡績糸通路49の内周
に沿って、糸送り方向より見て、Z撚りの場合、右回り
方向R2にエアを流すように、例えば等間隔に八箇所、
第一拡径孔51に接続されるように形成されている。つ
まり、補助ノズル55は、空気紡績ノズル19と逆方向
の旋回気流を発生させるように構成されている。中空ガ
イド軸体20の内部には、送出口54近傍から上流側先
端側へ延びて各第二旋回ノズル孔56に連通するエア通
路37が形成されている。エア通路37は、送出口54
側で圧気供給路58に接続されており、第二旋回ノズル
孔56にエアを供給可能としている。
【0027】なお、補助ノズル55は、フロントローラ
24の繊維束Fのニップ点にできる限り近づけることが
好ましい。なぜならば、糸出し紡績の際、フロントロー
ラ24を出た繊維束Fをより強い吸引力で中空ガイド軸
体20に引き込むためであり、かつ、補助ノズル55か
らの旋回気流により、フロントローラ24を出た繊維束
Fに撚りを伝搬させ、繊維の捕捉を助けるためである。
【0028】空気紡績部5へのエアの供給は、図1に示
すように、紡績装置に設けられた圧縮エア発生源6よ
り、各紡績ユニット3毎に設けられる第一エア圧切換手
段27、第二エア圧切換手段68を介して行われる。第
一エア圧切換手段27により所定の噴射エア圧にされた
エアが、空気紡績ノズル19の第一旋回ノズル孔47へ
供給され、第二エア圧切換手段68により所定の噴射エ
ア圧にされたエアが、補助ノズル55の第二旋回ノズル
孔56へと供給される。
【0029】次に、糸継ぎに際しての空気紡績部5での
作用について説明する。空気紡績部5へ送られた繊維束
Fは、ニードルホルダ43の案内孔41内を挿通され、
空気紡績部5内で、第一旋回ノズル孔47と第二旋回ノ
ズル孔56の双方からの圧縮空気の噴射を受ける。第一
旋回ノズル孔47は繊維束Fの糸送り方向下流側に傾斜
して形成されており、第一旋回ノズル孔47から噴射さ
れる圧縮空気は旋回しながら繊維束Fの送り方向へ流れ
る。このため、ニードルホルダ43の案内孔41内を挿
通された繊維束Fは、旋回気流で緩い仮撚り状態にされ
ながら中空ガイド軸体20の開口48付近へ送られる。
【0030】また、糸継ぎに際し、補助ノズル56の第
二旋回ノズル孔56から圧縮空気が噴射され、該圧縮空
気は中空ガイド軸体20に形成された紡績糸通路49内
で内周面に沿って流れ、旋回気流を形成する。なお、糸
出し紡績(糸の紡績の開始時)でない通常の紡績時は、
第二旋回ノズル孔56からは圧縮空気は噴射されず、第
一旋回ノズル孔47からのみ圧縮空気が噴射されて、実
撚り状の紡績糸Yが紡績される。
【0031】そして、紡績糸通路49は、紡績糸Yの送
出側に向けて末広がり状に形成されているため、第二旋
回ノズル孔56を介して紡績糸通路49内に噴射された
圧縮空気は紡績糸Yの送出側へ向けて流れ、導入部50
は負圧となる。このため、中空ガイド軸体20の先端に
形成された開口48には、吸引方向(中空ガイド軸体2
0内へ向かう方向)の空気の流れが発生する。これによ
り、繊維束Fを連続的に引き込むことができる。
【0032】中空ガイド軸体20の開口48付近に送ら
れた仮撚り状態の繊維束Fは、開口48からの吸引流に
よって開口48内の紡績糸通路49に吸引される。そし
て、繊維束Fは第一拡径孔51に至り、空気紡績ノズル
19とは逆向きの旋回気流にさらされる。このため、互
いに逆方向の旋回ノズルにより紡績糸Yを紡績する公知
の紡績技術により、緩い仮撚り状態の繊維束Fは結束繊
維状に紡績されながら中空ガイド軸体20から送出さ
れ、糸出し紡績がなされる。
【0033】次に、糸送り手段について説明する。空気
紡績部5の下流側のデリベリローラ17は、モータ35
によって回転駆動し、糸道を挟んで、デリベリローラ1
7に対向するように、ニップローラ16がデリベリロー
ラ17と接離可能に配置されている。糸道を通過する紡
績糸Yは、デリベリローラ17と、デリベリローラ17
に接触して従動回転するニップローラ16とに挟まれ
て、下流側へと送出される。糸継ぎに際しては、まず前
述の糸出し紡績により、紡出側の糸端は結束紡績糸Uに
形成され、空気紡績部5より送出される。該糸を、前記
サクションノズル12に吸引して、サクションノズル1
2の旋回により該紡績糸Yをニップローラ16とデリベ
リローラ17との間に案内する。そして、該糸を糸道に
沿わせて、該糸に下流側への糸送り力を与えるようにし
ている。該糸は、結束紡績糸Uに紡績された状態で、ニ
ップローラ16とデリベリローラ17との間にニップさ
れて、安定した糸送りがなされると、下位コントローラ
34、第二エア圧切換手段68により、第二旋回ノズル
孔56への圧縮空気供給が停止される。糸出し紡績が終
了すると、空気紡績ノズル19のみによりエア噴射が行
われる。デリベリローラ17は、前述したように、前記
フロントローラ24、前記フリクションローラ38と同
一のモータ35により、駆動される。
【0034】デリベリローラ17の下流側には、糸継ぎ
時の糸たるみを取るためのスラックチューブ40と称す
る吸引パイプが設けてある。糸継ぎ動作時において、サ
クションノズル12およびサクションマウス13に吸引
捕捉される紡出側および巻取側の糸同士が、前記糸継装
置11に導入された時点より糸継ぎが終了する時点まで
の間、糸継装置11のクランプ装置によって糸端の走行
を停止しているが、紡出側の糸は次々と紡績されてくる
ため、糸たるみが発生する。ここで、紡出側の糸に張力
を与え続けるため、スラックチューブ40で吸引を行
い、糸たるみを吸収する。
【0035】スラックチューブ40の下流側には、糸欠
点の検出および糸走行の有無を検出する手段として、糸
欠点検出部たるスラブキャッチャ18が設けられてい
る。スラブキャッチャ18により糸欠点が検出されて、
紡績糸Yが切断されたり、自然糸切れが発生したりする
と、巻取側(糸切断個所の下流側)の紡績糸Yはパッケ
ージP側に巻き取られ、紡出側(糸切断個所の上流側)
では、スライバSの送りが停止される。
【0036】巻取手段8は、パッケージPの周面に当接
するフリクションローラ38と、トラバース装置7とか
らなる。フリクションローラ38は、前述したように、
前記フロントローラ24、前記デリベリローラ17と同
一のモータ35により、駆動される。フリクションロー
ラ38の上流側近傍には、紡績糸YをパッケージPに均
一に巻き取るためのトラバース装置7が設けられてい
る。トラバース装置7は、モータ44により駆動され、
モータ44にはフィードバック制御用のエンコーダ45
が直結されている。また、モータ44の加減速制御を行
うための下位コントローラ46が、モータ44に接続さ
れている。
【0037】紡績ユニット3には、前記の下位コントロ
ーラ31・32・36・46を統轄制御するための上位
コントローラ(制御装置)64が設けられており、主に
各コントローラへタイミング信号を与え、全体の動作が
円滑に移行するようにしている。また、上位コントロー
ラ64には、糸欠点検出部であるスラブキャッチャ18
からの信号も入力される。
【0038】次に、第一実施例の紡績装置における紡績
および糸継ぎ動作について、図1、図6を用いて説明す
る。図6は各装置の糸送り速度の加減速パターンを示す
図である。ここで、紡績糸Yの糸送り速度は、フロント
ローラ24(ドラフト装置4)、デリベリローラ17
(糸送り手段)、フリクションローラ38(巻取手段
8)の回転速度によって決定される。本発明において
は、糸継ぎ時に、紡績糸Yの糸送り速度を決定する前記
各ローラ24・17・38を加減速制御することで、糸
たるみYa長さを低減するようにしている。
【0039】繰り返すが、「糸継ぎ」とは、ノズル12
・マウス13により吸引捕捉された両糸端がつながれて
いることを指すものであり、「糸継ぎ動作」とは、糸継
ぎ台車9が該当紡績ユニット3に到着してから通常紡績
が開始されるまでの紡績装置内の作業動作を指す。ま
た、「糸継ぎ」を行っている時間が「糸継ぎ時」であ
り、「糸継ぎ動作」を行っている時間が「糸継ぎ動作
時」である。以下の第一から第三実施例の説明で用いる
図6、図9、図12において、「糸継ぎ時」は、時刻T
6からT7までの時間を指すものであり、「糸継ぎ動作
時」は、時刻T2からT9までの時間を指すものであ
る。
【0040】スラブキャッチャ18によりスラブ等の糸
欠点が検出されて、図示しないカッタで糸Yの切断が行
われるか、あるいは空気紡績部5内での繊維束F詰まり
等により、糸無しが検出されたならば、これらの検出に
基づいて、糸欠点信号が上位コントローラ64に入力さ
れる。糸欠点の検出時刻を、図6に示すT0とする。以
下の他の時刻も、図6中に示すものと一致する。このと
き、前記糸欠点信号に基づいて、上位コントローラ64
より各下位コントローラへ向けて指令信号が出力され、
図6(a)に示すように、直ちに、ドラフト装置4のモ
ータ25が停止され、図6(b)に示すように、セカン
ドローラ23を駆動するモータ29と、次の三つのロー
ラ、つまり、フロントローラ24、デリベリローラ1
7、フリクションローラ38を駆動するモータ35と、
トラバース装置7を駆動するモータ44と、に減速指令
が与えられ(時刻T0)、通常紡績時の糸送り速度から
糸継ぎ時の糸送り速度に切り換わる(時刻T1)。以下
では、通常紡績時の糸送り速度を第一駆動速度、糸継ぎ
時の糸送り速度を第二駆動速度とする。第二駆動速度
は、第一駆動速度よりも低速である。ここで、ドラフト
装置4の各モータ25が停止することで、スライバSの
供給が停止して、空気紡績部5からの紡績糸Yの送出も
停止する。また、糸欠点検出により、切断された個所よ
り下流側の紡績糸Yは、パッケージP内に巻取られる。
【0041】糸欠点または糸無しが検出されると、糸継
ぎ台車9が糸継ぎの該当ユニット3に到着する(時刻T
2)。そして、サクションノズル12およびサクション
マウス13の旋回等によって、前述した糸継ぎ動作を開
始するが、この糸継ぎ動作に先立って、ドラフト装置4
および空気紡績部5の立上げが次のようにして行われ
る。すなわち、上位コントローラ64からの指令が下位
コントローラ31に発せられ、図6(a)に示されるよ
うにプログラムされた加減速パターンに基づいて、サク
ションノズル12およびサクションマウス13が旋回す
る時刻T2において、モータ25に増速指令を与える。
この増速指令が図6(a)の加減速パターンにおける時
刻T2からT3における傾斜部で示される。尚、時刻T
2の直前に、パッケージPをフリクションローラ38か
ら離反させ、パッケージPに対して逆転駆動を与える。
これにより、スライバSの供給が再開され、第二エア圧
切換手段68により、第二旋回ノズル孔56への圧縮空
気供給が開始され、糸出し紡績が開始される。
【0042】前記の減速・増速指令により、各モータ2
5・26・35・44の駆動による糸送り速度が各々第
二駆動速度となると、糸送り速度が第二駆動速度に維持
される(時刻T3からT7)。トラバース装置7の駆動
速度も、糸送り速度に対応して制御されるものである。
この減速・増速時に、ドラフト装置4でスライバSが次
々と延伸され、空気紡績部5に送出されるが、ドラフト
装置4において、ローラ23・24の周加速が一定とな
るように制御され、時刻T3以降は、各ローラ21・2
1a・23・24の周速比が通常紡績時と同じになるよ
うに制御されるようにすることで、適正に延伸された適
正な太さのスライバSが空気紡績部5へ導入され、ノズ
ル詰まり等は生じず、糸通しの失敗を少なくする。
【0043】また、糸送り速度が第二駆動速度に保持さ
れる、時刻T3からT6の間に、前記サクションノズル
12が紡出側の糸を吸引捕捉すると共に、元の位置に旋
回して、該糸を前記デリベリローラ17とニップローラ
16との間にニップする(時刻T4)。紡出側の糸は、
両ローラにニップされることで、糸道上で下流側への送
り力を付与される。
【0044】実撚り状の紡績糸YのみをパッケージPに
巻き取るためには、紡出側の糸において、結束紡績糸U
の部分は不要である。有用なのは、結束紡績糸Uの部分
の上流側の実撚り状の部分である。このため、紡出側の
糸のうち、実撚り状の紡績糸Yに形成された部分を、サ
クションノズル12の吸引捕捉により、前記糸継装置1
1に導入して、糸継ぎを行うようにしている。つまり、
糸継ぎ時には、サクションノズル12は、まず、紡出側
の糸において結束紡績糸Uに形成された部分を吸引し
て、ニップローラ16とデリベリローラ17との間にニ
ップすることにより、下流側への送り力を付与すると共
に、糸継装置11へと導入する。次いで、サクションノ
ズル12は、少なくとも糸出し紡績の終了に伴って送ら
れる紡績糸Yの実撚り状に形成された部分が、糸継装置
11内に供給されるまで、紡出側糸端を吸引するように
なっている。
【0045】紡出側の糸において、結束紡績糸U部分が
ニップされると(時刻T4)、空気紡績部5で実撚り状
の紡績糸Yの紡績が開始(時刻T5)される状態とな
る。そして、時刻T6から時刻T7の間に、紡出側およ
び巻取側の糸端が各々クランプされて、両糸端を所定の
位置に維持して、糸継ぎ動作が行われる。時刻T6で
は、空気紡績部5より、紡績された実撚り状の紡績糸Y
が送出されており、このとき紡績糸Yの結束紡績糸U部
分は、サクションノズル12内に完全に入り、吸引され
続けている。糸継ぎ動作においては、サクションノズル
12によって、紡出側の糸の実撚り状の紡績糸Y部分が
吸引捕捉されると共に、糸欠点が検出されて糸切断され
た場合は、フリクションローラ38とパッケージPとの
接触が解除された後に、パッケージPの逆転駆動と、サ
クションマウス13とによって、糸欠点を含む巻取側の
糸端部が吸引捕捉される。サクションマウス13による
吸引は、少なくとも前記糸欠点部分がサクションマウス
13内に完全に入り、正常な実撚り状の糸が糸継装置1
1に供給されるまで、行われるようになっている。そし
て、正常な実撚り状になっている両糸の部分が、糸継装
置11に導入されて、糸継ぎされる。このとき、前記糸
出し紡績による結束紡績糸Uを含む糸端部分、糸欠点を
含む糸端部分が除かれて、実撚り状の糸のみが巻き取ら
れる。
【0046】時刻T6からT7における糸継ぎ時におい
ては、紡出側の糸および巻取側の糸端は、所定時間所定
位置に保持されるため、その間紡出されてくる糸は前記
スラックチューブ40内に、図1に示すように、U字状
に吸引される。この間、スラックチューブ40内に吸引
される糸たるみYaの長さを低減するために、糸送り速
度が加減速制御される。該加減速制御は具体的には、ま
ず減速制御されて(時刻T0からT1)、第二駆動速度
にされ、一定時間(時刻T1からT7)の間は、第二駆
動速度に維持される。
【0047】糸送り速度を高速側(第二駆動速度より第
一駆動速度)に切り換えるタイミングである時刻T7
は、例えば、次のような方法により、上位コントローラ
64において特定可能であるが、この方法に限定されな
い。第一の方法としては、タイマを用いて、時刻T2ま
たはT3から所定時間が過ぎて時刻T7に至ると、タイ
マより上位コントローラ64に向けて検出信号を送信し
て、時刻T7を上位コントローラ64において特定する
ものである。第二の方法としては、糸継装置11によ
り、両糸端がつながれたのを検出して、時刻T7を上位
コントローラ64において、特定するものである。
【0048】糸継ぎ終了時(時刻T7)には、糸継装置
11によるクランプ状態が解除されて、フリクションロ
ーラ38がパッケージPに再び接触することにより、パ
ッケージPの巻取り再開されて、スラックチューブ40
内にたまった糸たるみが解消され始める。前記糸継装置
11によるクランプ状態が解除され、巻取りを再開すれ
ば、糸たるみは減少していくので、通常紡績状態に復帰
させるべく、糸送り速度を再び第一駆動速度にし、その
後(時刻T9以降)は第一駆動速度に維持される。ま
た、好ましくは、前記パッケージPとフリクションロー
ラ38との接触時点を、フロントローラ24およびデリ
ベリローラ17の増速制御開始時点よりも僅かに早めに
設定すると、パッケージP自身の回転の増速が早めに行
われて、スラックチューブ40内にたまった糸たるみを
短時間のうちに解消することができる。パッケージP自
身の重量の慣性等によって、パッケージPの増速タイミ
ングが遅れてしまうため、これを考慮して、早めに増速
させるものである。
【0049】糸継ぎが終了すると、紡績糸Yの紡績が第
一駆動速度において、継続して行われる。
【0050】以上のように、第一実施例の紡績装置で
は、前記上位コントローラ64および下位コントローラ
31・32・36・46を設け、スラブキャッチャ18
によるの糸欠点の検出結果に基づいて、ドラフト装置4
のセカンドローラ23およびフロントローラ24と、糸
送り手段であるデリベリローラ17と、巻取手段のフリ
クションローラ38とを、加減速制御するようにしてい
る。なお、糸種によっては、糸送り速度を低速にするの
みで、第一実施例のように、空気紡績ノズル19からの
噴射エア圧を通常紡績時と同じにしても、糸のトルク、
毛羽数に影響が出ず、ほぼ一定に維持されるものもあ
る。以上において、糸継ぎ時に、糸道に沿って設けられ
た各装置による糸送り速度が低速にされるので、糸の張
力を維持しながら、糸たるみYaの長さを短くすること
ができる。したがって、糸たるみYaを吸引しておくた
めのスラックチューブ40の長さを短くすることができ
る。また、たるみ長さが過大になることにより起こりが
ちな、たるみ部分でのビリや糸がらみの発生を防止する
こともできる。
【0051】加えて、スラブキャッチャ18の糸欠点検
出によって、前記上位コントローラ64および下位コン
トローラ31・32・36・46により、糸送り速度を
減速させる制御が行われ、糸継装置11による糸継ぎの
開始前から、糸送り速度を予め低速にすることができ、
糸継ぎ時で、糸送り速度がより確実に低速になる。
【0052】次に、第二実施例の紡績装置について、図
6から図9を用いて説明する。図7は第二実施例の紡績
装置の各装置の配置構成図であり、図8は第一切換機構
27の構成を示すブロック図であり、図9は空気紡績ノ
ズル19の噴射エア圧の加減圧パターンを示す図であ
る。第一実施例と共通する部材に関しては、第一実施例
と同じ符号を記すものとし、以下では共通部分に関する
説明を省略する。
【0053】第二実施例においては、糸継ぎ時に、紡績
糸Yの糸送り速度を決定する前記各ローラ24・17・
38を加減速制御することに加えて、空気紡績部5の空
気紡績ノズル19より噴射されるエア圧を高低切換制御
している。これは、次の理由による。前記第一実施例で
述べた糸(ノズル19の制御が不要)以外の糸種では、
紡績糸Yを紡績している際に、糸送り速度を減速しなが
ら、空気紡績ノズル19より噴射されるエア圧を固定し
たままにすると、糸(繊維束F)の単位長さ当たりに加
えられるエア噴射量が通常時よりも増加する。つまり、
通常の紡績時よりも、繊維束Fを構成する単繊維がより
強く巻き込まれることになり、その部分だけ、強く締め
付けられた糸が形成されて、トルクの変化、毛羽数の減
少した部分が発生し、結果としてその部分で染色ムラが
発生することになる。そこで、糸送り速度の制御に対応
して、噴射エア圧をもほぼ同期して制御するのである。
【0054】第二実施例の紡績装置を構成する紡績ユニ
ット103には、図7に示すように、前記エア圧切換手
段27・68に、個別に接続される下位コントローラ3
3・34が設けられている。また、下位コントローラ3
3・34も、前記上位コントローラ64により統轄制御
され、これらのコントローラにより、エア圧切換制御装
置が構成されている。
【0055】第二実施例においては、糸継ぎ時に、空気
紡績ノズル19の噴射エア圧の加減圧制御が行われる。
糸送り速度の制御は、前述と同様に行われるものであ
り、図6(a)・(b)に示す加減速パターンに基づい
て、各モータ25・26・35・44の制御が、下位コ
ントローラ31・32・36・46により行われる。
【0056】図6(a)・(b)に示すように、空気紡
績部5より糸出し紡績されるのは、時刻T3以降であ
る。したがって、最低限噴射エア圧の減圧制御が必要と
なるのは、糸送り速度の変化する時刻T3以降である。
モータ39・44の減速指令が与えられる時刻(時刻T
0)から、紡出側の糸の糸道へのニップが完了する時刻
(時刻T4)までの結束紡績糸Uの紡績が行われる間
は、空気紡績ノズル19の噴射エア圧を、モータ25・
26・35・44の変化に同期して減圧させている。
尚、補助ノズル55の噴射エア圧は、下位コントローラ
34によって、第一実施例での噴射エア圧よりも低圧に
設定してあるのが好ましい。紡出側の糸の先端部に形成
される結束紡績糸U部分は、糸出し紡績の際の空気紡績
ノズル19の噴射エア圧を適切に切り換えることによ
り、糸切れが防止されると共に、糸出し成功率が向上さ
れる。
【0057】第一エア圧切換手段27は、図8に示すよ
うに、無段式の切換弁70と、切換弁70の駆動手段7
1とから構成される。前記圧縮エア発生源6と空気紡績
部5に設けた空気紡績ノズル19とは、エア経路72を
介して連通可能に接続されており、切換弁70のエア圧
切換により、空気紡績ノズル19に供給されるエア圧が
無段階に変化可能である。切換弁70は駆動手段71の
駆動により切換られるものであり、駆動手段71は前記
下位コントローラ33に接続されている。そして、図9
に示されるようにプログラムされた加減圧パターンに基
づいて、切換弁70を切換えるように駆動手段71が下
位コントローラ33に制御される。補助ノズル55の圧
縮エア噴射は、空気紡績ノズル19が糸継ぎ時の噴射エ
ア圧となっている間に行われるので、補助ノズル55の
エア圧切換は不要である。
【0058】第二実施例においては、糸継ぎ時における
空気紡績ノズル19での噴射エア圧の変化は、図6、図
9に示されるように、糸送り速度に対応して、連続的に
行われるものとなっている。糸送り速度が減速されると
きは噴射エア圧も減圧され、糸送り速度が一定とされる
ときは噴射エア圧も一定とされ、糸送り速度が再び増速
されると噴射エア圧も加圧される。このため、時刻T6
からT7における糸継ぎ時、並びに、通常紡績への復帰
時においても、空気紡績部5で紡績される実撚り状の紡
績糸Yのトルク、毛羽数が、通常紡績時と同様の糸状態
にすることができる。これは、糸送り速度の加減速に応
じて、噴射エア圧が加減圧されるので、糸の単位長さ当
たりに付与される噴射エアのエネルギー量もほぼ一定に
維持されるためである。
【0059】なお、補助ノズル55は、結束紡績糸Uの
紡績に関わるものであるので、時刻T6からT7におけ
る糸継ぎ動作時には、補助ノズル55からはエアが噴射
されない。このため、糸継ぎ動作時の紡績に関わりがな
いので、この間は噴射が停止された状態にある。
【0060】以上のように、第二実施例の紡績装置で
は、第一実施例の構成に加えて下位コントローラ33を
加え、スラブキャッチャ18によるの糸欠点の検出結果
に基づいて、ドラフト装置4のフロントローラ24と、
糸送り手段を構成するデリベリローラ17と、巻取手段
のフリクションローラ38とを、加減速制御すると共
に、空気紡績ノズル19からの噴射エア圧の加減圧制御
を行っている。このため、糸継ぎ時において、糸の張力
を維持しながら糸のたるみYa量を抑えることができる
と共に、糸送り速度が変化しても、紡績糸Yの単位長さ
当たりに付与される噴射エアのエネルギーを一定に保つ
ことができ、糸のトルクや毛羽数が、通常紡績時とほぼ
同等の状態とすることができる。したがって、糸継ぎ部
分における染色ムラの発生を防止することができる。
【0061】また、第二実施例においては、空気紡績ノ
ズル19からの噴射エア圧の加減圧制御が、無段式の切
換弁71を用いて、連続的に行われるように構成されて
いる。このため、空気紡績ノズル19からの噴射エア圧
を、糸送り速度により正確に追従して変化させることが
できる。したがって、紡績糸Yの単位長さ当たりに付与
される噴射エアのエネルギーを、通常紡績時と同様の状
態に維持することができる。このため、糸継ぎ部分の紡
績糸Yと、他の通常の紡績により製造された部分とを、
より同等の状態に近づけることができる。
【0062】次に、第三実施例の紡績装置について、図
6と、図10から図12を用いて説明する。図10は第
三実施例の紡績装置の各装置の配置構成図であり、図1
1は第一切換機構127の構成を示すブロック図であ
り、図12は空気紡績ノズル19の噴射エア圧の加減圧
パターンを示す図である。第三実施例の紡績装置は、第
二実施例の紡績装置に設けた無段式の切換弁70に代え
て、図11に示すように、ステップ式の切換弁170を
設けている。これに伴って、第二実施例に示す駆動手段
71に代えて、駆動手段171を設けて、第二実施例に
設けた第一エア圧切換手段27に代えて、第一エア圧切
換手段127を設ける構成としている。また、切換機構
の変更に対応して、第二実施例の前記下位コントローラ
33に代えて、下位コントローラ133が、第三実施例
の紡績装置には搭載されている。例えば、図12の中段
のエア圧にして供給する圧縮空気作成室172aと、通
常紡績時のエア圧にして供給する圧縮空気作成室172
bと、圧縮空気作成室を介さない経路とを、各々切換弁
170に並列に接続する。また、圧縮エア発生源6の圧
縮エア圧を糸継ぎ時のエア圧とし、圧縮空気作成室17
2a・172bを通過するエアの圧を、それぞれ、通常
紡績時のエア圧、該エア圧よりは低いが糸継ぎ時のエア
圧より高いエア圧として、ステップ式に圧が変化するエ
アを供給可能とする。切換弁170は駆動手段171の
駆動により適宜切換られるものであり、駆動手段171
は前記下位コントローラ133に接続されている。そし
て、図12に示されるようにプログラムされた加減圧パ
ターンに基づいて、切換弁170を切換えるように駆動
手段171が下位コントローラ133に制御される。な
お、下位コントローラ133も、前記上位コントローラ
64により統轄制御される。なお、前記圧縮空気作成室
の配設数は、前記の数に限定されるものではなく、更に
多段となるように、エア圧が各々異なるものを増設して
もよい。
【0063】第三実施例と第二実施例の紡績装置の相違
は、空気紡績ノズル19への第一エア圧切換手段27・
127(切換弁70・170)の構成の相違のみであ
り、他の構成は相互に同じものであり、同様の部材につ
いては同符号を記し、説明を省略している。第一エア圧
切換手段の構成の相違により、第三実施例においては、
空気紡績ノズル19からの噴射エアの加減圧パターン
(図12に図示)が、第二実施例の加減圧パターン(図
8に図示)のものと相違したものとなっている。一方、
糸送り速度の制御に関しては、第一、第二実施例と同じ
く、図6(a)・(b)に示す加減速パターンに基づい
て、各モータ25・26・35・44の制御が、下位コ
ントローラ31・32・36・46により行われる。
【0064】第三実施例においては、糸継ぎ動作時にお
ける空気紡績ノズル19での噴射エア圧の変化は、図
6、図12に示されるように、糸送り速度が減速される
ときは噴射エア圧も減圧され、糸送り速度が一定とされ
るときは噴射エア圧も一定とされ、糸送り速度が再び増
速されると噴射エア圧も加圧されるが、糸送り速度の増
速時は、糸送り速度に対応して、中段のエア圧に切換え
る時刻T8を経て、ステップ式に行われるものとなって
いる。図12中に描かれるグラフにおいて、実線は噴射
エア圧を示すものであり、一点鎖線は、前記第一エア圧
切換手段127の切換弁170で切り換えられる圧縮エ
ア圧を示すものである。圧縮エアの伝搬速度は音速なの
で、切換弁170での切換時と、該切換弁170より供
給される圧縮エア圧が空気紡績ノズル19に伝搬する時
刻との間には、タイムラグが生じる。このため、切換弁
170で切換えた圧縮エア圧と、空気紡績ノズル19で
の噴射エア圧とは、完全には一致せず、噴射エア圧の方
が緩やかに圧が変化する。糸送り速度の増速時は、噴射
エア圧の変化は略ステップ状の変化となる。
【0065】前記増速時において、噴射エア圧が、ステ
ップ式に追従して変化するように構成されていることに
より、糸送り速度に対応した噴射エア圧の制御を行わな
い場合(噴射エア圧を一定に保つ場合)と比べて、紡績
された紡績糸Yの形態変化を小さくできる。つまり、空
気紡績部5において、糸の単位長さ当たりに付与される
噴射エアのエネルギー量の変動が、前記制御を行わない
場合と比べて、小さく抑えられているので、空気紡績部
5で紡績される実撚り状の紡績糸Yのトルク、毛羽数
を、通常紡績時における糸状態に近似させることができ
る。
【0066】なお、以上の第一から第三実施例の紡績装
置において、ある錘にて糸継ぎを行う場合、通常紡績を
行っている他の錘に影響を与えることなく、糸送り速度
を減速させるために、紡績糸Yの糸送りに関わる各装
置、すなわち、ドラフト装置4、糸送り手段を構成する
デリベリローラ17、巻取手段8は、前述したように、
各錘(各紡績ユニット)単独の駆動モータにより、それ
ぞれ駆動される。このため、各錘毎に糸送り速度の加減
速制御を行うことを容易にしている。複数錘が共通のラ
インシャフト等の駆動手段により駆動される従来の場合
であれば、各錘は、駆動状態か、停止状態かの二選択し
かなく、各錘単独の加減速制御を行うことは困難であ
る。但し、各錘毎に個別に速度制御可能となるように駆
動を伝達する伝達手段を配置したものであれば、前記の
各錘単独の駆動モータによる構成に限定するものではな
い。
【0067】糸継ぎ時において、スラブキャッチャ18
による糸欠点検出を基準(の時刻)として、モータ26
・35・44による糸送り速度の減速制御を開始する以
外に、例えば、糸継ぎ台車9の到着を検出する検出手段
を設け、該検出手段による検出を基準として、減速制御
させるようにしてもよい。あるいは、糸継装置11によ
る糸端のクランプのタイミングを検出して、該検出を基
準として減速制御するようにしてもよい。
【0068】本発明の実施形態における空気紡績部は、
前記の構成のものに限定されるものではない。例えば、
中空ガイド軸体を、先端部、導入部を含む前部外部筒体
と、圧気供給路が接続された後部外部筒体と、第一拡径
部、第二拡径部、第三拡径部、第二旋回ノズル孔を含む
内部筒体といった別体により構成し、それらを互いに嵌
合し、前記前部外部筒体、後部外部筒体、内部筒体との
間隙によりエア通路を形成してもよい。前記構成によ
り、第二旋回ノズル孔により構成される補助ノズルは、
フロントローラの繊維束のニップ点にできる限り近づけ
られる。前記嵌合は、エア漏れを防止すべく、Oリング
等のシール部材を介して、嵌脱自在としてもよい。第二
旋回ノズル孔を、前記第一拡径部に直交する平面に対し
て、下流側に向かうように、傾斜させて構成してもよ
い。補助ノズルから噴射される圧縮空気により形成され
る糸通路の空気流は、旋回気流に限定されるものではな
く、中空ガイド軸体の先端の開口から排出口に向かう旋
回していない直気流でもよい。
【0069】
【発明の効果】請求項1記載の如く、ドラフト装置と、
空気紡績部と、空気紡績部より紡出された糸を送り出す
糸送り手段と、巻取手段とを備え、空気紡績部は、中空
ガイド軸体と、中空ガイド軸体の糸送り上流側端部周辺
に旋回気流を発生させる空気紡績ノズルと、中空ガイド
軸体の糸通路内に旋回気流を発生させる補助ノズルとを
備えた紡績装置であって、ドラフト装置、糸送り手段、
巻取手段の駆動速度を、各々通常紡績時の第一駆動速度
と、第一駆動速度より低速とした糸継ぎ時の第二駆動速
度との間で切り換える制御装置を設けたので、糸継ぎ時
に、糸道に沿って設けられた各装置による糸送り速度が
低速にされ、糸たるみの長さを通常の紡績時と比べて短
くしながら、糸の張力を維持することができる。このた
め、高品質のパッケージを製造することができる。ま
た、糸に加えられる張力の変化が抑えられるので、糸形
態が維持されて、染色ムラの発生を防止することができ
る。さらに、たるみ長さが過大になることにより起こり
がちな、たるみ部分でのビリや糸がらみの発生を防止す
ることができる。
【0070】請求項2記載の如く、糸道上に、糸の欠点
を検出する糸欠点検出部を設け、前記制御装置は、糸欠
点検出部の検出結果に基づいて、第一駆動速度と第二駆
動速度とを切り換えるので、糸送り速度を減速させる制
御が行われ、糸継装置の糸継ぎ動作の開始前から、糸送
り速度を予め低速にすることができ、糸継ぎ動作で、糸
送り速度がより確実に低速になる。
【0071】請求項3記載の如く、ドラフト装置、糸送
り手段、巻取手段の駆動速度変化に対応して、前記空気
紡績ノズルの旋回気流の噴射エア圧を加減圧切換え制御
するエア圧切換制御装置を設けたので、糸継ぎ時におい
て、糸の張力を維持しながら糸のたるみ量を抑えること
ができると共に、糸送り速度が変化しても、紡績糸の単
位長さ当たりに付与される噴射エアのエネルギーを一定
に保つことができ、糸のトルクや毛羽数が、通常紡績時
とほぼ同等の状態とすることができる。したがって、糸
継ぎ部分における染色ムラの発生を防止することができ
る。
【0072】請求項4記載の如く、空気紡績ノズルのエ
ア圧を連続的に変化させる切換手段を備え、該切換手段
の駆動を、前記エア圧切換制御装置により制御したの
で、空気紡績ノズルからの噴射エア圧を、糸送り速度に
より正確に追従して変化させることができる。したがっ
て、紡績糸の単位長さ当たりに付与される噴射エアのエ
ネルギーを、通常紡績時と同様の状態に維持することが
できる。このため、糸継ぎ部分の紡績糸と、他の通常の
紡績により製造された部分とを、ほぼ同等の状態に近づ
けることができる。
【0073】請求項5記載の如く、空気紡績ノズルのエ
ア圧をステップ式に変化させる切換手段を備え、該切換
手段の駆動を、前記エア圧切換制御装置により制御した
ので、糸の単位長さ当たりに付与される噴射エアのエネ
ルギー量の変動が、前記制御を行わない場合と比べて、
小さく抑えることができ、空気紡績部5で紡績される実
撚り状の紡績糸Yのトルク、毛羽数を、通常紡績時にお
ける状態に近似させることができる。しかも、通常圧と
糸継ぎ時の圧力との間の差が大きい場合、連続的にエア
圧を糸送り速度に追従変化させる場合と比べて、急激な
変化を伴わず、空気紡績ノズルの噴射エア圧は、複数段
階に分けて徐々に変化される。
【0074】請求項6記載の如く、前記ドラフト装置と
前記糸送り手段と前記巻取手段とを備えた錘が複数設け
られ、各錘毎に個別に速度制御可能としたので、ある錘
にて糸継ぎを行う場合、通常の紡績を行っている他の錘
に影響を与えることなく、糸継ぎを行う錘のみ糸送り速
度を減速できる。
【0075】請求項7記載の如く、請求項1に記載の紡
績装置を用いて、糸継ぎ時には、前記駆動速度を、前記
第二駆動速度とし、糸継ぎが終了すると再び前記第一駆
動速度とするので、糸継ぎ時に、糸道に沿って設けられ
た各装置による糸送り速度が低速にされ、糸たるみの長
さを通常の紡績時と比べて短くしながら、糸の張力を維
持することができる。このため、高品質のパッケージを
製造することができる。また、糸に加えられる張力の変
化が抑えられるので、糸形態が維持されて、染色ムラの
発生を防止することができる。さらに、たるみ長さが過
大になることにより起こりがちな、たるみ部分でのビリ
や糸がらみの発生を防止することができる。
【0076】請求項8記載の如く、請求項2に記載の紡
績装置を用いて、糸の欠点が検出されると、前記駆動速
度を第二駆動速度とし、糸継ぎが終了すると再び第一駆
動速度とするので、糸送り速度を減速させる制御が行わ
れ、糸継装置の糸継ぎ動作の開始前から、糸送り速度を
予め低速にすることができ、糸継ぎ動作で、糸送り速度
がより確実に低速になる。
【0077】請求項9記載の如く、請求項3に記載の紡
績装置を用いて、糸継ぎ時には、前記駆動速度が減速し
て前記第一駆動速度から前記第二駆動速度に変化するの
に対応して、前記空気紡績ノズルの噴射エア圧を通常紡
績時よりも低圧に変化させ、その後、前記駆動速度が再
び前記第二駆動速度から前記第一駆動速度に変化するの
に対応して、前記空気紡績ノズルの噴射エア圧を通常紡
績時のエア圧に変化させるので、糸継ぎ時において、糸
の張力を維持しながら糸のたるみ量を抑えることができ
ると共に、糸送り速度が変化しても、紡績糸の単位長さ
当たりに付与される噴射エアのエネルギーを一定に保つ
ことができ、糸のトルクや毛羽数が、通常紡績時とほぼ
同等の状態とすることができる。したがって、糸継ぎ部
分における染色ムラの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例の紡績装置の各装置の配置構成図で
ある。
【図2】紡績ユニット1が多数並設される様子を示す紡
績装置の正面図である。
【図3】空気紡績部5を示す側面断面図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】各装置の糸送り速度の加減速パターンを示す図
である。
【図7】第二実施例の紡績装置の各装置の配置構成図で
ある。
【図8】第一切換機構27の構成を示すブロック図であ
る。
【図9】空気紡績ノズル19の噴射エア圧の加減圧パタ
ーンを示す図である。
【図10】第三実施例の紡績装置の各装置の配置構成図
である。
【図11】第一切換機構127の構成を示すブロック図
である。
【図12】空気紡績ノズル19の噴射エア圧の加減圧パ
ターンを示す図である。
【符号の説明】
1 紡績ユニット 4 ドラフト装置 8 巻取手段 17 デリベリローラ(糸送り手段) 18 スラブキャッチャ(糸欠点検出部) 19 空気紡績ノズル(紡績ノズル) 20 中空ガイド軸体 25・26・35・44 モータ 27 第一エア圧切換手段 31・32・33・36・46 下位コントローラ(制
御装置) 55 補助ノズル 64 上位コントローラ(制御装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01H 13/22 D01H 13/22 (72)発明者 馬場 健治 京都市伏見区竹田向代町136番地 村田機 械株式会社本社工場内 (72)発明者 西川 寿雄 京都市伏見区竹田向代町136番地 村田機 械株式会社本社工場内 (72)発明者 田中 勝也 京都市伏見区竹田向代町136番地 村田機 械株式会社本社工場内 Fターム(参考) 4L056 AA19 BD12 DA20 EA04 EA13 EA25 EA41 EB18 EC05 EC85

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドラフト装置と、空気紡績部と、空気紡
    績部より紡出された糸を送り出す糸送り手段と、巻取手
    段とを備え、空気紡績部は、中空ガイド軸体と、中空ガ
    イド軸体の糸送り上流側端部周辺に旋回気流を発生させ
    る空気紡績ノズルと、中空ガイド軸体の糸通路内に旋回
    気流を発生させる補助ノズルとを備えた紡績装置であっ
    て、ドラフト装置、糸送り手段、巻取手段の駆動速度
    を、各々通常紡績時の第一駆動速度と、第一駆動速度よ
    り低速とした糸継ぎ時の第二駆動速度との間で切り換え
    る制御装置を設けたことを特徴とする紡績装置。
  2. 【請求項2】 糸道上に、糸の欠点を検出する糸欠点検
    出部を設け、前記制御装置は、糸欠点検出部の検出結果
    に基づいて、第一駆動速度と第二駆動速度とを切り換え
    ることを特徴とする請求項1に記載の紡績装置。
  3. 【請求項3】 ドラフト装置、糸送り手段、巻取手段の
    駆動速度変化に対応して、前記空気紡績ノズルの旋回気
    流の噴射エア圧を加減圧切換え制御するエア圧切換制御
    装置を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の紡績装置。
  4. 【請求項4】 空気紡績ノズルのエア圧を連続的に変化
    させる切換手段を備え、該切換手段の駆動を、前記エア
    圧切換制御装置により制御したことを特徴とする請求項
    3に記載の紡績装置。
  5. 【請求項5】 空気紡績ノズルのエア圧をステップ式に
    変化させる切換手段を備え、該切換手段の駆動を、前記
    エア圧切換制御装置により制御したことを特徴とする請
    求項3に記載の紡績装置。
  6. 【請求項6】 前記ドラフト装置と前記糸送り手段と前
    記巻取手段とを備えた錘が複数設けられ、各錘毎に個別
    に速度制御可能としたことを特徴とする請求項1から請
    求項5のいずれかに記載の紡績装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の紡績装置を用いて、糸
    継ぎ時には、前記駆動速度を、前記第二駆動速度とし、
    糸継ぎが終了すると再び前記第一駆動速度とすることを
    特徴とする紡績方法。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の紡績装置を用いて、糸
    の欠点が検出されると、前記駆動速度を第二駆動速度と
    し、糸継ぎが終了すると再び第一駆動速度とすることを
    特徴とする紡績方法。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の紡績装置を用いて、糸
    継ぎ時には、前記駆動速度が減速して前記第一駆動速度
    から前記第二駆動速度に変化するのに対応して、前記空
    気紡績ノズルの噴射エア圧を通常紡績時よりも低圧に変
    化させ、その後、前記駆動速度が再び前記第二駆動速度
    から前記第一駆動速度に変化するのに対応して、前記空
    気紡績ノズルの噴射エア圧を通常紡績時のエア圧に変化
    させることを特徴とする紡績方法。
JP2001362202A 2001-11-28 2001-11-28 紡績装置及び紡績方法 Withdrawn JP2003166132A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001362202A JP2003166132A (ja) 2001-11-28 2001-11-28 紡績装置及び紡績方法
EP02025649A EP1316631B1 (en) 2001-11-28 2002-11-19 Spinning device and spinning method
DE2002624493 DE60224493T2 (de) 2001-11-28 2002-11-19 Spinnvorrichtung und -verfahren

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001362202A JP2003166132A (ja) 2001-11-28 2001-11-28 紡績装置及び紡績方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003166132A true JP2003166132A (ja) 2003-06-13

Family

ID=19172740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001362202A Withdrawn JP2003166132A (ja) 2001-11-28 2001-11-28 紡績装置及び紡績方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP1316631B1 (ja)
JP (1) JP2003166132A (ja)
DE (1) DE60224493T2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103014963A (zh) * 2011-09-21 2013-04-03 村田机械株式会社 接头台车及纺纱机
CN106770284A (zh) * 2016-12-02 2017-05-31 武汉纺织大学 一种纱线周向毛羽的检测方法

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3575470B2 (ja) 2002-03-18 2004-10-13 村田機械株式会社 紡績方法及びその装置
DE10346194B4 (de) * 2003-09-29 2014-07-24 Wilhelm Stahlecker Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum Wiederherstellen eines unterbrochenen Spinnvorgangs
JP5515933B2 (ja) * 2010-03-25 2014-06-11 村田機械株式会社 空気紡績装置及び紡績機
DE102011053396B3 (de) 2011-09-08 2012-08-23 Terrot Gmbh Vorrichtung und Verfahren zur Herstellung von Maschenware
WO2015011771A1 (ja) 2013-07-22 2015-01-29 村田機械株式会社 糸製造装置
JP2016037685A (ja) * 2014-08-11 2016-03-22 村田機械株式会社 紡績機
DE102016110304A1 (de) * 2016-06-03 2017-12-07 Maschinenfabrik Rieter Ag Spinnereivorbereitungsmaschine in Form einer Strecke sowie Verfahren zum Betreiben derselben
DE102019111035A1 (de) * 2019-04-29 2020-10-29 Saurer Intelligent Technology AG Spinnstelle, Luftspinnmaschine und Verfahren zum Herstellen eines Garns
CN112323202B (zh) * 2020-06-28 2022-05-06 江苏聚海机械有限公司 一种通过可调变速回转头制备大肚纱的方法
CN112267183B (zh) * 2020-10-26 2022-03-08 吴江市天缘纺织有限公司 一种适用多f高弹纱线加捻的防毛丝装置及加捻方法
CN114836861B (zh) * 2021-02-02 2023-11-17 江苏京正特种纤维有限公司 一种高强涡流混纺纱的生产方法
CN114855317B (zh) * 2022-05-12 2024-02-27 湖南科创纺织股份有限公司 一种混纺纱线生产设备及其应用
CN115648600B (zh) * 2022-12-13 2023-03-21 太原理工大学 一种多束纤维缠绕自动上丝方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5034649B1 (ja) * 1970-04-18 1975-11-10
DE2058604B2 (de) * 1970-11-28 1977-08-25 Schubert & Salzer Maschinenfabrik Ag, 8070 Ingolstadt Verfahren und vorrichtung zum stillsetzen und wiederanfahren einer offen- end-spinnvorrichtung
DE3541219A1 (de) * 1985-11-21 1987-05-27 Schubert & Salzer Maschinen Verfahren und vorrichtung zum verspinnen von fasern
DE3836481A1 (de) * 1988-10-26 1990-05-03 Schubert & Salzer Maschinen Verfahren und vorrichtung zum einstellen einer luftspinnvorrichtung
DE4027210A1 (de) * 1990-08-29 1992-03-05 Fritz Stahlecker Spinnmaschine mit einer vielzahl von spinnstellen und mit einer vorrichtung zum beheben eines fadenbruches
EP1072702B1 (en) * 1999-07-28 2004-03-31 Murata Kikai Kabushiki Kaisha Spinning device and method

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103014963A (zh) * 2011-09-21 2013-04-03 村田机械株式会社 接头台车及纺纱机
CN106770284A (zh) * 2016-12-02 2017-05-31 武汉纺织大学 一种纱线周向毛羽的检测方法
CN106770284B (zh) * 2016-12-02 2019-02-19 武汉纺织大学 一种纱线周向毛羽的检测方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1316631A1 (en) 2003-06-04
DE60224493T2 (de) 2009-01-08
EP1316631B1 (en) 2008-01-09
DE60224493D1 (de) 2008-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4801146B2 (ja) ジェット紡糸機における紡績再開法、並びに紡糸装置及びジェット紡糸機
EP2727870B1 (en) Yarn winding machine and yarn winding method
JP2002069760A (ja) コアヤーン製造装置及びコアヤーン製造方法
JP2003166132A (ja) 紡績装置及び紡績方法
JPH01156519A (ja) 紡績方法及び紡績装置
JP3575470B2 (ja) 紡績方法及びその装置
JP2008517166A (ja) エアジェット紡績装置での糸継ぎ操作を準備するための方法
US6453656B1 (en) Piecing method and piecing device for the spinning machine
EP1726695B1 (en) Core yarn production method and apparatus
JP2017071865A (ja) 紡績機
EP3067306B1 (en) Yarn joining device, spinning machine, and automatic winder
JPH11100727A (ja) 紡績機及びその運転方法
JPH04163325A (ja) 紡績装置
JPS60126330A (ja) 空気式紡績機における糸掛け方法
JP3341726B2 (ja) 紡績装置
JP3128040B2 (ja) 紡績機のピーシング装置
JP2007522355A (ja) エアジェットスピニング法における一定の接合材料
JP2560474B2 (ja) 紡績装置における運転方法
JPH11100731A (ja) 紡績機のピーシング方法
JP2921479B2 (ja) 紡績機のピーシング方法
JPH08311732A (ja) 紡績機における糸継方法
JP2003113539A (ja) 紡績装置及び紡績装置における糸継ぎ方法
JPH08246272A (ja) ピーシング方法
CN111793863A (zh) 纺纱方法以及纺纱机械
JP2003268637A (ja) 紡績装置及び該紡績装置における糸継ぎ方法

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20040119