JP2017071865A - 紡績機 - Google Patents

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Abstract

【課題】紡績糸を必要以上に除去するのを防止して、糸屑量を低減可能な紡績機を提供する。【解決手段】精紡機は、ドラフト装置7と、空気紡績装置9と、糸貯留ローラ21と、糸除去装置65と、ユニットコントローラと、を備える。ドラフト装置7は、通常紡績動作時とドラフト比が異なるように紡績再開動作を行う第1モードと、通常紡績動作時とドラフト比が同じになるように紡績再開動作を行う第2モードと、の何れかで動作可能である。糸貯留ローラ21は、紡績糸10が周囲に巻き付けられて貯留された状態で回転する。糸除去装置65は、糸貯留ローラ21に貯留された紡績糸10を除去することができる。ユニットコントローラは、紡績再開動作の終了後、第1モードと第2モードの何れでドラフト装置7が動作しているかに応じて、糸除去装置65が糸貯留ローラ21から除去する紡績糸10の長さを変更可能である。【選択図】図9

Description

本発明は、糸貯留ローラを備えるとともに、紡績の停止及び再開を必要に応じて反復しながら紡績を行う紡績機の構成に関する。
従来から、繊維束をドラフトした後、空気流を用いて紡績を行う紡績機において、生成される紡績糸を貯留するための手段を備える構成が知られている。特許文献1及び特許文献2は、この種の紡績機を開示する。
特許文献1の紡績機は、上流の紡績装置と下流の巻取装置との間に設けられた糸貯留ローラを備え、糸貯留ローラ近傍に設けられた糸外しレバーによって紡績再開動作時に生成された紡績糸を糸貯留ローラから除去できるように構成されている。糸貯留ローラから除去される紡績糸は、紡績糸を紡績装置から糸継装置へ案内するためのサクションパイプを通じて廃棄される。特許文献1は、この構成により、巻取装置で巻き取られるパッケージに品質が不安定な糸が混入してしまうことを防止できるとする。
特許文献2に開示される紡績機は、糸継台車による糸継作業の際に、紡績が再開された紡績部材から排出される糸を一時的に貯留するためのスラックチューブを備える。特許文献2の紡績機は、紡績再開時と通常紡績時とでドラフト装置におけるドラフト比を変更可能に構成されている。特許文献2は、この構成により、紡績再開時に糸の生成を確実に行い、糸継装置による糸継ぎの成功率を向上させることができるとする。
特開2010−180007号公報 特開2003−278035号公報
上記特許文献1では、糸外しレバーによる糸外し動作の具体的な制御については言及されていない。特許文献2の紡績機は糸貯留ローラ及び糸外しレバーを備えていない。従って、紡績再開動作によって通常と異なる紡績糸が生成される場合に、そのような紡績糸を適切な長さで除去することが困難であった。この結果、例えば正常な紡績糸も除去されてしまい、糸屑量が増加することがあった。
本発明の目的は、紡績再開動作により生成された紡績糸を必要以上に除去するのを防止して糸屑量の低減を可能にすることにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の第1の観点によれば、紡績機は、ドラフト装置と、空気紡績装置と、糸貯留ローラと、糸除去装置と、制御部と、を備える。前記ドラフト装置は、繊維束をドラフトする。前記空気紡績装置は、紡績再開動作と、前記紡績再開動作の後に行われる通常紡績動作とにより、前記ドラフト装置でドラフトされた前記繊維束に空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する。前記糸貯留ローラは、前記紡績糸が周囲に巻き付けられて貯留された状態で回転する。前記糸除去装置は、前記糸貯留ローラに貯留された前記紡績糸を除去する。前記制御部は、前記紡績再開動作時のドラフト比に応じて、前記糸除去装置が前記糸貯留ローラから除去する前記紡績糸の長さを変更可能である。
これにより、紡績再開動作時のドラフト比が通常紡績動作時のドラフト比と異なっているか同じであるかに応じて、糸除去装置は、糸貯留ローラから適切な長さの紡績糸を除去することができる。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。前記ドラフト装置は、前記紡績再開動作時と前記通常紡績動作時とで異なるドラフト比で前記繊維束をドラフトする第1モードと、前記紡績再開動作時と前記通常紡績動作時とで同じドラフト比で前記繊維束をドラフトする第2モードと、の何れかで前記繊維束をドラフトする。前記制御部は、前記第1モードと前記第2モードの何れで前記ドラフト装置が前記繊維束をドラフトしているかに応じて、前記紡績再開動作の終了後に前記糸除去装置が前記糸貯留ローラから除去する前記紡績糸の長さを変更するように制御する。
これにより、紡績再開動作時のドラフト比に応じて糸除去装置が糸貯留ローラから除去する紡績糸の長さを変更する動作を、シンプルな制御によって実現することができる。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。この紡績機は、糸掛け部材を更に備える。前記糸掛け部材は、前記糸貯留ローラに対して回転可能に設けられ、前記紡績糸を案内可能である。前記糸除去装置は、糸外し部材を備える。前記糸外し部材は、移動することにより前記紡績糸を前記糸掛け部材から外す糸外し動作を行うことが可能である。前記制御部は、前記第1モードと前記第2モードの何れで前記ドラフト装置が動作しているかに応じて、前記糸外し部材が糸外し動作を行う動作時間長さを変更可能である。
これにより、糸外し部材の動作時間長さを変更することで、除去される紡績糸の長さを容易に変更することができる。
前記の紡績機においては、前記制御部は、前記第1モードが実行された場合の前記糸外し部材の前記動作時間長さが、前記第2モードが実行された場合の前記糸外し部材の前記動作時間長さよりも長くなるように糸外し動作を制御することが好ましい。
これにより、第1モードが実行された場合は、紡績糸を長めに除去し、第2モードが実行された場合は、紡績糸を短めに除去することができる。この結果、第2モードが実行された場合の糸屑量を低減することができる。
本発明の第2の観点によれば、紡績機は、ドラフト装置と、空気紡績装置と、糸貯留ローラと、糸掛け部材と、糸外し部材と、糸除去装置と、制御部と、を備える。前記ドラフト装置は、繊維束を引き伸ばすドラフトを行う。前記空気紡績装置は、前記ドラフト装置でドラフトされた前記繊維束に空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する紡績を行う。前記糸貯留ローラは、回転することにより前記紡績糸を周囲に巻き付けて貯留する。前記糸掛け部材は、前記糸貯留ローラに対して回転可能に設けられ、前記紡績糸を案内可能である。前記糸外し部材は、前記紡績糸を前記糸掛け部材から外す糸外し動作を行うことが可能である。前記糸除去装置は、前記紡績糸を吸引捕捉するための吸引口を有する糸除去部材を有する。前記制御部は、前記糸外し部材を制御する。前記糸外し部材は、前記糸外し動作を行うときの位置である糸外し位置と、前記糸外し位置から退避した退避位置と、に移動可能である。前記制御部は、前記糸外し部材が前記糸外し位置に位置している時間の長さを変更可能である。
これにより、糸外し部材が糸外し位置に位置している時間長さを変更することで、適切な長さの紡績糸を糸貯留ローラから除去することができる。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。通常紡績動作時に前記空気紡績装置が生成する前記紡績糸の太さが第1の太さである場合、前記ドラフト装置は、前記空気紡績装置に供給される前記繊維束の太さが前記通常紡績動作時よりも前記紡績再開動作時に太くなるように、前記第1モードで前記繊維束をドラフトする。前記通常紡績動作時に前記空気紡績装置が生成する前記紡績糸の太さが前記第1の太さよりも太い第2の太さである場合、前記ドラフト装置は、前記第2モードで前記繊維束をドラフトする。
これにより、通常紡績動作時に細い紡績糸を生成する場合であっても、紡績再開動作時のドラフト比を通常紡績動作時のドラフト比とは異ならせることによって、紡績糸が確実に生成される。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。通常紡績動作時に前記空気紡績装置が生成する前記紡績糸の太さが第2の太さである場合、前記ドラフト装置は、前記第2モードで前記繊維束をドラフトする。前記通常紡績動作時に前記空気紡績装置が生成する前記紡績糸の太さが前記第2の太さよりも太い第3の太さである場合、前記ドラフト装置は、前記空気紡績装置に供給される前記繊維束の太さが前記通常紡績動作時よりも前記紡績再開動作時に細くなるように、前記第1モードで前記繊維束をドラフトする。
これにより、通常紡績動作時に太い紡績糸を生成する場合であっても、紡績再開動作時のドラフト比を通常紡績動作時のドラフト比とは異ならせることによって、紡績糸が確実に生成される。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。前記制御部は、前記空気紡績装置が前記紡績糸を生成する紡績速度が所定速度よりも速い場合、第1時間長さにわたって前記紡績糸を除去するように前記糸除去装置を制御する。前記制御部は、前記紡績速度が前記所定速度よりも遅い場合、前記第1時間長さよりも長い第2時間長さにわたって前記紡績糸を除去するように前記糸除去装置を制御する。
これにより、紡績速度が速い場合には紡績糸が除去される時間を短くし、紡績速度が遅い場合には紡績糸が除去される時間を長くすることができる。その結果、紡績速度が異なっていても、紡績再開動作時に適切な量の紡績糸を除去することができる。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。紡績機は、巻取装置と、糸継装置と、を備える。前記巻取装置は、前記紡績糸をパッケージに巻き取る。前記糸継装置は、前記紡績糸の走行方向において、前記空気紡績装置と前記巻取装置との間の位置において、前記空気紡績装置からの前記紡績糸の糸端と前記巻取装置からの紡績糸の糸端とを糸継ぎする。前記糸除去装置は、前記糸貯留ローラから除去される前記紡績糸を吸引し、前記ドラフト装置の紡績再開動作時に前記空気紡績装置により生成された前記紡績糸を少なくとも除去して前記糸継装置へ案内する。
これにより、通常紡績動作時とは異なるドラフト比でドラフトされた繊維束から生成された紡績糸を通常紡績により生成された紡績糸から除去してから糸継ぎを行って、紡績糸をパッケージに巻き取ることができるので、高品質なパッケージを形成することができる。上記のような紡績糸が糸除去装置によって除去されるので、紡績機の構成を簡素化することができる。
前記の紡績機においては、前記糸貯留ローラによって前記空気紡績装置から前記紡績糸を直接引き出すことが好ましい。
これにより、空気紡績装置から安定した張力で紡績糸を引き出しながら貯留することができる。
前記の紡績機においては、前記空気紡績装置より生成する前記紡績糸の太さ及び紡績速度のうち少なくとも何れかを設定する設定部を更に備えることが好ましい。
これにより、設定部における簡易な操作で、紡績再開動作時のドラフト比に応じて、適切な長さの紡績糸を除去することができる。
本発明の一実施形態に係る精紡機の全体的な構成を示す正面図。 精紡機の縦断面図。 精紡機の制御に係るブロック図。 紡績が再開され、サクションノズル及びサクションマウスによって上糸及び下糸がそれぞれ捕捉された様子を示す縦断面図。 糸貯留装置の縦断面図。 糸貯留装置の斜視図。 糸貯留ローラによる紡績糸の巻取りを開始した直後の様子を示す縦断面図。 糸貯留ローラに紡績糸が貯留されている様子を示す縦断面図。 糸貯留ローラから品質の不安定な紡績糸を除去している様子を示す縦断面図。
次に、本発明の一実施形態に係る精紡機(紡績機)について、図面を参照して説明する。本明細書において単に「上流」及び「下流」という場合は、紡績時での繊維束8及び紡績糸10の走行方向における上流及び下流を意味する。
図1に示す紡績機としての精紡機1は、並設された多数の紡績ユニット2と、糸継台車3と、原動機ボックス5と、ブロアボックス80と、を備えている。
各紡績ユニット2は、上流から下流へ向かって順に、ドラフト装置7と、空気紡績装置9と、糸貯留装置12と、巻取装置13と、を主要な構成として備えている。精紡機1はフレーム6を備え、このフレーム6に、ドラフト装置7、空気紡績装置9、糸貯留装置12及び巻取装置13等が取り付けられている。精紡機1において、ドラフト装置7から送られてくる繊維束8が空気紡績装置9で紡績され、これにより紡績糸10が生成される。空気紡績装置9から送り出された紡績糸10は後述の糸品質監視装置52を通過し、糸貯留装置12で一時的に貯留される。その後、紡績糸10は巻取装置13によって巻き取られ、パッケージ45が形成される。
ドラフト装置7は、スライバ15を延伸して繊維束8にするドラフトを行う。ドラフト装置7は図2に示すように、バックローラ対16、サードローラ対17、エプロンベルト18が各ローラに巻かれたミドルローラ対19、及びフロントローラ対20の4つのローラ対を備えている。
ミドルローラ対19のボトムローラ及びフロントローラ対20のボトムローラは、複数の紡績ユニット2で共通の電動モータに連結されており、複数の紡績ユニット2で同一の回転速度で常時駆動されるように構成されている。バックローラ対16のボトムローラ及びサードローラ対17のボトムローラは、それぞれの紡績ユニット2に配置された電動モータによって駆動され、紡績ユニット2毎に独立して回転速度が制御される。バックローラ対16及びサードローラ対17を駆動する電動モータの駆動、停止及び回転速度は、図3に示すユニットコントローラ(制御部)60によって制御されている。
それぞれの紡績ユニット2において、バックローラ対16及びサードローラ対17を駆動する電動モータの回転速度を状況に応じて変更することにより、ドラフト装置7のドラフト比を変更し、空気紡績装置9に送られる繊維束8の太さ(ひいては、空気紡績装置9で紡績される紡績糸10の太さ)を変化させることができる。本実施形態の精紡機1では、後述する機台制御装置30の入力部(設定部)32をオペレータが操作して紡績糸10の太さの情報を入力することにより、ドラフト装置7のドラフト比を変更することができる。「ドラフト比」とは、ドラフト装置7によって処理される前後における繊維束8の繊維量又は繊維の本数の比率である。
空気紡績装置9は、紡績室と、繊維案内部と、旋回空気流発生ノズルと、中空ガイド軸体と、を有している。繊維案内部は、ドラフト装置7から供給された繊維束8を紡績室内に案内する。旋回空気流発生ノズルは、繊維束8が走行する経路の周囲に配置されている。旋回空気流発生ノズルから空気が噴射されることにより、紡績室内に旋回空気流が発生する。この旋回空気流によって、繊維束8を構成する複数の繊維の各繊維端が反転されて旋回させられる。中空ガイド軸体は、紡績糸10を紡績室内から空気紡績装置9の外部に案内する。空気紡績装置9は、後述の通常紡績動作時には旋回空気流発生ノズルから空気を噴射する。空気紡績装置9は、中空ガイド軸体の内部の糸通路に対して開口する補助ノズルを備えている。空気紡績装置9は、後述の紡績再開動作時には旋回空気流発生ノズル及び補助ノズルから空気を噴射することにより、繊維束8を紡績室内へと引き込み、紡績糸10の生成を開始する。
空気紡績装置9の下流には、糸貯留装置12が配置されている。糸貯留装置12は、紡績糸10に所定の張力を与えて空気紡績装置9から紡績糸10を引き出す機能と、糸継台車3による糸継ぎ時などに空気紡績装置9から送り出される紡績糸10の弛みを防止する機能と、巻取装置13からの張力の変動が空気紡績装置9に伝わらないように張力を調節する機能と、を有している。図2に示すように、糸貯留装置12は、糸貯留ローラ21と、糸掛け部材22と、上流側ガイド23と、電動モータ25と、下流側ガイド26と、糸貯留量センサ27と、糸外しレバー(糸外し部材)28と、を備えている。
糸掛け部材22は、紡績糸10を案内する(引っ掛ける)ことが可能に構成されており、紡績糸10を案内した状態で回転することで、当該糸貯留ローラ21の外周面に紡績糸10を案内できるように構成されている。
糸貯留ローラ21は、その外周面に紡績糸10を巻き付けて貯留できるように構成されている。糸貯留ローラ21は、電動モータ25によって一定の回転速度で回転駆動される。糸掛け部材22によって糸貯留ローラ21の外周面に案内された紡績糸10は、糸貯留ローラ21が回転することにより当該糸貯留ローラ21の外周面に巻かれ、糸貯留装置12よりも上流側の紡績糸10を引っ張る。これにより、空気紡績装置9から紡績糸10を連続的に引き出すことができる。
上記の特許文献1も指摘するように、空気紡績を行う精紡機において、空気紡績装置の下流側かつ貯留ローラの上流側に、当該空気紡績装置から紡績糸を引き出すためのデリベリローラを備える構成も知られている。この特許文献1の構成では、デリベリローラに対向するように、ニップローラが配置されている。デリベリローラとニップローラとの間で糸がニップされた状態でデリベリローラが回転駆動されることによって、空気紡績装置から紡績糸が引き出されている。本実施形態の精紡機1においては、上記のようなデリベリローラを用いずに、糸貯留ローラ21によって空気紡績装置9から紡績糸10を直接引き出すように構成されている。
本実施形態のように糸貯留ローラ21によって空気紡績装置9から紡績糸10を引き出す構成においては、空気紡績装置9から紡績糸10を引き出す力は、糸貯留ローラ21上に所定量(例えば10周)の紡績糸10が貯留されていると安定する。糸貯留ローラ21と紡績糸10との間の接触面積が大きくなると、糸貯留ローラ21と紡績糸10との間でスリップ等が発生しにくくなる。所定量以上の紡績糸10が糸貯留ローラ21上に巻かれた状態で当該糸貯留ローラ21を回転駆動することにより、空気紡績装置9から紡績糸10を安定した速度で引き出すことができる。このように、本実施形態の精紡機1では、糸貯留装置12によって安定した張力及び速度で紡績糸10を引き出すことができるので、均一な品質の紡績糸10を生産することができる。上記の所定量(スリップが発生しなくなり紡績糸10を引っ張る力が安定する糸貯留量)を、以下の説明で「必要最低貯留量」と呼ぶことがある。
糸貯留量センサ27は、例えば非接触式のセンサとして構成されており、糸貯留ローラ21上に貯留されている紡績糸10の貯留量が所定量以上であるか所定量未満であるかを検出する。糸貯留量センサ27は、検出結果をユニットコントローラ60に送信する。
上流側ガイド23は、糸貯留ローラ21のやや上流側に配置されている。上流側ガイド23は、糸貯留ローラ21の外周面に対して紡績糸10を適切に案内し、空気紡績装置9から伝播してくる紡績糸10の撚りが当該上流側ガイド23よりも下流側に伝わることを防止する。
下流側ガイド26は、糸貯留ローラ21のやや下流側に配置されている。下流側ガイド26は、回転する糸掛け部材22によって振り回される紡績糸10の軌道を規制し、糸貯留ローラ21よりも下流側の紡績糸10の走行経路を安定させて紡績糸10を案内する。
糸外しレバー28は、糸貯留ローラ21の下流側端部近傍で、下流側ガイド26の上流側に配置されている。糸外しレバー28は、揺動軸28bを中心に揺動可能に構成されている。
精紡機1のフレーム6の前面側であって空気紡績装置9と糸貯留装置12との間の位置には、糸品質監視装置52が設けられている。空気紡績装置9で生成された紡績糸10は、糸貯留装置12で巻き取られる前に糸品質監視装置52を通過する。糸品質監視装置52は走行する紡績糸10の太さを監視し、紡績糸10の糸欠陥を検出した場合に、糸欠陥検出信号をユニットコントローラ60へ送信する。
糸継台車3は、図1及び図2に示すように、スプライサ(糸継装置)43と、サクションノズル(糸除去部材)44と、サクションマウス46と、押上げアーム47と、空気圧シリンダ49と、を備えている。糸継台車3は、ある紡績ユニット2で糸切れ又は糸切断が発生すると、フレーム6に固定されたレール41上を当該紡績ユニット2まで走行し、停止して糸継ぎを行う。
サクションノズル44は、図4に示すように、軸を中心に上下方向に回動可能な細長い部材として構成されており、その先端には、吸引口が形成されている。サクションノズル44は、空気紡績装置9から送り出される糸端(上糸)を前記吸引口から吸い込みつつ捕捉して、スプライサ43へ案内できるように構成されている。サクションマウス46は、軸を中心に上下方向に回動可能であり、巻取装置13に支持されたパッケージ45から糸端(下糸)を吸引しつつ捕捉して、スプライサ43へ案内できるように構成されている。スプライサ43の詳細な構成については省略するが、旋回空気流によって糸端同士を撚り合わせることにより、上糸と下糸とを糸継ぎするように構成されている。
押上げアーム47は、アクチュエータとしての空気圧シリンダ49の先端部分に配置されている。空気圧シリンダ49を駆動することにより、押上げアーム47が上方の進出位置まで移動する。これにより、押上げアーム47が糸外しレバー28を押し上げ、図9に示すように当該糸外しレバー28が上昇位置まで移動させられる。
巻取装置13は、クレードルアーム71と、巻取ドラム72と、トラバース装置75と、を備えている。クレードルアーム71は、支軸70まわりに揺動可能に支持されている。クレードルアーム71は、紡績糸10を巻き取るためのボビン48を回転可能に支持することができる。巻取ドラム72は、前記ボビン48又はボビン48に紡績糸10が巻き取られることによって形成されるパッケージ45の外周面に接触して駆動できるように構成されている。トラバース装置75は、紡績糸10を案内可能なトラバースガイド76を備えている。トラバースガイド76を図略の駆動手段によって往復動させながら巻取ドラム72を図略の電動モータによって駆動することで、パッケージ45を回転させ、紡績糸10を綾振りしつつ巻き取ることができる。巻取装置13を構成する各部品の駆動(クレードルアーム71を揺動させるための後述のリフトシリンダの駆動)は、ユニットコントローラ60によって制御されている。
原動機ボックス5は、機台制御装置30を備えている。機台制御装置30は、複数の紡績ユニット2を制御する。機台制御装置30は、表示部31と、入力部32と、を備える。表示部31は、例えば液晶ディスプレイとして構成されており、オペレータの適宜の操作により、各紡績ユニット2の稼動状況及び/又は糸品質に関する情報を表示する。入力部32は、複数の入力キーを備えており、オペレータからの各紡績ユニット2への適宜の指示及び、各種の条件の設定等を受け付ける。
ブロアボックス80は、精紡機1において紡績ユニット2が並べられる方向の一端側であって、原動機ボックス5とは反対側に配置されている。ブロアボックス80の内部には、それぞれの紡績ユニット2の巻取作業に必要な吸引空気流及び旋回空気流などを発生させるための空気供給源などが設置されている。
次に、糸貯留装置12の詳細な構成について図5及び図6を参照して説明する。
糸貯留ローラ21は、少なくとも外周面が耐摩耗性を有する材料で構成されたローラ部材であって、電動モータ25のモータ軸25aに固定されている。糸貯留ローラ21の外周面21aは、糸掛け部材22を有する側を先端、電動モータ25が配置されている側を基端とすると、基端から先端に向かって順に、基端側テーパ部21bと、円筒部21cと、先端側テーパ部21dと、を備えている。
円筒部21cは、先端側が僅かに細くなる形状に構成されるとともに、両側のテーパ部21bと21dに対し段差なく連続するように形成されている。なお、円筒部21cの形状は、これに代えて、例えば基端側から先端側まで径が一定である形状としてもよい。円筒部21cの寸法は、少なくとも前記必要最低貯留量以上の長さの紡績糸10を貯留することができるように適宜定められている。前記糸貯留量センサ27は、円筒部21cに対向するように設けられている。
基端側テーパ部21b及び先端側テーパ部21dは、それぞれ端面側を大径側とする緩やかなテーパ状に構成されている。基端側テーパ部21bは、供給された紡績糸10を大径部分から小径部分に向かって円滑に移動させて円筒部21cへ到達させることにより、紡績糸10を円筒部21cの表面に整然と巻き付かせるように構成されている。先端側テーパ部21dは、円筒部21cに巻き付いている紡績糸10が一度に抜けてしまう輪抜け現象を防止する。ただし、先端側テーパ部21dは省略してもよい。
電動モータ25の駆動及び停止は、ユニットコントローラ60によって制御されている。これにより、ユニットコントローラ60は、糸貯留ローラ21の駆動等を制御することが可能である。通常の巻取時においては、ユニットコントローラ60は、通常の巻取時の回転方向に糸貯留ローラ21を一定の速度で回転駆動する。これにより、糸貯留ローラ21に紡績糸10が一定の速度で巻かれ、この巻かれた紡績糸10に引っ張られることで、空気紡績装置9から紡績糸10が一定の速度で引き出される。
糸掛け部材22は、糸貯留ローラ21の先端側に配置されている。糸掛け部材22と糸貯留ローラ21の回転軸線は一致している。糸掛け部材22は、フライヤー軸33と、その先端に固定されるフライヤー38と、を備えている。
フライヤー軸33は、糸貯留ローラ21に対して相対回転可能に支持されている。フライヤー軸33又は糸貯留ローラ21の何れか一方には永久磁石が取り付けられ、他方には磁気ヒステリシス材が取り付けられている。これらの磁気的手段により、糸掛け部材22が糸貯留ローラ21に対し相対回転するのに抗するトルクが発生する。この抵抗トルクにより、糸掛け部材22は糸貯留ローラ21の回転に追従して回転し、結果として糸貯留ローラ21と糸掛け部材22が一体的に回転できる。この抵抗トルクに打ち勝つような力が糸掛け部材22に加わった場合は、糸掛け部材22は糸貯留ローラ21に対して相対的に回転する。
フライヤー38は、糸貯留ローラ21の外周面21aに向かって適宜湾曲しており、紡績糸10を案内することができる形状に構成されている。糸貯留ローラ21上に糸が巻き付けられていない状態で、フライヤー38が回転することにより、紡績糸10が糸貯留ローラ21の外周面21aへ案内される。これにより、紡績糸10は糸貯留ローラ21に巻き付き始める。
次に、糸貯留ローラ21に巻き付けられた紡績糸10の様子を説明する。上流側ガイド23を通った紡績糸10は、基端側テーパ部21bから外周面21aに案内され、円筒部21cに複数回巻き付けられる。外周面21aの先端側から引き出された紡績糸10は、フライヤー38を通過した後、下流側ガイド26を通って下流に送られる。
前述のように、糸貯留装置12は糸外しレバー28を備えている。糸外しレバー28は、図6に示すように、水平に配置された細長い接触面28aを有する略L字型の部材として形成されている。糸外しレバー28の基部は揺動軸28bによって支持されており、当該糸外しレバー28は、揺動軸28bを中心に上昇位置と下降位置との間で上下に揺動(移動)することが可能に構成されている。糸外しレバー28が下降位置(退避位置、例えば図2に示す位置)に位置しているときは、糸外しレバー28は紡績糸10の糸道に接触しない。糸外しレバー28が上昇位置(糸外し位置、例えば図9に示す位置)に位置しているときは、接触面28aが紡績糸10を押し上げ、これにより、紡績糸10がフライヤー38から外れる。糸外しレバー28は、図略のバネ部材によって付勢されることにより、通常時は下降位置に保持されている。糸継台車3の空気圧シリンダ49が駆動されることで、糸外しレバー28が押上げアーム47によって押され、上昇位置まで移動する。
糸外しレバー28を上昇位置に移動させることにより、糸掛け部材22から紡績糸10を外し、糸貯留ローラ21から紡績糸10を解舒することができる。糸貯留ローラ21に紡績糸10が巻き付いていない状態で糸外しレバー28を上昇位置で保持しておくと、フライヤー38が紡績糸10と接触することを阻止することができ、紡績糸10が糸貯留ローラ21に巻き取られない。
次に、糸貯留装置12に貯留される紡績糸10に不要な部分が生じた場合に、当該部分を除去するための構成について説明する。
前述したように、糸外しレバー28は、糸継台車3が備える空気圧シリンダ49が駆動され押上げアーム47によって上昇位置まで押し上げられることで、糸掛け部材22から紡績糸10を外すことができる。これにより、フライヤー38が紡績糸10と接触することを阻止し、紡績糸10が糸貯留ローラ21に巻き取られないようにすることができる。サクションノズル44は、ブロアボックス80から発生させた吸引空気流によって、紡績糸10を吸引することができる。サクションノズル44は、糸屑を廃棄するためにブロアボックス80に設置された図略のダストボックスと、適宜の配管を介して接続されている。本実施形態では、糸貯留装置12に備えられた糸外しレバー28と、糸継台車3に備えられたサクションノズル44と、の組合せにより、不要な紡績糸10を除去する糸除去装置65が構成されている。
次に、糸貯留装置12に貯留される紡績糸10を糸除去装置65が除去する動作について具体的に説明する。
図2には、紡績ユニット2において、空気紡績装置9が紡績糸10を生成して巻取装置13でパッケージ45に巻き取る通常の状態が示されている。この状態で、ユニットコントローラ60は、スライバ15をドラフト装置7によりドラフトして空気紡績装置9に供給するように制御するとともに、空気紡績装置9で空気紡績を行って紡績糸10を生成するように制御する。以下では、図2に示す通常の状態でのドラフト装置7の動作を通常紡績動作と呼ぶことがある。
通常紡績動作時のドラフト装置7のドラフト比は、後述するように、通常紡績動作時に生成される紡績糸10の太さとして機台制御装置30の入力部32で設定される太さに応じて定められる。空気紡績装置9から送り出された紡績糸10は、糸品質監視装置52を通過し、糸欠陥の有無が検査される。その後、紡績糸10は糸貯留装置12に送られる。
ユニットコントローラ60は、図2に示す通常の状態において、糸外しレバー28を下降位置で保持するように制御する。従って、紡績糸10は糸掛け部材22に案内されながら、糸貯留ローラ21に一時的に貯留される。糸貯留ローラ21への紡績糸10の貯留量は、巻取装置13でのパッケージ45の巻取速度を適宜制御することによって適宜調整される。糸貯留ローラ21から解舒された紡績糸10は、巻取装置13によりパッケージ45に巻き取られる。
糸品質監視装置52は、紡績糸10に糸欠陥があることを検出すると、糸欠陥検出信号をユニットコントローラ60に送信する。ユニットコントローラ60は、糸欠陥検出信号を受信すると、空気紡績装置9による紡績を停止させることにより紡績糸10を切断し、更にドラフト装置7等の動作を停止させる。紡績の停止後、ユニットコントローラ60は、糸貯留ローラ21を回転又は逆転させて、糸貯留ローラ21から紡績糸10を除去するように制御する。この結果、糸貯留ローラ21には紡績糸10が全く貯留されていない状態になる。
その後、ユニットコントローラ60は糸継台車3に制御信号を送り、当該紡績ユニット2まで走行させる。その後、ユニットコントローラ60は、ドラフト装置7及び空気紡績装置9等を再び駆動させる。以下では、このときのドラフト装置7の動作を紡績再開動作と呼ぶことがある。
通常紡績動作時において、紡績ユニット2は、入力部32で設定された太さの紡績糸10を生成する。紡績再開動作時において、紡績ユニット2は、後述の理由で、入力部32での設定とは関係なく、中番手(例えば30番手)の紡績糸10を生成する。従って、例えば細番手の紡績糸10を生成するように入力部32で設定された場合には、通常紡績動作時はドラフト装置7のドラフト比は細番手に相当するドラフト比に設定され、細番手の紡績糸10が生成される一方、紡績再開動作時はドラフト装置7のドラフト比が所定のドラフト比に変更され、中番手(具体的には、30番手)の紡績糸10が生成される(第1モード)。一方、中番手(30番手)の紡績糸10を生成するように入力部32で設定された場合には、通常紡績動作時及び紡績再開動作時の何れにおいても、ドラフト装置7のドラフト比は中番手に相当するドラフト比に設定される(第2モード)。このドラフト比の制御の詳細は後述する。
紡績再開動作が開始された後、空気紡績装置9から送り出される紡績糸10の糸端(上糸)は、図4に示すように、上方に回動されたサクションノズル44によって吸引され、捕捉される。その後、サクションノズル44は下方に回動され、図7に示すように、上糸がスプライサ43に案内される。これに伴い、空気紡績装置9から引き出された紡績糸10が図7に示すように糸掛け部材22に掛けられ、回転する糸掛け部材22によって紡績糸10が図8に示すように糸貯留ローラ21に巻き取られていく。
これと略同時(前又は後であっても良い)に、ユニットコントローラ60は、図示しない逆転装置によってパッケージ45を逆転させて下糸をパッケージ45から解舒しながら、図4に示すように、下方に回動させられたサクションマウス46により当該下糸を吸引して捕捉する。その後、サクションマウス46は図7に示すように上方に回動され、下糸がスプライサ43に案内される。
糸貯留ローラ21に紡績糸10が巻かれ始めてから所定時間が経過し、必要最低貯留量以上の長さの紡績糸10が糸貯留ローラ21に貯留された状態になると、ユニットコントローラ60は、通常紡績動作時のドラフト比で繊維束8をドラフトするように、ドラフト装置7を制御する。即ち、ドラフト装置7において上述の紡績再開動作が終了し、通常紡績動作に切り換えられる。これにより、空気紡績装置9による通常の紡績が開始される。また、この時点で糸貯留ローラ21には必要最低貯留量以上の長さの紡績糸10が巻かれているので、安定した張力及び速度で空気紡績装置9から紡績糸10が引き出される。従って、空気紡績装置9において安定した紡績が行われるようになる。
空気紡績装置9において上記のように通常の品質の紡績糸10が生成され始めたとしても、糸貯留ローラ21には、紡績再開動作により生成された通常とは異なる太さの紡績糸10、又は、通常と同じ太さであるものの(糸貯留ローラ21に必要最低貯留量の紡績糸10が巻かれる前に生成された)品質が不安定な紡績糸10が残っている。そこで、ユニットコントローラ60は、通常紡績動作に切り換える直前に、糸外しレバー28を図9に示すように上昇位置に移動させるように制御する。この結果、糸貯留ローラ21に巻かれた紡績糸10は、糸貯留ローラ21から解舒されサクションノズル44に吸引されて廃棄される。このように、本実施形態では、紡績再開動作時に生成された紡績糸10が、上糸をスプライサ43に案内するサクションノズル44によって除去されるので、精紡機1の構成を簡素化することができる。
除去すべき紡績糸10が糸貯留ローラ21からすべて解舒された後、ユニットコントローラ60は、糸外しレバー28を図8に示すように下降位置に移動させるように制御する。この結果、紡績糸10が糸掛け部材22に接触し、糸貯留ローラ21における紡績糸10の貯留量が増大していく。
その後、スプライサ43によって上糸と下糸とが糸継ぎされる。その後、図2に示す通常の状態に戻って、パッケージ45への紡績糸10の巻取りが再開される。
次に、ドラフト装置7におけるドラフト比の制御、及び、当該制御に関連する糸外しレバー28の制御について詳細に説明する。
本実施形態の精紡機1においては紡績再開動作時には、中番手(例えば30番手)の紡績糸10が生成されるように、所定のドラフト比でドラフトされた繊維束8をドラフト装置7から空気紡績装置9に供給し、紡績糸10が確実に生成されるように構成されている。具体的には、空気紡績装置9に供給される繊維量が少な過ぎると十分な繊維の結束が得られにくく、生成された紡績糸10が下流側へ送り出されるのに耐えられる強度を紡績糸10が備えておらずに、紡績糸10の生成が失敗してしまうことがある。また、空気紡績装置9に供給される繊維量が多過ぎると空気紡績装置9の開口(入口)等に繊維が詰まり、紡績糸10の生成が失敗してしまうことがある。従って、本実施形態の精紡機1においては、紡績再開動作時には、中番手の紡績糸10を空気紡績装置9が生成するように、ドラフト装置7におけるドラフト比がユニットコントローラ60によって制御される。
通常紡績動作時において空気紡績装置9が生成する紡績糸10の太さ(言い換えれば、ドラフト装置7が繊維束8を引き伸ばすドラフト比)は、入力部32をオペレータが適宜操作することにより設定することができる。通常紡績動作時に中番手より細い糸又は太い紡績糸10を生成するように設定された場合は、紡績再開動作時において、ドラフト装置7は通常紡績動作時とは異なるドラフト比で繊維束8をドラフトするように制御される(第1モード)。通常紡績動作時に中番手の紡績糸10を生成するように設定された場合は、通常紡績動作時においても紡績再開動作時においても、ドラフト装置7は同一のドラフト比で繊維束8をドラフトするように制御される(第2モード)。
前述の第1モードでは、紡績再開動作時に生成される紡績糸10の太さが通常紡績動作時とは異なるので、太さが異なる紡績糸10の部分を確実に除去して巻取装置13による巻取りを再開する。これにより、パッケージ45に巻き取られた紡績糸10の品質を一定に保つことができる。第2モードでは、紡績再開動作時においても通常紡績動作時においても紡績糸10の太さが同じであるので、紡績糸10を除去すべき部分は第1モードの場合より短くて良い。
本実施形態の精紡機1は、第1モードと第2モードとの何れでドラフト装置7が動作したかに応じて、糸除去装置65が糸貯留ローラ21から除去する紡績糸10の長さを変更できるように構成されている。具体的には、ユニットコントローラ60は、ドラフト装置7が第2モードで動作する場合は、第1モードで動作する場合と比較して、糸除去装置65が糸貯留ローラ21から除去する紡績糸10の長さを短くする。即ち、紡績再開動作時においても通常紡績動作時においても紡績糸10の太さが同じである場合は、紡績再開動作時において通常紡績動作時とは太さが異なる紡績糸10が生成される場合に比べて、糸貯留ローラ21から解舒されて除去される紡績糸10の長さを短くする。これにより、必要以上に紡績糸10が除去されるのを防止できるので、発生する糸屑量を低減することができる。紡績糸10の除去に必要な時間も低減できるので、サイクルタイムを短縮することができる。
本実施形態では、糸貯留ローラ21から除去する紡績糸10の長さの変更は、糸外しレバー28が上昇位置に位置している時間の長さを変更することで実現されている。糸外しレバー28が上昇位置に位置している時間の長さは、ユニットコントローラ60によって制御することができる。このように、糸外しレバー28が上昇位置に位置している時間の長さ(言い換えれば、糸外しレバー28が糸外し動作を行う時間である糸外し時間の長さ)を変更することで、糸貯留ローラ21から除去される紡績糸10の長さの変更を簡素な制御で実現することができる。
以上に説明したように、本実施形態の精紡機1は、ドラフト装置7と、空気紡績装置9と、糸貯留ローラ21と、糸除去装置65と、ユニットコントローラ60と、を備える。ドラフト装置7は、繊維束8をドラフトする。空気紡績装置9は、紡績再開動作と、紡績再開動作の後に行われる通常紡績動作とにより、ドラフト装置7でドラフトされた繊維束8に空気流によって撚りを加えて紡績糸10を生成する。糸貯留ローラ21は、紡績糸10が周囲に巻き付けられて貯留された状態で回転する。糸除去装置65は、糸貯留ローラ21に貯留された紡績糸10を除去する。ユニットコントローラ60は、紡績再開動作時のドラフト比に応じて、糸除去装置65が糸貯留ローラ21から除去する紡績糸10の長さを変更可能である。
これにより、紡績再開動作時のドラフト比が通常紡績動作時のドラフト比と異なっているか同じであるかに応じて、糸除去装置65は、糸貯留ローラ21から適切な長さの紡績糸10を除去することができる。例えば、紡績再開動作時のドラフト比が通常紡績動作時のドラフト比と同じである場合には、糸除去装置65によって紡績糸10を除去する必要が小さくなる。従って、上記のように除去する紡績糸10の長さを状況に応じて変更することで、必要以上に紡績糸10を除去することがなくなり、糸屑量の低減が可能となる。
本実施形態の精紡機1においては、ドラフト装置7は、紡績再開動作時と通常紡績動作時とで異なるドラフト比で繊維束8をドラフトする第1モードと、紡績再開動作時と通常紡績動作時とで同じドラフト比で繊維束8をドラフトする第2モードと、の何れかで繊維束8をドラフトする。ユニットコントローラ60は、第1モードと第2モードの何れでドラフト装置7が繊維束8をドラフトしているかに応じて、紡績再開動作の終了後に糸除去装置65が糸貯留ローラ21から除去する紡績糸10の長さを変更するように制御する。
これにより、紡績再開動作時のドラフト比に応じて糸除去装置65が糸貯留ローラ21から除去する紡績糸10の長さを変更する動作を、シンプルな制御によって実現することができる。
本実施形態の精紡機1は、糸掛け部材22を更に備える。糸掛け部材22は、糸貯留ローラ21に対して回転可能に設けられ、紡績糸10を案内可能である。糸除去装置65は、糸外しレバー28を備える。糸外しレバー28は、移動することにより紡績糸10を糸掛け部材22から外す糸外し動作を行うことが可能である。ユニットコントローラ60は、前記第1モードと前記第2モードの何れでドラフト装置7が動作しているかに応じて、糸外しレバー28が糸外し動作を行う動作時間長さを変更可能である。
これにより、糸外しレバー28の動作時間長さを変更することで、除去される紡績糸10の長さを容易に変更することができる。
本実施形態の精紡機1においては、ユニットコントローラ60は、第1モードが実行された場合の糸外しレバー28の動作時間長さが、第2モードが実行された場合の糸外しレバー28の動作時間長さよりも長くなるように、糸外し動作を制御することが可能である。
これにより、第1モードが実行された場合は、紡績糸10を長めに除去し、第2モードが実行された場合は、紡績糸10を短めに除去することができる。この結果、第2モードが実行された場合の糸屑量を低減することができる。
本実施形態の精紡機1は、ドラフト装置7と、空気紡績装置9と、糸貯留ローラ21と、糸掛け部材22と、糸外しレバー28と、糸除去装置65と、ユニットコントローラ60と、を備える。ドラフト装置7は、繊維束8を引き伸ばすドラフトを行う。空気紡績装置9は、ドラフト装置7でドラフトされた繊維束8に空気流によって撚りを加えて紡績糸10を生成する紡績を行う。糸貯留ローラ21は、回転することにより紡績糸10を周囲に巻き付けて貯留する。糸掛け部材22は、糸貯留ローラ21に対して回転可能に設けられ、紡績糸10を案内可能である。糸外しレバー28は、紡績糸10を糸掛け部材22から外す糸外し動作を行うことが可能である。糸除去装置65は、紡績糸10を吸引捕捉するための吸引口を有するサクションノズル44を有する。ユニットコントローラ60は、糸外しレバー28を制御する。糸外しレバー28は、糸外し動作を行うときの位置である上昇位置と、前記上昇位置から退避した下降位置と、に移動可能である。ユニットコントローラ60は、糸外しレバー28が前記上昇位置に位置している時間の長さを変更可能である。
これにより、糸外しレバー28が上昇位置に位置している時間長さを変更することで、適切な長さの紡績糸10を糸貯留ローラ21から除去することができる。この結果、糸屑量の低減を簡素な制御で実現することができる。
本実施形態の精紡機1は、通常紡績動作時に空気紡績装置9が生成する紡績糸10の太さが細番手(例えば40番手、第1の太さ)である場合、ドラフト装置7は、空気紡績装置9に供給される繊維束8の太さが通常紡績動作時よりも紡績再開動作時に太くなるように、第1モードで繊維束8をドラフトする。通常紡績動作時に空気紡績装置9が生成する紡績糸10の太さが中番手(即ち、第1の太さより太い第2の太さ)である場合、ドラフト装置7は、第2モードで繊維束8をドラフトする。
これにより、通常紡績動作時に細い紡績糸10を生成する場合であっても、紡績再開動作時のドラフト比を通常紡績動作時のドラフト比とは異ならせることによって、紡績糸10が確実に生成され始める。
本実施形態の精紡機1は、通常紡績動作時に空気紡績装置9が生成する紡績糸10の太さが中番手(第2の太さ)である場合、ドラフト装置7は、第2モードで繊維束8をドラフトする。通常紡績動作時に空気紡績装置9が生成する紡績糸10の太さが太番手(即ち、第2の太さより太い第3の太さ)である場合、ドラフト装置7は、空気紡績装置9に供給される繊維束8の太さが通常紡績動作時よりも紡績再開動作時に細くなるように、第1モードで繊維束8をドラフトする。具体的には、この場合、例えば、バックローラ対16の回転速度が通常紡績動作時よりも紡績再開動作時に低くなるようにドラフト装置7を駆動することにより、第1モードを実行する。
これにより、通常紡績動作時に太い紡績糸10を生成する場合であっても、紡績再開動作時のドラフト比を通常紡績動作時のドラフト比とは異ならせることによって、紡績糸10が確実に生成され始める。
本実施形態の精紡機1は、巻取装置13と、スプライサ43と、を備える。巻取装置13は、紡績糸10をパッケージ45に巻き取る。スプライサ43は、紡績糸10の走行方向において、空気紡績装置9と巻取装置13との間の位置において、空気紡績装置9からの紡績糸10(上糸)の糸端と巻取装置13からの紡績糸10(下糸)の糸端とを糸継ぎする。糸除去装置65は、糸貯留ローラ21から除去される紡績糸10を吸引し、ドラフト装置7の紡績再開動作時に空気紡績装置9により生成された紡績糸10を少なくとも除去する。糸除去装置65は、紡績再開動作時に空気紡績装置9からの紡績糸10を吸引捕捉してスプライサ43へ案内する。
これにより、通常紡績動作時とは異なるドラフト比でドラフトされた繊維束8から生成された紡績糸10を通常紡績動作により生成された紡績糸10から除去してから糸継ぎを行って、紡績糸10を巻き取ることができるので、高品質なパッケージ45を形成することができる。また、上記のような紡績糸10が、糸除去装置65によって除去されるので、精紡機1の構成を簡素化することができる。
本実施形態の精紡機1は、糸貯留ローラ21によって空気紡績装置9から紡績糸10を直接引き出す。
これにより、空気紡績装置9から安定した張力で紡績糸10を引き出しながら貯留することができる。「直接引き出す」とは、空気紡績装置9と糸貯留ローラ21との間に、デリベリローラとニップローラのような、空気紡績装置9から紡績糸10を引き出すような他の構成がないということである。
本実施形態の精紡機1は、入力部32を更に備える。入力部32は、空気紡績装置9により生成する紡績糸10の太さ及び/又は空気紡績装置9より紡績糸10を生成する紡績速度を設定可能である。
これにより、入力部32における簡易な操作のみで、紡績再開動作時のドラフト比に応じて、適切な長さの紡績糸10を除去することができる。
次に、本発明の変形例を説明する。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本変形例では、入力部32で設定される紡績速度に応じて、糸外しレバー28による糸外し動作の動作時間長さが設定された紡績速度に連動して変更されるように(糸外し動作の動作時間長さが紡績速度にほぼ反比例するように)ユニットコントローラ60が糸外しレバー28の動作を制御する。言い換えれば、同じ第1モードにおいても、空気紡績装置9による紡績速度が所定速度を上回る場合は、紡績再開動作時にユニットコントローラ60は糸外しレバー28の糸外し動作を短時間(第1時間長さ)行い、上記の所定速度を下回る場合は、糸外し動作を長時間(第1時間長さより長い第2時間長さ)行うようにユニットコントローラ60が制御する。ユニットコントローラ60は、第2モードの場合も同様の制御を行う。この制御により、空気紡績装置9による紡績速度が異なっていても、紡績再開動作時に適切な量の紡績糸10を除去することができる。
本変形例の精紡機1においては、ユニットコントローラ60は、空気紡績装置9が紡績糸10を生成する紡績速度が所定速度よりも速い場合、第1時間長さにわたって紡績糸10を除去するように糸除去装置65を制御する。ユニットコントローラ60は、紡績速度が前記所定速度よりも遅い場合、第1時間長さよりも長い第2時間長さにわたって紡績糸10を除去するように糸除去装置65を制御する。
これにより、紡績速度が速い場合には紡績糸10が除去される時間を短くし、紡績速度が遅い場合には紡績糸10が除去される時間を長くすることができる。その結果、紡績速度が異なっていても、紡績再開動作時に一定量の紡績糸10を除去することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
紡績再開動作時におけるドラフト装置7のドラフト比は、上記の実施形態のように中番手相当の紡績糸10を生成するためのドラフト比に設定することに限らず、空気紡績装置9の構成等を考慮して適宜変更することができる。
上記の実施形態では、ドラフト装置7のミドルローラ対19及びフロントローラ対20は、複数の紡績ユニット2に共通の電動モータによって駆動されている。そのため、ドラフト装置7のドラフト比の変更は、バックローラ対16及びサードローラ対17の回転速度を変更することによって実現されている。しかしながら、ミドルローラ対19及びフロントローラ対20を紡績ユニット2毎に独立して駆動するように構成することもできる。この場合、ドラフト装置7のドラフト比の変更は、ミドルローラ対19及び/又はフロントローラ対20の回転速度を変更することによっても実現することができる。
上記の変形例においては、ユニットコントローラ60は、糸外しレバー28による糸外し動作の動作時間長さを、ドラフト比及び紡績速度の両方に応じて制御する。しかしながら、ユニットコントローラ60が糸外し動作の動作時間長さをドラフト比に関係なく紡績速度に応じて制御しても良い。また、糸外し動作の動作時間長さを、ドラフト比でも紡績速度でもない別のパラメータに応じて制御しても良い。
上記の実施形態及び変形例では、ドラフト装置7及び空気紡績装置9等の紡績ユニット2を構成する各装置は、各紡績ユニット2に備えられたユニットコントローラ60によって制御されている。ユニットコントローラ60は、所定数の紡績ユニット2毎に設けられていても良い。また、当該各装置の一部又は全てを機台制御装置30によって制御しても良い。糸継台車3に台車制御部を設け、ユニットコントローラ60又は機台制御装置30から制御信号を受信した台車制御部により糸継台車3の各装置を制御するようにしても良い。
上記の実施形態及び変形例では、糸外しレバー28を駆動する手段として糸継台車3に押上げアーム47及び空気圧シリンダ49を設けたが、例えば各紡績ユニット2がそれぞれ糸外しレバー28を駆動するための構成を備えていても良い。空気圧シリンダ49に代えて、例えばラックピニオン機構又はカム機構等の適宜の構成によって糸外しレバー28を移動させる構成としても良い。
上記の実施形態及び変形例では、糸貯留ローラ21と糸掛け部材22との間に設けられた磁気的手段により、糸貯留ローラ21に備えられた電動モータ25を駆動させることで、糸貯留ローラ21と糸掛け部材22とが一体的に回転できるように構成されている。しかし、この構成に代えて、糸貯留ローラ21及び糸掛け部材22のそれぞれを専用のモータで駆動させてもよい。
上記の実施形態及び変形例では、空気紡績装置9における紡績糸10の生成で、通常紡績動作時に旋回空気流発生ノズルが動作し、紡績再開動作時に旋回空気流発生ノズル及び補助ノズルが動作するように構成されている。通常紡績動作時に、旋回空気流発生ノズルの動作に加えて、補助ノズルが紡績再開動作時よりも弱い状態で動作するように構成しても良い。
上記の実施形態及び変形例では、糸品質監視装置52が糸欠陥を検出した場合には空気紡績装置9での紡績を停止することにより紡績糸10が切断されるが、これに代えて、適宜の位置に設けられたカッタにより紡績糸10を切断するように構成しても良い。
上記の実施形態では、精紡機1に糸継装置としてスプライサ43が設けられているが、スプライサ43の代わりに例えばノッタを設けることもできる。
1 精紡機(紡績機)
7 ドラフト装置
9 空気紡績装置
10 紡績糸
13 巻取装置
21 糸貯留ローラ
22 糸掛け部材
28 糸外しレバー(糸外し部材)
32 入力部(設定部)
43 スプライサ(糸継装置)
44 サクションノズル(糸除去部材)
45 パッケージ
60 ユニットコントローラ(制御部)
65 糸除去装置

Claims (11)

  1. 繊維束をドラフトするドラフト装置と、
    紡績再開動作と、前記紡績再開動作の後に行われる通常紡績動作とにより、前記ドラフト装置でドラフトされた前記繊維束に空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する空気紡績装置と、
    前記紡績糸が周囲に巻き付けられて貯留された状態で回転する糸貯留ローラと、
    前記糸貯留ローラに貯留された前記紡績糸を除去する糸除去装置と、
    前記紡績再開動作時のドラフト比に応じて、前記糸除去装置が前記糸貯留ローラから除去する前記紡績糸の長さを変更可能な制御部と、
    を備えることを特徴とする紡績機。
  2. 請求項1に記載の紡績機であって、
    前記ドラフト装置は、前記紡績再開動作時と前記通常紡績動作時とで異なるドラフト比で前記繊維束をドラフトする第1モードと、前記紡績再開動作時と前記通常紡績動作時とで同じドラフト比で前記繊維束をドラフトする第2モードと、の何れかで前記繊維束をドラフトし、
    前記制御部は、前記第1モードと前記第2モードの何れで前記ドラフト装置が前記繊維束をドラフトしているかに応じて、前記紡績再開動作の終了後に前記糸除去装置が前記糸貯留ローラから除去する前記紡績糸の長さを変更するように制御することを特徴とする紡績機。
  3. 請求項2に記載の紡績機であって、
    前記糸貯留ローラに対して回転可能に設けられ、前記紡績糸を案内可能な糸掛け部材を更に備え、
    前記糸除去装置は、移動することにより前記紡績糸を前記糸掛け部材から外す糸外し動作を行うことが可能な糸外し部材を備え、
    前記制御部は、前記第1モードと前記第2モードの何れで前記ドラフト装置が動作しているかに応じて、前記糸外し部材が前記糸外し動作を行う動作時間長さを変更可能であることを特徴とする紡績機。
  4. 請求項3に記載の紡績機であって、
    前記制御部は、前記第1モードが実行された場合の前記糸外し部材の前記動作時間長さが、前記第2モードが実行された場合の前記糸外し部材の前記動作時間長さよりも長くなるように前記糸外し動作を制御することを特徴とする紡績機。
  5. 繊維束を引き伸ばすドラフトを行うドラフト装置と、
    前記ドラフト装置でドラフトされた前記繊維束に空気流によって撚りを加えて紡績糸を生成する紡績を行う空気紡績装置と、
    回転することにより前記紡績糸を周囲に巻き付けて貯留する糸貯留ローラと、
    前記糸貯留ローラに対して回転可能に設けられ、前記紡績糸を案内可能な糸掛け部材と、
    前記紡績糸を前記糸掛け部材から外す糸外し動作を行うことが可能な糸外し部材と、前記紡績糸を吸引捕捉するための吸引口を有する糸除去部材を有する糸除去装置と、
    前記糸外し部材を制御する制御部と、
    を備え、
    前記糸外し部材は、前記糸外し動作を行うときの位置である糸外し位置と、前記糸外し位置から退避した退避位置と、に移動可能であり、
    前記制御部は、前記糸外し部材が前記糸外し位置に位置している時間の長さを変更可能であることを特徴とする紡績機。
  6. 請求項2から4までの何れか一項に記載の紡績機であって、
    通常紡績動作時に前記空気紡績装置が生成する前記紡績糸の太さが第1の太さである場合、前記ドラフト装置は、前記空気紡績装置に供給される前記繊維束の太さが前記通常紡績動作時よりも前記紡績再開動作時に太くなるように、前記第1モードで前記繊維束をドラフトし、
    前記通常紡績動作時に前記空気紡績装置が生成する前記紡績糸の太さが前記第1の太さよりも太い第2の太さである場合、前記ドラフト装置は、前記第2モードで前記繊維束をドラフトすることを特徴とする紡績機。
  7. 請求項2、3、4又は6に記載の紡績機であって、
    通常紡績動作時に前記空気紡績装置が生成する前記紡績糸の太さが第2の太さである場合、前記ドラフト装置は、前記第2モードで前記繊維束をドラフトし、
    前記通常紡績動作時に前記空気紡績装置が生成する前記紡績糸の太さが前記第2の太さよりも太い第3の太さである場合、前記ドラフト装置は、前記空気紡績装置に供給される前記繊維束の太さが前記通常紡績動作時よりも前記紡績再開動作時に細くなるように、前記第1モードで前記繊維束をドラフトすることを特徴とする紡績機。
  8. 請求項1から7までの何れか一項に記載の紡績機であって、
    前記制御部は、
    前記空気紡績装置が前記紡績糸を生成する紡績速度が所定速度よりも速い場合、第1時間長さにわたって前記紡績糸を除去するように前記糸除去装置を制御し、
    前記紡績速度が前記所定速度よりも遅い場合、前記第1時間長さよりも長い第2時間長さにわたって前記紡績糸を除去するように前記糸除去装置を制御することを特徴とする紡績機。
  9. 請求項1から8までの何れか一項に記載の紡績機であって、
    前記紡績糸をパッケージに巻き取る巻取装置と、
    前記紡績糸の走行方向において、前記空気紡績装置と前記巻取装置との間の位置において、前記空気紡績装置からの前記紡績糸の糸端と前記巻取装置からの紡績糸の糸端とを糸継ぎする糸継装置と、
    を備え、
    前記糸除去装置は、前記糸貯留ローラから除去される前記紡績糸を吸引し、前記ドラフト装置の紡績再開動作時に前記空気紡績装置により生成された前記紡績糸を少なくとも除去して前記糸継装置へ案内することを特徴とする紡績機。
  10. 請求項1から9までの何れか一項に記載の紡績機であって、
    前記糸貯留ローラによって前記空気紡績装置から前記紡績糸を直接引き出すことを特徴とする紡績機。
  11. 請求項1から10までの何れか一項に記載の紡績機であって、
    前記空気紡績装置より生成する前記紡績糸の太さ及び紡績速度のうち少なくとも何れかを設定する設定部を更に備えることを特徴とする紡績機。
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