JP2921479B2 - 紡績機のピーシング方法 - Google Patents

紡績機のピーシング方法

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JP2921479B2
JP2921479B2 JP8715596A JP8715596A JP2921479B2 JP 2921479 B2 JP2921479 B2 JP 2921479B2 JP 8715596 A JP8715596 A JP 8715596A JP 8715596 A JP8715596 A JP 8715596A JP 2921479 B2 JP2921479 B2 JP 2921479B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旋回空気流を利用
した紡績機において、切断された糸を継ぐための紡績機
のピーシング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紡績機のピーシング方法としては、新た
に紡出された糸(上糸)と巻取側の糸(下糸)とを、ノ
ッターやスプライサー等を用いて継ぎ合わせる方法が一
般的であったが、近年これらの糸同士を継ぎ合わせるピ
ーシング方法に代わって、巻取側の糸端を、紡績機の加
撚部の紡績ノズル内部まで導いておき、その後、紡績を
再開することによって、紡績ノズル内部に供給されたス
ライバーの端部と紡績ノズル内部に導かれている巻取側
の糸端とを紡績過程で継ぎ合わせるようにしたピーシン
グ方法が開発されている。
【0003】以下に、バックローラー制御信号、紡績制
御信号及びスライバー繊維密度の相関関係を示すタイム
チャートである図11及び、適宜、他の図を用いて、従
来の紡績機のピーシング方法について説明する。
【0004】先ず最初に、図2等を用いて、紡績機のピ
ーシング方法が適用される一例としての紡績機について
説明する
【0005】1は、ドラフト装置であり、一例として4
線式のドラフト装置1が示されている。ドラフト装置1
は、バックローラー11、サードローラー12、エプロ
ンベルトを装架したミドルローラー13及びフロントロ
ーラー14の4線からなり、10はスライバーガイドで
ある。このうち、ミドルローラー13及びフロントロー
ラー14は、多数並列された紡績機の各ユニットに共通
のラインシャフトに取着されており、全ユニット一斉に
常時駆動されているが、バックローラー11及びサード
ローラー12は、各ユニット毎に、個別に駆動及び停止
が可能となっている。即ち、バックローラー11及びサ
ードローラー12は、ラインシャフト15の回転を、各
ユニット毎に設けられたギア16,17及びブレーキと
一体の電磁クラッチ等の適当なクラッチ18を介してユ
ニット単軸19に伝達し、該ユニット単軸19の一端に
取着されたプーリ19pと、サードローラー12及びバ
ックローラー11の各回転軸に取着されたプーリ11
p,12pとの間に巻き掛けたベルト20により、所定
の周速比で駆動されるとともに、上記クラッチ18を切
り、それと一体のブレーキを作動することにより、各ユ
ニット毎に強制的に停止可能となっている。サードロー
ラー12とミドルローラー13との間には、スライバー
Sの幅を規制する幅コンデンサー48が、図示されてい
ない固定プレートにより固定支持されている。
【0006】加撚装置2は、内部で圧空噴射により旋回
空気流を生成する空気紡績ノズル21と、それを支持す
るノズルブロック22と、上記の空気紡績ノズル21の
内部に、その先端部23aを位置させた、挿通孔23b
を有するスピンドル(導糸管)23と、それを支承する
スピンドル支持部材24とから主に構成される。空気紡
績ノズル21の内部21aが、空気紡績ノズル21の内
部21aに供給されるスライバーSを構成する繊維と、
スピンドル23の挿通孔23bに挿通されて空気紡績ノ
ズル21の内部に導かれている巻取側の紡績糸Yとの継
ぎ合わせが行われるピーシング領域21aとなる。
【0007】空気紡績ノズル21には、旋回吸気流を発
生するための複数の空気噴射孔30が穿設されている。
31は、ノズルブロック22とスピンドル支持部材24
との間に形成される空気室であり、空気室31は、吸引
孔40を介して、図示されていない弱い吸引圧で空気を
吸引する空気吸引源に連結されており、紡績中は、空気
紡績ノズル21の空気噴射孔30から噴出される空気の
逃し孔として作用するとともに、紡績中に空気室31内
に発生する浮遊繊維等を吸引除去する働きをするもので
ある。なお、本実施例においては、スピンドル23が、
スピンドル支持部材24に固定されている例が示されて
いるが、適当な軸受けを介して、回転可能とすることも
できる。
【0008】41は、シリンダーであり、シリンダー4
1のピストンロッド42、43の先端に、スピンドル支
持部材24の下部フレーム44が取着されている。従っ
て、シリンダー41を作動させて、スピンドル支持部材
24を左右に移動させることにより、スピンドル支持部
材24を、ノズルブロック22から離したり或はノズル
ブロック22と結合することができるように構成されて
いる。47は、図示されていない空気吸引源に接続され
た、風綿を吸引する除去するための風綿吸引管である。
【0009】次に、従来の紡績機のピーシング方法につ
いて説明する。なお、図11において、横軸は、時間
(タイミング)を示し、縦軸は、それぞれ、その時間に
おけるバックローラー制御信号、紡績制御信号及びスラ
イバー繊維密度を示している。また、バックローラー制
御信号の「1」は、クラッチ18へのON信号、即ち、
「バックローラー及びサードローラーの駆動」を示し、
「0」は、クラッチ18へのOFF信号、即ち、「バッ
クローラー及びサードローラーの停止」を示している。
更に、紡績制御信号の「1」は、空気紡績ノズル21の
内部21aでの旋回空気流発生信号、即ち、「紡績の稼
働」を示し、紡績制御信号の「0」は、空気紡績ノズル
21の内部21aでの旋回空気流停止信号、即ち、「紡
績の停止」を示している。スライバー繊維密度は、サー
ドローラー12とミドルローラー13間に配置された幅
コンデンサー48の位置におけるスライバーSの繊維密
度を示している。以下、図11の横軸である時間を基
に、従来の紡績機のピーシング方法について説明する。
【0010】(時間t0〜t1における動作状態)時間
t0〜t1では、バックローラー制御信号は、「1」で
り(A0,A)、また、紡績制御信号も「1」である
(I0,I)。そして、スライバー繊維密度は、a2で
あり、一定である(E0,E)。時間t0〜t1は、ド
ラフト装置1及び加撚装置2等が稼働していて、紡績機
のユニットが紡績糸Yを紡出している、通常の紡績の稼
動状態を示している。一定のスライバー繊維密度a2
は、通常の稼動状態にある紡績機のユニットに供給され
るスライバーSが、一定の「通常繊維密度」の状態で幅
コンデンサー48を通過中であることを示している。
【0011】(時間t1における動作状態)時間t1
は、バックローラー制御信号が、「1」から「0」に切
り換わった状態が示されている(A,B)。一方、紡績
制御信号は、依然として「1」のままである(I0,
I)。また、時間t1においては、スライバー繊維密度
は、「通常繊維密度」a2である(E)が、その後、ス
ライバー繊維密度の減少が始まる。時間t1は、糸切れ
が発生した場合、スラブ等の糸欠点検出により強制的に
糸が切断された場合、或いは、満巻パッケージを玉揚げ
する場合を示している。
【0012】時間t1における紡績機の動作を、図2を
参照にして説明すると、糸切れの発生等の場合には、図
示しない検出センサーから検出信号が発せられ、それに
伴い、バックローラー11に接続されたクラッチ18に
停止信号が送られる。クラッチ18が切れるとともに、
それと一体のブレーキが作動して、ユニット単軸19の
回転を停止し、それにより、バックローラー11及びサ
ードローラー12が強制的に停止されてスライバーSの
供給が停止される。加撚装置2は、依然として稼働を続
けている。停止したサードローラー12と、駆動を続け
るミドルローラー13間において、直ちに、スライバー
Sが切断されるわけではなく、後述するように、徐々
に、引き千切られるようにして切断される。なお、図2
には、スライバーSが、停止したサードローラー12
と、駆動を続けるミドルローラー13間において切断さ
れた直後の状態が示されている。
【0013】(時間t1〜t2における動作状態)時間
t1〜t2では、バックローラー制御信号は、「0」で
あり(B,C)、紡績制御信号は、「1」のままである
(I0,I)。しかし、スライバーSの繊維密度は、ド
ラフト時の「通常繊維密度」a2から徐々に低くなって
いる(E,F)。時間t1〜t2における紡績機の動作
を、図2を参照して説明すると、停止したバックローラ
ー11及びサードローラー12と、駆動を続けるミドル
ローラー13により、サードローラー12とミドルロー
ラー13間のスライバーSは、時間t1の時点から、ス
ライバーSを構成する繊維間にずれを生じながら、駆動
を続けるミドルローラー13により、徐々に抜き去られ
る。そして、抜き去られ始めたスライバーSの繊維密度
は、ドラフト時の「通常繊維密度」a2から、徐々に低
くなり、停止したサードローラー12と、駆動を続ける
ミドルローラー13間のスライバーSは、徐々に先細り
状に細くなっていく。なお、加撚装置2は、依然とし
て、稼働を続けている。
【0014】図6は、図2に示されているサードローラ
ー12とミドルローラー13間のスライバーSを拡大し
たものである。図6に示されるように、サードローラー
12のニップ点より上流側(スライバーガイド10側)
のスライバーSのSn部は、その先端部分が、停止する
サードローラー12に把持されており、また、幅コンデ
ンサー48より下流側に位置するスライバーSのSm部
は、駆動を続けるミドルローラー13に把持されて、図
中、左方向に搬送される。そのため、サードローラー1
2とミドルローラー13間に位置するスライバーSの繊
維が、徐々に引き抜き続けられることになり、時間t1
〜t2において、サードローラー12とミドルローラー
13間に位置するスライバーSの長さS1の部分が、徐
々に,先細り状に細くなる。
【0015】(時間t2における動作状態)時間t2に
おいて、バックローラー制御信号は、依然として「0」
ではあるが(B,C)、紡績制御信号は、「1」から
「0」に切り換わり(I,W)、また、減少していたス
ライバー繊維密度は、a1となる(F)。停止したバッ
クローラー11及びサードローラー12と、駆動を続け
るミドルローラー13により、繊維が引き抜き続けられ
ていたスライバーSは、サードローラー12とミドルロ
ーラー13の間で引き千切られる。また、時間t2にお
いては、加撚装置2が、その稼働を停止し、紡績が停止
される。先細り状に引き千切られたスライバーSの先端
部Saは、スライバーSの「通常繊維密度」a2に比
べ、繊維が大きく不足したスライバー繊維密度であるa
1となっている。
【0016】時間t2において引き千切られたスライバ
ーSの先端部Saの拡大図が、図6に示される。引き千
切られたスライバーSの先端部Saは、繊維間にずれを
生じながら、繊維がランダムに抜き去られるため、先端
に向かって先細り状になっており、繊維密度が、徐々に
減少している。図1に示されている縦軸のスライバー繊
維密度は、上述したように、幅コンデンサー48におけ
る繊維密度であるので、スライバーSの先端部Saの幅
コンデンサー48の位置でのスライバー繊維密度がa1
ということになる。スライバーSのサードローラー12
のニップ点より上流側(スライバーガイド10側)のS
n部は、「通常繊維密度」a2である。先端部Saのス
ライバー繊維密度a1は、Sn部のスライバー繊維密度
a2に比べ、大きく繊維が不足したスライバー繊維密度
であり、所謂、先端部Saは、「粗状態」にある。ま
た、先端部Saの長さS1はかなり長くなっている。な
お、引き千切られたスライバーSのSm部は、常時回転
しているフロントローラー14及び時間t2前の稼動状
態にある加撚装置2を経て、糸欠点検出器の近傍に設け
られるサクション手段により吸引除去される。
【0017】(時間t2〜t3における動作状態)時間
t2〜t3では、バックローラー制御信号は、依然とし
て「0」であり(B,C)、また、紡績制御信号も
「0」である(W,X)。また、幅コンデンサー48に
位置するスライバーSの先端部Saのスライバー繊維密
度は、繊維が大きく不足した「粗状態」のスライバー繊
維密度a1である(F,G)。そして、バックローラー
11及びサードローラー12は停止しており、スライバ
ーSの供給は停止されており、従って、引き千切られた
スライバーSも停止している。このように、時間t2〜
t3においては、バックローラー11及びサードローラ
ー12が停止しているため、スライバーSのSn部がサ
ードローラー12に把持されたままで、スライバーSの
先端部Saの位置も、図6に示されている状態のままで
ある。加撚装置2も稼働を停止しており、紡績は停止さ
れている。
【0018】この時間t2〜t3において、図3に示さ
れているように、シリンダ41を作動させて、そのピス
トンロッド42、43を進出させる。そのため、図2の
状態から図3の如く、下部フレーム44が左へ移動し、
スピンドル支持部材24及びスピンドル23が、ノズル
ブロック22及び空気紡績ノズル21から離反する。続
いて、巻取側の紡績糸Yの糸端Yaが、図示されていな
い装置により、空気紡績ノズル21から離反したスピン
ドル23の挿通孔23bに、紡績糸Yの排出側から逆通
しされる。ノズルブロック22及び空気紡績ノズル21
から分離されたスピンドル23の挿通孔23bに挿通さ
れ、スピンドル23の先端部23aから、所定の長さ垂
れ下がっている紡績糸Yの糸端Yaは、吸引管45に吸
引され、所定の張力で保持されている。次いで、この状
態から、シリンダー41を作動させて、ピストンロッド
42、43を後退させ、下部フレーム44に配設された
スピンドル支持部材24及びスピンドル23を、図3に
おいて、右方向に再び移動させる。
【0019】上述した吸引管45は、図示されていない
空気吸引源に接続されており、吸引管45は、糸継ぎに
際して、スピンドル23の挿通孔23bに挿通され、ス
ピンドル23の先端部23aから引き出された紡績糸Y
の糸端Yaを吸引し、適当な張力で保持する機能を有す
るものである。本実施例においては、図3に示されてい
るように、吸引管45は、スピンドル23が空気紡績ノ
ズル21より離反された時、吸引管45の先端部45a
が、スピンドル23の先端部23aの下方に位置するよ
うに配置されているが、スピンドル23の先端部23a
から引き出された紡績糸Yの糸端Yaを吸引することが
可能な位置であれば、どのような位置にでも配置するこ
とができる。なお、46は、上述した吸引孔40が、穿
設された支持ブロックである。
【0020】そして、図4に示されるように、ノズルブ
ロック22とスピンドル支持部材24とを、再度、結合
させて、スピンドル23を元の位置に復帰させる。この
時、スピンドル23の挿通孔23bに挿通された紡績糸
Yは、スピンドル支持部材24とノズルブロック22と
を結合した際に、屈曲して吸引管45に保持される。ノ
ズルブロック22側のスピンドル支持部材24の側壁に
は、スリット33が、また、スピンドル支持部材24の
スリット33に対向して、スピンドル支持部材24側の
ノズルブロック22の側壁には、スリット32が、それ
ぞれ、設けられているので、ノズルブロック22とスピ
ンドル支持部材24とを結合した際に、スピンドル23
の先端部23aから垂れ下がり、吸引管45に保持され
ている紡績糸Yの糸端Yaは、スリット32、33に入
り、従って、上記紡績糸Yの糸端Yaが、ノズルブロッ
ク2の側壁とスピンドル支持部材24の側壁とにより挟
持されることが防止できる。
【0021】(時間t3における動作状態)上述したよ
うに、スピンドル23の挿通孔23bに紡績糸Yを挿通
するとともに、スピンドル支持部材24とノズルブロッ
ク22とを結合して、ピーシング準備が完了した後、時
間t3において、バックローラー制御信号を、「0」か
ら「1」に切り換え(C,D)、また、紡績制御信号
も、「0」から「1」に切り換える(X,Z)。このよ
うに、バックローラー制御信号を、「0」から「1」に
切り換えることにより、クラッチ18が繋がり、サード
ローラー12とバックローラー11とが再び駆動され回
転し、スライバーSの供給が再開される。
【0022】サードローラー12とバックローラー11
との再回転により、上述したように、停止したサードロ
ーラー12と、駆動を続けるミドルローラー13によ
り、繊維が引き抜かれて「粗状態」のスライバー繊維密
度a1になったままの状態にあるスライバーSの先端部
Saは、そのまま、ミドルローラー13及びフロントロ
ーラー14を経て、稼動を再開した空気紡績ノズル21
内のピーシング領域21aに供給される。スライバーS
の先端部Sa及び先端部Saに続く定常状態のスライバ
ーSが、順次、稼動を再開した空気紡績ノズル21内の
ピーシング領域21aに供給されることにより、スライ
バー繊維密度は、「粗状態」のスライバー繊維密度a1
から「通常繊維密度」a2へと増加を開始する(G)。
【0023】(時間t3〜t4における動作状態)時間
t3〜t4においては、バックローラー制御信号は、
「1」であり(D,D0)、また、紡績制御信号も
「1」である(Z,Z0)。そして、スライバー繊維密
度は、「粗状態」のスライバー繊維密度a1から、徐々
に、増加している。時間t3〜t4におけるスライバー
Sの挙動を、図6を参照にして説明すると、時間t3に
おいて、幅コンデンサー48の位置にある先端部Saの
スライバー繊維密度は、上述したように、「粗状態」の
スライバー繊維密度a1であり、先端部Saから上流側
のSn部側になるほど、スライバー繊維密度は増加して
いる。Sn部のスライバー繊維密度は、「通常繊維密
度」a2である。
【0024】時間t3から、バックローラー11及びサ
ードローラー12の駆動が再開されると、スライバーS
が駆動を続けるミドルローラー13方向に搬送されるた
めに、幅コンデンサー48の位置におけるスライバー繊
維密度は、徐々に増加することになる。そのため、時間
t3〜t4においては、スライバー繊維密度は、「粗状
態」のスライバー繊維密度a1から「通常繊維密度」a
2に変位する(G,H)。このドラフト及び紡績再開の
信号発進の時間t3から、スライバー繊維密度が「通常
繊維密度」a2となるまでの時間(t3〜t4)は、後
述する本発明のピーシング方法における場合に比べて長
い。
【0025】(時間t4における動作状態)時間t4に
おいては、バックローラー制御信号は、「1」であり
(D,D0)、また、紡績制御信号も「1」である
(Z,Z0)。そして、増加していたスライバー繊維密
度は、「通常繊維密度」a2に達している(H)。時間
t4におけるスライバーSは、図6に示されているスラ
イバーSの先端部Saの根元(図6のスライバーSの先
端部Saの長さS1の右端部)が、幅コンデンサー48
の位置に達している状態にある。
【0026】(時間t4〜t5における動作状態)時間
t4〜t5においては、バックローラー制御信号は、
「1」であり(D,D0)、また、紡績制御信号も
「1」もある(Z,Z0)。そして、スライバー繊維密
度は、「通常繊維密度」a2で一定となっている(H,
H0)。時間t4〜t5におけるスライバーの挙動を、
図6を参照にして説明すると、「通常繊維密度」a2で
あるSn部が、幅コンデンサー48を通過するようにな
る。そして、スライバーSの先端部Saが、ミドルロー
ラー13及びフロントローラー14を経て、空気紡績ノ
ズル21内のピーシング領域21aに供給される。加撚
装置2の再開によって、空気紡績ノズル21の空気噴射
孔30からは空気が噴射されており、スピンドル23の
先端部23a付近には旋回空気流が発生している。従っ
て、スピンドル23の先端部23aに供給されたスライ
バーSの先端部Saを構成する繊維が、上記旋回空気流
により、巻取側の紡績糸Yの糸端Yaに付着して一体と
なり、ピーシングが行われる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
紡績機のピーシング方法においては、ドラフト及び紡績
の再開の時間t3では、停止したサードローラー12
と、駆動を続けるミドルローラー13により繊維が引き
抜かれて細長くなったスライバーSの先端部Saのスラ
イバー繊維密度は、「粗状態」のスライバー繊維密度a
1の状態であって、その「粗状態」のスライバー繊維密
度a1を有する先端部Saが、そのまま、ミドルローラ
ー13及びフロントローラー14を経て、空気紡績ノズ
ル21内のピーシング領域21aに供給されるため、以
下に説明するような問題があった。
【0028】図12及び図13は、従来の紡績機のピー
シング方法において、ピーシング領域21aに供給され
たスライバーSの先端Saと巻取側の紡績糸Yの糸端Y
aとのピーシング前後の状態を示す概略図である。それ
ぞれ、(a)がピーシング前を示し、(b)がピーシン
グ後を示している。
【0029】図12は、紡績糸Yの先端部Yaが、スラ
イバーSの先端部Saと重なる場合を示している。図6
に示されているスライバーSの先細り状の先端部Saの
長さS1は、ミドルローラー13及びフロントローラー
14によりドラフトされ、ピーシング領域21aでは、
図12(a)に示されている長さS1aと長くなってい
る。長さS1aはかなり長く、そのため、図12(b)
に示されているように、ピーシング部分Ycの太くなっ
た部分の長さY6及び細くなった部分の長さY7はかな
り長くなり、従って、当然に、ピーシング部分Ycの全
長Y8もかなり長くなっている。また、スライバーSの
先端部Saの繊維密度は、「粗状態」のスライバー繊維
密度a1であるために、ピーシング部分Ycの細くなっ
た部分Y7の強度はかなり弱くなっている。そのため、
糸切れ、更には、ピーシングの失敗の原因を引き起こす
という問題が発生していた。
【0030】また、図13には、ピーシング部分Yc
が、細くなった部分Y7を含まないように、紡績糸Yの
先端部Yaが、スライバーSの「通常繊維密度」a2を
有するSn部と重なるようにした場合が示されている。
上述したように、スライバーSの先端部Saの長さS1
aはかなり長く、そのために、図13(a)に示されて
いるように、紡績糸Yの先端部Yaが、スライバーSの
「通常繊維密度」a2を有するSn部と重なる長さY9
を短く設定したとしても、図13(b)に示されている
ように、ピーシング部分Ycの長さY10は、かなり長
いものとなってしまう。そのため、ピーシング部分Yc
の太くなった部分により、紡績糸Yの製品として品質が
低下するといった問題が発生していた。
【0031】本発明の目的は、上述した従来の紡績機の
ピーシング方法が有する課題を解決し、ピーシング時の
ピーシング領域に供給されるスライバーの先端部の長さ
を短く、且つ、先端部の繊維密度を高めることにより、
確実なピーシングを行うことができる紡績機のピーシン
グ方法を提供することにある。
【0032】
【課題を解決しようとする手段】上述した目的を達成す
るために、第1には、紡績の稼動停止後に、常時回転し
ているドラフトローラーと停止されたドラフトローラー
との間でスライバーを、一旦、切断した後、ドラフト及
び紡績の再開に先行して、前記停止したドラフトローラ
ーを、所定時間、駆動させた後、停止させることによ
り、再度、常時回転しているドラフトローラーと停止さ
れたドラフトローラーとの間でスライバーを切断し、次
いで、前記停止したドラフトローラーを駆動させて、空
気紡績ノズルへスライバーを供給するようにしたもので
あり、第2には、最初に切断されたスライバーの先端部
の繊維密度より、次に切断されたスライバーの先端部の
繊維密度を高くするようにしたものであり、第3には、
最初に切断されたスライバーの先端部の長さより、次に
切断されたスライバーの先端部の長さを短くするように
したものであり、第4には、空気紡績ノズルの手前で、
最初に切断されたスライバーの先端部を吹き飛ばすよう
にしたものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の紡績機のピーシン
グ方法におけるバックローラー制御信号、紡績制御信号
及びスライバー繊維密度の相関関係を示すタイムチャー
トである図1及び、適宜、他の図を用いて、本発明の紡
績機のピーシング方法について説明する。
【0034】本発明の紡績機のピーシング方法が適用さ
れる、一例としての紡績機は、上述した図2〜図5と同
じ構造を有しているので、その詳細な説明は省略する。
なお、図11と同様に、図1の横軸は、時間(タイミン
グ)を示し、縦軸は、それぞれ、その時間におけるバッ
クローラー制御信号、紡績制御信号及びスライバー繊維
密度を示している。また、バックローラー制御信号の
「1」は、クラッチ18へのON信号、即ち、「バック
ローラー及びサードローラーの駆動」を示し、「0」
は、クラッチ18へのOFF信号、即ち、「バックロー
ラー及びサードローラーの停止」を示している。更に、
紡績制御信号の「1」は、空気紡績ノズル21の内部で
の旋回空気流発生信号、即ち、「紡績の稼働」を示し、
紡績制御信号の「0」は、空気紡績ノズル21の内部で
の旋回空気流停止信号、即ち、「紡績の停止」を示して
いる。
【0035】次に、本発明の紡績機のピーシング方法の
実施例について、図1を中心に説明する。
【0036】(時間t0〜t1における動作状態)主と
して、図11を用いて説明した、従来の紡績機のピーシ
ング方法と同様に、本発明の紡績機のピーシング方法に
おいても、時間t0〜t1では、バックローラー制御信
号は「1」でり(A0,A)、また、紡績制御信号も
「1」である(I0,I)。そして、スライバー繊維密
度は、「通常繊維密度」a2であり、一定である(E
0,E)。時間t0〜t1は、ドラフト装置1及び加撚
装置2等が稼働していて、紡績機のユニットが紡績糸Y
を紡出している、通常の紡績の稼動状態を示している。
【0037】(時間t1における動作状態)本発明の紡
績機のピーシング方法における時間t1の動作状態も、
上述した従来の紡績機のピーシング方法における時間t
1の動作状態と同じである。即ち、バックローラー制御
信号は、「1」から「0」に切り換わるが(A,B)、
紡績制御信号は、依然として「1」のままである(I
0,I)。時間t1においては、スライバー繊維密度
は、「通常繊維密度」a2であるが(E)、その後、ス
ライバー繊維密度の減少が始まる。糸切れの発生等の場
合には、図示しない検出センサから検出信号が発せら
れ、それに伴い、バックローラー11に接続されたクラ
ッチ18に停止信号が送られ、ユニット単軸19の回転
が停止され、それによりバックローラー11及びサード
ローラー12が強制的に停止され、スライバーSの供給
が停止される。加撚装置2は、依然として、稼働を続け
ている。
【0038】(時間t1〜t2における動作状態)本発
明の紡績機のピーシング方法における時間t1〜t2の
動作状態も、上述した従来の紡績機のピーシング方法に
おける時間t1〜t2の動作状態と同じである。即ち、
時間t1〜t2では、バックローラー制御信号は、
「0」であり(B,J)、また、紡績制御信号は、
「1」が続いている(I0,I)。しかし、スライバー
Sの繊維密度は、時間t0〜t1における通常の紡績状
態の「通常繊維密度」a2から徐々に低くなっている
(E,F)。停止したバックローラー11及びサードロ
ーラー12と、駆動を続けるミドルローラー13によ
り、サードローラー12とミドルローラー13間のスラ
イバーSは、時間t1から繊維間にずれを生じながら、
駆動を続けるミドルローラー13により、徐々に抜き去
られる。そして、抜き去られ始めたスライバーSの繊維
密度は、上記の通常の紡績状態の「通常繊維密度」a2
から、徐々に低くなり、停止したサードローラー12
と、駆動を続けるミドルローラー13間のスライバーS
は、徐々に細くなっていく。加撚装置2は、依然とし
て、稼働を続けている。
【0039】(時間t2における動作状態)本発明の紡
績機のピーシング方法における時間t2の動作状態も、
上述した従来の紡績機のピーシング方法における時間t
2の動作状態と同じである。即ち、時間t2において、
バックローラー制御信号は、依然として「0」であるが
(B,J)、一方、紡績制御信号は、「1」から「0」
に切り換わる(I,W)。また、減少していたスライバ
ー繊維密度は、「粗状態」のスライバー繊維密度a1と
なる(F)。停止したバックローラー11及びサードロ
ーラー12と、駆動を続けるミドルローラー13によ
り、繊維が引き抜き続けられていたスライバーSは、ミ
ドルローラー13とサードローラー12の間で先細り状
に引き千切られる。また、時間t2においては、加撚装
置2が、その稼働を停止し、紡績が停止される。引き千
切られたスライバーSの先端部Saは、スライバーSの
「通常繊維密度」a2に比べ、繊維が大きく不足した
「粗状態」のスライバー繊維密度a1となっている。な
お、引き千切られたスライバーSのSm側は、フロント
ローラー14及び時間t2前の稼動状態の加撚装置2を
経て、糸欠点検出器の近傍に設けられるサクション手段
により吸引除去される。
【0040】(時間t2〜taにおける動作状態)本発
明の紡績機のピーシング方法における時間t2〜taの
動作状態は、上述した従来の紡績機のピーシング方法に
おける時間t2〜t3の動作状態と同じである。即ち、
時間t2〜taでは、バックローラー制御信号は、
「0」であり(B,J)、また、紡績制御信号も「0」
である(W,X)。また、スライバー繊維密度は、繊維
が大きく不足した「粗状態」のスライバー繊維密度a1
である(F,N)。そして、バックローラー11及びサ
ードローラー12は停止しており、スライバーSの供給
は停止されており、従って、引き千切られたスライバー
Sも停止している。加撚装置2も稼働を停止しており、
紡績は停止されている。
【0041】本発明の紡績機のピーシング方法において
も、時間t2〜taにおいては、上述した従来の紡績機
のピーシング方法における時間t2〜t3の動作状態と
同様に、ピーシングのための準備作業が行われる。即
ち、図2の状態から図3の如く、スピンドル支持部材2
4及びスピンドル23が、ノズルブロック22及び空気
紡績ノズル21から離反され、次いで、巻取側の紡績糸
Yの糸端Yaが、スピンドル23の挿通孔23bに逆通
しされ、スピンドル23の先端部23aから、所定の長
さ垂れ下がっている紡績糸Yの糸端Yaは、吸引管45
に吸引され、所定の張力で保持されている。その後、図
4に示されるように、ノズルブロック22とスピンドル
支持部材24とが再度、結合され、スピンドル23を元
の位置に復帰する。このようにして、ピーシングのため
の準備作業が完了する。
【0042】上述した従来の紡績機のピーシング方法と
同様に、時間t3において、ドラフト及び紡績が再開さ
れるが、それに先行して、本発明の紡績機のピーシング
方法においては、上述した従来の紡績機のピーシング方
法と異なり、以下のような動作が行われる。
【0043】(時間taにおける動作状態)時間taに
おいて、バックローラー制御信号が,「0」から「1」
に切り換わる(J,K)。しかしながら、紡績制御信号
は、依然として「0」のままである(W,X)。また、
スライバー繊維密度は、「粗状態」のスライバー繊維密
度a1であるが(N)、この後、増加を開始する。
【0044】時間taにおける紡績機の動作を図4を参
照にして説明すると、停止していたバックローラー11
及びサードローラー12が駆動を開始し、バックローラ
ー11及びサードローラー12に把持されていたスライ
バーSの先端部Saが、駆動を続けているミドルローラ
ー13方向に移動し始める。バックローラー制御信号の
「0」から「1」への切り換えに伴い、図2に示されて
いるクラッチ18が再び繋がり、停止していたバックロ
ーラー11及びサードローラー12の駆動が再開され、
上記のように、スライバーSの先端部Saが、駆動を続
けるミドルローラー13へ供給されることになる。
【0045】(時間ta〜tcにおける動作状態)時間
ta〜tcにおいては、バックローラー制御信号は、
「1」が続き(K,L)、また、紡績制御信号は、依然
として「0」のままである(W,X)。しかしながら、
時間ta〜tcにおけるスライバー繊維密度は、停止し
ていたバックローラー11及びサードローラー12の駆
動再開によるスライバーSの先端部Saのミドルローラ
ー13方向にの移動に伴い、時間ta〜tc間のうち、
時間ta〜時間tbで変位する。即ち、時間taにおい
て「粗状態」のスライバー繊維密度a1であったスライ
バー繊維密度は、時間ta〜tbにおいて、徐々に増加
を続け(N,P)、時間tbにおいて、「通常繊維密
度」a2となり、その後、時間tb〜tcにおいては、
この「通常繊維密度」a2が続くことになる(P,
Q)。
【0046】時間ta〜tcにおけるスライバーSの挙
動を、図6及び図7を参照にして説明する。
【0047】上述したように、時間taにおけるスライ
バーSの先端部Saは、図6に示されているように、停
止したサードローラー12と、駆動を続けるミドルロー
ラー13により繊維が引き抜かれて、先細り状に細長く
なっている。そして、時間taにおいて、幅コンデンサ
ー48の位置にある先端部Saのスライバー繊維密度
は、上述したように、「粗状態」のスライバー繊維密度
a1である。先細り状の先端部Saの繊維密度は、上流
側(スライバーガイド10側)にいくほど増加してい
る。
【0048】時間taから、バックローラー11及びサ
ードローラー12の駆動を再開すると、スライバーS
が、駆動を続けるミドルローラー13方向に搬送される
ために、幅コンデンサー48の位置におけるスライバー
繊維密度が、徐々に増加することになる。時間tbにお
いては、スライバーSの先端部Saの根元(図6に示さ
れている先端部Saの長さS1の右端部)が、幅コンデ
ンサー48に達するために、時間ta〜tbにおいて
は、スライバー繊維密度は、「粗状態」のスライバー繊
維密度a1から、徐々に増加して、「通常繊維密度」a
2となる(N,P)。
【0049】時間tb〜tcにおいては、スライバーS
の「通常繊維密度」a2を有するSn部が、順次、幅コ
ンデンサー48を経てミドルローラー13に供給される
ために、時間tb〜tcにおいては、一定の「通常繊維
密度」a2となる(P.Q)。そして、時間tcにおい
ては、スライバーSの先端部Saは、図7に示されてい
るように、その先端が、ミドルローラー13の略前方位
置に達している。なお、時間tb〜tcは、スライバー
Sの「通常繊維密度a2」を有するSn部が、確実に、
ミドルローラー13に供給されるようにするための時間
である。
【0050】(時間tcにおける動作状態)時間tcに
おいて、バックローラー制御信号は、「1」から「0」
に切り換わる(L,M)。一方、紡績制御信号は、
「0」のままである(W,X)。また、スライバー繊維
密度は、「通常の繊維密度」a2であるが(Q)、この
後、減少を開始する。
【0051】時間tcにおける紡績機の動作を、図2を
参照にして説明すると、時間t1の場合と同様に、クラ
ッチ18が切れるとともに、それと一体のブレーキが作
動してユニット単軸19の回転が停止され、それにより
バックローラー11及びサードローラー12が強制的に
停止されて、スライバーSの供給が停止される。スライ
バーSの先端部Saは、図7に示されているように、そ
の先端が、ミドルローラー13の略前方位置に達してい
る。時間t1の場合と同様に、時間tcにおいて停止し
たバックローラー11及びサードローラー12と、駆動
を続けるミドルローラー13により、図7に示された位
置に達したスライバーSの先端部Saが、繊維間にずれ
を生じながら駆動を続けるミドルローラー13により、
徐々に抜き去られ始める。
【0052】(時間tc〜t3における動作状態)時間
tc〜t3において、バックローラー制御信号は、
「0」であり(M,C)、また、紡績制御信号も、
「0」のままである(W,X)。そして、スライバー繊
維密度は、時間t1〜t2の場合と同様に、「通常繊維
密度」a2から、徐々に低下している(Q,R)。時間
tc〜t3のスライバー繊維密度の減少率(Q,R)
は、上述した時間t1〜t2間のスライバー繊維密度の
減少率(E,F)と同じである。
【0053】時間tc〜t3における紡績機の動作を、
図4を参照にして説明すると、停止したバックローラー
11及びサードローラー12と、駆動を続けるミドルロ
ーラー13により、サードローラー12とミドルローラ
ー13の間のスライバーSは、先端部Saの繊維間にず
れを生じながら、駆動を続けるミドルローラー13によ
り、徐々に抜き去られている。駆動を続けるミドルロー
ラー13に把持されて、徐々に抜き去られるスライバー
Sの先端部Saは、加撚装置2が稼働していないため
に、フロントローラー14を経て、風綿を除去する風綿
吸引管47に吸引される。
【0054】時間tc〜t3におけるスライバーSの挙
動を、図7を参照にした説明すると、上述したバックロ
ーラー11及びサードローラー12の駆動(時間ta〜
tc)とその停止(時間tc)により、図7に示されて
いる位置に達したスライバーSの先端部Saを構成する
繊維は、駆動を続けるミドルローラー13により、徐々
に抜き去られていく。
【0055】(時間t3における動作状態)時間t3に
おいて、バックローラー制御信号は、「0」から「1」
に切り換わり(C,D)、また、紡績制御信号も、
「0」から「1」に切り換わる(X,Z)。減少してい
たスライバー繊維密度は、bとなるが(R)、その後、
逆に増加を開始する。バックローラー制御信号の「0」
から「1」への切り換えにより、クラッチ18が繋が
り、バックローラー11及びサードローラー12が、再
び回転して、スライバーSの供給が再開される。
【0056】時間t3におけるスライバーSの挙動を、
図7を参照にして説明すると、上述した時間tc〜t3
において、停止したバックローラー11及びサードロー
ラー12と、駆動を続けるミドルローラー13により、
繊維が引き抜き続けられ切断されたスライバーSの先端
部Sbは、幅コンデンサー位置48におけるスライバー
繊維密度が、「粗状態」のスライバー繊維密度a1と
「通常繊維密度」a2との中間のスライバー繊維密度
b、即ち、a1<b<a2となる。先端部Sbは、「通
常繊維密度」a2を有するSn部に比べて繊維は少ない
が、上述した先端部Saのような「粗状態」のスライバ
ー繊維密度a1になっておらず、充分な繊維を有してい
る。そして、先細り状の先端部Sbの長さS2は、上述
した先端部Saの長さS1に比べてかなり短い。図5に
示されているように、スライバー繊維密度bの充分な繊
維を有するとともに、長さS2の短い先端部Sbが、後
述の如く、ミドルローラー13及びフロントローラー1
4を経て、空気紡績ノズル21内のピーシング領域21
aに供給されることになる。このように、従来のような
スライバー繊維密度が「粗状態」のスライバー繊維密度
a1の先端部Saが、ピーシング領域21aに供給され
るようなことがない。
【0057】ここで、仮に、時間t3以後も、バックロ
ーラー11及びサードローラー12の停止を続けるとす
ると、図7に示されている先端部Sbは、駆動を続ける
ミドルローラー13により繊維が引き抜き続けられて、
その先端部が、図6に示されているように、スライバー
繊維密度が「粗状態」のスライバー繊維密度a1で、し
かも、細長い先端部Saになってしまう。このように、
仮に、時間t3以後も、バックローラー制御信号が
「0」であると、時間t3におけるスライバー繊維密度
は、時間tc〜t3以降も減少し続けて、やがて、時間
teにおいて、「粗状態」のスライバー繊維密度a1に
なってしまう(R,R0)。時間tc〜teのスライバ
ー繊維密度の減少(Q,R0)は、上述した時間t1〜
t2間のスライバー繊維密度の減少(E,F)と同じで
ある。即ち、(t2−t1)=(te−tc)である。
【0058】上述したように、本発明においては、時間
t3におけるドラフト及び紡績の再開信号(C,D)、
(X,Z)に先行して、時間ta〜t3において、駆動
開始信号(J,K)、駆動信号(K,L)、停止開始信
号(L,M)及び停止信号(M,C)のバックローラー
制御信号が、バックローラー11に送られる。
【0059】(時間t3〜tdにおける動作状態)時間
t3〜tdにおいては、バックローラー制御信号は、
「1」であり(D,D0)、また、紡績制御信号も
「1」である(Z、Z0)。そして、スライバー繊維密
度は、スライバー繊維密度bから、徐々に増加してい
る。
【0060】時間t3〜tdにおけるスライバーSの挙
動を、図7を参照にして説明すると、時間t3における
スライバーSの先端部Sbは、図7に示されているよう
に、略幅コンデンサー48の位置にある。そして、時間
t3において、幅コンデンサー48の位置にある先端部
Sbのスライバー繊維密度は、上述したように、「粗状
態」のスライバー繊維密度a1と「通常繊維密度」a2
との中間の繊維密度bであり、上流側のSn部になるほ
どスライバー繊維密度が増加している。Sn部における
スライバー繊維密度は、上述したように、「通常繊維密
度」a2である。時間t3から、バックローラー11及
びサードローラー12の駆動を再開すると、スライバー
Sの先端部Sbが、駆動を続けるミドルローラー13方
向に搬送されるために、幅コンデンサー48の位置にお
けるスライバー繊維密度は、徐々に増加することにな
る。そのため、時間t3〜tdにおいては、スライバー
繊維密度が、スライバー繊維密度bから「通常繊維密
度」a2へと、徐々に増加する(R,U)。
【0061】本発明のピーシング方法においては、ドラ
フト及び紡績再開の信号発信の時間t3から、スライバ
ー繊維密度が「通常繊維密度」a2となるまでの時間間
隔はt3〜tdであり、一方、上述した従来のピーシン
グ方法の場合のドラフト及び紡績再開の信号発進の時間
t3から、スライバー繊維密度が「通常繊維密度」a2
となるまでの時間間隔t3〜t4である。このように、
本発明のピーシング方法においては、ドラフト及び紡績
再開の信号発信の時間t3から、スライバー繊維密度が
「通常繊維密度」a2となるまでの時間が短い。
【0062】上述したように、スライバー繊維密度が、
本発明のピーシング方法におけるスライバー繊維密度b
から「通常繊維密度」a2となるまでの変位(R,U)
と、従来のピーシング方法における「粗状態」のスライ
バー繊維密度a1から「通常繊維密度」a2となるまで
の変位(G,H)を比較すると、ドラフト及び紡績再開
の信号発信の時間t3から、スライバー繊維密度が「通
常繊維密度」a2となるまでの時間は、本発明のピーシ
ング方法の変位(R,U)の場合は、時間t3〜tdで
あり、また、従来のピーシング方法の変位(G,H)の
場合は、時間t3〜t4であり、従って、本発明のピー
シング方法においては、時間間隔(t4−td)だけ短
縮されている。これは、従来のピーシング方法において
は、スライバーSの先端部Saが細長くてその長さがS
1と長いのに対して、本発明のピーシング方法において
は、スライバーSの先端部Sbの長さがS2と短いため
である。
【0063】(時間tdにおける動作状態)時間tdに
おいては、バックローラー制御信号は、「1」であり
(D,D0)、また、紡績制御信号も「1」である
(Z,Z0)。そして、増加していたスライバー繊維密
度は、「通常繊維密度」a2に達している(U)。
【0064】(時間td〜t5における動作状態)時間
td〜t5においては、バックローラー制御信号は、
「1」であり(D,D0)、また、紡績制御信号も
「1」である(Z,Z0)。そして、スライバー繊維密
度は、「通常繊維密度」a2で一定となっている(U,
H0)。
【0065】時間td〜t5におけるスライバーの挙動
を、図7を参照にして説明すると、「通常繊維密度」a
2を有するSn部が、幅コンデンサー48を通過するよ
うになる。そして、図5に示されているように、スライ
バーSの先端部Sbは、ミドルローラー13及びフロン
トローラー14を経て、空気紡績ノズル21内のピーシ
ング領域21aに供給される。加撚装置2の駆動再開に
よって、空気紡績ノズル21の空気噴射孔30から空気
が噴射して、スピンドル23の先端部23a方向に向か
って旋回空気流が発生している。その後、ピーシング領
域21aに供給されたスライバーSの先端部Sbを構成
する繊維は、上記旋回空気流により、巻取側の紡績糸Y
の糸端Yaに付着し、一体となってピーシングが行われ
ることになる。
【0066】図8及び図9は、本発明のピーシング方法
において、空気紡績ノズル21内のピーシング領域21
aに供給されたスライバーSの先端Sbと紡績糸Yの先
端部Yaとのピーシング前後の状態を示す概略図であ
る。それぞれ、(a)が、ピーシング前、(b)が、ピ
ーシング後を示している。
【0067】図8は、紡績糸Yの先端部Yaが、スライ
バーSの先端部Sbと重なる場合を示している。図7で
示した先細り状の先端部Sbの長さS2は、ミドルロー
ラー13及びフロントローラー14によりドラフトされ
て、ピーシング領域21aでは、図8(a)に示されて
いるように、長さS2aとなっている。このスライバー
Sの先端部Sbの長さS2aは、上述した従来のピーシ
ング方法におけるスライバーSの先端部Saの長さS1
aと比較して、かなり短い。そのため、図8(b)に示
されているように、ピーシング部分Ycの太くなった部
分の長さY1及び細くなった部分Y2も短く、従って、
ピーシング部分Ycの全長長さY3は短くなっている。
図12に示されている従来のピーシング方法におけるピ
ーシング部分Ycの太くなった部分の長さY6、細くな
った部分Y7及びピーシング部分Ycの全長長さY8と
比較して、本発明のピーシング方法においては、上記の
各長さY1、Y2、Y3すべてにおいて短くなってい
る。
【0068】また、繊維密度bを有するスライバーSの
先端部Sbは、充分な繊維を有しており、スライバー繊
維密度が高いので、細くなった部分Y2であっても充分
な強度を有している。従来のピーシング方法において
は、図12に示されているように、スライバーSの先端
部Saの繊維密度は、「粗状態」のスライバー繊維密度
a1であったため、ピーシング部分Ycの細くなった部
分Y7が弱く、ピーシング後に、再度、切れるという問
題が発生していたが、本発明ではそういった問題は発生
しない。
【0069】図9は、紡績糸Yの先端部Yaが、スライ
バーSの「通常繊維密度」a2を有するSn部と重なる
場合を示している。このように、紡績糸Yの先端部Ya
を、スライバーSの「通常繊維密度」a2を有するSn
部に重ねることにより、細くなった部分Y2ができるこ
とが防止できる。上述したように、スライバーSの先端
部Sbの長さS2aは短いので、図9(a)に示されて
いるように、重なる紡績糸Yの先端部Yaの長さY4を
短く設定すれば、図9(b)に示されているように、ピ
ーシング部分Ycの長さY5も、比較的、短くなる。従
って、図13に示されているように、従来のピーシング
方法によりピーシングされたピーシング部分Ycが長い
ために、紡出された紡績糸Yの品質が低下するようなこ
とがない。図13に示されている従来のピーシング方法
におけるピーシング部分Ycでは、重なる紡績糸Yの先
端部Yaの長さY9を短く設定しても、スライバーSの
先端部Saの長さS1aが長いので、ピーシング部分Y
cの長さY10もかなり長くなる。
【0070】なお、図8及び図9に示されている紡績糸
Yの先端部YaとスライバーSの重なり部分の長さは、
図2に示されているニップローラー50の駆動タイミン
グ、バックローラー11の制御信号のタイミング等を調
整することにより、所望の長さを得ることが可能であ
る。
【0071】上述したように、本発明の紡績機のピーシ
ング方法においては、ピーシング部分Ycを短くするこ
とができ、ピーシング部分Ycに細くなった部分Y2が
できても、その部分Y2の強度は充分であり、製品とし
て品質を下げるといった問題はない。
【0072】上述した実施例においては、いずれも、4
線式のドラフト装置1について述べたが、本発明は、3
線式又は5線式以上のドラフト装置にも実施可能である
ことは勿論である。また、上述した実施例では、ミドル
ローラー13とサードローラー12間でスライバーSを
引き千切る場合、即ち、サードローラー12とそれより
上流側のドラフトローラー(バックローラー11)を停
止する場合について述べたが、ミドルローラー13も停
止させる場合も含めて、任意のドラフトローラーから上
流側を停止ローラーとした各場合に実施可能であるが、
ピーシング領域21aに近いサードローラー12やミド
ルローラー13と、その上流側のドラフトローラーを停
止ローラーとし、且つ、ミドルローラー13を含め、そ
れに近いドラフトローラー間でスライバーSを引き千切
り、供給することがタイミング的にも、繊維量を安定す
る上でも有利である。
【0073】更に、上述した実施例においては、空気紡
績ノズル21内にスピンドル23を位置させた加撚装置
2でピーシングする場合を示したが、本発明は、何らこ
れに限定されるものではなく、紡績再開によってピーシ
ングを行うその外の装置にも実施可能であることを付言
する。
【0074】次に、図4と同様の図10を用いて、本発
明の紡績機のピーシング方法の別の実施例について説明
する。
【0075】この実施例においては、挿通孔23b内
に、スピンドル23の先端部23a方向に向か空気流を
発生させるための空気噴出孔23cが形成されている。
本実施例においては、空気噴出孔23cは、スピンドル
23及びスピンドル支持部材24に跨がって穿設されて
おり、空気噴出孔23cは、スピンドル支持部材24に
連結されたパイプ24aを介して、図示されていない圧
縮空気供給源に接続されている。
【0076】本発明においては、上述したように、糸切
れ或いは玉揚げの際の紡績の稼動停止後に、バックロー
ラー11及びサードローラー12が強制的に停止され、
停止したサードローラー12と、駆動を続けるミドルロ
ーラー13間においてスライバーSが切断されて、スラ
イバーSの先端部Saは、図6、図12(a)及び図1
3(a)等に示されているように、細長い先細り状とな
る。
【0077】その後、時間t2〜taにおいて、スピン
ドル支持部材24及びスピンドル23が、ノズルブロッ
ク22及び空気紡績ノズル21から離反され、次いで、
巻取側の紡績糸Yの糸端Yaが、スピンドル23の挿通
孔23bに逆通しされた後、ノズルブロック22とスピ
ンドル支持部材24とが再度、結合されて、ピーシング
のための準備作業が完了する。
【0078】上述したピーシングのための準備作業が完
了後に、本発明においては、時間ta〜t3において、
紡績制御信号が「0」、即ち、空気紡績ノズル21が駆
動を停止している間に、短時間だけ、バックローラー1
1及びサードローラー12を回転させて、スライバーS
をミドルローラー13方向に移動させる。その後、再
度、バックローラー11及びサードローラー12を停止
させて、停止したサードローラー12と、駆動を続ける
ミドルローラー13間において、再び、スライバーSを
切断することにより、より繊維密度が高く、且つ、短い
スライバーSの先端部Sbを形成する。
【0079】上述したように、短時間だけ、バックロー
ラー11及びサードローラー12を回転させることによ
り送られる「粗状態」のスライバー繊維密度a1の先端
部Saは、加撚装置2が稼動していないため、フロント
ローラー14を経て、風綿除去用の風綿吸引管47に吸
引されることになるが、この吸引が不十分の場合は、ス
ライバーSの先端部Saが空気紡績ノズル21に入り込
み、空気紡績ノズル21やスピンドル23に詰まって、
ピーシングが失敗することがある。
【0080】本実施例においては、ドラフト及び紡績の
再開の前後から、空気紡績ノズル21内のピーシング領
域21aにおける紡績糸Yの先端部YaとスライバーS
の先端部Sbを構成する繊維とによるピーシング作業の
直前まで、スピンドル支持部材24に連結されたパイプ
24aを介して空気噴出孔23cに圧縮空気を送り、ス
ピンドル23の先端部23aを経て空気紡績ノズル21
からフロントローラー14に向けて空気を噴出させる。
このように空気紡績ノズル21からフロントローラー1
4に向けて空気を噴出させることにより、紡績再開に先
立って送られるスライバーSの先端部Saは、空気紡績
ノズル21の手前で吹き飛ばされて、空気紡績ノズル2
1やスピンドル23に詰まるようなことがない。
【0081】上述したように、スライバーSの先端部S
aの除去作業が終了した後は、空気噴出孔23cへの圧
縮空気の供給は停止する。上記の先端部Saに続いて送
られてくる、紡績糸Yの先端部Yaにピーシングされ
る、より繊維密度が高く、且つ、短い先端部Sbを有す
るスライバーSの該先端部Sbが、空気紡績ノズル21
に導入される前に、上記の空気噴出孔23cへの圧縮空
気の供給は停止することが好ましい。
【0082】スライバーSの先端部Saを除去するため
に、空気紡績ノズル21からフロントローラー14に向
けて空気を噴出させるための手段としては、上述したス
ピンドル23及びスピンドル支持部材24に空気噴出孔
23cを穿設する代わりに、スピンドル23の挿通孔2
3bの出口23b’(紡出された紡績糸Yの排出口)
に、移動可能な空気噴射ノズル49を配置し、該空気噴
射ノズル49から空気を噴射して、空気紡績ノズル21
から空気を噴出させるように構成することもできる。
【0083】また、フロントローラー14とノズルブロ
ック22との間隙に、空気噴射ノズル49’を配置し、
該空気噴射ノズルから、空気紡績ノズル21のスライバ
ーSの導入口21b方向に空気を噴射して、スライバー
Sの先端部Saを、空気紡績ノズル21の手前で吹き飛
ばすように構成することもできる。この場合には、上記
の空気噴射ノズル49’を、空気紡績ノズル21のスラ
イバーSの導入口21bを挟んで、風綿吸引管47と対
向して配置することが好ましい。このように構成するこ
とにより、吹き飛ばされたスライバーSの先端部Sa
が、空気中に長時間浮遊することなく、直ちに、風綿吸
引管47に吸引される。
【0084】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載する効果を奏することができ
る。
【0085】ピーシング時のピーシング領域に供給され
るスライバー先端のスライバー繊維密度を高めることが
できるとともに、その長さを短くすることができ、従っ
て、ピーシング部分の強度が増大されるとともに、ピー
シング部分の長さが短くすることができる。
【0086】ピーシング部分に細くなった部分ができて
も、それは短く、且つ、強度も充分であり、再度、糸切
れやピーシングの失敗等の問題を引き起こすことがな
い。また、ピーシング部分の太くなる部分も短くなり、
紡出される紡績糸の品質が向上する。
【0087】空気紡績ノズルの手前で、最初に切断され
たスライバーの先端部を吹き飛ばすようにしたので、最
初に切断されたスライバーの先端部が、空気紡績ノズル
に入り込み、空気紡績ノズルやスピンドルに詰まるよう
なことが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の紡績機のピーシング方法におけ
るバックローラー制御信号、紡績制御信号及びスライバ
ー繊維密度の相関関係を示すタイムチャートである。
【図2】図2は本発明が適用される一例としての紡績機
の一部側断面を含む側面図である。
【図3】図3は図2と同様の本発明が適用される一例と
しての紡績機の一部側断面を含む側面図である。
【図4】図4は図2と同様の本発明が適用される一例と
しての紡績機の一部側断面を含む側面図である。
【図5】図5は図2と同様の本発明が適用される一例と
しての紡績機の一部側断面を含む側面図である。
【図6】図6は従来の紡績機のピーシング方法によりサ
ードローラーとミドルローラー間で引き千切られるスラ
イバーの先端部の様子を示す拡大側面図である。
【図7】図7は本発明の紡績機のピーシング方法により
サードローラーとミドルローラー間で引き千切られるス
ライバーの先端部の様子を示す拡大側面図である。
【図8】図8は本発明の紡績機のピーシング方法におけ
るピーシング前後のスライバー及び紡績糸の拡大側面図
である。
【図9】図9は本発明の紡績機のピーシング方法の別の
実施例におけるピーシング前後のスライバー及び紡績糸
の拡大側面図である。
【図10】図10は図4と同様の本発明の別の実施例が
適用される一例としての紡績機の一部側断面を含む側面
図である。
【図11】図11は従来の紡績機のピーシング方法にお
けるバックローラー制御信号、紡績制御信号及びスライ
バー繊維密度の相関関係を示すタイムチャートである。
【図12】図12は従来の紡績機のピーシング方法にお
けるピーシング前後のスライバー及び紡績糸の拡大側面
図である。
【図13】図13は従来の紡績機の別のピーシング方法
におけるピーシング前後のスライバー及び紡績糸の拡大
側面図である。
【符号の説明】
S・・・・・・・スライバー Y・・・・・・・紡績糸 1・・・・・・・ドラフト装置 2・・・・・・・加撚装置 11・・・・・・バックローラー 12・・・・・・サードローラー 13・・・・・・ミドルローラー 14・・・・・・フロントローラー 18・・・・・・クラッチ 21・・・・・・空気紡績ノズル 21a・・・・・ピーシング領域 23・・・・・・スピンドル 23c・・・・・空気噴出孔 48・・・・・・幅コンデンサー 49、49’・・空気噴射ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−341025(JP,A) 特開 平6−287824(JP,A) 特開 平6−173130(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01H 15/00 B65H 69/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紡績の稼動停止後に、常時回転しているド
    ラフトローラーと停止されたドラフトローラーとの間で
    スライバーを、一旦、切断した後、ドラフト及び紡績の
    再開に先行して、前記停止したドラフトローラーを、所
    定時間、駆動させた後、停止させることにより、再度、
    常時回転しているドラフトローラーと停止されたドラフ
    トローラーとの間でスライバーを切断し、次いで、前記
    停止したドラフトローラーを駆動させて、空気紡績ノズ
    ルへスライバーを供給するようにしたことを特徴とする
    紡績機のピーシング方法。
  2. 【請求項2】最初に切断されたスライバーの先端部の繊
    維密度より、次に切断されたスライバーの先端部の繊維
    密度を高くすることを特徴と請求項1に記載の紡績機の
    ピーシング方法。
  3. 【請求項3】最初に切断されたスライバーの先端部の長
    さより、次に切断されたスライバーの先端部の長さを短
    くすることを特徴と請求項1に記載の紡績機のピーシン
    グ方法。
  4. 【請求項4】空気紡績ノズルの手前で、最初に切断され
    たスライバーの先端部を吹き飛ばすことを特徴とする請
    求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の紡績機のピー
    シング方法。
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