JP2003151599A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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JP2003151599A
JP2003151599A JP2001344053A JP2001344053A JP2003151599A JP 2003151599 A JP2003151599 A JP 2003151599A JP 2001344053 A JP2001344053 A JP 2001344053A JP 2001344053 A JP2001344053 A JP 2001344053A JP 2003151599 A JP2003151599 A JP 2003151599A
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reforming
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孝 志満津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 起動時に、システム内で必要な水分量を十分
確保することができると共に、各構成要素の温度をそれ
ぞれの目標温度までできるだけ早く上昇させることが可
能な燃料電池システムを提供する。 【解決手段】 エアポンプ134は、改質部102にお
いて、ガソリンを完全酸化させるのに十分な空気量がカ
ソードオフガスとして得られるように、その駆動が制御
される。改質部102では、供給されたガソリンは完全
酸化されて、水とCO2になる。この結果、完全酸化に
よる発熱によって改質部102の温度は上昇すると共
に、完全酸化によって水蒸気が生成される。各要素10
4〜112は、改質部102からのガスが流通すること
により、それらの温度は上昇する。改質部102からの
ガスの温度は燃料電池114のアノード116において
数十℃になり、ガス中の水蒸気は急速に凝縮して水とな
って、燃料電池114内の電解質膜に吸収されて、電解
質膜を加湿する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素系燃料の
供給を受けて、水素を含む改質ガスを生成する改質部
と、改質ガスと酸化ガスの供給を受けて、電力を発生す
る燃料電池と、を備えた燃料電池システムに関し、特
に、燃料電池のカソードから排出されるカソードオフガ
スを改質部に供給する構成の燃料電池システムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池を発電装置として用いる場合、
水素を燃料電池のアノードに供給する必要がある。水素
の供給には、原料として用意されたガソリンやメタノー
ルや天然ガスなどの炭化水素系燃料から改質反応により
取り出された水素を利用していた。改質反応としては、
種々の改質反応、例えば、水蒸気改質反応、部分酸化反
応がある。一例として、ガソリンの一成分であるイソオ
クタン(C818)について、その改質反応を以下に示
した。
【0003】 C818+8H2O → 17H2+8CO …(1) C818+4O2 → 9H2+8CO …(2)
【0004】上式(1)で表わされる反応は水蒸気改質
反応であり、上式(2)で表わされる反応は部分酸化反
応である。これら反応は、いずれか一方を採用すること
もできるが、双方を同時に1つの改質部内で起こすこと
もできる。水蒸気改質反応は吸熱反応であり、部分酸化
反応は発熱反応であることから、上記のように水蒸気改
質反応と部分酸化反応とを1つの改質部内で起こすこと
で、改質部での熱量の収支を釣り合わせることができ
る。これら反応は、上式(1),(2)で表わされるよ
うに、水蒸気改質反応は水を供給することで、部分酸化
反応は酸素を供給することで促進される。
【0005】従来より、上記改質部での水と酸素の供給
を効率的に行なう技術として、例えば、特開2000−
195534号公報に示すように、燃料電池の運転時に
カソードら排出されるカソードオフガスを改質部に供給
して循環させる技術が提案されている。この技術によれ
ば、燃料電池の運転により、カソードで生成される水蒸
気や未反応の酸素をカソードオフガスとして改質部に供
給して再利用を図ることで、蒸発器や、水タンクや、外
側から改質部へ酸素を供給するための導管などを不要と
することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな蒸発器など保有しない燃料電池システムにおいて
は、起動時において、蒸発器を利用した蒸気生成ができ
ないため、システム内で必要な水分量を確保することが
できないという問題があった。
【0007】すなわち、燃料電池においては、発電を行
うため、電解質膜を適度に湿潤させる必要があり、ま
た、改質部においては、水蒸気改質反応を起こさせるた
めに、カソードオフガスに適度な水分を添加する必要が
あるが、蒸発器を保有しないため、起動時に、そのよう
な水分を供給するための手段がなかった。
【0008】また、起動時において、蒸発器を利用して
システム内の温度上昇を図ることができないため、改質
部や燃料電池などの各構成要素の温度を、それぞれの目
標温度まで上昇させるのに多大な時間を要し、燃料電池
の発電開始が遅くなるという問題もあった。
【0009】従って、本発明の目的は、上記した従来技
術の問題点を解決し、起動時に、システム内で必要な水
分量を十分確保することができると共に、各構成要素の
温度をそれぞれの目標温度までできるだけ早く上昇させ
ることが可能な燃料電池システムを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明
の第1の燃料電池システムは、炭化水素系燃料の供給を
受け、水蒸気改質反応及び部分酸化反応のうち、少なく
とも一方の反応を利用して、水素を含む改質ガスを生成
する改質部と、アノードに前記改質ガスの供給を受ける
と共に、カソードに酸素を含む酸化ガスの供給を受け
て、電力を発生する燃料電池と、前記燃料電池のカソー
ドから排出されるカソードオフガスを前記改質部に供給
するカソードオフガス流路と、を備え、起動時に、前記
改質部において、前記炭化水素系燃料を前記カソードオ
フガスに含まれる酸素によってほぼ完全酸化させ、得ら
れたガスを前記アノードに供給することを要旨とする。
【0011】このように、第1の燃料電池システムで
は、起動時に、改質部において、炭化水素系燃料をカソ
ードオフガスに含まれる酸素によってほぼ完全酸化させ
ることにより、後述するごとく、水蒸気が生成されると
共に、熱が生じる。
【0012】従って、第1の燃料電池システムによれ
ば、燃料電池のアノードに供給されるガスは、完全酸化
により生成された水蒸気を含んだガスとなるため、燃料
電池内の電解質膜を加湿することができ、延いては、カ
ソードから排出されるカソードオフガスの水蒸気濃度を
上昇させることができ、システム内で必要な水分量を十
分確保することができる。
【0013】また、完全酸化により生じる熱によって、
改質部の温度を上昇させる他、改質部の後段に位置する
種々の構成要素や燃料電池の各温度を、それぞれの目標
温度までできる限り早く上昇させることができるので、
燃料電池の発電開始までの時間を短縮することができ
る。
【0014】本発明の第2の燃料電池システムは、炭化
水素系燃料の供給を受け、水蒸気改質反応及び部分酸化
反応のうち、少なくとも一方の反応を利用して、水素を
含む改質ガスを生成する改質部と、アノードに前記改質
ガスの供給を受けると共に、カソードに酸素を含む第1
の酸化ガスの供給を受けて、電力を発生する燃料電池
と、前記燃料電池のカソードから排出されるカソードオ
フガスを前記改質部に供給するカソードオフガス流路
と、を備え、起動時に、前記改質部において、前記炭化
水素系燃料を前記カソードオフガスに含まれる酸素によ
って部分酸化させ、得られた前記改質ガスを前記アノー
ドに供給すると共に、前記改質部から前記アノードに至
る流路中に酸素を含む第2の酸化ガスを供給して、前記
改質ガスに含まれる水素を前記第2の酸化ガスに含まれ
る酸素によって酸化させることを要旨とする。
【0015】このように、第2の燃料電池システムで
は、起動時に、改質部において、炭化水素系燃料をカソ
ードオフガスに含まれる酸素によって部分酸化させるこ
とにより、改質ガスが生成されると共に、熱が生じる。
また、改質部からアノードに至る流路中に酸化ガスを供
給して、生成した改質ガスに含まれる水素を酸化ガスに
含まれる酸素によって酸化させることにより、後述する
ように、水蒸気が生成されると共に、熱が生じる。
【0016】従って、第2の燃料電池システムによれ
ば、燃料電池のアノードに供給される改質ガスは、水素
酸化により生成された水蒸気を含んだガスとなるため、
燃料電池内の電解質膜を加湿することができ、延いて
は、カソードから排出されるカソードオフガスの水蒸気
濃度を上昇させることができ、システム内で必要な水分
量を十分確保することができる。
【0017】また、改質部において、部分酸化により生
じる熱によって、改質部の温度を上昇させる他、改質部
の後段に位置する種々の構成要素や燃料電池の各温度を
上昇させ、さらには、水素酸化により生じる熱によって
も、種々の構成要素や燃料電池の各温度をさらに上昇さ
せることができる。従って、システム内の各構成要素の
温度を、それぞれの目標温度までできる限り早く上昇さ
せることができるので、燃料電池の発電開始までの時間
を短縮することができる。
【0018】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
改質部から前記アノードに至る流路中には、前記改質ガ
スに含まれる一酸化炭素をシフト反応により除去するシ
フト部、および前記一酸化炭素を酸化反応により除去す
る一酸化炭素浄化部のうち、少なくとも一方が配置され
ると共に、前記水素の酸化は、前記シフト部、一酸化炭
素浄化部および燃料電池のうち、少なくとも1つの内部
において生じることが好ましい。
【0019】シフト部、一酸化炭素浄化部および燃料電
池は、それぞれ、その内部に触媒を備えているため、水
素酸化を行う際に、その触媒によって反応が促進される
からである。
【0020】本発明の第3の燃料電池システムは、炭化
水素系燃料の供給を受け、水蒸気改質反応及び部分酸化
反応のうち、少なくとも一方の反応を利用して、水素を
含む改質ガスを生成する改質部と、前記改質ガスが流れ
るフィード部と、パージガスが流れるパージ部と、前記
フィード部とパージ部との間に配置される水素分離膜
と、を有し、前記フィード部を流れる前記改質ガスから
前記水素分離膜によって水素を分離して、前記パージ部
を流れる前記パージガスに混合し、燃料ガスを得る水素
分離部と、アノードに前記燃料ガスの供給を受けると共
に、カソードに酸素を含む酸化ガスの供給を受けて、電
力を発生する燃料電池と、前記燃料電池のカソードから
排出されるカソードオフガスを前記改質部に供給するカ
ソードオフガス流路と、を備え、起動時に、前記改質部
において、前記炭化水素系燃料を前記カソードオフガス
に含まれる酸素によってほぼ完全酸化させ、得られたガ
スを前記水素分離膜を通過させることなく前記アノード
に供給することを要旨とする。
【0021】このように、第3の燃料電池システムで
は、第1の燃料電池システムの場合と同様に、起動時
に、改質部において、炭化水素系燃料をカソードオフガ
スに含まれる酸素によってほぼ完全酸化させることによ
り、水蒸気が生成されると共に、熱が生じる。
【0022】従って、第3の燃料電池システムによれ
ば、燃料電池のアノードに供給されるガスは、完全酸化
により生成された水蒸気を含んだガスとなるため、燃料
電池内の電解質膜を加湿することができ、延いては、カ
ソードから排出されるカソードオフガスの水蒸気濃度を
上昇させることができ、システム内で必要な水分量を十
分確保することができる。
【0023】また、完全酸化により生じる熱によって、
改質部の温度を上昇させる他、改質部の後段に位置する
水素分離部や燃料電池の各温度を、それぞれの目標温度
までできる限り早く上昇させることができるので、燃料
電池の発電開始までの時間を短縮することができる。
【0024】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
カソードオフガス中の水蒸気濃度が所定値以上になった
場合に、前記改質部において、前記完全酸化の反応を停
止させて、前記水蒸気改質反応及び部分酸化反応のう
ち、少なくとも一方の反応を開始させ、その後、前記パ
ージ部に前記パージガスとして酸素を含む第3の酸化ガ
スを流すと共に、前記改質部で生成されて前記フィード
部を流れる前記改質ガスから前記水素分離膜によって水
素を分離し、前記パージ部において、分離した前記水素
を前記第3の酸化ガスに含まれる酸素によって酸化さ
せ、得られたガスを前記アノードに供給することが好ま
しい。
【0025】このように、改質部における改質ガス生成
開始後は、パージ部における水素酸化によって水蒸気を
生成し、その水蒸気を含んだガスをアノードに供給する
ことにより、燃料電池内の電解質膜をさらに加湿するこ
とができる。また、水素酸化によって生じる熱によっ
て、水素分離部および燃料電池の各温度を、適正な温度
までさらに上昇させることができる。
【0026】また、酸化ガスであったパージガスは、パ
ージ部の水素酸化による酸素の消費によって、例えば、
不活性な窒素ガスへと変化するため、パージガスとし
て、特別に窒素ガスを供給するための窒素ガスボンベな
どを用意する必要がない。
【0027】本発明の第4の燃料電池システムは、炭化
水素系燃料の供給を受け、水蒸気改質反応及び部分酸化
反応のうち、少なくとも一方の反応を利用して、水素を
含む改質ガスを生成する改質部と、前記改質ガスが流れ
るフィード部と、パージガスが流れるパージ部と、前記
フィード部とパージ部との間に配置される水素分離膜
と、を有し、前記フィード部を流れる前記改質ガスから
前記水素分離膜によって水素を分離して、前記パージ部
を流れる前記パージガスに混合し、燃料ガスを得る水素
分離部と、アノードに前記燃料ガスの供給を受けると共
に、カソードに酸素を含む第1の酸化ガスの供給を受け
て、電力を発生する燃料電池と、前記燃料電池のカソー
ドから排出されるカソードオフガスを前記改質部に供給
するカソードオフガス流路と、を備え、起動時に、前記
改質部において、前記炭化水素系燃料を前記カソードオ
フガスに含まれる酸素によって部分酸化させ、得られた
前記改質ガスを前記水素分離膜を通過させることなく前
記アノードに供給すると共に、前記改質部から前記アノ
ードに至る流路中に酸素を含む第2の酸化ガスを供給し
て、前記改質ガスに含まれる水素を前記第2の酸化ガス
に含まれる酸素によって酸化させることを要旨とする。
【0028】このように、第4の燃料電池システムで
は、第2の燃料電池システムと同様に、起動時に、改質
部において、炭化水素系燃料をカソードオフガスに含ま
れる酸素によって部分酸化させることにより、改質ガス
が生成されると共に、熱が生じる。また、改質部からア
ノードに至る流路中に酸化ガスを供給して、生成した改
質ガスに含まれる水素を酸化ガスに含まれる酸素によっ
て酸化させることにより、水蒸気が生成されると共に、
熱が生じる。
【0029】従って、第4の燃料電池システムによれ
ば、燃料電池のアノードに供給される改質ガスは、水素
酸化により生成された水蒸気を含んだガスとなるため、
燃料電池内の電解質膜を加湿することができ、延いて
は、カソードから排出されるカソードオフガスの水蒸気
濃度を上昇させることができ、システム内で必要な水分
量を十分確保することができる。
【0030】また、改質部において、部分酸化により生
じる熱によって、改質部の温度を上昇させる他、改質部
の後段に位置する水素分離部や燃料電池の各温度を上昇
させ、さらには、水素酸化により生じる熱によっても、
水素分離部や燃料電池の各温度をさらに上昇させること
ができる。従って、システム内の各構成要素の温度を、
それぞれの目標温度までできる限り早く上昇させること
ができるので、燃料電池の発電開始までの時間を短縮す
ることができる。
【0031】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
フィード部は、シフト触媒を備え、前記改質ガスに含ま
れる一酸化炭素をシフト反応により除去し得ると共に、
前記水素の酸化は、前記フィード部の内部において生じ
ることもできる。
【0032】このようにフィード部が、その内部にシフ
ト触媒を備えることにより、水素酸化を行う際に、その
触媒によって反応を促進させることもできる。
【0033】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
カソードオフガス中の水蒸気濃度が所定値以上になった
場合に、前記改質部において、部分酸化反応のみ起きる
状態から、部分酸化反応と水蒸気改質反応が共に起きる
状態へと移行させ、その後、前記パージ部に前記パージ
ガスとして酸素を含む第3の酸化ガスを流すと共に、前
記改質部において生成され前記フィード部を流れる前記
改質ガスから前記水素分離膜によって水素を分離し、前
記パージ部において、分離した前記水素を前記第3の酸
化ガスに含まれる酸素によって酸化させ、得られたガス
を前記アノードに供給することが好ましい。
【0034】このように、水素分離膜によって水素分離
を開始した後は、パージ部における水素酸化によって水
蒸気を生成し、その水蒸気を含んだガスをアノードに供
給することにより、燃料電池内の電解質膜をさらに加湿
することができる。また、水素酸化によって生じる熱に
よって、水素分離部および燃料電池の各温度を、適正な
温度までさらに上昇させることができる。また、パージ
部の水素酸化による酸素の消費によって、パージガス
は、例えば、不活性な窒素ガスへと変化するため、窒素
ガスボンベなどを用意する必要がない。
【0035】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
カソードオフガス中の水蒸気濃度が所定値以上になった
場合に、前記改質部において、前記完全酸化の反応を停
止させて、前記水蒸気改質反応及び部分酸化反応のう
ち、少なくとも一方の反応を開始させることが好まし
い。
【0036】このように、切り換えることにより、燃料
が無駄に消費されるのを防止することができる。
【0037】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
改質部において、前記水蒸気改質反応及び部分酸化反応
のうち、少なくとも一方の反応を開始させた後、前記改
質部から前記アノードに至る流路中に酸素を含む第2の
酸化ガスを供給して、前記改質部から得られた前記改質
ガスに含まれる水素を前記第2の酸化ガスに含まれる酸
素によって酸化させることが好ましい。
【0038】このように、改質部における改質ガス生成
開始後においても、燃料電池のアノードに供給される改
質ガスは、水素酸化により生成された水蒸気を含んだガ
スとなるため、燃料電池内の電解質膜を加湿することが
でき、カソードオフガスの水蒸気濃度を上昇させること
ができ、システム内で必要な水分量を確保することがで
きる。また、水素酸化により生じる熱によって、改質部
の後段に位置する種々の構成要素や燃料電池の各温度を
さらに上昇させることができる。従って、システム内の
各構成要素の温度を、それぞれの目標温度までできる限
り早く上昇させることができるので、燃料電池の発電開
始までの時間を短縮することができる。本発明の燃料電
池システムにおいて、前記カソードオフガス中の水蒸気
濃度が所定値以上になった場合に、前記改質部におい
て、部分酸化反応のみ起きる状態から、部分酸化反応と
水蒸気改質反応が共に起きる状態へと移行させることが
好ましい。
【0039】このように、切り換えることにより、燃料
を有効に利用して、改質ガスの生成を行うことができ
る。
【0040】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
改質ガスに含まれる一酸化炭素を前記第2の酸化ガスに
含まれる酸素によって酸化させることが好ましい。
【0041】このように、一酸化炭素を酸化させ、除去
することにより、アノードに供給される改質ガス中の一
酸化炭素濃度を減少させることができるため、燃料電池
における一酸化炭素被毒を抑えることができる。
【0042】また、一酸化炭素酸化による発熱によっ
て、改質部の後段に位置する各構成要素および燃料電池
の各温度さらに上昇させることができる。従って、シス
テム内の各構成要素の温度を、それぞれの目標温度まで
できる限り早く上昇させることができるので、燃料電池
の発電開始までの時間をさらに短縮することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、実
施例に基づき以下の順序で説明する。 A.第1の実施例: A−1.第1の実施例の構成: A−2.第1の実施例における起動時の動作: B.第2の実施例: B−1.第2の実施例の構成: B−2.第2の実施例における起動時の動作: C.第3の実施例: C−1.第3の実施例の構成: C−2.第3の実施例における起動時の動作: D.第4の実施例: D−1.第4の実施例の構成: D−2.第4の実施例における起動時の動作: E.変形例: E−1.変形例1: E−2.変形例2: E−3.変形例3: E−4.変形例4: E−5.変形例5: E−6.変形例6:
【0044】A.第1の実施例: A−1.第1の実施例の構成:図1は本発明の第1の実
施例として燃料電池システム100の全体構成を示すブ
ロック図である。
【0045】本実施例の燃料電池システム100は、主
として、炭化水素系燃料を改質して、水素リッチな改質
ガスを生成する改質部102と、生成された改質ガスか
ら一酸化炭素(CO)を除去するための高温シフト部1
06、低温シフト部110およびCO浄化部112と、
これらを経た改質ガスを燃料ガスとして利用し、エアポ
ンプ134によって取り込まれた空気を酸化ガスとして
利用して、電力を発生する燃料電池114と、を備えて
いる。
【0046】これら構成要素のうち、燃料電池114
は、発電を行なう際に水(水蒸気)を生成する種類のも
のであればよく、具体的には、固体高分子型燃料電池、
リン酸型燃料電池などである。本実施例では、比較的小
型で発電効率に優れる固体高分子膜型の燃料電池を適用
した。燃料電池114は、電解質膜(図示せず)、アノ
ード116、カソード118、およびセパレータ(図示
せず)とから構成されるセル(図示せず)を複数積層し
て構成されている。電解質膜は、フッ素系樹脂などの固
体高分子材料で形成されたプロトン伝導性のイオン交換
膜である。アノード116およびカソード118は、共
に炭素繊維を織成したカーボンクロスにより形成されて
いる。セパレータは、カーボンを圧縮してガス不透過と
した緻密質カーボンなどガス不透過の導電性部材により
形成されている。アノード116およびカソード118
との間に燃料ガス(改質ガス)および酸化ガスの流路を
形成する。
【0047】燃料電池114のアノード116では、燃
料ガスが送り込まれると、この燃料ガス中の水素から水
素イオンを生成し(H2 → 2H++2e-)、カソード
118は、酸化ガスが送り込まれると、この酸化ガス中
の酸素から酸素イオンを生成し、燃料電池114内では
電力が発生する。また、これと同時にカソード118に
おいて、上記の水素イオンと酸素イオンとから水が生成
される((1/2)O 2+2H++2e-→H2O)。この
水のほとんどは、燃料電池114内で発生する熱を吸収
して水蒸気として生成される。
【0048】燃料電池114のカソード118と改質部
102との間には、カソードオフガス流路が設けられて
いる。従って、カソード118において上記の如く生成
された水蒸気と、カソード118において反応に用いら
れなかった酸素は、カソードガスとして、改質部102
に供給される。
【0049】改質部102には、その他、燃料として、
イソオクタン(C818)を一成分とするガソリンが供
給される。燃料には、天然ガスなどの他の炭化水素燃料
やアルコールなどの含酸素燃料など、種々の炭化水素系
燃料を用いることもできる。また、その他、エーテル,
アルデヒドなどを燃料として用いることもできる。
【0050】改質部102は、その内部に、改質反応を
促進する改質用触媒(図示せず)を備えている。ガソリ
ンや天然ガスを原料とする場合には、例えばニッケル触
媒やロジウム貴金属を改質用触媒として用いることがで
き、メタノールを原料として用いる場合には、CuO−
ZnO系触媒、Cu−ZnO系触媒などが有効であるこ
とが知られている。改質部102では、上記の如く、カ
ソードオフガスとして水蒸気および酸素の供給を受ける
と共に、燃料としてガソリンの供給を受けて、先に式
(1),(2)で示した水蒸気改質反応と部分酸化反応
とが併せて起こり、改質用触媒がそれらの反応を促進し
て、ガソリンから水素リッチな改質ガスが生成される。
【0051】シフト部は、反応温度の違いによって、高
温シフト部106と低温シフト部110とに分かれてお
り、それぞれ、改質部102で生成された改質ガス中の
COを水と反応させてCO2に変成させる。これらシフ
ト部106,110の変成反応は、具体的には、CO+
2O→H2+CO2で示される反応である。なお、これ
らシフト部106,110における変成反応に必要な水
も、カソードオフガスに含まれる水蒸気によって賄われ
る。
【0052】CO浄化部112は、シフト部106,1
10において除去されなかったCOを酸化しCO2に変
成させる。このCO浄化部112の変成反応(CO+
(1/2)O2→CO2)には酸素が必要である。その酸
素は、エアポンプ130によって取り込まれた空気によ
って賄われる。
【0053】TGC(テールガスコンバスタ)144
は、燃料電池114のアノード116から排出されたア
ノードオフガスの供給を受けて、その中に含まれるCO
を燃焼させて除去すると共に、残存している水素を酸化
させて、水に変成させる。こうして、COおよび水素の
除去されたアノードオフガスは、後述する加湿ユニット
136を介して大気中に放出される。
【0054】加湿ユニット136は、TGC144から
のアノードオフガスとエアポンプ134からの酸化ガス
としての空気の供給をそれぞれ受け、アノードオフガス
から酸化ガスに水蒸気の受け渡しを行わせ、酸化ガスの
加湿を行っている。なお、余分な水分は水回収ユニット
146に回収される。
【0055】外部冷却器138は、燃料電池114の外
部に取り付けられており、114の冷却を行っている。
【0056】熱交換器104,122は、改質部102
からの改質ガスで得た熱を、熱交換器108,120
は、高温シフト部106で得た熱を、熱交換器124は
TGC144で得た熱を、それぞれ、カソードオフガス
に伝達するように熱交換を行っている。また、熱交換器
140は、外部冷却器138から得た熱を、熱交換器1
42はCO浄化部112で得た熱を、それぞれ、アノー
ドオフガスに伝達するように熱交換を行っている。
【0057】A−2.第1の実施例における起動時の動
作:以上説明したように、燃料電池114の運転時にカ
ソード118から排出されるカソードオフガスを改質部
102に供給して循環させる構成では、改質部102で
生じる水蒸気改質反応に用いられる水は、供給するカソ
ードオフガスによって賄われるため、蒸発器や水タンク
などは必要としない。
【0058】しかしながら、起動時においては、蒸発器
を利用した蒸気生成ができないため、このままでは、シ
ステム内において必要な水分量を確保することができな
い。
【0059】そこで、本実施例においては、起動時に、
改質部102において、供給された燃料を完全酸化させ
ることによって、水蒸気を生成するようにしている。
【0060】すなわち、システムの起動が開始される
と、まず、エアポンプ134によって空気が取り込ま
れ、酸化ガスとして加湿ユニット136を介して燃料電
池114のカソード118に供給される。燃料電池11
4では、まだ、発電が開始されていないので、供給され
た酸化ガスは、カソード118を素通りし、酸素を多量
に含んだまま、カソードオフガスとして熱交換器12
0,122,124を介して改質部102に供給され
る。また、改質部102には、燃料としてガソリンも供
給される。
【0061】このとき、エアポンプ134は、改質部1
02において、ガソリンを完全酸化させるのに十分な空
気量がカソードオフガスとして得られるように、その駆
動が制御される。
【0062】これにより、改質部102では、触媒燃焼
(改質用触媒による燃焼)や気相燃焼(燃料と酸化ガス
との混合による燃焼)によって、供給されたガソリンは
完全酸化されて、式(3)に示すように、水と二酸化炭
素(CO2)になる。
【0063】 C818+(25/2)O2 → 8CO2+9H2O …(3)
【0064】この結果、完全酸化による発熱によって改
質部102の温度は上昇すると共に、完全酸化によって
水蒸気が生成される。
【0065】なお、完全酸化による反応温度は、供給さ
れる空気量を理論空燃費の約4倍となるように、エアポ
ンプ134の駆動を制御することによって、約800℃
以下に調整することが好ましい。
【0066】改質部102において、完全酸化によって
得られたガス(水蒸気+CO2)は、熱交換器104,
高温シフト部106,熱交換器108,低温シフト部1
10,CO浄化部112を介して、燃料電池114のア
ノード116に供給される。
【0067】これらの各要素104〜112は、起動
時、低温状態にあるため、改質部102からのガスが流
通することにより、それらの温度は徐々に上昇するが、
反対に、改質部102からのガスの温度は、各要素10
4〜112を介する毎に低下する。しかも、カソードオ
フガスも低温状態であるため、このカソードオフガスが
通過する熱交換器122,120によって、改質部10
2からのガスは、熱交換器104,108において、さ
らに温度が低下する。
【0068】このため、熱交換器104,108のそれ
ぞれの後段にある高温シフト部106,低温シフト部1
10では、内部にある触媒の熱劣化を抑制することがで
きる。
【0069】また、改質部102からのガスは、水蒸気
分圧が低いので、高温シフト部106,低温シフト部1
10およびCO浄化部112では、水蒸気による結露が
生じない。
【0070】さらにまた、改質部102からのガスの温
度は、最終的に、燃料電池114のアノード116にお
いて、数十℃になる。そのため、ガス中の水蒸気は急速
に凝縮して水となり、燃料電池114内の電解質膜に吸
収されて、電解質膜を加湿する。
【0071】なお、燃料電池114では、改質部102
からのガスの供給により、その温度は時間経過と共に徐
々に上昇するものの、燃料電池114自体、熱容量が大
きく、しかも、燃料電池114の外部に取り付けられた
外部冷却器138の働きによって、燃料電池114の温
度が異常に急上昇することはない。
【0072】燃料電池114のアノード116に供給さ
れたガスは、電解質膜を湿潤させた後、そのままアノー
ドオフガスとして排出され、熱交換器142を介して、
TGC144に供給される。このとき、TGC144に
供給されるアノードオフガスは、水蒸気とCO2である
ため、TGC144は何ら機能せず、アノードオフガス
はTGC144を素通りして、そのまま加湿ユニット1
36に供給される。
【0073】加湿ユニット136では、アノードオフガ
スに残留している水蒸気を、エアポンプ134からの酸
化ガスに添加することにより、燃料電池114のカソー
ド118に供給される酸化ガスを加湿する。
【0074】こうして、時間経過と共に、燃料電池11
4のアノード116において、改質部102からのガス
に含まれる水蒸気の凝縮によって、電解質膜中の水分量
が増加すると共に、改質部102からのガスより得られ
る熱によって、燃料電池114の温度が上昇する。これ
により、電解質膜での水分の蒸発が進み、その水蒸気は
カソード118側に流れて、カソード118から排出さ
れるカソードオフガス中の水蒸気濃度を徐々に増加させ
る。
【0075】また、加湿ユニット136において、時間
経過と共に、アノードオフガスから酸化ガスに添加され
る水蒸気の量も増加し、カソード118に供給される酸
化ガス中の水蒸気濃度が増加するため、これによって
も、カソードオフガス中の水蒸気濃度をさらに増加させ
ることになる。
【0076】なお、起動開始直後は、燃料電池114は
低温状態にあるため、改質部102で生成された水蒸気
の大部分は、燃料電池114の内部で凝縮されるが、燃
料電池114の温度が徐々に上昇すると、燃料電池11
4のアノード116から排出されるアノードオフガス中
の水蒸気濃度も上昇するため、加湿ユニット136にお
いて、アノードオフガスから酸化ガスに添加される水蒸
気の量も増加し、カソード118に供給される酸化ガス
中の水蒸気濃度が増加する。従って、これによっても、
カソードオフガス中の水蒸気濃度をさらに増加させるこ
とになる。また、アノードオフガス中の水蒸気濃度の上
昇により、加湿ユニット136において、回収される水
の量の増加も望むことができる。
【0077】その後、カソードオフガス中の水蒸気濃度
をセンサ148によって検出する。そして、検出の結
果、その水蒸気濃度が予め設定された所定の濃度になっ
たら、エアポンプ134の駆動を制御して、改質部10
2にカソードオフガスとして供給される空気量を、それ
までのレベル(ガソリンを完全酸化させるのに十分なレ
ベル)から通常の運転時のレベルまでステップ的に減少
させる。これにより、改質部102では、完全酸化反応
が停止し、それに代えて、上述した水蒸気改質反応と部
分酸化反応が起こり、ガソリンから水素リッチな改質ガ
スの生成が開始される。
【0078】その後、高温シフト部106および低温シ
フト部110では、各温度が上昇し、それぞれが適切な
温度になると、上述したシフト部の変成反応(CO+H
2O→H2+CO2)が開始される。また、CO浄化部1
12では、温度が上昇して適正な温度になると、エアポ
ンプ130から酸化ガスが供給されて、上述したCO浄
化部の変成反応(CO+(1/2)O2→CO2)が開始
される。そして、エアポンプ130によるCO浄化部1
12への酸化ガスの吹き込み量は、最終的に燃料電池1
14のアノード116に供給される改質ガス(燃料ガ
ス)中のCO濃度が、許容濃度(例えば、5ppm)以
下になるように調整される。
【0079】こうして、アノード116に供給される改
質ガス(燃料ガス)中のCO濃度が、許容濃度以下にな
ったら、燃料電池114は発電を開始する。
【0080】その後、燃料電池114のカソード118
における酸素消費を補うために、エアポンプ134によ
るカソード118への酸化ガスの供給量を調整する。こ
うして、カソード118への酸化ガスの供給量が安定す
ると共に、燃料電池システム100内の各部の温度が安
定したら、起動時の動作を完了する。
【0081】なお、以上の起動制御は、図示せざる制御
部によって、全て実行されている。このことは、後述す
る他の実施例においても同様である。
【0082】本実施例の燃料電池システム100によれ
ば、起動時に、改質部102において、供給されたガソ
リンを完全酸化させて水蒸気を生成し、その水蒸気を含
んだガスを燃料電池114のアノード116に供給する
ことにより、燃料電池114内の電解質膜を加湿するこ
とができ、延いては、カソード118から排出されるカ
ソードオフガスの水蒸気濃度を上昇させることができ、
システム内で必要な水分量を十分確保することができ
る。
【0083】また、完全酸化により生じる熱によって、
改質部102の温度を上昇させる他、改質部102の後
段に位置する高温シフト部106,低温シフト部11
0,CO浄化部112および燃料電池114の各温度
を、それぞれの目標温度までできる限り早く上昇させる
ことができるので、燃料電池の発電開始までの時間を短
縮することができる。
【0084】B.第2の実施例: B−1.第2の実施例の構成:図2は本発明の第2の実
施例として燃料電池システム200の全体構成を示すブ
ロック図である。図2において、図1と同じ構成要素に
ついては同じ符号が付されている。
【0085】本実施例の燃料電池システム200では、
図1に示した構成に、新たに、高温シフト部106の流
入部に、取り込んだ空気を酸化ガスとして供給するため
のエアポンプ126と、低温シフト部110の流入部
に、同じく取り込んだ空気を酸化ガスとして供給するた
めのエアポンプ128と、がそれぞれ設けられている。
【0086】B−2.第2の実施例における起動時の動
作:本実施例においては、起動時に、改質部102にお
いて、供給された燃料を完全酸化ではなく、部分酸化さ
せることによって、改質ガスを生成し、その改質ガス中
の水素を、後段の高温シフト部106,低温シフト部1
10,CO浄化部112などにおいて、酸化させること
によって、水蒸気を生成するようにしている。
【0087】すなわち、システムの起動が開始される
と、まず、エアポンプ134によって空気が取り込ま
れ、酸化ガスとして加湿ユニット136を介して燃料電
池114のカソード118に供給される。供給された酸
化ガスは、カソード118を素通りし、カソードオフガ
スとして熱交換器120,122,124を介して改質
部102に供給される。また、改質部102は、燃料と
してガソリンも供給される。
【0088】このとき、エアポンプ134は、改質部1
02において、ガソリンを部分酸化させるのに十分な空
気量がカソードオフガスとして得られるように、その駆
動が制御される。具体的には、改質部102において、
著しい煤が生じない酸素/炭素比(すなわち、O/C比
が1.0以上)となるように、制御される。
【0089】これにより、改質部102では、供給され
たガソリンを部分酸化されて、式(2)に示したよう
に、水素とCOを含む改質ガスが生成される。また、部
分酸化による発熱によって、改質部102の温度は上昇
する。
【0090】生成された改質ガスは、熱交換器104,
高温シフト部106,熱交換器108,低温シフト部1
10,CO浄化部112を介して、燃料電池114のア
ノード116に供給される。
【0091】これらの各要素104〜112は、起動
時、低温状態にあるため、改質部102からの改質ガス
が流通することにより、それらの温度は徐々に上昇する
が、反対に、改質ガスの温度は、各要素104〜112
を介する毎に低下する。しかも、カソードオフガスも低
温状態であるため、熱交換器120,122,104,
108によって、改質ガスはさらに温度が低下する。こ
のため、高温シフト部106,低温シフト部110で
は、内部にある触媒の熱劣化を抑制することができる。
【0092】また、本実施例においては、起動時に、エ
アポンプ126により高温シフト部106の流入部にお
いて、エアポンプ128により低温シフト部110の流
入部において、エアポンプ130によりCO浄化部11
2において、それぞれ、改質ガスに酸化ガスを吹き込
む。
【0093】これにより、高温シフト部106,低温シ
フト部110およびCO浄化部112では、改質ガスに
含まれる水素を、式(4)に示すように酸化して、水蒸
気を生成する。
【0094】 H2+(1/2)O2 → H2O …(4)
【0095】また、改質ガスに含まれるCOを、式
(5)に示すように酸化させることにより、除去する。
【0096】 CO+(1/2)O2 → CO2 …(5)
【0097】特に、CO浄化部112では、エアポンプ
130による酸化ガスの吹き込み量を、通常の運転時に
よりも、多くして、最終的に燃料電池114のアノード
116に供給される改質ガス(燃料ガス)中のCO濃度
が、ゼロとなるようにしている。
【0098】さらにまた、このような水素酸化,CO酸
化による発熱によって、高温シフト部106,低温シフ
ト部110およびCO浄化部112の各温度は、それぞ
れ上昇する。当初、これら各部の温度が水蒸気が結露す
るような低い温度であったとしても、このように、各部
の温度が上昇することにより、生成された水蒸気の結露
を防止することができる。
【0099】こうして、高温シフト部106,低温シフ
ト部110およびCO浄化部112を経た改質ガスの温
度は、最終的に、燃料電池114のアノード116にお
いて、数十℃になる。そのため、改質ガスに含まれる水
蒸気は凝縮して水となり、燃料電池114内の電解質膜
に吸収されて、電解質膜を加湿する。
【0100】なお、燃料電池114のアノード116に
供給される改質ガスは、上述したように、COが十分に
除去されているので、アノード116にある触媒にCO
が吸着されてしまう、いわゆるCO被毒の発生を抑える
ことができる。
【0101】また、燃料電池114では、改質ガスの供
給により、その温度は時間経過と共に徐々に上昇するも
のの、燃料電池114自体、熱容量が大きく、しかも、
燃料電池114の外部に取り付けられた外部冷却器13
8の働きによって、燃料電池114の温度が異常に急上
昇することはない。なお、起動開始直後は、燃料電池1
14の温度は低いため、上記したCO浄化部112での
水素酸化,CO酸化による発熱により、熱交換器14
0,外部冷却器138を介して、燃料電池114を加熱
し、燃料電池114の温度上昇を促進させることができ
る。
【0102】燃料電池114のアノード116に供給さ
れた改質ガスは、電解質膜を湿潤させた後、そのままア
ノードオフガスとして排出され、熱交換器142を介し
て、TGC144に供給される。このとき、TGC14
4に供給されるアノードオフガスは、上述した水素酸
化,CO酸化によって、水蒸気とCO2となっているた
め、TGC144は何ら機能せず、アノードオフガスは
TGC144を素通りして、そのまま加湿ユニット13
6に供給される。
【0103】加湿ユニット136では、アノードオフガ
スに残留している水蒸気を、エアポンプ134からの酸
化ガスに添加することにより、燃料電池114のカソー
ド118に供給される酸化ガスを加湿する。
【0104】こうして、時間経過と共に、燃料電池11
4のアノード116において、改質ガスに含まれる水蒸
気の凝縮によって、電解質膜中の水分量が増加すると共
に、改質ガスより得られる熱によって、燃料電池114
の温度が上昇する。これにより、電解質膜での水分の蒸
発が進み、その水蒸気はカソード118側に流れて、カ
ソードオフガス中の水蒸気濃度を徐々に増加させる。
【0105】なお、燃料電池114の温度が徐々に上昇
すると、燃料電池114のアノード116から排出され
るアノードオフガス中の水蒸気濃度も上昇するため、加
湿ユニット136において、アノードオフガスから酸化
ガスに添加される水蒸気の量も増加し、カソード118
に供給される酸化ガス中の水蒸気濃度が増加する。従っ
て、これによっても、カソードオフガス中の水蒸気濃度
をさらに増加させることになる。また、アノードオフガ
ス中の水蒸気濃度の上昇により、加湿ユニット136に
おいて、回収される水の量の増加も望むことができる。
【0106】その後、カソードオフガス中の水蒸気濃度
を、センサ148によって検出する。そして、検出の結
果、その水蒸気濃度が予め設定された所定の濃度になっ
たら、エアポンプ134の駆動を制御して、改質部10
2にカソードオフガスとして供給される空気量を、それ
までのレベル(ガソリンを部分酸化させるのに十分なレ
ベル)から通常の運転時のレベルまでステップ的に減少
させる。これにより、改質部102では、部分酸化反応
のみ起きる状態から、部分酸化反応と水蒸気改質反応が
共に起きる状態へと移行する。
【0107】さらにその後、高温シフト部106および
低温シフト部110の各温度が上昇するのに伴って、エ
アポンプ126および128の駆動を制御し、高温シフ
ト部106の流入部および低温シフト部110の流入部
への酸化ガスの吹き込み量を徐々に低減させる。そし
て、高温シフト部106および低温シフト部110の各
温度が、それぞれ、シフト部の変成反応(CO+H2
→H2+CO2)を起こさせるのに適切な温度になった
ら、エアポンプ126および128の駆動を停止させ、
酸化ガスの吹き込みを停止する。これにより、高温シフ
ト部106および低温シフト部110では、水素酸化,
CO酸化の各反応が停止し、それに代わって、上記変成
反応(CO+H2O→H2+CO2)が開始される。
【0108】また、CO浄化部112の温度が上昇する
のに伴って、エアポンプ130の駆動を制御して、CO
浄化部112に対する酸化ガスの吹き込み量を減少させ
る。これにより、CO浄化部112では、水素酸化,C
O酸化の各反応が起きる状態から、CO浄化部の変成反
応(CO+(1/2)O2→CO2)が起きる状態へと徐
々に移行する。そして、エアポンプ130によるCO浄
化部112への酸化ガスの吹き込み量は、最終的に燃料
電池114のアノード116に供給される改質ガス(燃
料ガス)中のCO濃度が、許容濃度(例えば、5pp
m)以下になるように、調整される。
【0109】こうして、アノード116に供給される改
質ガス(燃料ガス)中のCO濃度が、許容濃度以下にな
ったら、燃料電池114は発電を開始する。
【0110】その後、燃料電池114のカソード118
における酸素消費を補うために、エアポンプ134によ
るカソード118への酸化ガスの供給量を調整する。こ
うして、カソード118への酸化ガスの供給量が安定す
ると共に、燃料電池システム100内の各部の温度が安
定したら、起動時の動作を完了する。
【0111】本実施例の燃料電池システム200によれ
ば、起動時に、改質部102において、供給されたガソ
リンを部分酸化させて改質ガスを生成し、高温シフト部
106,低温シフト部110およびCO浄化部112に
おいて、その改質ガス中の水素を酸化させて、水蒸気を
生成し、その水蒸気を含んだ改質ガスを燃料電池114
のアノード116に供給することにより、燃料電池11
4内の電解質膜を加湿することができ、延いては、カソ
ード118から排出されるカソードオフガスの水蒸気濃
度を上昇させることができ、システム内で必要な水分量
を十分確保することができる。
【0112】また、改質部102において、部分酸化に
より生じる熱によって、改質部102の温度を上昇させ
る他、高温シフト部106,低温シフト部110および
CO浄化部112において、水素酸化,CO酸化により
生じる熱によって、高温シフト部106,低温シフト部
110およびCO浄化部112の各温度を上昇させ、そ
れにより、燃料電池114の温度を、適正な温度まで徐
々に上昇させることができる。従って、システム内の各
構成要素の温度を、それぞれの目標温度までできる限り
早く上昇させることができるので、燃料電池の発電開始
までの時間を短縮することができる。
【0113】C.第3の実施例: C−1.第3の実施例の構成:図3および図4は本発明
の第3の実施例として燃料電池システム300の全体構
成を示すブロック図である。これら図のうち、図3は起
動開始時の接続状態を示しており、図4は水素生成開始
後の接続状態を示している。これら図において、図1と
同じ構成要素については同じ符号が付されている。
【0114】本実施例の燃料電池システム300では、
図1における高温シフト部106,低温シフト部110
およびCO浄化部112の代わりに、図3および図4に
示すように、改質部102で生成された改質ガスから水
素を分離するための水素分離ユニット150が設けられ
ている。
【0115】この水素分離ユニット150は、燃料電池
114の運転時において改質ガスが流れるフィード部1
52と、パージガスが流れるパージ部154と、フィー
ド部152とパージ部154との間に配置される水素分
離膜156と、を備えている。なお、このフィード部1
52には、シフト触媒が内蔵されている。シフト触媒
は、図1における高温シフト部106,低温シフト部1
10と同様の機能を奏するもので、改質ガス中のCOを
水と反応させてCO2に変成させる。水素分離膜156
は、パラジウムなどの水素選択透過性を有する金属で構
成された膜である。
【0116】水素分離膜156は、パラジウム金属単体
で構成することも可能であるが、本実施例では、セラミ
ック微粒子で構成された多孔質支持体の細孔中にパラジ
ウムの微粒子を担持させて形成された膜を用いた。な
お、担持する金属としては、水素を選択的に透過する性
質を有する種々の物質を適用でき、パラジウムと銀の合
金や、バナジウムの合金などを用いることができる。ま
た、セラミック微粒子としては、アルミナ、窒化珪素、
シリカ等を用いることができる。かかる水素分離膜15
6は、予め形成された多孔質支持体にパラジウム微粒子
を溶かした溶剤を含浸させて焼成する含浸担持法や、多
孔質支持体を構成するセラミック微粒子とパラジウム微
粒子を混合したポリマーを焼成する方法などによって製
造することができる。
【0117】C−2.第3の実施例における起動時の動
作:本実施例においては、起動時に、第1の実施例と同
様に、改質部102において、供給された燃料を完全酸
化させることによって、水蒸気を生成するようにしてい
る。
【0118】すなわち、システムの起動が開始される
と、まず、図3において、エアポンプ134によって空
気が取り込まれ、酸化ガスとして加湿ユニット136を
介して燃料電池114のカソード118に供給される。
燃料電池114では、まだ、発電が開始されていないの
で、供給された酸化ガスは、カソード118を素通り
し、酸素を多量に含んだまま、カソードオフガスとして
熱交換器122を介して改質部102に供給される。ま
た、改質部102には、燃料としてガソリンも供給され
る。
【0119】このとき、エアポンプ134は、改質部1
02において、ガソリンを完全酸化させるのに十分な空
気量がカソードオフガスとして得られるように、その駆
動が制御される。これにより、改質部102では、触媒
燃焼や気相燃焼によって、供給されたガソリンは式
(3)に示したように完全酸化されて、水蒸気とCO2
が生成されると共に、完全酸化による発熱によって改質
部102の温度が上昇する。
【0120】なお、本実施例においても、完全酸化によ
る反応温度は、供給される空気量を理論空燃費の約4倍
となるように、エアポンプ134の駆動を制御すること
によって、約800℃以下に調整することが好ましい。
【0121】改質部102において、完全酸化によって
得られたガスは、熱交換器104を介して水素分離ユニ
ット150のフィード部152に供給される。改質部1
02からのガスは、上記した如く水蒸気とCO2である
ため、水素分離膜156は何ら機能せず、そのガスはフ
ィード部152を素通りして、そのまま、燃料電池11
4のアノード116に供給される。
【0122】熱交換器104,フィード部152は、起
動時、低温状態にあるため、改質部102からのガスが
流通することにより、それらの温度は徐々に上昇する
が、反対に、改質部102からのガスの温度は、熱交換
器104やフィード部152を介する毎に低下する。
【0123】また、改質部102からのガスは、水蒸気
分圧が低いので、フィード部152では、水蒸気による
結露が生じない。
【0124】さらにまた、改質部102からのガスの温
度は、熱交換器104やフィード部152で低下するこ
とにより、最終的に、燃料電池114のアノード116
において、数十℃になる。そのため、ガス中の水蒸気は
急速に凝縮して水となり、燃料電池114内の電解質膜
に吸収されて、電解質膜を加湿する。
【0125】なお、燃料電池114では、改質部102
からのガスの供給により、その温度は時間経過と共に徐
々に上昇するものの、燃料電池114自体、熱容量が大
きく、しかも、燃料電池114の外部に取り付けられた
外部冷却器138の働きによって、燃料電池114の温
度が異常に急上昇することはない。
【0126】燃料電池114のアノード116に供給さ
れたガスは、電解質膜を湿潤させた後、そのままアノー
ドオフガスとして排出され、TGC144に供給され
る。このとき、TGC144に供給されるアノードオフ
ガスは、水蒸気とCO2であるため、TGC144は何
ら機能せず、アノードオフガスはTGC144を素通り
して、そのまま加湿ユニット136に供給される。
【0127】加湿ユニット136では、アノードオフガ
スに残留している水蒸気を、エアポンプ134からの酸
化ガスに添加することにより、燃料電池114のカソー
ド118に供給される酸化ガスを加湿する。
【0128】こうして、時間経過と共に、燃料電池11
4のアノード116において、改質部102からのガス
に含まれる水蒸気の凝縮によって、電解質膜中の水分量
が増加すると共に、改質部102からのガスより得られ
る熱によって、燃料電池114の温度が上昇する。これ
により、電解質膜での水分の蒸発が進み、その水蒸気は
カソード118側に流れて、カソード118から排出さ
れるカソードオフガス中の水蒸気濃度を徐々に増加させ
る。
【0129】また、加湿ユニット136において、時間
経過と共に、アノードオフガスから酸化ガスに添加され
る水蒸気の量も増加し、カソード118に供給される酸
化ガス中の水蒸気濃度が増加するため、これによって
も、カソードオフガス中の水蒸気濃度をさらに増加させ
ることになる。
【0130】なお、起動開始直後は、燃料電池114は
低温状態にあるため、改質部102で生成された水蒸気
の大部分は、燃料電池114の内部で凝縮されるが、燃
料電池114の温度が徐々に上昇すると、燃料電池11
4のアノード116から排出されるアノードオフガス中
の水蒸気濃度も上昇するため、加湿ユニット136にお
いて、アノードオフガスから酸化ガスに添加される水蒸
気の量も増加し、カソード118に供給される酸化ガス
中の水蒸気濃度が増加する。従って、これによっても、
カソードオフガス中の水蒸気濃度をさらに増加させるこ
とになる。また、アノードオフガス中の水蒸気濃度の上
昇により、加湿ユニット136において、回収される水
の量の増加も望むことができる。
【0131】その後、カソードオフガス中の水蒸気濃度
をセンサ148によって検出する。そして、検出の結
果、その水蒸気濃度が予め設定された所定の濃度になっ
たら、エアポンプ134の駆動を制御して、改質部10
2にカソードオフガスとして供給される空気量を、それ
までのレベル(ガソリンを完全酸化させるのに十分なレ
ベル)から通常の運転時のレベルまでステップ的に減少
させる。これにより、改質部102では、完全酸化反応
が停止し、それに代えて、上述した水蒸気改質反応と部
分酸化反応が起こり、ガソリンから水素リッチな改質ガ
スの生成が開始される。
【0132】こうして、改質部102において、水素リ
ッチな改質ガスの生成が開始されると、各構成要素の接
続状態が図3から図4へと切り換わる。すなわち、燃料
電池114のアノード116の流入部に接続されていた
水素分離ユニット150のフィード部152の流出部
を、TGC144の流入部に接続し、熱交換器158の
流入部に接続されていた熱交換器160の流出部を、ア
ノード116の流入部に接続し、TGC144の流入部
に接続されていたアノード116の流出部を、熱交換器
158の流入部に接続する。
【0133】なお、このような接続の切り換えは、図示
せざる切り換えバルブなどを用いることによって容易に
実現することができる。
【0134】一方、改質部102からのガスの流通によ
る水素分離ユニット150におけるフィード部152の
温度上昇に伴い、水素分離膜156の温度が上昇し、水
素分離の機能を果たすのに適切な温度に近づいてきた
ら、パージポンプ162の駆動が開始される。起動開始
時には、パージ部154や、熱交換器158,160
や、それらを接続する配管内は、空気、すなわち、酸化
ガスによって満たされている。従って、パージポンプ1
62の駆動が開始されると、その酸化ガスが、パージガ
スとして、パージ部154,熱交換器160,アノード
116,熱交換器158を循環することになる。
【0135】従って、改質部102で生成された改質ガ
スが、熱交換器104を介して水素分離ユニット150
のフィード部152に供給されると、フィード部152
を流れる改質ガスから水素分離膜156によって水素が
分離されてパージ部154に供給される。
【0136】なお、水素分離ユニット150では、フィ
ード部152の圧力がパージ部154の圧力より高くな
るように、水素分離ユニット150への改質ガス供給側
の圧力を、水素分離ユニット150からのパージガス循
環側の圧力よりも高くしてある。このため、フィード部
152とパージ部154との水素分圧差によって、水素
分離膜156において水素の透過が生じ、これにより、
改質ガスから水素が分離される。
【0137】こうして、水素が分離されてパージ部15
4に供給されると、その水素は、水素分離膜156のパ
ージ部側の表面において、直ちに、パージ部154を流
れる酸化ガスによって酸化され、式(4)に示したよう
に、水蒸気が生成される。
【0138】これにより、パージガスとしての酸化ガス
は水蒸気を含み、燃料電池114のアノード116に送
られて、電解質膜をさらに加湿する。また、このような
パージ部154における水素酸化による発熱によって、
パージ部154の温度が上昇し、それに伴い、水素分離
膜156の温度も上昇し、適切な温度にさらに近づく。
また、パージガスが供給される燃料電池114の温度も
上昇する。
【0139】一方、フィード部152の温度が上昇する
と、適切な温度になると、フィード部152に内蔵され
たシフト触媒によって、上述したシフト部と同様の変成
反応(CO+H2O→H2+CO2)が開始され、フィー
ド部152に供給された改質ガス中のCOが除去され
る。
【0140】さらに、フィード部152に供給された改
質ガスのうち、水素分離膜156によって分離されなか
った残りのガスは、フィード部152からTGC144
に供給され、TGC144において、ガス中に残存して
いるCOを燃焼させて除去すると共に、残存している水
素を酸化させて、水に変成させる。こうして、COおよ
び水素の除去されたガスは、加湿ユニット136を介し
て大気中に放出される。
【0141】その後、上述したパージ部154における
水素酸化によって、循環しているパージガス中の酸素は
消費されて、徐々に減少する。そのため、パージガス
は、酸化ガス(空気)から不活性な窒素ガスへと徐々に
変化する。また、酸素の減少に伴い、水素酸化も徐々に
行われなくなるため、水素の消費が減り、循環している
ガス中の水素濃度は徐々に増加する。このため、循環し
ているガスはパージガスと水素とが混合した燃料ガスと
なる。そして、その燃料ガス中の水素濃度が所定の濃度
を超えた場合に、燃料電池114は発電を開始する。
【0142】また、発電が開始されると、熱交換器15
8は、熱交換器160は、パージ部154から排出され
る燃料ガスの温度を燃料電池114の運転に適した温度
まで低下させるように、熱交換器158は、アノード1
16から排出されるアノードオフガスの温度を水素分離
ユニット150に適した温度まで上昇させるように、両
者の間で熱交換を行なっている。
【0143】その後、燃料電池114のカソード118
における酸素消費を補うために、エアポンプ134によ
るカソード118への酸化ガスの供給量を調整する。こ
うして、カソード118への酸化ガスの供給量が安定す
ると共に、燃料電池システム100内の各部の温度が安
定したら、起動時の動作を完了する。
【0144】本実施例の燃料電池システム300によれ
ば、起動時に、改質部102において、供給されたガソ
リンを完全酸化させて水蒸気を生成し、その水蒸気を含
んだガスを燃料電池114のアノード116に供給する
ことにより、燃料電池114内の電解質膜を加湿するこ
とができ、延いては、カソード118から排出されるカ
ソードオフガスの水蒸気濃度を上昇させることができ、
システム内で必要な水分量を十分確保することができ
る。
【0145】また、完全酸化により生じる熱によって、
改質部102の温度を上昇させる他、水素分離ユニット
150および燃料電池114の各温度を、適正な温度ま
で徐々に上昇させることができる。
【0146】また、改質部102における改質ガス生成
開始後は、水素分離ユニット150のパージ部154に
おける水素酸化によって水蒸気を生成し、その水蒸気を
含んだパージガスを燃料電池114のアノード116に
供給することにより、燃料電池114内の電解質膜をさ
らに加湿することができる。また、水素酸化によって生
じる熱によって水素分離ユニット150および燃料電池
114の各温度を、適正な温度までさらに上昇させるこ
とができる。
【0147】従って、システム内の各構成要素の温度
を、それぞれの目標温度までできる限り早く上昇させる
ことができるので、燃料電池の発電開始までの時間を短
縮することができる。
【0148】さらにまた、起動開始時には酸化ガス(空
気)であったパージガスが、パージ部154の水素酸化
による酸素の消費によって、不活性な窒素ガスへと変化
するため、パージガスとして、特別に窒素ガスを供給す
るための窒素ガスボンベなどを用意する必要がない。
【0149】D.第4の実施例: D−1.第4の実施例の構成:図5および図6は本発明
の第4の実施例として燃料電池システム400の全体構
成を示すブロック図である。これら図のうち、図5は起
動開始時の接続状態を示しており、図6は水素生成開始
後の接続状態を示している。これら図において、図3お
よび4と同じ構成要素については同じ符号が付されてい
る。
【0150】本実施例の燃料電池システム400では、
図3および4に示した構成に、新たに、水素分離ユニッ
ト150におけるフィード部152の流入部に、取り込
んだ空気を酸化ガスとして供給するためのエアポンプ1
64が設けられている。
【0151】D−2.第4の実施例における起動時の動
作:本実施例においては、起動時に、第2の実施例と同
様に、改質部102において、供給された燃料を完全酸
化ではなく、部分酸化させることによって、改質ガスを
生成し、その改質ガス中の水素を、後段の水素分離ユニ
ット150におけるフィード部152において、内蔵さ
れたシフト触媒を利用して酸化させることによって、水
蒸気を生成するようにしている。
【0152】すなわち、システムの起動が開始される
と、まず、図5において、エアポンプ134によって空
気が取り込まれ、酸化ガスとして加湿ユニット136を
介して燃料電池114のカソード118に供給される。
供給された酸化ガスは、カソード118を素通りし、カ
ソードオフガスとして熱交換器122を介して改質部1
02に供給される。また、改質部102は、燃料として
ガソリンも供給される。
【0153】このとき、エアポンプ134は、改質部1
02において、ガソリンを部分酸化させるのに十分な空
気量がカソードオフガスとして得られるように、その駆
動が制御される。具体的には、改質部102において、
著しい煤が生じない酸素/炭素比(すなわち、1.0以
上)となるように、制御される。
【0154】これにより、改質部102では、供給され
たガソリンを部分酸化されて、式(2)に示したよう
に、水素とCOを含む改質ガスが生成される。また、部
分酸化による発熱によって、改質部102の温度は上昇
する。
【0155】生成された改質ガスは、熱交換器104を
介して、水素分離ユニット150のフィード部152に
供給される。
【0156】熱交換器104,フィード部152は、起
動時、低温状態にあるため、改質部102からのガスが
流通することにより、それらの温度は徐々に上昇する
が、反対に、改質部102からのガスの温度は、熱交換
器104やフィード部152を介する毎に低下する。し
かも、カソードオフガスも低温状態であるため、熱交換
器122,104によって、改質ガスはさらに温度が低
下する。このため、フィード部152では、内蔵される
シフト触媒の熱劣化を抑制することができる。
【0157】また、本実施例においては、起動時に、エ
アポンプ164によりフィード部152の流入部におい
て、改質ガスに酸化ガスを吹き込む。
【0158】これにより、フィード部152では、改質
ガスに含まれる水素を、式(4)に示したように酸化し
て、水蒸気を生成する。
【0159】また、改質ガスに含まれるCOを、式
(5)に示したように酸化させることにより、除去す
る。
【0160】さらにまた、このような水素酸化,CO酸
化による発熱によって、フィード部152の温度は、さ
らに上昇する。当初、フィード部152の温度が水蒸気
が結露するような低い温度であったとしても、このよう
に、フィード部152の温度が上昇することにより、生
成された水蒸気の結露を防止することができる。
【0161】こうして、水素分離ユニット150におけ
るフィード部152の温度が上昇すると、それに伴い、
水素分離膜156の温度も上昇し始める。
【0162】一方、フィード部152において、水素酸
化,CO酸化により、水蒸気とCO 2になった改質ガス
は、そのまま、燃料電池114のアノード116に供給
される。このとき、改質ガスの温度は、温度低下によ
り、最終的に数十℃になって、アノード116に供給さ
れる。そのため、改質ガスに含まれる水蒸気は凝縮して
水となり、燃料電池114内の電解質膜に吸収されて、
電解質膜を加湿する。
【0163】なお、燃料電池114のアノード116に
供給される改質ガスは、上述したように、COが十分に
除去されているので、CO被毒の発生を抑えることがで
きる。
【0164】また、燃料電池114では、改質ガスの供
給により、その温度は時間経過と共に徐々に上昇するも
のの、燃料電池114自体、熱容量が大きく、しかも、
燃料電池114の外部に取り付けられた外部冷却器13
8の働きによって、燃料電池114の温度が異常に急上
昇することはない。
【0165】燃料電池114のアノード116に供給さ
れた改質ガスは、電解質膜を湿潤させた後、そのままア
ノードオフガスとして排出され、TGC144に供給さ
れる。このとき、TGC144に供給されるアノードオ
フガスは、上述した水素酸化,CO酸化によって、水蒸
気とCO2となっているため、TGC144は何ら機能
せず、アノードオフガスはTGC144を素通りして、
そのまま加湿ユニット136に供給される。
【0166】加湿ユニット136では、アノードオフガ
スに残留している水蒸気を、エアポンプ134からの酸
化ガスに添加することにより、燃料電池114のカソー
ド118に供給される酸化ガスを加湿する。
【0167】こうして、時間経過と共に、燃料電池11
4のアノード116において、改質ガスに含まれる水蒸
気の凝縮によって、電解質膜中の水分量が増加すると共
に、改質ガスより得られる熱によって、燃料電池114
の温度が上昇する。これにより、電解質膜での水分の蒸
発が進み、その水蒸気はカソード118側に流れて、カ
ソードオフガス中の水蒸気濃度を徐々に増加させる。
【0168】なお、燃料電池114の温度が徐々に上昇
すると、燃料電池114のアノード116から排出され
るアノードオフガス中の水蒸気濃度も上昇するため、加
湿ユニット136において、アノードオフガスから酸化
ガスに添加される水蒸気の量も増加し、カソード118
に供給される酸化ガス中の水蒸気濃度が増加する。従っ
て、これによっても、カソードオフガス中の水蒸気濃度
をさらに増加させることになる。また、アノードオフガ
ス中の水蒸気濃度の上昇により、加湿ユニット136に
おいて、回収される水の量の増加も望むことができる。
【0169】その後、カソードオフガス中の水蒸気濃度
を、センサ148によって検出する。そして、検出の結
果、その水蒸気濃度が予め設定された所定の濃度になっ
たら、エアポンプ134の駆動を制御して、改質部10
2にカソードオフガスとして供給される空気量を、それ
までのレベル(ガソリンを部分酸化させるのに十分なレ
ベル)から通常の運転時のレベルまでステップ的に減少
させる。これにより、改質部102では、部分酸化反応
のみ起きる状態から、部分酸化反応と水蒸気改質反応が
共に起きる状態へと移行する。
【0170】こうして、改質部102において、部分酸
化反応と水蒸気改質反応が共に起きる状態へと移行する
と、各構成要素の接続状態が、第3の実施例の場合と土
曜に、図5から図6へと切り換わる。すなわち、燃料電
池114のアノード116の流入部に接続されていた水
素分離ユニット150のフィード部152の流出部を、
TGC144の流入部に接続し、熱交換器158の流入
部に接続されていた熱交換器160の流出部を、アノー
ド116の流入部に接続し、TGC144の流入部に接
続されていたアノード116の流出部を、熱交換器15
8の流入部に接続する。
【0171】なお、このような接続の切り換えは、図示
せざる切り換えバルブなどを用いることによって容易に
実現することができる。
【0172】また、エアポンプ164の駆動を制御し、
フィード部152の流入部への酸化ガスの吹き込み量を
徐々に低減させる。その後、フィード部152の温度
が、内蔵するシフト触媒によるシフト部の変成反応(C
O+H2O→H2+CO2)を起こさせるのに適切な温度
になったら、エアポンプ164の駆動を停止させ、酸化
ガスの吹き込みを停止する。これにより、フィード部1
52では、水素酸化,CO酸化の各反応が停止し、それ
に代わって、上記変成反応(CO+H2O→H2+C
2)が開始される。
【0173】一方、フィード部152の温度上昇に伴
い、水素分離膜156の温度が上昇し、水素分離の機能
を果たすのに適切な温度に近づいてきたら、パージポン
プ162の駆動が開始される。起動開始時には、パージ
ガス循環側の配管内は、空気(酸化ガス)によって満た
されている。従って、パージポンプ162の駆動が開始
されると、その酸化ガスが、パージガスとして、パージ
部154,熱交換器160,アノード116,熱交換器
158を循環することになる。
【0174】従って、改質部102で生成された改質ガ
スが、熱交換器104を介して水素分離ユニット150
のフィード部152に供給されると、フィード部152
を流れる改質ガスから水素分離膜156によって水素が
分離されてパージ部154に供給される。
【0175】パージ部154に供給された水素は、水素
分離膜156のパージ部側の表面において、直ちに、パ
ージ部154を流れる酸化ガスによって酸化され、式
(4)に示したように、水蒸気が生成される。
【0176】これにより、パージガスとしての酸化ガス
は水蒸気を含み、燃料電池114のアノード116に送
られて、電解質膜をさらに加湿する。また、このような
パージ部154における水素酸化による発熱によって、
パージ部154の温度が上昇し、それに伴い、水素分離
膜156の温度も上昇し、適切な温度にさらに近づく。
また、パージガスが供給される燃料電池114の温度も
上昇する。
【0177】さらに、フィード部152に供給された改
質ガスのうち、水素分離膜156によって分離されなか
った残りのガスは、フィード部152からTGC144
に供給され、TGC144において、ガス中に残存して
いるCOを燃焼させて除去すると共に、残存している水
素を酸化させて、水に変成させる。こうして、COおよ
び水素の除去されたガスは、加湿ユニット136を介し
て大気中に放出される。
【0178】その後、上述したパージ部154における
水素酸化によって、循環しているパージガス中の酸素は
消費されて、徐々に減少し、パージガスは、酸化ガス
(空気)から窒素ガスへと徐々に変化する。また、酸素
の減少に伴い、水素酸化も徐々に行われなくなるため、
水素の消費が減り、循環しているガス中の水素濃度は徐
々に増加し、循環しているガスはパージガスと水素とが
混合した燃料ガスとなる。そして、その燃料ガス中の水
素濃度が所定の濃度を超えた場合に、燃料電池114は
発電を開始する。
【0179】さらにその後、燃料電池114のカソード
118における酸素消費を補うために、エアポンプ13
4によるカソード118への酸化ガスの供給量を調整す
る。こうして、カソード118への酸化ガスの供給量が
安定すると共に、燃料電池システム100内の各部の温
度が安定したら、起動時の動作を完了する。
【0180】本実施例の燃料電池システム400によれ
ば、起動時に、改質部102において、供給されたガソ
リンを完全酸化させて水蒸気を生成し、その水蒸気を含
んだガスを燃料電池114のアノード116に供給する
ことにより、燃料電池114内の電解質膜を加湿するこ
とができ、延いては、カソード118から排出されるカ
ソードオフガスの水蒸気濃度を上昇させることができ、
システム内で必要な水分量を十分確保することができ
る。
【0181】また、改質部102において、部分酸化に
より生じる熱によって、改質部102の温度を上昇させ
る他、水素分離ユニット150のフィード部152にお
いて、水素酸化,CO酸化により生じる熱によって、水
素分離ユニット150の温度を上昇させ、それにより、
燃料電池114の温度を、適正な温度まで徐々に上昇さ
せることができる。
【0182】また、水素分離ユニット150の水素分離
膜156において、水素分離を開始した後は、水素分離
ユニット150のパージ部154における水素酸化によ
って水蒸気を生成し、その水蒸気を含んだパージガスを
燃料電池114のアノード116に供給することによ
り、燃料電池114内の電解質膜をさらに加湿すること
ができる。また、水素酸化によって生じる熱によって水
素分離ユニット150および燃料電池114の各温度
を、適正な温度までさらに上昇させることができる。従
って、システム内の各構成要素の温度を、それぞれの目
標温度までできる限り早く上昇させることができるの
で、燃料電池の発電開始までの時間を短縮することがで
きる。
【0183】さらにまた、起動開始時には酸化ガス(空
気)であったパージガスが、パージ部154の水素酸化
による酸素の消費によって、不活性な窒素ガスへと変化
するため、パージガスとして、特別に窒素ガスを供給す
るための窒素ガスボンベなどを用意する必要がない。
【0184】E.変形例:なお、本発明は上記した実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様にて実施することが可能
である。
【0185】E−1.変形例1:上記した第1および第
3の実施例では、高温シフト部106の流入部や低温シ
フト部110の流入部に空気を酸化ガスとして供給する
ためのエアポンプ126,128を備えていなかった
が、第2および第4の実施例と同様に、これらエアポン
プ126,128を備えるようにしても良い。
【0186】このようにエアポンプ126,128を備
えた場合、改質部102において、完全酸化反応を停止
させ、水蒸気改質反応と部分酸化反応を生じさせた後
に、エアポンプ126により高温シフト部106の流入
部において、エアポンプ128により低温シフト部11
0の流入部において、それぞれ、改質ガスに酸化ガスを
吹き込むことにより、改質ガスに含まれる水素を式
(4)に示したように酸化して水蒸気を生成したり、C
Oを式(5)に示すように酸化して除去したりすること
ができる。また、これらと併せて、CO浄化部112に
おいて、エアポンプ130による酸化ガスの吹き込み量
を多くして、最終的に燃料電池114のアノード116
に供給される改質ガス中のCO濃度を5ppm以下とな
るようにしても良い。
【0187】以上のようにして、水素酸化によって生成
された水蒸気により、燃料電池114内の電解質膜に対
する加湿をさらに促進させることができると共に、水素
酸化,CO酸化による発熱により、高温シフト部10
6,低温シフト部110およびCO浄化部112の各温
度を、それぞれさらに上昇させ、延いては、燃料電池1
14の温度も上昇させることができる。
【0188】このような変形例1の動作を図7を用いて
簡単に説明する。図7は本発明の変形例1としての燃料
電池システムにおける主要部の濃度、量、温度及び状態
の時間変化を示すタイミングチャートである。
【0189】図7は、図1に示す燃料電池システム(第
1の実施例)においてエアポンプ126,128を備え
た場合の変形例に対応している。図7において、(a)
は、燃料電池114のカソードの流出部におけるカソー
ドオフガス中の酸素濃度を示し、(b)は同じくカソー
ドオフガス中の水蒸気濃度を示し、(c)は改質部10
2に対する燃料の供給量を示し、(d)は改質部102
の温度を示し、(e)は熱交換器104の温度を示し、
(f)は高温シフト部106の温度を示し、(g)は熱
交換器108の温度を示し、(h)は低温シフト部11
0の温度を示し、(i)はCO浄化部112の温度を示
し、(j)は燃料電池114の温度を示し、(k)は1
14の含水分量を示し、(l)はTGC144の燃焼状
態を示す。また、三角印は主要な変化タイミングを示
す。
【0190】起動時において、図7(a)に示すよう
に、エアポンプ134により燃料電池114のカソード
に酸化ガスの供給が開始されると、燃料電池114はま
だ発電が開始されていないので、酸化ガスはそのまま燃
料電池114のカソードを素通りして、改質部102に
供給される。その後、図7(c)に示すように、改質部
102に燃料(ガソリン)の供給が開始されると、改質
部102では、触媒燃焼や気相燃焼によって、供給され
た燃料は完全酸化されて、水とCO2が生成される。こ
れにより、改質部102の温度は図7(d)に示すよう
に上昇を開始する。各要素104〜112は、起動時、
低温状態にあるため、改質部102からのガスが流通す
ることにより、それらの温度は図7(e)〜(i)に示
すように徐々に上昇するが、反対に、改質部102から
のガスの温度は、各要素104〜112を介する毎に低
下する。そのため、燃料電池114のアノード116に
供給された際、図7(j),(k)に示すように、ガス
中の水蒸気は急速に凝縮して水となり、燃料電池114
内の電解質膜に吸収されて、電解質膜を加湿する。な
お、カソードオフガスも低温状態であるため、このカソ
ードオフガスが通過する熱交換器122,120によっ
て、各要素104〜112の温度が異常に急上昇するこ
とを抑制している。
【0191】その後、図7(b)に示すように、カソー
ドオフガス中の水蒸気濃度が所定の濃度になったら、エ
アポンプ134の駆動を制御して、改質部102にカソ
ードオフガスとして供給される空気量を、図7(a)に
示すように、ステップ的に減少させる。これにより、改
質部102では、完全酸化反応が停止し、それに代え
て、水蒸気改質反応と部分酸化反応が起こり、燃料から
改質ガスの生成が開始される。
【0192】さらにその後、図7(f),(h)に示す
ように、エアポンプ126により高温シフト部106の
流入部において、エアポンプ128により低温シフト部
110の流入部において、改質ガスに酸化ガスの吹き込
みを開始すると共に、図7(i)に示すように、CO浄
化部112において、エアポンプ130による酸化ガス
の吹き込み量を増加する。これにより、各要素106,
110,112において、改質ガスに含まれる水素の酸
化が開始され、水蒸気が生成されると共に、酸化による
発熱により温度が上昇する。さらに、図7(l)に示す
ように、TGC144において、アノードオフガスの供
給を受けて、その中に含まれるCOの燃焼を開始する。
そうして、図7(i),(j)に示すように、アノード
116に供給される改質ガス中のCO濃度が、5ppm
以下になったら、燃料電池114は発電を開始する。
【0193】E−2.変形例2:上記した第1および第
2の実施例において、CO浄化部112と燃料電池11
4のアノード116との間にCO吸着部を配置し、CO
浄化部112等の温度がCO浄化を行うための適正な温
度(目標温度)になるまでの間、CO浄化部112から
の改質ガスをこのCO吸着部に供給し、その後、CO浄
化部112等の温度が目標温度になったら、このCO吸
着部をバイパスさせるようにしても良い。このCO吸着
部には、CO吸着物質(熱可逆的にCO吸・脱を行う物
質)が配備されており、改質ガスが供給されると、その
改質ガスに含まれるCOがCO吸着物質によって吸着さ
れる。従って、CO浄化部112等が十分機能しない期
間においても、CO濃度の低下した改質ガスを燃料電池
114のアノード116に供給することができる。
【0194】なお、CO吸着部の配設位置は、CO浄化
部112とアノード116との間に限るものではなく、
改質部102とアノード116との間であれば、どこで
も良い。また、このような接続の切り換えは、切り換え
バルブなどを用いることによって容易に実現することが
できる。
【0195】E−3.変形例3:上記した第1〜第4の
実施例において、エアポンプをさらに用意して、燃料電
池114のアノード116の流入部において、アノード
116に供給される改質ガスに酸化ガスを吹き込むよう
にしても良い。
【0196】このように構成することにより、アノード
116に供給される改質ガスのCO濃度が許容濃度以上
であったとしても、燃料電池114の内部において、発
電と同時に、改質ガスに含まれるCOを式(5)に示し
たように酸化して除去することができるため、CO被毒
の発生を抑えることができる。また、CO酸化による発
熱により、燃料電池114の温度を上昇させることもで
きる。
【0197】E−4.変形例4:上記した第1〜第4の
実施例において、改質部102における改質触媒の近く
か、あるいは、改質部102における燃料と酸化ガスと
が混合される部分に、電気ヒータや点火プラグなどの着
火源を設けるようにしても良い。
【0198】このような着火源を設けることにより、改
質部102において、完全酸化や部分酸化をより起こし
やすくすることができる。
【0199】E−5.変形例5:上記した第1〜第4の
実施例において、例えば、熱交換器122,124とし
て加湿水供給型熱交換器を用い、水回収ユニット146
に回収された水を、その加湿水供給型熱交換器によっ
て、改質部102に供給されるカソードオフガスに付加
して、システム内を循環するガスに含まれる水分量を増
加させるようにしても良い。
【0200】また、このような加湿水供給型熱交換器を
採用することによって、シフト反応に寄与する水蒸気濃
度を調整することができるので、改質ガスに含まれるC
Oの量をシフト反応により大幅に低減することができ
る。
【0201】E−6.変形例6:上記した第1および第
2の実施例において、改質ガス中のCO濃度を検出する
COセンサを、高温シフト部106,低温シフト部11
0またはCO浄化部112などに配置して、起動制御中
に、5ppm以上のCO濃度を検出したら、CO浄化部
112からの改質ガスを燃料電池114のアノード11
6に供給せずに、TGC144の流入部に直接供給する
ようにして、燃料電池114をバイパスするようにして
も良い。または、高温シフト部106,低温シフト部1
10の流入部や、CO浄化部112に吹き込む空気量を
一時的に増大させ、その部分でのCO酸化を促進するよ
うにして良い。
【0202】以上のように構成することにより、燃料電
池114におけるCO被毒の発生を抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例として燃料電池システム
100の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施例として燃料電池システム
200の全体構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施例として燃料電池システム
300の全体構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第3の実施例として燃料電池システム
300の全体構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第4の実施例として燃料電池システム
400の全体構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第4の実施例として燃料電池システム
400の全体構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の変形例1としての燃料電池システムに
おける主要部の濃度、量、温度及び状態の時間変化を示
すタイミングチャートである。
【符号の説明】
100…燃料電池システム 102…改質部 104…熱交換器 106…高温シフト部 108…熱交換器 110…低温シフト部 112…CO浄化部 114…燃料電池 116…アノード 118…カソード 120,122,124…熱交換器 126,128,130,134…エアポンプ 136…加湿ユニット 138…外部冷却器 140,142…熱交換器 144…TGC 146…水回収ユニット 148…センサ 150…水素分離ユニット 152…フィード部 154…パージ部 156…水素分離膜 158,160…熱交換器 162…パージポンプ 164…エアポンプ 200…燃料電池システム 300…燃料電池システム 400…燃料電池システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C01B 3/48 C01B 3/48 H01M 8/06 H01M 8/06 G 8/10 8/10 (72)発明者 青山 智 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4G040 EA03 EA06 EA07 EB12 EB32 EB33 EB43 5H026 AA06 5H027 AA06 BA01 BA05 BA16 BA17 BA20 BC12 KK31 MM12 MM14

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料電池システムであって、 炭化水素系燃料の供給を受け、水蒸気改質反応及び部分
    酸化反応のうち、少なくとも一方の反応を利用して、水
    素を含む改質ガスを生成する改質部と、 アノードに前記改質ガスの供給を受けると共に、カソー
    ドに酸素を含む酸化ガスの供給を受けて、電力を発生す
    る燃料電池と、 前記燃料電池のカソードから排出されるカソードオフガ
    スを前記改質部に供給するカソードオフガス流路と、 を備え、 起動時に、前記改質部において、前記炭化水素系燃料を
    前記カソードオフガスに含まれる酸素によってほぼ完全
    酸化させ、得られたガスを前記アノードに供給すること
    を特徴とする燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 燃料電池システムであって、 炭化水素系燃料の供給を受け、水蒸気改質反応及び部分
    酸化反応のうち、少なくとも一方の反応を利用して、水
    素を含む改質ガスを生成する改質部と、 アノードに前記改質ガスの供給を受けると共に、カソー
    ドに酸素を含む第1の酸化ガスの供給を受けて、電力を
    発生する燃料電池と、 前記燃料電池のカソードから排出されるカソードオフガ
    スを前記改質部に供給するカソードオフガス流路と、 を備え、 起動時に、前記改質部において、前記炭化水素系燃料を
    前記カソードオフガスに含まれる酸素によって部分酸化
    させ、得られた前記改質ガスを前記アノードに供給する
    と共に、前記改質部から前記アノードに至る流路中に酸
    素を含む第2の酸化ガスを供給して、前記改質ガスに含
    まれる水素を前記第2の酸化ガスに含まれる酸素によっ
    て酸化させることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の燃料電池システムにお
    いて、 前記改質部から前記アノードに至る流路中には、前記改
    質ガスに含まれる一酸化炭素をシフト反応により除去す
    るシフト部、および前記一酸化炭素を酸化反応により除
    去する一酸化炭素浄化部のうち、少なくとも一方が配置
    されると共に、 前記水素の酸化は、前記シフト部、一酸化炭素浄化部お
    よび燃料電池のうち、少なくとも1つの内部において生
    じることを特徴とする燃料電池システム。
  4. 【請求項4】 燃料電池システムであって、 炭化水素系燃料の供給を受け、水蒸気改質反応及び部分
    酸化反応のうち、少なくとも一方の反応を利用して、水
    素を含む改質ガスを生成する改質部と、 前記改質ガスが流れるフィード部と、パージガスが流れ
    るパージ部と、前記フィード部とパージ部との間に配置
    される水素分離膜と、を有し、前記フィード部を流れる
    前記改質ガスから前記水素分離膜によって水素を分離し
    て、前記パージ部を流れる前記パージガスに混合し、燃
    料ガスを得る水素分離部と、 アノードに前記燃料ガスの供給を受けると共に、カソー
    ドに酸素を含む酸化ガスの供給を受けて、電力を発生す
    る燃料電池と、 前記燃料電池のカソードから排出されるカソードオフガ
    スを前記改質部に供給するカソードオフガス流路と、 を備え、 起動時に、前記改質部において、前記炭化水素系燃料を
    前記カソードオフガスに含まれる酸素によってほぼ完全
    酸化させ、得られたガスを前記水素分離膜を通過させる
    ことなく前記アノードに供給することを特徴とする燃料
    電池システム。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の燃料電池システムにお
    いて、 前記カソードオフガス中の水蒸気濃度が所定値以上にな
    った場合に、前記改質部において、前記完全酸化の反応
    を停止させて、前記水蒸気改質反応及び部分酸化反応の
    うち、少なくとも一方の反応を開始させ、 その後、前記パージ部に前記パージガスとして酸素を含
    む第3の酸化ガスを流すと共に、前記改質部で生成され
    て前記フィード部を流れる前記改質ガスから前記水素分
    離膜によって水素を分離し、前記パージ部において、分
    離した前記水素を前記第3の酸化ガスに含まれる酸素に
    よって酸化させ、得られたガスを前記アノードに供給す
    ることを特徴とする燃料電池システム。
  6. 【請求項6】 燃料電池システムであって、 炭化水素系燃料の供給を受け、水蒸気改質反応及び部分
    酸化反応のうち、少なくとも一方の反応を利用して、水
    素を含む改質ガスを生成する改質部と、 前記改質ガスが流れるフィード部と、パージガスが流れ
    るパージ部と、前記フィード部とパージ部との間に配置
    される水素分離膜と、を有し、前記フィード部を流れる
    前記改質ガスから前記水素分離膜によって水素を分離し
    て、前記パージ部を流れる前記パージガスに混合し、燃
    料ガスを得る水素分離部と、 アノードに前記燃料ガスの供給を受けると共に、カソー
    ドに酸素を含む第1の酸化ガスの供給を受けて、電力を
    発生する燃料電池と、 前記燃料電池のカソードから排出されるカソードオフガ
    スを前記改質部に供給するカソードオフガス流路と、 を備え、 起動時に、前記改質部において、前記炭化水素系燃料を
    前記カソードオフガスに含まれる酸素によって部分酸化
    させ、得られた前記改質ガスを前記水素分離膜を通過さ
    せることなく前記アノードに供給すると共に、前記改質
    部から前記アノードに至る流路中に酸素を含む第2の酸
    化ガスを供給して、前記改質ガスに含まれる水素を前記
    第2の酸化ガスに含まれる酸素によって酸化させること
    を特徴とする燃料電池システム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の燃料電池システムにお
    いて、 前記フィード部は、シフト触媒を備え、前記改質ガスに
    含まれる一酸化炭素をシフト反応により除去し得ると共
    に、 前記水素の酸化は、前記フィード部の内部において生じ
    ることを特徴とする燃料電池システム。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の燃料電池システムにお
    いて、 前記カソードオフガス中の水蒸気濃度が所定値以上にな
    った場合に、前記改質部において、部分酸化反応のみ起
    きる状態から、部分酸化反応と水蒸気改質反応が共に起
    きる状態へと移行させ、 その後、前記パージ部に前記パージガスとして酸素を含
    む第3の酸化ガスを流すと共に、前記改質部において生
    成され前記フィード部を流れる前記改質ガスから前記水
    素分離膜によって水素を分離し、前記パージ部におい
    て、分離した前記水素を前記第3の酸化ガスに含まれる
    酸素によって酸化させ、得られたガスを前記アノードに
    供給することを特徴とする燃料電池システム。
  9. 【請求項9】 請求項1または請求項4に記載の燃料電
    池システムにおいて、 前記カソードオフガス中の水蒸気濃度が所定値以上にな
    った場合に、前記改質部において、前記完全酸化の反応
    を停止させて、前記水蒸気改質反応及び部分酸化反応の
    うち、少なくとも一方の反応を開始させることを特徴と
    する燃料電池システム。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の燃料電池システムに
    おいて、 前記改質部において、前記水蒸気改質反応及び部分酸化
    反応のうち、少なくとも一方の反応を開始させた後、前
    記改質部から前記アノードに至る流路中に酸素を含む第
    2の酸化ガスを供給して、前記改質部から得られた前記
    改質ガスに含まれる水素を前記第2の酸化ガスに含まれ
    る酸素によって酸化させることを特徴とする燃料電池シ
    ステム。
  11. 【請求項11】 請求項2または請求項6に記載の燃料
    電池システムにおいて、 前記カソードオフガス中の水蒸気濃度が所定値以上にな
    った場合に、前記改質部において、部分酸化反応のみ起
    きる状態から、部分酸化反応と水蒸気改質反応が共に起
    きる状態へと移行させることを特徴とする燃料電池シス
    テム。
  12. 【請求項12】 請求項2、請求項6または請求項10
    に記載の燃料電池システムにおいて、 前記改質ガスに含まれる一酸化炭素を前記第2の酸化ガ
    スに含まれる酸素によって酸化させることを特徴とする
    燃料電池システム。
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