JP2003144843A - フッ化硫黄の分解処理剤及び分解処理方法 - Google Patents

フッ化硫黄の分解処理剤及び分解処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体製造工程等から排出される排ガスに含
まれるSF等のフッ化硫黄を、短時間で分解処理剤が
失活することなく、また硫黄酸化物、フッ化水素等の腐
食性ガスを排出させることなく、1000℃以下の比較
的低い温度で99.9%以上の分解率で分解可能な分解
処理剤及び分解処理方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム化合物及びランタノイド化
合物を有効成分として含む分解処理剤、あるいはアルミ
ニウム化合物、ランタノイド化合物及びアルカリ土類金
属化合物を有効成分として含む分解処理剤とする。ま
た、フッ化硫黄を含むガスを、加熱下で、前記分解処理
剤と接触させてフッ化硫黄を分解するか、あるいは、酸
化アルミニウムを有効成分として含む処理剤と接触させ
た後、ランタノイドの酸化物、アルカリ土類金属の酸化
物を有効成分として含む処理剤と接触させてフッ化硫黄
を分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフッ化硫黄の分解処
理剤及び分解処理方法に関する。さらに詳細には半導体
製造工程等から排出される排ガスに含まれる六フッ化硫
黄等のフッ化硫黄を、1000℃以下の比較的低い温度
で長時間効率よく分解処理することが可能な分解処理剤
及び分解処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工業においては、ドライエッ
チング装置のエッチングガスやCVD装置のチャンバー
クリーニングガス等として、六フッ化硫黄が使用されて
いる。六フッ化硫黄は非常に安定な化合物であり地球温
暖化に対する影響が大きいため、大気に放出した場合の
環境への悪影響が懸念されている。従って、半導体製造
工程から排出される排ガスに含まれる六フッ化硫黄は、
回収するかあるいは分解して大気に放出することが好ま
しい。
【0003】従来から使用されている六フッ化硫黄(S
)を、エッチングガスやチャンバークリーニングガ
ス等として用いた後の排ガスには、通常は、窒素、アル
ゴン、ヘリウム等のキャリアガス、前記六フッ化硫黄の
他に、六フッ化硫黄が分解して生成する四フッ化硫黄
(SF)、HF、F、SiF等の酸性ガスが含ま
れることが多い。また、排ガスに含まれる六フッ化硫黄
の濃度は、通常10〜50000ppm程度である。こ
のように排ガスに含まれる六フッ化硫黄の濃度が比較的
低いため、これらの処理には、ランニングコストがより
安い分解が多く試みられてきた。
【0004】従来から六フッ化硫黄等のフッ化硫黄を分
解処理する方法としては、例えばフッ化硫黄を含む排ガ
スを、水素、メタン、プロパン等を用いた焼却炉の火炎
中に導入して燃焼させる方法、あるいはフッ化硫黄を含
む排ガスに、空気または酸素、あるいは空気または酸素
とともに水分を含む混合ガスを添加して加熱酸化する方
法によりフッ化硫黄の分解が行なわれていた。また、フ
ッ化硫黄等のフッ素化合物を、アルミナ存在下で、分子
状酸素と接触させる方法(特開平10−286434号
公報)、アルミナに6A族、8族、3B族の金属及び硫
酸、燐酸、ほう酸等の無機酸を担持させた分解処理触媒
と接触させる方法(特開平11−165071号公
報)、酸素及び水共存下において、300〜1000℃
に加熱された、アルミナ系触媒と含シリカ混合材とを混
合して成る触媒層を通過させる方法(特開2000−1
5060号公報)等が開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃焼法
による分解処理方法は、フッ化硫黄を分解処理していな
い待機時にも燃焼状態を維持しなければならないためエ
ネルギーコストが高い、生成する硫黄酸化物の処理が必
要である、二酸化炭素を大量に放出するという不都合が
あった。空気または酸素を添加して加熱酸化する分解処
理方法は、1000℃以上の加熱が必要であり、また燃
焼法と同様に生成する硫黄酸化物の処理が必要であっ
た。
【0006】アルミナを分解触媒として用いたフッ化硫
黄等のフッ素化合物の分解処理方法は、比較的低い温度
でフッ素化合物を分解できるという長所がある。しか
し、この分解処理方法においては、フッ素化合物との反
応によりアルミナの表面にフッ化アルミニウムが生成
し、短時間で分解触媒が失活するという不都合があっ
た。また、アルミナに金属、無機酸、あるいはシリカを
添加した分解処理触媒は、分解触媒の活性を比較的長時
間維持させることを目的に開発されたものであるが、分
解対象のフッ素化合物がフッ化硫黄の場合は硫黄酸化物
を排出するため、後段にこの酸性ガスを除去するための
装置が必要であるという不都合があった。
【0007】さらに、水の共存下でフッ化硫黄の分解処
理を行なった場合は、分解処理量を向上させることがで
きるが、分解処理後に硫黄酸化物及びフッ化水素を排出
するため、排ガスを大気に放出するに先立って湿式浄化
装置等によりこれを除去する必要があるほか、分解処理
装置から排出される排ガスは、高温かつ腐食性であるた
め熱交換器を使用することができないという不都合があ
った。従って、本発明が解決しようとする課題は、半導
体製造工程等から排出される排ガスに含まれるフッ化硫
黄を、短時間で分解処理剤が失活することなく、また硫
黄酸化物、フッ化水素等の腐食性ガスを排出させること
なく、1000℃以下の比較的低い温度で99.9%以
上の分解率で分解可能な分解処理剤及び分解処理方法を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意検討した結果、アルミニウム化合
物及びランタノイド化合物を有効成分として含む分解処
理剤、あるいはアルミニウム化合物、ランタノイド化合
物に、さらにアルカリ土類金属化合物を有効成分として
含ませた分解処理剤が、前記課題を解決し得る分解処理
剤であることを見い出し本発明のフッ化硫黄の分解処理
剤に到達した。
【0009】また、本発明者らは、フッ化硫黄を、加熱
下で、酸化アルミニウム及びランタノイド化合物の酸化
物を有効成分として含む分解処理剤、あるいはこの分解
処理剤にさらにアルカリ土類金属の酸化物を有効成分と
して含ませた分解処理剤と接触させることにより、前記
課題を解決できることを見い出した。さらに、フッ化硫
黄を、加熱下で、酸化アルミニウムを有効成分として含
む処理剤と接触させた後、ランタノイド化合物の酸化物
を有効成分として含む処理剤と接触させることにより、
あるいは、フッ化硫黄を、加熱下で、酸化アルミニウム
を有効成分として含む処理剤と接触させた後、ランタノ
イドの酸化物を有効成分として含む処理剤、アルカリ土
類金属の酸化物を有効成分として含む処理剤と接触させ
ること等により、前記課題を解決できることを見い出し
本発明のフッ化硫黄の分解処理方法に到達した。
【0010】すなわち本発明は、アルミニウム化合物及
びランタノイド化合物を有効成分として含むことを特徴
とするフッ化硫黄の分解処理剤である。また、本発明
は、アルミニウム化合物、ランタノイド化合物、及びア
ルカリ土類金属化合物を有効成分として含むことを特徴
とするフッ化硫黄の分解処理剤でもある。また、本発明
は、フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下で、酸化アル
ミニウム及びランタノイドの酸化物を有効成分として含
む分解処理剤と接触させてフッ化硫黄を分解することを
特徴とするフッ化硫黄の分解処理方法である。
【0011】また、本発明は、フッ化硫黄を含有するガ
スを、加熱下で、酸化アルミニウム、ランタノイドの酸
化物、及びアルカリ土類金属の酸化物を有効成分として
含む分解処理剤と接触させてフッ化硫黄を分解すること
を特徴とするフッ化硫黄の分解処理方法でもある。ま
た、本発明は、フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下
で、酸化アルミニウムを有効成分として含む処理剤と接
触させた後、ランタノイドの酸化物を有効成分として含
む処理剤と接触させてフッ化硫黄を分解することを特徴
とするフッ化硫黄の分解処理方法でもある。
【0012】また、本発明は、フッ化硫黄を含有するガ
スを、加熱下で、酸化アルミニウムを有効成分として含
む処理剤と接触させた後、ランタノイドの酸化物を有効
成分として含む処理剤及びアルカリ土類金属の酸化物を
有効成分として含む処理剤と接触させてフッ化硫黄を分
解することを特徴とするフッ化硫黄の分解処理方法でも
ある。さらに、本発明は、フッ化硫黄を含有するガス
を、加熱下で、酸化アルミニウムを有効成分として含む
処理剤と接触させた後、ランタノイドの酸化物及びアル
カリ土類金属の酸化物を有効成分として含む処理剤と接
触させてフッ化硫黄を分解することを特徴とするフッ化
硫黄の分解処理方法でもある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のフッ化硫黄の分解処理剤
及び分解処理方法は、窒素、アルゴン、ヘリウム等のガ
ス中に含まれるフッ化硫黄の分解処理に適用される。本
発明のフッ化硫黄の分解処理剤及び分解処理方法におい
て、分解処理の対象となるフッ化硫黄としては、例え
ば、一フッ化硫黄(S)、二フッ化硫黄(S
)、四フッ化硫黄(SF)、五フッ化硫黄(SF
)、六フッ化硫黄(SF)が挙げられる。
【0014】本発明のフッ化硫黄の分解処理剤は、酸化
アルミニウム、水酸化アルミニウム等のアルミニウム化
合物、酸化ランタン、酸化セリウム、水酸化セリウム、
炭酸セリウム等のランタノイド化合物を有効成分として
含む分解処理剤、あるいは前記のアルミニウム化合物、
ランタノイド化合物と、酸化マグネシウム、酸化カルシ
ウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ
土類金属化合物を有効成分として含む分解処理剤であ
る。
【0015】本発明のフッ化硫黄の分解処理方法は、フ
ッ化硫黄を含有するガスを、加熱下で、酸化アルミニウ
ム及びランタノイドの酸化物を有効成分として含む分解
処理剤、あるいは酸化アルミニウム、ランタノイドの酸
化物、及びアルカリ土類金属の酸化物を有効成分として
含む分解処理剤と接触させてフッ化硫黄を分解する分解
処理方法である。また、本発明のフッ化硫黄の分解処理
方法は、フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下で、酸化
アルミニウムを有効成分として含む処理剤と接触させた
後、ランタノイドの酸化物を有効成分として含む処理剤
と接触させてフッ化硫黄を分解する分解処理方法でもあ
る。
【0016】また、本発明のフッ化硫黄の分解処理方法
は、フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下で、酸化アル
ミニウムを有効成分として含む処理剤と接触させた後、
ランタノイドの酸化物を有効成分として含む処理剤及び
アルカリ土類金属の酸化物を有効成分として含む処理剤
と接触させてフッ化硫黄を分解する分解処理方法でもあ
る。さらに、本発明のフッ化硫黄の分解処理方法は、フ
ッ化硫黄を含有するガスを、加熱下で、酸化アルミニウ
ムを有効成分として含む処理剤と接触させた後、ランタ
ノイドの酸化物及びアルカリ土類金属の酸化物を有効成
分として含む処理剤と接触させてフッ化硫黄を分解する
分解処理方法でもある。
【0017】以下、本発明のフッ化硫黄の分解処理剤に
ついて詳細に説明する。本発明の分解処理剤は、アルミ
ニウム化合物及びランタノイド化合物を有効成分として
含むもの、あるいはアルミニウム化合物、ランタノイド
化合物、及びアルカリ土類金属化合物を有効成分として
含むものである。ただし、アルミニウム化合物、ランタ
ノイド化合物、アルカリ土類金属化合物が、各々酸化物
以外である場合は、フッ化硫黄を分解処理する温度また
はその近辺の温度で分解されて、各々容易にランタノイ
ドの酸化物、アルカリ土類金属の酸化物、酸化アルミニ
ウムとなる化合物を用いることが好ましい。
【0018】本発明に用いられるアルミニウム化合物と
しては、例えば酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム
等が挙げられる。酸化アルミニウムとしては、アルミニ
ウム平均細孔直径が50〜200Åの細孔を有するもの
が好ましく、その中でもγアルミナが好ましい。平均細
孔直径が50Å未満の細孔を有する酸化アルミニウムま
たは平均細孔直径が200Åを越える細孔を有する酸化
アルミニウムを用いた場合は、フッ化硫黄の分解率が低
下する虞を生じる。また、比表面積が100m/g以
上の酸化アルミニウムが好ましい。酸化アルミニウムの
純度は99%以上であることが好ましく、さらに99.
9%以上であることがより好ましい。また、水酸化アル
ミニウムとしては、ベーマイトが好ましい。
【0019】本発明に用いられるランタノイドの酸化物
としては、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオ
ジム、酸化ネオジム、酸化プロメチウム、酸化サマリウ
ム、酸化ユーロピウム、酸化ガドリウム、酸化テルビウ
ム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビ
ウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチ
ウムを挙げることができる。また、前記酸化物以外のラ
ンタノイド化合物としては、ランタノイドの水酸化物、
炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩等を挙げることがで
きるが、容易に酸化物に転換できる点で水酸化物、炭酸
塩または硝酸塩が好ましく、この中でも有害ガスを排出
しない点で水酸化物または炭酸塩を用いることが好まし
い。
【0020】ランタノイドの水酸化物としては、例え
ば、水酸化ランタン(1水和物を含む)、水酸化セリウ
ム(5水和物、8水和物、9水和物を含む)、水酸化プ
ラセオジム(8水和物を含む)、水酸化ネオジム(8水
和物を含む)、水酸化サマリウムを挙げることができ
る。また、ランタノイドの炭酸塩としては、例えば、炭
酸ランタン、炭酸セリウム、炭酸プラセオジム、炭酸ネ
オジム、炭酸サマリウムを挙げることができる。
【0021】これらのランタノイド化合物の中では、ラ
ンタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウ
ム、またはユーロピウムの化合物が容易に入手しやすい
点で好ましい。また、これらのランタノイド化合物は単
独で用いてもよく2種類以上を併用してもよい。例え
ば、2種類以上のランタノイドを含む金属として「ミッ
シュメタル」が市販されているので、これを用いて本発
明のフッ化硫黄の分解処理剤を調製することができる。
【0022】本発明に用いられるアルカリ土類金属の酸
化物としては、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸
化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムを挙
げることができるが、酸化ベリリウムは昇華開始温度が
800℃であり、酸化バリウムは有毒性が懸念されるた
め、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、または酸化ス
トロンチウムを用いることが好ましい。
【0023】また、前記以外のアルカリ土類金属化合物
としては、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、硫酸
塩、硝酸塩、有機酸塩等を挙げることができるが、容易
に酸化物に転換できる点で水酸化物、炭酸塩、または硝
酸塩が好ましく、この中でも有害ガスを排出しない点で
水酸化物または炭酸塩を用いることが好ましい。また、
前記と同様な理由により、マグネシウム、カルシウム、
またはストロンチウムの化合物を用いることが好まし
い。尚、これらのアルカリ土類金属化合物は単独で用い
てもよく2種類以上を併用してもよい。
【0024】本発明のフッ化硫黄の分解処理剤は、通常
は各有効成分を混合した後、その混合物を造粒すること
により調製されるか、あるいは各々の有効成分を別々に
造粒した後、これらの造粒物を混合することにより調製
される。しかし、3成分を有効成分として含む分解処理
剤の場合は、例えばアルミニウム化合物の造粒物と、ラ
ンタノイド化合物及びアルカリ土類金属化合物を混合し
て造粒したものを混合して調製することや、アルミニウ
ム化合物と残りの1有効成分を混合して造粒物したもの
と、残りの他の有効成分の造粒物を混合して調製するこ
ともできる。
【0025】いずれの分解処理剤の調製方法において
も、分解処理剤に含まれるアルミニウムの原子数と、ラ
ンタノイドの原子数及びアルカリ土類金属化合物の原子
数を合せた原子数の比が、通常は1:0.1〜10とな
るように、好ましくは1:0.2〜5.0となるように
調製される。また、分解処理剤に含まれるランタノイド
の原子数と、アルカリ土類金属化合物の原子数について
は、ランタノイドの原子数が多いほど分解処理能力(分
解処理剤単位量当たりに対するフッ化硫黄の分解処理
量)が向上し、その比(ランタノイドの原子数:アルカ
リ土類金属化合物の原子数)は、通常は(1:2以下)
となるように、好ましくは(2:1以下)となるように
調製される。さらに、前述のいずれの調製方法において
も、通常は直径が0.1〜20mm程度、好ましくは直
径が1〜10mm程度の球状、これに類似する形状、ま
たはこれに相当する大きさ及び形状となるように造粒し
て調製される。
【0026】また、本発明のフッ化硫黄の分解処理剤
は、造粒の際の成型性や成型強度を高めるために、有効
成分のほかにバインダーを加えてもよい。このようなバ
インダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、メチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースなどの有機系バイ
ンダー、シリカ、珪藻土、珪酸ナトリウム、硫酸水素ナ
トリウムなどの無機系バインダーを挙げることができ
る。これらのバインダーを加える場合は、浄化剤を調製
する際に有効成分に添加、混練される。バインダーの添
加量は、成型条件などによって異なり一概には特定でき
ないが、少なすぎる場合はバインダーとしての効果が得
られず、多すぎる場合は分解処理能力が低下することか
ら、通常は分解処理剤全重量に対して0.1〜10wt
%であり、好ましくは0.5〜5wt%である。
【0027】また、分解処理剤中にはフッ化硫黄の分解
に悪影響を及ぼさない不純物、不活性物質等を含んでい
てもよい。さらに、使用前の分解処理剤は水分を含んで
いてもよいが含まない方が好ましく、通常は分解処理剤
中の水分が2wt%以下となるように調製される。従っ
て、有効成分を造粒する際は、打錠成型により造粒する
ことが好ましい。尚、これらのバインダー、不純物、不
活性物質、水分などを含んだ場合においても、分解処理
剤中の有効成分の含有量は、通常は70wt%以上、好
ましくは90wt%以上である。
【0028】次に、本発明のフッ化硫黄の分解処理方法
を、図1乃至図6に基づいて詳細に説明するが、本発明
がこれらにより限定されるものではない。本発明のフッ
化硫黄の分解処理方法における第1の形態は、フッ化硫
黄を含有するガスを、加熱下で、酸化アルミニウム及び
ランタノイドの酸化物を有効成分として含む分解処理剤
と接触させてフッ化硫黄を分解する方法であり、図1は
そのための分解処理装置の例を示す断面図である。本発
明のフッ化硫黄の分解処理方法における第2の形態は、
フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下で、酸化アルミニ
ウム、ランタノイドの酸化物、及びアルカリ土類金属の
酸化物を有効成分として含む分解処理剤と接触させてフ
ッ化硫黄を分解する方法であり、図2はそのための分解
処理装置の例を示す断面図である。
【0029】フッ化硫黄の分解を、第1の形態または第
2の形態により実施する場合は、通常は前述の本発明の
分解処理剤が使用される。尚、アルミニウム化合物、ラ
ンタノイド化合物、アルカリ土類金属化合物として、各
々酸化物以外のものを用いる場合は、フッ化硫黄を分解
処理する温度またはその近辺の温度で分解されて、各々
容易にランタノイドの酸化物、アルカリ土類金属の酸化
物、酸化アルミニウムとなる化合物を用いることが好ま
しい。
【0030】フッ化硫黄の分解処理を、第1の形態によ
り実施する場合は、分解処理を行なう前、分解処理装置
に、例えば、図1(A)に示すように、アルミニウム化
合物及びランタノイド化合物を混合し造粒した造粒物4
から成る分解処理剤が充填されるか、図1(B)に示す
ように、アルミニウム化合物の造粒物1及びランタノイ
ド化合物の造粒物2を混合して成る分解処理剤が充填さ
れる。
【0031】フッ化硫黄の分解処理を、第2の形態によ
り実施する場合は、分解処理を行なう前、分解処理装置
に、例えば、図2(A)に示すように、アルミニウム化
合物、ランタノイド化合物、及びアルカリ土類金属化合
物を混合し造粒した造粒物5から成る分解処理剤が充填
されるか、図2(B)に示すように、アルミニウム化合
物の造粒物1、ランタノイド化合物の造粒物2、及びア
ルカリ土類金属化合物の造粒物3を混合して成る分解処
理剤が充填されるか、あるいは、図2(C)に示すよう
に、アルミニウム化合物の造粒物1と、ランタノイド化
合物及びアルカリ土類金属化合物の混合造粒物6を混合
して成る分解処理剤が充填される。
【0032】また、フッ化硫黄の分解を、第1の形態ま
たは第2の形態により実施する場合は、図1、図2に示
す分解処理装置のように分解処理剤を固定床として用い
るほか、移動床、流動床として用いることができる。例
えば、失活した分解処理剤を分解処理装置の下部に設け
た分解処理剤排出口から排出するとともに、分解処理装
置の上部に設けた分解処理剤供給口から新規分解処理剤
を反応系に供給する構成とすることにより、さらに長時
間にわたり連続してフッ化硫黄の分解処理を実施するこ
とができる。
【0033】本発明のフッ化硫黄の分解処理方法におけ
る第3の形態は、フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下
で、酸化アルミニウムを有効成分として含む処理剤と接
触させた後、ランタノイドの酸化物を有効成分として含
む処理剤と接触させてフッ化硫黄を分解する方法であ
り、図3はそのための分解処理装置の例を示す断面図で
ある。
【0034】フッ化硫黄の分解を、第3の形態により実
施する場合は、通常はアルミニウム化合物の造粒物及び
ランタノイド化合物の造粒物が使用される。例えば、分
解処理を行なう前、分解処理装置に、図3に示すよう
に、アルミニウム化合物の造粒物1から成る処理剤及び
ランタノイド化合物の造粒物2から成る処理剤が積層さ
れる。尚、本発明においては、これらの2処理剤層を1
単位層として、単数または複数の単位層を積層させて分
解処理を行なうことが可能である。図3は3単位層を積
層させた構成のものである。
【0035】本発明のフッ化硫黄の分解処理方法におけ
る第4の形態は、フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下
で、酸化アルミニウムを有効成分として含む処理剤と接
触させた後、ランタノイドの酸化物を有効成分として含
む処理剤及びアルカリ土類金属の酸化物を有効成分とし
て含む処理剤と接触させてフッ化硫黄を分解する方法で
あり、図4はそのための分解処理装置の例を示す断面図
である。尚、本発明においては、処理対象ガスを、ラン
タノイドの酸化物を有効成分として含む処理剤、アルカ
リ土類金属の酸化物を有効成分として含む処理剤に接触
させる順について特に制限されることがない。
【0036】フッ化硫黄の分解を、第4の形態により実
施する場合は、通常はアルミニウム化合物の造粒物、ラ
ンタノイド化合物の造粒物、及びアルカリ土類金属化合
物の造粒物が使用される。例えば、分解処理を行なう
前、分解処理装置に、図4(A)または図4(B)に示
すように、アルミニウム化合物の造粒物1から成る処理
剤、ランタノイド化合物の造粒物2から成る処理剤、及
びアルカリ土類金属化合物の造粒物3から成る処理剤が
積層される。尚、本発明においては、これらの3処理剤
層を1単位層として、単数または複数の単位層を積層さ
せて分解処理を行なうことが可能である。
【0037】本発明のフッ化硫黄の分解処理方法におけ
る第5の形態は、フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下
で、酸化アルミニウムを有効成分として含む処理剤と接
触させた後、ランタノイドの酸化物及びアルカリ土類金
属の酸化物を有効成分として含む処理剤と接触させてフ
ッ化硫黄を分解する方法であり、図5はそのための分解
処理装置の例を示す断面図である。
【0038】フッ化硫黄の分解を、第5の形態により実
施する場合は、通常はアルミニウム化合物を有効成分と
して含む処理剤としてアルミニウム化合物の造粒物が、
ランタノイドの酸化物とアルカリ土類金属の酸化物を有
効成分として含む処理剤として、ランタノイド化合物及
びアルカリ土類金属化合物を混合し造粒したもの、ある
いはランタノイド化合物の造粒物及びアルカリ土類金属
化合物の造粒物を混合したものが使用される。例えば、
分解処理を行なう前、分解処理装置に、図5(A)に示
すように、アルミニウム化合物の造粒物1から成る処理
剤、ランタノイド化合物及びアルカリ土類金属化合物の
混合造粒物6から成る処理剤が積層されるか、図5
(B)に示すように、アルミニウム化合物の造粒物1か
ら成る処理剤、ランタノイド化合物の造粒物2及びアル
カリ土類金属化合物の造粒物3から成る処理剤が積層さ
れる。尚、本発明においては、これらの2処理剤層を1
単位層として、単数または複数の単位層を積層させて分
解処理を行なうことが可能である。
【0039】尚、第3の形態、第4の形態、第5の形態
においても、第1の形態、第2の形態の場合と同様に、
アルミニウム化合物、ランタノイド化合物、アルカリ土
類金属化合物として、各々酸化物以外のものを用いる場
合は、フッ化硫黄を分解処理する温度またはその近辺の
温度で分解されて、各々容易にランタノイドの酸化物、
アルカリ土類金属の酸化物、酸化アルミニウムとなる化
合物を用いることが好ましい。これらのアルミニウム化
合物、ランタノイド化合物、アルカリ土類金属化合物
は、各々前述の本発明の分解処理剤におけるランタノイ
ド化合物、アルカリ土類金属化合物、アルミニウム化合
物と同様のものである。また、各々の造粒物の大きさ、
形状、調製方法、有効成分の含有量、不純物等も前述の
本発明の分解処理剤と同様である。
【0040】本発明において、分解処理装置の形状は通
常は円筒状であり、大きさは通常は内径10〜500m
m、長さは20〜2000mm程度である。分解処理装
置に充填される分解処理剤の充填長は、通常は10〜1
000mm程度、好ましくは50〜500mm程度であ
る。分解処理剤の充填長が10mm以下の場合はフッ化
硫黄の分解が不充分となり、1000mm以上の場合は
圧力損失が大きくなる。また、処理剤の各層の厚さは、
通常は2〜200mmである。分解処理装置を加熱する
ための手段としては、通常は図1乃至図5のように分解
処理装置の外側にヒーターが設置され、外部の制御装置
により温度がコントロールされる。
【0041】本発明によるフッ化硫黄の分解処理におい
ては、分解処理を行なう際に、空気等の酸素を含有する
ガス、水、水蒸気、またはこれらの混合物を添加しても
よいが、これらを添加しなくてもフッ化硫黄を分解でき
る。しかし、フッ化硫黄がSF以外の場合は、何も添
加することなく、または水、水蒸気のみ添加して分解処
理を行なうと、硫黄酸化物の排出あるいは硫黄の析出の
虞があるので、分解処理を行なう際に酸素を添加するこ
とが好ましい。
【0042】本発明によりSFを、酸化アルミニウ
ム、酸化ランタン、及び酸化カルシウムを有効成分とし
て含む分解処理剤により、酸素及び水蒸気を共存させる
ことなく分解処理する場合は、次の(式1)〜(式5)
の反応が起こると推測される。また、SF以外のフッ
化硫黄、例えばSFを、酸化アルミニウム、酸化ラン
タン、及び酸化カルシウムを有効成分として含む分解処
理剤により、酸素の共存下で分解する場合は、次の(式
6)〜(式10)の反応が起こると推測される。また、
SFを、酸化アルミニウム、酸化ランタン、及び酸化
カルシウムを有効成分として含む分解処理剤により、水
蒸気の共存下で分解する場合は、(式11)〜(式2
1)の反応が起こると推測される。
【0043】
【化1】
【0044】
【化2】
【0045】
【化3】
【0046】すなわち、本発明によりフッ化硫黄の分解
を行なう際には、酸化アルミニウムの表面にはフッ化硫
黄との反応によりフッ化アルミニウムが生成するが、フ
ッ化アルミニウムは直ちにランタノイドの酸化物、アル
カリ土類金属の酸化物と反応して酸化アルミニウムが再
生され、またフッ素はランタノイド、アルカリ土類金属
に固定されて、フッ素による酸化アルミニウムの劣化が
最小限におさえられるので、長時間連続でフッ化硫黄を
分解処理することができる。尚、前記反応式から明らか
なように、分解処理剤には、アルカリ土類金属化合物よ
りランタノイド化合物を多く含ませた方が、分解処理能
力(分解処理剤単位量当たりに対するフッ化硫黄の分解
処理量)が向上する。
【0047】また、フッ化硫黄の分解の際に生成する硫
黄酸化物は、ランタノイドの酸化物、アルカリ土類金属
の酸化物と反応して固定される。この際、酸素が共存す
る場合は、フッ化硫黄がSF以外のものであっても、
硫黄酸化物の排出及び硫黄の析出を防止することができ
る。また、水蒸気が共存する場合は、水蒸気がフッ化ア
ルミニウムと反応し酸化アルミニウムを再生するが、こ
の際、酸化アルミニウムの活性点の再生率が、ランタノ
イドの酸化物、アルカリ土類金属の酸化物によるときよ
りも良好であるため、さらに長時間の分解処理が可能で
ある。この際は腐食性ガスであるフッ化水素が一時的に
発生するが、直ちにランタノイドの酸化物、アルカリ土
類金属の酸化物と反応してフッ化物として固定されるの
で、分解処理装置からこの腐食性ガスが排出されること
はない。尚、本発明の第3の形態、第4の形態、第5の
形態によるフッ化硫黄の分解処理方法において水蒸気を
共存させた場合は、HFによる下層部の酸化アルミニウ
ムの失活を防ぐことができる。
【0048】フッ化硫黄と分解処理剤が接触する際の温
度は、フッ化硫黄の種類、濃度、流量等により異なり一
概に限定することはできないが、通常は300〜100
0℃である。分解温度が300℃以下ではフッ化硫黄の
分解率が低く、一方1000℃以上では分解処理装置に
耐熱性の高い材料が要求される不都合がある。また、フ
ッ化硫黄を分解処理する際の圧力は、通常は常圧で行わ
れるが、減圧あるいは加圧下で行なうこともできる。
【0049】本発明においてフッ化硫黄を含むガスの流
速に特に制限はないが、一般的にガス中に含有されるフ
ッ化硫黄の濃度が高いほど流速を小さくすることが好ま
しい。このため分解処理装置はフッ化硫黄の種類、濃度
等などに応じて設計されるが、通常は空筒基準線速度
(LV)が50cm/sec以下の範囲となるようにさ
れる。
【0050】図6は、本発明のフッ化硫黄の分解処理方
法を実施するための分解処理システムの一例を示す構成
図である。図6のフッ化硫黄の分解処理システムにおい
て、フッ化硫黄を含有するガス、酸素及び/または水蒸
気は、各々フッ化硫黄導入ライン9、酸素及び/または
水蒸気導入ライン10からフッ化硫黄の分解処理装置1
2に導入され、フッ化硫黄が分解処理された後、分解ガ
スの排出ライン14により排出される。尚、本発明の第
一の形態によりSFの分解処理を行なう場合は、酸素
及び/または水蒸気導入ライン10を使用することなく
分解処理を行なうこともできる。本発明においては、腐
食性ガスが排出しないので、図6に示すように分解処理
前のフッ化硫黄を含有するガスと分解処理後のガスを熱
交換器11により熱交換させることが可能である。ま
た、硫黄酸化物、フッ化水素等の腐食性ガスを浄化する
ための装置が不要である。
【0051】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【0052】実施例1 (分解処理剤の調製)市販のアルミナ触媒(平均細孔直
径130Å、純度99.9%)を100μm以下になる
まで粉砕したものと、市販の酸化ランタン粉末(純度9
9%)を、原子数の比(Al:La)が1:2となるよ
うに混合した。混合物を内径20mm、高さ5mmの型
に詰めた後、油圧ジャッキを用いて150〜160kg
/cm の圧力で30秒間加圧することにより成型して
得られた剤を破砕して、さらに篩により3.36mmの
目の開きを通過し2.00mmの目の開きを通過しない
ものを分解処理剤とした。
【0053】(分解処理試験)前記の分解処理剤を、内
径42mm、長さ1000mmのSUS316L製の分
解処理装置の内部に、図1(A)のような構成で充填長
が300mmとなるように充填した。分解処理装置の処
理剤の温度を800℃に加熱した後、SF(流量10
ml/min)を含有する窒素(合計流量877ml/
min)を分解処理装置に導入するとともに、水蒸気
(流量73ml/min)及び酸素(流量50ml/m
in)を分解処理装置に導入してSFを分解した。
【0054】この間、約20分毎に分解処理装置の排出
口から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
(フーリエ変換赤外分光光度計)及びGC−TCD(熱
伝導度検出器)によってSFの分析を行ないSF
分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して分
解処理剤1L(リットル)当たりに対するSFの分解
処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HF
の排出の有無、硫黄酸化物の排出の有無を検知管
((株)ガステック製)により調査した。その結果を表
1に示す。
【0055】実施例2,3 実施例1の分解処理剤の調製における酸化アルミニウム
と酸化ランタンの混合比を、原子数の比(Al:La)
が、各々1:6、1:1となるように混合したほかは、
実施例1と同様にして分解処理剤を調製した。これらの
分解処理剤を用いて、実施例1と同様にしてフッ化硫黄
の分解処理試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0056】実施例4,5 実施例1の分解処理試験におけるSFの濃度を各々
0.2%、2.0%に変えたほかは実施例1と同様にし
てフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表
1に示す。
【0057】実施例6 実施例1の分解処理試験におけるフッ化硫黄をSF
替えたほかは実施例1と同様にしてフッ化硫黄の分解処
理試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0058】実施例7,8 実施例1の分解処理剤の調製における酸化ランタンを、
各々水酸化ランタン、炭酸ランタンに替えたほかは実施
例1と同様にして分解処理剤を調製した。これらの分解
処理剤を用いて、実施例1と同様にしてフッ化硫黄の分
解処理試験を行なった。その結果を表1に示す。
【0059】実施例9 実施例1の分解処理試験における分解処理装置への導入
ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する窒
素(合計流量1000ml/min)のみに替えたほか
は実施例1と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験を行
なった。その結果を表1に示す。
【0060】実施例10 実施例1の分解処理試験における分解処理装置への導入
ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する窒
素(合計流量950ml/min)及び酸素(流量50
ml/min)に替えたほかは実施例1と同様にしてフ
ッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表1に
示す。
【0061】実施例11 実施例1の分解処理試験における分解処理装置への導入
ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する窒
素(合計流量927ml/min)及び水蒸気(流量7
3ml/min)に替えたほかは実施例1と同様にして
フッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表1
に示す。
【0062】実施例12 (分解処理剤の調製)市販のアルミナ触媒(平均細孔直
径130Å、純度99.9%、粒径2〜3mm)を酸化
アルミニウムの造粒物として用いた。また、市販の酸化
ランタン粉末(純度99%)を、内径20mm、高さ5
mmの型に詰めた後、油圧ジャッキ用いて150〜16
0kg/cmの圧力で30秒間加圧することにより成
型し、得られた剤を破砕して、さらに篩により3.36
mmの目の開きを通過し2.00mmの目の開きを通過
しないものを酸化ランタンの造粒物として用いた。これ
らを原子数の比(Al:La)が、1:2となるように
混合して分解処理剤を得た。
【0063】(分解処理試験)前記の分解処理剤を、内
径42mm、長さ1000mmのSUS316L製の分
解処理装置の内部に、図1(B)のような構成で充填長
が300mmとなるように充填した。分解処理装置の処
理剤の温度を800℃に加熱した後、SF(流量10
ml/min)を含有する窒素(合計流量877ml/
min)を分解処理装置に導入するとともに、水蒸気
(流量73ml/min)及び酸素(流量50ml/m
in)を分解処理装置に導入してSFを分解した。
【0064】この間、約20分毎に分解処理装置の排出
口から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
及びGC−TCDによってSFの分析を行ないSF
の分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して
分解処理剤1L(リットル)当たりに対するSFの分
解処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、H
Fの排出の有無、硫黄酸化物の排出の有無を検知管によ
り調査した。その結果を表2に示す。
【0065】実施例13,14 実施例12の分解処理剤の調製における酸化アルミニウ
ムの造粒物と酸化ランタンの造粒物を、原子数の比(A
l:La)が、各々1:6、1:1となるように混合し
たほかは、実施例12と同様にして分解処理剤を調製し
た。これらの分解処理剤を用いて、実施例12と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表2に示す。
【0066】実施例15,16 実施例12の分解処理試験におけるSFの濃度を各々
0.2%、2.0%に変えたほかは実施例12と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表2に示す。
【0067】実施例17 実施例12の分解処理試験におけるフッ化硫黄をSF
に替えたほかは実施例12と同様にしてフッ化硫黄の分
解処理試験を行なった。その結果を表2に示す。
【0068】実施例18,19 実施例12の分解処理剤の調製における酸化ランタン
を、各々水酸化ランタン、炭酸ランタンに替えたほかは
実施例12と同様にして分解処理剤を調製した。これら
の分解処理剤を用いて、実施例12と同様にしてフッ化
硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表2に示
す。
【0069】実施例20 実施例12の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量1000ml/min)のみに替えたほ
かは実施例12と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験
を行なった。その結果を表2に示す。
【0070】実施例21 実施例12の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量950ml/min)及び酸素(流量5
0ml/min)に替えたほかは実施例12と同様にし
てフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表
2に示す。
【0071】実施例22 実施例12の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量927ml/min)及び水蒸気(流量
73ml/min)に替えたほかは実施例12と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表2に示す。
【0072】実施例23 (分解処理剤の調製)市販のアルミナ触媒(平均細孔直
径130Å、純度99.9%)、及び酸化カルシウム粒
(純度99%)を各々100μm以下になるまで粉砕し
たものと、市販の酸化ランタン粉末(純度99%)を、
原子数の比(Al:La:Ca)が5:9:1となるよ
うに混合した。混合物を内径20mm、高さ5mmの型
に詰めた後、油圧ジャッキを用いて150〜160kg
/cmの圧力で30秒間加圧することにより成型して
得られた剤を破砕して、さらに篩により3.36mmの
目の開きを通過し2.00mmの目の開きを通過しない
ものを分解処理剤とした。
【0073】(分解処理試験)前記の分解処理剤を、内
径42mm、長さ1000mmのSUS316L製の分
解処理装置の内部に、図2(A)のような構成で充填長
が300mmとなるように充填した。分解処理装置の処
理剤の温度を800℃に加熱した後、SF(流量10
ml/min)を含有する窒素(合計流量877ml/
min)を分解処理装置に導入するとともに、水蒸気
(流量73ml/min)及び酸素(流量50ml/m
in)を分解処理装置に導入してSFを分解した。
【0074】この間、約20分毎に分解処理装置の排出
口から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
及びGC−TCDによってSFの分析を行ないSF
の分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して
分解処理剤1L(リットル)当たりに対するSFの分
解処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、H
Fの排出の有無、硫黄酸化物の排出の有無を検知管によ
り調査した。その結果を表3に示す。
【0075】実施例24,25 実施例23の分解処理剤の調製における原子数の比(A
l:La:Ca)を各々2:9:1、10:9:1とな
るように混合したほかは、実施例23と同様にして分解
処理剤を調製した。これらの分解処理剤を用いて、実施
例23と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験を行なっ
た。その結果を表3に示す。
【0076】実施例26,27 実施例23の分解処理試験におけるSFの濃度を各々
0.2%、2.0%に変えたほかは実施例23と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表3に示す。
【0077】実施例28 実施例23の分解処理試験におけるフッ化硫黄をSF
に替えたほかは実施例23と同様にしてフッ化硫黄の分
解処理試験を行なった。その結果を表3に示す。
【0078】実施例29,30 実施例23の分解処理剤の調製における酸化カルシウム
を、各々酸化マグネシウム、酸化ストロンチウムに替え
たほかは実施例23と同様にして分解処理剤を調製し
た。これらの分解処理剤を用いて、実施例23と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表3に示す。
【0079】実施例31 実施例23の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量1000ml/min)のみに替えたほ
かは実施例23と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験
を行なった。その結果を表3に示す。
【0080】実施例32 実施例23の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量950ml/min)及び酸素(流量5
0ml/min)に替えたほかは実施例23と同様にし
てフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表
3に示す。
【0081】実施例33 実施例23の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量927ml/min)及び水蒸気(流量
73ml/min)に替えたほかは実施例23と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表3に示す。
【0082】実施例34 (分解処理剤の調製)市販のアルミナ触媒(平均細孔直
径130Å、純度99.9%、粒径2〜3mm)を酸化
アルミニウムの造粒物として用いた。また、市販の酸化
ランタン粉末(純度99%)を、内径20mm、高さ5
mmの型に詰めた後、油圧ジャッキ用いて150〜16
0kg/cmの圧力で30秒間加圧することにより成
型し、得られた剤を破砕して、さらに篩により3.36
mmの目の開きを通過し2.00mmの目の開きを通過
しないものを酸化ランタンの造粒物として用いた。さら
に、市販の酸化カルシウム粒(純度99%)を100μ
m以下になるまで粉砕した後、前記と同様に成型し、破
砕、篩分けしたものを酸化カルシウムの造粒物として用
いた。これらを原子数の比(Al:La:Ca)が5:
9:1となるように混合して分解処理剤を得た。
【0083】(分解処理試験)前記の分解処理剤を、内
径42mm、長さ1000mmのSUS316L製の分
解処理装置の内部に、図2(B)のような構成で充填長
が300mmとなるように充填した。分解処理装置の処
理剤の温度を800℃に加熱した後、SF(流量10
ml/min)を含有する窒素(合計流量877ml/
min)を分解処理装置に導入するとともに、水蒸気
(流量73ml/min)及び酸素(流量50ml/m
in)を分解処理装置に導入してSFを分解した。
【0084】この間、約20分毎に分解処理装置の排出
口から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
及びGC−TCDによってSFの分析を行ないSF
の分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して
分解処理剤1L(リットル)当たりに対するSFの分
解処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、H
Fの排出の有無、硫黄酸化物の排出の有無を検知管によ
り調査した。その結果を表4に示す。
【0085】実施例35,36 実施例34の分解処理剤の調製における原子数の比(A
l:La:Ca)を各々2:9:1、10:9:1とな
るように混合したほかは、実施例34と同様にして分解
処理剤を調製した。これらの分解処理剤を用いて、実施
例34と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験を行なっ
た。その結果を表4に示す。
【0086】実施例37,38 実施例34の分解処理試験におけるSFの濃度を各々
0.2%、2.0%に変えたほかは実施例34と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表4に示す。
【0087】実施例39 実施例34の分解処理試験におけるフッ化硫黄をSF
に替えたほかは実施例34と同様にしてフッ化硫黄の分
解処理試験を行なった。その結果を表4に示す。
【0088】実施例40,41 実施例34の分解処理剤の調製における酸化カルシウム
を、各々酸化マグネシウム、酸化ストロンチウムに替え
たほかは実施例34と同様にして分解処理剤を調製し
た。これらの分解処理剤を用いて、実施例34と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表4に示す。
【0089】実施例42 実施例34の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量1000ml/min)のみに替えたほ
かは実施例34と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験
を行なった。その結果を表4に示す。
【0090】実施例43 実施例34の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量950ml/min)及び酸素(流量5
0ml/min)に替えたほかは実施例34と同様にし
てフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表
4に示す。
【0091】実施例44 実施例34の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量927ml/min)及び水蒸気(流量
73ml/min)に替えたほかは実施例34と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表4に示す。
【0092】実施例45 (分解処理剤の調製)市販のアルミナ触媒(平均細孔直
径130Å、純度99.9%、粒径2〜3mm)を酸化
アルミニウムの造粒物として用いた。また、市販の酸化
カルシウム粒(純度99%)を100μm以下になるま
で粉砕したものと、市販の酸化ランタン粉末(純度99
%)を、原子数の比(La:Ca)が9:1となるよう
に混合した。混合物を内径20mm、高さ5mmの型に
詰めた後、油圧ジャッキを用いて150〜160kg/
cmの圧力で30秒間加圧することにより成型して得
られた剤を破砕して、さらに篩により3.36mmの目
の開きを通過し2.00mmの目の開きを通過しないも
のを混合造粒物とした。さらに、酸化アルミニウムの造
粒物と、酸化ランタン及び酸化カルシウムの混合造粒物
を、原子数の比(Al:La:Ca)が5:9:1とな
るように混合して分解処理剤を得た。
【0093】(分解処理試験)前記の分解処理剤を、内
径42mm、長さ1000mmのSUS316L製の分
解処理装置の内部に、図2(C)のような構成で充填長
が300mmとなるように充填した。分解処理装置の処
理剤の温度を800℃に加熱した後、SF(流量10
ml/min)を含有する窒素(合計流量877ml/
min)を分解処理装置に導入するとともに、水蒸気
(流量73ml/min)及び酸素(流量50ml/m
in)を分解処理装置に導入してSFを分解した。
【0094】この間、約20分毎に分解処理装置の排出
口から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
及びGC−TCDによってSFの分析を行ないSF
の分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して
分解処理剤1L(リットル)当たりに対するSFの分
解処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、H
Fの排出の有無、硫黄酸化物の排出の有無を検知管によ
り調査した。その結果を表5に示す。
【0095】実施例46,47 実施例45の分解処理剤の調製における原子数の比(A
l:La:Ca)を各々2:9:1、10:9:1とな
るように混合したほかは、実施例45と同様にして分解
処理剤を調製した。これらの分解処理剤を用いて、実施
例45と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験を行なっ
た。その結果を表5に示す。
【0096】実施例48,49 実施例45の分解処理試験におけるSFの濃度を各々
0.2%、2.0%に変えたほかは実施例45と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表5に示す。
【0097】実施例50 実施例45の分解処理試験におけるフッ化硫黄をSF
に替えたほかは実施例45と同様にしてフッ化硫黄の分
解処理試験を行なった。その結果を表5に示す。
【0098】実施例51,52 実施例45の分解処理剤の調製における酸化カルシウム
を、各々水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウムに
替えたほかは実施例45と同様にして分解処理剤を調製
した。これらの分解処理剤を用いて、実施例45と同様
にしてフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果
を表5に示す。
【0099】実施例53 実施例45の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量1000ml/min)のみに替えたほ
かは実施例45と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験
を行なった。その結果を表5に示す。
【0100】実施例54 実施例45の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量950ml/min)及び酸素(流量5
0ml/min)に替えたほかは実施例45と同様にし
てフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表
5に示す。
【0101】実施例55 実施例45の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量927ml/min)及び水蒸気(流量
73ml/min)に替えたほかは実施例45と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表5に示す。
【0102】実施例56 (処理剤の調製)市販のアルミナ触媒(平均細孔直径1
30Å、純度99.9%、粒径2〜3mm)を酸化アル
ミニウムの造粒物から成る処理剤として用いた。また、
市販の酸化ランタン粉末(純度99%)を、内径20m
m、高さ5mmの型に詰めた後、油圧ジャッキ用いて1
50〜160kg/cmの圧力で30秒間加圧するこ
とにより成型し、得られた剤を破砕して、さらに篩によ
り3.36mmの目の開きを通過し2.00mmの目の
開きを通過しないものを酸化ランタンの造粒物から成る
処理剤として用いた。
【0103】(分解処理試験)前記の処理剤を、内径4
2mm、長さ1000mmのSUS316L製の分解処
理装置の内部に、図3のような構成で原子数の比(A
l:La)が1:2となるように交互に4層ずつ充填し
た(全充填長600mm)。分解処理装置の処理剤の温
度を800℃に加熱した後、SF(流量10ml/m
in)を含有する窒素(合計流量877ml/min)
を分解処理装置に導入するとともに、水蒸気(流量73
ml/min)及び酸素(流量50ml/min)を分
解処理装置に導入してSFを分解した。
【0104】この間、約20分毎に分解処理装置の排出
口から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
及びGC−TCDによってSFの分析を行ないSF
の分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して
分解処理剤1L(リットル)当たりに対するSFの分
解処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、H
Fの排出の有無、硫黄酸化物の排出の有無を検知管によ
り調査した。その結果を表6に示す。
【0105】実施例57,58 実施例56の分解処理試験における酸化アルミニウムの
原子数と酸化ランタンの原子数の比(Al:La)が、
各々1:6、1:1となるように処理剤を積層したほか
は、実施例56と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験
を行なった。その結果を表6に示す。
【0106】実施例59,60 実施例56の分解処理試験におけるSFの濃度を各々
0.2%、2.0%に変えたほかは実施例56と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表6に示す。
【0107】実施例61 実施例56の分解処理試験におけるフッ化硫黄をSF
に替えたほかは実施例56と同様にしてフッ化硫黄の分
解処理試験を行なった。その結果を表6に示す。
【0108】実施例62,63 実施例56の分解処理剤の調製における酸化カルシウム
を、各々水酸化ランタン、炭酸ランタンに替えたほかは
実施例56と同様にして分解処理剤を調製した。これら
の分解処理剤を用いて、実施例56と同様にしてフッ化
硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表6に示
す。
【0109】実施例64 実施例56の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量1000ml/min)のみに替えたほ
かは実施例56と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験
を行なった。その結果を表6に示す。
【0110】実施例65 実施例56の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量950ml/min)及び酸素(流量5
0ml/min)に替えたほかは実施例56と同様にし
てフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表
6に示す。
【0111】実施例66 実施例56の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量927ml/min)及び水蒸気(流量
73ml/min)に替えたほかは実施例56と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表6に示す。
【0112】実施例67 (処理剤の調製)市販のアルミナ触媒(平均細孔直径1
30Å、純度99.9%、粒径2〜3mm)を酸化アル
ミニウムの造粒物から成る処理剤として用いた。また、
市販の酸化ランタン粉末(純度99%)を、内径20m
m、高さ5mmの型に詰めた後、油圧ジャッキ用いて1
50〜160kg/cmの圧力で30秒間加圧するこ
とにより成型し、得られた剤を破砕して、さらに篩によ
り3.36mmの目の開きを通過し2.00mmの目の
開きを通過しないものを酸化ランタンの造粒物から成る
処理剤として用いた。さらに、市販の酸化カルシウム粒
(純度99%)を100μm以下になるまで粉砕した
後、前記と同様に成型し、破砕、篩分けしたものを酸化
カルシウムの造粒物から成る処理剤として用いた。
【0113】(分解処理試験)前記の処理剤を、内径4
2mm、長さ1000mmのSUS316L製の分解処
理装置の内部に、図4(A)のような構成で原子数の比
(Al:La:Ca)が5:9:1となるように交互に
4層ずつ充填した(全充填長600mm)。分解処理装
置の処理剤の温度を800℃に加熱した後、SF(流
量10ml/min)を含有する窒素(合計流量877
ml/min)を分解処理装置に導入するとともに、水
蒸気(流量73ml/min)及び酸素(流量50ml
/min)を分解処理装置に導入してSFを分解し
た。
【0114】この間、約20分毎に分解処理装置の排出
口から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
及びGC−TCDによってSFの分析を行ないSF
の分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して
分解処理剤1L(リットル)当たりに対するSFの分
解処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、H
Fの排出の有無、硫黄酸化物の排出の有無を検知管によ
り調査した。その結果を表7に示す。
【0115】実施例68 実施例67の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量1000ml/min)のみに替えたほ
かは実施例67と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験
を行なった。その結果を表7に示す。
【0116】実施例69 実施例67の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量950ml/min)及び酸素(流量5
0ml/min)に替えたほかは実施例67と同様にし
てフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表
7に示す。
【0117】実施例70 実施例67の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量927ml/min)及び水蒸気(流量
73ml/min)に替えたほかは実施例67と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表7に示す。
【0118】実施例71 実施例67と同様にして調製した処理剤を、内径42m
m、長さ1000mmのSUS316L製の分解処理装
置の内部に、図4(B)のような構成で原子数の比(A
l:La:Ca)が5:9:1となるように交互に4層
ずつ充填した(全充填長600mm)。分解処理装置の
処理剤の温度を800℃に加熱した後、SF(流量1
0ml/min)を含有する窒素(合計流量877ml
/min)を分解処理装置に導入するとともに、水蒸気
(流量73ml/min)及び酸素(流量50ml/m
in)を分解処理装置に導入してSFを分解した。
【0119】この間、約20分毎に分解処理装置の排出
口から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
及びGC−TCDによってSFの分析を行ないSF
の分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して
分解処理剤1L(リットル)当たりに対するSFの分
解処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、H
Fの排出の有無、硫黄酸化物の排出の有無を検知管によ
り調査した。その結果を表8に示す。
【0120】実施例72 実施例71の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量1000ml/min)のみに替えたほ
かは実施例71と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験
を行なった。その結果を表8に示す。
【0121】実施例73 実施例71の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量950ml/min)及び酸素(流量5
0ml/min)に替えたほかは実施例71と同様にし
てフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表
8に示す。
【0122】実施例74 実施例71の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量927ml/min)及び水蒸気(流量
73ml/min)に替えたほかは実施例71と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表8に示す。
【0123】実施例75 (処理剤の調製)市販のアルミナ触媒(平均細孔直径1
30Å、純度99.9%、粒径2〜3mm)を酸化アル
ミニウムの造粒物から成る処理剤として用いた。また、
市販の酸化カルシウム粒(純度99%)を100μm以
下になるまで粉砕したものと、市販の酸化ランタン粉末
(純度99%)を、原子数の比(La:Ca)が9:1
となるように混合した。混合物を内径20mm、高さ5
mmの型に詰めた後、油圧ジャッキを用いて150〜1
60kg/cmの圧力で30秒間加圧することにより
成型して得られた剤を破砕して、さらに篩により3.3
6mmの目の開きを通過し2.00mmの目の開きを通
過しないものを酸化ランタン及び酸化カルシウムから成
る処理剤とした。
【0124】(分解処理試験)前記の処理剤を、内径4
2mm、長さ1000mmのSUS316L製の分解処
理装置の内部に、図5(A)のような構成で原子数の比
(Al:La:Ca)が5:9:1となるように交互に
4層ずつ充填した(全充填長600mm)。分解処理装
置の処理剤の温度を800℃に加熱した後、SF(流
量10ml/min)を含有する窒素(合計流量877
ml/min)を分解処理装置に導入するとともに、水
蒸気(流量73ml/min)及び酸素(流量50ml
/min)を分解処理装置に導入してSFを分解し
た。
【0125】この間、約20分毎に分解処理装置の排出
口から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
及びGC−TCDによってSFの分析を行ないSF
の分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して
分解処理剤1L(リットル)当たりに対するSFの分
解処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、H
Fの排出の有無、硫黄酸化物の排出の有無を検知管によ
り調査した。その結果を表9に示す。
【0126】実施例76 実施例75の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量1000ml/min)のみに替えたほ
かは実施例75と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験
を行なった。その結果を表9に示す。
【0127】実施例77 実施例75の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量950ml/min)及び酸素(流量5
0ml/min)に替えたほかは実施例75と同様にし
てフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表
9に示す。
【0128】実施例78 実施例75の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量927ml/min)及び水蒸気(流量
73ml/min)に替えたほかは実施例75と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表9に示す。
【0129】実施例79 (処理剤の調製)市販のアルミナ触媒(平均細孔直径1
30Å、純度99.9%、粒径2〜3mm)を酸化アル
ミニウムの造粒物から成る処理剤として用いた。また、
市販の酸化ランタン粉末(純度99%)を、内径20m
m、高さ5mmの型に詰めた後、油圧ジャッキ用いて1
50〜160kg/cmの圧力で30秒間加圧するこ
とにより成型し、得られた剤を破砕して、さらに篩によ
り3.36mmの目の開きを通過し2.00mmの目の
開きを通過しないものを酸化ランタンの造粒物として用
いた。さらに、市販の酸化カルシウム粒(純度99%)
を100μm以下になるまで粉砕した後、前記と同様に
成型し、破砕、篩分けしたものを酸化カルシウムの造粒
物として用いた。これらの造粒物を原子数の比(La:
Ca)が9:1となるように混合して、酸化ランタン及
び酸化カルシウムから成る処理剤として用いた。
【0130】(分解処理試験)前記の処理剤を、内径4
2mm、長さ1000mmのSUS316L製の分解処
理装置の内部に、図5(B)のような構成で原子数の比
(Al:La:Ca)が5:9:1となるように交互に
4層ずつ充填した(全充填長600mm)。分解処理装
置の処理剤の温度を800℃に加熱した後、SF(流
量10ml/min)を含有する窒素(合計流量877
ml/min)を分解処理装置に導入するとともに、水
蒸気(流量73ml/min)及び酸素(流量50ml
/min)を分解処理装置に導入してSFを分解し
た。
【0131】この間、約20分毎に分解処理装置の排出
口から排出される分解ガスの一部を採取し、FT−IR
及びGC−TCDによってSFの分析を行ないSF
の分解率が99.9%以下になるまでの時間を測定して
分解処理剤1L(リットル)当たりに対するSFの分
解処理量(L)(分解処理能力)を求めるとともに、H
Fの排出の有無、硫黄酸化物の排出の有無を検知管によ
り調査した。その結果を表10に示す。
【0132】実施例80 実施例79の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量1000ml/min)のみに替えたほ
かは実施例79と同様にしてフッ化硫黄の分解処理試験
を行なった。その結果を表10に示す。
【0133】実施例81 実施例79の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量950ml/min)及び酸素(流量5
0ml/min)に替えたほかは実施例79と同様にし
てフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を表
10に示す。
【0134】実施例82 実施例79の分解処理試験における分解処理装置への導
入ガスを、SF(流量10ml/min)を含有する
窒素(合計流量927ml/min)及び水蒸気(流量
73ml/min)に替えたほかは実施例79と同様に
してフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結果を
表10に示す。
【0135】実施例83〜86 実施例23の分解処理剤の調製における原子数の比(A
l:La:Ca)を各々(5:7:3)、(5:5:
5)、(5:3:7)、(5:1:9)となるように混
合したほかは、実施例23と同様にして分解処理剤を調
製した。これらの分解処理剤を用いて、実施例23と同
様にしてフッ化硫黄の分解処理試験を行なった。その結
果を表11に示す。
【0136】実施例87〜89 実施例1の分解処理剤の調製における平均細孔直径13
0Åの細孔を有するアルミナ触媒を、各々平均細孔直径
30Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径80
Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径230Å
の細孔を有するアルミナ触媒に替えたほかは実施例1と
同様にして分解処理剤を調製した。これらの分解処理剤
を用いて、実施例1と同様にしてフッ化硫黄の分解処理
試験を行なった。その結果を表12に示す。
【0137】実施例90〜92 実施例1の分解処理剤の調製における平均細孔直径13
0Åの細孔を有するアルミナ触媒を、各々平均細孔直径
30Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径80
Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径230Å
の細孔を有するアルミナ触媒に替えたほかは実施例1と
同様にして分解処理剤を調製した。これらの分解処理剤
を用いて、実施例9と同様にしてフッ化硫黄の分解処理
試験を行なった。その結果を表12に示す。
【0138】実施例93〜95 実施例1の分解処理剤の調製における平均細孔直径13
0Åの細孔を有するアルミナ触媒を、各々平均細孔直径
30Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径80
Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径230Å
の細孔を有するアルミナ触媒に替えたほかは実施例1と
同様にして分解処理剤を調製した。これらの分解処理剤
を用いて、実施例10と同様にしてフッ化硫黄の分解処
理試験を行なった。その結果を表12に示す。
【0139】実施例96〜98 実施例1の分解処理剤の調製における平均細孔直径13
0Åの細孔を有するアルミナ触媒を、各々平均細孔直径
30Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径80
Åの細孔を有するアルミナ触媒、平均細孔直径230Å
の細孔を有するアルミナ触媒に替えたほかは実施例1と
同様にして分解処理剤を調製した。これらの分解処理剤
を用いて、実施例11と同様にしてフッ化硫黄の分解処
理試験を行なった。その結果を表12に示す。
【0140】比較例1 市販のアルミナ触媒(平均細孔直径130Å、純度9
9.9%、粒径2〜3mm)を酸化アルミニウムの造粒
物から成る分解処理剤として用いた。この分解処理剤
を、内径42mm、長さ1000mmのSUS316L
製の分解処理装置の内部に、充填長が300mmとなる
ように充填した。分解処理装置の分解処理剤の温度を8
00℃に加熱した後、SF(流量10ml/min)
を含有する窒素(合計流量950ml/min)を分解
処理装置に導入するとともに、酸素(流量50ml/m
in)を分解処理装置に導入してSFを分解した。
【0141】この間、実施例1と同様にSFの分解率
が99.9%以下になるまでの時間を測定して分解処理
剤1L(リットル)当たりに対するSFの分解処理量
(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HFの排出
の有無、硫黄酸化物の排出の有無を検知管により調査し
た。その結果を表12に示す。
【0142】比較例2 市販のアルミナ触媒(平均細孔直径130Å、純度9
9.9%、粒径2〜3mm)を酸化アルミニウムの造粒
物から成る分解処理剤として用いた。この分解処理剤
を、内径42mm、長さ1000mmのSUS316L
製の分解処理装置の内部に、充填長が300mmとなる
ように充填した。分解処理装置の分解処理剤の温度を8
00℃に加熱した後、SF(流量10ml/min)
を含有する窒素(合計流量877ml/min)を分解
処理装置に導入するとともに、水蒸気(流量73ml/
min)及び酸素(流量50ml/min)を分解処理
装置に導入してSFを分解した。
【0143】この間、実施例1と同様にSFの分解率
が99.9%以下になるまでの時間を測定して分解処理
剤1L(リットル)当たりに対するSFの分解処理量
(L)(分解処理能力)を求めるとともに、HFの排出
の有無、硫黄酸化物の排出の有無を検知管により調査し
た。その結果を表12に示す。
【0144】
【表1】
【0145】
【表2】
【0146】
【表3】
【0147】
【表4】
【0148】
【表5】
【0149】
【表6】
【0150】
【表7】
【0151】
【表8】
【0152】
【表9】
【0153】
【表10】
【0154】
【表11】
【0155】
【表12】
【0156】
【表13】
【0157】
【発明の効果】本発明のフッ化硫黄の分解処理剤及び分
解処理方法により、半導体製造工程等から排出される排
ガスに含まれるSF等のフッ化硫黄を、短時間で分解
処理剤が失活することなく、硫黄酸化物、フッ化水素等
の腐食性ガスを排出させることなく、1000℃以下の
比較的低い温度で、99.9%以上の分解率で分解する
ことが可能になった。また、分解処理装置から排出する
分解ガスに硫黄酸化物、フッ化水素等の腐食性ガスが含
まれないため、これを浄化するための浄化装置が不要と
なるほか、分解処理前のフッ化硫黄を含有するガスと分
解処理後のガスを熱交換器により熱交換させることが可
能となり熱エネルギーの損失を抑制することができるよ
うになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ化硫黄の分解処理方法(第1の形
態)を実施するための分解処理装置の例を示す断面図
【図2】本発明のフッ化硫黄の分解処理方法(第2の形
態)を実施するための分解処理装置の例を示す断面図
【図3】本発明のフッ化硫黄の分解処理方法(第3の形
態)を実施するための分解処理装置の例を示す断面図
【図4】本発明のフッ化硫黄の分解処理方法(第4の形
態)を実施するための分解処理装置の例を示す断面図
【図5】本発明のフッ化硫黄の分解処理方法(第5の形
態)を実施するための分解処理装置の例を示す断面図
【図6】本発明のフッ化硫黄の分解処理方法を実施する
ための分解処理システムの例を示す構成図
【符号の説明】
1 アルミニウム化合物の造粒物 2 ランタノイド化合物の造粒物 3 アルカリ土類金属化合物の造粒物 4 アルミニウム化合物及びランタノイド化合物を混合
し造粒して成る造粒物 5 アルミニウム化合物、ランタノイド化合物、及びア
ルカリ土類金属化合物を混合し造粒して成る造粒物 6 ランタノイド化合物及びアルカリ土類金属化合物を
混合し造粒して成る造粒物 7 ヒーター 8 温度センサー 9 フッ化硫黄導入ライン 10 酸素及び/または水蒸気導入ライン 11 熱交換器 12 フッ化硫黄の分解処理装置 13 温度制御器 14 分解ガスの排出ライン 15 冷却器 16 ブロワー
フロントページの続き (72)発明者 越智 幸史 神奈川県平塚市田村5181番地 日本パイオ ニクス株式会社平塚研究所内 Fターム(参考) 4D002 AA22 AC10 BA03 BA20 CA07 DA11 DA16 DA21 DA46 GA01 GA03 GB06 GB11 GB12 5F004 AA16 BC02 BC08 BD04 DA18

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム化合物及びランタノイド化
    合物を有効成分として含むことを特徴とするフッ化硫黄
    の分解処理剤。
  2. 【請求項2】 アルミニウム化合物、ランタノイド化合
    物、及びアルカリ土類金属化合物を有効成分として含む
    ことを特徴とするフッ化硫黄の分解処理剤。
  3. 【請求項3】 アルミニウム化合物とランタノイド化合
    物を混合し造粒して成る請求項1に記載のフッ化硫黄の
    分解処理剤。
  4. 【請求項4】 アルミニウム化合物の造粒物とランタノ
    イド化合物の造粒物を混合して成る請求項1に記載のフ
    ッ化硫黄の分解処理剤。
  5. 【請求項5】 アルミニウム化合物、ランタノイド化合
    物、及びアルカリ土類金属化合物を混合し造粒して成る
    請求項2に記載のフッ化硫黄の分解処理剤。
  6. 【請求項6】 アルミニウム化合物の造粒物、ランタノ
    イド化合物の造粒物、及びアルカリ土類金属化合物の造
    粒物を混合して成る請求項2に記載のフッ化硫黄の分解
    処理剤。
  7. 【請求項7】 アルミニウム化合物の造粒物と、ランタ
    ノイド化合物及びアルカリ土類金属化合物の混合造粒物
    を混合して成る請求項2に記載のフッ化硫黄の分解処理
    剤。
  8. 【請求項8】 分解処理剤に含まれるアルミニウムの原
    子数とランタノイドの原子数の比が、1:0.1〜10
    である請求項1に記載のフッ化硫黄の分解処理剤。
  9. 【請求項9】 分解処理剤に含まれるアルミニウムの原
    子数と、ランタノイドの原子数及びアルカリ土類金属化
    合物の原子数を合せた原子数の比が、1:0.1〜10
    である請求項2に記載のフッ化硫黄の分解処理剤。
  10. 【請求項10】 分解処理剤に含まれるランタノイドの
    原子数と、アルカリ土類金属化合物の原子数の比が、
    (1:2以下)である請求項2に記載のフッ化硫黄の分
    解処理剤。
  11. 【請求項11】 ランタノイドが、ランタン、セリウ
    ム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、及びユーロ
    ピウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1また
    は請求項2に記載のフッ化硫黄の分解処理剤。
  12. 【請求項12】 ランタノイド化合物が、ランタノイド
    の酸化物、水酸化物、炭酸塩、及び硝酸塩から選ばれる
    少なくとも1種である請求項1または請求項2に記載の
    フッ化硫黄の分解処理剤。
  13. 【請求項13】 アルミニウム化合物が、酸化アルミニ
    ウムまたは水酸化アルミニウムである請求項1または請
    求項2に記載のフッ化硫黄の分解処理剤。
  14. 【請求項14】 酸化アルミニウムが、平均細孔直径5
    0〜200Åの細孔を有する酸化アルミニウムである請
    求項13に記載のフッ化硫黄の分解処理剤。
  15. 【請求項15】 アルカリ土類金属化合物が、アルカリ
    土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、及び硝酸塩から
    選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載のフッ化
    硫黄の分解処理剤。
  16. 【請求項16】 分解処理剤中の重量割合として、有効
    成分が70%以上含まれる請求項1または請求項2に記
    載のフッ化硫黄の分解処理剤。
  17. 【請求項17】 フッ化硫黄が六フッ化硫黄である請求
    項1または請求項2に記載のフッ化硫黄の分解処理剤。
  18. 【請求項18】 フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下
    で、酸化アルミニウム及びランタノイドの酸化物を有効
    成分として含む分解処理剤と接触させてフッ化硫黄を分
    解することを特徴とするフッ化硫黄の分解処理方法。
  19. 【請求項19】 フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下
    で、酸化アルミニウム、ランタノイドの酸化物、及びア
    ルカリ土類金属の酸化物を有効成分として含む分解処理
    剤と接触させてフッ化硫黄を分解することを特徴とする
    フッ化硫黄の分解処理方法。
  20. 【請求項20】 フッ化硫黄を含有するガスを、酸素及
    び/または水蒸気の共存下で、分解処理剤と接触させて
    フッ化硫黄を分解する請求項18または請求項19に記
    載のフッ化硫黄の分解処理方法。
  21. 【請求項21】 フッ化硫黄を含有するガスと分解処理
    剤の接触温度が、300〜1000℃である請求項18
    または請求項19に記載のフッ化硫黄の分解処理方法。
  22. 【請求項22】 失活した分解処理剤を順次反応系から
    排出するとともに、新規分解処理剤を反応系に供給する
    請求項18または請求項19に記載のフッ化硫黄の分解
    処理方法。
  23. 【請求項23】 フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下
    で、酸化アルミニウムを有効成分として含む処理剤と接
    触させた後、ランタノイドの酸化物を有効成分として含
    む処理剤と接触させてフッ化硫黄を分解することを特徴
    とするフッ化硫黄の分解処理方法。
  24. 【請求項24】 フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下
    で、酸化アルミニウムを有効成分として含む処理剤と接
    触させた後、ランタノイドの酸化物を有効成分として含
    む処理剤及びアルカリ土類金属の酸化物を有効成分とし
    て含む処理剤と接触させてフッ化硫黄を分解することを
    特徴とするフッ化硫黄の分解処理方法。
  25. 【請求項25】 フッ化硫黄を含有するガスを、加熱下
    で、酸化アルミニウムを有効成分として含む処理剤と接
    触させた後、ランタノイドの酸化物及びアルカリ土類金
    属の酸化物を有効成分として含む処理剤と接触させてフ
    ッ化硫黄を分解することを特徴とするフッ化硫黄の分解
    処理方法。
  26. 【請求項26】 フッ化硫黄を含有するガスを、酸素及
    び/または水蒸気の共存下で、処理剤と接触させてフッ
    化硫黄を分解する請求項23、請求項24、または請求
    項25に記載のフッ化硫黄の分解処理方法。
  27. 【請求項27】 フッ化硫黄を含有するガスと処理剤の
    接触温度が、300〜1000℃である請求項23、請
    求項24、または請求項25に記載のフッ化硫黄の分解
    処理方法。
  28. 【請求項28】 分解処理前のフッ化硫黄を含有するガ
    スと分解処理後のガスを熱交換させる請求項18、請求
    項19、請求項23、請求項24、または請求項25に
    記載のフッ化硫黄の分解処理方法。
  29. 【請求項29】 フッ化硫黄が六フッ化硫黄である請求
    項18、請求項19、請求項23、請求項24、または
    請求項25に記載のフッ化硫黄の分解処理方法。
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