JP4300258B2 - 地球温暖化ガスの触媒分解方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素、ハロゲン元素と炭素よりなる化合物、又は水素、ハロゲン元素と窒素または硫黄からなる化合物(以下地球温暖化ガスと云う)を分解する方法に関する。詳しくは、特定の触媒の存在の下に地球温暖化ガスを水蒸気または水蒸気と分子状酸素により気相で分解する地球温暖化ガスの触媒分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記地球温暖化ガスの分解に関しては、燃焼法(WO94/05399)がありCF4 を十分な滞留時間をかけて燃焼させている。また燃焼装置(特開平8−309147)の改良も提案されているが、処理能力の問題や高価な材質が必要である。爆轟法(特開平6−5 4 9 2 5)が提案されているが完全分解には適するが、連続的大量処理には課題がある。その他一般的に開発研究されている方法としてはセメントキルン燃焼法、プラズマ分解法、超臨界水法、触媒分解法などがある。それぞれには課題があり、セメントキルン燃焼法は地域性があり一般的な処理設備ではない。プラズマ分解法は装置の大型化と用役費が一般には問題である。超臨界水法は高温高圧条件であり設備的にも運転面でも課題がある。触媒分解法は燃焼法に比べ比較的低温であり設備的にも有利である。また少量分解も可能で小規模な手軽さもあるが触媒寿命に代表される性能向上が大きな課題である。
【0003】
地球温暖化ガスの触媒分解法の中で例えば、フッ素化合物ガスの触媒分解法としては、特公平6104183号公報において塩素を含むフルオロカーボン類(C2C13F3、C C12F2、CHC1F2、CC1F3など)は100%分解しているが、フッ化炭素であるCF4は550℃を越える高温においても分解活性を示さなかったと記載してある。分解触媒としての困難さを示している。
【0004】
分解剤としての提案がなされている。特開昭6135849においても活性炭にアルカリ土類金属の塩を担持させた処理剤で、フッ化炭素も含むガスを処理する方法がある。特開平8257359号公報では固体水素化物との反応除去を提案している。特開平7116466号公報、特開平7132211号公報において1100℃以上の高温において分解剤にて更にはフッ化水素を共存させたりしてフッ化炭素を分解処理している。これらの分解剤は処理とともに消費し少なくとも処理量以上に補給しなければいけないから、極めて不経済であり、大量処理には不向きであることは言うまでもない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
地球温暖化ガスの接触分解法に関し、燃焼法、爆轟法に比べ、比較的低温であり小型設備も可能であるという長所があるが、最大の問題は触媒的に分解活性を示しかつ寿命の長い触媒が望まれていた。
上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、比較的低温条件下、地球温暖化ガス用分解触媒の活性を示しかつ長寿命化を達成し、本発明はそれを用いる地球温暖化ガスの触媒分解方法を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
地球温暖化ガス例えばフッ化炭素を水蒸気または水蒸気と分子状酸素の存在下で分解する反応においては、フッ化水素が副生する。触媒分解法に用いられる従来触媒の多くは金属酸化物を主成分とするが、金属酸化物の生成自由エネルギーよりも金属フッ化物の生成自由エネルギーの方が負に大きいためフッ化水素が共存すると金属酸化物は徐々にフッ化物に変化する。
本発明は上記課題を解決するため鋭意研究した結果、気相にてフッ素化合物ガスを水蒸気または水蒸気と分子状酸素の存在下で分解する反応において、硫酸塩を単独で触媒に用いることによって地球温暖化ガスを経済的に安価で効率よく接触分解させる地球温暖化ガスの触媒分解方法であり、その特徴は次の通りである。
(1)、水素、ハロゲン元素と炭素よりなる化合物、又は水素、ハロゲン元素と窒素または硫黄からなる化合物(以下地球温暖化ガスと云う)に、水蒸気または水蒸気と分子状酸素を存在させた雰囲気にし且つ所定の分解反応用の温度で、触媒を用いて前記地球温暖化ガスを気相にて分解するに際して、
前記地球温暖化ガスの濃度を0.01mol%〜70mol%とし、前記水分濃度を10mol%〜70mol%とし、前記分子状酸素の濃度を50mol%以下とし、分解反応用温度を250〜1000℃とし、前記触媒として、アルミニウム、ホウ素、Ca、Sr、ジルコニウム、イットリウム、希土類金属、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の元素の硫酸塩からなる触媒を用いて、前記地球温暖化ガスを接触分解することを特徴とする地球温暖化ガスの触媒分解方法。
(2)、水素、ハロゲン元素と炭素よりなる化合物、又は水素、ハロゲン元素と窒素または硫黄からなる化合物(以下地球温暖化ガスと云う)に、水蒸気または水蒸気と分子状酸素を存在させた雰囲気に、炭酸ガス、酸素、窒素、アルゴン、ヘリュウム、空気、の単独又は複数の混合ガスを混入することを特徴とする上記(1)に記載の地球温暖化ガスの触媒分解方法。
(3)、前記地球温暖化ガスの炭素数が1から6であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の地球温暖化ガスの触媒分解方法。
【0007】
以下、本発明の地球温暖化ガスの触媒分解方法について詳細に説明する。本発明において対象とする地球温暖化ガスとは前述のように、水素,ハロゲン元素(フッ素、臭素、ヨウ素、塩素)と炭素よりなる化合物,水素,ハロゲン元素と窒素または硫黄からなる化合物を指す。中でも、炭素数が1から6の化合物が燃焼効率上好ましい。例えば、テトラクロロメタン(CCl4)、トリクロロフルオロメタン(CCl3F)、ジクロロジフルオロメタン(CCl2F2)、クロロトリフルオロメタン(CClF3)、ヒドロクロロジフルオロメタン(CHClF2)、ヒドロトリフルオロメタン(CHF3)、テロラフルオロメタン(CF 4)、ヘキサフルオロエタン(C2F 6)、テロラフルオロエテン(C 2F 4)、オクタフルオロプロパン(C 3F 8)、ヘキサフルオロプロペン(C 3F 8)、デカフルオロブタン(C 4F 10)、シクロオクタフルオロブタン(C4F8)、オクタフルオロブテン(C4F8)、更にはその他パーフルオロ体、及びフッ化窒素(NF3)、6フッ化硫黄(SF6)等である。これらは単一化合物でも混合物でも良く、フッ化炭素以外のC F C(クロロフルオロカーボン)、H C F C(ハイドロクロロフルオロカーボン)やH F C(ハイドロフルオロカーボン)が含まれていても良い。
【0008】
本発明において使用する硫酸塩触媒について説明する。硫酸塩がアルミニウム、ホウ素、アルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、ランタン、セリウム、イットリウム、希土類金属、バナジウム、ニオブ、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素と硫黄との酸化物とからなる触媒である。好ましくは、主成分になる硫酸塩は硫酸アルミニウム、硫酸ホウ素、硫酸チタン、硫酸ジルコニウム、硫酸クロムからなる群より選ばれた少なくとも1種または2種以上の複合種である。複合種とは、硫酸ジルコニウムと硫酸チタンの複合、硫酸アルミニウムと硫酸クロムの複合などを指す。特に好ましくは、硫酸アルミニウム,硫酸ジルコニウム,硫酸セリウムである。
【0009】
硫酸塩触媒の調製方法は、一般的な沈殿法もしくは蒸発乾固法で良い。例えば、各種の塩の場合はその水溶液(複数の原料塩の場合はそれぞれの原料塩の溶液を調製する)をアンモニア水などでアルカリ性となし、水酸化物を沈殿させる。得られた水酸化物を硫酸水溶液に溶解し、蒸発濃縮して沈殿を得ても良いし、蒸発乾固しても良い。塩基性の酸化物を原料として用いる場合は濃厚な硫酸水溶液に溶解させ、その溶液を濃縮する。得られた固体を乾燥する。乾燥温度は100℃から130℃が良い。得られた乾燥体は粉砕し粒度を揃えるか、更に粉砕し成型する。その後、250℃以上の条件で空気焼成する。好ましくは300℃以上、更に好ましくは350 ℃以上1200℃以下が良い。焼成時間は温度にもよるが1時間以上5 0時間程度で、好ましくは2時間以上24時間程度である。高温での長時間焼成は結晶化を促進することがあり、経済的に意味がない。短時間では効果が薄い。
【0010】
添加する金属は触媒調製時だけではなく焼成後の硫酸塩触媒に更にCe、Y、希土類元素、Cr、Fe、Co、Niからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を添加し含有しても良い。特にCe、La、Yは好ましい。添加金属塩は水酸化物、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、リン酸塩などが他のものに比べて安価であり好ましい。添加量は硫黄1 g 原子に対し1g原子以下であり、好ましくは0.5g原子以下である。より好ましくは0.3 g 原子以下である。
【0011】
得られた触媒は塩の種類及び調製方法や条件により物性は異なる。例えば硫酸アルミニウムの場合、調製直後のBET表面積は20m2/g以上、好ましくは40m2/g以上である。XRDで観測するとAl2(SO4)3のピークが見える。調製方法により一部アモルファスの場合がある。
【0012】
次に本発明の供給ガスの組成について次に詳細に述べる。
まず、地球温暖化ガスの割合は0.01mol%から50mol%が好ましい。更に好ましくは0.05mol% から30mol%である。あまり少なすぎると経済的に問題で、多すぎると未反応が多くなり、触媒劣化を促進する。地球温暖化ガスは1種類でなくても良く、数種が含まれていても良い。
【0013】
地球温暖化ガスを含む供給ガス中には水蒸気が必要で、その割合は、供給基準で0.1mol%以上である。更に好ましくは5mol%以上70mol%以下である。5mol%より少なすぎると炭酸ガスへの選択率が低下し寿命劣化が早くあらわれる場合がある。一方70mol%より多すぎると経済的に不利になる。場合によっては、酸素を供給しても良い。地球温暖化ガスの種類と処理量及び反応温度によるが、酸素は供給基準で30mol%以下が好ましい。あまり多すぎると触媒の結晶化を促進して比表面積が小さくなり活性が低下する。
【0014】
酸素源として空気を用いると窒素が同伴されるが、問題にはならない。場合によっては、発熱反応なので、希釈ガスとして効果を示すことが期待される。更に積極的に分解後生成した炭酸ガスを反応系に循環することも可能である。その他、ヘリウム、アルゴンを用いることもできる。
【0015】
供給比率は基質の種類、処理量、温度などで変わるが、一般的には地球温暖化ガス:酸素:水蒸気(mol% )=1:1〜70:1〜500で、好ましくは地球温暖化ガス:酸素:水蒸気(mol%)=1:1〜40:1〜150である。
【0016】
本発明における分解反応条件について説明する。分解反応温度は分解すべき地球温暖化ガスの種類によるが、高温での分解は触媒寿命が急激に低下する傾向にあるので経済的でない。また、低温すぎると分解しない原料の割合が増加するので300℃以上1200℃以下が好ましい。更に好ましくは400℃から1000℃以下である。最も好ましいのは400℃以上850℃以下である。
【0017】
触媒当たりの供給ガス量である空間速度(space velocity)は10リッターGAS/リッター触媒・hr(以下50/hrと記す)から10000/hrが適当で、より好ましくは100/hrから5000/hrである。
【0018】
反応の形式は気相流通固定床が一般的であるが、流動層形式でも良い。反応器の材質は、処理量と原料種類によるが、少ない処理量であればS U S316管でも可能であるが、好ましくはインコネル、モネル、ハステロイC、ニッケルなどを用いる方が良い。
【0019】
連続流通方式で長時間反応させると、触媒はわずかながらも活性低下し、転化率が低下してくる。その場合、反応温度や触媒時間を調整し転化率を一定に保つことは有効な手段である。酸素量を制御する方法もありえる。
【0020】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、何ら本発明を限定するものではない。
【0021】
触媒調製例1(硫酸アルミニウムの調製法)
室温において、2リッタービーカーに2Nの硫酸水溶液を取り、これに水酸化アルミニウムを徐々に加えて完全に溶解した。この水溶液にアンモニア水を加えpH8.5に調整した。この溶液をホットプレート上で200℃程度で蒸発乾固した。得られた固形物を600℃の温度にて5時間、空気焼成し14から32メッシュに整粒し触媒として用いた。比表面積は20m2/g。XRDではAl2((SO4)3であることがわかった。
【0022】
触媒調製例2〜12(硫酸塩の調製)
触媒調製例2では、オキシ硝酸ジルコニウムを純水に溶解した水溶液にアンモニア水を加え、水酸化ジルコニウムを沈殿させ、固形物を濾別する。この固形物の一部を取り、秤量してから800℃で5時間焼成してジルコニアとなし、秤量して、水酸化ジルコニウム中のZrの量を決定する。この水酸化ジルコニウムを小過剰の1M硫酸と反応させ硫酸ジルコニウムの水溶液となす。この水溶液のpHを8.5に調整した後、蒸発乾固した。同様な方法で触媒調製例3では水酸化マグネシウムと硫酸からMgSO4を、触媒調製例4では水酸化カルシウムから同様にCaSO4を調製した。触媒調製例5,6では同様にSrSO4、BaSO4を調製した。触媒調製例7,8では酸化物を16M硫酸に溶解し、その後は調製例1と同様にCe2(SO4)3、La2(SO4)3を調製した。調製例9〜11では市販のMnSO4・5水和物、Fe2(SO4)3の水和物、Cr2(SO4)3の水和物を400℃で5時間空気焼成して調製した。調製例12では市販のCoSO4・7水和物を500℃で5時間空気焼成した。
【0023】
表1に触媒調製例13〜16(複合硫酸塩の調製)を示す。
表1の各例は、出発原料に2種類の硝酸塩Aと硝酸塩Bを所定比率で用いて水酸化物を作った以外は実施例1及び2に準じた。
【0024】
【表1】
【0025】
実施例1〜14(反応例)
反応は常圧固定床流通型装置を用いた。反応管は内径16mmのステンレス管に内径13mmのステンレス管を連結させて使用した。窒素、酸素、塩化フッ化炭素のジクロロジフルオロメタン(CCl2F2、CFC12)の3種ガスはミキサーで混合され、反応管中の触媒層に送り込んだ。水はマイクロフィーダで注入した。反応後のガスはまず分解生成した酸を酸トラップ(ガス洗浄瓶で水を満たしてある)で捕捉し、酸除去したガスはTCDガスクロマトグラフィーにて分析した。
【0026】
触媒調製例1〜11にて調製した触媒を4.50gまたは9.00g仕込み、供給ガス組成は(CCl2F2 0.5 mol%、H2Oは57.6mol%、残りは空気) とした。生成物はほとんどの場合、炭酸ガスと未反応物しか検出できなかったことから、最終的には
CCl2F2+2H2O→CO2+2HF+2HCl
で分解が進行したものと考えられる。
【0027】
実施例1(CCl2F2の分解) 触媒調製例1触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCCl2F2,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40cm3/minで供給したときの反応結果は表2のようになった。
【0028】
【表2】
【0029】
実施例2(CCl2F2の分解) 触媒調製例2触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCCl2F2,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40cm3/minで供給したときの反応結果は表3のようになった。
【0030】
【表3】
【0031】
実施例3(CCl2F2の分解) 触媒調製例3触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCCl2F2,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40cm3/minで供給したときの反応結果は表4のようになった。
【0032】
【表4】
【0033】
実施例4(CCl2F2の分解) 触媒調製例4触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCCl2F2,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40cm3/minで供給したときの反応結果は表5のようになった。
【0034】
【表5】
【0035】
実施例5(CCl2F2の分解) 触媒調製例5触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCCl2F2,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40cm3/minで供給したときの反応結果は表6のようになった。
【0036】
【表6】
【0037】
実施例6(CCl2F2の分解) 触媒調製例6触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCCl2F2,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40cm3/minで供給したときの反応結果は表7のようになった。
【0038】
【表7】
【0039】
実施例7(CCl2F2の分解) 触媒調製例7触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCCl2F2,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40cm3/minで供給したときの反応結果は表8のようになった。
【0040】
【表8】
【0041】
実施例8(CCl2F2の分解) 触媒調製例8触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCCl2F2,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40cm3/minで供給したときの反応結果は表9のようになった。
【0042】
【表9】
【0043】
実施例9(CCl2F2の分解) 触媒調製例9触媒4.50gを用いて、4.50gを用いて、0.50モル%のCCl2F2,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40cm3/minで供給したときの反応結果は以下の表10のようになった。
【0044】
【表10】
【0045】
実施例10(CCl2F2の分解) 触媒調製例10触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCCl2F2,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40cm3/minで供給したときの反応結果は以下の表11のようになった。
【0046】
【表11】
【0047】
実施例11(CCl2F2の分解) 触媒調製例11触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCCl2F2,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40cm3/minで供給したときの反応結果は以下の表のようになった。
で供給したときの反応結果は以下の表12のようになった。
【0048】
【表12】
【0049】
実施例12(CCl2F2の分解) 触媒調製例12触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCCl2F2,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40cm3/minで供給したときの反応結果は以下の表13のようになった。
【0050】
【表13】
【0051】
実施例13(CF4の分解) 触媒調製例1触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCF4,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40.1cm 3 /minで供給したときの反応結果は表14のようになった。
【0052】
【表14】
【0053】
実施例14(CF4の分解) 触媒調製例2触媒4.50gを用いて、0.50モル%のCF4,57.6モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを40.1 cm3/minで供給したときの反応結果は表15のようになった。
【0054】
【表15】
【0055】
実施例15(CF3CHF2の分解) 触媒調製例2触媒9.00gを用いて、0.50モル%のCF3CHF2,20.1モル%の水蒸気,残部空気の混合ガスを69.7 cm3/minで供給したときの反応結果は表16のようになった。
【0056】
【表16】
【0057】
実施例16(酸素の効果) 触媒調製例1触媒9.00gを用いて、反応温度400℃,全流速を69.7 cm3/min ,CF3CH2F濃度を0.50モル%,水蒸気濃度を20.1モル%で固定し、窒素をバランスガスとし、酸素濃度を変化させた時の反応結果を表17に示す。
【0058】
【表17】
【0059】
実施例17(CF3CH2F濃度の効果) 触媒調製例1触媒9.00gを用いて、反応温度400℃,全流速を69.7 cm3/min ,水蒸気濃度を20.1モル%で固定し、窒素をバランスガスとし、CF3CH2F濃度を変化させた時の反応結果を表18に示す。
【0060】
【表18】
【0061】
実施例18(水蒸気の効果) 触媒調製例1触媒9.00gを用いて、反応温度400℃,全流速を69.7 cm3/min ,CF3CH2F濃度を0.50モル%,酸素濃度を8.87モル%で固定し、窒素をバランスガスとし、水蒸気濃度を変化させた時の反応結果を表19に示す。
【0062】
【表19】
【0063】
実施例19(触媒作用)
実施例1,2の最終温度で3時間の反応を行った後、触媒を取り出したところ、XRDで見る限り変化は見られず、AlF3、ZrF4の結晶は全く見られなかった。
【0064】
実施例20(HFCガスとCF4の混合ガス)
CCl2F2とCCl3Fの混合物(モル比1:1)及び窒素ガスの代わりに炭酸ガスを使用した以外は実施例1同様に反応分解した。500℃で混合物の転化率は100%であった。
【0065】
実施例21(NF3の分解)
CCl2F2の代わりにNF3を、窒素の代わりにヘリウムを使用した以外は実施例1と同様にして反応を行った。300℃において転化率は100%に達した。生成ガスの中には窒素ガスの他に20%のNOが生成した。
【0066】
【発明の効果】
本発明の地球温暖化ガスの接触分解法よれば、地球温暖化ガスを水蒸気、場合によっては酸素の存在下で、硫酸塩触媒を用いることで、該硫酸塩触媒の分解活性能を高め地球温暖化ガス分解反応を効率良く実現し、しかも硫酸塩触媒自体の長寿命化を実現したものであり、工業的活用を有利に可能ならしめたものである。
Claims (3)
- 水素、ハロゲン元素と炭素よりなる化合物、又は水素、ハロゲン元素と窒素または硫黄からなる化合物(以下地球温暖化ガスと云う)に、水蒸気または水蒸気と分子状酸素を存在させた雰囲気にし且つ所定の分解反応用の温度で、触媒を用いて前記地球温暖化ガスを気相にて分解するに際して、
前記地球温暖化ガスの濃度を0.01mol%〜70mol%とし、前記水分濃度を10mol%〜70mol%とし、前記分子状酸素の濃度を50mol%以下とし、分解反応用温度を250〜1000℃とし、前記触媒として、アルミニウム、ホウ素、Ca、Sr、ジルコニウム、イットリウム、希土類金属、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の元素の硫酸塩からなる触媒を用いて、前記地球温暖化ガスを接触分解することを特徴とする地球温暖化ガスの触媒分解方法。 - 水素、ハロゲン元素と炭素よりなる化合物、又は水素、ハロゲン元素と窒素または硫黄からなる化合物(以下地球温暖化ガスと云う)に、水蒸気または水蒸気と分子状酸素を存在させた雰囲気に、炭酸ガス、酸素、窒素、アルゴン、ヘリュウム、空気、の単独又は複数の混合ガスを混入することを特徴とする請求項1に記載の地球温暖化ガスの触媒分解方法。
- 前記地球温暖化ガスの炭素数が1から6であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地球温暖化ガスの触媒分解方法。
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