JP2003103249A - 有機塩素化合物に汚染された土壌等の浄化方法及び浄化システム - Google Patents

有機塩素化合物に汚染された土壌等の浄化方法及び浄化システム

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JP2003103249A
JP2003103249A JP2001303400A JP2001303400A JP2003103249A JP 2003103249 A JP2003103249 A JP 2003103249A JP 2001303400 A JP2001303400 A JP 2001303400A JP 2001303400 A JP2001303400 A JP 2001303400A JP 2003103249 A JP2003103249 A JP 2003103249A
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contaminated
organic chlorine
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chlorine compound
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Shozo Yanagida
祥三 柳田
Yuji Wada
雄二 和田
Kenji Kaneko
賢司 金子
Kazuo Shibui
和夫 澁井
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Seon Inc
Original Assignee
Seon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機塩素化合物を効率よく除去することの可
能な有機塩素化合物に汚染された土壌等の浄化システム
を提供する。 【解決手段】 反応容器1内には、搬送手段たる金属製
のコンベア2が横設されていて、反応容器1の天面に
は、搬送コンベア2の上流側より汚染土壌等を供給する
汚染土壌等投入口3と、鉄粉と沸石とを供給する反応剤
投入口4とが形成されている。コンベア2の下流側には
2個のマイクロ波照射手段たるマイクロ波照射装置5,
5Aが配置されていて、これらマイクロ波照射装置5,
5A間にはエアポンプに連通した吸引管6が取り付けら
れている。さらに反応容器1は、コンベア2の末端にお
いて下方に開口部7を有していて、処理後の土壌等を排
出する。また、8は開口部7に連続して設けられた土壌
等回収手段たる選別装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トリクロロエチレ
ン、ダイオキシン、トリクロロベンゼン等の有害な有機
塩素化合物に汚染された土壌等の浄化方法及び浄化シス
テムに関し、特に有機塩素化合物を効率よく除去するこ
との可能な有機塩素化合物に汚染された土壌等の浄化方
法及び浄化システムに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、工場跡地の土壌
等が重金属類や化学物質に汚染されていることが明らか
になってきている。このような汚染土壌等のうちゴム、
油脂、樹脂、塗料等の溶剤として広く用いられているト
リクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の有機塩素
化合物は、地下水汚染の原因とも言われており、近年そ
の発ガン性が指摘され、環境への放出が制限されてい
る。しかしながら、これら揮発性有機化合物による汚染
は依然として深刻であり、生活環境である土壌等や地下
水の汚染が大きな社会問題となっている。
【0003】一方、ダイオキシン類の有害性も盛んに指
摘され、その分解除去が社会的な課題となっている。こ
のダイオキシン類は、焼却炉から放出される量が多いこ
とから長期間の焼却炉の稼動により焼却炉周辺の土壌に
蓄積される可能性が指摘され、その浄化が切望されてい
る。その他、トリクロロベンゼンなどの有機塩素化合物
も同様に環境に有害であり、環境中への放出が制限され
ている。
【0004】このような有害な塩素化合物により汚染さ
れた土壌等の処理方法として特開平8−164376号
公報には、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン
等の有機塩素化合物が混入した土に所定周波数の電磁波
を照射し、前記土を誘電加熱する方法が開示されてい
る。しかしながらこの方法においては、土壌等を直接電
磁波による誘電加熱により加熱しているので、加熱効率
が十分でないために揮発性で沸点が低いトリクロロエチ
レン、テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物はある
程度除去されるが、ダイオキシンやトリクロロベンゼン
等の除去効率が低く、またそれ自体有機塩素化合物分解
して除去するものではないという問題点があった。
【0005】本発明はかかる課題に鑑みてなされたもの
であり、有機塩素化合物を効率よく除去することの可能
な有機塩素化合物に汚染された土壌等の浄化方法を提供
することを目的とする。また、本発明は有機塩素化合物
を効率よく除去することの可能な有機塩素化合物に汚染
された土壌等の浄化システムを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、トリクロロベンゼン、ダイオキシ
ンなど有機塩素化合物が混入した汚染土壌上に鉄粉を敷
設してマイクロ波を照射してやることにより、まず、鉄
粉がマイクロ波による誘電加熱により迅速に加熱され、
この熱伝導により土壌を効率的に加熱することができ、
これにより土壌中に含まれている有機塩素化合物を揮発
させて除去することができることを見出した。しかもこ
の鉄粉層は素早く有機塩素化合物との反応温度まで上昇
するので揮発した有機塩素化合物はここを通過する際に
還元されて、部分的に脱塩素化され、有機塩素化合物自
体を減少することができ、その後の処理が容易になるこ
とを見出した。しかしながら、鉄粉を敷設しただけで
は、鉄粉が高温になりすぎて焼結したり、あるいは変態
して磁性を失ったりしてしまい、その効果が持続できな
いことから、この鉄粉にゼオライトなどを緩衝材として
混合してやることで好適な温度に維持してやることがで
きることを見出した。これらに基づき本発明に想到し
た。
【0007】本発明の請求項1記載の有機塩素化合物に
汚染された土壌等の浄化方法は、有機塩素化合物が混入
した汚染土壌等上に導電性微粒子と緩衝材とからなる反
応層を形成し、マイクロ波を照射して前記土壌等を誘電
加熱して有機塩素化合物を揮散させ、この揮散した有機
塩素化合物を前記反応層を通過する際に還元するととも
に回収する方法である。
【0008】また、請求項2記載の有機塩素化合物に汚
染された土壌等の浄化方法は、前記請求項1において、
前記導電性微粒子が鉄粉であり、前記緩衝材がゼオライ
トである方法である。
【0009】請求項3記載の有機塩素化合物に汚染され
た土壌等の浄化方法は、前記請求項1又は2において、
前記汚染土壌等又は反応層に活性炭を混合する方法であ
る。
【0010】さらに、請求項4記載の有機塩素化合物に
汚染された土壌等の浄化システムは、処理室と、この処
理室内に配置された有機塩素化合物が混入した汚染土壌
等を搬送する搬送手段と、前記汚染土壌等上に導電性微
粒子と緩衝材とを供給する反応層生成手段と、前記汚染
土壌等にマイクロ波を照射するマイクロ波照射手段と、
この処理室に設置された吸引手段と、土壌等回収手段と
を備えるものである。
【0011】
【発明の実施形態】まず、本発明の有機塩素化合物に汚
染された土壌等の浄化方法について説明する。本発明に
おいて浄化対象となる有機塩素化合物とは、トリクロロ
エチレンやテトラクロロエチレン等の溶剤、ダイオキシ
ン、トリクロロベンゼンなどの常温で固体あるいは液体
の有害な有機塩素化合物であり、場合によってはPCB
などにも適用可能である。また、本明細書中において
「土壌等」とは、焼却場、工場等の周囲及び跡地の土壌
の他、汚染河川、港湾のヘドロ、田畑等も含む。なお、
ヘドロなどの水分を多量に含むものの場合には、加熱効
率が悪いので予め水分を十分に除去しておくのが望まし
い。さらに、本明細書中において「浄化」とは、基本的
には土壌中に含まれている有機塩素化合物を土壌基準値
以下にし、かつこれを大気などの外部環境に放出しない
ことをいう。
【0012】本発明の有機塩素化合物に汚染された土壌
等の浄化方法は、基本的にはこれら有害な有機塩素化合
物が混入した土壌等を加熱する。一般に土砂はマイクロ
波による誘電加熱によりそれ自身発熱するが、磁性成分
を十分に含んでいないので加熱効率が悪く、そのまま直
接マイクロ波を照射しても有機塩素化合物、特にダイオ
キシン、トリクロロベンゼンなどを揮発するに十分な温
度にまでは加熱されない。
【0013】そこで、本発明においては、この土壌等上
に導電性微粒子と緩衝材とからなる反応層を形成する。
この導電性微粒子としては、常温で強い磁性を示すこと
土壌等との分離が容易なことなどの理由から鉄粉、ニッ
ケル粉等を用いることができるが、特に安価な鉄粉を用
いるのが好ましい。また、緩衝材としては特に制限はな
いがゼオライト(沸石)などを用いることができる。こ
の緩衝材は前述した鉄粉等の導電性微粒子と同等もしく
はそれ以下の粒径を有するのが好ましい。上述したよう
な反応層においては、導電性微粒子が体積比で10〜7
0容量%であるのが好ましい。導電性微粒子が10容量
%以下では、有機塩素化合物の分解効率が十分でない一
方、70容量%を越えると後述するマイクロ波の照射に
より反応層が高温になりすぎて導電性微粒子が焼結した
り磁性変態したりする。特に同様の理由により導電性微
粒子が15〜40容量%であるのが好ましい。この反応
層は土壌の1〜5倍程度の厚さに形成するのが望まし
い。このような反応層において、緩衝材として沸石粉末
を用いてこれを鉄粉と混合することにより、沸石粉末が
鉄粉と一体化するので両者を同時に磁選することができ
る。なお、この反応層中には加熱効率の向上等を目的と
して活性炭を混合することができる。活性炭を混合する
場合、その混合割合は反応層全体に対して5容積%以下
程度とすればよく、温度が過剰に上昇しないように後述
するマイクロ波の照射と連動した温度制御を行なうのが
望ましい。
【0014】次に、有機塩素化合物に汚染された土壌等
上に反応層を形成したらマイクロ波を照射する。このマ
イクロ波の照射をパルスとすればエネルギー効率等にお
いて有利である。そうすると導電性微粒子には電流(電
子)が流れジュール熱により自己発熱して短時間で有機
塩素化合物と反応するに十分な温度にまで加熱する。こ
れにより反応層の下側の土壌等が熱伝導とそれ自身のマ
イクロ波による誘電加熱により効率よく短時間で加熱さ
れる。このとき土壌等中に少量の活性炭などの導電性微
粒子を混ぜておくことにより、より一層急速に土壌等の
温度を上昇させることができる。この土壌等の加熱によ
り土壌等中に含まれている有機塩素化合物が揮散して気
体となり上昇して反応層を通過する。このとき反応層中
の鉄粉は有機塩素化合物と反応するに十分な温度にまで
加熱しているので、鉄粉等の導電性微粒子との接触によ
り電子の授受が生じ、有機塩素化合物は還元されて脱塩
素化される。したがって、塩素化度の少ないもの程この
段階で脱塩素化されて無害化される。すなわち、例えば
トリクロロベンゼン(C63Cl3、TCB)の場合には
→ジクロロベンゼン(C64Cl2、DCB)→モノクロ
ロベンゼン(C65Cl、MCB)→ベンゼン(C66
のように脱塩素化反応が進行し、脱離した塩素は鉄と反
応して塩化鉄となる。そして、完全に脱塩素化されなか
った装置内の有機塩素化合物(TCB、DCB、MCB
など)は、揮発したものを吸引などにより回収して、粒
状のカーボンや鉄粉等の導電性微粒子を充填した二次反
応容器に導入してマイクロ波を照射し、電子の授受によ
る脱塩素化を行い完全に脱塩素化した後外部環境に放出
すればよい。この二次反応器としては、例えば十分な長
さを有するアルミナ製などの筒状部材を用い、この筒状
部材にマイクロ波を照射しながら該筒状部材の一端から
他端に向けて揮発した有機塩素化合物を流通させること
により連続的に二次反応器による完全な脱塩素化を行な
うことができる。なお、難揮発性のダイオキシン(2,
3,7,8−TCDD:bp447℃)やPCB(bp
275〜420℃)などであっても、導電性微粒子を含
む反応層からの熱伝導により土壌等をその沸点以上の温
度に十分な時間保持することにより同様の経過を経て脱
塩素化することでジベンゾパラジオキシン、ビフェニル
として無害化することができる。
【0015】上述したような有機塩素化合物の脱塩素化
反応は、反応層を構成する導電性微粒子が燃焼、焼結せ
ず、かつ導電性を失わない範囲の温度とするのが望まし
く、さらに、前述した難揮発性のダイオキシンの沸点以
上の温度が必要とされる場合もあることから、350〜
450℃の範囲の温度とするのが望ましい。このため、
本発明においては導電性微粒子に緩衝材としてゼオライ
トを添加して反応層における導電性微粒子の密度を小さ
くすることで、反応層の温度を調整している。ただし、
あまり導電性微粒子の密度が小さすぎると反応層を35
0〜450℃の温度とすることが困難となるばかりか、
揮発した有機塩素化合物の気体と導電性微粒子との接触
機会が減少し脱塩素効率が低下するため、前述したとお
り10〜70容量%、特に15〜40容量%とするのが
好ましい。
【0016】なお、これらの処理は有機塩素化合物を揮
散させて回収することから土砂の空隙率と反応層の空隙
率とを考慮する必要があり、具体的には反応層の体積を
これら揮散する成分の体積膨張以上に確保する必要があ
る。また、土壌等中に水分が含まれていると水分の揮発
により温度上昇が妨げられ、土壌等の温度上昇に時間が
かかるので、土壌等中の水分はあらかじめ極力少なくし
ておくのが望ましい。
【0017】そしてこのようにして土壌等中の有機塩素
化合物を除去した後は、磁選分離などにより導電性微粒
子を分離し、再利用すればよい。なお、ゼオライトにつ
いては前述したように鉄粉等と一体化するので一緒に磁
選分離することが可能であるが、土壌等改良剤としても
用いられるものもあるので、少量土壌等に混入しても問
題ない。
【0018】次に上述したような本発明の有機塩素化合
物に汚染された土壌等の浄化方法を実施可能な土壌等浄
化システムについて説明する。図1は、本発明の土壌等
浄化システムの一例を示しており、1は処理室たるステ
ンレス製の反応容器であり、この反応容器1内には、搬
送手段たる金属製のコンベア2が横設されていて、反応
容器1の天面には、搬送コンベア2の上流側より汚染土
壌等を供給する汚染土壌等投入口3と、導電性微粒子た
る鉄粉と緩衝材たる沸石とを供給する反応層生成手段た
る反応剤投入口4とが形成されている。さらに、コンベ
ア2の下流側には2個のマイクロ波照射手段たるマイク
ロ波照射装置5,5Aが配置されていて、これらマイク
ロ波照射装置5,5A間には吸引手段としての図示しな
いエアポンプに連通した吸引管6が取り付けられてい
る。さらに反応容器1は、コンベア2の末端において下
方に開口部7を有していて、処理後の土壌等を排出する
構成となっている。また、8は開口部7に連続して設け
られた土壌等回収手段たる選別装置であり、この選別装
置8の下方は図示左側の土壌等排出口9と右側の鉄粉回
収口10とに分岐していて、この分岐上で開口部7の下側
には反時計周りに回動可能に設けられたドラム状の電磁
石11と鉄粉回収口10上で前記ドラム状の電磁石11に摺接
可能の配置されたスクレバー12とが設けられている。
【0019】上述したような本実施例のシステムにより
前述した本発明の土壌等の浄化方法を効果的に実施する
ことができる。すなわち、コンベア2が図中の矢印方向
に駆動した状態でまず汚染土壌等投入口3から処理対象
である有機塩素化合物に汚染された土壌等を投入し、続
いて、反応剤投入口4から鉄粉と沸石と、必要に応じて
活性炭との混合粉を供給する。これにより汚染土壌等層
と反応層とが連続的に形成されながらコンベア2上を移
動する。そうしたらマイクロ波照射装置5,5Aからコ
ンベア2に向けてマイクロ波Wを連続的にあるいはパル
スとして照射する。そうすると、鉄粉に電流(電子)が
流れジュール熱により素早く自己発熱し、次いで反応層
の下側の土壌等が熱伝導とそれ自身のマイクロ波による
誘電加熱により効率よく短時間で加熱される。これによ
り土壌等中に含まれている有機塩素化合物が揮散して気
体となり上昇して反応層を通過する。このとき鉄粉との
接触により電子の授受が生じ、有機塩素化合物は還元さ
れて脱塩素化される。また、反応層の通過だけで有機塩
素化合物の全てが完全に脱塩素化されない場合には吸引
管6から反応容器1内の空気を吸引して有機塩素化合物
を回収し、前述した二次反応器などにより別途処理す
る。なお、このような処理において、土壌等中に少量の
導電性微粒子を混ぜておくことにより一層急速に土壌等
の温度を上昇させることができる。また、コンベア2の
走行面2Aの下側にバーナを設置して土壌等を補助的に
加熱・保温してもよい。
【0020】そして、コンベア2の長さ及運転速度を土
壌等の浄化処理に十分な時間が確保できるものに設定し
ておくことにより、コンベア2の末端部では土壌等の浄
化が完了して開口部7から選別装置8のドラム状の電磁
石11上に落下する。そうすると、この電磁石11は、土壌
等排出口8側に向けて反時計周りに回動しているので、
鉄粉及びこれと一体化している沸石は電磁石11に吸い付
けられる一方、土壌等及び微量の沸石は土壌等排出口8
に落下して回収される。また、電磁石11に吸い付けられ
た鉄粉はスクレバー12に掻き落とされて鉄粉回収口10に
落下することで回収され、再利用に供することができ
る。
【0021】以上のように本実施例のシステムを採用す
ることにより本発明の有機塩素化合物に汚染された土壌
等の浄化方法を効果的に実施することができる。
【0022】
【実施例】以下の具体的実施例により本発明をさらに詳
細に説明する。実施例1、2 丸型ナスフラスコに900℃で焼いた土砂(細砂)20
gと表1に示すように必要に応じて2gの鉄粉と鉄板と
を加えてよく混合し、そこに二硫化炭素に溶解した1−
2−4トリクロロベンゼン(TCB)0.01ml(1
4.6mg)を入れ、よく混練した後二硫化炭素を揮散
させて試料層とした。
【0023】この試料層上に鉄粉(18g)と表1に示
す量の天然沸石の粉末とをよく混合したものを試料層上
に均一な厚さに載置して反応層とした。
【0024】この反応層に熱電対を設置するとともに丸
型ナスフラスコにテフロン(登録商 標)チューブを挿入
して栓をし、テフロン(登録商標)チューブをアセトン
20mlを入れた洗気ビンに繋ぎ発生する気体を捕集す
るように構成した。
【0025】そしてこの丸型ナスフラスコを電子レンジ
(500W、2.45GHz)に固定して反応層の設定
温度400℃で電子レンジをON/OFFさせて10分
間マイクロ波を照射して処理を行った。この処理条件を
試料層の体積、反応層の体積、反応層における鉄粉の体
積率、洗気ビンの数、反応層/試料層の割合とともに表
1に示す。また、処理後の試料層、反応層、丸型ナスフ
ラスコ(栓を含む)、洗気ビンにおけるベンゼン、クロ
ロベンゼン(MCB)、ジクロロベンゼン(DCB)、
トリクロロベンゼン(TCB)の濃度を測定し、投入し
たトリクロロベンゼンに対する比率(モル比)を算出し
た。結果を物質収支、TCB分解率とともに表2に示
す。実施例3〜5 丸型ナスフラスコに900℃で焼いた土砂(細砂)20
gと二硫化炭素に溶解した1−2−4トリクロロベンゼ
ン(TCB)0.01ml(14.6mg)を入れ、よ
く混練した後二硫化炭素を揮散させて試料層とした。
【0026】この試料層上に鉄粉(18g)と表1に示
す量の天然沸石の粉末とをよく混合したものを試料層上
に均一な厚さに載置して反応層とした。
【0027】この反応層に熱電対を設置するとともに丸
型ナスフラスコにテフロン(登録商 標)チューブを挿入
して栓をし、テフロン(登録商標)チューブをアセトン
20mlを入れた洗気ビンに繋ぎ、さらに吸引ポンプと
活性炭を充填した二次反応器とに接続して気体を捕集す
るように構成した。
【0028】そしてこの丸型ナスフラスコを電子レンジ
(500W、2.45GHz)に固定して反応層の設定
温度400℃で電子レンジをON/OFFさせて10分
間マイクロ波を照射して処理を行った。この処理条件を
試料層の体積、反応層の体積、反応層における鉄粉の体
積率、洗気ビンの数、反応層/試料層の割合とともに表
1に示す。また、処理後の試料層、反応層、丸型ナスフ
ラスコ(栓を含む)、洗気ビンにおけるベンゼン、クロ
ロベンゼン(MCB)、ジクロロベンゼン(DCB)、
トリクロロベンゼン(TCB)の濃度を測定し、投入し
たトリクロロベンゼンに対する比率(モル比)を算出し
た。結果を物質収支、TCB分解率とともに表2に示
す。
【0029】また、比較のために実施例4において活性
炭を充填した二次反応器を接続しない以外同様にして処
理を行ったものを実施例5として、同様にベンゼン、ク
ロロベンゼン(MCB)、ジクロロベンゼン(DC
B)、トリクロロベンゼン(TCB)の濃度を測定し、
投入したトリクロロベンゼンに対する比率(モル比)を
算出した。結果を物質収支、TCB分解率とともに表2
に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】実施例1〜実施例5から明らかなように反
応層における鉄粉の体積比率が多いほどTCBの分解率
は高いが、鉄粉の体積比率が39.3%と最も高い実施
例1では温度が高くなりすぎて鉄粉に若干の焼結が認め
られた。また、TCB以外にベンゼン、MCB,DCB
が検出されていることから、本発明の方法により土壌等
中のTCBの脱塩素化と除去とが同時に行われ、これに
よりベンゼンが残留する分だけ有機塩素化合物(MC
B、DCB、TCB)の土壌等への残留量を少なくする
ことができることがわかる。一方、実施例1、2と実施
例3、4と実施例5との比較により二次反応器を使用す
ることにより、TCBの分解率が高められることがわか
る。なお、前述した実験例では電子レンジによりマイク
ロ波の照射を行なっているが、マイクロ波の照射におい
ては加熱ムラが生じやすく、これにより除去率の低下を
招きやすい(試料層への有機塩素化合物の残存率が0%
とならない)。しかしながら、ターンテーブルを採用し
たりコンベアにより移送することでその照射にムラがな
いようにすることで、試料層への有機塩素化合物の残存
率を0%に近づけることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の有機塩素化合物
に汚染された土壌等の浄化方法は、有機塩素化合物が混
入した汚染土壌等上に導電性微粒子と緩衝材とからなる
反応層を形成し、マイクロ波を照射して前記土壌等を誘
電加熱して有機塩素化合物を揮散させ、この揮散した有
機塩素化合物を前記反応層を通過する際に還元するとと
もに回収する方法であるので、有機塩素化合物の約95
%以上を効率よく除去することができるとともに、除去
されず残留した有機塩素化合物も脱塩素化により一部は
有機化合物となるので汚染土壌等を効果的に浄化するこ
とができる。
【0034】また、請求項2記載の有機塩素化合物に汚
染された土壌等の浄化方法は、前記請求項1において、
前記導電性微粒子が鉄粉であり、前記緩衝材がゼオライ
トである方法であり、鉄粉は安価、無害で強磁性である
ので、効率よく土壌等を加熱することができる。またゼ
オライトは無害であるので、そのまま土壌等中に残留し
ても問題ない。
【0035】請求項3記載の有機塩素化合物に汚染され
た土壌等の浄化方法は、前記請求項1又は2において、
前記汚染土壌等又は反応層に活性炭を混合する方法であ
るので、さらに効率よく有機塩素化合物を効率よく除去
することができる。
【0036】そして、請求項4記載の有機塩素化合物に
汚染された土壌等の浄化システムは、処理室と、処理室
内に配置された有機塩素化合物が混入した汚染土壌等を
搬送する搬送手段と、前記汚染土壌等上に導電性微粒子
と緩衝材とを供給する反応層生成手段と、前記汚染土壌
等にマイクロ波を照射するマイクロ波照射手段と、この
処理室に設置された吸引手段と、土壌等回収手段とを備
えるものであるので、有機塩素化合物の約95%以上を
効率よく除去することができるとともに、除去されず残
留した有機塩素化合物も脱塩素化により一部は有機化合
物となるので汚染土壌等を効果的に浄化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による機塩素化合物に汚染さ
れた土壌等の浄化システムを示す概略図である。
【符号の簡単な説明】
1 応容器(処理室) 2 コンベア(搬送手段) 3 汚染土壌等投入口 4 反応剤投入口(反応層生成手段) 5,5A マイクロ波照射装置(マイクロ波照射手段) 6 吸引管(吸引手段) 8 選別装置(土壌等回収手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09C 1/08 B09B 3/00 ZAB C07B 35/06 304K C07C 25/10 (72)発明者 澁井 和夫 新潟県新潟市青山新町24番地18 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA13 BB01 BC01 BD11 4D004 AA41 AB06 AB07 CA22 CA37 CA47 CB33 CB46 CC11 4G075 AA22 AA37 BA06 CA26 CA51 DA02 EB31 ED11 FC11 4H006 AA05 BA19 BA71 BA95 EA21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機塩素化合物が混入した汚染土壌等上
    に導電性微粒子と緩衝材とからなる反応層を形成し、マ
    イクロ波を照射して前記反応層を誘電加熱するとともに
    前記土壌等を加熱して有機塩素化合物を揮散させ、この
    揮散した有機塩素化合物を前記反応層を通過する際に還
    元しながら回収することを特徴とする有機塩素化合物に
    汚染された土壌等の浄化方法。
  2. 【請求項2】 前記導電性微粒子が鉄粉であり、前記緩
    衝材がゼオライトであることを特徴とする請求項1記載
    の有機塩素化合物に汚染された土壌等の浄化方法。
  3. 【請求項3】 前記汚染土壌等又は反応層に活性炭を混
    合することを特徴とする請求項1又は2記載の有機塩素
    化合物に汚染された土壌等の浄化方法。
  4. 【請求項4】 処理室と、この処理室内に配置された有
    機塩素化合物が混入した汚染土壌等を搬送する搬送手段
    と、前記汚染土壌等上に導電性微粒子と緩衝材とを供給
    する反応層生成手段と、前記汚染土壌等にマイクロ波を
    照射するマイクロ波照射手段と、この処理室に設置され
    た吸引手段と、土壌等回収手段とを備えることを特徴と
    する有機塩素化合物に汚染された土壌等の浄化システ
    ム。
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