JP2003096519A - 連続加熱炉の装入制御方法 - Google Patents
連続加熱炉の装入制御方法Info
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Abstract
た鋼片を供給することが可能な連続加熱炉への鋼片の装
入制御方法の提供。 【解決手段】熱間加工スケジュールの変更に必要な下工
程での工具交換および/または条件設定の変更に伴う段
取替時間を算出する手段を設け、この段取替時間のうち
最大となる段取替時間を装入停止時間として、連続加熱
炉への鋼片の装入を停止した後、熱間加工スケジュール
変更後の鋼片を装入する。
Description
スリップミル、継目無鋼管圧延ミルなどで熱間加工を施
す鋼片(ビレットまたはスラブともいう)を連続加熱炉
の入側から炉内に装入するタイミングを制御する方法に
関する。
て、加工する鋼片に対し加熱処理が行われる。この加熱
処理は、鋼片を圧延に適した温度に均一に昇温させるこ
とを目的として行なわれ、経済性・生産性を考慮し、多
量少品種であっては、鋼片を連続的に炉中に装入し均熱
化する連続加熱炉で行なわれることが多い。
度、加熱時間(昇温時間、保持時間など)、炉の形式
(連続加熱炉あるいはバッチ炉)、雰囲気などに影響さ
れる。特に、連続加熱炉を用いた加熱処理では、加熱炉
内で鋼片を停止させることなく、一定ピッチで搬送し定
常状態を保持することで、鋼片の偏熱を防止することが
でき、鋼片の品質を確保することができる。
処理を行っても、外的要因によりその加熱処理が阻害さ
れる場合がある。すなわち、現在では生産効率を上げる
ため、製鋼、連続鋳造、加熱処理、熱間加工の各工程を
一貫とした生産ラインを構成する場合が多く、各工程間
の結合度も密接になっており、各工程での突発事故やい
わゆる外乱(例えば、圧延スケジュールの入替えなど)
が発生すると、鋼片の連続加熱炉からの抽出を一旦停止
させ、加熱中の鋼片を炉内に待機させることがしばしば
発生する。
多品種の生産に対応する生産体制が求められ、その結
果、加熱処理工程の下工程である熱間加工工程では、圧
延本数、品種などに応じて圧延ラインでのロールなど
の工具交換、精整ラインでの熱処理炉の温度替え、切
断機の刃替えなど(以下、上記〜を合わせて、段取
替という)の工程変更が頻発するようになった。
更に合わせて生産ラインの各工程における処理速度の違
いを適宜調整する必要があり、その調整方法として連続
加熱炉における鋼片を制御する方法が多数開示されてい
る。
処理した後に行うビレット切断工程の切断状況に応じて
連続加熱炉よりビレットを抽出するタイミングを制御す
る方法が開示されている。
熟練作業者の作業ノウハウを活用し、鋼片の圧延能力と
加熱炉能力および作業休止時間の発生状況を考慮するこ
とにより、連続加熱炉から鋼片を抽出するタイミングを
予測する方法が開示されている。
には、連続加熱炉の下工程にあたる圧延設備に休止があ
ったとき、加熱炉からの鋼片の取り出しを停止する一
方、加熱炉に上工程の連続鋳造設備から鋼片が装入でき
る装入制御が開示されている。すなわち、事前に加熱炉
からの抽出ピッチおよび複数あるウォーキングビームの
搬送ピッチを制御し、休止開始時には装入側のウォーキ
ングビームには材料が残らないようにして、休止時は連
続加熱炉からの抽出を停止し、装入側のウォーキングビ
ームのみ駆動して鋼片を加熱炉内へ装入するといった連
続加熱炉への鋼片の搬送方法に関するものである。
6号公報に開示された発明では、連続加熱炉の下工程に
合わせて、鋼片を加熱炉から取り出すタイミングを制御
しているため、連続加熱炉からの鋼片の抽出を適宜停止
させることとなる。その結果、鋼片の在炉時間の長期化
に伴なう鋼片のスケールロスが多くなり、歩留りを悪化
させるという問題がある。
された発明では、無駄な停止を防ぐことができるが、特
開平2−269556号公報に開示された発明と同様
に、連続加熱炉から鋼片の抽出を停止させるため、この
場合も、スケールロスが増大することは避けられない。
に開示された発明でも、圧延設備に休止があったときに
は、連続加熱炉からの鋼片の抽出を停止するため、スケ
ールロスの増大は避けられない。さらに、連続加熱炉内
に複数のウォーキングビームを設け、ウォーキングビー
ムごとに搬送速度を制御するため、ウォーキングビーム
を分割する必要があり、設備コストが増大するだけでな
く、複雑な装入制御を行う必要がある。
は、いずれも連続加熱炉からの鋼片の抽出を一時停止さ
せるため、炉床やウォーキングビームなどに鋼片の放熱
があり、偏熱が生じる。偏熱は、搬送を停止した時間が
長いほど助長され、偏熱が大きければ、熱間加工後の製
品の品質を安定させることはできず、また熱間加工の際
に支障をきたす場合もある。
変更に必要な下工程での工具交換および/または条件設
定の変更に伴う段取替に要する時間(以下、段取替時間
という)を算出し、その段取替時間を基に鋼片を適正な
タイミングで連続加熱炉へ装入することで、連続加熱炉
での鋼片の在炉時間と搬送停止時間を最小限に抑えて、
スケールロスを最小限にし、偏熱が小さく品質が安定し
た鋼片を供給することが可能な連続加熱炉の装入制御方
法を提供することにある。
での鋼片の在炉時間と鋼片の搬送停止時間を最小限に抑
えるために、連続加熱炉の装入制御方法の最適化を図
り、スケールロスと偏熱による品質低下を抑えることを
検討した。
大きな原因は、加熱処理工程の下工程にあたる熱間加工
工程における段取替の発生にある。段取替は、熱間加工
スケジュールの変更に伴う製造ロット毎または熱間加工
工程で使用する工具が消耗した場合などに行われる。段
取替で必要となる作業内容(以下、段取替作業という)
は、製造ロット毎、または消耗した工具を交換する場合
にはその工具の種類により異なるため、段取替時間はそ
の段取替作業によって異なる。ここで、製造ロットと
は、熱間加工工程における加工単位を示す。
合、段取替が発生すると、鋼片の抽出を停止する時間
は、その鋼片についての段取替作業の段取替時間うち最
大となる段取替時間に依存する。このため、この時間だ
け連続加熱炉への鋼片の装入を遅らせれば、在炉時間が
不要に長くなることがないので、余分なスケールロスが
発生することはなく、偏熱も抑えることができる。
たものであり、その要旨は、下記(1)および(2)を
特徴とする連続加熱炉の装入制御方法にある。
連続加熱炉の装入制御方法であって、熱間加工スケジュ
ールの変更に必要な下工程での工具交換および/または
条件設定の変更に伴う段取替時間を算出する手段を設
け、この段取替時間のうち最大となる段取替時間を装入
停止時間として、連続加熱炉への鋼片の装入を停止した
後、熱間加工スケジュール変更後の鋼片を装入すること
を特徴とする連続加熱炉の装入制御方法(以下、第1発
明という)。
管された後、熱間加工する鋼片に加熱処理を施す連続加
熱炉の装入制御方法であって、熱間加工スケジュールの
変更に必要な下工程での工具交換および/または条件設
定の変更に伴う段取替時間を算出する手段と、バッファ
の充填率を予測して充填されるまでの時間を算出する手
段と、前記段取替時間のうち最大となる段取替時間と、
バッファが充填されるまでの時間を比較する手段とを設
け、比較した時間のうち、短い時間を装入停止時間とし
て、連続加熱炉への鋼片の装入を停止した後、熱間加工
スケジュール変更後の鋼片を装入することを特徴とする
連続加熱炉の装入制御方法(以下、第2発明という)。
加熱炉の装入制御方法では、上記下工程での段取替の実
績時間を用いて段取替時間設定値を修正し、新たな段取
替時間設定値に基づいて、段取替時間を算出することが
好ましい。
法に関する発明であって、第1発明は、加熱処理工程と
その下工程(熱間加工工程)の関係を考慮したものであ
り、第2発明は、下工程に加え上工程(バッファ)の関
係をも考慮したものである。
工程の生産能率の差を吸収するために設けられ、連続鋳
造工程での鋼片供給能力が、加熱処理工程での鋼片消費
能力に上回った場合、緩衝工程としての役割を果たす。
バッファにそれが保有する容量以上の鋼片が供給され、
物理的に鋼片を保管することができなくなることをバッ
ファ溢れというが、バッファ溢れが生じた場合、バッフ
ァの緩衝機能を果たすことができず、連続鋳造工程での
鋼片生産に支障が生じることになるので、バッファ溢れ
は好ましくない。第2発明はこのようなバッファ溢れの
防止を考慮するものである。
いがあるものの、発明の基本的な概念は同じである。以
下では本発明について図に沿って説明する。
う本発明についてのデータの流れを示した図である。
(図示せず)、連続鋳造工程7、バッファ8、加熱処理工
程9および熱間加工工程(圧延ライン10、精整ライン1
1)からなる。製鋼工程で得られた溶鋼は、連続鋳造工
程7で鋳造され鋼片となり、バッファ8で一時保管された
後、連続加熱炉で加熱処理され、圧延ライン10、精整ラ
イン11を通して鋼製品が得られる。これらの工程を一貫
してライン制御することで、効率よく鋼製品を製造する
ことが可能となる。
毎に予め、圧延仕上寸法、圧延本数、必要な工具寸法、
熱処理条件などの熱間加工スケジュールが記憶されてい
る。ただし、製造ロットを熱間加工している最中に熱間
加工工程において工具の消耗による交換が必要とされる
場合は、一の製造ロットが複数に分割され熱間加工スケ
ジュールが記憶されている場合もある。すなわち、熱間
加工スケジュールは、製造ロット毎または分割製造ロッ
ト毎に上位計算機1に記憶されている。
憶された上位計算機1はその熱間加工スケジュールに従
って圧延ライン10、精整ライン11に工具交換や条件設定
の変更の指示が与えられるとともに、熱間加工スケジュ
ールはデータファイルとして外部記憶装置2に与えられ
る。
ル(熱間加工スケジュールファイル)は段取替検出手段
3によって読み込まれ、製造ロットの切換の際に、段取
替が必要か否かが判断される。このとき、段取替が必要
であると判断された場合には、加熱炉装入時期変更手段
4にその旨の指令が送信される。
間隔設定ファイル5から段取替作業ごとに必要な時間
(段取替時間設定値)を検索し、下工程での段取替時間
を算出する。このとき、複数の段取替時間が算出される
が、第1発明では、これらの段取替時間のうち、最大と
なる段取替時間を装入停止時間として採用する。ここ
で、最大となる段取替時間を装入停止時間として採用す
るのは、同時に複数の段取替作業を行った場合、必ずこ
の最大となる段取替時間内に段取替を完了させることが
できるからである。
時間学習手段6により常時修正される、すなわち、製造
ロットの切換に必要な下工程(図1の圧延ライン10、精
整ライン11)での段取替の実績時間を用いて段取替時間
設定値に修正し、新たな段取替時間設定値に基づいて、
段取替時間を算出することにより、加熱炉間隔設定ファ
イル5は常時修正されることが好ましい。
の高い段取替時間の算出が可能となる。例えば、圧延ラ
イン10での実績時間、および精整ライン11での実績時間
を収集し、下記式1で表される指数平滑学習による計算
式により新たな段取替時間設定値を算出し、加熱炉間隔
設定ファイル5を修正すればよい。
間、tbは既段取替時間設定値、tatは加熱炉間隔設
定ファイル5に格納する段取替時間(新たな段取替時間
設定値)である。
時間設定値を算出した一例として、ピアサロール交換の
段取替時間と実績時間を示した図である。図2から分か
るようにピアサロール交換の実績時間は40〜60分であ
り、かなりのバラツキがあるが、上記式1で修正を加え
ることにより、50分近傍の新たな段取替時間設定値が得
られる。これにより、段取替時間と実績時間の差を極力
小さくすることができる。
加熱炉9に対して、装入停止時間、連続加熱炉への鋼片
の装入を停止した後、連続加熱炉9に熱間加工スケジュ
ール変更後の製造ロットの最初の鋼片を装入するように
指令を送信する。すなわち、連続加熱炉9では、熱間加
工スケジュール変更前の製造ロットの最後の鋼片の装入
が完了した後、装入停止時間が算出された次の製造ロッ
トの最初の鋼片の装入が停止され、装入停止時間が経過
した後、鋼片が連続加熱炉へ装入される。
せることで、連続加熱炉内に鋼片が存在しない空炉箇所
が発生するが、この空炉を設けることによって連続加熱
炉での鋼片の在炉時間と搬送停止時間を最小限に抑える
ことが可能になる。
工程(熱間加工工程9)の関係のみを考慮した第1発明
に関するものである。第1発明は、下工程(熱間加工工
程9)に比べ上工程(連続鋳造工程7)の作業能率が常に
低い場合や、上工程から下工程まで一貫して作業を行わ
ない場合、例えばオフラインから鋼片を供給する場合な
どに適用することができる。
御する場合には、バッファについて考慮する必要があ
る。製鋼工程、連続鋳造工程7では、連続的に材料を製
造する必要があり、これが中断すると生産性が阻害され
ることとなる。このため、前述したバッファ8を設ける
ことが有効である。しかし、バッファ容量が大きけれ
ば、上工程と下工程の生産能率の違いが大きくても吸収
できるが、過大なバッファ容量は適正ではない。そのた
め、バッファは、上工程と下工程の生産能率の違いを吸
収できる適正な容量を有するよう設計される。
で停止させている間、鋼片が連続鋳造工程7から一方的
にバッファ8へ供給されることとなり、バッファの充填
率は急激に上昇する。その結果、連続加熱炉への鋼片の
装入停止時間が大きくなると、連続鋳造工程7から流入
する鋼片によりバッファ溢れが生じるおそれがある。前
述のように、バッファ溢れが生じた場合、本来のバッフ
ァの機能を果たすことができず、連続鋳造工程での鋼片
生産に支障が生じることになる。そのため、バッファの
充填率を予測し、バッファ溢れを起こさない装入停止時
間を考慮した操業が必要となる。
の鋼片の装入方法の手順について模式的に示した図であ
る。図3中に示すように、実際の運用では、不慮の事故
を防止するため、物理的なバッファ容量の上限(バッフ
ァが物理的に充填率100%となるときのバッファ容量)
に対し、低めに設定されたバッファ容量を上限とし、こ
の上限まで充填されるまでの時間をバッファが充填され
るまでの時間として算出することが好ましい。以下で
は、任意のバッファ容量が完全に充填された場合を充填
率100%(最大充填率ηmax)と定義して、具体的に
例を挙げて説明する。
送中あり、加熱炉入側に製造ロットbが到着した状態に
ある(図3(1))。熱間加工工程では、製造ロットaか
ら製造ロットbへ製造ロットの切換を行う際、段取替作
業が必要であり、このとき、前述の加熱炉装入時期変更
手段4により、段取替時間△tbが算出される。この場
合、△tbの間、製造ロットbの最初の鋼片を連続加熱炉
への装入を停止しても、バッファの充填率は100%とは
ならないため、製造ロットbは△tbが経過するまで加熱
炉入側で停止する。この間、連続加熱炉内では製造ロッ
トaが搬送され、連続加熱炉内の入側に空炉bが発生す
る。空炉bの全長は製造ロットbについて段取替する際
に必要な時間を経過させるための距離に相当する。一
方、鋼片の装入を停止したため、バッファの充填率は上
昇する(図3(2))。
造ロットbの最初の鋼片が連続加熱炉内に装入され、同
時にバッファの充填率は低下する(図3(3))。
の装入が完了し、代わって製造ロットcが加熱炉入側で
停止する(図3(4))。ここでも、熱間加工工程では、
製造ロットbから製造ロットcへ製造ロットを変更する
際、段取替作業が必要であるため、前述の加熱炉装入時
期変更手段4により、段取替時間△tcが算出される。
の装入を△tc間停止させると、時刻t3+△tcではバッフ
ァの充填率が最大充填率ηmaxを超えるため、バッフ
ァ溢れが発生する(図3(5))。
に、製造ロットcの最初の鋼片を装入する(図3
(6))。このとき、連続加熱炉内に発生する空炉cの全
長は、製造ロットcについて段取替する際に必要な時間
よりも短い時間しか経過させることのできない距離であ
るが、バッファ溢れの発生によって連続鋳造工程での鋼
片生産に支障をきたすことを防止しつつ、スケールロス
および偏熱の発生を最小限に抑え、鋼片の品質を安定さ
せることができる。
ァ充填率予測手段12にて連続鋳造工程10からのバッファ
に流入する量とバッファから連続加熱炉へ流出する量を
解析して行うことができる。すなわち、バッファにおけ
る鋼片の時間的変化は、 dV(t)/dt=qi(t)−qo(t) … 式2 で表される。ここで、V(t)はバッファの充填量
(本)、qi(t)はバッファに流入する量(本/mi
n)、qo(t)はバッファから流出する量(本/min)
である。Viniを連続加熱炉への鋼片の装入を停止し
た時点のバッファ内の充填量(本)とすると、式2は V(t)=Vini+∫{qi(t)−qo(t)}dt … 式3 となる。
填率η(=V(t)/V0)は下記式4のように定義さ
れる。
た条件では、qo(t)=0であり、バッファへ流入す
るk番目の製造ロットの流入量をqi(k)(本/mi
n)、△tkをk番目の製造ロットの流入時間(min)と
すると、
る。
際、その時点のη0とバッファに流入する製造ロットの
流入量と流入時間が分かれば、バッファが充填されるま
での時間を算出することが可能となる。
るまでの時間を算出するとともに、前述した段取替時間
を算出する工程で算出した段取替時間のうち最大となる
段取替時間(最大段取替時間)と、バッファが充填され
るまでの時間(バッファ充填時間)を比較する。
あれば、鋼片の連続加熱炉への装入を停止してもバッフ
ァ溢れは発生しない。一方、(最大段取替時間>バッフ
ァ充填時間)であれば、最大段取替時間の間、鋼片の連
続加熱炉への装入を停止するとバッファ溢れは発生す
る。
填時間のうち、短い方の時間を装入停止時間として連続
加熱炉への鋼片の装入を停止した後、鋼片を連続加熱炉
へ装入すれば、バッファ溢れは発生しない。
場合、鋼片の連続加熱炉からの抽出を一旦停止させるこ
とになるため、発生するスケールロスおよび偏熱が大き
くなるが、バッファ溢れの発生に伴う連続鋳造工程での
鋼片生産に関する支障は生じない。バッファ溢れが起こ
らないことを限度として、鋼片の連続加熱炉への装入を
遅らせることができるので、余分に発生するスケールロ
スおよび偏熱は最小限に抑えることができる。
に適用した。継目無鋼管は丸鋼片を加熱炉で1250℃程度
に加熱し、圧延ラインでピアサーにて穿孔し、マンドレ
ルミルなどの延伸圧延機により圧延し、サイザーもしく
はストレッチレデューサーにより管外径を整えて製管し
た後、精整ラインで熱処理を施し寸法切断した。
ール(熱間加工スケジュール)を示す。表1は上位計算
機1から与えられる。
ジュール(丸鋼片区分・外径・肉厚・熱処理温度・本
数)は製造ロットごとに異なる。このため、圧延ライン
では、ピアサー、マンドレルミル、サイザーの各ロール
や、ピアサープラグ、マンドレルバーの工具の交換とい
った段取替作業を製管スケジュールに応じて頻繁に行わ
なければならない。また、精整ラインでは、熱処理炉の
温度変更の段取替作業が頻繁に発生する。なお、丸鋼片
区分とは、外径や肉厚の寸法をある範囲にて区分したも
のである。
取替内容を示す表である。なお、表2中の製造ロット番
号は表1中の製造ロット番号と対応する。
わる際、段取替が必要な段取替の種類は変更のあった製
管スケジュールによって決定される。すなわち、丸鋼片
区分が変化する場合にはピアサロール交換を、製管外径
が変化する場合にはマンドレルロール交換およびサイザ
ーロール交換を、製管内径が変化する場合はピアサプラ
グ交換およびマンドレルバー交換を、熱処理温度が変化
する場合は熱処理炉の温度変更を行わなければらない。
量が小さい場合にはこれらの交換または温度変更が不要
な場合もある。例えば、製造ロット番号4から製造ロッ
ト番号5に製管スケジュールが変わる際、外径は9mm増
加する。しかし、この変化量は十分小さいため、マンド
レルロール交換は不要である。ただし、この外径変化に
伴い、サイザロール交換は行う必要がある。
その前の製造ロット番号1と比較して、内径が変化する
ので、ピアサプラグ交換とマンドレルバー交換が必要と
なる。よって、これらの段取替作業に対し、加熱炉間隔
設定ファイル5から段取替時間を引き出した。
間を示す表である。ただし、表3の段取替時間は実績時
間学習手段6により常時更新されるので、目安となる時
間を示している。
分であり、マンドレルバー交換にかかる段取替時間は5
分である。このうち最大となる段取替時間は10分であ
り、この時間を装入停止時間として採用し、連続加熱炉
への製造ロット番号2の製造ロットの最初の鋼片の装入
を停止した後、鋼片を連続加熱炉へ装入した。
取替時間を示す表である。なお、表2と同様、表4中の
製造ロット番号は表1中の製造ロット番号と対応する。
表4中の*は段取替時間のうち最大となる段取替時間、
すなわち鋼片の装入停止時間を示す。製造ロット番号3
から製造ロット番号14までの製造ロットについても、
表4にしたがって、製造ロット番号2と同様に、連続加
熱炉への鋼片の装入を停止した後、鋼片を連続加熱炉へ
順次装入した。
装入することにより、鋼片が流出していくとともに、連
続鋳造工程から鋼片が流入する。
への流入量を示した表である。なお、この場合も、バッ
ファ流出における製造ロット番号は表1中の製造ライン
番号と対応する。このバッファ流出とバッファ流入のバ
ランスによりバッファの充填率が決まる。
を装入した場合のバッファの充填率と各製造ロットの装
入停止時間を示した図である。図4において、横軸は番
号1の製造ロットを連続加熱炉へ装入したときの時刻を
ゼロとした時間であり、折れ線はバッファの充填率を、
点は装入停止時間を示す。なお、装入停止時間は、製造
ロット番号2以降の製造ロットについてのみ、連続加熱
炉への装入の停止を開始した時刻に当たる時間にプロッ
トしたものである。
段取替時間のうち、最大となる段取替時間を装入停止時
間として、鋼片の装入を停止した場合には、スケールロ
スが少なく、かつ偏熱が小さく品質が安定した鋼片が得
られた。しかしながら、図4中のAで示した装入停止時
間に対応する製造ロット(製造ロット番号11)の鋼片
の装入停止中にバッファの充填率は100%を超えた。
造では、物理的なバッファ容量の上限に対し、最大充填
率ηmaxを低く設定し運用したため、形式上のバッフ
ァ溢れが発生したが、物理的なバッファ溢れは発生しな
かった。しかし、バッファをより効率的に活用するため
に、物理的なバッファ容量の上限を最大充填率ηma x
として設定した場合、上記のような製造ラインの運用を
行うと、物理的なバッファ溢れも発生してしまう可能性
がある。
こらない場合、すなわち、前述したように、下工程(熱
間加工工程9)に比べ上工程(連続鋳造工程7)の作業能
率が常に低い場合や、オフラインから鋼片を供給する場
合などに適用することができる。
製造ラインに適用した。なお、試験の製管スケジュール
などは上記の第1発明をの場合と同じとした。
装入した場合のバッファの充填率と各製造ロットの装入
停止時間を示した図である。図5中のBで示した装入停
止時間に対応する製造ロット番号11の鋼片の装入停止
している際、バッファの充填率が装入停止後31分後に10
0%を超えると予測されたため、製造ロット番号11の
製造ロットに関しては、バッファの充填率を考慮しない
場合に60分鋼片の装入を停止するべきところを、31分で
鋼片の装入を開始した。
ッファの充填率は100%を超えることはなかった。この
ようにすれば、鋼片の在炉時間は長くなるため、スケー
ルロスなどは増加するが、バッファ溢れで生産ラインが
停止することがないので、スムーズな生産ラインの運用
ができる。
ことができるスケールロス量について調査した。
示した図である。図6に示すように、一般に在炉時間が
長くなるほどスケールロスは多くなる。実際に本発明を
適用した場合と適用しない場合のスケールロス量を測定
することは難しいため、製管スケジュールから鋼片の装
入を停止した時間、すなわち短縮された在炉時間を割り
出し、図6の在炉時間とスケールロスの関係から減少さ
せることができたスケールロス量について算出した。な
お、計算を容易にするため、ここで算出したスケールロ
ス量はバッファの充填率を考慮しない第1発明を採用し
たときのスケールロス量である。
とき、段取替作業に伴う鋼片の抽出を停止することによ
り発生するスケールロス量について示した表である。各
スケールロス量を合計すると32.6トンにものぼり、この
量のスケールロスを減少させることは、生産歩留りの面
からも価値は大きい。
なる段取替時間を装入停止時間として連続加熱炉へ鋼片
の装入を停止するため、連続加熱炉での鋼片の在炉時間
と搬送停止時間を最小限に抑えることができ、その結
果、スケールロスを最小限にし、偏熱が小さく品質が安
定した鋼片を供給することできる。
率も考慮し、装入停止時間を決定すれば、バッファ溢れ
が生じることもないので、スケールロスおよび偏熱の発
生を低く抑えることができ、かつ、連続鋳造工程での鋼
片生産に支障が生じない。
いてのデータの流れを示した図である。
示した図である。
方法の手順について模式的に示した図である。
合のバッファの充填率と各製造ロットの装入停止時間を
示した図である。
のバッファの充填率と各製造ロットの装入停止時間を示
した図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】熱間加工する鋼片に加熱処理を施す連続加
熱炉の装入制御方法であって、熱間加工スケジュールの
変更に必要な下工程での工具交換および/または条件設
定の変更に伴う段取替時間を算出する手段を設け、この
段取替時間のうち最大となる段取替時間を装入停止時間
として、連続加熱炉への鋼片の装入を停止した後、熱間
加工スケジュール変更後の鋼片を装入することを特徴と
する連続加熱炉の装入制御方法。 - 【請求項2】上工程に設けられたバッファ内で保管され
た後、熱間加工する鋼片に加熱処理を施す連続加熱炉の
装入制御方法であって、熱間加工スケジュールの変更に
必要な下工程での工具交換および/または条件設定の変
更に伴う段取替時間を算出する手段と、バッファの充填
率を予測して充填されるまでの時間を算出する手段と、
前記段取替時間のうち最大となる段取替時間と、バッフ
ァが充填されるまでの時間を比較する手段とを設け、比
較した時間のうち、短い時間を装入停止時間として、連
続加熱炉への鋼片の装入を停止した後、熱間加工スケジ
ュール変更後の鋼片を装入することを特徴とする連続加
熱炉の装入制御方法。 - 【請求項3】上記下工程での段取替の実績時間を用いて
段取替時間設定値を修正し、新たな段取替時間設定値に
基づいて、段取替時間を算出することを特徴とする請求
項1または2に記載の連続加熱炉の装入制御方法。
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