JP5453955B2 - 熱延用スラブの幅圧下方法 - Google Patents
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Description
(a)連続鋳造工程でのスラブ幅計算値には、連続鋳造する際に生じるスラブの幅変動。
(b)スラブヤードでのローダー掴み幅のスラブ実測値には、その後スラブがスラブヤードから熱間圧延ラインの搬送テーブル上に搬送されて冷却される過程で生じる、スラブの熱収縮量、その後にスラブが加熱炉に装入され加熱炉で加熱される過程で生じる、スラブの熱膨張による幅変動。
すなわち、熱間圧延用プロセスコンピュータでは、鋼種、スラブ寸法、スラブ温度などの初期データに基づき、熱間圧延用プロセスコンピュータで目標幅および目標厚みとなるように設定計算を行なう際、前記したスラブの幅変動があっても、熱延鋼帯の幅が製品幅を下回らないように余幅を設けている。つまり、目標幅を製品幅よりも余幅分だけ広く設定することで、スラブの幅変動を吸収しようとしている。
その他、実際の幅プレス入側スラブ幅を測定していないことによる問題点として以下がある。ローダー掴み幅を実測する設備のトラブルなどで、ローダー掴み幅の実測値が得られず、かつ連続鋳造工程でのスラブ幅計算値と、実際の幅プレス入側スラブ幅との差が大きい場合、実際の幅圧下量が過大となり、設備能力を超えたプレス荷重がサイジングプレスに繰り返し作用する結果、サイジングプレスの設備損傷につながる。また、ローダー掴み幅はスラブ長手方向数点でしか実測できないため、サイジングプレスで幅圧下するスラブの幅変動した形状が正確に判定できないという問題もあった。
図1は、本発明法を実施する熱間圧延ラインの構成を示す平面図であり、1は鋼のスラブを示す。スラブ1は熱間圧延ラインの搬送テーブル2上に直送されてくる場合と、加熱炉で加熱され搬送テーブル2上に抽出される場合がある。3はサイジングプレス4の入側に設置したスラブ幅計である。スラブ幅計3には下部光源方式あるいは赤外線方式のものが好適である。
G=W−ΔB ・・・・(1)
ただし、W:幅プレス入側スラブ幅、ΔB:幅圧下量。
なお、図3(a)、(b)には、幅プレス入側スラブ幅Wが一定である正常なスラブ1と同様、スラブ搬送方向への送り量Pを金型平行部の長さL未満とし、サイジングプレスに組み込んだ一対のプレス金型4aでスラブ先端部を一叩きした状態を示した。図4には、図3に示した異常なスラブ10および異常なテーパ状スラブ11について、スラブ先端からの距離と幅プレス入側スラブ幅の関係を示した。このサイジングプレスで鋼のスラブ1を搬送しつつ幅圧下する際、設定計算で得た幅圧下量となるように、サイジングプレスの開度Gをプリセットするプリセット制御のみ行うのが従来法である。
また、サイジングプレス4の開度Gを変更する幅圧下のフィードフォワード制御を行う際には、スラブ先端からの距離と幅プレス入側スラブ幅との関係を測定順に熱間圧延用プロセスコンピュータ5に送り、その制御管理下でサイジングプレス4の搬送テーブルローラの回転速度制御を行うのが、当該スラブにおける幅異常部のトラッキング精度を上げることができるので好ましい。この理由は、スラブ先端はスラブ幅計3と同じ位置に設置したスラブ温度センサーの急激な温度上昇によって検出でき、スラブ尾端は同じスラブ温度センサーの急激な温度低下によって検出できるから、スラブ先端がスラブ温度センサーの直下を通過して以降、スラブ尾端がスラブ温度センサーの直下を通過するまでの間、サイジングプレス4の搬送テーブルローラの回転速度制御を行うことで、スラブ搬送方向への送り量Pごとに、幅異常部のトラッキング精度を向上することができるからである。
このように、本発明法を実施することにより、従来法に比べて、粗圧延後のシートバー幅をほぼ一定にすることができ、図5(a)、(b)に示した通り、仕上げ圧延して得られる熱延鋼帯の幅変動量を小さくすることができる。
W 幅プレス入側スラブ幅
ΔB 幅圧下量
SW 熱延鋼帯の幅変動量
L 金型平行部の長さ
R スラブの全長
S 熱延鋼帯の全長
1 鋼のスラブ
2 搬送テーブル
3 スラブ幅計
4 サイジングプレス
4a 一対のプレス金型
5 熱間圧延用プロセスコンピュータ
6 上位コンピュータ
10 異常なスラブ
11 異常なテーパ状スラブ
10a、11a 幅異常部
Claims (2)
- スラブ寸法を含むデータに基づいて設定計算を行ない、該設定計算で得た幅圧下量に基づいて開度を設定するサイジングプレスが設置されている熱間圧延ラインにて、サイジングプレスの入側にスラブ幅計を設置して、該スラブ幅計で実際の幅プレス入側スラブ幅をスラブ長手方向の複数部位で測定するとともに、スラブを搬送しつつサイジングプレスで幅圧下する際、設定計算で得た幅圧下量に基づいてサイジングプレスの開度をプリセットした後、前記設定計算で用いた幅プレス入側スラブ幅から、前記スラブ幅計で計測した幅プレス入側スラブ幅の最小幅を引き、その分だけサイジングプレスの開度を狭く変更する幅圧下のフィードフォワード制御を行い、該フィードフォワード制御にて、スラブ先端からの距離と幅プレス入側スラブ幅との関係を測定順に熱間圧延用プロセスコンピュータに送り、熱間圧延用プロセスコンピュータの制御管理下でサイジングプレスの搬送テーブルローラの回転速度制御を行うことを特徴とする熱延用スラブの幅圧下方法。
- 前記サイジングプレスの開度をプリセットするタイミングは、当該スラブがいずれかの加熱炉から抽出された時点、もしくは熱間圧延ラインの搬送テーブル上に直送されてきた時点とすることを特徴とする請求項1に記載した熱延用スラブの幅圧下方法。
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