JP2003056598A - 電磁クラッチ - Google Patents

電磁クラッチ

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JP2003056598A
JP2003056598A JP2001251898A JP2001251898A JP2003056598A JP 2003056598 A JP2003056598 A JP 2003056598A JP 2001251898 A JP2001251898 A JP 2001251898A JP 2001251898 A JP2001251898 A JP 2001251898A JP 2003056598 A JP2003056598 A JP 2003056598A
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electromagnetic clutch
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JP2001251898A
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English (en)
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Naoharu Konaga
直治 小長
Junichi Nakagawa
純一 中川
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クラッチ全体をカバーで覆うことなく、異音
を低減する。 【解決手段】 アーマチャ140に制振鋼板143を粘
弾性を有する接着シート144にて固定する。これによ
り、アーマチャ140の振動を吸収する(減衰させる)
ことができるので、電磁クラッチ100をカバーで覆う
ことなく、アーマチャ140の振動に伴う異音を低減す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動源の駆動力を
断続可能に従動機器に伝達する電磁クラッチに関するも
ので、走行用エンジンの駆動力を断続可能に油圧ポンプ
や圧縮機等のエンジンルーム内の回転機器に伝達する電
磁クラッチに適用して有効である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電磁ク
ラッチに限らず、摩擦力により動力を伝達するクラッチ
では、摩擦面に発生する断続的なすべりにより、クラッ
チ板(電磁クラッチにおいては、アーマチャ)が加振さ
れて異音が発生してしまう。
【0003】また、電磁クラッチでは、アーマチャが吸
着される時に発生する衝突音に起因する異音も発生し易
いため、エンジン等の比較的に大きな騒音を発する機器
が停止しているとき、電磁クラッチを繋ぐ(ONとす
る)と、特に、この衝突による異音が顕著(耳障り)に
なる。
【0004】このような異音に対して、クラッチ全体を
比較的に質量の大きなカバーで覆うと言った手段が考え
られるが、この手段では、カバー内に熱がこもり、電磁
クラッチの放熱性が低下するので、電磁クラッチの寿命
低下を招くおそれがある。
【0005】本発明は、上記点に鑑み、クラッチ全体を
カバーで覆うことなく、異音を低減することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1に記載の発明では、駆動源(E
/G)の駆動力を断続可能に従動機器(200)に伝達
する電磁クラッチであって、駆動源(E/G)により回
転駆動される駆動側回転部材(110)と、従動機器
(200)側に連結されて回転する従動側回転部材(1
20)と、通電されることにより磁界を発生する励磁コ
イル(130)と、駆動側回転部材(110)及び従動
側回転部材(120)のいずれか一方側の部材(11
0)に連結され、励磁コイル(130)により誘起され
た磁界による電磁力により他方側の部材(120)に吸
着されて駆動側回転部材(110)から従動側回転部材
(120)に駆動力を伝達する摩擦面(140c)を有
するアーマチャ(140)とを備え、アーマチャ(14
0)の振動を吸収する制振手段(143)が、粘弾性材
料からなる接着手段(144)によりアーマチャ(14
0)に固定されていることを備えることを特徴とする。
【0007】これにより、アーマチャ(140)の振動
を吸収する(減衰させる)ことができるので、電磁クラ
ッチをカバーで覆うことなく、アーマチャ(140)の
振動に伴う異音を低減することができる。
【0008】なお、制振手段(143)は、請求項2に
記載の発明のごとく、2枚の鋼板(143a)間に粘弾
性樹脂からなる樹脂層(143b)を挟んだサンドイッ
チ構造を有する制振鋼板を用いることが望ましい。
【0009】また、請求項3に記載の発明のごとく、制
振手段(143)をゴム製としてもよい。
【0010】また、接着手段(144)は、請求項4に
記載の発明のごとく、弾性変形可能な不織布の表裏両面
に接着材が塗布された接着シートとしてもよい。
【0011】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後
述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す
一例である。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本実施形態は、
エンジン(内燃機関)と電動モータとを組み合わせて走
行するハイブリッド車両用の圧縮機の駆動方式に適用し
たものであって、図1は本実施形態に係る空調装置用圧
縮機(以下、圧縮機と略す。)の駆動方式を示す模式図
である。
【0013】図1中、100は、走行用エンジン(駆動
源(E/G))E/Gの駆動力を断続可能に圧縮機(従
動機器、回転機器)200伝達するクラッチとVベルト
が掛けられるプーリとが一体となった電磁クラッチであ
り、この電磁クラッチ100は、エンジンE/Gのクラ
ンクシャフト(図示せず。)に直結されている。
【0014】そして、空調装置を稼動させている(A/
CスイッチをONとしている)場合において、エンジン
E/Gが稼動している間は電磁クラッチ100を繋いで
(ONとして)エンジンE/Gの駆動力を圧縮機200
に伝達し、エンジンE/Gが停止している間は電磁クラ
ッチ100を切って(OFFとして)、走行用の電動モ
ータとは異なる別の電動モータにて圧縮機200を駆動
する。
【0015】なお、210は圧縮機200から吐出され
る冷媒と外気とを熱交換して冷媒を冷却する放熱器(凝
縮器)であり、220は放熱器210から流出した冷媒
を減圧する減圧器であり、230は減圧器220にて減
圧された冷媒と室内に吹き出す空気とを熱交換させて冷
媒を蒸発させることにより室内に吹き出す空気を冷却す
る蒸発器である。
【0016】因みに、本実施形態では、減圧器220と
して、蒸発器230出口側における冷媒加熱度が所定値
となるようにバルブ開度を機械的に調節する温度式膨張
弁を採用している。
【0017】次に、本実施形態に係る電磁クラッチ10
0の構造について述べる。
【0018】図2は本実施形態に係る電磁クラッチ10
0の軸方向断面図であり、図2中、110はエンジンE
/Gのクランクシャフトに連結されてクランクシャフト
と一体的に回転する金属製のセンターハブ(駆動側回転
部材)であり、このセンターハブ(以下、ハブと略
す。)110は、キー(JIS B 1301参照)に
よりクランクシャフトに対して回り止めされた状態でボ
ルト111によりクランクシャフトに固定されている。
【0019】120はVベルトが掛けられる略円筒状の
プーリ(円筒部材)121と一体的に回転するロータ
(従動側回転部材)であり、このロータ120とプーリ
121とは、弾性変形可能な弾性材料(本実施形態で
は、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重
合ゴム)らなる第1ダンパ部材122を介して連結され
ている。
【0020】因みに、第1ダンパー部材122は、金属
製(本実施形態では、FC材)のプーリ121の内筒
壁、及びロータ120の外筒壁に圧入固定された金属製
(本実施形態では、SGP材)の円筒部材123の外壁
に加硫接合にて接合されており、第1ダンパー部材12
2に作用する剪断力によりロータ120とプーリ121
との間でトルク(駆動力)が伝達される。
【0021】また、ロータ120は、外筒部124、内
筒部125、及び外筒部124と内筒部125とを軸方
向一端側で連結するリング板部126からなる二重円筒
構造を有するもので、外筒部124、内筒部125及び
リング板部(摩擦プレート)126は、炭素含有量の少
ない鉄系材料等の強磁性材料(本実施形態では、S10
C)にて一体成形されて、後述する励磁コイル130に
より誘起された磁束の磁路(ヨーク)の一部を構成して
いる。
【0022】そして、ロータ120は、外筒部124と
ハブ110とに間に配設された軸受(本実施形態では、
2本の転がり軸受)127によりハブ110に対して回
転可能とした状態でハブ110に支持されている。因み
に、軸受127は、そのインナーレースがハブ110の
外周壁に圧入固定され、アウターレースがロータ120
(外筒部124)の内筒壁に圧入固定されているととも
に、止め輪128とハブ110に形成された段付き部1
12とにより挟まれて軸方向の位置決めがされている。
【0023】また、外筒部124と内筒部125との間
にの空間には、通電されることにより磁界を発生させる
リング状の励磁コイル(ステータコイル)130が挿入
されており、この励磁コイル130は、炭素含有量の少
ない鉄系材料等の強磁性材料(本実施形態では、S10
C)にて形成されたヨークを兼ねるステータハウジング
(保持部材)131により保持されている。なお、励磁
コイル130は、ステータハウジング131の二重リン
グ部131a内に装着された状態で樹脂(本実施形態で
は、エポキシ系樹脂)にでモールド固定されている。
【0024】ここで、ステータハウジング131は、ハ
ブ110の外周壁に圧入固定された軸受(本実施形態で
は、転がり軸受)132により、ハブ110に対して回
転可能とした状態でハブ110に支持されている。この
とき、ロータ120及びステータハウジング131(励
磁コイル130)の両者は、共にハブ110を基準とし
て位置決めされるので、ロータ120に対してステータ
ハウジング131(励磁コイル130)が精度良く位置
決めされる。
【0025】因みに、軸受132は、軸受127の軸方
向端部に接触するように配設された円筒状のカラー13
3と止め輪133aとにより挟まれて軸方向の位置決め
がされている。
【0026】また、134はステータハウジング131
に固定されて、ステータハウジング131(励磁コイル
130)がハブ110と共に連れ回りすることを防止し
つつ、軸受127と共にステータハウジング131を支
持するステータプレートである。
【0027】そして、このステータプレート134に
は、図3に示すように、プーリ121より径外方側に突
出するアーム部134aが設けらており、ステータプレ
ート134は、図2に示すように、アーム部134a装
着された弾性変形可能な弾性材(本実施形態では、EP
DM(エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合ゴ
ム))からなるブッシング(防振ゴム)135を介して
エンジンE/G(のクランクケーシング等)に固定され
ている。
【0028】140はロータ120のリング板部(摩擦
プレート)126に吸着される炭素含有量の少ない鉄系
材料等の強磁性材料(本実施形態では、S10C)にて
形成されたリンク板状のアーマチャであり、このアーマ
チャ140は、励磁コイル130により誘起された磁界
によりアーマチャ140とリング板部(摩擦プレート)
126との間に発生する電磁吸引力により吸着される。
【0029】なお、アーマチャ140及びリング板部1
26には、アーマチャ140及びリング板部126との
間を蛇行するように磁束が通るように磁束遮断部140
a、126aが千鳥状に設けられており、磁束遮断部1
40a、126aは、磁路の途中に空隙を設ける、又は
非磁性材料を埋設する等の手段により構成されている。
【0030】また、141はアーマチャ140をリング
板部126から離隔させる弾性力を作用させる略三角板
状の板バネ(バネ手段)であり、この板バネ141は、
図3に示すように、その頂点に配設されたリベット(締
結手段)141bによりアーマチャ140に部分的に連
結されているとともに、中心部がハブ110に対して回
り止めされた状態で連結固定されている。
【0031】なお、本実施形態では、セットボルト(以
下、ボルトと略す。)111にて板バネ141がハブ1
10から脱落することを防止している。因みに、141
cは、板バネ141の弾性係数を小さくするための穴部
である。
【0032】ところで、板バネ141のうちアーマチャ
140と対抗する部位141a、及びアーマチャ140
のうち板バネ141と対抗する部位140bの少なくと
も一方側(本実施形態では、板バネ141の表面)に
は、図4に示すように、衝撃を吸収する弾性材料(本実
施形態では、EPDM)製の第2ダンパー部材142が
加流接合にてコーティング(被覆)されている。
【0033】また、アーマチャ140のうち板バネ14
1と対向しない部位には、図3に示すように、アーマチ
ャ140の振動を吸収する制振鋼板(制振手段)143
が接着シート(接着手段)144にて接着されている。
【0034】ここで、制振鋼板143とは、図5に示す
ように、2枚の鋼板143a間に粘度の高い(粘性減衰
が大きい)粘弾性樹脂(粘弾性ゴム)からなる樹脂層1
43bを挟んだサンドイッチ構造を有するもので、鋼板
143aの質量と樹脂層143bのバネ特性及び粘性減
衰力とからなる振動系によりアーマチャ140の振動を
吸収する。因みに、「粘弾性」とは、高分子材料等にお
いて、粘性及び弾性を有する特性を示すことを言う(理
化学辞典(岩波書店)参照)。
【0035】また、接着シート144は、制振鋼板14
3と同様に、接着シート144自身が粘度の高い(粘性
減衰が大きい)粘弾性材となるように、(特に、厚み方
向に)弾性的変形する不織布(本実施形態では、ポリエ
ステル)に接着剤(本実施形態では、エポキシ樹脂)を
染み込ませた(塗布した)もので、不織布を芯材とする
両面テープのようなものである。
【0036】なお、図3では、制振鋼板143が3枚存
在するように見えるが、実際には、図2に示すように、
アーマチャ140の外周壁に勘合するリング部143c
にて一体化されている。
【0037】また、プーリ121のうちアーマチャ14
0側の軸方向端部121aを、摩擦面140cより板バ
ネ141側まで延出させることにより、アーマチャ14
0の外周(外形)側がプーリ121により覆われてお
り、この軸方向端部121aには、アーマチャ140を
囲むようなリング状に形成されて軸方向に対して略平行
な壁面151が形成されるように、軸方向に陥没する略
凹状の断面形状を有する円周溝150が形成されてい
る。ここで、摩擦面140cとは、アーマチャ140の
うちリング板部(摩擦プレート)126と面する部位
(面)を言う。
【0038】また、アーマチャ140の内周側壁面14
0eには、摩擦面140cと反対側(図2の紙面左側)
に向かうほど、内周側壁面140cの直径が拡大するよ
うなテーパ部140dが設けられている。
【0039】次に、電磁クラッチ100の組み立て手順
の概略を述べる。
【0040】先ず、軸受127並びに第1ダンパー12
2及び円筒部材123が組み付けられたプーリ121を
ロータ120に圧入組み付けするとともに、ステータハ
ウジング131(励磁コイル130を含む。)に軸受1
32を圧入組み付けする(第1工程)。
【0041】次に、ハブ110の軸方向端部のうちアー
マチャ140側の反対側から、第1工程に組み立てられ
たロータ120及びステータハウジング131を、ロー
タ120、ステータハウジング131の順でハブ110
に圧入組み付けする(第2工程)。
【0042】そして、ハブ110の軸方向端部のうちス
テータハウジング131と反対側にアーマチャ140に
組み付け、シム等の薄板をアーマチャ140とロータ1
20との間に挟み込むことによりアーマチャ140とリ
ング板部126とのエアギャップを所定寸法に調整した
後、ボルト111にてアーマチャ140をハブ110に
固定する(第3工程)。
【0043】次に、本実施形態に係る電磁クラッチ10
0の概略作動を述べる。
【0044】励磁コイル130への通電が停止(OF
F)されているときには、板バネ141が自然状態(本
実施形態では、図2に示すように、湾曲していない平ら
な状態)となり、アーマチャ140とリング板部(摩擦
プレート)126との間に微少な(本実施形態では、約
0.5mm)隙間δが確保され、ハブ110からロータ
120への駆動力の伝達が遮断される。
【0045】一方、励磁コイル130に通電(ON)さ
れると、励磁コイル130により誘起された磁界によ
り、アーマチャ140とリング板部(摩擦プレート)1
26との間に電磁吸引力が発生し、板バネ141が撓ん
でアーマチャ140がロータ120(リング板部12
6)に吸着されるので、ハブ110からロータ120へ
駆動力が伝達される。
【0046】なお、アーマチャ140がロータ120
(リング板部126)に吸着されている間は、アーマチ
ャ140と板バネ141との間に隙間が発生しており、
一方、アーマチャ140がロータ120と離隔している
間は、アーマチャ140と板バネ141とリベット14
1bとは接触している。
【0047】次に、本実施形態の特徴(作用効果)を述
べる。
【0048】本実施形態によれば、アーマチャ140に
制振鋼板143が固定されているので、アーマチャ14
0の振動を吸収する(減衰させる)ことができるので、
電磁クラッチ100をカバーで覆うことなく、アーマチ
ャ140の振動に伴う異音を低減することができる。
【0049】また、制振鋼板143は粘弾性を有する接
着シート144を介してアーマチャ140に接着されて
いるので、制振鋼板143に加えて接着シート144に
おいてもアーマチャ140の振動を吸収する(減衰させ
る)ことができる。したがって、電磁クラッチ100を
カバーで覆うことなく、アーマチャ140の振動に伴う
異音を確実に低減することができる。
【0050】また、板バネ141のうちアーマチャ14
0と対抗する部位141aには、第2ダンパー部材14
2がコーティング(被覆)されているので、電磁クラッ
チ100を切った時(OFFとした時)に、アーマチャ
140と板バネ141とが直接に衝突することを防止す
ることができる。したがって、電磁クラッチ100を切
った時に干渉音(ビビリ音)が発生することを抑制する
ことができる。
【0051】なお、第2ダンパー142は、前述のごと
く、電磁クラッチ100を切った時に、アーマチャ14
0と板バネ141とが衝突した時に発生する干渉音を低
減するものであるので、第2ダンパー部材142の厚み
を略50μm以上とすれば、実用上、十分な効果を得る
ことができる。
【0052】また、アーマチャ140を囲むようなリン
グ状に形成されて軸方向に対して略平行な壁面151が
形成されるように、軸方向に陥没する略凹状の断面形状
を有する円周溝150が形成されているので、エンジン
点検時やエンジンオイル追加時等に電磁クラッチ100
にオイルが滴下しても、その滴下したオイルが摩擦面1
40c側に流れることなく、円周溝150(壁面15
1)に沿って下方側に流れて電磁クラッチ100から落
下する。
【0053】また、ボルト111の頭部に付着したオイ
ルが、アーマチャ140の内周側壁面140cを伝って
摩擦面140c側に流れようとするが、電磁クラッチ1
00(アーマチャ140)の軸方向が略水平となるよう
に電磁クラッチ100がエンジンE/G(クランクシャ
フト)に組み付けられていることに加えて、内周側壁面
140cには、摩擦面140cと反対側に向かうほど、
内周側壁面140cの直径が拡大するようなテーパ部1
40dが設けられているので、内周側壁面140cに到
達したオイルは、摩擦面140c側に流れることなく、
摩擦面140cと反対側に流れて電磁クラッチ100か
ら落下する。
【0054】したがって、エンジン点検時やエンジンオ
イル追加時等に電磁クラッチ100にオイルが滴下して
も、その滴下したオイルが摩擦面140cに付着してし
まうことを未然に防止できる。
【0055】また、ステータプレート134は、弾性部
材からなるブッシング135を介してエンジンE/G
(エンジンのクランクケーシング等)に固定されている
ので、エンジンE/Gの振動によって、ステータハウジ
ング131(励磁コイル130)のロータ120に対す
る相対的な振動変位を吸収することができる。
【0056】したがって、ステータハウジング131と
ロータ120との隙間を適正値に維持することができる
ので、ステータハウジング131とロータ120との間
における磁気抵抗が増大することを防止でき、アーマチ
ャ140とロータ120との間に作用する電磁吸引力が
低下することを防止できる。
【0057】また、軸受132と軸受127との間に
は、カラー133が配設されているので、軸受132と
軸受127との相対位置を容易に位置決めしながら相対
位置関係を保持する(軸受132が軸受127に対して
移動してしまうことを防止する)ことができる。
【0058】また、電磁クラッチ100の主要構成部品
である、ロータ120、ステータハウジング131(励
磁コイル130)及びアーマチャ140がハブ110に
組み付けられているので、ハブ110をクランクシャフ
トに組み付けることにより電磁クラッチ100の車両
(クランクシャフト)への組み付けが完了する。
【0059】したがって、電磁クラッチ100の車両へ
の組み付け工数を削減することができるので、車両の組
み立て工数を低減することができ、車両の製造原価低減
を図ることができる。
【0060】また、図2に示すように、ロータ120の
軸方向寸法L1及びステータハウジング131(励磁コ
イル130を含む。)の軸方向寸法L2を、ハブ110
の軸方向寸法Lo以下としているので、電磁クラッチ1
00の軸方向寸法をハブ110の軸方向寸法Lo程度
(ボルト111の頭部の寸法を除く。)とすることがで
きる。
【0061】(第2実施形態)本実施形態は、図6に示
すように、第3のダンパー(サブダンパー)160をハ
ブ110に追加したものである。なお、サブダンパー1
60はボルト111にてアーマチャ140と共にハブ1
10に固定されている。
【0062】因みに、サブダンパー160は、ハブ11
0と一体的に回転するすり鉢状に形成された金属製のハ
ブ161、ハブ161の外周側に環状に形成された錘部
(ウェイト部)162、及びハブ161と錘部162と
を繋ぐ弾性部材(本実施形態では、EPDM等のゴム)
163等からなるものである。
【0063】(その他の実施形態)上述の実施形態で
は、第2ダンパー部材142が板バネ141に被覆され
ていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ア
ーマチャ140のうち板バネ141と対抗する部位14
0bに被覆してもよい。
【0064】また、上述の実施形態では、加硫接合によ
り第2ダンパー部材142を板バネ141に接合固定し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば
接着剤等の価格的手段やリベット等の機械的手段等であ
ってもよい。
【0065】また、上述の実施形態では、制振鋼板14
3によりアーマチャ140の振動を吸収する制振手段を
構成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
例えばゴム(例えば、EPDM)にて制振手段を構成し
てもよい。なお、この場合、十分な制振効果を得るに
は、ゴムの厚みを2mm以上とすることが望ましい。
【0066】また、上述の実施形態では、制振鋼板14
3を接着したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、リベットやネジ等の機械的手段により制振鋼板14
3をアーマチャ140に固定してもよい。
【0067】また、上述の実施形態では、摩擦面140
cにオイルが付着することを防止するために、円周溝1
50(壁面151)及びテーパ部140dの両方を設け
たが、いずれか一方のみ設けてもよい。
【0068】また、上述の実施形態では、ステータハウ
ジング131とハブ110との間に軸受132を配設し
ていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸
受132を廃止してもよい。なお、この場合は、アーム
部134aを少なくとも2カ所としてブッシング135
を介してステータハウジング131をエンジンE/G等
の固定部材に固定する必要がある。
【0069】また、上述の実施形態では、軸受132
は、軸受127の軸方向端部に接触するように配設され
たカラー133と止め輪133aとにより挟まれて軸方
向の位置決めがされていたが、本発明はこれに限定され
るものではなく、例えばハブ110のうち軸受132が
圧入された部位の直径が軸受127が圧入された部位の
直径より小さいくなるような段付き部を形成し、この段
付き部と止め輪133aとにより軸受132を挟まむこ
とにより軸受132を位置決めしてもよい。
【0070】また、上述の実施形態では、エンジンのク
ランクシャフトに装着して圧縮機200に駆動力を伝達
する電磁クラッチに本発明を適用したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、その他の用途にも適用する
ことができる。
【0071】また、上述の実施形態では、ハブ110側
から駆動力が入力され、プーリ121(ロータ120)
側に駆動力が出力されたが、本発明はこれに限定される
ものではなく、プーリ121(ロータ120)側から駆
動力が入力され、ハブ110側に駆動力が出力するよう
にしてもよい。
【0072】また、上述の実施形態では、駆動側回転部
材であるハブ110と従動側回転部材であるロータ12
0とが軸受127を介して同軸状に並列(二重円筒状)
に並んでいたが、両者110、120を同軸状に直列に
並べてもよい。
【0073】また、上述の実施形態では、不織布に接着
剤を染み込ませる(塗布する)ことにより粘弾性を有す
る接着シートを構成したが、本発明はこれに限定される
ものではなく、例えば接着剤そのものを粘弾性を有する
ものとするとともに、接着剤層の厚みを所定寸法(不織
布の厚み相当)以上としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電磁クラッチを用いた
動力伝達方式の模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電磁クラッチの断
面図である。
【図3】図2の左側面図である。
【図4】図2のA部拡大図である。
【図5】本発明の実施形態に係る電磁クラッチに採用さ
れる制振鋼板の断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る電磁クラッチの断
面図である。
【符号の説明】
110…センターハブ(駆動側回転体)、120…ロー
タ(従動側回転体)、121…プーリ、122…第2ダ
ンパー部材、130…励磁コイル、131…ステータハ
ウジング(保持部材)、140…アーマチャ、140d
…テーパ部、135…ブッシング、141…板バネ(バ
ネ手段)、142…第2ダンパー部材、143…制振鋼
板(制振手段)、144…接着シート(接着手段)。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源(E/G)の駆動力を断続可能に
    従動機器(200)に伝達する電磁クラッチであって、 前記駆動源(E/G)により回転駆動される駆動側回転
    部材(110)と、 前記従動機器(200)側に連結されて回転する従動側
    回転部材(120)と、 通電されることにより磁界を発生する励磁コイル(13
    0)と、 前記駆動側回転部材(110)及び前記従動側回転部材
    (120)のいずれか一方側の部材(110)に連結さ
    れ、前記励磁コイル(130)により誘起された磁界に
    よる電磁力により他方側の部材(120)に吸着されて
    前記駆動側回転部材(110)から前記従動側回転部材
    (120)に駆動力を伝達する摩擦面(140c)を有
    するアーマチャ(140)とを備え、 前記アーマチャ(140)の振動を吸収する制振手段
    (143)が、粘弾性材料からなる接着手段(144)
    により前記アーマチャ(140)に固定されていること
    を備えることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 【請求項2】 前記制振手段(143)は、2枚の鋼板
    (143a)間に粘弾性樹脂からなる樹脂層(143
    b)を挟んだサンドイッチ構造を有する制振鋼板である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ。
  3. 【請求項3】 前記制振手段(143)は、ゴム製のも
    のであることを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッ
    チ。
  4. 【請求項4】 前記接着手段(144)は、弾性変形可
    能な不織布の表裏両面に接着材が塗布された接着シート
    であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1
    つに記載の電磁クラッチ。
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