JP2003054668A - エアゾール容器用アクチュエータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用後の噴射ノズルの先端からの液だれや、
噴射ノズル先端での内容物の固化によるノズルの噴射孔
の目詰まり等の不都合の発生を防止することのできるエ
アゾール容器用アクチュエータを提供すること。 【解決手段】 バルブステム４に接続される噴射孔１１
ｃを有する噴射ノズル１１を、バルブステム４から半径
方向に離間した位置の支持されるピボット部１１ａを中
心に旋回可能に装備すると共に、キャップ１３の旋回操
作によってノズル部１１ｂの先端をキャップ１３内に収
容可能にし、且つ、キャップ１３内に収容したノズル部
１１ｂの先端の噴射孔１１ｃは、キャップ１３内でエア
ゾール容器３の上面３ａに固定装備した内部キャップ１
５によって封止することで、ノズル部１１ｂの先端に残
留する内容物の液だれや、外気との接触による固化を防
止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エアゾール容器の
上面に被冠装着するキャップに、内容物の噴射操作を行
う噴射操作ボタンを露出させるボタン操作用窓と、内容
物を噴射する噴射ノズルを露出させるノズル用窓とを備
えたエアゾール容器用アクチュエータに係り、例えば、
使用後の噴射ノズルの先端からの液だれや、噴射ノズル
先端での内容物の固化によるノズルの噴射孔の目詰まり
等の不都合の発生を防止することのできるエアゾール容
器用アクチュエータに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】これまで、例えば、殺虫剤の噴霧用とし
て、エアゾール容器の上面に被冠装着するキャップに、
内容物の噴射操作を行う噴射操作ボタンを露出させるボ
タン操作用窓と、内容物を噴射する噴射ノズルを露出さ
せるノズル用窓とを備えた構造のものが各種、開発され
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のこの種
のエアゾール容器用アクチュエータにおいて、噴射ノズ
ルの先端に開口した噴射孔は、一般に、噴射操作終了後
も、ノズル用窓から露出する構造である。そのため、噴
射操作終了後に、ノズル部の先端付近に残留した内容物
がノズルの先端から垂れる液だれが発生して、周囲を汚
損する場合があった。また、噴射する内容物によって
は、ノズル部の先端付近に残留した内容物が、外気との
接触で固化して、ノズルの噴射孔の目詰まりを招く虞も
あった。

【０００４】本発明は、前述した問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、使用後の噴射ノズルの先端
からの液だれや、噴射ノズル先端での内容物の固化によ
るノズルの噴射孔の目詰まり等の不都合の発生を防止す
ることのできるエアゾール容器用アクチュエータを提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るエアゾール容器用アクチュエータは、
請求項１に記載したように、エアゾール容器の上面の中
心に立設された直管状のバルブステムに嵌合装着されて
バルブステムを押し下げるための押下部がバルブステム
から半径方向に離間した位置に設定された噴射操作ボタ
ンと、前記バルブステムから半径方向に一定距離離間し
た位置で前記エアゾール容器の中心軸線と直交する方向
に旋回可能に支持されるピボット部とこのピボット部か
ら半径方向に延出した略管状のノズル部とを備えて前記
バルブステムの押下によってバルブステムから噴出され
る内容物を前記ノズル部の先端に開口する噴射孔から噴
射する噴射ノズルと、前記噴射操作ボタンおよび噴射ノ
ズルを覆うように前記エアゾール容器の上面に被冠装着
されるキャップとを備えるエアゾール容器用アクチュエ
ータであって、前記キャップは、エアゾール容器の中心
軸線と直交する方向に所定角度旋回可能に、前記エアゾ
ール容器の上面に係合させると共に、前記噴射ノズルの
ノズル部の先端を露出させるノズル用窓と、前記噴射操
作ボタンを露出させるボタン操作用窓とを備え、前記キ
ャップのエアゾール容器の中心軸線と直交する方向への
旋回によって前記噴射ノズルがピボット部の回りに旋回
して前記ノズル部の先端がキャップ内に収容されると共
に、前記キャップの内側で前記エアゾール容器の上面に
固定されて、前記ノズル部の先端がキャップ内に収容さ
れた時にノズル部の先端に当接する当接部によってノズ
ル部先端の噴射孔を封止する内部キャップを設けたこと
を特徴とする。

【０００６】このように構成されたエアゾール容器用ア
クチュエータにおいては、噴射終了後は、キャップの旋
回操作によって噴射ノズルのノズル部の先端をキャップ
内に収容した状態にすると、前記ノズル部の先端に開口
した噴射孔が内部キャップの当接部に当接して封止され
る。

【０００７】そのため、噴射操作終了後に、ノズル部の
先端付近に残留した内容物がノズルの先端から垂れるこ
とを防止でき、また、ノズル部の先端付近に残留した内
容物が外気との接触で固化することを防止できる。従っ
て、使用後の噴射ノズルの先端からの液だれや、噴射ノ
ズル先端での内容物の固化によるノズルの噴射孔の目詰
まりといった従来のエアゾール容器用アクチュエータに
おける問題を解消できる。

【０００８】また、本発明は、請求項２に記載したよう
に、請求項１に記載のエアゾール容器用アクチュエータ
において、更に、使用時には、前記ノズル部の先端が前
記ノズル用窓から突出するように、前記ノズル部の長さ
を設定したことを特徴とするものである。

【０００９】このように構成されたエアゾール容器用ア
クチュエータにおいては、ノズル部の先端がキャップの
外部に突出するため、ノズル部の先端の位置を視認する
ことで、内容物の噴射方向を容易に確認することがで
き、目標物に正確に狙いを定めた効率的な噴射が可能に
なる。従って、ノズル部の先端がキャップから突出して
いない従来のエアゾール容器用アクチュエータの場合に
生じていた、噴射方向が分かり難く、目標物に正確に狙
いを定めることができないという不便を解消できる。

【００１０】また、ノズル部の先端は、使用時にはキャ
ップから突出するが、不使用時や出荷時等は、キャップ
内に収容した状態にできるため、ノズル部の先端がキャ
ップから突出した状態に固定装備されている従来のエア
ゾール容器用アクチュエータの場合に生じていた、ノズ
ル部の先端が輸送時や保管時に邪魔になるという問題を
解消できる。

【００１１】更に、ノズル部の先端の突出長を適宜に設
定しておけば、狭い隙間内への噴射の場合でも、ノズル
部を隙間に差し込んで噴射することで、的確な内容物噴
射が行え、ノズル部の先端がキャップから突出しない構
造の従来のエアゾール容器用アクチュエータの場合に生
じていた、必要以上の広域噴射によって周囲環境を汚損
するという問題を解消できる。

【００１２】また、本発明は、請求項３に記載したよう
に、請求項１又は請求項２に記載のエアゾール容器用ア
クチュエータにおいて、更に、前記キャップの旋回操作
で、前記ノズル部の先端をキャップ内に収容した状態で
は、前記ボタン操作用窓の位置が噴射操作ボタンの位置
からずれて、噴射操作ボタンがキャップ内に隠れること
を特徴とするものである。

【００１３】このように構成されたエアゾール容器用ア
クチュエータにおいては、輸送時や不使用時に、ノズル
部の先端をキャップ内に収容した状態にしておけば、噴
射操作ボタンがキャップ内に隠れているため、誤って噴
射操作ボタンが押下されることがなく、噴射操作ボタン
が常時露出した状態に装備されている従来のエアゾール
容器用アクチュエータにおいて生じていた、誤噴射によ
る周囲の汚損という不都合の発生を解消できる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係るエアゾール容
器用アクチュエータの実施形態を図面に基づいて詳細に
説明する。図１乃至図４は、本発明に係るエアゾール容
器用アクチュエータの一実施形態の構成を示したもので
ある。

【００１５】この一実施形態のエアゾール容器用アクチ
ュエータ１は、エアゾール容器３の上面３ａの中心に立
設された直管状のバルブステム４に嵌合装着されてバル
ブステム４を押し下げるための押下部９ａがバルブステ
ム４から半径方向に離間した位置に設定された噴射操作
ボタン９と、バルブステム４から半径方向に一定距離離
間した位置でエアゾール容器３の中心軸線３ｂと直交す
る方向に旋回可能に支持されるピボット部１１ａとこの
ピボット部１１ａから半径方向に延出した略管状のノズ
ル部１１ｂとを備えてバルブステム４の押下によってバ
ルブステム４から噴出される内容物をノズル部１１ｂの
先端に開口する噴射孔１１ｃから噴射する噴射ノズル１
１と、噴射操作ボタン９および噴射ノズル１１を覆うよ
うにエアゾール容器３の上面３ａに被冠装着されるキャ
ップ１３とを備えている。

【００１６】キャップ１３は、エアゾール容器３の中心
軸線３ｂと直交する方向に所定角度旋回可能に、後述す
る内部キャップ１５を介して、エアゾール容器３の上面
３ａに係合支持されている。また、このキャップ１３
は、ノズル部１１ｂの先端を露出させるノズル用窓１３
ａと、噴射操作ボタン９を露出させるボタン操作用窓１
３ｂとを備えている。

【００１７】噴射ノズル１１は、図２にも示すように、
使用時には、ノズル部１１ｂの先端がノズル用窓１３ａ
から外部に突出するように、ノズル部１１ｂの長さが設
定されている。また、噴射ノズル１１は、図３に示すよ
うに、噴射操作ボタン９の先端部に嵌合装着される継手
ブロック１７に形成されたピボット支持部１７ａにピボ
ット部１１ａが嵌合することで、ピボット部１１ａを中
心に、エアゾール容器３の中心軸線３ｂに直交する面内
で旋回可能に支持されている。

【００１８】継手ブロック１７は、バルブステム４に向
かって突出した管部１７ｂを、噴射操作ボタン９の先端
の連結用孔９ｂに嵌合することで、噴射操作ボタン９と
連結されている。そして、継手ブロック１７は、その両
側に揺動用軸部１７ｃが突設されている。この揺動用軸
部１７ｃが、図２および図４に示すように、内部キャッ
プ１５に形成された軸支持孔１５ａに嵌合することで、
継手ブロック１７は揺動用軸部１７ｃを中心に上下方向
に揺動可能に支持されている。

【００１９】噴射操作ボタン９は、揺動用軸部１７ｃを
支点とする継手ブロック１７と一体の揺動動作で、バル
ブステム４を押し下げる。バルブステム４は、エアゾー
ル容器３の上面３ａの中心軸上に押下可能に弾性支持さ
れていて、押下されると、エアゾール容器３内に装備さ
れているバルブを開いて、エアゾール容器３内の内容物
を上方に噴出する。

【００２０】継手ブロック１７は、内部に連通孔１７ｄ
が穿設されていて、この連通孔１７ｄによって、バルブ
ステム４と噴射ノズル１１の噴射孔１１ｃとが連通して
いる。噴射ノズル１１の噴射孔１１ｃの先端部には、噴
射する内容物の拡散角度や、噴射量を決定する噴射口金
２１が装着されている。噴射口金２１を変更すること
で、内容物の拡散角度や、噴射量を変更する。

【００２１】エアゾール容器３の上面３ａには、この上
面３ａに突出したマウンテンカップ部２３等との嵌合に
よって、内部キャップ１５が装備されている。内部キャ
ップ１５は、マウンテンカップ部２３等との緊密嵌合に
よって、エアゾール容器３の周方向に回転不可に、装備
されている。

【００２２】キャップ１３は、下端の内周に環状に周設
された係止突条１３ｄを、内部キャップ１５の外周に形
成した環状溝１５ｂに係合させることで、エアゾール容
器３の中心軸線３ｂに直交する面内での旋回（図３の矢
印（イ）に示す方向の旋回）が可能にされている。

【００２３】キャップ１３のノズル用窓１３ａは、図１
（ａ）に示すように、キャップ１３の回転方向に沿って
細長い長円で、一端がノズル部１１ｂの外周に当接して
いる。そして、図５（ａ）〜（ｉ）に示すように、キャ
ップ１３を平面視で反時計方向（図１（ａ）では右方
向）に回転操作すると、ノズル部１１ｂに当接している
ノズル用窓１３ａの一端縁がノズル部１１ｂを押すこと
で、噴射ノズル１１が図６（ａ）〜（ｉ）に示すように
ピボット部１１ａを中心に旋回して、ノズル部１１ｂの
先端がキャップ１３内に収容される。

【００２４】なお、図５および図６において、キャップ
１３および噴射ノズル１１の旋回は、（ａ）から（ｉ）
までのアルファベット順に進む。また、図６に記した
（ａ）から（ｉ）の噴射ノズル１１の旋回角度は、図５
に記した（ａ）から（ｉ）のキャップ１３の旋回角度に
対応している。

【００２５】ノズル部１１ｂの先端がキャップ１３内に
収容されるまで、キャップ１３をエアゾール容器３の中
心軸線３ｂに直交する面内で反時計方向に旋回させる
と、図６（ｉ）に示すように、キャップ１３の上壁部か
ら内部キャップ１５側に突設した位置決め用ボス２５
が、内部キャップ１５に形成された位置決め溝１５ｃに
当接して、キャップ１３のそれ以上の旋回が規制され
る。

【００２６】なお、噴射操作ボタン９は、内部キャップ
１５に形成されたボタン位置決め面１５ｅによって、バ
ルブステム４の回りに旋回不可に、位置規制されてい
る。また、内部キャップ１５には、ノズル部１１ｂの初
期位置から逆方向への旋回を規制するノズル位置決め面
１５ｆが装備されている。

【００２７】内部キャップ１５には、図６（ｉ）に示す
ように、キャップ１３の旋回に追従して、ノズル部１１
ｂの先端がキャップ１３内に収容された時に、ノズル部
１１ｂの先端に当接して、ズル部１１ｂ先端の噴射孔１
１ｃを封止する当接部１５ｇが設けられている。

【００２８】本実施形態の場合、図５（ｉ）に示すよう
に、キャップ１３の旋回操作で、ノズル部１１ｂの先端
をキャップ１３内に収容した状態では、ボタン操作用窓
１３ｂの位置が噴射操作ボタン９の位置からずれて、噴
射操作ボタン９がキャップ１３内に隠れるように、押下
部９ａおよびボタン操作用窓１３ｂの寸法が設定されて
いる。

【００２９】使用時に、キャップ１３内に収容されてい
るノズル部１１ｂを、ノズル用窓１３ａから突出した状
態に戻すには、図７および図８に示すように、収容時と
は逆方向に、キャップ１３を旋回操作する。キャップ１
３を収容時と逆方向に旋回操作すると、図８（ａ），
（ｂ）に示すように、キャップ１３に突設された位置決
め用ボス２５が、ノズル部１１ｂの側面をキャップ１３
の旋回方向に押して、噴射ノズル１１にピボット部１１
ａを中心とした収納時とは逆の旋回を生じさせる。そし
て、図８（ｉ）に示すように、ノズル部１１ｂが、ボタ
ン操作用窓１３ｂから突出した使用状態に戻ると、ノズ
ル部１１ｂの側面が内部キャップ１５に形成したノズル
位置決め面１５ｆに当接することで、それ以上の旋回が
規制される。

【００３０】なお、図７および図８において、キャップ
１３および噴射ノズル１１の復帰時の旋回は、（ａ）か
ら（ｉ）までのアルファベット順に進む。また、図８に
記した（ａ）から（ｉ）の噴射ノズル１１の旋回角度
は、図７に記した（ａ）から（ｉ）のキャップ１３の旋
回角度に対応している。

【００３１】以上に説明した本発明の一実施形態のエア
ゾール容器用アクチュエータ１においては、噴射終了後
は、キャップ１３の旋回操作によって噴射ノズル１１の
ノズル部１１ｂの先端をキャップ１３内に収容した状態
にすると、ノズル部１１ｂの先端に開口した噴射孔１１
ｃが内部キャップ１５の当接部１５ｇに当接して封止さ
れる。

【００３２】そのため、噴射操作終了後に、ノズル部の
先端付近に残留した内容物がノズルの先端から垂れるこ
とを防止でき、また、ノズル部の先端付近に残留した内
容物が外気との接触で固化することを防止できる。従っ
て、使用後の噴射ノズル１１の先端からの液だれや、噴
射ノズル１１先端での内容物の固化によるノズルの噴射
孔１１ｃの目詰まりといった従来のエアゾール容器用ア
クチュエータ１における問題を解消できる。

【００３３】また、本実施形態のエアゾール容器用アク
チュエータ１では、使用時には、ノズル部１１ｂの先端
がノズル用窓１３ａから突出するように、ノズル部１１
ｂの長さを設定しているため、ノズル部１１ｂの先端の
位置を視認することで、内容物の噴射方向を容易に確認
することができ、目標物に正確に狙いを定めた効率的な
噴射が可能になる。従って、ノズル部１１ｂの先端がキ
ャップ１３から突出していない従来のエアゾール容器用
アクチュエータ１の場合に生じていた、噴射方向が分か
り難く、目標物に正確に狙いを定めることができないと
いう不便を解消できる。

【００３４】また、ノズル部１１ｂの先端は、使用時に
はキャップ１３から突出するが、不使用時や出荷時等
は、キャップ１３内に収容した状態にできるため、ノズ
ル部１１ｂの先端がキャップ１３から突出した状態に固
定装備されている従来のエアゾール容器用アクチュエー
タ１の場合に生じていた、ノズル部１１ｂの先端が輸送
時や保管時に邪魔になるという問題を解消できる。

【００３５】更に、ノズル部１１ｂの先端の突出長を適
宜に設定しておけば、狭い隙間内への噴射の場合でも、
ノズル部１１ｂを隙間に差し込んで噴射することで、的
確な内容物噴射が行え、ノズル部１１ｂの先端がキャッ
プ１３から突出しない構造の従来のエアゾール容器用ア
クチュエータ１の場合に生じていた、必要以上の広域噴
射によって周囲環境を汚損するという問題を解消でき
る。

【００３６】また、本実施形態のエアゾール容器用アク
チュエータ１では、キャップ１３の旋回操作で、ノズル
部１１ｂの先端をキャップ１３内に収容した状態では、
ボタン操作用窓１３ｂの位置が噴射操作ボタン９の位置
からずれて、噴射操作ボタン９がキャップ１３内に隠れ
る。そのため、輸送時や不使用時には、ノズル部１１ｂ
の先端をキャップ１３内に収容した状態にしておけば、
噴射操作ボタン９がキャップ１３内に隠れて、誤って噴
射操作ボタン９が押下されることがなく、噴射操作ボタ
ン９が常時露出した状態に装備されている従来のエアゾ
ール容器用アクチュエータ１において生じていた、誤噴
射による周囲の汚損という不都合の発生を解消できる。

【００３７】なお、エアゾール容器用アクチュエータ
は、噴射する内容物が制限されるものではない。例え
ば、消臭剤、殺虫剤、化粧品、塗料等、多様な商品の噴
霧，噴射に利用できる。

【００３８】

【発明の効果】以上に説明したように、請求項１に記載
した本発明のエアゾール容器用アクチュエータによれ
ば、噴射操作終了後は、キャップの旋回操作によって噴
射ノズルのノズル部の先端をキャップ内に収容した状態
にすると、ノズル部の先端に開口した噴射孔が内部キャ
ップの当接部に当接して封止される。そのため、噴射操
作終了後に、ノズル部の先端付近に残留した内容物がノ
ズルの先端から垂れることを防止でき、また、ノズル部
の先端付近に残留した内容物が外気との接触で固化する
ことを防止できる。従って、使用後の噴射ノズルの先端
からの液だれや、噴射ノズル先端での内容物の固化によ
るノズルの噴射孔の目詰まりといった従来のエアゾール
容器用アクチュエータにおける問題を解消できる。

【００３９】また、本発明は、請求項２に記載した構成
とすると、使用時にはノズル部の先端がキャップの外部
に突出するため、ノズル部の先端の位置を視認すること
で、内容物の噴射方向を容易に確認することができ、目
標物に正確に狙いを定めた効率的な噴射が可能になる。
従って、ノズル部の先端がキャップから突出していない
従来のエアゾール容器用アクチュエータの場合に生じて
いた、噴射方向が分かり難く、目標物に正確に狙いを定
めることができないという不便を解消できる。

【００４０】また、請求項２に記載の構成の場合、ノズ
ル部の先端は、使用時にはキャップから突出するが、不
使用時や出荷時等は、キャップ内に収容した状態にでき
るため、ノズル部の先端がキャップから突出した状態に
固定装備されている従来のエアゾール容器用アクチュエ
ータの場合に生じていた、ノズル部の先端が輸送時や保
管時に邪魔になるという問題を解消できる。更に、請求
項２に記載の構成の場合、ノズル部の先端の突出長を適
宜に設定しておけば、狭い隙間内への噴射の場合でも、
ノズル部を隙間に差し込んで噴射することで、的確な内
容物噴射が行え、ノズル部の先端がキャップから突出し
ない構造の従来のエアゾール容器用アクチュエータの場
合に生じていた、必要以上の広域噴射によって周囲環境
を汚損するという問題を解消できる。

【００４１】また、本発明は、請求項３に記載した構成
とすると、輸送時や不使用時に、ノズル部の先端をキャ
ップ内に収容した状態にしておけば、噴射操作ボタンが
キャップ内に隠れているため、誤って噴射操作ボタンが
押下されることがなく、噴射操作ボタンが常時露出した
状態に装備されている従来のエアゾール容器用アクチュ
エータにおいて生じていた、誤噴射による周囲の汚損と
いう不都合の発生を解消できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明に係るエアゾール容器用アクチ
ュエータの一実施形態の前面図、（ｂ）は同側面図、
（ｃ）は同後面図である。

【図２】図１（ａ）のＡ−Ａ線に沿う縦断面図である。

【図３】本発明に係るエアゾール容器用アクチュエータ
の一実施形態の分解斜視図である。

【図４】本発明に係るエアゾール容器用アクチュエータ
の一実施形態の組立状態における下面図である。

【図５】本発明の一実施形態のエアゾール容器用アクチ
ュエータにおいて、ノズル部をキャップ内に収容する時
の動作経過を示す平面図である。

【図６】本発明の一実施形態のエアゾール容器用アクチ
ュエータにおいて、ノズル部をキャップ内に収容する時
の噴射ノズルの動作経過を示す平面断面図である。

【図７】本発明の一実施形態のエアゾール容器用アクチ
ュエータにおいて、ノズル部をキャップ内に収容した状
態からノズル用窓に露出した状態にする時の動作経過を
示す平面図である。

【図８】本発明の一実施形態のエアゾール容器用アクチ
ュエータにおいて、ノズル部をキャップ内に収容した状
態からノズル用窓に露出した状態にする時の噴射ノズル
の動作経過を示す平面断面図である。

【符号の説明】

１ エアゾール容器用アクチュエータ ３ エアゾール容器 ３ａ 上面 ４ バルブステム ９ 噴射操作ボタン ９ａ 押下部 １１ 噴射ノズル １１ａ ピボット部 １１ｂ ノズル部 １１ｃ 噴射孔 １３ キャップ １３ａ ノズル用窓 １３ｂ ボタン操作用窓 １５ 内部キャップ １５ｂ 環状溝 １５ｃ 位置決め溝 １５ｅ ボタン位置決め面 １５ｆ ノズル位置決め面 １５ｇ 当接部 １７ 継手ブロック ２１ 噴射口金 ２５ 位置決め用ボス

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エアゾール容器の上面の中心に立設され
   た直管状のバルブステムに嵌合装着されてバルブステム
   を押し下げるための押下部がバルブステムから半径方向
   に離間した位置に設定された噴射操作ボタンと、前記バ
   ルブステムから半径方向に一定距離離間した位置で前記
   エアゾール容器の中心軸線と直交する方向に旋回可能に
   支持されるピボット部とこのピボット部から半径方向に
   延出した略管状のノズル部とを備えて前記バルブステム
   の押下によってバルブステムから噴出される内容物を前
   記ノズル部の先端に開口する噴射孔から噴射する噴射ノ
   ズルと、前記噴射操作ボタンおよび噴射ノズルを覆うよ
   うに前記エアゾール容器の上面に被冠装着されるキャッ
   プとを備えるエアゾール容器用アクチュエータであっ
   て、 前記キャップは、エアゾール容器の中心軸線と直交する
   方向に所定角度旋回可能に、前記エアゾール容器の上面
   に係合させると共に、前記噴射ノズルのノズル部の先端
   を露出させるノズル用窓と、前記噴射操作ボタンを露出
   させるボタン操作用窓とを備え、 前記キャップのエアゾール容器の中心軸線と直交する方
   向への旋回によって前記噴射ノズルがピボット部の回り
   に旋回して前記ノズル部の先端がキャップ内に収容され
   ると共に、 前記キャップの内側で前記エアゾール容器の上面に固定
   されて、前記ノズル部の先端がキャップ内に収容された
   時にノズル部の先端に当接する当接部によってノズル部
   先端の噴射孔を封止する内部キャップを設けたことを特
   徴とするエアゾール容器用アクチュエータ。
2. 【請求項２】 使用時には、前記ノズル部の先端が前記
   ノズル用窓から突出するように、前記ノズル部の長さを
   設定したことを特徴とする請求項１に記載のエアゾール
   容器用アクチュエータ。
3. 【請求項３】 前記キャップの旋回操作で、前記ノズル
   部の先端をキャップ内に収容した状態では、前記ボタン
   操作用窓の位置が噴射操作ボタンの位置からずれて、噴
   射操作ボタンがキャップ内に隠れることを特徴とする請
   求項１又は請求項２に記載のエアゾール容器用アクチュ
   エータ。