JP2004022155A - 光ディスク装置およびその調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フォーカスサーボをオフにした状態で光ピックアップ6におけるディテクタからの信号により、フォーカスエラー信号をモニタし、使用される光ディスク1の1回転中の最大振幅を光ディスク面の振幅に換算した値が、任意に設定した基準値以下となるように、安定化部材8のZ軸方向位置およびチルト角を、Z軸方向・安定化部材/ピックアップユニット位置制御部40,X軸方向・安定化部材/ピックアップユニットチルト角制御部42,Y軸方向・安定化部材/ピックアップユニットチルト角制御部43を動作させて調整する。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性を有するシート状の光学的情報記録媒体である光ディスクを使用し、この光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れを空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段を具備した光ディスク装置、およびその光ディスク装置の調整方法に係り、特に光ディスクと安定化部材との相対位置関係を調整するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、テレビ放送のデジタル化が始まるなど、大容量のデジタルデータを記録することが光ディスクに求められている。光ディスクの高密度化のための手法のうち、基本的な方法は記録/再生のための光のスポット径を小さくすることである。
【0003】
このため、記録/再生のために用いられる光の波長を短く、かつ対物レンズの開口数NAを大きくすることが有効である。光の波長についてはCD(compact disk)では近赤外光の780nm、DVD(digital versatile disk)では赤色光の650nm近傍の波長が用いられている。最近、青紫光の半導体レーザが開発され、今後は400nm近傍のレーザ光が使用されると予想される。
【0004】
また、対物レンズについては、CD用はNA0.5未満であったが、DVD用はNA0.6程度である。今後、さらに開口数(NA)を大きくしてNA0.7以上とすることが求められる。しかし、対物レンズのNAを大きくすること、および光の波長を短くすることは、光を絞るときに収差の影響が大きくなることでもある。したがって、光ディスクのチルトに対するマージンが減ることになる。また、NAを大きくすることによって焦点深度が小さくなるため、フォーカスサーボ精度を上げなくてはならない。
【0005】
さらに、高NAの対物レンズを使用することによって、対物レンズと光ディスクの記録面との距離が小さくなってしまうため、光ディスクの面ぶれを小さくしておかないと、始動時のフォーカスサーボを引き込む直前、対物レンズと光ディスクとが衝突することがあり、ピックアップの故障の原因となる。
【0006】
短波長,高NAの大容量光ディスクとして、例えばO PLUS E(vol.20 No.2)の183ページに示されているように、CDと同程度に厚く剛性の大きい基板に記録膜を成膜し、記録/再生用の光を基板を通さずに、薄いカバー層内を通して記録膜に対して記録/再生する構成のシステムが提案されている。
【0007】
また、例えば特開平7−105657号公報,特開平10−308059号公報に記載されているように、平面をもつ安定化板上で可撓性を有する光ディスクを回転させて、光ディスクにおける面ぶれを安定化させる方法が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の技術において、光ディスクの基板を剛体で形成すると、回転する光ディスクにおける面ぶれ,チルトを小さくするためには、きわめて正確な成形をし、かつ熱変形が生じないように低温で記録膜を成膜しなければならない。このことは、光ディスク製造に係るタクトタイムを長くすることになり、コストを上げる原因となる。
【0009】
また、可撓性のある光ディスクを安定板上で回転させる方法では、特開平10−308059号公報に記載されているように、単純な平板上で回転させると、光ディスクと安定化板が接して摺動し、このため光ディスクが振動して高周波の面ぶれが発生する。この面ぶれは、機械的なフォーカスサーボでは応答できない周波数領域にかかってくることが多く、残留サーボエラーを十分抑圧することができない。
【0010】
さらに、面ぶれにより光ディスクと対物レンズとが摺動すると、発塵を引き起こして、その塵埃などがエラーを発生させる原因となる。特に特開平7−105657号公報に記載されているように、安定化板側に記録膜が存在する構成であると、摺動により光ディスクの記録膜を損傷して、直接エラーを引き起こすことになる。
【0011】
これらの問題を解決するための1つの手段として、本件出願人は、特願2001−228943号において、光ディスクの記録層の全面に安定化ガイド部材を対向設置させずに、光ディスクとの対向面が円弧状をなす円柱状の安定化ガイド部材を用い、光ディスクにおける安定化ガイド部材による空気圧の作用による面ぶれが安定する部位におけるディスク回転方向上流側と下流側とに空気圧の作用を生じさせない領域(安定化ガイド部材がない空間部)を設けて、面ぶれを安定化させた部位の前後位置に光ディスクに「逃げ」となる部分を存在させ、面ぶれを安定化させた部位での光ディスクにおける反発力を小さくすることにより、空気力による安定化力の効果を増大させる発明を提案した。
【0012】
この発明によれば、可撓性光ディスクの面ぶれを確実に抑制し、高密度の記録を可能にし、また対物レンズとの摺接などの不具合の発生を防ぐことが可能となるが、反面、安定化ガイドによる光ディスク面上の面ぶれ安定化位置はディスク回転数,半径位置などによって影響されるため、光ピックアップの焦点位置と面ぶれ安定化位置を的確に一致させることが重要課題となる。
【0013】
また本件出願人は、特願2001−284299号において、安定化ガイドの位置または傾きの制御によって光ディスク上の面ぶれ安定化位置を調整する発明を提案し、かつ安定化ガイドと光ディスク間のギャップを静電容量型変位センサーなどのギャップセンサによって計測することにより、光ピックアップの焦点位置と面ぶれ安定化位置との一致を図っている。
【0014】
しかしながら、静電容量型変位センサなどのギャップセンサは高価なものであり、民生用の一般的な普及型の光ディスクドライブにおいては現実的な機構といえない。
【0015】
本発明の目的は、前記従来の課題を解決し、可撓性を有するシート状の光ディスクを用いて記録/再生を行う際に、空気力を利用して光ディスクの面ぶれを抑制する安定化手段を用い、この安定化手段と光ディスクとの相対的位置関係を的確に調整し、光ピックアップの焦点位置と光ディスクの面ぶれ安定化位置を的確に一致させ、記録および/または再生動作の安定化を図ることができる光ディスク装置およびその調整方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、前記光ディスクの記録面に対して光出射して情報の書き込みあるいは読み取りを行う光ピックアップと、前記光ディスクの記録面とは反対面側に設置され、少なくとも前記光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れを空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光ディスク装置であって、前記光ピックアップの焦点位置を前記光ディスクの回転軸方向における変動範囲の略中心位置に設定し、かつフォーカスサーボなどの追従手段を駆動させない状態とし、この状態で検出されるフォーカスエラー信号の解析値に基づいて、前記光ディスクと前記安定化手段との三次元空間内における相対位置関係を調整させる制御調整手段を備えたことを特徴とし、この構成によって、フォーカスエラー信号により、光ピックアップと対向する位置の光ディスクにおける面ぶれ安定化状態を的確に判断し、光ディスクと安定化部材との相対位置関係の調整により、光ピックアップの光ディスクに対する焦点位置と光ディスクにおける面ぶれ安定化位置とを的確に一致させることが可能となり、面ぶれを低減した位置において安定した記録および/または再生が実現可能となる。また、面ぶれ量を直接計測する静電容量型変位センサなどの特別な手段を必要としないため、簡易的かつ安価な光ディスク装置が実現する。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の光ディスク装置において、制御調整手段により、光ディスクを1回転して得られたフォースカエラー信号の最大振幅を光ディスク面の振幅に換算した値が、あらかじめ設定した基準値以下となるように、光ディスクと安定化手段との三次元空間内における相対位置関係を調整させることを特徴とし、この構成によって、光ピックアップ面の面振れが任意に設定した定量値以下に調整されることとなる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の光ディスク装置において、基準値を、任意の光ディスクの回転数、および任意の記録/再生が行われる光ディスクにおける半径位置を任意の条件とし、安定化手段により安定化させた最適な光ディスク面振れ安定化点における面振れ量よりも大きく、かつ20μm以下に設定したことを特徴とし、この構成によって、前記基準値を用いることにより、確実かつ正確な判断を行うことが可能になる。すなわち、面振れ量の制限値を20μm以下とすることにより、ワークディスタンスが0.05mm〜0.3mm程度の狭い高NAのピックアップ(例えばDVR用ではNA0.85)を用いる場合においても、光ピックアップの対物レンズと光ディスクとの衝突を確実に回避できるようになり、また、面振れ量の下限値を当該光ディスクにおける実効的な値に設定することにより、制御調整系の動作が発散することを防ぐことができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3いずれか1項記載の光ディスク装置において、制御調整手段からの光ディスクと安定化手段との相対位置調整信号に基づいて、光ディスクおよび/または安定化手段の位置を移動させる移動手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の発明は、可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、前記光ディスクの記録面に対して光出射して情報の書き込みあるいは読み取りを行う光ピックアップと、前記光ディスクの記録面とは反対面側に設置され、少なくとも前記光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れを空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光ディスク装置に用いられる調整方法であって、前記光ピックアップの焦点位置を、前記光ディスクの回転軸方向の変動範囲の略中心位置に設定し、かつフォーカスサーボなどの追従手段を駆動させない状態とし、この状態で前記光ピックアップにより検出されるフォーカスエラー信号の解析値に基づいて、前記光ディスクと前記安定化手段との三次元空間内における相対位置関係を調整することを特徴とし、この方法によって、フォーカスエラー信号により、光ピックアップと対向する位置の光ディスクにおける面ぶれ安定化状態を的確に判断し、光ディスクと安定化部材との相対位置関係の調整により、光ピックアップの光ディスクに対する焦点位置と光ディスクにおける面ぶれ安定化位置とを的確に一致させることが可能となり、面ぶれを低減した位置において安定した記録および/または再生が実現可能となる。また、面ぶれ量を直接計測する静電容量型変位センサなどの特別な手段を必要としないため、簡易的かつ安価な光ディスク装置が実現する。
【0021】
請求項6に記載の発明は、可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、前記光ディスクの記録面に対して光出射して情報の書き込みあるいは読み取りを行う光ピックアップと、前記光ディスクの記録面とは反対面側に設置され、少なくとも前記光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れを空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光ディスク装置に用いられる調整方法であって、異なる仕様の光ディスクごとに、請求項5記載の調整方法を実行して、光ディスクと安定化部材との三次元空間内における相対位置関係の調整基準条件をあらかじめ設定しておき、使用される光ディスクに対して請求項5記載の調整方法を実行して、前記光ディスクと前記安定化手段との三次元空間内における相対位置関係を調整することを特徴とし、この方法によって、使用される光ディスクにおける代表的な制御条件をあらかじめ設定しておき、その制御条件に基づき光ピックアップの光ディスクに対する焦点位置と光ディスクにおける面ぶれ安定化位置とを的確に一致させることができるため、請求項5に記載の方法に比べて、調整制御動作,演算処理を簡素化することができ、より簡易的かつ安価な光ディスク装置が実現する。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項5記載の光ディスク装置の調整方法において、請求項6記載の調整を、光ディスクと安定化手段との三次元空間内における相対位置関係における微調整として実行することを特徴とし、この方法によって、調整制御動作の簡略化,迅速化を図ることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれか1項記載の光ディスク装置の調整方法において、光ディスクを1回転して得られたフォースカエラー信号の最大振幅を光ディスク面の振幅に換算した値が、設定した基準値以下となるように、光ディスクと安定化手段との三次元空間内における相対位置関係を調整することを特徴とし、この方法によって、光ピックアップ面の面振れがあらかじめ設定された任意の定量値以下に調整される。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項5〜8のいずれか1項記載の光ディスク装置の調整方法において、基準値として、任意の光ディスクの回転数、および任意の記録/再生が行われる光ディスクにおける半径位置を条件とし、安定化手段により安定化させた最適な光ディスク面振れ安定化点における面振れ量よりも大きく、かつ20μm以下の値を用いることを特徴とし、この方法によって、確実かつ正確な判断を行うことが可能になる。すなわち、面振れ量の制限値を20μm以下とすることにより、ワークディスタンスが0.05mm〜0.3mm程度の狭い高NAのピックアップ(例えばDVR用ではNA0.85)を用いる場合においても、光ピックアップの対物レンズと光ディスクとの衝突を確実に回避できるようになり、また、面振れ量の下限値を当該光ディスクにおける実効的な値に設定することにより、制御調整系の動作が発散することを防ぐことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は本発明の実施形態の基本構成を説明するための光ディスク装置の概略構成図であり、1は可撓性を有するシート状の光ディスク、2は光ディスク1のハブ3を保持するスピンドルシャフト、4はスピンドルシャフト2を回転駆動するスピンドルモータ、6は、光ディスク1に対して情報の書き込みを行う記録手段、および書き込まれた情報の読み取りを行う再生手段としての光ピックアップ、7は光ピックアップ6を光ディスク1の半径方向へ移動させるピックアップ用位置決め機構、8は、光ディスク1を介して光ピックアップ6に対向設置され、光ディスク1の面ぶれを防止するための安定化部材、9は安定化部材8を光ピックアップ6と連動して光ディスク1の半径方向へ移動させる安定化ガイド用位置決め機構、10は前記各構成部材を収納する装置本体である。
【0027】
図2は前記光ピックアップを構成する記録手段と再生手段の説明図であり、記録手段としては、図2(a)に示すように、入力された記録信号に対してデジタル信号化処理,信号圧縮処理などを行う信号処理回路11と、信号処理回路11からの出力に基づいてレーザ駆動制御信号を生成するレーザ駆動制御回路12と、レーザ駆動制御回路12からの出力を受けて半導体レーザなどからなるレーザ光源14を駆動するレーザ駆動部13などからなっており、レーザ光源14から出射した高出射エネルギの出射光Laが、図1に示す光ピックアップ6の対物レンズ15により集光されて光ディスク1の記録面を光スポットとして照射し、ビット形成による情報記録が行われる。
【0028】
また、再生手段としては、図2(b)に示すように、フォトダイオードなどからなる光電変換素子17と再生信号処理回路18などからなり、光ディスク1の記録面に形成されている記録ビットに対して、レーザ光源14から低出射エネルギのレーザ光が出射され、その反射光Lbを対物レンズ15を通し光電変換素子17で受光し、光電変換素子17からの出力に再生信号処理回路18で信号伸張処理などを施して再生信号を生成する。
【0029】
光ディスク1は、図3の断面図に示すような構成であって、記録層20が光ピックアップ6の対物レンズ15に対向し、基板21が安定化部材8に対向するように、スピンドルシャフト2に設けられたチャッキング部にセットされる。
【0030】
光ディスク1の具体例を説明する。基板として可撓性を持たせるために0.1mm程度の薄いシートを用いた。例えばポリエチレンテレフタレート製の厚さ80μmのシートに熱転写で、スタンパのピッチが0.6μm、幅0.3μmのグルーブを転写し、その後、スパッタリングでシート/Ag反射層を120nm/(ZrO2−Y2O3)−SiO2,7nm/AgInSbTeGe,10nm/ZnS−SiO2,25nm/Si3N4の順番に成膜した。このシートにUV樹脂をスピンコートし、紫外線照射で硬化させて厚さ5μmの透明保護膜を形成し、さらに、このディスクを大口径のレーザ光で記録層を溶融結晶化することにより、反射率を上げたものを使用した。
【0031】
図4の説明図を参照して可撓性を有するシート状の光ディスクの面ぶれ安定化について説明する。記録/再生時、前記構成の可撓性を有する光ディスク1を、光ピックアップ6と安定化部材8間で回転させる。回転している光ディスク1は、それ自体、小さいながら剛性を持ち、また回転すると遠心力の作用により、真っ直ぐな状態になろうとする力を持つ。したがって、光ディスク1に対して安定化部材8を近づけて、ベルヌーイの法則に基づく空気流の圧力差による反発力を生成して光ディスク1に与えることにより、光ディスク1が真っ直ぐになろうとする力と、安定化部材8からの反発力の釣り合いによって、大きな面ぶれ(ディスク回転軸方向の振れ)を減少させることができる。
【0032】
本実施形態では、光ディスク1の記録層20全面に安定化部材8を対向設置させないようにする。例えば図4の構成例では、光ディスク1との対向面が円弧状をなす円柱状の安定化部材8を用いており、光ディスク1における安定化部材8による前記空気圧の作用による面ぶれが安定する部位Aにおけるディスク回転方向上流側と下流側とに前記空気圧の作用を生じさせない領域(安定化部材8がない空間部)B,Cを設け、面ぶれを安定化させた部位Aの前後位置に光ディスク1に「逃げ」となる部分を存在させることによって、面ぶれを安定化させた部位Aにおける光ディスク1の反発力を小さくするようにしている。このようにしたことによって、空気力による安定化力の効果が増大することになる。
【0033】
さらに、光ディスク1における記録層20とは反対側である基板21側に安定化部材8が存在し、光ディスク1の記録層20に対して記録/再生用の光La,Lbを集光して記録/再生を行う。安定化部材8は記録層20の反対側の基板21側を安定化させる。このことにより、万一、安定化部材8と光ディスク1とに摺動状態が発生しても記録層20を損傷させることにならず、エラーの発生の直接原因にはならない。また、光ディスク1は、通常、記録層20側が凸状に反る。これは記録層20におけるスパッタ膜が圧縮応力であることに対応する。このため、基板21側から押すようにして安定化部材8を当てる方が、より安定化部材8と光ディスク1との圧着力が安定することになり、面ぶれに対する圧縮が良好になる。
【0034】
また光ディスク1における記録層20側の面ぶれを安定化させた部位Aの反対側に対して直接的に記録/再生用の光La,Lbが入出射するので、万一、光ディスク1が安定化部材8と摺動して傷がついたとしても、その傷は記録層20には付かないため記録/再生上のエラーを発生することがなくなり、また、光ディスク1の基板21には傷が付いても記録/再生用の光La,Lbは基板21を通らないため、基板21の傷の影響、および基板21の光学特性の影響を受けることがなく、例えば基板21としては不透明のものでもよい。
【0035】
図4の説明図を参照してさらに具体的に説明する。図4において、安定化部材8以外の構成部材または装置本体ケース、あるいは光ディスク1をカートリッジに収納した状態において使用する場合は、そのカートリッジによってベルヌーイの法則による作用が働かないように、それらから光ディスク1を1mm程度以上離しているとする。ただし、例外的に対物レンズ15が高NAの場合には、作動距離が短くなるため、対物レンズ15が0.05mm〜0.3mm位まで近づくことになる。
【0036】
さらに、図5に図4の構成における光ディスクの面ぶれの測定結果の実測図(2回転分)を示す。安定化部材8は先端形状が半径50mm、直径が20mmであり、光ディスク1は、80μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)シートに0.65μmピッチのトラッキング用の溝を形成し、記録膜をスパッタリングで形成したものであって、直径45mm、その回転数は2000rpmとし、レーザ変位計を用いて面ぶれを測定したものである。安定化部材8と光ディスク1との設定間隔は約5μmである。
【0037】
安定化部材8には異常振動がなく、かつ光ディスク1にも摺動傷は発生しなかったので、過度の空気浮上が行われず摺動状態が生じていなかったと判断することができる。また、ディスク面ぶれは5μm程度であって、通常の剛体のディスクが50μm以上の面ぶれを生じることからすると、極めて小さいことが分かる。
【0038】
(表1)は面ぶれ状態を図5にて説明した測定法と同様にして10回転させて測定した結果をまとめた表であり、本実施形態のように光ディスク片側に安定化部材を設置した構成のものと、従来の光ディスク全面にガイド部材を設置したものとを比較した。
【0039】
【表1】
【0040】
(表1)にて分かるように、本構成では面ぶれの最大幅が略11μmであって、面ぶれのばらつきの3σが2μm程度となる好結果を得られた。
【0041】
本安定化部材8は、装置本体ケースに設置しても、カートリッジ内に内設しても、いずれの場合にも前記のような良好な面ぶれ安定化が得られた。
【0042】
そして、前記構成の光ディスク装置を波長405nm、かつNA0.9の光ピックアップを用いて記録再生を行った。例えば光ディスクにおける記録位置は半径45mmとし、最短記録ビット長を0.12μm、かつランダムなデジタルデータを1−7RLLで変調して記録した。
【0043】
記録線速度は10m/s,記録ピークパワーは5mW,消去パワーは2.6mW,記録ボトムパワーは0.1mWの3値変調,再生は0.25mWで行ったとき、基本クロックと記録信号との間のジッターは8%未満であった。さらに記録信号のエンベロープの乱れもなく、安定したフォーカスおよびトラッキングが行われていた。記録再生ともフォーカスの残留エラーを測定したが、デフォーカス量は±0.12μm以下になっていた。0.8以上の高いNAでは、デフォーカスマージンがきわめて狭く、DVDなどに比べて数分の1しかなく、デフォーカス量を±0.2μm以下にすることが必須である。その意味においては十分なフォーカス安定化が行われていたといえる。
【0044】
また、線速度を20m/sに上げて再生を行ってデフォーカスを評価したが、その量は前記と同様に±0.12μm以下であった。従来の高剛性ディスクでは、線速度を上げると、共振などの作用のために面ぶれが増え、デフォーカス量が増えるのに比べると良い結果が得られた。これは、本発明においては、空気力安定化を用いているために高線速になるほど安定化させる力が大きくなるからである。
【0045】
本発明者らは、上述した光ディスクの面ぶれを、さらに安定化させるためにコントロールする方法について鋭意検討した結果、この種の光ディスク装置においてはシート状の光ディスクにおける光ピックアップ面近傍の面振れ量を飛躍的に低減できるため、光ピックアップ面の面振れをフォーカスエラーの検出エリア(一般的に±20μm程度)内に納めることができ、これによってフォーカスエラー信号により光ピックアップ面の面振れを的確に見積もることができるという、従来の光ディスクメディアでは見られなかった新たな現象が存在することを見い出すとともに、同現象を利用してフォーカスエラー信号のモニタおよび制御を行うことにより、シート状の光ディスクにおける光ピックアップ側の面振れ状態をコントロールできることに考えが至った。
【0046】
ディスク面振れとフォーカスエラー信号の関係について、もう少し詳しく説明する。図6(b)は、図1〜図5にて説明した光ディスク装置において、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボをオフにした状態で、光ピックアップ6における信号検出系のフォトディテクタで検出されたフォーカスエラー信号の波形図である。また、図6(a)は従来の光ディスクシステムおよびメディアにおける一般的なフォーカスエラー信号の波形図である。一般的にフォーカスエラー検出系は、ディスク面/対物レンズ間の距離に応じて、図7に示すようなS字特性に従って検出波形を返すものであり、フォトディテクターが合焦位置にある場合に零信号、合焦位置からずれた場合にプラスあるいはマイナスの信号を出力する。従来の光ディスクにおいては、ディスクの面振れが大きくフォーカスエラー検出エリアを越えているため、ディスク面がフォトディテクターの合焦位置近傍にある場合に限ってフォーカスエラー信号が検出され、そのプロファイルは図6(a)に示すように面振れ波形と形状、振幅とも全くかけ離れたものになる。この領域では、ディスクの面振れ振幅が変化してもフォーカスエラー信号の振幅には反映されず、フォーカスエラー信号からディスク面の面振れを見積ることはできない。これに対して、本発明に係る光ディスク装置においては、ディスクの面振れが飛躍的に小さくフォーカスエラー検出エリア内に収まっているため、面振れとフォーカスエラー信号のプロファイルは良く一致し、また、この領域においては、フォーカスエラー信号の振幅がディスクの面振れ振幅に追従して変化するため、フォーカスエラー信号振幅からディスク面の面振れ振幅を的確に見積ることが可能となる。
【0047】
なお、フォーカスエラー信号の検出方法には、シリンドリカルレンズおよび4分割フォトディテクターを用いた非点収差法、プリズムを用いたフーコー法など、いくつかの方法があるが、本実施形態においては、ディスク面と光ピックアップ間距離の合焦位置からのずれを精度良く検出できる方法であればよい。前記したフォーカスエラー信号の結果は、非点収差法を用いた前者の方法により検出したものである。
【0048】
図8は本発明の実施形態1を説明するための光ディスク装置の概略構成図である。なお、以下の説明において、既述した部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0049】
図8において、40はZ軸方向・安定化部材/ピックアップユニット位置制御部、41はX軸方向・安定化部材/ピックアップユニット位置制御部、42はX軸方向・安定化部材/ピックアップユニットチルト角制御部、43はY軸方向・安定化部材/ピックアップユニットチルト角制御部、44は安定化部材8と光ピックアップ6とを保持してなる安定化部材/ピックアップユニット共通筐体、45は安定化部材8と光ピックアップ6間の対向間隔を調整する安定化部材/ピックアップ間隔調整部である。X軸方向・安定化部材/ピックアップユニットチルト角制御部42とY軸方向・安定化部材/ピックアップユニットチルト角制御部43は安定化部材8の表面中心位置Oを回転中心としてチルト角を調節することができる機構である。また、光ピックアップ6は、レーザ光が常に安定化部材8の表面中心位置Oに垂直入射するように安定化部材/ピックアップユニット共通筐体44に固定してある。なお、シート状の光ディスク1および安定化部材8は既述したものと同様の仕様のものである。
【0050】
実施形態1における面ぶれ安定化のための図示しないCPU(中央演算処理ユニット)による調整制御について、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0051】
すなわち、CPUにスタート信号が入力することによって、スピンドルモータ4が始動して光ディスク1を回転させ(S1−1)、所定の回転数に達したときに(S1−2のYES)、安定化部材8を光ディスク1の半径方向へ移動させ、安定化部材8の表面中心位置Oを光ディスク1の半径方向における所定の位置に合わせ、光ディスク1に対して安定化部材8を近接させる(S1−3)。その後、安定化部材8によりディスク設置基準面(光ディスクが平坦であると仮定した場合の安定化部材8の表面)よりも、約0.5mmだけ光ディスク1を押し込み、光ディスク1の面ぶれが略安定化した時点で(S1−4)、安定化部材/ピックアップ間隔調整部45により、光ピックアップ6の仮フォーカス位置と安定化部材8の表面中心位置Oとが一致するように調整する(S1−5)。このステップより、光ピックアップ6の仮フォーカス位置と安定化部材8の表面中心位置Oとが一致するように調整することにより、光ピックアップの焦点位置を、光ディスクの回転軸方向における変動範囲の略中心位置に設定することができる。
【0052】
その後、フォーカスサーボをオフにした状態で光ピックアップ6におけるディテクタからの信号により、CPUでは既述したようにフォーカスエラー信号をモニタして特性解析し、この特性解析値に基づいて光ディスク1に対する安定化部材8の相対的位置調整制御を行う(S1−6,S1−7)。すなわち、使用される光ディスク1の1回転中のフォーカスエラー信号の最大振幅を光ディスク面の振幅に換算した値が5μm以下となるように、安定化部材8のZ軸方向位置およびチルト角を、Z軸方向・安定化部材/ピックアップユニット位置制御部40,X軸方向・安定化部材/ピックアップユニットチルト角制御部42,Y軸方向・安定化部材/ピックアップユニットチルト角制御部43を動作させて調整する。
【0053】
前記調整後に、フォーカスサーボ,トラッキングサーボの順にサーボをオンにし(S1−8,S1−9)、記録/再生を開始する(S1−10)。
【0054】
なお、前記した面振れ振幅の基準値5μmという値は、前記光ディスクを3100rpmの範囲で回転させ、前記安定化部材8により半径40mm位置でディスクの面振れを安定化させた場合に、得られた最適安定化点の面振れ振幅2.5μmを基に上限20μmまでの範囲で任意に設定したものである。
【0055】
このような調整制御を行うことにより、安定化部材8によるディスク面ぶれ安定化領域の位置を簡便かつ的確に設定することができ、ベルヌーイの法則を利用した可撓性を有する光ディスク1の面ぶれ安定性の利点を最大限に生かした安定した記録/再生を行うことができる。
【0056】
また本実施形態の光ディスク装置では、静電容量型変位センサなどの面ぶれ量を直接測定するような特別な測定手段を用いることなく、光ディスク1におけるピックアップ面の面ぶれ安定化状態を検知することができ、簡易で安価な光ディスク装置が実現する。
【0057】
なお、前記実施形態1における面ぶれ調整効果を確認するため、既述した光ディスク1を3100rpmにて回転させ、半径40mmの位置でのピックアップ面におけるディスク面ぶれをレーザ変位計にて評価したところ、実効的な面振れは4μm以下に抑制されていることが確認され、本発明の有効性が実証された。さらに、実施形態1において、評価対象のディスク半径位置,ディスク回転数,ディスクの仕様などのパラメータを実用範囲内で変化させて前記評価テストを行ったところ、光ディスクにおける各ピックアップ面において一定の面ぶれ安定性を確保することが確認され、各面において面ぶれが4μm以下であった。
【0058】
図10は本発明の実施形態2を説明するための光ディスク装置の概略構成図であり、50はZ軸方向・安定化部材位置制御部、51はZ軸方向・ピックアップ位置制御部、52はX軸方向・スピンドルチルト角制御部、54はX軸方向・スピンドル位置制御部、55はY軸方向・安定化部材チルト角制御部、56はY軸方向・ピックアップチルト角制御部である。Y軸方向・安定化部材チルト角制御部55は安定化部材8の表面中心位置Oを回転中心としてチルト角を調整することができるものである。Y軸方向ピックアップチルト角制御部56は光ピックアップ6の焦点位置を回転中心としてチルト角を調整することができるものであって、また両チルト角制御部55,56は、光ピックアップ6の入出射光の光軸と安定化部材8の中心軸とが一致するように、常に連動するようにしてある。またスピンドル2のチルト角は、図示している傾きの方向へ略2度傾けて固定した。
【0059】
実施形態2における面振れ安定化のためのCPUによる調整制御動作についても、実施形態1と同様に図9のフローチャートを参照して説明する。
【0060】
すなわち、CPUにスタート信号が入力することによって、スピンドルモータ4が始動して光ディスク1を回転させ(S1−1)、所定の回転数に達したときに(S1−2のYES)、安定化部材8を光ディスク1の半径方向へ移動させ、安定化部材8の表面中心位置Oを光ディスク1の半径方向における所定の位置に合わせ、光ディスク1に対して安定化部材8を近接させる(S1−3)。その後、安定化部材8によりディスク設置基準面(光ディスクが平坦であると仮定した場合の安定化部材8の表面)よりも、約0.5mmだけ光ディスク1を押し込んで光ディスク1の面ぶれを略安定化(S1−4)させ、光ピックアップ6のZ軸方向位置をZ軸方向ピックアップ位置制御部51により、光ピックアップ6の仮想フォーカス位置と安定化部材8の表面中心位置Oとが一致するように調整する(S1−5)。このステップより、光ピックアップ6の仮フォーカス位置と安定化部材8の表面中心位置Oとが一致するように調整することにより、光ピックアップの焦点位置を、光ディスクの回転軸方向における変動範囲の略中心位置に設定することができる。
【0061】
その後、フォーカスサーボをオフにした状態で光ピックアップ6におけるディテクタからの信号により、CPUでは既述したようにフォーカスエラー信号をモニタして特性解析し、この特性解析値に基づいて光ディスク1に対する安定化部材8の相対的位置調整制御を行う(S1−6,S1−7)。すなわち、使用される光ディスク1の1回転中のフォーカスエラー信号の最大振幅を光ディスク面の振幅に換算た値が5μm以下となるように、安定化部材8のチルト角をY軸方向・安定化部材チルト角制御部55により調整する。この調整後に、フォーカスサーボ,トラッキングサーボの順にサーボをオンにし(S1−8,S1−9)、記録/再生を開始する(S1−10)。
【0062】
なお、前記した面振れ振幅の基準値5μmという値は、前記光ディスクを3100rpmの範囲で回転させ、前記安定化部材により半径40mm位置でディスクの面振れを安定化させた場合に、得られた最適安定化点の面振れ振幅2.5μmを基に上限20μmまでの範囲で任意に設定したものである。
【0063】
このような調整制御を行うことにより、実施形態1と同様に、安定化部材8によるディスク面ぶれ安定化領域の位置を簡便かつ的確に設定することができ、ベルヌーイの法則を利用した可撓性を有する光ディスク1の面ぶれ安定性の利点を最大限に生かした安定した記録/再生を行うことができる。さらに静電容量型変位センサなどの面ぶれ量を直接測定するような特別な測定手段を用いることなく、光ディスク1におけるピックアップ面の面ぶれ安定化状態を検知することができ、簡易で安価な光ディスク装置が実現する。
【0064】
なお、実施形態2における面ぶれ調整効果を確認するため、既述した光ディスク1を3100rpmで回転させ、半径40mmの位置でのピックアップ面におけるディスク面ぶれをレーザ変位計にて評価テストを行ったところ、面ぶれを4μm以下に抑制することができることが確認され、実施形態2においても本発明に係る有効性が実証された。さらに、実施形態2において、評価対象のディスク半径位置,ディスク回転数,ディスクの仕様などのパラメータを実用範囲内で変化させて前記評価テストを行ったところ、光ディスクにおける各ピックアップ面において一定の面ぶれ安定性を確保することが確認され、各面において面ぶれが5μm以下であった。
【0065】
次に本発明の実施形態3について説明する。実施形態3の光ディスク装置は図8に示す実施形態1と同様な装置構成であって図示は省略するが、記録/再生を行うディスク半径方向の位置,ディスク回転数,ディスクの各種仕様にそれぞれに対応して、面ぶれ安定状態になる安定化部材8における三次元上の位置を、既述したようなフォーカスエラー信号の検出信号に基づいて、あらかじめ見積っておき、この見積値を安定化部材8の予備動作位置のデータとして、光ディスク装置に搭載されているCPUのメモリに見積値Aとして記憶させておく点で異なっている。
【0066】
実施形態3における面ぶれ安定化のためのCPUによる調整制御について、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0067】
すなわち、CPUにスタート信号が入力することによって、スピンドルモータ4が始動して光ディスク1を回転させ(S2−1)、所定の回転数に達したときに(S2−2のYES)、安定化部材8を光ディスク1の半径方向へ移動させ、かつ前記見積値Aを読み出して、安定化部材8を光ディスク1に対する三次元空間上に設定し(S2−3)、安定化部材/ピックアップ間隔調整部45により、光ピックアップ6の仮想フォーカス位置と安定化部材8の表面中心位置Oとが一致するように調整する(S2−4)。
【0068】
その後、フォーカスサーボをオフにした状態で光ピックアップ6におけるディテクタからの信号により、CPUでは既述したようにフォーカスエラー信号をモニタして特性解析し、この特性解析値に基づいて光ディスク1に対する安定化部材8の相対的位置の微調整制御を行う(S2−5,S2−6)。すなわち、使用される光ディスク1の1回転中のフォーカスエラー信号の最大振幅を光ディスク面の振幅に換算した値が5μm以下となるように、安定化部材8のZ軸方向位置およびチルト角を、Z軸方向・安定化部材/ピックアップユニット位置制御部40,X軸方向・安定化部材/ピックアップユニットチルト角制御部42,Y軸方向・安定化部材/ピックアップユニットチルト角制御部43を動作させて微調整する。
【0069】
前記調整後に、フォーカスサーボ,トラッキングサーボの順にサーボをオンにし(S2−7,S2−8)、記録/再生を開始する(S2−9)。
【0070】
このような調整制御を行うことにより、実施形態1と同様に面振れの安定化を図ることができ、しかも安定化部材8の初期設定動作の簡略化を図ることができた。
【0071】
また、本実施形態では、光ディスク1ごとに安定化部材8を大まかに位置設定する予備動作を見積る動作を含んでいるが、見積りのためのパラメータとしてはディスク材料,厚さ,機能構成層の種類といった代表的なパラメータをベースとして、代表的な安定化部材6の予備動作位置を何種類か用意しておけばよく、全てのパラメータに対応する見積りを設定する必要はない。
【0072】
なお、シート状の光ディスク1の材料としてポリエチレンテレフタレートを使用した光ディスクであっても、前記実施形態の調整制御方法を実施することにより、安定化部材8によるディスク面ぶれの安定化における前記のような効果が得られることを確認した。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フォーカスエラー信号によって、光ピックアップと対向する位置の光ディスクにおける面ぶれ安定化状態を的確に判断し、光ディスクと安定化部材との相対位置関係の調整により、光ピックアップの光ディスクに対する焦点位置と光ディスクにおける面ぶれ安定化位置とを一致させることが可能となり、面ぶれを低減した位置において安定した記録および/または再生が実現可能となる。また、面ぶれ量を直接計測する静電容量型変位センサなどの特別な手段を必要としない調整制御であるため、簡易的かつ安価な光ディスク装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の基本構成を説明するための光ディスク装置の概略構成図
【図2】本実施形態における光ピックアップを構成する記録手段と再生手段との説明図
【図3】本実施形態に使用される可撓性を有するシート状の光ディスクの一部断面図
【図4】本実施形態における可撓性を有するシート状の光ディスクにおける面ぶれ安定化についての説明図
【図5】本実施形態の構成における光ディスクの面ぶれの測定結果の実測図(2回転分)
【図6】従来の光ディスクシステムと本考案の光ディスクシステムにおける、「光ディスクの面振れ状態」と「光ピックアップにおける信号検出系のフォトディテクタで検出されたフォーカスエラー信号」との関係図
【図7】光ピックアップにおける信号検出系のフォトディテクタの一般的なS字特性の説明図
【図8】本発明の実施形態1,3を説明するための光ディスク装置の概略構成図
【図9】実施形態1,2における面ぶれ安定化のための調整制御動作に係るフローチャート
【図10】本発明の実施形態2を説明するための光ディスク装置の概略構成図
【図11】実施形態3における面ぶれ安定化のための調整制御動作に係るフローチャート
【符号の説明】
1 可撓性を有するシート状の光ディスク
2 スピンドルシャフト
4 スピンドルモータ
6 光ピックアップ
8 安定化部材
40 Z軸方向・安定化部材/ピックアップユニット位置制御部
41 X軸方向・安定化部材/ピックアップユニット位置制御部
42 X軸方向・安定化部材/ピックアップユニットチルト角制御部
43 Y軸方向・安定化部材/ピックアップユニットチルト角制御部
44 安定化部材/ピックアップユニット共通筐体
45 安定化部材/ピックアップ間隔調整部
50 Z軸方向・安定化部材位置制御部
51 Z軸方向・ピックアップ位置制御部
52 X軸方向・スピンドルチルト角制御部
54 X軸方向・スピンドル位置制御部
55 Y軸方向・安定化部材チルト角制御部
56 Y軸方向・ピックアップチルト角制御部
Claims (9)
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、前記光ディスクの記録面に対して光出射して情報の書き込みあるいは読み取りを行う光ピックアップと、前記光ディスクの記録面とは反対面側に設置され、少なくとも前記光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れを空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光ディスク装置であって、
前記光ピックアップの焦点位置を前記光ディスクの回転軸方向における変動範囲の略中心位置に設定し、かつフォーカスサーボなどの追従手段を駆動させない状態とし、この状態で検出されるフォーカスエラー信号の解析値に基づいて、前記光ディスクと前記安定化手段との三次元空間内における相対位置関係を調整させる制御調整手段を備えたことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記制御調整手段により、前記光ディスクを1回転して得られたフォースカエラー信号の最大振幅を光ディスク面の振幅に換算した値が、あらかじめ設定した基準値以下となるように、前記光ディスクと前記安定化手段との三次元空間内における相対位置関係を調整させることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 前記基準値を、任意の光ディスクの回転数、および任意の記録/再生が行われる光ディスクにおける半径位置を条件とし、前記安定化手段により安定化させた最適な光ディスク面振れ安定化点における面振れ量よりも大きく、かつ20μm以下に設定したことを特徴とする請求項1または2記載の光ディスク装置。
- 前記制御調整手段からの前記光ディスクと前記安定化手段との相対位置調整信号に基づいて、前記光ディスクおよび/または前記安定化手段の位置を移動させる移動手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の光ディスク装置。
- 可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、前記光ディスクの記録面に対して光出射して情報の書き込みあるいは読み取りを行う光ピックアップと、前記光ディスクの記録面とは反対面側に設置され、少なくとも前記光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れを空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光ディスク装置に用いられる調整方法であって、
前記光ピックアップの焦点位置を、前記光ディスクの回転軸方向の変動範囲の略中心位置に設定し、かつフォーカスサーボなどの追従手段を駆動させない状態とし、この状態で前記光ピックアップにより検出されるフォーカスエラー信号の解析値に基づいて、前記光ディスクと前記安定化手段との三次元空間内における相対位置関係を調整することを特徴とする光ディスク装置の調整方法。 - 可撓性を有するシート状の光ディスクを回転させる回転駆動手段と、前記光ディスクの記録面に対して光出射して情報の書き込みあるいは読み取りを行う光ピックアップと、前記光ディスクの記録面とは反対面側に設置され、少なくとも前記光ディスクにおける書き込みあるいは読み取りが行われる部位における回転軸方向の振れを空気流の圧力差によって安定化させる安定化手段とを備えた光ディスク装置に用いられる調整方法であって、
異なる仕様の光ディスクごとに、請求項5記載の調整方法を実行して、光ディスクと安定化部材との三次元空間内における相対位置関係の調整基準条件をあらかじめ設定しておき、使用される光ディスクに対して請求項5記載の調整方法を実行して、前記光ディスクと前記安定化手段との三次元空間内における相対位置関係を調整することを特徴とする光ディスク装置の調整方法。 - 請求項6記載の調整を、前記光ディスクと前記安定化手段との三次元空間内における相対位置関係における微調整として実行することを特徴とする請求項5記載の光ディスク装置の調整方法。
- 前記光ディスクを1回転して得られたフォーカスエラー信号の最大振幅を光ディスク面の振幅に換算した値が、設定した基準値以下となるように、前記光ディスクと前記安定化手段との三次元空間内における相対位置関係を調整することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の光ディスク装置の調整方法。
- 前記基準値として、任意の前記光ディスクの回転数、および任意の記録/再生が行われる前記光ディスクにおける半径位置を条件とし、前記安定化手段により安定化させた最適な光ディスク面振れ安定化点における面振れ量よりも大きく、かつ20μm以下の値を用いることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項記載の光ディスク装置の調整方法。
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US12/222,447 US8174946B2 (en) | 2002-01-22 | 2008-08-08 | Optical disk apparatus and method of controlling optical disk apparatus |
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