JP2002533679A - アルカリホスファターゼのlps−結合部分を使用する敗血症の診断 - Google Patents

アルカリホスファターゼのlps−結合部分を使用する敗血症の診断

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Abstract

(57)【要約】 グラム陰性菌感染による内毒血症または敗血症の徴候の診断断法、該方法は患者に由来する組織または流体サンプル中のアルカリホスファターゼ上のLPS結合部位のAP占有の程度をモニタリングすることを含んで成り、AP占有の程度がグラム陰性菌感染の有無と関連している。前記特許請求の範囲に記載のアッセイを行うためのアルカリホスファターゼLPS結合部位結合リガンドおよび使用説明書、ならびに場合によりそのようなアッセイに必要なさらなる構成要素、例えば検出可能なマーカー、バッファー、容器および比較用サンプルまたはデータチャート、例えば標準曲線またはアルカリホスファターゼ値の関連データに関連するデータを含んで成るキット。内毒血症または敗血症の治療法、該方法はアルカリホスファターゼのLPS結合部位を医薬的に効果的な量で全身的に許容され得る形態で投与することを含んで成るが、ただしリガンドはアルカリホスファターゼでも脱リン酸活性を有するアルカリホスファターゼの誘導体でもない。組織または流体からLPSを除去方法であって、該方法はアルカリホスファターゼのLPS結合部位を処置する組織または流体と接触させ、続いてLPS結合部位が流体または組織中に存在するLPSに結合した後にLPS結合部位および組織または流体を分離することを含んで成るが、ただしリガンドはアルカリホスファターゼでも脱リン酸活性を有するアルカリホスファターゼの誘導体でもない。LPS、リピドAまたは前記特許請求の範囲に記載の他のリガンドのようなアルカリホスファターゼのLPS結合部位を持つ化合物を用いた組織または体液または他の生物生産系からAP自体を精製する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 当該技術の現状 アルカリホスファターゼ(AP)は、内皮および上皮細胞、骨芽細胞、繊維芽細胞
および肝細胞を含む多くの種類の細胞の形質膜にグリコシル-ホスファチジル-イ
ノシトール(GPI)−アンカーを介して結合しているエクト-エンザイムである。こ
の酵素はまた、好中球の特別なグラニュラ(granula)にも存在する。その結果
、多くの器官が豊富なアルカリホスファターゼ活性を含む。さらに、酵素活性は
血漿にも存在する。
【0002】 血中のAP活性の上昇は、例えば胚形成および幼児期の骨形成が明らかである時
に見いだされる(3)。また胆汁うっ滞のような肝臓疾患は、高い血清APレベル
および肝細胞の形質膜上でAP活性発現の強化が特徴である。したがってこの酵素
は、一般にこの疾患の診断のための血清マーカーとして認められている(4)。
この種類の細胞の活性化後、好中球グラニュラからの放出は炎症過程で見いださ
れる血清AP活性の強化にも貢献し得る。肝臓疾患および炎症過程におけるこの酵
素誘導の生理学的意義は未知である。骨の形成過程のAPの役割は、インビトロお
よびインビボで証明された。
【0003】 最近の研究で、APが内毒素またはリポ多糖(LPS)を脱リン酸することができる
ことが証明された。LPSはグラム−陰性菌の細胞壁の構成成分であり、そしてヒ
トおよびほとんどの動物種に対して大変有毒である。これは激症の炎症反応を誘
導し、この反応が血流中で起こる場合、命を脅かすかもしれない。この疾患は「
敗血症」または「全身炎症性反応症候群(systemic inflammatory response syn
drome:SIRS)」と呼ばれ、そして全症例の約35%が死亡する。LPSは、肝臓疾患中
、あるいは例えば虚血性の出来事の最中または後に腸の透過性が強化された時、
細菌感染の後に血流に入り得る。腸内細菌科(Enterobacteriaceae)の大腸菌(E
.coli)、および多くの他の細菌種による生産で高濃度のLPSが胃腸管に存在する
。LPSは血漿中にはほとんど見いだされないので、胃腸管は明らかに効果的なバ
リアを有する。このバリアは、神経内皮細胞が高いAP活性を発現する血液脳バリ
アにも類似する高いAP発現が特徴である。
【0004】 LPSに対する増強された腸の透過性は、胃腸管の穿孔、虫垂炎または腹膜炎の
患者で示されたが、火傷、胃腸管の大きな外科的手術および敗血症後のような傷
害的な徴候の後にアルコールを過剰摂取した患者でも示された。このような後者
の例のほとんどは、虚血後の腸壁に対する再潅流傷害および腸内の脈管透過性に
影響を及ぼす炎症メディエータの並んだ同時放出が特徴であり、これがLPSの腸
管から門脈への漏出を引き起こす。正常な状態では、肝臓が循環からLPSを除去
するために重要な役割を果し、特にこれに関してはクッパー細胞が重要である。
しかし多くの肝臓疾患では、この機能が傷つけられ、これは次いで内毒血症を導
き得る。
【0005】 LPSのリピドA部分中のリン酸基は、この細菌産物に対する幾つかの生物的応
答を決定する。リピドA部分は、この外の高度に可変性な分子中で比較的定常的
な部分である。多糖テイル(tail)内の種々のリン酸基に加えて、一般に2つの
リン酸基がリピドA部分に存在する。多糖テイル内のリン酸基がLPSに対する炎
症反応に影響を及ぼさないことに対して、リピドA部分内のリン酸基は、最も重
要である。モノ−ホスホリル リピドAがマクロファージ応答の弱いインデュー
サーであり、そしてニワトリおよびウサギでは非−毒性であるのに対し、天然の
ジ−ホスホリル リピドAはマクロファージの強力なアクチベータであり、そし
てほとんどの哺乳動物に対して致死的である。
【0006】 したがってアルカリホスファターゼによるLPSの脱リン酸はインビボで重要と
なり、そしてこれがこの酵素の生理学的役割に新たな洞察を創造し得る。この新
たな洞察は、多くの治療的意味を有することができる。PCT/NL94/00189号明細書
は、LPSにより誘発されるすべての種類の合併症を処置するために、アルカリホ
スファターゼの治療的応用を記載している。 本発明の記述 要約すると、実施例ではグラム-陰性敗血症が樹立された患者における血清AP
活性は低下するが、グラム-陽性敗血症が樹立された患者では血清AP活性は影響
を受けないか、またはわずかに強化されることが示される。この新たな知見は、
本明細書で示すようにLPSのAP酵素への結合により説明され得る。この結合はAP
の分布に変化を引き起こし、これにより血清中の半減期を短くするか、あるいは
酵素活性に直接影響を及ぼすかのいずれかを引き起こすことができる。このよう
なすべての考察に基づき、そしてLPS解毒酵素(PCT/NL94/00189明細書に記載さ
れた)としてのインビボにおけるAPの役割に関する新規洞察を考慮して、APはLP
Sに関する結合部位を有し、そしてこのリガンドの酵素への結合が重要な意味を
持つと結論することができる。
【0007】 肝不全、重度の火傷または他の傷害(例えば臓器移植後)の患者における内毒
血症の早期検出は、重要であるがやや複雑である。血清中の遊離LPSを測定し、
そして血清の内毒素解毒能も考慮に入れた信頼性のある感度のある方法は、未だ
に利用できていない。さらに血清中のLPSの量を決定する方法は、前述の状況に
ついて何ら情報を与えない。これは血流中のLPSの短い半減期という観点と特に
関連している。LPSがAP自体に結合することを測定するための検出法は可能であ
り、そしてこのような方法はグラム陽性とグラム陰性敗血症との間を識別するた
めの、あるいは疾患の重症度を評価するための診断目的に応用することができる
。結合部位の占有の程度が、この疾患の初期マーカーとなるようである。すなわ
ち、価値ある新規診断ツールを本明細書で記載する。さらに、APがLPSに関する
特異的な結合ドメインを有するという考察に基づき、このドメインに結合する新
規なLPS結合系を開発することができる。このようなドメインはLPSを流体または
組織から除去することができる。APと相互作用するリガンドも、粗または部分精
製した生物起源(例えばミルク、培養基、組織サンプル)からAPを精製するため
に使用することができるまた、APのLPS結合ドメインに適用する系は、治療目的
に使用することもできる。
【0008】 このように、本発明はアルカリホスファターゼのLPS-結合部位に対するリガン
ドの使用を記載する。そのようなリガンドの例は、自然に存在する形態またはFa
b-フラグメント、一本鎖または他の改変された免疫グロブリンのいずれかの状態
のこのリガンドに対するモノ-またはポリクローナル抗体である。さらに標識さ
れたLPS、リピドA、両物質の誘導体、またはリピドAの三次元構造を模する生
成物は、AP酵素中のLPS結合部位に関するリガンドとして使用することができる
。それらはコンピューターのモデリングに基づき設計することが可能である。こ
の生成物は化学的手段を使用して合成的に製造することができる。化学的手段を
使用したリピドA様構造の製造を詳細に示す技術文献がある(1、2)。必要な
構造を工作するための組換えDNA法の使用も、リピドA様構造の化学的改変と同
様に可能である。診断を目的としたアルカリホスファターゼ上の遊離のLPS-結合
ドメインの濃度の測定は、このような生成物を使用して行うことができる。続い
てこの濃度をAP酵素の全濃度または生物流体中の全酵素活性と関連させて、これ
により生物流体中のLPSの存在およびLPS−解毒能に関するさらなる情報を得る。
【0009】 このように本発明による方法は、グラム陰性菌感染による内毒血症または敗血
症の徴候の診断から成り、該方法は患者に由来する組織または流体のサンプル中
のアルカリホスファターゼ上のLPS結合部位のAP占有の程度をモニタリングする
ことを含んで成り、AP占有の程度がグラム陰性菌感染の有無と関連付けられる。
具体的にはそのような方法は、サンプル中のアルカリホスファターゼ上のLPS結
合部位のAP占有の程度がグラム陰性感染の無い個体の均等な種類のサンプル中の
程度よりも低い。例として、患者に由来するサンプルまたは組織または流体中の
アルカリホスファターゼ上のLPS結合部位のAP占有の程度を、ある期間中モニタ
リングし、ここでAP占有の程度の低下はグラム陰性菌感染を示す。そのような場
合、サンプル中のアルカリホスファターゼ上のLPS結合部位のAP占有の程度が決
定され、そしてAP占有の程度の減少の始まりが確認された時、これがグラム陰性
菌の感染の徴候を示す。また測定された値に依存して、アルカリホスファターゼ
上のLPS結合部位のAP占有の程度が、グラム陰性菌およびグラム陽性菌の混合感
染も示すことが可能である。この試験は敗血症の徴候を示すことができるが、敗
血症の危険にある個体、例えば敗血症の恐れのある個体、例えば遺伝的欠失また
は慢性関節リューマチ、脳水腫、アルヘイマー(Alheimer)、虚血性心疾患また
は炎症性腸疾患のような慢性の病気により組織または血液中のAPレべルが構造的
に低い患者を同定することもできる。さらにこの試験は、妊娠中の女性の(潜在
的)感染を評価するために使用することができる。このような潜在的感染は、母
体にHELLP症候群または前子癇を誘起するか、あるいは胎児の子宮内成長遅滞を
引き起こすことにより子供の状態に影響を及ぼすか、さらには早産も誘導する。
結果として、本明細書に記載する試験は新生児の病気を予防するために使用する
ことができる。本発明による方法では、測定されるサンプルがアルカリホスファ
ターゼ上のLPS結合部位に対するリガンドとの結合に供され、続いてリガンドの
結合の程度を決定することができる。必要な特異性を有する任意のリガンドを使
用できる。その選択は試験するサンプルの種類および達成すべき感受性の程度に
依存するだろう。大変特異性のある適当なリガンドを選択することができLPS、
リピドA、アルカリ ホスファターゼに対するLPS結合部位抗体、アルカリ ホス
ファターゼ上のLPS結合部位結合能を持つFabフラグメント、アルカリホスファタ
ーゼ上のLPS結合部位結合能を有する免疫グロブリンの一本鎖フラグメント。あ
るいは例えばアルカリ ホスファターゼとLPSおよびリピドAとの結合系のコンピ
ューターモデリングに基づいて開発された他のリガンドも使用することができる
。リガンドは自然に存在する分子または合成分子でよい。合成分子は化学的また
は生化学的、すなわち組換えDNA技法を使用して製造することができる。好まし
くは本発明による方法はLPSのアルカリ ホスファターゼのLPS結合部位について
少なくとも親和性を有するLPS結合部位結合リガンドを採用する。また本発明に
よる方法は、リピドAのアルカリ ホスファターゼのLPS結合部位について少なく
とも親和性を有するLPS結合部位結合リガンドを採用してもよい。必要とされる
特異性および親和性の程度は、基質に関する化合物の特異性および親和性を比較
するための標準試験を使用して確認することができる。本発明による方法では、
アルカリ ホスファターゼ上のLPS結合部位のAP占有の程度が、サンプル中のアル
カリホスファターゼの脱リン酸能の評価により決定され得る。そのような方法で
は、非脱リン酸アルカリホスファターゼに対する脱リン酸アルカリホスファター
ゼの比率が決定される。この比率は、脱リン酸活性を測定するための生化学的方
法を使用した全アルカリホスファターゼ活性の評価により、および抗体を使用し
たアルカリホスファターゼの総量の評価により得られた値を使用し、そしてこの
ような値の比率を計算することにより決定することができる。そのような評価を
行うために、当業者は多数の方法を利用することができる。我々は例として参考
文献5および6を挙げる。その内容は引用により本明細書に編入する。他の代替
的な既知の方法も必要なデータに到達するために応用することができることは直
ちに明らかであろう。
【0010】 本発明による方法で使用するサンプルは、患者に由来するサンプルであり得る
。そのようなサンプルは血液または組織に由来し得る。サンプルは存在するアル
カリ ホスファターゼがアッセイ前に取り除かれないように処理されたサンプル
でなければならない。そのようなサンプルは血液および組織から成る群から選択
することができる。血液サンプルは例えば血清であり得る。組織サンプルは、ア
ルカリ ホスファターゼのレベルが一般に骨では高いので骨以外である。適当な
組織は、例えば肝臓および腸から選択することができる。生検組織試料(biopt
)は、それ自体は既知の様式で採取することができる。血液および血清サンプル
も、通例の様式で調製してよい。
【0011】 本発明による方法は、胆汁うっ滞の無い患者に由来するサンプルを用いて行う
ことができる。本発明による方法は、胆汁うっ滞のある患者に由来するサンプル
を用いても行うことができる。LPS結合の程度について決定された値は、健康お
よび/または病気の患者の標準値と比較され、正しい診断を確実にすることがで
きる。あるいは本発明による方法は、記載した任意の態様における上記のアッセ
イを行うことを含んで成ることができ、そしてさらにまた胆汁うっ滞のようなア
ルカリホスファターゼ活性の上昇に関連する他の疾患の患者に由来するサンプル
のアッセイも含んで成ることができる。このさらなるアッセイは好ましくは、ア
ルカリホスファターゼレベルの測定を回避する方法を採用しなければならない。
そのようなアルカリ ホスファターゼが関連する疾患に関する代替的アッセイを
記載する多数の文献は、該疾患を網羅する文献中で入手可能であり、その内容は
引用により本明細書に編入する。さらなるアッセイが行われる本発明による方法
の適当な態様は、本発明によるアルカリホスファターゼアッセイがアルカリ ホ
スファターゼのLPS結合部位のAP占有における低下を示さない時である。本発明
の任意の態様による方法は適当には、サンプルがグラム陰性菌の感染の恐れのあ
る個体から採取される方法を含んで成る。サンプルは例えば傷害の前および後ま
たはそのいずれかの個体から採取することができる。またサンプルは、傷害を受
けた直後に採取することができる。大変興味深い傷害の症例は、手術、火傷およ
び虚血性の傷害に関する。病院は周知の感染源であるので、適当には本発明によ
る方法は、入院中の個体から採取したサンプルの評価を含んで成ることができる
【0012】 本発明による方法では、サンプルは期間中に多数回採取され得る。データが互
いに比較され、これにより期間中のAP占有のレベルを明らかにすることができる
。しかしこの値は健康または病気の個体の標準値とも比較することができる。こ
の値を患者の種々の特徴、例えば性別、年齢、体重、試験する組織または流体の
種類と相関させることができる。この方法はこのようにAP占有の程度が内毒血症
または敗血症を示すかどうかを明らかにする。本発明による方法は、サンプルを
個体が感染の危険状態にあるかぎり、すなわち入院中または傷害回復後に採取す
ることを含んで成る。
【0013】 また本発明は、本発明による診断法を行うためのキットも構想する。そのよう
なキットは、上記の態様によるアッセイを行うためのアルカリホスファターゼLP
S結合部位結合リガンドおよび使用説明書を含んで成ることができる。このキッ
トはさらにそのようなアッセイに必要なさらなる構成要素、例えば検出可能なマ
ーカー、バッファー、容器を含んで成ることができる。さらにキットに加えるの
に適するものは、比較用サンプルまたはデータチャート、例えば標準曲線または
アルカリホスファターゼ値の関連データに関するデータである。上記の態様によ
るアッセイを行うためのアルカリホスファターゼLPS結合部位結合リガンド、お
よびそのようなアッセイに必要な以下の検出可能なマーカー、バッファー、容器
、比較用サンプル、データチャート、例えば標準曲線またはアルカリホスファタ
ーゼ値の関連データに関するデータから成る群から選択されるさらなる構成要素
を含んで成るキットも、本発明の一部である。構想されるリガンドは、上記に開
示した方法の態様および特許請求の範囲および実施例に記載した。
【0014】 さらに本発明は、組織または流体からLPSを除去する方法を網羅し、該方法は
アルカリホスファターゼのLPS結合部位を処置する組織または流体と接触させ、
続いてLPS結合部位が流体または組織中に存在するLPSに結合した後にLPS結合部
位および組織または流体を分離することを含んで成るが、ただしリガンドはアル
カリホスファターゼでも脱リン酸活性を有するアルカリホスファターゼの誘導体
でもない。このようにLPSを組織または流体から除去することができる。明らか
に結合は精製する流体または組織を傷つけない状況下で行わなければならない。
そのような条件は、そのような組織または流体を扱うことに慣れた当業者には容
易に明らかであろう。例としてAP自体のLPS-結合ドメインは、非-溶解性のキャ
リアーと共役してLPSを組織または流体から除去することができる。処理するの
に適当な流体は、細胞-培養基、器官の潅流または保存のために使用する液体、
血液、ミルクまたは他の人に投与される他の治療用生成物である。APのLPS結合
部位に結合するリガンドは、組織または体液または他の生物生産系からAP自体を
精製するために使用してもよい。
【0015】 また本発明は、内毒血症または敗血症の治療法も網羅し、該方法はアルカリホ
スファターゼのLPS結合部位を医薬的に効果的な量で全身的に許容され得る形態
で投与することを含んで成るが、ただしリガンドはアルカリホスファターゼでも
脱リン酸活性を有するアルカリホスファターゼの誘導体でもない。任意の通例の
剤形で十分である。従うべき投薬用量の処方は、例えば患者の状態、性別、体重
に依存し、そして医師は最高の処方を適用することができるだろう。LPS-結合ド
メイン自体またはアルカリ ホスファターゼの誘導体(この誘導体は脱リン酸活
性をもたない)状態は、全身炎症反応症候群の患者を治療的に処置するために、
あるいはそのような合併症の危険にある患者の内毒血症を予防するために適用す
ることができる。血中LPSのこの特定ドメインへの結合は、LPSと血清中および内
皮細胞もしくはマクロファージの細胞膜上の他の内因性受容体、例えばLPS-結合
タンパク質、CD-14およびスカベンジャー受容体との相互作用を防ぐことができ
る。その結果、LPSに基づく炎症反応は弱まる。
【0016】 また本発明は、本発明の説明で記載したリガンドの他の治療的および診断的応
用、ならびにLPSまたはそれらの任意のAP結合誘導体、すなわち挙げた他のリガ
ンドを使用したAP自体の精製法も網羅する。 実験データ 実験I これらの報告は、我々に内毒血症中のAPの血清レベルの調査を促した。APは肝
臓傷害のマーカーであると一般的に認められており、そしてLPSはこの器官に対
して直接または関節的傷害を誘導することが知られている。敗血症の患者におけ
る血清AP活性の上昇がしばしば示され、そしてまた内毒血症のマウスでも予想さ
れた。しかし大腸菌(E.coli)(055:B5株、シグマケミカル社(Sigma Chemical
Co.)、米国、2.5mg/kg,b.w.)に由来するLPSをBalb/c マウス(オス、20〜25g
)にt=0で静脈投与した後、生理食塩水を受容したマウスと比較して血清AP活
性の急激かつ鋭い低下が観察された(図1)。同様の低下が大腸菌(E.coli)(
ATCC 25922、2×109 CFU)のマウスへの腹腔投与後で見られた(図1)。
【0017】 内毒血症が再発した患者の臨床データの評価により、血清AP活性における急速
な1次的な鋭い低下、続いて翌日の強い上昇も明らかとなった。APの最初の急激
な低下は、LPSにより引き起こされると考えられる。この低下は残存するLPSがそ
の炎症作用の誘起を可能とし、これにより敗血症患者に見られる破壊的反応を活
性化する。臨床的にAP低下のこの1次反応は、これまでは考察されなかった。そ
れゆえに敗血症の迅速な検出を可能にするためには、APレベルの低下の迅速な検
出が最も重要である。本明細書に記載した方法は、そのようなAPレベルの迅速な
動力学的変化の測定を可能とする。この基礎は遊離の、そしてこれにより完全に
活性な血漿中のAPがLPSと結合して迅速に低下するという事実にある。多くの患
者で見られる血清APレベルの2次的な上昇は肝臓傷害を反映しているかもしれな
いし、あるいは最近の研究で指摘されたようにAP活性の発現を弱めるインターロ
イキン6または他の炎症メディエーターにより誘導されるのかもしれない。 実験II 我々は、続いて敗血症に罹患している集中治療病棟の64名の患者を調査した。
敗血症症候群の引き起こす病原菌は、すべてのこれらの症例で同定した。内毒血
症の患者(n=16)を、血清中にLPSを欠くグラム−陽性細菌感染の患者(n=30
)と比較した。患者は様々な潜在的疾患をもっていたが、上昇したAP排出が関係
している胆汁うっ滞の患者は除いた。血液サンプルは入院中、APについて日常的
にアッセイした。血清APレベルの変化は0日、すなわち病院の集中治療病棟への
収容日に適用した。我々は血液サンプルが細菌または細菌産物(LPS)について陽
性になる前後の0日に対して血清AP活性の変化を算出した。このような実験で血
清AP活性の低下は敗血症の初期マーカーであることが証明され:その減少は菌血
に先立った(図2)。さらにデータは、樹立されグラム−陰性菌感染の患者が血
清AP活性に低下を表す(平均傾斜=-21.5)に対し、明らかなグラム−陽性菌敗
血症の患者はゼロ日に対してわずかな上昇(平均傾斜=10.9)を示すので、グラ
ム−陰性菌の感染はグラム−陽性菌感染から区別することができることを示す。
ゼロ日(集中治療病棟への収容日)に、血清APの実際の値がすでに影響を受けて
いたことに注目されたい。混合感染の患者(グラム−陽性およびグラム−陰性、
n=18)は、血清APレベルに中間の変化を示した(平均傾斜=0.6)。グラム−
陽性対グラム−陰性菌感染の迅速な診断は、緊急な状況において特に重要であり
、ここでは効果的な抗菌治療を即座に始めることが必須である。今日まで、この
診断は病原菌の成功裏の培養後(これは通常2日かかる)にできるだけである。 実験III 我々は、血清APレベルの低下が酵素の増大した代謝回転により引き起こされた
と仮定した。それゆえに我々は、LPSとAP酵素間の直接的結合が起こったのかど
うか、そしてこの結合が酵素活性に影響を及ぼしたのかどうかを調査した。新鮮
なヒトの胎盤から単離した胎盤のAP(6.7 U/ml)を、大腸菌(E.coli)(055:B5株
、シグマケミカル社(Sigma Chemical Co.);1mg/kg)に由来するLPSと、室温
で10分間インキューベーションした。続いてAPをFPLC分析に供した。FPLCには陰
イオン−交換カラム(mono-Q HR 5/5、フィルマシア(Pharmacia)、スウェーデ
ン)およびUV検出器(280nm)が装備された。P1APは、MgCl2を含有する0.2M Tri
s/HClバッファー(pH7.4)(LPSを含むか、または含まない)中で注入した。溶出
は流速0.5ml/分のTris/HClバッファー(pH7.4)および0.0から0.45Mの範囲のNaC
l勾配(30分間)で行った。保持時間を測定した。LPSを含まないp1APサンプルの保
持時間は20分であり、一方LPSと一緒にインキューベーションした後の保持時間
は18分にシフトした。LPSを含有するp1APサンプルの短い保持時間は、複合体の
減少した負電荷を反映しており、これはLPSのAP酵素への結合、すなわちタンパ
ク質中での電荷の中和を示している。 実験IV 血清AP活性の低下が説明される生成物の阻害が起こったのかどうかを評価する
ために、我々はAP活性の酵素反応の最終産物である非リン酸化リピドAの効果を
試験した。ラットの腸、腎臓および胎盤のホルマリン/マクロデックスで固定し
た低温保持切片(4um)を、LPS、MgCl2および硝酸鉛(Pb2NO3)と0.2M Tris/マレ
イン酸バッファー(pH7.4)中でインキューベーションして、標準的手順に従いホ
スファターゼ活性を証明した(K.Poelstra et al.Lab.Invest 76:319,1997,Am J
.Pathol.151:1163,1997)。
【0018】 前に示したように、ラットの腸および腎臓の低温保存切片は、豊富なLPS脱リ
ン酸酵素活性を発現した。ラット胎盤中のLPS-脱リン酸活性は、豊富だが少なか
った。この酵素活性の局在は、すべての3種の器官中のAP活性の分布に類似して
いた。しかしこのような低温保存切片とリピドA(サルモネラ ミネソタ(Salmon
ella minnesota) R595、リスト バイオロジカル ラボラトリーズ社(List Biolo
gical Laboratories Inc.)、カンプベル、米国に由来するモノホスホリルリピド
A;1mg/ml)とのプレ−インキューベーションは、LPSが後に基質に加えられた
時に腸および腎臓のホスファターゼ活性を強力に弱めた。リピドAとプレ−イン
キューベーションした胎盤中にはホスファターゼ活性は検出できなかった。この
ようなデータから、LPSに結合するとAPはさらなるLPSの脱リン酸に一時的に利用
されないことが明らかとなった。これはLPSのAPの結合部位への比較的高い親和
性およびその逆により説明することができる。 参考文献: リピドAのLPSの化学的誘導体 1.Qureshi N;Javis B;Takayama K;Sattar N;Hofman J;Stutz P;LPSに対して
拮抗する、または耐容を誘導する天然および合成LPSおよび脂質同族体または部
分構造(Natural and synthetic LPS and lipid a analogs or partial structu
res that antagonize or induce tolerance to LPS.)。Prog Clin Biol Res 199
8;397:289-300 2.Brandenburg K;Kusumoto S;Seydel U;赤外線分光測定法による合成リピド
A同族体および部分構造の配座解析(Conformational studies of synthetic li
pid A analogues and partial structures by infrared spectroscopy.)。Bioch
im Biophys Acta.1997:1329;183-201 血清APレベルの上昇の条件 3.Ross PD;Knowlton W:急速な骨の損失は生化学的マーカーレベルの上昇に関
連する(Rapid bone loss is associated with increased level of biochemica
l markers.)。J Bone Miner Res.1998:13;297-302 4.Dourakis SP;Mayroyannis C;Alexopoulou A;Hadziyannis SJ;内視鏡的な逆
行胆管造影法後の長期胆汁うっ滞性黄疸(Prolonged cholestatic jaundice aft
er endoscopic retrograde cholangiography.)。Hepatogastroenterology 1997:
44;667-80 血清APを測定する方法 5.Peake MJ;Pejakovic M;White GH;血清のアルカリ ホスファターゼ アイソ
ザイム活性を測定する定量的方法:腸成分の予測(Quantitative method for de
rermining serum alkaline phosohatase isoenzyme activity:estimation of in
testinal component.)。J.Clin pathol 1988:41;202-206 6.McComb RB;Bowers GN;Posen S:アルカリ ホスファターゼ、プレナム出版(P
lenum Press)、ニューヨークおよびロンドン、1979:7章、第289〜372頁のアル
カリ ホスファターゼ活性の測定(Measurement of alkaline phosohatase activ
ity.)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 生理食塩水(i.v.)、LPS(i.v.)または大腸菌(E.coli)(i.p.)をt=0で投与
した後のマウス血清中のアルカリ ホスファターゼレベル(1群あたりn=4)
。菱形は生理食塩水を表し、四角は大腸菌(E.coli)を表し、三角はLPSを表す
。tはx軸に沿って時間で設定し、そしてAP活性はy-軸上にU/Lで表す。
【図2】 患者の血液サンプルが細菌または細菌産物(LPS)について陽性になる前後の、
集中治療病棟に収容された日に対する血清APレベルにおける変化。患者を2つの
群に分けた:グラム−陰性菌の感染が樹立された患者(n=16)、およびグラム
−陽性菌の感染が樹立された患者(n=30)。混合細菌感染の患者(n=18)ま
たは菌血の同定をしていないSIRSの患者は、ここでは示していない。暗い記号は
グラム陰性を意味する。明るい記号はグラム陽性を意味する。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年1月19日(2001.1.19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項25】 組織または流体からLPSを除去する方法であって、アルカ
リホスファターゼのLPSに封する特異的結合ドメインを有する化合物を処置すべ
き組織または流体と接触させ、続いて化合物が流体または組織中に存在するLPS
に結合した後に化合物および組織または流体を分離することを含んで成るが、た
だし化合物はアルカリホスファターゼでも脱リン酸活性を有するアルカリホスフ
ァターゼの誘導体でもないことを前提とする上記方法。
【請求項26】 内毒血症または敗血症の治療法であって、該方法は活性化 合物として アルカリホスファターゼのLPS結合部位を医薬的に効果的な量で全身
的に許容され得る形態で投与することを含んで成るが、ただし活性化合物はアル
カリホスファターゼでも脱リン酸活性を有するアルカリホスファターゼの誘導体
でもない上記方法。
【請求項27】 組織または流体からLPSを除去する方法であって、該方法
はアルカリホスファターゼのLPSに関する特異的結合ドメインを有する化合物を
処置する組織または流体と接触させ、続いて化合物が流体または組織中に存在す
るLPSに結合した後に化合物および組織または流体を分離することを含んで成る
が、ただし化合物はアルカリホスファターゼでも脱リン酸活性を有するアルカリ
ホスファターゼの誘導体でもない上記方法。
【請求項28APのLPS結合部位に結合するリガンドを用いた、組織また
は体液または他の生物学的系からAPを精製する方法。
【請求項29】 リガンドがLPS、リピドAまたは前記請求項のいずれかに
記載されたAPのLPS結合部位に結合するリガンドである、請求項28に記載の方
法。
【請求項30】 治療または診断用の薬剤の調製法において、活性化合物と
して、LPS、リピドAまたは前記請求項のいずれかに記載のAPのLPS結合部位に結 合するリガンドのような アルカリホスファターゼのLPS結合部位を持つ化合物の
使用。
【請求項31内毒血症または敗血症の治療または診断用の薬剤の調製法 において 、活性化合物として、LPS、リピドAまたは前記請求項のいずれかに記
載のAPのLPS結合部位に結合するリガンドのようなアルカリホスファターゼのLPS
結合部位を持つ化合物の使用。
【請求項32】 組織サンプルまたは流体サンプルからLPSを除去する方法
であって、該方法はアルカリホスファターゼのLPSに関する特異的結合ドメイン
を有する化合物を処置する組織サンプルまたは流体サンプルと接触させ、続いて 化合物 が流体サンプルまたは組織サンプルに存在するLPSに結合した後に化合物
および組織サンプルまたは流体サンプルを分離することを含んで成る上記方法。
【請求項33】 組織サンプルまたは流体サンプルからLPSを除去する方法
であって、該方法はアルカリホスファターゼのLPSに関する特異的結合ドメイン
を有する化合物を処置する組織サンプルまたは流体サンプルと接触させ、続いて
化合物が流体サンプルまたは組織サンプルに存在するLPSに結合した後に化合物
および組織サンプルまたは流体サンプルを分離することを含んで成るが、ただし 化合物はアルカリホスファターゼでも脱リン酸活性を有するアルカリホスファタ ーゼの誘導体でもない上記方法。
【請求項34APのLPS結合部位に結合するリガンドを用いた、組織サン
プルまたは体液サンプルまたは他の生物学的系のサンプルからAPを精製する方法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 マンイントベルド,アリー・ヤコブ オランダ・エヌエル−3062ゼツトエヌ ロ ツテルダム・ラーンバンイペンホフ93 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA17 BA34 BA44 BA50 CA25 CA38 NA14 ZA51 ZB35 4C086 AA01 AA02 MA01 MA04 NA14 ZA51 ZB35

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラム陰性菌による内毒血症または敗血症の徴候の診断方法
    であって、患者に由来する組織または流体のサンプル中のアルカリホスファター
    ゼ上のLPS結合部位のAP占有の程度をモニタリングすることを含んで成り、該AP
    占有の程度がグラム陰性菌感染の有無と関連付けられることを特徴とする上記方
    法。
  2. 【請求項2】 サンプル中のアルカリホスファターゼ上のLPS結合部位のAP
    占有の程度が、グラム陰性菌に感染していない個体の等価な種類のサンプルより
    も低い、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 患者に由来するサンプルまたは組織または流体中のアルカリ
    ホスファターゼ上のLPS結合部位のAP占有の程度がある期間中モニタリングされ
    、AP占有の程度の低下がグラム陰性菌の感染を示す、請求項1または2に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 サンプル中のアルカリホスファターゼ上のLPS結合部位のAP
    占有の程度が測定され、そしてAP占有の程度の減少の始まりがグラム陰性菌の感
    染の徴候を示す、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 アルカリホスファターゼ上のLPS結合部位のAP占有の程度が
    、グラム陰性菌およびグラム陽性菌の混合または単一感染も示すことができる、
    前記請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 サンプルがアルカリホスファターゼ上のLPS結合部位のリガ
    ンドとの結合に供され、続いてリガンドの結合の程度が測定される、前記請求項
    のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 アルカリホスファターゼ上のLPS結合部位に関するリガンド
    が、自然に存在するリガンド、自然なLPS結合部位結合物質の化学的に改変され
    たまたは遺伝的に改変された誘導体、化学的に製造されたリガンドから成る群か
    ら選択される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 サンプルが、LPS、リピドA、アルカリホスファターゼに対
    するLPS結合部位抗体、アルカリホスファターゼ上のLPS結合部位結合能を持つFa
    bフラグメント、アルカリホスファターゼ上のLPS結合部位結合能を有する免疫グ
    ロブリンの一本鎖フラグメントから選択されるアルカリホスファターゼ上のLPS
    結合部位に関するリガンドとの結合に供される、前記請求項のいずれかに記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 LPS結合部位結合リガンドが、少なくともLPSのアルカリホス
    ファターゼのLPS結合部位に対する親和性を有する前記請求項のいずれかに記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 LPS結合部位結合リガンドが、少なくともリピドAのアル
    カリホスファターゼのLPS結合部位に対する親和性を有する前記請求項のいずれ
    かに記載の方法。
  11. 【請求項11】 アルカリホスファターゼ上のLPS結合部位のAP占有の程度
    がサンプル中のアルカリホスファターゼの脱リン酸能の評価により決定される、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 非脱リン酸アルカリホスファターゼに対する脱リン酸アル
    カリホスファターゼの比率を決定する、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 比率が、脱リン酸活性を測定するための生化学的方法を使
    用した全アルカリホスファターゼ活性の評価により、および例えば抗体または他
    の識別する実体を使用したアルカリホスファターゼの総量の評価により得られる
    値を使用し、そしてこのような値の比率を計算して決定される、請求項12に記
    載の方法。
  14. 【請求項14】 サンプルが胆汁うっ滞の無い患者に由来する、前記請求項
    のいずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 方法がアルカリホスファターゼ活性の上昇に関連する他の
    疾患の患者に由来するサンプルのさらなるアッセイも含んで成り、該さらなるア
    ッセイはアルカリホスファターゼレベルの測定を回避する方法を採用する、請求
    項1ないし13のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】 さらなるアッセイは、請求項1ないし14のいずれかに記
    載の方法に従いアルカリホスファターゼのLPS結合部位のAP占有における低下が
    検出されない時に行われる、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 サンプルがグラム陰性菌の感染の恐れのある個体から採取
    される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 サンプルが傷害の前および後、あるいは傷害を受けた直後
    のいずれかの個体から採取され、傷害が特に手術、火傷または虚血性傷害に関す
    る、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 サンプルが入院中の個体から採取される、前記請求項のい
    ずれかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 サンプルがある期間中に多数回採取され、そしてデータが
    比較され、これにより期間中のAP占有のレベルを明らかにする、前記請求項のい
    ずれかに記載の方法。
  21. 【請求項21】 該ある期間は個体が感染の恐れのあるかぎり、すなわち入
    院中または傷害回復後である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  22. 【請求項22】 アッセイの結果が標準値と比較され、これによりAP占有の
    程度が内毒血症または敗血症あるいはそれらの危険な状態を示しているかどうか
    が明らかにされる、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  23. 【請求項23】 サンプルが、血液および組織から成る群から選択されるサ
    ンプルであり、該血液サンプルは例えば血清であり、該組織サンプルは骨以外で
    あり、そして該組織サンプルは例えば肝臓および腸から選択される、前記請求項
    のいずれかに記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記請求項のいずれかに記載のアッセイを行うためのアル
    カリホスファターゼLPS結合部位結合リガンドおよび使用説明書、ならびに場合
    によりそのようなアッセイに必要なさらなる構成要素、例えば検出可能なマーカ
    ー、バッファー、容器および比較用サンプルまたはデータチャート、例えば標準
    曲線またはアルカリホスファターゼ値に相当するデータに関するデータを含んで
    成るキット。
  25. 【請求項25】 請求項1ないし23のいずれかに記載のアッセイを行うた
    めのアルカリホスファターゼLPS結合部位結合リガンド、および以下の検出可能
    なマーカー、バッファー、容器、比較用サンプル、データチャート、例えば標準
    曲線またはアルカリホスファターゼ値に相当するデータに関するデータから成る
    群から選択されるそのようなアッセイのために必要なさらなる構成要素を含んで
    成るキット。
  26. 【請求項26】 内毒血症または敗血症の治療法であって、該方法はアルカ
    リホスファターゼのLPS結合部位を医薬的に効果的な量で全身的に許容され得る
    形態で投与することを含んで成るが、ただしリガンドはアルカリホスファターゼ
    でも脱リン酸活性を有するアルカリホスファターゼの誘導体でもない上記方法。
  27. 【請求項27】 組織または流体からLPSを除去する方法であって、アルカ
    リホスファターゼのLPS結合部位を処置すべき組織または流体と接触させ、続い
    てLPS結合部位が流体または組織中に存在するLPSに結合した後にLPS結合部位お
    よび組織または流体を分離することを含んで成るが、ただしリガンドはアルカリ
    ホスファターゼでも脱リン酸活性を有するアルカリホスファターゼの誘導体でも
    ないことを前提とする上記方法。
  28. 【請求項28】 LPS、リピドAまたは前記請求項に記載の他のリガンドの
    ようなアルカリホスファターゼのLPS結合部位を持つ化合物を用いた組織または
    体液または他の生物生産系からAP自体を精製する方法。
  29. 【請求項29】 治療または診断用の薬剤における活性化合物として、LPS
    、リピドAまたは前記請求項に記載の他のリガンドのようなアルカリホスファタ
    ーゼのLPS結合部位を持つ化合物の使用。
  30. 【請求項30】 治療または診断における活性化合物として、LPS、リピド
    Aまたは前記請求項に記載の他のリガンドのようなアルカリホスファターゼのLP
    S結合部位を持つ化合物の使用。
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