JP2010252795A - 関節炎の診断および治療のためのグルコース−6−ホスフェートイソメラーゼおよびその抗体の使用、ならびに抗関節炎化合物の試験 - Google Patents

関節炎の診断および治療のためのグルコース−6−ホスフェートイソメラーゼおよびその抗体の使用、ならびに抗関節炎化合物の試験 Download PDF

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Abstract

【課題】関節炎の診断のための、グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼ(GPI)および同様のタンパク質に対する抗体の作成法、ならびに関節炎の治療のための該タンパク質の使用法を提供する。
【解決手段】関節炎を転移し得るモノクローナル抗体およびその抗体を単離する方法、ならびに組成物の抗関節炎能力を決定する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、関節炎の診断のための、グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼおよび同様のタンパク質に対する抗体の使用、ならびに関節炎の治療のための該タンパク質の使用に関する。
慢性関節リウマチ(RA)は、頻発する不全自己免疫障害である(Feldmannら、1996)。これは滑膜内層の白血球浸潤およびレジデント滑膜細胞の増殖によって特徴付けられる、慢性的な進行性の関節疾患である。続くサイトカインおよび他の可溶性メディエイタの過剰産生は、軟骨の破壊、骨の侵食および関節構造の無秩序な再造形を引き起こす。RAの病因および病原は論争中である。微生物抗原(Ag)への無制限の炎症反応、自己の構成要素への不適切な自己免疫応答によって、またはその両方によって疾患が開始されるのかどうかは知られていない。T細胞(Panayiら、1992)、B細胞(Zvaifler、1973)および他の白血球(例えば、樹状細胞、マクロファージおよび好中球)(ThomasおよびLipsky、1996)の重要な役割は議論され、論争されている。意見の一致の欠如は主として2つの要因を反映している。RAは異質な症候群であり、様々な患者が、広く異なる発症の年齢、疾患の過程、遺伝的なプロファイル、および治療の介入への応答を示す。さらに、RAの小動物モデル(特に、疾患のために自然に死亡するもの)が不足している。
最近、本発明者らは、ヒトにおける慢性関節リウマチの多くの特徴を有する疾患を自然に生じる、関節炎の新たなトランスジェニックマウスモデルを作り出した((Kouskoffら、1996)、米国特許第5,675,060号)。C57Bl/6xNODの遺伝的背景に基づく全てのKRN T細胞レセプター(TCR)トランスジェニック(tg)マウス(本明細書中以後、K/BxNマウスと省略する)は、関節障害(3〜4週間の齢で始まり、この動物の可動性が深刻に弱まるまで迅速に進展する)を生じる;このとき、患者において、この疾患は、慢性、進行性、対称性であり、過酷さの近位から遠位の勾配を有する。マウスの疾患は、ヒトの疾患の主要な組織学的特徴の全てを示す:白血球浸潤、滑膜炎、パンヌス形成、軟骨および骨の破壊、無秩序な再造形。マウスモデルは、患者同様、B細胞数の増加として現れる明らかなB細胞の機能亢進、高ガンマグロブリン血症および自己抗体産生を含む、いくつかの免疫学的な異常性を示す。
K/BxNマウスにおいてこの疾患は、KRN TCRによる主組織適合複合体のNOD誘導Ag7分子の交叉反応認識によって開始される。従って、K/BxN動物において、全身的な自己反応の状況が生じ、どのようにして関節特異的な自己免疫疾患が全身的な自己反応の存在下で生じるのかという問題が生じる。本発明者らは、Tリンパ球のそれらの遮断が疾患を防止するので、Tリンパ球が関節炎の発症に必要であること(これらは疾患のより後の段階では重要ではないようであるけれども)を以前に報告している。Bリンパ球もまた重要である(Kouskoffら、1996)。
本発明において、本発明者らは自然発生的な関節炎にはB細胞が必要であることを見出している。なぜならば、これらが、本発明者らがグルコース−6−ホスフェートイソメラーゼ(EC.5.3.1.9)と同定するターゲットに指向する病原性免疫グロブリンを産生するからである。本発明者らは、組換えグルコース−6−ホスフェートイソメラーゼがマウスの関節炎の診断試験に使用することができること、および病原性免疫グロブリンを吸着するのに使用できることを示す。
自己抗体は、疾患が軟骨成分(例えば、II型コラーゲン)を用いた免疫によって誘導されるときに、動物モデル中に誘導された関節炎の状況において、以前に報告されている。ユビキタスに発現するタンパク質に対する抗体が関節炎誘発性(arthritogenic)であることは以前に見出されていない。
また、抗体は、RA患者由来の血清中で見出され、いくつかの診断的な価値を有する。リウマチ因子(RF;IgGのFc部分に対するAb)は、この疾患の特徴であると考えられている;しかし、これは、RA患者の約30%には存在せず、他の自己免疫疾患を有する個体において(Mannik、1992、Rudolphiら、1997)、または慢性の免疫刺激の状況において存在する。軟骨または表皮成分に対するAbは、RA患者においても検出されており、例えば、II型コラーゲン(cII)またはフィラグリンに指向するが、これらはまた、概して、疾患のパラメータとの限定された相関を示す(Rudolphiら、1997;ClaqueおよびMoore、1984;Sebbagら、1995)。
本発明は、グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼ(GPI)ならびにグルコース−6−ホスフェートイソメラーゼ様タンパク質(GPI様(GPI like))に対する抗体を扱う。
該抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであってもよく、その調製に使用される技術は、当業者に公知である。
GPI様タンパク質は、血清中で見出されたタンパク質であり、それに対する抗体は、関節炎誘発能力を有する。概して、該GPI様は、多くの組織で発現し、通常、血清中に放出される。しかし、これは完全な免疫寛容を誘導することは不可能であり、従って、自己反応性Tリンパ球および/または自己抗体のターゲットである。
GPI様タンパク質はまた、抗GPIまたは抗GPI様抗体、とりわけ自己抗体に干渉し得る少なくとも1つのエピトープを含むタンパク質またはポリペプチドであってもよい。このようなタンパク質またはポリペプチドは、合成的なものまたは組換え的なものであってもよく、他のタンパク質の配列を含んでいてもよい。特に、該タンパク質またはポリペプチドは、治療的な用途に使用される場合、いかなる病理も誘導することができない。
本発明の実施例は、当業者に、GPI様タンパク質の同定法に関する詳細な指示を与える。この点について、本発明は、GPI様タンパク質を単離し、その関節炎誘発特性を決定する試験を提供する。1つの可能なルーチン手順は以下である:
− 関節炎の哺乳動物、例えばK/BxNトランスジェニックマウスから血清を得ること、
− 該血清の種々のIgGフラクションを調製し、該フラクションの関節炎を誘導する能力についてそれらを試験し、最終的にこれらのフラクションに基づくサブフラクションを調製すること、
− 該フラクションのIgGを有するアフィニティークロマトグラフィーカラムを調製すること、
− 該カラムによって、同一哺乳動物の器官由来のタンパク質抽出物から、GPI様タンパク質を単離し、精製すること。
GPI様タンパク質として定義されるこれらの単離タンパク質は、配列決定などの標準的な技術によってさらに特徴付けられ得る。GPIの同定へと導く、実施される実験についての技術的な詳細は、Matsumoto I.ら、(1999)およびKorganow AS.ら(1999)に記載され、これらは本明細書中に言及によって援用される。
従って、本発明の別の局面は、以下からなる工程を包含するGPI様タンパク質を単離する方法に関する:
− 関節炎の哺乳動物、好ましくはK/BxNトランスジェニックマウス由来の血清から、種々のIgGフラクションまたはサブフラクションを調製する工程、
− マトリクスとして該フラクションのIgGを有するアフィニティークロマトグラフィーによって、GPI様タンパク質を単離する工程。
該GPI様タンパク質は、本質的に、酵素であり、例えば、ヘキソース代謝経路に関与する酵素、好ましくは、GPI類似体である。
本発明はまた、関節炎の治療および診断のための、上記の方法によって獲得できるGPIまたはGPI様タンパク質およびその抗体の使用に関する。
本発明の抗体は、II型コラーゲンなどの軟骨成分に関する先行文献に記載の公知の関節炎誘発性抗体とは異なる。本発明の抗体は、主に、多くの非関節性組織において発現され、血清中に放出されるタンパク質に指向するものである。
本発明の別の実施態様は、患者の血漿または血清のサンプル中におけるGPIまたはGPI様タンパク質に対する自己抗体の検出を含む、関節炎の診断方法を扱う。
サンプル中に存在するGPIまたはGPI様タンパク質に対する抗体の存在または量について試験する方法は、サンプル中で該タンパク質を該抗体に結合させること、および該タンパク質に結合した抗体を検出することを包含する。
血漿または血清中の抗体の検出方法は当該分野において周知であり、例えば、ELISAまたはRIA試験が使用され得る。GPIまたはGPI様タンパク質でコートされた基体(例えば、アッセイプレート)を使用し、次いで、適切な標識された抗体を用いて該GPI上に固定される抗体の存在を検出することが可能である。これらの標識のうちで好ましいものとして、放射性同位体、同位体を含む化合物、酵素(特に、色原体、蛍光原物質(fluorigenes)または発光物質(luminescents)との反応に感受性の酵素(例えば、ペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ(alcaline phosphatase)))、発色団、色原体化合物、蛍光原物質または発光物質、塩基類似体、およびビオチンなどのリガンドが挙げられる。
本発明によれば、GPIまたはGPI様タンパク質は、天然のタンパク質自体、組換えタンパク質、合成タンパク質、または該タンパク質の組換えエピトープのみ(これらは専門用語、GPI様に包含される)であってもよい。従って、本発明はさらに、GPIまたはGPI様タンパク質に対する抗体の診断を実施するためのキットを扱う。該キットは、タンパク質および第二の抗体からなる診断剤を含み、該タンパク質は、GPIまたはGPI様タンパク質あるいは血漿もしくは血清の自己抗体と相互作用し得るそのエピトープであり、該第二の抗体は、該自己抗体と結合することができ、検出用に標識されている。
別の実施態様において、本発明は、関節炎の治療または予防のための、GPIまたは自己抗体と相互作用して該自己抗体を阻害もしくは除去し得るGPI様の部分を含むGPI様タンパク質の使用に関する。
本発明はまた、インビボでのGPIまたはGPI様タンパク質を発現するに十分なエレメントを包含するベクターの使用を介したインビボでのGPIまたはGPI様タンパク質の発現を扱う。該ベクターはウイルス起源であってもよく、プラスミドであってもよく、またはVICAL技術に記載されるような純合成DNAもしくは裸のDNAであってもよい。該タンパク質の発現は、関節炎誘発性の抗体を吸着するGPI様タンパク質を提供する(この明細書の実施例を参照のこと)。
潜在的な抗関節炎組成物の効力は、K/BxNマウス由来の血清、またはそれから誘導された免疫グロブリン、または抗GPIもしくは抗GPI様抗体の注入によって正常なマウスにおいて誘発される関節炎への組成物の効果を決定することによって評価することができる。このように評価される組成物は、化学化合物、生物学的薬剤(例えば、抗体、ポリペプチド、抗炎症剤、ホルモン、寛容原)を含むが、これらに限定されない。これらは抗GPIもしくは抗GPI様抗体のそれらのターゲットへの結合あるいはこの結合の病理学的な結果を阻害する。
これは、以下の工程によって実施することができる:i)既知用量の関節炎誘発性の血清または免疫グロブリンを第一の非関節炎マウスに投与する工程であって、該マウスはまた、関節炎誘発性の血清または免疫グロブリンの前、一緒に、もしくは後のいずれかで投与された、試験される関節炎誘発性組成物を受けている、工程、ii)該第一のマウスにおける炎症および関節の破壊の時間経過を検出する工程、およびiii)該第一のマウスにおける炎症および関節の破壊の時間経過を、同一の関節炎誘発性の血清または免疫グロブリンを受けているが、該抗関節炎組成物に晒されなかった同一遺伝子型の第二のマウスにおける炎症および関節の破壊の時間経過と比較する工程。
工程ii)の別の可能性は、該第一のマウスにおける炎症、関節の破壊および四肢の変形の程度を検出することであり、工程iii)の別の可能性は、該第一のマウスにおける炎症、関節の破壊および四肢の変形の程度を、同一の関節炎誘発性の血清または免疫グロブリンを受けているが、該抗関節炎組成物に晒されなかった同一遺伝子型の第二のマウスにおける炎症、関節の破壊および四肢の変形の程度と比較することである。
この方法において、関節炎誘発性の免疫グロブリンは、モノクローナル抗体またはその組合せ、特に、以下に記載の抗体であり得る。
関節炎を治療するために、GPIまたはGPI様タンパク質の産生を調節し得る分子を試験することも可能である。該分子は、例えば、非病原性の抗体であってもよい。
病理学的な抗体の量を減少させるための体外の回路における血清の処理のために、GPIまたはGPI様タンパク質でコートされた表面を使用することも可能である。
本発明の別の局面は、以下からなる工程を包含する、関節炎を転移し得るモノクローナル抗体を単離する方法に関する:
a)関節炎の哺乳動物の脾細胞、好ましくはK/BxNマウスの脾細胞由来のリンパ球からハイブリドーマを調製する工程、
b)HAT培地中で限界希釈条件で該ハイブリドーマを選択する工程、
c)ELISAアッセイにおいてGPIまたはGPI様タンパク質に指向する抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングする工程、
d)工程c)で選択されるハイブリドーマを増殖し、クローニングする工程、
e)工程d)で選択されたハイブリドーマによって産生される該抗体を組合せてまたは単独でその関節炎を転移する能力について試験する工程。
工程e)の試験は、i):既知用量の該抗体を正常なマウスに投与すること、ii)該マウスにおける炎症、関節の破壊および四肢の変形の発症を検出することによって達成され得る。
上記の方法が当該分野に関連した周知の技術によって達成され得、任意の特定の手順に限定されないことを理解すべきである。
従って、本発明は、このような方法によって獲得できるモノクローナル抗体および該抗体を産生するハイブリドーマ株に関する。実施例5に示す抗体のうち、抗体2.99および6.121が好ましい(以下の図9を参照のこと)。これらの抗体は、上記の血清または抗GPI免疫グロブリンと同じ目的で使用され得る。
本発明のいくつかのさらなる特徴および利点は、以下の図面を参照して説明される以下の実施例から明らかとなるであろう。
K/BxNマウス由来の血清は関節炎を転移できる。A:72時間前に関節炎K/BxNマウス由来または対照(ctl)非関節炎同腹仔由来の血清(150μl)を注射した正常マウスの足。関節炎の血清を注射したマウスにおける腫脹および赤みに注目されたい。関節炎は、足関節の厚みの測定または臨床的指標(clinical index)評価(右パネル)によって具体化する(objectivate)ことができる。臨床的スコアを、0:正常、1:疑わしい、2:2つの足が冒された、3:3つの足が冒された、4:全肢が冒された、のように定義する。 K/BxNマウス由来の血清は関節炎を転移できる。B:血清導入により誘導される疾患は、トランスジェニックであろうとなかろうと、全レシピエントに存在するが、自己反応性T細胞を有するがB細胞が欠乏しているために関節炎を発症することができないレシピエント(K/BxN−μMo/o)でより強かった。 K/BxNマウス由来の血清は関節炎を転移できる。C:短期間のK/BxN血清投与の後、臨床的指標として読みとれる関節炎の減退(白丸)。しかし、反復注射後は持続する(黒丸)。 K/BxNマウス由来の血清は関節炎を転移できる。D:血清IgGフラクションの関節炎誘発活性。左パネル:RAGO/Oマウスに、(開始容量に対して)等量の、関節炎K/BxNマウス由来の血清(星)、プロテインGカラムからのフロースルー(十字)または溶出フラクション(黒丸)を注射した。右パネル:非TCR tg同腹仔由来IgGの2倍量では、関節炎を誘導できなかった。 K/BxNマウス由来の血清は、関節炎を転移することができる。典型的なK/BxNマウス(左)または関節炎K/BxN動物由来の血清200μlの2回注射10日後の正常マウス(右)由来の膝部分。両ケースにおいて、滑膜内層の肥厚、軟骨まで広がりその破壊が始まっている大規模な下層の炎症性浸潤、および関節腔における多核白血球の存在に注目されたい。ヘマトキシリン・エオシン(H+E)染色、10×対物レンズ。 60kDのタンパク質が、K/BxN自己抗体の主なターゲットである。足関節(A)、脾臓(S)または腎臓(K)由来の全タンパク質抽出物(NP−40抽出)をSDS−PAGEにかけ、エレクトロブロッティングにより移し、K/BxN関節炎マウスまたは対照同腹仔由来の血清でプローブした。主要な60kDバンドの位置を示す。 K/BxN血清の60kDタンパク質ターゲットはグルコース−6−ホスフェートイソメラーゼである。腎臓抽出物由来の60kDタンパク質をK/BxN免疫グロブリンを用いて作製した免疫吸着剤で免疫精製した。トリプシンによる消化の後、ペプチドをHPLCにより精製し、いくつかを自動化エドマン分解(degredation)により配列決定した。得られた3つのペプチド配列はグルコース−6−ホスフェートイソメラーゼに属し、これに下線を施す。この同定をさらに確認すべく、4番目のペプチドの分子量を質量分析により決定し、これはGPIのトリプシンフラグメントの質量と完全に一致する(concide)(波下線)。 関節炎血清は組換えGPIを結合する。ロードしたタンパク質が大腸菌中で産生した組換えGPI(GSTとの融合タンパク質として)であったこと以外は、図3におけるようにウエスタンブロットを行った。ブロットを関節炎K/BxNまたは対照マウス由来の血清でプローブした。 ELISAアッセイは関節炎マウス由来の血清中の抗GPI抗体を検出するが、対照中では検出しない。この酵素結合免疫アッセイでは、上述のように産生した組換えGPIを使って、ELISAプレートのウェルをコートした。これらを使用して、関節炎または対照マウス由来の血清において、抗GPI IgGに関して試験した。ここに示した値は、1/16 000の血清希釈で得られたが、ポジティブなシグナルは、1/1,000,000程度の希釈でも依然得られた(obtyain)。アッセイ中唯一ネガティブな関節炎マウスは血清を採取したまさにその日に関節炎になった動物であった。 K/BxNマウス由来の血清は関節炎を転移し得る。A:上述のように作製した組換えGPIまたは対照組換えタンパク質(GST単独)を固形支持体に結合し、免疫吸着剤として使用して、K/BxN血清由来抗GPI抗体を取り除いた。全ての抗GPI IgGは、予測したように、結合フラクション中にあった。関節炎を転移する能力は結合フラクション中でのみ見られ、カラムを流れ過ぎるフラクションから除去された。B:代表的な実験(ここでは、正常マウスにAに示した精製スキーム由来の様々なフラクションを注射した)。関節炎を評価し、上述のように記録した。 K/BxN血清の導入は、モノクローナル抗体処置の治療的有効性を試験できる。未処置のC57B1/6系統の4週齢マウスに、K/BxNマウス由来のプール血清(200μl)を0日目と3日目に投与した。また、試験抗体BB5.1(これはC5相補因子をブロックする)を−2日目、−1日目、+1日目、+5日目、+8日目に、またはビヒクルのみを、マウスに注射した。関節炎の発症は、足関節の厚みをその次の日に測定することによって追跡した。モノクローナル抗体で処置したマウスは関節炎から防御されたが、ビヒクルのみを注射したマウスは疾患を呈した。 モノクローナル抗GPI抗体は、未処置マウス中に一緒に注射した場合、関節炎を誘導する。未処置の4週齢のBalb/c系統マウスに、リン酸緩衝化生理食塩水に溶解した抗GPI mAb 6.121および2.99由来の精製IgG(1mg)、またはそれぞれ1mgを、0日目と3日目に注射した。関節炎の発症を、その次の日における足関節の厚みを測定することによって追跡した。2種の抗GPIモノクローナル抗体を合わせて処置したマウスは関節炎を呈したが、いずれかのmAbを単独で注射したものは呈さなかった。
〔実施例1〕
[免疫グロブリンがKRN関節炎を媒介する]
本発明者らは、KRN関節炎発現に必要な遺伝因子を全て保持するがBリンパ球を欠損するマウスが疾患を免れていることを以前に示した((Kouskoffら、1996)、米国特許第5.675.060号)。KRNモデルにおいて関節炎発症が特定のB細胞産物に決定的に依存する可能性を検討するために、本発明者らは、K/BxNマウス由来の血清の導入により非関節炎マウスに疾患を誘発することを試みた。激しい関節腫脹が関節炎K/BxNドナー由来の血清を注射した動物に現れたが、非関節炎BxN対照由来の血清を受けたものには現れなかった(図1A)。疾患はK/BxN血清100μl程度で誘導することができ、再現性を示した。それは非常に迅速に誘発された(血清注射後2日以内ですでに明白な、臨床的スコアまたは足関節の厚みのいずれかにより測定した)。関節炎は、関節炎ドナー由来の血清を、正常マウス、リンパ球欠損RAGO/O宿主、またはB細胞欠損K/BxNマウス(K/BxNマウス−μMTO/O)に注射して得ることができた(図1B)。これらの結果はK/BxNマウス由来の血清成分が関節炎を与えるのに十分であることを示すが、後者の動物で見られるより悪性の(agressive)疾患はK/BxN T細胞がエフェクター相において恐らく補助的な増強の役割を果たすことを示している。
血清導入により誘導される関節炎は、通常のK/BxNマウスにおいて、該疾患の組織学的特徴全て(炎症細胞の浸潤、滑膜細胞の肥厚化、パンヌス形成、および軟骨破壊を含む)を提示する(図2AおよびB)。
血清注射により誘導される関節炎は一過性のものである。注射一組を受けたマウスでは、関節の炎症は約15日後治まり始めた(図1C)。30日後には、最初完全に関節炎であった動物においてさえ、関節のうちのいくつかは全く正常に見えた。疾患の一過性は、関節炎マウス由来の血清の反復注射により解消することができた(図1C)。このことがRAGO/Oレシピエントにさえも当てはまることは、血清化合物の不安定さが、この疾患の一過性の性質の説明となることを示唆している。
関節炎誘発性血清因子は、B細胞が産生する免疫グロブリン(Ig)である。K/BxNマウス由来の血清のIgGおよび非IgG成分への分画後、IgGフラクションのみがRAGOO宿主において関節炎を誘導することができる。その能力は、(開始容量に比例して)全血清のものに類似している(図1D)(それが誘導した疾患の組織学的特徴がそうであるように(データ示さず))。
〔実施例2〕
[病原性免疫グロブリンの分子ターゲット]
従って、Bリンパ球により産生されるIgはK/BxNマウスにおける関節炎発症の鍵である。次いで、本発明者らは、その分子ターゲットを定めることを試みた。始め、これらが、B細胞表面上のAg7分子に反応性であるトランスジェニックT細胞の相互作用により何らかの形で産生される、関節の特定の成分に指向する抗体であるかもしれないと想像することが可能であった(これは、B細胞の自己成分に対する正常な耐性を防止するかもしれないし、またはポリクローナルB細胞刺激および自己(ことによると重合体の)成分に反応性のIgの合成を誘導するかもしれなかった)。本発明者らは、この問題に以下により取り組んだ:
1)K/BxNマウス由来Igの導入後のRAGo/oマウスの免疫組織化学的分析。これらの分析により、関節の滑膜組織だけでなく多くの他の器官(脾臓、腎臓、肝臓、筋肉;データ示さず)の内膜(lining membrane)において導入Igの堆積が示された。
2)ウエスタンブロット分析。全タンパク質抽出物をRAGo/oマウスの足関節からおよびいくつかの他の器官から調製し(抽出物におけるIgの存在を避けるために)、変性ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動し(SDS−PAGE)、ブロットし、K/BxNマウス由来の血清でプローブした。Ig結合は、HRP結合抗マウスIgGとのプロービングにより明らかとなった。図3に見られるように、およそ分子量60kDに単一の主要なタンパク質バンドがこれらのブロット上で検出できた。このバンドは、多数のK/BxN関節炎マウス由来の血清を用いた時に繰り返し見られたが、対照非関節炎同腹仔由来の血清では見られなかった。他のタンパク質はいくつかの血清で検出されたが一貫性がなく、それらは常に60kDバンドよりも弱かった。
次いで、本発明者らは、この60kDタンパク質の同定を試みた。この目的で、K/BxN血清のラージプール由来のIgGを、プロテインGカラムでのアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。この精製したIg(1,5mg)をCNBr活性化セファロースに共有結合した。次いで、このマトリクスを免疫吸着剤として用い、この上に、RAGo/oマウスの腎臓由来のNP−40抽出物(50mg)をロードした。カラムをよく洗浄し、結合タンパク質を酸性pHで溶出した。これらをSDS−PAGEおよびクマシー染色により分析した。上述した結果から予測されるように、60kDの主要バンドが見られた。このバンドを切り取り、タンパク質を(Rosenfeldら、1992)に記載されるようにトリプシンによりゲルスライス中で消化し、得られたペプチドを逆相HPLCで分離した。いくつかのペプチドを同定した。次いで、これらのうち3つをApplied Biosystems 470A装置での自動化エドマン分解により配列決定した。この配列をSwissprotデータベース上のBLASTプログラムを用いて公共のデータベースと比較した。3つ全てが、タンパク質グルコース−6−ホスフェートイソメラーゼ(別名ホソホヘキソース−イソメラーゼ;EC 5.3.1.9;Swissprotデータベース番号P06745;配列登録番号1230741;本明細書以下、GPIと略す)に属することがわかった。これらの位置を図4に示す。得られたペプチドのうち別のものはまた、質量分析(これは、配列(図4)から予測される分子量と正確に一致した)に基づいて、GPIに属することがわかった。
GPIの分子量(62636kD)はPAGEによる分子量推定の精度内でウエスタンブロットから予測されるK/BxN血清のターゲットの分子量と非常によく一致している。
GPIは解糖系の必須酵素である。それは、動物の胚形成の最も初期の段階から生涯の末期まで、いくらか量的ばらつきはあるが、本質的に全ての組織(正常であれ腫瘍性であれ)において発現される酵素である(Westら、1990;Hallbookら、1989;Warnerら、1985)。それは通常は細胞質酵素であるが、可溶性GPIは、血清中に見られ得る;それは腫瘍患者(様々な器官)での上昇が見られるが、それを信頼性のあるマーカーとするような様式でではない(例えば、(Neriら、1983;Schwemmerら、1985;Paulickら、1987;Gommら、1988;Gurneyら、1986)を参照)。GPIはまた、「ニューロロイキン」、「成熟因子」または「自己分泌運動因子」(神経栄養性薬剤としてまたは細胞移動もしくは腫瘍細胞分化を促進する薬剤としてしばしば限られた効能を有する分泌因子)として独立して精製されている(Gurneyら、1986;Faikら、1988;Niinakaら、1998;Xuら、1996)。GPIにおける遺伝子の欠如は、溶血性貧血症候群を引き起こす(例えば(Kannoら、1996;Baroncianiら、1996)を参照のこと)。
GPIがK/BxN血清に存在するIgによって認識されるタンパク質であることを確認するために、本発明者らは、大腸菌中で組換えGPIを作製した。マウスGPIのコード配列をポリメラーゼ連鎖反応により増幅し、産物をプラスミドpGEx−4T−3(Pharmacia)でクローニングした。組換えタンパク質(グルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合産物)をグルタチオンセファロース4Bカラムでのアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。産物をSDS−PAGEで特徴付けし、それは予測したサイズを示した(データ示さず)。ゲルをブロットし、ストリップをK/BxNまたは非トランスジェニック同腹仔対照由来の血清でプローブした。図5に見られるように、全てのK/BxN血清は強く反応したが、対照血清はネガティブであった。これにより、GPIタンパク質が、K/BxN血清中、抗60kD抗体の分子ターゲットであることが確認された。
また、組換えタンパク質を酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)において使用し、異なった年齢のK/BxNマウスの血清中でGPIに対する反応性を検出した。以前記載されているように(Kouskoffら、1996)、KRN関節炎は28〜32日齢で現れる。図6に示すように、K/BxNマウス由来の血清中、このアッセイは、バックグラウンドを超える有意な反応性を検出した(1/20 000希釈まで)。そのような反応性は対照同腹仔では見られなかった。従って、このアッセイは、これらのマウスにおける関節炎の良好な診断テストとして役立ち得る。
〔実施例3〕
[抗GPI抗体は病原性免疫グロブリンである]
抗GPI抗体はK/BxN血清の病原性の特異性全てを構成し、それらの除去がその血清の病原性能力を排除し得る。この問題に取り組むために、本発明者らは、5mgの組換えGPIまたは対照GSTタンパク質(上述のように調製)をCNBr結合セファロースに結合した。プールしたK/BxNマウス由来の血清をこれらのカラムに連続して付与した。結合タンパク質を酸性pHで溶出し、未処置マウスに導入することによって試験した(出発物質およびフロースルーフラクションのアリコートも)。図7に示すように、全ての関節炎誘発活性がGPI結合カラムに結合したフラクションで見られ、フロースルーでは見られなかった(後者が免疫グロブリンの大部分を含んでいたにもかかわらず)。これらの結果は、抗GPI抗体が実際に、関節炎K/BxNマウス由来の血清中の病原性Igであり、組換えGPIタンパク質に結合し得ることを示している。
これらのデータから、本発明者らは、トランスジェニックマウスにおいて産生される抗GPI抗体が関節炎を誘導すると結論づけた。本発明者らは、KRNレセプターを発現するT細胞がGPI抗原に曝露した抗原提示細胞により特異的に刺激されることがわかった(未公開データ)。これらのT細胞は、次いで、抗GPI免疫グロブリンを産生するB細胞(これは、GPIを効率的にインターナライズし、従って、非特異的B細胞よりも容易にT細胞からの助けを受ける(Lanzavecchia、1985))を刺激する。従って、GPIまたは関連する循環タンパク質(血液循環中に限定量存在し、従って、免疫系の麻痺耐性を誘導することができない)に対する自己反応性T細胞が、RA等のヒトの状態において類似の関節炎誘発性抗体を誘導するかもしれないということが提案される。
〔実施例4〕
関節炎誘発性血清または免疫グロブリンとの同時投与によって可能性のある抗関節炎製剤を試験し得るモデルが、関節炎K/BxN由来の血清の導入により提供される。
原理の証拠として、本発明者らは、K/BxNモデルでの関節炎発症を干渉する抗C5モノクローナル抗体の能力を試験した。本発明者らは、他の関節炎のマウスモデルにおけるおよびヒトRA患者における関節損傷の発生における相補成分(特にC5)に関係する先の証拠により、この試薬を選択した(Watsonら、1987;Wangら、1995)。マウスに、K/BxNマウス由来関節炎誘発性血清および同時に抗C5モノクローナル抗体BB5.1(C5活性をブロックすることが公知である(Freiら、1987))を注射した。図8から分かるように、抗C5モノクローナルを注射したマウスは疾患から防御された。
〔実施例5〕
K/BxNマウスの血清中に存在する免疫グロブリンが関節炎を転移することが可能であるならば、未処置のレシピエントに疾患を転移することも可能なモノクローナル抗体(mAb)を単離することが可能なはずである。30および50日齢のK/BxNマウス由来の脾細胞を、ハイブリドーマ誘導についての標準プロトコール(de StGrothおよびScheidegger、1980)に従って融合し、96ウェルプレート中限界希釈状態のHAT培地においてハイブリドーマを選択した。組換えGPIを結合抗原としてそして抗マウスIgGを発色試薬として用いて培養上清をELISAアッセイで試験することによって、GPIに反応性の免疫グロブリン産生に関してハイブリッドをスクリーニングした。増殖、限界希釈によるクローニング、およびハイブリドーマ株の安定性試験のためにいくつかポジティブなウェルを選択した。抗GPI IgGを産生する11個の安定なハイブリドーマ株をそのようにして得た(下の表1を参照)。
Figure 2010252795
これらのモノクローナルの疾患を転移する能力を、これらのハイブリドーマにより産生されるmg量のIgGのプロテインG精製、および未処置のBalb/cレシピエントへの静脈注射によって、試験した。図9に見られるように、6.121および2.99ハイブリドーマ細胞由来の抗GPI免疫グロブリンを一緒に注射することによってレシピエントにおいて関節炎が誘発されたが、単独に注射した場合には疾患を誘導できた抗体はなかった。これらの抗体のうち、いくつかは機能したが(例えば、2.99および6.121抗体)、他は機能しなかった。しかし、本発明に従って関節炎を転移し得る抗体を単離する方法の工程e)により、作用するものを選択することができる。
[参考文献]
Figure 2010252795
Figure 2010252795
Figure 2010252795
Figure 2010252795

Claims (23)

  1. 患者の血漿または血清のサンプル中における、GPIまたはGPI様タンパク質に対する自己抗体の存在の検出を含む関節炎の診断方法。
  2. サンプルのELISA試験を含む請求項1に記載の方法。
  3. サンプルのRIA試験を含む請求項1または2に記載の方法。
  4. GPIまたはGPI様タンパク質でコートされた基体の使用を含む請求項1〜3に記載の方法。
  5. GPIまたはGPI様タンパク質が組換えタンパク質である請求項4に記載の方法。
  6. GPI様タンパク質がヘキソース代謝経路に関与するGPI類似体である請求項4に記載の方法。
  7. GPI様タンパク質が、多くの非関節組織で発現されるが血清中に放出されるものであって、かつ自己反応性Tリンパ球および/または自己抗体のターゲットであるタンパク質である請求項4に記載の方法。
  8. 関節炎の治療または予防のための、GPIまたは自己抗体と相互作用して該自己抗体を阻害し得るGPI様の部分を含むGPI様タンパク質の使用。
  9. 以下からなる工程を包含する、GPI様タンパク質を単離する方法:
    − 関節炎の哺乳動物、好ましくはK/BxNトランスジェニックマウス由来の血清から、種々のIgGフラクションまたはサブフラクションを調製する工程、
    − マトリクスとして該フラクションのIgGを有するアフィニティークロマトグラフィーによって、GPI様タンパク質を単離する工程。
  10. 関節炎の治療および診断のための、GPIまたは請求項9に記載の方法によって獲得できるGPI様タンパク質およびその抗体の使用。
  11. GPIおよびGPI様タンパク質に対する免疫寛容を誘導して自己抗体の発生を防止するための、GPIまたはGPI様タンパク質、あるいは免疫刺激性のエピトープを構成する該GPIまたはGPI様の部分を含むか、もしくは模倣する化合物の使用。
  12. GPIまたはGPI様タンパク質のインビボでの発現用DNAベクター。
  13. 関節炎がGPIまたはGPI様タンパク質に対する抗体の注入あるいは関節炎のK/BxNトランスジェニックマウス由来の血清またはそのフラクションの注入によって誘導されている関節炎の動物。
  14. 請求項13に記載の動物に組成物を投与して関節炎の経過への効果を評価することによって、該組成物の抗関節炎能力を決定する方法。
  15. 以下の工程を包含する請求項14に記載の方法:
    i)既知用量の関節炎誘発性の血清または免疫グロブリンを第一の非関節炎マウスに投与する工程であって、該マウスはまた、関節炎誘発性の血清または免疫グロブリンの前、一緒に、もしくは後のいずれかで投与された、試験される関節炎誘発性組成物を受けている、工程、
    ii)該第一のマウスにおける炎症および関節の破壊の時間経過を検出する工程、および
    iii)該第一のマウスにおける炎症および関節の破壊の時間経過を、同一の関節炎誘発性の血清または免疫グロブリンを受けているが、該抗関節炎組成物に晒されなかった同一遺伝子型の第二のマウスにおける炎症および関節の破壊の時間経過と比較する工程。
  16. 以下の工程を包含する請求項14に記載の方法:
    i)既知用量の関節炎誘発性の血清または免疫グロブリンを第一の非関節炎マウスに投与する工程であって、該マウスはまた、関節炎誘発性の血清または免疫グロブリンの前、一緒に、もしくは後のいずれかで投与された、試験される関節炎誘発性組成物を受けている、工程、
    ii)該第一のマウスにおける炎症、関節の破壊および四肢の変形の程度を検出する工程、および
    iii)該第一のマウスにおける炎症、関節の破壊および四肢の変形の程度を、同一の関節炎誘発性の血清または免疫グロブリンを受けているが、該抗関節炎組成物に晒されなかった同一遺伝子型の第二のマウスにおける炎症、関節の破壊および四肢の変形の程度と比較する工程。
  17. 関節炎誘発性の免疫グロブリンがモノクローナル抗体またはその組合せである請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. GPIまたはGPI様タンパク質の産生をインビボで調節し得る分子。
  19. 少なくとも1つのGPIまたはGPI様タンパク質あるいは免疫刺激性のエピトープを有するそのフラグメントを含む関節炎の診断用キット。
  20. 以下からなる工程を包含する関節炎を転移し得るモノクローナル抗体を単離する方法:
    a)関節炎の哺乳動物の脾細胞、好ましくはK/BxNマウスの脾細胞由来のリンパ球からハイブリドーマを調製する工程、
    b)HAT培地中で限界希釈条件で該ハイブリドーマを選択する工程、
    c)ELISAアッセイにおいてGPIまたはGPI様タンパク質に指向する抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングする工程、
    d)工程c)で選択されるハイブリドーマを増殖し、クローニングする工程、
    e)工程d)で選択されたハイブリドーマによって産生される該抗体を組合せてまたは単独でその関節炎を転移する能力について試験する工程。
  21. 工程e)が、既知用量の該抗体を正常なマウスに投与して該マウスにおける炎症、関節の破壊および四肢の変形の発症を検出することによって達成される請求項20に記載の方法。
  22. 請求項20〜21の1項に記載の方法によって獲得できるモノクローナル抗体。
  23. 請求項22に記載の抗体を産生するハイブリドーマ株。
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