JP2002525262A - ダイヤモンド複合体の製法及びそれにより製造された複合体 - Google Patents

ダイヤモンド複合体の製法及びそれにより製造された複合体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ダイヤモンド粒子からダイヤモンド複合体を製造する方法において、被加工物を形成し、前記被加工物を加熱し、加熱温度及び加熱時間を制御して、ダイヤモンド粒子の黒鉛化により或る所望の量の黒鉛を生成させ、それによって中間体を形成し、前記中間体に珪素合金を溶浸する諸工程を含む上記方法に関する。本発明は、この方法により製造されたダイヤモンド複合体にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、ダイヤモンド複合体の製造方法、及びそれによって製造されたダイ
ヤモンド複合体に関する。
【0002】 (背景技術) 多くの適用分野で、極めて堅い(超硬、40GPaより大きい)材料が一般に
必要とされている。これらの用途は、切断、旋削、粉砕、削孔、鋸切断、又は研
磨操作等のための工具としてのものである。それらの堅い材料は、ベアリング、
密封材、ノズルとして働く場合、又は同様な場合に、それらの耐摩耗性、耐研磨
性、及び耐腐食性のために用いられている。それらの材料は、鋳鉄、鋼、非鉄金
属、木材、紙、重合体、コンクリート、石、大理石、土壌、焼結炭化物、及び酸
化アルミニウム、炭化珪素、ダイヤモンド、又は立方晶系窒化硼素等の砥石車上
で働くか、又はそれらと接触している。これらの目的に対し、最も堅い材料とし
て知られている単結晶又は多結晶ダイヤモンドが適している。硬度のために用い
られる他の一般的材料は、例えば、立方晶系窒化硼素(CBM)、炭化硼素、及
び他のセラミクス、及び焼結炭化物であるが、ダイヤモンド又はCBM含有材料
だけが超硬材料群に達することができる。
【0003】 ダイヤモンド構造型の炭素は、周囲温度及び圧力で熱力学的に不安定であるこ
とはよく知られている。それにも拘わらず速度論的理由からダイヤモンドの黒鉛
への分解(黒鉛化)は妨げられており、天然に見出されるダイヤモンドは数百万
年も存在してきている。しかし、温度を上昇させることにより、ダイヤモンド結
晶の黒鉛化は表面から開始される進行により起き、速度論的妨害を克服するため
のエネルギーが最も高く、他の表面不純物又は雰囲気による欠陥又は触媒的効果
がこの過程に影響を与える。
【0004】 空気中で加熱することにより、ダイヤモンドの分解及び酸化が、600〜70
0℃位の低い温度で行われることは周知である。コバルトのような炭素溶解金属
は、既に約500℃でその反応に触媒作用を与えることがある。黒鉛化過程は、
真空中又は不活性雰囲気中では一層高い温度まで遅延され、雰囲気が強い還元性
になる水素ガス雰囲気中ではダイヤモンドは最も安定であり、高品質のダイヤモ
ンドは、約2000℃まで長い時間安定である。
【0005】 結合ダイヤモンド粒子を用いた種々の複合体物品が知られている。それらダイ
ヤモンド粒子を、金属及び(又は)セラミック相からなるマトリックスにより結
合し、そのような材料のマトリックス中に入れたダイヤモンド粒子を焼結するこ
とにより製造するか、又は例えば、珪素又は珪素合金をそのダイヤモンド物品中
へ溶浸させることにより結合することができる。
【0006】 ダイヤモンド粉体を炉中で長い時間高温まで加熱することにより、圧力にも依
存して少量の制御されない望ましくない黒鉛化が起きることがある。緻密に焼結
したダイヤモンド複合体を形成するための以前に報告された方法では、これは望
ましくない効果であり、これを回避するための種々の方法が用いられてきた。最
も実用化された技術は、焼結工程中に高い圧力を用い、30,000〜60,0
00気圧(HP/HT)の圧力を持つ高圧室中で1300〜1600℃でダイヤ
モンドが安定になる状態図の領域中に維持することである。例えば、ダイヤモン
ド・黒鉛状態図については米国特許第4,151,686号明細書の図4参照。
【0007】 必要な極めて高い圧力は、特別に製造されたプレス及びダイスによってしか達
成することができない。そのため製造コストが高く、製造能力が限定され、ダイ
ヤモンド複合体物品の形及び大きさが限定される。
【0008】 ダイヤモンド安定領域に必要な圧力よりも低い圧力、最低約34バール(50
0psi)以上の圧力を用いてダイヤモンド物品を製造する方法もあり、例えば
、米国特許第4,124,401号明細書による方法がある。
【0009】 圧力が黒鉛安定領域中にある場合には、例えば、保護性不活性雰囲気を持つ炉
を用いて、高温を短時間用いるか、又は物体の固化のための焼結温度を低下する
ことにより、黒鉛化を最小にしている。後者の例は、純粋珪素の溶融温度よりも
かなり低い溶融温度を有する金属珪素合金を用いている。
【0010】 幾つかの特許が高圧を用いないで、ダイヤモンド、炭化珪素及び珪素を含有す
る材料を製造する技術を実現している。その方法を変更したもの、主に異なった
炭素質材料(今後カーボンブラック、炭素繊維、コークス、黒鉛、熱分解炭素等
のようなあらゆる種類の非ダイヤモンド炭素材料を指すものとする)を使用する
ことに関する多数の方法が存在する。原理的には、次の諸工程に従っている。
【0011】 A.前駆物質材料として、非被覆ダイヤモンド粒子、或は通常炭素被覆ダイヤ
モンド粒子及び炭素質材料を用いる。実施例によれば、米国特許第4,220,
455号明細書は、熱分解反応によりダイヤモンドに薄い炭素層(500〜10
00Å)を付与することから出発している。熱分解は、ダイヤモンド粒子の入っ
た1200℃の炉に天然ガス又はメタンを供給することにより、真空中で数分間
行なっている。米国特許第4,381,271号、EPO 0043541、E
PO 0056596、及びJPA6−199571の場合のように、時々熱分
解炭素層のないダイヤモンドを用いている。炭素被覆及び非被覆ダイヤモンドの
両方を、主要な炭素源として炭素質材料、例えば、カーボンブラック、炭素短繊
維又は布、及び結合剤等と混合し、然る後、未焼成物品を形成する。
【0012】 B.ダイヤモンド粒子/炭素材料混合物の未焼成物品の形成は、型中で行う。
未焼成物品は、その未焼成物品の成形を促進し、その強度を増大するため、溶媒
及び一時的及び永久的結合剤を付加的に含有する。
【0013】 C.未焼成物品を熱処理することにより被加工物を作る。或る結合剤、例えば
パラフィンは、残留物を残すことなく蒸発するが、他の結合剤、例えばフェノー
ル・ホルムアルデヒド及びエポキシ樹脂、は硬化して被加工物中に炭素質残留物
を残す。
【0014】 D.多孔質被加工物への溶融珪素の浸透を行うと、炭素と珪素との反応で炭化
珪素を形成する。熱処理は、有害であると考えられるダイヤモンドの黒鉛化を最
小にするようなやり方で行う。米国特許第4,220,455号明細書の例では
、物品を型に入れたまま1400〜1550℃の温度で15分間真空中で珪素を
溶浸させ、その間に珪素と炭素との反応を完了する。米国特許第4,242,1
06号明細書では、溶浸中に0.01〜2.0トールの真空度を用いている。物
品の大きさに大きく依存する必要時間は、経験的に決定され、1400℃以上の
温度で約15〜20分、1500℃で10分間かかる。米国特許第4,381,
271号明細書では、流体珪素の溶浸を毛細管作用により促進するため炭素繊維
を用いている。殆どの特許では、溶浸は型中で行われる。初期の或る特許では、
例えば、EPO特許0043541のように、型の外で溶浸を行なっている。
【0015】 炭素被覆又は非被覆ダイヤモンドを炭素質材料と混合する方法は欠点を有する
ことがある。例えば、これらの材料の均一な混合物を製造しにくいこと、非常に
小さな気孔孔径のため珪素溶浸が困難なこと、及び均一な混合物を製造するため
に特別な装置を必要とすることである。
【0016】 UR2064399では、熱分解による炭素の添加は、被加工物の形成製造後
にのみ行なっている。ダイヤモンド粒子、又はダイヤモンド粒子と充填剤として
の炭化物粒子との混合物の予め形成した被加工物は、一時的な結合剤を用いて製
造している。結合剤は蒸発し、被加工物を反応器中に入れておくと、気相、例え
ばメタンによる950℃で10時間の熱分解反応により物品の全ての粒子上に熱
分解炭素が付着する。この後で、珪素溶浸を行う。この方法の欠点は、多量の炭
化水素ガスを使用することであり、処理時間がむしろ長いことである。充填剤と
して炭化物粒子を用いた場合、上で述べたのと同じ均質化の問題が起きる。
【0017】 前に記載した技術により製造されるダイヤモンド複合体材料を改良する幾つか
の方法がある。それらの一つは、材料中の濃度及び粒径が次第に変化していく構
造を持つようにダイヤモンド粒子を配列し、それによって或る性質、従って適用
分野に影響を与えることである。高圧高温で焼結することにより粒径傾瀉材料を
製造する方法は、特許EPO 0196777に記載されている。粒径及び(又
は)充填密度を前面と後面との間で層状に変化させ、それらの部分で異なった耐
摩耗性が得られるようにしている。これらの方法の欠点は、それが高圧高温を用
いているため、材料の製造に一層費用がかかり、特別な装置を必要とし、大きさ
に限界が存在することである。
【0018】 複合体物品の異なった部分に異なった量のダイヤモンドを用いた特許も多数存
在する。次の特許、米国特許第4,242,106号、第4,247,304号
、第4,453,951号、EPO 0043541、EPO 0056596
には、例えば、支持体の炭化珪素、又は炭化珪素・珪素基体と接触したダイヤモ
ンド複合体層を有する最終物質の層状構造体を製造することが記載されている。
米国特許第4,698,070号明細書には、ダイヤモンド含有部分と芯部分と
を、炭化珪素及び珪素のマトリックスにより一体化した複合体の製造が記載され
ている。他のダイヤモンド濃度を有する付加的粒子層も与えられており、例えば
、表面の角や芯中に与えられている。
【0019】 一般に、異なったダイヤモンド粒径又は濃度を有する層状材料の欠点は、ダイ
ヤモンド含有支持層の物理的/機械的性質、例えば、熱膨張係数及びE−モジュ
ラスに差を生ずることがあり、それらが界面に望ましくない応力状態を引き起こ
し、それにより応力下の複合体を弱くすることである。ダイヤモンドは比較的低
い抗張力及び低い靭性を有し、界面層により結合された異なった部分中のダイヤ
モンド含有量の明確な差も複合体の破壊抵抗に影響を与える。上に記載した方法
の中で、材料全体に亙って異なった粒径のダイヤモンド粒子が予定された特定の
分布をもち、均一に変化していく性質を有する物品を与える結果になるものは一
つもない。
【0020】 米国特許第4,220,455号明細書の複合体は、物品全体が異なった粒径
のダイヤモンド粒子混合物からなり、即ち、その複合体は層状構造を持たない。
用いる粒径は、所望の粒子充填及び得られる物品に従って選択する。最も研磨性
の用途に対しては、約60μm以下の粒子が好ましい。粒子の充填を最大にする
ため、それらは或る範囲の粒径、即ち小、中及び大の範囲のものを含むのが好ま
しい。
【0021】 上記の方法の中で、黒鉛化を意図的に用いているものはない。その代わり黒鉛
化は有害で望ましくないものと考えられている。
【0022】 RU特許2036779では、最終的に水又はエチルアルコールと一緒にした
ダイヤモンド粉末からなる前成形体を形成し、それを炉中に入れ、アルゴン又は
真空中で1420〜1700℃で液体珪素を含浸させる。その過程でダイヤモン
ド粒子の表面は最小限に黒鉛化し、そのためダイヤモンドの大部分は依然として
未変化になっている。この少量の黒鉛は溶浸珪素と接触して反応し、炭化珪素の
薄い表面層を生じ、それが、使用工程中にダイヤモンドが更に黒鉛を形成するの
を防止する。この方法の欠点は制御しにくいことであり、複合体中に残留する生
成SiC、残留珪素、又は気孔の量を制御する方法がない。
【0023】 従って、これらの従来の特許では、炭素質材料をダイヤモンド物品へ添加する
充分制御された工程についての教示はなく、所望の量のダイヤモンド、炭化珪素
及び珪素を含み、低い多孔度をもち、黒鉛を含まない材料を製造するための意図
的黒鉛化工程は存在しない。
【0024】 これらの従来の方法とは対照的に、本発明によるダイヤモンド製造方法の一つ
の重要な工程は、ダイヤモンド粒子の表面の予定された厚さの層を黒鉛に意図的
に転化する制御された所望の黒鉛化を用いることである。黒鉛化は、工程の重要
な時間・温度曲線のみならず、ダイヤモンドの粒径(小さい粒子は大きな粒子よ
りも大きい比表面積を有する)、ダイヤモンドの種類及び品質、及びダイヤモン
ドの表面欠陥に依存する複雑な工程である。更に、触媒不純物(コバルト、ニッ
ケル又は鉄のような炭素可溶性金属)の存在、圧力、酸素の存在、及び雰囲気(
酸化性雰囲気、例えば一酸化炭素)も大きな影響を与える。従って、或る出発材
料、炉、及び与えられた工程因子に対し、黒鉛化度を経験的に注意深く決定する
ことが重要である。このような知識が、制御された安全なやり方で製造中の黒鉛
化を制御するための適切な時間・温度曲線のための背景を与える
【0025】 本発明の方法では、珪素又は珪素合金の溶融物を溶浸する前に、ダイヤモンド
物品中の黒鉛の相対的量を変化させることにより、所望の相組成、微細構造を形
成し、従って、材料の性質を制御することができる。ダイヤモンド粒子上の黒鉛
層は均一なカバレッジを有する。そのような層中の黒鉛の再少限の量は、ダイヤ
モンド界面とマトリックスとの間で形成される炭化物による強い化学的結合の形
成を可能にする量であるべきできる。形成された炭化物の量も、気密な保護層を
形成するのに充分なものになるであろう。μ単位以上の大きさのダイヤモンド粒
子については、下で一層詳細に論ずるように、黒鉛化は少なくとも3重量%より
多く、好ましくは6〜30重量%の範囲にある。
【0026】 従来法で製造される殆どのダイヤモンド複合体物品では、ダイヤモンド粒子間
に直接化学的結合を形成するため、即ち、ダイヤモンド樹枝状構造を与えるため
に、非常に高いダイヤモンド濃度を用いることが試みられてきた。このことは、
複合体の機械的強度及び堅さを増大するものと考えられてきた。全く意外なこと
に、良好な機械的性質を得るためにそのような直接的結合は不要であることを我
々は発見した。ダイヤモンドの直接的結合は、我々のダイヤモンド複合体では重
要或は必要な因子ではないが、最も高いダイヤモンド濃度では、幾らかのダイヤ
モンド対ダイヤモンド接触が起きることがあるが、そのような場合でも全ての触
れることができるダイヤモンド粒子表面は黒鉛化される。
【0027】 ダイヤモンドの溶浸及び結合のために用いられているのは珪素のみではない。
幾つかの特許は、純粋珪素の代わりに珪素合金を用いることを述べている。米国
特許第4,124,401号明細書には、溶浸のために共融珪素合金を用いるホ
ットプレス法を記載している。米国特許第5,266,236号明細書は、HP
/HT法で硼素・珪素合金を用いている。米国特許第4,664,705号明細
書には、PCD物体中に珪素合金を溶浸させる方法が記載されており、この場合
結合剤は早い段階で浸出されているのが好ましい。
【0028】 本発明による方法では、ダイヤモンド物体(1998年7月16日に出願され
たPCT出願No.PCT/EP98/04414により知られている)中へ入
れる溶浸溶融物として純粋珪素を用いる場合には、ダイヤモンド以外の生成物は
炭化珪素であり、残留珪素が気孔を埋め、完全に緻密な物品を与える結果になる
。硬度、靭性及び剛性のような材料の性質は、異なった相の量、分布及び粒径に
よって影響を受ける。
【0029】 しかし、珪素合金を用いることにより、一層複雑な材料を形成することができ
、異なった用途に対する所望の全体的性質を有する材料を製造する可能性は広が
るであろう。上で述べた相の外に、合金元素は、工程の初期段階で存在する非ダ
イヤモンド黒鉛と炭化物を形成するか、又は金属珪化物を形成することがある。
種々の組成の残留珪素合金(又は珪素さえも)が存在するか、又は少量の金属炭
珪化物が形成されることがある。
【0030】 珪素中の合金元素として硼素を用いると、炭化珪素よりも堅い炭化硼素(B4
C)が形成され、一層堅い最終物品を与える結果になる。ギブスエネルギー計算
により、Ti、Zr、Nb及びTaのような他の強い炭化物形成剤は、金属珪化
物よりもむしろ金属炭化物を形成すると予想される。微細構造中にこれらの炭化
物粒子が存在すると、靭性を増大し、高温性を劣化させることはない。しかし、
速度論的因子が、幾らかの珪化物形成を起こすことがある。金属珪化物の存在は
、低及び中間温度での靭性を増大するが、鉄族からのもののような或る珪化物は
、1000℃より高い使用温度では有利にならない。二珪化モリブデンのような
他の珪化物は、最初の酸化によりシリカ層を形成し、それが更に酸化するのを防
ぐ場合には、特に空気中では良好な高温特性を有することが知られている。
【0031】 本発明による方法は、ダイヤモンド安定領域に必要な圧力よりもかなり低い低
圧法であり、大きい且つ(又は)複雑な物品さえも低コストで大量生産すること
を可能にする。本発明の製造方法の新規な特徴は、特別なプレス及びダイスを必
要としないことである。例えば、本発明では2kバール以下のガス圧力のための
高価な高温アイソスタティックプレス(HIP)装置を必要としない。その場合
には、HIP装置のコスト及び工程実施コストの両方が非常に高く、その方法は
焼結すべき物体に圧力を加えるため気密な金属、ガラス、又は他のカプセル化を
必要とする。そのような高いガス圧力を用いる場合、そのような装置の操作及び
管理中、厳重な安全注意を払わなければならない。
【0032】 ホットプレス(HP)装置は、焼結中黒鉛パンチ(punch)によりダイヤモンド
物体に典型的には30〜1500バールの圧力が適用される場合には、比較的低
いコストで入手することができる。製造能力は限定され、焼結された物体は、殆
ど円板状か又は板状になり易い。工学的目的のための複雑な形をした物品は容易
には製造することができない。本発明は、これらの弱点を除くものである。
【0033】 製造コストの観点から、用いる圧力は約50バール未満、好ましくは30バー
ル未満であるのがよい。この圧力では極めて簡単な製造設備を用いることができ
、複雑な形のものを製造することができる。 最も製造コストが低い大規模な製造は、周囲圧力又は2バール未満の僅かな過
圧の不活性ガスを用いた炉で達成される。真空を用いてもよい。高い生産能力は
コストを著しく低下し、複合体部品の大きさを増大することができる。
【0034】 後者の場合では、低圧ガスとして、低コスト不活性ガスの窒素を使用すること
が可能である。しかし、珪素又は珪素合金の溶融温度で窒素圧力を2バールより
も高く増大することは、珪素と窒素との劇的な反応により窒化珪素を形成させる
。この反応は高度に発熱性であり、一度起きると制御することができず、ダイヤ
モンド及び複合体を破壊することがある局部的温度を上昇する危険がある。
【0035】 本発明の主たる目的は、優れた性質を有するダイヤモンド複合体を製造する方
法及びそれによって製造された超硬材料を与えることにある。この方法は容易に
実行され、速く、コスト的に効果的であり、最終材料の幾つかの性質及びコスト
を制御する可能性を与える。
【0036】 (発明の開示) 本発明の目的は、次の材料相:炭化珪素;金属炭化物又は炭化硼素のような他
の炭化物;珪素;金属珪化物;金属炭珪化物;及び(又は)珪素合金;の組合せ
からなるマトリックスによってダイヤモンド粒子が結合されている、ダイヤモン
ド複合体の低圧製造方法において、被加工物(work piece)を形成し、前記被加工
物を加熱し、前記加熱温度及び加熱時間を制御して、ダイヤモンド粒子の黒鉛化
により或る所望の量の黒鉛を生成させ、それにより中間体を生成し、前記中間体
に珪素合金を溶浸させる諸工程からなる方法により達成される。
【0037】 好ましい態様として、黒鉛化により生成した黒鉛の量は、ダイヤモンドの量の
1〜50重量%、好ましくは6〜30重量%であり、黒鉛化中の加熱温度は17
00℃より低い。黒鉛化に必要な加熱温度及び加熱時間は、用いた加熱装置につ
いて実験的に決定される。被加工物は、25〜60体積%の多孔度を有するもの
を形成する。
【0038】 別の態様として、炭化水素(一種又は多種)の分解温度を越える温度で被加工
物をガス状炭化水素(一種又は多種)に曝すことにより、その被加工物中に或る
量の炭素を付着させる。炭化水素(一種又は多種)の分解温度を越える温度で被
加工物をガス状炭化水素(一種又は多種)に曝す前に、ダイヤモンド結晶の少な
くとも幾らかの黒鉛化が行われる。液体珪素合金を溶浸させる工程の前に、中間
体を、その最終物品の所望の形及び大きさに加工することができる。
【0039】 更に別の態様として、中間体を珪素又は珪素合金と一緒に加熱してその珪素又
は珪素合金を気化し、次にその物体を最終物品の所望の形及び大きさに加工し、
然る後、液体珪素合金の溶浸工程を行う。
【0040】 中間体中への珪素合金の溶浸は、その溶融物が、Ti、Zr、Hf、V、Nb
、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Al又
は元素B若しくはGeからなる群からの少なくとも一種の金属を含む珪素合金で
あることを特徴とする。金属と言う場合、ゲルマニウム(Ge)は金属と考える
。ダイヤモンド含有被加工物の熱処理及び溶浸は、約50バール未満、好ましく
は30バール未満の不活性ガスの圧力で行い、コスト的に最も効果的なのは、2
バールより低い不活性ガス圧力又は真空中で行う。溶浸は溶融物の溶融温度より
高い温度、即ち珪素合金の殆どに対しては1450℃より高い温度、又はAl、
Cu、Ag、Fe、Ni、Co、Mn、又はGeを含有する合金を用いた場合、
1100℃より高い温度で行われる。溶浸温度は1700℃未満、好ましくは1
600℃未満に維持すべきである。
【0041】 言及した合金金属又は硼素又はゲルマニウムを用いて珪素合金を製造すること
ができる。それらの液相温度は低く、そのことは重要である。黒鉛化工程は一層
よく制御され、これらの珪素合金は1200〜1700℃の間の温度で中程度の
蒸気圧を有する。最後に、選択した合金元素からの元素が、材料中に付加的相を
形成し、それがダイヤモンド複合体に価値のある性質を与える。これらの相は、
金属炭化物、金属珪化物、珪素との金属合金、又は三元金属炭珪化物又はそれに
対応する硼素の層である。
【0042】 合金元素の含有量が次のような珪素合金を用いた時に良好な結果が得られる:
・ 50重量%未満、好ましくは20重量%未満の、Ti、Zr又はHfからの
元素。 ・ 20重量%未満、好ましくは10重量%未満の、V、Nb又はTaからの元
素。 ・ 45重量%より少なく、好ましくは20重量%より少ない、Cr及びReか
らの元素。 ・ 10重量%未満、好ましくは5重量%未満の、Mo及びWからの元素。 ・ 60重量%未満、好ましくは20重量%未満の、Mn、Fe、Co、又はN
iからの元素。 ・ 30重量%未満、好ましくは15重量%未満の、Cu及びAgからの元素。 ・ 50重量%未満、好ましくは20重量%未満の、Al及びGeからの元素。 ・ 20重量%未満、好ましくは8重量%未満のBの元素。
【0043】 液体珪素合金の中間体中への溶浸は、最も適当な方法、例えば中間体の表面で
直接、相当する合金を溶融するか、又は例えば相当する溶融物中に中間体を浸漬
するか、又は例えば中間体の表面上に相当する溶融物を注ぐことにより行う。合
金を用いた場合、個々の物質と比較して合金の方が溶融温度が低いこと、中間体
表面の濡れをよくし、粘度を一層低くし、中間体の気孔の全体に一層容易に浸透
させることができることと関連して溶浸工程を簡単に行うことができる。溶浸の
結果として、ダイヤモンド、炭化珪素、及び付加的相からなり、それらの含有量
が合金中に使用した金属の種類によって決定される実質的に非多孔質の材料が生
成する。そのような付加的相は金属珪化物(例えば、NiSi2)及び(又は)
金属炭化物(例えば、TiC及びNbC)及び(又は)金属(例えば、Ag)と
珪素との合金にすることができる。
【0044】 最終的緻密なダイヤモンド複合体中の金属(珪素以外)の含有量は、30重量
%未満、好ましくは20重量%未満である。或る金属については、その含有量は
当然使用珪素合金の組成及び初期被加工物の最大多孔度によって限定される。例
えば、V、Nb、又はTaの群からの金属の場合、材料中のそれらの含有量は1
0重量%未満、好ましくは5重量%未満である。Mo及びWの群からの金属の場
合、材料中のそれらの含有量は5重量%未満である。最後に、金属、Fe、Co
、及びNiの場合、その材料含有量は好ましくは10重量%未満である。
【0045】 被加工物は、種々の粒径及び品質を有するダイヤモンド粒子の均一又は不均一
分布を持つように形成することができる。例えば、被加工物中のダイヤモンド粒
子は、被加工物の表面からその中心に向かって連続的に減少する粒径で分布して
いてもよい。変形として、被加工物は場合によっては結合剤を添加して種々の大
きさのダイヤモンド結晶の均一な混合物から形成してもよい。
【0046】 更に別な態様として、二つ以上の被加工物を別々に製造し、然る後、一緒にし
、然る後、熱処理及び溶浸工程を行う。
【0047】 被加工物の形成は型中で行い、熱処理及び珪素合金の溶浸は、被加工物を型か
ら取り出した後に行なってもよい。
【0048】 被加工物の形成は型中で行い、熱処理及び珪素合金の溶浸は、被加工物を型中
に入れたまま行なってもよい。
【0049】 本発明は、ダイヤモンド粒子が金属−珪素−炭素又は硼素−珪素−炭素の相の
マトリックスに結合した物品で、少なくとも20体積%のダイヤモンド粒子、少
なくとも25体積%の金属−珪素−炭素、又は硼素−珪素−炭素の相、好ましく
は35体積%より多くの金属−珪素−炭素、又は硼素−珪素−炭素の相を含有し
、ヤング率が450GPaを越える物品にも関する。
【0050】 一つの態様として、少なくとも29体積%のダイヤモンド粒子、少なくとも3
4体積%の金属−珪素−炭素、又は硼素−珪素−炭素の相を含有し、ヤング率が
540GPaを越える物品にも関する。
【0051】 好ましい態様として、前記物品は、せいぜい約30μmの粒径を有するダイヤ
モンド粒子を少なくとも46体積%含有し、ヤング率が560GPaを越える。
【0052】 更に別の好ましい態様として、前記物品は、少なくとも54体積%のダイヤモ
ンド粒子であって、それらダイヤモンド粒子の少なくとも60体積%が少なくと
も50μmの粒径を有する上記ダイヤモンド粒子を含有し、そのヤング率は60
0GPaを越える。
【0053】 これらの全ての態様において、物品は、真空中1500℃の温度以下でその形
及びそのヤング率を維持する。
【0054】 一つの態様として、マトリックス中に約10μm以下の粒径のダイヤモンド粒
子が埋められて含有され、ダイヤモンド粒子間の領域中で測定されたマトリック
スのビッカース硬度が、20Nの負荷で30GPaより大きく、マトリックスの
ヌープ硬度が、20Nの負荷で30GPaより大きい。
【0055】 別の態様として、ダイヤモンド粒子が、50μmより大きい粒径粒子群及びせ
いぜい50μmの粒径を有する粒径粒子群を有し、その質量比が0.25〜2.
5の範囲に入り、平均粒径が10μmより大きく、好ましくは20μmより大き
い。
【0056】 更に別の態様として、ダイヤモンド粒子が、大きな粒径のダイヤモンド粒子群
及び小さな粒径のダイヤモンド粒子群を有し、その質量比が0.25〜2.5の
範囲に入り、平均粒径が10μmより大きく、好ましくは20μmより大きい。
【0057】 更に別の態様として、物品は中空体である。
【0058】 更に別の態様として、物品は、20μmより大きい粒径を持つ大きなダイヤモ
ンド粒子と;0〜50体積%の20μm未満の粒径を有する小さなダイヤモンド
粒子、20〜99体積%の炭化珪素、及び1〜30体積%の他の金属−珪素−炭
素又は硼素−珪素−炭素の相からなるマトリックスと;を含有し、前記マトリッ
クスの硬度が20〜63GPaである。
【0059】 第一の具体例としてマトリックス硬度は20〜30GPaである。
【0060】 第二の具体例としてマトリックス硬度は50〜63GPaである。
【0061】 第三の具体例としてマトリックス硬度は30〜50GPaである。
【0062】 (本発明についての説明) 本発明の主たる目的は、速く、コスト的に効果的で、制御可能なやり方で複雑
にならない方法により優れた性質を有するダイヤモンド複合体を製造することに
ある。本発明は、幾つかの原理を有する: ・ 本方法は、ダイヤモンド黒鉛化を回避するのではなく、意図的にそれを用い
ている。 ・ 製品の最終的性質及び製造コストの両方を制御するため、異なった種類の勾
配又はパラメータの変更を用いている。 ・ 複雑な最終物品の形への加工を可能にし、溶浸物体の高価で困難な加工操作
を回避するため、中間物体の強化と組合せた実施及びほぼ正確な成形法を用いて
いる。 ・ 一層高い圧力を用いた方法で必要な複雑な装置を必要としない低圧法である
。 ・ 大きな物体及び大きな製品バッチによる低コスト製造法である。
【0063】 本発明による方法では、どのような粒径のダイヤモンドでも用いることができ
る。サブミクロン粒径のダイヤモンドとは、1μm未満のダイヤモンド粒子を意
味し、小さなダイヤモンドとは、20μm未満、一層好ましくは10μm未満の
ダイヤモンド粒子を意味する。20μmより大きな粒径のダイヤモンドが幾つか
の用途で用いられている。大きな機械的強度、特に工学的部品のためには、使用
されるダイヤモンド粒子の粒径は20μm未満であるのが好ましい。60μmよ
り大きな粒径を持つ非常に大きなダイヤモンドは、それらの研磨能力のために、
屡々小さなダイヤモンドと組合せて用いられている。
【0064】 方法;ダイヤモンド黒鉛化、及び場合により熱分解炭素の使用と併用したその
意図的使用 本発明による材料は、ダイヤモンド複合体を製造するために、ダイヤモンドの
黒鉛化、場合により炭素の熱分解付着と併用してそれを用いた方法によって得ら
れる。このことは、本発明がダイヤモンドの黒鉛化、即ち、部分的ダイヤモンド
の黒鉛への転化を効果的に行い、計画した制御された仕方でそれを用いることを
意味する。
【0065】 図1には、工程図として好ましい処理工程を示している。本発明による方法の
異なった工程は、次に記載する。
【0066】 未焼結物体の形成は、少量の一時的又は永久的結合剤と共に、又は別法として
、結合剤を用いずに、種々の粒径のダイヤモンド粒子混合物を用いて行う。成形
は、確立された技術、例えば、プレス、スリップ及びスラリー注型、射出成形等
を用いることにより行われる。成形に型を用いた場合、通常型からその未焼結物
体を取り出す。
【0067】 被加工物の製造は、未焼結物体の中に存在する溶液剤及び(又は)結合剤を蒸
発又は硬化及び分解により行う。もし結合剤を用いずに未焼結物体が製造されて
いるならば、それを被加工物と考える。被加工物中の最終的結合剤量は、5重量
%以下である。被加工物全体に亙って均一で制御可能な黒鉛化を行うためには、
結合剤からの不純物がそこに存在することは望ましくない。これらは黒鉛化過程
に触媒作用を及ぼすか、又はそれを妨害する。被加工物中のダイヤモンドが95
重量%以上であることの理由は、存在するであろう炭素の量及び場所の正確な制
御は、充填剤のない物体及び結合剤の量が最小である場合にのみ可能であること
による。
【0068】 中間体を得るための被加工物の熱処理 全質量の95〜100重量%のダイヤ
モンド含有量を有する被加工物を、制御されたダイヤモンド黒鉛化を用いるか、
又は場合により制御されたダイヤモンド黒鉛化と熱分解炭素(今後パイロカーボ
ンと呼ぶ)の付着との併用により熱処理して中間体を得る。併用した場合、パイ
ロカーボン付着前に黒鉛化を用いるのが好ましい。
【0069】 中間体を得るための黒鉛化 黒鉛化中、被加工物(又は付着パイロカーボンを含む中間体)を、真空又は制
御された雰囲気中、好ましくは不活性ガス中で700〜1900℃、好ましくは
1000〜1700℃、最も好ましくは1100〜1500℃に制御した温度で
熱処理する。通常黒鉛化は1000℃未満の温度では遅いが、触媒的効果、例え
ば使用した雰囲気及び装置により更に低い温度でも進行することがある。190
0℃より高い温度では、黒鉛化速度は非常に大きく、必要な精度を持って制御す
ることは困難であり、特に少量のダイヤモンドを用いた場合には困難になる。も
し真空圧を用いるならば、1mmHg未満であるのが好ましい。不活性ガスとし
て窒素、アルゴン(又は他の貴ガス)、水素、又はヘリウムを用いることができ
、それらは系中の酸素を排除する。この方法は特定の圧力を用いることに限定さ
れるものではなく、広い範囲の圧力中で用いることができる。従って、不活性ガ
ス圧力の重要性は少なく、その工程の適用可能性に従って選択され、例えば76
0mmHgに選択する。種々の理由から例えば経済的及び効率的理由から低圧が
好ましい。
【0070】 黒鉛化中間体中への炭素の熱分解付着 黒鉛化中間体(又は被加工物)中への炭素の熱分解付着中、物体を炭化水素(
一種又は多種)のガスに、現行のガス(一種又は多種)の分解温度を越える温度
、例えば天然ガスでは750°〜950℃、アセチレン、メタン、エタン、プロ
パン、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、及びそれらの誘導体を含むガスでは51
0°〜1200℃で露出する。パイロカーボンの付着は中間体を強化し、その中
間体の加工を可能にする。
【0071】 中間体の前溶浸は、炭化水素付着の別法として、中間体の強度を増大し、機械
加工を可能にするために行われる。部分的前溶浸は、例えば、中間体を珪素/珪
素合金と一緒に加熱し、それにより後者を蒸発させるか、又はメチルクロロシラ
ン系のような有機シランを用いた化学蒸着(CVD)法により達成される。その
ような物体の強度は、黒鉛と反応させることができる珪素/珪素合金の量によっ
て制御することができる。
【0072】 中間体又は前溶浸物体中への珪素合金の溶浸は、よく知られた方法により行う
。この溶浸は、例えば、中間体又は前溶浸物体の外側表面上で固体珪素合金を溶
融するか、又は液体珪素合金をそれに供給することにより或は差圧真空溶浸法を
用いるか、又は液体珪素合金中に中間体又は前溶浸物体を浸漬することにより、
成形型の外で行うのが好ましい。蒸気状珪素合金の溶浸により、又は化学的方法
、例えばゾル・ゲル法、化学蒸着法等に類似した技術を用い、その後で高温反応
を行うことにより、部分的又は完全に珪素合金を適用することも可能である。
【0073】 中間体への珪素合金の溶浸は、その溶融物が、Ti、Zr、Hf、V、Nb、
Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Al又は
元素B若しくはGeからなる群からの少なくとも一種の金属を含む珪素合金であ
ることを特徴とする。金属と言う場合、ゲルマニウム(Ge)は今後金属と考え
る。ダイヤモンド含有被加工物の熱処理及び溶浸は、約50バール未満、好まし
くは30バール未満の不活性ガスの圧力で行い、コスト的に最も効果的なのは、
2バール未満の不活性ガス圧力又は真空中で行う。溶浸は溶融物の溶融温度より
高い温度、即ち珪素合金の殆どに対しては1450℃より高い温度、又はAl、
Cu、Ag、Fe、Co、Ni、Mn、又はGeを含有する合金を用いた場合、
1100℃より高い温度で行われる。溶浸温度は1700℃未満、好ましくは1
600℃未満に維持すべきである。
【0074】 言及した合金金属又は硼素又はゲルマニウムを用いて珪素合金を製造すること
ができ、或る合金の液相温度が一層低いことにより利点が得られ、そのことは重
要な利点である。黒鉛化工程は一層よく制御され、これらの珪素合金は1100
〜1700℃の間の温度で中程度の蒸気圧を有する。最後に、選択した合金元素
からの元素が、材料中に付加的相を形成し、それがダイヤモンド複合体に価値の
ある性質を与える。これらの相は、金属炭化物、金属珪化物、珪素との金属合金
、又は三元金属炭珪化物又はそれに対応する硼素の層である。
【0075】 合金元素の含有量が次のような珪素合金を用いた時に良好な結果が得られる:
・ 50重量%未満、好ましくは20重量%未満の、Ti、Zr、又はHfから
の元素。 ・ 20重量%未満、好ましくは10重量%未満の、V、Nb、又はTaからの
元素。 ・ 45重量%未満、好ましくは20重量%未満の、Cr及びReからの元素。 ・ 10重量%未満、好ましくは5重量%未満の、Mo及びWからの元素。 − 60重量%より少なく、好ましくは20重量%より少ない、Mn、Fe、
Co、又はNiからの元素。 ・ 30重量%未満、好ましくは15重量%未満の、Cu及びAgからの元素。 ・ 50重量%未満、好ましくは20重量%未満の、Al及びGeからの元素。 ・ 20重量%未満、好ましくは8重量%未満のBの元素。
【0076】 液体珪素合金の中間体中への溶浸は、最も適当な方法、例えば、中間体の表面
に直接相当する合金を溶融するか、又は例えば相当する溶融物中に中間体を浸漬
するか、又は例えば中間体の表面上に相当する溶融物を注ぐことにより行う。合
金を用いた場合、個々の物質と比較して合金の方が溶融温度が低いこと、中間体
表面の濡れをよくし、粘度を一層低くし、中間体の気孔の全体に一層容易に浸透
させることができることと関連して溶浸工程を簡単に行うことができる。溶浸の
結果として、ダイヤモンド、炭化珪素、及び付加的相からなり、それらの含有量
が合金中に使用した金属の種類によって決定される実質的に非多孔質の材料が生
成する。そのような付加的相は金属珪化物(例えば、NiSi2)及び(又は)
金属炭化物(例えば、TiC及びNbC)及び(又は)金属(例えば、Ag)と
珪素との合金にすることができる。
【0077】 最終的緻密なダイヤモンド複合体中の金属(珪素以外)の含有量は、30重量
%未満、好ましくは20重量%未満である。或る金属については、その含有量は
当然使用珪素合金の組成及び初期被加工物の最大多孔度によって限定される。例
えば、V、Nb、又はTaの群からの金属の場合、材料中のそれらの含有量は1
0重量%未満、好ましくは5重量%未満である。Mo及びWの群からの金属の場
合、材料中のそれらの含有量は5重量%未満である。最後に、金属、Fe、Co
、及びNiの場合、その材料含有量は好ましくは10重量%未満である。
【0078】 珪素合金の溶浸中、非ダイヤモンド炭素と珪素との化学的反応が行われ、炭化
珪素の形成を与える結果になり、最終的物体は、金属−珪素−炭素又は硼素−珪
素−炭素の他の相も含む。これらの金属−珪素−炭素又は硼素−珪素−炭素の相
は、炭化珪素、金属炭化物、炭化硼素、金属珪化物、珪化硼素、金属炭珪化物、
金属と珪素との合金、及び珪素を含有する。これらの相は、製造された物品のマ
トリックスを形成する。
【0079】 最終的物品は、溶浸した物体の最終的付加的処理、機械的又は他の処理を行な
った生成物である。
【0080】 炭素形成についての詳細 物体中の非ダイヤモンド炭素は、次の異なった方法により達成することができ
る: 1. 被加工物のダイヤモンド粒子を熱処理してダイヤモンドの表面層を黒鉛
に転化させることによる黒鉛化。 2. 機械加工する目的で強化物体が必要な場合、熱分解炭素を物体中に付着
させることが有用である。必要な全炭素のパイロカーボン部分は、機械加工操作
に必要な強度によって決定される。 3. 珪素合金溶浸のための熱処理中、付加的炭素化が行われる。 4. 最終的残留熱分解炭素が結合剤を形成する。
【0081】 従って、非ダイヤモンド炭素の全量に影響を与えるものの決定は次のようにし
て行われる: (a) パイロカーボンが必要か否かの確認。 (b) 珪素合金溶浸のための熱処理中に起きる黒鉛化度の確定。 (c) 結合剤からの残留熱分解炭素の量の確定。 (d) 一次黒鉛化により補充される付加的炭素必要量。 パイロカーボンが不必要な場合には、処理工程1及び3を一緒にすることに注
意されたい。
【0082】 このように、本発明の一つの特徴は、時間・温度曲線の形、即ち、温度、保持
時間及び加熱速度、ダイヤモンド粒子の粒径、種類及び品質、及びその中の不純
物、雰囲気及び圧力のような処理及び材料パラメータの同時制御によりダイヤモ
ンド黒鉛化の程度を制御及び変化させることができることである。制御で考慮す
べき点には例えば次のものが含まれる: (1) 珪素、合金元素及び最終的珪化物の相対的体積、又は別法として残留気孔
、炭化珪素、用いた合金元素の他の炭化物、最終物体中のダイヤモンドは、黒鉛
化度に依存し、従って、それは正確な制御の下で行われなければならない。 (2) サブミクロン及び小さなダイヤモンド粒子については、粒子が消える程黒
鉛化が進まないようにすることが重要である。黒鉛化は50重量%未満であり、
6〜30重量%の間にあるのが好ましい。 (3) 小さなダイヤモンド粒子と大きな粒子とが混合される場合、小さな粒子の
粒径は、それら小さな粒子が、そのように希望されるのではない限り、完全に黒
鉛化されないようにし、大きな粒子が充分に黒鉛化されるように注意深く選択し
なければならない。黒鉛化は50重量%未満であり、好ましくは6〜30重量%
の間にあるべきである。 (4) 黒鉛化度を制御する優れた方法は、温度・時間曲線の正しい形を約100
0℃〜約1700℃まで、真空中又は不活性ガス中で、好ましくは2バール以下
の圧力で、ダイヤモンド粒径及び品質の関数として選択することである。 (5) 異なった所望の黒鉛化度に対しては、異なった技術的適用を目的とした材
料に適した異なった形のこれら曲線を選択しなければならない。 (6) 正しい熱処理を選択することにより、非常に低い多孔度、無黒鉛、ダイヤ
モンド、炭化珪素及び用いた合金元素の他の炭化物、金属珪化物、合金元素炭珪
化物、及び最終的珪素の間のよくバランスされた組成を有する最終的物体を得る
ことができる。もし黒鉛化度が低いならば、最終複合体は多量の珪素、最終的金
属珪化物、合金元素炭珪化物を含み、且つ(又は)多孔度を有する。黒鉛化度が
大きい程、最終物体の含む炭水珪素及び他の炭化物は多くなる。
【0083】 一般に温度及び保持時間が増大すると、生成する黒鉛の量が増大する。ダイヤ
モンド粒子の表面からダイヤモンド粒子中への黒鉛化先端進行速度は、結晶学的
方向及び材料不純物及び欠陥によっても決定される。全ての他の条件を同じにし
た場合、結晶化先端進行速度は、大小のダイヤモンド粒子について同じである。
しかし、粒径の差は大小の粒子についての相対的黒鉛化度の差を決定する。小さ
な粒子の方が黒鉛化度は著しく大きく、ダイヤモンドの比表面積に比例する。従
って、提案された方法による材料の製造を制御するためには、熱処理の最適条件
を選択することが重要であり、小さなダイヤモンド粒子を用いた場合には、特に
重要である。
【0084】 小さな粒子の場合、黒鉛化速度は温度に大きく依存するので、約1000℃よ
り高い温度範囲での加熱速度を加速することが非常に重要である。それにより黒
鉛化は減少し(ゆっくり同じ温度まで加熱した場合と比較して)、黒鉛化度は所
望の限界(50重量%以下)を越えることは無い。
【0085】 黒鉛化工程は制御及び実現するのに敏感である。それは、使用する装置及び材
料に適合しなければならない。これらのパラメータの幾つかは、使用する装置及
び材料に適合するように、経験的に確定しなければならない。
【0086】 図2は、或る特定の温度での黒鉛化時間τに対する黒鉛化度αを示している。
図から分かるように、粒子の相対的黒鉛化は、大きな粒子(28/20及び63
/50μm)に比較して、小さなダイヤモンド粒子(5/3、10/7及び14
/10μm)の方が遥かに速くなっている。
【0087】 本発明の黒鉛化法についての利点の一つは、ダイヤモンド表面の改良である。
一般に、ダイヤモンドのコストは品質及び大きさに関連している。殆どのダイヤ
モンド粒子の表面層は欠陥を有することがよく知られている。表面の欠陥及び不
純物は、機械的及び化学的安定性を低下する。高価な高品質のダイヤモンドを依
然として用いなくても、表面欠陥及び不純物を持たないのが望ましい。このこと
は、熱処理によりダイヤモンドの表面層を黒鉛へ意図的に転化することにより達
成される。黒鉛化は表面から出発し、徐々に粒子の中へ深く進行する。更に、ダ
イヤモンド黒鉛化によりダイヤモンド表面のみならず全体の性質も改良される。
ダイヤモンドを加熱すると、その中で拡散工程が始まる。この拡散工程により、
金属及び他の不純物がダイヤモンドの表面へ移動し、炭化珪素及び珪素、又は別
法として炭化珪素、合金元素の他の炭化物、最終的珪化物、合金元素及び珪素の
中に埋められた状態になる。黒鉛化はダイヤモンド表面の欠陥層を転化するので
、全粒子の性質、従って、全複合体材料の改良を与える結果になる。これらの改
良を達成するために、ダイヤモンド粒子を取り巻く黒鉛層は、少なくとも50n
m、好ましくは200nmより厚くあるべきである。黒鉛化は1重量%以上、好
ましくは少なくとも6重量%になるべきである。
【0088】 ダイヤモンド黒鉛化の別の非常に重要な成果は、個々のダイヤモンド粒子を被
覆する形成された炭化物の極めて強い結合を与えることである。ダイヤモンドは
マトリックスに結合し、必要な用途で剥離することはない。
【0089】 黒鉛の無い緻密な点又は緻密に近い物品を与えることになる全製造工程中、或
る必要条件が確立されている: 材料の多孔度は、異なった大きさの気孔、大きな気孔及び小さな気孔からなる
。前成形された被加工物は、熱処理及び珪素溶浸前に、ダイヤモンド粒径及び粒
子分布、存在又は添加された他の材料及び未焼成物体の最終的圧縮により決定さ
れる或る体積%の多孔度及び或る気孔孔径を有する。 ダイヤモンド含有量は、ダイヤモンドの黒鉛化中に形成された黒鉛の量に対応
して減少する。添加したパイロカーボン又は可能な残留結合剤からのものを含め
た物体中の非ダイヤモンド炭素の全量は、他の金属・珪素・炭素又は硼素・珪素
・炭素の相、例えば合金元素の炭化物、合金元素の珪化物、及び最終的他の炭珪
化物に比較して炭化珪素(非ダイヤモンド炭素と珪素との反応で生成したもの)
の最適含有量を有する最終物体を得るためには、制御しなければならない。
【0090】 初期多孔度及び黒鉛化度は、最終物体の性質に影響を与える。60体積%より
大きな被加工物多孔度では、被加工物の強度は、後の処理工程を実現するのには
不充分である。被加工物の多孔度が25体積%より低いと、中間体中へ珪素又は
珪素合金を溶浸するのが困難になり、最終物体がかなり残留気孔を有することに
なる。同じ問題は、黒鉛化度が50重量%より多いか、又は付着パイロカーボン
及び結合剤からの残留炭素の量が25重量%より多い場合に現れる。なぜなら、
限定された小さな孔は充分大きいものではなくなるからである(炭素層が厚過ぎ
るため)。そのような場合には、珪素合金溶浸中、炭化珪素及び合金元素の他の
炭化物又は珪化物の緻密な層が、中間体の表面領域に形成され、それが液体珪素
合金の前記中間体内部への浸透を妨げるからである。
【0091】 異なった種類のパラメータ変化の使用 生成物の最終的性質及び製造コストの両方を制御するため、種々の処理工程中
、変化したパラメータを材料に適用してもよい。その変化は、パラメータの連続
的変化、即ち勾配でもよい。勾配及び(又は)パラメータ変動の種々の組合せを
、全物体又は物体の部分に適用することができる。
【0092】 適用されるパラメータは次の通りである: ・ ダイヤモンド粒径 ・ ダイヤモンド品質 ・ ダイヤモンド結合及びダイヤモンドの種類 ・ 多孔度及び粒径 ・ 金属−珪素−炭素又は硼素−珪素−炭素の相及び珪素の量。
【0093】 これらのパラメータの幾つかは互いに依存する。下に記載する次の例では勾配
及びその組合せを用いることによる最終的性質の制御について示す。
【0094】 ダイヤモンド粒径の変動−異なった粒径のダイヤモンドの組合せ 本発明による材料には、ダイヤモンド粒子の一種類のみならず数種類の粒径の
ものが含まれる。材料に数種類の粒径のダイヤモンドを用いることにより、特別
な特性を与える。大きなダイヤモンド粒子は、良好な研磨性(ここでは研磨、摩
耗、切断、及び他の機械的材料除去性を指す)を有する材料を与える。大きなダ
イヤモンド粒子と小さなものとを均一な混合物として一緒にすることにより、形
成された新しいマトリックスの耐摩耗性が増大することにより、マトリックスに
小さなダイヤモンドの無い材料と比較して、工具の寿命が増大する。小さなダイ
ヤモンド粒子は複合体の強度を補強する。金属−珪素−炭素又は硼素−珪素−炭
素相を有する全マトリックス全体に亙って分布された小さなダイヤモンド粒子は
、ヤング率、熱伝導度、硬度、耐摩耗性等を増大する。
【0095】 ダイヤモンド粒径の変動−ダイヤモンド粒径の勾配 一般に、物体の異なった部分に異なったダイヤモンド粒径又は濃度を有する材
料を、珪素溶浸前に一緒に圧縮して製造する欠点は、層により物理的/機械的性
質に差を生ずることである。これらの差は界面に望ましくない応力状態を生じ、
それによってその複合体を弱くする。
【0096】 本発明の方法により、物体全体に亙り連続的に粒径が変化していくようにダイ
ヤモンド粒子を予め特別に分布させた材料、即ち粒径勾配を持ち、均一に性質が
変化していく材料を製造することができ、それは上で述べた欠点を解消するか又
は大きく減少する。
【0097】 勾配配列を有する複合体を製造する実際的方法は、例えば、型中で三つの異な
った部分を有する物体を形成することである。第一の部分は粒径A、B及びCを
有する粒子の混合物を用いる。第二の部分は粒径A、C及びDを有する粒子から
なる。第三部分は、今度は粒径A、D及びEを有する粒子からなる。粒径Aのダ
イヤモンド粒子は最も小さい。物体全体に亙って小さなダイヤモンド(粒径A)
を有することは、マトリックス、即ち大きなダイヤモンド粒子間の材料の強度を
増大する。型中に入れた後、これらの個々の部分を振動させ、次に最後にそれら
を一緒にプレスする。次にそれら部分を黒鉛化、熱分解炭化、及び珪素合金溶浸
により結合する。物体全体に亙る粒径の滑らかな変化は粒径勾配を持つ材料を生
じ、粒径Aの小さなダイヤモンドはマトリックスを強化する。
【0098】 勾配配列を持つ利点は、材料の所望の部分にダイヤモンド粒径に依存した或る
性質を向上させること、例えば、摩耗に曝される領域中の耐摩耗性を増大するこ
とができることである。更に、小さなダイヤモンドを使用することは、大きなダ
イヤモンドだけを使用する場合よりも経済的である。
【0099】 ダイヤモンド品質の変動 高品質のダイヤモンドは、一般に低品質のダイヤモンドよりも高価である。用
語品質とは、次のパラメータと共に変動するものとして理解される;もし充分結
晶化されているか、又はされていない場合、機械的及び光学的性質、もしそれら
が合成又は天然のものである場合には、含有物及び亀裂(殆ど表面に存在する)
のような欠陥、形等。
【0100】 本発明による材料は、複合体の、使用した時に性能が低くてもよい部分的には
低品質の安いダイヤモンドを用いて製造することができる。高品質のダイヤモン
ドは、限定された領域中の性質及び性能を向上させるために用いる。このように
してダイヤモンドの全コストを低下することが可能である。更に黒鉛化は、低表
面品質のダイヤモンドの表面を改良する。
【0101】 ダイヤモンドの種類及び大きなダイヤモンドの結合の変動 本発明による材料は、研磨、旋盤加工、粉砕のための工具から、複合体と接触
する材料が影響を受けるような目的ではない用途まで、種々の適用分野に用いる
ことができる。
【0102】 本発明により、複合体の性能を夫々の領域に対し最適にすることにより、異な
った適用分野に材料を適合させることができる。ダイヤモンドは、その優れた硬
度により、加工作業の主要部分に対して用いられる複合体の成分であり、従って
この調節は、ダイヤモンドのパラメータ;種類、粒径及び濃度;を変えることに
より行うことができる。
【0103】 鋭い切断エッジを有するよく結晶化された大きな単結晶から、異なったダイヤ
モンド層が互いに重ね合わされたものからなる種類、例えば各層が切断エッジを
有するタマネギ型のものまで、数種のダイヤモンド粒子が存在する。後者の型は
、時々脆いものとして言及されている。これらの二種のものは、かなり異なった
性質を有し、これらの両極端の間には極めて多種類のダイヤモンドが存在する。
【0104】 他の材料として、例えば砥石車に使用する場合、選択されたダイヤモンドの種
類は砥石車の性質に大きな影響を与えることが知られている。しかし、適当なや
り方でそれらの性質を調節するため、ダイヤモンドの結合力を、使用するダイヤ
モンドの種類に適合させる必要がある。既知の砥石車材料では、最適性能に必要
な結合のそのような詳細な調節を行うことは困難である。原理的に、樹脂結合、
金属結合、及びガラス結合の三種類の異なった結合が砥石車に使用されている。
【0105】 本発明による方法により、大きなダイヤモンド(20μmより大)の結合と、
結合用マトリックス(ここでは小さなダイヤモンドを含む)の性質の調節をうま
く行うことができる。マトリックスの適当な硬度は、粒径が20μm未満、好ま
しくは10μm未満の小さなダイヤモンドの濃度(0〜50体積%);炭化珪素
(20〜99体積%)及び他の金属・珪素。炭素又は硼素・珪素・炭素相(1〜
30体積%)を変動させることにより選択することができ、それによってマトリ
ックスの耐摩耗性及びそれに伴う大きなダイヤモンド粒子の結合も選択すること
ができる。
【0106】 マトリックスの組成を変化させることにより、約20〜63GPaの範囲内で
マトリックスの硬度を選択することができ;ダイヤモンドの硬度は約100GP
a、炭化珪素の硬度は約25GPa、珪素合金の溶浸により形成される金属炭化
物の硬度は約15〜25GPa、珪化物の硬度は約8〜13GPa、珪素及び珪
素合金の硬度は10GPaよりかなり低く選択することができる。この種の調節
により、本発明の改良された材料の性能を、種々の用途に対して最適にする。
【0107】 比較的弱い結合を必要とするダイヤモンドの種類に対しては、20〜30GP
aのマトリックス硬度が好ましく、強い結合を必要とするダイヤモンドの種類に
対しては50〜63GPa、中間的結合強度を必要とする種類のダイヤモンド又
は混合物に対しては30〜50GPaの硬度が好ましい。
【0108】 被加工物の多孔度及び気孔孔径の変動−多孔度及び気孔孔径の勾配 本発明の方法により、物体全体に亙って異なった量の多孔度及び種々の気孔孔
径を有する中間体を製造することができる。この方法により、25%〜60%の
範囲の全多孔度、及びダイヤモンド粒子の粒径範囲の気孔孔径を有する被加工物
を製造することができる。
【0109】 気孔構造は、珪素合金を溶浸することができる程度を決定し、その結果中間体
中の非ダイヤモンド炭素の全てを珪素合金と反応させることができる。余りにも
小さな気孔孔径及び余りにも僅かな多孔度、気孔チャンネルの不適切な分布、不
適切な溶浸、余りにも悪い濡れ、珪素合金の余りにも高い粘度等は溶浸を妨げる
結果になる。なぜなら、合金元素から生じた炭化珪素及び他の炭化物が溶融珪素
合金の全物体に亙る材料の一層の浸透を妨げるからである。特に狭い孔は、容易
に詰まり、一層の溶浸を妨げ、中断するので危険である。
【0110】 溶浸のこの問題点は、以前は工学的細部、構造部品、ベアリングのような荷重
付加装置等のような目的に有用な厚い大きな溶浸物体を製造するための制約の一
つになっていた。
【0111】 未焼成物体の表面から中心へ連続的に粒径が減少するようにダイヤモンド粒子
を分布させることにより、気孔孔径勾配を有する物体が製造される。物体の中心
から表面へ気孔孔径が増大する気孔は、表面領域近くの溶浸を妨げる危険を最小
にすることにより、珪素合金を物体の内部へ浸透させ、溶浸を促進することがで
きる。この気孔の構成は、以前よりも大きな物体の製造を可能にしている。更に
、本発明の方法では、ダイヤモンド粒子の周りに制御された量の炭素が気密に配
置され、ダイヤモンドの間には存在せず、このことは適当な気孔構造を生ずる場
合に有利である。
【0112】 実施する時、気孔孔径勾配は、ダイヤモンド粒径勾配と共に、未焼成物体のダ
イヤモンドの充填密度及びダイヤモンド含有量を変動させることにより容易に達
成される。
【0113】 金属・珪素・炭素又は硼素・珪素・炭素相及び珪素の量及び勾配構造の変動 純粋珪素を用いた場合と同様、中間体の溶浸のために珪素合金を用いた場合、
炭化珪素マトリックスが形成され、それはダイヤモンド粒子をしっかりと結合す
る。合金中に存在する合金元素、即ち金属又は硼素は、珪素と共に、又はその代
わりに新しい相の形成を与える。即ち、そのような相は、金属又は硼素の炭化物
、金属又は硼素の珪化物、金属炭珪化物、金属又は金属珪化物の珪素との共融合
金にすることができる。合金元素が、黒鉛化中に形成された炭素と反応すると、
炭化物が形成される。溶融成分との相互作用の結果として珪化物が形成される。
【0114】 珪素溶融物中に用いられた特定の合金元素(一種又は多種)は、形成される相
を決定する。或る元素は炭化物を形成し、或る元素は珪化物を形成する。或る元
素は珪素と共融合金を形成する。合金中の元素の含有量を制御することにより、
最終材料の組成中の炭化物、珪化物及び共融合金の含有量を減少又は増大するこ
とができる。形成された物質の硬度は、次の傾向に従って増大することが知られ
ている:共融合金<珪化物<炭化物。このように、珪素合金の組成を変化させる
ことにより、生成した複合体材料のマトリックス硬度及びその耐摩耗性に影響を
与えることができる。金属又は硼素を含有する珪素合金を用いると、多量の付加
的相を形成する結果になる。これらの付加的相の存在は、屡々微細な粒子構造を
与えることになる。この一層多数の界面は、材料の機械的性質の向上に有用であ
る。
【0115】 そのような場合には破壊靭性が増大することがよく知られている。合金元素の
量及び組合せを注意深く制御することにより、硬度及び靭性の好ましい組合せを
目的用途に応じて達成することができる。
【0116】 ダイヤモンド粒径/気孔孔径の勾配は、最終物体の金属−珪素−炭素又は硼素
−珪素−炭素相の勾配を与える結果になる。
【0117】 中間体の強化を伴った前成形及びほぼ正確な成形法 この方法により、種々の予め定められた大きさ及び形の物体を製造することが
できる。製造された物体は大きくて複雑な形を持つことができ、それをこの節で
例示する。
【0118】 従来既知の方法を用いたことにより、炭素質材料と混合された炭素被覆又は非
被覆ダイヤモンドの未焼成物体の形成は、一時的型の中で行われるか、又は結合
剤の蒸発/分解及び珪素溶浸を行う同じ型中で行われている。この形成のために
は比較的多量の結合剤が必要になり、特に大きなダイヤモンド粒子を用いた場合
にはそうなる。炉の中に入れる場合、各未焼成物体のために型を必要とすること
により製造効率が低下する。型の消費量は多く、型の寿命は熱処理工程での大き
な消耗のため短くなる。例えば、黒鉛型が一般に用いられているが、それらの型
から複合体を取り出す問題もあり、液体珪素溶浸中に幾らかの珪素が黒鉛と反応
し、それによって型から物体を取り出す時に問題を起こす。
【0119】 本発明の実施方法は型を使用することには限定されず、複雑な形の型を製造す
る能力、又は或る従来法の場合のように、型から溶浸物体を取り出す能力には制
約されない。本発明による未焼成物体の形成は、型中でのプレス、テープ及びス
リップ注型、射出成形等の既知の技術により行われる。しかし、本発明の方法で
は、成形工程、熱処理工程、又は溶浸工程中に型を用いることができるが、その
必要はない。熱処理及び溶浸工程は、型を用いずに行うのが好ましい。更に、複
雑な形の大きなバッチ製造の場合、全工程中型を用いることは有利であろう。
【0120】 黒鉛化中、ダイヤモンドは低密度の黒鉛に転化し、従って一層大きな体積を要
する。しかし、本発明の方法は、未焼成物体/被加工物の形成から、後の工程を
通って最終的製品に至るまでの(中間体の意図的加工を除く)全処理工程全体に
亙って一定の形及び大きさを保つことを特徴とする。ダイヤモンド粒子の黒鉛化
は気孔に影響を与え、即ち、中間体の多孔度が変化することが結論される。従っ
て、この方法は全工程を通じて大きさ及び形の一致性を確実に与える。このほぼ
正確な成形法は、無駄のない製造法を与え、予め定められた大きさ及び形の最終
物品を製造することができ、従って最終物品は、最終的仕上げ操作を除き、機械
加工する必要はない。
【0121】 図3は、異なった初期被加工物の多孔度について、[黒鉛化中の中間体多孔度
ε]対[黒鉛化度]の線状変化を例示している。
【0122】 中間体の機械加工又は付加的成形を行うことが望ましくない限り、即ち形に特
別な要求がないならば、炭素を黒鉛化工程から誘導させるのが好ましい。
【0123】 本発明のほぼ正確な成形方法は、広範囲に適用し得る。しかし、そのほぼ正確
な成形法に加えて、中間体の機械加工性が望ましいならば、例えば最終物品が非
常に複雑な形を必要とするならば、パイロカーボン付着、或は珪素又は珪素合金
のその物体への前溶浸が有利である。その付着は堅固な物体を生じ、中間体に優
れた強度を、結合剤を用いなくても与えることができるが、それは黒鉛化された
表面だけを有するダイヤモンド粒子からなる中間体には当て嵌まらない。
【0124】 これは、比較的進歩した方法で中間体を機械加工する、例えば粉砕、旋盤加工
、及び削孔を、それを破壊することなく行うことができるようにしている。これ
により、未焼成物体/被加工物を形成しただけで得られるものと比較して遥かに
一層複雑な形態のものを与えることができる。更に、このことはかなりのコスト
節約を与えることにもなる。なぜなら、最終生成物の機械加工は、硬度及び耐摩
耗性が高いため時間がかかり、困難であるからである。
【0125】 黒鉛化とパイロカーボン工程とから得られた炭素の量の間の最良の関係を選択
するため、必要な付加的機械加工と、所望の性質との分析を行わなければならな
い。約850℃での熱処理で、20/28μmのダイヤモンドを含む未焼成物体
に低圧で全質量の5重量%の量でパイロカーボンを付着するのに約5〜6時間必
要であるのに対し、1550℃では約15重量%のダイヤモンドを黒鉛に転化す
るのに3分必要になるだけである。
【0126】 ダイヤモンド黒鉛化、或はダイヤモンド黒鉛化とパイロカーボン付着又は珪素
又は珪素合金の前溶浸との組合せを使用するか、又は結合剤を使用する本発明の
方法により、大きな形及び非常に複雑な形の物体を製造することができる。中空
物体及び孔及び空洞を有する物体は、熱処理及び珪素溶浸の前に被加工物部品を
結合することにより製造してもよい。例えば、中空の球は、二つの中空半球を接
合することにより製造することができ、中空六角体は、6枚の板を結合すること
により製造することができる等である。この技術は非常に有利である。なぜなら
、最終物体中の高価なダイヤモンド材料及び重量を節約し、異なった工学的目的
に適した中空部品を製造することができるようにしながら、同時に最終材料の更
に一層高価で面倒な機械加工する時間を省くことができるからである。非円状断
面を持つシャフトの形及び大きさに適合する空洞を有する物体も製造することが
できる。このシャフトは最終複合体中に嵌合し、最終的には接着剤と一緒にして
そのシャフトを複合体に接着する。上述のように珪素合金の溶浸を促進する気孔
孔径勾配を用いることにより厚くて大きな物体を製造することもできる。
【0127】 更に、複合物体を製造する場合、型プレスを用いたのでは型を壊すことなく製
造することができないような形に機械加工するための準備としてパイロカーボン
付着を、例えば分割することができる型を用いて行うことができる。
【0128】 幾つかの中間体を、それらの間に珪素層又は珪素合金層を入れて重ねることに
より大きな物体を製造することができることは明らかである。これは、不均質な
混合物、不均質な溶浸、物体の収縮、及び形安定性の問題をもたらすことがある
。従って、本発明の方法が好ましい。
【0129】 最初から意図的黒鉛化及び炭素質材料の付加とを一緒にすることも可能であり
、例えば、最初から多量の結合剤を添加することによって可能であるが、本発明
による方法が好ましい。カーボンブラック及び炭素繊維のような炭素質材料及び
パラフィン及びエポキシ樹脂のような結合剤と一緒にダイヤモンドを混合する試
験も行なった。これらの試験からの結果は、被加工物及び珪素溶浸後の試料は、
亀裂及び割れ目をもち、形の変化も示していた。
【0130】 本発明による方法及び材料の利点 本発明の大きな利点の一つは、被加工物の所望のダイヤモンド黒鉛化を達成す
るために工程パラメータを変化させ、予め定められた所望の形及び大きさを有し
、所望の強度、物理的及び機械的性質を有する多結晶質物体を製造するための最
適条件を与えることができることである。ダイヤモンド複合体を製造するために
炭素被覆又は非被覆ダイヤモンドを、炭素質材料と混合した方法と比較して、黒
鉛化を用い、必要とした場合のパイロカーボン付着又は珪素/珪素合金の前溶浸
を用いた提案する方法は、次のものを含めた幾つかの利点を有する。
【0131】 (1) ダイヤモンド黒鉛化中全てのダイヤモンド粒子の表面に直接黒鉛が形成さ
れ、場合によりパイロカーボンの付着中、直接黒鉛化されたダイヤモンド上に形
成される。従って、炭素は表面と密接に接触している。従って、付着パイロカー
ボンを有する又は持たないダイヤモンドの黒鉛化は、炭素源として炭素質材料中
に物理的に混合することに伴われた種々の問題を回避する。これらの問題には炭
素の不均一な分布、炭素と不完全な反応、添加した粒子の気孔をブロックする凝
集、及び混合材料の異なった粒径、形及び密度による不均質性が含まれる。
【0132】 (2) ダイヤモンドの黒鉛への転移及びパイロカーボンの物体への任意的付着に
よりダイヤモンド表面と炭素層とが気密に接触する。この気密な接触は、ダイヤ
モンド粒子の表面上で直接炭化珪素の形成及び合金元素の他の炭化物の形成が保
証され、従って、大きな接着性を持つダイヤモンド・マトリックス界面を形成し
、即ち、ダイヤモンドがマトリックスにしっかりと結合する。小さなダイヤモン
ドと大きなダイヤモンドの両方の強力な接着により性質が改良される。ダイヤモ
ンドは簡単にはマトリックスから剥離せず、従って種々の用途に用いられる。こ
の材料は極めて耐摩耗性である。
【0133】 (3) 最終的結合剤及び黒鉛化の熱処理は、珪素又は珪素合金溶浸と同じ装置を
用いて(パイロカーボン付着が用いられない場合)達成することができる。従っ
て、これらの処理工程は同じ炉中で順次実現することができ、最終的材料を製造
するための全時間を減少する結果を与える。
【0134】 (4) 黒鉛化は、ダイヤモンド表面上の欠陥層を転化し、粒子の性質の改良、従
って全複合体材料の、例えば熱安定性に関する性質の改良をもたらす。
【0135】 (5) 黒鉛化は、ダイヤモンドの表面から出発して、全物体体積中に速く適切な
炭素形成を与え、直線的に膨張させる。比較的僅かな量のダイヤモンドだけが転
移する。従って、非常に厚く大きな物体を製造する場合、後の溶浸のための気孔
をブロックする危険を与えることなく、物体の一層深い部分にまで炭素を形成す
ることができるので黒鉛化は有利である。
【0136】 (6) この方法は、ほぼ正確な成形方法により、またパイロカーボン付着又は珪
素/珪素合金前溶浸による進歩した方法により中間体を機械加工することができ
ることにより、種々の異なった複雑な形のものを与えることができる。最終物体
の形及び大きさは成形技術に制約されることがなく、それは型の使用及び熱処理
及び溶浸工程中の型の高価な使用を回避することにより、成形技術に制約されな
いコスト的利点を与える。更に、型から物体を取り出す問題は起きない。
【0137】 (7) この方法は、沢山の物体を一つのバッチで製造することができ、炭素、ダ
イヤモンドの黒鉛化を生ずる主たる方法がガスを必要としない速い方法であり、
低圧が用いられることによるコスト的に大きな利点を与える。強い中間体の機械
加工により、最終物体の面倒で高価な機械加工を回避することができる。もし付
加的機械加工が必要ならば、その方法は、ダイヤモンドの黒鉛化を溶浸前の温度
上昇中に行う「一段階法」になる。或る場合には、成形以外に型を用いる必要は
ない。ほぼ正確な成形により最終生成物の仕上げ及び機械加工は不必要であるか
又は極めて僅かであり、そのことは更にコストを低下する。比較的低い値段のダ
イヤモンドを用いることができる。
【0138】 本発明による材料は、いくつかの利点を有する: この方法の融通性は独特である。工程パラメータは、材料に所望の性質を与え
るように変えることができる。この方法を用いて、良好な耐摩耗性を有し、研磨
、粉砕、及び他の機械的除去操作のための性能が改良された材料のみならず、構
造的及び工学的目的から荷重耐久性材料等を製造することができる。
【0139】 本発明の一つの特徴は、提案された材料が、異なった優れた性質を同時に併合
し、そのような性質を種々の目的用途に最高に対応するように適合させることが
できることを特徴としていることである。例えば、E−モジュラス、硬度、強度
、電気伝導度、熱衝撃抵抗、熱伝導度は制御可能な性質である。従って、それは
次のことを達成することができる: (1) 低い密度と組合せて大きなヤング率及び充分な強度。 (2) 優れた耐摩耗性及び腐食摩耗抵抗を与える結果になるダイヤモンドの大き
な硬度及び大きな結合強度。 (3) 真空中1500℃までの温度に露出した後でも機械的性質の維持。
【0140】 小さいダイヤモンド粒子と大きなダイヤモンド粒子とを一緒に混合した場合、
二つのことが機械的性質に影響を与える;ダイヤモンド粒子とマトリックスとの
間の高度の接着及びその中に分布した小さなダイヤモンドによるマトリックスの
大きな耐摩耗性。大きなダイヤモンド粒子は、マトリックスへの結合が不充分で
あるか、又はマトリックスの耐摩耗性が低い場合にはその材料から剥離する。小
さなダイヤモンド粒子はマトリックスを補強し、それに大きな耐摩耗性及び大き
い剛性、強度、及び熱伝導度を与える。これらの全てが材料の研磨性(摩耗、切
断、及び他の機械的材料除去操作)を著しく改良し、増大した熱伝導度がダイヤ
モンド粒子の作動領域中の温度を低下する。最終物体の剛性の増大により高度に
正確な機械加工に必要な複合体工具の寿命を長くする。
【0141】 方法の実施及び材料特性の例 次の異なった種類のダイヤモンドを用いて試料を調製し、それらを試験した:
ACM5/3合成ダイヤモンド粒子(粒径範囲3〜5μm)、ACM10/7合
成ダイヤモンド粒子(粒径範囲7〜10μm)、ACM14/10合成ダイヤモ
ンド粒子(粒径範囲10〜14μm)、ACM28/20合成ダイヤモンド粒子
(粒径範囲20〜28μm)、ACM63/50合成ダイヤモンド粒子(粒径範
囲50〜63μm)、全てウクライナ、キエフ、スーパーハード・マテリアルズ
・インスティテュート(Superhard Materials Institute)からのもの。
【0142】 例A: (1) 型ACM28/20の大きなダイヤモンド粉末及び、ダイヤモンド粉末の
質量の2重量%乾燥樹脂の量で結合剤(フェノールホルムアルデヒド樹脂の25
%アルコール溶液)から混合物を形成した。この混合物を完全に撹拌し、200
μmの網目の大きさを持つ網に通して篩った。
【0143】 (2) 6×5mmの長方形の断面を有する長さ50mmの棒を、室温で45kN
の力で金属型を用いてプレスすることにより成形した。
【0144】 (3) 未焼成物体を型から取り出し、室温で空気中10時間保持し、次に70℃
で1時間乾燥し、150℃で1時間硬化した。生成した被加工物は、98重量%
のダイヤモンド(56体積%)を含み、41体積%の多孔度を持っていた。
【0145】 (4) 真空(圧力0.1mmHg)中で1550℃で試料の熱処理を行なった。
試料番号1は3分加熱し、試料番号2は10分間加熱し、試料番号3は20分間
加熱し、試料番号4は30分間加熱した。
【0146】 (5) 1550℃で中間体の表面で溶融した珪素により溶浸を行なった。
【0147】 一時的結合剤を用い、ダイヤモンド粉末から更に試料5〜7を形成した(5×
6×50mm)。試料番号5はACM10/7のダイヤモンド粉末から製造し、
試料6はACM63/50及びACM14/10のダイヤモンド粉末の混合物か
ら製造し、試料7はダイヤモンド粉末ACM63/50とACM10/7との混
合物から形成した。被加工物を真空中1550℃で熱処理し、次に液体珪素で溶
浸した。
【0148】
【0149】 表から分かるように、E−モジュラスは広い範囲に亙って変動している。試料
6中の小さなダイヤモンドACM14/10を試料7の一層小さなダイヤモンド
ACM10/7に変えることにより、E−モジュラスを一層増大することができ
る。
【0150】 例B: 試料番号1は、ACM10/7のダイヤモンド粉末から製造し、試料番号2は
ACM14/10のダイヤモンド粉末から製造し、試料番号3はACM28/2
0のダイヤモンド粉末から製造し、試料番号4はACM63/50及びACM1
0/7のダイヤモンド粉末混合物から製造した。一時的結合剤を用いてそれらダ
イヤモンド粉末から5×6×50mmの棒を成形した。被加工物を真空中155
0℃で熱処理し、次に液体珪素で溶浸した。ヤング率を測定した。
【0151】
【0152】 例C: 試料1は、ACM14/10のダイヤモンド粉末から製造し、試料2はACM
28/20のダイヤモンド粉末から製造した。試料3はACM63/50及びA
CM10/7のダイヤモンド粉末混合物から製造した。試料4はACM63/5
0及びACM28/20のダイヤモンド粉末混合物から製造した。試料を円板状
(φ=20mm、h=2mm)として製造した。
【0153】
【0154】 表は、材料から製造したままの円板が、例えば構造材料としての用途に充分な
曲げ強度を有することを示している。
【0155】 例D: 試料1はACM5/3のダイヤモンド粉末から製造し、試料番号2はACM1
0/7から製造した。一時的結合剤を用いてそれらダイヤモンド粉末から12×
12×5mmの大きさの棒を形成した。被加工物を真空中1550℃で熱処理し
、次に液体珪素を溶浸した。試験する前に、硬度測定のため標準法により試料を
削り、研磨した。平らな試料が得られたが、それらは完全には研磨されなかった
。なぜなら、その材料は極めて堅かったからである。
【0156】 選択された領域のビッカース硬度をマイクロハードネス(Microhardness)試験
器MXT−α1を用いて測定した。ビッカース硬度計算のための標準的式:Hv
=0.47P/a2(式1)〔式中、Pは荷重であり、aはくぼみ(indent)の対
角線の半分の長さである〕。無作為的領域のヌープ硬度を、インストロン(IN
STRON)8561を用いて測定し、直接次の式により計算した:Hk=P/
S式2)(式中、Pは荷重であり、Sは投影面積である)。ヌープ圧子の設計に
より、長い対角線対短い対角線の比は7:1であった。ここで、くぼみ中の長い
対角線対短い対角線の比は、ほぼ10:1であり、切削工具が大きな弾性率を有
することを示していた。
【0157】
【0158】
【0159】 表から、微細構造のビッカース硬度は測定領域に依存することが結論できる。
ダイヤモンド間の領域のビッカース硬度は30〜40GPaであり、ダイヤモン
ド粒子領域では50〜60GPaであり、即ち、マクロ領域は非常に堅かった。
【0160】 表から分かるように、試料1と試料2のヌープ硬度には或る差があり、夫々3
7〜57及び57〜60GPaである。小さいダイヤモンドは速く黒鉛化され、
試料2よりも試料1の相対的ダイヤモンド含有量を減少している。このことは、
ダイヤモンドの正しい粒径を選択することの重要性を示している。ヌープ硬度測
定値に反映した全材料硬度は、複合体が超硬材料(40GPaより大)のグルー
プに属することを示している。
【0161】
【0162】 例1 次の処理工程を用いて、三つの異なった種類の大きなダイヤモンド粉末の試料
を製造した:ACM10/7を試料1に用い、ACM14/10を試料2のため
に用い、そしてACM63/50を試料3のために用いた:
【0163】 (1) 大きなダイヤモンド粉末及び、ダイヤモンド粉末の質量の2重量%乾燥樹
脂の量で結合剤(フェノールホルムアルデヒド樹脂の25%アルコール溶液)か
ら混合物を形成した。この混合物を完全に撹拌し、200μmの網目の大きさを
持つ網に通して篩った。
【0164】 (2) 直径20mm及び厚さ2mmの円板を、室温で45kNの力で金属型を用
いてプレスすることにより成形した。
【0165】 (3) 未焼成物体を型から取り出し、室温で空気中10時間保持し、次に70℃
で1時間乾燥し、150℃で1時間硬化した。生成した被加工物は、98重量%
のダイヤモンド(51体積%)を含み、48体積%(試料番号1);47体積%
(試料番号2);及び44体積%(試料番号3);の多孔度を持っていた。
【0166】 (4) 真空(圧力0.1mmHg)中で1550℃で試料の熱処理を行なった。
試料は4分間加熱し、ダイヤモンド含有量の減少は、試料番号1については21
%、試料番号2については24%、試料番号3については4%であった。 (5) 中間体の溶浸を、1550℃の温度で、94重量%のSi及び6重量%の
Bを含有する溶融物により行なった。
【0167】 製造した試料の性質を表に与える。
【0168】 図4aは、試料3の研磨した表面の後方散乱SEM写真(350x)を示して
いる。その写真中のダイヤモンド粒子(黒い)の周りの灰色の領域は恐らく殆ど
炭化硼素からなるBに富む領域を例示し、白い領域はSiC相を例示している。
【0169】 例2 例2は例1と同様に行い、同様な型の試料を製造した。その方法の実現された
相違点は中間体を84重量%のSi及び16重量%のTiの合金により1550
℃で溶浸した点にある。製造した試料の性質を表に与える。
【0170】
【0171】 図4bは、試料5の研磨した表面の後方散乱SEM写真(1000x)を示し
ている。黒いダイヤモンド粒子を取り巻く灰色のSiCマトリックス中の白い領
域はTiに富む島である。ダイヤモンド粒子から或る距離にあるTiに富む相の
位置及びSiCとTiに富む相との間の(共融構造に似た)共有構造は、Tiに
富む相が珪化チタン(TiSi2)であることを示唆している。
【0172】 例3 例3は、例1〜2と同様にして行なった。溶浸は、77重量%のSi及び23
重量%のCuにより1450℃で行なった。製造した試料の性質を表に与える。
【0173】
【0174】 図4cは、試料8の研磨した表面の後方散乱SEM写真(250x)を示して
いる。純粋なCuは、黒いダイヤモンド粒子の周りの、暗い灰色のSiCの内側
にある白い領域として見ることができる。Cuは、恐らく、ダイヤモンドに対す
る液体Cuの微細な濡れ性により、ダイヤモンド粒子の周りに蓄積する傾向を示
している。
【0175】 例4 例4は例1〜2と同様に行なった。溶浸は、77重量%のSi及び23重量%
のNiの合金により1450℃で行なった。製造した試料の性質を表に与える。
【0176】
【0177】 図4dは、試料11の研磨した表面の後方散乱SEM写真(250x)を示し
ている。上と殆ど同じ現象が、Niを含有する試料で観察された。黒いダイヤモ
ンド粒子は白いNiに富む相により覆われている。
【0178】 例5:熱安定性E−モジュラスの測定 三つの試料、番号12〜14を、ダイヤモンド粉末ACM63/50(60重
量%)及びACM14/10(40重量%)の混合物から製造した。5×6×5
0mmの大きさの棒を、一時的結合剤を用いてそれらダイヤモンド粉末から形成
した。被加工物を真空中1550℃で熱処理し、次に液体珪素合金により溶浸し
た。試料番号12は珪素−硼素合金で溶浸し、試料番号13は珪素−チタン合金
で溶浸し、試料番号14は珪素−銅合金で溶浸した。
【0179】 取り出したままの棒についてヤング率を測定した。 熱安定性は、試料を真空中で1500℃で15分間加熱した後、室温でE−モ
ジュラスを測定することにより、試料番号12について測定した。熱処理後の試
料の形についても観察した。試料の形は変化せず、亀裂も存在しなかった。
【0180】
【0181】 上の実施例から分かるように、溶浸剤として珪素合金を用いることにより、純
粋珪素を溶浸した材料に比較して機械的性質が改良された材料を製造する可能性
が与えられる。
【0182】 適用分野の例 本発明により製造された複合体材料は、異なった優れた性質の組合せが必要な
用途に対し有利である。
【0183】 上述の諸性質は、提案した材料を、迅速な熱サイクルの下で作動する装置、機
械工学のための耐摩耗性製品(サンドブラスト機械のためのノズル、泥漿ポンプ
のための製品)、装置のための形状安定性支持体等を含めた精密機器製造のよう
な用途に対し価値のあるものにする。例えば、粉砕及び非対象性目的物の旋盤加
工のような衝撃性を持つ操作、及び複合工具が振動に曝される操作では、材料に
対し、靭性に関する一層硬度の要求が与えられている。孔開け操作では、材料の
硬度及び耐摩耗性が重要である。大きなE−モジュラスは、形状の精度を必要と
する用途で機械的安定性を与える。
【0184】 多量の摩擦熱が接触領域で生ずる操作では、複合体工具の熱伝導性が大きいこ
とが重要である。
【0185】 複合体と接触する材料が変化しないことを目的とする用途では、例えば、ベア
リング等として用いられる場合には、粒径勾配をもつ材料が有用である。接触領
域に近い領域は、可能な最大の耐摩耗性を与えるダイヤモンド粒径を有し、その
複合体の残りは、最適機械的性質、強度及び靭性を与える粒径を持つべきである
。他の関連のある用途分野は大きな研磨能力が充分な靭性と一緒になった木材及
び石等の鋸切断及び旋盤加工である。
【0186】 更に他の用途は、複雑な外形の研磨用円板の形仕上げを目的とした単結晶ダイ
ヤモンド仕上げ用工具、ダイヤモンド針、及び工具に代わる仕上げ用エンピツ及
び棒である。ドリル;コンクリート、花崗岩、大理石を加工するための鋸部品;
他の構造材料及び機械加工用工具も製造することができる。
【0187】 本発明により製造された複合体材料は、ダイヤモンド膜成長のための基体とし
て用いるのにも適している。多くの摩耗部品用途のために、複合体材料上にダイ
ヤモンド膜を成長させることができる。膜の厚さは、殆どの摩耗部品用途では、
3μmより大きく、好ましくは10μmより大きい。そのような被覆複合体は、
回転高温鉄又は鋼砥石車のような標準的技術により研磨表面を得ることができる
切断工具及びベアリングで特に有用である。特別に良好な性能は、ダイヤモンド
被覆と、強く耐摩耗性の複合体との組合せである。ダイヤモンド被覆中の局部的
摩耗損傷は、成分の良好な性質の劇的又は破滅的変化を起こすものではない。
【0188】 複合体材料の他の可能な用途は、研磨粒子としての使用である。ダイヤモンド複
合体材料の研磨粒子は、1998年9月3日に出願されたPCT出願No.PC
T/EP98/05579の方法に従って製造される。
【0189】 方法の詳細 ダイヤモンド材料の性質は、次の方法により決定された。 密度は、空気中及び水中での試料質量の決定に基づき、静水圧秤量法により決
定した。見掛けの密度は、[多孔質物体の質量(m1)]対[それが占める、材
料中の全ての気孔体積を含めた空間体積]の比であり、次式により決定した: ρ=m1×ρH2O/(m2−m3) (式中、m2は水で飽和された試料の質量であり、m3は、水の中で秤量したと
き、水で飽和された試料と釣合う重量gであり、ρH2Oは水の密度kg/m3であ
る)。
【0190】 熱伝導度は、熱電対を配置するための異なった高さの径方向の開口を有するφ
=15mm及び高さ=10mmの試料を用いて熱量計で測定した。熱伝導度は、
熱抵抗対熱電対間の距離の比として計算した。熱抵抗は、定常状態で試料を通っ
て熱が流れている時の試料の温度低下として決定された。計算は、装置の対応す
る定数を考慮に入れて行った。確かめられた測定誤差は、±10%であった。
【0191】 二軸曲げ試験は、荷重固定具が基本的に二つの同心環からなる二重環(ring-on
-ring)試験であった。応力場は、主軸方向が径方向と接線方向にある二軸性であ
った。4っの試料の二軸強度(σbiax)は、次の式で計算した: σbiax=3P/4πt2[2(1+ν)ln(rs/r1)+(1−ν)(rs 2-r1 2)/R2] (式中、Pは曲げ荷重(N)であり、tは試料の厚さ(mm)であり、νはポ
アソン比(0.2)であり、rsは支持環の半径(7mm)であり、Rは試料の
半径であり、r1は荷重環の半径(3.13mm)である)。
【0192】 ヤング率は、長さ50mm、断面5×6mmの試料の軸方向に、室温で試料の
長手方向の振動の励起及び共鳴周波数の記録により測定した。ヤング率は、次の
式により計算した: E=(ρ/k4)×(21×f4/4)2 (式中、Eは動的ヤング率、Pa、lは試料の長さ(0.05m)、k4は補
正係数で0.98に等しく、ρは材料の密度、kg/m3、f4は共鳴周波数(H
z)で、これは3rdオーバートーン(over-tone)(通常、500〜600kHz
)に相当する)。
【0193】 製造した材料の微細構造は、JSM−840走査電子顕微鏡で調べた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による方法の好ましい工程についての工程図である。
【図2】 或る特定の温度での、黒鉛化度対黒鉛化時間を示すグラフである。
【図3】 異なった初期被加工物多孔度についての黒鉛化中の被加工物多孔度の変化を示
すグラフである。
【図4a】 異なった珪素合金の溶浸により生成した四つの異なった試料の走査電子顕微鏡
写真を示す。
【図4b】 異なった珪素合金の溶浸により生成した四つの異なった試料の走査電子顕微鏡
写真を示す。
【図4c】 異なった珪素合金の溶浸により生成した四つの異なった試料の走査電子顕微鏡
写真を示す。
【図4d】 異なった珪素合金の溶浸により生成した四つの異なった試料の走査電子顕微鏡
写真を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4G001 BA60 BA62 BA78 BB32 BB60 BC48 BD18 4K020 AA24 AC07 BB22

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンド粒子からダイヤモンド複合体を製造するための
    低圧方法において、予め定められた大きさ及び形を有する被加工物を形成し;前
    記被加工物を加熱し;前記加熱温度及び加熱時間を制御して、ダイヤモンド粒子
    の黒鉛化により或る所望の量の黒鉛を生成させ;それにより中間体を生成し;前
    記中間体に珪素合金を溶浸し;それにより巨視的に見て前記被加工物と同じ予め
    定められた大きさ及び形を有する最終物品を形成する;諸工程を含む、上記製造
    方法。
  2. 【請求項2】 諸工程を、50バール未満、好ましくは30バール未満、一
    層好ましくは2バール未満の圧力で行う、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 黒鉛化により生成した黒鉛の量が、ダイヤモンドの量の1〜
    50重量%、好ましくは6〜30重量%である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 黒鉛化中の加熱温度が、1900℃未満、好ましくは170
    0℃未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 黒鉛化のために必要な加熱温度及び加熱時間は、用いた加熱
    装置について経験的に決定する、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 被加工物を、25〜60体積%の多孔度で形成する、請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 ガス状炭化水素(一種又は多種)の分解温度を越える温度で
    被加工物を該ガス状炭化水素(一種又は多種)に曝すことにより或る量の炭素を
    前記被加工物に付着させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ガス状炭化水素(一種又は多種)の分解温度を越える温度で
    被加工物を該ガス状炭化水素(一種又は多種)に曝す前に、ダイヤモンド結晶の
    少なくとも幾らかの黒鉛化を行う、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 液体珪素合金溶浸工程を行う前に、中間体を最終物品の所望
    の形及び大きさに加工する、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 中間体を蒸気の珪素又は珪素合金の存在下で加熱し;次い
    で最終物品の所望の形及び大きさに加工し;然る後、液体珪素合金溶浸工程を行
    う、請求項1又は2に記載の方法。
  11. 【請求項11】 被加工物は、種々の大きさ及び品質を有するダイヤモンド
    粒子の不均一分布を持つように形成する請求項1〜10のいずれか1項に記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 最終的に結合剤を添加して、種々の大きさのダイヤモンド
    粒子の均一な混合物から被加工物を形成する、請求項1〜10のいずれか1項に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 被加工物中のダイヤモンド粒子は、前記被加工物の表面か
    らその中心に向かって連続的に粒径が減少するように分布させる、請求項1〜1
    0のいずれか1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 二つ以上の被加工物を別々に作り、然る後、熱処理及び浸
    透工程の前に一緒にする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 被加工物の形成を成形型中で行い、前記被加工物を型から
    取り出した後に珪素合金の溶浸を行う、請求項1〜8及び11〜14のいずれか
    1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、M
    n、Re、Co、Ni、Cu、Ag、Al、B及びGeからなる群から選ばれる
    少なくとも一種の元素を含む珪素合金を、中間体に溶浸させる、請求項1〜15
    のいずれか1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 珪素合金が、Ti、Zr及び/又はHfを、50重量%未
    満、好ましくは20重量%未満の含有量で含有する、請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 珪素合金が、V、Nb及び(又は)Taを、20重量%未
    満、好ましくは10重量%未満の含有量で含有する、請求項16記載の方法。
  19. 【請求項19】 珪素合金が、Cr及び(又は)Reを、45重量%未満、
    好ましくは20重量%未満の含有量で含有する、請求項16記載の方法。
  20. 【請求項20】 珪素合金が、Mo及び(又は)Wを、10重量%未満、好
    ましくは5重量%未満の含有量で含有する、請求項16に記載の方法。
  21. 【請求項21】 珪素合金が、Mn、Fe、Co及び(又は)Niを、60
    重量%未満、好ましくは20重量%未満の含有量で含有する、請求項16に記載
    の方法。
  22. 【請求項22】 珪素合金が、Cu及び(又は)Agを、30重量%未満、
    好ましくは15重量%未満の含有量で含有する、請求項16に記載の方法。
  23. 【請求項23】 珪素合金が、Al及び(又は)Geを、50重量%未満、
    好ましくは20重量%未満の含有量で含有する、請求項16に記載の方法。
  24. 【請求項24】 珪素合金が、Bを、20重量%未満、好ましくは8重量%
    未満の含有量で含有する、請求項16に記載の方法。
  25. 【請求項25】 ダイヤモンド粒子が、金属−珪素−炭素、又は硼素−珪素
    −炭素相のマトリックスに結合した物品であって、少なくとも20体積%のダイ
    ヤモンド粒子、少なくとも25体積%の金属−珪素−炭素、又は硼素−珪素−炭
    素相、好ましくは35体積%より多くの金属−珪素−炭素、又は硼素−珪素−炭
    素相を含有し、ヤング率が450GPaを越える物品。
  26. 【請求項26】 少なくとも29体積%のダイヤモンド粒子、少なくとも3
    4体積%の金属−珪素−炭素、又は硼素−珪素−炭素相を含有し、ヤング率が5
    40GPaを越える、請求項25に記載の物品。
  27. 【請求項27】 物品がせいぜい約30μmの粒径を有するダイヤモンド粒
    子を少なくとも46体積%含有し、該物品のヤング率が560GPaを越える、
    請求項25に記載の物品。
  28. 【請求項28】 物品は、少なくとも54体積%のダイヤモンド粒子であっ
    てその少なくとも60%が少なくとも50μmの粒径を有する該ダイヤモンド粒
    子を含有し、600GPaを越えるヤング率を有する、請求項25記載の物品。
  29. 【請求項29】 金属−珪素−炭素又は硼素−珪素−炭素相が、炭化珪素、
    炭化金属、炭化硼素、珪化金属、珪化硼素、炭珪化金属、金属と珪素との合金、
    及び珪素を含有する、請求項25記載の物品。
  30. 【請求項30】 金属が、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo
    、W、Mn、Re、Co、Ni、Cu、Ag、Al、Geからなる群から選ばれ
    る少なくとも一種の金属である請求項25〜29のいずれか1項に記載の物品。
  31. 【請求項31】 金属含有量が30重量%を越えず、好ましくは20重量%
    未満である、請求項25〜30のいずれか1項に記載の物品。
  32. 【請求項32】 金属が、V、Nb、Taからなる群から選択され、金属含
    有量が10重量%未満である、請求項31に記載の物品。
  33. 【請求項33】 金属が、Mo、Wからなる群から選択され、金属含有量が
    5重量%未満である、請求項31に記載の物品。
  34. 【請求項34】 物品がその形及びヤング率を、真空中で1500℃の温度
    に露出した後でも維持する、請求項25〜33のいずれか1項に記載の物品。
  35. 【請求項35】 マトリックス中に約10μm以下の粒径のダイヤモンド粒
    子が埋められて含有され、ダイヤモンド粒子間の領域中で測定されたマトリック
    スのビッカース硬度が、20Nの負荷で30GPaより大きい、請求項25に記
    載の物品。
  36. 【請求項36】 マトリックス中に約10μm以下の粒径のダイヤモンド粒
    子が埋められて含有され、マトリックスのヌープ硬度が、20Nの負荷で30G
    Paより大きい、請求項35に記載の物品。
  37. 【請求項37】 ダイヤモンド粒子が、50μmより大きい粒径粒子群及び
    せいぜい50μmの粒径を有する粒径粒子群を有し、その質量比が0.25〜2
    .5の範囲に入り、平均粒径が10μmより大きく、好ましくは20μmより大
    きい、請求項25に記載の物品。
  38. 【請求項38】 ダイヤモンド粒子が、大きな粒径のダイヤモンド粒子群及
    び小さな粒径のダイヤモンド粒子群を有し、その質量比が0.25〜2.5の範
    囲に入り、平均粒径が10μmより大きく、好ましくは20μmより大きい、請
    求項25に記載の物品。
  39. 【請求項39】 物品が中空体である、請求項25に記載の物品。
  40. 【請求項40】 20μmより大きい粒径を持つ大きなダイヤモンド粒子と
    、マトリックスで、0〜50体積%の20μmより小さい粒径を有する小さなダ
    イヤモンド粒子;20〜99体積%の炭化珪素;及び1〜30体積%の他の金属
    −珪素−炭素又は硼素−珪素−炭素相;からなるマトリックスとからなり、前記
    マトリックスの硬度が20〜63GPaである、請求項25に記載の物品。
  41. 【請求項41】 マトリックス硬度が20〜30GPaである、請求項45
    に記載の物品。
  42. 【請求項42】 マトリックス硬度が50〜63GPaである、請求項45
    に記載の物品。
  43. 【請求項43】 マトリックス硬度が30〜50GPaである、請求項45
    に記載の物品。
  44. 【請求項44】 粒子が、ダイヤモンド粒子、炭化珪素及び珪素からなり、
    前記ダイヤモンド粒子が炭化珪素と珪素とのマトリックス中に存在し、前記粒子
    中のダイヤモンド粒子、炭化珪素及び珪素の平均値含有量が、夫々、20〜70
    、0.1〜75、及び1〜40体積%であることを特徴とする、研磨材粒子。
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