JP2002374685A - 圧電アクチュエータ及びそれを用いたインクジェットヘッド - Google Patents
圧電アクチュエータ及びそれを用いたインクジェットヘッドInfo
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Abstract
ることができる上、その性能を十分に発揮することので
きる圧電アクチュエータ及びそれを用いたインクジェッ
トヘッドを提供すること。 【解決手段】 圧電アクチュエータ20には、個別電極
31、コモン電極32をそれぞれ導通するためにスルー
ホール36,37が設けられている。このスルーホール
の最大径(φ)は20μm≦φ≦200μmであり、ま
た、各圧電シート21〜29に穿設されるスルーホール
36,37は、その積層方向において電極(個別電極3
1、ダミー電極31b、コモン電極32、ダミー電極3
2b)を電気的に接続する。更に、スルーホール36,
37は積層方向に対して千鳥状になるように配設されて
いる。
Description
タ及びそれを用いたインクジェットヘッドに関し、特
に、反りやうねりを抑制して良好な平面性を有すること
ができる圧電アクチュエータ及びそれを用いたインクジ
ェットヘッドに関するものである。
を変位に変換し、変換された変位によって、機械に運動
を発生させる装置である。この圧電アクチュエータは、
各種部品と組み合わされて最終製品に組み込まれる。例
えば、インクジェットプリンタのインクジェットヘッド
にも用いられている。
クジェットヘッドは、特開平4−341851号公報に
記載のように、複数個のノズル及びこの各ノズルごとの
圧力室を備えたキャビティプレートと、前記各圧力室ご
とに形成された平面状の個別電極及び隣接する複数の圧
力室に共通するコモン電極により圧電シートを挟んで積
層したプレート型の圧電アクチュエータとからなる。そ
して、当該圧電アクチュエータにおける各個別電極が、
前記キャビティプレートの各圧力室に対応するように、
圧電アクチュエータと前記キャビティプレートとは積層
される。
ドにおける圧電アクチュエータは、圧電アクチュエータ
におけるコモン電極どうしや個別電極どうしをそれぞれ
積層方向に電気的に接続させる構成として、各電極を設
ける位置に対応して圧電シートの厚さ方向に貫通したス
ルーホールを設けることが提案されている。一般的に
は、このスルーホールは、グリーンシート状態の圧電シ
ートにレーザ光を照射して形成される。圧電シート上に
導電ペーストを用いたスクリーン印刷によって各電極を
印刷形成すると同時に各スルーホールには、スクリーン
印刷によってそれぞれ導電ペーストが充填される。
積層され、焼結工程を経て一体化される。一体化された
焼結体には、分極処理などが施されることにより圧電特
性が付与され、圧電アクチュエータとなる。該圧電アク
チュエータは、キャビティプレートと重ね合わせられて
る(接着される)ことにより、インクジェットヘッドと
して形成される。
ンシート状態の圧電シートに、上記したスルーホールを
形成すると、焼成時の収縮率が局所的に変化する。よっ
て、得られる焼結体(圧電アクチュエータ)にはうねり
や反りが発生する。スルーホールが大きいと、このうね
りや反りが大きくなる、即ち、生産された圧電アクチュ
エータの平面性が低下する。
トヘッドに用いると、圧電アクチュエータとキャビティ
プレートとの接着面に隙間を生じて接着不良となり、イ
ンク漏れやインク吐出の不良を招いてしまうという問題
点があった。
圧電アクチュエータに限らず、一般的に、圧電アクチュ
エータは、他の部品と重ね合わされて(組み合わされ
て)使用される部品である。このため、この圧電アクチ
ュエータの平面性が悪いと、他の部品との接合(接触)
面に不具合が生じ、その性能が十分に発揮されないとい
う問題点があった。
るスルーホール径に比例して大きくなる。即ち、スルー
ホール径を小さくすることが望ましい。一方で、スルー
ホール径を小さくしていくとスルーホールの電気抵抗値
が大きくなり、電圧降下を大きくしてしまうという問題
点があった。
になされたものであり、反りやうねりを抑制して良好な
平面性を有することができる上、その性能を十分に発揮
することのできる圧電アクチュエータ及びそれを用いた
インクジェットヘッドを提供することを目的としてい
る。
に請求項1記載の圧電アクチュエータは、複数の内部個
別電極を備えた第1の圧電シートと内部共通電極を備え
た第2の圧電シートとを交互に積層し、前記各圧電シー
トは、積層方向の前記内部個別電極の端部どうし及び前
記内部共通電極の端部どうしを電気的に導通させるべく
内部に導電材料を有するスルーホールを有しており、そ
のスルーホールは、最大径が略20μm以上で且つ略2
00μm以下となるように形成されている。
よれば、複数の内部個別電極を備えた第1の圧電シート
と内部共通電極を備えた第2の圧電シートとは交互に積
層される。各圧電シートには、最大径が略20μm以上
で且つ略200μm以下となるスルーホールが備えられ
ており、積層された各圧電シートの内部個別電極の端部
どうし及び前記内部共通電極の端部どうしは、該スルー
ホールにより電気的に導通される。
求項1記載の圧電アクチュエータにおいて、前記第1の
圧電シートは、前記内部共通電極の端部と積層方向に対
応する位置に、また前記第2の圧電シートは、前記内部
個別電極の端部と積層方向に対応する位置にそれぞれダ
ミー電極を備え、前記スルーホールは、前記第1及び第
2の圧電シートの前記電極の端部に接続して穿設したス
ルーホールと、前記ダミー電極に接続して穿設したスル
ーホールとからなる。
よれば、請求項1記載の圧電アクチュエータと同様に作
用する上、第1の圧電シートと第2の圧電シートとが交
互に積層されると、各圧電シートの内部共通電極または
内部個別電極の端部に接続して穿設された各スルーホー
ルと、内部共通電極または内部個別電極の端部と積層方
向に対応する位置にそれぞれ備えられたダミー電極に接
続して穿設されたスルーホールとは、各々電気的に導通
される。
求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエータにお
いて、前記スルーホールは、前記第1または第2の圧電
シートの一方の圧電シートに穿設されたスルーホールの
軸中心とその圧電シートに接する他方の圧電シートに穿
設されたスルーホールの軸中心とが異なる位置となるよ
うに、前記各圧電シートにそれぞれ穿設されている。
求項2に記載の圧電アクチュエータにおいて、前記スル
ーホールは、前記圧電シートを積層した状態で、前記第
1または第2の圧電シートの一方の圧電シートに穿設し
たスルーホールの少なくとも一部は、その圧電シートに
接する他方の圧電シートの前記スルーホール外の前記電
極の端部またはダミー電極に接触するように、前記各圧
電シートにそれぞれ穿設されている。
求項1から請求項4のいずれかに記載の圧電アクチュエ
ータにおいて、前記第1の圧電シートに穿設された前記
スルーホールと前記第2の圧電シートに穿設された前記
スルーホールとは、異なる位置にあり、前記第1及び第
2の圧電シートを積層した状態で、前記各スルーホール
の位置関係が積層方向に対して千鳥状となる。
複数個のノズル及びその複数個のノズルごとに圧力室を
有するキャビティプレートに、請求項1から請求項5の
いずれかに記載の圧電アクチュエータを、前記内部個別
電極が前記キャビティプレートの各圧力室ごとに対応す
るように重ねて構成したものである。
によれば、請求項1から請求項5のいずれかに記載の圧
電アクチュエータは、その内部個別電極がキャビティプ
レートの各圧力室ごとに対応するようにキャビティプレ
ートに重ねられる。これによりインクジェットヘッドが
形成される。
ついて、添付図面を参照して説明する。本発明の圧電ア
クチュエータは、圧電シートを積層して形成された圧電
アクチュエータであり、圧電シートに設けられた内部電
極をスルーホールによって導通するように構成したもの
である。また、該圧電アクチュエータは、キャビティプ
レートと重ねられ本発明のインクジェットヘッドを形成
している。
ラーインクジェットプリンタを示す斜視図である。図1
において、このカラーインクジェットプリンタ100
は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のカ
ラーインクがそれぞれ充填されるインクカートリッジ6
1と、用紙62(記録媒体)に印字するためのインクジ
ェットヘッド6を備えるヘッドユニット63と、インク
カートリッジ61およびヘッドユニット63が搭載され
るキャリッジ64と、このキャリッジ64を直線方向に
往復移動させる駆動ユニット65と、キャリッジ64の
往復移動方向に延び、インクジェットヘッド6と対向配
置されるプラテンローラ66と、パージ装置67とを備
えている。
端部に配置されプラテンローラ66と平行に延びるキャ
リッジ軸71と、キャリッジ64の上端部に配置されキ
ャリッジ軸71に平行に延びるガイド板72と、そのキ
ャリッジ軸71とガイド板72との間であって、キャリ
ッジ軸71の両端部に配置される2つのプーリー73お
よび74と、これらのプーリー73および74の間に掛
け渡されキャリッジ64に接合されたエンドレスベルト
75とからなる。
動により正逆回転されると、そのプーリ73の正逆回転
に伴って、エンドレスベルト75に接合されているキャ
リッジ64が、キャリッジ軸71およびガイド板72に
沿って、直線方向に往復移動される。
0の側方に設けられた給紙カセット(図示せず)から給
紙され、インクジェットヘッド6と、プラテンローラ6
6との間に導入されて、インクジェットヘッド6から吐
出されるインクにより所定の印字がなされ、その後、排
紙される。なお、図1においては、用紙62の給紙機構
および排紙機構の図示を省略している。
側方に設けられ、ヘッドユニット63がリセット位置に
ある時に、インクジェットヘッド6に対向するように配
置されている。このパージ装置67は、インクジェット
ヘッド6の後述する複数のノズルを覆うように当該ノズ
ルの開口面に対し当接するパージキャップ81と、ポン
プ82およびカム83と、インク貯留部84とを備えて
いる。パージ装置67は、ヘッドユニット63がリセッ
ト位置にある時に、インクジェットヘッド6のノズルを
パージキャップ81で覆い、インクジェットヘッド6の
内部に溜まる気泡などを含んだ不良インクを、カム83
の駆動によりポンプ82によって吸引する。これによ
り、インクジェットヘッド6の回復が図られるのであ
る。吸引された不良インクは、インク貯留部84に貯め
られる。
ト位置に戻されるキャリッジ64に搭載されたインクジ
ェットヘッド6の複数のノズルを覆うものである。これ
により、インクの乾燥が防止される。
トリッジ61を着脱自在に装着できる搭載部を備えてお
り、該搭載部の一側部位には、各インクカートリッジ6
1のインク放出部に接続できるインク供給通路がヘッド
ユニット63の底板(図示せず)の下面まで連通してい
る。このインク供給通路にはインクジェットヘッド6の
後述するインク供給孔19a、19b(図2参照)と密
接できるようにしたゴム製等のパッキングが配置されて
いる。これにより、4つのインクカートリッジ61に貯
留される各インクは、インク供給通路を経て、インク供
給孔19a、19bからインクジェットヘッド6にそれ
ぞれ供給される。
を示すものである。インクジェットヘッド6は、図2に
示すように、積層型のキャビティプレート10と、プレ
ート型の圧電アクチュエータ20とを重ね合わせたもの
である。
プレート10の長手方向に対して直交する方向に延びる
細幅の複数の圧力室16が千鳥状配列で2列に配設され
ている。この圧力室16には、その一端をキャビティプ
レート10の下面側に開口しインクを吐出するためのノ
ズル(図示せず)が、各圧力室16に連通してそれぞれ
設けられている。インク供給孔19aは、インクカート
リッジ61からのインクを共通インク流路を介して各イ
ンク室16に供給するためのものである。
レート10に対して接着剤または接着シートを介して接
着、積層されている。この圧電アクチュエータ20は、
圧電シート21〜30(図3参照)が積層されて形成さ
れており、上記した圧力室16に個々に圧力を負荷する
ためのものである。最上段の圧電シート21の上面に
は、圧電シートの個別電極31とコモン電極32(図3
参照)とに対応する表面電極33,34が備えられてい
る。この表面電極33,34は、圧電アクチュエータ2
0の上面に重ねて接合されるフレキシブルフラットケー
ブル40と接続される。これにより、カラーインクジェ
ットプリンタ100本体の制御回路と圧電アクチュエー
タ20とは電気的に接続される。なお、圧電アクチュエ
ータ20については、図3、図4において詳細に説明す
る。
0の分解斜視図である。図3に示すように、該圧電アク
チュエータ20は、10枚の圧電シート21,22,2
3,24,25,26,27,28,29,30を積層
した構造に形成されている。各圧電シート21〜30の
内、圧電シート26,28,30は、個別電極(内部個
別電極)31を備えた第1の圧電シートである。また、
圧電シート25,27,29は、第1の圧電シートと交
互に積層され、コモン電極(内部共通電極)32を備え
た第2の圧電シートである。
トを貫通するスルーホール36,37が穿設されてい
る。該スルーホール36,37は、各圧電シート21〜
29において、その一端を電極(個別電極31、コモン
電極32、ダミー電極31b,32b)に接続し、ま
た、重ね合わされる他の圧電シートの電極(個別電極3
1、コモン電極32、ダミー電極31b,32b)に、
他の一端を接する位置に設けられている。尚、スルーホ
ール36は、個別電極31どうしを接続するためのスル
ーホールであり、スルーホール37は、コモン電極32
どうしを接続するためのスルーホールである。
上面には、前記キャビティプレート10に設けられた各
圧力室16(図2参照)に対応する位置に細幅の個別電
極31が各々形成されている。また、後述するコモン電
極32の端部32aと対応する位置に圧電シートの変形
には関与しないダミー電極32bが形成されている。こ
こで、個別電極の端部31aには、スルーホール36が
(個別電極31aに接続して)形成されている。また、
ダミー電極32bには、スルーホール37が(ダミー電
極32bに接続して)形成されている。言い換えれば、
スルーホール36,37の上面側端部周縁には、電極
(個別電極31またはダミー電極32b)が設けられて
いるのである。
複数個の圧力室16に対して共通の電極となる帯状のコ
モン電極32(図3において圧電シート23上に図示の
ものと全く同様のもの)が形成されている。また、上記
個別電極31の端部31aと対応する位置に圧電シート
の変形には関与しないダミー電極31bが形成されてい
る。このコモン電極の端部32aには、(該コモン電極
の端部32aに接続して)スルーホール37が形成され
ている。ダミー電極31bには、(該ダミー電極31b
に接続して)スルーホール36が穿設されている。即
ち、各スルーホール36,37の上面側端部周縁には、
電極(コモン電極32またはダミー電極31b)が設け
られていることとなる。
モン電極32と、個別電極の端部31aに対応するダミ
ー電極31bとが形成されているが、これらの圧電シー
ト22,23,24に圧電動作はさせない。かかる圧電
シート22,23,24は、圧電シート25〜29に対
する拘束層である。つまり、圧電シート25〜29の圧
電動作により生じた歪が、上方向へ向かって伸張するこ
とを規制し、下方向(キャビティプレート10方向)へ
向かわせるための層である。これにより、キャビティプ
レート10の圧力室16に効率的に圧力を負荷すること
ができる。また、他の圧電シート25〜29と同様に、
圧電シート22,23,24のコモン電極の端部32a
にはスルーホール37が穿設され、ダミー電極31bに
は、スルーホール36が穿設されている。
個別電極31の各々に対する表面電極33と、前記コモ
ン電極32に対する表面電極34とが、前記個別電極3
1の配列方向と並行に延びる側縁に沿って2列に設けら
れている。上記したように、この圧電シート21には、
フレキシブルフラットケーブル40が重ねて接合され
る。そして、表面電極33,34によって、圧電アクチ
ュエータ20とフレキシブルフラットケーブル40とは
電気的に接続される。また、上記圧電シート21上面に
2列に形成された各表面電極33,34に接続して、ス
ルーホール36,37がそれぞれが穿設されている。
って、その上面側端部の径(φ)は略20μm以上かつ
略200μm以下となるように構成されている。本実施
例においては、略50μmとなっている。このスルーホ
ール36,37は、圧電シートの上面側から下面側へ向
かってテーパ状となっており、上面側端部の反対面の端
部の径(φ)は、上面側端部の径(φ)の7割程度とな
っている。
ート状態の圧電シートにレーザ光を照射することによっ
て穿設される。このスルーホール36,37が形成され
たグリーンシートのそれぞれに、必要な各電極(個別電
極31、コモン電極32、ダミー電極31b,32b、
表面電極33,34)が導電ペーストを用いてスクリー
ン印刷される。電極のスクリーン印刷では、各スルーホ
ール36,37内にも導電ペーストが侵入し、各スルー
ホール36,37内部に導電性が付与される。その後、
グリーンシートは、積層され、脱脂して焼結され、一体
化される。その後、最上段の圧電シート21の表面電極
33,34にフレキシブルフラットケーブル40を接合
し、そのフレキシブルフラットケーブル40をとおし
て、すべての個別電極31とコモン電極32との間に、
通常のインク噴射動作時よりも高電圧を印加する。これ
により、個別電極31とコモン電極32との間に挟まれ
る圧電シート25〜29の部分を分極処理して圧電性を
付与し、それらの部分を活性層として形成する。この分
極処理は、圧電アクチュエータ20をキャビティプレー
ト10やフレキシブルフラットケーブル40と接合する
前に行うこともできる。
極32どうしや表面電極33,34に挟まれるのみであ
り分極されないため、圧電動作をしない。また、ダミー
電極31b,32bは、個別電極31及びコモン電極3
2と同じ厚みに形成され、後述するように圧電シート2
1〜30を積層したとき、個別電極31及びコモン電極
32のない部分の圧電シートが凹むのを補正すると共
に、スルーホール36,37の導通を良好に行うために
設けられている。
矢印方向の圧電アクチュエータ20の断面図である。図
4から明らかなように、スルーホール36,37の穿設
位置は、圧電シート21,23,25,27,29にお
いて同じ位置であり、また、圧電シート22,24,2
6,28において同じ位置となっている。一方、圧電シ
ート21等に設けられるスルーホール36,37の位置
と、圧電シート22等に設けられたスルーホール36,
37の位置とは異なっている。詳細には、圧電シート2
1,23,25,27,29に設けられるスルーホール
36,37は、圧電シート22,24,26,28に設
けられるスルーホール36,37の穿設位置よりも、圧
電シートの中心から遠い位置(圧電シートの長手方向に
対向する側面側)に配設される。このため、上下に位置
するスルーホール36(スルーホール37)の軸中心は
同じ位置とならない。また、圧電シート21〜30が積
層された状態では、スルーホール36,37は、各層毎
に(積層方向に対して)交互(千鳥状)に位置することと
なる。
取り方を、圧電シート25〜27に設けられ積層方向に
接続される3つのスルーホール36a、スルーホール3
6b、スルーホール36cを用いて説明する。図4の右
側部分に示すように、個別電極31を備えた圧電シート
26のスルーホール36aの上面側端部は、圧電シート
26の個別電極の端部31aに接続されている。一方、
スルーホール36aの下面側端部は、圧電シート27の
ダミー電極31bに接している。この圧電シート27の
ダミー電極31bに接続しているスルーホール36b
は、その下端で圧電シート28の個別電極の端部31a
に接しているので、同様にして積層方向に対応する全て
の個別電極31どうしが、スルーホール−ダミー電極−
スルーホールを介して相互に接続される。
る、圧電シート25のスルーホール36cは、その上面
のダミー電極31bに接続しており、さらに、そのダミ
ー電極31bは、順次各圧電シートのスルーホール36
−ダミー電極31bを介して上面の表面電極33に接続
しているので、個別電極31は、積層方向に対応する表
面電極33に接続されることになる。
モン電極32も上記と同様に、各圧電シートのスルーホ
ール37−ダミー電極32bを介して、相互に接続され
ると共に表面電極34に接続される。
36,37を同軸中心とならぬように配設し、更に、ス
ルーホール周縁に設けられた電極(個別電極31、コモ
ン電極32、ダミー電極31b,32bのいずれか)を
介して、スルーホール36,37の導通を図ると、各圧
電シート21〜29の積層方向の電極どうしが不導通と
なることを防止することができる。つまり、上記したよ
うに、各スルーホール36,37はテーパ状となってい
る。また、スルーホール36,37は、中空であり、こ
の中空部分は導電性を持たない。このため、同軸中心と
なるようにスルーホール36,37を重ね合わせると、
上側に位置する圧電シートのスルーホール36,37の
下面側端部と、重ねられた下側の圧電シートのスルーホ
ール36,37の上面側端部とが接触困難となる。つま
り、接続されるべき(上下に位置する)2のスルーホー
ル36,37において、その接続面となるスルーホール
の端部の大きさ(径)が異なると、一方のスルーホール
の端部が、接続されるべきスルーホールの端部の中空部
分としか接触しないことがある。故に、スルーホール間
に接触しない空隙ができ不導通となるのである。また、
スルーホール36,37がストレートな形状であって
も、スルーホールの径が不均一であると、上記場合と同
様に1のスルーホールが他のスルーホールの導電性のな
い中空部と対向し、不導通になることがある。
り、積層方向の電極どうしを確実に導通させることがで
きる。更に、スルーホール36,37は、千鳥状に配設
されるので、コンパクトな構造でスルーホール36,3
7を形成することができる。言い換えれば、圧電シート
の面状の所定範囲内に集約してスルーホール36,37
を形成することができる。よって、スルーホール36,
37を形成するためのスペースの確保が容易であり、ま
た、各電極(個別電極31、コモン電極32、ダミー電
極31b,32b)の形成に影響を与えない。
ータの性能との相関関係を評価した圧電アクチュエータ
評価表50を示した図である。圧電アクチュエータ評価
表50の左端には、スルーホールの最大径が示される
「スルーホール径」欄51が示されている。「スルーホ
ール径」欄51の右方には、スルーホールの径に対応す
るデータ(電圧降下)が示される「電圧降下」欄52が
表示されている。この「電圧降下」欄52には圧電アク
チュエータ20の電圧降下の程度が「大」または「小」
で示される。
ホール数」欄53が表示されている。「スルーホール
数」欄53は、電圧降下を所定囲内に納めるために必要
となるスルーホール数が示される欄である。この「スル
ーホール数」欄53に表示されるデータは、その左方に
位置する「スルーホール径」欄51に表示されたスルー
ホールの径に対応しており、必要とされるスルーホール
の数が「多」または「少」で示される。
メージを表す「ダメージ」欄54が表示されている。
「ダメージ」欄54に表示されるデータは、その左方に
位置する「スルーホール径」欄51に示されるスルーホ
ール径に対応している。この「ダメージ」欄54には、
スルーホール36,37を穿設することにより焼結体に
与えるうねりや反り即ちダメージを表す欄であり、ダメ
ージが「大」または「小」で表されている。
価」欄55が表示されている。「総合評価」欄55は、
「スルーホール径」欄51に示されるスルーホール径で
作製した圧電アクチュエータ20の性能、即ちインク漏
れやインク吐出性能を「良」、「不良」で表示する欄で
ある。
れば、スルーホールの最大径(φ)が「φ<20μm」
であった場合には、電圧降下が大きく(電圧降下欄52
「大」)、電圧降下を所定範囲内に納めるためにはスル
ーホール数を多く形成することが必要となり(スルーホ
ール数欄53「多」)、圧電アクチュエータのダメージ
が大きくなる(ダメージ欄54「大」)ことが示されて
いる。その結果、圧電アクチュエータの性能が、「不
良」となる(総合評価欄55「不良」)ことが示されて
いる。
>200μm」であった場合には、電圧降下は小さく
(電圧降下欄52「小」)、必要なスルーホール数も少
なくすることができるが(スルーホール数欄53
「少」)、圧電アクチュエータのダメージが大きくなる
(ダメージ欄54「大」)ことが示されている。そし
て、その結果、圧電アクチュエータの性能が、「不良」
となる(総合評価欄55「不良」)ことが示されてい
る。
0μm≦φ≦200μm」とした場合には、電圧降下が
小さく(電圧降下欄52「小」)、必要なスルーホール
数も少ない上に(スルーホール数欄53「少」)、圧電
アクチュエータのダメージを小さくする(ダメージ欄5
4「小」)ことが示されている。その結果、圧電アクチ
ュエータの性能が、「良」となる(総合評価欄55
「良」)ことが示されている。
ュエータ20の平面性を良好に保つことができる。ま
た、圧電シート22〜24は、上記したように圧電シー
ト25〜30に対する拘束層であるが、焼結工程におい
て圧電アクチュエータ20が反ったり、あるいは波打っ
たりしてその平面性が損なわれないようにする機能を有
している。したがって、該圧電アクチュエータ20をキ
ャビティプレート10と重ね合わせても、その接合面が
空隙なく良好に接着されるので、インク漏れなどを生じ
させることがない。さらに、圧電アクチュエータ20の
個別電極31どうし、コモン電極32どうしをそれぞれ
良好に電気的に接続し、優れた電気的特性(圧電特性)
を発揮させることができ、インク吐出性能に優れたイン
クジェットヘッド6を形成することができる。
たが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものでな
く、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察できるものである。
ホール36,37は千鳥状になるように配設されたが、
これに換えて螺旋状になるように配設しても良い。ま
た、スルーホール36,37を電極(個別電極31、コ
モン電極32、ダミー電極31b,32bのいずれか)
を介して接触するように構成したが、各スルーホール3
6,37の端部の一部が重なり合うように(スルーホー
ル36,37どうしが直接接触するように)構成しても
良い。これによれば、更にコンパクトにスルーホール3
6,37を圧電シート内に配設することができ、圧電シ
ート上に印刷される電極の高密度化を図ることができ
る。
れば、第1または第2の圧電シートの積層方向の内部個
別電極の端部どうし及び内部共通電極の端部どうしを電
気的に導通させるべく内部に導電材料を有するスルーホ
ールを、最大径が略20μm以上で且つ略200μm以
下となるように形成する。圧電シートに形成されるスル
ーホールの最大径が大きくなると、圧電アクチュエータ
に大きなうねりや反りを引き起こしてしまう。しかし、
スルーホールの最大径を略200μm以下とすれば、圧
電アクチュエータのうねりや反りを抑制することがで
き、その平面性を良好な範囲に保つことができるという
効果がある。一方、圧電シートに形成されるスルーホー
ルの最大径を小さくしていくことは、圧電アクチュエー
タの電圧降下を大きくしてしまう。しかし、スルーホー
ルの最大径を略20μm以上で形成することにより、こ
の電圧降下を小さく止めることができるという効果があ
る。よって、圧電アクチュエータの性能(電気的特性)
や圧電アクチュエータを使用した各種製品の性能を良好
に発揮させることができる。
ば、請求項1に記載の圧電アクチュエータの奏する効果
に加え、第1の圧電シートおよび第2の圧電シートは、
内部共通電極または内部個別電極の端部と積層方向に対
応する位置にそれぞれダミー電極を備えている。また、
スルーホールは、第1及び第2の圧電シートの内部個別
電極または内部共通電極の端部に接続して穿設したスル
ーホールと、ダミー電極に接続して穿設したスルーホー
ルとからなる。このため、第1の圧電シートと第2の圧
電シートとを交互に積層すると、各圧電シートの内部共
通電極または内部個別電極どうしをスルーホールとダミ
ー電極を介して容易に相互に接続することができる。ま
た、スルーホールが本来の穿設位置から多少ずれていて
も、ダミー電極の面を介して両者を容易に電気的に導通
させることができるという効果がある。
ば、請求項1または請求項2に記載の圧電アクチュエー
タの奏する効果に加え、第1または第2の圧電シートの
一方の圧電シートに穿設されたスルーホールの軸中心
と、その圧電シートに接する他方の圧電シートに穿設さ
れたスルーホールの軸中心とが異なる位置となるよう
に、各圧電シートにそれぞれスルーホールを穿設する。
内部に導電材料を有するスルーホールが中空で、また、
スルーホール径は必ずしも均一でなかったり、テーパ状
であった場合に、接続に係わる2のスルーホールの軸中
心が同じ位置にあると、1のスルーホールが他のスルー
ホールの導電性のない中空部と接続され不導通になりや
すい。しかし、第1または第2の圧電シートの一方の圧
電シートに穿設されたスルーホールの軸中心と、その圧
電シートに接する他方の圧電シートに穿設されたスルー
ホールの軸中心とが異なる位置にあれば、かかる不導通
が生じることを抑制し、スルーホールを良好に電気的に
導通させることができるという効果がある。
ば、請求項2に記載の圧電アクチュエータの奏する効果
に加え、スルーホールは、圧電シートを積層した状態
で、第1または第2の圧電シートの一方の圧電シートに
穿設したスルーホールの少なくとも一部が、その圧電シ
ートに接する他方の圧電シートのスルーホール外の電極
の端部またはダミー電極に接触する。スルーホールは、
電極の端部またはダミー電極に接続して穿設されるの
で、一方の圧電シートに穿設されたスルーホールと、他
方のシートに穿設されたスルーホールとを、電極の端部
またはダミー電極を介して確実に導通させることができ
る。
ば、請求項1から請求項4のいずれかに記載の圧電アク
チュエータの奏する効果に加え、第1の圧電シートに穿
設されたスルーホールと第2の圧電シートに穿設された
スルーホールとは、異なる位置にあり、第1及び第2の
圧電シートを積層した状態で、各スルーホールの位置関
係は積層方向に対して千鳥状となる。よって、第1の圧
電シートに穿設されたスルーホールと第2の圧電シート
に穿設されたスルーホールとが異なる位置にあっても、
密な配置となるようにスルーホールを形成することがで
きるという効果がある。このため、スルーホールを設け
るためのスペースを圧電シート上で容易に確保すること
ができる。
れば、複数個のノズル及びその複数個のノズルごとに圧
力室を有するキャビティプレートに、請求項1から請求
項5のいずれかに記載の圧電アクチュエータを、内部個
別電極がキャビティプレートの各圧力室ごとに対応する
ように重ねて構成する。よって、平面性や性能(電気的
特性)に優れた圧電アクチュエータをキャビティプレー
トに重ねることができる。このため、圧電アクチュエー
タとキャビティプレートとの接合面の接着不良によるイ
ンク漏れを抑制すると共に、優れたインク吐出性能を発
揮させることができるという効果がある。
あるカラーインクジェットプリンタを示す斜視図であ
る。
である。
る。
の相関関係を評価した圧電アクチュエータ評価表50を
示した図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 複数の内部個別電極を備えた第1の圧電
シートと内部共通電極を備えた第2の圧電シートとを交
互に積層した圧電アクチュエータにおいて、 前記各圧電シートは、積層方向の前記内部個別電極の端
部どうし及び前記内部共通電極の端部どうしを電気的に
導通させるべく内部に導電材料を有するスルーホールを
有しており、そのスルーホールは、最大径が略20μm
以上で且つ略200μm以下となるように形成されてい
ることを特徴とする圧電アクチュエータ。 - 【請求項2】 前記第1の圧電シートは、前記内部共通
電極の端部と積層方向に対応する位置に、また前記第2
の圧電シートは、前記内部個別電極の端部と積層方向に
対応する位置にそれぞれダミー電極を備え、前記スルー
ホールは、前記第1及び第2の圧電シートの前記電極の
端部に接続して穿設したスルーホールと、前記ダミー電
極に接続して穿設したスルーホールとからなることを特
徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。 - 【請求項3】 前記スルーホールは、前記第1または第
2の圧電シートの一方の圧電シートに穿設されたスルー
ホールの軸中心とその圧電シートに接する他方の圧電シ
ートに穿設されたスルーホールの軸中心とが異なる位置
となるように、前記各圧電シートにそれぞれ穿設されて
いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
圧電アクチュエータ。 - 【請求項4】 前記スルーホールは、前記圧電シートを
積層した状態で、前記第1または第2の圧電シートの一
方の圧電シートに穿設したスルーホールの少なくとも一
部は、その圧電シートに接する他方の圧電シートの前記
スルーホール外の前記電極の端部またはダミー電極に接
触するように、前記各圧電シートにそれぞれ穿設されて
いることを特徴とする請求項2に記載の圧電アクチュエ
ータ。 - 【請求項5】 前記第1の圧電シートに穿設された前記
スルーホールと前記第2の圧電シートに穿設された前記
スルーホールとは、異なる位置にあり、前記第1及び第
2の圧電シートを積層した状態で、前記各スルーホール
の位置関係が積層方向に対して千鳥状となることを特徴
とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の圧電ア
クチュエータ。 - 【請求項6】 複数個のノズル及びその複数個のノズル
ごとに圧力室を有するキャビティプレートに、請求項1
から請求項5のいずれかに記載の圧電アクチュエータ
を、前記内部個別電極が前記キャビティプレートの各圧
力室ごとに対応するように重ねて構成したことを特徴と
するインクジェットヘッド。
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