JP2002370146A - レンズ保持装置 - Google Patents

レンズ保持装置

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JP2002370146A
JP2002370146A JP2001177335A JP2001177335A JP2002370146A JP 2002370146 A JP2002370146 A JP 2002370146A JP 2001177335 A JP2001177335 A JP 2001177335A JP 2001177335 A JP2001177335 A JP 2001177335A JP 2002370146 A JP2002370146 A JP 2002370146A
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Japan
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lens
grinding
shaft
spectacle lens
guide
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JP2001177335A
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Yoshiyuki Hatano
義行 波田野
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Topcon Corp
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Publication date
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】厚さの薄い眼鏡レンズを一対のレンズ回転軸間
に保持させて研削加工しても、眼鏡レンズの変形を防い
で割れるのを未然に防止できるレンズ研削加工装置のレ
ンズ保持装置を提供すること。 【解決手段】眼鏡レンズMLの屈折面に当接する当接部
を有し、眼鏡レンズMLを保持するためのレンズ保持装
置において、前記当接部は、少なくとも2つに分割さ
れ、独立に傾動可能な接触部材215を備えたことを特
徴とするレンズ保持装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼鏡レンズをレン
ズ回転軸に挟持させて保持し、研削砥石により眼鏡レン
ズを所定の玉型形状に研削加工し、眼鏡フレームに枠入
れするためのレンズ研削加工装置のレンズ保持装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来からレンズ研削装置としては、後端
部を中心に前端部が上下に揺動可能に設けられ且つ左右
方向に移動駆動可能なキャリッジと、左右に延び且つ前
記キャリッジの前端部に保持された一対のレンズ回転軸
と、前記レンズ回転軸を回転駆動するレンズ軸回転駆動
モータと、前記キャリッジの前端部を昇降駆動する昇降
駆動モータと、前記レンズ回転軸の下方に配設された研
削砥石と、前記研削砥石を回転駆動する砥石駆動モータ
を備えるものがある。
【0003】この様なレンズ研削装置では、一対のレン
ズ回転軸間に眼鏡レンズ(未加工で円形の被加工レン
ズ)を保持させ、前記レンズ軸回転モータを眼鏡(メガ
ネ)の玉型形状データ(θi,ρi)の回転角θiに基
づいて回転制御すると共に、前記昇降駆動モータを眼鏡
(メガネ)の玉型形状データ(θi,ρi)の動径ρi
に基づいて駆動制御して、キャリッジの前端部,レンズ
回転軸及び眼鏡レンズを回転角θiに対応させて一体的
に昇降駆動させ、この眼鏡レンズの周縁部を前記研削砥
石で研削加工することにより、回転角θiにおけるレン
ズ回転軸と研削砥石との軸間距離が最終的に(動径ρi
+研削砥石の半径)となるようにしている。
【0004】ところで、この様な一対のレンズ回転軸の
対向端部間に眼鏡レンズを保持させるため、従来は、一
対のレンズ回転軸の対向端部に端面に開口する治具取付
穴及び押さえ部材取付穴をそれぞれ形成している。そし
て、眼鏡レンズの一面に吸着したレンズ吸着治具の基部
を一方のレンズ回転軸の治具取付穴に着脱可能に嵌合
し、他方のレンズ回転軸の押さえ部材取付穴にレンズ押
さえ部材を嵌着すると共に、一対のレンズ回転軸を互い
に接近する方向に移動調整して、レンズ押さえ部材を眼
鏡レンズの他面に圧接させることにより、一対のレンズ
回転軸の対向端部間に眼鏡レンズを保持させるようにし
ている。
【0005】この様なレンズ押さえ部材と吸着盤或いは
吸着治具等からなるレンズ保持装置としては、例えば、
実開平2−110459号公報、実開平3−60319
号公報、特開平8−252754号公報、特開平9−2
25798号公報、特開2001−47347号公報等
に記載されているように、レンズ軸線上にその回転中心
があるレンズ面の傾斜に対応する事が出来る自在レンズ
押さえが考案され、実際に利用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
眼鏡レンズは、素材の高屈折率化、基準カーブのフラッ
ト化等により、レンズ自身の厚さが薄くなり、変形しや
すくなってきた。特に乱視のある眼鏡レンズにおいて
は、その経線方向に変形しやすかった。このため、厚さ
の薄い眼鏡レンズの光学中心とレンズ回転軸の軸線が一
致した状態で、眼鏡レンズをレンズ吸着治具とレンズ押
さえ部材で保持させる場合においても、眼鏡レンズは変
形のしやすさから加工中の負荷により変形または割れる
等の虞があった。
【0007】また、レンズ保持装置では、眼鏡レンズに
レンズ吸着治具を吸着させる際、レンズ吸着治具の中心
を眼鏡レンズの光学中心に合わせるようにしているの
で、レンズ吸着治具の中心が眼鏡レンズの光学中心に一
致していれば、レンズ吸着治具の基部をレンズ回転軸の
レンズ取付穴に嵌着したとき、眼鏡レンズの光軸がレン
ズ回転軸の軸線と一致して傾くことはない。
【0008】しかし、レンズ吸着治具を眼鏡レンズに吸
着させる際、眼鏡レンズの光学中心にレンズ吸着治具の
中心を正確に合わせることが困難であり、レンズ吸着治
具の基部をレンズ回転軸のレンズ取付穴に嵌着したと
き、眼鏡レンズの光軸がレンズ回転軸の軸線に対して多
少傾くことがある。
【0009】そして、この様に眼鏡レンズが傾いた状態
では、レンズ押さえ部材で眼鏡レンズを押さえたとき
に、レンズ押さえ部材が眼鏡レンズを押さえる押さえ力
が偏るため、眼鏡レンズは加工中の負荷により変形また
は割れる等の確率が高いものであった。
【0010】このため、従来は眼鏡レンズの傾きに対応
してその傾斜に対して自在に対応する事が求められてい
た。この要望を満足するため、従来は、眼鏡レンズの傾
きに対応してその傾斜に対して自在に対応する事も考え
られている。
【0011】しかし、この様な対策を取っても、変形し
やすい眼鏡レンズを保持する場合においては、眼鏡レン
ズは変形のしやすさから加工中の負荷により変形または
割れる等の虞があった。
【0012】そこで、本発明では、厚さの薄い眼鏡レン
ズを一対のレンズ回転軸間に保持させて研削加工して
も、眼鏡レンズの変形を防いで割れるのを未然に防止で
きるレンズ研削加工装置のレンズ保持装置(レンズ押さ
え部材)を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1の発明のレンズ保持装置は、眼鏡レンズの
屈折面に当接する当接部を有し、眼鏡レンズを保持する
ためのレンズ保持装置において、前記当接部は、少なく
とも2つに分割され、独立に傾動可能な当接突起を備え
たことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0015】[構成]図1において、1は眼鏡フレーム
Fのレンズ枠形状やその型板或いは玉型モデル等から玉
型形状データであるレンズ形状情報(θi,ρi)を読
み取るフレーム形状測定装置(玉型形状データ測定装
置)、2はフレーム形状測定装置から送信等によって入
力された眼鏡フレームの玉型形状データに基づいて生地
レンズ等から眼鏡レンズMLを研削加工するレンズ研削
加工装置(玉摺機)である。尚、フレーム形状測定装置
1には周知のものを用いることができるので、その詳細
な構成やデータ測定方法等の説明は省略する。
【0016】<レンズ研削加工装置2>レンズ研削加工
装置2の上部には、図1〜図3に示したように、装置本
体3の前側に傾斜する上面(傾斜面)3aが設けられて
いると共に、上面3aの前部側(下部側)に開口する加
工室4が形成されている。この加工室4は、斜め上下に
スライド操作可能に装置本体3に取り付けられたカバー
5で開閉される様になっている。
【0017】また、装置本体3の上面3aには、加工室
4の側方に位置させた操作パネル6と、加工室4の上部
開口より後部側に位置させた操作パネル7と、操作パネ
ル7の下部側より後方に位置し且つ操作パネル6,7に
よる操作状態を表示させる液晶表示器8が設けられてい
る。
【0018】更に、装置本体3内には、図5〜図7に示
すように、加工室4を有する研削加工部10が設けられ
ている。この加工室4は、研削加工部10に固定の周壁
11内に形成されている。
【0019】この周壁11は、図5(a),図7に示し
たように左右の側壁11a,11b、後壁11c、前壁
11d及び底壁11eを有する。しかも、側壁11a,
11bには円弧状のガイドスリット11a1,11b1
が形成されている(図5(a)又は図7のいずれか参
照)。また、底壁11eは、図5(a),図6に示した
ように後壁11cから手前側下方に円弧状に延びる円弧
状底壁(傾斜底壁)11e1と、円弧状底壁11e1の
前下端から前壁11dまで延びる下底壁11e2を有す
る。この下底壁11e2には、円弧状底壁11e1に近
接させて下方の廃液タンク(図示せず)まで延びる排水
管11fが設けられている。
【0020】(カバー5)カバー5は、無色透明又は有
色透明(例えば、グレー等の有色透明)の一枚のガラス
や樹脂製のパネルから構成され、装置本体3の前後にス
ライドする。
【0021】(操作パネル6)操作パネル6は、図4
(A)に示すように、眼鏡レンズMLを後述する一対の
レンズ軸23,24によりクランプするための『クラン
プ』スイッチ6aと、眼鏡レンズMLの右眼用・左眼用
の加工の指定や表示の切換え等を行う『左』スイッチ6
b,『右』スイッチ6cと、砥石を左右方向に移動させ
る『砥石移動』スイッチ6d,6eと、眼鏡レンズML
の仕上加工が不十分である場合や試し摺りする場合の再
仕上又は試し摺り加工するための『再仕上/試』スイッ
チ6fと、レンズ回転モード用の『レンズ回転』スイッ
チ6gと、ストップモード用の『ストップ』スイッチ6
hとを備えている。
【0022】これは、実際のレンズ加工に必要なスイッ
チ群を加工室4に近い位置に配置することで作業者の動
作の負担を軽減するためである。
【0023】(操作パネル7)操作パネル7は、図4
(B)に示すように、液晶表示器8の表示状態を切り換
える『画面』スイッチ7aと、液晶表示器8に表示され
た加工に関する設定等を記憶する『メモリー』スイッチ
7bと、レンズ形状情報(θi,ρi)を取り込むため
の『データ要求』スイッチ7cと、数値補正等に使用さ
れるシーソー式の『−+』スイッチ7d(『−』スイッ
チと『+』スイッチとを別々に設けても良い)と、カー
ソル式ポインタ移動用の『▽』スイッチ7eとを液晶表
示器8の側方に配置している。また、ファンクションキ
ーF1〜F6が液晶表示器8の下方に配列されている。
【0024】このファンクションキーF1〜F6は、眼
鏡レンズMLの加工に関する設定時に使用されるほか、
加工工程で液晶表示器8に表示されたメッセージに対す
る応答・選択用として用いられる。
【0025】各ファンクションキーF1〜F6は、加工
に関する設定時(レイアウト画面)においては、ファン
クションキーF1はレンズ種類入力用、ファンクション
キーF2は加工コース入力用、ファンクションキーF3
はレンズ素材入力用、ファンクションキーF4はフレー
ム種類入力用、ファンクションキーF5は面取り加工種
類入力用、ファンクションキーF6は鏡面加工入力用と
して用いられる。
【0026】ファンクションキーF1で入力されるレン
ズ種類としては、『単焦点』、『眼科処方』、『累
進』、『バイフォーカル』、『キャタラクト』、『ツボ
クリ』等がある。尚、『キャタラクト』とは、眼鏡業界
では一般にプラスレンズで屈折度数が大きいものをい
い、『ツボクリ』とは、マイナスレンズで屈折度数が大
きいものをいう。
【0027】ファンクションキーF2で入力される加工
コースとしては、『オート』、『試し』、『モニタ
ー』、『枠替え』等がある。
【0028】ファンクションキーF3で入力される被加
工レンズの素材としては、『プラスチック』、『ハイイ
ンデックス』、『ガラス』、『ポリカーボネイト』、
『アクリル』等がある。
【0029】ファンクションキーF4で入力される眼鏡
フレームFの種類としては、『メタル』、『セル』、
『オプチル』、『平』、『溝掘り(細)』、『溝掘り
(中)』、『溝掘り(太)』等がある。なお、この各
『溝掘り』とは、ヤゲン加工の一種であるヤゲン溝を示
す。
【0030】ファンクションキーF5で入力される面取
り加工種類としては、『なし』、『小』、『中』、
『大』、『特殊』等がある。
【0031】ファンクションキーF6で入力される鏡面
加工としては、『なし』、『あり』、『面取部鏡面』等
がある。
【0032】尚、上述したファンクションキーF1〜F
6のモードや種別或いは順序は特に限定されるものでは
ない。また、後述する各タブTB1〜TB4の選択とし
て、『レイアウト』、『加工中』、『加工済』、『メニ
ュー』等を選択するためのファンクションキーを設ける
など、キー数も限定されるものではない。
【0033】(液晶表示器8)液晶表示器8は、『レイ
アウト』タブTB1、『加工中』タブTB2、『加工
済』タブTB3、『メニュー』タブTB4によって切り
替えられ、下方にはファンクションキーF1〜F6に対
応したファンクション表示部H1〜H6を有する。尚、
各タブTB1〜TB4の色は独立しており、後述する各
エリアE1〜E4を除いた周囲の背景も各タブTB1〜
TB4の選択切換と同時に各タブTB1〜TB4と同一
の背景色に切り替わる。
【0034】例えば、『レイアウト』タブTB1とその
タブTB1が付された表示画面全体(背景)は青色、
『加工中』タブTB2とそのタブTB2が付された表示
画面全体(背景)は緑色、『加工済』タブTB3とその
タブTB3が付された表示画面全体(背景)は赤色、
『メニュー』タブTB4とそのタブTB4が付された表
示画面全体(背景)は黄色で表示されている。
【0035】このように、作業毎に色分けした各タブT
B1〜TB4と周囲の背景とが同一色で表示されるの
で、作業者は現在どの作業中であるのかを容易に認識又
は確認することができる。
【0036】ファンクション表示部H1〜H6は、必要
に応じたものが適宜表示され、非表示状態の時にはファ
ンクションキーF1〜F6の機能に対応したものとは異
なった図柄や数値、或いは、状態等を表示することがで
きる。また、ファンクションキーF1〜F6を操作して
いる際、例えば、ファンクションキーF1を操作してい
る際には、そのファンクションキーF1をクリックする
毎にモード等の表示が切り替わっても良い。例えば、フ
ァンクションキーF1に対応する各モードの一覧を表示
して(ポップアップ表示)選択操作を向上させることも
可能である。また、ポップアップ表示中の一覧は、文
字、図形又はアイコン等で表わされる。
【0037】『レイアウト』タブTB1、『加工中』タ
ブTB2、『加工済』タブTB3を選択した状態の時に
は、アイコン表示エリアE1、メッセージ表示エリアE
2、数値表示エリアE3、状態表示エリアE4に区画し
た状態で表示される。また、『メニュー』タブTB4を
選択した状態の時には、全体的に一つのメニュー表示エ
リアとして表示される。尚、『レイアウト』タブTB1
を選択している状態の時には、『加工中』タブTB2と
『加工済』タブTB3とを表示せず、レイアウト設定が
終了した時点で表示しても良い。
【0038】尚、上述したような液晶表示器8を用いて
のレイアウト設定は、特願2000−287040号又
は特願2000−290864号と同様であるので、詳
細な説明は省略する。
【0039】<研削加工部10>研削加工部10は、図
7,図8の様に装置本体3に固定のトレイ12と、この
トレイ12上に配置されたベース13と、トレイ12に
固定されたベース駆動モータ14と、トレイ12から立
ち上げられた支持部12a(図8参照)に先端が回転可
能に支持されたベース駆動モータ14の出力軸(図示せ
ず)に連動するネジ軸15とを備えている。また、研削
加工部10は、眼鏡レンズMLの回転駆動系16と、眼
鏡レンズMLの研削系17と、眼鏡レンズMLのコバ厚
測定系(コバ厚測定手段)18を備えている。
【0040】(ベース13)ベース13は、トレイ12
の後縁部に沿って左右に延びる後側支持部13aと、後
側支持部13aの左端部から前側に延びる側方側支持部
13bから略V字状に形成されている。この後側支持部
13aの左右両端部上にはVブロック状の軸支持部13
c,13dが固定され、側方側支持部13bの前端部上
にはVブロック状の軸支持部13eが固定されている。
【0041】また、装置本体3内には、左右に延び、且
つ、前後に平行に並設された一対の平行ガイドバー1
9,20が配設されている。この平行ガイドバー19,
20の左右両端部は装置本体3内の左右の部分に取り付
けられている。しかも、この平行ガイドバー19,20
には、ベース13の側方側支持部13bが軸線方向に沿
って左右に進退動可能に軸支されている。
【0042】また、軸支持部13c,13d上のV溝部
には左右に延びるキャリッジ旋回軸21の両端部が配設
されている。22はキャリッジ旋回軸21に取り付ける
キャリッジである。このキャリッジ22は、左右に間隔
をおいて位置且つ前後に延びる軸取付用のアーム部22
a,22bと、左右に延び且つアーム部22a,22b
の後端部間を連設している連設部22cと、連設部22
cの左右中央部に後方に向けて突設した支持突部22d
から二股形状に形成されている。尚、アーム部22a,
22b及び連設部22cはコ字状になっている。このア
ーム部22a,22b間に加工室4を形成する周壁11
が配置されている。
【0043】そして、このキャリッジ旋回軸21は、支
持突部22dを貫通し且つ支持突部22dに保持されて
いると共に、軸支持部13c,13dに対して回動自在
になっている。これにより、キャリッジ22前端部側は
キャリッジ旋回軸21を中心に上下回動できるようにな
っている。尚、キャリッジ旋回軸21は、軸支持部13
c,13dに固定して、支持突部22dをキャリッジ旋
回軸21に対して回動可能且つ軸線方向に移動不能に保
持させても良い。
【0044】このキャリッジ22には、図5(b),図
13に示した様に眼鏡レンズMLを保持するレンズ保持
装置LHが装着されている。このレンズ保持装置LH
は、一対のレンズ軸23,24と、レンズ吸着治具20
0及びレンズ押さえ治具210を備えている。
【0045】このレンズ軸23,24は、左右に延び且
つ同軸上に直列に配列されている。しかも、レンズ軸2
3は、アーム部22aの先端部を左右に向けて貫通する
と共に、アーム部22aの先端部に軸線回りに回転自在
に且つ軸線方向に移動不能に保持されている。また、レ
ンズ軸24は、アーム部22bの先端部を左右に向けて
貫通すると共に、アーム部22bの先端部に軸線回りに
回転自在に且つ軸線方向に移動調整可能に保持されてい
る。この構造には周知の構造が採用されるので、その詳
細な説明は省略する。この様にして、レンズ軸23,2
4は、同一軸線を有すると共に、直線状に直列に配列さ
れた状態でキャリッジ22に装着されている。
【0046】このレンズ軸23,24は対向する端部
(対向端部)23a,24aを有し、端部23aには端
面に開口する治具取付穴が23bが形成され、端部24
aには端面に開口する治具取付穴24bが形成されてい
る。そして、治具取付穴23bの底面には直線状に延び
る位置決突部23cが形成されている。
【0047】更に、レンズ吸着治具200は、一端面に
直線状の位置決溝201aを有する金属製で柱状の取付
基部201と、取付基部201の他端面に焼き付け固着
又は接着固定されたゴム製の吸着カップ202を有す
る。
【0048】レンズ押さえ治具210は、図13,図1
4,図17に示した金属製で柱状の取付基部211と、
取付基部211の一端面(先端面)中央に突設された支
持突部212と、支持突部212を貫通し且つ支持突部
212に保持された回転軸213と、回転軸213の両
端部に回動自在に保持された回動部材214,214を
有する。この各回動部材214の端面の互いに離れた側
の端部には取付突部214a,214aが形成されてい
る。そして、取付基部211は、レンズ軸24の治具取
付穴24bに嵌着又は螺着されている。
【0049】また、レンズ押さえ治具210の各回動部
材214には眼鏡レンズへの当接部が設けられている。
即ち、この当接部は、2つに分割されて各回動部材21
4の取付突部214a,214aに取り付けられたゴム
製の接触部材(押圧部材,レンズ押さえ部材)215,
215を当接突部(当接突起)として有する。
【0050】この接触部材215,215は、回動部材
214の先端の互いに離れた側の端部上に設けられてい
る。ここで、接触部材215,215間の中心及び回転
軸213の中心線(押さえ部材回動軸線)を含む仮想平
面を想定すると、接触部材(当接突部)215,215
は仮想平面に対して対称に設けられている。また、各回
動部材214の2つで一組の接触部材215,215
は、板状の連設部216で一体に連設されている。
【0051】この様に各回動部材214,214には、
2つで一組の接触部材215,215がそれぞれ設けら
れている。従って、レンズ押さえ治具210は、4つの
接触部材215を当接突部として有する。尚、接触部材
215は弾性体でできているため、この接触部材215
を上述したように4つに分けて設けずに、4つの接触部
材を含む位置まで跨る一つの接触部材(レンズ押さえ
部)を設けて、この一つの接触部材(レンズ押さえ部)
の先端面を一つの接触面(レンズ押さえ面)とすること
もできる。
【0052】また、ベース13にはガイド部13fが一
体に形成されていて、ガイド部13fにはネジ軸(送り
ネジ)15が螺着されている。そして、ベース駆動モー
タ14を作動させて、ベース駆動モータ14でネジ軸1
5を回転駆動することにより、ガイド部13fがネジ軸
15の軸線方向に進退動され、ベース13がガイド部1
3fと一体に移動する様になっている。この際、ベース
13が一対の平行ガイドバー19,20に案内されて軸
線方向に沿って変位する。
【0053】[キャリッジ22]上述した周壁11のガ
イドスリット11a1,11b1は、キャリッジ旋回軸
21を中心に円弧状に形成されている。そして、ガイド
スリット11a1、11b1には、キャリッジ22に保
持させたレンズ軸23,24の互いに対向する端部が挿
通されている。これによりレンズ軸23,24の対向端
部は周壁11で囲まれた加工室4内に突出している。
【0054】また、側壁部11aの内壁面には図5
(a)に示したように円弧状で断面ハット状のガイド板
P1が取り付けられ、側壁部11bの内壁面には図7に
示したように円弧状で断面ハット状のガイド板P2が取
り付けられている。このガイド板P1,P2にはガイド
スリット11a1,11b1に対応して円弧状に延びる
ガイドスリット11a2′,11b2′が形成されてい
る。
【0055】そして、側壁部11aとガイド板P1との
間にはガイドスリット11a1,11a2′を閉成する
カバー板11a2が前後及び上下に移動可能に配設さ
れ、側壁部11bとガイド板P2との間にはガイドスリ
ット11b1,11b2′を閉成するカバー板11b2
が前後及び上下に移動可能に配設されている。また、レ
ンズ軸23,24はカバー板11a2,11b2をそれ
ぞれ摺動自在に貫通している。これによりカバー板11
a2,11b2はレンズ軸23,24にそれぞれ軸線方
向に相対移動可能に取り付けられている。
【0056】しかも、ガイド板P1にはガイドスリット
11a1,11a2′の上下に位置してガイドスリット
11a1,11a2′の上下縁に沿う円弧状のガイドレ
ールGa,Gbが設けられ、ガイド板P2にはガイドス
リット11b1,11b2′の上下に位置してガイドス
リット11b1,11b2′の上下縁に沿う円弧状のガ
イドレールGc,Gdが設けられ、カバー板11a2は
ガイドレールGa,Gbに上下を案内されて円弧状に上
下移動できる様になっており、カバー板11b2はガイ
ドレールGc,Gdに上下を案内されて円弧状に上下移
動できる様になっている。
【0057】そして、キャリッジ22のレンズ軸23が
円弧状のカバー板11a2を摺動自在に貫通して、レン
ズ軸23、側壁部11a1,ガイド板P1及びカバー板
11a2の組み付け性を良くし、キャリッジ22のレン
ズ軸24が円弧状のカバー板11b2を摺動自在に貫通
して、レンズ軸24、側壁部11b1,ガイド板P2及
びカバー板11b2の組み付け性を良くしている。
【0058】また、カバー板11a2とレンズ軸23と
の間はシール部材Saを介してシールされていると共
に、カバー板11a2はレンズ軸23にシール部材S
a,Saを介して保持されている。更に、カバー板11
b2とレンズ軸24との間はシール部材Sbを介してシ
ールされていると共に、カバー板11b2はレンズ軸2
4にシール部材Sb,Sbを介して軸線方向に相対移動
可能に保持されている。これにより、レンズ軸23及び
24がガイドスリット11a1,11a2′及び11b
1,11b2′に沿って上下に円弧状に回動すると、カ
バー板11a2,11b2もレンズ軸23,24と一体
に上下に移動できる。尚、シール部材Saは、カバー板
11a2に保持させるか、周縁部をカバー板11a2と
側壁部11aとの間及びカバー板11a2とガイド板P
1との間に配設するかして、レンズ軸23が軸線方向に
移動したとき、レンズ軸23の軸線方向に移動しないよ
うにしても良い。また、同様にシール部材Sbは、カバ
ー板11b2に保持させるか、周縁部をカバー板11b
2と側壁部11bとの間及びカバー板11b2とガイド
板P2との間に配設するかして、レンズ軸24が軸線方
向に移動したとき、レンズ軸24の軸線方向に移動しな
いようにしても良い。
【0059】なお、側壁部11a1とガイド板P1は円
弧状のカバー板11a2と密着するように接近してお
り、側壁部11b1とガイド板P2は円弧状のカバー板
11b2は密着するように接近している。
【0060】さらに、加工室4の内のガイド板P1,P
2は、後側壁11c及び下底壁11e2の近傍まで延設
して、上下端がフィーラ41の側方及び研削砥石35の
上近傍あたりで切れるようにすることにより、ガイド板
P1,P2の上下端を加工室4内に開放して、研削液が
側壁部11a1,11b1の内面に沿って流れるように
することにより、側壁部11a1とガイド板P1との間
及び側壁部11b1とガイド板P2との間に研削液が溜
まることがないようになっている。
【0061】そして、キャリッジ22がキャリッジ旋回
軸21を中心に上下回動して、レンズ軸23,24がガ
イドスリット11a1,11b1に沿って上下動したと
き、カバー板11a2,11b2もレンズ軸23,24
と一体に上下動して、ガイドスリット11a1,11b
1がカバー板11a2,11b2で常時閉成された状態
となっていて、周壁11内の研削液等が周壁11の外側
に漏れないようになっている。尚、このレンズ軸23,
24の上下動に伴い、眼鏡レンズMLが研削砥石35に
対して接近・離反する。
【0062】尚、眼鏡レンズMLの生地レンズ等のレン
ズ軸23,24への装着時並びに研削加工終了後の離脱
時には、レンズ軸23,24がガイド溝11aの中間位
置に位置するように、キャリッジ22が上下方向の回動
中心に位置させられるようになっている。また、キャリ
ッジ22は、コバ厚測定時及び研削加工時に眼鏡レンズ
MLの研削加工量に応じて上下回動制御されて傾斜させ
られる。
【0063】(レンズ軸23,24の回転駆動系16)
レンズ軸23,24の回転駆動系16は、キャリッジ2
2に図示を省略した固定手段で固定されたレンズ軸駆動
用モータ25と、キャリッジ22に回転自在に保持され
且つレンズ軸駆動用モータ25の出力軸に連動する動力
伝達軸(駆動軸)25aと、動力伝達軸25aの先端に
設けられた駆動ギヤ26と、駆動ギヤ26に噛合し且つ
一方のレンズ軸23に取り付けられた従動ギヤ26aを
有する。図8では、駆動ギヤ26にウオームギヤを用
い、従動ギヤ26aにウオームホイールを用いている。
尚、駆動ギヤ26、従動ギヤ26aにはベベルギヤ(傘
歯車)を用いることができる。
【0064】更に、回転駆動系16は、一方のレンズ軸
23の外端部(レンズ軸24側とは反対側の端部)に固
定されたプーリ27と、キャリッジ22に設けられた動
力伝達機構28と、他方のレンズ軸24の外端部(レン
ズ軸23側とは反対側の端部)に回転自在に保持された
プーリ29とを備えている。このプーリ29は、レンズ
軸24に対して軸線方向に相対移動可能に設けられてい
ると共に、レンズ軸24が軸線方向に移動調整されたと
きに、軸線方向の位置が変化しないようにキャリッジ2
2に設けた図示しない移動規制部材等で移動規制される
ようになっている。
【0065】動力伝達機構28は、伝達プーリ28a,
28bと、伝達プーリ28a,28bが両端部に固定さ
れた伝達軸(動力伝達軸)28cを有する。この伝達軸
28cは、レンズ軸23,24と平行に配設されている
と共に、図示しない軸受でキャリッジ22に回転自在に
保持されている。また、動力伝達機構28は、プーリ2
7と伝達プーリ28aとの間に掛け渡された駆動側ベル
ト28dと、プーリ29と伝達プーリ28bとの間に掛
け渡された従動側ベルト28eとを備えている。
【0066】レンズ軸駆動用モータ25を作動させて動
力伝達軸25aを回転させると、動力伝達軸25aの回
転が駆動ギヤ26及び従動ギヤ26aを介してレンズ軸
23に伝達されて、レンズ軸23及びプーリ27が一体
に回転駆動される。一方、プーリ27の回転は、駆動側
ベルト28d,伝達プーリ28a,伝達軸28c,伝達
プーリ28b及び従動側ベルト28eを介してプーリ2
9に伝達され、プーリ29及びレンズ軸24が一体に回
転駆動される。この際、レンズ軸24及びレンズ軸23
とは同期して一体的に回転する様になっている。
【0067】(研削系17)研削系17は、トレイ12
に固定された砥石駆動モータ30と、砥石駆動モータ3
0の駆動がベルト31を介して伝達される伝達軸32
と、伝達軸32の回転が伝達される砥石軸部33と、砥
石軸部33に固定された研削砥石35を有する。尚、こ
の研削砥石35は、符号を省略した粗研削砥石、ヤゲン
砥石、仕上砥石等を有する。この粗研削砥石、ヤゲン砥
石、仕上砥石は、軸線方向に並設されている。
【0068】また、研削系17は、装置本体3に固定さ
れた回動アーム駆動モータ36と、この出力軸に固定さ
れたウォームギヤ36aと、周壁11に回転自在に保持
された筒軸状のウオーム37と、ウオーム37に一体的
に固着された中空の回動アーム38と、図5(a)中、
回動アーム38の自由端部に一端部が回転自在に保持さ
れ且つこの自由端部から右方に向けて突出する回転軸3
9と、回転軸39に固定された溝掘砥石40とを備えて
いる。
【0069】研削系17は、周壁11に取り付けられ且
つ図示しない出力軸が筒状のウオーム軸39a内に挿通
された駆動モータ39aと、回動アーム38内に配設さ
れて駆動モータ39aの出力軸の回転を回転軸39に伝
達する動力伝達機構を有する。
【0070】溝掘砥石40は、図5(a),図7に示し
たように眼鏡レンズMLの周縁部に面取加工を施す面取
砥石40a,40bと、面取砥石40aに隣接して回転
軸39に取り付けられた溝掘カッター40cを有する。
また、回動アーム38には、図5(a)中、右方に延び
円弧状カバー38aが取り付けられている。この円弧状
カバー38aは、面取砥石40a,40b及び溝掘カッ
ター40cの下方を覆っている。
【0071】(研削液供給構造)上述した様に、加工室
4を形成する周壁11の底壁11eは円弧状壁11e1
及び下底壁11e2を有する。この円弧状壁11e1
は、キャリッジ旋回軸21を中心として円弧状に形成さ
れている。
【0072】また、上述したように周壁11は、後壁1
1c及び前壁11dを有する。そして、後壁11cの下
端部の左右方向中央には前方に向けて開口する研削液吐
出ノズル60Aが研削液供給手段として取り付けられ、
前壁11dには後方に向けて突出する研削液吐出ノズル
61Aが研削液供給手段として取り付けられている。
尚、研削液吐出ノズル60Aは、後壁11cの幅方向全
体から研削液を吐出するように幅広に設けることができ
る。この場合には、円弧状底壁11e1のいずれの場所
に研削屑等が飛散してきても、この研削屑を研削液によ
り下方に洗い流して、研削屑が円弧状底壁11e1に付
着するのを防止できる。
【0073】研削液吐出ノズル61Aには、研削砥石3
5の研削面35aの上部及びレンズ軸23,24側の部
分を覆うように研削液62を吐出して供給する第1の研
削液吐出口(第1の研削液供給手段)63と、研削砥石
35の研削面35aに対して法線方向から研削液64を
供給する第2の研削液吐出口(第2の研削液供給手段)
65が一体に設けられている。この研削液吐出口63,
65は研削液供給通路61aから分岐している。
【0074】尚、研削液62は、研削液吐出口63から
後方に向けて円弧状に吐出されると共に、レンズ軸2
3,24より僅かに下方を通過して下方に流下する。こ
こで、研削砥石35の回転中心Oを通る鉛直線を36と
し、鉛直線36と研削面35aとの交点を通る接線を3
7とすると、研削液62は、略接線37と同方向、即ち
矢印68で示したように研削液吐出口63から後方に且
つ接線67と平行な方向に向けて吐出される。
【0075】更に、研削液吐出口65の左右方向の幅
は、研削砥石35の左右方向幅と略同じか、研削砥石3
5の左右方向の幅より幅広に形成されている。これによ
り、研削砥石35の研削面(周面)35aに充分な研削
液を供給できる。
【0076】また、研削液吐出口63の左右方向の幅は
研削液吐出口65の左右方向の幅より幅広に形成されて
いる。しかも、研削液吐出口63の左右両端部は研削液
吐出口65の左右方向両端部より更に突出している。
【0077】この様に研削液吐出口63の左右方向の幅
を研削液吐出口65の左右方向の幅より幅広に形成する
と共に、研削液62を研削面35aと僅かな間隔をおい
て吐出させることにより、研削液吐出口63から吐出さ
れる研削液62が研削面35aと間隔をおいて研削面3
5aのレンズ研削部(レンズ加工点)69側をカーテン
状に覆うことができる。
【0078】ところで、この様な構成においては、研削
液64を研削液吐出口65から研削面35aに法線方向
から給水(供給)することにより、レンズ加工点(レン
ズ研削部69)に対して研削液64を十分に給水可能と
なる。この方法の問題は、研削面35aに給水された研
削液が研削砥石35の回転によって上方や後方に飛ばさ
れ、これにより研削液が研削室4の上方や後方に飛散し
てリークし(漏れ)たり、後壁11cやレンズ軸23,
24等を汚したりすることである。
【0079】しかし、研削液62は、研削液吐出口63
から略接線方向で且つ後方に向けて吐出され、研削砥石
35の研削面35aの上部及びレンズ加工点(レンズ研
削部69)をカーテン状にカバーする。この際、カーテ
ン状の研削液62の幅は、研削液吐出口65から吐出さ
れる研削液64の幅より広く形成されているので、研削
液吐出口65から吐出される研削液64が研削砥石35
の回転により後方に向けて飛散するのが防止される。こ
れにより研削液が研削室4の上方や後方に飛散してリー
クし(漏れ)たり、後壁11cやレンズ軸23,24等
を汚したりすることが防止される。
【0080】尚、接線方向給水、即ち研削液吐出口63
から略接線方向で且つ後方に向けて吐出される研削液6
2は、研削砥石35の研削面35aに直接接触しない程
度離すことで、研削液62の接線方向給水による水跳ね
防止と、研削液64の法線方向給水による水跳ね防止効
果をより大きくできる。
【0081】また、研削液62,64をそれぞれ研削砥
石35の接線方向に及び研削砥石35の法線方向の二方
向に供給するので、研削砥石35の研削面35a及び眼
鏡レンズMLに研削液をまんべんなく供給することがで
きる。さらに、一つの研削液供給ノズル(研削液供給装
置)61に研削砥石35の接線方向及び法線方向の2つ
の方向に研削液を供給する吐出口63,65を設けたの
で、研削液供給ノズル(研削液供給装置)61及び研削
装置全体を小型化、コンパクト化することができる。 <圧力調整機構45>キャリッジ22のキャリッジ旋回
軸21の近傍には、眼鏡レンズMLの研削砥石35への
圧接量を調整する圧力調整機構45が設けられている。
【0082】圧力調整機構45は、図10に示すよう
に、ネジ46によってキャリッジ22に固定されるブラ
ケット47と、ブラケット47に固定された移動子変位
用モータ48と、移動子変位用モータ48の図示しない
出力軸に連動するネジ軸48aと、ネジ軸48aに螺着
された移動子50を有する(図9参照)。しかも、ネジ
軸48aの先端部はブラケット47に回転自在に保持さ
れ、移動子50はネジ軸48aと平行なガイドレール4
9で軸線方向に案内される様になっている。
【0083】更に、圧力調整機構45は、ベース13に
回転可能に保持された3つのプーリ51,52,53
と、移動子50とスプリング54とに両端が保持された
引っ張り紐55を有する。この引っ張り紐55は、スプ
リング54の引っ張り力によってガイドレール49と略
直交する方向から移動子50を引っ張るようにプーリ5
1,52,53に方向転換されている。尚、スプリング
54の他端はベース13に固定されている。
【0084】圧力調整機構45は、移動子50のガイド
レール49上の位置によってキャリッジ旋回軸21から
の距離が可変し、その位置に応じてスプリング54の引
っ張り力によるキャリッジ22の先端側における付勢
力、即ち、レンズ軸23,24に挟持された眼鏡レンズ
MLの研削砥石35への付勢圧力が変化することを利用
したものである。尚、ネジ軸48aとガイドレール49
とはレンズ軸23とキャリッジ旋回軸21とに略直交す
る。
【0085】従って、眼鏡レンズMLの研削砥石35へ
の接触状態を、その加圧方向からのずれ、眼鏡レンズM
Lの形状の変化による接触面積の違い、レンズ度数によ
るコバ幅違い等の加工条件の変化に応じて移動子50の
ガイドレール49上の位置を変位させることで、スプリ
ング54の引っ張り力が略同一であるにもかかわらず、
単位面積当たりの接触力を調整することができる。
【0086】尚、上述したように、キャリッジ22が眼
鏡レンズMLの研削加工量に応じて中間位置から傾斜し
ていることから、その傾斜側に圧力調整機構45が位置
することは勿論である。また、キャリッジ22が傾斜し
ている状態にあることから、移動子50を単なる重りと
し、プーリ51,52,53、スプリング54、引っ張
り紐55を廃止しても、キャリッジ22の先端側での付
勢力に相当する作用力を変化させることが可能であるこ
とから、移動子50のガイドレール49上の位置に応じ
て眼鏡レンズMLの研削砥石35への当接圧力を調整す
ることも可能である。 <軸間距離調整手段43>ところで、図9に示すよう
に、レンズ軸23,24と砥石軸部33との間は軸間距
離調整手段(軸間距離調整機構)43によって調整され
る様になっている。
【0087】軸間距離調整手段43は、図9に示したよ
うに軸線が砥石軸部33と同一軸線上に位置する回転軸
34を有する。この回転軸34は図8の支持突部13e
のV溝上に回転自在に支持される。
【0088】また、軸間距離調整手段43は、回転軸3
4に保持させたベース盤56と、ベース盤56に取り付
けられ且つ上面から斜め上方に延びる一対の平行なガイ
ドレール57,57と、ガイドレール57と平行且つ回
動可能にベース盤56に設けられたスクリュー軸(送り
ネジ)58と、ベース盤56の下面に設けられてスクリ
ュー軸58を回転させるパルスモータ59と、スクリュ
ー軸58が螺着され且つガイドレール57,57に上下
動自在に保持された受台60(図7では他の部分の図示
の便宜上図示省略)を有する。
【0089】更に、軸間距離調整手段43は、受台60
の上方に配設され且つガイドレール57,57に上下動
自在に保持されたレンズ軸ホルダー61と、ガイドレー
ル57,57の上端を保持し且つスクリュー軸58の上
端部を回転自在に保持する補強部材62を備えている。
このレンズ軸ホルダー61は、キャリッジ22の自重と
圧力調整機構45のスプリング54のバネ力により、常
時下方に回動付勢されて受台60に押し付けられるよう
になっている。また、この受台60にはレンズ軸ホルダ
ー61が当接したのを検出するセンサSが取り付けられ
ている。
【0090】そして、パルスモータ59を正転又は逆転
させてスクリュー軸58を正転又は逆転させることによ
り、受台60がスクリュー軸58によりガイドレール5
7,57に沿って上昇又は降下させられると、レンズ軸
ホルダー61は受台60と一体に上昇又は降下させられ
る。これによりキャリッジ22がキャリッジ旋回軸21
を中心にして回動する。 <コバ厚測定系18>レンズ形状測定装置としてのコバ
厚測定系(レンズコバ厚測定装置)18は、図5
(a),図7に示したように、加工室4の後縁上部に配
設された測定子41と、レンズ軸23,24と平行に設
けられ且つ一端が測定子41と一体に設けられた測定軸
42aと、側壁11bの後縁側上部に近接させて加工室
4の外側に配設された測定部(測定子移動量検出部)4
2を有する。この測定軸42aは側壁11bを貫通して
加工室4の内外に突出している。 (測定子41)測定子41は、図5(a),図7,図1
3〜図18,図23,図24に示したように、フィーラ
ー保持部材100を有すると共に、一対のフィーラー1
01,102を有する。フィーラー保持部材100は、
左右に延びる連設部100aと、連設部100aの左右
両端部に同方向に向けて突設した平行な対向片100
b,10cを有する。また、フィーラー101,102
は、円柱状に形成されていると共に、対向片100b,
100cの先端部に対向して取り付けられている。しか
も、測定子101,102の先端部には、連設部100
aに傾斜して臨む傾斜面101a,102aが形成され
ている。これにより、測定子101,102の先端には
図15に示したように円弧状の接触縁101b,102
bが形成されている。更に、測定子101,102の接
触縁101b,102bの先端101b1,102b1
は対向片100b,100cの先端100b1,100
c1と面一に設けられている。
【0091】また、フィーラ保持部材100は、図7に
示したように側壁11bを貫通して左右に延びる測定軸
42aに取り付けられている。この測定軸42aは、側
壁11bの外側に配設された測定部42に左右に移動可
能に保持されている。そして、この測定部42は、測定
軸42aを介してフィーラ保持部材100の左右への移
動量を検出するようになっている。
【0092】(制御回路)上述の操作パネル6,7(即
ち、操作パネル6,7の各スイッチ)は、図11(a)
に示したように、CPUを有する演算制御回路(演算制
御手段)80に接続されている。また、この演算制御回
路80には、記憶手段としてのROM81、記憶手段と
してのデータメモリ82、RAM83が接続されている
と共に、補正値メモリ84が接続されている。
【0093】更に、演算制御回路80には、表示用ドラ
イバ85を介して液晶表示器8が接続されていると共
に、パルスモータドライバ(パルスモータ駆動回路)8
6が接続されている。このパルスモータドライバ86
は、演算制御回路80により作動制御されて、研削加工
部10の各種駆動モータ、即ち、ベース駆動モータ1
4,レンズ軸駆動用モータ25,回動アーム駆動モータ
36,移動子変位用モータ48及びパルスモータ59等
を作動制御(駆動制御)するようになっている。尚、ベ
ース駆動モータ14,レンズ軸駆動用モータ25,回動
アーム駆動モータ36,移動子変位用モータ48等には
パルスモータが用いられる。
【0094】更に、演算制御回路80には、モータドラ
イバ(モータ駆動回路)86aを介して砥石駆動モータ
30が接続され、モータドライバ(モータ駆動回路)8
6bを介して砥石駆動モータ39aが接続されていると
共に、研削液供給ポンプ(研削液供給手段)Pが接続さ
れている。この研削液供給ポンプPは、作動時に図示し
ない廃液タンクから濾過された研削液を研削液供給ノズ
ル60A,61Aに供給するようになっている。
【0095】更に、演算制御回路80には、通信ポート
88を介して図1のフレーム形状測定装置1が接続さ
れ、フレーム形状測定装置(玉型形状測定装置)1から
のフレーム形状データ,レンズ形状データ等の玉型形状
データが入力されるようになっている。
【0096】しかも、演算制御回路80には、測定部4
2からの移動量検出信号が入力される様になっている。
【0097】この演算制御回路80は、ベース駆動モー
タ14の駆動パルスやフレーム形状測定装置1からの玉
型形状データ(θi,ρi)に基づいて作動制御される
レンズ軸駆動用モータ25,パルスモータ59等の駆動
パルスと、測定部42からの移動量検出信号等から、玉
型形状データ(θi,ρi)における眼鏡レンズMLの
前側屈折面(図7中、眼鏡レンズの左側の面)の座標位
置と後側屈折面(図7中、眼鏡レンズの右側の面)の座
標位置をそれぞれ求めて、この求めた玉型形状データ
(θi,ρi)における眼鏡レンズMLの前側屈折面の
座標位置と後側屈折面の座標位置からコバ厚Wiを演算
により求めるようになっている。
【0098】そして、演算制御回路80は、加工制御開
始後に、フレーム形状測定装置1からのデータ読み込み
や、データメモリ82の記憶領域m1〜m8に記憶され
たデータの読み込みがある場合には、図12に示すよう
に、時分割による加工制御とデータの読み込みやレイア
ウト設定の制御を行う様になっている。
【0099】即ち、時間t1,t2間の期間をT1、時
間t2,t3間の期間をT2、時間t3,t4間の期間
をT3、・・・、時間tn−1,tn間の期間をTnと
すると、期間T1,T3…Tnの間で囲う制御が行わ
れ、データの読み込みやレイアウト設定の制御を期間T
2,T4…Tn−1の間に行う。従って、被加工レンズ
の研削加工中に、次の複数の玉型形状データの読み込み
記憶や、データの読み出しとレイアウト設定(調整)等
を行うことができ、データ処理の作業効率を格段に向上
させることができるようになっている。
【0100】また、上述のROM81にはレンズ研削加
工装置2の動作制御のための種々のプログラムが記憶さ
れ、データメモリ82には複数のデータ記憶領域が設け
られている。また、RAM83には、現在加工中の加工
データを記憶する加工データ記憶領域83a、新たなデ
ータを記憶する新データ記憶領域83b、フレームデー
タや加工済みデータ等を記憶するデータ記憶領域83c
が設けられている。
【0101】尚、データメモリ82には、読み書き可能
なFEEPROM(フラッシュEEPROM)を用いる
こともできるし、メインの電源がオフされても内容が消
えないようにしたバックアップ電源使用のRAMを用い
ることもできる。 [作用]次に、この様な構成の演算制御回路80を有する
レンズ研削加工装置の作用を説明する。 (i)レンズ保持装置LHによる眼鏡レンズの保持 眼鏡レンズMLをレンズ軸23,24間で保持するに
は、レンズ軸24をレンズ軸23に対して離反する方向
に移動させて、レンズ軸23,24の対後端の間隔を広
げる一方、レンズ吸着治具200の吸着カップ202を
眼鏡レンズMLに一面(前側屈折面)に吸着保持させ
る。ここで、前側屈折面は眼鏡レンズの突出している側
の面を言い、後側屈折面は眼鏡レンズの凹面側を言う。
【0102】そして、このレンズ吸着治具200の取付
基部201をレンズ軸23の端部23aの治具取付穴2
3bに嵌合すると共に、治具取付穴23bの底面の位置
決突部23cを取付基部201の位置決溝201aに嵌
合させる。この際、眼鏡レンズMLの光軸とレンズ軸2
3,24の軸線が一致しない場合には、眼鏡レンズML
が傾斜した状態でレンズ軸23に取り付けられる。尚、
眼鏡レンズMLが乱視用のものである場合には、眼鏡レ
ンズMLの他面(後側屈折面)に円柱軸のためのカーブ
がある。この場合、乱視用の眼鏡レンズでの同心円上で
の変化を見ると正弦曲線(サインカーブ)を描いてい
る。
【0103】また、レンズ押さえ治具210の取付基部
211は、レンズ軸24の治具取付穴24bに予め嵌着
又は螺着されている。
【0104】この状態で、レンズ軸24をレンズ軸23
側に移動させて、レンズ軸24の端部に取り付けたレン
ズ押さえ治具210を眼鏡レンズMLに向けて進出さ
せ、レンズ押さえ治具210の4つの接触部材215,
215を眼鏡レンズMLの他面(後側屈折面)に当接さ
せる。この際、眼鏡レンズMLがレンズ軸23,24に
対して傾斜している場合や、眼鏡レンズMLが乱視用で
ある場合等においては、4つの接触部材215がレンズ
軸23,24と平行な方向において当接する位置がずれ
ることになる。しかし、4つの接触部材215が眼鏡レ
ンズMLの他面に当接する際に、レンズ押さえ治具21
0の回動部材214,214がそれぞれ回転軸213を
中心に回動して、各回動部材214の接触部材215,
215が眼鏡レンズMLの他面(後側屈折面)に均等な
圧力で当接させられる。この後、さらにレンズ軸24を
レンズ軸23側に移動させて、眼鏡レンズMLの他面を
4つの接触部材215で押さえつけることにより、眼鏡
レンズMLをレンズ軸23,24間に保持(挟持)させ
ることができる。この状態でも、4つの接触部材215
は眼鏡レンズMLの他面を均等な圧力で押さえ付けるこ
とになる。 (ii)レンズ形状データの読み込み スタート待機状態からメイン電源がオンされると、演算
制御回路80はフレーム形状測定装置1からデータ読み
込みがあるか否かを判断する。
【0105】即ち、演算制御回路80は、操作パネル6
の『データ要求』スイッチ7cが押されたか否かが判断
される。そして、『データ要求』スイッチ7cが押され
てデータ要求があれば、フレーム形状測定装置1からレ
ンズ形状情報(θi,ρi)のデータをRAM83のデ
ータ読み込み領域83bに読み込む。この読み込まれた
データは、データメモリ82の記憶領域m1〜m8のい
ずれかに記憶(記録)されると共に、レイアウト画面が
液晶表示器8に表示される。 (iii)加工データの算出 次に、演算制御回路80は、測定部42を作動制御し
て、フィーラー101を眼鏡レンズ(被加工レンズ)M
Lの前側屈折面に当接(接触)させると共に、玉型形状
データ(θi,ρi)に基づいてレンズ軸駆動用モータ
25及びパルスモータ59を作動制御することにより、
フィーラー101と眼鏡レンズMLの前側屈折面とを玉
型形状データ(θi,ρi)に基づいて相対的に接触移
動させる。この際、フィーラー101は前側屈折面の湾
曲に従って左右に移動させられ、この左右への移動量が
測定軸42aを介して測定部42により測定される。こ
の測定部42からの測定信号は演算制御回路80に入力
され、演算制御回路80は測定部42からの測定信号に
基づいて玉型形状データ(θi,ρi)における眼鏡レ
ンズMLの前側屈折面の座標位置を求める。
【0106】同様に演算制御回路80は、測定部42を
作動制御して、フィーラー102を眼鏡レンズ(被加工
レンズ)MLの前側屈折面に当接(接触)させると共
に、玉型形状データ(θi,ρi)に基づいてレンズ軸
駆動用モータ25及びパルスモータ59を作動制御する
ことにより、フィーラー102と眼鏡レンズMLの後側
屈折面とを玉型形状データ(θi,ρi)に基づいて相
対的に接触移動させる。この際、フィーラー101は後
側屈折面の湾曲に従って左右に移動させられ、この左右
への移動量が測定軸42aを介して測定部42により測
定される。この測定部42からの測定信号は演算制御回
路80に入力され、演算制御回路80は測定部42から
の測定信号に基づいて玉型形状データ(θi,ρi)に
おける眼鏡レンズMLの後側屈折面の座標位置を求め
る。
【0107】この様な前側屈折面の座標位置や後側屈折
面の座標位置を求めるより具体的な方法は、特願200
1−30279号に開示のものが採用できるので、その
詳細な説明は省略する。
【0108】そして、この求めた玉型形状データ(θ
i,ρi)における眼鏡レンズMLの前側屈折面の座標
位置と後側屈折面の座標位置からコバ厚Wiを演算によ
り求める。
【0109】この後、演算制御回路80は、眼鏡レンズ
の処方箋に基づく瞳孔間距離PDやフレーム幾何学中心
間距離FPD等のデータ、上寄せ量等から、レンズ形状
データ(θi,ρi)に対応する眼鏡レンズMLの加工
データ(θi′,ρi′)を求めて、加工データ記憶領
域83aに記憶させる。 (iV)研削加工 この後、演算制御回路80は、モータドライバ56aに
より砥石駆動モータ30を作動制御して、研削砥石35
を図6中、時計回り方向に回転駆動制御する。この研削
砥石35は、上述したように粗研削砥石(平砥石),ヤ
ゲン砥石,仕上砥石等を有する。
【0110】一方、演算制御回路80は、加工データ記
憶領域83aに記憶させた加工データ(θi′,ρ
i′)に基づいて、パルスモータドライバ86を介して
レンズ軸駆動モータ25を駆動制御し、レンズ回転軸2
3,24及び眼鏡レンズMLを図6中反時計回り方向に
回転制御する。
【0111】この際、演算制御回路80は、加工データ
記憶領域83aに記憶させた加工データ(θi′,ρ
i′)に基づいて、まずi=0の位置でパルスモータド
ライバ86を作動制御することによりパルスモータ59
を駆動制御して、スクリュー軸58を逆転させ、受台6
0を所定量ずつ降下させる。この受台60の降下に伴
い、レンズ軸ホルダー61がキャリッジ22の自重及び
加工圧調整機構45のスプリング54のバネ力で受台6
0と一体に降下する。
【0112】この降下に伴って未加工で円形の眼鏡レン
ズMLが研削砥石35の研削面35aにキャリッジ22
の自重及び加工圧調整機構45のスプリング54のバネ
力で当接した後は、受台60のみが降下させられる。こ
の降下により受台60がレンズ軸ホルダー61から下方
に離反すると、この離反したことがセンサSにより検出
され、このセンサSからの検出信号が演算制御回路80
に入力される。この演算制御回路80は、センサSから
の検出信号を受けた後、更にパルスモータ59を駆動制
御して、受台60を所定量だけ微小に降下させる。
【0113】これにより、加工データ(θi′,ρ
i′)のi=0において、研削砥石35が眼鏡レンズM
Lを所定量研削する。この研削に伴いレンズ軸ホルダー
61が降下して受台60に当接すると、センサSがこれ
を検出して検出信号を出力し、この検出信号が演算制御
回路80に入力される。
【0114】この演算制御回路80は、この検出信号を
受けると、加工データ(θi′,ρi′)のi=1にお
いて、i=0におけるようにして、眼鏡レンズMLを研
削砥石35により研削加工させる。そして、演算制御回
路80は、この様な制御をi=n(360°)行って、
加工データ(θi′,ρi′)の角度θi′毎に動径ρ
i′となるように眼鏡レンズMLの周縁を研削砥石35
の符号を省略した粗研削砥石により研削加工する。
【0115】この様な研削加工に際して、4つの接触部
材215は眼鏡レンズMLの後面を均等な圧力で押さえ
付けているので、この押さえつけによる偏った大きな内
部応力は眼鏡レンズML内に生じていない。このため、
眼鏡レンズMLの周縁には研削砥石35に押し付けられ
る圧力と、研削砥石35の回転研削による研削圧力が作
用して、眼鏡レンズMLの内部に応力が作用するが、こ
の応力が4つの接触部材215による眼鏡レンズMLの
押さえ付け力による偏った大きな応力にプラスされて眼
鏡レンズMLが破壊される様な事態が生じるのを確実に
防止できる。
【0116】この様な研削に際して、演算制御回路80
は、研削液供給用のポンプPを作動させて、研削液吐出
ノズル61Aの第1の研削液吐出口(第1の研削液供給
手段)63から研削液62を吐出させると共に、研削液
吐出ノズル61Aの第2の研削液吐出口(第2の研削液
供給手段)65から研削液64を吐出させる。
【0117】この際、研削液64は、研削砥石35の研
削面35aに対して法線方向から供給される。そして、
この研削液65は、研削砥石35の回転に伴いレンズ研
削部69側に充分に流れて、レンズ研削部69を充分に
冷却した後、研削屑と共に下底壁11e2上に流下した
後、排水管11fから図示しない廃液タンク内に流下し
て捕集される。
【0118】一方、演算制御回路80は、研削液供給用
のポンプPを作動させて、研削液71を研削液吐出ノズ
ル60Aから円弧状底壁11e1の中央上に左右に広が
るように扇状に吐出させ、円弧状底壁11e1の左右方
向中央上端部から下方に向けて左右に広がるように流下
させる。これにより、研削屑70及び研削液62は、一
部が円弧状底壁11e1の下部側に飛散しても、流下す
る研削液71により下方に洗い落とされて、排水管11
fから図示しない廃液タンク内に流下して捕集される。 (その他)尚、乱視用の眼鏡レンズでの同心円上での変
化を見ると正弦曲線(サインカーブ)を描いているの
で、接触部材(当接突部)215を4箇所とすると、隣
り合う2箇所の接触部材215,215の組み合わせが
逆方向に同様な傾きで傾いて眼鏡レンズに接触する事に
なり、眼鏡レンズの4点を均等に押さえることが容易と
なる。また、眼鏡レンズのコバ厚が薄いため、レンズ強
度が弱くなっているので、乱視用の眼鏡レンズでは変形
が大きいことが問題となっている。しかしながら、本実
施例によるレンズ押さえ治具210を用いることによ
り、眼鏡レンズの乱視による形状変化、傾きなどの諸条
件があっても、眼鏡レンズが4つの各接触部材215で
受けるクランプ圧を一定にし、眼鏡レンズの変形を防ぐ
ことができる。尚、接触部材215を4つ設けて、4つ
の接触部材215を眼鏡レンズの屈折面の4箇所に当接
するようにしているが、これに限定されず、接触部材2
15は4箇所以上に設けても可能であるし2箇所に設け
て良い。 [変形例1]以上説明した実施例では、回動部材214,
214を回転軸(支持軸)213にそれぞれ回動自在に
保持させて、回動部材214,214が個別に一つの回
転軸213のまわりに回動するようにした例を示した
が、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0119】例えば、図19に示したように、取付基部
211の先端面に180°間隔を置いて対向する一対の
支持突部230,230を突設する一方、回転軸213
と一体に設けられ且つ回転軸213と直交する回転軸2
31を設けて、回転軸213,231を十字状に形成す
ると共に、回転軸231の両端部を一対の支持突部23
0,230に回動自在に保持させ、回転軸213の両端
部に上述した回動部材214,214を図18に示した
ように回動自在に取り付けた構成としても良い。
【0120】この場合には、4つの接触部材215が眼
鏡レンズMLの他面に当接する際に、レンズ押さえ治具
210の回動部材214,214が回転軸230を中心
に回動すると共に回転軸213を中心にそれぞれ回動し
て、各回動部材214の接触部材215,215が眼鏡
レンズMLの他面(後側屈折面)により確実に均等な圧
力で当接させられる。従って、眼鏡レンズMLの研削加
工時に眼鏡レンズMLが押さえ部材としての接触部材2
15による押圧力と研削加工圧力等により破壊されるの
を確実に防止できる。 [変形例2]以上説明した実施例において、ガイド板P
1,P2及びカバー板11a2,11b2は、図20〜
図16に示したようなセクター状のガイド板P1′,P
2′及び円弧状のカバー板300,300に代えること
もできる。
【0121】この場合、側壁11a,11bには上方に
開放するセクター状の切欠301,301がそれぞれ形
成され、この各切欠301を覆うようにセクター状のガ
イド板P1′,P2′がそれぞれ配設されている。この
ガイド板P1′,P2′は構成が同じであり、カバー板
300,300も構成が同じである。
【0122】このガイド板P1′,P2′は、図20,
図22に示したように複数のビスBで着脱可能に側壁1
1a、11bの内壁面にそれぞれ取り付けられている。
このガイド板P1′(及びP2′)には、図20(b)
に示したように側壁11a,11b側に突出するガイド
突部G1′,G2′が設けられている。
【0123】このガイド突部G1′は、図21,図22
に示したように、ガイド板P1′(又はP2′)の上縁
に沿って両端まで円弧状に延びている。また、ガイド突
部G2′は、ガイド板P1′(又はP2′)の下縁中央
部に切円柱状に突設したもので、上面が小円形状のガイ
ド面となっている。
【0124】また、このガイド板P1′(及びP2′)
には、ガイド突部G1′の両端部に接するように配設さ
れ且つ周面が鏡面加工された金属製で円柱状のガイドピ
ン302,302が着脱可能に螺着されている。
【0125】また、303,303はガイド板P1′,
P2′に設けられたガイドスリットである。このガイド
スリット303,303は発明の実施の形態1に示した
ガイドスリット11a2′,11b2′と同じである。
【0126】また、カバー板300には、上下に細長く
延びる軸挿通孔304が形成されていると共に、下縁部
中央に位置させて小円形状のガイド突部305が形成さ
れている。
【0127】そして、カバー板300は、ガイド突部G
1′,G2′間に位置すると共に、側壁11aとガイド
板P1′(及び側壁11bとガイド板P2′)との間に
介装されている。しかも、図21,図23に示したよう
に、カバー板300の円弧状の上面はガイドピン30
2,302に当接させられ、カバー板300のガイド突
部305,305はガイド突部G2′の上面に当接して
いる。また、側壁11a(及び11b)とカバー板30
0(300)の間にはシール部材S(s)が介装されて
いる。尚、レンズ軸23(24)は、シール部材S,軸
挿通孔304及びガイドスリット304を摺動自在に貫
通している。
【0128】次に、この様な構成の作用を説明する。
【0129】この様な構成においては、レンズ軸23,
24が円弧状のガイドスリット304,304に沿って
上下に円弧状に回動すると、カバー板300,300も
レンズ軸23,24と一体に円弧状に上下動する。この
際、カバー板300は、上面がガイドピン302,30
2で案内され、下部の小突起であるガイド突部305,
305がガイド突部G2′の円弧面で案内されるので、
摩擦抵抗が非常に少ない状態で上下に円弧運動させられ
る。
【0130】この回動に伴い、軸挿通孔304は、レン
ズ軸23,24とカバー板300とがキャリッジ旋回軸
21の半径方向へ相対移動するのを許容するので、カバ
ー板300やガイド部材P1′,P2′の各部に寸法誤
差や組み付け誤差があっても、カバー板300の上下方
向への滑らかな円弧運動を許容することができる。
【0131】また、この構成においては、ガイド突部G
2′の両側が下方に開放しているので、ガイド部材P
1′と側壁11a又はガイド部材P2′と側壁11bの
間に侵入する研削液や研削屑が下方に流下して溜まりに
くく、たとえ溜まったとしても、ビスBを緩めてガイド
部材P1′,P2′を側壁11a,11bから取り外す
ことで容易に清掃できる。
【0132】また、レンズ軸23,24がキャリッジ2
0と共に軸線方向に移動させられると、レンズ軸23,
24はシール部材Sやガイド部材P1′及びP2′、カ
バー板300に対して摺動移動する。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、本願の請求項1に
記載の発明のレンズ保持装置は、眼鏡レンズの屈折面に
当接する当接部を有し、眼鏡レンズを保持するためのレ
ンズ保持装置において、前記当接部は、少なくとも2つ
に分割され、独立に傾動可能な当接突起を備えた構成と
したので、眼鏡レンズの乱視による形状変化、傾きなど
の諸条件においても、各接触部で受けるクランプ圧を一
定化し、眼鏡レンズの変形を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るレイアウト表示装置
を備えるレンズ研削加工装置とフレーム形状測定装置と
の関係を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るレンズ研削加工装置
を示し、(A)はカバー閉成状態の斜視図、(B)はカ
バー開放状態の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るレンズ研削加工装置
を示し、(A)はカバー閉成状態の平面図、(B)はカ
バー開放状態の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るレンズ研削加工装置
を示し、(A)は第1の操作パネルの拡大説明図、
(B)は液晶表示器の正面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るレンズ研削加工装置
を示し、(a)は加工室内の加工主要部の斜視図、
(b)は(a)のカバー板部の断面図である。
【図6】図5のA−A線に沿う概略断面図である。
【図7】図5の構成を含む駆動系の斜視図である。
【図8】図7のレンズ軸を保持するキャリッジ及びその
ベース等を後方からみた斜視図である。
【図9】図7の加工圧調整機構及び軸間距離調整機構を
示す側面図である。
【図10】図9の加工圧調整機構の説明図である。
【図11】図1〜図9のレンズ研削加工装置の制御回路
図である。
【図12】図11の制御回路の制御を説明するためのタ
イムチャートである。
【図13】この図5(b)の要部を断面して示した説明
図である。
【図14】図13のレンズ押さえ治具の側面図である。
【図15】図14の右側面図である。
【図16】図14のレンズ押さえ治具の要部斜視図であ
る。
【図17】図14のレンズ押さえ治具の回転軸と取付基
部の関係を示す斜視図である。
【図18】この発明のレンズ押さえ治具の変形例を示す
側面図である。
【図19】図18のレンズ押さえ治具の回転軸と取付基
部の関係を示す斜視図である。
【図20】(a)は本発明の変形例を示すレンズ研削加
工装置を示し、(a)は加工室内の加工主要部の斜視
図、(b)は(a)のカバー板部の断面図である。
【図21】図20のガイド板の取付部を加工室側から見
た説明図ある。
【図22】図20のガイド板及びカバー板を加工室の外
側から見た説明図である。
【図23】図20のガイド板及びカバー板の斜視図であ
る。
【符号の説明】
ML・・・眼鏡レンズ LH・・・レンズ保持装置 23,24・・・レンズ軸(レンズ回転軸) 200・・・レンズ吸着治具 210・・・レンズ押さえ治具 23b・・・治具取付穴 24b・・・治具取付穴 211・・・取付基部211 212・・・支持突部 213・・・回転軸(支持軸) 214・・・回動部材 215・・・接触部材(押圧部材,レンズ押さえ部材,当
接突部)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】眼鏡レンズの屈折面に当接する当接部を有
    し、眼鏡レンズを保持するためのレンズ保持装置におい
    て、前記当接部は、少なくとも2つに分割され、独立に
    傾動可能な当接突起を備えたことを特徴とするレンズ保
    持装置。
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