JP2002323467A - 薄膜型ガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents
薄膜型ガスセンサ及びその製造方法Info
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Abstract
することができる薄膜型ガスセンサ及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】 アルミナからなる基板1の上に、酸化ス
ズからなる感応膜2が形成されている。また、感応膜2
の上に感応膜2の物性値変化を検出するための電極3が
形成されている。また、基板1の上にて感応膜2を取り
囲むようにして感応膜2を加熱するためのヒータ4が形
成されている。基板1の上に感応膜2を形成する時は、
基板1の表面の凹凸が感応膜2の膜厚の1/5以下にな
るように平坦化した後、酸化スズを原子層成長法により
形成する。
Description
なる薄膜型ガスセンサ及びその製造方法に関する。
変化する感応膜が形成され、この感応膜の物性値変化を
測定することによりガスの濃度を求めることができるガ
スセンサが種々知られている。これらのガスセンサの内
でも、SnO2、ZnO、ln2O3などの金属酸化物半
導体を感応膜として利用したガスセンサが最も広く用い
られている。
厚さにより、例えば焼結体型、厚膜型、薄膜型などに分
類することができる。なかでも、感応膜が薄膜からなる
薄膜型のガスセンサは、感応膜が薄膜からなるため感応
膜の表面に吸着したガスが感応膜全体に短時間で拡散す
ることができる。そのため、焼結体型や厚膜型のガスセ
ンサに比べて応答速度が大きく、感度も高くなると期待
されている。
基板上に真空蒸着法やスパッタ法又はイオンプレーティ
ング法等により薄膜状の感応膜が形成され、感応膜上に
一対の電極が形成されている。そして、感応膜を被検ガ
スに曝した時の感応膜の物性値変化を電極から電気信号
として検出し、この物性値変化からガス種やガス濃度を
特定する。
様な感応膜の形成方法では金属酸化物半導体が微結晶と
なりやすい。その結果、感応膜では被検ガスがその微小
な結晶粒界を通じて拡散するため、実際には被検ガスの
拡散又は除去に必要な時間が数分程度にもなり、焼結型
等のガスセンサに比べて応答性が悪化する問題があっ
た。
に依存し、この温度に対する物性値変化の依存性はガス
種によって異なる。そのため、通常、感応膜を300〜
450℃程度の各種の温度にし、その時の物性値変化を
測定することでガス種やガス濃度を特定する。しかし、
このような微結晶となっている薄膜型ガスセンサでは、
その加熱動作時に粒成長が進み、感応膜の経時的な安定
性が悪く検出精度が低下するという問題があった。
号公報に記載の技術では、単結晶の絶縁性基板上に反応
性スパッタにより感応膜をエピタキシャル成長させるこ
とで単結晶の感応膜を形成し、結晶粒を大きくして粒界
を少なくし応答性の向上を図っている。
では、感応膜における粒界を少なくするために、単結晶
絶縁基板(サファイヤ等)を用いて、この基板の単結晶
構造を受け継ぐようにして感応膜をエピタキシャル成長
させているため、単結晶絶縁基板という限られた材料を
用いなければ感応膜の粒界を少なくすることができな
い。
に依存すること無く応答性を高くすることができる薄膜
型ガスセンサ及びその製造方法を提供することを目的と
する。
め、請求項1に記載の発明では、基板(1)と、基板上
に形成され被検ガスに反応して物性値が変化する感応膜
(2)とを有して被検ガスを検出するセンサにおいて、
感応膜の平均結晶粒径が感応膜の膜厚以上であることを
特徴としている。
感応膜の組成を制御して感応膜の平均結晶粒径を感応膜
の膜厚以上とすることで、感応膜における結晶粒界を低
減することができるため、基板の種類に依存すること無
く応答性を高くすることができる薄膜型ガスセンサを提
供することができる。
に、基板としてはアルミナ基板やムライト基板を用いる
ことができ、これらの基板の表面の凹凸が感応膜の膜厚
の1/5以下であると、好適に感応膜の平均結晶粒径を
感応膜の膜厚以上にすることができる。
求項1の発明において、基板としてSi基板を用いる場
合は、絶縁物(5)を介して感応膜を基板の上に形成す
れば、Si基板と感応膜との電気的な絶縁を確保でき好
ましい。
に、絶縁物としてSi基板上に単結晶で形成されたもの
を用いると、絶縁物の単結晶構造を引き継いで感応膜の
結晶粒径を更に大きくすることができる。
求項5に記載の発明のように、Si基板と格子定数の差
が小さいCaF2、Al2O3及びCeO2の少なくと1つ
を用いると好適である。
求項1〜5の発明において、感応膜の膜厚を被検ガスが
感応膜に吸着することにより生じる空乏層の厚さ以下に
すると、更に検出感度と応答性を向上させることができ
る。
の発明のように、3nm以上12nm以下であると好適
である。
1〜7の発明において、基板の上に感応膜を加熱するた
めのヒータ層(4)が形成されており、基板のうち感応
膜の直下に相当する部位は、基板における他の部位より
も厚さが薄くなった薄肉構造となっていることを特徴と
している。
基板を介して放熱されることを低減することができる。
従って、高い応答性を持ちつつ消費電力を低減した薄膜
型ガスセンサを提供することができる。
求項1〜8の発明において、感応膜の上に被検ガスを選
択的に透過させるフィルタ層(11)を形成することに
より、被検ガスの選択性を向上させることができる。
0に記載の発明のように、10nm以上50nm以下と
すると好適である。
(1)の上に被検ガスに反応して物性値が変化する感応
膜(2)を形成し、被検ガスを検出する薄膜型ガスセン
サの製造方法において、基板の表面の凹凸を感応膜の膜
厚の1/5以下に低減させる基板処理工程と、その後、
基板の上に感応膜を原子層成長法により堆積させること
で、平均結晶粒径が膜厚以上となっている感応膜を形成
する感応膜形成工程とを有することを特徴としている。
積させることにより、単結晶構造でない基板を用いて
も、感応膜をその化学量論比に極めて近い状態で形成す
ることができる。その結果、感応膜の結晶粒径を大きく
形成することができる。従って、感応膜の結晶粒界を低
減することができるため、基板の種類に依存すること無
く応答性を高くすることができる薄膜型ガスセンサの製
造方法を提供することができる。
(1)の上に被検ガスに反応して物性値が変化する感応
膜(2)を形成し、被検ガスを検出する薄膜型ガスセン
サの製造方法において、基板の上に感応膜を形成する感
応膜形成工程と、感応膜形成工程中に、感応膜に対して
イオンを注入することにより、感応膜内における厚さ方
向の途中部に基板に略平行に絶縁層(7)を形成するイ
オン注入工程とを有し、イオン注入工程では、感応膜の
うち絶縁層よりも上に位置する感応膜上層部(2a)に
おいて、該感応膜上層部の平均結晶粒径が感応膜上層部
の膜厚以上となるように、絶縁層の感応膜内における位
置を調節することを特徴としている。
る感応膜の平均結晶粒径がたとえ小さいものであって
も、イオン注入工程で形成される絶縁層により、感応膜
上層部の膜厚を平均結晶粒径以下にすることができる。
そのため、実質的に感応膜として機能することとなる感
応膜上層部において、平均結晶粒径を膜厚以上とするこ
とができることから、感応膜上層部2aにおける結晶粒
界を低減できる。従って、本発明によれば、基板の種類
に依存すること無く応答性を高くすることができる薄膜
型ガスセンサを製造できる。
(1)の上に被検ガスに反応して物性値が変化する感応
膜(2)を形成し、被検ガスを検出する薄膜型ガスセン
サの製造方法において、基板の上に感応膜を形成する感
応膜形成工程と、感応膜形成工程中に、感応膜に対して
イオンを注入することにより、感応膜内における厚さ方
向の途中部に基板に略平行にイオン注入層(7)を形成
するイオン注入工程と、その後、イオン注入層に熱処理
を施すことにより、感応膜をイオン注入層が形成されて
いる部位において分断する分断工程とを有し、イオン注
入工程では、感応膜のうちイオン注入層よりも上に位置
する感応膜上層部(2a)、及び、感応膜のうちイオン
注入層より下に位置する感応膜下層部(2b)の少なく
とも一方において、平均結晶粒径が膜厚以上となるよう
に、イオン注入層の感応膜内における位置を調節するこ
とを特徴としている。
層部及び感応膜下層部の少なくとも一方を、被検ガスの
脱吸着を行う層として用いることができ、この層を膜厚
よりも平均粒径が大きくなるように形成しているため、
請求項12の発明と同様の効果を発揮することができ
る。
請求項11〜13の発明において、感応膜形成工程で
は、感応膜を構成する金属を含むガスと水とを交互に供
給することで感応膜を形成すれば、感応膜において適切
に膜厚よりも平均結晶粒径を大きくすることができる。
項12又は13の発明において、感応膜形成工程で、原
子層成長法を行うことを特徴としている。
化物の組成制御が可能となるため、適切に感応膜の膜厚
よりも感応膜の平均結晶粒径を大きくすることができ
る。
〜15の発明において、感応膜を絶縁物(5)を介して
基板の上に形成し、絶縁物を原子層成長法により形成す
ることを特徴としている。
本発明のように感応膜を絶縁物を介して基板の上に形成
すれば良く、この場合、絶縁物も原子層成長法により形
成することで感応膜の組成制御を極めて高い精度で行う
ことができる。
項11〜16の発明において、感応膜形成工程の後に、
感応膜の上に選択的に被検ガスを透過させるためのフィ
ルタ層(11)を原子層成長法により形成するフィルタ
層形成工程を有することを特徴としている。
り形成することで、感応膜の表面を薄膜で確実に覆うこ
とができる。従って、感応膜の表面を確実に覆うために
フィルタ層の膜厚を厚くする必要がなく、選択性を確保
しつつ高応答である薄膜型ガスセンサの製造方法を提供
することができる。
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
実施形態について説明する。図1は本実施形態の薄膜型
ガスセンサ(以下、単にガスセンサという)10の斜視
図であり、図2は図1におけるA−A断面における概略
図である。
被検ガスに反応して物性値が変化する感応膜2が形成さ
れている。この基板1としては本実施形態ではアモルフ
ァスのアルミナ基板を用いており、基板1の表面の凹凸
が感応膜2の膜厚の1/5以下となっている。また、感
応膜2としては酸化スズを用いており、感応膜2の膜厚
は数nm程度になっている。
に示すように、この感応膜2の平均結晶粒径(以下、単
に平均粒径という)は感応膜2の膜厚以上となってい
る。この平均粒径とは、一般に、粒径の同定に用いられ
るインターセプト法で得られる粒径Dであり、感応膜2
の平均膜厚をTとしたとき、平均粒径が膜厚以上である
とはD≧Tであることを示している。
変化を検出する電極3が形成されている。この電極3は
一対形成されており、各々の電極3は櫛歯状になってい
る。また、電極3の端部は感応膜2の周辺部まで延設さ
れて電極パッド3aが形成されている。この電極3とし
ては例えばPtからなるものを用いることができる。
検出電極3を囲む様にして、感応膜2を加熱するための
ヒータ層としてのヒータ4が形成されている。このヒー
タ4は枠形状に形成されており、枠形状のヒータ4から
延設されてヒータパッド4aが形成されている。このヒ
ータ4としては例えばPtからなるものを用いることが
できる。
等により、ヒータパッド4aはヒータ4からの発熱を調
節して感応膜2の温度を調節するための感応膜温度制御
回路に結線されており、電極パッド3aは感応膜2の物
性値変化を検出するための感応膜変化解析回路に結線さ
れている。この様にして、本実施形態のガスセンサ10
が構成されている。
法について説明する。まず、基板1を用意し、表面の凹
凸を減少させる基板処理工程を行う。一般に、市販のア
ルミナ基板は表面の凹凸が数10〜100nm程度と大
きいことや、炭化物等により表面が汚染されていること
から、粒径の大きい感応膜2を形成するために必要とな
る初期形成時の粒の合体を阻害してしまう。そこで、こ
の様に、基板1の表面の凹凸を減少させることで、粒径
の大きい感応膜2を形成することが可能となる。
面に対して機械的な研磨等を行って凹凸を減少させた
り、酸洗浄やアルカリ洗浄等を繰り返すことで表面の汚
染を除去したりする。そして、基板1の表面の凹凸を感
応膜2の膜厚の1/5以下に減少させることで、感応膜
2における平均粒径を感応膜2の膜厚以上に形成するこ
とができる。
応膜形成工程を行う。具体的には、基板1の上に感応膜
2を構成する金属を含むガスである塩化スズと水とを交
互に供給する原子層成長法により基板1の上一面に感応
膜2を堆積させる。この時の処理温度は200〜300
℃程度であり、感応膜2を数nm程度堆積させる。その
後、酸素雰囲気で500℃程度の熱処理を感応膜2に施
す。
て感応膜2を形成することにより、塩化スズを導入した
ときに基板1の上にスズを1原子層堆積させ、水を導入
したときに酸素を1原子層堆積させることが可能とな
り、感応膜2の成長初期から感応膜2の化学量論比に極
めて一致させて形成することができる。
せることで組成を制御して感応膜2を形成することがで
きるため、基板1の種類に依存すること無く感応膜2を
所望の結晶構造にすることができる。
制御することができない方法で感応膜2を堆積させるこ
とにより生じる、図4の感応膜2の部分拡大断面図に示
すような感応膜2の微結晶化を防ぐことができる。その
結果、感応膜2を大粒径化することができ、感応膜2の
平均粒径を感応膜2の膜厚以上にすることができる。
2を、半導体製造技術でよく使われるリソグラフィ技術
を用いて、アルゴンと塩素ガスを混合させたエッチング
ガスを用いて選択的にドライエッチング(反応性エッチ
ング)することにより所望の形状にパターニングする。
この様にして感応膜形成工程を行う。
蒸着法により250nm程度形成し、リソグラフィ技術
を用いてパターニングした後、アルゴンガスを用いたド
ライエッチング法によりヒータ4、電極3及び各々のパ
ッド3a、4aの形状にパターニングする(電極形成工
程)。
電極3の密着性を向上させるために、Ti膜(図示せ
ず)をPt膜の下に5nm程度堆積させている。これに
より、加熱サイクルを行った際のヒータ4や電極3の剥
がれを極めて低減することができる。
タパッド4aを感応膜温度制御回路に結線し、電極パッ
ド3aを感応膜変化解析回路に結線する。この様にし
て、上記構成のガスセンサ10が完成する。
温度を感応膜温度制御回路により所望の温度に変化さ
せ、感応膜2が所望の温度または時間になった時の感応
膜2の物性値変化を信号として取り込み、感応膜変化解
析回路により解析して出力する。
の温度に依存し、この温度に対する物性値変化の依存性
はガス種によって異なる。そのため、種々の温度におけ
る感応膜2の物性値変化を測定することにより、ガス濃
度やガス種を特定することができる。なお、この物性値
変化としては、ガスの脱吸着による感応膜2の抵抗率変
化や、誘電率や熱伝導率等の変化を検出することができ
る。
化させて抵抗率変化の時間変化を測定したところ、平均
粒径が大きくなるとともに応答速度は早くなり、膜厚よ
りも平均粒径が大きくなったときに極めて応答性が高く
なった。
膜2の特性変化が、粒界に拡散して粒界に及ぼす変化よ
りも強くなり、粒界の影響が極めて減少して応答性が高
くなるためであると思われる。また、感応膜2を大粒径
化したことでその加熱動作時に粒成長が進み、経時的安
定性が悪いという問題もなくなった。
スセンサ10の応答性を調べた。具体的には、被検ガス
として濃度1%の水素を用いた場合の抵抗率変化の時間
変化を測定した。その結果を図5に示す。この図に示す
ように、感応膜2の膜厚が薄くなるほど高応答になり、
また、検出感度(抵抗率変化)も増大した。
スが感応膜2に吸着することにより生じる空乏層の厚さ
以下の場合に、応答性と感度が極めて高くなった。ただ
し、膜厚が3nm以下では下地基板1との熱膨張係数差
による熱ストレスで破壊しやすい。そのため、感応膜2
の膜厚は3〜12nmが望ましい。
依存すること無く感応膜2の平均粒径を大きくして結晶
粒界を低減することができるため、応答性の高いガスセ
ンサ10を提供することができる。
基板1を用いなくても応答性の高いガスセンサ10を提
供することができ、単結晶の絶縁性基板は一般に高価で
あるため、低コストなガスセンサ10を提供することが
できる。 (第2実施形態)上記第1実施形態では基板1としてア
ルミナ基板を用いる例について示したが、本実施形態で
は単結晶のSi基板を用いる例について説明する。図6
は本実施形態のガスセンサ10の概略断面図である。以
下、主として第1実施形態と異なる部分について説明
し、図6中、図2と同一部分は同一符号を付して説明を
省略する。
しての絶縁膜5が形成されている。この絶縁膜5は半導
体製造技術で良く用いられるシリコン酸化膜やシリコン
窒化膜からなる。そして、この絶縁膜5を介して基板1
の上に感応膜2とヒータ4が形成されている。これによ
り、基板1と感応膜2との電気的な絶縁を確保すること
ができる。
化膜を用いると、基板1との密着力を確保することがで
き信頼性の高いガスセンサ10を提供することができ
る。また、絶縁膜5上には第1実施形態と同様に感応膜
2が形成されている。
板1を用いても、感応膜2の平均粒径を大きくすること
ができ、高応答なガスセンサ10を提供することができ
る。
ため、第1実施形態における基板処理工程は必要ない。 (第3実施形態)図7は本実施形態のガスセンサ10の
概略断面図である。図7に示すように、基板1のうち感
応膜2の直下に相当する部位において、基板1が除去さ
れて空洞部6が形成されている。
を用いており、基板1上に絶縁膜5が形成されている。
この絶縁膜5はシリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリ
コン窒化膜、シリコン酸化膜の順に積層されてなる。ま
た、この絶縁膜5の上に感応膜2とヒータ4とが形成さ
れている。また、基板1に空洞部6が形成されることに
より、空洞部6における感応膜2側の開口部に絶縁膜5
が橋絡された状態となっている。
造方法について、図8のガスセンサ10の断面にて示す
工程図を用いて説明する。
絶縁膜5を形成する。具体的には、LP−CVD法にて
シリコン窒化膜を120nm形成後、プラズマCVD法
にてシリコン酸化膜を1μm堆積する。その後、再度L
P−CVDによりシリコン窒化膜を130nm形成させ
た後、熱酸化することでシリコン窒化膜の表面のわずか
な層をシリコン酸化膜に変化させる。
形態と同様に感応膜形成工程を行う。
形態と同様にヒータ4や電極3を形成する。
る感応膜2を形成している面とは反対側の面に、プラズ
マCVD法により酸化膜を形成し、空洞部6を形成する
ためのエッチング用のマスク(図示せず)を形成する。
その後、TMAH溶液によりマスクを介して基板1をエ
ッチングすることにより空洞部6を形成する。
が橋絡された状態となるが、絶縁膜5はシリコン窒化膜
とシリコン酸化膜を積層してなるため、橋絡された部位
における反りを低減することができる。また、絶縁膜5
に引張応力が働くようにしているため、絶縁膜5や絶縁
膜5の上に形成されている感応膜2などが挫屈して破壊
することはない。
ヒータ4層から発せられた熱が基板1を介して放熱され
ることを抑制することができる。従って、感応膜2の加
熱に必要な電力を大幅に低減させることができ、高い応
答性を持ちつつ消費電力を低減したガスセンサ10を提
供することができる。
応膜2を加熱する場合、空洞部6を設けたことにより、
その間欠動作を非常に早くできるという利点もある。ま
た、感応膜2をシリコン酸化膜上に形成しているため、
感応膜2と絶縁膜5の剥がれを極めて少なくすることが
できる。
液を用いなくても、その他、強アルカリ溶液であるKO
H溶液等も用いることができる。
基板1をエッチングすることにより形成しなくても、基
板1における感応膜2の直下に相当する部位において、
基板1における他の部位よりも基板1の厚さが薄くなっ
た薄肉構造としても同様の効果を得ることができる。こ
の場合、薄肉構造部の厚さは、例えば数μm程度にする
と好ましい。 (第4実施形態)本実施形態は、基板1として単結晶の
Si基板を用い、絶縁膜5として上記第2及び第3実施
形態とは異なるものを用いる例である。本実施形態のガ
スセンサ10の断面構成は上記図6または図7と同様で
あるため省略する。以下、主として第2または第3実施
形態と異なる部分について説明する。
の絶縁膜5としてシリコン酸化膜やシリコン絶縁膜とい
ったアモルファス層を形成しているが、本実施形態で
は、絶縁膜5として、基板1の上にヘテロエピタキシャ
ル成長させた単結晶を用いている。この絶縁膜5として
具体的には、Al2O3膜を用いることができる。そし
て、この絶縁膜5の上に感応膜2が形成されている。
TMAとN2Oガスを用いたCVD法により900℃程
度にてγ−Al2O3層を100nm形成する。このγ−
Al 2O3層とSi基板とは格子不整合が約2%と小さ
く、Si基板の(100)面とγ−Al2O3層の(10
0)面が平行になるように、γ−Al2O3層をエピタキ
シャル成長させることができる。
を原子層成長法により形成することにより、上記第2及
び第3実施形態に示したようなシリコン酸化膜上に形成
する場合よりも、さらに感応膜2を大粒径化することが
できる。
層上では、上述のように酸化すず膜は高い配向性を持つ
膜として形成されるが、γ−Al2O3膜上に感応膜2を
形成することでエピタキシャルに近い膜を成長させるこ
とができ、更に大粒径化させることができるものと思わ
れる。この様に感応膜2が大粒径化することにより粒界
を低減することができ、更に応答性の高いガスセンサ1
0を得ることができる。
してCaF2膜やCeO2の膜を原子層成長法により形成
しても、これらの膜は非常にSi基板と格子定数が近い
ため欠陥が少ない膜を形成することができる。また、原
子層成長法で形成することで非常に高い平坦性を持った
絶縁膜5を形成することができる。その結果、感応膜2
の組成制御を極めて高い精度で行うことができるため、
CaF2膜やCeO2の膜を絶縁膜5として用いても応答
性の高いガスセンサ10を得ることができる。
基板全部が高価な絶縁性の単結晶基板であるのではな
く、安価なSi基板の上に単結晶の絶縁膜5を形成する
ようにしているため、応答性を確保しつつ低コストなガ
スセンサを提供することができる。
3膜、CaF2膜、CeO2膜以外にも、Si基板に対し
てエピタキシャル成長することができる絶縁物を用いる
ことができる。 (第5実施形態)本実施形態は上記各実施形態における
ガスセンサ10よりも更に応答性を高くするために、感
応膜2に絶縁層を挿入するものである。図9は本実施形
態のガスセンサ10の製造方法を断面にて示す工程図で
ある。以下、主として第3実施形態と異なる部分につい
て述べ、図9中、図8と同一部分は同一符号を付して説
明を省略する。
態を示す図9(d)のように、感応膜2における結晶粒
の途中に感応膜2よりも電気伝導性の小さいイオン注入
層(絶縁層)7が形成されている。
たガスセンサ10の製造方法を示す。
形態と同様に、Siの(100)基板1の上にシリコン
窒化膜とシリコン酸化膜とからなる絶縁膜5を形成し、
その後、上述の感応膜形成工程と同様に原子層成長法に
より酸化スズよりなる感応膜2を形成する。但し、この
感応膜2は0.8μmの厚さにする。
度になっており、感応膜2の膜厚よりも若干大きくなっ
ている。
2に対してイオン注入を行うことでイオン注入層7を形
成するイオン注入工程を行う。具体的には、Snイオン
を用いて、感応膜2内における厚さ方向の途中部である
感応膜2の表面から0.2μm程度の深さの部位におい
て、基板1に略平行にアモルファスに近いSnリッチと
なるイオン注入層7を形成する。その後、欠陥を減少さ
せるために、再度酸素雰囲気で500℃程度の熱処理を
行う。
2の上にレジストを形成し、フォトリソグラフィ技術を
用いてレジストをパターニングした後、このレジストを
介してエッチングを行うことにより感応膜2を所望の形
状にパターニングして感応膜2が完成する。従って、感
応膜形成工程においてイオン注入工程を行っている。
4と電極3を形成する。
第3実施形態と同様に空洞部6を形成する。この様にし
て、本実施形態のガスセンサ10が完成する。
形成することで、感応膜上層部2a(本実施形態では厚
さ0.2μmの部位)のみを実質的に感応膜2として機
能させることができ、この感応膜上層部2aにおいて被
検ガスの脱吸着を行うことができる。
中に形成しているため、感応膜上層部2aでは、膜厚よ
りも結晶粒径を極めて大きくすることができる。従っ
て、結晶粒界を更に低減して更に応答性を高めることが
できる。
加速電圧を低下させたり、感応膜2の表面を酸化シリコ
ン膜等で被覆した状態でイオンを注入させる等すること
により、感応膜2のより浅い部位に形成することができ
る。この様に、イオン注入層7を浅く形成し、感応膜2
として機能する膜厚をさらに薄くすることで、さらに高
応答にすることができ、また、被検ガスの脱吸着による
抵抗率変化を増大して検出感度を大きくすることができ
る。
10nm以下、つまり感応膜2にガスが吸着することに
より生じる空乏層の厚さ以下にすると、極めて高い応答
性と感度を持つガスセンサ10を形成することができ
る。
てはSnを用いる例について示したが、SiやA1等の
イオン注入層7に絶縁性を持たすことができる原子であ
れば何でも良い。
膜の平均結晶粒径がたとえ小さいものであっても、イオ
ン注入工程で、感応膜2のうちイオン注入層7よりも上
に位置する感応膜上層部2aにおいて、感応膜上層部2
aの平均粒径が感応膜上層部2aの膜厚以上となるよう
に、イオン注入層7の感応膜2内における位置を調節す
ることにより、高応答なガスセンサを形成することがで
きる。 (第6実施形態)本実施形態は、感応膜2の平均粒径を
感応膜2の膜厚以上にする他の製造方法について説明す
る。図10は本実施形態の製造方法をガスセンサ10の
断面にて示す工程図であり、図11は図10に続く工程
図である。
施形態と同様に、Siの(100)基板1の上に、シリ
コン窒化膜とシリコン酸化膜とからなる絶縁膜5を形成
し、絶縁膜5上に感応膜2を形成する。この感応膜2は
0.8μmの厚さとなっている。この時の感応膜2の平
均粒径は、第5実施形態と同様に1μm程度となってい
る。
膜2に対してイオン注入することにより、感応膜2内に
おける厚さ方向の途中部に、基板1に略平行にイオン注
入層7を形成するイオン注入工程を行う。このイオンと
しては水素イオンを用いており、感応膜2の表面から約
0.15μmの部位にイオン注入法によりイオン注入層
7を形成する。
程度で感応膜2の上にシリコン酸化膜8を5μm程度堆
積させる。そして、このシリコン酸化膜8の表面の凹凸
を平坦化するために、研磨処理等を行ってシリコン酸化
膜8の膜厚を2μm程度にする。
用意したSi基板(以下、別基板という)9の表面を熱
酸化して酸化膜を形成しておき、この酸化膜と[図10
(b)に示す工程]で平坦化したシリコン酸化膜8の表
面とを、300℃程度で両酸化膜間の水を脱水させて貼
り合わせる。
1と別基板9を貼り合わせた状態でイオン注入層7に熱
処理を施す。その結果、イオン注入層7が脆化し、イオ
ン注入層7が形成されている部位において感応膜2が分
断される(分断工程)。
形成されている感応膜上層部2aを用いて、フォトリソ
グラフィ技術により感応膜上層部2a上にレジストをパ
ターニングし、エッチングにより感応膜上層部2aを所
望の形状にパターニングする。
て絶縁膜5上に感応膜2を形成してから[図11(b)
に示す工程]において感応膜上層部2aを所望の形状に
パターニングするまでの工程が感応膜形成工程である。
つまり、感応膜形成工程において、イオン注入工程と分
断工程とを行っている。
4及び電極3を形成することで本実施形態のガスセンサ
10が完成する。
ンサ10を製造することにより、上記第5実施系形態と
同様に、感応膜上層部2a(本実施形態では厚さが0.
15μmとなっている部位)を感応膜として用いること
ができる。従って、第5実施形態と同様の効果を発揮す
ることができる。
にシリコン酸化膜8を堆積して、このシリコン酸化膜8
を平坦化した後に行っても良い。これにより、平坦化さ
れた面からイオン注入することができるため、イオン注
入層7を平坦に形成することができる。その結果、感応
膜2の分断面を平坦にすることができるため、電極3を
平坦な面に形成することができ、電極3の接続信頼性を
向上させることができる。
を接合するようにして別基板9を貼り合わせる方法の他
に、多結晶SiやAuSi共晶を用いて同様に別基板9
を貼り合わせても良い。
酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化膜の順に積層す
る等して膜全体に引張り応力を持たせたものとすること
で、上記第3実施形態のように、空洞部6を形成するこ
とができる。
に、イオン注入層7を感応膜2のより浅い部位に形成し
ても良い。
aを用いる例について示したが、感応膜2のうちイオン
注入層7よりも下に位置する感応膜下層部2bを用いて
も良い。
膜の平均結晶粒径がたとえ小さいものであっても、イオ
ン注入工程で、感応膜上層部2a又は感応膜下層部2b
の少なくとも一方において、平均粒径が膜厚以上となる
ように、イオン注入層7の感応膜2内における位置を調
節することにより、高応答なガスセンサを形成すること
ができる。 (第7実施形態)水素ガスを検知対象とした場合、他の
ガスによる影響を少なくするために、一般に水素ガスを
選択的に透過させるSiO2膜やAl2O3膜等のフィル
タ層を感応膜2の表面に形成し、選択性を向上させるよ
うにする。
合、スパッタ等の通常の成膜方法では感応膜2の表面状
態により感応膜2を確実に覆えない恐れがあるため、感
応膜2の表面を確実に覆って選択性を確保するためにフ
ィルタ層は数100nmの厚さに厚くする必要がある。
しかし、フィルタ層の膜厚が厚いと被検ガスが感応膜2
に到達するのに時間がかかり、応答性が低下してしま
う。
サ10の概略断面図に示すように、感応膜2の表面に原
子層成長法により、フィルタ層11としてAl2O3膜が
堆積されている。これにより、原子層成長法により形成
したフィルタ層11は極めて緻密であるため、薄膜でも
適切に感応膜2の表面を覆うことができ、応答性を損な
わずに高い選択性を確保することができる。特に、感応
膜2の表面を確実に覆いつつ応答性の劣化を抑制するた
めに、フィルタ層11の膜厚は10〜50nm程度が好
ましいことを発明者らは確認した。
後に原子層成長法により形成すればよい(フィルタ層形
成工程)。その後、フィルタ層11にコンタクトホール
を形成する等して電極3と感応膜2とを電気的に接続す
る。
す構成においてフィルタ層11を形成したものとして示
しているが、上記第1〜第6実施形態においてフィルタ
層11を形成することで、同様の効果を発揮することが
できる。 (他の実施形態)なお、上記各実施形態では感応膜2の
材料として酸化スズを用いる場合について示したが、そ
の他、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化タングステン等
の被検ガスが吸着することにより物性値が変化するとと
もに、エピタキシャルに近い膜として形成できるものを
用いることができる。
2として用いる場合、原子層成長法により形成すること
ができる。
のムライト基板を用いると、ムライト基板と感応膜2の
酸化スズとの熱膨張係数が極めて近いため、感応膜2を
成膜する際や熱処理を行う際に基板1との熱膨張の差に
より感応膜2が剥がれることを抑制することができる。
その結果、ガスセンサ10の信頼性を向上させることが
できる。
ータ4としてはPtを用いる場合について示したが、P
t以外にも例えばPtとTiとが積層されたものやAu
等、他の電気伝導性の物質を用いても良い。また、電極
3及びヒータ4と下地膜との密着層としてTi膜を形成
しているが、Ti膜の代わりに、Crやその他の密着力
を向上させるものを用いてもよい。また、電極3及びヒ
ータ4と下地膜との密着力があれば密着層を設けなくて
も良い。
2の物性値変化を電気信号として検出する方法以外に
も、光によって感応膜2の屈折率の変化を検出しても良
く、感応膜2へのガスの拡散により変化した感応膜2の
物性値を検出することができればどのような手段でもよ
い。
に、イオン注入層7を形成して感応膜2に加工を施す場
合は、単結晶の感応膜材料を用いても良い。
る。
である。
断面図である。
た場合の抵抗率変化の時間変化を示す図である。
ある。
ある。
す工程図である。
す工程図である。
示す工程図である。
である。
応膜下層部、5…絶縁物、7…イオン注入層(絶縁
層)、11…フィルタ層。
Claims (17)
- 【請求項1】 基板(1)と、前記基板上に形成され被
検ガスに反応して物性値が変化する感応膜(2)とを有
して前記被検ガスを検出するセンサにおいて、 前記感応膜の平均結晶粒径が前記感応膜の膜厚以上であ
ることを特徴とする薄膜型ガスセンサ。 - 【請求項2】 前記基板はアルミナ基板又はムライト基
板であり、前記基板の表面の凹凸が前記感応膜の膜厚の
1/5以下であることを特徴とする請求項1に記載の薄
膜型ガスセンサ。 - 【請求項3】 前記基板はSi基板であり、前記感応膜
は前記基板上に絶縁物(5)を介して形成されているこ
とを特徴とする請求項1に記載の薄膜型ガスセンサ。 - 【請求項4】 前記絶縁物は前記Si基板上に単結晶で
形成されていることを特徴とする請求項3に記載の薄膜
型ガスセンサ。 - 【請求項5】 前記絶縁物は、CaF2、Al2O3及び
CeO2の少なくとも1つからなることを特徴とする請
求項4に記載の薄膜型ガスセンサ。 - 【請求項6】 前記感応膜の膜厚は、前記被検ガスが前
記感応膜に吸着することにより生じる空乏層の厚さ以下
になっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれ
か1つに記載の薄膜型ガスセンサ。 - 【請求項7】 前記感応膜の膜厚は3nm以上12nm
以下となっていることを特徴とする請求項6に記載の薄
膜型ガスセンサ。 - 【請求項8】 前記基板の上に前記感応膜を加熱するた
めのヒータ層(4)が形成されており、 前記基板のうち前記感応膜の直下に相当する部位は、前
記基板における他の部位よりも厚さが薄くなった薄肉構
造となっていることを特徴とする請求項1乃至7のいず
れか1つに記載の薄膜型ガスセンサ。 - 【請求項9】 前記感応膜の上に、前記被検ガスを選択
的に透過させるフィルタ層(11)が形成されているこ
とを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載の
薄膜型ガスセンサ。 - 【請求項10】 前記フィルタ層は膜厚が10nm以上
50nm以下となっていることを特徴とする請求項9に
記載の薄膜型ガスセンサ。 - 【請求項11】 基板(1)の上に被検ガスに反応して
物性値が変化する感応膜(2)を形成し、前記被検ガス
を検出する薄膜型ガスセンサの製造方法において、 前記基板の表面の凹凸を前記感応膜の膜厚の1/5以下
に低減させる基板処理工程と、 その後、前記基板の上に前記感応膜を原子層成長法によ
り堆積させることで、平均結晶粒径が膜厚以上となって
いる前記感応膜を形成する感応膜形成工程とを有するこ
とを特徴とする薄膜型ガスセンサの製造方法。 - 【請求項12】 基板(1)の上に被検ガスに反応して
物性値が変化する感応膜(2)を形成し、前記被検ガス
を検出する薄膜型ガスセンサの製造方法において、 前記基板の上に前記感応膜を形成する感応膜形成工程
と、 前記感応膜形成工程中に、前記感応膜に対してイオンを
注入することにより、前記感応膜内における厚さ方向の
途中部に前記基板に略平行に絶縁層(7)を形成するイ
オン注入工程とを有し、 前記イオン注入工程では、前記感応膜のうち前記絶縁層
よりも上に位置する感応膜上層部(2a)において、該
感応膜上層部の平均結晶粒径が前記感応膜上層部の膜厚
以上となるように、前記絶縁層の前記感応膜内における
位置を調節することを特徴とする薄膜型ガスセンサの製
造方法。 - 【請求項13】 基板(1)の上に被検ガスに反応して
物性値が変化する感応膜(2)を形成し、前記被検ガス
を検出する薄膜型ガスセンサの製造方法において、 前記基板の上に前記感応膜を形成する感応膜形成工程
と、 前記感応膜形成工程中に、前記感応膜に対してイオンを
注入することにより、前記感応膜内における厚さ方向の
途中部に前記基板に略平行にイオン注入層(7)を形成
するイオン注入工程と、 その後、前記イオン注入層に熱処理を施すことにより、
前記感応膜を前記イオン注入層が形成されている部位に
おいて分断する分断工程とを有し、 前記イオン注入工程では、前記感応膜のうち前記イオン
注入層よりも上に位置する感応膜上層部(2a)、及
び、前記感応膜のうち前記イオン注入層より下に位置す
る感応膜下層部(2b)の少なくとも一方において、平
均結晶粒径が膜厚以上となるように、前記イオン注入層
の前記感応膜内における位置を調節することを特徴とす
る薄膜型ガスセンサの製造方法。 - 【請求項14】 前記感応膜形成工程では、前記感応膜
を構成する金属を含むガスと水とを交互に供給すること
で前記感応膜を形成することを特徴とする請求項11乃
至13のいずれか1つに記載の薄膜型ガスセンサの製造
方法。 - 【請求項15】 前記感応膜形成工程では、原子層成長
法を行うことを特徴とする請求項12又は13に記載の
薄膜型ガスセンサの製造方法。 - 【請求項16】 前記感応膜を絶縁物(5)を介して前
記基板の上に形成し、 前記絶縁物を原子層成長法により形成することを特徴と
する請求項11乃至15のいずれか1つに記載の薄膜型
ガスセンサの製造方法。 - 【請求項17】 前記感応膜形成工程の後に、前記感応
膜の上に選択的に前記被検ガスを透過させるためのフィ
ルタ層(11)を原子層成長法により形成するフィルタ
層形成工程を有することを特徴とする請求項11乃至1
6のいずれか1つに記載の薄膜型ガスセンサの製造方
法。
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