JP2004037180A - 集積化センサ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】体格を小型化することが可能な、湿度センサとガスセンサとを備えた集積化センサ装置を提供すること。
【解決手段】ヒータ12により加熱された感ガス膜16の抵抗値変化によりガス濃度を検出するガスセンサ部と、発熱したヒータ12自体の抵抗値変化により湿度を検出する湿度センサ部とを備えるセンサ装置において、ヒータ12を共用することにより同一半導体基板9上に両センサを集積化した。
このように集積化センサ装置1は、ヒータ12同士を共用することにより、2つの異なるセンサ機能を有すセンサチップ4の体格を小型化できる。
【選択図】 図1
【解決手段】ヒータ12により加熱された感ガス膜16の抵抗値変化によりガス濃度を検出するガスセンサ部と、発熱したヒータ12自体の抵抗値変化により湿度を検出する湿度センサ部とを備えるセンサ装置において、ヒータ12を共用することにより同一半導体基板9上に両センサを集積化した。
このように集積化センサ装置1は、ヒータ12同士を共用することにより、2つの異なるセンサ機能を有すセンサチップ4の体格を小型化できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一の基板上に湿度センサ及びガスセンサを形成した集積化センサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造技術を用いて製造された半導体式ガスセンサは、現在様々な分野で用いられている。例えば、半導体式ガスセンサの用途の一例として、車両用空気調和装置の内外気の切り替え制御に用いられる場合がある。すなわち、先行する自動車の排気ガス等を半導体式ガスセンサで検出し、その検出結果に基づいて内・外気導入の切り替えを自動で行う。
【0003】
この半導体式ガスセンサは、ヒータにより加熱され活性化した感ガス膜に吸着した酸素と、対象ガスとの間で起こる酸素の吸脱着に伴う電気伝導度の変化を、抵抗値変化として捉える事でガス濃度を検出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上述したガスセンサは、感ガス膜が湿度による影響を受けて感度が変化するため、別途湿度センサを設け、湿度に応じた感度補正を行うことが好ましい。しかしながら、ガスセンサの補正用に湿度センサを別途設けた場合、センサ装置の体格がかなり大型化してしまうといった問題がある。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑み、体格を小型化することが可能な、湿度センサ及びガスセンサを備えた集積化センサ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、請求項1に記載の集積化センサ装置は、湿度センサ部として、基板上に形成されつつ通電により発熱すると共に、雰囲気中の湿度に応じてその発熱温度が変化するヒータと、ヒータの発熱温度に応じた抵抗値変化を検出する第1検出部とを備え、ガスセンサ部として、基板上に形成されたヒータ上に形成され、雰囲気中のガス濃度に応じて抵抗値が変化する感ガス膜と、感ガス膜の抵抗値変化を検出する第2検出部とを備えており、両センサとでヒータを共用したことを特徴とする。
【0007】
このように、本発明の集積化センサ装置は、基板上に2種類の異なる湿度センサ部とガスセンサ部を設けながら、両センサ部のヒータ同士を共用することにより、センサ装置全体の体格を小型化することができる。また、ヒータ同士を共用することにより、お互いのセンサ同士が近傍に存在するため、湿度センサがガスセンサの感度補正のための湿度の検出を精度良く実施することが可能である。
【0008】
請求項2に記載のように、集積化センサ装置は、基板上にガスセンサ部及び湿度センサ部と同様の構成を有する基準センサ部を有し、且つ基準センサ部はヒータ及び感ガス膜を、雰囲気中の湿度及びガスと遮断するための封止材を備えることが好ましい。
【0009】
このような構成によれば、基準センサ部は湿度及びガスに晒される事が無く、ヒータ及び感ガス膜は常に安定した抵抗値を示すことができる。そして、その値とセンサ部において湿度及びガスを検出したヒータ及び感ガス膜の抵抗値とを比較することにより、湿度及びガス濃度を精度良く検出することができる。
【0010】
請求項3に記載のように、共用されたヒータが形成される基板部位が、基板の他の部位の厚さよりも薄い薄肉部となり、更にその薄肉部の一部に連通孔を形成することで、その連通孔を介して薄肉部の両サイドの空間が連通されていることが好ましい。
【0011】
このようにセンサ部及び基準センサ部ともに、ヒータが形成される部位の基板厚さが他の部位の厚さよりも薄肉となるように形成されていることで、ヒータの熱容量を小さくすることができ、ヒータの湿度センサとしての感度を向上することができる。また、薄肉部の一部に薄肉部上部の空間と薄肉部下部の空間とを連通する連通孔が形成されることで、連通孔を介して水分を伴った空気が行き来することができる。従って、薄肉部下部表面にも水分が付着することができ、その結果、湿度を感度良く検出することができる。
【0012】
請求項4に記載のように、基準センサ部の感ガス膜、ヒータ及び連通孔を密閉空間に閉じ込めるように、基板上に封止材が形成されることが好ましい。薄肉部下部の空間は連通孔を介して基準センサ部上部の空間とのみ連通している。従って、基準センサ部の上部空間を封止するように周辺に封止材を形成することで、感ガス膜、ヒータ及び連通孔のみならず、下部空間も封止することができる。その結果、基準センサ部は雰囲気中の湿度及びガスの影響を受けることは無く、常に安定した抵抗値を与えることができる。
【0013】
請求項5に記載のように、基板はシリコンからなる半導体基板であることが好ましい。例えば、ヒータが形成される部位の基板を薄肉にするには、ヒータ下部の基板をエッチングにより除去する方法が考えられる。そこで、シリコンからなる半導体基板を基板として用いた方が、既存の半導体製造技術により所定の形状にエッチング加工を行いやすく、またシリコン基板表面に絶縁層を設けやすいため有利である。
【0014】
請求項6に記載のように、半導体基板上に半導体回路として、第1検出部及び第2検出部を含む動作回路部を構成しても良い。このような構成を有すことで、センサ部或いは基準センサ部と動作回路部の接続配線を短縮することができ、集積センサ装置を更に小型化することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態における集積化センサ装置の断面図である。先ず、集積化センサ装置の構成を下記に示す。
【0016】
集積化センサ装置1は、台座(以下ステムという)2上に例えば銀ペースト等の接着層3を介してセンサチップ4が接合されている。ステム2には、複数本の外部出力端子5(図1では1本のみ図示)が貫通する状態で配置されており、センサチップ4と外部出力端子5はボンディングワイヤ6によって電気的に接続されている。また、ステム2の周囲部には、ステム2に対して密着固定されたキャップ(以下CAPという)7が配置され、CAP7の内部にセンサチップ4等が配置された構造を有している。CAP7の上部中央付近にはフィルタ8が設置されており、外部からガス及び湿気を伴った空気がフィルタ8を通してCAP7の内部に侵入する。
【0017】
次にセンサチップ4について図2を用いて詳細に説明する。図2に示すように、センサチップ4は半導体基板9を備えている。この半導体基板9としては、例えばシリコン基板を用いることができる。尚、半導体基板9以外にもセラミック基板等を用いても良い。半導体基板9の上面には例えばシリコン窒化膜からなる絶縁層11が形成されており、また、絶縁層11は所定の範囲が薄肉となるように加工されている。その絶縁層11の薄肉部には、例えばプラチナからなるヒータ12が例えば蛇行パターン状に形成され、そのヒータ12の両端部に接続するように例えば銅からなる一対の配線13が形成されている。外部出力端子5と接続されるボンディングワイヤ6は、その配線13と電気的に接続された動作回路部14と電気的に接続される。しかし、動作回路部14を外付けする場合は、ボンディングワイヤ6は配線13と直接電気的に接続されても良い。
【0018】
また、半導体基板9には、ヒータ12の形成位置における絶縁層11と半導体基板9とからなる基板厚さが、他の部位の基板厚さよりも薄い薄肉部となるよう、例えば溝部10が形成されている。この溝部10は図示しない連通孔によりセンサ部上部の空間と連通しており、フィルタ8を通して進入してきた雰囲気中の湿度及びガスが、連通孔を介して溝部10内に充満される。尚、溝部10は、その一方の面をステム2により封止されている。従って、半導体基板9が接着層3を介してステム2に接合されることにより、上述した連通孔を介してのみセンサ部上部の空間と連通する。
【0019】
ヒータ12は溝部10に一面が露出する絶縁層11部分に形成されている。すなわち、ヒータ12の形成部位における絶縁層11と半導体基板9とからなる基板は、他の部位よりも薄肉化されている。従って、ヒータ12の熱容量を小さくすることができるため、湿度センサとしてのセンサ感度を向上することができる。尚、湿度センサの機能については後述する。
【0020】
さらに、ヒータ12、配線13上にはパッシベーション膜15が形成され、このパッシベーション膜15は例えばシリコン窒化膜が用いられる。このパッシベーション膜15上の所定の領域、好ましくはヒータ12の鉛直上に、例えば酸化錫からなる感ガス膜16と感ガス膜16の抵抗値変化を取り出すための電極17が形成されている。すなわち、この感ガス膜16を主要部としてガスセンサが構成される。尚、ガスセンサの機能については後述する。
【0021】
ここで図1,2に示すように、センサチップ4は2個のセンサ構造A,Bを有している。Aはセンサ部、Bは基準センサ部であり、基準センサ部Bのみがその周囲を封止材18により封止されている。尚、センサ構造自体は、センサ部Aと基準センサ部Bとで全く同一である。封止材18は基準センサ部Bの配線13を含む絶縁膜11上に接着剤19により固定される。封止材18の内部には、基準センサ部Bのヒータ12、感ガス膜16及び溝部10に連通した図示されない連通孔等が内包されている。この封止材18により、雰囲気中の湿度及びガスといった外気が、封止材18内のセンサ部に対して完全に遮断された状態となっており、封止材18内は、例えば乾燥空気が封入されている。更に、基準センサ部Bにおける溝部10は、図示されない連通孔を介して感ガス膜16の上部空間と連通されているが、感ガス膜16上部の空間が封止材18により雰囲気中の湿度及びガスと遮断されているため、溝部10も湿度及びガスによる影響は受けない状態となっている。
【0022】
次に、集積化センサ装置1の製造方法の一例の概略を説明する。尚、本センサ装置1は半導体製造技術を利用して形成される。本センサ装置1は、少なくとも2つのセンサ構造A,Bを有し、一方は雰囲気中の湿度及びガスを検出するセンサ部Aであり、他方はセンサ部Aと同一のセンサ構造を有しつつ封止材18により湿度およびガスと遮断された基準センサ部Bである。これらは、一部(基準センサ部Bの封止材18)を除き、同一の構造を有するので、同一工程でほぼ同時に形成されることが好ましい。
【0023】
半導体基板9として例えばシリコン基板を用い、その上面に例えば気相成長法により、シリコン窒化膜といった絶縁層11を形成する。そして、半導体基板9における溝部10の形成領域に対応する絶縁層11部分に対して、例えばエッチング処理を施すことにより、薄肉部を形成する。絶縁層11の薄肉部内に、プラチナや或いはポリシリコン等を用いたヒータ12が、例えば蛇行状に形成される。そして、ヒータ12の両端に夫々電気的に接続される配線13が例えばスパッタ法により所定の形状に形成される。
【0024】
配線13の形成後、ヒータ12及び配線13の上部にパッシベーション膜15として、例えばシリコン窒化膜を気相成長により形成する。次に、シリコン基板の下面(非センサ部側面)に、例えば気相成長により図示しないシリコン窒化膜或いはシリコン酸化膜を形成し、フォトエッチングにより所定の形状にパターニングする。その後、残されたシリコン窒化膜等をマスクとし、シリコン基板をKOH水溶液等により異方性エッチングする。そして、溝部10を形成することにより、ヒータ12の形成部位における半導体基板9と絶縁層11とからなる基板を薄肉化する。
【0025】
溝部10の形成後、パッシベーション膜15上の所定の領域に、例えば酸化錫からなる感ガス膜16と感ガス膜16の抵抗値変化を電気信号として取り出すための電極17を形成する。その後基準センサ部Bのみ、基準センサ部Bを覆うように封止材18を例えば接着剤を用いて固定し、封止材18内の基準センサ部Bに雰囲気中の湿度及びガスの影響が無いようにする。尚、封止材18内は、感ガス膜16として酸素の吸脱着による抵抗変化をみる酸化錫等を用いる場合、例えば乾燥空気が封入されるが、使用される感ガス材に合わせて種々用いられるものとする。その後、ウエハ上のシリコン基板9をダイシングにより切り分ける。
【0026】
続いて、ステム2上にセンサチップ4を例えば接着層3として銀ペースト等を用いて接着し、さらに、ボンディングワイヤ6により外部出力端子5と配線13に電気的に接続された動作回路14の端子が電気的に接続される。しかし、動作回路部14を外付けする場合は、ボンディングワイヤ6と配線13とが直接接続されても良い。その後、CAP7を配置し例えばシール溶接する。尚、CAP7の上部中央付近には、センサ表面にゴミ、埃等不必要なものの進入を阻害するためにフィルタ8が設置されている。
【0027】
次に、センサ部A及び基準センサ部Bによる湿度及びガス検出原理について説明する。
【0028】
湿度の検出の際、センサ部A及び基準センサ部Bのヒータ12が通電され夫々所定の温度まで加熱される。このとき、センサ部A,基準センサ部Bは共に溝部10を有する薄肉構造を有しており、それによりヒータ12の熱容量を小さくしている。そして、フィルタ8を通して湿度を伴った空気が進入してくると、センサ部Aの感ガス膜16等表面に水分が付着し、それと共に連通孔を介して溝部10内にも水分を伴った空気が充満し、ヒータ12下部の絶縁層11表面にも水分が付着する。その結果、付着した水分の気化熱によりセンサ部Aのヒータ12の温度が低下する。その温度変化に応じてセンサ部Aのヒータ抵抗が変化する。すなわち、ヒータ12の温度変化(温度の低下)は、ヒータ12の周囲に付着する水分量(湿度)と相対関係にあるため、その温度変化に対応して変化するヒータ12の抵抗値から湿度を検出することができる。尚、本実施例では、センサ部Aのヒータ12の抵抗値変化を検出するため、基準センサ部Bのヒータ12とともにブリッジ回路を構成し、そのブリッジ回路の中点電位を検出することによって湿度を求める。このブリッジ回路を含む第1検出部については後に詳細を説明する。
【0029】
一方、ガス濃度の検出の際、センサ部A,基準センサ部B共に感ガス膜16がヒータ12により、例えば400℃程度まで加熱される。これにより感ガス膜16が活性化され、感ガス膜16表面に酸素が吸着される。このとき、感ガス膜16中の自由電子が膜表面に吸着した酸素にトラップされるため、感ガス膜16の電気抵抗が増大する。次に、フィルタ8を通して、例えば一酸化炭素等のガスが進入してくると、センサ部Aにて感ガス膜16表面で吸着していた酸素とガスの間で酸化反応が起こり、その結果吸着酸素量が減少して、感ガス膜16の電気抵抗は減少する。このように、ガス濃度の変化は感ガス膜16の抵抗値変化に対応する。従って、センサ部Aの感ガス膜16の抵抗値変化からガス濃度を求めることができる。尚、センサ部Aの感ガス膜16の抵抗値変化を検出するため、前述の湿度検出の場合と同様に、基準センサ部Bの感ガス膜16とともにブリッジ回路を構成し、そのブリッジ回路を含む第2検出部にてガス濃度を求める。
【0030】
このように、本発明における集積化センサ装置1は、図1,2に示すように同一半導体基板9上に、湿度センサ部及びガスセンサ部を形成しており、それにより2つのセンサを別基板で形成する集積化センサ装置より体格が小型化されている。さらに、両センサのヒータ12を共用したことにより、湿度及びガスセンサ部をほぼ一体化でき、さらに体格が小型化できる。また、ヒータ12の共用により,ガスセンサ部の近傍に湿度センサ部が存在するため、ガスセンサの湿度による感度補正を精度良く実施することができ、例えば自動車用のエアクオリティセンサとしても非常に有効である。
【0031】
更に、図1で示すように、集積化センサ装置1の半導体基板9上に、例えば第1検出部及び第2検出部を含む半導体回路としての動作回路部14を組み込むことも可能である。その結果、配線13やボンディングワイヤ6等の各接続部材の長さを短縮することができ、断線等の危険度を低減する事もできる。尚、上記湿度センサ部はガスセンサ部の湿度補正のみならず、自動車のエアコン制御にも使用することができる。
【0032】
次に、湿度検出回路としての第1検出部の回路構成を図3に示す。
【0033】
図3に示すように、第1検出部はセンサ部Aのヒータ12(抵抗rA)と基準センサ部Bのヒータ12(抵抗rB)を用いて構成したブリッジ回路を備える。すなわちこのブリッジ回路、センサ部Aのヒータ抵抗rAと、基準センサ部Bのヒータ抵抗rBとが直列に接続されるとともに、その直列に接続されたヒータ抵抗rA,rBが直列接続された任意の固定抵抗r1,r2に対して並列接続されている。
【0034】
ここで、rAは湿度を検出し変化した後の値を示すものとすると、
【0035】
【数1】rA=rB+x
と示すことができる。但し、xは湿度による抵抗変化分を示す。
【0036】
またこのとき、r1=r2としブリッジ回路に定電圧Vを印加すると、出力として得られる電圧Voutは、
【0037】
【数2】Vout=rB×V/(2rB+x)−V/2
として示すことができる。従って、湿度による抵抗変化xに対応して、電圧Voutは変化し、電圧Voutを検出することによって湿度を求めることができる。
【0038】
また、第2検出部においても、図3に示す湿度検出回路同様のブリッジ回路を構成することにより、ブリッジ回路の出力電圧値からガスの濃度を検出することができる。
【0039】
尚、本例においては、シリコン基板の下部からエッチングをすることにより溝部10を形成し、ヒータ12の形成位置における基板の厚さを薄肉化する例を示した。しかしシリコン基板の上部からエッチングを行い、ヒータ12の形成位置直下のシリコン基板を除去して、ヒータ12の形成部位を薄肉化しても良い。
【0040】
また、本例では湿度センサとガスセンサの共有化を図ったが、これ以外でもヒータを用いるタイプのセンサと組み合わせることが可能で、例えば熱式流量センサ等と上記湿度センサ或いはガスセンサを組合せても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における集積センサ装置の断面図である。
【図2】図1におけるセンサチップ拡大図である。
【図3】湿度センサ部の検出例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・・・集積化センサ装置、4・・・センサチップ、9・・・半導体基板、10・・・溝部、11・・・絶縁層、12・・・ヒータ、13・・・配線、14・・・動作回路部、15・・・パッシベーション膜、16・・・感ガス膜、17・・・電極、18・・・封止材、A・・・センサ部、B・・・基準センサ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一の基板上に湿度センサ及びガスセンサを形成した集積化センサ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造技術を用いて製造された半導体式ガスセンサは、現在様々な分野で用いられている。例えば、半導体式ガスセンサの用途の一例として、車両用空気調和装置の内外気の切り替え制御に用いられる場合がある。すなわち、先行する自動車の排気ガス等を半導体式ガスセンサで検出し、その検出結果に基づいて内・外気導入の切り替えを自動で行う。
【0003】
この半導体式ガスセンサは、ヒータにより加熱され活性化した感ガス膜に吸着した酸素と、対象ガスとの間で起こる酸素の吸脱着に伴う電気伝導度の変化を、抵抗値変化として捉える事でガス濃度を検出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上述したガスセンサは、感ガス膜が湿度による影響を受けて感度が変化するため、別途湿度センサを設け、湿度に応じた感度補正を行うことが好ましい。しかしながら、ガスセンサの補正用に湿度センサを別途設けた場合、センサ装置の体格がかなり大型化してしまうといった問題がある。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑み、体格を小型化することが可能な、湿度センサ及びガスセンサを備えた集積化センサ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する為に、請求項1に記載の集積化センサ装置は、湿度センサ部として、基板上に形成されつつ通電により発熱すると共に、雰囲気中の湿度に応じてその発熱温度が変化するヒータと、ヒータの発熱温度に応じた抵抗値変化を検出する第1検出部とを備え、ガスセンサ部として、基板上に形成されたヒータ上に形成され、雰囲気中のガス濃度に応じて抵抗値が変化する感ガス膜と、感ガス膜の抵抗値変化を検出する第2検出部とを備えており、両センサとでヒータを共用したことを特徴とする。
【0007】
このように、本発明の集積化センサ装置は、基板上に2種類の異なる湿度センサ部とガスセンサ部を設けながら、両センサ部のヒータ同士を共用することにより、センサ装置全体の体格を小型化することができる。また、ヒータ同士を共用することにより、お互いのセンサ同士が近傍に存在するため、湿度センサがガスセンサの感度補正のための湿度の検出を精度良く実施することが可能である。
【0008】
請求項2に記載のように、集積化センサ装置は、基板上にガスセンサ部及び湿度センサ部と同様の構成を有する基準センサ部を有し、且つ基準センサ部はヒータ及び感ガス膜を、雰囲気中の湿度及びガスと遮断するための封止材を備えることが好ましい。
【0009】
このような構成によれば、基準センサ部は湿度及びガスに晒される事が無く、ヒータ及び感ガス膜は常に安定した抵抗値を示すことができる。そして、その値とセンサ部において湿度及びガスを検出したヒータ及び感ガス膜の抵抗値とを比較することにより、湿度及びガス濃度を精度良く検出することができる。
【0010】
請求項3に記載のように、共用されたヒータが形成される基板部位が、基板の他の部位の厚さよりも薄い薄肉部となり、更にその薄肉部の一部に連通孔を形成することで、その連通孔を介して薄肉部の両サイドの空間が連通されていることが好ましい。
【0011】
このようにセンサ部及び基準センサ部ともに、ヒータが形成される部位の基板厚さが他の部位の厚さよりも薄肉となるように形成されていることで、ヒータの熱容量を小さくすることができ、ヒータの湿度センサとしての感度を向上することができる。また、薄肉部の一部に薄肉部上部の空間と薄肉部下部の空間とを連通する連通孔が形成されることで、連通孔を介して水分を伴った空気が行き来することができる。従って、薄肉部下部表面にも水分が付着することができ、その結果、湿度を感度良く検出することができる。
【0012】
請求項4に記載のように、基準センサ部の感ガス膜、ヒータ及び連通孔を密閉空間に閉じ込めるように、基板上に封止材が形成されることが好ましい。薄肉部下部の空間は連通孔を介して基準センサ部上部の空間とのみ連通している。従って、基準センサ部の上部空間を封止するように周辺に封止材を形成することで、感ガス膜、ヒータ及び連通孔のみならず、下部空間も封止することができる。その結果、基準センサ部は雰囲気中の湿度及びガスの影響を受けることは無く、常に安定した抵抗値を与えることができる。
【0013】
請求項5に記載のように、基板はシリコンからなる半導体基板であることが好ましい。例えば、ヒータが形成される部位の基板を薄肉にするには、ヒータ下部の基板をエッチングにより除去する方法が考えられる。そこで、シリコンからなる半導体基板を基板として用いた方が、既存の半導体製造技術により所定の形状にエッチング加工を行いやすく、またシリコン基板表面に絶縁層を設けやすいため有利である。
【0014】
請求項6に記載のように、半導体基板上に半導体回路として、第1検出部及び第2検出部を含む動作回路部を構成しても良い。このような構成を有すことで、センサ部或いは基準センサ部と動作回路部の接続配線を短縮することができ、集積センサ装置を更に小型化することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態における集積化センサ装置の断面図である。先ず、集積化センサ装置の構成を下記に示す。
【0016】
集積化センサ装置1は、台座(以下ステムという)2上に例えば銀ペースト等の接着層3を介してセンサチップ4が接合されている。ステム2には、複数本の外部出力端子5(図1では1本のみ図示)が貫通する状態で配置されており、センサチップ4と外部出力端子5はボンディングワイヤ6によって電気的に接続されている。また、ステム2の周囲部には、ステム2に対して密着固定されたキャップ(以下CAPという)7が配置され、CAP7の内部にセンサチップ4等が配置された構造を有している。CAP7の上部中央付近にはフィルタ8が設置されており、外部からガス及び湿気を伴った空気がフィルタ8を通してCAP7の内部に侵入する。
【0017】
次にセンサチップ4について図2を用いて詳細に説明する。図2に示すように、センサチップ4は半導体基板9を備えている。この半導体基板9としては、例えばシリコン基板を用いることができる。尚、半導体基板9以外にもセラミック基板等を用いても良い。半導体基板9の上面には例えばシリコン窒化膜からなる絶縁層11が形成されており、また、絶縁層11は所定の範囲が薄肉となるように加工されている。その絶縁層11の薄肉部には、例えばプラチナからなるヒータ12が例えば蛇行パターン状に形成され、そのヒータ12の両端部に接続するように例えば銅からなる一対の配線13が形成されている。外部出力端子5と接続されるボンディングワイヤ6は、その配線13と電気的に接続された動作回路部14と電気的に接続される。しかし、動作回路部14を外付けする場合は、ボンディングワイヤ6は配線13と直接電気的に接続されても良い。
【0018】
また、半導体基板9には、ヒータ12の形成位置における絶縁層11と半導体基板9とからなる基板厚さが、他の部位の基板厚さよりも薄い薄肉部となるよう、例えば溝部10が形成されている。この溝部10は図示しない連通孔によりセンサ部上部の空間と連通しており、フィルタ8を通して進入してきた雰囲気中の湿度及びガスが、連通孔を介して溝部10内に充満される。尚、溝部10は、その一方の面をステム2により封止されている。従って、半導体基板9が接着層3を介してステム2に接合されることにより、上述した連通孔を介してのみセンサ部上部の空間と連通する。
【0019】
ヒータ12は溝部10に一面が露出する絶縁層11部分に形成されている。すなわち、ヒータ12の形成部位における絶縁層11と半導体基板9とからなる基板は、他の部位よりも薄肉化されている。従って、ヒータ12の熱容量を小さくすることができるため、湿度センサとしてのセンサ感度を向上することができる。尚、湿度センサの機能については後述する。
【0020】
さらに、ヒータ12、配線13上にはパッシベーション膜15が形成され、このパッシベーション膜15は例えばシリコン窒化膜が用いられる。このパッシベーション膜15上の所定の領域、好ましくはヒータ12の鉛直上に、例えば酸化錫からなる感ガス膜16と感ガス膜16の抵抗値変化を取り出すための電極17が形成されている。すなわち、この感ガス膜16を主要部としてガスセンサが構成される。尚、ガスセンサの機能については後述する。
【0021】
ここで図1,2に示すように、センサチップ4は2個のセンサ構造A,Bを有している。Aはセンサ部、Bは基準センサ部であり、基準センサ部Bのみがその周囲を封止材18により封止されている。尚、センサ構造自体は、センサ部Aと基準センサ部Bとで全く同一である。封止材18は基準センサ部Bの配線13を含む絶縁膜11上に接着剤19により固定される。封止材18の内部には、基準センサ部Bのヒータ12、感ガス膜16及び溝部10に連通した図示されない連通孔等が内包されている。この封止材18により、雰囲気中の湿度及びガスといった外気が、封止材18内のセンサ部に対して完全に遮断された状態となっており、封止材18内は、例えば乾燥空気が封入されている。更に、基準センサ部Bにおける溝部10は、図示されない連通孔を介して感ガス膜16の上部空間と連通されているが、感ガス膜16上部の空間が封止材18により雰囲気中の湿度及びガスと遮断されているため、溝部10も湿度及びガスによる影響は受けない状態となっている。
【0022】
次に、集積化センサ装置1の製造方法の一例の概略を説明する。尚、本センサ装置1は半導体製造技術を利用して形成される。本センサ装置1は、少なくとも2つのセンサ構造A,Bを有し、一方は雰囲気中の湿度及びガスを検出するセンサ部Aであり、他方はセンサ部Aと同一のセンサ構造を有しつつ封止材18により湿度およびガスと遮断された基準センサ部Bである。これらは、一部(基準センサ部Bの封止材18)を除き、同一の構造を有するので、同一工程でほぼ同時に形成されることが好ましい。
【0023】
半導体基板9として例えばシリコン基板を用い、その上面に例えば気相成長法により、シリコン窒化膜といった絶縁層11を形成する。そして、半導体基板9における溝部10の形成領域に対応する絶縁層11部分に対して、例えばエッチング処理を施すことにより、薄肉部を形成する。絶縁層11の薄肉部内に、プラチナや或いはポリシリコン等を用いたヒータ12が、例えば蛇行状に形成される。そして、ヒータ12の両端に夫々電気的に接続される配線13が例えばスパッタ法により所定の形状に形成される。
【0024】
配線13の形成後、ヒータ12及び配線13の上部にパッシベーション膜15として、例えばシリコン窒化膜を気相成長により形成する。次に、シリコン基板の下面(非センサ部側面)に、例えば気相成長により図示しないシリコン窒化膜或いはシリコン酸化膜を形成し、フォトエッチングにより所定の形状にパターニングする。その後、残されたシリコン窒化膜等をマスクとし、シリコン基板をKOH水溶液等により異方性エッチングする。そして、溝部10を形成することにより、ヒータ12の形成部位における半導体基板9と絶縁層11とからなる基板を薄肉化する。
【0025】
溝部10の形成後、パッシベーション膜15上の所定の領域に、例えば酸化錫からなる感ガス膜16と感ガス膜16の抵抗値変化を電気信号として取り出すための電極17を形成する。その後基準センサ部Bのみ、基準センサ部Bを覆うように封止材18を例えば接着剤を用いて固定し、封止材18内の基準センサ部Bに雰囲気中の湿度及びガスの影響が無いようにする。尚、封止材18内は、感ガス膜16として酸素の吸脱着による抵抗変化をみる酸化錫等を用いる場合、例えば乾燥空気が封入されるが、使用される感ガス材に合わせて種々用いられるものとする。その後、ウエハ上のシリコン基板9をダイシングにより切り分ける。
【0026】
続いて、ステム2上にセンサチップ4を例えば接着層3として銀ペースト等を用いて接着し、さらに、ボンディングワイヤ6により外部出力端子5と配線13に電気的に接続された動作回路14の端子が電気的に接続される。しかし、動作回路部14を外付けする場合は、ボンディングワイヤ6と配線13とが直接接続されても良い。その後、CAP7を配置し例えばシール溶接する。尚、CAP7の上部中央付近には、センサ表面にゴミ、埃等不必要なものの進入を阻害するためにフィルタ8が設置されている。
【0027】
次に、センサ部A及び基準センサ部Bによる湿度及びガス検出原理について説明する。
【0028】
湿度の検出の際、センサ部A及び基準センサ部Bのヒータ12が通電され夫々所定の温度まで加熱される。このとき、センサ部A,基準センサ部Bは共に溝部10を有する薄肉構造を有しており、それによりヒータ12の熱容量を小さくしている。そして、フィルタ8を通して湿度を伴った空気が進入してくると、センサ部Aの感ガス膜16等表面に水分が付着し、それと共に連通孔を介して溝部10内にも水分を伴った空気が充満し、ヒータ12下部の絶縁層11表面にも水分が付着する。その結果、付着した水分の気化熱によりセンサ部Aのヒータ12の温度が低下する。その温度変化に応じてセンサ部Aのヒータ抵抗が変化する。すなわち、ヒータ12の温度変化(温度の低下)は、ヒータ12の周囲に付着する水分量(湿度)と相対関係にあるため、その温度変化に対応して変化するヒータ12の抵抗値から湿度を検出することができる。尚、本実施例では、センサ部Aのヒータ12の抵抗値変化を検出するため、基準センサ部Bのヒータ12とともにブリッジ回路を構成し、そのブリッジ回路の中点電位を検出することによって湿度を求める。このブリッジ回路を含む第1検出部については後に詳細を説明する。
【0029】
一方、ガス濃度の検出の際、センサ部A,基準センサ部B共に感ガス膜16がヒータ12により、例えば400℃程度まで加熱される。これにより感ガス膜16が活性化され、感ガス膜16表面に酸素が吸着される。このとき、感ガス膜16中の自由電子が膜表面に吸着した酸素にトラップされるため、感ガス膜16の電気抵抗が増大する。次に、フィルタ8を通して、例えば一酸化炭素等のガスが進入してくると、センサ部Aにて感ガス膜16表面で吸着していた酸素とガスの間で酸化反応が起こり、その結果吸着酸素量が減少して、感ガス膜16の電気抵抗は減少する。このように、ガス濃度の変化は感ガス膜16の抵抗値変化に対応する。従って、センサ部Aの感ガス膜16の抵抗値変化からガス濃度を求めることができる。尚、センサ部Aの感ガス膜16の抵抗値変化を検出するため、前述の湿度検出の場合と同様に、基準センサ部Bの感ガス膜16とともにブリッジ回路を構成し、そのブリッジ回路を含む第2検出部にてガス濃度を求める。
【0030】
このように、本発明における集積化センサ装置1は、図1,2に示すように同一半導体基板9上に、湿度センサ部及びガスセンサ部を形成しており、それにより2つのセンサを別基板で形成する集積化センサ装置より体格が小型化されている。さらに、両センサのヒータ12を共用したことにより、湿度及びガスセンサ部をほぼ一体化でき、さらに体格が小型化できる。また、ヒータ12の共用により,ガスセンサ部の近傍に湿度センサ部が存在するため、ガスセンサの湿度による感度補正を精度良く実施することができ、例えば自動車用のエアクオリティセンサとしても非常に有効である。
【0031】
更に、図1で示すように、集積化センサ装置1の半導体基板9上に、例えば第1検出部及び第2検出部を含む半導体回路としての動作回路部14を組み込むことも可能である。その結果、配線13やボンディングワイヤ6等の各接続部材の長さを短縮することができ、断線等の危険度を低減する事もできる。尚、上記湿度センサ部はガスセンサ部の湿度補正のみならず、自動車のエアコン制御にも使用することができる。
【0032】
次に、湿度検出回路としての第1検出部の回路構成を図3に示す。
【0033】
図3に示すように、第1検出部はセンサ部Aのヒータ12(抵抗rA)と基準センサ部Bのヒータ12(抵抗rB)を用いて構成したブリッジ回路を備える。すなわちこのブリッジ回路、センサ部Aのヒータ抵抗rAと、基準センサ部Bのヒータ抵抗rBとが直列に接続されるとともに、その直列に接続されたヒータ抵抗rA,rBが直列接続された任意の固定抵抗r1,r2に対して並列接続されている。
【0034】
ここで、rAは湿度を検出し変化した後の値を示すものとすると、
【0035】
【数1】rA=rB+x
と示すことができる。但し、xは湿度による抵抗変化分を示す。
【0036】
またこのとき、r1=r2としブリッジ回路に定電圧Vを印加すると、出力として得られる電圧Voutは、
【0037】
【数2】Vout=rB×V/(2rB+x)−V/2
として示すことができる。従って、湿度による抵抗変化xに対応して、電圧Voutは変化し、電圧Voutを検出することによって湿度を求めることができる。
【0038】
また、第2検出部においても、図3に示す湿度検出回路同様のブリッジ回路を構成することにより、ブリッジ回路の出力電圧値からガスの濃度を検出することができる。
【0039】
尚、本例においては、シリコン基板の下部からエッチングをすることにより溝部10を形成し、ヒータ12の形成位置における基板の厚さを薄肉化する例を示した。しかしシリコン基板の上部からエッチングを行い、ヒータ12の形成位置直下のシリコン基板を除去して、ヒータ12の形成部位を薄肉化しても良い。
【0040】
また、本例では湿度センサとガスセンサの共有化を図ったが、これ以外でもヒータを用いるタイプのセンサと組み合わせることが可能で、例えば熱式流量センサ等と上記湿度センサ或いはガスセンサを組合せても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における集積センサ装置の断面図である。
【図2】図1におけるセンサチップ拡大図である。
【図3】湿度センサ部の検出例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1・・・集積化センサ装置、4・・・センサチップ、9・・・半導体基板、10・・・溝部、11・・・絶縁層、12・・・ヒータ、13・・・配線、14・・・動作回路部、15・・・パッシベーション膜、16・・・感ガス膜、17・・・電極、18・・・封止材、A・・・センサ部、B・・・基準センサ部
Claims (6)
- 湿度センサ部とガスセンサ部とを備える集積化センサ装置であって、
前記湿度センサ部は、基板上に形成され、通電により発熱すると共に、雰囲気中の湿度に応じてその発熱温度が変化するヒータと、前記ヒータの発熱温度に応じた抵抗値変化を検出する第1検出部とを備え、
前記ガスセンサ部は、前記基板上に形成された前記ヒータ上に形成され、雰囲気中のガス濃度に応じて抵抗値が変化する感ガス膜と、前記感ガス膜の抵抗値変化を検出する第2検出部とを備え、
前記湿度センサ部と前記ガスセンサ部とで前記ヒータを共用したことを特徴とする集積化センサ装置。 - 前記基板上に形成され、前記湿度センサ部及び前記ガスセンサ部と同様の構成を有する基準センサ部と、
前記基準センサ部のヒータ及び感ガス膜を、前記雰囲気中の湿度及びガスと遮断するための封止材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の集積化センサ装置。 - 共用された前記ヒータの形成位置における前記基板を当該基板の他の部位における厚さよりも薄い薄肉部とするとともに、その薄肉部の一部に連通孔を形成し、その連通孔を介して前記薄肉部の両サイドの空間を連通したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の集積化センサ装置。
- 前記封止材が、前記基準センサ部の前記感ガス膜、前記ヒータ及び前記連通孔を密閉空間に閉じ込めるように、前記基板上に形成されることを特徴とする請求項3に記載の集積化センサ装置。
- 前記基板は、シリコンからなる半導体基板であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の集積化センサ装置。
- 前記第1検出部及び前記第2検出部を含む動作回路部は、前記半導体基板に半導体回路として構成されることを特徴とする請求項5に記載の集積化センサ装置。
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