JP2002300965A - 電気ポットとその故障診断方法 - Google Patents

電気ポットとその故障診断方法

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JP2002300965A
JP2002300965A JP2001105398A JP2001105398A JP2002300965A JP 2002300965 A JP2002300965 A JP 2002300965A JP 2001105398 A JP2001105398 A JP 2001105398A JP 2001105398 A JP2001105398 A JP 2001105398A JP 2002300965 A JP2002300965 A JP 2002300965A
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electric pot
electric
nonvolatile memory
failure
temperature
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JP2001105398A
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Shinichi Sakashita
慎一 坂下
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Tiger Vacuum Bottle Co Ltd
Original Assignee
Tiger Vacuum Bottle Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 故障診断にかかる手間と費用の負担を軽減す
ることが可能な電気ポットと、それを用いた故障診断方
法を提供する。 【解決手段】 電気ポットは、不揮発性メモリ56と、
電気ポットの異常動作及びメンテナンス動作の少なくと
も一方の履歴を不揮発性メモリ56に記憶させる制御装
置42と、不揮発性メモリ56の記憶データを外部に出
力するための通信インターフェイス57とを備える。故
障解析時に、不揮発性メモリ56の記憶データを読み出
し、ウェブサーバ上又はウェブブラウザ上で実行される
故障解析プログラムにかけることにより、推定故障原因
等をウェブブラウザで表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気ポットとその
故障診断方法に関する。詳しくは、故障診断にかかる手
間と費用の負担を軽減することが可能な電気ポットと、
それを用いた故障診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】電気ヒータによって飲
料用、調理用等の湯を沸かし、保温する電気ポットは広
く一般家庭に普及している。近年は、マイクロプロセッ
サを用いた制御部、温度センサ等を搭載し、押ボタンス
イッチや液晶表示器を含む操作パネルを備えた電気ポッ
トが一般的である。例えば、温度センサの検出信号に基
づいて制御部は、操作パネルで設定した湯温になるまで
電気ヒータを加熱し、その後、保温用のヒータに切り替
える自動制御を実行する。
【0003】また、電動ポンプを内蔵し、給湯を電動で
行うものが主流になって来ている。使用者は操作パネル
の給湯指示ボタンを押すだけで電気ポットから所定の容
器に給湯することができる。この場合、通常は給湯指示
ボタンを押している間だけ吐出口(湯の注ぎ口)から湯
が吐出され、給湯指示ボタンから指を離せば湯の吐出が
停止する。このような操作パネルの操作に応じて電動ポ
ンプを制御する処理もマイクロプロセッサを用いた制御
部が実行する。
【0004】上記のような高機能、高付加価値化に伴
い、電気ポットの故障原因が多様化してきている。電気
ヒータの切断といった単純な故障だけでなく、電動ポン
プの故障、マイクロプロセッサを含む電子回路の故障
等、原因の特定が難しい故障も有る。
【0005】一方、電気ポットの単価は他の家電製品に
比べて安価であり、修理コストを十分にかけることがで
きない事情も有る。例えば、従来のアフターサービス対
応において、担当者が電話で顧客から故障状況を聞いた
後、故障品を送ってもらい、故障原因を解析した後、修
理費用の見積もりを顧客に連絡する。この時点で、顧客
が修理を諦めて買い替えを選択する場合も少なくない。
この場合、故障解析に要した時間と故障品の輸送費が無
駄になる。
【0006】また、電気ポットを長期間使用している
と、水に含まれる炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等
の成分がタンク内壁に析出し、これが電動ポンプ内に入
って電動ポンプの動作不良を引き起こす場合がある。そ
こで、所定量の水とクエン酸をタンク内に入れ、所定時
間の煮沸を行うクエン酸洗浄を定期的に実行することが
推奨される。このようなクエン酸はメンテナンス用消耗
品として電気ポットの製造者から販売されている。ま
た、特定の押ボタン操作によるクエン酸洗浄モード(洗
浄煮沸モード)を備えた電気ポットも多い。
【0007】しかし、上記のクエン酸洗浄のような定期
メンテナンスが、使用者によって正しく実行されないた
めに、電動ポンプ等の故障に至る場合も少なくない。ま
た、水以外の液体(例えばコーヒー等)を沸かすことは
できないと取扱説明書に記載されているにもかかわら
ず、そのような使用によって電気ポットの故障を引き起
こす使用者もいる。修理依頼に際して、このような誤使
用やメンテナンスの不履行を正直に申告する使用者が少
ないことが、故障原因の特定と修理に時間がかかる一因
となっている。
【0008】本発明は、上記のような課題に鑑みてなさ
れたものであり、故障診断にかかる手間と費用の負担を
軽減することが可能な電気ポットと、それを用いた故障
診断方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による電気ポット
の構成は、電気ポットの非通電状態でも記憶データを保
持する不揮発性メモリと、電気ポットの異常動作及びメ
ンテナンス動作の少なくとも一方の履歴を不揮発性メモ
リに記憶させる制御装置と、不揮発性メモリの記憶デー
タを外部に出力する手段とを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、故障や不具合の発生時に、不
揮発性メモリの記憶データを読み出して、その内容から
故障原因を特定又は推定することができる。
【0010】一実施形態において、電気ポットは湯沸か
し用タンクの温度を検出する温度センサを備え、制御装
置は、湯沸かし動作において、温度センサの検出温度が
あらかじめ定めた高温異常値に達した場合は空焚き異常
と判断して湯沸かし用ヒータの通電回路を遮断すると共
に、空焚き異常の発生回数を不揮発性メモリに積算す
る。空焚きを繰り返し行うと、タンク内壁に塗布された
フッ素樹脂が劣化して剥がれやすくなったり、タンクの
底部が高温で反り、温度センサとタンクとの接合部に隙
間ができて温度検出精度が低下したりする不具合が発生
しやすくなる。空焚き異常の発生回数を記録しておいて
読み出すことにより、そのような故障や不具合の原因と
して推定することができる。
【0011】別の実施形態において、電気ポットはメン
テナンス動作モードとして洗浄煮沸モードを備え、制御
装置は、電気ポットの湯沸かし回数又は使用時間を不揮
発性メモリに積算すると共に、洗浄煮沸モードを実行し
たときは不揮発性メモリに積算された湯沸かし回数又は
使用時間の積算値をリセットする。このような構成によ
れば、使用開始又は前回の洗浄煮沸モード実行時からの
湯沸かし回数又は使用時間の積算値が不揮発性メモリに
記憶されているので、これを読み出すことにより、湯沸
かし器内部の汚れ具合(ミネラル成分等の付着具合)を
相対的に知ることができ、電動ポンプの故障や不具合が
発生したときの故障原因の特定又は推定が容易になる。
【0012】更に別の実施形態において、電気ポットは
タンク内の水を外部へ吐出するための電動ポンプ及び吐
出管と、水の吐出量を計測するために前吐出管の途中に
挿入された流量センサとを備え、制御装置は、電動ポン
プを作動させて所定時間後に流量センサから得られる単
位時間当たりの流量に相当する流量データを不揮発性メ
モリに記憶させると共に、最新の所定回数分の流量デー
タを残して古い流量データから順次消去する。このよう
な構成によれば、故障に至るまでの電動ポンプの動作が
安定(流量データが安定)しているか否かを知ることが
できるので、故障原因の推定に役立つ。
【0013】更に別の実施形態において、電気ポットは
制御装置が実装されたプリント基板の近傍に湿度センサ
が設けられ、制御装置は、湿度センサの検出湿度を所定
時間ごとにサンプリングし、検出湿度が所定値以上であ
る回数を不揮発性メモリに積算する。何らかの原因で電
気ポットの外装ケースとタンクとの間に水が侵入した場
合、制御装置(マイクロプロセッサ)等の電子部品が濡
れて動作不良を発生することがある。乾けば正常動作に
戻る場合もあるが、破壊に至る場合もあり、また、この
ようなことが度重なると、電子部品が不可逆的なダメー
ジを受けて故障に至ることがある。そこで、制御装置が
実装されたプリント基板の近傍の湿度が所定値以上にな
った回数を記憶しておくことにより、故障原因の推定に
用いることができる。
【0014】更に別の実施形態において、電気ポットは
湯沸かし用タンクの温度を検出する温度センサを備え、
制御装置は、湯沸かし動作において、温度センサの検出
温度が上昇から飽和に転じたときの沸騰温度が水の沸点
と異なる場合に沸点異常と判断し、沸点異常の発生回数
を不揮発性メモリに積算する。水に不揮発性の不純物が
溶解している場合、その沸点が純粋な水より高くなる沸
点上昇現象が知られている。また、水以外の液体、例え
ばアルコールの場合は水よりも沸点が低い。したがっ
て、沸騰温度が水の沸点と異なる沸点異常の発生回数を
記録しておけば、例えばコーヒーや茶のような水以外の
ものを沸かした回数を推定することができる。これによ
り、故障時の原因の推定が容易になる。
【0015】本発明による電気ポットの故障診断方法
は、上記のような構成を有する電気ポットに備えられた
不揮発性メモリの記憶データを読み出し、該記憶データ
に基づいて電気ポットの故障原因を推定することを特徴
とする。好ましくは、インターネットに接続されたウェ
ブサーバ上で実行されるプログラム又はウェブサーバに
アクセスした端末装置のウェブブラウザ上で実行される
プログラムによって不揮発性メモリの記憶データに基づ
く電気ポットの故障診断を実行する。これにより、電気
ポットの使用者が、自ら故障原因を推定することが容易
になる。推定した故障原因に基づいて、修理費用を予測
し、修理依頼をすべきか買い換えるべきかの判断材料と
することも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。
【0017】図1は、本発明の実施形態に係る電気ポッ
トの断面図である。この電気ポット1は、略円筒形のポ
ット本体11の内部に、真空層を挟んだ二重ステンレス
スチール製のタンク12を備えている。いわゆる魔法瓶
と同様の構造を有することにより、電気ヒータの通電な
しに所定の湯温を一定時間保持できるように構成されて
いる。
【0018】タンク12の底部に形成された凹部には湯
沸かし用及び保温用の電気ヒータ13が取り付けられて
いる。また、給湯(吐出)用の開口14がタンク12の
底部に設けられ、この開口14は入力管路15aによっ
て電動ポンプ15の入力側に連通している。電動ポンプ
15の出力側の管路15bは、電気ポット1の底部から
上部に向かって略垂直に延びる吐出管16の基端側に接
続されている。吐出管16の先端側は、流量センサ17
及び転倒時の漏れ防止弁機構18を通って吐出口19に
至る。吐出管16は透明のガラス管でできており、その
内部の水面はポット本体11の前面11aに設けられた
透明窓から視認することができる。これにより、タンク
12内の水面、すなわち残湯量が分かる。
【0019】タンク12の上部は注水口として開口して
おり、この開口を閉じるゴムパッキン21を備えた蓋体
22が電気ポット1のポット本体11の上側に設けられ
ている。蓋体22は、後部のヒンジロック機構23によ
ってポット本体11に取り外し自在に枢支されると共
に、前部のロック機構24によって開閉自在に構成され
ている。図示の電気ポット1は、電動ポンプ15による
電動給湯と共に、エアポンプによる手動給湯も可能であ
る。このために、蓋体22の中央部には押し下げ操作部
25、蛇腹部材26、弁機構27,28等からなるエア
ポンプが設けられている。
【0020】ポット本体11の手前側上面には、操作パ
ネル29が設けられている。図2に示すように、操作パ
ネル29には、表示部31と複数の押ボタン32〜36
が設けられている。また、複数のLED(発光ダイオー
ド)の表示窓37〜39が設けられている。詳しくは後
述するように、電気ポット1の使用者は、操作パネル2
9の表示部31の表示によってタンク12内の湯温や沸
き上がりまでの時間等を知ることができる。また、押ボ
タン32〜36を用いて給湯の指示や給湯量の設定等を
行うことができる。
【0021】操作パネル29の内側には操作パネル29
の表示部31に対応する液晶表示器や押ボタン32〜3
6に対応するマイクロスイッチ又はタクトスイッチ、及
び制御用のマイクロプロセッサ(制御装置に相当する)
が実装されたプリント基板(以下、マイコン基板とい
う)が取り付けられている。また、電気ポット1の底部
には、電源回路、駆動回路等が実装されたプリント基板
(以下、電源基板という)40が取り付けられている。
【0022】図3は、操作パネル29のマイコン基板、
電源基板40、その他の電気部品で構成される電気回路
の主要部のブロック図である。電気回路は、マイクロプ
ロセッサ(MPU)42、A/D変換器43、波形整形
回路44、駆動回路45、ブザー46、リセット回路4
7、発振回路48、電源回路49、押ボタン32〜36
に対応する複数のスイッチ51とスイッチ入力回路5
2、液晶表示器53、複数のLED54、表示駆動回路
55、不揮発性メモリ56、及び通信インターフェイス
57等で構成されている。
【0023】タンク12に貯えられた水(湯)の温度を
検出するための温度センサ20がタンク12の外壁に取
り付けられており、その検出信号はA/D変換器43で
ディジタル値に変換されてマイクロプロセッサ42に入
力される。また、詳しくは後述するように、流量センサ
17から出力されるパルス信号は、波形整形回路44を
経て矩形波信号としてマイクロプロセッサ42に入力さ
れる。
【0024】駆動回路45は、マイクロプロセッサ42
からの出力信号により、電動ポンプ15及び電気ヒータ
13を駆動する。駆動回路45はパワーFETのような
スイッチング素子又はリレーを用いて構成され、電動ポ
ンプ15の吐出し能力については、PWM(パルス幅変
調)又はデューティ比制御により連続的に可変制御する
ことができる。
【0025】ブザー46は圧電ブザーであり、マイクロ
プロセッサ42によって直接、又は駆動回路(図示せ
ず)を介して駆動される。ブザー46は、湯沸かし完了
等の報知音や押ボタンの操作音を発する際に鳴動する。
その他、マイクロプロセッサ42のリセット回路47、
クロック生成用の発振回路48、マイクロプロセッサ4
2や周辺回路に直流定電圧を供給するための電源回路4
9等の回路部品が実装されている。
【0026】次に、流量センサ17の構造について説明
する。図4は、流量センサ17の構造を示す図であり、
(a)は上面図、(b)は断面図である。流量センサ1
7は、上ケース61、下ケース62、回転部材63、発
光素子(LED)66が実装されたプリント基板(LE
D基板)64、受光素子(PD)67が実装されたプリ
ント基板(PD基板)65、カバー部材68等で構成さ
れている。
【0027】上ケース61は透明樹脂で作られており、
回転部材63を収容する円筒状部分と円筒状部分から突
出する鍔部61aを備えている。この鍔部61aには、
LED基板64及びPD基板65を固定するための突起
部(図示せず)が設けられている。円筒状部分の上端側
の中心(軸心)部には、軸受け部61bが形成されてい
る。軸受け部61bは、120度間隔で設けられた3本
のリブ61cによって円筒状部分に接続されている。
【0028】下ケース62は、上ケース61の下端部の
内周面に嵌合すると共に吐出管16の外周面に嵌合する
段形状の断面を有する円筒状部材であり、その中心(軸
心)部には、軸受け部62aが形成されている。上ケー
ス61の軸受け部61bと同様に、3本のリブ62bに
よって軸受け部62aは下ケース62の内壁に接続され
ている。上ケース61と下ケース62とが一体となっ
て、回転部材63を回転自在に支持する軸部材69の軸
受け部61b,62aを有する本体ケースを構成してい
る。上ケース61はLED66から出た光を透過させる
必要があるので透明樹脂で作られるが、下ケース62
は、透明でも不透明でもよい。
【0029】図5は、回転部材63の構造を示す図であ
り、(a)は軸心方向から見た図、(b)は側面図であ
る。回転部材63は、不透明の樹脂で作られ、軸心に沿
う貫通孔HLが形成された円柱状部分63aと、その周
囲に螺旋状に形成された回転羽根63b,63cからな
る。2つの回転羽根63b,63cがいわば二重螺旋形
状を形成している。
【0030】図5(b)に示されるように、回転部材6
3の円柱状部分63aに形成された貫通孔HLに軸部材
69が挿通され、軸部材69の両端部は上ケース61及
び下ケース62の軸受け部61b,62aによって支持
されている。これにより、回転部材63は軸心AX周り
に回転自在となっている。また、上ケース61の軸受け
部61bと回転部材63の先端側(円柱状部分63aの
上端側)との間には金属製のワッシャ70が介装されて
いる。
【0031】図4及び図5から分かるように、LED基
板64に実装されたLED(発光ダイオード)66とP
D基板65に実装されたPD(フォトダイオード)67
は、互いに向き合うように配置され、両者を結ぶ直線
(光路)LTは、回転部材63の軸心AXに垂直で、か
つ、軸心AXからずれた位置にある。このため、回転部
材63の回転羽根63b,63cが図5(b)に示す位
置にあるときは、発光素子であるLED66から出た光
が透明の上ケース61を通り回転部材63の回転羽根6
3b,63cの隙間を通過して受光素子であるPD67
に到達する(受光状態)。
【0032】回転部材63が図5(b)に示す位置から
90度回転すると、光路LTは回転羽根63b又は63
cによって遮られるので、LED66から出た光はPD
67に到達しない(非受光状態)。なお、図4(b)に
おいて、66aはLED基板64の配線パターンを介し
てLED66に接続されたLED引出し線であり、同様
に67aはPD67に接続されたPD引出し線である。
また、LED66(発光素子)及びPD67(受光素
子)は上記のような働きにより回転部材63の回転速度
を検出するための光センサを構成している。
【0033】上記のような構造を有する流量センサ17
は、図1に示すように、吐出管16の途中に挿入されて
いる。図4(b)に示すように、流量センサ17の上ケ
ースの先端部と吐出管16との合わせ部分の周囲は、ゴ
ムパッキン71によって封止されている。また、下ケー
ス62と吐出管16との嵌合部分については、同様にゴ
ムパッキン(図示せず)で封止してもよいし、接着剤で
封止してもよい。本発明の流量センサ17は、小型軽量
であり、電気ポット1の本体に固定することなく、吐出
管16の途中に挿入するように取り付けるだけでよい。
また、吐出管16における挿入位置は、満水位より上で
あることが望ましい。
【0034】図1において、電動ポンプ15が駆動され
てタンク12内の水(湯)が吐出管16内を下から上へ
流れると、その水が流量センサ17を通る際に螺旋形状
の回転羽根63b,63c(すなわち回転部材63)を
回転させる。この回転速度は、水流の速さ、すなわち単
位時間当たりの流量に略比例する。また、回転羽根63
b,63cが回転すると、上述のように、図5(b)の
受光状態と、それから90度回転したときの非受光状態
とが交互に繰り返される。この結果、図6に破線で示す
ように、PD67から受光レベル(例えば低レベル)と
非受光レベル(例えば高レベル)とが交互に繰り返され
るパルス信号72がPD67から出力される。このパル
ス信号72の周期(周波数)は、回転部材63の回転速
度に比例している。
【0035】図6に示すように、PD67から出力され
るパルス信号(破線)72は歪んでいる(なまってい
る)ので、これを波形整形回路44によって実線73で
示すような矩形波に整形してマイクロプロセッサ42に
入力する。マイクロプロセッサ42は、内部タイマーに
よって計測される単位時間当たりのパルス信号72のパ
ルス数をカウントする。このパルス数は、流量センサ1
7を通過する水の単位時間当たりの流量に相当する。
【0036】なお、波形整形の際に使用されるしきい値
Vrefは、受光レベルを0V、非受光レベルを5Vと
したとき、5Vに近い値(例えば4V)に設定される。
電気ポット1を長く使用したときに上ケース61の壁面
が汚れて光透過率が低下してくると、パルス信号72の
低レベル側が次第に高くなるのに対して、非受光時の高
レベル側はほとんど変化しないからである。
【0037】また、流量センサ17の筒状部分の内径は
吐出管16の内径と同等であるが、その流路の断面積は
軸受け部61b,62aと回転部材63の断面積分だけ
吐出管16の断面積より小さくなる。その結果、流量セ
ンサ17内を流れる水流の速度が速くなり、少ない吐出
量の場合も効率的に流量センサ17の回転部材63を回
転させて流量を正確に計測することができる。また、流
量センサ17から吐出口19に至る管路の断面積は、流
量センサ17の筒状部分の流路の断面積より大きくなる
ように維持されている。これにより、流量センサ17を
通過した水に抵抗を与えて流量センサ17の検出精度を
低下させるようなことが無いようにしている。
【0038】次に、本実施形態の電気ポット1の代表的
な操作及び動作を、定量自動給湯と共に説明する。ま
ず、図1において、蓋体22のロック機構24を解除し
て蓋体22を後方へ開き、タンク12内に所要量の水を
入れる。蓋体22を閉じ、ロック機構24を確実にロッ
クし、電気ポット1に接続された電気ケーブルのプラグ
をコンセント(アウトレット)に差し込むと、マイコン
基板が通電される。マイクロプロセッサ42がリセット
され、内蔵ROMに記憶されたプログラムにしたがって
動作を開始する。つまり、電気ヒータ13の通電制御を
開始すると共に、図2に示した操作パネル29の表示部
31に所定の表示を行い、押ボタン32〜36の押下が
認識されるようになる。
【0039】図2の操作パネル29において、表示部3
1のうち、3桁7セグメント表示部は、沸き上がりまで
の時間、保温温度、設定給湯量等の数値表示を行う。ど
の数値を表示しているかを示すための文字表示が3桁7
セグメント表示部の周辺に配置され、該当する文字が点
灯する。
【0040】また、3桁7セグメント表示部の下側に並
んでいる3つの三角マークは、表示部31の下側に印刷
で表示された「98」、「90」及び「まほうびん」に
対応しており、これらは保温選択状態を択一的に示して
いる。保温選択ボタン35を押下すると、点灯している
三角マークが順番に移動して、「98」、「90」又は
「まほうびん」が選択される。「98」又は「90」が
選択されると、タンク12の湯温が略98℃又は90℃
になるように電気ヒータ13の通電制御が行われる。
「まほうびん」が選択されると、電気ヒータ13は通電
されず、真空層を挟んだ二重構造のタンク12による魔
法瓶としての機能のみによって保温が行われる。
【0041】押ボタン36は、「再沸騰」、「カルキ抜
き」及び「おやすみ」の兼用ボタンである。「おやす
み」によってタイマーを設定すると、所定時間経過後に
ヒータの通電制御による保温が終了する。押ボタン36
の右側には、保温中に点灯するLED表示窓38と、沸
騰中に点灯するLED表示窓39とが設けられている。
【0042】給湯の際に押下される給湯ボタン32は、
安全を確保するために、ロック解除ボタン33を押下し
た後20秒間だけ有効になる。ロック解除ボタン33を
押下すると、給湯ランプ(LED表示窓)37が点灯
し、20秒後に消灯する。給湯ランプ37が点灯してい
る間に給湯ボタン32を押下すると、電動ポンプ15が
駆動され、吐出口19から湯が吐出される。給湯ボタン
32を押下している間だけ電動ポンプ15が駆動され、
給湯ボタン32から指を離すと電動ポンプ15は停止し
て、給湯が終了する。なお、本実施形態の電気ポット1
は、蓋体22の中央部の押し下げ操作部25を押し下げ
ることによって、前述のようにエアポンプによる手動給
湯も可能である。押し下げ操作部25についても安全性
を確保するために、ロックレバー(図示せず)が設けら
れ、ロックレバーのロック状態を解除した後に押し下げ
操作部25の押し下げが可能になる。
【0043】図2に示すように、流量センサ17を用い
た自動定量給湯の給湯量を設定するための給湯量設定操
作部34が操作パネル29に設けられている。給湯量設
定操作部34は、定量ボタン34a、減量ボタン34b
及び増量ボタン34cを含んでいる。自動定量給湯の機
能を利用する場合は、定量ボタン34aを押下した後、
減量ボタン34b及び増量ボタン34cを用いて、表示
部31に表示される設定給湯量を増減することにより、
所望の給湯量を設定する。
【0044】この後、通常の給湯と同様に、ロック解除
ボタン33を押下し、続けて給湯ボタン32を押下す
る。給湯ボタン32を押下し続けていると、湯の吐出量
が設定給湯量に達すれば自動的に電動ポンプ15は停止
して、給湯が終了する。つまり、マイクロプロセッサ4
2が、前述のようにして、流量センサ17の出力信号か
ら単位時間当たりの流量を測定し、それを積算すること
により吐出量を算出する。そして、吐出量が設定給湯量
に達したときに、マイクロプロセッサ42は電動ポンプ
15を停止する。
【0045】また、安全性を確保するために、この自動
定量給湯を行っているときに給湯ボタン32から指を離
すと、マイクロプロセッサ42は、吐出量が設定給湯量
に達する前であっても直ちに電動ポンプ15を停止して
給湯を終了する。つまり、給湯ボタン32が押下され続
けていることが、自動定量給湯の動作の必要条件となっ
ている。
【0046】次に、クエン酸洗浄と呼ばれる洗浄煮沸に
ついて説明する。電気ポット1を長期間使用している
と、水に含まれる炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等
の成分がタンク12の内壁に析出し、タンク内がしだい
に白く汚れてくる。また、この析出物が剥がれ落ちて電
動ポンプ15の内部に入り込むと、電動ポンプ15が詰
まり、動作不良を引き起こす原因となる。
【0047】そこで、タンク12の内壁の汚れがひどく
なったときは、あるいは一定期間ごとに、クエン酸洗浄
を行うことが取扱説明書等により使用者に推奨されてい
る。クエン酸洗浄では、メンテナンス用消耗品として電
気ポットの製造者から販売されているクエン酸を水と共
にタンク12内に入れ、所定時間の煮沸を行う。本実施
形態の電気ポット1では、再沸騰・カルキ抜き・おやす
み兼用ボタン36と保温選択ボタン35を同時押下する
ことにより、クエン酸洗浄モードが実行される。クエン
酸洗浄モードでは、煮沸状態を所定時間継続した後、ヒ
ータ通電を停止する。
【0048】図3のブロック図に戻り、不揮発性メモリ
56及び通信インターフェイス57の動作について、い
くつかの例を用いて説明する。不揮発性メモリ56は、
書き込まれたデータが非通電状態でも消えないEEPR
OM(electrically erasable and programmable ROM)
のような半導体メモリである。SRAM(static RAM)
をバッテリーバックアップすることによって不揮発性メ
モリ56に代えてもよい。この不揮発性メモリ56は、
故障原因の解析に役立つ情報を記憶するために用いられ
る。
【0049】第1の例では、上述のクエン酸洗浄モード
が定期的に行われているか否かの情報を記憶しておくこ
とにより、電動ポンプ15の故障原因の推定に役立てる
ことができる。つまり、クエン酸洗浄モードが行われず
に長期間使用されていることが分かれば、上記のように
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が電動ポンプ15
に詰まっていることが推定される。
【0050】また、流量センサ17から出力されるパル
ス信号の単位時間当たりのパルス数の履歴を記憶してお
くことにより、電動ポンプ15の動作が安定しているか
否かを判断することができる。例えば、電動ポンプ15
が故障したときに、故障前に徐々に能力が低下している
ことが分かれば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等
の電動ポンプ15内での蓄積が推定される。
【0051】図7は、クエン酸洗浄モードが定期的に行
われているか否かを判断するための情報をマイクロプロ
セッサ(制御装置)42が不揮発性メモリ56に書き込
む処理の例を示すフローチャートである。マイクロプロ
セッサ42は、ステップ#101において湯沸かし中か
否かを判断し、湯沸かし中でない場合はステップ#10
2で1時間タイマーを開始する。そして、1時間が経過
するたびに(ステップ#103のYes)、不揮発性メ
モリ56に記憶されたカウント値をインクリメント(1
だけ加算)する(ステップ#104)。
【0052】一方、ステップ#101の判断で湯沸かし
中である場合は、更にクエン酸洗浄モードか否かを判断
し(ステップ#105)、クエン酸洗浄モードである場
合は、不揮発性メモリ56に記憶されたカウント値をリ
セットする(ステップ#106)。このような処理によ
り、不揮発性メモリ56に記憶されたカウント値は、使
用開始又はクエン酸洗浄モードの実行からの経過時間
(使用時間)を1時間単位で示していることになる。
【0053】別の方法として、使用時間を積算する代わ
りに、湯沸かしの実行回数を不揮発性メモリ56に積算
するようにしてもよい。この場合も、クエン酸洗浄モー
ドの実行に伴って湯沸かしの実行回数の積算値をリセッ
トすれば、使用開始又はクエン酸洗浄モードの実行から
の湯沸かし実行回数が不揮発性メモリ56に記憶されて
いることになる。
【0054】図8は、電動ポンプ15の動作が安定して
いるか否かを判断するための情報をマイクロプロセッサ
42が不揮発性メモリ56に書き込む処理の例を示すフ
ローチャートである。マイクロプロセッサ42は、電動
ポンプ15をオンにすると(ステップ#201のYe
s)、ステップ#202にて沸騰終了直後か否かを判断
する。沸騰終了直後でなければ、ステップ#203で流
量センサ17の単位時間当たりのパルス数を測定し、パ
ルス数を不揮発性メモリ56に格納する(ステップ#2
04)。
【0055】このとき、不揮発性メモリ56には、10
回分のパルス数測定値の記憶領域が確保されており、古
いデータから順次消去される。つまり、過去10回分の
最新データが不揮発性メモリ56に記憶されることにな
る。
【0056】ステップ#202で沸騰終了直後か否かを
判断し、沸騰終了直後である場合はステップ#203以
降の処理を実行しない。沸騰終了直後は、キャビテーシ
ョンと呼ばれる現象が発生し電動ポンプ15による吐出
が円滑に行われないので、この間のデータを除くためで
ある。つまり、図8のフローチャートでは省略している
が、沸騰終了(湯沸かし完了)に伴ってタイマーを開始
し、所定時間が経過するまではステップ#203以降の
処理を実行しないようにしている。また、温度センサ2
0によって検出されるタンク12内の湯温が98度以上
か否かの判断ステップを加え、98度以上でない場合
は、所定時間の経過前であってもキャビテーションは発
生しないので、ステップ#203以降の処理を実行する
ようにしてもよい。
【0057】図9は、上記のような処理により不揮発性
メモリ56に記憶された使用時間(又は湯沸かし回数)
及び流量センサ17の10回分のパルス数測定値に基づ
いて、電動ポンプ15の故障原因を推定するプログラム
の例を示すフローチャートである。ステップ#301で
流量センサ17の単位時間当たりのパルス数の10回分
の測定値を解析する。その結果、電動ポンプ15の動作
履歴に不安定な様子が見られない場合(ステップ#30
2のNo)、つまり、過去10回の測定値、又は最新の
測定値を除く過去9回分の測定値がいずれも正常な範囲
内にある場合は、ステップ#305で異物が電動ポンプ
15内に侵入したことによる急激な故障と推定する。
【0058】ステップ#302で電動ポンプ15の動作
履歴に不安定な様子が見られる場合、つまり、過去10
回の測定値が徐々に正常な範囲内から外れていく現象、
あるいは、ランダムに正常な範囲内から外れる現象が見
られる場合は、続くステップ#303及びステップ#3
04で、使用開始又はクエン酸洗浄モードの実行からの
経過時間(使用時間)あるいは湯沸かし回数Aがしきい
値Cより多いか否かをチェックする。しきい値Cより多
い場合は、ミネラル(酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム等)の析出による電動ポンプ15の詰りが故障原因と
推定する(ステップ#306)。しきい値Cより多くな
い場合は、電動ポンプ15の構造又は電気的な故障と推
定する(ステップ#307)。
【0059】この故障解析プログラムは、例えば電動ポ
ンプ15の製造者が開設するウェブページ(ホームペー
ジ)上で実行される。この場合、電動ポンプ15の製造
者は、インターネットに接続されたウェブサーバの所定
のディレクトリにウェブページのコンテンツ(表示デー
タ)を格納し、そのコンテンツには上記のプログラムを
実行するためのPerl等の言語で記述したCGIスク
リプトが埋め込まれている。
【0060】使用者は、まず、電気ポット1の通信イン
ターフェイス57を介してパーソナルコンピュータと電
気ポット1とを接続し、不揮発性メモリ56の記憶デー
タをパーソナルコンピュータに読み込む。通信インター
フェイス57として、RS232C、USB、IEEE
1394等、公知のインターフェイスを用いることがで
きる。ブルートゥースといわれる無線方式のインターフ
ェイスを用いてもよい。
【0061】不揮発性メモリ56の記憶データを外部に
出力する手段として通信インターフェイス57を使用す
る代わりに、フラッシュメモリカードのようなリムーバ
ブル記憶媒体を不揮発性メモリ56として用いてもよ
い。この場合は、リムーバブル記憶媒体を電気ポット1
から取り外して、パーソナルコンピュータの読取装置に
装着することにより、リムーバブル記憶媒体(不揮発性
メモリ56)の記憶データをパーソナルコンピュータに
読み込ませる。
【0062】使用者は次に、パーソナルコンピュータか
らインターネットを介して上記のウェブページにアクセ
スし、不揮発性メモリ56から読み出した故障解析用の
データをウェブブラウザ上でウェブサーバに転送する。
このデータを受信したウェブサーバは、上記のプログラ
ムにしたがって故障解析を行い、その結果を使用者のパ
ーソナルコンピュータ(上で動作しているウェブブラウ
ザ)に返す。こうして、使用者はパーソナルコンピュー
タ上で動いているウェブブラウザの画面で電気ポットの
故障解析結果を見ることができる。
【0063】上記の故障解析プログラムにおいて、故障
原因の推定と共に、修理費の概略見積もりを提示するよ
うにしてもよい。修理費の概略見積もりは、使用者が修
理依頼をするか買い換えるかの判断をする際の参考とな
るであろう。
【0064】なお、故障解析プログラムは、必ずしもウ
ェブサーバ上で実行する必要はなく、使用者のパーソナ
ルコンピュータにダウンロードして実行するようにして
もよい。また、パーソナルコンピュータの代わりに、イ
ンターネット接続機能を有する携帯端末等を用いてもよ
い。
【0065】第2の例では、空焚き異常の発生回数を不
揮発性メモリ56に記憶しておく。タンク12内に水が
ない状態での湯沸かし、すなわち空焚きを行うと、タン
ク12の温度が急激に上昇し、380℃以上になると、
タンク12の内面に塗布されたフッ素樹脂の分解が始ま
る。そこで、温度センサの検出温度が例えば360℃の
高温異常値に達すると、電気ヒータ13の通電を強制的
に遮断する安全動作がマイクロプロセッサ42にプログ
ラムされている。
【0066】しかし、このような空焚きを繰り返し行う
と、タンク12の内面が変色するだけでなく、タンク1
2と温度センサ20との接触面に隙間が生じて温度検出
精度が悪くなる場合がある。そこで、温度センサに関す
る故障が発生した場合に、不揮発性メモリ56に記憶さ
れている空焚き回数の積算値を読み出してチェックすれ
ば、故障原因の推定に役立つ。あるいは、誤使用である
空焚きが繰り返し行われたことの証拠として用いること
ができる。
【0067】図10は、空焚き異常の発生回数を不揮発
性メモリ56に積算する処理と、不揮発性メモリ56か
ら読み出した空焚き異常の発生回数の積算値を用いて温
度センサに関する故障原因を推定するプログラムの例を
示すフローチャートである。
【0068】図10(A)に示す電気ポット1の動作で
は、湯沸かしモードのとき(ステップ#401のYe
s)、ステップ#402で検出した水温Tが高温異常値
(360℃)を超えると(ステップ#403のYe
s)、マイクロプロセッサ42は空焚きであると判断し
て電気ヒータ13の通電を停止する(ステップ#40
4)。そして、不揮発性メモリ56に記憶した空焚き異
常の発生回数をインクリメント(1加算)する(ステッ
プ#405)。
【0069】図10(B)に示す故障解析プログラムで
は、前述のようにして不揮発性メモリ56から読み出し
た空焚き異常の発生回数の積算値nがしきい値Nより大
きいか否かをチェックし(ステップ#451及びステッ
プ#452)、大きい場合は誤使用と判定する(ステッ
プ#453)。そして、ステップ#454で故障原因の
推定、修理費の見積もり等を表示する。
【0070】第3の例では、マイクロプロセッサ42が
実装されたマイコン基板の近傍に湿度センサ(図示せ
ず)を設け、湿度センサの検出湿度を所定時間ごとにサ
ンプリングし、検出湿度が所定値以上である回数を不揮
発性メモリ56に積算する。電気ポット1の外装ケース
とタンク12との間に水が侵入すると、マイコン基板が
濡れ、マイクロプロセッサ42を含む電子部品の動作不
良が発生する可能性が高い。通常は乾けば正常動作に戻
るが、このようなことが度重なると、電子部品が不可逆
的なダメージを受けて故障に至ることがある。そこで、
マイコン基板の近傍に設けた湿度センサの検出湿度が所
定値(例えば90%RH)以上になった回数を不揮発性
メモリ56に積算しておくことにより、故障原因の推定
に用いることができる。
【0071】図11は、湿度センサの検出湿度が所定値
以上になった回数を不揮発性メモリ56に積算する処理
と、不揮発性メモリ56から読み出したデータに基づい
てマイコン基板の故障原因を推定するプログラムの例を
示すフローチャートである。
【0072】図11(A)に示す電気ポット1の動作で
は、マイクロプロセッサ42はステップ#501で湿度
センサの検出値(検出湿度)をチェックし、湿度が90
%RHを超えている場合(ステップ#502のYes)
は、不揮発性メモリ56に記憶した湿度異常回数をイン
クリメントする(ステップ#503)。そして、ステッ
プ#504でタイマーをスタートし、24時間経過すれ
ば(ステップ#505のYes)再びステップ#501
に戻って湿度センサの検出値をチェックする。このよう
にして、24時間ごとにサンプリングする湿度センサの
検出値が90%RHを超えた回数を湿度異常回数として
不揮発性メモリ56に積算する。
【0073】図11(B)に示す故障解析プログラムで
は、前述のようにして不揮発性メモリ56から読み出し
た湿度異常回数の積算値mがしきい値Mより大きいか否
かをチェックし(ステップ#551及びステップ#55
2)、大きい場合はマイコン基板の故障と判断する(ス
テップ#553)。そして、ステップ#554で故障原
因の推定、修理費の見積もり等を表示する。なお、マイ
コン制御に関する不具合、例えば電動ポンプ15を駆動
したが流量センサ17からパルス信号が出力されない、
あるいは、電気ヒータ13に通電したが温度センサ20
の検出値が変化しないといった現象が発生していること
が前提である。なお、ステップ#552で湿度異常回数
の積算値mがしきい値M以下である場合は、ステップ#
555で乾燥すれば直る可能性がある旨の表示を行う。
【0074】第4の例では、湯沸かしモードにおいて、
温度センサ20の検出温度が飽和することから分かる沸
騰温度が通常の水の場合の100℃と異なる(高い)沸
点異常の発生回数を不揮発性メモリ56に積算してお
く。このような沸点異常(沸点上昇現象)は、水以外の
液体(例えばコーヒーや茶)を沸かした場合に発生す
る。そこで、電気ポット1の故障が発生した際に、不揮
発性メモリ56に記憶されている沸点異常の発生回数の
積算値を読み出してチェックすれば、故障原因の推定に
役立つ。あるいは、誤使用である水以外の液体の沸騰が
繰り返し行われたことの証拠として用いることができ
る。
【0075】図12は、沸点異常の発生回数を不揮発性
メモリ56に積算する処理の例を示すフローチャートで
ある。電気ポット1が湯沸かしモードのとき(ステップ
#601のYes)、マイクロプロセッサ42はステッ
プ#602において、温度センサ20の検出温度の変化
が略飽和するときの沸点を求める。求めた沸点が所定の
温度(100℃+α)より高い場合(ステップ#603
のYes)は、沸点異常と判断し(ステップ#60
4)、不揮発性メモリ56に記憶した沸点異常の発生回
数をインクリメントする(ステップ#605)。このよ
うにして、不揮発性メモリ56には、沸点異常の発生回
数が積算される。
【0076】変形例として、マイクロプロセッサ42が
水の沸点に達するまでの検出温度の変化を詳細に解析す
ることにより、水より低い沸点を有するアルコールが含
まれた液体(酒類)を沸かしたことを検出することも可
能である。コーヒーにせよ酒類にせよ、水以外の液体を
沸かすことは電気ポット1の誤使用である。このような
誤使用が直ちに電気ポット1の故障に結びつくことはま
れであるが、誤使用の回数を証拠として不揮発性メモリ
56に記憶しておけば、電気ポット1が故障したときに
原因の解析等に役立つであろう。
【0077】以上、本発明の実施形態を変形例と共に説
明したが、本発明は上記の実施形態及び変形例に限ら
ず、種々の形態で実施することができる。不揮発性メモ
リ56に記憶しておき、故障解析の際に読み出すデータ
は、上記実施例で例示したものに限らず、電気ポットの
異常動作、メンテナンス動作等の履歴に関するあらゆる
データが対象となる。また、そのデータに基づいて故障
原因を推定するプログラムは、上記実施形態に例示した
ものに限らず、適宜作成し使用することができる。
【0078】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、電気ポットの異常動作及びメンテナンス動作の少な
くとも一方の履歴データを不揮発性メモリに記憶させ、
故障解析時にその履歴データを読み出して使用すること
により、故障診断にかかる手間と費用の負担を軽減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電気ポットの断面図で
ある。
【図2】操作パネルの平面図である。
【図3】電気回路の主要部のブロック図である。
【図4】流量センサの構造を示す図であり、(a)は上
面図、(b)は断面図である。
【図5】回転部材の構造を示す図であり、(a)は軸心
方向から見た図、(b)は側面図である。
【図6】受光素子から出力されるパルス信号及び整形後
の信号の波形図である。
【図7】クエン酸洗浄モードが定期的に行われているか
否かを判断するための情報を不揮発性メモリに書き込む
処理の例を示すフローチャートである。
【図8】電動ポンプの動作が安定しているか否かを判断
するための情報を不揮発性メモリに書き込む処理の例を
示すフローチャートである。
【図9】不揮発性メモリに記憶された使用時間又は湯沸
かし回数と流量センサの検出値の履歴に基づいて、電動
ポンプの故障原因を推定するプログラムの例を示すフロ
ーチャートである。
【図10】空焚き異常の発生回数を不揮発性メモリに積
算する処理と、不揮発性メモリから読み出したデータを
用いて温度センサに関する故障原因を推定するプログラ
ムの例を示すフローチャートである。
【図11】湿度センサの検出湿度が所定値以上になった
回数を不揮発性メモリに積算する処理と、不揮発性メモ
リから読み出したデータに基づいてマイコン基板の故障
原因を推定するプログラムの例を示すフローチャートで
ある。
【図12】沸点異常の発生回数を不揮発性メモリに積算
する処理の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 電気ポット 12 タンク 13 電気ヒータ 15 電動ポンプ 17 流量センサ 20 温度センサ 42 マイクロプロセッサ(制御装置) 56 不揮発性メモリ 57 通信インターフェイス(記憶データを外部に出力
する手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B055 AA35 BA80 CA12 CA15 CC05 CD02 CD16 CD61 DA02 DB02 GA04 GA11 GB03 GB20 GB21 GD02 GD04 GD06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気ポットの非通電状態でも記憶データを
    保持する不揮発性メモリと、電気ポットの異常動作及び
    メンテナンス動作の少なくとも一方の履歴を前記不揮発
    性メモリに記憶させる制御装置と、前記不揮発性メモリ
    の記憶データを外部に出力する手段とを備えたことを特
    徴とする電気ポット。
  2. 【請求項2】湯沸かし用タンクの温度を検出する温度セ
    ンサを備え、前記制御装置は、湯沸かし動作において、
    前記温度センサの検出温度があらかじめ定めた高温異常
    値に達した場合は空焚き異常と判断して湯沸かし用ヒー
    タの通電回路を遮断すると共に、前記空焚き異常の発生
    回数を前記不揮発性メモリに積算することを特徴とする
    請求項1記載の電気ポット。
  3. 【請求項3】メンテナンス動作モードとして洗浄煮沸モ
    ードを備え、前記制御装置は、電気ポットの湯沸かし回
    数又は使用時間を前記不揮発性メモリに積算すると共
    に、前記洗浄煮沸モードを実行したときは前記不揮発性
    メモリに積算された湯沸かし回数又は使用時間の積算値
    をリセットすることを特徴とする請求項1記載の電気ポ
    ット。
  4. 【請求項4】前記タンク内の水を外部へ吐出するための
    電動ポンプ及び吐出管と、前記水の吐出量を計測するた
    めに前記吐出管の途中に挿入された流量センサとを備
    え、前記制御装置は、前記電動ポンプを作動させて所定
    時間後に前記流量センサから得られる単位時間当たりの
    流量に相当する流量データを前記不揮発性メモリに記憶
    させると共に、最新の所定回数分の前記流量データを残
    して古い流量データから順次消去することを特徴とする
    請求項1記載の電気ポット。
  5. 【請求項5】前記制御装置が実装されたプリント基板の
    近傍に湿度センサが設けられ、前記制御装置は、前記湿
    度センサの検出湿度を所定時間ごとにサンプリングし、
    前記検出湿度が所定値以上である回数を前記不揮発性メ
    モリに積算することを特徴とする請求項1記載の電気ポ
    ット。
  6. 【請求項6】湯沸かし用タンクの温度を検出する温度セ
    ンサを備え、前記制御装置は、湯沸かし動作において、
    前記温度センサの検出温度が上昇から飽和に転じたとき
    の沸騰温度が水の沸点と異なる場合に沸点異常と判断
    し、前記沸点異常の発生回数を前記不揮発性メモリに積
    算することを特徴とする請求項1記載の電気ポット。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれか1項記載の電気
    ポットに備えられた不揮発性メモリの記憶データを読み
    出し、該記憶データに基づいて前記電気ポットの故障原
    因を推定することを特徴とする電気ポットの故障診断方
    法。
  8. 【請求項8】インターネットに接続されたウェブサーバ
    上で実行されるプログラム又は前記ウェブサーバにアク
    セスした端末装置のウェブブラウザ上で実行されるプロ
    グラムによって前記不揮発性メモリの記憶データに基づ
    く電気ポットの故障診断を実行することを特徴とする請
    求項7記載の電気ポットの故障診断方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009279314A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Zojirushi Corp 加熱機器
JP2012048924A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Panasonic Corp 誘導加熱調理器
US8489703B2 (en) 2008-02-01 2013-07-16 Hitachi, Ltd. Analysis system and analysis server
CN111380226A (zh) * 2018-12-28 2020-07-07 芜湖美的厨卫电器制造有限公司 储热式家电设备控制方法、装置以及储热式热水器

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