JP2002295655A - 車両の自動変速装置 - Google Patents

車両の自動変速装置

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JP2002295655A JP2001091724A JP2001091724A JP2002295655A JP 2002295655 A JP2002295655 A JP 2002295655A JP 2001091724 A JP2001091724 A JP 2001091724A JP 2001091724 A JP2001091724 A JP 2001091724A JP 2002295655 A JP2002295655 A JP 2002295655A
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】歯車式のトランスミッションと機械的なクラッ
チを備える車両の自動変速装置において、副変速機の切
り替えを伴う変速制御の適確な完了を確保しつつ、シン
クロ負荷およびシンクロ時間の極小化を実現する。 【解決手段】副変速機の切り替えを伴う変速指令が発生
するとクラッチを切断すると共に主変速機をニュートラ
ルにセットする手段(S1,S2)と、そのニュートラ
ルへのセット後に主変速機のギヤ入れすべき変速段の同
期回転とエンジン温度に応じた補正値とから決定される
エンジン回転に制御する手段(S3,S4,S6〜S
9)と、同じくニュートラルへのセット後に副変速機の
切り替えを行うと共にクラッチを副変速機の切り替え中
にダブルクラッチ動作させる手段(S5,S10)と、
ダブルクラッチ動作がクラッチ断で終了すると主変速機
のギヤ入れを行う手段(S11)と、主変速機のギヤ入
れが完了するとクラッチを接続すると共にエンジン回転
の制御をアクセルに基づく通常制御に復帰させる手段
(S12〜S14)と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両の自動変速
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の自動変速装置として従来から、歯
車式のトランスミッションのギヤシフト機構を駆動する
ギヤシフトアクチュエータと、機械的なクラッチを断続
するクラッチアクチュエータと、車両の変速指令が発生
すると各種センサ類の検出信号に基づいて車両の変速を
遂行するようにこれらアクチュエータを制御するコント
ロールユニットと、を備えるものが知られている(特開
2000−35114号,特開2000−27989
号,特開平11−105585号、参照)。
【0003】このような自動変速装置においても、主変
速機に副変速機を組み合わせる多段トランスミッション
の適用が拡大しつつある。副変速機としては、主変速機
の入力側に配置されるフロントスプリット方式のほか、
主変速機の出力側に配置されるレンジ切り替え方式があ
り、これらの併用により効率よく多段化したトランスミ
ッションの搭載例もよく見られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような多段トラン
スミッションを備える場合、主変速機の出力側に配置さ
れる副変速機のレンジ切り替えを伴う変速制御について
は、レンジシンクロの負荷(同期側イナーシャ)を軽減
するため、主変速機のギヤ抜き状態(ニュートラル)で
副変速機の切り替えを行う必要があり、その切り替え後
に主変速機のギヤ入れを行うように設定することが考え
られる。ところが、主変速機のニュートラルへのセット
後、メインシャフト上を遊転するメインギヤ回転(カウ
ンタシャフト回転)の落ちが早いと、副変速機の切り替
え中にギヤ入れすべき変速段のメインギヤ回転がその同
期回転よりも大きく低下する可能性があり、とくにトラ
ンスミッション内の潤滑油の撹拌抵抗やシフトアクチュ
エータ(ギヤシフトアクチュエータの一部を構成する)
の摺動抵抗が大きい低温時においては、副変速機の切り
替え時間や主変速機のギヤ入れ時間(シンクロ時間)が
長く掛かり、シンクロ時間を一律に制御しようとする場
合、主変速機のギヤ入れ不良を生じやすくなる。これを
回避するため、シフトアクチュエータの推力を増加させ
ると、シンクロ寿命の低下を招いてしまう。また、主変
速機のギヤ入れをリトライ(やり直し)しても、潤滑油
温が上がらないと、ギヤ入れ不良は解消しないのであ
る。
【0005】この発明は、このような課題を解決するた
めの有効な対策手段の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、主変速
機に副変速機を組み合わせる歯車式のトランスミッショ
ンと、トランスミッションとエンジンとの間に介装され
る機械的なクラッチと、を備える車両の自動変速装置に
おいて、副変速機の切り替えを伴う変速指令が発生する
とクラッチを切断すると共に主変速機をニュートラルに
セットする手段と、そのニュートラルへのセット後に副
変速機の切り替えを行う手段と、副変速機の切り替えが
完了すると主変速機のギヤ入れを行う手段と、主変速機
のギヤ入れが完了するとクラッチを接続する手段と、を
設ける一方、主変速機のギヤ入れ不良を判定する手段
と、このギヤ入れ不良の判定時に主変速機のギヤ入れを
リトライする手段として、主変速機をニュートラルへ戻
してエンジン回転を主変速機のギヤ入れすべき変速段の
同期回転よりも高めに制御する手段と、クラッチをダブ
ルクラッチ動作させる手段と、ダブルクラッチ動作がク
ラッチ断で終了すると主変速機のギヤ入れを行う手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0007】第2の発明では、主変速機に副変速機を組
み合わせる歯車式のトランスミッションと、トランスミ
ッションとエンジンとの間に介装される機械的なクラッ
チと、を備える車両の自動変速装置において、副変速機
の切り替えを伴う変速指令が発生するとクラッチを切断
すると共に主変速機をニュートラルにセットする手段
と、そのニュートラルへのセット後にエンジン回転を主
変速機のギヤ入れすべき変速段の同期回転に制御する手
段と、同じくニュートラルへのセット後に副変速機の切
り替えを行うと共にクラッチをダブルクラッチ動作させ
る手段と、ダブルクラッチ動作がクラッチ断で終了する
と主変速機のギヤ入れを行う手段と、主変速機のギヤ入
れが完了するとクラッチを接続すると共にエンジン回転
の制御をアクセルに基づく通常制御に復帰させる手段
と、を設ける一方、主変速機のギヤ入れ不良を判定する
手段と、このギヤ入れ不良の判定時に主変速機のギヤ入
れをリトライする手段として、主変速機をニュートラル
へ戻してエンジンの制御回転を同期回転よりも高めに補
正すると共にクラッチをダブルクラッチ動作させる手段
と、ダブルクラッチ動作がクラッチ断で終了すると主変
速機のギヤ入れを行う手段と、を備えることを特徴とす
る。
【0008】第3の発明では、第2の発明に係る主変速
機のギヤ入れをリトライする手段における、エンジンの
制御回転は、主変速機のギヤ入れすべき変速段の同期回
転とエンジン温度に応じた補正値とから決定されること
を特徴とする。
【0009】第4の発明では、主変速機に副変速機を組
み合わせる歯車式のトランスミッションと、トランスミ
ッションとエンジンとの間に介装される機械的なクラッ
チと、を備える車両の自動変速装置において、副変速機
の切り替えを伴う変速指令が発生するとクラッチを切断
すると共に主変速機をニュートラルにセットする手段
と、そのニュートラルへのセット後に主変速機のギヤ入
れすべき変速段の同期回転とエンジン温度に応じた補正
値とから決定されるエンジン回転に制御する手段と、同
じくニュートラルへのセット後に副変速機の切り替えを
行うと共にクラッチを副変速機の切り替え中にダブルク
ラッチ動作させる手段と、ダブルクラッチ動作がクラッ
チ断で終了すると主変速機のギヤ入れを行う手段と、主
変速機のギヤ入れが完了するとクラッチを接続すると共
にエンジン回転の制御をアクセルに基づく通常制御に復
帰させる手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】第5の発明では、第1の発明〜第4の発明
の、いずれか1つに係る車両の自動変速装置における副
変速機は、主変速機の出力側に配置されるレンジ切り替
え可能な大減速機型であることを特徴とする。
【0011】
【発明の効果】第1の発明によると、副変速機の切り替
えを伴う変速制御において、主変速機のニュートラルへ
のセット(ギヤ抜き)後に副変速機の切り替えが行わ
れ、この切り替えが完了すると、主変速機のギヤ入れが
行われるようになる。そして、主変速のギヤ入れ不良が
判定されると、主変速機をいったんニュートラルへ戻し
てから、再び主変速機のギヤ入れがリトライされるので
ある。このリトライ処理においては、エンジン回転が主
変速機のギヤ入れすべき変速段の同期回転よりも高めに
制御され、この制御回転がダブルクラッチ動作によりト
ランスミッションへ入力されるので、主変速機のギヤ入
れすべき変速段のギヤ回転は、エンジンからの高めの制
御回転から同期回転へ減速され、潤滑油の撹拌抵抗に助
けられながら同期する形となり、主変速機のギヤ入れ不
良を回避しつつ、副変速機のレンジ切り替えを伴う変速
制御の適確な完了が可能となる。
【0012】第2の発明によると、副変速機の切り替え
を伴う変速制御において、主変速機のニュートラルへの
セット(ギヤ抜き)後に副変速機の切り替えが行われる
一方、同じくニュートラルへのセット後にエンジン回転
が主変速機のギヤ入れすべき同期回転に制御される。そ
して、副変速機の切り替え中にエンジンの制御回転がダ
ブルクラッチ動作によりトランスミッションへ入力さ
れ、ダブルクラッチ動作が終了すると主変速機のギヤ入
れが行われるようになる。そして、主変速のギヤ入れ不
良が判定されると、主変速機をいったんニュートラルへ
戻してから、再び主変速機のギヤ入れがリトライされる
のである。このリトライ処理においては、エンジン回転
が主変速機のギヤ入れすべき変速段の同期回転よりも高
めに制御され、この制御回転がダブルクラッチ動作によ
りトランスミッションへ入力されるので、主変速機のギ
ヤ入れすべき変速段のギヤ回転は、エンジンからの高め
の制御回転から同期回転へ減速され、潤滑油の撹拌抵抗
に助けられながら同期する形となり、主変速機のギヤ入
れ不良を回避しつつ、副変速機のレンジ切り替えを伴う
変速制御の適確な完了が可能となる。また、リトライ処
理前における主変速機のギヤ入れに先立ち、エンジン回
転の同期制御に加えて、副変速機の切り替え時間を有効
活用する具合にダブルクラッチ動作が行われるので、通
常状態(低温時などの特別な場合を除く)のときは、主
変速機のギヤ入れ不良の判定が出る可能性が殆ど無くな
り、シンクロ時間およびシンクロ負荷の極小化も得られ
る。
【0013】第3の発明によると、リトライ処理におけ
る、エンジン回転の制御回転は、エンジン温度に応じて
補正されるので、低温時(トランスミッション内の潤滑
油の撹拌抵抗などが大きくなり、メインカウンタシャフ
トの回転落ちが早く、主変速機のギヤ入れ不良を生じや
すいなる)においても、副変速機の切り替えを伴う変速
制御の適確な完了を確保しつつ、低温時のシンクロ負荷
も最小限に抑えられる。
【0014】第4の発明によると、副変速機の切り替え
を伴う変速制御において、主変速機のニュートラルへの
セット(ギヤ抜き)後に副変速機の切り替えが行われ、
この切り替えが完了すると、主変速機のギヤ入れが行わ
れる。エンジンは同期回転と補正値とから決定される回
転速度に制御され、この制御回転がダブルクラッチ動作
によってトランスミッションへ入力される。低温時(ト
ランスミッション内の潤滑油の撹拌抵抗などが大きくな
り、メインカウンタシャフトの回転落ちが早く、主変速
機のギヤ入れ不良を生じやすいなる)において、エンジ
ンの制御回転が補正値に基づき同期回転よりも高めに制
御されるように設定すると、主変速機の変速指令に対応
する変速段のギヤ回転は、トランスミッション内の潤滑
油の撹拌抵抗に助けられながら、高めの制御回転から同
期回転へ減速させる形となり、副変速機の切り替えを伴
う変速制御の適確な完了を確保しつつ、低温時のシンク
ロ負荷も最小限に抑えられる。
【0015】第5の発明によると、シンクロ負荷(同期
側イナーシャ)の大きい副変速機のレンジ切り替えを伴
う変速制御において、ギヤ入れ不良の回避,変速時間の
短縮,シンクロ負荷の低減、など大きな効果が得られ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】図1において、1はエンジン(デ
ィーゼルエンジン)、2は摩擦クラッチ、3は同期噛合
式トランスミッションであり、トランスミッション3の
出力軸はプロペラシャフト(図示せず)を介して駆動軸
(たとえば、リヤアクスル)に連結される。燃料噴射ポ
ンプにその燃料噴射量(ラック位置)を制御する電子ガ
バナ装置1A、クラッチ2にその断続を操作するクラッ
チブースタ2A、トランスミッション3にこれをギヤシ
フトさせるギヤシフトユニット3A、が設けられる。2
7はクラッチブースタ2Aの制御バルブ、31はエアタ
ンクであり、ギヤシフトユニット3Aおよびクラッチブ
ースタ2Aへの作動圧(圧縮空気)を供給する。
【0017】トランスミッション3は、図2のように主
変速機のメインギヤ列Zm1−Zc1〜Zm3−Zc
3,ZmR−ZcR(前進3速後退1速)、その前側に
配置される副変速機のスプリットギヤ列Zm4−Zc
4,Zm5−Zc5(L,H)、同じく後側に配置され
る副変速機のレンジギヤ列Zr1−Zcr1,Zr2−
Zcr2(H,L)、を備えるものであり、メインギヤ
列Zm1−Zc1〜Zm3−Zc3の切り替えと、スプ
リットギヤ列Zm4−Zc4,Zm5−Zc5の切り替
えと、さらにレンジギヤ列Zr1−Zcr1,Zr2−
Zcr2の切り替えと、により前進12段(1L〜6
H)に変速可能に構成される。
【0018】車両の変速制御に必要な検出手段として、
エンジン回転速度を検出するエンジン回転センサ29、
アクセルペダル7の踏み量(アクセル開度の要求量)を
検出するアクセル開度センサ28、クラッチ2のストロ
ーク位置を検出するクラッチストロークセンサ22、ト
ランスミッション3のシフト位置(スプリットギヤ列Z
m4−Zc4,Zm5−Zc5の選択位置,メインギヤ
列Zm1−Zc1〜Zm3−Zc3,ZmR−ZcRの
選択位置,レンジギヤ列Zr1−Zcr1,Zr2−Z
cr2の選択位置)を検出するギヤポジションスイッチ
(ギヤシフトユニット3Aに内蔵される)、トランスミ
ッション3の出力軸から回転速度を検出する車速センサ
21、トランスミッション3のメインギヤZm1からメ
インカウンタシャフトの回転速度を検出するメインカウ
ンタシャフト回転センサ23、トランスミッション3の
レンジギヤZr1からレンジカウンタシャフトの回転速
度を検出するレンジカウンタシャフト回転センサ17、
エンジン温度(たとえば、潤滑油温または冷却水温)を
検出する手段(図示せず)、が備えられる。
【0019】クラッチ2の自動制御と運転者のマニュア
ル操作に基づく手動制御を切り替えるため、クラッチペ
ダルの初期位置(解放状態)と作動位置(踏込状態)を
検出するクラッチペダルスイッチ24,25が設けられ
る。トランスミッション3の変速指示手段として運転室
にシフトレバーユニット4が備えられ、シフトレバー4
Aのシフト位置に応じた変速指示信号(ニュートラル指
示信号も含む)を出力する。また、車両の変速が運転者
の変速指示に応じて行われるマニュアル変速モードと、
運転状態に応じて自動的に行われるオート変速モード
と、を選択するためのスイッチ5(モード切換スイッ
チ)がシフトレバー4Aのノブに設けられる。運転室に
は、トランスミッション3のシフト位置などを表示する
ディスプレイユニット13と、ブレーキペダル(図示せ
ず)の踏込みを検出するブレーキペダルスイッチ26
と、が備えられる。13Aは警報手段(たとえば、ブザ
ー)である。
【0020】変速制御を司るのがトランスミッション
(T/M)コントロールユニット11およびエンジンコ
ントロールユニット12であり、これらの間はシリアル
通信(LAN)で結ばれる。T/Mコントロールユニッ
ト11において、モード切換スイッチ5がマニュアル変
速モードのときは、シフトレバーユニット4の変速指示
信号がトランスミッション3のギヤポジションスイッチ
に基づくシフト位置と一致しないときに変速指示信号に
対応する目標位置へのシフト要求(変速指令)を発生す
る。モードスイッチ5がオート変速モードのときは、ア
クセル開度センサ28の検出信号および車速センサ21
の検出信号から予め設定の変速マップに基づいて目標段
を求め、この目標段がトランスミッション3のギヤポジ
ションスイッチに基づくシフト位置と一致しないときに
目標段へのシフト要求(変速指令)を発生する。
【0021】これらシフト要求の発生により変速制御が
起動され、T/Mコントロールユニット11およびエン
ジンコントロールユニット12において、そのときの目
標位置へのギヤシフトを円滑に遂行すべく、電子ガバナ
装置1Aとクラッチブースタ2Aとギヤシフトユニット
3Aと、を制御する。図2において、スプリットギヤ列
Zm4−Zc4,Zm5−Zc5は、トランスミッショ
ン3が1段毎に変速する都度、LからHまたはHからL
に切り替わる一方、レンジギヤ列Zr1−Zrc1,Z
r2−Zcr2は、トランスミッション3が1L〜2H
から3L〜6Hまたはその逆方向へ変速するときにの
み、LからHまたはHからLに切り替わるのである。
【0022】レンジギヤ列Zr1−Zrc1,Zr2−
Zcr2の切り替えを伴わない変速制御については、変
速指令(シフト要求)が発生すると、エンジン1のアク
セル開度(燃料噴射ポンプのラック位置)を無負荷状態
へ絞ると共に、クラッチ2を切断する。そして、クラッ
チ2の切断が検出されると、メインギヤ列Zm1−Zc
1〜Zm3−Zc3をニュートラルへセット(ギヤ抜
き)すると同時にスプリットギヤ列Zm4−Zc4,Z
m5−Zc5の切り替えを行う一方、エンジン回転をレ
ンジカウンタシャフト回転とトランスミッション3の変
速完了後のギヤ比(レシオ)とから計算される目標回転
(主変速機のギヤ入れすべき変速段の同期回転)に制御
する。これに合わせてクラッチ2をダブルクラッチ動作
(クラッチ断→クラッチ接→クラッチ断)により、トラ
ンスミッション3のメインカウンタシャフト回転を目標
回転に制御しながら、変速指令に対応するメインギヤ列
Zm1−Zc1〜Zm3−Zc3へのギヤ入れを行う。
その後、このギヤ入れが完了したら、クラッチ2を接続
すると共にエンジン回転の制御をアクセル開度に応じた
通常の制御に切り替えるようになる。
【0023】レンジギヤ列Zr1−Zrc1,Zr2−
Zcr2の切り替えを伴う変速制御については、図3の
ように変速指令が発生すると制御が開始される。ステッ
プ1においては、エンジン1のアクセル開度(燃料噴射
ポンプのラック位置)を無負荷状態へ絞ると共に、クラ
ッチ2を切断する。ステップ2においては、クラッチ2
の切断が検出されると、メインギヤ列Zm1−Zc1〜
Zm3−Zc3をニュートラルへセット(ギヤ抜き)す
ると同時にスプリットギヤ列Zm4−Zc4,Zm5−
Zc5の切り替えを行う。ステップ3において、トラン
スミッション3のギヤポジションスイッチ信号から主変
速機のニュートラルへのセットが判定されると、ステッ
プ4およびステップ5へ進み、エンジン回転をレンジカ
ウンタシャフト回転と変速完了後のトランスミッション
のギヤ比とから計算される目標回転に制御する一方、レ
ンジギヤ列Zr1−Zrc1,Zr2−Zcr2の切り
替えを行う。
【0024】そして、ステップ6において、トランスミ
ッション3のギヤポジションスイッチ信号からレンジギ
ヤ列Zr1−Zrc1,Zr2−Zcr2の切り替え完
了が判定されると、ステップ7〜ステップ9へ進み、変
速指令に対応するメインギヤ列Zm1−Zc1〜Zm3
−Zc3へのギヤ入れを行う。そして、ステップ9にお
いて、トランスミッション3のギヤポジションスイッチ
信号から主変速機の変速指令に対応する変速段へのギヤ
入れ完了が判定されると、ステップ10へ進み、クラッ
チ2を接続すると共にエンジン回転の制御をアクセル開
度に応じた通常の制御に切り替える。その一方、ステッ
プ7〜ステップ9において、変速指令に対応するメイン
ギヤ列Zm1−Zc1〜Zm3−Zc3へのギヤ入れの
開始から規定時間の経過までの間にギヤ入れ完了の判定
が得られないときは、ステップ11以降のリトライ(主
変速機のギヤ入れをやり直す)処理へ移る。
【0025】ステップ11においては、メインギヤ列Z
m1−Zc1〜Zm3−Zc3をニュートラルへ戻す。
ステップ12においては、レンジカウンタシャフト回転
と変速完了後のトランスミッション3のギヤ比とから計
算される目標回転と、エンジン温度の検出値に応じた補
正係数(補正係数>1.0であり、制御マップのデータ検
索により求められる)と、から決定される補正回転(目
標回転×補正係数)にエンジン回転を制御する。そし
て、ステップ13において、トランスミッション3のギ
ヤポジションスイッチ信号から主変速機のニュートラル
へのセットが判定されると、ステップ14およびステッ
プ15へ進み、クラッチ2をダブルクラッチ動作(クラ
ッチ断→クラッチ接→クラッチ断)させる。これによ
り、エンジン1から高めの補正回転がトランスミッショ
ンへ入力される。
【0026】ステップ15において、現エンジン回転と
補正回転との差が規定値以内に達したと判定されると、
ステップ17およびステップ18へ進み、エンジン1の
制御回転を補正回転から目標回転に戻す一方、クラッチ
2を切断し、ステップ7へ戻り、変速指令に対応するメ
インギヤ列Zm1−Zc1〜Zm3−Zc3へのギヤ入
れを行う。回転差が規定値以内に達していない場合、ス
テップ16において、クラッチ2の接続動作から規定時
間以上経過したかの判定を行う。規定時間以上経過した
と判定されると、ステップ17へ進む。以後、ステップ
18を経てステップ7へ戻り、ステップ7〜ステップ9
の制御を行う。なお、ステップ3,ステップ6,ステッ
プ9,ステップ13,ステップ16において、これらの
判定がnoのときは、ワンステップ前の処理にリターン
する。
【0027】図4は、レンジギヤ列Zr1−Zcr1,
Zr2−Zcr2の切り替えを伴う変速制御の内容を説
明する具体例(図2における、2Hから3Lへの変速制
御)のタイミングチャートである。図4において、GSU
(ギヤシフトユニット)の内部にメインギヤ列Zm1−
Zc1〜Zm3−Zc3のシフタを選択するセレクトア
クチュエータと、選択後のシフタを中立位置とその前後
のシフト位置との3位置に切り替えるシフトアクチュエ
ータと、レンジ(RANGE)ギヤ列Zr1−Zcr1,Z
r2−Zcr2のシフタを前後の2位置(HとL)に切
り替えるレンジアクチュエータと、スプリットギヤ列Z
m4−Zc4,Zm5−Zc5のシフタを前後の2位置
(LとH)に切り替えるスプリットアクチュエータと、
が配置される。
【0028】MTRN,MTNは、シフトアクチュエータの制御
バルブ(シフトアクチュエータは、MTRNおよびMTNが作
動すると中立位置、MTRNのみ作動すると後方のシフト位
置、にストロークする)、PTFR,PTNE,PTRRは、シフトア
クチュエータのストローク位置を検出するスイッチ(ギ
ヤポジションスイッチの一部を構成するものであり、PT
FRは前方のシフト位置でのみオン、PTNEは中立位置での
みオン、PTRRは後方のシフト位置でのみオン、にな
る)、MVRHはレンジアクチュエータの制御バルブ(レン
ジアクチュエータは、MVPHのみが作動するとH側のシフ
ト位置、他方の制御バルブMVRLのみが作動するとL側の
シフト位置、にストロークする)、RLP,RHPは、レンジ
アクチュエータのストローク位置スイッチを検出するス
イッチ(RLPはL側のシフト位置でのみオン、RHPはH側
のシフト位置でのみオン、になる)、である。
【0029】2Hから3Lへの変速指令が発生すると、
燃料噴射ポンプのラックが無負荷状態へ絞られる。同時
にクラッチM/V(制御バルブ)がオンされ、クラッチブ
ースタ2Aの伸作動により、クラッチ2が切断される。
クラッチストロークが断位置に達する(クラッチストロ
ークセンサ22によりクラッチ断が検出される)と、ス
プリットギヤZm4−Zc4(L)への切り替えと同期
するよう、MTRNのオンに加えてMTNがオンされ、シフト
アクチュエータの中立位置へのストロークにより、メイ
ンギヤ列Zm2−Zc2のギヤ抜きが行われる。メイン
カウンタシャフト回転は、クラッチ断の時点から自然に
低下する。
【0030】PTFRのオフ後、PINEスイッチのオンによ
り、メインギヤのニュートラルへのセット完了が検出
されると、燃料噴射ポンプのラックをエンジン制御の目
標回転に相当する位置を保つ制御が開始される一方、
レンジ(RANGE)のMVRHがオンされ、レンジアクチュエ
ータの伸作動により、レンジギヤ列Zr1−Zcr1
(H)へ切り替えられる。その後、RLPに代わってRHPが
オンすると、レンジHへの切り替えの完了が判定さ
れ、この判定に応じてGSUのMTNがオフされ、MTRNのみ
がオン状態となり、シフトアクチュエータのストローク
により、メイン1速ギヤZm1へのギヤ入れが行われ
る。メインカウンタシャフト回転は、シンクロ機構の働
きにより同期回転へ調整される。なお、エンジン回転の
制御において、図4のラックおよびエンジン回転は一定
に制御されるかのように見えるが、実際はレンジカウン
タシャフトの検出回転(車速に相当する回転速度)の変
化(つまり、目標回転および補正回転の変化)に伴って
変化する。
【0031】PTNEに代わるPTRRのオンにより、3Lへの
ギヤシフトの完了が判定されると、クラッチM/Vがオフ
され、クラッチブースタ2Aの縮作動により、クラッチ
2が接続され、クラッチストロークが接位置に達する
と、エンジン回転(ラック位置)の制御は、アクセルペ
ダルの踏量(アクセル開度)に応じた通常の制御に戻さ
れるのである。その一方、メイン1速ギヤZm1へのギ
ヤ入れの開始(NTNのオフ)から規定時間の経過までの
間にギヤ入れ完了の判定が得られないときは、リト
ライ処理が開始される。
【0032】すなわち、RENGEのMTRN,MTNが共にオンさ
れ、シフトアクチュエータの中立位置へのストロークに
より、メイン1速ギヤ列Zm1へのギヤ入れがニュート
ラルへ戻され、これと同時にエンジン回転が目標回転
よりも高めの補正回転に制御される。PTNEスイッチのオ
ンにより、メインギヤのニュートラルへのセット完了
が検出されると、クラッチM/Vがオフされ、エンジ
ンの回転が補正回転に対して設定値以内の差に達したら
オンされる。クラッチストロークは、クラッチ断→クラ
ッチ接→クラッチ断、に推移(ダブルクラッチ動作)す
ることになり、トランスミッション3のメインカウンタ
シャフト回転は、エンジンの制御回転(補正回転)によ
り、メイン1速ギヤZm1の同期回転よりも高めに調整
される。クラッチM/Vのオンと同時にエンジンの制御
回転が補正回転から目標回転に戻される一方、クラッ
チM/Vのオン後、クラッチストロークがクラッチ断に達
すると、GSUのMTNがオフされ、MTRNのみがオン状態と
なり、シフトアクチュエータのストロークにより、メイ
ン1速ギヤZm1へのギヤ入れが行われる。
【0033】メインカウンタシャフト回転は、高めの補
正回転からシンクロ機構の働きにより減速されて同期す
る形になり、PTNEに代わるPTRRのオンにより、3Lへの
ギヤシフトの完了が判定されると、クラッチM/Vがオフ
され、クラッチブースタ2Aの縮作動により、クラッチ
2が接続され、クラッチストロークが接位置に達する
と、エンジン回転(ラック位置)の制御は、アクセルペ
ダルの踏量(アクセル開度)に応じた通常の制御に戻さ
れるのである。このリトライ処理において、仮にエンジ
ンの制御回転を補正回転に高めず、目標回転のままダブ
ルクラッチ動作後にギヤ入れを行うと、図中のメインカ
ウンタシャフト回転に加筆の細線で表すようにクラッチ
接からクラッチ断へのクラッチストローク中の回転落ち
により、再びギヤ入れ不良の判定される可能性が高くな
る。図4において、Tは変速指令の発生からリトライ処
理が完了するまでの所要時間を表示する。
【0034】このように、メインカウンタシャフト回転
をギヤ入れすべき変速段の同期回転よりも高めに調整し
てから、その直後に主変速機のギヤ入れをリトライする
ことにより、副変速機のレンジ切り替えを伴う変速制御
を適確に完了できる。このリトライ処理において、主変
速機のギヤ入れすべき変速段のシンクロ機構は、メイン
カウンタシャフト回転を高めの補正回転から同期回転へ
減速させるのであり、トランスミッション内の潤滑油の
撹拌抵抗に助けられながら、メインギヤ回転を同期させ
る形となり、シンクロ負荷も最小限に抑えられる。ま
た、リトライ処理のエンジン回転は、エンジン温度の検
出値に応じた補正回転に制御されるので、低温時(トラ
ンスミッション内の潤滑油の撹拌抵抗が大きくなり、メ
インカウンタシャフトの回転落ちが早く、主変速機のギ
ヤ入れ不良を生じやすい)においても、副変速機のレン
ジ切り替えを伴う変速制御の適確な完了を確保できる。
【0035】なお、リトライ処理前における、主変速機
のギヤ入れに先立ち、エンジン回転の同期制御と副変速
機の切り替え時間を有効活用する具合にダブルクラッチ
動作を行うと、通常状態(低温時などの特別な場合を除
く)のときは、主変速機のギヤ入れ不良の判定が出る可
能性が殆ど無くなり、シンクロ時間およびシンクロ負荷
の極小化が得られるのである。
【0036】図5は、レンジギヤ列Zr1−Zrc1,
Zr2−Zcr2の切り替えを伴う変速制御について、
別の実施形態を説明するフローチャートであり、変速指
令が発生すると制御が開始される。ステップ1において
は、エンジン1のアクセル開度(燃料噴射ポンプのラッ
ク位置)を無負荷状態へ絞ると共に、クラッチ2を切断
する。ステップ2においては、クラッチ2の切断が検出
されると、メインギヤ列Zm1−Zc1〜Zm3−Zc
3をニュートラルへセット(ギヤ抜き)すると同時にス
プリットギヤ列Zm4−Zc4,Zm5−Zc5の切り
替えを行う。ステップ3において、トランスミッション
3のギヤポジションスイッチ信号から主変速機のニュー
トラルへのセットが判定されると、ステップ4へ進み、
エンジン温度(エンジンの冷却水温)の検出値を規定値
と比較する。ここで、規定値は、エンジン回転の制御目
標値(目標回転)を高める補正が必要かどうかを判断す
るための基準温度である。
【0037】ステップ4の判定がno(水温≧規定値)
のときは、通常の変速処理へ行う一方、ステップ4の判
定がyes(水温<規定値)のときは、ステップ5以降
の処理を行う。ステップ5においては、クラッチ2を接
続すると共に、レンジギヤ列Zr1−Zrc1,Zr2
−Zcr2の切り替えを行う。ステップ6においては、
レンジカウンタシャフト回転と変速完了後のトランスミ
ッション3のギヤ比とから計算される目標回転と、エン
ジン温度の検出値に応じた補正係数(補正係数>1.0で
あり、制御マップのデータ検索により求められる)と、
から決定される補正回転(目標回転×補正係数)にエン
ジン回転を制御する。これにより、エンジン1からクラ
ッチ2を介してトランスミッション3へ高めの補正回転
が入力される。
【0038】ステップ7においては、現在のエンジン回
転数と補正回転との差が設定した回転数以内であるかが
判定される。この判定がyesのときは、ステップ9へ
進み、エンジン1の制御回転を補正回転から目標回転に
戻し、ステップ10およびステップ11において、クラ
ッチ2を再び切断すると共に、変速指令に対応するメイ
ンギヤ列Zm1−Zc1〜Zm3−Zc3へのギヤ入れ
を行う。ステップ7の判定がnoの場合、ステップ8に
おいて、ステップ6でのエンジン回転制御開始から規定
時間以内の経過であるかを判定する。規定時間以内であ
れば、ステップ7における判定を行う。規定時間以上経
過の場合、ステップ9へ進む。そして、ステップ12に
おいて、ステップ11のギヤ入れ動作からの経過時間が
規定以上と判定されると、リトライ動作に移る。規定時
間以内の場合は、ステップ13に進み、トランスミッシ
ョン3のギヤポジションスイッチ信号から主変速機の変
速指令に対応する変速段へのギヤ入れ完了が判定される
と、ステップ14へ進み、クラッチ2を接続すると共
に、エンジン回転の制御をアクセル開度に応じた通常の
制御に切り替えるのである。
【0039】通常の変速処理については、ステップ6に
おいて、エンジン1の制御回転が目標回転(レンジカウ
ンタシャフト回転と変速完了後のトランスミッション3
のギヤ比とから計算される)に代わるのであり、目標回
転を高めに補正する処理が省略される。そのため、ステ
ップ7〜ステップ9は削除されるが、それ以外の点はス
テップ6〜ステップ14と同様に処理される。なお、ス
テップ3,ステップ8,ステップ13において、これら
の判定がnoのときは、ワンステップ前の処理にリター
ンする。
【0040】図6はレンジギヤ列Zr1−Zcr1,Z
r2−Zcr2の切り替えを伴う変速制御の内容を説明
する具体例(図2における、2Hから3Lへの変速制
御)のタイミングチャートである。2Hから3Lへの変
速指令が発生すると、燃料噴射ポンプのラックが無負荷
状態へ絞られる。同時にクラッチM/Vがオンされ、クラ
ッチブースタ2Aの伸作動により、クラッチ2が切断さ
れる。クラッチストロークが断位置に達する(クラッチ
ストロークセンサ22によりクラッチ断が検出される)
と、燃料噴射ポンプのラックを調整する制御が開始され
る一方、スプリットギヤZm4−Zc4(L)への切り
替えと同期するよう、GSUのMTRNのオンと共にMTNがオン
され、シフトアクチュエータの動き(中立位置へのスト
ローク)により、メインギヤZm2−Zc2のギヤ抜き
が行われる。
【0041】PTFRスイッチのオフ後、PTNEスイッチのオ
ンにより、主変速機のニュートラルセット完了が検出
されると、クラッチM/Vがオフされ、クラッチブースタ
2Aの縮作動により、クラッチ2がいったん接続され
る。また、クラッチM/Vのオフと同時にレンジ(RANG
E)のMVRHがオンされ、レンジアクチュエータの伸作動
により、レンジギヤ列Zr1−Zcr1(H)へ切り替
えられる。その一方、エンジン温度の検出値に基づい
て、エンジン温度(エンジンの冷却水温)≧規定値のと
きは、エンジンの制御回転に目標回転が与えられ、エン
ジン温度<規定値のときは、エンジンの制御回転に目標
回転よりも高めの補正回転が与えられる。
【0042】メインカウンタシャフト回転は、クラッチ
断の時点から自然に低下するが、主変速機のニュートラ
ルセット完了後、クラッチストロークが接位置に達する
と、エンジン1からクラッチ2を介してトランスミッシ
ョン3へ伝わる制御回転(目標回転または補正回転)に
調整される。つまり、エンジン温度≧規定値のときは、
変速指令(3L)に対応するメイン1速ギヤZm1の同
期回転(目標回転)、エンジン温度<規定値のときは、
同期回転よりも高めの回転速度(補正回転)、に制御さ
れるのである。なお、図6のラックおよびエンジン回転
は一定に制御されるかのように見えるが、実際はレンジ
カウンタシャフトの検出回転(車速に相当する回転速
度)の変化(つまり、目標回転または補正回転の変化)
に伴って変化する。
【0043】その後、エンジンの回転数と補正回転との
差が設定した値以内に達すると、クラッチM/Vがオン
され、クラッチブースタ2Aの伸作動により、クラッチ
が再び切断される。また、クラッチM/Vのオンと同時に
燃料噴射ポンプのラックを目標回転に相当する位置に
調整する(すなわち、エンジン温度<規定値のときは、
エンジン1の制御回転が補正回転から目標回転に戻され
る)。そして、クラッチストロークが断位置に達する
と、GSUのMTNがオフされ、MTRNのみがオン状態とな
り、シフトアクチュエータのストロークにより、メイン
1速ギヤZm1へのギヤ入れが行われるのである。
【0044】その後、PTNEに代わるPTRRのオンにより、
3Lへのギヤシフト(メイン1速ギヤZm1へのギヤ
入れ)の完了が判定されると、クラッチM/Vがオフさ
れ、クラッチブースタ2Aの縮作動により、クラッチ2
が接続され、クラッチストロークが接位置に達すると、
エンジン回転(ラック位置)の制御は、アクセルペダル
の踏量(アクセル開度)に応じた通常の制御に戻され
る。
【0045】このように、副変速機(レンジギヤ列Zr
1−Zcr1,Zr2−Zrc2)の切り替えを伴う変
速制御においては、主変速機(メインギヤ列Zm1−Z
c1〜Zm3−Zc3)のニュートラルへのセット後に
副変速機(レンジギヤ列Zr1−Zcr1,Zr2−Z
rc2)の切り替えが行われ、この切り替えが完了する
と、主変速機のギヤ入れが行われるが、エンジン回転を
目標回転または補正回転に制御しながら、主変速機がニ
ュートラル状態のときにダブルクラッチ動作(図6にお
いて、→→)を行うことにより、メインカウンタ
シャフト回転を変速指令に対応するメインギヤZm1〜
Zm3の同期回転または補正回転に制御するので、主変
速機のギヤ入れに伴うシンクロ時間およびシンクロ負荷
の極小化が得られ、主変速機のギヤ入れ不良を回避しつ
つ、副変速機のレンジ切り替えを伴う変速制御を適確に
完了できる。
【0046】低温時においては、トランスミッション3
内の潤滑油の撹拌抵抗などが大きくなり、メインカウン
タシャフトの回転落ちが早く、主変速機のギヤ入れ不良
を生じやすいなるが、エンジン温度<規定値のときは、
エンジン回転はギヤ入れすべきメインギヤZm1〜Zm
3の同期回転(目標回転)よりも高めの補正回転に制御
され、ダブルクラッチ動作によってトランスミッション
3へ伝えられるので、変速指令に対応するメインギヤZ
m1〜Zm3のシンクロ機構については、トランスミッ
ション内の潤滑油の撹拌抵抗に助けられながら、メイン
カウンタシャフト回転(メインギヤ回転)を高めの補正
回転から同期回転へ減速させる形となり、潤滑油の撹拌
抵抗に受けながら同期回転へメインギヤ回転を上昇させ
るのでないため、低温時のシンクロ負荷も最小限に抑え
られる。図6において、変速時間は、従来のT’からT
に大幅に短縮される。
【0047】なお、主変速機の出力側に配置される副変
速機がレンジ切り替え可能な大減速比型でない場合にお
いても、図3または図5の制御内容を適用することによ
り、同様の効果(ギヤ入れ不良の回避,変速時間の短
縮,シンクロ負荷の低減、など)が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を表す全体構成図である。
【図2】同じくトランスミッションの構成および変速特
性の説明図である。
【図3】同じく制御内容を説明するフローチャートであ
る。
【図4】同じく制御内容を説明するタイミングチャート
である。
【図5】別の制御内容を説明するフローチャートであ
る。
【図6】同じく制御内容を説明するタイミングチャート
である。
【符号の説明】
1A 電子ガバナ装置 2A クラッチブースタ 3A ギヤシフトユニット 4 シフトレバーユニット 11 トランスミッション(T/M)コントロールユニ
ット 12 エンジンコントロールユニット 17 レンジカウンタシャフト回転センサ 21 車速センサ 22 クラッチストロークセンサ 23 メインカウンタシャフト回転センサ 28 アクセル開度センサ 29 エンジン回転センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 雄一 埼玉県上尾市大字壱丁目1番地 日産ディ ーゼル工業株式会社内 (72)発明者 林 哲久 埼玉県上尾市大字壱丁目1番地 日産ディ ーゼル工業株式会社内 Fターム(参考) 3J552 MA04 MA25 PA20 PA51 SA29 SB35 UA03 UA09 VC01W VC07W

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主変速機に副変速機を組み合わせる歯車式
    のトランスミッションと、トランスミッションとエンジ
    ンとの間に介装される機械的なクラッチと、を備える車
    両の自動変速装置において、副変速機の切り替えを伴う
    変速指令が発生するとクラッチを切断すると共に主変速
    機をニュートラルにセットする手段と、そのニュートラ
    ルへのセット後に副変速機の切り替えを行う手段と、副
    変速機の切り替えが完了すると主変速機のギヤ入れを行
    う手段と、主変速機のギヤ入れが完了するとクラッチを
    接続する手段と、を設ける一方、主変速機のギヤ入れ不
    良を判定する手段と、このギヤ入れ不良の判定時に主変
    速機のギヤ入れをリトライする手段として、主変速機を
    ニュートラルへ戻してエンジン回転を主変速機のギヤ入
    れすべき変速段の同期回転よりも高めに制御する手段
    と、クラッチをダブルクラッチ動作させる手段と、ダブ
    ルクラッチ動作がクラッチ断で終了すると主変速機のギ
    ヤ入れを行う手段と、を備えたことを特徴とする車両の
    自動変速装置。
  2. 【請求項2】主変速機に副変速機を組み合わせる歯車式
    のトランスミッションと、トランスミッションとエンジ
    ンとの間に介装される機械的なクラッチと、を備える車
    両の自動変速装置において、副変速機の切り替えを伴う
    変速指令が発生するとクラッチを切断すると共に主変速
    機をニュートラルにセットする手段と、そのニュートラ
    ルへのセット後にエンジン回転を主変速機のギヤ入れす
    べき変速段の同期回転に制御する手段と、同じくニュー
    トラルへのセット後に副変速機の切り替えを行うと共に
    クラッチをダブルクラッチ動作させる手段と、ダブルク
    ラッチ動作がクラッチ断で終了すると主変速機のギヤ入
    れを行う手段と、主変速機のギヤ入れが完了するとクラ
    ッチを接続すると共にエンジン回転の制御をアクセルに
    基づく通常制御に復帰させる手段と、を設ける一方、主
    変速機のギヤ入れ不良を判定する手段と、このギヤ入れ
    不良の判定時に主変速機のギヤ入れをリトライする手段
    として、主変速機をニュートラルへ戻してエンジンの制
    御回転を同期回転よりも高めに補正すると共にクラッチ
    をダブルクラッチ動作させる手段と、ダブルクラッチ動
    作がクラッチ断で終了すると主変速機のギヤ入れを行う
    手段と、を備えることを特徴とする車両の自動変速装
    置。
  3. 【請求項3】主変速機のギヤ入れをリトライする手段に
    おける、エンジンの制御回転は、主変速機のギヤ入れす
    べき変速段の同期回転とエンジン温度に応じた補正値と
    から決定されることを特徴とする請求項2の記載に係る
    車両の自動変速装置。
  4. 【請求項4】主変速機に副変速機を組み合わせる歯車式
    のトランスミッションと、トランスミッションとエンジ
    ンとの間に介装される機械的なクラッチと、を備える車
    両の自動変速装置において、副変速機の切り替えを伴う
    変速指令が発生するとクラッチを切断すると共に主変速
    機をニュートラルにセットする手段と、そのニュートラ
    ルへのセット後に主変速機のギヤ入れすべき変速段の同
    期回転とエンジン温度に応じた補正値とから決定される
    エンジン回転に制御する手段と、同じくニュートラルへ
    のセット後に副変速機の切り替えを行うと共にクラッチ
    を副変速機の切り替え中にダブルクラッチ動作させる手
    段と、ダブルクラッチ動作がクラッチ断で終了すると主
    変速機のギヤ入れを行う手段と、主変速機のギヤ入れが
    完了するとクラッチを接続すると共にエンジン回転の制
    御をアクセルに基づく通常制御に復帰させる手段と、を
    備えることを特徴とする車両の自動変速装置。
  5. 【請求項5】副変速機は主変速機の出力側に配置される
    レンジ切り替え可能な大減速機型であることを特徴とす
    る請求項1〜請求項4のいずれか1つに係る車両の自動
    変速装置。
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